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1999-06-03 第145回国会 参議院 交通・情報通信委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年六月三日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  六月二日     辞任         補欠選任      鹿熊 安正君     上杉 光弘君  六月三日     辞任         補欠選任      上杉 光弘君     脇  雅史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小林  元君     理 事                 加藤 紀文君                 景山俊太郎君                 寺崎 昭久君                 森本 晃司君                 渕上 貞雄君     委 員                 岩城 光英君                 田中 直紀君                 野沢 太三君                 山内 俊夫君                 山本 一太君                 若林 正俊君                 脇  雅史君                 内藤 正光君                 本田 良一君                 松前 達郎君                 鶴岡  洋君                 筆坂 秀世君                 宮本 岳志君                 戸田 邦司君                 岩本 荘太君    国務大臣        運輸大臣     川崎 二郎君    政府委員        公正取引委員会        事務総局経済取        引局長      山田 昭雄君        運輸大臣官房長  梅崎  壽君        運輸省運輸政策        局長       羽生 次郎君        運輸省海上交通        局長       宮崎 達彦君        運輸省海上技術        安全局長     谷野龍一郎君        運輸省港湾局長  川嶋 康宏君        運輸省航空局長  岩村  敬君    事務局側        常任委員会専門        員        舘野 忠男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○海上運送法の一部を改正する法律案内閣提出  、衆議院送付) ○航空法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 小林元

    委員長小林元君) ただいまから交通情報通信委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨二日、鹿熊安正君が委員辞任され、その補欠として上杉光弘君が選任されました。     ─────────────
  3. 小林元

    委員長小林元君) 海上運送法の一部を改正する法律案及び航空法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 山内俊夫

    山内俊夫君 自由民主党の山内俊夫でございます。  川崎運輸大臣大変お忙しいところをこの席にお出ましいただきましてありがとうございます。約三十分ばかり時間をいただいておりますので、おつき合いのほどよろしくお願いを申し上げます。きょうは、航空法並びに海上法の一部改正ということでございますので、一部私の出身であります香川のことも交えながら質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  最初航空法から質問に入らせていただきますが、航空業界規制緩和流れというのは、四五、四七体制というのがございました。その当時は国内航空業界についてはまだまだ未熟な時代であったと思いますし、地方空港、特にローカル空港についてはまだまだジェット化が十分されていない時代だったと思います。そういった観点から、国内航空会社過当競争とか航空業界保護育成というような観点からこの四五、四七体制というのが組まれておったと思います。  その後、規制緩和という流れもやってまいりました。一九八五年九月、運輸政策審議会の答申で、国際線の複数社体制、それと国内線の競争促進日本航空民営化という流れがありました。それから一九九四年、このころには地方ローカル空港ジェット化が大分なされたということもあって、景気右肩上がりの中だったものですから、かなり航空業界も活発化していった。そういったこともあって、割引率五〇%までの政策的な割引運賃制度も導入されたわけでございます。  そういったところで、大分規制も緩和されてきて、エア・ドゥとかスカイマークエアとかそういった新しい航空会社も参入してきたわけでございますけれども、今回、この一部改正という中身は流れにのっとったということでございます。特に需給規制廃止というものが大きな柱になっていると思います。  それに伴っていろんな諸問題が生じてくるわけでございますけれども、今回の一連の規制緩和政策の中で、航空行政全体でどのような位置づけをしておるのかということをまず大臣にお聞きしたいと思います。
