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1999-05-26 第145回国会 参議院 国会等の移転に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年五月二十六日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松田 岩夫君     理 事                 国井 正幸君                 平田 耕一君                 長谷川 清君                 加藤 修一君     委 員                 久野 恒一君                 末広まきこ君                 鈴木 政二君                 山下 善彦君                 郡司  彰君                 佐藤 雄平君                 木庭健太郎君                 緒方 靖夫君                 畑野 君枝君                 渕上 貞雄君                 水野 誠一君    政府委員        国土庁大都市圏        整備局長        兼国会等移転審        議会事務局次長  板倉 英則君    事務局側        常任委員会専門        員        八島 秀雄君    参考人        照明デザイナー  石井 幹子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○国会等移転に関する調査     ─────────────
  2. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) ただいまから国会等移転に関する特別委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国会等移転に関する調査のため、本日、参考人として照明デザイナー石井幹子君の出席を求め、その意見聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) 国会等移転に関する調査を議題といたします。  まず、国会等移転審議会審議状況等について政府から説明聴取いたします。板倉国土庁大都市圏整備局長国会等移転審議会事務局次長
  5. 板倉英則

    政府委員板倉英則君) 国土庁大都市圏整備局長板倉でございます。国会等移転審議会事務局次長も兼ねておりますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  国会等移転審議会審議状況につきまして、お手元説明資料に基づきましてかいつまんで御説明申し上げます。  審議会開催経緯につきまして、お手元資料をお開きいただきますと、一ページと二ぺージ審議会及び調査部会開催経過及び各回の議事概要につきまして掲げてございます。  平成八年十二月の審議会発足以来、現在までに十八回の審議会と十五回の調査部会開催しております。この間、昨年一月の第九回審議会において調査対象地域の設定を行いました。審議会においてはここまでを審議の第一タームとしているわけでございます。  引き続きまして、第二タームに入りまして、昨年四月から五月にかけまして、関係地方公共団体からのヒアリングを行い、第十三回審議会においてヒアリングの結果を取りまとめました。また、昨年九月から十月にかけまして調査対象地域に設定された関係十一府県につきまして現地調査を実施し、第十四回審議会でその結果を取りまとめました。  本年に入りまして、昨年公表された新都市イメージ中間取りまとめに対しまして国民から寄せられた御意見等参考にいたしまして、石井幹子委員中心検討してまいりましたが、一月開催の第十五回審議会において取りまとめました。  また、各地域横断的な分野ごと調査、それから地域ごと詳細調査を合わせて全十六項目について、現在それぞれ分科会を設けて検討を開始しておりまして、五月二十日の第十八回審議会までに九項目につきましてそれぞれ分科会の座長をお受けいただいている審議会委員専門委員方々から現在までの検討状況報告がなされました。  以上が、今日までの国会等移転審議会開催状況の概略でございますが、お手元資料に基づきまして、それぞれの要点を順次御説明申し上げます。  まず、現地調査取りまとめについて御説明申し上げます。説明資料の三ページから五ぺージまでをお開きいただきたいと思います。  国会等移転審議会においては、昨年九月から十月にかけて調査対象地域関係十一府県対象現地調査を実施し、昨年十一月開催の第十四回審議会においてその結果を取りまとめました。  この現地調査では、現地に対する理解を一層深めるため、現地府県審議会委員が赴きまして、現地に直接入ってその概況を把握するとともに、あわせて地域課題問題点等につきまして地方公共団体あるいは関係者等から意見聴取を行いました。  地元側からは、この表の中ほどの欄に整理してございますが、当該地域への移転が新たな国土形成に寄与すること、既存都市交通基盤活用等によりコンパクトな都市づくりが可能であること、十分な国公有地が賦存し、豊かな自然を生かした町づくりが可能であることなどが説明されました。  また、審議会委員からは、一番下の欄に整理してございますが、土地取得が容易か、安定した水供給が可能か、地震に対する安全性はどうか、交通アクセスに問題はないか、東京と十分な連携が図られるかなどの問題意識が示されました。  次に、第二タームにおける調査の内容について御説明申し上げます。説明資料の六ページをごらんになっていただきたいと思います。  第二タームで実施する調査は、各地域横断的な分野ごと調査と、地域ごとの即地的な詳細調査の二種類に分けられます。  六ページの資料においてそれぞれ大きなⅠの「各分野ごと調査」と、大きなⅡの「選定基準に即した地域ごとの詳細な調査」に分類されております。全体で十六項目がございまして、このうち現在まで審議会において検討状況報告がなされた項目はそこに下線が引いてあります九つの項目でございまして、順次概要を御説明申し上げます。  まず、上から順番に参りますが、大きなⅠの「各分野ごと調査」の1の(1)、「東京一極集中是正の効果に係る検討」につきましては、全国一万社の企業に対して行いましたアンケート調査の結果に基づきまして、首都機能移転しても東京の経済的な魅力はそれほど変化しない、移転日本経済にプラスになると考える企業が多い、新都市に本社や営業拠点移転する企業は少ないなどの結果が得られております。  次に、Ⅰの2の「文化的特性に係る検討」でございますが、諸外国における首都機能に関連する機能等立地状況を整理するとともに、移転影響を新都市所在地別に質問したアンケート調査結果によりまして、新都市文化面で我が国に与える影響について検討いたしました。  Ⅰの4の「情報ネットワークに係る検討」につきましては、新都市が機能する時代中心となるであろう世代を念頭に置きまして、新都市がどうあるべきかについての報告がありました。  この世代は、報告書の中ではネットジェネレーションと言われておりますが、幼児期からさまざまな情報ネットワークを体験している世代であり、その情報行動はパソコンの前で情報を受動的に得るだけではなく、得られた情報の確認や新たな知的刺激を求めて人と会う、あるいは町中に出ていくなどの実際の行動を伴う能動的なものになると考えられると報告がございました。  このため、二十一世紀型の情報都市となる移転先については、こうした行動欲求を満たし得る都市集積を備えた母都市中核都市が近くに存在することが望ましいとの報告がなされております。  次に、大きなⅡに入りますが、その2の(1)、「土地取得容易性に係る検討」については、円滑な土地取得を可能とするには、地権者への影響が小さいこと、地域社会と調和しやすいこと、土地投機が生じにくいことという三つの観点が必要であるとされました。  その上で、土地利用密度土地利用規制国公有地分布状況など、現段階で客観的な調査が可能な事項から各地域特性を整理するとともに、関係府県に対するヒアリング調査の結果を参考にしまして、地域別土地取得円滑性についておおよその傾向を把握しました。  Ⅱの2の(2)の「地形良好性に係る検討」につきましては、地質、傾斜、植生等に係るメッシュデータを使用し、重ね合わせて分析することにより、造成の容易性地形に起因する災害への安全性地形快適環境性観点から検討し、地域別評価を行いました。  Ⅱの2の(3)の「景観等に係る検討」につきましては、移転先都市では一国の応接室としてふさわしく、日本らしい景観形成が求められていることを踏まえまして、山、川、海のロケーションに着目しまして地域類型化を試みるなど、各地域景観面での特性を整理しました。  Ⅱの3の(2)の「火山災害に係る検討」につきましては、過去の火山噴火被害履歴等に基づき、噴火規模ごと被害影響範囲を予測し、地域別火山灰、溶岩流、火砕流、火山泥流、土石流に関する安全性について検討しました。  Ⅱの3の(3)、「水害土砂災害等に係る検討」につきましては、過去の災害履歴等参考地形地質特性気象特性に基づき地域別水害土砂災害及び雪害に関する安全性について検討しました。  Ⅱの6の「自然的環境等に係る検討」につきましては、各地域自然環境特性を概略的に把握することにより、自然環境から見て開発にふさわしくない地域や配慮を要する自然的特性を明らかにするとともに、新都市の良好な環境形成する上で重要な自然条件を整理しました。  以上のほかに、国土構造以下の七つの項目が残されておりますが、それにつきましては既に分科会での検討が着手されておりまして、取りまとめ次第、審議会報告されることとされております。  審議会におきましては、これら各調査項目につきまして、それぞれが他の項目検討と密接な関連を有しているということから、関連する項目をあわせて検討する必要があると考えておりまして、すべての調査状況報告された段階でそれぞれの成果を持ち寄って、一体的、総合的な評価あるいは特性把握を行うことが必要であるというふうに認識しております。このため、総合評価手法等について今後御議論いただく予定としております。  続きまして、公聴会開催について御説明申し上げます。資料の七ページ以下をごらんになっていただきたいと思います。  国会等移転審議会では広く国民方々からの意見聴取し、今後の審議取りまとめに反映させるとともに、国民的議論の盛り上げに資することを目的として、全国ブロックにおいて審議会委員専門委員参加して公聴会開催しているところでございます。  現在、既に七ブロックにおきまして公聴会が終了しておりまして、各会場おおむね二百名前後、多いところでは三百名を超える参加者がございました。今後残る二ブロックにつきまして、あす五月二十七日には高松で、最後の六月十八日には金沢で開催する予定でございます。  公聴会における意見発表者は各会場ごとに八名を抽せんによって選んでおりまして、既に開催された公聴会におきましては賛否を含め幅広い意見が発表されております。意見発表者発言概要は七ページから十ページのとおりでございます。  最後に、国会等移転審議会の今後の調査審議予定について御説明申し上げます。説明資料の十一ページをごらんいただきたいと存じます。  今後の審議会において、先ほど御説明した調査項目について引き続き調査審議し、それが終了しますと第二タームを終えることになるわけでございますが、引き続きまして第三タームに進みまして各候補地間の相互比較総合評価調査審議が行われることとなっております。審議会においてはこれらの調査審議を通じてことしの秋ごろを一応の目安として移転先候補地選定作業が進められているところでございます。以上が国会等移転審議会の現在までの審議状況と今後の調査審議予定でございます。  国土庁といたしましては、これらの経緯を踏まえながら、国会等移転審議会の円滑な調査審議に資するため各種調査を着実に推進してまいります。  また、国会等移転に関する国民的合意形成につきましては、全国的議論が盛り上がることが極めて重要な課題であると認識しておりまして、国土庁といたしましても従来よりシンポジウムの開催やインターネットのホームページによる情報提供等、さまざまな広報・広聴活動を広く展開してまいりましたが、今後とも今まで以上に積極的な対応を図る所存でございます。  これをもちまして、私からの説明を終えさせていただきます。
  6. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) 以上で説明聴取は終わりました。  次に、国会等移転に関する件について参考人から御意見を承ることといたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  石井参考人におかれましては、御多忙のところ当委員会に御出席賜りまして、まことにありがとうございます。  本日は、忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  本日の議事の進め方でございますが、まず参考人から四十五分程度意見をお述べいただき、その後六十分程度委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  なお、御意見及び御答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、石井参考人にお願いいたします。石井参考人
  7. 石井幹子

