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国務大臣(
真鍋賢二君) ただいま議題となりました
鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する
法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
近年、野生鳥獣の保護に対する
国民の要請が高まっている一方で、シカ等一部の野生鳥獣につきましては、中山間地を中心とする地域において農林業被害の拡大といった問題が顕在化しております。また、一部の地域では、食害によって植生が衰退する等の生態系の攪乱も見られております。他方、クマ等の一部の野生鳥獣につきましては、地域によっては個体数が減少し地域的にその存続が危ぶまれるような事態も生じております。
以上のような
状況にかんがみ、このような問題を生じている特定の鳥獣の個体群についてその保護管理の強化を図る等の観点から、今般、本
法律案を提案した次第であります。
次に、この
法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
第一に、特定鳥獣保護管理計画
制度の創設であります。
都道府県知事は、当該都道府県の区域内において著しく増加し、または減少した鳥獣がある場合であって、当該鳥獣の生息
状況その他の事情を勘案して長期的な観点から当該鳥獣の保護繁殖を図るため特に必要があると認めるときは、保護管理の
目標、数の
調整に関する事項、生息地の保護及び整備に関する事項等を内容とする特定鳥獣保護管理計画を策定することができることとしております。
また、都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画の達成を図るため必要がある場合には、その必要の限度において
環境庁長官が定める特定鳥獣についての捕獲の禁止または制限にかえて当該特定鳥獣について捕獲の禁止または制限を定める等の措置を講ずることができることとしております。これまでは、都道府県知事は、
環境庁長官の定める捕獲の禁止または制限よりも厳しいものしか定められなかったところでございますが、これにより、必要に応じてより緩やかな禁止または制限を定めることができることとなります。
さらに、鳥獣の捕獲等に関する
許可に関して特定鳥獣保護管理計画に定めるところによる特定鳥獣の数の
調整をその
許可の事由として追加することとしております。
なお、
環境庁長官は、鳥獣の保護繁殖を図るため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対して特定鳥獣に関する捕獲の禁止または制限等に関し必要な指示をすることができることとしております。
第二に、狩猟免許
制度の改善であります。
装薬銃に関する狩猟免許であります乙種狩猟免許の狩猟免状を交付された者は、空気銃等に関する狩猟免許であります丙種狩猟免許の狩猟免状を交付された者とみなすこととしております。
なお、この
法律案につきましては、狩猟免許
制度の改善に関する規定は
平成十二年四月十六日から、その他の規定は公布の日から三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、本
法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
以上でございます。