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1999-03-08 第145回国会 参議院 本会議 第6号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十一年三月八日(月曜日) 午後零時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第六号 ─────────────
平成
十一年三月八日 正午 本
会議
───────────── 第一
国務大臣
の
報告
に関する件(
平成
十一年
度地方財政計画
について) 第二
地方税法
の一部を
改正
する
法律案
、
地方
交付税法等
の一部を
改正
する
法律案
及び
地方
特例交付金等
の
地方財政
の
特別措置
に関する
法律案
(
趣旨説明
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件
議事日程
のとおり ─────・─────
斎藤十朗
1
○
議長
(
斎藤十朗
君) これより
会議
を開きます。
日程
第一
国務大臣
の
報告
に関する件(
平成
十一年
度地方財政計画
について)
日程
第二
地方税法
の一部を
改正
する
法律案
、
地方交付税法等
の一部を
改正
する
法律案
及び
地方特例交付金等
の
地方財政
の
特別措置
に関する
法律案
(
趣旨説明
) 以上両件を一括して
議題
といたします。 まず、
自治大臣
の
報告
及び
趣旨説明
を求めます。
野田自治大臣
。 〔
国務大臣野田毅
君
登壇
、
拍手
〕
野田毅
2
○
国務大臣
(
野田毅
君)
平成
十一年度の
地方財政計画
の
概要
並びに
地方税法
の一部を
改正
する
法律案
、
地方交付税法等
の一部を
改正
する
法律案
及び
地方特例交付金等
の
地方財政
の
特別措置
に関する
法律案
の
趣旨
について御
説明
申し上げます。 まず、
平成
十一年度の
地方財政計画
の
策定方針
について御
説明
申し上げます。
平成
十一年度においては、現下の厳しい
経済情勢等
を踏まえ、
景気
に最大限配慮して
実施
される恒久的な
減税
に伴う
影響
を
補てん
するほか、
歳出面
においては、徹底した
行政経費
の
抑制
を
基本
とするとともに、
経済再生
への
対応
、
地域福祉施策等
の
充実
を図り、
歳入面
においては、
地方税負担
の
公平適正化
の
推進
と
地方交付税
の
所要額
の
確保
を図ることを
基本
としております。 第一に、
地方税
については、
個人住民税
の
最高税率
の
引き下げ
及び
定率減税
の
実施
並びに
法人事業税
の
税率
の
引き下げ等
の恒久的な
減税
を
実施
するほか、
非課税等特別措置
の
整理合理化等
の
所要
の
措置
を講じることとしております。 第二に、
地方財政
の
運営
に
支障
が生じることのないようにするため、恒久的な
減税
に伴う
影響額
について、国と
地方
の
たばこ税
の
税率変更
、
法人税
の
地方交付税率
の
引き上げ
、
地方特例交付金
の
創設
及び
減税補てん債
の
発行等
により
補てん
するとともに、それ以外の
地方財源不足見込み額
についても、
地方交付税
の
増額
及び
建設地方債
の
発行等
により
補てん
することとしております。 第三に、
地域経済
の振興や
雇用
の安定を図りつつ、自主的、
主体
的な活力ある
地域づくり
、
住民
に身近な
社会資本
の
整備
、災害に強い安全な
町づくり
、総合的な
地域福祉施策
の
充実
、
農山漁村地域
の
活性化等
を図るため、
地方単独事業費
の
確保等所要
の
措置
を講じることとしております。 第四に、
地方行財政運営
の
合理化
と
財政秩序
の確立を図るため、
定員管理
の
合理化
及び
一般行政経費等
の
抑制
を行うとともに、
国庫補助負担金
について
補助負担基準
の改善を進めることとしております。 以上の
方針
のもとに、
平成
十一年度の
地方財政計画
を策定いたしました結果、
歳入歳出
の規模は八十八兆五千三百十六億円、前年度に比べ一兆四千三百五十二億円、一・六%の増となっております。 次に、
地方税法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。
平成
十一年度の
地方税制改正
に当たりましては、最近における
社会経済情勢等
にかんがみ、
地方税負担
の
軽減
及び
合理化等
を図ることといたしております。 まず、
地方税負担
の
軽減
及び
合理化
を図るための
措置
といたしまして、
個人住民税
の
最高税率
の
引き下げ
及び
定率減税
の
実施
、
法人事業税
の
税率
の
引き下げ
、
住宅
及び
住宅用土地
に係る
不動産取得税
の
課税標準等
の
特例措置
に係る要件の緩和、低
燃費自動車
に係る
自動車取得税
の
特例措置
の
創設等
の
措置
を講じることといたしております。 また、
固定資産税
の
価格等
に係る
審査申し出制度
の
見直し等
を行うとともに、
非課税等特別措置
の
整理合理化等
を行う等
所要
の
改正
を行うことといたしております。 次に、
地方交付税法等
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。 恒久的な
減税
による
減収額
の一部を
補てん
するため、当分の間、
法人税
に係る
地方交付税率
を
引き上げ
ることとし、
平成
十一年度において百分の三十二・五、
平成
十二年度以降において百分の三十五・八とすることとしております。 この結果、恒久的な
