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1999-03-23 第145回国会 参議院 地方行政・警察委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年三月二十三日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小山 峰男君     理 事                 釜本 邦茂君                 松村 龍二君                 輿石  東君                 山下八洲夫君                 富樫 練三君     委 員                 井上 吉夫君                 鎌田 要人君                 木村  仁君                 久世 公堯君                 谷川 秀善君                 保坂 三蔵君                 高嶋 良充君                 藤井 俊男君                 魚住裕一郎君                 白浜 一良君                 八田ひろ子君                 照屋 寛徳君                 高橋 令則君                 松岡滿壽男君                 岩瀬 良三君    国務大臣        自治大臣        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    野田  毅君    政府委員        警察庁長官    関口 祐弘君        警察庁長官官房        長        野田  健君        文部省高等教育        局長       佐々木正峰君        厚生省児童家庭        局長       横田 吉男君        建設省道路局長  井上 啓一君        自治政務次官  田野瀬良太郎君        自治大臣官房長  嶋津  昭君        自治大臣官房総        務審議官     香山 充弘君        自治省行政局長        兼内閣審議官   鈴木 正明君        自治省財政局長  二橋 正弘君        自治省税務局長  成瀬 宣孝君        消防庁長官    谷合 靖夫君    事務局側        常任委員会専門        員        入内島 修君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○地方税法の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) 〇地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) 〇地方特例交付金等地方財政特別措置に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) 〇地方行財政、選挙、消防警察、交通安全及び  海上保安等に関する調査  (地方財政拡充強化に関する決議の件) 〇新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の  特別措置に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) 〇消防施設強化促進法の一部を改正する法律案(  内閣提出衆議院送付) 〇警察法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 小山峰男

    委員長小山峰男君) ただいまから地方行政警察委員会を開会いたします。  地方税法の一部を改正する法律案地方交付税法等の一部を改正する法律案地方特例交付金等地方財政特別措置に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 輿石東

    輿石東君 おはようございます。民主党・新緑風会の輿石東ですが、前回に引き続いて質問をさせていただきます。  これまでの審議の中で、既に地方税財政一般の問題についてはほとんど議論が尽くされているというふうにも思いますし、また危機的状況にある地方財政の問題も繰り返しになってしまうという面もあろうかと思いますので、きょう私は、前回大臣から御答弁をいただいたその答弁にも触れながら、また同僚委員からの質問にもありました答弁を踏まえて、もう一歩踏み込んだ大臣のお考えをいただければと思います。  まず、地方税関連で何点かお伺いしたいと思います。  先日来、地方財政危機的状況についてはいろんな角度から審議をされてきたわけですけれども、もう百七十六兆円の借金になってしまったとか、ことしの財源不足も十三兆円、こんな話がずっと続いているわけです。この危機的な状況というのはさまざまな要因があると思いますけれども、その最大の要因は何といってもかつて我が国が経験したことのない景気の低迷にあることは事実であろうと思います。しかし、その根本的な原因というのが、やっぱり税収段階では国と地方が二対一、歳出段階で一対二というこの乖離を縮小すべきだという指摘もあるわけですが、ここに根本的な原因があるのではないかというふうに私は認識をしているわけであります。  そうした状況を踏まえまして、私はそういう問題意識を持ちながら、少なくとも現在のこの交付税の複雑な貸し借りによる地方財政対策というような形ではない方法も今後考えていかなければならないだろうというふうに思っています。  現在の国と地方の間における歳入と歳出乖離が毎年度自治省と大蔵省に依存せざるを得ない結果をもたらしてきて、結局地方としては国の地方財政対策に依存をしていかなければならない、こういう構造になっているだろう、こう思っております。  このように地方自治体基本的にあるいは構造的に国の地方財政対策に依存しなければ何もできない、こういうような言い方をしてもいいのではないか、こう思っています。現在のこのような財源不足という局面を迎えますと、殊さら象徴的にこういう現象があらわれているのだろうとも思うわけであります。  そこで、私はそんな問題意識も持ちながら、前回大臣に、私たち民主党主張しております国税である所得税の一〇%部分地方税である住民税財源移譲したらどうか、こういう主張もさせていただいたわけですけれども、これに対してどう評価されているかという私の質問に対しまして大臣は次のようにお答えをいただいたというふうに思います。個人所得税基本的な性格やそれから所得税を含めた個人住民税の全体の基本的なあり方を踏まえ幅広い視点からの検討が必要ではないか、そういう趣旨答弁だったというふうに思います。きょうはもう一歩踏み込ませていただいて、大臣のこの点についてのお考えを伺いたいというふうに思っているわけであります。  まず最初に、個人住民税とはどのような性格の税であるかというようなことをお伺いしたい、こう思っています。  言うまでもなく、個人住民税均等割所得割、この二つの部分から成っているわけですけれども、この均等割部分では、その自治体に住んでいる住民が会費的あるいは割り勘的に納める、そういう性格のものだろう、私はこう思っております。さらに所得割部分では、いわゆる負担分任といいますか負担を分かち合う、こういう意味で応能課税的な性格を持っているのかな、こんなふうにも思っていますけれども、それだけではなくて、ここの部分について自治体から受けているサービスの代価といいますか見返りとしての応益的な部面、そういう性格の面で払っているという、そういう部面もあるだろう。  そこで大臣は、このような個人住民税基本的な性格についてどのように考えておられるか、改めてお聞きしたいというふうに思います。
  4. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 住民に身近な仕事住民に身近な地方公共団体が主体的に責任を持ってその役割を担っていくということが地方自治の一番の基本原則であることは当然だと思いますし、そういう意味地方自治体行政サービスを支えていく財政的な裏づけをどういう形で保障していくか、そういう点で、まず地域住民自分たち行政サービスに対する財政的な責任もあわせてみずからの責任において担っていくということは基本的な発想であろうとは思います。  そういう意味で、御指摘のとおり、それをどういう仕組み負担をし合うかということが地方税仕組み考える上で大事なポイントであろうかと思いますが、その際に、地域社会の費用を住民がその能力に応じて広く負担を分任していくという発想も必要だ、これは今住民税世界において御指摘のとおり均等割と同時に所得割とがある、こういうことだろうと思うんです。そういう点で所得税と多少違う部分制度的にあるだろうと思います。  それは今の均等割所得割という考え方一つあるでしょうし、いま一つはそれに関連してのいわゆる課税最低限レベルの問題があると思いますし、それからいわゆる税率累進度の問題があろうかと思います。いずれにしても、必ずしもそういう点で所得税と同じような形でいかなければならぬということとはおのずから異なるのではないかというふうに考えております。  さらにまた、いろんな政策的なアプローチからの特別措置といいますか、そういう政策税制をどういう形の中で表現するかということについても、おのずから国税とそれから地方税、特に個人住民税世界の中でそれの表現の仕方が異なってくるというのは当然あってしかるべきであるというふうに考えておりまして、そういう点で地方税の根幹をなす基幹税一つであるという位置づけは変わらないというふうに考えております。
  5. 輿石東

    輿石東君 今、大臣所得税住民税の相違について、課税最低限の問題や税率累進度の問題についても触れていただいたわけですが、いずれにいたしましても、地方税の基幹的な財源である住民税、この住民税という地方税財源地方分権との関連の問題で、地方分権推進委員会税財源検討グループの座長をやっておられます東大経済学部教授であります神野教授は、この地方財源を拡充するという提言をされておるわけですけれども、その教授考え方にも触れさせていただきながら、もう少し議論させていただきたい、こう思うわけであります。  神野教授は、地方分権推進のためには国税から地方税への大幅な移譲が必要ではないか、そういう主張をされております。国から地方への財源移譲の問題について再度お伺いしたい、こう思っておるわけです。  教授主張というのは、これまでの地方自治体の提供するサービスというのは、警察とか消防とか公共事業、こういった資産保護とか資産価値を高める、そんなものに中心が置かれていたけれども時代は大きく動いてきて少子高齢化という時代を迎えている。こうしたサービスに加えて、福祉とか医療とか教育といった対人サービスという面を相当考えていかなければならない時代に入ってしまったと。  この福祉とか医療とか教育といった対人サービスは、今までは家庭とか地域の中で解決されていた面があるわけですけれどもひとり暮らしの老人が多くなってしまったとか、とりわけ介護保険が来年から入ってくるというような状況で、もう地域家庭では手に負えない、これにかわって自治体がやっていかなければならない。そうした自治体自身が持つ歴史的な役割というものも大きく変化してきている。こういうときだから、この辺への対人サービスに対する諸手当てをどうしていくかという面から、この問題も考えていかざるを得ないようになってきたのではないか。したがって、その対人サービスにかかわる財源をどう求めるかということからいえば、福祉とか医療とか教育等サービス性格からいっても、むしろ所得に比例的に負担をする地方税、こういうようなものも考えていかなければならないのではないか、こういうような主張であります。  したがいまして、所得税基礎的部分個人住民税移譲して、個人住民税税率を比例税率化していくべきであるというのがこの教授の主な主張だというふうに私たちはとらえていますし、この問題は私ども主張する部分と重なってもおりますし、理論的に支持をしてくれているのではないか、こういうふうに受けとめているわけであります。  これまでここの問題についての大臣答弁をお伺いしていますと、現在はかつてない不況の中にあるわけだから、国も地方も大幅な税収減の中にあって、今この時点でなかなかそうした本質的な議論をする環境にはない、こんな趣旨答弁をされていると思いますけれども景気がよくなってからこの問題を考えていけばいいということではなくて、今からどうしていくのかということを考えておくことが非常に重要な問題であるというふうにとらえていますので、このような神野教授指摘も踏まえまして、所得税住民税への一部移譲について大臣はどのように考えておられるか、改めてお聞きしたいというふうに思います。
  6. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 一つ考え方として十分傾聴に値するというふうに考えておりますが、多面的な考察が基本的には必要だろうとは思います。人的サービスという形あるいは資産に対するサービスという形という切り口で展開していく、それはそれで一つ考え方とは思うんですが、もう少し多面的な地方団体役割についての切り口もあろうかとは思います。  ただ、税の方向として、地方自治体仕事を支える税の方向性あり方論として、今の所得税それから住民税、この両方を考察した上で、一〇%以下の部分について国税から地方税移譲しようという発想については、自治体景気変動に耐え得るといいますか、そういう安定的な税収を確保するという発想においては傾聴すべき意見であると私も認識をいたしております。  ただ、それを具体的にではどういうふうに本当に制度として仕組んでいくかということを考えました場合に、幾つか技術的な問題点もあろうかとは思います、考え方問題点もあろうかとは思うんです。それは、一つ課税最低限をどうとらえるかという問題が現実問題としてはありましょうし、そういう意味から住民税は、少なくとも累進度はそれほど強くなくていいから、納税義務者の方を問題にするというか重視しているという、税率よりもそちらの方を重視しているという要素があることはもう御案内のとおりであります。  そういう意味で、最高税率そのものがはるかに低いレベルになっておるという現実に既になっているという姿があるわけで、今のお話は、どういうふうに統合するかというある種の課税標準、つまり税の仕組みとして、ある意味では統合論に近いようなことにあるいはなっていくのかなと思ってみたり、統合ということになっていくとどういうことになるのかなと。アメリカにおける州税連邦税のような形でお考えになっているのか、多少そのあたりも勉強してみなければ、その主張の背景、制度論というのは勉強する余地があると思います。  いずれにしましても、国と地方税源配分ということまで突っ込んでいかないと、これから二十一世紀を展望した本当の意味での地方分権地方主権が推進されていった場合の地方税財源あり方として必ずしも十分ではないのではないか、そういう中で、国、地方税財源の再配分問題、ここのところを今すぐ結論を出すのはまだ早いのではないかということはかねてから申し上げておるとおりであります。
  7. 輿石東

    輿石東君 今御答弁いただいた、国と地方税財源配分、今もありましたように税の仕組みとして統合的に考えるのか、課税最低限の問題もある、こういうお話ですけれども、ぜひ大臣におかれましてもこの検討をしていただきたいと強く要請を申し上げまして、あわせて消費税の問題についてちょっとお伺いをしたいと思います。  消費税の問題については、既に予算委員会等でも、予算総則に位置づけた十一年度のこの方法について賛否いろいろ議論がありました。どうして総則なのかというような問題も含めまして、消費税福祉目的化あるいは福祉目的税化議論がこれまでもされてきたというふうに思いますけれども、その場合に、消費税税率の引き上げとか引き下げの議論の中で私はちょっと気になる点が幾つかあるわけですが、それは地方消費税分を明確に区分した議論あるいは地方交付税分を明確に分けた議論というものがなかったのではないかというような感じもするわけであります。  一方では、特に本年度の恒久的な減税の国、地方の分担の議論において、地方サイドとりわけ地方団体等からは、地方分権を進めていくのにはどうしても地方財源が必要である、それを支えるためにも消費税の一%分を地方消費税移譲していくという方法もあるではないか、したがって現行の一%から地方消費税を二%にすべきであるというような主張も聞かれてきたわけでありますけれども、このような消費税あり方議論について、地方消費税地方交付税分を含めてどうするかといった議論が必要だというふうに考えるわけであります。  そこで、大臣消費税福祉目的化あるいは福祉目的税化議論についてどのように考えられているか、お聞きをしたいというふうに思います。
  8. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 結論からいいますと、私は、国税たる消費税とそれから地方消費税は、まさに地方消費税創設をされた、一%といえどもこれが創設をされたということは、これからおのずから質的に異なった歩みを始めていっていいスタートであったというふうに認識をいたしております。  そういう点で、私ども今日まで所属しております政党としては御案内のとおりの、消費税についてはその使途を福祉目的、特にこれからの高齢社会に対応する所要経費介護高齢者医療そして基礎年金という三つに限定すべきであるということは主張して、今日も主張しておるわけです。しかし、地方消費税というのはこれとは別であるという認識をいたしておりまして、そこのところははっきりと区分をして議論しておるというふうに認識をしておるわけであります。  国税の方はきょうは主たる議論をする場ではございませんのであえて申し上げませんが、それはいずれにせよ社会保険という仕組みがもはや限界にあるのではないかということから行っておる議論の組み立てでありまして、そういう点でいえば、消費税というものが、言うなら課税標準といいますか、それは所得なりそういったものを対象としてのあるいはパーヘッド的なやり方ではない社会保険料、つまり消費を基準にした社会保険料というふうに認識すれば消費税そのものがより広い意味での社会保険料と言ってもいいかもしれないですね、そういう認識をしておった。その方がはるかにいいのではないか、社会保障への安定性ができるのではないかという認識から議論をしておるわけです。  問題は、地方財源をどう確保していくか。その中で、御指摘のとおり、これから地方において保険なり年金なりそういった数理の方をどうファイナンスするかということとは別に、地方自治体が現に担っていかなければならない福祉関連行政の分野というものは、質量ともにますますふえこそすれ減ることはないという認識に立てば、それに伴う所要行政経費事務経費というものもやはりこれをきちっとした形で支えていかなければならない。そういう行政需要を支えるための財源として、先ほどの住民税と同時にこの消費というものを課税標準とする地方消費税というものは極めて大事である。同時に、企業関係等についても、これは地方消費税といえども消費者が納める税でありますが、法人事業税の方は、これは逆に企業が納める税であるという立場に立って、法人事業税の方の外形標準というものを導入するということと並んで極めて大事なこれからの基幹的な地方税になっていく、またそうあるべきであるというふうに私は認識をいたしております。
  9. 輿石東

