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1999-02-10 第145回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年二月十日(水曜日)    午後一時一分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         久保  亘君     理 事                 長峯  基君                 成瀬 守重君                 前川 忠夫君                 山本  保君                 畑野 君枝君                日下部禧代子君                 阿曽田 清君                 松岡滿壽男君     委 員                 金田 勝年君                 岸  宏一君                 国井 正幸君                 斉藤 滋宣君                 田中 直紀君                 中原  爽君                 日出 英輔君                 松村 龍二君                 平田 健二君                 堀  利和君                 円 より子君                 藁科 滿治君                 沢 たまき君                 山下 栄一君                 西山登紀子君                 清水 澄子君    政府委員        経済企画庁国民        生活局長     金子 孝文君        文部省生涯学習        局長       富岡 賢治君        厚生省老人保健        福祉局長     近藤純五郎君        労働大臣官房政        策調査部長    坂本 哲也君        労働省職業能力        開発局長     日比  徹君    事務局側        第二特別調査室        長        村岡 輝三君    説明員        厚生大臣官房審        議官       堤  修三君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国民生活経済に関する調査  (「次世代育成と生涯能力発揮社会形成に  関する件」のうち、成人及び高齢者学習・能  力開発及び自己能力を活かせる雇用社会参  加の条件整備について)     ─────────────
  2. 久保亘

    会長久保亘君) ただいまから国民生活経済に関する調査会を開会いたします。  国民生活経済に関する調査を議題とし、次世代育成と生涯能力発揮社会形成に関する件のうち、成人及び高齢者学習能力開発自己能力を活かせる雇用社会参加条件整備について調査を行います。  本日の議事の進め方でございますが、まず文部省及び労働省からそれぞれ二十分程度厚生省及び経済企画庁からそれぞれ十五分程度順次説明を聴取した後、二時間程度委員から質疑を行っていただくことといたします。  質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、委員には懇談会形式で自由に御質疑いただきたいと存じます。質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って質疑を行うようお願いいたします。  また、時間に制約がございますので、質疑の内容は各省庁からの説明に関連するものとし、簡潔に行っていただくようよろしくお願いいたします。  なお、各省庁からの説明、各委員からの質疑及びこれに対する答弁とも着席のままで結構でございます。  それでは、まず文部省から説明を聴取いたします。文部省生涯学習局長富岡賢治君。
  3. 富岡賢治

    政府委員富岡賢治君) 生涯学習局長でございます。  お手元の「次世代育成と生涯能力発揮社会形成」という二十数ページ資料に基づきまして御説明申し上げます。  ページをめくっていただきまして、生涯学習社会構築についてということが一ページ目に書いてございます。  もう先生方御案内かと思いますが、生涯学習社会実現は、昭和五十九年から六十二年の臨時教育審議会で打ち出された教育改革三つ基本理念一つでございます。個性重視の原則、国際化情報化などの変化への対応と並びまして、生涯学習社会構築ということを基本理念として打ち出したものでございます。  文部省は、昭和六十三年に生涯学習局を設置しまして、平成二年に生涯学習振興法というのを制定していただきまして、同法に基づきまして生涯学習審議会等を設けましてその基盤整備に努めているところでございます。  まず、生涯学習社会を目指す理由といたしまして、「生涯学習社会とは、」ということで、人々が生涯のいつでも自由に学習する機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価されるような社会をつくっていくんだということを理念として、私ども一歩一歩努力をしているわけでございます。  その背景となりました点を三つほど御紹介いたしますと、第一番目に、学歴社会の弊害の是正をしていくんだということがその背景にあるわけでございます。学校歴ということではなくて、さまざまな学習成果がきちんと評価される社会を築いていくことを目指していこうということが第一点に掲げられているわけでございます。  それから二点目といたしまして、社会経済変化へ対応するための学習必要性ということで、時代の変化に伴いまして社会人は絶えず新しい知識、技術の習得を迫られている。その学習基盤整備することが、学習者自身キャリア向上だけではなくて、社会システム基盤である人材の育成政策として社会経済の発展に寄与するんだということをその背景の二点目に掲げているわけでございます。  そして三番目は、社会成熟化に伴う学習需要ということでございます。自由時間の増大とか高齢化等社会成熟化に伴いまして、心の豊かさや生きがいのための学習需要が増大している、これにこたえましてその学習基盤整備するということが学習者本人自己実現のみならず、地域社会活性化とか高齢者社会参加につながっていくんだという考え方で生涯学習社会を目指していこうということが打ち出されているものでございます。  めくっていただきまして、二ページでございます。  まず、そういうことを目指しまして、二としまして、多様な学習機会提供をしていこうということで、ちょっと資料が小さくて見づろうかと思いますけれども、最初の丸に書いてございますように、平成八年に文部省民間調査機関に委託しましてまとめたデータでございます。  四行目からでございますが、「この調査によれば学習方法学習目的関係については、」ということで、自分学習活動をどういう形でやっているかというのがこの表の左の縦の欄でございまして、その右側の欄がそういう人たちがどういう目的でやっているんだというような表でございます。  かいつまんでポイントだけ申し上げますと、五行目でございますが、グループとかサークルで学習をやっているんだよ、あるいは自治体の講座教室に出ているとかカルチャーセンター学習しているんだよと言っていらっしゃる方々の五割を超える人が、自己生きがい楽しみのためにということを学習の最も大きな目的としている、この表の上の方の五つほどの欄で黒い棒グラフのところがございますが、自己生きがい楽しみのためという目的で左のような学習活動をやっているんだというような調査データでございます。  これに対し、民間通信教育という手段を使ったり大学院に入ったり大学専修学校等学習活動をしている人は、職業生活に生かすためというようなことを主目的に掲げている方々が三割強から五割程度を占めている。その表の真ん中あたりの欄の薄い黒っぽい部分でございます。大体半分ぐらいの方が、自己楽しみということも十数%ございますけれども、職業生活に生かすためというようなことがかなり中心の目的になっているというような、学習活動方法とそれから目的が、多少それぞれの方法によってそれをやっていらっしゃる方々の意識といいますか考え方が違うという資料でございます。  次の丸でございますけれども、いずれにいたしましても、社会成熟化とか社会経済変化ということがございますので、学習者自己生きがい楽しみのため、職業生活に生かすためということを大きく掲げてございますが、それ以外にも他者や地域社会に貢献するためとか、よりよい社会生活を送るためというような高度で多様な学習目的を持っているということで、これにこたえたさまざまな高度で多様な学習機会提供というようなことをいろいろな手段を用いて準備していく必要があるというページでございます。  次の三ページ目でございますが、今、学習活動をいろいろな形でやっている人たちについて調査いたしまして、体系的、継続的に学習を行っている人々が今後の学習継続についてどうかということを聞いておるものでございます。黒抜き部分でございますが、学習方法のいかんにかかわらず、大多数が学習継続を考え、またそのうちのほとんどがレベルアップを考えているというような資料でございます。  次のページをめくっていただきまして、四ページ目でございます。  じゃ、レベルアップということをどういうような学習方法で考えているかということでございますが、当然のことでございますが、それぞれの手法ごとに聞いておるものですから現在の学習方法を維持するということを基本にしている人が多いわけでございまして、おおむね五割がそういうことで、それで進んでいるものですから新しい方法の方がいいというふうな返事をするというのはなかなか少ないと思います。他方、残りの大半も、現在の方法に加えて新たな学習方法を始めたいというような人も相当数に上るということで、ここのポイントとしましては、継続的な学習方法というようなものを考えているというような実態があるというふうにお読みいただいたらいかがかと思います。  次のページをめくっていただきます。五ページ目でございます。  そういういろいろな方法学習活動を、受け皿となります、学習の場となります方から、切り口から資料を用意いたしました。  まず、(1)といたしまして、社会教育施設整備というようなことで対応しているということが一つあるわけでございます。公民館とか図書館、博物館、青少年教育施設婦人教育施設というようなものが用意されているわけでございます。  上の方の表でございますが、公民館というのが大体現在一万八千五百四十五カ所、図書館が二千三百九十六というような形で、少しずつでございますが整備されているという状況でございます。  それから、「社会教育施設利用状況」という人の方で見たのが下の表でございますが、公民館が大体二十二万人、図書館伸びが非常に大きゅうございまして十二万人というような形で書いてあるわけでございます。  次の六ページ目をめくっていただきますが、その一つであります公民館状況を見まして、対象別学級講座実施状況ということを十数年さかのぼったわけでございますが、成人一般対象講座学級をやっているというのが昭和五十八年ごろですと四〇%で四万九千件ということでございました。それが平成七年度は八万六千件で四七%、高齢者が一二%から七年では一一%、青少年が一五から一三・五というような状況でやっておるわけでございます。  下の方の丸の表でございますが、その公民館利用者ということで、左側の丸を見ていただきますと、個人利用者という形よりは団体とかグループというような形で利用しているのが圧倒的で、八八・九%ということでございます。  それはどういうような団体かというのが右でございますけれども、一番は成人団体が四割、婦人団体が一五%、青少年団体が七%、高齢者団体が四・六%というような形で公民館利用がなされているという表でございます。  次の七ページ目を見ていただきます。  公民館というのはそれぞれの地域ごとに設けられているものでございますが、もう少し多様な幅の広い生涯学習を進めるということで、生涯学習推進センターというのが最近設けられるようになってまいりました。都道府県レベルで設けられている例が多いわけでございますが、各地域の生涯学習振興拠点施設として、学習情報をいろいろその地域提供したり学習相談に乗ったり、そういう学習需要の把握とか、そういうコーディネーションをやる役割と思いますが、その推進センターが現在三十三都道府県に設置されているというような状況でございます。  八ページ目に行っていただきます。  今が社会教育施設ということで取り上げたものでございますが、八ページ目からは学校という施設教育機能活用した生涯学習ということでございます。  まず足元からまいりますと、高等学校開放講座というようなことも全国で設けられるようになってまいりまして、全国で九百講座受講者数が約三万人という状況でございます。  それから、学校施設という施設開放することによって生涯学習活動の場を設けていこうということでやっている例が多いわけでございますが、平成九年度に何らかの形で施設開放を行っている学校が小学校で九割とか中学校で八割、こういう状況でございます。しかし、開放されている施設体育施設が多いわけでございまして、特別教室とか図書館とか音楽教室などの開放が今後増加していくということを私ども期待しておるわけでございまして、その施設開放状況につきまして、特別教室等開放状況を下の表にまとめたものでございます。  九ページ目でございますが、今のような施設開放学習活動などをやっていただきますときに、その学校施設そのもの地域住民利用を考慮したような施設整備していくということが大事だということで、地域住民学習活動への利用にも配慮した施設設備のあり方という整備指針を設けまして全国にそのような努力を促しておりまして、例えば会議室とか更衣室とかシャワー室等を校舎や屋内運動場整備するというふうなことを進めておるわけでございます。  それから、余裕教室というものの転用というようなことについてもできるだけ容易に弾力化できるようにしようということで、余裕教室地域学習の場として、社会教育施設として、あるいは社会体育施設文化施設として転用するということで、これも平成五年にその指針を策定しまして、平成九年の十一月には、そういう場合に財産処分手続というようなことが大変煩わしいというようなことがありましてなかなか進まないというような問題点がありましたが、それについての大幅な簡素化合理化というようなものを図りまして、各設置者の積極的な取り組みを促すようにしているものでございます。  十ページ目でございますが、社会通信教育というものを活用するということも非常に大きく行われているわけでございます。  学習者の高年齢層の割合が増加しているということとか、情報通信手段ができましたこともございまして、最新技術教育への志向の高まりとか企業内教育への活用というようなことから、通信教育実施する民間団体が増加するというふうなことで、文部省ではその中で非常に奨励すべきものにつきましての認定等を行うなどの普及、奨励を図っているわけでございます。今、文部省認定を行っております団体数は四十三、課程が二百七ということで、一年間の延べ受講者数が約三十一万人という状況にあるわけでございます。  真ん中辺に五行ほど書いてございますが、特に最近充実してまいりましたのは、そういう認定社会通信教育を修了した者を生涯学習インストラクターというような形で、都道府県や市町村のいろいろな学習会等で指導したりその補助を行うなどという形で活用するというようなことが進んでいるわけでございまして、通信教育で一生懸命勉強された高齢者の方が地域インストラクターとして活躍しているんだよというような実情が随分見られるようになったわけでございます。  十一ページ目でございます。  四番目でございますが、民間教育事業者との連携ということも生涯学習活動では重要でございまして、地方公共団体等の公がやるもののほかに、カルチャーセンター等民間社会教育事業者需要に応じましてさまざまな機会提供しているわけでございます。今、三行目ですが、カルチャーセンターが約七百という状況でございます。  また、総務庁の調査でございますけれども、全国個人対象としましたいろいろな学習の場が設けられているというものを表にいたしたものでございます。表では、音楽関係伸びが割合目立つというようなことがあるようでございます。  十二ページ目でございますが、先ほどの高等学校等教育機関利用するほかに、高度化というようなことがございますので、(5)でございますが、高等教育機関活用するということが大事な視点になっておるわけでございます。  六行目からでございますけれども、夜間大学院というものを平成五年度から制度化いたしまして、働く人たちのための専ら夜間において教育を行う大学院を設置できるようにいたしてきている。  それから、昼夜開講制制度化平成三年でございます。時間制約が多い社会人等便宜に考慮いたしまして、一つの学部の中に昼間を主体とするコース夜間主体とするコースを設けて授業を行うというようなことを制度化しているものでございます。  それから、大学院でも夜間授業をどんどん進めるようにいたそうと。  それから、科目等履修生制度導入というのが平成三年から始まったわけでございますが、一科目とか特定の数科目を履修して単位を修得できるような制度導入ということも三年から進んでいるわけでございます。  それから、通信制大学院制度化平成十年度、昨年に制度化いたしたわけでございます。  また、各大学におきましては、公開講座の拡充とか、一度勤めてからまた大学に入るという社会人特別選抜実施とか、編入学生受け入れなども積極的に進めようということで進んできているところでございます。  具体的な伸び状況は、十二ページの下で、夜間大学院が四年、六年、九年というような大学数で、まだまだ絶対というわけではございませんが、少しずつですが伸びていると。  十三ページ目は、昼夜開講制を設けている大学が既に四十五大学、それから大学院では百四十五というような状況で拡大をしてきたというような表に仕立てております。  それから、十四ページ目でございますが、科目等履修生ということで、いわばパートタイム形式大学教育ということになろうかと思いますが、科目等履修生を置く大学というのが、左側の上の長目の表でございますが、トータルいたしますと国公私立合わせまして四百八十五で、八四%の大学がそのような形で既に科目等履修生を設けるようになった。大学院レベルは右で、国公私立を合わせますと大体半分の大学大学院レベル科目等履修生という制度を置くようになったわけでございます。  それから、十五ページ目でございますが、公開講座を開く大学というようなものも逐次進んでまいりました。平成八年度で五百二十五大学ということで、約九割の大学公開講座等を設けるようになってまいったわけでございます。  それから、⑤は社会人特別選抜ということでございますが、今二百八十八の大学実施いたしまして、約五割というような状況でございます。大体二十二、三歳ぐらいの一度勤めた方でもう一回改めて大学へ入ろうというような学生特別選抜という形で選抜する方法も、逐次ではございますが進んできたわけでございます。  十六ページは飛ばしていただきまして、お時間がございませんので十七ページでございますが、放送大学というものをお世話いただきまして設けて進めているわけでございます。昭和六十年から学生受け入れを始めまして、平成十年度の今の二学期でございますが、十八歳から九十歳までの約七万人が学んでいるということで、経緯に書いてございますが、平成十年十月には、今までは関東エリアだけだったのでございますが、全国全科履修生、つまり卒業等目的とする履修生受け入れることができるようになったわけでございます。いろいろお世話になっているわけでございますが、そういう形で逐次充実が進んでおります。  ずっとページを手繰っていただきまして十九ページにちょっと飛んでいただきますけれども、先ほどの放送大学で、各地域ごと学習センターというのを置きましていろんなスクーリング等も、ビデオライブラリービデオなどを貸し出しするというような便宜を図っているわけでございますが、今年度やっと全都道府県へ設けることができたわけでございますし、放送大学と他の大学との単位互換というふうなことも現在約百六十一校で進むようになってまいりました。  それから二十ページは、さまざまな学習機会提供実践事例として、なかなか前向きのユニークな取り組みが進んでいる地域の実例を書いたわけでございますが、ちょっと時間がございませんので省略させていただきます。  二十一ページからは、3でございますが、生涯学習学習成果をどのように評価して活用するかということがこれからの施策では非常に大きな課題になってくるわけでございます。場の提供ということだけではなくて、学習したものをどういうように生かすかということが大事でございます。  一つとしましては、①でございますが、学校での単位認定にも使おうじゃないかと。例えば、大学等における単位認定ということで、専修学校で学んだ場合とか技能審査に合格した場合などを大学単位として認定することができるようにしていこうとか、高等学校でも、専修学校等の学修とか技能審査などの合格者あるいはボランティア体験などを学習単位として認定できるようにしようというふうなことが進んでまいったわけでございます。  一例でございますが、二十二ページへ進んでいただきます。大変恐縮でございます。二十二ページの④でございますが、地方公共団体における取り組みということで、社会教育施設でいろんな講座などを受けた受講者に対しまして修了証書等を与えるというふうなことも進んでまいったわけでございます。  それから、(2)でございますが、学習成果活用方策ということで、これからいろんな形でキャリアに生かしていく支援方策が必要だというようなことを生涯学習審議会等で提言いただいているわけでございます。この点は今後いろいろ努力しなくちゃいけない課題だという認識を持っているわけでございます。  最後でございますが、(3)ですが、生涯学習活動をやっていらっしゃる方の評価ということについてどう考えるかというようなことをお聞きしますと、修了証書とかそういうことも大事だけれども、学んだ学習地域ボランティアとか指導者として活用できるようにしたらいいなという答えをする方が半数以上に上っているというような、これに載っておりませんがそういうデータもございますので、ボランティア活動をいろんな場で振興するということが生涯学習成果活用方策としても大事だということで、ボランティアに関しますいろんな支援施策というようなことを二ページにわたって書いてあるわけでございます。  一番下で、学校ボランティア教育を進めていこうと。  それから、最後の二十三ページでございますけれども、真ん中ですが、生涯ボランティア活動というようなものを地域ごとにいろいろ促進するプロジェクトを、例えばいろんな施設等で生かすような活動を進めていこうじゃないかと。  それから、一番下でございますが、ボランティア活動というのを、これは自分自身自己実現ではありますけれども、入学試験とか官公庁、企業等の採用における評価の観点の一つというようなことが進められることが大事だということで、大学入学者選抜調査書等に大いに書いていただくのがいいんじゃないかとか、高校入試選抜、推薦入学等に利用していただくことも大事だというようなことも提言いただいておりまして、逐次ではございますが、そういう点で進展が見られているわけでございます。  以上でございます。
  4. 久保亘