減税
による
減収額
以外の
地方財源不足見込み額
に対する
補てん
も合わせて、
平成
十一年度分の
地方交付税
の
総額
につきましては、
交付税特別会計
における
借り入れ等
の
特例措置
を講ずることにより、二十兆八千六百四十二億円を
確保
しております。 また、
単位費用
につきまして、
所要
の改定を行うとともに、
被災者生活再建支援法
の施行に伴う
地方団体
の
負担
に対する
財政措置
を行うこととし、あわせて、
地方分権推進計画
に沿って、
交付税
の
算定方法
の
簡明化
の
一環
として、一部の
経費
について新たに
法律
で定める
単位費用
として算定することとしております。 次に、
地方特例交付金等
の
地方財政
の
特別措置
に関する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。 恒久的な
減税
に伴い
地方税
の
収入
が減少することにかんがみ、
地方公共団体
の
財政
の健全な
運営
に資するため、当分の間の
措置
として、
地方特例交付金
の
交付
その他の必要な
措置
を定めることとしております。 まず、
地方特例交付金
の
総額
は、恒久的な
減税
による
減収総額
の四分の三に相当する額から、
地方
の
たばこ税
の
増収見込み額
及び
法人税
に係る
地方交付税率
の
引き上げ
による
地方交付税
の
増加見込み額
を控除した額とし、毎年度、
都道府県
、
市町村
及び特別区に対して
交付
することとしております。 また、
地方債
の
特例
として、恒久的な
減税
による
減収総額
の四分の一に相当する額について、
減税補てん債
を起こすことができることとしております。 以上が
地方財政計画
の
概要
並びに
地方税法
の一部を
改正
する
法律案
、
地方交付税法等
の一部を
改正
する
法律案
及び
地方特例交付金等
の
地方財政
の
特別措置
に関する
法律案
の
趣旨
であります。(
拍手
) ─────────────
斎藤十朗
3
○
議長
(
斎藤十朗
君) ただいまの
報告
及び
趣旨説明
に対し、質疑の通告がございます。順次
発言
を許します。
高嶋良充
君。 〔
高嶋良充
君
登壇
、
拍手
〕
高嶋良充
4
○
高嶋良充
君 私は、
民主党
・
新緑風会
を代表して、ただいま
議題
となりました一九九九年
度地方財政計画
及び
地方交付税法等
の一部を
改正
する
法律案
、
地方特例交付金等
の
地方財政
の
特別措置
に関する
法律案
について、
総理
及び
関係大臣
に
質問
をいたします。 初めに、
地方財政危機
は日増しに厳しさを増しており、一カ月前に衆議院本
会議
で本
法案
が上程された以降も、その深刻さは一層増大しております。このままでは
地財危機
が
景気回復
のブレーキとなり、
日本経済
の根底を揺るがすのではないか、そんな
危機感
から、我が
民主党
・
新緑風会
はあえて
質問
をさせていただくことを御理解いただきたいと存じます。また、同会派で二名の
質問
をお許しをいただいた
斎藤議長
に心から敬意を表します。 まず
総理
、本日、
中村法務大臣
が
辞任
をされました。
中村法務大臣
は
憲法批判発言
など問題を連発し、法相には不適格であり、
辞任
は当然、遅きに失したと言えるでしょう。問われるべきは、このような人を
法務大臣
に起用し、さらに、疑惑が
表面化
をしても機敏で適切な
対応
をとられなかった
総理
の
責任
はどうされるのでしょうか。
総理
にお伺いをいたします。 続いて、九九年度の
地方財政
について伺います。
地方財政計画
の中で
歳入歳出
の
伸び率
は一・六%増とされていますが、
都道府県
の当初
予算
の
策定状況
を見てみますと、
緊縮予算
を組んでいるところが多く、全体として
マイナス予算
になる
見込み
であります。
地方単独事業
も大幅に縮小されており、
公共事業
を
先導役
として〇・五%の
経済成長
を達成するという
政府
の
見込み
は早くも
破綻
をしているのではないでしょうか。こうした
現状
についてどう考えておられるのか、
総理
及び
経済企画庁長官
の御
認識
をお伺いいたします。
構造改革
が放置されたまま、たび重なる
景気対策
に動員をされ、
自治体
は今体力を使い果たしています。
地方単独事業
どころか、国の
補助事業
にもつき合い切れないという声が聞こえてくるほどであります。
自治体
の
予算編成
では、国の要請する
景気対策
のための
積極的予算
か、それとも市民が求める
財政再建
のための
緊縮型予算
かの二律背反に悩みながら、多くの
自治体
が国の
政策
に背を向けて
財政再建
の道を選択したことは、国の
景気対策
への無言の抵抗であり、
単独事業
の縮小は国の従来型でばらまきの
公共事業政策
の
転換
を求めるシグナルとして受けとめるべきではないでしょうか。
総理
及び
自治大臣
の
所見
をお伺いいたします。
地域経済
を下支えする
自治体
の
公共投資
への
協力
なしに
景気回復
は望むべくもありません。
機能不全
に陥った
国主導
の
セーフティーネット
をつくり変え、国、
地方
間の
税財源
の
配分
を変えるという
構造改革
を今こそ
決断
されるべきであります。
構造改革
なしに、小手先の
応急措置
を繰り返しても
景気回復
が望めないことは、この十年間の経験が示していると言えます。失われた十年という言葉がございますが、これ以上時を失うことは許されません。
セーフティーネット
を
整備
する
重要性
については
総理
も認めておられますが、残念ながら、
総理
には、新たな
セーフティーネット
を担う
主体