  5. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) 今委員から歴史をひもといてお話がございました。まさに日本航空民営化という話は一つ時代の変化の象徴であっただろう。その後、NTTとかJRとか、いろいろな形で運輸関係もまた通信関係民営化が進んできたということであろうと思います。  それまでの経過は、はっきり申し上げれば需給調整というものを入れながら航空業界育成していく、大きな政府のもとで航空業界が育てられていくという時代であったのだと思っております。  今日、私どもの進んでいく方向として、やはりなるべく小さな政府にしていく、そして民間競争によって国民に対していいサービスが提供されていく、それが我が国の進展のために通らなければならない、ある意味では痛みを伴いますけれどもやっていかなきゃならない。そういう決意のもとで、政府として、何も運輸業界だけではなく全体として取り組ませていただいておるということであります。  民間競争ということになりますと、当然いい面と悪い面が出てくる。それは前から申し上げております光と影の部分でございます。影の部分をどう私どもがそうならないように担保していくかというところが、今回いろいろな議論の結果として航空法改正という形で御審議をいただいておることになります。  例えば、混雑飛行場については、スロットの配分については競争促進のために新規会社に優先的に配分する。これは寡占化というものをなるべく避けたい、競争の結果として場合によっては寡占化になる可能性があるわけですから、そこは担保させていただく。それから、もうかるところだけ飛んでいくということになると、全国的な地方ネットワークというものがやはり崩れますので、そこは混雑空港についてはそういう配分もさせていただく、こういう担保をさせていただいているところでございます。  それから、運賃の問題につきましても、一社だけしか飛ばないということが当然出てまいると思いますので、そういった場合に略奪的な運賃というものが、また逆に言えば競争条件の中でいろんな各社競争が行われ、いいように動けばいいわけでありますけれども、逆の場合もある。そういった意味では、原則自由化でありますけれども変更命令というものもかけさせていただいておるということであろうと思います。  それから、運輸省の担う航空行政の中で残っておりますのは、当然インフラ整備の問題でございます。すべて受益者負担利用者負担で賄っていくということになれば、理想理想でありますけれども、一方で我が国現実の問題として用地費が大変高いのは現実の話でございます。そういった面、国際競争力の問題、また地方ネットワーク問題等々考えてまいりますと、やはり国として公共事業の真水というものも要請をしながらうまくインフラ整備を進めていかなければならないだろう、このように今認識をいたしているところでございます。
  6. 山内俊夫

    山内俊夫君 ありがとうございました。  第二に、今回の大臣提案理由の中で、航空整備士資格一等から三等までという今までの区分があったと思うんですが、これを一等及び二等という二つ区分にしたその理由、それと区分の内容の説明も一部兼ねてお願いしたいと思います。
  7. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 現在の整備士資格一等から三等まであるわけでございますが、これは従来航空機が大きければ大きいほど構造が複雑だと、また高度のシステムが使われているということ、すなわち整備に当たっても整備技能が程度の高い技能が要されるということに着目いたしまして、従来は大きな飛行機、すなわち最大離陸重量の大きいものから一等、二等、三等と、そういうふうに資格を分けてきたわけでございます。しかしながら、今日、必ずしも重量システムの複雑さが比例しているわけではないわけでございまして、重量の小さい航空機であっても高度のシステムが導入されているものがございます。  そういうことから、今回、資格区分についての見直しを行いまして、改正後は航空機構造とかシステムの複雑さ、そこに着目をする。構造なりシステムの複雑さに直接関係しているのは航空機の用途、すなわち事業用に使われるのかそうでないのか、そこら辺に着目をいたしまして、今回の一等、二等は、すなわち一等の方は航空運送事業の用に適する航空機、それから自家用があるわけですが、その両方ともできるのが一等とし、二等の方は自家用航空機に限って整備ができる、そういう区分に変えたわけでございます。
  8. 山内俊夫

    山内俊夫君 ありがとうございました。  次に、三つ目質問に入りますが、先ほど大臣からもお話がありましたように、一部空港発着枠という問題も出てきました。  確かに需給規制廃止するということになってきますと、もうかる路線に多分各社集中してくる、当然地方からの東京便。そういったことになってきますと、ただでさえ、今羽田のキャパというのが年間数十万回という限られた枠の中で運航が行われておりますから、当然その割り当て枠というのが大変各社しのぎを削っていると。  先ほど大臣の話の中では、新規参入については多少育成という意味があって配分を優先させるというような話があったんですが、既存の三社、JASANAJALというこの三社の今後の割り当て配分方法というのは、かなり議論も呼びますし、ややもすればそのしのぎの中でまた変なことが起きても仕方がないので、早目ルールづくりが要ると思うんです。  そのルールづくりについて今どのように考えておられるか、また配分の基本的な考え方、この二つについてお答えいただけたらと思うんです。
  9. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 今先生指摘のとおり、混雑しております飛行場につきましては、例えば新規航空会社が入ろうにも新たに入りにくい、入れない。それからまた、やはりどうしても収益性の高い路線に集中してネットワークがいびつになる。すなわち、もうからない路線撤退をしてしまう。そこへ新たに入れないわけですから、結果的にはネットワークがいびつになってしまう。そういうことがございますので、これは何らかの措置なしには、ただ自由化するだけではうまくいかないだろうということ、先生の御指摘のとおりでございます。  したがいまして、今回の航空法改正におきましては、混雑飛行場に係る運航計画につきまして運輸大臣認可に係ることにしてございます。そして、この認可の中で発着枠配分ルールを決めていくわけでございますが、我々、今その基準として念頭に置いておりますのは次の四つを考えております。  一つは、発着枠一定割合の定期的な回収、すなわち既存航空会社、既に枠を持っておるわけですが、これを一定割合定期的に回収をしていく、そして再配分をする。それから二番目が、先ほど大臣申し上げましたように、新規航空会社への配分の枠をつくっておく。それから三番目は、これまた大臣申し上げましたが、全国的な航空ネットワーク維持形成するために、政策枠という形で枠を設けておく。そしてさらに、先ほど新規だけ申し上げましたけれども回収したものを今度既存航空会社にも再配分をしていくという、この四つ考え方があるというふうに我々考えております。  これの具体的な配分につきましては、発着枠配分必要性具体化、すなわち、今後、法律が成立をして、近々また羽田の枠の増枠の話も出てまいりますが、そういった具体化した段階で有識者から成る検討組織を設置いたしまして、公開の場での議論をし、結論を得たいということを考えております。タイミング的には年内にもその検討に着手したいというふうに考えておるところでございます。