    参考人石井幹子君) 御紹介いただきました照明デザイナー石井でございます。  本日は、このような大切な委員会にお招きいただきまして大変ありがとうございました。ただ、私はこのような場は大変ふなれでございますので、ひとつ先生方よろしくお願いいたします。  私は、日常は照明デザイン仕事をしておりまして、後ほどどんな仕事をしているかという若干の御紹介をまぜながらスライドで見ていただきたいと思います。  国会等移転調査会につきましては、一九九三年から参加をさせていただいておりまして、いろいろなさまざまな議論、御意見、また調査等について勉強させていただいております。また、あわせて九六年の一月にはブラジリア視察に同行させていただきました。その前にもオーストラリアキャンベラであるとか、またはワシントンベルリンといったような調査視察のお誘いもありましたが、そのほかの都市につきましては以前に見ておりましたので、九六年一月のブラジリアにつきましてはまだ行ったことがない、見ていないということで参加をさせていただきました。若干そういった新しいブラジリアスライドも後ほど交えて見ていただきたいというふうに思っております。  その後、国会等移転調査会から国会等移転審議会になりまして、そちらの方の審議会委員といたしましてもまたさまざまな御討議を伺って勉強させていただいております。また、あわせて九八年二月には、これは私の個人的な視察でございましたが、ベルリン状況視察をしてまいりました。そしてまた、イメージ部会部会長というふうな大任を仰せつかりまして、きょうこの後見ていただきますイメージにつきましていろいろとまとめさせていただいております。  それでは、何か明るい昼間に会場を暗くさせていただきまして恐縮でございますが、ちょっと会場を暗くしてスライドイメージの映像を見ていただきたいと思います。(OHP映写)  私は、照明デザイン、主に都市環境の大変大きなスケールでの照明仕事を日常しておりますが、皆様方大変身近に御存じでいらっしゃいますのは多分この東京タワーでございましょう。東京タワー平成元年一月に照明を開始いたしまして、それまで大変小さなイルミネーションがついておりましたが、足元からライトアップするということで、東京の新しい夜景として復活いたしました。  これは冬の大変暖かい色味のものでございまして、今現在この色になっておりますけれども、実は東京タワーは二つの衣を持っておりまして、こちらは夏になりますと涼しい光で照明をされております。  よく照明につきましては電気料のことなどを皆さんおっしゃられますけれども、電気を光として使う場合は大変経済的で、しかも日本では今省エネの技術が大変進んでおりまして、私どもはそういったものを生かしながら夜間照明都市景観照明を行っております。  これは東京駅でございます。  東京駅のれんが駅舎、これは大変古いしかも文化財的な意味を持つものでございますが、これも照明をしております。  そして、レインボーブリッジでございます。東京湾埋立地、お台場の方にかかるレインボーブリッジ、これも実は一部太陽光発電を使っておりまして、自然との共生、エネルギーの節約ということでも貢献しております。  これは横浜のベイブリッジでございます。横浜は大変夜景整備が進んでおりますが、そのきっかけになりましたベイブリッジです。  さて、これは奈良の東大寺大仏殿夜景でございますが、日本の各地に今やみに埋もれております文化財、または大変すぐれた景観建築物、橋梁といったものも、古いものも新しく光をまといまして名所として復活しているところも多い、そういった状況でございます。  そして、これは世界文化遺産の第一号に日本から選ばれました姫路城です。真っ白なしっくいの色が大変光に映えております。  これも御存じ函館夜景でございますが、こういった都市全体の光をどうしていくかということも私どもの仕事の大変大きな部分です。夜になりますと函館市は大変美しい夜景になりますが、上から見ただけの夜景ということではなくて、この夜景をめぐって歩いて皆さんに楽しんでいただける、また観光客を誘致するといった夜景の創造ということもしております。  このときは函館市の中の歴史的な建造物を二十二カ所ほど選びましてライトアップをし直したわけですが、こちらは旧市役所、それから旧公会堂といった木造の古い建築物を新たに照明しております。  これは函館とは対照的な夜景の町ですが、長崎市でございます。長崎市も今後夜景整備をしていこうということでいろいろと基本計画をつくらせていただきました。その中の一つ、大浦天主堂ですが、国宝の建物、こちらも夜明るく照らし出して観光客方たちが見られるようにしているというふうな、そういうことを仕事としております。  さて、これは長崎のハウステンボス、オランダの町をそのまま復元したものですが、こちらの夜景全体の照明もいたしました。これはドムタワーというその中のランドマーク、一番主要な塔でございますが、そこの夜景です。  こちらは恵比寿のガーデンプレイス。サッポロビールの工場跡地に、ホテル、住宅、またショッピング街につくり直したそこの全体照明の一部です。  こちらは昨年できました下関市の海峡タワーという展望台でございますが、こちらを夜大変目立つようなといいますか、夜の景観を引き立たせるような光をつくりまして、これは昨年アメリカにあります国際照明デザイナー協会から優秀賞をいただいたものでございます。  そして、最後にお見せいたしますのは、昨年竣工いたしました明石海峡大橋世界最大の全長四キロという橋でございます。兵庫大震災の傷もいえないというふうなことから何とか観光客がたくさん来るような、殊に夜間観光をぜひ目玉にしたいということでこういった照明をさせていただきました。実は、これは日本の大変新しい技術を使っております。この光ですが、実は二十年間電球をかえなくてもいいという大変長寿命の光源で、なおかつ何百という色に変えられる。すべてコンピューター制御されておりまして、これは今毎正時に虹の色を出しておりますが、七色にだんだんと光が移っております。ふだんはパールブリッジという名前のとおり白い色になっておりますけれども、毎正時、毎三十分にはこういった光の演出をしております。  以上、東京タワーから明石海峡大橋までを見ていただきました。  そこで、私ども、そういった夜景デザインと光の創造ということを日常やっておりますが、夜景をつくる上でも昼の都市景観がどうなっているかということの調査をして、そして夜景をつくっていくわけですので、昼間の景色ということについて大変私は長年にわたりましていろいろと研究、検討を重ねてまいりました。  ということで、恐らくイメージ部会につきましては不肖私がまとめ役といったようなことを仰せつかったのではないかというふうに思っております。  さて、話を国会等移転に戻したいと思いますが、ちょっとここで世界の幾つかの都市夜景夜景でないものもございますが、見ていただきたいと思います。  こちらはアメリカワシントンです。多分夜のワシントンというのは余り先生方ごらんになっていないと思いますが、ワシントンアメリカのまさにショーケースといったような感じに夜間景観を非常に美しく演出をしております。  これはポトマック河畔のちょっと引いたところからモニュメントを見たところの景色です。  これは連邦議会でございますが、こちらも大変暖かい光の色で、しかも豪華な美しい夜景演出がなされております。こういった水面がありますと、大変光が映り込んできれいです。  これは御存じホワイトハウスでございます。本当にこういった首都の夜というのは先進国では非常に美しく光の演出をしておりますが、このホワイトハウスも決してけばけばしい光ではないんですが、大変暖か味のある光の色で、なおかつ非常に光のバランスもよく、美しい演出がなされていると思います。  そして、これはリンカーン廟。言ってみれば建国の魂をこれであらわすというと申しましょうか、非常にこれは堂々と、しかも端正に照明がなされております。  さて次は、オーストラリアキャンベラでございます。昼間の景色はこのように大変広々としたところでございまして、私なども、人が少なく、余り道を歩いている人もいないということで、何か寂しいような感じも受けましたけれども、夜はやはりきちっと照明が施されております。これはだんだん暮れなずんできたところを展望台の方からずっと市内を見ていったところです。  こちらは国会議事堂でございます。議事堂は夜非常にインパクトの強い、観光客なども見てああなるほどこれがオーストラリアの新しい議事堂だということがわかるような光の演出がされております。  最後にお目にかけるのはブラジリアでございますが、ブラジリアは一九五〇年代に建設が行われまして、全体が完成したのが六〇年というふうに聞いております。私などはちょうど学生時代ブラジリアの新しい首都建設というのはもう本当に胸躍らせながらいろいろな記事を見たわけですが、これはブラジリアの全景です。  そして、これは国会議事堂。上院と下院、非常にこれはコンセプトが明瞭に、片方が上院、片方が下院というふうなことで、真ん中に建っておりますのが事務棟だということです。  これは外務省です。  というふうに、ブラジリアは、私ども伺いましたときに夜は大変治安が悪いということで、残念ながら夜間の撮影というのはできなかったのですが、やはりそれぞれにみんな照明されておりました。  これは中央広場です。  ちょっとここで機材を入れかえます。  それでは、お手元の新しいパンフレットを、もう既にごらんになられた先生方も多いかと思いますが、引き続き御説明をさせていただきます。(スライド映写)  「首都機能移転 新時代の幕開けとなる新都市像」ということで検討させていただきましたが、これはもちろん私一人でやっていることではございませんで、私が部会長を務めましたけれども、交通の専門家といたしまして東京工業大学の黒川先生であるとか、また環境植栽等につきましては東京大学名誉教授井手先生であるとか、または都市計画としては東大の森地先生であるとか、さまざまな専門の先生方にも加わっていただきまして、いろいろな側面からの御支援をいただきながらまとめていったものでございます。  まず、中央に見えております扉ですが、全体に青く丸い、これは地球をイメージしてつくったものでして、真ん中は国会議事堂の建物を想定しております。円形、球形になって、そしてしかも天井がガラスで、大変透明感のある開かれた国会、明るい国会、透明感のある建築というふうなことでのイメージでございます。  そして、これは土地全体の俯瞰図でございます。もう少し詳しく見ていただきますが、これはちょうど春のあけぼの、言ってみれば二十一世紀の夜明けといったようなイメージで描かれております。桜の花、菜の花の春らんまん。桜の花というのは、私たち日本人にとりましては季節感ということだけではなくて、ある種のイメージを伴ったものでございますが、桜が咲き、菜の花が咲き乱れ、そしてちょうど今朝日が上ってくるという日の出の状況を描いております。  できるだけ日本的な景観を大事にしたいという思いが大変強くございまして、日本人一人一人が何か胸の中に抱いておりますふるさとの原形といったようなものをここで表現したいというふうに思っています。川が流れ、そして小川も流れ、そこに里山があり、ところどころにちょっと水田が、水田をぜひ入れていただきたいというのは私たち大変強く願ったことでございますが、やはり里山と田んぼというのは私たちがだれしも持っているふるさとの原形ではないか。そういう昔からの伝統を大事にした景観を保ちながら新しいものをつくっていくということを考えておりました。  中央に建物がちょっと見えてございますけれども、中央駅です。そして人工湖といいますか、少し水をたたえております小さな湖がございまして、その周りにいろいろ建物が点在しております。  このとき随分いろいろ議論をいたしましたが、高層ビルが建っているような新しい都市をつくるのではないと。ニューヨークのような高層ビルがたくさん建っているものは二十世紀型の工業化時代都市であって、二十一世紀の都市というのは超高層ビルが建ち並ぶものではない。もっと全体が低層で、そして緑がふんだんにあり、水があり、そして光があるといったそういう都市イメージしております。  この絵をつくりますときにもう一つ私どもが大変留意いたしましたことは、現在、候補地が大きく分けて三つのグループ、三地方に分かれておりますが、その中のどこにも似ない景色をつくりたいということでございました。殊に山の形などは細心の注意をしたり、また、かといって何か外国の景色のように見えても困りますので、あくまでも日本景色でありながらどの三地方でもないというものを一生懸命つくったつもりでございます。何か後になりまして、いや、実はどこどこ地方のどこかの地点から見たらとてもこれと似ているなんということを言われましたが、それはあくまでも私どもは避けたいと思っておりましたことで、もしかしたらちょっと他人のそら似のようなところがあるかもしれませんが、一切そういうことは避けたつもりでおりました。  ずっと近寄ってまいりますと、ちょうど国会議事堂が、小さな湖の真ん中辺にちょっと見えておりますが、そしてその左手のところに中央駅が見えております。朝日がまさに上がるときというようなそんな日本の代表的な田園風景の中に大きな都市、そしてその周りに小さな都市があらわれているといったような情景です。  それで、「国民や世界に開かれた政治・行政」、また「にぎわいと文化の香り」、「やさしさに満ちたコミュニティ」、「自然環境との共生」といったそれぞれ四つのテーマに分けてこの後イメージが展開いたします。  まず、国民や世界に開かれた都市です。  これは国会議事堂の周辺でございます。また桜かというふうなことをお思いになるかもしれませんが、親子で、または家族、またはお友達とお花見をしている。身障者の方の車いすを押している方もあったり、そしてその向こうに国会議事堂が見えますが、これは芝生に囲まれただれもが親しみを持てるような国会議事堂というふうなことのイメージです。  さて、これはその国会議事堂。開かれた場所というふうなことでございますけれども、ここは危機管理センターを想定しておりまして、この首都機能の中枢のセンターといたしまして、全国でもしも何か万一仮に災害が起こったときに、ここにすべての情報が集まって迅速にここからまた情報が提供できるといったような高い危機管理能力を持った新首都ということが大変大きなファクターになるというふうに考えております。日本は、大変、台風であるとか地震であるとか自然災害が多いですが、こういったものにリアルタイムで情報収集をしながら対応に当たるといったセンターの状況を描いております。  