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1999-07-22 第145回国会 参議院 国土・環境委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年七月二十二日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  七月七日     辞任         補欠選任         岸  宏一君     上杉 光弘君      谷林 正昭君     佐藤 雄平君  七月八日     辞任         補欠選任         上杉 光弘君     田村 公平君  七月二十二日     辞任         補欠選任         上野 公成君     森山  裕君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松谷蒼一郎君     理 事                 市川 一朗君                 太田 豊秋君                 小川 勝也君                 福本 潤一君                 緒方 靖夫君     委 員                 坂野 重信君                 田村 公平君                 長谷川道郎君                 森山  裕君                 山下 善彦君                 脇  雅史君                 岡崎トミ子君                 北澤 俊美君                 佐藤 雄平君                 弘友 和夫君                 岩佐 恵美君                 大渕 絹子君                 泉  信也君                 奥村 展三君    衆議院議員        衆議院建設委員        長        平田 米男君        衆議院建設委員        長代理      佐田玄一郎君        衆議院建設委員        長代理      青木 宏之君        衆議院建設委員        長代理      小杉  隆君    国務大臣        国務大臣        (国土庁長官)  関谷 勝嗣君    政府委員        内閣官房内閣内        政審議室長        兼内閣総理大臣        官房内政審議室        長        竹島 一彦君        経済企画庁総合        計画局長     中名生 隆君        国土庁計画・調        整局長      小林 勇造君        大蔵大臣官房審        議官       福田  進君        大蔵省主計局次        長        藤井 秀人君        厚生省生活衛生        局長       小野 昭雄君        建設大臣官房総        務審議官     林  桂一君        自治大臣官房総        務審議官     香山 充弘君    事務局側        常任委員会専門        員        八島 秀雄君    説明員        会計検査院事務        総局事務長官        房総務審議官   円谷 智彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 〇民間資金等活用による公共施設等整備等の  促進に関する法律案衆議院提出)     ─────────────
  2. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) ただいまから国土環境委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る七日、岸宏一君及び谷林正昭君が委員辞任され、その補欠として上杉光弘君及び佐藤雄平君が選任されました。  また、去る八日、上杉光弘君が委員辞任され、その補欠として田村公平君が選任されました。     ─────────────
  3. 松谷蒼一郎

  4. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) ただいま議題となりました民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律案につきまして、提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  我が国社会資本は、官民双方努力により着実に整備が進められてきたところでありますが、なお立ちおくれている分野も残されており、経済力に見合った豊かさが国民に実感されない要因の一つとなっております。本格的な少子高齢化社会の到来を間近に控え、国民が真に豊かさを実感できる社会を実現するためには、経済構造や行財政の改革を進めるとともに、財政資金の効率的な使用を図りつつ、社会資本整備促進していくことが求められております。  また、長期にわたり停滞する我が国経済状況を改善し、活力ある経済社会の再生を図るためには、民間創意工夫を生かした低廉かつ良好な公共サービス実施や新しい産業分野における事業機会の創出などが期待されており、規制緩和の一層の推進官民相互協力が求められております。  本法律案は、このような状況を踏まえ、厳しい財政事情のもとで、良質な社会資本を効率的かつ効果的に整備し、もって国民経済の健全な発展に寄与するため、民間資金経営能力及び技術的能力活用した公共施設等建設維持管理及び運営の促進を図るための措置を講じようとするものであります。  次に、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。  第一に、内閣総理大臣は、民間資金等活用事業実施に関する基本的な方針を定めることとしております。この基本方針は、民間事業者自主性を尊重し、民間事業者選定過程透明化に配慮するとともに、財政上の支援については現行制度に基づく方策を基本とし、またはこれに準じて定めることといたしております。  第二に、公共施設等管理者である大臣地方公共団体長等は、基本方針にのっとり、実施方針を定め、実施すべき民間資金等活用事業選定し、当該事業実施する民間事業者選定することとしております。これらの選定に当たっては、客観的な評価を行い、その結果を公表することとし、手続の透明化を図っております。また、選定された事業は、事業計画または協定に従って実施されることとしております。  第三に、民間資金等活用事業に対する財政上、金融上の支援策として、国の債務負担の特例、国有財産または公有財産無償使用等、国による無利子貸し付け等を行うこととしております。  第四に、民間資金等活用事業実施促進するため、規制緩和推進、国、地方公共団体及び民間事業者相互協力担保不動産活用等を行うこととしております。  第五に、民間資金等活用事業促進及び総合調整を図るため、学識経験者から成る民間資金等活用事業推進委員会を総理府に置くこととしております。  その他、これらに関連いたしまして関係規定整備を行うこととしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上が、本法律案提案理由及び要旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  5. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 小川勝也

    小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。  まず最初質問させていただきますが、まずは委員長初め衆議院提出者の皆様、本当にお疲れさまでございました。そして、きょうは御足労、本当にありがとうございます。  私も、このPFIということに数年前から関心を持ちまして議論が深まるのを見守っておりました。イギリスが本場と言われております。日本が二十一世紀を目指すに当たって取り入れたらいいなという部分もあるんですけれども、日本型の風土になじむのか、あるいは後で質問の中で述べさせていただきますけれども、PFI日本社会に取り入れることによってさまざまな懸念もあわせて議論されておりました。そんな中で、衆議院民主党の私たち仲間議論に加えていただき、その大部分懸念を取り除いた形で今回提出いただいた、そんなふうに理解をしております。  実は、前々からも議論があって、第百四十二回国会のときにもPFI法案が出されました。今回の方が非常にすっきりして私たちにとっては評価が高い、いいものになったというふうにとらえております。今回の出された法案と前回提出された法案との違い、ここがこういうふうになったというのがありましたら、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  7. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) まず、一番重要な点は、政府による出資及び政府地方公共団体による債務保証に関する規定を削除したということでございます。これは、第三セクター等失敗例等を踏まえて各党間で御協議いただきまして、この点についての削除というものが重要なものだったと思います。  あと、修正の内容といたしましては、二条の二項関係でございますが、公共施設等整備国民に対するサービスの提供というものが含まれることを明確にしたわけでございまして、これは新たにつけ加えたというよりも明確にしたということでございます。  それから、五条の二項関係でございますが、協定等解釈について疑義が生じた場合の措置事業破綻時の措置実施方針内容に追加したということでございます。協定というものが一番重要でございまして、協定解釈疑義が生じた場合にどうするのか、またリスクをどう処理していくのかということも重要なところでございまして、その事業破綻時の措置ということが明確に規定されたということでございます。  それから、選定事業者が第三セクターである場合もあり得るわけでございますが、その場合に責任が不明確にならないように特に留意をいたしまして、十条の二項関係でございますが、「事業計画又は協定において公共施設等管理者等との責任分担が明記されなければならない。」と、こういうふうに明確に規定をしたということでございます。  それから、附則の三条に、入札制度の改善の検討を踏まえた民間事業者選定のあり方についての検討条項を設けたということでございます。これは、PFIというのは一つ発注方式でございまして、今、公共事業につきましては指名競争入札が多いわけでございますが、果たして今の入札制度でいいのかどうか、PFI導入に当たってその点も深く検討すべきであろう、今後も検討すべきであろう、こういうことでこのような規定が置かれたということでございます。  以上でございます。
  8. 小川勝也

    小川勝也君 具体的にどういうふうにこのPFI活用されて日本社会になじんでいくのか、非常に興味深いところであります。  例えば、イギリスを視察してきたという仲間もおりますけれども、やはり特に有名なのはイギリスの刑務所の事例であろうと思います。そんな中で、日本型といいますか、日本ではどんな形で使われていくのだろうか。これはいろいろ考えてみたわけですけれども、例えばこの二条にもたくさんの項目が並んでおります。今、景気が底を打ったとか、あるいはまだ底を抜けていないんじゃないか、そんないろんな議論もあります。  もしこの法案がうまくいきますと、きょうの委員会を通りまして、あした参議院会議で通って、その後PFI法我が国に存在することになる。どの分野からこのPFI方式が使われていくのか、これは感想で構いませんので、どんな分野からPFIが始まっていくのか、お答えがあればお聞かせいただきたいと思います。
  9. 小杉隆

    衆議院議員小杉隆君) この法案の準備を始めましたのが一昨年の秋からでございますが、それ以来、各自治体あるいは政府部内におきましても一番わかりやすいPFI事業というものの玉を出してくれ、こういう依頼をしてまいりました。初めての手法でありますのでなかなか手を挙げる向きが少ないんですが、最近に至りましてやや具体化しつつありますのが廃棄物処理に伴う売電事業あるいは浄水場売電事業というようなもの、あるいは昨今ITSというんでしょうか、道路と通信を組み合わせた実験用施設とか、そういったようなものが具体的に出てきております。  いずれにしても、わかりやすい例が続々と出てくることを期待しておりますし、またこの法案が一日も早くでき上がるのを待ち望んでいる民間事業者もいっぱいいるということも申し添えておきたいと思います。
  10. 小川勝也