  10. 山内俊夫

    山内俊夫君 年内に着手をしてということでございますから、早目にぜひひとつルールを提示していただけたらと思うわけです。  それから、関連するんですが、実は私は香川県でございますから、高松空港トリプルトラック化というのは、少しデータも私調べてみますと、高松—東京便なんですが、平成元年までは大体座席数年間で二十五万二千席しかなかった。フレンドシップという、YSですね、これの便しかなかったものですから大変低かった。平成二年にジェット化されて、ジェットが導入されてから年間座席数が百万席、平成十年には百八十五万席という形になってきております。最大ピーク平成二年、また平成七年、八年あたりが六七から七〇%で、いわば航空会社からいえば非常にもうかる路線でありました。平成十年は少し景気後退があったのと、機種が大きくなって座席数が百八十五万席を確保した関係で六二・二%に落ちておりますが、でも、ここ十年を平均しますと六七%という稼働率であります。  ところが、そのときにJALの導入というのが、大変皆さん香川県民にとっては楽しみでありましたのですが、羽田に新滑走路ができ上がりますと必ず一、二便通るだろうと言われて楽しみにしておったんですが、先ほど新規枠新規航空会社に対する割り当て枠が優先されたということもあって、トリプルということは今のところ見送られておるんです。  香川県民の悲願でございますJALANAJAS体制、この三社体制になりますと、やはり航空運賃等非常に県民利便性が上がってくる、便数もふえるし、なおかつ機種も大きくなり、三社体制になると料金的にも非常に楽しみがふえる。観光立県でもありますし、やはり団体客を受け入れるには飛行機座席数というのは大変大きく影響してくるわけなんでございます。  この高松便に対しての見通し、もう全く今のところ無理だとか、いや近年には何とかなるよとか、そのあたりの見通しをちょっとお聞かせいただきたいのと、高松便を含む、これは高松便だけじゃなくて今後の地方対策路線、これの育成についてもちょっとコメントいただけたらと思うんです。よろしくお願いします。
  11. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 羽田—高松路線ですが、先生指摘のように順調に実績を伸ばしておりまして、過去五年間輸送実績は二〇・二%増加をいたしております。平成十年度百十四万人という多数のお客様の御利用がございます。そして、一日当たりの便数も、九年と十年、それぞれ一便ずつ増便をいたしまして、現在一日八便が運航をいたしているわけでございます。  それで、お尋ねのトリプル化の件でございますが、実は平成九年四月に、運輸省としては従来ダブル化トリプル化には輸送人員何人以上というような基準をつくっておったわけでございますが、それを廃止いたしました。したがいまして、現時点では航空会社経営戦略に基づいて自由な路線設定ができるというふうになっておりまして、航空会社からの申請があり次第、事業遂行能力とかそういうほかの免許基準についてはチェックがございますが、需要の面についての審査といいますかトリプル化基準についての審査はございませんので、事業遂行能力等基準に合えば免許をするというふうになります。  実は、今先生もおっしゃったように、羽田の枠の問題がございまして、飛ばそうにも飛ばせないという状況にございます。それで、羽田の枠については、来年の三月に、新B滑走路完成の時期に枠の見直しをしようということを今考えておりまして、その時点で航空会社がどういう判断をするかということにかかってくるのかなと思います。  また、今度航空法改正いたしますと、需給調整規制は全くなくなりますので、路線をどこを選ぶか、これは航空会社自由度がさらに高まるというふうに考えております。  それから、第二点目の地方空港間のネットワーク形成の問題でございますが、この点については、先ほどお話ございましたが、やはり自由になれば、どうしても収益性の低い路線というのは敬遠されてしまうということもございます。そんなこともありまして、我々としては全国的なネットワーク維持形成が大事だと思っておりますので、今年度の政府予算におきまして、二種A空港、それから共用飛行場空港着陸料引き下げ、三分の二へ引き下げをいたしたところでございます。これについては、地方が管理しております三種空港についても同様の引き下げ措置がされておるということでございます。  これに伴って、高松空港発着路線を含む地方地方を結ぶ路線につきましては、今回運賃引き下げもされておるわけでございまして、こういったことで需要が喚起され、ネットワーク活性化につながるんじゃないか、そんなふうに考えておるところでございます。
  12. 山内俊夫

    山内俊夫君 それでは、航空関係について最後の質問をさせていただきます。  これは海上とも関係するんですが、二〇〇〇年問題、私は、ある専門家から、山内さん、一九九九年十二月三十一日の零時を過ぎると飛行機に乗らない方がいいよというのを三年前に実は聞いておったんです。まさかというような話だったんですが、ここのところ非常にこの問題が大きくなってまいりました。特に飛行機の場合、〇・何秒の世界でございますから。  この二〇〇〇年問題に対して、国内航空会社対応、それと、国内だけじゃなくて、外国から飛んでまいります、また外国へ飛んでいくというそういう飛行機のルートがありますから、国内と国外の対応別にちょっとコメントをいただきたいと思うんです。