が
中央政府
から
地方
にかわらなければならないという
観点
がおありではない。そのために、
税財源
の問題を素通りをして、
市町村
の
取り組み
を支援するといった型どおりの答弁に終わっているのであります。改めて、
セーフティーネット
の再構築と
税財源移譲
による
構造改革
について、
総理
の御見解を伺います。 次に、
地方交付税制度
の問題について
お尋ね
をいたします。 端的に言って、
現行
の
地方交付税制度
は既に
制度疲労
のきわみ、瀕死の状態であります。
全国
三千三百近い
自治体
のうち、
地方交付税
を
交付
されていないのは百二十
団体
でしかありません。九六%の
自治体
が自前の
税収
と
資金調達
で
運営
できないということは、これはもう
制度
が
破綻
をしていると言うほかありません。
総理
はどう思われますか。
自治大臣
の御
所見
はいかがでしょうか。
財政再建
に取り組む
自治体
では、
中央政府
の
歳出拡大路線
をしり目に、身の丈に合った
歳出構造
へ
転換
を図るまさに血のにじむような努力が今続けられているのであります。膨大な
調整財源
と
補助金
を使って
政策
誘導する
現行
の
制度
を維持することは、もはや困難だということは明白であります。
政府
は、これからも従来の手法をとり続けるおつもりですか。
通常収支不足
を
補てん
する
交付税特別会計
の
地方負担分
の借金はどう
処理
をされるのでしょうか。
自治大臣
、今後の
方針
をお示しください。 次に、
地方特例交付金
について
お尋ね
をいたします。
地方特例交付金
は、
地方税
の
代替的性格
を有する
財源
とされています。しかし、
課税権
の
主体
が
地方自治体
である
地方税
とは似て非なるものであります。将来の
税制
の抜本的な
見直し等
が行われるまでの間の
特別措置
ということでございますが、
見直し
の
方向性
を示さないのは無
責任
と言わざるを得ません。将来、
地方税源
は
確保
されるのでしょうか。
自治大臣
、お答えをいただきたいと思います。
最後
に、
自治大臣
、あなたは
新進党時代
からたゆまざる
改革
を標榜され、
改革
の旗手として入閣をされました。私は、あなたの
分権改革
の手腕に期待をしておりました。なのに、先日、自治省の幹部を引き連れて故郷ににしきを飾る
大臣
お
国入り
をされたと聞き、残念でなりません。
大臣
も悩まれた末のお
国入り
と聞きましたが、
自治体
をひざまずかせるような
大臣
お
国入り
は、国と
地方
の対等な
協力関係
を求める
分権時代
にはふさわしくはありません。
総理
及び
自治大臣
の
地方分権
への
決意
を改めてお伺いし、私の
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
国務大臣小渕恵三
君
登壇
、
拍手
〕
小渕恵三
5
○
国務大臣
(
小渕恵三
君)
高嶋良充議員
にお答え申し上げます。 冒頭、
中村法務大臣
の問題について
お尋ね
がございました。 本日午前、
中村法務大臣
から私あてに、自分の言動をめぐって
国会運営
に重大な
支障
を来している
責任
を痛感している、その
責任
をとって
法務大臣
を
辞任
いたしたいとして辞表の提出がありました。 私といたしましては、
国会審議
の
重要性
を
認識
された
中村大臣
の御
決断
を重く受けとめたいと考えております。 さて、次に
地方財政
の
現状
についての
お尋ね
がありました。 現在の
我が国経済
の厳しい
状況
により、
地方財政
は、巨額の
財源不足
が続き、
借入金
が急増するなど、極めて厳しい
状況
にあると
認識
いたしております。したがいまして、このような
地方財政
の建て直しのためにも、
地方交付税
の
増額措置
、
地方特例交付金
の
創設
など、
地方財政
の
運営
に
支障
が生じないよう十分配慮しつつ、
緊急経済対策
を初めとする諸
施策
を
実施
することによりまして、まずは
景気
を
回復軌道
に乗せることが必要だと考えております。
景気
が
回復軌道
に乗った段階におきまして、
地方財政
上の諸
課題
につきましても、
中長期的視点
から幅広くしっかりとした
検討
を行わなければならないと考えております。
政府
の
経済見通し
について
お尋ね
がございましたが、
平成
十一年度には、
金融システム安定化策等
によりまして、
不良債権
の
処理
、
金融機関
の再編が進み、
我が国
の
実体経済
の
回復
を阻害しておりました
要因
が取り除かれると考えます。また、昨年末に成立した十年度第三次
補正予算
のもとで切れ目なく
景気回復策
を
実施
しており、十一年度
予算
におきましても、恒久的な
減税
を初めとして、国、
地方
を合わせて九兆円を超える思い切った
減税
を
実施
するほか、
公共事業
についても大幅な
伸び
を
確保
するなど、積極的な
財政運営
を行うことといたしております。 以上、私としては、いわば背水の陣をしいて思い切った
決断
を行ったところでございまして、このような諸
施策
と民間の真剣な
取り組み
とが相まちまして、十一年度には
我が国経済
の
実質成長率
が〇・五%
程度
まで
回復
するものと強く確信をいたしております。
地方財政
と
公共事業
についての御
質問
でありましたが、現在の
我が国経済
の厳しい
状況
により、
地方財政
が極めて厳しい
状況
にあることは
十分認識
をいたしております。したがいまして、このような
地方財政
の
立て直し
のためにも、
地方交付税
の
増額措置
、
地方特例交付金
の
創設
など、
地方財政
の
運営
に
支障
が生じないよう十分配慮しつつ、