    小川勝也君 今景気の問題にも触れましたけれども、通常の公共事業だけでは社会資本整備が進まない分野にいい形で使われていくことを望んでおります。  そんな中で、批判といいますか懸念がなかったわけではありません。その一つは、先ほど平田委員長からも若干触れられましたが、今までの第三セクターのようにつくったはいいけれども赤字まみれ、あるいは事実上の失敗になることがわかっているような事業にもその投資が向いていってしまったなどという過去の例があります。PFIといっても第三セクターと同じでまた赤字まみれになっていくんじゃないか、そんな声に対する御反論をお聞かせいただきたいと思います。
  11. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) 第三セクターについては、御指摘のとおり大変大きな問題がございます。それを踏まえて各党間で御協議いただいてまとまったものとして、先ほど御説明いたしましたように出資をしない、それからまた債務保証をしないということでこの法案を作成したわけでございます。  しかし、私自身はPFIも第三セクターもやはり情報公開をきちっとやる、それから責任分担を明確にしてやっていくという、そういう基本方針を守っていかないと、PFIだから大丈夫、第三セクターだから危ないというふうには言い切れないというふうに思っております。  したがいまして、PFIを行う国もしくは地方公共団体長等は、その点きちっとした責任感というものを持った上でこのPFIという手法を利用していかなければならないのではないかというふうに思います。そういう意味で、客観的な評価とか、これは八条関係だったと思いますが、あるいは情報公開とかこういうものをきちっと条文の中に今回入れておるという点を御理解いただきたいというふうに思います。
  12. 小川勝也

    小川勝也君 もう一つ、よくわかっていない人の意見かもしれませんけれども、これは自民党が新しい利権を生み出すためにつくっている法案だ、こんな批判もございました。きょうは自民党提案者先生も来ておりますので、その辺にお答えをいただきたいと思います。
  13. 佐田玄一郎

    衆議院議員佐田玄一郎君) 先生も大変御心配されているようでありますけれども、まずそういうことは決してございません。  本法のねらいは、民間資金経営能力及び技術的能力活用した公共施設等整備等促進を図るための措置を講ずることにより財政資金効率的活用を図るものでありまして、効率的かつ効果的に社会資本整備することであります。まさにこれは要するにバリュー・フォー・マネー、こういうことでありまして、事業選定または事業者につきましては、しっかりとガラス張りでやっていきますので、先生の御心配は当たらないものかと、かように思っております。
  14. 小川勝也

    小川勝也君 私が心配しているわけじゃありません。  それで、御苦労いただきまして、先ほど申し上げましたように法案がうまくいきますと、参議院の本会議であした成立をすることになります。そうしますと、せっかくはぐくみ育ててきた法案が、実際の運用政府に今度はゆだねられることになると思います。今回いろいろと聞いてみますと、審議会経済企画庁にありました。あるいはきょうの審議には国土庁長官がお見えでございます。あるいは内閣の中で担当は内政審議室だったか、そんな話もあります。その辺もちょっと心配な点もあるんですけれども、事実上法案ができますと、政府管理ということで政府法律になってしまいます。  法律を生み育てた側からして、この法律はこういうふうに使ってほしい、そういう気持ちが多分おありになるかと思います。政府に対しての要望、こういうところはこういうふうに運用してくれ、そんなお気持ちをお聞かせください。
  15. 小杉隆

    衆議院議員小杉隆君) 私は、この法案を当初提出した責任者として、ぜひ今御懸念のようなことがないように、特に第三セクターの二の舞を踏まない、そしてPFI本来の目標である効率的な事業民間のそういうよさというものを導入し、さらに民間資金技術力を駆使する、こういう利点が損なわれないようにするために、私は政府にもこの法案のそういった趣旨をぜひ踏まえてやっていただきたい。特にバリュー・フォー・マネー、一定の金額に対してどれだけの効果を生み出すかという感覚をぜひ持っていただきたい。  私どもは党の中にPFI調査会というのをつくっておりまして、私もその責任者ですが、この法案がたとえ成立した後でもこれをフォローしていく、監視しチェックしていく、こういうためにその組織を残そうということを決定しておりますし、それぞれの党におきましても、あるいはまたこういう委員会におきましてもフォローアップをきちっとやっていただくことによって、政府が我々が意図したこの法案というものが十分行われているかどうか、それを責任を持って見守っていきたいと考えています。
  16. 小川勝也

    小川勝也君 冒頭申し上げましたように、例えばイギリスの例を引きまして、こんなことが日本でもできたらいいな、大きな活力になるなということからこのPFI法案をおつくりになることを決意されたんだろうと思います。  しかしながら、日本風土に合っているのか、あるいは現在置かれているような経済景気状況からうまく進んでいくのか、数々の心配があります。そしてまた、いい法律をつくっていただいてもそれをうまく知っていただき活用していただく、あるいは民間資金ということになりますと、その方がある程度のリスクを背負って投資していただかなければなりません。  その環境づくりから運用、あるいは先ほど質問の中で申し上げましたように単なる利権をふやしただけではないか、あるいは第三セクターと同じように失敗に突き進んでいく事業ではないか、そんな批判も出てくる可能性がある大切なあるいは難しい運用が望まれていると思いますが、関谷大臣、お越しでございますので、政府の代表として非常に難しい法運用になるかと思いますけれども、その御決意を承りたいと思います。
  17. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 小川先生が御指摘のように、このPFIというのはもちろんスタートするわけでございますが、民間方々PFIということに対する理解、あるいはまた政府の方からいいますればそれだけの情報情報公開はもちろん今後も続けていくわけでございます。そういうようにどのように民間方々理解をしていただいておるかどうか、それからまた今日本を取り巻いております財政的な状況、いわゆる景気の動向等々を考えますと、これはスタートするときには相当なる努力というものをやらなければうまく進んでいかないという危険性が皆無であるとは私も思っておりません。  このPFIで一番私は何といいましても効率性、それと透明性というものが大きく前進するのではないかなというふうに期待をいたしておるわけでございまして、ぜひそういうようなことで官民がお互い十分に話し合って理解し合ってこれを進めていくということがなければならないと思います。そういうことを考えますと、すべて物事は第一歩が重要ではございますが、このPFIというのはなおのこと第一歩が一番難しいんじゃないかなと思うのでございまして、最初がうまくいけばこれは非常にうまく進んでいくことができると思うのでございます。  ですから、ざっくばらんに申し上げまして、これは国が担保するわけではございませんから第三セクター的な失敗は起こらぬとは思いますけれども、そういうようなこともやはりしっかりと、小杉先生が今おっしゃられましたように、今後ともいろいろな立場の方がそれを温かくあるいはまた厳しく監視していくということをやっていかなければならないのではないかと思うわけでございます。  私は思ったことを言うもので、よくしかられるのでございますが、民間の人が入ってくるというのは相当メリットがなかったら入ってなんかこないんです。そうしたら、今の不景気の状態のもとでさっと我々が期待するような流れが出るかどうかというと、正直なところ私は大変だなと思っております。しかし、大変だからやらないというわけではないわけでございまして、こういうものがあるということをひとつ法律できちっとしておけば、またそれが自然に求められる好景気のいい時代もやがて来るでしょうから、そのときにこれが大きく稼働していくのではないか。ですから、そういう受け皿を今からつくっておくということではないか、そんなことを思っておるわけでございます。
  18. 小川勝也

    小川勝也君 御提案をいただいた方々に改めて敬意を表させていただくわけですが、今、大臣からしっかりとした御認識をいただきました。  PFIが成立することが必ずしもバラ色であるとは私も考えておりません。党内でもさまざまな議論がありました。冒頭述べましたような懸念を本当に前向きに押し出す人。そんなときでも、日本の二十一世紀を考えたときに必ずこのPFIの考え方は日本社会をプラスに導く何かがある、こう私も信じております。  しっかりと御運用いただき、また答弁の中で情報公開という言葉が何度か出てきました。これは我が党の岡崎トミ子委員専売特許かと思っていたんですけれども、PFIをおつくりいただいた中にもしっかりとその概念が盛り込まれているということを改めてうれしく思いました。この参議院国土環境委員会でもしっかりと監視をし、フォローして、間違いのない形で、そして多くを望むかどうかは別として、二十一世紀日本社会に必ずこのPFIが光の部分を醸し出すように御努力いただきたいと思います。  質問を終わります。(拍手)
  19. 福本潤一