  13. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 国内国際航空システム、いわゆる管制、地上から安全を保つために航空管制を行っていますが、そっちのシステム、それからあと航空会社の方のこういうコンピューターを使ったシステム、両方ありますので、それについて現在の状況を御説明申し上げたいと思います。  最初に、我が国航空管制に関連するシステム、これも相当コンピューターが導入されておりますが、これまで機器の更新、整備の機会を利用するなどいたしまして対策を着実に進めてまいりました。そして、模擬テストを含め本年三月末までに修正を完了しております。そして、国際的な共同模擬テストということで、香港と米国、この間で実施をし、問題のないことを確認がされておるところでございます。  また、我が国航空会社が持っておりますコンピューターを使いましたシステムでございますが、現在各航空会社対応しておりまして、本年六月末、今月末まででございますが、完了するように作業中でございます。  それから、所有する航空機、ここにもコンピューターがたくさん入っておりますが、航空機安全運航に直接影響を与えるような重大な問題を有するそういう装備品、これは今のところ確認はございません。チェックをいたしておりますが、ございません。また、ふぐあいを生じ得る装備品についてもソフトウエアをかえることによって対応ができるということで、対策を順次進めてきておるところでございます。  それから、これは日本だけやってもうまくいかないわけで、先ほど管制でちょっと模擬テストのことを申し上げましたけれども外国との関係で申し上げますと、一つ国際民間航空機関、ICAOと呼んでおりますが、それとあと事業者団体であります国際航空運送協会、IATAといいますが、それぞれが調査それから対策を協議いたしております。運輸省としてはここに積極的に参加をいたしておりまして、情報把握、さらには各国との協議を行っておるところでございます。  そういうことで、我々としてはさらにこれからでき上がったものについて情報公開、こんなものも大事だと思いますので、そういうことも含めまして検討していって、二〇〇〇年への移行が安全かつ支障なく行えるように万全の対策を整えたい、そういうつもりでやっておるところでございます。
  14. 山内俊夫

    山内俊夫君 二〇〇〇年問題は日本だけじゃなくて外国航空会社にも十分対応してもらわなきゃいけないという問題でありますので。きょうはこの件についてはこれだけにしておきます。  続きまして、海上運送法改正という観点からちょっと質問したいんですが、海上運送法は、これも同じく需給調整の枠を外すということですから、当然離島を持っているところというのは、先ほど飛行機と関連してくるんですが超ローカルになってきますので、会社撤退航路廃止というのが必ずその裏に見えてきておるわけなんです。  そういった場合、生活航路維持、安全の確保利用者利益保護、そういった観点から今後具体的にどのように検討されるのか、それをちょっとお聞きしたいんです。
  15. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 今回、できるだけ市場原理を導入して、船舶による旅客運送事業にありましてもできるだけ利用者ニーズに合った事業者創意工夫を守り立てていこうという趣旨法改正をお願いしておるわけでございます。  その際問題になりますのは、安全の確保利用者利益保護、それから離島航路を初めとした生活航路確保という先生指摘の点、大臣も申しました影の部分が出てくるのではないかという御懸念でございますけれども、安全の確保につきましては従来どおり、さらに今まで安全について余りチェックしてこなかったものについても、人の運送をする以上は最低限の規則を守ってもらわなければならないということで、ある意味では拡大して安全の確保チェックしていこうとしております。利用者利益保護につきましても同様でございます。  生活航路につきましては、市場原理が単純に導入されますと、いわゆるいいとこ取りということで、需要の多い期間、区間だけやるということになりまして、離島航路全体が保持できなくなるという問題が出てまいりますので、そういった地域につきましては指定区間制度というものを今回新たに創設させていただきまして、一定水準サービスレベル維持されるようにというふうな工夫をして、離島航路市場原理だけに左右されないような仕組みを創設しております。
  16. 山内俊夫

    山内俊夫君 実は、私が住んでおります香川県の丸亀市というのは、ちょうど向かいに塩飽七島という大変昔から歴史的な島がいっぱいありまして、その中に本島とか広島とか有名な島があるんです。特に本島というところは、古くは倭寇時代から、そして最近では咸臨丸の乗船員の大半がこの本島出身の船員だったということで、大変歴史的に有名な島であるんです。そこは昔二千七百人ぐらい住んでおりましたが、ごらんのとおり過疎地状況で、今は九百人そこそこになっております。  そこに一本の地元資本フェリー会社があるんですが、このフェリー会社が実は廃止届けを今出しておりまして、もう地元で大変な問題になっております。渡船型の小さな船が一日二便運航しておりますが、人間はそれで代行できるんですが、救急車とか清掃車とか地元魚業者の運搬、それのトラック等が入ってきます。この車両運航ができなくなるという大変切実な問題を抱えておるわけでございまして、特にそういった離島航路がなくなれば全くそういった分野では途絶えてしまうという心配があるんですが、この本島航路についてちょっとどのような情報が入っているかお聞かせいただけたらと思います。
  17. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 先生の御心配のその航路につきまして、現在、関西急行フェリーという会社が岡山の下津井—本島—丸亀間を一日九往復フェリーで運航しております。また、フェリーではございませんけれども本島—丸亀間につきまして、本島汽船という一般旅客船が一日二往復運航しているということでございます。  そこで、御指摘の関西急行フェリーは、本四架橋の影響を受けまして、下津井—本島—丸亀間のフェリー運航から撤退という意向を示しております。その場合、下津井—本島間では船による運航手段がなくなりますし、本島—丸亀間ではフェリー運航がなくなって、先ほど申されました自動車の運送、移動ができなくなるという問題が出てきます。  現在、そういった利用者に御不便をかけないように、利用者の利便の確保を図るということで、地元におきまして丸亀市を中心として関係事業者の間で検討をしていただいております。話は相当煮詰まってきておると聞いておりますが、必要な航路便数、フェリーにつきましても、今までどおりというわけにはさすがにまいりませんけれども、何らかの確保が行われる、そういう形で調整が大詰めに来ておるというようなことを聞いております。地元の四国運輸局におきましてもいろいろな助言をさせていただいて、円滑な移行ができるようにしていきたいと思っておりますし、また地元の結果が出ましたら、その後の諸手続を速やかに済ませていきたいなというふうに思っております。
  18. 山内俊夫