    輿石東君 今、大臣地方消費税については別に考えている、区分けをしてと、こういうお話で、消費税自体社会保険制度等の絡みでどう考えていくかということだという御指摘ですが、いずれにいたしましても、大臣自身答弁していただきましたように、これから福祉関係については国以上に地方が背負っていかなければならないという状況ですから、そこへの財源をどうするかという点でこの消費税の問題もきちんと考えていかなければならないというふうに私は思いますので、国税地方税という問題も含めて税全体の仕組みや国と地方税財源配分というものを根本的に考えていく時期にあるというふうに思います。  予算総則との関連についてもお聞きをしたいわけですけれども、これは繰り返しになると思いますので省略をしたいと思います。  次に、地方債関連して何点かお尋ねをしたいというふうに思います。  平成十一年度の臨時特例措置としてこの問題が出てきているわけですが、過去の高金利政府資金の繰り上げ償還等を行うために今回公債費負担対策が行われることになったというふうに思いますが、これにつきましては、平成十一年度以降も引き続いて行っていくべきではないかという議論が本委員会でも何回か行われているというふうに思います。  これに対しまして局長の御答弁は、政府資金は国民から集められた郵便貯金公的年金等資金運用部で運用するものであって、そもそも利ざやを発生させないことを前提としている、したがって仮に高金利負担軽減という観点から繰り上げ償還を認めると今度は郵便貯金を預けている側に損失が生じてしまう、それに対する補てん措置が必要になってくる、制度上の基本的な問題であるというような趣旨のものであったというふうに思います。また、今回繰り上げ償還を認められる地方自治体は一定の事業を除いて三年間政府資金借りられない、こういうことにもなっているんではないかというふうに思います。  すなわち、今回の公債費負担対策というのは、資金借り手である地方自治体にとっては高金利軽減がされるということでありましょうけれども、貸し手である資金運用部としては地方債償還がうんと多額になっていくわけです。そして、財政的に厳しい自治体に貸し付けた資金のいわば債権保全という観点から、返しやすい資金から繰り上げ償還をさせるという仕組みになっているというふうに考えられますけれども、この辺について、これからどのようにやられていくのかという問題についてお聞きをしたいというふうに思います。
  10. 二橋正弘

    政府委員二橋正弘君) 過去に借りました公的資金のうち、金利の高いものについて繰り上げ償還とか借りかえをしたいという要望地方サイドから非常に強く出されております。  一方で、今、委員から御指摘がございましたような、政府資金性格からいきまして、一般的に金利が高いからという理由だけで繰り上げ償還を認めていくということになりますと、資金運用部という仕組みがそもそも成り立っていかなくなってしまうというふうなことがございまして、いわば両方考え方のぎりぎりの整合性をとりながら、何とか地方のそういう強い要望に対して弾力的にこたえられないかということで、十一年度の臨時異例措置という形で国庫当局の方と私ども合意したところでございます。そういう観点で、十一年度に限って、政府資金あるいは公営企業金融公庫資金について、金利の高いものについて公債費負担の特に著しく高い団体について繰り上げ償還あるいは借りかえを行うということにいたしたわけでございます。  したがいまして、こういう仕組みは、今言いましたような経緯から、十一年度の臨時異例措置として行うということが基本でございまして、地方団体皆さん方にもそこのところは十分御理解をいただきたいと思っておりますし、またいろんな機会を通じてお話をしておるところでございます。  その中で、一部、特別交付税によりまして財源手当てをして実質的に金利負担軽減を図ったという部分がございまして、これにつきましては地方財政のいわば所掌の範囲内で行われるということでございます。この部分については、十一年度以降についても何か考え余地があるのではないかという声が地方の方からもございますし、また国会の質疑の中でも出されておりまして、その部分につきましては私どもも引き続きこれは検討してまいりたいというふうに思っております。  一般的な繰り上げ償還借りかえにつきましては、先ほど申しましたようなことで、十一年度の措置として合意したものということは御理解いただきたいと思います。
  11. 輿石東

    輿石東君 そこで、問題は現在議論をされております財政投融資改革が実施された場合です。  今後どうなるのかというその点をお尋ねしたいわけですが、そもそも郵便貯金等の預託がなくなることを意味するというふうに思いますが、そうなった場合、今後、地方自治体は一体どのようにして現在のような長期的に安定した地方債資金を調達することができるだろうか。この点については、今後すべての地方自治体が市場にさらされてその試練を受けるのもいいではないかというような意見もあるわけです。民間から調達していくべきだ、こういうお話ですけれども、しかし民間企業でも市場から調達できるというのは限られた大企業だけだ、こういう実態もあるわけです。  したがいまして、国民の皆さんが預けている郵便貯金というものの性格からしましても、この郵便貯金地域の社会資本整備のために活用される仕組みというのはあっていいのではないか。さらに、小さな地方自治体が共同して資金を調達できるような仕組み考えられはしないか。地方債資金の調達の方法については、このように幾つか抜本的に見直していく必要があるというふうに私は思うわけであります。  今後、財政投融資改革や金融制度の改革が進められていくと思いますけれども、こうした問題について、どのように地方債資金の安定的な確保を図られていこうとしているのか、お聞きをしたいというふうに思います。
  12. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 財投制度の改革について、今御指摘のように、そういう方向性が出ていることはそのとおりであります。  例えば郵便貯金というものが、現在のような運用部への預託という形でなくて、自主運用といいますか独自でそれぞれ運用されていく、あるいは年金においても同じだと思いますが。現在、有利確実という一つの条件の中で資金運用をすることになっておるわけで、それが運用部に預託をしないでどのような運用をしていかれるのかということと連動することは当然のことでございます。  それを地方債という立場から見れば、公営公庫と並んで政府資金が非常に大きな役割を果たしてきた大きな理由は、個々の財政基盤の弱い自治体であっても、そういう安定した長期低利な資金を調達するということによってそれぞれの自治体の行財政運営が賄われてきたという、言うならそれを保障する一つの背景をつくってきたという大きな意義があるわけです  そういう点で、財投制度そのものが大きく変わるとしても、逆に資金の供給側である郵貯の運用の仕方がどういうふうになっていくのかということの、そこのところがもう少し見えないと、制度的な形でどうするこうするということにはなかなか進まないのじゃないか。ただ、どのように制度が変わろうとも、日本の地方公共団体がすべて独自の力で市場で資金を調達するという姿にはならないと思いますから、当然のことながら、そういった長期低利の安定した資金を調達する場というものが必要であるということは今後も変わらないというふうに認識をいたしておりますので、その辺は財投改革全体の姿を見ながら考えていきたい、幅広く検討していかなきゃならぬというふうに思っております。  そういう点で、郵貯資金の活用の仕方が変わってくるのじゃないか、あるいは今度は自治体側からいっても共同して発行していくような、いろんな方策をあわせて幅広く検討していかなきゃならぬというふうに思っております。
  13. 輿石東

    輿石東君 今お答えいただきましたように、どのように仕組みが変わっても、地方自治体をそのまま市場にさらすということでは解決していかない、そういう状況には置かないだろう、そんな御答弁をいただきました。  この問題に関連をしまして、もう一点、許可制度の見直しについてもお聞きをしたいというふうに思います。  許可制度から今回、協議制度に変わっていくという提案があるわけですけれども、協議制度になった場合に、個別の地方自治体財政の健全性の担保ということが心配されるわけです。どのような仕組みで行われ、それは市場からどのような評価を受けるだろうかということが気になる点ですけれども地方自治体にとりましては、教育とか先ほども出てきました福祉等のサービスはどんなに財政が苦しくてもやっていかなければならないという宿命と責務を負っているというふうに思います。  少なくとも教育福祉といったサービスが提供できないところまで財政破綻をすることは許されない、こうも思うわけでありますけれども、協議制度とした場合の地方自治体財政の健全性の担保という点についてどう整理しているのか、その結果、地方債の信用度というものは現在と同程度のものとして維持される、そういう確信があるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
  14. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 御指摘のとおり、地方債の許可制度につきましては、地方団体の自主性をより高めようという観点から、今度の地方分権推進一括法の中で従来の許可制から原則として協議制ということに移行しようといたしておるわけであります。その協議制に移行をしました場合においても、元利償還費または赤字が一定水準となった地方団体等につきましては許可を必要とするという形をとっておるわけであります。  そこで、一定の場合に許可を必要とするという形をとりましたことの理由でありますが、これは地方分権推進委員会の勧告でも述べておりますが、第一に、BIS、いわゆる国際決済銀行の信用リスクウエートがゼロとされてきた現行の位置づけを確保するなど地方債全体の信用を維持する必要があること、それから第二に、福祉教育など基礎的な行政サービスを確保する必要があること、こういう理由で国の許可を受けなければならぬということにしてあるわけであります。  これに加えまして、協議制度を通じて国または都道府県の同意を得た地方債については地方財政計画や地方交付税制度を通じた財源保障がなされること、そして赤字が一定限度を超えた団体については既発債の元利償還を確実に行うことを前提とした財政再建制度が引き続き維持されること、こういうことなどから、新たな制度のもとでも地方債の元利償還の確実性は担保されておるわけであります。したがって、地方債の信用度は現在と変わらないというふうに考えておるわけであります。
  15. 輿石東

    輿石東君 それでは、地方交付税の問題について何点かお伺いしたいと思います。  今回、地方交付税法の一部を改正する法律案が提起をされて議論を今しているわけですが、その提案理由の説明におきまして、基準財政需要額の改正事項の中で、算定方法の簡明化という問題があるわけですけれども、この算定方法の簡明化を図るためにということで次のように提起をされています。  「「その他の教育費」における公立大学の運営・私学助成・公立幼稚園の運営に係る経費、「高齢者保健福祉費」における老人医療費、「林野行政費」における公有林維持管理費、「戸籍住民基本台帳費」における戸籍事務に係る経費について、新たに測定単位を設ける」と、こうしているわけであります。  この趣旨について具体的に説明をしていただきたいと思いますけれども、ここで言うこの簡明とかというのは、文字どおり簡単明瞭と、こういうことになるだろうと思いますけれども、簡明化した方法で例えば私学助成等の需要額を算定する場合に、各団体へ交付される交付額がこれまでと大きく変わることはないだろうと思いますけれども、この辺についても含めて御説明をいただきたいというふうに思います。
  16. 二橋正弘

    政府委員二橋正弘君) 今回、交付税法の御審議をお願いしております中で、今、委員から御指摘ございましたような交付税の算定の簡明化を図るという観点からの幾つかの改正をお願いいたしておるわけでございますが、これは地方分権推進委員会の方から出されました勧告を受けて分権計画がつくられておるわけでありますけれども、その中で、地方交付税の機能の重要性ということも基本前提としながら、この簡明化を図る観点から、一つは、普通交付税の基準財政需要額におきまして測定単位として用いることが可能な客観的な統計数値のあるものについて、従来補正係数を用いて算定しておりました財政需要を極力法律で定める単位費用として算定するようにするという、いわば補正でございますと省令レベルでありますが、単位費用化することによりまして法律で御審議をいただくことになるという側面が一つ、それから補正係数につきまして、これは創設されてから社会情勢の変化がございましたような場合に、それに対応して補正係数の見直しを行うといったようなことをこの計画で簡明化という観点でとらえておるわけでございます。  今、委員から具体に御指摘のございました私学の関係等も含めまして、これは法律で定める単位費用として算定するということにいたしておるわけでございまして、これによりまして、この法案の御審議をいただければより一層透明度が高くなってくるというふうに考えております。この公立大学の関係、私学、公立幼稚園の運営、それから高齢者保健福祉についての老人医療費などにつきまして、この法律で定める単位費用という算定をするべく今回の法改正の御審議をお願いしているところでございます。  その中で、例えば私学助成について申し上げますと、これは私立の学校の幼児、児童及び生徒の数を用いまして各団体財政需要を算定するものでございまして、各団体のそれに要します財政需要の実態から考えまして、それぞれの団体財政運営に支障が生ずることはないというふうに判断をいたしておるところでございます。
  17. 輿石東

    輿石東君 今、局長の御説明を聞きますと、新たな測定単位として私学等の助成の問題は生徒の数、こういうふうにはっきりしてきたわけですけれども、そうしますと、後ほど文部省の方にもお聞きしますが、生徒が減ればその補助総額というのは当然減ってくる、こういうことになりますね。その点だけちょっと確認をお願いします。
  18. 二橋正弘

    政府委員二橋正弘君) そうでございます。その生徒の数を用いて単価を掛けて基準財政需要額を算定いたしますので、数が減ってくれば需要額が減ってくるということになります。
  19. 輿石東

    輿石東君 そこで、文部省にもお伺いをしたいと思いますが、お尋ねをする前に、昨年の十二月だったと思いますが、大阪府議会では府立高校の入学金を八倍にしようという条例改正、これは幸いにして否決をされたわけですけれども、各地方自治体は大変な状況の中でこういう問題を抱えているということを自治省も文部省もまず認識していただきたい、こう思います。  今回のこの法律案で、私学助成の交付税単価について、新たに測定単位として今、局長から御答弁いただきましたように在学者の数が設けられたわけであります。あわせて、測定単位ごとの単位費用が別表に明記をされているというふうに私は思いますけれども平成十一年度の私学助成にかかわる文部省の補助単価及び助成の総額について御説明をいただきたいというふうに思います。
  20. 佐々木正峰

    政府委員佐々木正峰君) 今回の単位評価に伴いまして、児童生徒数を測定単位とし、その一人当たりの単価を単位費用として定めることとなったわけでございますが、実際には高等学校生徒の単価二十一万一千二百円が定められておりまして、中学校、小学校、幼稚園の単価は種別補正がなされるというふうに承知をいたしております。
  21. 輿石東

    輿石東君 今二十一万一千何がしというお答えだったわけですが、今のは一人当たりの単価ですね。  私学助成については、毎年度国庫補助金と地方交付税によって財源措置がされていると思いますけれども、私学の振興については、先ほども申し上げましたけれども、これは国と地方がそれぞれの任務分担を行ってきちんと責任を持っていただかなければならない問題だというふうに思いますし、国と地方と一緒に責任を持つということは当然だろうとも思うわけであります。  しかしながら、これまでの経過を見ますと、平成六年度に大変な落ち込みがあるわけです。平成五年に八百九十七億の総額が平成六年には六百三十五億円、マイナス二百六十二億も一年で減っている。これは前年度比で見ると二五%の減というような状況であります。  こうした状況は、国の財政が幾ら厳しくてもそれを教育の面にストレートにしわ寄せをするという、こういうことは許されないのではないかなと思うわけであります。特に、個性豊かな教育をするというような六つの改革の中の一つである人づくりなくして国づくりなし、教育は未来への先行投資だと口ではそう言うわけですけれども、現実はこういう状況にもあろうかと思うわけであります。今、局長からお話がありましたように、児童生徒が年々減っていく、減っていけば当然この補助金は減っていくという状況になるわけですから、地方の運営は大変苦しくなっているというふうに思います。  そこで、文部省は今後私学の振興について、国の責任をどのように考え、予算の確保も含めてどのように取り組んでいかれるおつもりか、お聞きをしたいというふうに思います。
  22. 佐々木正峰

    政府委員佐々木正峰君) 御案内のように、私立学校は高校生の約三割、幼稚園児の約八割と大きな比重を占めておるわけでございます。また、各私立学校におきましては、建学の精神に基づいて個性豊かな教育活動の展開をしておるわけでございまして、我が国の初等中等教育の発展に多大の寄与をいたしておるわけでございます。  そこで、各都道府県においては経常費助成という形で私立学校に対する支援を行っておるわけでございますが、国といたしましても、国庫補助金と地方交付税措置を通じまして、これらをともに充実することを通して各都道府県における経常費助成の水準の向上を政策的に誘導していく必要があるというふうに考えておるわけでございますし、またそれぞれの私学が特殊性を生かしながら現下の教育課題への対応を進めていく、そのことを積極的に奨励をしていく必要があるというふうに考えておるわけでございます。その意味で、国の国庫補助金と地方交付税が果たす役割というものは非常に大きいと考えておるわけでございます。  文部省といたしましても、厳しい財政事情のもとではございますけれども、私立高校等に通う生徒の保護者の教育負担軽減やあるいは私立高等学校等の教育条件の維持向上に資するよう、都道府県に対する経常費助成費補助を中心とした私学助成の充実を図りますとともに、地方交付税における単位費用につきましてもさまざまな工夫を関係機関にお願いし、ともにその充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  23. 輿石東

