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阿曽田清君 フランスで私はこんなことを質問したんです。
日本では直接個人に助成金を出すことは
国民的合意が得られにくいので、だから直接助成金というのは難しいので、たまたま
農業政策の一環として移譲年金ということで老齢年金よりも倍の金額を積み立てて、やめていく
方々に出しているんですよと、こんな話をしましたら、
日本でも無利子資金とか低利融資資金というのがあるんでしょう、それは間接的に
農業者に個人的に税金を使っているのと一緒じゃないですかと言われました。
フランスがやっていること、これは非常に自信を持って言っていらっしゃいましたけれ
ども、
農業につくということが
一つの誇りなんだ、
一つのステータスなんだというようなことを
農業者自身が持てる国がフランスですよという言い方も自信を持って担当課長はおっしゃっていました。
なるほど、直接助成金をやるのがどうかなと私なりに行くまでは思っておりましたけれ
ども、そう言われれば、間接的に無利子の資金を出してやるのも間接的に税金を使っているのと一緒じゃないか、あるいは移譲年金で八百億ぐらい国から農林年金基金に出しておる金もある
意味では税金じゃないかと。そうするならば、そういう経営責任を伴った時点でこれから自分が
農業をこういうスケジュール、プランを出して取り組んでいこうとするやる気のある
農業者に対して、いわゆる投入といいますか支度金といいますか、そういう形で支えてやる、そういう
農業者として資質を認めた人間はそういう形で支えていく。これは私は
農業観というのががらっと変わってくると思うんですよ。
今まで、くどいようですけれ
ども、後継ぎだから能力のあるなしにかかわらず後を継いでいるところが
実態はみんな借金を抱えてもうどうしようもない不良資産農家に落ちているという事例は極めて多いわけでありますから、私は、
農政の
一つの
発想の
転換を二十一
世紀に向かって
日本の
農業も変えていけば、
農業をすることは優秀な人間でなきゃできないし、
農業をすることは本当にすぐれた人間がすることだというようにいわゆるイメージが変わってくるだろうというふうに思いますと、
農村というのは逆にすばらしい
方々が
農村を守り育てていくことにつながっていくのじゃなかろうかなと思いますので、
大臣の二十一
世紀に向かっての思い切った
取り組みをひとつ期待いたしたいと思います。
時間がございませんので、あと一点。
これは、労働省おいでになっていますか、もう再三質問いたしておりますので経過はわかっておられると思いますけれ
ども、
農業者の労災保険の問題でありますが、篤と昭和四十二年に伊東正義先生が質問されて以来、何ら進んでいない。少しずつ
条件は緩和されてきておりますけれ
ども、意図されているものにまだなっていない、もう三十年ぐらいたつんですけれ
ども。それでも地元の管内でことし五十二名の方をこの労災特別加入に入れました。だけれ
ども、みんなが言うには、
農業をやっている家庭の中で限定つきの災害しか適用にならないというのはやっぱり魅力を欠くということであります。
ですから、ここでひとつ労災保険問題も
農業者にも漁業者と林業者と同じようにオール圃場で起こった事故に対しては労災の適用をする。今までは、
農薬で事故が起こった、サイロにおっこちて事故が起こった、馬や牛にけられて事故が起こった、動力機を使っている部分で事故が起こった、そして二メーター以上の高いところからずっこけて事故が起こった、この五つしか適用にならないというのは私は片手落ちだというふうに思います。
前の
大臣も労働省とよく相談して進めますというようなことでありましたが、一向だに進んでいないようでありますから、ここでひとつ労働省の方からの御答弁をいただき、また
大臣からの所見もいただきたいと思います。