    福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。  今、小川委員の方からありましたように、一昨年の秋から始められた法案がいよいよ参議院審議させていただく段階になった。私も一昨年かなりPFIの勉強をさせていただいて、そのときの法案をさらにレベルアップしていただいた中身を先ほどの小川委員質問に対する返答としてお伺いさせていただきました。  最初平田委員長に、イギリス型と若干違う面があり、またそれをさらにレベルアップして今回新しく法案として再整備して出していただいたということですが、この法案が通ることによってPFI制度導入効果、具体的にこういうところにあらわれるぞというところを絞ってお話ししていただければと思います。よろしくお願いします。
  20. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) PFI導入効果というのを挙げますと、たくさんあるのではないかというふうに思うのでございます。  まず一つは、今回、地方分権法で中央から地方へという流れができ上がってきたわけでございますが、もう一つ官から民へという流れがこれで強く推し進められるのではないかというふうに私は思います。これは小さな政府で大きなサービスというふうに言っていいのではないかというふうに思うんですが、小さな政府国民に対して大きな公的サービスを提供していく、この中でPFIというのが一つのツールとして使われていくのではないかというふうに思います。また、官側意識としても、何でも官がやるというのではなくて、民にできるだけやっていただくことはやっていただくという官側意識変革という意味でも大きな意味があるのではないかというふうに思っております。  それから、八条に客観的評価規定があるわけでございますが、PFIというのは先ほど大臣もおっしゃいましたが、民間がやるわけですからコストプラス利潤がなければいけないわけです。バリュー・フォー・マネーですから、官がやるコストよりも民がやるコストプラス利潤がさらに下回らなければいけない、これがPFIの原則なわけでございます。したがって、PFIだけではなくて、官がやるその他のサービスについてもコスト意識という問題意識を強く持たなければならなくなるであろうというふうに思っております。  そして、先ほど申し上げましたが、PFIというのは一つ公共事業あるいは公的サービスを獲得するための発注方式なわけでございまして、公共事業は今ほとんどが指名競争入札が行われております。会計法の原則は一般競争入札なわけでございますが、原則と例外が逆転をしております。また、コンストラクションマネジメント等がまだまだ発注していなくて、官側がほとんどやっている、こういう現実もあるわけでございます。  そういう現実を見たときに、直ちにマネジメントから建設から維持管理から収益を上げるというところまで丸投げ状態で民間に出す、こういう極端なPFIをやることが果たしていいんだろうかという懸念もあるかと思うんですが、ある意味では現状の発注方式の壁を打ち破る、そういう大きな役割がこのPFIにあるのではないかという認識を私はいたしております。  そして、発注方式の改善がPFI導入によって行われれば、あるいはまたPFI自身によってコストダウンが行われていけば、財政支出の削減という国民の利益となって返ってくるのではないか、それをなし遂げるのが我々政治家、また役所の大きな責任なのではないかというふうに思っております。  以上でございます。
  21. 福本潤一

    福本潤一君 どうもありがとうございます。  今のお話を伺っていますと、この法案が通ることによって公共土木事業を含めてかなり望ましい方向へ、またバラ色のようなお話も伺わせていただきました。官から民へ、国の財政支出を民に転嫁するという形ではない方向で進んでいくだろうと思います。  と同時に、今、平田委員長が言われた小さな政府による大きなサービスというお話もありましたけれども、そのサービスの中身がPFI法案が通ることによって問われてくるのではなかろうかというふうにこの法案を見させていただいて感じたところでございます。  二条の二項に「国民に対するサービスの提供を含む。」となっておるわけです。ある意味では、公共土木事業はさまざまありましたけれども、建物を建てる、施設をつくる、例えば河口堰また堤防、交通の事業をやられて、ハードのものは建てるんだけれども、これが民間の人にとって非常に使いやすいとか、そういった形の問題も逆に問われてくるのではなかろうかというふうに思われます。  このサービスの供給主体が民間に移るということがPFIの中で明らかにされていくだろうというふうに思われるのは、経済企画庁が「PFI推進研究会 中間とりまとめ」というものを出しておりまして、私も事前に読ませていただきました。その中には、「会計検査院において、国等における事業実施プロセスの改善に資するため、公共施設等整備管理・運営等について経済性、効率性及び有効性の観点から行っている検査を通じて、PFI事業の目的に即して一層の財政資金の効率的使用サービス水準の向上が可能ではなかったかについて検査を行うことを期待する。」ということで、会計検査院はさまざまな公共土木事業を検査、チェックしておるわけでございます。  この「財政資金の効率的使用サービス水準の向上が可能ではなかったかについて検査を行うことを期待する。」という経済企画庁の報告がありますが、具体的にこの法案が通ることによってサービス水準の向上に資するために検査をするということがある意味では期待されているわけですので、こういう期待されていることに対して会計検査院はどういうような調査、報告含めてレベルアップしていかれるか、お伺いしたいと思います。
  22. 円谷智彦

    説明員(円谷智彦君) 会計検査院といたしましても、イギリスにおきますPFI事業実施状況あるいはそれに対するイギリス会計検査院の対応状況等につきまして勉強いたしておりまして、この制度が整備されまして事業実施に移されましたならば、今先生指摘の点も踏まえまして、会計検査院としてどのような対応ができるか幅広く検討してまいりたいと考えております。
  23. 福本潤一

    福本潤一君 そういう意味では、経済企画庁の中間とりまとめに対しての一つの見解でございますが、具体的に財政需要だけの問題の指摘、またチェックだけにはとどまらずに、さらにサービスの向上に具体的につながっているのかどうかというところにも視点を置くようにという指摘がございますので、その点の検討、結果報告もお願いしたいと思いますが、その点についてもう一度念押しさせていただきたいと思います。
  24. 円谷智彦

    説明員(円谷智彦君) 会計検査院といたしましては、先ほど先生おっしゃいましたようないろんな観点から検査を実施しておりますが、行政サービスの向上という点に関しましても過去に幾つか指摘がございますが、そういった点も念頭に置きながら、検査院としてどのように対応できるか幅広く検討していきたいと考えております。
  25. 福本潤一

    福本潤一君 そういう意味では、会計検査院に、今後この事業が具体的に推進されたときに、先ほどバリュー・フォー・マネーということがありましたので、こういうサービスの提供、またレベルアップの向上に対してより一層の本格的な取り組みを期待したいと思います。  さらに、先ほどの答弁の中にもありましたけれども、事業が具体的にいろいろな形で提供されていく、そのときに廃棄物処理事業に対してもこういう公共土木事業が適用されるのではないかというお話がありました。今回、議員立法で同じようにダイオキシン類対策特別措置法がこの国土環境委員会一つの大きな成果として衆参通って成案の方向を見たわけでございますが、この廃棄物処理事業に厚生省としてはどういう形で取り組んでいく方向性を考えておられるか、それについて最初にお伺いしたいと思います。
  26. 小野昭雄

    政府委員(小野昭雄君) 社会資本整備あるいは運営等に民間事業者資金あるいは経営ノウハウ等を活用いたしますいわゆるPFI手法につきましては、廃棄物処理につきましてもそれを効率的に進めていく、あるいは市町村の財政負担を軽減するといったような観点から、こういった手法推進するということは極めて重要であるというふうに認識いたしております。  厚生省といたしましては、既に市町村がPFI手法を用いて行います一般廃棄物処理施設整備に対します国庫補助制度を創設したところでございまして、地方自治体に対します情報提供なども充実をいたしまして、市町村が行います廃棄物処理施設の円滑な整備を図ってまいりたいというふうに考えております。また、産業廃棄物処理施設整備についてでございますが、この手法活用につきましても引き続き検討を行いまして、整備事業の効率化に努めてまいりたいと現在のところ考えているところでございます。  なお、具体的な事例といたしましては、既に一般廃棄物処理事業につきましては千葉県あるいは福岡県で事業が取り組まれつつあるという現状にございます。
  27. 福本潤一

    福本潤一君 先ほどの産廃処理関係PFIにかかわる事業の中では具体的に産廃処理、またそこの焼却による売電の話が出ていましたけれども、今のお話はむしろ一般廃棄物また産廃業者の施設建設等々に関して具体的に民間資本が入って、例えば一般廃棄物というとほとんど公共事業でやっておられるところを、民間事業の経営者が一つの会社をつくって運営していくというような形になったりする事例が出てくるだろうと思います。  そうしますと、ダイオキシン類対策特別措置法が来年の二〇〇〇年一月に施行されて、ある意味では罰則つきの法案でございましたから、二〇〇一年一月、そこで現実にダイオキシン排出のルールを守っていなかったときは具体的に罰則が適用される。そこに一般廃棄物の関係で言うと、市町村長また組合長だけではなくて民間会社の人たちもかかわってくるという形になると思います。そうしますと、その新会社、具体的につくられた産廃業者また一般廃棄物業者にとっては、この会計検査というのがまた一つの大きな話になってくるだろうと思います。  もう一度会計検査院にお伺いしたいと思いますけれども、こういう民間資本と公共資本両方投入されているというものに対する検査方式というのは、今後PFIによってサービス向上をするために具体的にどういう方向になるのか。具体例を数値で出すというわけにはいかないでしょうけれども、若干のイメージでも教えていただければと思います。
  28. 円谷智彦

    説明員(円谷智彦君) 具体的にどのような事業実施されるかによって異なるとは思うんですが、無償貸付資金が提供されるとかあるいは国有財産が無償で提供されるとかいろいろ公的な関与の状況によって検査のやり方も変わりますけれども、基本的には国の資金が入っておれば検査は行える。ただ、民間が主体で事業実施する場合には、それなりの配慮をしながら検査院としても検査を実施しているということでございます。
  29. 福本潤一

    福本潤一君 そういう意味では、会計検査院の使命はこの法案によってより重くなるのではなかろうかと思いますので、対策方よろしくお願いしたいと思います。  と同時に、この法案情報公開等も必要になってくるわけでございますが、この法案が中央で通った、法律ができたということで地方自治体が具体的に実施するときに、この内容理解している自治体ばかりではないと思います。  そこで、地方自治体がこのPFI手法によって社会資本整備推進するという意味では、法案が通ると政府から地方公共団体に速やかに情報提供をしていかないといけないと思いますが、総理府のその点の御見解、御認識をお伺いしたいと思います。
  30. 竹島一彦