    輿石東君 佐々木局長からさまざまな工夫と、こういう言葉がありましたが、そのさまざまな工夫とは何かなどという質問をしたいところですけれども、時間がありませんので次回に送りたいと思います。ありがとうございました。  最後に確認をしておきたい点は、地方交付税の問題ですが、簡明化、簡素化と言われる簡素化の問題についてであります。  簡素化については、地方交付税の算定というのは非常に複雑で一般国民にはわからない、できるだけ簡素化すべきだという意見と、やはり交付税の算定は現実の財政需要というものを踏まえたものでなければいけないだろう、簡素化ということだけでは大変危険な面もある、こういう二つの相反する意見もあるわけです。  簡素化の意見の中の典型な例としましては、人口と面積で配分してはどうかという意見もあるわけであります。しかしながら、私、山梨ですけれども、私のところの人口九十万にも満たない山梨は、山林や中山間地帯が全面積の八割を占め、そして過疎法の過疎対策地域振興を受けている市町村が六十四市町村あるわけです。半数は過疎法の適用になっているという、こういう状況の中で、面積と人口だけで配分した場合に地方交付税制度が持っている財源保障と財源調整という目的からどうなんだろうかと、こうも思います。  前回質疑の中で、私は都知事選の問題にかかわって、東京は損をしているというような言葉で税財源配分について地方と東京というような論争があったと、こういう御指摘もしたわけですけれども、ここと相通じるような、この問題は根っこが同じようなことになる。どうしても地方と東京、そういう都市部と田舎というような議論になりやすい。私は、これはもう全国土運命共同体、お互いに横に手をつなぐという発想考えていかなければならないと思います。  限られた資源をだれもが満足するような状況配分するというのは大変難しい問題だろうと思いますけれども、今後交付税の算定について、この簡明化、簡素化といった要請の一方で、地方分権推進計画等では人口、面積等の基本的な指標を基礎とする静態的な算定方法にあわせて、地方団体の実施事業に応じた動態的な算定方法について考えていくべきだという両論あるわけですけれども、この整合性をどのように図っていかれるのかということを最後にお聞きして、私の質問を終わらせていただきます。
  24. 二橋正弘

    政府委員二橋正弘君) 地方交付税の算定につきましては、今御指摘もございましたように、人口、面積などのような統計的な数値に応じて配分するいわゆる静態的な算定を基本といたしておりますが、例えば小中学校の校舎を二十年とか三十年に一遍整備しなくてはいけないとか、廃棄物処理施設を整備しなくてはいけないとか、河川とか港湾のような規模の大きい公共事業が行われるような場合、あるいは災害復旧事業が行われるような場合、こういう場合にはそういう静態的な算定に加えて、その事業費が団体財政運営に非常に大きな影響を与えるということを考えまして、実際の事業量、事業費に応じて算定する動態的な算定方法についても活用してきておるところでございます。  地方分権推進計画におきましては、そういう趣旨から、この交付税の算定については、簡明化、簡素化に留意しながら、人口、面積等を指標とする静態的な算定方法基本としながらも、現実の事業量に応じた動態的な算定方法を適切に組み合わせるべきというふうな勧告あるいはそれを受けた計画になっておりまして、今後とも地方団体の多様な財政需要が的確に算定できるように努めてまいりたいと考えております。
  25. 輿石東

    輿石東君 終わります。
  26. 藤井俊男

    ○藤井俊男君 民主党・新緑風会の藤井俊男でございます。  地方税法三法につきましては多くの議員さんから質疑がなされておるところでございまして、一部重複をすると思いますけれども、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  二十一世紀を目前にしまして、日本の将来を考えるとき、私は常に政治の原点に立ち返り、政治家に課せられた責任、私自身に託された国民の切実な思いを思い返すわけであります。すなわち、私たち政治家に求められることは、何といっても自由で国民が安心して暮らせる社会、安心して暮らせる日本を確立することだと思います。  地方自治体は、セーフティーネットのサービスの担い手として重要な役割を期待されております。そのため、現下の国家財政の破綻状況地方財政危機的状況を見詰め直し、あるべき自治体財政の姿をビジョンとして打ち出し、積極的に構造改革に取り組まなければならないと思っております。当面、日本が直面する最大の危機は、国の基礎をなす自治体財政が危機に瀕していることだと考えます。  そこで、野田自治大臣に、地方自治体財政悪化の原因についてお伺いしたいと思います。
  27. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 御指摘のとおり、現在、国もそれから地方自治体も極めて財政的には危機的な状況にあるということでありまして、国、地方合わせて約六百兆の借金を抱え、地方自治体地方自治体でそのうち百七十六兆の借金を抱えておる、こういう状況になるわけでございます。  そういう点で、この財政をどうやって立て直していくか、そして国民に対する政府の責任、いわゆる行政責任というものをどのように果たしていくかということは、国、地方を通ずる共通の大きな課題であるということがまず前提としてあるわけであります。  その中で、特に私の所管というのはまさに地方財政をどうするかということでありまして、そういう点で今御指摘地方財政、この厳しい現状、一体なぜこうなったのかという御指摘かと思うんです。  これは、今申し上げましたが、国を通ずる共通のテーマとしての経済の低迷ということが一番大きく響いておると思います。それは、当然のことながら地方税そのものの税収を直撃しておるということが一つありますし、同時に地方交付税の原資となる国税収入をも直撃をしておるわけでありまして、そういう意味地方財政にとっては、この経済の落ち込みということは税収面でダブルで響いておるということが一つあるわけであります。  それからいま一つは、景気対策のためにも今まで数次にわたっていろんな事業地方団体にも要請をして御協力を願ってきた、そういったことが結果として地方財政支出を高め、借金をふやしてきたということもこれは否定できない現実の問題であったということも一つございます。特に、本年度といいますか平成十年度においてはいわゆる減税というものが国、地方を通じて行われたということももちろん借金をふやしておる大きな背景にあるということは否定できないことであると思っています。  そういう意味で、財政悪化ということにはさまざまな要因があると思います。もちろんこれだけではなくて、本来的な部分としてやはり地方行財政そのものがもう一遍行政の簡素効率化ということもやっていかなければなりませんし、そういう意味で過去のいろんな義務的経費がどんどんふえてきておるということもこれまたあるわけでありまして、さまざまな要因が重なって今日の地方財政の厳しい現状になっておるというふうに認識をいたしております。
  28. 藤井俊男

    ○藤井俊男君 ありがとうございました。  私は、現在の日本の政治はまさに理念なき漂流をしていると感じられてなりません。言いかえれば、現在の制度を維持したままでは自治体の改善は全く望めないと思えてならないのであります。  私は、現在の財政の悪化を招いた原因は大きく言って二つあると考えています。一つ公共事業あり方の問題であると思います。もう一つは高齢化の進展であります。いずれも地方財政を深刻にしている構造的原因になっていると思います。そして、私が日ごろ主張していることでありますが、地方財政の悪化の真の原因は、責任をあいまいにして問題を先送りするシステムだと思います。これこそ政治が解決すべき課題であると考えております。  そこで、大臣に伺いますが、地方交付税の増額措置地方特例交付金の創設などで地方財政の立て直しが可能でしょうか。地方財政の立て直しについてお聞かせを賜りたいと思います。
  29. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 平成十一年度の地財対策として、今までたびたび申し上げておりますとおり恒久的な減税に伴う減収に対して、地方税の減収総額の四分の三について措置をしたところでありまして、たばこ税の一定割合の地方への移譲、法人税の地方交付税率の引き上げ、そして地方特例交付金の創設、こういったことで対応したわけでございます。しかし、これはかねて申し上げておりますとおり、将来の税制の抜本的な見直しが行われるまでの当分の間の対応措置である、こういうことはあらかじめ申し上げておるとおりであります。  また、交付税については前年度に比べて一九・一%増加させて、地方税が大幅に落ち込むという環境の中でトータルとして一般財源については一・四%の増を確保した。これも平成十一年度の地方団体財政運営に支障を来さないようにということでとった対応措置であります。  そういった点で、これが根本的な地方財政の立て直しということであるか否かと問われたら、ここは今申し上げましたとおり、将来の地方分権の推進あるいは税制の抜本的な見直し、こういった国、地方を通ずる基本的な展望ということの中で行われる抜本的対応措置とはいささか趣を異にしているということは率直に申し上げておるところであります。
  30. 藤井俊男

    ○藤井俊男君 次に、公共事業と補助金の問題に関連して伺いたいと思います。  平成十一年度において自治省は、地方自治体財政指標に関する検討を設け、起債制限比率など財政指標を見直し地方自治体の行革を進めていくということですが、財政指標の見直しだけでは解決になりません。地方の実態を無視した公共事業、一時しのぎの雇用対策、一時的不況救済援助のような公共事業地方財政悪化の原因になることもあるのではないか、従来型の公共事業をやめるべきではないかと考えております。  中央省庁再編の議論が進む中、地方分権議論の中には統合補助金の議論が出ていますが、大臣のお考えはどうなのか、ちょっとお聞かせを賜りたいと思います。
  31. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 地方財政悪化の中に、公共事業、特に景気対策として累次にわたって協力を要請してきたという背景があるということについては先ほど申し上げたとおりであります。  ただ、それが果たして悪いことだけであったのか、地方自治体にとって迷惑な話だけであったのかというと、必ずしもそうではない部分もあるわけであります。それはやはり地域を活性化させたい、不足しておる社会資本も整備させたい、そういうかねてからの、言うなら地域を自主的に守り立てていきたいという思いが、不足しておる社会資本整備ということにどうしても目が行くということも偽らざるところでありまして、そういう点で、公共事業が概して性悪説に立って論じられることについてはいささかどうかなという思いは率直に言ってあります。  ただ、公共事業の中身についての見直しということがもっと積極的に行われていいのではないか、この点については同感の部分もございます。  そういう点で、昔でいえば救農土木という言葉が戦前よく言われたわけですね。これはある意味では、有効需要を不景気のときに追加するという需要追加策ということで、短期的なやり方としては、ケインジアン型の経済政策としては有効であったという言い方がなされておりますが、今日までのここ十年近い間の日本の景気対策としてそれをやらなかったらもっと落ち込みはひどかったであろうし、底抜けしていたのではないかという見方ももちろんあるわけで、なかなかこの評価は一概にできないとは思います。しかし、いずれにしても、より公共事業を見直しして重点化を図っていけということはそのとおりだと思います。  そういう点では、先日成立させていただいた十一年度予算におきましてはかなり公共事業分野においても、物流効率化による経済構造改革に資する分野、これは国際ハブ空港やハブ港湾、高規格幹線道路、これらの分野です。これはどちらかというと地元の負担というよりもむしろ直轄事業的な、国が責任を持ってやる分野。そのほか、二十一世紀を展望した経済発展分野となる分野。これはよく言われておりますが、将来に対する情報通信分野であったり環境、こういった大事な分野でもあると。あと生活関連社会資本。これは、より地域に密着したいわば地元自治体とのかかわりが極めて強い分野でありますが、下水道関連あるいは防災対策、こういった事柄ということでありまして、こういったところに優先的、重点的に従来よりも配分をされておるということで、それなりに国の公共事業の実施に当たりましてもそういう重点化がなされておるということはあえて申し上げさせていただきたいと思います。  いずれにしても大事なのは、国が地方に押しつけるという形ではないやり方が大事なのではないかというふうに実は考えておりまして、そういう点で、地方がみずからの判断でみずからの地域にとって必要だというような公共事業について、それの実施に支障を来さないような財政的な支援を講じていくということはやはり重要なことであるというふうに考えております。  統合補助金について御指摘ございました。  統合補助金につきましては、かねてから申し上げておりますとおり、これは私自身も、悲願と言うと語弊があるかもしれませんが、やはり地方の自主性に基づいて行われるということを最も大事にしたい、それが地方自治の本来あるべき姿であるということから考えれば、それぞれの必要性があるということはあるとしても、中央から個別に各省庁が査定をして決めていくようなやり方よりも、自治体が主体的にどの事業にどういう優先順位をつけてやっていくかということ、これを含めたやり方というのは非常に大事だと。  そういう点で、統合補助金には推進委員会の勧告では二通りのことが出されておりまして、複数の事業をやっていこうという統合補助金という問題と、それから個別の査定をやらないという統合補助金、言うなら二つのタイプを問題提起されておりまして、私は、このいずれも大事なことであるというふうに考えております。
  32. 藤井俊男

    ○藤井俊男君 ありがとうございました。ぜひひとつ公共事業等についてもよろしくお願いしたいと思います。  次に、地方財源消費税関連して質問したいと思いますが、先ほど輿石議員さんからも質問がありました。地方消費税等については消費税の中でも別だという点も大臣が強調されておりましたけれども、あえて私はお聞かせを賜りたいと思うのです。  消費税の改正の際に、地方消費税について地方団体地方財源分として二%の確保を期待したわけであります。一方で、自由党の幹事長さんでございましたし政策担当者でありました大臣消費税について凍結を唱えておられましたね。  そこで、消費税のうち特に地方財源として重要な地方消費税についていかがかということで大臣のお考えを、先ほど述べられましたけれども、特に地方財源として重要なものですから、もう一度お聞かせを賜りたいと思っております。  大臣は、自由党の幹部としての御発言、政治家として、地方財源分、地方消費税についても凍結するお考えであったのか、また現在のお考えについてはどうなのか、さらに今のお考えとして今後長期的視点から見た財源としての消費税地方消費税について政治家として大臣のお考えはどうなのか、賜りたいと思っております。
  33. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 先ほど輿石委員にも申し上げたんですが、いわゆる消費税福祉目的税化と言ったときに、あるいは凍結を主張したときにどういうことであったかということなんですが、それは正確に言いますと地方消費税の一%はそのとおりであります。国税たる消費税四%について、これを初年度ゼロにしてあとは一年後から二、四、六というふうに持っていこう、こういう発想でありまして、地方消費税は別扱いであります。それから、目的税化にする対象というのはまさにそういうことであって、国税たる部分についてそういうことを切り離して我々は頭に置いて言ってきたということであります。  そこは先ほどちょっと説明申し上げたわけで、地方消費税はいわゆる現在の社会保険に切りかえてやる部分ではない。現在の社会保険ということに切りかえる部分国税世界の方であって、地方消費税は、しかしそういう保険ということではないが、福祉関連行政事務は自治体が担っていかなきゃならぬということで、そこの財源手当ては必要であるという意味での地方消費税。そして、特に地方の安定的な財源構成ということからいえば所得消費資産という、そういう中でどのように安定的な税の裏打ちをしていくかという中で非常に基幹的な税目でございますということを地方消費税に関しては申し上げたわけであります。  そういう点が多少ごっちゃになっておりまして、何かもう地方消費税も要らぬのじゃないかみたいに言われると、そこはちょっと違うということであるんです。ここは最初はそうだったんじゃないかと言われるんですが、私自身が政策の責任者としてしゃべってきて実際に〇、二、四、六という時限的なものはそういう形で説明をしてきておりますので、その点ははっきり申し上げておきたいと思っております。  いずれにせよ、地方消費税というのは地方財源としてこれからも大事な基幹的な税として、特に目的税的扱いというよりも幅広い福祉を担う、その行政事務を担う、地方行政事務を支える税として位置づけておるということをこの機会に申し上げたいと思います。
  34. 藤井俊男