ちょっとこれをごらんいただきますと、全体のイメージの中で国際性ということ、外国の人たちも中にまじっておりますし、また男女共同参画社会ということで女性の働いている姿もできるだけ中に多く取り入れたというふうなことも前提としてございます。  そして、これは国際会議を開いているといった状況ですが、大型スクリーンを使いまして、遠く離れた場所からでも交渉できる外交のシーンということで、国連の旗と日本の旗がかかっております。今後こういった会議がふえてくると思いますが、それを想定しています。  それから、これは大使館街でございますが、緑も大変多い、そしてそこでゆったりとした空間で電気自動車が走っているといったようなそういう大使館街です。  これは国会議事堂の中でございますが、大変外光がいっぱい入ってくる明るい議場でございます。そして、いろいろな最先端のメディアを使いながらの会議、それから傍聴席に大変大勢の方たちがぐるっと取り巻いておりますけれども、こういった最新の情報機材で活発な議論が展開できる効率的な開かれた政治行政を実現したいというそういった意図で描かれた絵でございます。  一般に新しく町をつくるといいますと何か大変寂しいところになってしまうのではないかというような、そういう御心配をなさる方も多いと思いますが、これはできるだけ活気と楽しさに満ちた新しい町、そしてさまざまなこれから二十一世紀に展開しますライフスタイルにも対応できるような町ということをイメージしております。オープンエアのテラスに、仕事をしている人もいるし、もちろん何かそこでくつろいでいる人たちもいます。  そして、これは中央の駅でございますが、幹線の交通機関が入っておりまして、それからまたそこからちょっと上側にモノレールのようなものが見えておりますけれども、幹線が入ってそして支線が出ていくといったような状況でございまして、新都市内を結ぶ新交通システムが発着する中央ターミナルの様子を描いております。こちらにも、車椅子に乗った方もありましたり、また大きな荷物を提げている方もある。エスカレーターのほかに、中央のところにガラスの円筒形のエレベーターがある。そして、全体に非常にこれも開放的な明るい建物を想定しております。言ってみれば、海外から来た方たちまたは国内から来た方たちもここが一つの玄関口になるといった新しい都市イメージを考えております。  さて、これはナイトライフといいますか、言ってみれば新都市の中でのにぎわいの一つでございます。海外から見えた外国のお客様が日本食を楽しんでいるといったような状況でして、外には世界的に有名ですが、日本の花火が上がったり、またはライトアップされた建物が見えたり、そしてまたあわせて満天の星が見えるといったそんな新しい都市の夜を表現しております。  そして、こちらの方は文化ホールの内部を描いたものですけれども、新しい文化的な大変高度な施設も中につくりたいということで、また新しい文化の発信地になるといったような都市を想定しております。  日本のお祭りというのは大変楽しいものでございますし、また近年はいろんなところでお祭りが復活してまいりました。周辺地域の住民の方たちのお祭りというものを、この新しい都市では観光客や外国人も参加してそして新しい都市の住民も一緒になって行っていくという、そんな状況を描いております。外国人がはっぴを着ている、そしておみこしを担いでいる人もいたり、また土地の人たちも楽しんでいるといった情景です。  これは野外彫刻展、そして美術館が見えているところですが、水のせせらぎも、今までのようなコンクリートでつくられた人工的なものではなくて、十分に自然のせせらぎを残した、そしてそういったところで大勢の人たちが水にも自然にもそして新しい美術にも親しむことができる、そんな状況を描いております。  次は、「やさしさに満ちたコミュニティ」です。  これは周辺の都市、言ってみればクラスターの中の住宅地といったようなものを想定しておりますけれども、集合住宅と一戸建て住宅が混在しまして、しかも豊かな緑に包まれた住宅地で潤いに満ちているといった、そんな住宅地を想定しております。  ちなみに、五階建てぐらいの集合住宅ですが、その上にはソーラー、太陽光発電のコレクターがありましたり屋上庭園がある。そして、障害者の方たちにも乗りいい低床式バスが中を巡回しております。右手の方にはモノレール、いわゆる新交通システムといったようなものが行き交っておりまして、そこに駅や商店街などがありまして、後ろの方には戸建て住宅が並ぶといったような、そんなところでございます。ここも、なるべくどこといった地域でもないけれども、かといって外国の場所でもない、山のある大変緩い傾斜地のようなところを想定して描いております。  これはそこに住む住民の人たちの暮らしをちょっと描いておりますけれども、実はこれは国際結婚をしたカップルのところにおじいちゃんが竹トンボのつくり方を孫たちに教えているといったような想定で、日本の文化を大事にしながら継承していく、それと非常に国際的になっていくであろうといったようなイメージを描いております。  そして、これは実は在宅勤務中のお父さんでして、勤務形態も恐らく二十一世紀になると大分変わってくるだろうと。通信技術の発達で在宅勤務が可能になる。最初これはお母さんが在宅勤務をしていて子供たちを見送るというのがいいんじゃないかというような御意見もあったんですが、強いてこれはお父さんが在宅勤務をしているというふうな絵をかかせていただいております。  スポーツというのはまた二十一世紀の人々の生活の中で大変大きなファクターを占めると思いますが、住宅地の一角などに、または仕事場の一角にもこういったスポーツ施設がふんだんにあるような新都市を想定しています。  これは小学校の高学年ぐらいの子供たちを描いたものですが、開かれた学校といいますか、広々とした教室の中でコンピューターなどを使って自主的に学んでいる、そんな学校の状況です。  おなじみのといいますか、これは赤ちょうちんでございますが、こういったものも大事にしていこうというそういう姿勢でございます。  次に、「自然環境との共生」ということで見ていただきます。  この新都市には水と緑をふんだんに置きたい、そしてまさにふるさとの川岸といったそんな状況でみんなが水に親しんでほしい、昆虫採集をしたり、また釣りをしたり、また浅瀬で遊ぶといったようなそんな水遊びができるようなそういう状況を描いております。  そして、これは都市内の公園ですけれども、小動物、リスが遊んでおりますが、ヨーロッパの公園などにはこういうものがよく見られますけれども、ぜひ今度の新都市ではこういった自然とそして小動物なども遊びに来るようなこんな公園を想定しております。  これは、近隣の住民の方たちとも一緒に過ごせるような家庭菜園といいましょうか、食べるということよりも、野菜を自分でつくって楽しめる市民農園、住民同士の交流にも役立つような市民農園の状況です。  これは里山ですが、私どもがこれからも大事にしたい里山、その中で子供たちが昆虫採集をしておりますが、里山の近くに小さい町が幾つかできてくるといったようなそういう状況、里山が身近にあるといったような表現です。  さて、このゼロエミッション型の社会を目指すということが今度の新しい都市の一つの大きなテーマになるというふうに私ども考えております。特に、それまで住んでいらした方たちにとってみますと、新しい町が近くにできるということは、まず、ではごみをどうしてくれるのといったようなことが一番大きな問題になるわけです。できるだけごみのリサイクルをするということで、これはオフィスビルまたは何か役所の建物の一つかもしれませんが、そういった建物の下にごみの処理場があって、そこで発電をするといったようなそういう建物を考えております。斜面のところが太陽光発電になっておりましたり、また地下でもごみの焼却をしてそこで発電をするということでエネルギーにも寄与する、そういう新しい形での都市づくりという、いろんな新技術をここで使っていきたいというふうに考えております。  ということで、私ども、いろんな意味でこれからの新都市というものを二十一世紀の新しい都市像としてとらえていきたいというふうに考えてこの四つの柱をつくってきたわけですけれども、このクラスター型の都市ということが大変わかりにくいということで御質問等も多く受けるわけですが、真ん中に国会都市中心クラスターと呼んでおります。当初は十万規模ということでお考えのようですけれども、その十万都市のようなものが一つまとまって、それがどんどんと大きくなる。ただ、その一つがどんどんスプロールして大きくなることではなくて、周辺クラスターと呼んでおります新交通システム等で結びます周辺クラスター、そこにまた住宅地があったり、研究所があったり、何かコアの施設がありながら、幾つかの周辺クラスターと呼ぶ小さなグループ、ちょうど一つずつのブドウが固まってブドウの房になるように、中心のクラスターの周りに周辺クラスターがあって一つの大きなブドウの房になる、それを新都市イメージとして考えております。  これは、周辺クラスターの中のイメージの例なんですけれども、また交通のターミナルがあります。道路があります。そして、そこの前に住宅地があって、大変ふんだんに緑がありまして、公園がありましたり、何か住民の交流のためになるような機関がありましたり、それからそこに川が流れている、そんなようなイメージを描いております。  そして、これは夜景でございますが、大変柔らかな、ぎらぎらしたものではない柔らかな光に満ちておりまして、殊に道路それから植栽等に柔らかな光が降り注いでおります。そういった優しい光が地上にはございますが、一方天空には満天の星空が見えるというような、そういう新都市夜景を描いたものです。  ということで、四つの新しい都市の全体像、それから四つの項目について説明をさせていただきました。  そして、お手元に置かせていただいております「新時代の幕開けとなる新都市像」の新しいパンフレットでございますが、これは実は非木材紙のケナフというものを使っておりまして、そして印刷のインクは大豆油のインクを使っているというちょっと新しいものです。どうぞお手にとってくださいますと、何となく優しい、いい質感でございまして、私ども、あえてこの紙質を使わせていただきました。また色味の使い方も、最初の目次のところをごらんいただきますと、ちょっと日本的な色合い、茶色であるとか紫系の色とか紺色、緑といったような、ちょっと歌舞伎を連想させるような色味でございますけれども、できるだけ新しい技術を使いながら、そして自然に優しく、なおかつ日本の伝統文化ということに対しましてもいろんな意味でぜひ二十一世紀に引き継ぎたいというふうなことで、そのあたりのことについて強く意識しております。  また、もう一つお手元にダイジェスト版といいましょうか、大変簡単なものがございますが、こちらの方はまさにダイジェスト版で、専ら絵を見ていただくというようなことを主眼にいたしましてつくっております。  なお、パンフレットの方には、これはごらんいただきますとかなり詳しい説明がございまして、このパンフレット、厚い方でございますが、まず最初に表紙をあけていただきますと、首都機能移転とは何かということについて極めて簡単に易しく、一般の国民方々におわかりいただけるようなことで説明しております。  例えば四ページ目でございますけれども、国際空港と幹線交通との問題でありますとか、それからそのほか、中心都市国会等首都といわゆる経済的な中心地、世界各国どんなふうなものがあるかといったようなことです。  それから、殊に六ページなどをごらんいただきますと、世界各都市の国際会議の開催件数といったものがちょっと書いてございまして、これで見ますと、本当に東京というのはいかに人が集まってこないのかなと、これは私も大変びっくりして見たようなデータでございますが、香港といわず北京よりも国際会議の開催東京は低いといったようなことなども出ております。  そして、それぞれのイメージにつきまして御説明をしておりますのとあわせて、十二ページには世界における首都機能移転について、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジル、ドイツといったようなこれまでの世界各国の首都機能移転についての記述がございます。  それからもう一つ、ちょっと見ていただきたいのは、二十ページにございますが、「人や自然にやさしい世界の交通システム」というのがございますけれども、最近交通システムに随分いろんな新しい手段がふえてきておりまして、殊に非常に床が低い、ですから御老人や身障者の方にも乗りやすいような交通機関であるとか、また、例えば地下トンネル式のバス道路といったようなものとか燃料電池の自動車とか、そういった新しい交通の手段というものの記述がございます。  また、「世界にみる都市づくりのアイデア」という二十八ページ、こちらにつきましては、これは日本の例もちょっと置いてございますけれども、水と緑、そして伝統というもの、そういったものを一律ではなくて、それぞれの各地の風土、文化といったようなものを踏まえながら新しい都市づくりのアイデア、若干これも触れてございます。  そして三十六ページ、「段階的クラスター配置による新都市づくり」ということで、このクラスター配置による都市づくりということになりますと、いろいろな候補地が今出ておりますが、その候補地地形によりましてさまざまなバリエーションと、また発展段階におきましてもいろんな状況によってつくっていくことができるというふうな都市づくりの考え方、そういったものを書いております。  ちょうどいただきましたお時間になりましたので、説明はこのあたりで終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)
  8. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) どうもありがとうございました。  以上で参考人意見陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日は、あらかじめ質疑者を定めず、委員には懇談形式で自由に質疑応答を行っていただきます。質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って質疑を行っていただきたいと存じます。また、委員の一回の発言時間はおおむね三分程度とし、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
  9. 国井正幸