    政府委員(竹島一彦君) 御指摘のとおり、PFI事業推進に当たりましては、国のみならず地方公共団体が大変大事な役割を果たしていただけるものと期待しているわけでありますが、そのために既に政府といたしましても、ことしの三月以降でございますが、地方公共団体の職員などを対象にいたしまして全国十四の都市においてPFIに関するシンポジウムを開催するなど、いわゆる普及啓発活動を一生懸命やってきているところでございます。  それから、これからのことといたしましては、この法律が成立したならば、なるべく早く私どもはいわゆる基本方針の策定作業、それを踏まえて地方自治体も作成することになるであろういわゆる実施方針、これのひな形になるようなものをおつくりいたしまして、地方自治体の事業の早期推進に資するようにお手伝いをさせていただきたいというふうに考えております。
  31. 福本潤一

    福本潤一君 そういう意味では、中央から地方へという話もありましたので、ぜひとも具体的にこの法案に基づいてスムーズな運用が図れるように、地方自治体に対する速やかな情報また伝達もお願いしたいと思います。  さらに今回の法案の中身で、具体的に小川委員の方からありましたけれども、一つ民間資本がスムーズに導入される形で運用されていくわけでございますけれども、と同時に、民間資本という意味では第三セクターとの違いということで先ほどお話しいただきました。もう一つ、第三セクター失敗の総括というのを考えた上でこの運用も適切にされなければいけないというふうに私自身は思うわけでございますので、この法案をつくっていただいた方に、自民党の方でもいいですし、小杉さんでもよろしいかと思いますけれども、セクター方式の失敗、これをどういうふうにこの方式では逆に乗り越えて新たな展開がされるのかということに対する見解を、私どもある意味では素人ですので、PFI推進された方にお伺いさせていただければと思います。
  32. 小杉隆

    衆議院議員小杉隆君) 今御指摘された点を我々は一番気を使ったところでありまして、過去の第三セクター、うまくいっているものもありますが、かなりの部分失敗しているというその状況にかんがみまして、この第三セクターの轍は踏まない、こういうことをまず基本に置きまして、そこでその反省に立って、まず契約、事業計画協定、こういう分野官民の役割分担あるいはリスク分担というものを計画前にきちっとつくるということが必要ではないかということ。  それから、特に、例えば経営者も、今いろいろ具体的に出てきているのを見ますと、従来はともすると地方自治体の長が代表者になるというようなケースが多かったんですが、民間の人をそこの長に据えるというようなことも一つ考えられると思いますし、それからバリュー・フォー・マネーといいますかいわゆる費用対効果、この分析も、従来以上に民間リスクを負うということがかなり出てまいりますので、その辺も厳密に行われていくだろうと思っております。  それと、先ほどから出ております情報公開透明性を高めるという点、そういったさまざまな努力PFI法案の中では盛り込んで、法案の中にも入れさせていただいたところであります。
  33. 福本潤一

    福本潤一君 そういう意味では、前轍を踏まず、また内閣内政審議室に投げようと思っていましたけれども、基本方針内閣総理大臣策定ということも入っておりますので、時間がありませんのでお返事は要りませんけれども、この策定に関してもきちっとしたPFI趣旨が生かされるような形での策定をお願いしたいということを申し述べて、私の質問を終わらせていただきます。
  34. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。  PFI法案は議員立法の形をとっておりますけれども、しかし経過から見ても、また実態を見ても、これは政府肝いりの法案だなということを痛感いたします。  政府経済政策について言えば、九七年十一月の緊急経済対策でも、あるいは昨年四月の総合経済対策でもPFI推進が提起されておりますし、新しい全総でも国土基盤の整備に当たってPFI活用が述べられているわけです。政府の進める大型公共事業PFI推進する、このことは既に織り込み済みなわけです。また建設省、通産省、経済企画庁もガイドライン、提言等を作成してきたという経過があるわけです。  すると、非常に素直に思うことは、なぜ閣法ではなく議員立法で出されたのか、そのことを痛感いたしますけれども、なぜですか。
  35. 小杉隆