    山内俊夫君 生活路線でありますので、ぜひ御支援のほどをよろしくお願いしたいと思います。  最後になりますが、大臣にお聞きをしたいと思います。  海上輸送、やはり今の離島とか島の足の生活路線確保飛行機も同じです、これはもう二つ合わせてそうなんですが、沖縄とかいろんなところに生活に密着した路線というのは、離島住民の生活に不可欠な役割を果たしているということはもう十分御認識いただいておると思いますが、生活路線確保について基本的な大臣考え方というものをお聞きして、質問の最後にしたいと思います。よろしくお願いします。
  19. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) 基本的に自由化が進んでいく中でありますけれども離島航路なり生活路線を守っていかなければならないと考えております。今日まで補助金、また税制等の支援を行ってまいりましたけれども、自治体とも十分話し合いをしながら、それ以上のことが必要ならばまた考えてまいりたいと思っております。  また、先ほど局長から御答弁申し上げましたように、いいところ取りにならないような配慮を今後もしっかりしていかなきゃならない、このように思っております。
  20. 山内俊夫

    山内俊夫君 どうもありがとうございました。
  21. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 航空法改正案を中心に質問をさせていただきます。  まず最初に、航空会社において国際競争が激しく行われているというのは、これは常識になっているかと思います。そういう中で、日本航空企業大手三社の国際競争力というのはどの程度あるとお考えなのか、大変抽象的な聞き方になりますけれども、その認識をお尋ねしたいと思います。  それから、先日の法案の趣旨説明の中で、「我が国航空会社競争力を強化していくためには、需給調整規制廃止を通じた一層の規制緩和が求められている」という御説明がございました。逆に言いますと、今まで規制が何らか企業の体力を弱めることにつながっていたという認識があると見なければいけないんだと思います。そこで、この点も含めて、具体的に需給調整規制競争力との関係でどのような弊害をもたらしていたとお考えなのか、大臣にお尋ねしたい。
  22. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) 国内三社が国際線においてどのぐらいの力を持っておるかということでありますけれども、今三社とも懸命な努力が続けられておりますとおり、まだまだこれからさまざまな政策を各社がおとりにならないと伍していけないんだろう、そういう意味では大変な努力中であろうと思っております。  ただ一方で、もう先生御承知のとおり、国内線については外国航空会社が入らないカボタージュというある意味ではセーフティーネットが張ってあります。ここはやっぱり各三社にとりましても基本的なものになっていくんだろう。  国際線の今の競争は、正直に言って我々横で見ていましても余りにもひどい部分があるなという認識はいたしております。どう安全というものを確保しながらお客様の信頼を得ていくかということに尽きるんだろう。確かに、今の競争の実態を見ますと、あそこまでという感じはいたしておることは事実でありますけれども国際競争の中でありますので、我々もそれ以上のことは差し控えさせていただいておるというのが一つであろうと思っております。  それから、今懸命な努力が続けられ、結果として、国際線は外国との戦いでありますからちょっと横に置きまして、国内においてはかなり料金が下がってきた。この四月、五月のゴールデンウイークの数字を見ましても、今国民の皆さん方が国内旅行でも安いお金で遠くへ行きたいと、こういう御希望が出てきて、私が所管いたしております北海道の方もかなりのお客様がお見えいただいたというのは事実だろうと思います。そういった意味では、国民サービスという面ではかなり競争というものが導入されてきていいサービスが提供されるようになってきたのではなかろうかな、こういう認識をしております。  そういった意味では、逆に、割り当てがあって守られている時代は、我々も御批判をいただいてまいりましたが、しかし、それは育成段階だから勘弁してくれということで言ってまいりましたけれども、国民の御負担は少し高かったのかな、こういう認識をいたしております。
  23. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 国民利用者に負担がかかったのかなというのが規制の弊害というように受けとめてよろしいでしょうか。
  24. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) もちろん利用者サイドから見れば、まず第一に安全が担保されなければならない。委員先生方からいろいろ御指摘をいただいている中で、規制緩和の結果として安全というものが損なわれることがあってはならない。私は、五月に改めて各会社に今のサービス、安全の点検状況というものをさせていただいているところでございます。  そうした安全の担保というのを前提で考えながら、同時に、言われるとおり、守られている時代の料金というものは御批判をいただくようなものがあったのではなかろうかと思っております。
  25. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 規制緩和が料金の低減につながるということであればそれは結構なことだと思うんですが、この件につきましては後でまた質問させていただくことにしまして、まず法改正の第一条についてお尋ねいたします。  現行法では、第一条に公共の福祉という言葉がないわけでございます。改正案には、「航空の発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。」ということでつけ加えられております。  そこで、「公共の福祉」とはどういうことを指しておられるのかということが一点と、それからこれまで公共の福祉という名のもとに規制の網がかかってきた例が案外少なくないのではないか、これは一般論で申し上げてそういう思いがしているわけであります。ここで、一方では需給調整規制を撤廃する、いわゆる自由化をすると言っておきながら、この公共の福祉という文言を持ち出すことによって、また役所の裁量とか規制の余地を担保することになるのではないかという懸念もないではないわけでございます。  あえて「公共の福祉」ということを新しい法律に盛り込んだ意図についてお尋ねします。大臣、いかがでしょうか。