緊急経済対策
を初めとする諸
施策
を
実施
することによりまして、まずは
景気
を
回復軌道
に乗せることが必要であると考えております。 また、
公共事業
につきましては、
情報通信
、都市・
住宅
、環境・教育・
福祉
など
我が国経済
の
活性化
に不可欠な
分野
、安全な国土の
整備
といった
分野
に重点的に
投資
を行うことといたしております。 なお、
公共事業
の
効率化
を図る
観点
から、再
評価システム
の
導入等
の徹底的な
見直し
に取り組んでおるところでございます。
セーフティーネット
について
お尋ね
がありました。 国民に安心を与える
セーフティーネット
につきましては、年金、
医療保険
、
生活保護等
、国が
全国的基準
を定めて
運営
すべき
制度
もありますが、
保健福祉等
、
住民
に身近な
サービス
については
地方公共団体
、とりわけ
市町村
の
役割
が重視されるべきであります。国といたしましても、全体的な
制度づくり
に取り組むとともに、
市町村
の
取り組み
を支援するなど、安心できる
社会サービス等
が提供できるよう努めてまいります。
地方税財源
についての
お尋ね
がありました。
地方税財源
の
充実確保
は、
地方分権
を
推進
する中で極めて重要な
課題
と考えております。今後、
地方分権
の進展に伴いまして、国と
地方公共団体
との
役割分担
を踏まえつつ、中長期的に、国と
地方
の
税源配分
の
あり方
につきましても
検討
しながら、
地方税
の
充実確保
を図るべきと考えます。
地方交付税
の
交付団体
に関連して御
指摘
がありましたが、少しでも多くの
団体
が国からの
財源
に依存することなく、
自主財源
である
地方税
によって自立的な
財政
を営むことができるようにすることが目指すべき
方向
と考えております。一方、
地方団体
間の
税源
の
偏在
が大きな
現状
では、
地方交付税制度
は、
地方自治
を
財政面
で支えるものとして重要な
役割
を担っていると考えております。
地方分権
を
推進
する
決意
について
お尋ね
でしたが、
地方分権
は、二十一世紀にふさわしい
我が国
の
基本
的な
行政システム
を構築するものであります。
地方分権
を積極的に
推進
し、明治以来形成された、国、
都道府県
、
市町村
という縦の
関係
である
中央集権型行政システム
を
改革
し、変革し、対等、
協力
の横の
関係
を構築していきたいと考えております。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣野田毅
君
登壇
、
拍手
〕
野田毅
6
○
国務大臣
(
野田毅
君) まず、
景気対策
の
あり方
についての御
指摘
でありますが、現在の
地方財政悪化
の最大の
要因
は、
我が国経済
の引き続く
低迷
によるものでありますことから、
地方財政
の
立て直し
のためにも、
地方財政
の
運営
に
支障
が生じないよう十分配慮しつつ、
緊急経済対策
を初めとする諸
施策
を
実施
することにより、まずは
景気
を
回復軌道
に乗せるとともに、
住民福祉
の向上を図っていくことが必要であると考えております。 次に、
地方交付税
の
制度
と
交付団体
に関連しての御
指摘
でありますが、
交付団体
となるかどうかは、毎年度策定される
地方財政計画
と
整合性
をもって算定される各
地方団体ごと
の
基準財政需要額
と
基準財政収入額
との
関係
によって決まってくるものであることは御案内のとおりであります。少しでも多くの
団体
が国からの
財源
に依存することなく、
自主財源
である
地方税
によって自立的に
財政
を営むことができるようにすることが目指すべき
方向
と考えております。 他方では、
地方団体
間の
税源
の
偏在
が大きい
現状
であります。不
交付団体
をふやそうとすれば、それ以上に一部の
団体
により多くの
税収
が偏ってしまうという問題もあるところであります。 今後、これらの点も踏まえつつ、
地方分権
の
推進
とあわせて国と
地方
の
役割分担
、国と
地方
の
税財源配分
の
あり方
について
検討
しながら、
地方税財源
の
充実確保
を図ってまいりたいと考えております。 次に、
地方交付税
などの
現行制度
の
あり方
についての御
指摘
でありますが、
地方交付税
は、
地方税
とともに
地方税財源配分
の
一環
をなす
制度
であり、
地域
間の
税源
の
偏在
を前提として
地方団体
間の
財政格差
を調整するとともに、各
地方団体
がその
役割分担
に応じた責務を果たすことができるよう、
財源
を保障するための
制度
でございます。 今後、
地方分権推進計画
の
趣旨
にも沿って、国、
地方
の
役割分担
の
見直し
、それに
対応
した
国庫補助負担金
の
整理合理化
、
地方税財源
の
充実確保
の
推進
を図るべきものと考えておりますが、
地方交付税制度
は
地方団体
の
財源保障等
を図る上で引き続き重要であると考えております。
交付税特別会計
の
借入金
についての
お尋ね
でありますが、
交付税特別会計
の
借入金残高
が急増しているのは、
我が国経済
の
低迷等
により
地方税
や
地方交付税
の原資となる
国税収入
が落ち込む一方で、数次の
景気対策
のための
公共事業
の追加や
減税
の
実施等
によるものと
認識
しております。 したがって、このような
地方財政
の
立て直し
のためにも、
地方財政
の
運営
に
支障
が生じないよう十分配慮しつつ、
緊急経済対策
を初めとする諸
施策
を
実施
することにより、まずは
景気
を
回復軌道
に乗せるとともに、国、