    会長久保亘君) 以上で文部省富岡生涯学習局長説明は終わりました。  次に、労働省職業能力開発局長日比徹君。
  5. 日比徹

    政府委員(日比徹君) 職業能力開発局長でございます。私からは、成人高齢者学習能力開発につきまして御説明申し上げます。労働省資料は二点ございますが、そのうち「職業能力開発施策の概要」と題する資料に基づきまして御説明申し上げたいと存じます。  資料でございますが、この資料をごらんいただきます前に若干申し上げたいと思いますが、私どもの職業能力開発施策、これはいずれも職業能力開発促進法という法律に基づきまして施策を講じておりますが、その法律におきまして基本理念といたしておりますことは、労働者の職業生活の全期間を通じて段階的かつ体系的に職業能力開発の促進を図ること、これが理念でございます。したがいまして、新しく職業につくという段階から最終的に職業生活からリタイアされるまでの間、能力開発の促進を図るということでございます。  そこで、資料の一枚目のところにございますが、そのための施策の枠組みといいますか主なる点を整理させていただきました。一つが企業における教育訓練の推進、それから労働者の自発的な能力開発の推進、そして公共職業訓練の実施最後に職業能力評価・技能振興でございます。本日は、この一枚目の右端にページ数を打たせていただいた部分がございますが、お時間の関係もございますので、そのページ数を打った部分について御説明申し上げたいと思います。  まず、職業生活の全期間を通じてということになりますと、当然のことではございますけれども、企業に勤めている間という期間が極めて長い、そういうことを踏まえまして、基本的には企業の中における教育訓練ということをどうやって進めていくのかという観点がございます。  そこで、ページ一ということで見ていただきますと、現在、企業における教育訓練の推進ということでは、能力開発給付金等ということで、給付金によって企業の中における能力開発、これができるだけ計画的、体系的に進められるように推進していこうということをやっております。給付金の内容につきましては、この資料にございますように、一定の教育訓練、それに対して運営費等について助成するというようなことでございます。  また、能力開発給付金のほかに人材高度化助成金というものも設けておりますが、これは個別企業におきまして、その企業の事業レベルを上げていくというようなときに、当然、高度な人材が新たに要るということについて所要の教育訓練を行う場合に助成しようとするものでございます。  続きまして、恐縮でございますが二枚目に行っていただきますと、これもいわば企業における職業能力開発というものを支援するものでございますが、認定職業訓練制度というものがございます。  これは、一定の基準に合致する職業訓練を中小企業事業主なりあるいは中小企業事業主団体などが一定の施設を設けまして行うというときに、その設置費あるいは運営費につきまして、基本的には都道府県の事務でございますが、都道府県がその助成を行った場合に国も応分の負担をするという仕組みでございます。  もう一つおめくりいただきますと、三ページ目で、今度は、先ほど申し上げました労働者の自発的な能力開発の推進に関します施策でございます。  労働者の自発的な能力開発の推進ということで幾つかの施策を講じておりますが、まず第一がこの三ページにございます助成金あるいは給付金でございます。この三ページにございますものは、労働者の自発的な能力開発と言っておりますが、これは企業内の制度、企業内の仕組みを通じての自発的な能力開発の推進でございまして、いずれも企業に対する助成金でございます。  まず第一の自主的能力開発環境整備助成金、これにつきましては、労働時間の問題あるいは休暇の問題というような点で、労働者が自発的に教育訓練に取り組むということを労働時間面的に支援する仕組みを設けた企業に対する助成を行うというものでございます。  二つ目の、自己啓発助成給付金と言っておりますが、これは実際に有給休暇等をとってその従業員が教育訓練等を受講した場合に一定の経費助成を行うというものでございます。  続きまして、四ページでございますが、教育訓練給付金というものでございます。  これはただいま申し上げました企業内の仕組みを利用してというものではございませんで、これは在職労働者も離職している人も含みますが、労働者が主体的に能力開発に取り組むことを支援するために、労働者が一定の教育訓練を受けたその経費について助成をするというものでございます。企業内のシステムとは関係ございませんので、個別の労働者の方々がみずからの発意でみずから希望する訓練を受けたとき、教育を受けたときということを想定いたしております。  これは昨年の十二月からスタートした制度でございまして、現在三千五百ほどの講座を指定しております。昨年末から立ち上げたところでございますので、今時点まだ実績等は御報告できる段階になっておりません。  それから、その次の五ページでございますが、自己啓発等支援プログラム。ごくかいつまんで申し上げます。  「事業の概要」のところにございますように、個々の労働者にその人向けの自己啓発のためのいわばどういう能力を身につけていけばいいのかというようなプログラムをつくって、それに基づいて相談なりあるいは訓練施設を紹介したりというふうなことを行うものでございます。  これにつきましては、もちろん相談あるいは情報提供というのは意外に難しい点がございます、一定のノウハウがないとなかなかできないというようなことがございまして、今こういうことでやっておりますが、内容につきましては漸次充実を図るということでやっておる段階でございます。  以上が労働者の自発的な能力開発の推進に係るものでございます。  続きまして、六ページでございますが、公共職業訓練の関係でございます。  今申し上げましたように、能力開発というのは、企業が行うあるいは労働者がみずから行う、どちらかしか本来ないわけでございますが、それにつきまして職業訓練を行う機関の問題がございます。六ページにお出ししておりますのは、公共職業能力開発施設の設置状況でございます。ここにございますような状況でございます。  その中で一例だけ若干御説明申し上げますと、七ページに生涯職業能力開発促進センターというものについて資料化させていただいております。  「主な事業内容」のところにございますように、在職者の訓練につきましては、これは主としてホワイトカラーでございますけれども、ホワイトカラーの方々について先進的・先導的教材等を活用しながら訓練を実施する。本来のねらいといたしましては、先進的あるいは先導的な訓練の仕方あるいは教材等を開発して世の中に提供しようということが本来のねらいでございます。  あわせて、離転職者訓練も現在行っております。先ほど申し上げましたように、先導的な訓練をするということが本来のねらいでございますので、訓練の実施規模というのは本来大きなものを予定しておりませんでしたが、現在の雇用失業情勢の中で、離転職者訓練部分につきましても、臨時的ではございますけれども訓練定員を大幅にふやしておるところでございます。以下、研究開発、情報提供・相談援助等を行うということにいたしております。  この点につきまして御説明申し上げましたのは、公共職業訓練というもので、それを支える能力開発施設につきましても、いわば先導的な役割をやったりというような一定の役割を行わせようということを御説明したかったわけでございます。  なお、公共職業訓練という概念は、この施設の中で行われるものだけではございませんで、現在のところ、民間教育訓練機関なり認定訓練施設、その他事業主団体が設ける施設等、これの大幅活用ということを前提にいたしておりますので、公共職業訓練の相当部分、これは時期によって変わりますけれども、大まかに言いますと半分以上は実は民間への委託という形でやっておるのが実態でございます。  私からは以上でございます。
  6. 久保亘

    会長久保亘君) 次に、同じく労働省大臣官房政策調査部長坂本哲也君。
  7. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) 政策調査部長の坂本でございます。  私の方からは、自己能力を活かせる雇用社会参加条件整備につきまして御説明を申し上げます。  御案内のとおり、我が国の経済社会、ボーダーレス化が進んでおります。サービス化が進展をしております。また、中長期的には非常なスピードで少子・高齢社会を迎えようとしているわけでございます。こういった中で、産業構造も大きく変わっておりますし、また働いている人たちの就業意識、ライフスタイル、こういったところも大変多様化をしてきておるわけでございます。  こういった状況の中で、我が国の雇用形態につきましてもかなり多様化が進んでおるわけでございますけれども、資料の一枚をめくっていただきまして、一ページでございますけれども、雇用者に占めるパート、アルバイト等の状況を見てみますと、平成十年では、全雇用者実数が五千二百三十八万人でございますけれども、そのうちパート、アルバイト等の方が千百七十三万人、比率にいたしまして、一番右になりますけれども、二二・四%まで高まってきております。昭和五十九年から平成十年まで雇用者の伸びは、真ん中あたりにございますように約二五%ふえておるわけですけれども、パート、アルバイト等の方の伸びは九四%と非常な勢いでふえておるところでございます。  二ページに就業形態別の労働者の割合を昭和六十二年と平成六年で比較をいたしております。正社員の方が若干減少しまして、非正社員の割合がふえてきておるわけでございます。  こういった非正社員を希望している、そこについた理由をその下に調べておるわけでございますけれども、右から四つ目の欄に、ちょっと小さくて恐縮ですけれども、「正社員として働ける会社がなかったから」といういわば消極的な理由で選択をしておられる方もおられますけれども、一番左にございますように、「自分の都合のよい時間に働けるから」、あるいは一つ置いてその右に「勤務時間や日数を短くしたかったから」、こういった自発的な理由で選択をしておられる方がかなり多くなっております。  次に、能力社会的に評価するシステムについてでございます。  労働省におきましては、職業能力評価する制度といたしまして、資料の三ページにございますように、技能検定制度技能審査認定制度、社内検定認定制度、この三つを持っておるわけでございます。今後、産業構造が大きく変化をする中で、労働移動の増大が見込まれていくわけでございますけれども、これまで以上に、企業内での適正な技能評価に加えまして、企業の枠を超えて職業能力社会的に評価できるようなそういった仕組みが一層求められていくというふうに考えております。今後ともそういった技能評価社会的な評価システムの充実に向けてさらに取り組みを深めてまいりたいと考えております。  次に、雇用の流動化に対応した労働システム、社会保障システムの形成についてでございます。  産業構造や就業意識が大きく変化をする中で労働移動が増大をしていく、そういった中で雇用の安定を図りながら、また活力ある経済社会実現していくためには、労働力の需給のミスマッチを解消して一人でも多くの求職者の方が速やかに適職につけるように、その労働力の需給調整機能を強化していかなければならないわけでございます。このためには、公共職業安定所の機能の向上もございますけれども、さらに民間事業者の活用あるいは創意工夫を十分生かして労働者保護を図りながら対応していくということも必要になってくるわけでございます。  こういった観点に立ちまして、資料の四ページになりますけれども、労働者派遣法の改正につきまして、昨年の十月に国会の方に提出をしたところでございます。  今回の派遣法の改正の趣旨でございますけれども、1にございますように、「「臨時的・一時的」な労働力の適正、迅速な需給調整のために労働者派遣事業を行えるようにする」、そして「労働者保護措置の拡充を図る。」ということでございまして、内容のポイントといたしましては、2の(1)にございます「適用対象となる業務の範囲」を、これまでのポジティブリスト、そのリストは五ページにありますけれども、それを改めて、今度はむしろできない業務だけを列記するネガティブリスト化を図っていくということを考えておるところでございます。  また、派遣法とあわせまして、職業安定法という法律がございます。これにつきましても、資料の六ページ、七ページにILO第百八十一号条約の概要を記載してございますけれども、民間の労働力の需給調整に関する新しい国際基準として一九九七年の六月に採択をされましたこの条約の内容を踏まえて、現在職業安定法の見直し、検討を関係審議会によって進めているところでございます。まとまり次第、三月にもこの国会に提出したいということで作業を進めておるところでございます。  また、直接労働市場ということではございませんけれども、雇用の流動化に対応して用意をしていかなければならない項目といたしまして、賃金や退職金制度についての問題もあるわけでございます。労働市場の変化あるいは労働者の意識の多様化等を背景に、賃金、退職金制度の見直しがかなり進められておるわけでございます。基本的には労使の自主的な話し合いで見直していただくことになりますけれども、こういった労使の自主的努力が円滑に行われますように、労働行政としても情報提供や助言といった援助に努めておるところでございます。  また、労働移動に対応して年金等のポータブル化も図っていかなきゃいけないというようなことで、現在、確定拠出型年金制度導入について関係省庁での検討を深めておるところでございます。  次に、資料の八ページになりますけれども、高齢者、障害者の雇用能力活用についてでございます。  急速な高齢化の中で、これからは高齢者が長年培ってきた知識や経験を生かして、高齢者にむしろ社会に支えられる側じゃなくて社会を支える側に回ってもらうアクティブエージングという考え方に立って施策に取り組んでおるところでございます。八ページ施策の体系を整理いたしておりますが、特に①の二つ目の丸になりますけれども、六十歳定年を基盤として、これからは六十五歳までの継続雇用制度導入促進に現在力を入れておるところでございます。また、雇用ということだけではなしに、②になりますけれども、シルバー人材センター事業の活用といった形で多様な形態による雇用就業対策を進めておるところでございます。  九ページ、十ページ説明を省略させていただきまして、十一ページでございますけれども、障害者の雇用対策でございます。  障害者につきましても、その能力と適性に応じた雇用の場が確保されるような社会実現していくということで総合的に対策を展開いたしておるところでございますけれども、その中心となります施策は、①の最初の丸でございますが、障害者雇用制度でございます。昨年の七月から雇用率が民間企業は一・八%に引き上げられたわけでございます。新たな雇用率の達成指導、援助の充実強化に現在努めておるところでございます。  また、障害者の方がその適性と能力に応じて雇用の場について社会参加することができるように、就業のための支援と生活支援とを一体的に取り組んでいこうということで、十二ページになりますけれども、厚生省の方と連携をしながら雇用と福祉の新たな連携による総合的な障害者対策に取り組むことにいたしておるところでございます。  次に、十三ページになりますけれども、女性が働きやすい職場環境の整備についてでございます。  働く女性の現状を見ますと、①のいわゆるM字カーブでございますけれども、着実に上方にシフトしてきておるわけでございます。また、女性の雇用者数、②の方になりますけれども、二千百二十四万人、雇用者に占める割合もほぼ四割に達してきておるところでございます。しかしながら、多くの先進国ではこのいわゆるM字カーブの谷の部分が非常に浅くなっているというか、ほとんどないわけですけれども、日本は少なくなったとはいえ依然としてまだM字型カーブを描いておると。やはり女性が子育てをしながら働き続けられる環境整備がまだまだ不十分であるということであろうと思っております。  そういった状況を踏まえまして、働く女性のための施策といたしまして、十四ページでございます。  性によって差別されることなく、その能力を十分に発揮できるような雇用環境を整備していくということで、1の(1)でございますが、男女雇用機会均等法が改正をされましたその規定がこの四月一日から全面的に施行されるということでございまして、募集や採用、配置、昇進など雇用管理のあらゆる面での差別が禁止といいますか、均等取り扱いが実現するように行政指導を展開いたしておるところでございます。  また、二つ目の柱としまして、職業生活と家庭生活との両立支援対策につきましても、育児休業や介護休業の取得等の施策について取り組んでおるところでございますけれども、2の(4)にございますように、来年度からは新しく家庭にやさしい企業といったものの普及促進にも取り組んでまいりたいということを考えておるところでございます。この新しい事業の概要は十五ページに記載してございます。これも厚生省の方と連携をとりながら取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  次に十六ページでございます。  新たな活躍の場、ベンチャービジネスの形成についてでございます。  中長期的に見て、我が国経済の活力を維持しながら雇用の安定を図っていくためには、やはり新たな雇用機会の創出が大変重要な課題になっておるわけでございまして、とりわけベンチャー企業、こういったものを初めとしました活力ある中小企業につきましては、これからの雇用創出の担い手として大変大きく期待をいたしておるわけでございます。そういった観点で、労働行政としましても関係行政と連携をとりながらベンチャー企業の育成に対する支援を行っているところでございます。  具体的な施策といたしましては、1の(1)にございますベンチャー出会いの場の開催といったようなことで、ベンチャー企業等の経営者やその関心のある求職者を対象にした人材のマッチングですとか、あるいは各種情報提供のイベントといったものを開催いたしておるところでございます。これの支援スキームにつきましては十七ページ、十八ページ関係資料を添付いたしております。  それから十九ページでございますけれども、中小企業労働力確保法を昨年の十二月、臨時国会で改正をしていただきました。新しく創業する、あるいは異業種進出を行う中小企業の人材の確保あるいは育成、そういったもののためにいろんな助成策を講じることにいたしておるところでございます。ことしの一月から施行いたしておるところでございます。  それから最後になりますけれども、(7)、ボランティアの場の形成関係労働省施策でございます。  勤労者がボランティア活動を行うことは、地域社会とのつながりを強める、職場と地域のバランスのとれたゆとりある生活を送ることにつながる、そういった意味で重要であるということで労働行政としても取り組んでおるところでございます。勤労者ボランティアセンターを設置いたしまして、いろんな情報提供あるいは相談を行うといった取り組みを行っているところでございます。  労働省関係は以上でございます。
  8. 久保亘