    ○藤井俊男君 ありがとうございました。  私は、今日まで地方議会の場を通じて活動してまいりましたが、政治家として常に国民生活の向上のために取り組んできた私の持論は、市町村の発展なくして県の発展はない、県の発展なくして国の発展はない、市町村がよくならなければ県も国もよくならないということであります。極めて厳しい財政状況下の中で、ますます地方時代に向けた政治家のリーダーシップが問われておるんではないでしょうか。私は、ビジョンなきところに政治家のリーダーシップはないと訴えて改革に取り組んでまいりましたが、まさにこのことが問われているものと考えております。  そこで、地方財政の今後のあり方について、大臣のビジョンについてお聞かせを賜りたいと思います。
  35. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 地方財政あり方については、いわば地方役割、そして国の役割、そういう事務事業役割分担ということとあわせて考えていかなければならないテーマであると考えております。そういう点で、特に地方時代あるいは地方分権時代と今も言われておりますとおり、これから地方が特に住民により密着した基礎自治体として従来よりもさらに自主的、自立的な仕事ができるように体制を組み立て直すというのが今の大きな時代背景であるというふうに認識をいたしております。  そういう中で、この地方分権の推進とあわせてそれを保障する税財政の裏づけということも確立をしていかなければならない基本的に重要なテーマであるというふうに考えておりまして、それに合わせた自主的、自立的な税財源仕組みをどうやってつくるか、そのために私も全力を尽くしてまいりたいと考えております。  具体的な内容につきましては、もうこの委員会における議論でいろいろ申し上げましたので、重複は避けたいと存じます。
  36. 藤井俊男

    ○藤井俊男君 大臣の力強い言葉、ありがとうございました。  さて、次に、今回の地方税収不足の補てんでたばこ税が含められておりますが、このたばこ税について伺いたいと思います。  たばこ販売に関する規制緩和が進められていると聞いておりますが、実際にたばこ販売のありようも変化しているようであります。自動販売機の普及や大手コンビニエンスストアでの販売なども挙げられます。  そうした状況の中で、たばこの自動販売機を所有する事業者の所在地である自治体に納税されることから、消費された現地に納税されないという問題があるとの指摘もありますが、実際はどうであるのか。また、地方税地方自治体の構成員にひとしく負担を求めるという本来のメンバーシップ課税の原理からすると、喫煙者と非喫煙者のいる税ということからすると、国から地方移譲すべき財源としてふさわしいのかどうか、私は疑問を持つものでありますが、お考えはどうでしょうか。
  37. 成瀬宣孝

    政府委員(成瀬宣孝君) それでは、前段のたばこ税の仕組みのところは私からお答えをさせていただきます。  地方たばこ税は、御案内のように、たばこを扱います卸売業者が小売販売事業者に製造たばこを売り渡す場合にその小売販売業者の営業所が所在をしております都道府県及び市町村におきまして課税を行うものでございます。  そうした仕組みの中で、お尋ねにありましたように自動販売機によりますたばこの販売については、自動販売機そのものが営業所として許可を得ているときにはその自販機の所在する地方団体におきまして、そうではなくて自販機が小売販売業者のいずれかの営業所に帰属する形になっているときにはその営業所の所在する都道府県及び市町村におきまして、それぞれ課税することになるものであります。したがいまして、自販機が営業所として許可を受けていない場合には、その自販機が所在する地方団体で課税することにはならない場合も考えられます。  また、通勤者などにつきましても購入場所と消費地が必ずしも一致しない場合もありますけれども、こうした場合も含めまして税の徴収をするシステムとしましては、小売販売業者の事務負担や課税技術上の問題などを考慮しまして、小売販売業者の営業所単位に課税を行うこととしているところでございます。
  38. 野田毅

    国務大臣野田毅君) たばこ税が国から地方移譲すべき財源としてふさわしいのかどうか。どちらかというと、むしろ国税でやるべきじゃないかというスタンスで御質問があったのかなというふうに受けとめたんですが、率直に言いまして、これは税の偏在度という側面からすれば、個人住民税均等割に次いで最も偏在度の少ない税源でございます。  そういう点からいうと、実にこれからの地方分権を裏づけていく自主性、自立性、しかも税源の偏在の少ない税をということで考えた場合には、地方財政確立という側面からすると極めて魅力的な対象であるし、平成十一年度においてもそういった趣旨もあって個人住民税の恒久的な減税の裏づけとして国から地方にたばこの税について移譲をしてきたという背景も実はあるわけであります。そういう点で、私はむしろ地方により重点的にこの税収が入るということは非常にいいことだというふうに考えております。  ただ、喫煙者と非喫煙者のお話がありますが、これは消費税世界は皆同じ要素がありまして、消費税というのは消費する人にだけ課税されるわけで、消費しない人は納税者にはならないわけでありまして、それは酒であれたばこであれほかの消費税の課税対象であれ、同じ性質のものであるというふうに考えます。
  39. 藤井俊男

    ○藤井俊男君 この問題はまだいろいろ議論したいところいっぱいありますけれども、税の問題やらたばこの今のあり方、この辺については後ほどにしたいと思っております。  次に、地方税の滞納状況についてお伺いします。  まず初めに、最近の地方税の滞納状況についてお答えをいただきたいと思います。
  40. 成瀬宣孝

    政府委員(成瀬宣孝君) 地方税の滞納の状況でございますけれども平成九年度におきましては、地方税全体の徴収率、現年分、滞納繰越分含めまして九四・〇%となっておりまして、年度末におきます滞納繰越額は約二兆三千億円となっております。  ちなみに、平成元年度におきましては、徴収率は九六・四%、年度末の滞納繰越額は約一兆二千億円でございましたので、地方税における滞納の状況、最近は景気の低迷などを反映いたしまして、近年ややふえている傾向にあるところでございます。
  41. 藤井俊男

    ○藤井俊男君 お聞かせを賜りましたけれども、大変深刻な状況であります。  この滞納の理由は、景気の悪化などの要因もあると思いますが、徴税事務の問題もあると考えられます。自治体の職員は、常日ごろ身近な行政サービスを担当しているわけでありますが、いわば顔の見えるサービスをしております。あるいは、みずからも自治体住民でもある人もいます。顔が見えるがゆえに徴税事務が非常にやりにくいこともお聞きをいたしております。  そこで、地方税収業務を行う歳入機関を新たに創設するなど構想があるかどうなのか、野田自治大臣にお考えをお聞かせ賜りたいと思います。
  42. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 徴税機関を国、地方を一緒にしようという構想があるか否かというふうな問いかけでございますが、正式な機関、審議会等々でそういったことが具体的に提案されたとは承知をいたしておりません。それぞれの見方によっていろんなことが議論されておるように思います。特に中央省庁の改革の中で、大蔵省改革で国税庁の取り扱い等に絡んでその種の議論が一部でなされたというふうには承知をいたしておりますが、具体的に方向性というものがはっきり決まったということではないのではないかというふうに考えております。  いずれにしても、地方税に関しては非常に幅広い税目がございます。それぞれの税による性格も異なっておりまして、機関を一緒にすればそれで徴税の効率化が促進されるかというと、必ずしも一概には言えない部分が実はあります。それからいま一つは、やはり課税自主権ということは、少なくとも課税の決定権と同時に徴収の責任というこの両方を合わせて課税自主権ということを形成していくという背景もございます。  そういったことをも頭に置きながら対応していかなきゃならぬと思いますが、いずれにしても徴収事務の効率化といいますか、効果的な徴収事務が促進できるように、そのことを念頭に置いて事務執行体制をしっかりやれという御激励と受けとめて、そのように努力をいたしたいと思います。
  43. 藤井俊男

    ○藤井俊男君 次に、昨年十二月に施行されました特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法に関連してお伺いいたします。  まず初めに、NPO法案の制定の趣旨が生かされるようどのように対処されてきたのか、この法律の施行によってできたNPO団体への自治省の対応と支援策について伺いたい。さらに、法人住民税の減免措置個人住民税の寄附金優遇制度について、大臣はこの点についてはどのようなお考えを持っているか、お聞かせを賜って、ちょうど時間になろうと思います。よろしくお願いします。
  44. 香山充弘

    政府委員(香山充弘君) 前段につきまして、私の方からお答えをさせていただきます。  御指摘にありましたように、昨年十二月に特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法が成立され施行されたわけでありますけれども自治省におきましても、これと並行いたしましてどのように地方行政がかかわり合いを持っていくべきかにつきまして、この件について大変御造詣の深い大阪大学の本間教授を座長にいたしまして地方団体や直接NPOに携わっている方々も加わっていただきました委員会をつくって、いろいろ研究をさせていただいておるところでございます。  いろんな御意見をいただいておる途中でございますけれども、ポイントは、NPOを行政の下請というようなとらえ方はしないで、NPOが活発化するようなそういう社会的な周辺整備をするというのが行政の一番重要なことではなかろうかというような御意見でございまして、私ども、このような御意見を踏まえまして、地方団体が取り組みますNPO同士が連携する活動とか、あるいは住民の方々に対して情報を提供する事業、そういったものに対する普通交付税措置を拡充いたしますとともに、NPOの方々の活動の場となるようなそういうサポートセンターのようなものの施設整備をすることに対しまして地域総合整備事業債による支援を行う、こういったことを中心にいたしまして、今後ともNPO活動が活発化するように財政措置を強化してまいりたいと考えておるところでございます。
  45. 野田毅

    国務大臣野田毅君) NPOに対する地方税法上の取り扱いということでありますが、NPOに対する法人住民税均等割につきましては、地方税法上は原則として最低税率で課税することとされておりますが、各地方自治体の判断で条例に基づく減免が行われておりまして、負担軽減が図られているところでございます。都道府県民税に関しては、すべて条例等の減免が行われておるか、その予定がなされておるというような状況にあるようでございます。  それから、個人住民税における寄附金控除の取り扱いでございますが、これはたびたび申し上げておりますが、個人住民税におけるそういういろんな政策上の配慮ということは、所得税とは異なって慎重であるべきだということを申し上げておるわけでございますが、現在極めて限定された範囲に限って認められておるわけでございまして、このNPOの問題についても、住民税の上での取り扱いは慎重に対応してまいりたいと私は考えております。
  46. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時四十分まで休憩いたします。    午前十一時四十三分休憩      ─────・─────    午後零時四十分開会
  47. 小山峰男

    委員長小山峰男君) ただいまから地方行政警察委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案地方交付税法等の一部を改正する法律案地方特例交付金等地方財政特別措置に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  48. 白浜一良

    ○白浜一良君 大臣、これは通告していないんですが、きょうの朝刊に、自治体の予算案ということで二年連続緊縮〇・五%減という報道がされております。こういう景気ですから、当然地方景気対策をいろんな形で組みたいでしょうが、大変地方財政も厳しいということで結果的にこういう〇・五%減とならざるを得ないようなそういう各自治体財政事情があるわけでございますが、こういう事態を所管大臣としてはどのように受けとめていらっしゃいますか。
  49. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 御指摘のとおり、大変厳しい財政状況を反映して、その中でできるだけ効率的な行財政運営を心がけようというそれぞれの自治体考え方が反映されたものだと、まず基本的にはそう受けとめております。ただ、その中で、単独事業が伸びたというよりもむしろマイナスになっているということがあわせて報道の中にあったと記憶をいたしておりますが、それは今申し上げたような中で、より効率的な財政運営を心がけなければならぬということの反映であるというふうに受けとめております。  それ以上のことは私から今の段階で申し上げるのはいかがかと思いますが、それだけ厳しい財政状況にあるということと、それから地方団体自身がみずからの財政運営について従来以上により厳しい目でみずから点検しながら行政を運営しようということのあらわれであるというふうに申し上げるのがよかろうと思います。
  50. 白浜一良

    ○白浜一良君 これ以上はやめますが、いずれにいたしましても、前回私が申し上げましたように、地方財政、またそれは税制とも関連いたしますが、のあり方というものを抜本的に見直さなければならないという、そういう問題提起でもある、こういうふうに御指摘をしておきたいと思います。  きょうは、大変そういう緊縮財政にあるという現状にかんがみまして、地方行革も含めまして、地方財政のいろんな意味での考え方を若干議論してみたい、このように思うわけでございます。  それで、まず公共事業の問題でございますが、これも当初は当然必要な事業、国の補助事業も含めまして必要な事業ということで予算づけされたんでしょうが、時間の経過の中で余り必要でない、また余り進捗していない、そういう事業も実際あるわけでございますし、よく時のアセスというふうに言われますが、既に着工されている事業も時の流れの中できちっと再評価をすべきだ、こういうことも当然あるわけで、またそういう指摘が昨年度されているわけでございます。  これは事務方で結構でございますが、そういう対象になっている事業数はどのぐらいあって、いろいろ再検討されてどのぐらいが中止になり、どのぐらいが取りやめになったか、まずこういう報告をいただきたいと思います。
  51. 香山充弘

    政府委員(香山充弘君) お答えさせていただきます。  御指摘の時のアセスと言われるものでございますけれども、これは公共事業所管の各省庁におきまして、事業採択後五年を経過して未着工である事業及び事業採択後既に十年を経過している事業というものについて見直しを行うというような仕組みをとっているわけであります。例えば建設省の例を引かせていただきますと、全体の事業としては五千六百八十事業というのを一応見直し対象にいたしまして、その結果、休止というふうにしたのが二十三事業、中止というふうにしたのが七事業、見直しを行うというふうにしたのが三事業、このような数字になっておりまして、それぞれ各所管の省庁におきまして所管の事業に対してそのような見直しが行われているという状況でございます。
  52. 白浜一良

    ○白浜一良君 今、建設省の例を挙げられましたが、それぞれ所管の事業を見直しされているんでしょうが、これは自治省といたしましても、自治体側の声がそういう事業の見直しに何らかの形で反映されたり御意見を申し上げたりという、そういうケースというか場はございますか。
  53. 香山充弘

    政府委員(香山充弘君) 御指摘の点につきましては、私どもとしては地方団体とのかかわりは二つの側面で出てまいりまして、一つ公共事業に関しまして所管の省庁が見直しを行う、それに対して地方団体も適切に対応するようにという側面が一つ。もう一つは、地方単独事業につきましても、公共事業の対応を参考とした再評価システムを導入するように、このような指導をさせておるということで、二つの面でかかわりを持っているわけでございます。  前者につきましては、公共工事コスト縮減を講じますための関係閣僚会議というのが設置されておりまして、その中で各省が集まります幹事会というのがございまして、自治省も参加いたしまして、そこにおいて相互に公共事業所管省庁と連絡調整を行うようにいたしております。この形で国の方の動きというのは私ども把握いたしておりますし、それから地方団体の方からは必要に応じて私どもの方に経過等のお話をお伺いさせていただいておりまして、その両方を通じまして無理なくこの事業が行われるように、また地域の実情に即して再評価が行われるように我々も鋭意努力をいたしておるというところでございます。
  54. 白浜一良

    ○白浜一良君 今、答弁原稿を淡々と読まれておりますが、要するにそういう個別自治体側の意見がそれなりに反映される場はきちっと設けられている、こういうことでございますか。それは自治省を通しておっしゃっているんですか。自治体が直接そういう物を申すような機会があるということですか。
  55. 香山充弘

    政府委員(香山充弘君) 御質問趣旨に沿うものかどうか、私どももちょっと自信がございませんけれども公共事業につきましてはそれぞれの省庁において見直しを主体的に行う。その場合に学識経験者等から構成される事業監視委員会等というのを設置いたしまして、基本的に国の方として見直しの最終的な態度を決めるわけでありますけれども、その予備的な段階でまず一義的には地方団体の方において対応を検討いたしまして、国の方にしかるべき報告をいたしまして、国の方でそれを受けて最終的に監視委員会の意見を聴取しながら対応を決定するという仕組みになっております。したがって、そういう形を通じて地方団体の意向は十分反映されておるものだというふうに私どもは承知しておる次第でございます。
  56. 白浜一良