    ○国井正幸君 自民党の国井正幸でございます。  今いろいろ新しい都市デザインというんでしょうか、こういう先生のお話を聞かせていただいたわけなんですが、どういうものをつくるかというのは首都機能移転させる上で非常に大切だというふうに思っているんです。ただいま審議会の中で地方公聴会、こういうものも開いて精力的にやっていただいているわけでありますが、世間一般の見方からしますと、先生方が一生懸命やっていただいている割にはどうも国民的な熱意というかそういうのがもう少し足りないのではないか。これは我々の反省も含めてであるんですが、そういう感じが率直なところしているんです。  そういう意味で、先生は地方公聴会なんかは出られたんですか。
  10. 石井幹子

    参考人石井幹子君) 私は地方公聴会は出ておりませんが、お話それから報告はいろいろ伺っております。
  11. 国井正幸

    ○国井正幸君 そういう中で、先ほど国土庁の方からも御説明をいただいて、おおむね第二タームをそろそろ終了していよいよ第三タームにかかっていこう、こういう時期だと思います。私が聞くのはおかしな話かもしれませんが、審議会の中でそれぞれの分野で一生懸命やっていただいているのはわかるんですけれども国民世論との関係で情熱をなくしてはいないんだろうかと。こういう心配をちょっとするんですが、そういう国民的な盛り上がりが欠けた中での審議会先生方の御審議状況というのはどんな感じでしょうか。
  12. 石井幹子