    会長久保亘君) 以上で労働省日比職業能力開発局長並びに坂本政策調査部長による説明は終わりました。  次に、厚生省大臣官房審議官堤修三君。
  9. 堤修三

    説明員(堤修三君) 厚生省老人保健福祉局担当の審議官をしております堤でございます。  ちょうど今厚生委員会が並行して開催されておりまして、終わり次第局長が駆けつけてまいりますけれども、説明便宜私の方でやらせていただきます。  本日のテーマに関しましては厚生省としては、資料の表題にございますように高齢者生きがいづくりあるいは健康づくりといった観点から取り組んでおります。その内容につきまして資料に沿いまして御説明を申し上げます。  一ページ目でございます。生きがいづくりという観点から、まず都道府県にこの生きがいづくりの中心となります都道府県明るい長寿社会づくり推進機構といった組織をつくってもらっておりまして、ここで社会活動についての機運を盛り上げていただく。そしてスポーツ、健康づくり、地域活動を推進するための組織づくり、それから生きがい健康づくり推進協力員、あるいはシニアリーダー等の養成、研修といった人づくり、それぞれ都道府県の実情に応じた形でやっていただいております。厚生省におきましても、この都道府県の長寿社会づくり推進機構の運営費について一部補助をしております。国レベルでは、これらの都道府県の機構の連絡調整を行う組織として長寿社会開発センターというのを設けております。  それから(2)でございますけれども、やはり具体的な市町村等におきます在宅の高齢者の保健福祉対策というものが大変重要になってくるということで、百億でございますけれども在宅高齢者保健福祉推進事業というものを予算化いたしております。  恐縮でございます。四ページの参考1という資料をごらんいただきたいと思います。この「目的」というところに書いているわけでございますけれども、平成十二年四月から介護保険制度がスタートするということでございますけれども、介護保険制度では、いわゆる要介護状態の方を介護サービス、介護給付の対象としておりますけれども、必ずしも要介護状態ではないけれども何らかの援護が必要なお年寄りというのは必ずいらっしゃるわけでございます。そういうお年寄りに対して、市町村がそれぞれの地域の実情に応じてさまざまな保健福祉、生きがいづくりの対策、そういうものが打てるようにということで、メニュー事業としてこういう事業を組んでおります。  内容は、ここの3にございますように、生活支援事業といたしまして配食サービスでございますとか移送サービス、あるいはグループリビング、高齢者が共同で気の合ったお仲間が一緒に住むというところ、そういう事業でございますけれども、グループリビング事業といったような生活支援事業。それから、(2)にございます生きがい対策のさまざまな事業、それから少し面的に、町づくりという観点からの事業といったようなメニューを並べておりまして、この(1)の生活支援事業は、このうちのどれかをやっていただいた上で(2)なり(3)なり(4)なりのそれ以外の事業もあわせてやっていただくということで、総額百億円でございますけれども市町村実施主体ということで予算化をしております。  平成十二年からの介護保険制度を展望いたしまして、その準備それから十二年以降もこういう施策が必要になってくるわけでありますけれども、要介護にならない方の幅広い対策というものをこういう事業でやっていきたいということでございます。  それから、一ページにまた戻っていただきますが、一ページの下の(3)というところに、これも介護保険関連サービスということで書いております。今申し上げました要介護には必ずしも当たらないけれども市町村が何らかの手を差し伸べる必要があるお年寄りがいらっしゃるわけでありますが、そういう方々をいろんな格好でお世話するための受け皿づくり、介護保険関連サービスと言っておりますが、そういう関連サービスの基盤整備、受け皿、こういうものをつくる必要があるのではないか、こういう場を使って(2)のいろんなメニュー事業も行われるということではないかということで、平成十年度の三次補正という形になりましたけれども、三百億、景気対策枠で確保いたしております。  これにつきましては五ページに具体的な中身をちょっと書いておりますけれども、先ほどの事業は言ってみれば運営費、ソフトの経費でございますが、これはどちらかというとハードの経費でございまして、「実施例」というところに、五ページの下にございますように、既存の余裕教室とかあるいは民家等を改修して、比較的小規模な施設実施をすることが可能な介護予防、寝たきりにならないための、要介護にならないためのデイサービス的な事業でございますが、そういう事業の場をそういう既存の施設等々を活用して受け皿として整備をする、あるいは健康運動活動を行うための場を整備する、あるいは介護技術の普及のための場、拠点を整備するといったような、これはさまざまな市町村の実情に応じた工夫でやっていただければいいわけでありますが、そういう要介護にならないための予防あるいは健康増進のための基盤整備といったようなものにつきまして、これは十分の十の定額補助という格好でございますけれども、市町村への補助を三次補正ということで今執行しつつあるわけでございます。  それから、資料の二ページでございますけれども、二ページの(4)には、労働省との連携事業ということで、高齢者生きがい促進のための就業支援事業というのを十一年度、モデル的な事業として予算を計上いたしております。都道府県段階の老人クラブ連合会と都道府県段階のシルバー人材センター、これが協力をし合いまして、老人クラブ連合会の方でお年寄り、老人クラブのメンバーの就業の御希望などをお聞きして、それをシルバー人材センター連合の方につないで、そちらの方でいろんな講習をしていただく、こういう両者連携事業でございます。  それから、今お話が出ました老人クラブに関しましては、二ページの2のところでございます。真ん中の米印のところにございますように、全国で老人クラブが十三万四千二百八十五クラブ、市町村の中のさらにその中のいろんな集落でございますとか学校区といいますか、そういう地域ごと単位クラブというのがございまして、市段階、県段階、それぞれ連合会があるという格好で、全体で八百八十七万人近いお年寄りが会員となって活動しておられます。この老人クラブに対しましてもその活動費の一部を助成しております。さらに、ちょうど二ページの②にございますように、十年度の三次補正では、景気対策の枠でございますけれども、高齢者の健康づくり・予防活動の強化推進事業として十億円を確保して通常の予算に上乗せをしております。  それから、二ページの下の方に「全国健康福祉祭(ねんりんピック)」というのを書いております。全国都道府県持ち回りで、毎年大体秋でございますけれども、ねんりんピックという名前で全国健康福祉祭というのを開催しております。事業の内容は、健康関連、それから福祉・生きがい関連、さらに、お年寄りだけではなくて世代間の交流ということで、小学生、中学生の参加といったようなものも含めまして、ねんりんピックというものを開催しております。三ページにございますように、昨年十一回大会を愛知県で行いました。本年は福井県で第十二回大会を開催する予定でございます。本年はちょうど国連が定めました国際高齢者年ということでございますので、それにふさわしい国際シンポジウムをこの福井大会であわせて開催するということにしております。  生きがい関係団体としましては、今申し上げました老人クラブ等がございますけれども、老人クラブの場合には比較的地域に戻ったお年寄りの集まりという感じでございますが、サラリーマンの場合にはやはりサラリーマンOBとしてのつながりということで、そういうものに着目をした生きがい推進関係団体もございまして、一つ具体例だけ挙げさせていただいておりますのは三ページにありますセカンドライフ協会といったようなものがございます。これは比較的大手の企業のOBを中心として六十万人ほどの会員を抱えておりまして、さまざまなシンポジウム等をやったりいたしております。そういうサラリーマンOBの団体活動も活発に行われている、こういう状況でございます。  厚生省は以上でございます。
  10. 久保亘