    衆議院議員小杉隆君) これにはいろいろ経緯がありまして、一昨年の段階で大変財政の厳しい中、しかし国民のための社会資本整備を進めていかなきゃいけない。こういう中で、新しい手法としてこういうPFI方式というものを導入すべきではないか、こう考えたわけであります。  当時、政府の方はそれほど積極的ではありませんでした。今、政府の各種の経済政策等にもPFI最初から入っていたように言われましたけれども、それは逆でありまして、我々がこういうPFI法案を企画している、こういう情報に基づいて政府の方はその後の経済計画なり総合計画の中にPFI方式というものを打ち出した、こういうことであります。  このPFI事業というのは対象が広範多岐にわたりますものですから、政府が各省ばらばらでやるよりはむしろ議員立法にして統括的に法案をつくった方がいいだろう。もちろん、法案ができた後の実施政府にゆだねるしかありませんけれども、そういう観点から我々が議員立法として提出した、こういうことであります。
  36. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 今の御答弁では余り実態に合った、またリアルな説明になっていない、そう思います。  今、自民党政府関係について言われました。確かに、自民党としての景気対策が提起されたという経過がありますけれども、私はPFIの起源は何かなということを考えてみましたけれども、九六年五月に日建連のビジョン、ここにありますけれども、これが出された。その中で提起されているわけです。これまでの民活方式についての総括をしながら、収益面においては不明確な点があった、そして今後、大幅規制緩和等により日本型の民活方式の仕組みを構築することが重要である、これがすなわちPFIなわけです。  すると、これはかなり前に、九六年ごろに建設業界あるいは財界が提起した、これが起源になっているわけです。それに乗っかったと。したがって、後で中身についても検討いたしますけれども、言ってしまえば、かなり露骨なことをやはり閣法では出しにくい、範囲が広いということもあると思いますけれども、そういうことではないかなと、私は今回いろいろ検討してみてそのことを痛感いたしました。  そこで、それでは民間活力の活用といったときに、これまで第三セクターと言われてきました。先ほども、第三セクターのかなりの部分失敗だったということを発議者自身も認めておられました。確かに、苫東、むつ小川原、東京の臨海副都心、これが財政状況だけを見ても孫子の代まで借金を積み重ねるという大変な事態に至っており、今なお雪だるま式に借金がふえているという大変な失敗だったわけです。あるいは調査室でまとめていただいた資料、これを読ませていただきましたけれども、第三セクター方式というのは、定義によってもいろいろあるそうですけれども、大体九千余りもある。その中のかなりの部分がやはり同様に失敗しているという状況があるわけです。要するに破綻状態だと。  PFIと三セクの違い、これについては先ほどからも話がありました。官民の役割、リスク責任、その分担に対する考え方が違う。その点で三セクではそれが不明確だった。今回はそれを明確にしたということですね。では、どう明確にしたのかということが非常に私は重要だと思うんです。  手元に、経済企画庁、平成十一年一月と振ってありますけれども、「PFI推進研究会 中間とりまとめ」、こういう文章があります。この中に非常に注目すべきことが書かれている。それは、「官民間の役割・責任リスク分担と「契約」によるこれらの明確化」ということで、何を言っているかというと、引用しますが、「民間が負担すべきリスクについては、一方的に民間リスク負担が大きくなることのないよう」にする、そう述べている。あるいは同じことですけれども、「民間事業者の収益機会が確保される事業の枠組を構築する」。  要するに、三セクのときには、この日建連ビジョンも書いているけれども、収益面で非常に不安があった。今度はそれを民間事業者に対してしっかり保証しますよということではないかと思うんですね。そういうことじゃないんですか。
  37. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) 経企庁は経企庁の考え方、あるいは、今先生指摘の話があるかと思いますが、要するに先ほども私は申し上げましたが、PFI導入する効果というのは多様なものがあるわけでございまして、御指摘のような懸念もないわけではない。その懸念をどう乗り越えていくかという知恵を絞っていくのが、我々政治家の仕事でありまた役所の仕事なんだろうというふうに思っておるわけでございます。  そのための手当てといたしまして、出資とか債務保証は認めないということ、それから客観的な評価をしてコスト意識をきちっと持つ、また情報公開をきちっとやりますよということだろうというふうに思いますし、それからこれは民間経営能力を利用するわけですから、当然経営トップは民間人でなければならないわけであります。私が見る限り、第三セクター失敗の一番大きなものは、経営トップに経営能力のない人がなっていたのではないかというふうに思いますし、それをチェックするための情報公開もなかったということなのではないかというふうに思います。ですから、過去のものが全部悪かったからPFIもだめだというふうには私は言えないのではないかと思います。  そういう意味で、避けなければならない危険をどう回避していくかということで、このPFIというツールをしっかり使って、先ほど申し上げましたように、小さな政府で大きな公的サービス国民にいかに提供していくかということの努力を我々はやっていきたい、こう思っているわけでございます。  それから、リスク管理の問題につきましては、基本的には官のリスクはこれだけですよというふうに決めるべきだろうと思いますが、私自身は、官である以上やはり公的サービスですから、公的サービスでなくなってしまったら困るということで最後全部官に背負わされてしまうのではないかという、そういう懸念もないわけではありません、それは事業が完全に破綻してしまった場合にどうするのかといったときに。  しかし、破綻をしないようにどうしていくのか。任せ切りではなくて官側がチェックを常に続けていく、こういう姿勢と責任があるだろうと思いますし、それに対する融資側のプロジェクトファイナンスの責任、また保険システムの新たな導入、こういうものも考えていかなければならないのではないかというふうに思います。
  38. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 懸念については否定されなかった。懸念があるということですね。それから、確かに露骨過ぎることを削除した、そういうことはあると思います。私はしかし、これは本法案の第三条の二に書かれているわけですけれども、民間事業者には収益を確保するということがあるわけです。  それでは、国や地方自治体についてはどうなってしまうのか。そっちの方はリスクを背負っていくことになる。そうすると、いずれにしても税金をいろんな形で使ってそういう大型公共事業推進していくということになるのではないか。そのことが非常な大きな問題だと思うんですけれども、その点はいかがですか。
  39. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) 先ほどから申し上げておりますとおり、民間がやるわけですから、当初計画をしたときに損をする事業民間が引き受けないと思います。これは株主に対して責任を果たしたことになりませんね、経営者としては。したがいまして、自分たち事業をやるに当たっては、当然コストプラス利潤で十分ペイするんだということを考えてやられるだろうと思います。  官側としては、自分みずからがやるよりもPFIでやった方が官が支出するコストというものが少ないということがなければ、PFI導入には至らないのではないかというふうに思います。これは当然の原則だろうというふうに思います。しかし、いろんな事案も予想してリスク管理をするわけでございますが、そのリスク管理をした上でもなおかつリスクを負担せざるを得ないというときにどういうことになるかということは、これはPFI法では書いてありません。これは、基本的には官が発注するときにその民間事業者との間に契約を結ぶわけです。その契約の中でリスクの負担というものを明確にする、そこが重要になってくるわけでございまして、私自身そういう契約を結ぶノウハウとかあるいはマンパワーというものをこれから養成していかなければならないというふうには思っております。  そういうことを前提にした上でのPFI事業、しかしそれがまだできていないからやらないという消極的なものであったならば、やはり先ほど申しましたように官から民へという国民の要望に対してきちっとした答えを出すことにならないということで、PFI法案をここでつくって慎重に、先ほど大臣もおっしゃいましたが、まず最初は出足は慎重にしながらやっていこうではないか、こういうことでございます。
  40. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私がお尋ねしたのは国や地方自治体の負担、これがどうなるのかという問題で、それについてははっきりしたお答えがなかったと思います。  私は別にちょっと角度を変えて、少し実態も含めて述べていきたいと思うんですけれども、例えば福島県白河市の駅前開発プロジェクト構想というのがあります。アーバンリンク白河という構想ですけれども、この構想というのは大型商業施設、ホテル、娯楽施設、市の公共施設など延べ十二万平方メートルの駅ビルを建設しようというものなんです。  これは私も調査してみましたけれども、八九年にそういう区画整理事業を行った。しかし、バブルが崩壊してこれが立ち行かない。そうしたことで、結局今駅前が更地になっている。駐車場がある、人の流れもほとんどない、そういうところなわけです。そこに、今度PFIによってその事業を立ち上げようというわけです。  これは、普通だったらそれは進まない。しかし、民間事業者に対してその損失、そのリスクが非常に制限されるんだということをうたい文句にしてぜひということになったんです。第三セクターではいかない、失敗した。そして、九三年以来凍結されているこの事業を今回はPFIでやるという、それならばいくだろうということでやると。つまり、今のままではいかない事業PFIによって立ち上げる、そういうことにならざるを得ないわけです。  そういうことを考えたときに、結局はこういうどうしようもない、そしてだれが考えても採算のとれない、見通しのない、そういう事業PFIだからいいだろうということで民間事業者が収益面でも保証される、あるいはそのリスクが少ないということをうたい文句にして、それをどうかということで進めようとする。私はその点に今回の非常に大きな問題点がある、そのように痛感するわけです。  その関係一つ聞いておきたいんですけれども、例えば七条には事業者選定について公募等によると書かれております。しかし、実際に私は白河市長のインタビュー等も見てみましたけれども、事業者については日商岩井、そこが中心ですということを答えている。PFIで日商岩井中心で進めますと。あるいは日商岩井の担当者に聞いても、こちらから条件をつけて市側に再提案をするということを述べている。つまり、既にそういう形で話が進むわけです。  先ほど大臣は、第一歩が大事だということを言われましたけれども、そもそもこういうやり方というのはこの法案規定七条に、少なくとも七条の業者の選定ということに反しているんじゃありませんか。
  41. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) まず、先ほどから申し上げておりますように、第三セクター失敗したからPFIでやるというような発想は本来PFIの原則に反するわけでありまして、それはちょっと違うのではないかなというふうに私は思います。  それから、今、事業者選定の話がございましたが、基本的に公募が原則でございます。しかし、PFIでございますので、これはどういうものをやるのかという立ち上げのところから話が始まるわけでございますから、立ち上げのところから始まりますとそれが一定の事業者にだんだん固まっていくということはあり得る話だろうというふうに思います。  そうすると、そこに不公正さはないのか、不正はないのかという御疑問が当然出てくるわけでございます。したがいまして、そこで八条の客観的評価というのがあって、客観的に評価されたものをまた市民にきちっと公表する、そして市民の皆さんからきちっとチェックを受ける、そこにこのPFI事業事業選定公平さ、公正さというものを担保しよう、こういう思想が貫かれているわけでございまして、内々適当に決めてやるということができないようになっておる点についても御理解をいただきたいというふうに思います。
  42. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 ですから、こういう実態を見たときに理解できないわけです。実際に法案規定に反したこと、「等」の中には例外が含まれるというふうに言われれば別ですが、そういう実態が既にあるということは重大な点だということを指摘しておきたいと思うんです。  それから次に、五月に関西経済連合会が出した「大阪湾ベイエリア開発整備促進のための制度・手法に関する意見」というものがあります。一方でベイエリア開発破綻を宣言しながら、見直し案ということで、公共事業の一部を大企業にゆだねるPFI活用せよ、そういうことを言っている。あるいは、大企業がベイエリアで中核的施設整備する際には国や自治体の土地を無償または廉価で利用できる支援措置が講ぜられるべきだということを要求しているわけです。  先ほど、三セクで失敗したものをPFIでということについてはそれは違うと言われたけれども、この大阪の例だってそういうことなんです。三セクでうまくいかない、それを今度はこういうことを要求してやっている。そういう点で言うと、今までの教訓あるいは反省に立っていない。  今回、さまざまな公的支援措置がとられるということが言われております。こういう内容、こういうものをPFIによってつくってあげる、支援する、そういうこともあるのじゃありませんか。
  43. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) まず、PFIと第三セクターの違いは、民間がやるべきことを第三セクターをつくって官と民で共同してやったということでございまして、PFIというのは、本来、官がやるべきことを民間経営能力あるいは技術能力等、あるいは資金、こういうものを活用してやろうというものでございまして、基本的にまず考え方が違うということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。  それから、民間方々がいろいろなことをおっしゃっておいでになる御指摘はそのとおりなのかもしれませんが、PFIで考えなければならないのは、民が官に最後は頼るという親方日の丸意識といいますか、そういうものを払拭するということにPFIの精神がなければならないわけでありまして、そこの意識変革は、官もしなければなりませんが、民もしなければならないということが重要なのではないかというふうに私は思います。その点が十全まだ意識変革ができていないよというような御指摘だったならば、それは意識変革がない人は意識変革をしていただきたいと私は強く訴えたいというふうに思います。
  44. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 そういう建前はあるようですね、今言われるけれども。しかし、私は、そういう企業、リスクは制限される、収益面は保証されるということを述べ、あるいはまた関西経済連合会が述べているようなこういう要求が出てくるというところに企業のモラルハザード、これがあらわれているというふうに思います。  もう一つ重要な問題として私が述べておきたいのは、二十条の第一項、担保不動産活用等として、金融機関、ゼネコンがPFI事業向けに担保不動産を売却して損失が生じた場合、その損失分を資産として計上して十年を最長として繰り延べ償却ができる、こういう十年以内の分割償却という特例を設けている、この点が一つ大きな問題だと思います。  まず、私は大蔵省の方にお聞きしたいんですけれども、企業会計の一般的な原則、これはその期に生じた損金は一括して償却しなければならない、そのようになっていると思いますけれども、いかがですか。
  45. 福田進