地方
を通ずる
行財政
の
簡素効率化
や、
地方団体
における徹底した
行財政改革
を
推進
することなどによって
地方財政
の
健全化
を進め、そしてできるだけ早期に
借入金残高
の縮減が図られるよう努めてまいりたいと考えております。 将来の抜本的な
税制
の
見直し
の
方向
についてでございますが、第一に、今後、
経済
の
状況
などを見きわめつつ、
経済社会
の構造的な
変化等
に
対応
した
抜本的改革
へ向けて、
個人所得課税
及び
法人課税
の
あり方
について幅広い
観点
から十分
検討
を行っていく必要があると考えます。
個人所得課税
においては、
税率構造
や
課税ベース
、
課税方式
の
あり方等
について全般にわたり
検討
する必要があると考えております。
地域社会
の
費用
を
住民
がその能力に応じ広く
負担
を分任するという
個人住民税
の
性格
も踏まえつつ、幅広い
検討
を行っていく必要があると考えております。
法人課税
においては、
事業税
における
外形標準課税
の
導入
を初め、
課税ベース
のさらなる
適正化
や
連結納税制度
についての
検討
など、国、
地方
を通じた
法人課税
の
あり方
を
検討
する必要があると考えております。
地方税
の
代替的性格
を有する
地方特例交付金
については、抜本的な
税制
の
見直し等
にあわせてその
あり方
についても
検討
されるものでございます。
最後
に、
地方分権
への
決意
についての
お尋ね
でございます。
地方分権
は、国と
地方公共団体
が分担すべき
役割
を明確にし、
地方公共団体
の
自主性
、
自立性
を高め、国と
地方公共団体
とを対等、
協力
の
関係
にしようとするものであります。このため、
地方分権推進計画
の内容を踏まえた
関連法案
を今
国会
に提出するなど、同
計画
を着実かつ速やかに
実施
してまいりたいと考えております。 さらに、
地方分権
の一層の
推進
に向けて、
住民
に身近な
行政
はできる限り
住民
に身近な
地方公共団体
が担っていくということを
基本
として、国から
地方公共団体
への
事務権限
の
移譲
や
地方税財源
の
充実確保
に強い
決意
で取り組んでまいります。 なお、
分権
を進めていくに当たっては、
地方
の声なり実情を直接見聞きすることは極めて大切なことと考えておるところでございまして、今後ともできる限り
地方
の声を聞く機会をつくってまいりたいと考えております。(
拍手
) 〔
国務大臣堺屋太一
君
登壇
、
拍手
〕
堺屋太一
7
○
国務大臣
(
堺屋太一
君)
政府
の
経済見通し
に関する
お尋ね
がございました。
政府
は、
金融システム
の
再生策
、
需要喚起策
、
雇用対策
及び
起業支援
の三点で不況の環を断ち切ることによって、
平成
十一年度の
実質経済成長率
を〇・五%
程度
の
プラス
と見込んでおります。
地方自治体
に対しましては
地方交付税率
の
引き上げ
なども行われておりますので、各
地方公共団体
が、それぞれの
地域経済
の
現状
にかんがみ、
公共事業等
の
景気回復
のための諸
施策
に積極的に取り組んでいただけるものと期待しております。 このようなことも考慮した上で、
政府
といたしましては、
平成
十一年度の
実質経済成長率
を〇・五%
程度
の
プラス
になるものと見込んでいる次第であります。(
拍手
) ─────────────
斎藤十朗
8
○
議長
(
斎藤十朗
君)
藤井俊男
君。 〔
藤井俊男
君
登壇
、
拍手
〕
藤井俊男
9
○
藤井俊男
君 私は、
民主党
・
新緑風会
を代表しまして、ただいま
議題
となりました
地方税法
の一部を
改正
する
法律案
について
質問
いたします。 本題に入る前に、
全国
の
自治体
にとって緊急の
課題
になっている
焼却炉
のダイオキシン問題について伺います。 私の地元でもある埼玉県
所沢
市で起きた一連の
事態
は、皆さん御承知のことと思います。
ダイオキシン汚染
を報じた
テレビ報道
がきっかけとなり、ホウレンソウの取引が一時停止され、
生産農家
に甚大な被害を与えました。
報道
の仕方に問題があったことは事実ですが、もとをただせばダイオキシン問題への
行政
の
対応
が鈍かったことが今回の
事態
を招いたと言わざるを得ません。
所沢
市は
産業廃棄物処理施設
が集中している
地域
で、早くから
住民
が不安の声を上げ、
対策
を求めていたにもかかわらず、
政府
は騒動が起きてやっと調査に乗り出したというのが
現状
です。 初めに、
総理
並びに農林、
自治大臣
、
環境庁長官
のこの問題に対する
対応
の
状況
、
政府
としての今後の
取り組み方針
について御
説明
をいただきたいと思います。
民主党
は、
ダイオキシン類汚染対策緊急措置法案
と
廃棄物処理法改正案
を本院に提出しております。一刻も早い
法律
の制定に向け、
政府
の積極的な
対応
が求められていますが、
小渕総理
はどのようにお考えでしょうか。
国会
や
政府
の
取り組み
を人々は注視しております。
総理
及び
環境庁長官
の明快な答弁を求めます。 続いて、
地方税法
の一部を
改正
する
法律案
について伺います。 まず、恒久的
減税
についてであります。
政府
の
減税
策はまず
最高税率
引き下げ
ありきで、国、
地方
合わせた
個人所得課税
の
最高税率
を六五%から五〇%に
引き下げ
ています。
地方税
は
市町村
の
個人住民税
が一二%から一〇%への
引き下げ
です。この
改正
では、消費性向の高い所得階層は前年度に比べると実質増税になっているわけです。これで
景気対策