    会長久保亘君) 以上で厚生省大臣官房審議官堤修三君の説明は終わりました。  次に、経済企画庁国民生活局長金子孝文君。
  11. 金子孝文

    政府委員(金子孝文君) 経済企画庁国民生活局長です。よろしくお願いします。  それでは、本日のテーマが二つあるわけですけれども、その一つが「自己能力を活かせる雇用社会参加条件整備について」ということになっています。その関連として私どもがやっております消費者行政それからNPO行政について御説明しようと思います。それを貫く考え方というのはやはり個人の自立ではないかということで、この資料1のテーマとして、「個人の自立の観点からみた消費者行政とNPO」ということにさせていただきました。  それで、両者がどう関係あるのかというのをさらにもう少し「我が国の構造改革」というところから御説明をさせていただきたいと思います。  私が改めて御説明することもないかもしれませんけれども、現在進めている構造改革、その一つというのは、個人、企業、その持っている創造性を十分に発揮できるということを通じて経済活性化を図っていこうということが一つ目的でありますし、もう一つは、安心して暮らせる心豊かな社会構築しようという、その二つが目的だと思います。  しかし、その中で非常に重要なのは、個人、企業の創造性の発揮、その創造性というものが活力に結びつくためにはやはりそこに市場が十分に機能することが重要だろうということで、この「改革の基本」に掲げましたけれども、市場原理の尊重というものが一つ非常に重要なんではないだろうかということだと思います。  それからもう一つ、当然、市場原理の尊重という言葉を言った場合に、余り政府が市場に裁量的に介入しないということが基本になりますから、そういう面で小さな政府の実現というのがもう一つ目的ではないだろうかと。それから、心豊かといっても、これだけ価値観が多様化しているわけですから、それは民ができるものは民に任せるということになりますので、そういう面においても小さな政府の実現ということが改革の基本であろうということだと思います。  そういうことを考えた場合に、個人あるいは消費者と言っていますけれども、一体それはどういうことが求められるんだろうかということであります。結局、政府が引っ込むわけですからその責任が減る。そうしますとあとの責任というのが事業者あるいは消費者がとっていくということになりますので、当然事業者の責任も非常に高まるわけですけれども、消費者の自己責任もやはり十分に自覚して行う必要があるだろうということで、取引の関係としては事業者と消費者ということになりますので、消費者のいわゆる自己責任というものが重要になるわけであります。  それから、これまで政府が負っていた役割というのを個人がそれを主体的に担っていくということになりますと、個人主体的な活動が非常に必要になってくる。そういうことになりますと、私どもの行政でいえば、この消費者の自己責任、これは消費者の自己責任だけ言いますと何か消費者の自己責任だけかということですが、決してそうではなくて、事業者の責任というものは当然あるわけですけれども、そうした自己責任ということを考えて消費者行政を新たな方向に持っていくということが重要であります。  二番目は、先ほど申しました個人主体的な活動、これが重要でありますので、その手段として特にボランティアがさらに盛んになってくる、主体的な活動ですから。そういう面で、私どもがやっておりますNPO活動、これが個人主体活動に大いに関係あるのではないかということで、二つのことにつきまして説明をさせていただくということであります。  それで、まず消費者行政ですけれども、これも改めて説明することはないかもしれませんけれども、市場において消費者と事業者、その二人があるわけですけれども、当然事業者は情報力あるいは交渉力において消費者にまさっているということであります。しかし、これは経済学の言うところの情報の対等性、これこそが市場をうまく働かせると言っているわけでありまして、そういう面で消費者に十分な情報を与える、消費者の交渉力を高めるということが市場の効率性を高めるということにつながって、もう一つ、先ほど言いました経済活性化、これにも当然つながるわけでありまして、もう一つはそういう情報力をしっかり持つということがやはり安心にもつながるのではないかと。そういうようなことのためには、それを通じて消費者が主体的、合理的に行動できる環境を整備していく、これが消費者行政の目的だと思います。  それで、今申し上げましたことをもう少し細かく申しますと、課題としては、一つは、消費者が自主的に意思決定ができるということが非常に重要でありますので、自主的に意思決定ができるような情報を事業者が消費者に与えるようにそういう条件を整備していくということが消費者行政の一つ課題であります。  二番目ですけれども、情報だけ与えればいいのかということですけれども、例えば医薬品だとかそんなものは消費者が安全かどうかなんということはわかるはずがないわけですから、それはやはり事業者がその製品の安全性あるいは取引の適正な内容の確保を図るように条件を整備していくということ、それがもう一つ重要なことでありまして、それが言ってみれば安心だと思います。例えば電子商取引などが今だんだん大きな取引として進んできているわけですけれども、この電子商取引などに対する安心感がなければやはりこの電子商取引は広がらないということで、消費者が安心を持つということは、その業が拡大すること、それはひいては経済活性化、そういうことにとっても非常に重要であるということだと思います。  それから三番目は、こういう形で事業者がいろんなことをやることを促すわけですけれども、片方では、やはり消費者自体が情報力、交渉力を持つような能力を自発的に高めていくというために、消費者の教育あるいは消費者への情報提供を国みずから、政府みずから行っていくということが必要だと思います。そういう面で消費者行政は三つ課題を持っているということだと思います。  そういう課題をこれまでどういう形で進めてきたかということでありますけれども、これまでは、例えば情報の提供だとJAS法だとか家庭用品品質表示法というような事業者の規制を通じてしっかり情報提供をしろということでやってきたわけでありますし、それから薬事法あるいは食品衛生法のようなものについては、事業者規制を通じて安全を確保するという形をしてきたわけであります。  ③の課題につきましては、いろんなことがあるわけですけれども、消費生活センター、これは全国で今三百三十幾つあるわけですけれども、そういうものを設けまして消費者支援を実施し、消費者の情報や交渉力を高めるお手伝いをしてきたということであります。  それがこれまでの消費者行政ですけれども、二ページ目になりますけれども、今後は、その事業者が必要な責任を果たさなかったことによっていろんな被害が生じてしまう、例えば安全性を十分に確保しなかったためにけがをしてしまうとか、あるいはしっかりした情報提供をしなかったために、本当ならばそんなような取引をしなかったのにしてしまったというようなこと、そういうことがあったときにそれを救済する民事ルール、こういうものを設定することによってさっき申しました①、②の課題を達成していこうということであります。  したがって、国、政府がやることはルールの設定でありますから、政府が裁量的にいろんな取引に入っていくことはない。それから、それは市場の中でそういうことが解決されるわけですから、市場原理の尊重という先ほど申しました改革の二つの基本と整合的な形で課題が達成されるということ。そういう方向に今後消費者行政は向かっていくのではないか。  そういうことで、ルールを設定するということは、結局事業者がどういう責任を果たし、その裏として消費者も自己責任というものを求められるわけですから、そういう面で責任のありかが明確になるということで、それをしっかりやっていくということがやはり消費者の自立ということにもつながっていくのではないか。それからさらには、こういう責任を果たせるために、先ほど申しました消費者の支援という政策が今後一層重要になっていくのではないかと思われます。  それで、民事ルールの設定ということですけれども、一体それはどういうことなのかということです。これは既に製造物責任法、PL法、これが平成七年に施行されたわけですけれども、これは製品関連事故における被害者の円滑かつ適切な救済の観点から、損害賠償に関するルールを民事の一般原則である過失、過失があるかどうかということを問うたわけですけれども、過失の立証は非常に難しいわけでありまして、それを欠陥、つまり製造物が通常有すべき安全性を欠いているということがあれば、それについて責任を求めるという形で被害者の立証負担を軽減するという形で製造物の安全の面についての民事ルールは既に設定されたところであります。  それで、今政府としてやろうとしていることが消費者契約法の検討ということであります。  消費生活センターなどに寄せられる苦情を見てみますと、平成元年に十七万件だったわけですけれども、最近ではそれが四十万件ぐらいになっていまして、その八割が契約とか解約あるいは販売方法に関する問題になっている。ここにおいて、やはり新たな民事ルールを設定することで対応していく必要があるんじゃないかということであります。  二つ分かれまして、一つは契約に関する重要事項、これについて情報を提供しなかった、あるいは不実のことを告げた場合、あるいは大勢で取り囲んで強引に契約させてしまうというような、例えば威圧をするような言動をした場合、こういう場合には消費者は当該契約の取り消しといったみずから救済に資する措置をとることができるようにしようというのが一つ考え方であります。  もう一つは不当条項、つまり事業者の定める契約が非常に不当であった場合、例えば事務内の事故で何かあっても私どもは一切責任負いませんなんという条項が今あるわけですけれども、それは消費者に不当な不利益だということで、その条項を無効にしようと。そんなようなことを内容にする法律を現在検討しているところでありまして、お手元の資料2に、一月に国民生活審議会消費者政策部会から「消費者契約法の制定に向けて」という部会報告をいただきましたので、その概要をお配りしております。  もう一つが特定非営利活動促進法、NPO法であります。これについて御説明します。これは基本的にはボランティア活動になるわけですけれども、その意義はどういうものかということでありますけれども、四つぐらいあるのかなと、こう考えられます。  一つは、所得水準が上がっていきまして価値観が非常に多様化するということになります。そうすると、やはり政府では対応できない多様なニーズが出てくるんではないか、そういうものを自主的に個人グループとなって対応していくということにあるのではないか。  それから二番目は、先ほど申しました市場がどんどん重要になっていくわけですけれども、市場というのは基本的には利己的な活動をもとにするわけですが、私ども、単に利己的ではなくて利他的な活動を通じて自己実現を図りたいという欲求もあるわけですから、そういう面でボランティアというものが一層盛んになってくるのではないか。  それから三番目でありますけれども、政府の場合には法律、予算、企業の場合には収益が上がらなければいけないという、そういう制約がありますから、活動の展開はそれほど柔軟にできるわけではありませんので、ボランティアの場合にはそういう制約がないということで非常に柔軟な活動が展開できる。それを利用しまして新規分野のいろんな開拓をしていく。それ自体が政府に採用されたりあるいは企業活動に採用されたりするということになるのではないかということで先駆的な役割を果たすだろうと。  それから、ボランティア活動自体をすることによっていろんな知識が高まるわけですから、その知識を利用して政府や企業の活動に対する監視機能を果たすということもあるのではないかと思われます。  それで、恐縮ですが資料3を見ていただきたいと思いますけれども、市民活動団体の実態について経済企画庁平成八年に調査をいたしました。その結果について御説明したいと思いますが、全国で約八万六千団体ほどこういう団体があるということであります。どんな活動分野かと申しますと、社会福祉系、この下にありますけれども、高齢者福祉だとか児童・母子福祉、そんなようなこと。さらには、教育・文化・スポーツ、地域社会、環境保全、こういうものが多いという結果になっております。  それで、次のページ、二ページですけれども、こういう団体、さらにちょっと申しますと、こういう団体に一体法人格になる必要を感じているかどうかという調査をしているわけですけれども、そのうち一二%の団体が法人格が必要であるという返事をしているわけであります。そんなようなことがありまして、平成十年三月に議員立法によりまして特定非営利活動促進法という法律が成立をしたわけであります。この目的は、一定の要件を満たす非営利の団体に簡易、迅速な手続で法人格を与えようということであります。  それで、特定非営利活動は何かというと、ここにありますけれども、十二の分野がこういう「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与すること」を目的として、こういう十二の活動分野に入っているものを特定非営利活動ということで定義をしています。  法人の定義及び要件ですけれども、今申しました特定非営利活動を主たる目的とする、それから営利を目的としない、さらに次のいずれにも該当するということで、社員の資格の得喪に関して不当な条件を設けないとか、あるいは報酬を受ける役員が全部の三分の一以下だとか、あるいは一番最後にありますけれども、十人以上の社員を有するというようなことであります。  それで、これを申請するときには都道府県知事に申請する。所轄庁は都道府県知事だということを基本としますけれども、事務所が二県以上に分かれるときには経済企画庁だということになっております。  次の三ページですけれども、設立、これは要するにさっき挙げました法定要件に合致すれば裁量の余地が非常に少ない形で認証しようということで認証をしまして、それを受けまして登記をすることによって成立するということであります。  そういうことでありまして、それで、この促進法によって法人になるそのメリットは何なのかということなんですけれども、これは先ほどの資料1の(3)にありますけれども、その法人の名前でないと、代表者がかわると例えば銀行口座を変えなきゃいけないとかあるいは登記を変えなきゃいけないということですけれども、団体になることによって法律行為をその名によって行うことができるということであります。  また、非常に重要なことは、これは情報が十分に公開されるということになりますから、情報の公開こそまさに団体に対する社会的信用を高めるということになりますので、当然その団体活動にとって非常によい効果を持つのではないかということだと思います。  それで、現在どのくらいの申請があるのかということが資料3の四ページに載っていますけれども、当初どうも申請が少ないんじゃないかというようなこともあったんですけれども、その後着実にふえてまいりまして、十二月一日から始めまして二月五日まで、全体で二百八十九、都道府県が二百六十五、経済企画庁が二十四という状況になっておりまして、まだ認証は出しておりませんけれども、申請が今後も着実に出るとともに認証も行われていくのではないか、こう考えております。  そういうことで、消費者行政というものが消費者の自立を促す方向に変えていこうということを考えておりますし、NPOも個人社会活動主体的な参加をする機会を拡大するということによりまして、やはりこれも個人の自立を促すという非常に大きな効果があるのではないか、こう考えております。  以上です。
  12. 久保亘

    会長久保亘君) 以上で文部省労働省厚生省及び経済企画庁からの説明は終わりました。  これより自由質疑に入ります。  質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って質疑を行われるようお願いいたします。  なお、質疑に入る前に、各位にお願い申し上げます。  先ほども申し上げましたように、質疑時間は二時間程度と限られております。つきましては、発言を希望するすべての委員が発言の機会を得られますよう、質疑及び答弁は簡潔に行っていただくよう御協力をお願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
  13. 堀利和

    ○堀利和君 それでは、簡潔に御質問させていただきます。  三点です。  一点は、社会教育施設学校なり公民館あるいはカルチャーセンターというんですか、この建物のいわゆるバリアフリーがどの程度進んでいるのかの認識なり今後の取り組みについてお聞きしたいと思います。  それから二つ目は、介護保険制度も来年四月からスタートしますけれども、要支援者、要介護者に対しての保健福祉における生活支援等々がありまして、この辺はその分野においてサービスが多々準備されている、用意されているということは理解できます。例えば、デイサービスセンターに行って訓練を受けるなり一日過ごすなりあろうかと思います。  ただ、そこでお伺いしたいのは、いわゆる社会教育地域で受けているケース、いろいろなカルチャーの講座が開かれたりいろんな社会教育の催し物があろうかと思いますが、これに交通機関、電車、バスを利用して通っているお年寄りが、例えば要支援者の状態、要介護Ⅰ度、Ⅱ度ぐらいの体が不自由になる状態、あるいはもともとその程度の介護を要する体の不自由なお年寄りがどういうふうにその社会教育を受けられるのか。  これは社会教育の担当の文部省も当然取り組んでいただきたいと思いますけれども、厚生省とそこはタイアップするといいますか、あるいは社会教育の観点からどんなふうに厚生省として、そういったお年寄りが、高齢者社会教育を受けられるようにするかという観点が私は必要ではないのかなと。もちろん放送大学とか通信教育はあるんですけれども、またそれとは違った地域における社会教育取り組みがあると思うんです。  そういう意味で、保健福祉の中の生活支援という形ではなくて、社会教育の中で位置づけた高齢者に対するサービス、身体障害者等ですと福祉法でガイドヘルパーも整備されていますけれども、要支援者、要介護度Ⅰ度、Ⅱ度ぐらいのいわゆる体の不自由になったお年寄りに対してどうするのか。むしろここら辺の切り口から積極的な対応というのが望まれるんではないかなと思います。その辺についてどうお考えかです。  それから三点目は、企業内教育訓練に対して行政からのさまざまな支援をお聞きしました。労働慣行が我が国においてどの程度、どういうふうに大きく変わっていくかということも私も十分はわかりませんけれども、いわゆる終身雇用制度が揺らぎ始めている、かつてのような安定した終身雇用制度はない。御説明の中でもパートタイマーがふえたり非正社員がふえたりということ。それからさらには、やはりアメリカ型雇用慣行といいますか、実力を売り込むといいますか、そういう観点からすると、行政からの企業内教育訓練に対する援助、支援があろうかと思いますが、企業としてもそれなりに自分のといいますか、労働者に対するそれなりの投資という意味で教育訓練というのを行うとすれば、せっかく投資をしたのによそに行ってしまったというような、つまり雇用慣行の変化について企業サイドがどんなふうに考えるのか。  そういった投資をするほど力を入れるとなれば、企業を今後も背負って立つ中核的な人材なのかもしれませんけれども、そうなりますと企業を超えて職業能力社会評価という、そうなるとまさに企業を渡り歩くというのはちょっと言い方がおかしいんですが、行く、実力を売る、そういう方々こそ職業教育の訓練というのが必要になってくると思うんです。  そういう意味で、その辺の企業側の雇用慣行の変化とみずからの従業員、労働者の教育投資との関係の不安というものについてどんなふうにお考えか、労働省からの見解をお伺いしたいと思います。  以上です。
  14. 富岡賢治

    政府委員富岡賢治君) 手元に詳細な数字は持ってございませんけれども、例えばバリアフリーという問題、ソフトの面とハードの面、いろいろあろうかと思います。ハードの面では、例えば障害者用のスロープあるいはトイレとか、そういうものの整備状況などは私ども今手元に持っておりますけれども、全体としてどのように問題を解決するかということについてちょっと手元に持っておりませんが、また必要がありましたら少し調べてみたいと思います。  大体、現在の状況ですと、公民館等は地域高齢者から幅広い方々の利活用ということが大きな課題でございますので、そういう問題を決して軽く思って対応しているということはないと思いますが、残念ながら手元に今全体の姿がわかる資料を持ってございませんので、ちょっと省へ戻りましてから調べてみたいと思います。
  15. 近藤純五郎

    政府委員近藤純五郎君) 先生、要支援とか要援護者に対して、あるいはそれ以外の障害を持つ御老人の方が社会教育の催し等に通うことはできないか、こういうことでございます。  私ども介護保険の関係では、当然のことながら要支援、要介護の人に対します介護サービスの提供、その介護保険から漏れる方もいらっしゃいますので、こういう方々に対しましては、先ほど御説明いたしましたように、生きがい対策とか健康づくり対策、その中に高齢者学習とか創作活動、こういった地域活動が市町村でできる、こういうふうな形にいたしているわけでございますけれども、これは別に介護保険の対象者でももちろん活用できるわけでございます。  現在、移送サービスというのは確かにあるわけでございますけれども、この移送サービスはどちらかといえば在宅サービスを受けるために移送する、こういうふうな形で考えられております。現在の施策の中で、介護を要する方あるいは要支援の方がそういう社会教育のために通うサービスについてはまだ想定いたしておりませんので、先ほどの移送サービスがどこまで拡大できるか、こういう問題だろうと思っております。  それから、絶対額もこの額では足りないわけでございまして、介護保険制度ができますれば、これから漏れる方もいらっしゃいますし、こういう需要というのはふえてくるということでございますので、こういったものの充実というのは当然のことながら、十二年度以降になろうと思いますけれども、私どもとしては努力をいたしたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
  16. 日比徹

    政府委員(日比徹君) 先ほどの第三点目でございますが、企業の企業内訓練といわゆる労働力の流動化といいますか、そういうものとの関係を企業がどう見ているだろうかというお尋ねであろうかと思います。  これを考えますときに、実は現在、雇用情勢が非常に厳しゅうございますけれども、諸統計を見た場合にこの十年間でいわゆる離転職率といいますか、労働の移動率は必ずしも高くはなっておりません。雇用形態が多様化しておりますので確かにパート雇用方々は非常に多くなっておりますし、派遣形態の方々も年々のようにふえておるということもございますが、企業の在籍年数というのは実はそれほど短くなっておりません、むしろ長くなっておるような状況でございます。  そこで、企業の方でどう見ているかというような確たるアンケート等を持っておりませんのでしかとはわかりませんが、幾つか民間の方でいろんな調査機関等が調査したものの中に、企業内でどういう従業員の訓練対策を行っているか、みずから行っている業務に極めて密接な訓練というのは昔から今に至るまでやっておりますが、プラスして行いますものについて若干の調査でよく出ますのが、従業員がみずからいろんな形の教育訓練を受けるということについてどういう対策をとっていますかというときに、資格その他を取れば手当を出すというもの、これはまだそんなに多くはございません。それから、労働時間なり有給休暇、あるいはそういう面での配慮をするというところもかなり少のうございます。比較的多いのが受講をした場合に一定の経済的援助をする、そういうふうなところが企業の中で結構、特定のアンケートの限りでございますけれども、多いというのが若干調査で見たことがございます。  したがいまして、先ほどのことについてのお答えになっているかどうかになりますが、少なくとも今時点ですと、雇用の流動化と言われていることが、企業がみずからの従業員に対する教育訓練投資の態度を変えるところには至っていないのではないか。  ただ、これについてはもちろん前提がございまして、先ほども申し上げましたようにパートの方の数も相当ふえてきておりますし、雇用形態自体が非常に複雑化しております。  また、もともと中小零細規模ですと純粋の企業内の訓練というものが十分でなかったようなこともあろうかと思いますので、従来の企業の教育訓練投資自体がすべての労働者に同じように大量に行われていたわけでは必ずしもないと思いますので、それを前提にした上で企業の姿勢を考えますと、今のところ目立った変化はないというふうに私は思っております。
  17. 中原爽

    ○中原爽君 文部省に伺いたいんですけれども、先ほどの御説明で、社会人に対しまして文部省としては、正規の学習課程といいますか、放送大学あるいは夜間大学院昼夜開講制大学院、あるいは科目等履修生制度、こういったものをかなり以前から用意されておられたわけであります。  きょう、ほかの省庁のお話を伺いますと、どうもこの社会人に対する学習体系というものが、従来の第二の就職のための職業生活の準備であるとか、あるいは完全にリタイアしてしまった後、生きがいを求めてというような学習体系、こういった方向性が少し変わってまいりまして、例えば第二の就職という意味では、この経済状況の中で就職先もない、こういう社会情勢。したがって、例えば高齢社会に向かってのホームヘルパー、こういったような職業的な方向に移行していく、ホームヘルパーのための学習をする、こういうような方向性もあろうかと思います。あるいは、完全にリタイアしてしまったんですが、やはり何らかの生きがいを求めてという意味では、ボランティア活動の方へ移行する、あるいはNPOに参加する、こういう意味合いでどうも社会が動いているような気がいたします。  そうしますと、文部省としては、従来の正規の形の夜間大学院等こういった学習体系と現状のボランティア活動あるいは高齢社会に対するホームヘルパー的な職業、こういったところの関係。要するに、正規の学習課程すなわち学校教育法に規定されているような学習体系と現状のボランティア活動への方向、こういったところのかかわりは文部省として今後どういうふうにお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。
  18. 富岡賢治