    ○白浜一良君 今、仕組みを説明していただきましたが、大臣、国の直轄事業はいいですよね。補助事業の場合は自治体もいろいろ費用を出しているわけで、そういう意味で当然当初は必要な事業として始まったんでしょうが、自治体側も財政が大変厳しいこともございますから、積極的に地方財政の現状にかんがみて、今おっしゃったようにきちっとした意見を言うシステムがある、場もあるということは承知いたしておりますが、積極的に促さないと、やり始めた事業だからこれは仕方ないというようなことでやっていたのでは、いつまでたっても地方財政が改善されないという、こういう事態にもなりかねないと私は思います。  自治大臣におかれましては、そういう各自治体がきちっとした公共事業に対する見直しの姿勢を持てというようなことも積極的に御指導された方がいいんじゃないか、このように思うわけでございますが、御所見を伺いたいと思います。
  57. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 基本的には今、白浜先生御指摘基本スタンスが必要だと思います。公共事業の場合、国の直轄事業というのは地元の要請に基づいて行われるケースもあれば、地元の要請ではなくて、逆に国の必要性から行われる事業もあるし、その意思決定についてかなり事前に両方の見解の整合を図りながら着手されてきているというケースが多かろうと思います。  したがって、そういう大きな規模のものについて、時の経過とともに見直しをしていくということは大事なことだと。その際に、国の必要性は同じであっても、地元の方の必要性と一体どういうふうにその辺が連動していくのか。その際に、地元の自治体考え方、意見がもっと通るようにしていかなきゃならぬというのはそのとおりだとまず認識をいたします。  それから、補助事業等に関しては、少なくとも事業実施主体は地方自治体でありますから、基本的に地方自治体の行う事業について、地元自治体がみずからの責任において実施をするしない、変更する等々についてもっと硬直的でないやり方をすべきではないかというのもこれもそのとおりだと思います。  その際、いろんな制約が言われておりますが、その中で、本当は自分が事業主体ですから自分が決めれば一番であって何ら国に遠慮することはないと思うんです、補助事業の場合は。しかし一方で、余りそのことを随意にということになると、多少その以後に、別途似たような事業の実施の必要性があった場合に、何か悪い前例を残すということになれば、言うなら後々覚えが悪くなるのではないかとか、あるいは検査院からの指摘があるのではないかとか、さまざまな判断を下す上で制約を加えるような、意識するようなことがあるいはあるのかもしれないというふうには実は感じております。  その点で、制度的なことと同時に、全体的にそういう見直しということについて、もう少し大胆に勇気を持って見直しをすべきものは見直しをするんだということを政治論としても定着していかないと、ややもすれば、責任論になってくるとそういう世界の中での障害が意外とあるんじゃないか、制度論の障害というだけでなくてそっちのサイドの問題が比較的あるんじゃないか、そのように私は認識いたしております。  いずれにしても、時代に合わなくなった事柄を、一遍決めたからといって最後までやっていくということになれば、よりマイナスを大きくすることになり得ないとも限らないというふうに思います。
  58. 白浜一良

    ○白浜一良君 大臣おっしゃっているように、人間ですから感情的な思惑もいろいろ出てくるでしょう。そういうことを乗り越えた適切な御指導をお願いしたいと申しておきたいと思います。  それから二点目に、地方の行革という意味でどうしても必要になるのは、市町村の合併問題です。日本の市町村はいわゆる歴史的な経緯をそれぞれ持って今の市町村ができているのはこれは事実でございますが、一方で行政コストということをこれだけ財政難になりましたらやっぱり考えなければいけないと思うわけです。その場合に、いわゆる歴史的に自然な形で今日の町村が形成されているとはいえ、もう一歩、行政コストの合理化というものを考えますと、やっぱり市町村の合併問題というのは避けて通れない、ある一定規模の行政規模がなければいけないというふうに思うわけでございます。  これは大臣になられる前からいろいろな形で御発言されておりますので、大臣という立場で発言しにくいこともあるとは思いますが、この点に関しましてお考えを伺いたいと思います。
  59. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 基本的に、住民に身近な行政住民に最も身近な地方団体が基礎的自治体として行政サービス責任を負っていくというこの地方自治の原則をさらにこれからも拡充強化をして、真の意味での地方分権というか地方主権といいますか、地方自治の本旨を体していかなければならぬというふうに考えるわけですが、その際に、基礎的自治体としての行政責任を遂行していく人的、財政的、組織的、それだけの対応が可能かどうかということについて多角的に検討していかなければならない。当然そうなれば今までの、言うならコミュニティーを主体とした市町村というものがたくさんあったわけで、それだけではやはり対応できない。経済活動のみならず、通信・交通手段が広域化していくさまざまな過程の中で、今日までかなり市町村合併が戦後において促進されてきたことも事実でございます。  しかし、今日のさまざまな、高齢時代に伴っての福祉政策であったり、いろんな事業自治体が遂行していこうとする上で、やはり今のままの市町村で本当に可能なのかどうか。いわゆる広域市町村圏やら広域連合やらかなり広域行政という手法が取り入れられて広がってきてはおりますものの、本当に基礎的自治体として大丈夫なのかという視点から考えますと、やはり一体として、基礎的自治体としてはむしろ合併を推進することによって対応していくという方がより充実したレベルの高い住民サービスを供給できるのではないか、私はそのように考えておりますし、おおよそ今日の流れはその方向に総論においてかなり整理されてきているというふうに認識をいたしております。  そこで、それを進めていく手法についてまたいろいろ御議論もいただかなければならぬと思いますが、やはりかなりアクセルを踏んでいくということをやりませんと、ニュートラルのままでいきますとなかなかそれだけの要請を満たしていくことにはなりません。そういう意味で、今度の地方分権推進一括法の中にも合併特例法改正を盛り込んで、さらにアクセルを踏んでいきたいというふうに考えております。  ただ、数について言いますと、三百というものを党の方では標榜し、それを最終的ターゲットといいますか目標にして進んでいこうと。数の上は全く出たとこ勝負というよりは、そういう方向性をきちっと出している方がはるかにいいのではないか。現在三千三百ぐらいですから約一割ということになっていくわけです。しかし、いきなりそこへ行くのもいかがかと。当然のことながらいろんな手順を踏んでそこへ行くんでしょうけれども、差し当たって千というのが自自両党の政策協議をしている過程の中で出てきた数字であると。まだセットはされてはおりませんが。そういうことであれば、現在の自治体が約三分の一になっていく、これは昭和二十年代後半から合併がなされてきたときの集約率と言うとなんですが、大体それに合ってくるのかな、そんなイメージを持っております。  ただ、これだけは時間をかければいいというものじゃありませんで、かなり短期間の間に集中してやっていかなければならないと考えておりますので、さらに積極的に推進の努力をしていきたいというふうに考えております。
  60. 白浜一良

    ○白浜一良君 当面の目標は千というような具体的な、オーソライズされておりませんが、大臣からお話が出ました。そういう流れはだれしも大体暗黙の了解をしているわけでございますが、実際平成に入ってから合併したのは十二件、平成に入ってから遅々として進まないというのが現状でございまして、これは一番大きな阻害要因は何ですか。事務方で結構でございます。
  61. 鈴木正明

    政府委員(鈴木正明君) 市町村合併につきまして、進まない大きな要因は何かということでございます。  先般、地方制度調査会の議論の際に全国の市町村長さん方にアンケートをいたしました結果では、合併市町村内に地域格差が生じるおそれがあるという懸念、あるいは住民の意見が施策に反映できにくくなるというおそれがある、それからきめ細かなサービスができにくくなるおそれがある、この三つが、複数回答ですけれども、大きなウエートを占めております。  そういったことも含めまして、合併の必要性とかメリットとかいうものについての住民あるいは市町村の関係者の方々の理解をまだ十分いただいていないといったこと、あるいは機運が盛り上がっていないということもあろうかと思います。
  62. 白浜一良

    ○白浜一良君 今おっしゃったことはわかり切った話といえば話なんで、我が党も、我が党の地方議員を通じまして大変この議論は全国的に活性化させたいと思っております。やっぱり住民の理解がなければできないんですが、なかなかそれが御理解されていない点もございますので、確かなそういう流れを我々としても政党の責任としてやっていきたい、このように考えております。  もう一点、大臣にお伺いしたいんですが、市町村の合併問題が一つございますが、もう一方で都道府県の問題もあるんです。  私は大阪なんですが、大阪は歴史的に見ましても大変広域行政的な、京都、兵庫、奈良、和歌山含めまして極めて一体性のある地域で、それが都道府県で遮られて非常に阻害されている要因もございます。この都道府県の壁も、今の四十七都道府県でいいのかどうかという議論もこれは昔から議論されておりますが、私どもも実際大阪に住んでおりますと特段そういう実感がするわけでございますが、この点に関しまして方向性として御意見がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
  63. 野田毅

    国務大臣野田毅君) これは、かなり長い間道州制の問題というものが議論されておるのでありますが、率直に言って現在の都道府県というのが、いい悪い別として、実態的にもかなり定着しておることも事実なんです、県民意識等々において。そういった点で、これを一気に今廃止して道州制という形にすぐ持ち込んでいってうまくいけるかどうかということについてはかなり慎重な対応も必要かという気はいたします。  しかし、余り慎重ばかりでいたら何も動かぬじゃないか、市町村の合併の問題もさることながら、言うなら都道府県自身も本当にそれでいいんだろうかと。余り固有名詞を出すとその県に対して失礼でありますから何とも言いにくいところがあるわけですが、そういう点で、とにかく一千万を超えるようなところから百万を切るようなところに至るまで、それぞれの経済基盤等々を考えた場合、本当にそれだけ自治というものがうまく成り立つのかどうかさまざまな角度から再検討すべきだという声があることは率直に感じております。  しかし、そもそも現行の四十七都道府県というのは一体だれが何を基準に決めたのか、何でこういう形になっているのか。江戸時代の藩のときから廃藩置県の際にこういう形に決めてきた経緯というのは、そのときの時代の背景があってそういう経緯があったということはわかるんですが、それを百年以上たった今日同じような形でおるべきかどうかということについて、見直しすべきだという議論も一方であります。  それから、長くなって恐縮ですが、もう一つは、国、県、市町村という、言うなら三層構造というものの基礎的自治体、市町村というよりむしろ市というものの基盤をより強化してそこにかなり包括的な自治権限を与えて充実していくということになると、そのときにおける中二階的な役割の都道府県なり道州は一体どういう役割を果たすんだろうかということもあわせて長期的には見ておく必要はあるというふうに実は思います。  そういう点で、道州制というのは両面あるように実は感じますので、さらに幅広く勉強していかなきゃならぬというふうには思っております。
  64. 白浜一良

    ○白浜一良君 おっしゃるとおりで、いわゆる三層構造そのものの、これはそれぞれの相互関係がございますので、市町村の基礎的な体力を上げないと都道府県も議論できないという、こういう議論もあるのは当然でございます。ただ、大臣おっしゃったように、これは幕藩体制から明治維新の経緯の中で、恣意的にとは申しませんが……
  65. 野田毅

    国務大臣野田毅君) かなり恣意的ですよ。
  66. 白浜一良

    ○白浜一良君 恣意的に設けられた都道府県体制でございますので、本当に抜本的に見直す時期に来ているということだけ申し上げておきたいと思います。  それから、三点目にお聞きしたいのは、地方の行革を進めていくためにはやっぱり民間でできる事業はどんどん民間委託すべきだ、何でもかんでも公務員でというのはコストがかかり過ぎる、これはもう当然のことでございますが、この民間委託の現状というのはどの程度進んでいるんですか。事務方で結構でございます。
  67. 鈴木正明

    政府委員(鈴木正明君) 地方団体における事務事業の民間委託についてでございますが、自治省としては各都道府県に対して積極的かつ計画的に進めるということで要請をいたしているところでございます。  平成十年四月現在の民間委託の状況でございますが、一般事務の委託と公の施設関係の委託と分けて御説明申し上げますと、一般事務の委託については全体的に進んでおります。例えば本庁舎清掃などは都道府県で一〇〇%、市区町村でも八二%ということでございます。そのほか、住民に身近なものとしまして、市区町村の一般ごみ収集が七七%でございます。また、水道メーターの検針業務などは七五%ということですが、公立学校給食は三七%という状況にございます。  それから、公の施設の関係の委託でございますが、一部委託を含めますと、例えば会館物、県民会館とか市民会館などは八割九割の委託が行われております。また、コミュニティーセンターなども八〇%と進んでおりますが、全部委託、公の施設の管理運営をすべて委託するというものは、法律等の制限もありまして、図書館などでは都道府県で五%、市町村で三%、また保育所は四%、こういう状況でございます。
  68. 白浜一良

    ○白浜一良君 これは十一年、本年の三月にまとめられていて、私も資料をいただいておりますが、今おっしゃったとおりのデータが出ております。  もう時間もないので余り議論はいたしませんが、いずれにいたしましても民間委託する場合にいろんなハードルがあるんです。きょう厚生省も来ていただいていると思いますが、例えば保育所の調理施設、保育所の食事なんかはもう民間委託してもいいんですが、これはどうなっていますか。
  69. 横田吉男

    政府委員(横田吉男君) 保育所の調理業務につきましては、平成九年の地方分権推進委員会等の勧告等を踏まえまして、昨年四月から施行されました改正児童福祉法の施行に合わせまして見直しを行っております。  内容といたしましては、調理室の設置、これは保育所内に設けることにされておりますけれども、そこを使用していただきまして、あと栄養士による必要な配慮が払われる等の条件を満たす場合には調理を業務委託ができるということにいたしまして、こういった施設につきましては、調理員の必置規制を緩和いたしまして置かなくてもよろしいということにしたところでございます。
  70. 白浜一良

    ○白浜一良君 やっといわゆる外部委託もちょっとできるようになったんだけれども、調理室を設けてそこで調理するというのは、それは食事のまま運んだらもっと便利ですよ。やっとそこまで来たとは言えますよ、それは。私、そこは認めますが、調理室を設けて材料を持ち込んでそこで最終的な調理をせにゃいかぬという、何でそういうことにこだわるのかなと。そういうことがあるから、なかなかコストを下げるということができないんじゃないですか。所管じゃないので申しわけないんですが、もう一問だけ。
  71. 横田吉男

    政府委員(横田吉男君) 今回の見直しに際しましても児童福祉審議会の中における関係部会等の御議論をいただいたところでありますが、その中におきましても、保育所におきましてはゼロ歳児から就学前の児童まで非常に幅広い児童をお預かりしている、それぞれ離乳食からアトピーとかいろんな症状がある者につきまして、それぞれの児童に応じた給食を行う必要があるというようなことがございますし、最近におきましては、単に昼食だけじゃなくて、延長保育等に伴う夕食等を出している場合もございます。  それから、最近では、共稼ぎ等の増加によりまして、朝食等もとらない子供もかなり来ているというようなことで、そういった場合にもある程度手当てをするとかいろんな問題がございますので、これの規制緩和につきましては、調理技術の進歩等とあわせまして、保育所における給食のそもそものあり方というものについてもあわせ勘案しながら検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。
  72. 白浜一良

    ○白浜一良君 我々の所管じゃないので、これ以上議論はやめますが、こだわっていろんな理由を挙げられたのはわかるけれども一つの例として私申し上げているわけで、自治大臣、こういうのがもういろんな各省庁の所管の絡みであるわけですよ。だから、それは少しずつ前進しているというのは私は了解いたしますが、本当に思い切ってやらなければ、思い切ったそういう地方行政コストの削減ということにはなかなかつながっていかない、形ばかりこだわってしまう。  そういう意味で、自治省が音頭をとられて、自治体は問題を持っているんです、もっとこうしてほしい、ああしてほしい、こうしたらもっとやりやすいとかいっぱいあるわけで、そういう声を積極的に吸い上げていただいて、関係省庁と積極的な調整をしてもらいたい、このことを大臣要望しておきますが、ちょっと御意見をいただきたいと思います。
  73. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 御指摘のとおりでございまして、今保育所の調理員のお話がございましたが、精神薄弱児通園施設の運転手も同じように地方分権推進計画に続けて見直しが行われるようになっている、こういうこともございます。  要は、国が法令などによってその職員の必置を義務づけておるという、この点で委託先を制限したりしていることが多いわけでありますが、それを地方自治体がみずから、つまり必置という形の中でやらなきゃならぬことなのか、あるいは今お話しがありましたようにそういう調理なりより専門性の高い人たちが民間の中でサービスをされる、そういうような民間事業を活用する形で自治体行政をやっていくということであれば両面においてプラスになることが多いのではないか。それを自治体が全部職員としてきちんと採用して対応していかなきゃならぬということになると、これはとても地方自治体行政コスト削減あるいは定員管理、いろんな面からいって制約が出てくるのじゃないか。そのように私は思いますので、これからも地方団体行政運営の効率化を推進していく、それから何よりも地方自治体の自主性あるいは自立性をより高めていくという両面からも各省庁に対して必置規制の見直しをさらに強く要請してまいりたいと考えております。
  74. 白浜一良