    政府委員(福田進君) 企業会計原則によれば、すべての費用及び収益はその発生した事業年度において計上しなければならないこととされております。いわゆる発生主義でございます。  しかし、企業会計原則の注解の十五におきましては、天災等により固定資産又は企業の営業活動に必須の資産の上に生じた損失が、その期の純利益等から当期の処分予定額を控除した金額をもって負担しえない程度に巨額であって特に法令をもって認められた場合には、貸借対照表の資産の部に記載して繰延経理することができるとされておりまして、例外的に災害等による損失の繰り延べが認められているところでございます。
  46. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 今、答弁がありましたように、企業会計原則の注解、これには今言われたような例外がある。そうすると、このPFIというのは十年間分割償却を認めることになっている。  PFIというのは、天災なんですか。
  47. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) 天災なんですかという御質問に対してはお答えする必要はないかとは思いますが、担保不動産の流動化という規定になっておるわけでございますが、PFIを行うことによって簿価よりも随分低額で土地を提供してもらうというような事例が出てくるだろう、そのときにPFIに協力してもらうインセンティブを与えようということでこの二十条の規定を設けたということでございます。  そういう観点から御理解をいただければ、要するに法令上の根拠を持てば、今、福田審議官が説明したようにできるわけでございまして、何ら問題はないのではないかというふうに思っております。
  48. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 何ら問題がないというのは大変重大な答弁だと思いますよ。だって、この注解を見たって、天災のときには特例を認める、これは当たり前ですね。しかし、企業会計原則、これに反するじゃありませんか。これも、今インセンティブを与えると言われましたけれども、企業甘やかしなんです。例えば、簿価百億円の土地を時価十億円で売却した、そのために九十億円の損失が生じた。ところが、その損失金は十年以内に処理すればいい、そういうことになるでしょう。これは重大だと思いませんか。こういう条文が乱用されたら大変なことになる。  私は、最後に大臣にお聞きしたいんですけれども、こういう特例措置、これが不良債権処理のために使われる、この法案に書かれているわけだからそういうことは当然生まれるでしょう。そうすると、このPFIというのはとんでもない方向に行く、そういう可能性を秘めているのじゃありませんか。しかも、企業会計原則に反する。今、大蔵省から答弁があったとおりです。天災がただ一つの例外とされている。それなのに何でPFIがこういう形で例外を設けるのか、おかしいと思います。  大臣、この点いかがですか。
  49. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 平田委員長お答えになったことそのものだと私は思うのでございます。もちろん法律でそういうことが決められればそれにのっとってやればいい話でございまして、いわゆる大蔵省の答弁の範疇ではない、自然災害ではないではないかということでございますが、それは自然災害であるとは思いません。  ですから、なぜそういうようなことをやったかというと、PFIをやはりスムーズに第一歩を進めさせるために、ある意味においては導いていく道筋をつくる一つとして十年間で分割償却をしてよいということになっているんだろうと思いますし、そして今や土地の価格が大変低下しておるわけでございますから、そういうようなことで繰り延べ償却がなければ土地の流動化が進捗しないということがあるわけです。そして、PFI事業を行うというのは、何といいましても不動産が必要なものでございますから、そういうようなことでそういう特例の援助措置を講じた、そういうふうに私は理解をいたしております。
  50. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 緒方靖夫君、時間です。
  51. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 企業にインセンティブを与える、あるいは企業対策、そういう景気対策のためという土地の流動化ということを言われました。ですから、私はそういう点で大変ある意味では正直な話かと思います。しかし、これがやはり企業のモラルハザードになり、また同時に国民の税金、ここに大きな負担がかかってくる。このことを指摘して、私の質問を終わります。
  52. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 同僚議員からこの法案が議員立法として出された経緯についてお聞きがありましたので、私は同じことを大臣にまずお聞きをしたい。  ここは通告してあったかどうかわかりませんけれども、大臣、この法律が閣法として出されなかったという理由に、各省庁大変たくさんであって議員立法がふさわしいという御答弁があったわけですけれども、議員立法が成立をする前から経済企画庁あるいは通産省、建設省、運輸省、厚生省などにおきましてこのPFI活用するための予算措置が既に十一年度に盛り込まれております。  そういたしますと、成立するのが当然の中で予算措置が組まれている。これは政府におかれても期待をしておる、待っておる法律というふうに思うわけでございますけれども、私はこの法律がなぜ議員立法なのかというところと、今まで政府推進をしてきた民活の事業そのものに対する反省といいますか、そこがきちんと出されなければならないと思うわけです。  閣法にできなかったのは、もし閣法で出したならば今まで行ってきた第三セクター方式などによる民間活力を引き出していく方向というものが必ずしも成功しなかった、その反省点をきちんと述べなければならない、そういう事情があるということが議員立法にゆだねざるを得なかったというところに結びつくのではないかと思いますけれども、大臣、その観点はどうでございましょうか。
  53. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 私の答弁の前に、ちょっと小杉先生どうぞ。
  54. 小杉隆

    衆議院議員小杉隆君) 私は、議員立法というのは最近ふえてきていると思います。例えば、中心市街地の問題、あるいは田園住宅構想などです。  よく言われるように、それぞれの省庁がそれぞれ守備範囲を持ってやっていますので、やはりそれを統合するような法律をつくるのはまさに議員立法がふさわしいのではないかということで、我々がこうした計画を発表して以来、政府部内でも今名前を挙げられた各省庁が積極的に取り組んでいただきまして、その前段階の例えば住民へのPRのためのいろいろな催しをやったりそういった予算措置をされた、こういうふうに考えておりまして、私はむしろ今後こういう非常に横断的な法律については議員立法でやっていくということは非常に大事なことだと思っております。
  55. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) このPFIの性格といいましょうか内容、それから考えますと私は議員立法のやり方の方がいいのではないかなというふうに思います。  これは閣法でやりますとどうしても、地方分権関連の法案のときにもよく言われましたけれども、法定委任事務を外すといっても今度はまた法定事項も出てきておるじゃないか、例えば建設大臣の最終的には直接執行もできるじゃないか、これは完全に民間移動ではないかというような御意見もございました。そういう感覚でいきますと、これは閣法で進めていくというとやはりそういう国の指導、国の関与というものが議員立法よりも強く関連する内容にならざるを得ないんではないかなという感じが私はいたします。  それと、土井たか子先生衆議院議長をされておりますときにあの方がしょっちゅうおっしゃったのは、議員は何をしておるか、閣法じゃなくして議員立法でやるのが議員の役目ではないかということをおっしゃっておりましたことを何かの参考に申させていただきます。
  56. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 議員立法を積極的につくるということは大賛成でございまして、皆さんの御努力は大変買うわけですけれども、議員立法でなければ出せない状況。  さっき緒方先生指摘しましたけれども、私も第二十条などは、今までの税制法上からいきますとこれは閣法では出せないんですね。閣法で出してくる場合、大蔵省との折衝はきちんとやらなければなりませんし、法律に違反をする、違反とまでは言わないかもしれない、そこを大幅に変えざるを得ない中身を堂々と書き込まなければならないわけですから、これは閣法では出せない。  議員立法といいましても、土井たか子党首が言うのはこういう議員立法ではないんです。もう少し本当に国民生活の向上に密接にかかわってくる議員立法を議員がみずから立法すべきであるというのが我が党首の考え方でございまして、大臣ちょっと違うかなと思いながら。  それでは、この法案の題名が民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律案というふうになっておりますけれども、この法案の名前と第一条の目的のところが少し整合性を欠いているのではないかというふうに思うんです。目的のところは「措置を講ずること」というところが第一に挙がっている。何かこの目的のところに欠如しているものがあるのではないですか。  この法案全体を見ますと、公による支援というのがこの法案の中身なんです。ところが、目的の中には、民間の「能力を活用した公共施設建設維持管理及び運営の促進を図るための措置を講ずること等により、」となっていますね。そうしますと、この民間資金活用による公共施設整備というのとちょっと違う。公的な資金を利用して民間をどう育てるかという法律の中身になっていやしないかと思うのですけれども、どうでしょうか。
  57. 小杉隆