    政府委員富岡賢治君) 開講いたしますときには、大学がどのようなものを開講しようか、生涯学習講座とか正規の課程を開講しようかということで当然いろいろ検討していただくわけでございましょうから、そういう場合には社会福祉系あるいは地域のいろんな需要あるいは希望等を考えまして勘案するということになりますと、恐らく意図的に行政がそうしてくれということではなくても、そういう方向に向かった需要が多いということが言えるんじゃなかろうか。  先生も御存じかと思いますけれども、新設大学等で希望がありますときには、昼夜開講制等を提案するときには、大体社会福祉系とかそういうような学習課題ということを中心にするというようなことが多うございますから、需給関係ということではそういう方向に意図的に行政的に特に手をかけるということはなくてもなっていると思いますけれども、むしろ私どもとしては、そこで学習した方々がそういう方向で現に生かしていけるような具体的な手だてをいろいろ工夫して用意するということも、そういうことを振興する一つの手だてかなと、こういうふうに思うわけでございます。  大学等高等教育機関や専門学校への生涯学習を希望する者は、趣味、教養ということも半分ぐらいございますけれども、端的にそれを自分自身キャリアアップのためにも、それから地域のためにも役立てたいという目的意識を持った方が割合多いということははっきりしておりますので、そういう方向で、学習した人がそれを生かせるような場をいろんな形で考えていくということがむしろ王道で、近い施策かなというふうに思ってはおります。
  19. 西山登紀子

    西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。  労働省にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほど「働く女性のための施策」というところでいろんな御報告がありました。私は、これからの二十一世紀の日本の企業のあり方とか労働のあり方を考えていく上で女性の労働というのはもう不可欠、欠くことができないと。今、雇用労働者の中の三九・六%は女性の労働者でありますし、女性の意識から見ましても、もっともっと仕事につきたいという人の比率はふえていくと思うんです。  そのとき、これは私自身の経験からもそうですけれども、どうしても個人に任せておいてはできない二つのことがあると思うんです。それは、母性の保護という問題と、それから家事、育児、全体として家庭ということでしょうか、家庭の両立というこの二つの問題については、これを個人任せにしておきますとどこかでやっぱりちぐはぐになっちゃってうまくいかないというふうに思っています。この点をどうやって社会的にきちっとルールをつくるのか、制度をつくるのか。それから、企業にも一つ社会的な責任をルールとして政治がきちっと決めていくということはどうしても必要じゃないかというふうに思っているわけです。  最近非常に心配なのは、例えば私が働き始めたときには労働基準法というのがございまして、そのときは女性の休日労働は禁止、それから長時間労働も一日二時間以上はさせてはいけない、一週間六時間以上させてはいけないという労働基準法の母性保護の規定がありましたけれども、今はそういうのがなくなって深夜労働も解禁というような状況になっている中で、果たして本当に女性の社会進出と母性の保護とそれから家庭の両立ということがうまくいくかということについて私は大変心配をしております。  それで、母性保護という観点で女性の労働実態を何か調べたのがありますかと言って、この間、私も厚生委員会でいろいろ質問したんですけれども、政府の方もそういう調査をしたのがなかなかないというようなお答えがありました。女性のそういう深夜労働をやっている場合の母性に対する影響だとか、それから長時間労働をやっている職種はたくさんありますが、そういう人たちの母性保護あるいは母性の破壊についての実態調査などをやったのがあれば、それをいついつ幾日ということで御報告いただいて、後で資料をいただくのでいいんですけれども、それをいただきたいというのが一つです。  それから、私が大変心配しておりますのは、実は私、地元は京都なんですけれども、学校先生方の中でとても在職死亡が多いんです。学校の先生というと非常にいい職業というふうなイメージも、最近はちょっと薄らいできておりますけれども、あったんですけれども、この六年間で京都の先生方の、これは男女合わせてですけれども、在職死亡が百人に及んでおります。年間十五人から十六人が亡くなっているわけです。  それで、女性部の方から最近の調査をいただいたんですけれども、八百八十人の先生方のアンケートが返ってくる中で、学校をやめたいと思うかという問いに対して、よく思うが二二・六、時々思うのが五〇・六ですから、学校をやめたいなと思う人が合わせて七三・二%を超えている。その学校をやめたい理由は、多忙過ぎるというのが三九%でございます。それと、もう一つの指標でびっくりしたのは、過労死の不安を強く感じるというのが八・五%、少し感じるというものを合わせますと六〇・六%が過労死の不安を実際に持っている。  そういう先生方の妊娠、出産はどうかということでございますけれども、九六年から九七年にかけて出産した先生が百十四名いらっしゃるんですけれども、実に二六%は異常出産でございます。七割しか正常出産はないわけです。一カ月以上休んだ人の中で、神経性ストレス、アルコール依存症という方が女性の先生は男性の倍ほどある。  というようなことで、私はとりわけ女性の教師が家事、育児の負担を含めて非常にストレスが強く、健康状態におきましても危険な状態にあるんじゃないかなというふうに思うわけです。  これは私が御報告しているんですが、こういう状況について労働省は、これが学校現場として、教職員の現場として正常だというふうに思われるかどうか、その点をお答えいただきたいというのが一つ。  それから、最後にですが、日本の労働者の労働時間というのは非常に長いです。これはもう世界でも有名なわけですが、フランスなどは週三十五時間制に向かっていっております。  労働省としては、日本の今の労働条件の水準というのは、いわゆる国際的なグローバルスタンダードというのは大体労働時間の少ない方に向かっていくという方向だと思いますけれども、それに比べてどのようにお考えになっているのか、お考えをお聞きしたいと思います。  その三つです。
  20. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) ただいま三点ほどお尋ねをいただきました。  第一点目の深夜労働あるいは長時間労働が母性保護にどういった影響を与えているのかの具体的な実態調査ということでございますけれども、ちょっと手元には持っておりませんし、どういった形のデータがあるのか、帰りまして当たってみたいと思います。  二点目の、学校教育現場での女子教職員、大変死亡が多いとか過労死の不安を抱えておられるといったようなことでございます。  私どもとしましては、総論的な言い方になりますけれども、働く人が希望と生きがいを持って安心して働けるような職場をつくっていかなきゃいかぬということで、それが労働行政の使命ということで取り組んでおるわけでございまして、そういったことがないような快適な労働条件の実現に向けて当然取り組んでいかなきゃいかぬ、こういうふうに思っております。  労働時間は、確かにフランスでは週三十五時間といったようなことで現在も法制化が進められております。我が国では昨年の労働基準法の改正でいろいろな御議論がございまして、やっと四十時間制が実施される。その中で、長時間の残業あるいは深夜の働き方、こういったものにつきましても、これまでの考え方とは違って、もう少し家庭との両立といったものに目配りをしていかなきゃいけないのではないかといったような議論もいろいろございました。  そういった点につきまして、労働者の健康を確保するという観点からの新たな取り組みについても現在検討いたしておりまして、労働安全衛生法の改正法案につきましても今国会に御審議をお願いしたいということで進めておるところでございます。
  21. 松岡滿壽男

    松岡滿壽男君 前回、文部省の子供たちからのアンケートを見てびっくりしたんですけれども、友達が欲しいんだけれども友達ができない、それから、おもしろいことをしたいんだけれども何がおもしろいことかもわからないというような感じのアンケートの結果になっていますよね。だから、できる限りそういう場を設けてやらなきゃいかぬと思うんです。  それで、一般的に社会教育学校教育、家庭教育という言葉がありますけれども、戦後の日本の中で家庭教育学校教育で不十分な部分社会教育といいましょうか、企業の場とか、それから公民館とか、あるいはロータリーとかライオンズとか青年会議所とか、いろんなそういうボランティア団体の中に入ることによってその部分を補完してきたという部分が随分私はあっただろうと思うんです。  そうすれば、そういう子供たちの願いをかなえるのにいろんな形で、今スポーツ少年団とか緑の少年団とか海洋少年団とか、ガールスカウトとかボーイスカウトとかありますね。そういう団体に対する地方の中での取り扱いというものが今それほど熱心でなくなってきているんですね。何でも官主導というのは私は反対なんですけれども、せめてガールとかボーイというのは、世界的なコネクションのある団体ですし、野外活動とか訓練とか規律とかまじめにやっています。ところが、その指導者クラスが大分高齢化してきている。学校の先生上がりが多いんですけれども、ほうり出しそうな感じがしてきている。地域の中でも、学校、茶道とか、いろいろそういう文化面でも努力はしているんですが、そういうものに対する、今私が申し上げたような問題について生涯教育レベルでどういうふうな、特にガールとかボーイに対する考え方をしておられるのか、ちょっとお聞かせいただきたい。  それから、箱物で公民館とか図書館とか博物館とか、たくさん施設をつくっておられる。それは、各地域の首長というのはやっぱりこういうものをつくることによってこういう実績をつくったということで非常に熱心に今までやってきているわけです。この部分も大切です。しかし、それに対して物すごくお金がかかり過ぎてきている。これからこういう社会教育施設整備していく段階で、それにかかり過ぎている費用についての国レベルでの考え方、どういう形でやったらもっと気軽に経費がかからない形で運営できるかということについての考え方をお持ちかどうかということ。  三点目が、九ページに「余裕教室の転用」というのがありますね。これから子供は減っていくし、中高一貫教育ということをやっていく段階でかなり教室があいてくるだろうと思います。そういうものを有効に利用するというのは非常に賛成ですが、この二つの例の場合は、結局その運営主体というのはどこになっているんでしょうか。余裕教室活用指針を策定されたようですけれども、これの費用その他はどこの負担になるのかということをちょっとお伺いいたしたいというふうに思います。  それから労働省の方で、家庭にやさしい企業の問題です。具体的に家庭にやさしい企業というものの中身、ちょっとイメージとしてよくわからないんだけれども、これをお知らせいただきたい。  それから、十一ページの障害者雇用率、今までの民間の一・六を一・八に改定されたようですが、今これだけ景気の状況が悪いと、企業の行き方としてはむしろ、残念ですけれども、健常者を罰金払ってもという感じになってきているわけでしょう。雇用率がどういう形でこのところ推移しているのか。国・地方は二・一は充足しているんでしょうけれども、あわせてそれぞれの雇用率の推移と、それから民間のペナルティーの状況がどういうふうに推移しているのか。資料がなければ後からでもいいですけれども、その辺をちょっとお聞かせいただきたいというふうに思います。  以上です。
  22. 富岡賢治

    政府委員富岡賢治君) 第一点目でございますが、私どもも問題認識は全く同じでございまして、スポーツ少年団、それからボーイスカウト、ガールスカウトについては、むしろそういう活動に昔の地域が、教育力が、いろいろつながりがありましたときには、隣のお兄さんの方から声をかけるというふうなことがあったわけでございますが、今はそういうことがなくなりましたものですから、活動人員の停滞、むしろ減少傾向などが見られるという問題を多くが抱えております。  私どもとしましては、どちらに責任があるということを言っている場合ではございませんで、まさに若いお父さん、お母さん方がそういう問題に、そういう活動に触れる、そして子供たちに一度そういう経験をさせるというふうなことを誘導していくことが大事なんじゃなかろうかというふうに思っております。今年度、来年度の予算で、御審議いただく予算案等にも計上いたしておりますけれども、完全学校週五日制が三年後という状況になってまいりまして、特に少子化の状況なども踏まえまして、この三年間にできるだけ子供の地域での環境づくりをしないと間に合わなくなる。  例えば、ボーイスカウトやガールスカウトの活動を一度経験してみたいけれども、一体どこへ電話したらいいんだろう、どこで体験入門ができるんだろうというふうなことを、お父さん、お母さん方にわかりやすい情報を、それこそコンビニエンスストアだとか郵便局にそういうような情報を置いていこうというような、子どもセンターというような構想を持ちまして、そういうふうに一度若いお父さん、お母さん方と子供が接点を持てるような活動地域のいろんな関係機関の協力をいただいてやろうというふうなことも予算案等で計上させていただいております。  私ども、特に地域の町づくりとか町のアイデンティティーづくりということが随分叫ばれております状況でございますから、そういうことは地域の責任で、いろんな人がそういうお父さん、お母さんに井戸端へ来てもらうというような誘導をしていただきたいということをこの三年間に大いに進めたい、こう思っております。切磋琢磨する機会が自然にやっておいたらなくなってしまったということが一番大きい問題でございましょうから、そういうことに参加してもらうというふうなことを促してまいりたいと思ってます。  それから、二番目でございますが、私どもも同じ問題認識を持っておりまして、もう箱物をつくっていけばそれで済むという時代ではございませんで、今のような地域での活動をやりますときには、既存の施設あるいは既存の組織、それから教育行政なら教育行政だけでやっているのではなくて、他の行政との連携した活動を進めるということがむしろ第一の重点を置いた施策になりつつあるわけでございまして、これもこの三年後の完全学校週五日を迎えまして、関係省庁のいろんな協力を得まして地域でのいろいろな活動を守り立てていこうということで、それを何か箱物をつくればいいということじゃなくて、そういう連携作業でやっていこうというふうなことも今進んでまいりました。  端的なあらわれでございますけれども、社会教育施設の箱物をつくる国の補助金という制度がもうなくなりまして、そういうことはそれぞれ地域でお考えいただくということになりました。箱物重視というような施策は、少なくとも行政的には、国のレベルでは非常に後退したものだという認識を持っております。もちろん箱物も大事でございますが、むしろそれを生かすソフトの事業を進めていく必要があるという認識を持っております。  それから、三点目でございますけれども、余裕教室を転用して、例えば福祉施設なり、学校の子供たちがお手伝いできるような保育施設なり、あるいは高齢者施設高齢者と子供たちが触れ合うということが大事なんだというふうにむしろ積極的に見ていこうということで、余裕教室の転用というふうなことがかなり進むようになってまいりました。  これは、私どもとしては、そういうふうに転用するときなどに補助金を返しなさいとかというふうなことが始まりますとなかなか進まないということがございましたので、そういう手続をまず簡素化しようということが一つありました。しかし、実際その部分をつくって運営したりするのは、それは福祉部局でもございましょうし、場合によりましたら教育委員会ということもございましょうけれども、隣の学校に運用とか責任を任せるということになりますと、これはなかなか大変でございましょうから、そういうふうにそれぞれの設置主体によって運営主体は変わるんだろう、その機関の、置くものの責任の主体によって違うんだろうと思っております。  ただ、私どもとしてちょっと心配しておりますのは、たまたま教室があきましたら、子供というのはどこでも置いておけばいいんだというふうな、安上がりみたいに使われるということが先行するというのは余り好ましいことではないので、むしろそういうものをつくる場合には学校教育活動と連携した形で、子供も小さな赤ちゃんにさわって大事にしてみるというような経験、あるいは高齢者をお手伝いしてみるというような、そういう積極的な連携ができるようにしていったらいいなとは思っておりますが、余りそこのことを強くまた言いますとなかなか進まないということが起きますので、この辺は弾力的にやっていきたいというふうに思っています。
  23. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) まず、家庭にやさしい企業のイメージということでございますけれども、これは現在、実は有識者から成る研究会でもっていろいろ検討していただいておりまして、今年度中に一定のものをまとめようということでやっておるわけですけれども、現在考えておりますイメージといたしましては、定義という形で申しますと、男女労働者双方について家庭と仕事との両立の推進を基本スタンスとしながら、これらの両立がしやすいような企業文化を持っている、そして家庭と仕事のバランスに配慮した柔軟な雇用管理制度を持っている企業、そういったものを家庭にやさしい企業ということで考えております。  具体的に申しますと、例えば一歳未満の子のための育児休業制度は、これは当然法律で認め、つくっていかなきゃいかぬわけですけれども、一歳を超える子供のための育児休業制度を持っているとか、あるいは介護休業三カ月以内ですけれども、三カ月を超えるような介護休業制度を自社で持っているとか、フレックスタイム制を活用できるだとか、育児、介護のために所定外労働をさせない制度を用意しているだとか、あるいは育児、介護のために労働者がベビーシッターを頼んだときにその利用料を企業が補助するといった制度を持っているとか、いろんな要素が考えられるわけですけれども、そういったものをいろいろ総合的に勘案しながら、家庭にやさしい企業というものを一定の基準でもって労働大臣が表彰するといったような形でそういったものを広めていく、そういった取り組みをやっていきたいというふうに考えておるところでございます。  それから、障害者の雇用率でございますけれども、これは従前、民間企業は一・六%ということでございましたけれども、この資料はちょっと古くて恐縮でございますけれども、最近、身体障害者に合わせまして知的障害者についても雇用の義務を強化していこうということで、知的障害者もその算定の基礎に入れるということになりまして、その関係で法定雇用率が民間企業一・八ということに引き上げられまして、これが昨年の七月から施行されたところでございます。  近年、非常に厳しい雇用情勢の中で、障害者の雇用率の推移でございますけれども、民間企業全体での障害者の雇用率は、少しずつですが、実雇用率は若干上がってきております。平成十年で、これは六月一日現在の数字になりますけれども、法定雇用率が十年六月一日は一・六%だったのですけれども、この時点での雇用率は一・四八%でございました。ちなみに、平成九年が一・四七%、平成八年も一・四七%、その前の平成七年が一・四五%、平成六年が一・四四%ということでございまして、十年前の平成元年は一・三二%でございました。
  24. 松岡滿壽男