    ○白浜一良君 今のは一例でございます。それぞれいろんな個別問題がございますので、積極的に自治省におかれましても取り組んでいただきたいと申しておきたいと思います。  それで、先日も出ておりましたが、我が党で地方自治体行政の実態を調査いたしまして、自治大臣にも我々の担当者が報告されたというふうに聞いておりますが、その中でちょっと残り時間聞きたいと思います。  この地方公務員の総数の削減問題でございますが、これはいろんな実態がばらつきがあるので一概に論じられないのは私わかりますが、やっぱりこれだけ財政難という流れで見ればできるだけ切り詰めていくというのは自然の流れだろう、こう思うわけでございます。いっとき何か数値目標を自治省が設けられるという新聞報道もされたんですが、これは自治省そのものが否定されております。そんなの決めないと、こういうふうにおっしゃっているわけでございます。  しかし、そうとはいえ、実際、我々実態調査しますと、都道府県の政令市も平成元年と九年を比べましてもほとんど総定数は変わってない現状があるわけですね。こういう現状をどのように切り詰めていかれるのかということをまずお聞きしたいと思います。
  75. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 多少漠とした物の言い方になるかもしれませんが、地方自治体についての数値目標については、お話しのとおり、地方団体といっても三千三百の団体があるわけで、そういう意味でそれをまとめて国と比較して何割削減とかいう形ではなかなか処理しにくい部分一つあるということ、それからもう一つは、地方自治体がみずから決定をするということが本来の姿でありまして、国としてはあくまでガイドラインを示して要請をしていくということにとどまらざるを得ないということがもう一つございます。  そういう点で、今日まで行革指針というものを出して、これはたびたび申し上げておるわけですが、定員管理について数値目標をそれぞれ自治体においてつくっていただいて、その中で自主管理してもらいたいし、できればそれを住民にもわかるようなオープンな形の中で、そういう住民監視の中で行革を推進していく体制が必要ですという形をつくって対応しておるということは申し上げたとおりであります。  そして同時に、先ほどちょっと触れましたが、極めて国の必置規制とのかかわり合いも強い部分があるわけで、そういう点では地方だけの責任でやれというのも酷なところがあって、中央の各省庁は地方自治体が何か自分の出先機関であるというような認識行政をやらないことであるということが非常に大事なことだ、そういったこともこれは中央の関係各省庁にも要請をしてまいらなければならぬというふうにも考えております。  全体として、国、地方を通ずる行政の簡素効率化という目標に向かって、これは最大限の努力をしていくべきであるということにおいては変わりはございません。
  76. 白浜一良

    ○白浜一良君 もう時間もないので、最後に質問させていただきたいと思います。  今の話で、大臣、資料を見ていただいたと思いますが、例えば普通会計決算の中での人件費の比率で言いましたら、多い県は四七・三%あって、少ない県は二二・九%、そういう物すごいばらつきがあるんです。それは統計のとり方もあるかもわかりません。だけれども、そういうばらつきがあるので、きちっとした流れをつくってもらいたいという意味で言ったわけでございます。  最後にもう一つ、ぜひともこれは大臣にお願いしたいんですが、地方自治体が持っている外郭団体、財団法人の場合もございますし三セクの場合もございますが、ここの実態が大変不明確。国におきましては特殊法人等のいろんな見直しというのが議論されておりますが、地方におけるそこも私は議論すべきじゃないかと。減るどころかふえているところもございます。それから、そこに出向している職員の比率も物すごいばらつきがございます。それから出向している方のその外郭団体での、細かい話ですが給料の格差も物すごくございます。  この辺、自治省として掌握されてきちっと整理されるべきじゃないか、きちっとした考えにのっとって運営されるべきじゃないかというふうに思うわけでございますが、最後にこの点をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
  77. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 外郭団体につきまして、その運営状況等について厳しい監督を行って、そして役職員の数あるいは給与等徹底した見直しをして運営改善をすべきであるということについて、まさにそのことは非常に大事な視点であると考えております。場合によっては統廃合等もしなければならないということで、今日までも自治省としては地方団体にその要請はしてきておったところでありますが、さらに地方公社のあり方について、自治省としては国における取り扱いをも踏まえまして、近々各地方公共団体に対してガイドラインを示したい。そして、九千余りある地方の外郭団体に対しても厳しいチェックをやっていただきたいというふうに考えております。
  78. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。  私は、まず自治大臣に、この深刻な地方財政危機、きょうも朝から議論があったわけでありますけれども、予算委員会とかこの委員会での議論を伺っていて疑念を抱かざるを得ない部分がある、これをまず伺いたいと思うんです。  大臣は、今とにかく景気回復だという趣旨を述べられ、そして地方の借金は家計と違うのだと、幾ら借金をしても構わないというふうにもとれる発言が繰り返されているわけです。  国全体で見ても、九〇年代に入って地方の借金は百兆円もふえて百七十六兆円、先日発表された全国の市町村の九七年度決算を見ましても、公債費負担比率は一五・一%と警戒ラインを突破しています。これは第一次石油危機の後で最も高かった八五年度の一四・五%をも上回っています。こういう地方財政状況がどういう結果をもたらしているのかというのが私は問題だと思うんです。  私、先日予算委員会野田大臣に、現在の地方財政危機の中で国主導の大型プロジェクトが聖域扱いにされて推進される一方で、地方行革という名前で主に福祉教育、暮らしの分野が標的にされ、その地方住民がこれまで築いてきた施策が削られようとしている実態を挙げて、これでは地方自治体の本来の役割を果たせないのではないか。私は、地方自治体の原則というのは、住民の安全、健康及び福祉を保持することとする地方自治法の中身そのものだというふうに思うわけなんですけれども、そういうのに対して大臣はどういうふうにお答えになったかというと、その地方で適切に対処されるだろうとしかお述べにならなかった。しかし実際には、この委員会でも先日議論がありましたように、地方では余裕がないというのが実態なわけなんです。  こういう面で、改めて大臣の所見を伺います。
  79. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 多少、私が申し上げていることを曲解しておられるんじゃないかという気がしたんです。  現在の地方財政はまことに危機的状況にあるということでは共通認識があると思います。しかし、そのことは、国の財政はどうなってもいいので敵対的関係にあるという認識はしていないということであります。  そういう点で、今のお話の中で、何か国と地方の借金は違うから、地方の借金は幾らあってもいいんだというように私が言ったというようにお話があったのは……
  80. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 地方の借金は家計と違うとおっしゃったんです。
  81. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 私は地方の借金も国の借金も、特に国の借金は家計の借金とは違うということを申し上げているわけであります。おのずから経済全体という問題と家計の問題をあわせて借金のことだけを言うのはいかがかと。これは、特に国の借金についてはそういうことが言えるわけであります。それは、経済政策そのものと直結する世界であります。地方の借金と家計とを比較して、私はそういう物の言い方をしたようには覚えておりません。言うなら、国の財政における借金という問題と家計の借金とを一緒に論ずることはできませんということをあえて言っておるつもりであります。  それから、国と地方を敵対的にとらえるというよりも、今の地方財政の厳しさ、国の財政の厳しさ、いずれもやはり経済が落ち込んできているということが税収を直撃している、これは地方税をも直撃しているし、国税をも直撃しているわけで、特に地方にとってはダブルで来ています、地方税部分とそれから交付税のもとになる国税部分とダブルで実は衝撃を与えているんですということを申し上げておるわけで、そういう意味地方の方がより深刻な面がある。  しかし、逆にそういうことだからこそ、交付税率を今回変更するなど恒久的減税ということに対する裏づけ措置はそれなりにやりましたよ、あるいは交付税という措置ではありますが、一般財源という手当てはちゃんと国としては手当てはいたしましたよということは申し上げておるわけであります。  それから、いま一つ、国主導の大型の公共事業地方を圧迫して、その結果地方住民福祉サービスレベルダウンしておるのではないかという御指摘がありましたが、私はこういうことに対しても、今まで申し上げておりますのは、国主導の大型公共事業地方財政を圧迫しているということを全く否定はいたしませんが、むしろ逆ではないかという思いがしています。  つまり、国主導の大型公共事業というのはどういうことを指しておっしゃるかよくわかりませんが、地方団体が嫌がる直轄事業を国が押しつけるケースというのはほとんどないと私は思っています、この点は。むしろ、裏負担等々考えました場合に、補助事業的な世界というものがかなりある。それはどちらかというと国が押しつけたというよりも、地方自治体にとってかねてから社会資本を充実することの必要性、地域の活力を生み出すための必要な社会資本整備、あるいは住民の生活環境の利便を高めていくために必要な事柄、そういった事柄がかなりあるわけで、公共事業地方財政を圧迫していることは確かに否定はしませんが、しかしそれがいかにも不必要なやりたくない仕事を国から押しつけられた結果だという位置づけには私は同調するわけにはいかないということを申し上げてきておるわけでありまして、その点多少ちょっととらえ方といいますか表現の仕方が異なっておるということだけなのか、あるいは本質的に違うのかよくわかりませんが、私の考えを改めて申し述べさせていただきました。
  82. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 大臣も午前中の答弁の中で、景気対策に協力を願ってきたことが地方の借金をふやしてきたというふうにお認めになっているわけで、確かに九〇年代に入って税収というのが停滞をしている、これは問題があるんです。  しかし、私が申し上げたいのは、それにもかかわらず浪費型の公共事業がふえている。先ほどの答弁にもありましたが、地方の借金は百兆円ふえています。しかし、公共事業の累積でふえている分も百兆円なんです。九二年以降、大臣もおっしゃった国の景気対策で公共事業の積み増しがあるわけなんですけれども地方公共事業を行わせるために単独事業の一〇〇%起債可能な措置だとか、交付税措置と称して地方債の元利償還金の相当部分を後年度交付税措置する、こういう手法の結果こういうふうにふえてきたんじゃないですか。こうした措置が現在地方財政を借金が圧迫しているということです。  自治省にも資料をいただいたのですけれども、これで見ますと、基準財政需要額に占める地方債元利償還分の割合、これは九六年度九・三%、九七年度一〇・二%、九八年度一一・三%と年々多くなっています。これがほかの部分にしわ寄せが行くことになる。こういうあり方、一般財源としての交付税がいわば公共事業推進のために補助金化しているんですけれども、私は、このように自治体財政支出の節度を失わせるような、大きなむだなものにのめり込ませる公共事業、こういう仕組みを改めるべきだというふうに思うんです。  ですから、さっきも認識が違う部分があるのではないかというふうにおっしゃったんですけれども、私は、そういう財政運営のあり方を改めることが今の地方財政危機、これは国と対立してとか対決してとか、そういう問題ではなくて、国がそういうふうに主導しているというあり方を変えるべきだというふうに思うんです。それではいかがでしょうか。
  83. 野田毅

    国務大臣野田毅君) この十年近い間の累次にわたる景気対策を国、地方を通じてやったわけですが、それについて、やらなかったらもっと悪くなっていたであろうということは大体常識だと思っています。  それから、それは光の面だと思いますが、一方で、国もそうですが、特に地方自治体において、そういう意味での景気対策に協力をするという形と同時に、みずからの地域の社会資本整備をこの際推進して地域の活性化を図り、あわせて地域における雇用なり地域の経済力を強化させたいという、そういう地元の意向と相まって地方財政が借金を余計加速させたということはそのとおりであるということを私は申し上げてきたわけでございますが、それが地方財政が厳しくなっていることの何か最大の元凶であるという位置づけには一方で抵抗も感じますということを申し上げたわけです。  その中で、今、交付税の問題で地方債の元利償還の問題を、そんなことを言ってもやっているじゃないかというような話があったのですが、それではどの程度そういうことになっているのかということで見ますと、平成十年度の基準財政需要額のうちで地方債の元利償還金分をどの程度交付税の中で算定要素として見ておるかということでいきますと、トータルでシェアからいいますと一一・三%。つまり、平成十年度の基準財政需要額は総額四十五兆八千億程度でありますが、そのうちで地方債の元利償還金分が五兆二千億程度であって、トータルで一一・三。しかも、その中で、災害関係とかあるいは減税の問題であったり、補助率カットの問題であったり、あるいは過疎債、辺地債、そういった問題も含めて一一・三という程度でありますから、そういう意味で、基準財政需要で裏打ちをするということが、交付税の補助金化を進めて、そこへ引っ張っていっているというのはいささか言い過ぎなのではないかというふうに思います。
  84. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 これは今後もふえていく、先ほど九八年度だけを大臣はおっしゃいましたけれども、九・三、一〇・二、一一・三、こういうふうにだんだんと柔軟性がなくなってくるということが問題だし、この十年来そういうやり方でやってこられたことで今地方財政が深刻な破綻に直面をすると。少しは反省をされて、これを変えるという方向に進まれるべきだと思います。  地方財政の問題でもう一つ指摘をしておきたいと思います。これは法案が出てから本格的な議論をしたいと思うんですけれども、二月五日の日経なんですけれども、市町村合併推進のための合併特例債の発行ということであります。  こういう財政的な措置を講じて合併を上から強力に誘導するという使われ方がされるのではないか、こういう懸念を持たざるを得ないんですけれども住民の合意が基本である、こういうことを改めて確認をしたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  85. 野田毅

    国務大臣野田毅君) 市町村合併を進める上で住民の協力、合意というものが極めて大切であるという点ではそのとおりであります。しかし同時に、住民の皆様にも、合併することのデメリットを強調するだけでなくて、むしろメリットの方が大きいんですというか、その必要性を十分認識してもらうということも極めて大事なことであります。  それはたびたび申し上げておりますとおり、福祉の問題にしても、専門的なそれだけの手腕といいますか技術なり、そういったものを備えている人材を小規模な単位の中でそれぞれの自治体が固有の職員として抱え込むということはなかなか容易ならざることだろうと思います。それは、先ほど必置規制の議論もいろいろいたしましたけれども、それぞれの専門分野で必要な人材を抱えるということになると、自治体としての、受け皿として能力の限度を超えてしまうということはたくさんあります。  もちろん、広域行政ということの中でそういった対応をクリアしていこうということは、これはこれで大事でありますけれども、少なくとも基礎的自治体としてきちんとした対応をしていこうということであれば、これからの行政の内容、質、そういったことを考えた場合に、やはり合併を推進していくということは極めて大事なことだ、このことはあえて強調しておきたいと思うんです。  しかし、そのことが地域住民、いわゆるコミュニティーの問題と相反するかどうかというと、私はそうは思わないので、つまり基礎的自治体としての範囲という問題と、それからコミュニティーを大事にしていくという考え方は必ずしも相反するということではなくて、それはそれで十分に合併後も生かしていける、またそうしていかなければならないテーマであるというふうに私は考えておるわけであります。
  86. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 なぜ合併が進んでこなかったのかということに思いをいたしてよく議論をすることが必要かと私は思います。  この新聞報道には、県知事が市町村の首長に合併協議会の設置を勧告できるようにする制度を新設するというのもあるわけなんですが、やはりあくまで住民の合意が貫かれて、地方自治の本旨が実現できるというのを私は望みたいと思います。これは法案が出てきてからの論議にいたしまして、次に収入金課税法人の問題について伺います。  収入金課税状況を見せていただきまして、その中で損害保険においては九五年、九六年、九七年、またもっと前からもそうですが、普通法人並みの課税と比較しますとずっと大幅な減少傾向があらわれています。これは自治省の資料でいただいたんですが、仮に普通法人並みに課税しますと、九五年でいいますと二百四十八億二千九百万円、九六年ではそれが二百四十五億円余、九七年では五十八億七千七百万円と税収増となったはずであるという資料をいただいたんですが、五百五十二億二千四百万円、大変です、どうしてこうした事態になるのか御説明いただきたいわけです。
  87. 成瀬宣孝