  26. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) 先ほど、前の委員の方とも議論をいたしたわけでありますけれども、基本的に航空業界育成していくという段階があったように思っております。その一番最たるものが国営化、国が直接サービスを提供していく、こういう時代があった。それから競争時代に入り、国内国際線の仕分けというものも外してまいったというのが今日までであろう。  そういう意味では、我々の認識として、前段に今三社の競争力が十分かと言われまして、努力をしておりますとお答えしたわけでありますけれども、またある側面から見ればだんだん一人前に育ってきた、したがって、航空業界育成という側面は私どもはそろそろ外させていただいて、基本的に利用者の立場、消費者の立場という視点に変えていくべきではなかろうか、それを「公共の福祉」ということで表現をさせていただいたと思っております。  ただ、何回も申し上げておりますとおり、その結果として安全というものが損なわれることがあってはならない、公共の福祉の大前提が安全である、このように思っております。
  27. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 それでは、規制緩和と料金との関係についてお尋ねしたいと思います。  今回の法改正、つまり需給調整規制廃止に先立って、昨年九月にスカイマークが、そして十二月にはエア・ドゥ、二社が定期航空事業に新規参入したわけでございます。そのときは、路線によってですけれども、料金が半額であるとか三割安くなったということから大変話題を呼びまして、こちらの搭乗率というんでしょうか、非常に高い水準を保ったと伺っております。航空三社は、お客を取り戻そうということでそれに追随して、その時間帯に合わせて料金の低減を図ったというようないきさつがございます。その結果、大手三社はお客を呼び戻したのかもしれません。それから、新規参入二社については少し搭乗率が落ちたということからまたまた値上げの話が出てきているんですね。  料金の自由化というものは案外そういうものなのかもしれませんけれども規制緩和によって料金を低減するということにはちょっとつながっていないのではないかという心配をされるのが一つ。これにどう対策されるのでしょうかということが一つです。  それから、規制緩和の前に新規参入もできます、あるいは料金設定もできますということができるんだったら、何もそのための法改正をする必要はないじゃないですかと。つまり、今までは法律の問題というよりも、運輸省の裁量が実際にお客の利便をある面犠牲にし、あるいは料金を高目の設定にする環境をつくったんじゃないかというようにも考えられるわけですが、その辺の事情についてちょっと御説明いただきたい。
  28. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 先生指摘の、現在の需給調整を前提としている法制下でできたのではないかということでございますが、これはすべての路線でという話ではなくて、御承知のように、今回参入した二社というのは東京—福岡、そして東京—札幌という我が国でも一、二を争う一路線年間七百万人を超えるような大きな需要のある路線でございます。そういう中でございますので、一日三回の中型機を入れても需給バランスから見て問題はなかろうということ、その前提として事業計画が大丈夫だとか航空保安上大丈夫だとかそういうことはもちろんございますが、需給調整規制がございます現在の法制下でも需給バランス上問題がないということを踏まえまして免許をいたしたわけでございます。  また、運賃につきましても、市場占有率というのが一日三回ということでおのずと限界があるということで、既存会社との間で不当な競争が起こらないだろうと、そういうふうに考えまして、普通運賃について標準原価以下であれば下限なしに今までの普通運賃の半分近くの運賃を設定することを認めたわけでございます。  言いかえれば、今の制度のもとではやはりそういう大きな太い需要のある路線でなければそういう新規の参入というのはできない、今後路線ごとの免許というものが外され、需給調整がなくなれば、それ以外の路線についても参入が可能になり、また運賃も一定の範囲内で競争ができるようになる、こういうことでございます。
  29. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 問題は、新規参入会社と対抗するというのは、これは商売上のことですからあることだとは思いますけれども、このエア・ドゥなりスカイマークが飛ばしている時間帯に合わせて三社がねらい撃ちをしてきているというのは、考えようによっては新規参入会社を追い出そう、いじめてやろうというような意図すら考えられないことはないわけであります。不正な手段によって新規参入会社の参入を阻害するということになると、これは独禁法上の問題にもなるのであろうと思います。  きょうは公正取引委員会からも御出席いただいておりますので、お尋ねしますが、この四月に公取委が調査に動いたという報道がございましたけれども、どういう点で独禁法に触れるおそれがあると判断されたのか、あるいは一般論としてどういうケースだったら独禁法に抵触するのか、またもし調査されているとすれば現状どういう状態にあるのか、お尋ねします。
  30. 山田昭雄

    政府委員(山田昭雄君) 御説明いたします。  スカイマークとかエア・ドゥの二社が非常に低価格で参入した、それに対しまして御指摘のとおり既存航空大手三社が割引運賃等を設定する、そういうことにつきまして、独占禁止法上の評価なり考え方はどうかという御指摘でございますが、新規事業者の参入によりまして大手三社の搭乗率が低下する、そういった事態に対応するために大手三社の方も競争対抗的な行動をとっている、こう見られる面もございまして、その点に関する限り、直ちに独占禁止法上問題があるというようには考えていないわけでございます。  他方、大手三社の割引運賃の設定などの行為によりまして、先生指摘のように、新規参入事業者が市場から排除されるような効果が生じる、こういう場合には、その意図、行為の態様いかんによりましては独占禁止法上問題となり得るものでございます。  私どもといたしましては、市場における関係企業の行動や競争の実態というものを今推移を注意深く非常に関心を持って注視しているという段階でございまして、いわば独占禁止法の規定に基づきまして強制権限を使うとかそういうことで関係事業者から事情を聴取しているというような事実関係ではございません。一般的にそういう競争状況とか関係事業者の行動というのを非常に関心を持って注視しているという段階でございます。