    参考人石井幹子君) 国民的な盛り上がりが欠けている、なかなか国民の皆様方の熱意が何か盛り上がっていない、これにつきましては確かにおっしゃられるとおりではないかと私どもも懸念しております。しかし、これはもっと国民的な盛り上がりをしなくてはいけない、もっと知っていただきたいということで一生懸命こういうものをつくらせていただいているわけでございまして、審議会先生方の中で私が知る限りでは、大変皆様熱心に取り組んでおられまして、それぞれのお立場から熱意を持って調査検討をしていただいているというふうに私は感じております。
  13. 国井正幸

    ○国井正幸君 それから、私も、実はキャンベラとかそういうところへ行く機会がありまして、新しいそれぞれの国の首都というのを幾つか見てきているんですが、我が国の中で人工的に新たな都市をつくったというのは、一つは卑近な例ですと筑波の研究学園都市があるのではないか、こう思っているんです。  筑波などに行ってみますと、それぞれの役所のセクションがみんなうまく区画が切られていまして、外から行ったら何が入っているんだかわからない。ただ大きな木が道路沿いに植わっていて、何だか知らないけれども、町は確かに、道路はきちっと真っすぐ通っていますが、大きな木が植わっていて、何か目隠しされていて何が一体あるんだかわからない。一方では、先ほど先生もおっしゃっていましたが、生活の潤いというのを余り感じないですね。仕事だけしてしまえばどこかへさっと人が寄ってしまうような、昼間人口と夜間人口の格差が非常に大きい、そんな感じが私はするんです。  そういう意味で、ぜひ新しい首都という中には、やっぱり人が住んで都市という部分もあるので、職住接近がすべていいとは言いませんが、やはり人がそこに暮らすということが新しい都市像の中でも必要な要件なんだろう、私はこんなふうに思っているんです。キャンベラなんかはそういう意味ではややどうも仕事をする場所であって、そこに人が住むという感じを余り受けないんです。  新しい都市像として、仕事と住まいというんでしょうか、そういう部分について先生はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
  14. 石井幹子

    参考人石井幹子君) 確かに人が住んで暮らしがあっての町ということは、私も全く先生おっしゃるとおりである、同感でございます。  筑波のことについて私の個人的な感想を申し上げますと、確かに最初筑波学園都市ができましたとき、本当にここに住む方がどれだけいるだろうかというふうに思いましたし、また実際にお住みになった方、または学園に通っていらっしゃる方なんかはまさに通っているということで、なるべく早く東京や周辺都市に帰るという方が多かったというふうに思いますが、最近になりますと、かなりあそこにお住まいになっている方もふえたというふうに感じております。  もちろん都市のつくり方というのもあるかと思いますが、やはり町はそこに住む方たちが育て、つくっていくというふうな側面もございますので、筑波もかつてに比べますと大分住みよく、暮らしよくなってきた。ただし、そうなるまでに少し時間がかかり過ぎたのではないかというふうに推測しております。  今度の新しい都市につきましては、できるだけ最初から暮らしやすい、またにぎわい、それから文化の薫りといったようなそういうものをなるべく最初から取り入れて、早く暮らしの色が出てくる、暮らしになじんでくるというような町づくりをしていくべきではないかというふうに考えております。  キャンベラは、私も参りましたときに、これはちょっと仕事で行きましたんですが、あそこの建築設計家であの町を都市計画したジオゴラさんという、これはイタリー系のアメリカ人ですが、もう既にオーストラリアに移住されましてキャンベラに事務所と住宅を構えていらっしゃる方、そこのお宅へもお邪魔いたしました。  オーストラリアの人に言わせますと、ああいう広いところで、スポーツができる施設がいっぱいあって、シドニーに暮らすよりかはいいんだというふうにおっしゃる方もございまして、私は個人的にはシドニーの方がずっと暮らしやすいのではないかと思いましたが、これも国民性で好き好きなのかなというふうに感じた次第でございます。  ちょっと若干の感想を加えて申し上げました。
  15. 水野誠一

    ○水野誠一君 お話をありがとうございました。  石井さんとは私も前の仕事のときに御一緒でいろいろやらせていただいて、今までの仕事というのはどちらかというともう既にある都市の中でその都市をリノベートしていくといいますか、再開発していくとか、そういう視点でのお仕事が多かったのじゃないかと思うんです。  私は、首都移転ということに対してはやや消極的な考え方を持っておりまして、それはなぜかと申しますと、新しい都市をつくる、人工的に新しい都市というものをかなり短期間につくり上げるということ自体にどうも無理があるのじゃないだろうかと。  今事例が出ております例えばワシントンDCとかオタワとか、この辺は一八〇〇年とか一八六七年というときに移ってからかなり熟成期間といいますかそういうものがあって、ワシントンなんかも非常に整備された部分と同時に自然発生してきたダウンタウンみたいなもの、かなり危ないダウンタウンになっていますけれども、でもそれがあるから非常に町としての魅力がまたできてきているというような面もあるわけです。いきなりつくってしまった一つの対極にブラジリアなんというのがあると思うんですが、ブラジリアなんかを見ていくと、さっき国井委員がおっしゃった話にも関係するんですが、理想的な都市づくりはされているのだけれども、何か人間が住んで快適な揺らぎといいますか、そういうものがどうもなくなってしまう。  こういう視点から考えたときに、どうも都市文化論ではなくて都市文明論にやや走り過ぎる危険があるのじゃないかなと。そういう考え方もあって、私はこの新しい都市首都移転ということに対して、その辺の今までの事例の中から相当細かく酌み取って、単に理想的なクラスター型の都市をつくるということではなくて、もっと自然発生とか熟成とか、そういう要素を組み入れた都市づくりというものが何か今回大きな課題になるのじゃないか、かように感じているんですが、その辺について石井先生の御意見を伺いたいと思います。
  16. 石井幹子

    参考人石井幹子君) 水野先生のお話、私も全く同様に感じております。  都市というのは本当に人が長年住んで、だんだんといいお酒のように味わいが出てくるものであろうかというふうに思っております。ただ私は、二十一世紀に日本がどういう都市をつくっていくかというのは、これは本当にある意味では壮大な文化的な実験ではないかというふうに考えているわけです。  これまで、ともしますと都市のつくり方として議論されてきておりましたのが欧米型の都市ということであったかというふうに思います。殊に、かなり大勢の専門家方たちが長い間、理想の都市というのは言ってみればパリのようなとかまたはまさにブラジリアのような極めて秩序そして何か計画的につくられた幾何学的なといいますか、そういった人工的な都市ということを理想にしていたと思います。  私は、ぜひこのあたりで、本当に日本の風土と文化、そして日本人が望む二十一世紀の都市というのは何なのだろうかというような原点まで戻るべきではないかということをイメージ部会で何度か先生方に申し上げました。  一つの形として、例えば伊勢神宮というのがございますが、二十年に一回全く新しく同じものをつくっていくという遷宮というようなあの考え方というのは、私ども日本人が昔から持ってきた一つの物のつくり方の考え方ではないかというふうにも思っております。何か壮大な大都市をつくるのではなくて、むしろ極めて簡素で小ぢんまりとした小さな集落のようなものから出発していって、十万人ぐらいのまさに小都市をつくっていくといったような、何か新しい考え方の都市づくりというものが日本から生まれていくということが実は理想なのではないかというふうにも思って、これは理想の一つの形、願望かもしれませんが、そんなふうなことも議論として何度も出させていただきました。  都市をつくるというのは本当に難しいことであろうかと思いますが、かといって、ではこの現状、これはもう私がここで申し上げることではなくて、これまで諸先生方が御指摘になっていらっしゃる首都機能移転させるべき必然性というものがいろいろあるわけでございまして、このパンフレットの一番最後のところに「日本史の一章を彩る首都機能移転。」ということで、四十二ページでございます。  これは、かつて司馬遼太郎さんがこの審議会委員でいらっしゃいましたときに、亡くなる数カ月前に大変長い演説をなさいました。これは何か私どもみんな、ひょっとしたら遺言のような気持ちでおっしゃったのではないかと後から感じている次第でございますが、大変迫力のあるすばらしいお話を、それは別に講演でなさったことではなくて、審議会委員として出席なさった席上でのお話としてなさいました。この要約が四十二ページの「日本における首都機能移転の歴史的意義。 故司馬遼太郎氏は語る。」というところにございますので、ちょっとごらんいただきたいというふうに思います。  「日本はこれまで何回か首都機能移転していますが、移転によってプラスの結果ばかりだったと思います。たとえば、平安京への移転をてこに宗教イデオロギーから政治が脱却できましたし、鎌倉で」というふうな、そういったことがございまして、今度も日本史に新たな一章が加わればいい、加わらなくてはいけないといったような、そんな意味での御発言をいただいております。  そんなことで、今までの世界の中にいましても、ブラジリアキャンベラといったことではない、日本の新しい町づくりができたらというのが二十一世紀の日本人の一つのテーマではないかというふうに考えております。
  17. 長谷川清