    政府委員(成瀬宣孝君) 法人事業税につきましては、原則として所得課税標準として課税が行われておりますけれども、損害保険業を含みます四業種につきましては、収入金額を課税標準として課税をいたしているところでございます。  お尋ねのございました御指摘の損害保険業でございますが、これにつきまして収入金額を課税標準として税を課することといたしておりますのは、この損害保険業の場合、収入保険料の多くが準備金等として積み立てられ損金算入されますことなどから、所得課税標準とした場合には事業の規模あるいは活動量等に応じた課税となりにくいという考え方から、できるだけ事業の規模等を的確に反映できるよう損害保険契約による収入保険料に基づいて課税をいたしているところでございます。  その場合に、課税標準の算定でございますけれども、正味収入保険料に一定割合、これは付加保険料率と言っておりますけれども、これを乗じて算定することにいたしております。その理由は、損害保険保険料が、保険事故があった場合に保険契約者に支払われるために準備されております純保険部分と付加保険部分とから成り立っておりまして、このうち純保険料はその性質上いわば預かり金または積立金でありますため、総保険料からこの純保険部分を控除した額、すなわち保険事業の経費に充てられる部分であります付加保険料を課税標準として課税を行っておるという実態にあるわけでございます。  そこで、お尋ねの外形収入金額課税、外形基準によります収入金額課税とそれから所得課税、一般法人と同様、所得課税を物差しにとった場合の税額が一貫して低いのではないか、あるいは最近特にその金額に乖離が見られるのではないかという御指摘でございます。  先ほどから申し上げておりますように、法人事業税基本的には事業の活動規模あるいは活動量に見合った税負担をお願いしたいということで、それを的確に反映するような物差しを求めながら税負担を求めているということでございまして、損害保険業の場合には、一定の収入保険金額に料率を掛けて税負担をお願いしておるということでございますので、確かにこれを単純比較と申しますか、所得課税に引き直した場合に幾らの税額になるかということと比較しますと、これは業種によっていろいろでございます。  生命保険業なんかの場合ですと、出ている年もあれば引っ込んでいる年もございます。あるいは電気供給業、ガス供給業も異なった傾向が出ておりますけれども、損保業の場合にはややその外形課税による収入金額が下回って、税収入額が下回っております。ただ、最近におきましても、平成六年度なんかですと所得課税を物差しにとった場合とほぼ変わらない税収入額になっておりますし、平成九年度の場合でもほぼ所得課税に近い九割程度の税収入額が確保されているということです。  そもそも物差しが違うものを比較して税収入額が多い少ないということを論ずるのはややどうかなという気もしますけれども、実態といたしましては、外形標準課税、収入金額課税をしているために、所得課税と比較しますと損保業の場合にはやや下目に出ておるということになっておるわけでございます。
  88. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 一九五五年七月五日の参議院の地方行政委員会でこれがつくられた提案理由の説明というのがあったわけです。この説明を見ましてもいろいろあるんですけれども、適正な課税を探求すると、一言で言うとそう言われているわけです。一九五五年七月提案をされたんですけれども、今でもこれが適正な課税として検討余地がないのかどうか、それを私は非常に不思議に思うわけです。  ほかの業種はともかくとして、私が自治省からいただいた資料というのは昭和六十三年からでその以前のものがありませんが、その以前も含めて実はこれ一貫してマイナスになっているわけですね。だから、そういうのでずっとマイナスになっているんですが、こういうのは五五年から一度も検討されたことはないんですか、それともまた検討されてこういうふうなのか、教えていただきたいんです。
  89. 成瀬宣孝

    政府委員(成瀬宣孝君) 先ほども申し上げましたように、所得課税標準にした場合の税収入額と収入金額課税による現実の税収入額を比較してその多寡を論ずることというのが、法人事業税の本来の性格からしましてやや適当かどうかという感じは私持っておりますけれども、まず事実関係について申し上げますと、この損害保険業が収入金額課税にされてから常に下回っていたということではございませんで、昭和四十年代の前半でありますとかあるいは五十年代の前半におきましては、収入金額課税による税収入額の方が、いわゆる仮定でございますけれども所得金額課税よりは多かったという時期もございます。  それから、見直しと申しますか、収入保険料のうちどれだけを課税標準とするか、つまり正味収入保険料に乗ずべき料率につきましては、常に見直しと申しますか、実績等々を比べましてどうかという比較検討はやってきております。現実に昭和四十九年度の税制改正においては見直しが実施をされたわけでございますけれども、その後も所要検討は行ってきております。今の段階では、直ちにこの付加保険料率を見直す必要があるという結論には至っていないところでございますけれども、今後とも御指摘のような観点も十分踏まえながら、課税標準の算定方法がより合理的なものとなりますよう保険料率のあり方については十分検討してまいりたいというふうに考えております。
  90. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 地方財政が危機だと言われている中での税源をどういうふうに考えるかということで、今御説明の中でも昭和五十年代の後半からは一貫して見直しの後でもマイナスになってくるというのをお示しいただいたわけなんですけれども、やっぱり担税力もありきちんとしたところ、安定した税収というのをぜひ地方財政を支援するという形で見直していただきたいというふうに思います。  次に、国有資産等所在市町村交付金問題について伺います。  この交付金の問題なんですけれども、例えば姫路市の一般国道二号の姫路バイパスと言われているところなんですけれども、この高架の道路の下が有料駐車場です。全国にこういう高架の下の駐車場というのはいろいろあると思いますけれども、ここでは面積が六千五百九十平米、使用料を取って、管理者は社団法人の近畿建設協会姫路支社、国有地ですので当然市は固定資産税を課税することはできません。しかし、その実態は一般に利用する有料駐車場です。  建設省に伺いたいんですが、この姫路市の一般国道二号姫路バイパスの高架下の有料駐車場六千五百九十平米の国有地の台帳価格は幾らでしょうか。
  91. 井上啓一

    政府委員井上啓一君) 今、先生御指摘の、駐車場の台帳価格という御質問でございますが、台帳の規定、国有財産法第四章の三十八条の規定によりまして、公共の用に供する財産で政令で定めるものについては適用しないとされております。道路は同法の施行令二十二条の二の第一号に掲げるものに該当いたしまして、道路台帳の中で価格は記載されておりません。
  92. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 価格は記載されていないわけですね。  建設省にお伺いしますけれども、この有料駐車場の国有地は社団法人近畿建設協会で実際には管理しているんですが、ここに対する占用料というのは何年からどの程度の額となっていますか。
  93. 井上啓一

    政府委員井上啓一君) この姫路バイパスの高架下ですが、占用を許可したのが昭和五十二年からでございます。先生の御指摘の駐車場の面積六千五百九十平米というのは、私どもの方の現在の平米数とちょっと違っておりまして、七千四百十三平米でございます。平成十年度の占用料でございますが、四百二十一万九千七百三十九円となっております。
  94. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 こうした国有地というのは国有資産等所在市町村交付金の対象となるべきものではないかというふうに思います。  この交付金の目的というのが、国または地方団体が所有する固定資産のうち、その使用の状況及び所在市町村の行政施設との受益関係が私人の所有する固定資産と何ら異ならないものなど、その土地から固定資産税収入が得られない等のため所在市町村の財政運営に一定の影響を及ぼしているものについて、一般の固定資産との負担の均衡を図るため、こういうふうに承知しておりますけれども、いかがでしょうか。
  95. 成瀬宣孝

    政府委員(成瀬宣孝君) 道路敷は通常、一般公共の用に供されているものでありまして、したがいまして、道路敷を他の用途のために占用させる場合には、真にやむを得ないものに限り特別に許可をされているものでございまして、占用の場所や工作物の構造等にも厳しい基準が設けられているところというふうに認識をいたしております。  以上のようなことがございますので、一般的に道路敷の一部を他のものに使用させている場合につきましては、当該資産性格等にかんがみまして、いわゆる貸付資産には該当しないものとして市町村交付金の対象から除外をいたしているところでございます。
  96. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 私は大変おかしいと思うんです。また、以前にも私どもの同僚議員が指摘をして検討を求めているんですけれども、今建設省からお示しいただいたように、占用料は建設省が取っているわけですね。市町村は固定資産税は入らない、交付金も入らない。しかし、実際にはこれは駐車場ですから、そこに行く道路だとかあるいは消防その他の事業ではほかと同じようにサービスをしなければいけない。これは当然の義務なわけですけれども、これでは公平ではないんじゃないかというふうに私は思うんです。この姫路だけではございませんで、私が住んでおります名古屋市、愛知県もそうですし、全国にこういう事例があります。  私がなぜこれを見直してほしいというふうに言っているかといいますと、今回、地方税法改正の中で、健保組合等の病院や診療所の有料駐車場にかかる固定資産、これは非課税措置が廃止で課税になるわけですね。同じ有料駐車場として、これは国がやっているということなんですけれども、じゃ建設省だからこれを検討しないのかというふうにもとられかねないと私は思う。身内に甘い。ですから、こういった地方財政が危機のときにはやっぱりそういう面もきちんと見直していただくということ、これが必要じゃないかと思うんです。いかがでしょうか。
  97. 成瀬宣孝

    政府委員(成瀬宣孝君) 御指摘の、高架下の土地を民間有料駐車場として使用している場合につきましては、他の民間駐車場との均衡から見ますれば、これを交付金の対象とすべきではないかというそういう御指摘、御意見もたくさんございます。一方では、地元の強い要望によりまして占用を許可して駐車場として高架下の土地を使わせているという実態もございます。そうしますと、例えばこういったものを交付金の対象とすることによりましてこのような貸し付けが行いづらくなる、結果としてなかなか地域の生の切実なニーズにこたえられない、ひいては土地の有効利用が阻害されるといった一面もありますことを考慮する必要があるというふうに思っております。  いずれにいたしましても、実情に合った適正な措置が図られますように今後とも努めてまいりたいというふうに思っております。  なお、お尋ねの病院とか学校の駐車場は、それは本来的な用務、事業目的のために設置されている駐車場でございますので、こうした高架下の複合的、立体的な土地利用を図る駐車場とはまたおのずと性格が違うというふうにも思っております。
  98. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 性格が違って、私が言っている病院の有料駐車場などにこういう課税というのはいかがなものかとは思いますけれども。  今後も適正なというふうにおっしゃいますけれども、この問題について、例えば社団法人近畿建設協会というのがどういうところかといいますと、これは建設省の広報活動、調査活動、あるいは建設省退職者互助年金に関する事業とかそういうことをやっている。まさに国だというふうに思えるわけなんですね。だから、そういうところで不公平感というのが非常にあるということを指摘して、また検討をしておいていただきたいと思います。  次に、固定資産の評価審査委員会の構成要件の緩和問題について伺いたいと思います。  九七年の改正時に委員定数の上限というのを十五名から三十名まで増加させました。今回はさらに定数の上限を撤廃するということでありますけれども委員数ごとの市町村数は、現状はどうなっているのか、まずお伺いしたいと思います。
  99. 成瀬宣孝

    政府委員(成瀬宣孝君) 平成八年一月末現在の調査結果によりますと、委員数が三人の団体が三千八十二団体委員数六人が七十五団体委員数九人が四十六団体委員数十二人が九団体委員数十五人が九団体となっております。
  100. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 固定資産評価審査委員会というのは、そもそも住民の代表、納税者の代表が不服の審査をする制度だというふうに思うんです。  今回、削除が提案されております第四百二十三条四項、学識経験者は定数の三分の一を超えることができない、これは九七年に新設をされたんですね。新設した目的は何だったんでしょうか。そして、また今度こういうふうになるという理由、それをお示しください。
  101. 成瀬宣孝

    政府委員(成瀬宣孝君) まず最初の、平成九年度の税制改正の前は、固定資産評価審査委員会委員は市町村の住民でかつ市町村税の納税義務者であります者のうちから選任されることとされておりました。これは、固定資産税の価格等に関する住民の不服は、その問題の最も近いところにおります当該市町村の住民あるいは納税義務者の中から選ばれた者によって審査することが適当であるとの考え方に基づくものでございました。  しかしながら、近年におきまして、例えば宅地の評価などに不動産鑑定評価を活用することとなりましたことなど、大変評価の専門性が強まったことに伴いまして、人口の少ない町村部を中心として、委員としての適格者を選任することが困難になってまいりました状況を勘案いたしまして、平成九年度の税制改正におきまして、より幅広い角度から人材を求めることができるように委員の選任要件を緩和し、市町村の住民、市町村税の納税義務者、または固定資産の評価に関し学識経験を有する者のいずれかであれば委員として選任できるよう、従来の選任要件を緩和したわけでございます。しかしながら、従来の考え方も配慮いたしまして、学識経験者につきましては三分の一を超えることができないというふうに仕組みを定めたわけでございます。  今回の改正でこの学識経験者の数の制限を撤廃することにいたしたわけでございますけれども、その趣旨といたしましては、今回審査委員会に係る制度の改正の背景といたしまして、今回の審査、固定資産の評価、審査に係ります制度の大きな改革を行っております。  その一つが例えば審査申し出期間、これを延長することによりまして、納税者に対して審査申し出の機会の保障をより充実させるというようなことに意を用いたこと、それから審査の申し出から審査決定までに従来大変長い時間がかかっておりましたということで、この審理の方法をより合理化することによりましてその迅速化を図りたいというようなことで、今回審査委員会への審査の申し出の件数がかなりふえるんではないかということも予想されまして、委員につきましても専門的知識を持っております客観的、中立的な立場の方々をより多く確保する必要があるということで数の撤廃を行ったというわけでございます。  実際には、人口の少ない町村部を中心といたしまして、委員としての適格者を選任すること、より専門性を持った、あるいは知識経験を持った委員としての適任者、適格者を選ぶということが一層困難になるのではないかと考えられますことから、より幅広く人材を求めることができますよう委員の選任の要件、三分の一の制限というところを緩和いたしまして、広く人材が求められるようにしたいというふうなことで制度の改正を行おうとするものでございます。
  102. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 この制度趣旨住民の代表や納税者の代表による不服の審査というその趣旨を運用において徹底していただくということを強く要望して、終わります。
  103. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより三案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  104. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 私は、民主党・新緑風会を代表して、地方税法の一部を改正する法律案地方交付税法等の一部を改正する法律案地方特例交付金等地方財政特別措置に関する法律案について反対の立場から討論を行います。  反対する理由の第一は、地方税の減税によって地方の自主財源を減少させていることであります。地方自治体の基幹的な税である個人住民税税率の引き下げは、地方財政に与える影響も大きく、自主的な自治体運営に支障を来すことになります。減税は国の負担責任で行うべきです。地方財政が未曾有の危機に直面している今日、景気対策としての減税や公共事業にこれ以上地方自治体を動員することは容認できません。また、この機会に、国、地方税収割合と歳出割合が逆転している状況を改善するためにも、個人住民税は減税すべきではないと考えます。  第二に、十三兆円にも上る財源不足への対応が不十分なことであります。恒久的減税の補てん策としては、多少の制度改正が図られていますが、歳入に占める地方税の比率はますます低下することとなります。  また、通常収支不足に対しては、交付税特別会計の借入金や財源対策債に頼るという従来の手法で措置されています。これは地方交付税法で要請されている制度改正とは言いがたく、法律違反の状態は解消されていないと言わざるを得ません。通常収支不足が常態化し、地方交付税総額の半分近くを借金で補てんする事態は、現行の地方交付税制度がもはや立ち行かなくなっていることを示しています。思い切った制度改革が急務ですが、政府案は、相変わらず景気を回復して税収が増加することに期待をかけた高度成長時代発想であり、隠れ借金とも言える交付税特別会計の借入金の処理の方策も放置されたままであります。  第三に、政府の公共事業対策では地方自治体の協力を得ることは困難で、景気回復につながらないことであります。都道府県の来年度予算は地方単独事業を圧縮し、総体としてマイナス予算となっております。景気回復がおくれているのは消費の後退が一因であり、将来への不安を取り除く対策こそが求められています。  以上、反対の理由を述べてまいりましたが、地方分権にふさわしい税財源移譲や課税自主権の確立、新たな財政調整制度が必要であることを強調して、私の討論を終わります。
  105. 松村龍二

