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浜田卓二郎君 細かな話で恐縮ですけれ
ども、私の身近なところでよく聞くような話では、一生懸命
事業を開始するためにもうあらゆる
努力をしてきていると。その間にお金もかかっているわけですよ、親戚じゅうからかき集めてやっとここまで来たと。それで、いざ立ち上げるときにお金が欲しい、もう少しあったら立ち上がる、そういうときに、自己資金がなきゃ貸せないよというようなケースもあるんですね。だから、お役人さんがこの方が安全だと考えるというやり方がすべてに当てはめられるわけじゃありませんから、いい
制度なんだからぜひ生きて動かせるように、私は弾力的な運用というのを考えてあげた方が生きると思います。
一生懸命やってきて、もう
一つ、あと二千万あればというときに、二千万手元に用意できているかと言われたら、それはなかなかそうはいかないケースもたくさんあるんだというふうにあえて申し上げたいわけです。
それから、私は、今、
政策金融の最大の目的は何かなと考えるわけですが、以前この
委員会で
政策投資銀行法を議論したときも同じことを申し上げたわけですけれ
ども、
産業構造が変わるということは二つあるわけで、おっしゃるように、大
企業、既にでき上がっている
企業が時代の変化にあわせて変身をしていく、その間に生じた過剰
投資、過剰
設備を
廃棄していく、あるいはまた抱え過ぎた余剰人員を整理していく、これは
一つの流れです。
しかし、これだけ追っかけていたら
産業構造は私は変わらないんだと思うんです。むしろ
産業構造に穴ぼこがあいちゃうわけであります。だから、やっぱりこっちが変わっていく、既存のものが変わっていく、それを助けてあげる、これが再
活性化法だと、私は単純化すればそう思っているわけです。
しかし、それによって生ずる、後で池田さんも御
質問になるようですけれ
ども、いわゆるリストラによって出る余剰人員、それを穴ぼこにしちゃわないで、本当に
産業構造が変化したと言うにはそれを吸収していく新しい
企業が育たなきゃだめなわけですね。
それは、ここの
法律で書いてあるような、
政府が
認定して新製品だ、新技術だ、新商売だというお役人さん流の
認定できる
事業以外に、草の根でいっぱいそういう
事業はあるわけです。例えば、
企業がリストラをする、そうするとアウトソーシングでいろんなことが外に出ていく、チャンスだと思っている人たちもいるわけです。それは決して新技術でも新商品でも新製品でもないんです。でも、それをきちんと受けとめて、新しい
企業を起こす人がいればそこでリストラに伴う穴ぼこがまた埋まっていくわけで、それがうまくいけばそれ以上の
雇用が生まれてくるわけです。
それから、規制緩和ということを盛んに言われます。規制緩和をすれば、これは商売のチャンスだと思って見ている人たち、たくましい人たちはたくさんいますよ。アイデアはある、でも
事業をどうやって起こすんだと。だから、私は本会議
質問では雑草のような国民の意欲ということを申し上げたわけですけれ
ども、そういうものを
制度的に受けとめていける、そしてそれが新しい
企業や
雇用に結びついていくための体制というのはもう
一つで準備しておく必要がある。これはもっと大事だと言うと言い過ぎかな、同じように大事だと私は思うんです。
そこで、全く新規に
事業を起こそうという人がどれだけの資金調達を無担保でできるかと考えてみますと、国民
金融公庫で五百五十万無担保融資がありますね。そして、今回この
法律が通ればこの九月一日から動き出す二千万の融資枠がある。これはさっき申し上げた自己資金が必要だという前提がついちゃいますけれ
ども、それだけがあるわけです。ただ、それでは私は足らないと思うんですね。
だから、私は、せっかく誕生した
日本政策投資銀行、現在の
政策金融の最大目的の
一つはそういう創業、
事業を新しく起こさせる、その
金融を提供する、これが戦後の傾斜生産方式に匹敵する
政策金融の目的であってしかるべきだと、そういう議論をしているわけでありまして、よって、本会議でも
宮澤大蔵大臣の大変前向きな御答弁をちょうだいしたんですけれ
ども、私は本気で
日本政策投資銀行の中の創業者
金融制度というものを大幅拡充すべきであると思うんです。
担保がないんですから、それにかわるものとして
事業内容をきちんと審査できる体制をつくる。人がいなかったら融資は動きません。土地本位はもうだめなんですから、土地もない人が
事業を起こしていくわけでありますし。だから、要はもちろん一般の
金融機関が
事業本位
金融をもっと本格的にやれる体制になればいい。しかし、これは理論であって、すぐさま人材の育成とかそういう体質をつくっていくというのはなかなか難しい面がある。
でも、
政策金融部門は
政府がリスクテークをできるわけですから、しかも創業者
金融というのは今の
日本の
産業経済の立ち至っている状況からすればリスクテークをしていい話である、そういうふうに思うものですから、どうでしょうか、もう
一つ踏み込んだ、私は
日本政策投資銀行と言っておりますが、ほかにも
政策金融機関はありますけれ
ども、
日本政策投資銀行を中心とした踏み込んだ創業者
金融制度の確立というのを私は急ぐべきであると思います。本会議に引き続いてで恐縮でありますが、
大蔵大臣の御答弁をお伺いしたいと思います。