    衆議院議員小杉隆君) 従来は本来的に公共事業は公共部門がやる、国なり地方自治体がやる、こういうことが行われてきたんですが、今回はやはり財政状況あるいは民間がもっと積極的に公共事業にも関与できるということからこういう法律をつくったわけでありまして、とにかく本来は公共がやるべきことを民間にも参画できる道を開くというのが趣旨でございます。
  58. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 法律の中身全体が、民間資金等活用による公共施設等整備というふうに題はなっていますけれども、法案の中身はそうなっていないのではないかということなんですね。そこが私は今回指摘をしたいことでございます。  それはなぜかといいますと、この法案全体を通じてどう民間を補助していくかということの法律立てになっていますね。  第三条には収益性ということをまず第一にうたっていますし、住民サービスの向上もうたわれていますけれども、企業の収益性を確保するということが基本理念のところでまずうたわれています。それと同時に、第十一条から二十条まで、十一条は国の債務の負担について明確に規定しておりますし、十二条ではさらに国有財産の無償使用について条文が立てられております。その上に、無利子貸付制度の創設が十三条でうたわれています。十四条では資金の確保及び地方債についての配慮がうたわれておりますし、十五条は土地の取得等に対する配慮、それから十六条には支援等について書かれています。さらに、十七条では現行法の規制緩和がうたわれており、十八条では国や地方自治体による民間企業への協力が明快にうたい込まれておりますし、十九条では啓発活動等及び技術的援助等がうたわれており、二十条は破綻をした救済措置まで入っているという、こういう状況でございます。  本来、イギリスが発祥と言われるPFI制度とは似て非なるものがこの制度になっておるのではないか。我が党も賛成していますので余り厳しくは言えませんけれども、こういう状況になっておりまして、この法律の条文立てを見る限りにおいて、民間企業をどう公によって支えて、その脱却をさせていくかという法律に読めてしようがないのですけれども、この点についてお願いします。
  59. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) 先ほどから申し上げておりますように、これは民間がやる場合は当然収益は考えなければできないわけでありまして、収益プラスコストがトータルの金額として出てきたときに、官がやった方がもっと安くできるんだったら官がやらなあかんのです。官がやっているともっとコストがかかる、そういうものはPFIでやってもらうという、これが大原則なわけです。  もう一つは、ではそのときのコストをどう考えるかというときに、これはイコールフッティングといいまして、官がやるときにいろんな補助金あるいは資金援助、そういうものがあるわけでございまして、それと同じ条件で民間がやるということが前提になければ、当然官のコストと民間がやるときのコストというのが公平に計算できないわけでございます。したがいまして、何か条文を見ると、民間事業者に対する支援規定ばかりじゃないかという御指摘があるわけでございますが、これはイコールフッティングというのが前提にあるわけであります。  だから、官がやるとき以上に民を支援して民にやらせるということだったら、これは客観的な評価ができないということになるわけでありまして、これはこの精神をきちっと踏まえた上で法の運用をしなければならないわけでございまして、役所がこれを外したら、あるいは自治体がこれを外したらこれはPFIの精神に反しますと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
  60. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 提案者の皆さん方の高い理想と日本経済をどう導いていこうという趣旨は私はわかっているつもりなんです。ところが、実体としては今までの日本は大変安定した政治を行ってきたと思います、経済成長がそれなりにあったと思いますから。公共事業分野はできるだけ官によって安定した運営が行われ、住民の生活に密着をした水道や下水道やごみ処理の問題や道路や本当に住民生活に欠くことのできない部分公共事業として位置づけて、税金の中から事業を行って国民生活の安定に資するというのが今までの日本の政治のあり方であったと思います。  私は、富の再分配、税金の使い方としてはそういう公共投資をしていくことが行政のあり方として理想だと思います。これからも、住民サービスの低下にならないように公の事業としてやっていく必要が十分にあると思います。その大事な部分までも、水やあるいは下水道の処理やごみ処理というような暮らしに直結をする部分まで民に委託して官が手を抜いていくことが本当に住民サービスの低下につながらないのだろうかという懸念があります。  例えば、民が経営をされる場合に、水道の事業をやるといたします。ところが、水道事業をやってみたけれども水不足が深刻になり、さらに新しい水源を求めなければならないような事態が起こったときに、その水源を求めるための費用がかかる。そうすると、供給する水道にさらに料金の負担をかけていかなければならない。国民は水道料の値上げということに遭遇をするわけですね。これを官でやっている場合は、その負担が多くなった場合でも税金が投入をされてということが当然行われて、生活を直撃するような料金改定ということにはなっていかないんですけれども、これを民がやっていく場合、ありとあらゆるものに今度は民間が全部これに参加をしていくという状況になってくると、私たちはふだん行われている生活の中にそうした問題が持ち込まれてくるのではないかという心配をするわけですけれども、この心配に対して提案者はどのようにお答えになりますでしょうか。
  61. 佐田玄一郎

    衆議院議員佐田玄一郎君) 条文を見ますると、確かにそういう御心配があろうかと思いますけれども、基本的にこのPFIの場合は、民間資金であるとかノウハウを利用して、先ほど来からお話がありましたようにペイをするということが原則であります。そしてまたなおかつ、今委員から大変御心配がありましたけれども、例えば砂防事業であるとか河川であるとか、やっぱり人命にかかわるようなことにつきましては非常に難しい部分があろうことは我々もよく理解をしております。そういう中において、また公共的な料金がアップする、こういう御懸念のあるものにつきましてはできるだけ我々も配慮していきたい。  あくまでも申し上げたいのは、これは要するに民間資金であるとかいろんな経営のノウハウであるとか技術力であるとか、こういうことが活用できるものについてPFIを試行錯誤してやっていきたい、そして財政を減らしていきたい、こういうことが趣旨でありますので、ぜひとも御理解いただきたいと思います。
  62. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 そのPFI制度がきちんと働いてくればそういういい方向も出てくるのかもしれませんけれども、私は日本のこの政治土壌においてそういうことが本当に円滑にやっていけるかどうかというのは非常に心配をしています。それはよい習慣だと思いますけれども、先ほど言いましたように日本の行政のあり方というのは官主導で行われてきたところが多く、国民もそれに寄りかかるように安心した暮らしをしてきたという経過がありますので、そこが一気に開かれていくということに少し心配をするということになるわけです。  あともう一点ですけれども、第五条の二項六号で、「事業の継続が困難となった場合における措置に関する事項」というところが盛り込まれましたけれども、これはどうして盛り込まれたのでしょうか。
  63. 小杉隆

    衆議院議員小杉隆君) これは先ほどから申し上げているように、第三セクター失敗の例を検証してみますと、責任分担リスク分担が必ずしも明確ではなかった。こういう点から、この第五条におきまして特にこうした条文を設けまして、そういうことがないように、そういう趣旨から設けたわけでございます。
  64. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 その中身はどういうことでしょうか。例えば何々ということで挙げていただきたいと思います、三点ぐらい。
  65. 小杉隆

    衆議院議員小杉隆君) これは法律の形としては、まず総理大臣基本方針PFI委員会と協議して決める、そして今度それに基づいて実施方針なり実施計画というのがつくられるわけで、その第五条に言っているのは、実施方針にはこういう項目を盛り込みなさい、こういうことになっているわけです。  ですから、一応基本的な部分基本方針の中で打ち出しまして、それに基づいて具体的な実施方針を決める際に、こういうこともきちっと明確化して盛り込むように、こういう趣旨でございます。
  66. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 具体的な中身について、例えばどういうことか。破綻をしたときにはどういう処理の仕方をするのかというようなことと、どういうふうに考えておられるかということなんです。
  67. 小杉隆

    衆議院議員小杉隆君) それは、実際に実施方針を決める際に、それぞれ官側民間側で具体的な中身を詰めていくわけですから、今ここでにわかに具体的にこうだということは言えませんが、例えば天災地変が起こった場合にそのリスクを全部民間に押しつけるというわけにはまいりません。こういう場合には官が責任を負う。しかし、それ以外の例えば収益の予測だとか経営上の予測が非常に間違っていたというような場合には民間リスクを負うということで、このような取り決めに基づいて、万が一事業継続が困難になった場合には、ではどちらが責任をとるのか、そういうことを事前に明確に実施方針の中に盛り込むべきだ、こういう趣旨でございますので、具体的な中身をもっと詳しく述べろと言いましてもそれは個々のケースによって違いますので、今は大体大まかに言って、どうしても不可抗力で民間リスクを負いかねるものは官が負う、そうでない部分民間に大きな責任リスクを分担してもらう、こういう趣旨でございます。
  68. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 そうすると、やっぱりPFIとは違うんですよね。民間が主体性を持ってやる事業なんでしょう、リスクも当然民間責任を負わなければならないんじゃないですか、最終的には。破綻したときには官が負うということになってくると、第三セクター方式の失敗とまた重なってくるのかなという心配がありまして、ここのところの条項はとにかく契約のときに、細部にわたって業者と官との間で本当に細かい契約が必要だというふうに思いますので、ここはぜひお願いをしておきたいと思います。  それから、衆議院の附帯決議の五項に、「本法の主務部局は内閣総理大臣官房内政審議室とし、本法の施行事務を遂行する職員の過半は建設省及び国土庁の職員をもって充てること。」とわざわざ一項盛ってあるんですけれども、これはどうしてでしょうか、御説明いただけませんでしょうか。
  69. 佐田玄一郎

    衆議院議員佐田玄一郎君) どうしてかと言われますと、これは全体的にわたるものですから、基本的には総理大臣が例えば特定事業であるとか選定事業の仕方であるとか、そういうことはやりますけれども、あくまでもこれは全体ということで国土庁または経企庁、こういう省庁で担当をしてあらゆるものを網羅していこうということで、そんなに他意はございませんので、よろしくお願いします。
  70. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 終わります。     ─────────────
  71. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、上野公成君委員辞任され、その補欠として森山裕君が選任されました。     ─────────────
  72. 奥村展三