    ○松村龍二君 私は、自由民主党及び自由党を代表して、政府提出地方税法の一部を改正する法律案地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方特例交付金等地方財政特別措置に関する法律案の三案に対し賛成の討論を行うものであります。  まず、地方税法の一部を改正する法律案は、個人所得課税及び法人課税について、我が国の将来を見据えた抜本的見直しを展望しつつ、現下の景気状況に最大限配慮して、恒久的な減税を実施することとしております。具体的には、個人住民税については最高税率を引き下げるとともに定率減税を実施することとし、法人事業税については企業活動の活性化等の観点から税率の引き下げ等を行うこととしております。また、景気回復に資するための住宅及び住宅用土地に係る不動産取得税の特例措置に係る要件の緩和、環境対策に資するための低燃費自動車に係る自動車取得税の特例措置創設等の措置を講ずるほか、固定資産税の価格等に係る審査申し出制度の見直し等を行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等を行うこととしております。  これらの改正は、最近における社会経済情勢、住民負担の現状等から見て、いずれも当面の課題に的確に対応するものであり、適切かつ妥当なものと考えます。  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方財政の収支が著しく不均衡な状況にあること、法人事業税税率の引き下げに伴い収入が減少すること等にかんがみ、当分の間、法人税に係る地方交付税率を引き上げるとともに、地方交付税の総額の確保に資するため、平成十一年度分の地方交付税の総額について特例措置を講じ、あわせて、所要財源措置するため単位費用を改正するとともに、交付税の算定方法の簡明化の一環として、一部の経費について新たに法律で定める単位費用として算定することとしております。  これらの措置は、恒久的な減税の実施、現在の経済情勢の動向、地方財政状況等から見て、地方財政の円滑な運営にとりまして極めて適切であるとともに、地方分権の推進に資するものであると考えます。  次に、地方特例交付金等地方財政特別措置に関する法律案は、恒久的な減税により地方税の収入が減少することに伴う地方公共団体財政状況にかんがみ、その財政の健全な運営に資するため、当分の間、地方公共団体に対し、地方特例交付金を交付するとともに、地方債の特例措置を講ずるなどの特例を設けることとしております。  これらの措置は、恒久的な減税により地方税が減少する地方財政状況等から見て、地方公共団体財政の運営にとりまして適切かつ妥当なものであると考えます。  以上のような理由により、三法案に賛成の意を表するものであります。  政府におかれましては、地方分権を推進し、新時代にふさわしい地方自治を確立されるよう強く希望するものであります。  以上で政府提出の三法案に対する私の賛成討論を終わります。
  106. 富樫練三

    ○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案地方交付税法等の一部を改正する法律案地方特例交付金等地方財政特別措置に関する法律案の三案に反対する討論を行います。  反対理由の第一は、これらの法案が、来年度約十三兆円に達する地方財政財源不足について、本来国が全面的に責任を負うべきであるにもかかわらず約八兆円、六割を超える巨額の自治体負担を求める内容となっており、地方交付税制度の改悪となっているからであります。六年連続の大幅な財源不足に対し、従来同様、交付税特会借り入れと地方債の増発で地方に巨額の負担を押しつける政府のやり方は、地方財政制度に対する信頼を損ねるとともに国の責任を放棄するものであります。また、交付税特会借り入れに関し、財革法に基づきルール化された国と地方の折半ルールについては、財革法が凍結されたのだから見直すべきは当然であります。  反対理由の第二は、恒久的減税が高額所得者ほど減税になる一方で、住民税所得割納税者の七割近くが九八年度に比べて増税となることであります。勤労者の実質賃金が十六カ月連続で低下しているもとで、中低所得者に対する実質増税は家計消費を一層落ち込ませ、消費不況を一段と激化させるものであります。また、法人事業税税率引き下げは、実効税率四〇%という財界の要求にこたえ、法人税減税とあわせて行われるものであり、減税の多くは大企業に回るとともに、その負担自治体住民の肩にかかるものであります。  反対理由の第三は、地方特例交付金法案が減収額の四分の一を減税補てん債で補てんするとの内容を盛り込み、赤字地方債拡大を自治体に押しつけているからであります。減税補てん債は赤字地方債であり、こうした仕組みを当分の間続けることは、地方財政の健全性を破壊するものと言わなければなりません。  最後に、日本共産党は、国民経済を悪循環から救い出し、地方自治を崩壊から救い出すためにも、自治体住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持するという地方自治法の理念に基づいて、公共事業の中身を福祉教育などの生活密着型に転換することが必要であると考えます。このことを強く要求し、私の反対討論といたします。
  107. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、地方税法の一部を改正する法律案地方交付税法等の一部を改正する法律案地方特例交付金等地方財政特別措置に関する法律案について反対の立場から討論を行います。  具体的な反対理由を述べる前に一言申し上げます。一九九九年度予算は、去る三月十七日、参議院で否決されたものの、両院協議会での成案が得られず、衆議院の議決どおり政府案のまま成立しました。一九九九年度予算は一般会計の総額が八十一兆八千六百一億円で、政府は景気回復を目指す積極予算であることを強調しております。  だが、深刻な財源不足を穴埋めするための国債発行額は三十一兆五百億円にも達し、財政赤字の拡大は必至であります。  一方、政府の予算という形で表現される財政政策を実行するための地方財源は、十二兆九千七百億円という空前の規模の財源不足が見込まれております。地方財政は戦後三回目の深刻な危機を迎えていると言われますが、政府三法案には現下の地方財政の危機を解決する抜本的な制度改革が示されておりません。  以下、具体的に反対の理由を申し述べます。  まず、地方税法の一部を改正する法律案についてであります。  今回の恒久的減税は、景気対策としての減税であり、個人住民税の最高税率の引き下げと定率の税額控除の実施などは、地方財税源確立と地方分権の精神にも反するものであります。また、年収七百九十四万円を超える階層のみが減税の恩恵を受け、それ以外の低所得者層には実質増税となる、いわゆる金持ち優遇減税であり、到底賛成できません。  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案についてであります。  さきに指摘した通常収支不足分十兆三千七百億円を含む十二兆九千七百億円の地方財源不足の補てん策としてとられたのは、地方債の増発や地方交付税特別会計借入金による対応であります。かかる財源補てんの方法では地方の借入金を増大させるだけであり、地方財政財源不足を解消する方法とはなり得ません。  最後に、地方特例交付金等地方財政特別措置に関する法律案についてであります。  恒久的減税による地方の減収への対応策の確立は急務であります。法人事業税外形標準課税化も早急に実現すべきであります。法案では、減収の四分の一を減税補てん債の借金で補うこととなっており、到底容認できません。  以上、反対理由を述べましたが、社会民主党が求めているのは地方分権にふさわしい地方への税財源移譲による地方財政の改革であります。三法案には住宅等の不動産取得税の特例措置の拡充など賛意を表する内容もありますが、あるべき地方税財源の確立にはほど遠い内容であり、反対であることを重ねて申し上げ、討論を終わります。
  108. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、地方税法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  109. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  輿石君から発言を求められておりますので、これを許します。輿石東君。
  110. 輿石東

    輿石東君 私は、ただいま可決されました地方税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派並びに各派に属しない議員岩瀬良三君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、地方団体行政需要の増大、引き続く厳しい地方財政状況等にかんがみ、左記の事項についてその実現に努めるべきである。  一、地方税地方団体の重要な自主財源であることにかんがみ、地方団体地方分権の推進等に伴って増大する行政需要に的確に対処し、地域の実情に即した自主的・主体的な行財政運営を行えるよう、税源の偏在性が少なく、税収安定性を備えた地方税体系の構築に努め、地方税源の充実強化を図ること。  二、景気対策としての減税の実施に当たっては、現下の極めて厳しい地方財政状況地方分権の推進に伴う地方税財源の充実確保の要請等を踏まえ、地方財政の円滑な運営に十分配慮すること。なお、国と地方税源配分の在り方を含めた税制の抜本的な見直しについて、早急に検討すること。  三、地方の法人課税については、税収の安定化、事業に対する応益課税としての税の性格の明確化等の観点から、中小企業の取扱いにも配慮しつつ、事業税の外形標準課税の早期実現に努めること。  四、固定資産税は、我が国の資産課税の根幹であり、自主財源としての市町村税の基幹税目であることを踏まえて制度の整備充実を図ること。また、平成十二年度の土地の評価替えに当たっては、負担水準の均衡化・適正化を推進するとともに、最近における地価の変動をより的確に評価額に反映させるよう努めること。  五、税制の簡素化・税負担の公平化を図るため、非課税等特別措置について引き続き見直しを行い、一層の整理合理化等を推進すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  111. 小山峰男

    委員長小山峰男君) ただいま輿石君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  112. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 多数と認めます。よって、輿石提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、野田自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野田自治大臣
  113. 野田毅

    国務大臣野田毅君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し善処してまいりたいと存じます。
  114. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  115. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、地方特例交付金等地方財政特別措置に関する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  116. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  118. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 地方行財政、選挙、消防警察、交通安全及び海上保安等に関する調査を議題といたします。  釜本君から発言を求められておりますので、これを許します。釜本邦茂君。
  119. 釜本邦茂

    ○釜本邦茂君 私は、自由民主党民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派並びに各派に属しない議員岩瀬良三君の共同提案による地方財政拡充強化に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     地方財政拡充強化に関する決議(案)   現下の極めて厳しい地方財政状況及び財政需要の増大にかんがみ、地方行財政の中長期的な安定と発展を図り、地方団体が自主的・主体的な諸施策を着実に推進できるよう、政府は左記の事項について措置すべきである。  一、累増する巨額の借入金残高が、諸施策の実施を制約するなど地方団体財政運営を圧迫することが強く懸念されることにかんがみ、地方の一般財源の充実強化に努め、その財政体質の健全化を図ること。  二、地方分権の一段の進展を図り、地方団体の自主性・自立性を高めるため、課税自主権を尊重しつつ、税源の偏在性が少なく税収安定性を備えた税体系を構築し、地方税の充実強化に努めること。  三、地方交付税総額の中長期的安定確保のため、地方交付税法第六条の三第二項の規定に則り、財源不足を解消するための方策を講ずること。    また、地方交付税地方団体共有の固有財源であることを明確にするため、国の一般会計を通すことなく、国税収納金整理資金から直接、交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる制度検討すること。  四、地方団体が、社会経済情勢の変化、地方分権の進展及び増大する行政需要に的確に対応するため、自主的な市町村合併や広域行政など行政体制の整備や、自主的かつ計画的な行財政改革の一層の推進を行うよう支援すること。  五、少子・高齢社会に対応し、地域福祉の充実等に積極的に取り組むため、地方団体が行う社会福祉経費等の一層の充実を図ること。    特に、平成十二年度から実施される介護保険制度については、円滑な導入と安定的な運営を行うため、地方団体の意見を尊重し、介護基盤整備のための財政措置の拡充等適切かつ十分な体制整備を講ずること。  六、地方行財政の自主性を高めるため、国庫補助負担金については一般財源化を含め一層の整理合理化を進めること。    なお、整理合理化に当たっては、その内容、規模等を考慮しつつ、地方への負担転嫁とならないよう、地方税地方交付税等一般財源の適切な確保を図ること。  七、今回の恒久的な減税は国の景気対策の一環として実施されることにかんがみ、将来の税制の抜本的な見直しに際しては、地方分権推進の要請、高齢社会に伴う財政需要の増大等を踏まえ、地方税源の拡充強化を実現すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  120. 小山峰男

    委員長小山峰男君) ただいまの釜本君提出の決議案の採決を行います。  本決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  121. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、野田自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野田自治大臣
  122. 野田毅

    国務大臣野田毅君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し善処してまいりたいと存じます。     ─────────────
  123. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 次に、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案消防施設強化促進法の一部を改正する法律案警察法の一部を改正する法律案、以上三案を議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。野田国務大臣
  124. 野田毅

    国務大臣野田毅君) ただいま議題となりました三案について御説明申し上げます。  まず、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由とその内容について御説明申し上げます。  新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律は、新東京国際空港の周辺地域における公共施設その他の施設の計画的な整備を促進するために必要な国の財政上の特別措置を講ずることを目的として昭和四十五年三月に制定されたものでありますが、本年三月三十一日限りでその効力を失うこととなっております。  政府としては空港周辺地域整備計画に基づく整備事業の推進に努めてきたところでありますが、諸般の事情により、一部の事業法律の有効期限内に完了できない見込みであります。また、空港整備の進展等に伴う周辺地域状況の変化に対応するため、新たな事業を空港周辺地域整備計画に追加する必要があります。  このような状況にかんがみ、空港周辺地域における公共施設等の計画的な整備を促進するため、この法律の有効期限を延長し、引き続き、国の財政上の特別措置を講じていく必要があると考えております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  次に、法律案の内容について御説明いたします。  まず第一に、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の有効期限を五年間延長し、平成十六年三月三十一日までとすることとしております。  第二に、この法律の施行期日を公布の日としております。  以上が新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。  次に、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  市町村の消防施設の整備につきましては、昭和二十八年の消防施設強化促進法の制定により国庫補助制度の確立を見て以来、逐次その充実強化が図られてきており、さらに昭和四十九年度からは、人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、これらの市町村の消防施設の整備に係る国庫補助率を引き上げる特例措置を講じてきたところであります。  この特例措置は、現在、人口急増市町村については通常の国庫補助率三分の一以内を二分の一以内とし、人口急増市町村のうち政令で定める市町村については十分の四以内としているところであります。  しかしながら、この特例措置平成十年度までとなっており、平成十一年度以降においても依然として人口急増市町村の存在が予想されますので、これらの市町村における市街地の拡大等に伴う消防施設整備の緊急性にかんがみ、延長する必要があります。  以上がこの法律案提出いたしました理由であります。  次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、通常の国庫補助率三分の一以内を二分の一以内に、人口急増市町村のうち政令で定める市町村に係る国庫補助率を十分の四以内に引き上げる措置を、引き続き平成十五年度まで講ずることといたしております。  以上が消防施設強化促進法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  次に、警察法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。  この法律案は、近年の情報化の進展に伴い増加している情報通信の技術を利用する犯罪等に効果的に対応するため警察庁情報通信局の所掌事務を改めるとともに、関東管区警察局の移転に伴いその位置を改めることをその内容としております。  以下、項目ごとにその概要を御説明いたします。  第一に、警察庁情報通信局の所掌事務の変更についてであります。  これは、コンピューターへの不正アクセス等を手口とするような情報通信の技術を利用する犯罪、いわゆるハイテク犯罪等に効果的に対応するため、電磁的記録の解析その他情報通信の技術を利用する犯罪の取り締まりのための情報通信の技術に関することを警察庁情報通信局の所掌事務として追加するものであります。  第二に、関東管区警察局の位置の変更についてであります。  関東管区警察局については、平成十一年度中に大宮市へ移転する予定であり、これに伴いその位置を東京都から大宮市に改めるものであります。  なお、この法律は、警察庁情報通信局の所掌事務の変更については公布の日から、関東管区警察局の位置の変更については政令で定める日から施行することとしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概略であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  125. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。  三案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十二分散会