    松岡滿壽男君 ペナルティーはどうなったんですか。
  25. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) 雇用率未達成の事業所からはその不足数に応じまして雇用納付金を徴収するということにいたしておるわけでございますけれども、この納付金の収入の状況を見ますと、ここのところだんだん減ってきております。というのはそれだけ不足数がだんだん少なくなってきているということですけれども、平成十年度の見込みでは納付金の収入が大体百九十四億ぐらいでございます。これまでの一番ピークは平成五年のときが実績で約二百八十億ぐらいの納付金収入がございましたけれども、十年度は二百億を切るところまで来ておるという感じでございます。
  26. 田中直紀

    ○田中直紀君 介護保険法案のことについてお伺いいたします。  制度ができ上がった後、私どもは四十歳以上が月二千五百円程度の保険料だと、こういうことで話をいたしておりますけれども、最近の情勢によって若干月々の保険料が上がるようなこともちょっと報道で聞くわけであります。成立いたしましてから時期もたっておりますから、余り保険料の増減があっては我々も説明が間違っていたと、こういうことになりかねないわけでありますので、その辺は懸命に計算していただいておるんでしょうが、間違いないのかどうかということが一つ。  それから、新潟県百十二市町村におきましては、これは私もちょっと段階的なのはわかりませんが、サービスの方は九万から三十五万でしょうか、いろいろ段階があるわけでありますが、フルにサービスが提供できるというのは約半分に満たないという現状が今報告をされております。制度がスタートするに当たって、今回の予算もありますが、実際にそれがどれだけ確実に実現できるのかどうかということ。  また、認定者が、いろいろ導入するところで検討をしていただいておりますけれども、やはりどうもいま一つ説得力がない。要介護のそれぞれの個人によって相当違ってくるんではなかろうか、こういう不安をどういうふうに解消していくかという点でございます。  それから最後になりますが、介護については病院に行けばいわゆる医師というような形でリハビリテーションのセクションがあって、療法士というんですか、PT、STと言っているんですが、言語療法士という形がありますけれども、それが在宅介護ということになれば、今特老の方には、当然福祉の学校が短大でも大学でもありますが、就職をしていますね。そういう人たちが来てくれればまだいいと思いますけれども、そのほかにも、今文部省労働省厚生省も、ボランティアの任務に資するということで資格がいろいろありますけれども、そういう方はボランティアということで当然熱心な方であるわけでありますが、来ていただける介護士、介護福祉士を初めどの程度方々まで来るのか、サービスとの兼ね合いで実態はどうなるのかということもありますので、その四点ほどちょっと勉強させていただきたいと思います。教えていただきたいと思います。
  27. 堤修三

    説明員(堤修三君) 介護保険の関係でございます。  第一点の保険料でございますが、平成七年度段階の価格で単純に被保険者一人当たり幾らになるかという割り算をして計算しましたのが二千五百円という数字でございます。介護保険制度では市町村ごとに保険料の水準を決める、しかもその市町村の中で所得の段階に応じて五段階に分かれるのが原則ということでございます。  市町村ごとの保険料の水準というのはいろんな要素で決まってまいります。例えば非常に高齢者、特に要介護者になる割合が高いと思われます後期高齢者の割合が高いといったようなところは、お金が非常にたくさんかかりますから保険料が高くなる要素でございます。あるいは所得の段階に応じて保険料を設定いたしますが、その所得の分布状況、そういったものによって違ってまいります。そういう今申し上げました二点については国の方で調整交付金で調整をしようと。  そうしますと、残りますのは介護サービスがどの程度あるかないか、充実しているか否かということで決まってくるという要素がございます。  今各市町村にそれぞれ要介護のお年寄りがどれぐらいいらっしゃるのか、その程度は大体どれぐらいかという実態調査をしていただいております。そういう要介護のお年寄りの実態、程度も含めて、人数あるいはその程度というのが把握できますと、その上でどれぐらいのサービスを希望されるのか、あるいは提供できるのかということで、サービスの見込み量を出すというふうなことになります。見込み量が出てまいりますと、一定の単価を当てはめると必要な金額が出てくる、サービスの費用額が出てくる、こういうことになります。  そういう計画づくり、調査から実際に費用の見積もりを出すという、市町村介護保険事業計画というふうに言っておりますが、そういう計画をつくっていただいております。今ちょうど真っ最中でございますけれども、大体どれぐらい各市町村に典型的にお年寄りがいらっしゃるのか、サービスの提供状況はどうなのかといったようなことを踏まえて、全国ベースの推計をしたいというふうに考えております。  平成七年度価格で単純に頭数で割りましたのが二千五百円でございますので、その後もう三年たつわけでございますから、単価が上がっておるのは確かでございますので、二千五百円を少し上回る格好になろうかと思います。市町村のそういう実態調査の結果等を踏まえて、私どもとしても全国ベースの推計をしていきたいということでございます。今の段階ではちょっとまだ、市町村のそういう実態をもう少し集めないと正式なあれができないということでございます。  それから、いわゆる基盤整備は大丈夫か、サービスは大丈夫かという問題でございます。  平成六年からスタートいたしました新ゴールドプランで、各市町村の老人保健福祉計画を積み上げて目標を国の方で定めました。これにつきましては、今お願いをしております十一年度予算でほぼ満杯といいますか、ヘルパーとか特養ホームについては目標を超える格好で整備ができるような、そういう予算をお願いしております。特に施設等につきましては、特養は二十九万床、三十万床というふうな格好で要求をしております。  実際には、在宅サービス、これはこれから市町村それぞれの実情に応じてということでありますが、特に僻地といいますか郡部でどれぐらいサービスが出てきてくれるだろうというあたりは確かにいろんな懸念をされる。特に僻地等で、これからはヘルパー事業者も民間でも構わない、民間でも自由に参入できるということでございますが、実際にどれぐらいヘルパー事業者が参入してくれるだろうか、大都市はともかく郡部はどうだろう、そういうふうな市町村長さんの御懸念もございます。私ども、できるだけ参入の要件をそんなに厳しくしない、もちろん質の確保は必要でございますけれども、参入の要件をそんなに高くしない。  それから、やはり肝心なところは、どれぐらいのヘルパーさんに対する報酬が保険から払われるのか、これは経営でございますから、その辺の見通し次第だということが一番大きいと思います。そういう意味では、十一年度予算、まだこれは介護保険制度以前でございますけれども、ヘルパーにつきましては身体介護を行うヘルパーさんの単価を三割ぐらい大幅にアップして、介護保険制度をにらんで準備的に引き上げを図っているということでございます。具体的な介護報酬の単価は、これから来年度以降いろんな実態調査を踏まえて、実際の費用の調査を踏まえて審議をしていくということでございますが、その辺が重要なポイントだろうというふうに考えております。  それから三点目の要介護認定でございます。  平成八年あたりから各市町村でいろいろとモデル的に要介護認定の準備事業、モデル事業というのを実施してきていただきました。平成十年度は全市町村で実施をいたしました。  要介護認定考え方でございますけれども、要介護認定というのは、それぞれのお年寄りにどれぐらいのサービス量を提供したらよろしいか、そのために幾ら払ったらよろしいかということでございます。サービスの量を提供するということでございますので、サービスの量、大体介護サービスは主として人件費でございますから、人件費ということになりますと、どれぐらいの時間がかかっているか、介護サービスの手間暇がどれぐらいかかるのかということで要介護の程度のランクをつけよう、それで判断をしようという考え方に立っております。  したがいまして、心身の状況程度とそういう方に対する介護サービスの手間暇度というのは必ずしも完全に一致しないという面がございます。例えば植物状態で完全に動けない方、これは症状とすれば大変厳しいわけでございますけれども、介護の手間暇は逆にそれほどでもない。むしろ痴呆がひどくてしかも体は動くという方の方がかえって実際には手間暇がかかるといったように、心身の状況と介護サービスの手間暇度が必ずしも一致しないという面がございまして、その辺が少しわかりにくいというふうなことが市町村のモデル事業で実施された方からも言われているところの一つだろうと思っております。  その辺、私どもも要介護認定のいろんなプログラムをさらに改善したいと思っておりますし、わかりやすい説明の仕方も工夫していかなければいけないというふうに考えております。  最後に、特養等の職員といいますかマンパワーといいますか、そういう問題でございます。  特養の場合には、一定の定員に対して嘱託の医師が一人、看護婦さんが何人、それから生活相談員といいますかそういう方が何人、それからいわゆる介護職員、通常寮母と昔言っておりました、そういう職員が何人以上というふうな基準をつくることになっております。  今申し上げました中で、看護婦さん、お医者さんはもちろん資格を持っておられますが、寮母さんと言っておりました介護職員については特段の何か資格を要求しているというわけではございません。実際には、先ほどございましたように、最近は福祉系の学校が随分ふえてきておりまして、そういうところを卒業していわゆる介護福祉士の資格を取った方が施設には随分ふえてきておりまして、これからだんだんそういう方々が中心になっていくだろうというふうには思われますけれども、今そこのところをそういう一定の資格を持っている人でなければいけないということにいたしますと、言ってみれば資格者で制限してしまうというふうなこともあって、現実に制度的にはしておりません。実際には大分介護福祉士の方々がふえてきておるという実態になろうかと思います。  ボランティア方々は、そういう意味での施設として認める基準の中にはなかなか入ってこないと思いますが、その役割というのは大変重要なものがあるということは認識をしております。介護保険の施設として指定をするという手続がございますが、そのときには一応正規のといいますか、ボランティア以外の職員の方の人数等で判断をする、こういう形になっております。  以上でございます。
  28. 清水澄子

    ○清水澄子君 社民党の清水です。  文部省の方にまずお尋ねします。  「次世代育成と生涯能力発揮社会形成」ということで、生涯多様な学習目的を持つそういう場を提供しているという点では参考になりました。しかし、ここではやはりもっと生きた高齢者の経験といいますか、高齢者が持っている知識とか技能、それから地域にある文化、こういうものをもっと次の世代に伝えていく。私は、地域教育力というのはそういうものを生かしていくことがとても大事なのではないかと思うわけですが、その点においてどういうふうにお考えになっていらっしゃるかということを一つ。  それから、厚生省にも同じような視点で、今、子供を育てるということが、非常に母親は孤立した状況で子供を育てる力、知識というものもなくて、むしろ親教育をしなきゃいけないという状態があります。ですから、もっと世代から世代に子供を育てていくそういう文化とか力を伝えていく、これも私は育児力だと思います、地域での。そういうものをもっと生かしていくような政策を考えたらどうかと思いますが、その点について厚生省にもお尋ねしたいんです。  それから、労働省能力発揮型雇用実現の環境を言っているんですが、そうであるならば、私は、高齢というのが全部一律に年齢で切れるものではないと思います。その人の能力というのは、定年で、年齢で切ってからもう一度能力開発させてあげましょうというのはちょっと違っているんじゃないかと思うんですね。それは非常に個人差があって、年齢でその一人一人の能力を切ってしまうんじゃなくて、もっと柔軟に、働く能力を持っている人には短い労働時間で仕事ができる環境をつくる。それから、その人の持っている、先ほどの、自分が報酬がなくても社会的にそれを生かしていける場という、そういう意味での労働能力なり持っている資源、人間の資源というものをもっと生かしていくようなことを考え出す必要があるんじゃないかと私は思います。  ですから、ここで私は、派遣労働のことも出ていましたけれども、これがいかにも能力発揮型雇用につながるようなお話ですけれども、逆にこれは企業の雇用調整の手段になっていくと私どもは心配をしていますが、きょうはここは労働委員会じゃありませんから、そういう何かいっぱい並べて何かやっているという形だけじゃなくて、本当に二十一世紀の少子化そして高齢化という両面のこの現実をどういうふうにそれぞれの持つ力と不足するものを生かし合っていくのかということをぜひ考えていただきたい。  それで、労働省にもう一つ。女性労働なんですけれども、これも女性の能力というのが本当に生きる形で、採用のときから、採用のあり方から問題があると思います。ですから、非常にパート労働の方にばかり、それは不安定、そして低賃金労働というところに女性が集まるわけですから、そういうところをもっと、どう能力を生かせる仕事に女性をつけていくのかという、それが私は二十一世紀の経済にとって非常に重要な問題だと思いますので、その点をどういうふうにお考えかお願いしたい。そういう意味で、ここの十五ページの「少子化時代の家族や企業のあり方を考えるシンポジウム」というのは何を目指してお考えになっているかということを質問します。  それから最後に、経企庁に一つ。最近、高齢者の消費者被害のトラブルという実態はどういう状況にあるのか。そして、これからつくる民事ルールの設定によって消費者の果たすべき自己責任もより明確になるとあるわけですが、これが高齢者の消費者としてのいろんなトラブル、それらにどういうふうなメリットといいますか、消費者の権利にプラスになるのかということをお尋ねしたいと思います。
  29. 堤修三

    説明員(堤修三君) 子育てに関しまして親教育も必要ではないかということでございまして、むしろ清水先生の方がいろいろお詳しいはずでございますけれども、児童福祉法の改正等あるいはエンゼルプランという格好で地域子育て支援センターなどの充実を図っております。  私、老人保健福祉局担当でございますので、そういう立場から一つつけ加えさせていただきますと、例えば世代間でそういう子育てのノウハウを伝えていくというようなこと、こういうのも高齢者生きがい対策の観点からも一つ考えられるのではないか。先ほど御紹介をいたしました老人クラブの活動の中でも、老人クラブの婦人部が託児所を開設して、そこで母親セミナーといったようなときにいろんな活動をやっているような例がございます。それから、先ほど御紹介をいたしました補助金の中にも世代間の交流を一つのテーマとしていろんな事業を行うというのも盛り込んでおりますので、児童家庭局の方ともよく相談をして、少し幅広い活用をすることを検討させていただきたいと思います。
  30. 富岡賢治

    政府委員富岡賢治君) 先生のおっしゃるのは全く賛成でございまして、社会教育施設もただ定型的な講座をやるというのではなくて、むしろそこで学習した高齢者の方に指導者になってもらってやるというようなことが随分ふえてまいりました。  また、青少年のいろんな自然体験の施設なんかでも、地域高齢者方々を呼んでその地域の文化とか物づくりというようなことを直接指導してもらうというようなことが一般化してまいりましたから、こういうことを一層進めることが必要なんだと思っております。  さらにもう一つ学校で、地域に開かれた学校という観点から、道徳の時間とか特別活動の時間に地域高齢者の方を教壇に呼んで、そこで実際に先生と一緒にいろんな指導をしてもらうということがこれからはもっと求められると思いますので、そういう特別非常勤講師制度のようなものがございますから、この辺はどんどん振興できるように地域にもいろんな機会にお願いしていこうということが大事だと思っております。
  31. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) 清水先生から二点ほどいただきましたけれども、そもそも高齢者の対策でございます。  先生おっしゃるとおりでございまして、高齢者自分能力に応じて、希望に応じて働きやすいようなそういった社会をつくっていかなきゃいけないということで、私どもそういった社会を目指しているわけでございます。そのためには、一律年齢でもって何歳以上はだめよとか、そういった対応というのはどうなのかという問題指摘であるわけでございます。  御承知のとおり、昨年の四月にやっといわゆる定年制が六十歳定年義務化をされまして、これからは六十歳代前半層の雇用をどうやって確保していくのか、就業機会をどういうふうに確保していくのか、そういったことが私ども大きな課題ということで、現在六十五歳まで現役でずっと働くことができるような社会、希望すれば六十五歳まで働けるようなそういった現役社会をつくっていこうではないかということで、関係方々にお集まりいただいて、コンセンサスの形成に向けて議論を始めておるところでございます。  その中では、常用雇用でなきゃいかぬというようなことでは全くないわけでございますので、働く体力ですとか希望に応じて柔軟な形での雇用といったようなものをいろいろ労使で工夫していただいて、そういった場を大いに確保していただきたいということで考えておるところでございます。  また、必ずしも雇用という形だけにとらわれないで、シルバーセンターもその一つの形態ですけれども、自分の培った技能とか経験を生かして社会参加をしていく、そういった形の取り組みも広げていっておるところでございます。  また、高齢者だけの派遣会社というようなものもできておるわけでございますけれども、それはそれでそういった希望に応じて働くことができるようなシステムとしては大変有効なものではないかというふうに思っております。  高齢者の対策につきましても、これまではどちらかというと六十歳プラスアルファという対応でしたけれども、これからはむしろ六十五歳プラス・マイナス・ベータといった、考え方を少し変えて取り組んでいくべき時期に来ているのではないかというふうに私は考えておるところでございます。  また、女性の採用の仕方がいろいろ問題がある、特定のところに押し込めるというようなそういったことがあってはならないわけでございまして、男女雇用機会均等法がこの四月から全面施行されますけれども、女性のみといったようなものについても厳しく目を光らせて、変な、そういった逆の効果が出てくるようなことにならないような仕組みというものを指導していかなければならないというふうに思っておるところでございます。  それから、このシンポジウムのねらいですけれども、家庭にやさしい企業、先ほど申しました企業の普及を図っていくということが直接のねらいでございまして、厚生省と十分連携をとりながら、企業、家庭のあり方といったものについての国民的な議論の喚起につなげていければというふうに思っております。
  32. 金子孝文

