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浜田卓二郎君 開銀というのは、昔あった傾斜生産方式みたいな、いわゆる産業をどういうふうに基礎産業を中心にして発展させていくか、そういう
日本の産業発展のために大きな役割を果たした。
輸銀は
輸出入、特に
輸出振興ということから始まって大きな役割を果たした。それはそのとおりだと思うんですが、その政策
金融というのは今までは郵便貯金を使っていました。これからどうするか、後で
質問しますけれども、郵便貯金を使って、それでも金利が高いということで、安くしようということで、出
資金、補給金という、現在、年間約三兆円ぐらい使っていると思うんですけれども、多額の税金を使いながらやっている。
だから、
政府がこの政策目的のために
民間の
金融を押しのけてでもやらざるを得ないという判断があって政策
金融というのが存在理由を持つんだろうと私は思うんです。ですから、それは時代とともに変わってくる。しかし、それだけの
コストをかけてやるわけですから、時代の変遷とともに要らなくなるものはやっぱりやめていくべきなんだろうと思うんです。だから
輸銀をやめろということで言っているわけじゃありませんで、そういう政策目的が希薄になってきているというか、本当にこれは政策
金融で
民間には絶対できないから
政府がやらなきゃいけないというところが
輸銀の中でどの程度になっているのか、これは私は検証を要するときになっていると思うんです。他方では、この
基金というのは借款、経済協力ということが
日本の対外戦略という面においてもやっぱり必要なんだろうと思うんです。
だから、若干違ったというか、大いに違った政策目的のものを今度
一緒にしてしまって、ではこの新しい
国際協力銀行が本当の政策
金融としてやるべき政策目的というのは
一体何かというのがわかりにくくなる、あいまいになる、結局得しているのは
輸銀ではないかという気が若干するわけです。
つまり、
国際協力銀行というような話になりますと、何となく
日本の対外戦略というようなことで落ちつきがよくなる。どちらが得かというのは別に大した議論ではありませんから、私の
感想だけですけれども、内心そんな気がしています。ですから、
一緒にするという理由、政策
金融の必要性という面から
一緒にならなきゃならないという理由が私はよくわからないということなんです。
それからもう
一つは、この合併によって幾ら
コストが、いわゆる合理化といいますか、税金を使う量が少なくて済むかという点からいえば、これはほとんど変わらないわけであります。
それからもう
一つは、
日本の援助体制という問題が私はあると思うんですね。私も外務省の政策を一時期ですが担当したことがありましたけれども、援助の部門では大蔵省、経企庁、それから通産省がしょっちゅう垣根争いや権限争いをやっているわけでありまして、それに対応する援助
機関というのも
OECF、JICA、それから
輸銀もそれに数えるんでしょうか、多元化しているし、所管も分かれていて、大変やりづらいということが絶えず言われてきました。だから、援助体制を一元化する、効率化するという観点からいったら、もっと徹底したやり方があるんではないかというふうに思うわけであります。
結論として言えば、どうも橋本行革ということで数合わせが盛んにやられている、その
一つで、余り必然性がないものを無理やりくっつけて、これで
一つその数を減らしたというようなことになってしまっているんではないかという気がいたします。だから反対というところまではいきませんけれども、そういう
感想を午前中の議論を通じて持たざるを得ないということであります。
それで、この
国際協力銀行の目的に「国際
金融秩序の安定に寄与する」という文言が入っておりますが、
日本の一政策
金融機関がこういうことをやれるんでしょうか。あるいは、国際
金融秩序の安定のためにどういうような役割を
考えておられるのか、それから世銀とかIMFとの
関係についてはどういうふうに位置づけて理解したらいいのか、これは大蔵省に伺います。