  31. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 公正取引委員会にもう一つお尋ねしますが、報道によりますと、先ほどもちょっと触れましたように、一たんは料金を下げたんだけれどもまた七月から料金を上げる、ほかの三社も追随するんじゃないかというようなことを言われているわけです。こうした場合には、やっぱり何かおかしいなと国民の目から見ても思えるんですが、談合があるんじゃないかとか、相手を追い出すことを目的にやっているんじゃないかという懸念があるわけですけれども、七月から一斉にもし値上げした場合には、そのおそれはないですか。
  32. 山田昭雄

    政府委員(山田昭雄君) これもまさに先ほど競争対抗的な価格設定ということでございまして、新規事業者の方が上げるということに対しまして、大手既存事業者の方が価格をそれを見ながらいろいろ設定を考えるということでございまして、それ自身は競争的な価格行動というように見られるわけでございますが、それがどういうプロセスでこの三社が、七月からということですから、上げるのか上げないのか、どういう価格を実際にとるのかというのがまだわからないわけですが、どういう関係で上げようとしているのか、この辺もやっぱり関心のあるところでございます。  しかし、すぐそれでいわば独占禁止法の価格カルテルになるとか、そういう話というのは、相互に意思を連絡し合うというような要件でありますとか、あるいは競争を実質的に制限するというような要件がございますから、価格カルテルということでは直ちではないわけでございますが、やはり価格の設定というのはそれぞれの事業者が自由に決めていくという建前からすると、なぜ一斉にするのかというようなことは先生おっしゃるとおりいろいろ関心を持つところであろうかと思います。しかし、直ちに独占禁止法の規定に違反するというそういうものではないというように思います。
  33. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 公取、ありがとうございました。  運輸省にお尋ねしますけれども先ほどもちょっと言いましたけれども、この大手の値下げということですが、新規会社というのは少なくともサービスの改善をいろいろ行って、その結果コストを低減し料金を下げたといういきさつが伝わっております。にもかかわらず、大手の場合には具体的なコスト低減策をやったとは聞こえないうちに、とりあえず料金でぶつけるかというようなことが感じられるわけであります。  アメリカの例で見ましても、規制緩和によって多くの低運賃会社が参入するけれども、大手との運賃割引競争が激化することによって新規会社が次々と敗退する、結果的には大手の寡占化が進行するというような例があるわけであります。  我が国でも、今回運賃についても規制を緩和するということはいいわけでありますけれども、これが過度の運賃割引競争に走る、その結果が自由化までも阻害してしまう、寡占化を進ませるというようなことになってはいかぬと思うんですが、この辺の手当て、指導というのはどういうふうに考えておりましょうか。
  34. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 本題に入る前に、スカイマークの運賃がこれから値上げというお話でございますが、この点についてちょっと御説明させていただきたいと思います。  スカイマーク、エア・ドゥともに創業後、いわゆる開店のバーゲンセールというのは変な言い方ですが、新規に参入するので、自分の想定する価格よりより安くお客様を集めるために新規の割引をするということで、当初より三カ月後には引き上げをするということで我々話を受けておったわけでございます。実際に始めてみますと、快調であるので引き下げを三カ月じゃなくて引き続きやってきたという状況にあったという、新規会社としても営業政策上、思っていた以上に引き下げをして打って出たということがあったということをまず御理解いただきたいと思います。  それから、それに対して、先ほど公正取引委員会の方からございましたが、企業としてみすみすお客様が次々とられていくのを座して見守るわけにはいかぬ、どうしてもそれに対抗して競争せざるを得ない、そのために運賃引き下げをするということであったわけですが、先生指摘のように、それが結果として新規企業を排除してしまったり、それによってまた独占の利益を得ようということで追い出そう、略奪的な運賃を設定するとか、そういうことになってはいけないわけでございまして、今後、航空運賃について届け出制ということで自由化をいたしますが、例えば著しい運賃の引き上げをするとか略奪的な運賃設定をするとか、そういった場合については運輸大臣から変更命令を出すということで対応したいというふうに考えておるところでございます。  それから、外国の例でも、幾つかの航空会社がそういう略奪的な運賃ではないかということで司法省から訴えられているケースもあるやに聞いておるところでございます。
  35. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 運輸省にお尋ねしますが、法律改正した後、国内運賃設定に関して運用指針、いわゆるガイドラインをつくって、届け出運賃を変更する際にもその指針に従ってよしあし、命令を出すか出さないかを決めるやに聞いております。となりますと、このガイドラインをどういう条件で設定するかというのはかなり関心を持たれるところだと思いますし、また透明、公正であらねばならないと思っております。  そういう合理性だとか透明性だとかあるいは変更命令を出す際の手続とか、そういったものがきちんと行われるというのはどういうふうに担保されると考えていいでしょうか。