になるのか、大いに疑問であります。 我が党はこれまで、
景気対策
としての
減税
策は、中堅サラリーマンに厚い所得税
減税
として、
税率
の一律二割
引き下げ
を国の
責任
と
負担
で
実施
すべきだと主張してきました。
総理
、大蔵
大臣
の見解をお聞かせください。 また、
構造改革
につながる緊急
対策
ということで、基礎年金国庫
負担
の
引き上げ
と年金保険料
引き下げ
、子育て支援手当の
創設等
を一体のものとして打ち出しております。 つまり、今なすべきは
景気回復
、少子高齢化、国際化、
地方分権
に
対応
する
税制
改正
であります。危機とチャンスは紙一重といいます。
財政
危機の今、
地方税
の
減税
をしないことによって、むしろ国、
地方
のゆがんだ
税収
割合を仕事量に
対応
して変えていく絶好のチャンスであると思うのですが、いかがでしょうか。
政府
の
減税
策からは、
税制
改革
の理念が見えてきません。
総理
及び大蔵、
自治大臣
の見解をお聞かせください。 次に、
法人事業税
の
外形標準課税
について伺います。現在、
政府
税制
調査会で
検討
がされているようですが、その進捗
状況
はいかがでありましょうか。 従来、国際競争力の強化を目指す
法人税
の
引き下げ
と
自治体
サービス
に対する応益課税を実現する
外形標準課税
は表裏一体のものとして懸案事項になっていましたが、今回は
税率
引き下げ
が先行しました。今後の
方向性
は明らかにしておくべきだと考えます。 先ほど述べましたように、基礎年金の国庫
負担
引き上げ
等が実現すれば保険料の企業
負担
も
軽減
されますし、
地方税財源
を
充実
させ、
地域
に張られた
セーフティーネット
が機能するようになれば企業単位の
福祉
、
雇用
保障にかかる
負担
も軽くなると思われます。
外形標準課税
が中小零細いじめにならないように、こうした
税制
構造全体の
改革
の
一環
として位置づけていく必要があります。
野田自治大臣
はこの点に強い関心をお持ちのようですが、見解をお聞かせください。
最後
に、国から
地方
への
税財源移譲
について
お尋ね
いたします。 今回の恒久的
減税
に伴う
地方税
の減収二兆五千九百九十五億円の
補てん
策として、
法人税
の
交付税
率
引き上げ
、
たばこ税
の一部
地方
移譲
、
地方特例交付金
の
創設
など、多少の
制度
改正
は図られていますが、国税から
地方税
への
移譲
は
たばこ税
の一千百十三億円にとどまっています。私は、この際、思い切った
税源
移譲
をすべきだと訴えたいと思います。
民主党
は、国、
地方
の
税収
割合を
現行
の二対一から当面一対一にすることを目指して、国税である所得税の比例部分、すなわち一〇%部分を
地方
の固有
財源
とする
法案
を今
国会
に提出する予定です。一〇%分を
都道府県
分、
市町村
分、
財政
調整分に振り分け、
自主財源
で賄える
自治体
をふやすとともに、
財政
力の弱い
自治体
にも配慮した新たな
財政
調整
制度
を
創設
することとしております。
自主財源
の確立は、これまで
総理
も
大臣
も、あるいは
国会
決議においても呪文のように繰り返されてきたのでありますが、もはや唱えていれば安心という時代は過ぎ去りました。
地方
の
自主財源
をどうしたら確立できるのか、その具体策を
総理
の言葉でお聞きしたいのであります。
総理
並びに
自治大臣
の御答弁をお願いします。
財源
の裏づけなき
地方分権
は
分権
の名に値しません。今や実行あるのみであることを強調して、私の
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
国務大臣小渕恵三
君
登壇
、
拍手
〕
小渕恵三
10
○
国務大臣
(
小渕恵三
君)
藤井俊男
議員にお答え申し上げます。 ダイオキシン問題について
お尋ね
がございました。 この問題は、私の旨とする安全へのかけ橋を築いていく上で、緊急に取り組まなければならない最重要
課題
の一つと受けとめております。
所沢
の問題につきましては、
関係
省庁の調査を急ぎ進めるとともに、ダイオキシン
対策
関係
閣僚
会議
を開催いたしたところであり、
政府
一体の
対策
をさらに
推進
するため、ダイオキシン
対策
の
基本
方針
を早急に取りまとめてまいりたいと思います。 ダイオキシン
対策
法及び廃棄物
処理
法
改正
法案
の早期制定についてでございますが、ダイオキシン
対策
につきましては、既存の法
制度
を十分に活用し、最新の知見を踏まえつつ、ダイオキシン
対策
関係
閣僚
会議
の開催を通じまして、効果的かつ総合的な
対策
の
推進
を図ってまいりたいと考えておりますが、なお各党から参議院に提案されている
関係
法案
につきましても、その内容を十分勉強させていただきたいと考えております。 次に、
景気対策
としての
減税
策は、
最高税率
引き下げ
によってでなく、所得
税率
の一律二割
引き下げ
を行うべきとの
お尋ね
でありました。
我が国
の
個人所得課税
の
最高税率
は国際的に見ましても高い水準となっておりまして、
我が国
の将来を見据え、国民の意欲を引き出す
観点
から、ぜひとも早期に
引き下げ
ることが必要であり、今回の
見直し
において実現することといたした次第であります。 また、現下の厳しい
経済
情勢にかんがみ、早急に税
負担
の
軽減
を図る
観点
から、
課税ベース
や
課税方式
の抜本的
見直し
を伴わずに恒久的な
減税
を行う方式として、納税者ごとの税
負担
のバランスをゆがめない
定率減税
をとったところでございます。 なお、今回の
見直し
におきまして、
定率減税