    政府委員(金子孝文君) お答えします。  高齢者のトラブルがどのぐらいかということは、ちょっと手元にありませんので、調べまして、ありましたらまたお届けしたいと思います。  それから、契約にしてもあるいは不当条項にしても、消費者を一体どう考えるかというところが非常に重要なわけですけれども、基本的な考え方は、社会的通念に照らしどういうことが常識になっているかということが、まず社会的通念ということがあるわけですね。それで、平均的消費者でもう一つ考えているわけです。事業者にしても、例えば条項を設置する場合に、いろんな消費者がいるわけですから、いろんな消費者に対して全部変えるようなことを求めた場合には、それは、いや、対応できませんということになりますから、やはり社会的通念に照らし、平均一般的な消費者に照らして必要な情報を提供するということになります。  ただ、その場合に、ちょっと適切な例が浮かびませんけれども、老人を主としてターゲットにしたそういう商品であれば、当然のことながら老人は、そうじゃないものに比べてもう少しわかりやすい情報提供というのを当然求められるんじゃないか。それが社会的通念であろうし、一般的平均消費者というのが高齢者ならば、そういう面で違ってくるという判断になるんではないかと思われます。ただ、消費者契約法というのは個別に決めるわけじゃありませんから、非常に一般的な決め方ですから、こういう決め方の中でそれぞれ事業者が適切な対応を図っていく、それでその適切な対応が図られない場合には、最終的には裁判に行って、それで適切な対応であったかどうかということが裁判所によって判断されるのではないかと思います。  それからもう一つ、すべて消費者契約法で対応できるわけではありませんで、この間消費者保護会議決定というのがあったわけですけれども、その中で高齢化社会への対応ということで、現在厚生省の方では有料老人ホーム等のあり方に関する検討会の報告を踏まえ、有料老人ホームの健全育成及び利用者保護を図るという形で何らかの対応を図ろうということもされているようですから、仮にそういうことが必要ならばやはり個別的な対応が行われるべきものである、そういう考え方であります。
  33. 久保亘

    会長久保亘君) これまで六名の方に御質問をいただきまして、所要時間約一時間半でございます。別に御発言を制約する気持ちはございませんけれども、お約束いたしております時間があと三十分余りでございます。なお、発言を希望されている方があと五名ございます。どうぞひとついろいろと御協力をお願い申し上げます。
  34. 岸宏一

    ○岸宏一君 一つだけお聞きします。  生涯学習関係なんですけれども、松岡先生のお話にちょっと関連するんですけれども、何かただいまお話お聞きしましたところによりますと、社会教育の箱物はもう国の補助はしないということだったようですけれども、例えば体育館なんというのは社会体育となるわけですか。これはあるわけですね。  それでちょっとお伺いいたしますが、学校施設整備指針の中で会議室更衣室、シャワーなどを屋内運動場整備する、学校開放関係なんですけれども、これは大変いいことだと思いますが、どれくらいの例があるものか。  実は私、小さな町の町長をやっていたんですが、例えば小さな町や村で独立した体育館をつくるというのはむだが多いわけです、メンテナンスの面で。ですから、例えば統合中学校のようなところは体育館をできるだけ広くとって、学校開放社会体育に使わせるべきだといつも言ってきたわけですけれども、例えば体育館そのものを社会体育施設と共用してつくるなどということは非常に難しいと聞いてきたわけです。そういうことが今可能なのかどうか。可能であるとすると、ちょっと細かいんですが、いわゆる学校教育上の補助体系と社会体育としての補助体系というのは違うと思うんですけれども、こういうところがもし今わかりますればお聞きしたいということです。  私は、国家的に見ればやっぱり小さな町や村でわざわざ独立した体育館なんかつくるよりは、むしろそういうふうにした方がいいという論者であって、しかもよく考えてみますと、学校のさまざまな子供たちの非行とか暴力なんというのは、学校そのものが閉ざされているという感じが非常にするわけですね。ですから、一般の社会人学校に出入りするということは非常にいいことだというふうにも考えておりましたのでそういうことをお聞きするわけですが、ひとつ聞かせていただきたい、こういうふうに思います。
  35. 富岡賢治

    政府委員富岡賢治君) 先ほどの説明が舌足らずでございましたけれども、公民館とか図書館とかを建てる、そういう純然たる社会教育施設を建てる補助金はもう持っていないということを申し上げたので、例えば今学校施設で体育館をつくるときに、地域のママさんバレーのような方に貸し出ししやすいように体育施設の隣にシャワー室を設けたりなんということの補助金は残っているわけでございます、補助率は三分の一程度でございますが。  今まで難しかったという問題は、もともと校舎をつくりましたときに補助金で建てていただいているわけです。それが例えば十年後にある部分を校舎で使わないで社会教育施設で使うといった場合に、建物の補助金の分をお返しくださいというようなことをやっていましたので大変進まないということがあったわけでございますが、そこら辺を報告だけでいいとか、そういうふうに簡素化したものでございます。  ですから、非常につくりやすくなっていると思いますが、問題は、つくりましたときに何かいろいろ議論があるとすれば、片一方でママさんバレーをずっと六時からあるいは五時からやっていますと、中学校なんかですと部活動がそこで打ち切られちゃうというようなことがあったりして、運用面、ソフト面はなかなか難しいだろうと思いますけれども、ここら辺はまさに地域のお知恵でやっていただくということが必要だろうと思います。  ちなみに箇所数でございますが、平成十年度予算でございますが、例えば校舎や屋内体育館なんかの転用をして、そういうときにシャワー室なんかを地域の交流用に設けたりするというようなことは大体九十カ所、というような箇所数は持っておりますけれども、実態はちょっと今は数字は持っておりません。  ですから、かつてのようなしゃくし定規な運営をしていないと思いますので、御相談が十分できるんじゃないかと思いますし、また逆に言うと本省で一々許可をしたりなんかということがなくなってまいりましたので、実態はちょっとはっきりしないところがございます。
  36. 岸宏一

    ○岸宏一君 それから、今の学校施設社会体育施設とを一緒に建築するということはできるんですか。
  37. 富岡賢治

    政府委員富岡賢治君) これは、複合でつくるということは初めからつくるということでございます。初めから一つの建物をつくって、右側が学校左側は保育所とか、こういうような複合建築をするということでございますが、今はそういうのは結構つくられるようになってまいりまして、かつてのように入り口を無理やり複数つくれとかというようなことで評判が悪かったやり方をしておりましたけれども、今は各省かなり協力的にそこら辺は、平米の割り振りなんかはやりますけれども、そんなにとやかく言うことではなくなっていると思います。
  38. 岸宏一

    ○岸宏一君 ぜひこういうことをやっぱり総合行政というか、そういうことでこれから進めていくべきだ、こういうふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  以上です。
  39. 畑野君枝

    ○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。  経済企画庁資料で以前女性が理想とするライフコースということで、結婚し子供を持ちながら働き続けるというのが最も高くなって三〇・二%になっているという資料を見せていただきました。一方で、出生率がなぜ少ないかという理由に、一つ目に子供の教育にお金がかかる、二つ目に仕事をしながら子育てをするのが困難だからというのが来ているという総理府の資料も見せていただいたんですけれども、経済企画庁が女性の働きやすさを外国と調査した資料で、二十三カ国の中で一九八〇年には日本が十六位だったのが一九九五年には十九位でメキシコの下になってしまった。そういう点では、スウェーデンが一位というのは変わらないわけですけれども、二十一世紀、本当に少子化対策という点では女性が働きやすい環境というのをつくっていくことが必要だというふうに思うんです。  それで、M字型雇用のことが言われますけれども、出産・育児にかかわる三十歳代が一番低いと。実は三十から三十四歳の方も働きたいという希望は持っていらっしゃるということで、実際働いている人は五割台だけれども、働きたいという人を含めれば八割を超す状況だというのも出されております。私の住んでいる神奈川では、実際に働いているのは四割台なんですね。  だから、このM字の下の部分が大変大きいということなんですが、そういう点では、先ほどお話があったように、四月一日から労働基準法が変わりまして、女性も深夜業あるいは残業をするという点では、これはやはり会社で本当に女性が働き続けられるような規則をつくっていく必要があるし、男女共通の規制が労働時間にかけられるまでは女子保護の規定はしっかり守っていくというふうにすべきだと私は思っているんです。  その点でちょっと伺いたいんですが、労働省に伺います。  一つは、企業の中での母性保護制度利用が減ってきているという調査が出ましたね。九四年と九六年の比較でいいますと、育児時間では、実際に請求したのは一五・二%というのが九六年で、前回の調査に比べると四ポイント減っていると。その他いろいろためらいが出ているというんですね。  私の周りにも、産休もない、産前産後の休暇がない、だからもう二人目は無理ねというような方たちが実際にいらっしゃるんです。  こういう点で、労働省としてはこういう制度利用をどう進めていくつもりなのかというのを伺いたいと思います。  二点目に、派遣法を変えるというお話がございました。制度がとれない理由に、自分は正社員だけれども周りに派遣の労働者がいる、私がもしそういう制度をとって休んで帰ったら職場はあるのかどうかというのが非常にためらいになっているというんですね。正社員でもとりにくくなっている、そういう制度なんですが、これが派遣が広がっていく中でどういうふうになっていくのかというのを心配しております。  この点で、派遣労働者のこうした母性保護制度利用状況について、調べていらしたら教えていただきたいし、もしなければ調べていただきたいというふうに思います。  雇用の流動化というふうにおっしゃいましたが、先ほどもお話があったように、私はこれは労働者にとっては大変な問題があると思うんですね。企業にとっては雇用しやすい、逆に言えば解雇しやすいというのが流動化の中身だというふうに思います。  神奈川県でいえば、正社員で常に雇用されている以外の人というのは三分の一ですが、女性でいうと過半数を超して五三%が不安定雇用なんです。ですから、こういう状況を広げるんじゃなくて、逆に女性が安心して子育てしながら働ける状況にしていくべきじゃないかというふうに思いますので、その状況について教えていただきたいと思います。  最後に三点目なんですが、若い人の就職難が言われています。それで、大学は出たけれどもというのがまた言われるような状況で、就職内定が高校生では七六・六%と調べてきてから最低の状況で、女子は七二・〇%ということですし、学生も七八・一%、大学、短大、高専ですね、女性は六八・八%という状況なんですが、具体的にこういう状況に対してどういう対策を立てていらっしゃるのかというのを伺いたいと思います。  例えば、イギリスでは、若い人の失業に対して就職先を紹介するとか、資格を取るためにフルタイムの訓練をするとか、保育所などでの職業訓練に五万人のポストを与えるとか、そういう具体的な努力がされていますし、障害者の方の場合でも学校を出た後の作業所がないという問題もあるんですね。これは別の機会にあれですけれども、その若年失業者対策について伺いたいと思います。  以上です。
  40. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) 今三点ほどお尋ねをいただきましたけれども、企業内の母性保護の利用状況が非常に低下をしてきているのではないかと。その理由ということでございますけれども、利用率は確かに低下をしているわけですが、一方では育児休業制度の定着というのもあるのではないだろうか。しかしまた、景気の低迷といった非常に厳しい状況というのもあるのではないかということでございまして、いずれにいたしましても、権利として与えられた母性保護について制度的に利用できるようなそういった環境整備というのは大変大事な課題であるというふうに思っております。  二点目の派遣労働者を対象にした母性保護についての実態の調査でございますけれども、現在手持ちの限りではそういった調査はないのではないか。承知はいたしておりません。  それから、三点目の若年者の雇用対策ということでございますが、ただいま御指摘ございましたように、ことしの三月卒業予定の新規学卒者の就職内定状況は大変低くなっておるわけですけれども、そこでその新規学卒の方の就職促進のために、これまでも全国各地でやっておりましたけれども、合同の面接会といったようなものの回数をこれまで以上に、倍増するぐらいの勢いで取り組んでおります。  また、片方で新規学卒の人が欲しいというニーズはあるんですけれども、正直地域的にかなりばらつきがございまして、あるところでは非常に求職者というか新規卒業者が余っているけれどもというようなことで、そういった地域的なアンバランスを解消するために、こういったところでこういった求人がありますよといった情報を広く全国提供できるような、そういったマッチング機能の強化についても現在取り組んでおるところでございます。  それからまた、若年者の雇用対策を考える場合には、学校を卒業して新規に就職されても、高校生でも三年以内に四割ぐらいの方が転職される、やめられるというようなこともいろいろございます。そういったことに対応していくためにも、若い人に対する職業意識の啓発の取り組みといったようなものですとか、あるいはインターンシップ制度というものを導入いたしておりますけれども、こういったものについて高校生についても試行的に取り組んでいくといったような対応をこれからやっていこうというふうに考えておるところでございます。
  41. 沢たまき

    ○沢たまき君 公明党の沢たまきです。簡潔に伺います。  雇用の問題で、まずホワイトカラーの方の雇用のことで伺いたいんですが、ホワイトカラーの方が現場作業の仕事に変わるということは、職業の環境が変わるので大変御苦労なさっていると伺ったんですが、労働省が職業訓練とか能力開発を行っても、ホワイトカラーの求人倍率が低い中で実際の再就職の効果は大変厳しいと思うんですが、再就職の効果を高めるためにはどうしたらいいとお考えでしょうか。  それからもう一つ、先ほど、ここにも「六十五歳現役社会実現に向けた施策の展開」とありましたけれども、高齢者雇用について定年の延長と再雇用をぜひ促進していただきたいと思っているんですが、我が党の浜四津議員が本会議で人材バンクの創設を提案なさいました。  そのときに、有馬文部大臣は、これは文部省ですが、講師としてふさわしい人材をプールする人材バンクの創設は、学校教育における社会人活用の促進に資するものとして極めて有効なものと認識しておりますと御答弁なさったんです。  人材バンクの創設ということに関して、清水先生がおっしゃいました、高齢者が長年培ってきた技術とか能力を生かすということで再雇用にも適すると思うんですが、労働省はどう思われるでしょうか。  私のところにホームヘルパーの方がやってきて、六十歳で定年になるんですとおっしゃるんですね。でも、大変若々しくお元気で、ぜひもう少し仕事をしたいとおっしゃって、六十歳定年という制度をやめてほしいという御相談がありました。  来年から介護保険が実施されるわけですけれども、マンパワーの確保というのはこの制度が成功するための大変重要なポイントだと思うんですが、市町村とかあるいは福祉法人の事業者に対してサービスを提供する上で問題がない場合にはホームヘルパーさんについて定年の延長をするようにとの指導をしていったらいかがでしょうか。これは厚生省の御意見をお聞かせいただきたいと思います。  また、シルバー人材センター事業は定着していますけれども、この最大の欠点は収入が低いということなんです。どちらかというと老後の生きがいという面に重点がありますので、労働省高齢者のフルタイム労働者づくりを目指して昨年からシニアワークプログラムをスタートなさっておりますが、私はこれらを効果的に行うには地方自治体で進めた方がより効果的だと思うんですが、いかがでしょうか。  以上、伺います。
  42. 日比徹