    ○長谷川清君 民主党の長谷川でございます。きょうは本当にありがとうございます。  このパンフレットも見せていただきまして、そして先ほどスライドも、そしてコメントもいただいて、まるで夢の国のようでいいなと、こういうふうな印象を受けたのでございます。  要約をしますると、このパンフレット全体の中では基本的には大事な点が四点あったと見ました。一つは国民世界に開かれていく政治や行政ということ、それからにぎわいと文化の薫りがするということ、それから優しさに満ちたコミュニティーというものが必要だということ、それから自然環境との共生というそういったコンセプトがあると見ました。  そこで質問でございますが、第一点は、先生のお考えではこういったイメージ、これを首都移転しないで東京の中で可能だとお考えかどうか。先ほどのイメージからしますると答えが何かはっきりしているように思えますけれども、そこら辺、その理由についても一つ二つ御説明があればと思います。  それから、二点目は、これら首都移転という問題と、今ちょうど国会の中では衆議院のサイドでありますが、行政改革であるとか地方分権だとか、議論の途上にございますいわゆる国政全般の改革の推進ということが四十ページにも書かれておりますけれども、これら今やっております議論の行政改革や地方分権などとこの首都移転という問題の整合性、関係というものについて先生いかがお考えか、この二点をお聞きしたいと思うんです。
  18. 石井幹子

    参考人石井幹子君) まず、東京でこのような町づくりが可能かどうか、これは大変残念なことでございますけれども、道路を一つ拡張したりつけたりするのにこのような状況、もう先生方皆様よく御存じ状況でございます。例えば地下鉄の工事も、都営十二号線などはもう何年も何年もおくれ、計画から四年も五年もおくれてもまだできないといったような状況でございまして、全く不可能というふうには思いません、いろんな手だてはあるかと思いますが、極めて難しいのではないかというふうに拝察いたします。  また、行政改革や国政等についての関連でございますが、先ほどの中心市街地のイメージ図でもごらんいただきましたように、官庁街も決して大きな建物がたくさん並んでいるといったようなものではございません。それぞれが本当に四、五階建てぐらいの小さな建物の絵を描いておりまして、これは一番初めの首都機能移転調査会の段階で会長をしておられました宇野收先生からのお話でもございますけれども、あくまでもこれは行政改革を進めて地方分権、そして小さな政府をつくるということの前提での首都機能移転であるというふうなことも調査会等で再三議論になったことでございまして、やはりそういったものが前提になってのクラスター構想ではないかというふうに考えております。
  19. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 石井先生、どうも大変魅力的なお話ありがとうございました。照明デザインの話として私は大変興味深く話を伺わせていただきました。  私は、先生の御著書も拝見させていただいたことがあるんですけれども、特にお話の中で、やはりヘルシンキ、あるいはフィンランドのそういう雰囲気と、それとナショナルなものとの結合といいますか、そういうことを感じました。私もヨーロッパに長い間住んでおりまして、ヘルシンキ、フィンランドは大変好きなところです。特に建築とかデザインとか色彩が非常にすばらしいところで、やっぱりそれを生かされたお仕事をされているなということを痛感いたしました。  移転の問題なんですけれども、私は率直に申し上げて移転には反対だという立場なんですけれども、そういうお仕事を生かすという場所は非常に大きな規模になると思うんです、移転ということになりますと。それで私が思うのは、そういう非常に自然を生かした形にしても、どの対象地をとってみても、水と緑、せせらぎということをつくっても、結局今よりは自然が壊されてしまうというそういう結果になってしまうと思うんです。  それで、実際に移転対象地の世論調査、例えば宮城県とか栃木県の例ですと、移転対象地域の方が同じ県のほかの地域よりも反対が強いわけです。その理由というのは、自然それから農業の問題等々、やっぱり今よりも自然は悪くなるということになるわけです。  ですから、その点でどういう形にしてもやはり移転が行われればどう生かそうと今よりも自然が破壊されてしまう。それからまた、人工的になってしまう。その問題があると思うんです。ちょうど水野先生から述べられた意見と共通するようなところもあると思うんですけれども、その辺の考え方についてお伺いしたいと思います。
  20. 石井幹子

    参考人石井幹子君) これは大変難しいところだというふうに思いますけれども、やはりその土地の方々にしてみればとんでもないものが来るというふうにお思いになる方々も確かに多いだろうというふうには思います。  ただ、やはり日本全体のことを考えますと、それでは東京首都機能が一極集中していてよいのだろうかということになりますと、それはさんざん調査会、審議会でも議論してきたことでございますが、極めて災害に対しては危ないのではないか。また、東京でもしも災害が起きました場合に、東京首都機能が、今働いているものに大きなダメージを受けますと、これは日本国内だけではとどまらない、アジアだけでもとどまらない、世界全体に波及する大変な問題になるというふうなこともいろいろと討議されております。  ですから、やはりこれは空港をつくるときと同じような議論になるかとも思いますが、国際空港なしにはやはり首都というのはあり得ない。日本というのはあり得ない。また地方の都市もあり得ない。にもかかわらず空港はどこにも欲しくないということでございますが、やはり国民全体から見たら国際空港は必要である。そして、いろんな意味での新しい条件を満たした首都機能移転ということは必要ではないかという、同じようなジレンマではないかというふうに思います。  これは私の個人的な考えかもしれませんが、ヨーロッパの国などに比べますと、日本は公の利益よりも個人の利益の方が優先されるといったようなことが大変多いように思います。それがいいか悪いかという問題はまた別の場での議論になるかと思いますが、やはり日本国全体のため、また日本国民一人一人の二十一世紀のことを考えますと、殊に今小さい子供たちが二十一世紀に大人になって、そしてまた次の世代になるまで、二十一世紀の中だけを考えても、またあわせて二十二世紀、二十三世紀というこれからの日本の将来を考えましたときに、このまま東京をほっておいていいのかというとまたちょっと違う議論になるのではないかというふうに思えてなりません。
  21. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  本日は大変ありがとうございます。  先ほど、OHP、スライドを見て、部屋の中を真っ暗にしてしまったわけですけれども、それでメディテーションのような感じになりまして、そのおかげで学生時代のことを思い出したんです。  学生時代のことというのは、北大の先生で小川博三という都市計画家ですけれども、あるいは中村英夫先生と同じように交通計画もやった先生ですけれども、その先生が書いた本に「記念碑都市」という名前の本がありまして、記念になる都市、あるいは都市計画をするに当たって参考になるような、モデルになるような、そういう意味合いで私はとらえておりました。  中身はほとんど忘れてしまったんですけれども、ただ一つ覚えていることは、南米の都市の紹介がその本の中でありまして、その都市にある家々、その家の中からは少なくともどこか一カ所から教会が見える、こういうふうに記述しているところがありまして、それが非常に印象に残っているんです。教会の鐘の音が聞こえるとか、必ず見える窓がつくられている、そういうことが人々の一つの共通の軸になっているかどうかわからないんですけれども、日常性の中にそういう精神的な意味でのつながりが静かに横たわっている、そういうことがやはり都市の暮らしの中に必要だという話が展開されていたものですから、非常に関心を持ってずっと残っていたと思うんです。  たまたま先ほどの暗い状況になった中でふと思い浮かんだわけですけれども、そういう精神的なつながり、人々が市民としてばらばらであっていいという話ではないと思うんです。  そういう共通性のところと、またもう一つ、統合性、それはちょっと危険な部分もあると思いますので、統合性という言葉は使うべきではないかもしれませんが、そういう精神的な共通性をどういうふうに都市空間のデザインをするに当たって醸し出してくるようにつくることが望ましいのか。先ほど水野先生が別の観点から話していた中にちょっと私も賛同できる、今の話とのつながりで賛同という意味ですけれども、そういうところもつながってくるように思うんです。  開発事業行為とか都市を新しくつくるとかそういった場合に、後々どれだけの効果があるかどうかということで、例えばモビリティー、移動性の問題、それからハビタビリティー、居住性の問題、あるいはアクセシビリティー、文化に対する接近の度合い、どういうふうに文化施設とか文化的なものに接近し得る容易性があるかないか、難易の程度だと思うんです。そういった問題とか、あるいはソリダリティーということで連帯性、あるいはリージョナリティーということで広域性、そういう波及的な面を含めて、そういった観点からの指標ではかること、今まで私もやってきた部分があるんですけれども、今言った指標、インディケーターの中でソリダリティー、都市における連帯性という言葉を使っていいのかどうなのかちょっとわからないのですけれども、先ほどから言ってきた精神的な共通する何かそういったものを都市の空間のデザインの中でどういうふうに考えるべきなのかということです。  都市イメージとか心的イメージというのはあくまでも人間が外から見ていたイメージとかそういうことだと思うんです。そうじゃなくて、市民として共通する精神的なものというとちょっと私も説明しづらいんですけれども、連帯性につながるような何かそういったものが都市の空間デザイン、そういった観点から必要であるのかどうなのか、そういったことを言うのは危険なのか、新しい都市をつくるに当たってその辺はどういうふうにアプローチするのか、ちょっと説明不足かもしれませんが、とらえ切った範囲の中で説明していただければと思います。
  22. 石井幹子