に頭打ちを設け控除率をある
程度
大きくすることによりまして、中堅所得者層に配慮するとともに、一定の扶養控除額の加算を行うことにより、子育て、教育等の
負担
のかさむ世帯に配慮いたしておるところでございます。
地方税
の
減税
をしないことによって国、
地方
の
税収
割合を変えるべきとの
お尋ね
でありました。 今回の恒久的な
減税
は、
景気
に最大限配慮して
実施
するものであり、極めて厳しい
地方財政
の
状況
等を踏まえ、国、
地方
の
負担
割合を定めたものであります。
税制
改正
の理念についてでありますが、
平成
十一年度
税制
改正
におきまして、
経済社会
の構造
変化等
に
対応
するとともに、現下の厳しい
経済情勢等
を踏まえまして、
景気
に最大限配慮して、
個人所得課税
及び
法人課税
について恒久的な
減税
を
実施
するとともに、
住宅
建設及び民間設備
投資
の促進、
経済
・金融情勢の変化への
対応
等の
観点
から適切な
措置
を講ずることといたしております。
最後
に、所得税の一〇%部分を
地方
に移転してはどうかという御提案でありました。 所得税は国税の中でも基幹税であること、また、諸外国に比べて
負担
が相当低いものとなっていること等についても留意しなければならず、現下の国と
地方
をめぐる諸
状況
のもとでは困難な問題ではないかと考えます。 いずれにしても、
地方税財源
の
充実確保
は、
地方分権
を
推進
する中で極めて重要な
課題
と考えております。今後、
地方分権
の進展に伴いまして、国と
地方公共団体
との
役割分担
を踏まえつつ、中長期的に、国と
地方
の
税源配分
の
あり方
につきまして
検討
しながら、
地方税
の
充実確保
に図るべきと考えております。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣野田毅
君
登壇
、
拍手
〕
野田毅
11
○
国務大臣
(
野田毅
君) まず、ダイオキシン問題についての
お尋ね
でありますが、自治省におきましても、
地方公共団体
が
実施
するごみ焼却施設の
整備
、産業廃棄物
処理
事業者の指導、ダイオキシン調査等について必要な
財政措置
を講じているところであります。今後とも、ダイオキシン
対策
関係
閣僚
会議
の場など、
関係
省庁とも十分な連携を図りつつ適切に対処してまいる所存であります。
地方税
の
減税
をしないことによって国、
地方
の
税収
割合を変えるべきであるという
お尋ね
でございました。 今回の恒久的な
減税
は
景気
に最大限配慮して
実施
するものでありまして、極めて厳しい
地方財政
の
状況
や
地方分権
の
推進
などの
観点
を踏まえ、国、
地方
の
負担
割合を定めたものであります。
減税
による
地方
の減収分についても、国と
地方
の
たばこ税
の
税率変更
による
地方
たばこ税
の増収
措置
、
法人税
の
地方交付税率
の
引き上げ
、
地方特例交付金
の
創設
など、
地方財政
の
運営
に
支障
が生じないようできる限りの
措置
を講ずることとしたところであります。
地方分権推進計画
では、
地方
における歳出規模と
地方税
収入
との乖離をできるだけ縮小するという
観点
に立って
地方税
の
充実確保
を図ることとされておりまして、今後、この
地方分権推進計画
に沿って
地方税源
の
充実確保
を図ってまいりたいと考えております。 次に、今般の
税制
改正
の理念についての
お尋ね
でございました。 今般の
税制
改正
においては、将来の抜本的な
見直し
を展望しつつ、現下の厳しい
経済
状況
にかんがみ、早急に税
負担
の
軽減
を図る
観点
から、期限の定めのない恒久的な
減税
を
実施
することとしたところでございます。
地方分権
の進展に応じて
地方団体
がより自主的、自立的な行
財政運営
を行えるようにすることは極めて重要でありまして、今後、こうした
観点
に立って
地方税源
の
充実確保
を図ってまいりたいと存じます。 次に、
法人事業税
の
政府
税制
調査会における
検討
状況
についての
お尋ね
でございました。 現在、
地方
法人課税
小委員会において、知事や
経済
団体
からのヒアリング、諸外国の
状況
調査、委員レポートなどを含め十回にわたり審議を重ね、精力的に
検討
が進められておるところでございまして、昨年十二月に出されました答申におきましても、早急に
方向性
を示すべく引き続き
検討
を進めるという旨の答申が出されております。 次に、
法人事業税
への外形基準の
導入
についての考えを聞くということでございました。 これは、第一に、
都道府県
の
税収
の安定化を通じて
地方分権
の
推進
に資するものであること、第二に、応益課税としての税の
性格
の明確化につながること、第三に、薄く広く税
負担
を分任することなどの意義を有するものでありまして、
税制
の
あり方
として、特に
地方税
の
あり方
として望ましい
方向
であると考えております。 今後、外形基準の
導入
に伴う税
負担
の変動、
経済
活動への
影響
、中小法人の取り扱いなどなど問題がございます。これらの問題への
対応
も含め、精力的に
検討
を進めていく必要があると考えております。
最後
に、
地方税源
についての
お尋ね
でございます。
地方分権
の進展に応じて、
地方団体
がより自主的、自立的な行
財政運営
を行えるようにするとともに、
景気
の変動等の
影響
を受けにくいように
地方団体
の
財政
基盤を
充実
強化していくことは極めて重要な
課題
でございます。 今後、
地方分権推進計画
を踏まえ、所得、消費、資産等の間におけるバランスのとれた
