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1999-03-10 第145回国会 参議院 国会等の移転に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年三月十日(水曜日)    午後零時二十五分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松田 岩夫君     理 事                 国井 正幸君                 平田 耕一君                 長谷川 清君                 加藤 修一君     委 員                 大野つや子君                 久野 恒一君                 末広まきこ君                 山下 善彦君                 郡司  彰君                 佐藤 雄平君                 畑野 君枝君                 渕上 貞雄君                 水野 誠一君    国務大臣        国務大臣        (国土庁長官)  関谷 勝嗣君    政府委員        国土庁大都市圏        整備局長        兼国会等移転審        議会事務局次長  板倉 英則君    事務局側        常任委員会専門        員        八島 秀雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国会等移転に関する調査  (派遣委員報告)     ─────────────
  2. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) ただいまから国会等移転に関する特別委員会を開会いたします。  国会等移転に関する調査を議題とし、本委員会が先般行いました委員派遣について、派遣委員報告を聴取いたします。平田耕一君。
  3. 平田耕一

    平田耕一君 去る一月十二日及び十三日の二日間、松田委員長国井理事長谷川理事加藤理事久野委員山下善彦委員山下洲夫委員緒方委員畑野委員水野委員、そして私、平田の十一名は、畿央高原地域及び静岡県において国会等移転に関する実情調査を行ってまいりました。  以下、その概要を御報告いたします。  まず、畿央高原地域に対する調査概要について申し上げます。  畿央高原地域は、三重県、滋賀県、京都府、奈良県の四府県にまたがる四市二十四町村から成る地域であります。  今回の調査では、月ヶ瀬村森林科学館より伊賀盆地の眺望及び奈良大和高原北部地域を、高山ダムより京都府相楽郡東部地域を、阿山町海洋センターより三重伊賀地域国有林状況を、また車中より滋賀甲賀地域をそれぞれ視察いたしました。  次に、概況説明会における各府県知事ほか関係者方々説明及び派遣委員との意見交換概要について申し上げます。  まず、北川三重県知事國松滋賀県知事荒巻京都府知事柿本奈良県知事からそれぞれあいさつがあった後、四府県を代表して北川知事から、畿央高原のすぐれた条件として、本地域国土中央部に位置し主要な国土軸結節点に当たること。関西圏中部圏から適切な距離に位置しており、二大都市圏文化経済基盤の活用が可能であること。東海道新幹線東海道本線名神高速道路、名阪国道など国土の幹線となる交通インフラが集約されており、さらに関西国際空港中部国際空港の二つの国際空港が利用可能であるなど、多様なアクセス手段整備される地域であること。また、災害対応力の観点からは、東京と同時に被災する可能性が低く、東京を経由しない多種多様な交通ネットワークが利用でき、災害時のリダンダンシー確保が可能であること。関西文化学術研究都市を初め最先端の研究活動が展開されるとともに、国立国会図書館関西館京都迎賓館など、首都機能の一翼を担う国の施設が集積しており、これらの機能を活用することにより高次機能を備えたコンパクトな新都が可能となること。さらに、我が国を代表する歴史伝統文化を継承する京都奈良に隣接し、歴史文化の宝庫であるほか、琵琶湖国定公園を初め多くの自然公園に囲まれ豊かな自然環境に恵まれた地域であり、まさに日本を代表する顔にふさわしい地域であること等の説明があり、これを踏まえて、新都基本理念としては、東に偏らない国土の均衡ある発展、東京とは独立したネットワークを活用した災害時等のリダンダンシー確保、世界に誇る歴史文化遺産や恵まれた自然環境を生かした環境共生都市創造伝統文化を現代に生かした新たな文化創造の四点を提案している旨の説明がありました。  次に、三重県議会森川首都機能移転地方分権推進調査特別委員会委員長を初め、滋賀県議会山嵜議長京都府議会の杉谷副議長及び奈良県議会新谷議員より各府県議会における首都機能移転に関する活動状況が、また今岡上野市長を初めとする関係市町村及び地元経済会方々から首都機能移転に対する期待やこれまでの取り組み状況等について発言がありました。  