    参考人石井幹子君) 大変示唆に富んだお話を伺いまして、ありがとうございます。  都市というのはつくり手によって、例えばヨーロッパの都市でございますと、王様が都市をつくる場合、では一体宮殿をどこに置くか、そしてまた城壁をどうするかといったところが都市をつくる第一の主眼でございました。また、教会の勢力が大変強いところでは教会を真ん中に置いて人民を支配するために都市をつくるという発想があったわけでございます。当然、それは教会というものが中心になって日常生活まで支配するということを目的に都市をつくったというふうな経過があったというふうに聞いております。  ですから、そういうことから考えましても、今度二十一世紀において、日本の新しい都市がどういった象徴性、またはどういった都市の記号性といいますか、そういったものを持つべきかというのはこれは大変難しい問題であろうかというふうに思います。ただ、日本は民主主義国家であり、しかも憲法が定められている。その憲法を中心とした国家であり、そして主権在民でありといったさまざまな日本の国の政治のありようがその都市に表現されているということではないかというふうにとらえております。  また一方、一番最初のところでも申し上げましたが、やはり私は日本人が長く培ってきましたふるさと感覚といいますか、例えば里山であるとか鎮守の森であるとか小川のせせらぎであるとかまたは水田であるとか、そういったふるさとの原形のようなものが都市の一つの象徴性、記号性といったようなものとしてつながっていくといいなというような気持ちはございまして、そういったものを大きく二十一世紀の朝焼けに例えました一番最初の鳥瞰図、桜の花が咲き、菜の花が咲き乱れた向こうに開けた土地があって、そこに小さな都市があるといったような、都市というかむしろ平仮名で「まち」というような言い方をした方がいいかもしれませんが、そういったものをイメージとして御提案させていただいているわけでございます。  その「まち」がどういった象徴性、記号性、また先ほど加藤先生がおっしゃいましたようなアクセシビリティーであるとか、連帯感であるとかそういったものがどんなふうに醸し出されていくかというのは、ちょっとイメージから後の今後の都市計画を具体的にしていくプロセスの上で検討されるべきこと、またぜひ検討していただきたいことではないかというふうに考えております。
  23. 山下善彦

    ○山下善彦君 自由民主党の山下でございます。  石井先生、本日は本当にお忙しい中、御苦労さまでございました。  私の方からは直接的な、具体的なお話をさせていただきたいと思いますが、先ほど我が党の国井委員の方からも冒頭お話が出ておりました。なかなか国民のコンセンサスを得るそういう状況にはなっていない、これは現実の姿であろうと思います。たまたま私がこの委員会に最初に配属をされましたときに、国土庁長官もかわられました。その冒頭の委員会で、私は国土庁長官に、この首都機能移転はどういう意気込みでやるのか、こういう質問をさせていただいた。そういうことで再確認をさせていただきながら、この委員会で今後どういう展開をされていくかということでありましたが、きょうはイメージという形の中で、具体的に先生からいろいろスライド等を通してお伺いしたわけでございます。  さて、今の段階でこの首都機能移転をやめるかやめないのか、こういう議論ではもう既にはない、私はこの八カ月間いろいろの角度で勉強してまいりましてそんなような意識を持ったわけでございまして、実はそういう中で、それでは国民的なコンセンサスがなぜ得られないのか、こういうところを自分なりに考えてみました。  例えば、私は静岡でありますが、前に委員会でも静岡の委員会視察をやりました。その後も知事とかいろいろ話をしていく中で、やはり一つの柱となるこの首都機能移転問題に対する国会なり国の意気込みというか、大げさに言えば迫力というか、そういうものが欠けているのじゃないか、こういうふうに私はとっておりまして、実は、そこにちょっと難しい問題があるんです。  首都機能移転というのは、ここの四十ページにも書いてあるように、国家百年の大計、こういうことで締めくくられておりますけれども、やはりこの大計は国民のしっかりしたコンセンサスを得なければいけないと思います。問題は、そのコンセンサスを得るために、私どももいろいろ静岡県民にはこういうふうに情報を流した方がいいんじゃないかどうなのか、いろいろ考えてはまいりましたが、なかなかいい知恵が浮かびません。  きょうはこういう機会をいただきましたので、石井先生にこの首都機能に対するその辺の国民の合意形成、どんなふうにしたらいいのかというお考えがありましたら、ぜひ御意見を拝聴したい、こんなふうに思います。
  24. 石井幹子

    参考人石井幹子君) 確かに国民方々の関心が薄い、そしてそれをどう合意形成していったらいいか、これは大変難しい問題ではないかというふうに思っております。やはりいろんなことを多方面からやっていかなくてはいけないのではないかと感じます。今インターネットでもいろいろと公開していただいたり、また公聴会それからシンポジウム、私はきょう光文化フォーラム・ニューズレターというものをお配りしてございますが、これは私が代表しております光文化フォーラムという、光を技術ではなくて文化として考えていこうという集まりでございまして、そこのニューズレターに「二十一世紀への関門 新都が描く新時代」、そういったものも載せさせていただいております。  これはどういう方法ででは何をしたらいいかというのはまた難しい問題ではないかというふうに思いまして、私などはとてもそれは専門の分野が違うのではないかというふうなことも感じる次第でございます。これはやはり一人でも多くの方々、お一人お一人がこれはいいというふうに納得していただいて進むよりほかないのかなというふうに感じている次第でございまして、ぜひ先生、何かいいお知恵がありましたらお寄せいただきたいと思う次第です。  随分これまでテレビでもやっていただいているように聞いておりますし、またいろいろ印刷物または政府広報などもやっていただいて、また国土庁さんも大変熱心にしていただいているようでございますが、確かに、首都がどこかへ行くんですか、そんなこと聞いてないねみたいな声がやはり多いです。ぜひ先生方にひとつよろしくお願いをする次第でございます。
  25. 佐藤雄平

    ○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。  今いろいろ話を聞いている中で、国も確かに一生懸命やっているとは思うんです。ただ、候補地になったところ、これは冷静に考えると、余り政治的なもので我が地域が我が地域がということになると、国民全体としてはどうしてもやっぱり白けてしまう。ですから、本当はもう審議会が、いわゆる移転をするという前提の中でこれはそれぞれ議論をしていることだと思うのです。  この話がさらに助長されたのは阪神・淡路の災害、特に地震ということだったと思うんです。ですから、そういうふうな中で、私はもう具体的に移転に際しての必要条件というか、こういうふうな条件が大前提として整っているところというような、それぞれもう議論はしていると思うんです。そういうふうな中で、それぞれの都道府県がパンフをつくりながら、いや我が県が最適だ最適だと、先ほど地域の人は余り喜んでないなんていう話もちらとありましたけれども、決してそうじゃなくて、もう本当に何か争奪戦のような感じになっているところがあるんです。ですから、その辺はもう少しそれぞれの候補地は冷静になりながら、その前提としては、やっぱり基本的には移転するにつけての最も大事な要素は何であるか、この辺は審議会とそれこそ役所の方は客観的な見地の中でお示しをいただきたいなと思います。  そういうふうな中で、やっぱり移転するにつけてのいろんな多岐にわたる要素がたくさんありますけれども、この中でも特にやっぱり大事な地域環境というか要素、この辺参考までに石井先生自身のお考えがありましたらお伺いしたいと思っております。
  26. 石井幹子

    参考人石井幹子君) 本当に先生がおっしゃるように反対の方もありますし、候補地でも反対の方もありますし、また賛成の方もある。確かに、一部大変加熱したような雰囲気をお持ちの場所もございます。  これはなかなか難しい問題でございまして、私どもといたしましては、将来的にどこになってもうまくおさまっていくようなイメージをつくっていくというのが私どもに課せられた仕事でございましたので、ちょっとその範囲のところでしかお答え申し上げられないと思います。
  27. 久野恒一

    ○久野恒一君 きょうは石井先生本当にどうもありがとうございました。  メルヘンチックなと言ってしまうと失礼に当たりますけれども、本当に我々から見るとリゾート的な発想でもってつくられておられると思います。  私が最初にこの委員会に来たときには、是が非でもやはり東京から離れて利根川を越して向こう側につくっていくべきだというのが私の意見でございましたけれども、回を重ねてこうやって聞いておりますと、私も先ほど国井先生からもお話がございました筑波に住んでおりますことがございました。あそこは本当に冷たいというか、そういう意味では先生の御発想は人間性の温かみのあるいい発想であるなとは思う反面、やはり私は東京のようにこれだけのネットワーク、地下鉄を含めてネットワークが張られている、そういうものを地方にこれから求めていく。ただ、私のところから来るのには電車を使わないと何時間かかるかわからない、こういう交通体系とか、それからあるいは六十万人の人が張りついていくとなると、教育の問題はどうなんだろうか、セキュリティーの問題はどうなんだろうかとか、そういうふうなことを考えると、やはりほかにつくっていいものかどうかと思いました。  しかし、阪神・淡路大震災のときのように、やはり一極集中では全部つぶれちゃうじゃないかと、東京がもしあれになった場合。そうすると、やはりほかの地にコンパクトに首都機能といいますか、そういうものがあってもいいんじゃないかなと思うようになったわけでございます。そういう意味では、こういう小さなもので、しかも交通に便利だ、そういうものをつくっていきたい。これだけマスメディアが発展、ネットワークとかインターネットとかなんとかができておりますから、各省庁も一つのビルの中へおさめられちゃうのじゃないか。それで国会もコンパクトにつくって、そこでもってやっていくのがいいのではないかなと、最近になって思っているところでございます。  そういう意味で、先生は全体を移した方がよろしいとお考えなのか、あるいはその一部を移してある程度交通の便利さ、例えばヘリコプターをどんどん飛ばしていくとか、そういうものはお考えの中には、どういうふうにお考えになっておられるのか。全体を移すのか、あるいは一部を移すのか、交通の便はどうなるのか、その辺をちょっとお尋ねしたいと思います。
  28. 石井幹子