地方税
体系や、
税源
の
偏在
性が少なく
税収
の安定性を備えた
地方税
体系の構築などに努め、
地方税源
の
充実確保
を図ってまいりたいと考えております。その際には、御
指摘
の国税から
地方税
への
税源
移譲
についても総合的に
検討
してまいりたいと考えております。(
拍手
) 〔
国務大臣
中川昭一君
登壇
、
拍手
〕
中川昭一
12
○
国務大臣
(中川昭一君)
所沢
市のダイオキシン問題についての
お尋ね
でございますが、二月一日、テレビ朝日の極めて不適切な
報道
により、
所沢
産のホウレンソウの取り扱いの停止あるいは価格の低落がもたらされたことに加え、消費者の間でも不安感が広がりました。 このため、農林水産省といたしましては、量販店や卸売
関係
者等の業界
団体
に冷静な
対応
をお願いするとともに、県の調査と連携して環境庁、厚生省と緊急調査を
実施
しているところであります。 ダイオキシン問題は食品の安全性にかかわる重要な問題であると
認識
をしておりまして、現在のところ科学的知見が十分でないので、早急にその蓄積を図る必要があります。 このため、農林水産省では、これまで魚介類、牛乳についての実態調査を
実施
してまいりましたけれども、これに加えて、
平成
十一年度から土壌あるいは野菜を含む農作物についても、
全国
的な実態を把握するため調査を
実施
する
方針
でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
真鍋賢二君
登壇
、
拍手
〕
真鍋賢二
13
○
国務大臣
(真鍋賢二君)
所沢
におけるダイオキシン問題についての
お尋ね
でございますけれども、現在、環境庁、そして厚生省及び農林水産省の三省庁の連携による調査を、埼玉県の
協力
を得ながら進めているところであります。また、作物、土壌、大気などの検体の採取はすべて終了いたしまして、三月末までに結果を公表すべく取り組んでおるところでございます。 環境庁としては、ダイオキシンによる環境汚染は国民の健康にかかわる重要な問題であると
認識
しており、従来から各般の
対策
を講じております。 具体的には、一つといたしまして厚生省とともに耐容一日摂取量の
見直し
、二番目に大気汚染防止法によるダイオキシン排出
抑制
措置
、三番目に
平成
十年度における
全国
一斉調査、四番目に土壌汚染
対策
のための暫定ガイドライン設定のための
検討
などを行っております。 また、
所沢
の問題にかんがみ、
政府
全体としてダイオキシン
対策
を進めるために、
関係
閣僚
会議
を設置いたしまして、三月中に
政府
としてのダイオキシン
対策
基本
指針を取りまとめることにいたしております。 次に、ダイオキシン類の汚染
対策
緊急
措置
法の早期制定についての
お尋ね
でございますが、ダイオキシン問題は国民の健康にかかわる環境保全上の重要な
課題
と
認識
しており、従来から廃棄物
焼却炉
に対する規制等各般の
対策
を進めてまいりました。ダイオキシン
対策
については、環境庁としましては、既存の法
制度
を十分に活用するとともに、最新の知見を踏まえつつ、ダイオキシン
対策
関係
閣僚
会議
の場を通じて幅広い
観点
から総合的な
対策
の確立及びその
推進
を図ってまいりたいと思っています。 なお、
民主党
から提出されておりますダイオキシン類の汚染
対策
緊急
措置
法案
については、内容をよく勉強させていただいております。 以上でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
宮澤喜一君
登壇
、
拍手
〕
宮澤喜一
14
○
国務大臣
(宮澤喜一君) 大部分は
総理
大臣
が既にお答えになられましたので、残りました一点だけ申し上げます。 このたびの
予算編成
でやはり一番難しかったのは
地方財政
の問題であったわけでございますが、その中で、先ほど
お尋ね
のございました、この際
地方税
を
減税
すべきかどうかということについて、
自治大臣
と何度も
予算編成
の過程で御相談をいたしました。 実は、所得課税と
法人課税
の
減税
につきましては、内閣発足の当初に、所得課税は四兆円、法人は二兆円と大まかな合意はあったわけでございますが、それを中央と
地方
でどう分けるかということで
自治大臣
と長い折衝をいたしました。 私は、実は初め、六五%の所得課税を五〇にするということは決めておりましたので、それは国税を四〇にして
住民
税を一〇にしていただければ五〇と、こう考えておりましたが、
地方財政
の御都合でどうしても
住民
税を一〇にすることは問題があると言われまして、結局、私はそのお立場はよく理解できましたので、国税を三七にいたしまして
住民
税を一三といたしました。三七というのは実は国税としてはかなり低い
税率
でございますが、これはしかし、
地方財政
から考えるとやむを得ないと思いました。 同じことは
法人課税
にもございまして、
法人事業税
をなかなか切り込めない、
減税
コストが大きいということで、これも国の方が三〇という、三〇というのはこれもかなり低い
税率
でございますが、いたしました。 それで、
減税
による
地方
の御
負担
を少なくしておきました上で、先ほど御
質問
にございましたような、あるいは
自治大臣
のお話にもございましたような、国としても異例な
措置
を講じたということで、
地方財政
の
現状
には重大な関心を持っております。(
拍手
)
斎藤十朗
15
○
議長
(
斎藤十朗
君) これにて質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十八分散会 ─────・─────