    政府委員(日比徹君) 第一点目についてでございますが、ホワイトカラーの再就職、それを効果的にするためにというお話でございます。  ホワイトカラーの対策につきましては、今こういう情勢ですから非常に浮き上がって大きな問題になっております。ホワイトカラーの職場をめぐる環境の変化というのは、しばらく前から実は始まっておると思います。その一例としてパソコンとかワープロ操作ということが中高年の場合不得手ではないかというようなことも、言われ出したのはきのうきょうでは必ずしもない。その中で今非常に厳しい状況にございます。  それで、ホワイトカラー対策として今時点どう考えておるか、何をやろうとしているかということに限ってお話ししたいと思います。  ホワイトカラーの場合、特に中高年のホワイトカラーの方だと思いますが、絶対的にホワイトカラーの員数が減っているということもございますので、他への職種転換ということも一つはございます。それから、同じホワイトカラーの中でも、一たん離職した後でも別の知識、別の専門性を持って再度ホワイトカラーとして活躍していただく。実はこの両方の道がございます。  いずれにしましても、全体の状況が悪うございますので、職業訓練あるいは教育訓練を受ければ一〇〇%再就職可能かといいますと、残念ながら今時点厳しゅうございます。  具体的に申し上げますと、ホワイトカラーからさらにまた新しい能力を身につけてホワイトカラーとして再就職をする方々というのを念頭に置いて、一つは、アビリティガーデンと愛称しておりますが、中高年ホワイトカラーの場合にはある程度の管理職であった人だろうということで、そしてそういう方々が中小企業に移るということを念頭に置きまして、幅広の一人である程度ワンセットの仕事ができるような能力を身につけていただくとか、そういうことをやっております。  それから、職業訓練ということに限らず申し上げますと、中高年ホワイトカラーに向けてということで、これは昨年末から本格的にやろうということにしておるわけでございますが、中高年ホワイトカラーの離職者の方々の場合に、まず先ほども申しましたようにパソコンの操作とかそういう職業訓練というほどではないかもしれない、もうちょっと簡易な講習でも身につけられるもの等もございますので、一番最初に再就職に当たっての面接相談のようなことをやりまして、場合によっては簡易的な講習を受けていただく、その後に職種転換あるいは能力を再開発しないといけないかどうかについてやはり面接相談をしまして、その上で必要な措置、必要な措置というのは各種教育訓練をやっていただくかどうか等の措置につなげていくという中高年の支援システムを今立ち上げつつあるところでございます。  そういうことをやりつつ、少しでも再就職の道を拡大したいということでやっておるところでございます。
  43. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) ただいま沢先生から人材バンクの創設についてのお話がございましたけれども、私はこれはちょっと不勉強で申しわけないんですが、退職された先生方を集めてのという……
  44. 沢たまき

    ○沢たまき君 先生方だけではありません、広い職種ということです。学校教育の中で社会人活用という意味で、教員だった方だけということではないです。
  45. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) シルバー人材センターがある意味では非常に似たような形で、これまでのいろんな知識、経験を生かして自分社会参加をしたい、役に立ちたいというような方を登録して……
  46. 沢たまき

    ○沢たまき君 職人さんもいればよろしいですし、植木屋さんでもいいですしということです。
  47. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) いろんな方に入ってもらって、自分の得意分野を。  シルバー人材センターも一つのそういったねらいがございますし、またここに書いています高年齢者職業経験活用センターといったような事業もございます。この八ページの「高齢者雇用対策の体系」の中に実はございますけれども、②の四つ目の丸になりますけれども、高齢者の方たちに集まっていただいて自分のこれまで培ったいろんな経験等を有効に活用していただく、ある意味では高齢者の派遣会社のような形でございますけれども、こういったものも広めていかなきゃいけないということで取り組んでおります。労働行政としてお手伝いできるところがあれば積極的に対応していきたいと思います。  また、シルバー人材センターについては収入が低いということでございます。  確かに、全売り上げを会員の数で割りますと大体月平均四、五万といったところが実態ではないかと思いますけれども、もともと収入が目的でない人たち基本的に念頭に置いているものですからそういった状況にはなっておるわけでございます。  また、この事業については、その地域に密着した、そして地域でもいろんな仕事を請け負っていくということが基本でございますので、やはり地方自治体との連携というのは当然でございまして、事業主体は原則として市町村ということで取り組んでおるところでございます。
  48. 堤修三

    説明員(堤修三君) ホームヘルパーの定年の問題でございます。  現行の制度のもとにおきましても、あるいは介護保険制度のもとにおきましても、厚生省の方でヘルパーの定年は幾つだよというふうなことは全くございません。  ただ、今のヘルパーさんはいろんな立場がございます。例えば、地方公務員であるヘルパーさんということになりますと地方公務員法上のいろんなそういう定年の規定がある、あるいは民間社会福祉法人であればそれぞれの就業規則の中で決まっているということはあろうかと思います。  私どもの制度として、厚生省の方で何か一定の定年をお示ししているとか、そうでなきゃいけないということは全くございません。生きがい対策という意味では、どんな勤務形態であれ、お年寄りが元気であればそういう社会活動をしていただくこと自体は大変結構なことだと思います。
  49. 円より子

    ○円より子君 民主党の円より子です。  なるべく簡単に質問させていただきたいと思いますが、労働省がお配りになった資料の五の「自己能力を活かせる雇用社会参加条件整備」、これの二ページでございます。皆さんのお手元にもあると思うんですが、これは就業形態別労働者の割合の正社員と非正社員の割合が書いてございます。その下に、なぜ非正社員とかについたかという理由が出ているんですが、これを昨日男女別にしていただきました。  皆さんも大体おわかりだと思いますが、当然非正社員というのは女性の方が多いわけですね。これは昭和六十二年の場合、非正社員は、男性は七・七%、女性は二九・九%。どちらも平成六年はふえておりまして、男性が九・二%、女性が三三・九%となっております。  それで、個人のライフスタイルに応じた雇用形態の多様化ということでこういうふうにさまざまな就業形態が出ているということなんですが、この二番目の表の、なぜこの就業形態についたかというのを、きのう実は私の周りの四十代、五十代の女性たち十二、三人にファクスを送りまして、あなたはなぜかと、とってやってもらったんですね。皆さんパートの方たちです。そうしましたら、ちょうど自分が丸のできるのがないと言うんです。もちろん、ここに多い数字として、「自分の都合のよい時間に働けるから」ということにつけようと思った人は多かったんですね。もう一つ、「家計の補助、学費等を得るため」、これにもつけようと思って、これはつけた人が多いんです。子供の教育費がかかるとか、夫が減俸になって生活費が少なくなったとか、やはり今大変不況を反映しております。  ところが、いかにも「自分の都合のよい時間に働けるから」というのは自発的行為でパートを選んでいるように思いますが、そうじゃなくて、やはり子育てが終わった後正社員として働ける場所もなかったし、今また働こうとすると、先ほどの学校の先生たちが京都で過労死の心配までしながら異常出産も大変多いというようなこともあったりで、正社員で働くことというのはやはり子育てが終わった後にしても家庭を相当犠牲にしなきゃいけないというのがあって、やむを得ずこの「都合のよい時間に働けるから」に丸ができるかなという程度なんですね、三角という。そうすると、この表になぜ家事、育児をできるからこれにしたとか、それに割く時間をとりたいからというのがないのかなというのを一つ思ったんです。  きょうの質問はそのことではなくて、子育てが終わった後の女性たちが、どうしても家事と育児の負担は女性にかかっていて、なかなか男女共同参画型社会とかそういった企業というのは労働省の方も皆さん御苦労いただいているとしても即座にそういう社会にはならないから、自衛手段としてパートを選ぶということはあると思うんですけれども、その後、では就業しようというときになぜ年齢制限があるのか、その質問をさせていただきたいんです。  アメリカでは、一九六七年に就業時の年齢差別をしてはならないという法律ができておりまして、その後何度か改正も行われております。なぜ日本では、労働省などでそういったことの男女差別、性差別はしてはならないということは男女雇用機会均等法もでき、さまざまなところで遵守されてきましたけれども、なぜ年齢制限があるのか。なかなか年齢差別撤廃法みたいなものができないその問題点、障害といいますか、もしそういった問題点が挙げられなく、また障害がなぜかということがお挙げになれないようでしたら、その検討をなさっているのかどうかという点も含めてお聞きしたいと思います。  それから文部省に関連なんですが、生涯教育というのは大変、生涯学習というのは初めて出てきたころにはいいなと思ったんですが、人というのはただ教育をしただけではなくて、それをやはり生かせる場がなくてはいけない、そういったことで先ほど学校地域高齢者方々に来ていただいたりとかいろいろそういうことを進めていらっしゃるとおっしゃいましたが、四十代、五十代の子育て後の女性たち、また高齢者に入っていない方々が生かせる場がないんですね。そのあたりをどう考えていらっしゃるか。やはり人というのは、学習したことを生かして収入も得て、また人に当てにされる存在になることが平均寿命が長くなった人生には大変大事だと思います。  そこで、一番のあれは、文部省が教師の職業、再就職時に年齢制限をしていらっしゃることなんですね。これは自治体かもしれません。でも、なぜ文部省がそこを撤廃するよう指導しないのか。試験すら受けられないんです、四十歳になった人たちが。今、多分まだ静岡と富山だけだったと思います、年齢制限を撤廃してどなたでもどんな年齢の方でも試験が受けられるようになっている自治体は。そこの指導をなぜなさらないのか、それをお聞きしたい。  厚生省は、保母さんに対してなぜ年齢制限を二十七歳ぐらいで、せっかく保母さんとして仕事をして、結婚し子供を産み自分の子育てをして、その能力をもっと保母さんとして生かせるのに年齢制限があるのか、そのあたりのことをお聞きしたいと思います。
  50. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) 年齢差別禁止法がなぜ日本でできないかという点でございますけれども、高齢者雇用対策を今後どういう方向に持っていくか、いろんなレベルでの検討をずっといたしてきたわけでございます。  その中で、高齢者雇用対策の選択肢として、大まかに言って三つぐらい考えられるのではないか。一つは、現在の六十歳定年をベースに、その後いかにどういった形での雇用をつなげていくかという道が一つなんだろう。二つ目の道は、六十じゃなくて六十五歳までというところを基本に踏まえて、その前でやめる人もあればそれよりももっと働くこともできるような、そういった社会をつくるべきだという選択肢が二つ目。三つ目は、いわゆるエージレス社会を目指していく。年齢にかかわりなく働きたい人、働ける人はちゃんと働けるようなそういった社会をつくっていく。その三つの選択肢があるだろう。理屈の上で最もいいのは、エージレス社会をつくっていくということが一番理想的な状況になるだろうという議論はもちろんたくさんございます。  ただ、現在の実際の企業の雇用管理、採用から退職までの管理というのが現実問題として年齢を一つの基準に置いて取り組まれているという実態がございますし、また、労使双方の意識としましても今直ちにそういった年齢による雇用管理を全部やめてエージレス社会をつくるというところまではまだ成熟していない、そういった社会的なコンセンサスがまだまだちょっと法律でどうこうするところまでには行っていない。  国民的なコンセンサスの形成がまず先だろうといったようなことで、まだそこまでの取り組みはできていないということでございます。
  51. 富岡賢治

    政府委員富岡賢治君) 確かにいろんな実態は、ちょうど子育ての途中か子育てが終わった直後の方々がいろいろな活動の場へ出るというふうになっているとはなかなか言いづらいと思います。  例えば、私どもの世界でもボランティア活動というようなことも、高齢者とかあるいは若い学生とかそういうことは我々もターゲットで考えますけれども、ちょうど子育ての途中か直後の方ということが余りメーンに出た施策ということは確かに多少薄いという認識を持っています。やっぱり大事な視点だと。つまり、子育てしながら、活動しながら子育てに反映させるというような視点がこれからも大事なんじゃないかと思っています。  それから、教員の採用ということでございますが、全体の枠が少ないということもございますでしょう。ただ、これからは、一度高校を出てからいろいろな経験をしてまた大学へ入る、また大学へ入ってからいろいろな経験をして大学院というような、いろんな道が複雑に出てくることがこれから望まれるわけでございましょうから、そうなると過去の慣行のような若い世代だけに絞るというような雇用の慣行みたいなものは見直す必要があるのじゃないかとは思っておりますが、ちょっと私、直接の担当局長ではないのでそれ以上のことはお答えできませんけれども、帰って問題意識は伝えたいと思っています。
  52. 近藤純五郎

    政府委員近藤純五郎君) 保母さんの定年で二十七歳というのは私ども承知いたしておりませんけれども、恐らく採用のときに個々の保育所でそういう年齢を提示するということはあろうと思います。各県で保母さんの試験をやっておりますけれども、確かに若い人が圧倒的ですけれども、やはり四十代、五十代で合格される方もいらっしゃいますので、そういう意味で年齢制限という形で厚生省でやっているということではないと思います。
  53. 円より子

    ○円より子君 保母さんの場合は、ほとんど採用試験のときに年齢差別があるんですね。それから、教師もそうだったんです。厚生省がやっているわけじゃないんですけれども、ちょっとその点について厚生省としてはどうかという御意見を聞きたかったのと、先ほどの労働省の方は、先ほど言ったのも中途採用についてで、高齢者のためだけの話ではないので、その辺いかがでしょうかということなんですが、お答えが足りなかったと思いますので、済みません。
  54. 坂本哲也

    政府委員(坂本哲也君) 安定所の方で求人を受理する場合に、確かに求人の条件として何歳までといったような条件を付されるケースが多いわけですけれども、こういった非常に厳しい情勢でございますので、安定所の方でも合理的な理由が特段ない限りは、年齢についてもできるだけ引き上げてもらうようにといったような緩和指導というのは取り組んでおるつもりでございます。
  55. 近藤純五郎

    政府委員近藤純五郎君) 私どもの方でどうこうというわけではございませんけれども、高齢の保母さんの採用というのもあっていいんではないか、こういうふうに思っております。
  56. 円より子

    ○円より子君 ありがとうございました。
  57. 山下栄一

    ○山下栄一君 簡単に終わります。  労働省の「技能審査認定制度」、こう書いています、資料の中に。それで、この二十七職種二十三団体ありますけれども、これは団体というのは多分公益法人かなと思うんですけれども、団体というのはどんな団体なのか、そしてこれが具体的に職業にどれほど結びついて活用されておるのか、生かされておるのかということをお聞きしたい。  文部省文部省も同じく技能審査のことがございますけれども、これも二十五種目あるけれども、これも多分団体でそういう審査制度があるのかなと思うんですけれども、この検定を受けて認定された技能が具体的にどれほど職業に生かされておるのか、活用されておるのかということをお聞きしたいと思います。  以上。
  58. 日比徹

    政府委員(日比徹君) 技能審査の各団体等の状況につきましては、若干分量等もございますので、もしよろしければ後ほど資料でお届けしたいと思います。  使われている状況等につきましては、それぞれ何を対象技能としているかということで出てくるわけでございますけれども、私どもの技能審査はいわゆる業界団体といいますか、そういう団体の方で一定の技能水準を団体として明らかにしたいというのが基本でございまして、そのときに、その団体のやるものについて、技能のチェックの仕方等が極めてきちんとしているとかそういうことにポイントを置きまして、これはなるほどと言える技能審査になっていますよということをいわば認定しておるという仕組みでございますので、中には極めて地域限定の工芸品的な何々彫というふうなものもございまして、一律にどの程度職業上役に立つかというのはなかなか難しゅうございます。一例で言いますと、金融関係ですとテラーというものもございますけれども、これは人数的にも多うございますし、一般的に金融界で、最近では、私どもが定着させたわけではなくて金融界の方でもともとおつくりになったものですから、今や定着しているようでございます。  いずれにしましても、後ほど資料をお出ししたいと思います。
  59. 富岡賢治

    政府委員富岡賢治君) 幾つか事例を申し上げますと、大体、公益法人がやっておりますけれども、実用英語技能検定とか簿記検定とか速記技能検定とかということでございます。  私どもの経験からいっても、就職等の選考のときには当然、備考欄等に実用英語検定とか書いてありますから利活用は結構されているんだろうと思います。ちょっと数的に説明を御報告できませんけれども、実際上五百八十万人ほどの志願者で来ておりまして、毎年非常に多くふえているという状況でございますので、それなりの役割を果たしているという認識は持っております。
  60. 久保亘

    会長久保亘君) 時間の関係で、御発言の申し出がございました方に本日は御了解をいただいて次回に回っていただいた方もございます。大変申しわけなく思います。  以上で文部省労働省厚生省及び経済企画庁に対する質疑を終了いたします。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時十五分散会