    参考人石井幹子君) 最初、何ですか、メルヘンチックでリゾートのようだというお話をいただきましたが、その点についてちょっと御説明を加えさせていただきたいと思うんです。  私は、実は一九六〇年代の後半ですが、ドイツに住んでおりました。ドイツの町に住んでおりますと、先ほどお見せしましたような生活というのはそのころから日常的にございまして、近くの都市内の公園でリスが遊んでいたり、極めてゆとりのある一戸建ての中で暮らしたり、それからもう今、本当に在宅勤務のようなことも随分と行っております。  私は、ドイツは割と仕事でよく行ったり来たりしておりましたものですから、何で同じ第二次大戦で敗戦した国であるのにもかかわらず日本はこんなにまだ貧しい住環境の中で、また大変貧しい汚い都市環境の中で住んでいるのに、どうしてドイツはあんなふうに暮らせるんだろうというふうに思った次第でございます。むしろ、先ほど御提示いたしましたイメージのような都市の中での暮らしというのは、二十一世紀にはこの新首都だけではなくて、およそ普通の町でもこういった暮らしができるようになってほしいというふうに思っている次第でございますので、その辺はぜひ先生方にその実現に向けてお力をいただきたいというふうに切望している次第でございます。  それから、だったら新しくつくるのではなくて、既存の都市の中にある首都機能移転首都機能の部分を置いてバックアップ体制として使うというふうな御指摘がございます。それも確かに一つの考え方であろうかというふうには思います。ただ、そうしたときにまたいろんな問題点というのも当然ございましょう。  私は、一つのイメージとしては、言ってみればニューヨークとワシントンのような関係ということではないかというふうなことを漠然とイメージとしては持っております。  一つは、あくまでも経済の中心地ニューヨークでございまして、そしてワシントンというのは大体今人口五十万ぐらいなところですが、そこはもちろんヘリコプターで皆さん往復もしますけれども、汽車でまた車でも往復している。アメリカ方たちに聞いてみますと、ワシントンに政治の中心があってニューヨークに経済の中心があるということに対して、むしろそれが非常にいいんだという言い方をしている方が大変多いわけなんです。ですから、ある意味では少し離れているところに政治の中枢があるということがとてもいいということです。  ですから、そういうところは、ちょうど東京がニューヨークに対してワシントンのようなところをつくるということが、何か具体的なイメージとして、一つの形として私は大変ニューヨークとワシントンというふうに考えますと、何か考えやすい、イメージがわきやすいというような感じがございます。それでは、一体ワシントンのようなところをどこにつくるかというときには、やはり既存の都市の中ではなくて新しいものをつくった方が政治中心都市として本当に主要なものを集められるのではないかというふうに感じております。
  29. 久野恒一

    ○久野恒一君 私の本当の言いたいことは、相当なお金がかかるんじゃないか、そういう点で申し上げたわけでございまして、そういう意味でどのくらい、それは予算はちょっとはじけないと思いますけれども、相当なものがそっくり行くとなると費用としてかかるんではないかなと。地下鉄を掘っていく、あるいはいろんなものをつくっていくというインフラ整備も含めましてかかっていくんではないかなというふうに感じたもので、失礼ながら質問させていただきました。
  30. 末広まきこ

    末広まきこ君 きょうは大変いいお話を聞かせていただいてありがとうございます。  このパンフレットを拝見しまして、まず水田が大事である、これは大変共感をいたします。私も、自分の原風景の中で水田の上にこいのぼりの影が落ちているという、ここが一番好きです。日本の四季の中で、それから空間としてとらえても、それからその湿度を含んだ質感、これみんな好きです。非常によくわかるんです。  ただ、そこへ政治が一緒にくっついて行くんですか。何かそれまでいいなと思っていたもの、我々が今一番考えているものを行政がそこに行くことによってぶっ壊してしまうんじゃないか、こういう心配があるわけです。  ですから、ここに盛られているような新しい町づくり、我々が求めてやまない日本人の原風景、ふるさと、鎮守の森、こういったものを今後のいろんな町づくりで各自治体が参考にしていただくと。これはとてもいいことがいっぱい詰まっているよ、ただし、ここに載っていることを一つの町が全部網羅することは無理ですよと。その中である部分だけをチョイスして自分の町の特性にしていく、そういう町づくりが今後はお勧めじゃないかなと思うんですが、さあポリティックスがそこへ一緒に移転して首都となりますと、あれと。せっかくいいものをつくろうとしているのに、何か違うものでぎゅっとこすり合うような感じがするんです。  だから、このせっかくの凝縮されたすばらしい宝物のようなパンフレットの町づくりと我々が今後首都としてこうあるべきというのとは別個に考えた方がいいんじゃないかという点がまず一点ございます。  それから……
  31. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) 手短にお願いします。
  32. 末広まきこ

    末広まきこ君 では、まずそれを聞きましょう。
  33. 石井幹子

    参考人石井幹子君) 私は、政治につきましては大変遠くから拝見させていただいているような状況でございますので、そこで何か生々しい感覚としてそういう場所に政治が移ったらということについてはちょっとよくわかりませんので、何ともお答え申し上げにくいんですが、かといって、私はつくり方ではないかなと思います。  といいますのは、今候補に挙がっているいろんな場所がございますけれども、これは私は実際に全部拝見して、伺ってびっくりしましたのは、本当に今何にもないような場所というのは結構まだまだ日本の中にあるんだなという実感でございます。私は、日本というのは多少平らなところはほとんどもう人が住んでいて田んぼに埋まっているのかというふうに実は思っておりましたら、そんなことはございませんで、まあこんな場所がまだあったのかというようなところが現実にいっぱいあるように思いました。  ちょっとお答えにはならないかもしれませんが、要するに水田をつぶしてそういうものをつくるということではない場所もたくさん選べるのではないかというふうに思います。
  34. 末広まきこ

    末広まきこ君 ありがとうございます。
  35. 畑野君枝

    ○畑野君枝君 石井先生、どうもありがとうございました。  日本共産党の畑野君枝でございます。  私は神奈川県に住んでおりまして、横浜ベイブリッジのライトアップですとか、それから関内周辺の、特に開港記念会館のライトアップということでは大変先生にお世話になっております。  それで、開港後百四十年ということにことしなりまして、本当に既存の施設が新しくよみがえるという状況もあるわけですけれども、きょうの資料の中で東京公聴会での二十一歳の女性の方の意見が載っていまして、人口減少期に至れば一極集中問題は過去の遺物となる、低成長の成熟時代には既存ストックの有効活用こそ重要ではないかという御意見がありまして、私は興味深く読ませていただきました。地震の問題もありましたけれども、首相官邸は地震に耐えられるようなものをこれからつくるという状況もあるというふうに思うんです。  先生は大変外国にもお詳しくいらっしゃるというふうに伺っておりまして、例えば少子化がこれから進むということで、特にヨーロッパなどもそうだと思うんですが、パンフレットの十二ページに世界での首都機能移転の表が載っておりますが、大変少のうございます。特に、ヨーロッパで見ますと、ドイツの場合は統一という問題があると思うんですが、一八〇〇年代のオランダ以外はないということで、私たちは、首都というのはやはり人口が最も多い、そういうところで国民と国会が結びついたところにあることが必要じゃないかというふうに思うわけですけれども、そういう点、諸外国の、特にヨーロッパなどの事情についておわかりになる点があれば伺いたいと思います。
  36. 石井幹子

    参考人石井幹子君) おっしゃるように、ボンが今度ベルリンに移ったというのはかなりまた違った状況の中での、むしろ首都移転ではなくてカムバックといいますか、もう一回ベルリンに戻したというふうな事情があるかと思います。  ただ、首都機能を、これは首都機能で、首都を移すという言葉とはちょっとまた違う意味で使っておりますけれども首都機能を移すということにつきましては、これはかなり長いこと討議をされて行ってきたことでございます。一極集中廃止ということだけではなくて、やはり地方への分権といったようなこと、それからやはり小さな政府にするといったような、二十一世紀の日本をどうしていくかというときに、その一つのあらわれとしての首都機能移転でございますので、先ほどある先生からの御質問もありましたけれども、そういった国政の変化に対応しての首都機能移転かというふうなことの御質問はございましたが、やはりそういった変化への対応が前提にあっての首都機能移転だというふうにとらえております。ですから、ただ首都だけ何か持っていってやるということではないというふうに感じております。
  37. 畑野君枝

    ○畑野君枝君 ありがとうございました。
  38. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) 御意見も尽きないようですが、予定の時間が参りましたので、参考人に対する質疑はこれにて終了させていただきます。  この際、参考人に一言お礼を申し上げます。  石井参考人におかれましては、大変お忙しい中、当委員会のため貴重な御意見をお述べいただき、また質疑に対して御懇切にお答えをいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時散会