その後行われた関係者方々派遣委員との意見交換におきましては、既に歴史文化機能等一定の役割を担っている地域へさらに政治機能移転することの妥当性について質問があり、これに対しては、むしろ歴史文化の集積を生かして東京に匹敵する日本の顔となる都市をつくるべきとの考えが示されました。また、都市用水についての懸念に対しては、水の問題はこの地域独立では厳しいものの、三重畿央としてとらえれば長良川河口堰もあり心配は要らないと考えている旨の発言がありました。その他、四府県にまたがる移転候補地中心となる地域、安上がりな首都機能移転についての方策、首都機能移転に関する国民的議論活性化等について質疑応答が行われました。  続きまして、静岡県における調査概要について御報告いたします。  静岡県では、首都機能移転候補地として県西部の二十一の地区調査対象に挙げており、今回の視察では、浜松市及び湖西市を中心にした浜名湖周辺地域大草山展望台より眺望し、また袋井市の小笠山周辺地域を現地視察いたしました。  次に、概況説明会概要について申し上げます。  まず、石川静岡県知事から本地域首都機能移転候補地適格条件として、静岡県西部地域は新しい全国総合開発計画でも各国土軸が交差する地点であり、東京、大阪からそれぞれ約二百キロ圏内であり、ちょうど真ん中に位置すること。年平均気温十五・七度、年間快晴日数六十五日、積雪日数一日など気候が温暖であり、また南アルプス天竜奥三河国定公園等を控え自然環境も恵まれていること。東名高速道路や東海道新幹線に加え、第二東名自動車道や三遠南信自動車道静岡空港の建設が予定されており、交通基盤整備が進んでいること。静岡県は東海大地震の発生の危険性が指摘されている地域であるが、移転候補地県西部地域基盤のしっかりした丘陵地に展開しているので比較的地震に強い地域となっており、さらに静岡県では自治体、家庭、事業所それぞれが強力な防災体制を確立しているため、新首都防災体制にも十分役立つものと考えられる等の説明がありました。  次に、静岡県議会佐原議長及び大橋首都機能移転地方分権推進対策特別委員会委員長から特別委員会の設置や決議等首都機能に対する取り組みについての紹介が、また地元経済会方々から新首都のイメージや土地取得容易性について説明がありました。  その後行われた意見交換におきましては、水資源確保について質問があり、これに対しては農業用水工業用水余剰水利で対応可能という説明がありました。また、移転候補地として二十一地域が挙げられているが中心はどこかという質問に対しては、新首都具体像が明確でない中で、多様なケースを想定し多数の選択肢を用意する意味で二十一地区を挙げている旨の発言がありました。このほか、地域合意形成アンケート調査結果の内容、浜岡原子力発電所安全性などについて質疑応答が行われました。  以上が調査概要でありますが、調査に御協力いただいた方々に厚く御礼申し上げて、報告を終わります。  以上でございます。
  4. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) 以上で派遣委員報告は終了しました。  本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  5. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) この際、関谷国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。関谷国土庁長官
  6. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) このたび国土庁長官及び首都機能移転担当大臣を拝命いたしました関谷勝嗣でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  国会等移転は、来るべき二十一世紀を展望した極めて重要な課題であります。また、東京一極集中を是正し、国土災害対応力を強化し、東京に潤いのある空間を回復することに寄与するとともに、国政全般の改革に深くかかわりのあるものであります。  参議院におかれましては、平成二年の国会等移転に関する決議を初め、平成四年の国会等移転に関する法律の制定、さらには平成八年の同法の一部改正等、本問題に積極的に取り組まれてこられました。政府としては、このような取り組みに対して深く敬意を表する次第であります。  国会等移転に関しましては、現在、国会等移転審議会におきまして移転先候補地選定に向けた調査審議が精力的に進められております。昨年一月に三つの調査対象地域が設定されたのを受けて現地調査等が実施され、現在、地域ごとの詳細な調査公聴会の開催が行われております。引き続き、候補地間の相互比較総合評価等が行われ、本年秋ごろを一応の目安として移転先候補地選定作業を進めることとされております。  国土庁といたしましては、各種調査を着実に推進するとともに、国会等移転に対する国民的な合意形成の促進に努め、国会等移転具体化に向けて積極的な検討を行ってまいる所存であります。  松田委員長を初め各委員の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)
  7. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十五分散会