    ○奥村展三君 もう既に各同僚の先生方から幾つもの重なる質問がなされておりますので、できるだけ簡単にお伺いをしていきたいと思います。  私はこのPFI小杉先生と御一緒に、今は連立が自自公になりつつありますが、自社さのときには小杉先生と一緒に勉強させていただいて、これはいいことだと絶賛をしながら御指導いただいたわけであります。基本的にはぜひ賛成をさせていただきたいと思っておるんです。  今日、国も地方もいろいろ財政赤字で大変なときであります。これを憂えているわけであります。こうした中で、従来の公共事業のあり方、これは当然見直していかなければならない、行け行けどんどん方式の時代はもう終わったんだ、こういうこともやはり国民の皆さんにも理解をいただく、そしてまた官から民へというお話もありましたが、そういう流れで進めていかなければならない。官主導ということも基本的には大事でありますけれども、ここでPFIのように民間のアイデアやノウハウをしっかりと受けとめて、それでいろんな事業をやっていただく、そこには大きなメリットが出てくると私は思います。ですから、ぜひこれを実現していただき、これからの二十一世紀日本公共事業あるいはいろんな事業のあるべき姿をしっかりと方向づけていただきたいと思うわけであります。  そこで、公共施設というものは大体従来から国や地方自治体が全部管理運営することとされておったわけでございますが、公物の管理方法についてお伺いをいたしたいと思うものでございます。  今日まで、今申し上げましたように管理運営は国や地方自治体がずっとやってきたわけでございますが、こうした規制緩和が必要であるということもこの中でいろいろ指摘をされてきたと思います。しかし、一方、本法第七条二項を見させていただきますと、いろいろと書かれておるんですが、そこで管理者が特定されている事業への民間参入が可能になるのかどうかということを、まず提案者にお伺いしたいと思います。
  73. 平田米男

    衆議院議員平田米男君) 第七条二項に関しての御質問かと思うのでございますが、公共施設等管理者は変更が生ずるわけではありませんで、それを注意的に書いた規定だというふうに御理解いただきたいと思うんです。ですから、あくまでも道路、河川等それぞれの管理者は決まっておるわけでございますが、その管理者の変更をPFIによって行うものではない、ただし、そういうものについても事業実施民間にさせることができる旨を明示的に規定したものだということでございます。
  74. 奥村展三

    ○奥村展三君 そこで、建設省にお伺いをいたしたいと思うんですけれども、PFIの普及促進を図る上におきましても管理方法の見直しについてどのような見解をお持ちなのか、公共事業の大半を所管されている建設省の御意見を伺いたいと思います。
  75. 林桂一

    政府委員(林桂一君) この法案と道路、河川等のいわゆる公物管理法との関係につきまして、先ほど御説明ありましたように、基本的には道路、河川等のいわゆる公物管理法というのは、公物の性質上その管理については最終的には公的主体がその責任を負うという考え方に立って、その管理主体については公的主体に限定しているところでございます。そういう意味で、今回の法律によります民間事業者につきましても公的な主体という位置づけにはなっていないわけでございますので、管理の主体の法的な最終的な責任者としてはなり得ないわけでございます。  ただ、そうは言いましても、事実上の整備あるいは管理行為ということが現行の公物管理法上規定されているということではございませんで、公物管理者以外の者が公物管理者との間におきます契約等に基づきまして事実行為としての公物の整備あるいは管理等を行うということは広く認められているところでございます。  したがいまして、法案の七条二項に規定するように、事業計画あるいは協定という言葉もございますが、そういった行為に基づきまして当該民間事業者公共施設等整備を行うことができるとされていることは、公物管理法上の観点から見ますと、先ほど申しましたような契約等に基づく事実上の整備あるいは管理行為と位置づけることができるということになっておりますので、そういう意味で両者の整合性はとれているということで、公物管理法の改定ということについては現段階で必要がないというふうに考えているところでございます。
  76. 奥村展三

    ○奥村展三君 わかりました。確かに、それは基本ですからあれなんです。  これは例ですが、JR西日本の方のトンネル、これはJRの問題ですが、あれをもしもPFIでやったと、そこに瑕疵ができて、責任のなすり合いをやって、管理はやはり国がやるんですけれども、ああいう問題がどんどん出た場合に、そこのチェックなり仕事を十分やっておかないと、最後になってあんなことがどんどん、コンクリートが落ちてきて新幹線にぶち当たるというようなことが、これは道路の問題も同じなんですけれども、手抜きはあってはならないわけですが、そこらはやはりしっかりとした管理をやっていかないとあれですから、私はそれを懸念しながらお伺いしたわけであります。ぜひしっかりとおやりいただきたいと思います。  そこで、大蔵省にお伺いをいたしたいと思うんです。このPFIと会計法令の整合性についてでございますが、附則の第三条に入札制度云々、いろいろあるんですけれども、現行の会計法令では、最低の価格の入札方式というような規定があるわけですが、こういう場合にPFI方式の入札ではサービスだとか、あるいは今のお話のように契約条件、いろいろそこに総合的に勘案することが出てくるわけであります。そうなりますと、会計法の自動落札方式にはちょっとそぐわないのではないかというように言われてもおります。  このことについて、一つお伺いをいたしたいと思います。PFI実施していくわけですけれども、個別事業については大蔵大臣と協議をするというように聞いておるわけでございますけれども、この会計法令面で使用しやすいといいますか、PFIをやっていくに際して、どういうふうにすればうまくいくのかということの流れをお聞きいたしたいと思うわけであります。
  77. 藤井秀人

    政府委員(藤井秀人君) お答え申し上げます。  落札者の決定に当たりまして、性質等いわば価格以外の要素、これを基準とする総合評価方式、これにつきましては、規制緩和推進三カ年計画においてもこれを積極的に進めるべきであるということが決定されております。これを踏まえまして、御指摘のとおり昨年度より工事につきまして本方式の導入が行われているということでございます。  本方式の導入に当たりましては、会計制度の全体的な統合性というものを保つことを目的に、先生指摘のとおり現在各省各庁の長から大蔵大臣への協議が必要となっているということでございます。大臣協議につきましては、これまで必ずしも具体的事業、これが明確でないことからとりあえず個別事業ごとにその協議を調えてきたというのが事実でございます。  そこで、先生指摘のとおり事務の円滑、効率化をさらに進めるべく、建設省等とこの協議、これを包括化できないものだろうかということで現在鋭意検討を行っております。したがいまして、この結論が得られれば、御指摘PFI推進、これにも資するものというように考えております。
  78. 奥村展三

    ○奥村展三君 ありがとうございました。  冒頭に申し上げましたように、ぜひこのPFIをひとつ導入をいただいて、画期的な公共事業のあり方を進めていただきたいと思います。  衆議院先生方の提案をいただき、ここまでお運びをいただいたことに心から感謝と敬意を申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)
  79. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  80. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律案に反対の討論を行います。  反対理由の第一は、本法案民間資金等活用といいながら、実際には国有財産の無償使用、国の無利子貸し付け、土地収用法の運用の配慮など、政府や自治体がありとあらゆる公的方法で大企業を支援するものであり、その事業の範囲も情報通信施設や観光施設建設など、これまで民間が独自につくってきたものを含め、事実上無制限に拡大されるものになっていることです。  第二に、利潤確保を目的とする公共事業が優先されるため、福祉や医療、教育など国民生活に結びついた公共事業は切り捨てられ、大企業の採算に合う事業ばかりが行われる危険性があるからです。その結果、大型プロジェクトを中心とした不要不急の公共事業が一層推進されることは明らかです。しかも、事業が破綻すれば、政府や自治体にそのツケが負わされ、国民の負担が増大することになります。  第三に、担保不動産活用を名目に、実際にはゼネコンなどが抱える不良資産、債権処理のための事業が公共の法的権限を使って推進され、それに伴う規制の緩和や撤廃が推し進められる危険があるからです。  以上、本法案は、国や自治体が深刻な財政危機に陥る中、その最大の要因となった大型公共事業を維持拡大できるように、事業民間任せ、リスクは公共が請け負うという大企業本位の支援策にほかなりません。  我が党は、むだと浪費の大型開発ではなく、国民が要望する公共事業を進めることを強く要求し、本案に対する反対討論といたします。
  81. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  82. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  小川君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
  83. 小川勝也

    小川勝也君 私は、ただいま可決されました民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律案に対し、自由民主党民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、PFIに対する国民理解を深め、また、民間事業者による発案や創意工夫を促すため、PFIの仕組みや理念等についてインターネット等多様な媒体を利用した情報提供に努めるとともに、民間事業者出資者等による事業参加や投資の判断のため、具体的な事業内容官民の役割・責任リスクの分担、安全性の確保等民間事業者が遵守すべき事項等について十分な情報開示に努めること。  二、特定事業選定に当たっては、その費用や便益について通常の事業方式とPFI方式の比較を行うこと等を通じ、資金の効率的使用を実現するよう基本方針に定めること。また、客観的な比較を行うため、通常の事業方式とPFI方式の比較に関するガイドラインを策定するとともに、より的確な評価方法の開発に努めること。  三、PFI事業効率性を確認し、問題点の分析及び改善を行うため、事業実施後において事業経済性、効率性、有効性等に関する評価実施し、公表すること。  四、PFIが複雑な契約手続を要することに鑑み、PFI契約に関するガイドラインやマニュアル等を策定すること。また、地方公共団体によるPFI導入支援するため、情報提供、研修及び相談窓口等の体制整備に努めること。  五、民間資金等活用事業推進委員会委員の任命に当たっては、民間主導の考えの下、民間人(公務員としての長期の経歴を有する者を除く。)又は学者を中心として選出すること。  六、PFI事業により整備される公共施設等について、その公共性と整備促進の必要性を踏まえた上で、税制上の措置が講じられるよう特段に配慮すること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。
  84. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  85. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 多数と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、関谷国土庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。関谷国土庁長官
  86. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配慮してまいりたいと存じます。
  87. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十分散会