  36. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 先生指摘のとおり、変更命令発動の要件については、合理性も必要です、また透明性も高くなければいけないというふうに我々も思っておるところでございます。  そして、具体的な運用のあり方については、改正法を成立させていただけましたら、その後速やかに有識者から成る懇談会を開催いたしまして、その中身について検討、策定をしていきたい。その懇談会についても情報公開といいますか、オープンな形で議論をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
  37. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 規制緩和と安全性の確保ということに関連してお尋ねしますけれども、これは一部の心配する声かもしれませんが、規制緩和を進めるとどうしてもコスト競争が激しくなるだろう、したがって整備に手抜きが生じたり、パイロットの訓練不足が出てきたりはしないだろうかということを懸念する声があるわけであります。例えば、昨年からことしにかけて運輸省は全日空と日本航空に対して業務改善命令を出しましたけれども、その業務改善命令の対象になるような問題が生じないだろうかということを心配しているんだと思います。  この規制緩和をした後、安全に万全を期すという御決意のようでございますけれども、具体的にこうやるから大丈夫だということが言えるのかどうかということが一つ。  それから、安全というのは、乗ってみた結果安全だった悪かったというのじゃ困るわけです。どの航空会社のどの飛行機に乗るかということを事前にお客は選択できるということが大事な要素だと思います。ということは、航空会社の安全に関する情報というのは、あらかじめ公表されるとか、あるいは必要な情報は開示されるというような状態にしておくことも大事なのだと思います。  この二点についてお尋ねします。
  38. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 第一点目の、規制緩和をし、それによって競争が激化することによって安全に係るコストが削減される、そして結果として安全性が低下するのではないかということでございます。  我々は、先ほど大臣から申し上げましたように、輸送の安全の確保につきましては航空行政の最も重要な課題の一つであるということで、今回の法改正におきましても、需給調整規制廃止いたしますが、例えば参入許可の際の審査、それから運航管理施設等の検査についての規定は改めて整備いたしておるところでございまして、引き続き事前審査を厳格に行うことにいたしております。  また、事後におきましても、定期的な検査または随時の検査、こういったことを充実させることによりまして、輸送の安全に必要な事業者運航整備体制確保に万全を期していきたいというふうに考えておるところでございます。安全については緩めることなしにやるというのが我々の方針でございます。  それから、安全に関する情報の公開でございますが、これにつきましては、昨年五月に航空審議会から答申をいただいておりまして、「航空安全規制のあり方について」ということでその必要性がうたわれております。  それを受けまして、有識者それから航空関係者等から成ります検討委員会を行いまして、昨年十一月に具体的に公開する情報の範囲、内容、そして公開方法、これについて報告書をまとめ、今実施に向けて動いておるわけでございます。  運輸省としては、そのうちの運輸省分でございますが、航空安全に関する情報の公開を行うべく現在作業をしておりまして、本年度中に運輸省のインターネット上のホームページを通じて情報公開をしたいと思っております。  また、航空会社でございますが、日本航空は本年四月から自社のインターネット上のホームページを通じまして安全情報の公開を始めたところでございます。また、全日空それから日本エアシステムも近々、六月中ないしは八月中というふうに聞いておりますが、やはりインターネット上にホームページを設けまして安全情報を公開すると、そういう形で情報公開は進んでおる状況にございます。
  39. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 せっかく自由化をして航空運賃が下がる可能性が出てきたといっても、インフラが整っていないと実現しないわけであります。  伝えられるところによると、スカイマーク、エア・ドゥは全日空それから日本航空に今整備を委託しているようでありますけれども、この両社とも手いっぱいであるということで継続して整備を引き受けるかどうかわからないというような態度を示しているように伺っております。となりますと、このエア・ドゥ、スカイマークも実際には飛べないか、ないしは自前で整備部門を持たなければいけないということで、実質的にはまた締め出されるということにつながるのではないかと思うわけであります。  航空会社を取り巻く環境というのは日本とアメリカとは違うと思いますけれども、例えば新規会社がやっていかれるような整備会社を国の責任において、あるいは国の指導でつくるとか、あるいは大手に一定期間整備は引き受けるように義務づけるとか、もちろん妥当な料金を前提にしてということですが、そういうようなことは考えられないでしょうか。
  40. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 一般論で申し上げますと、既存会社がどういう形で整備をするか、外部に委託するのかそれとも自社でやるのか、そういったことは民間企業間の契約なり考え方に係る事項でございますが、今御指摘のスカイマークとエア・ドゥにつきましては、今後どういう形で整備の契約をするのか、また整備がどういう形で行われるのか、それについて現在鋭意話し合いをしておるというふうに聞いておるところでございます。  また、それを国として義務づけるとか、そこまで今必要なのかどうか。当然のことながら、今先生指摘のように整備が欠けても、また飛行場の容量がなくても新規会社というのは育成されない、すなわち競争が起こらないわけですから、そこは大事なことだと思いますが、今の段階で義務づけというようなところまでは考えていない状況にございます。
  41. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 ありがとうございました。
  42. 松前達郎

    ○松前達郎君 海上運送法改正案、これを中心に質問させていただきたいと思うんですが、今の寺崎委員とのやりとりを伺っていますと、学校でも子供のいじめというのがあるんですが、どうもそれに近いような感じを持ったわけであります。挟み打ちにしてその時間帯だけ航空運賃を下げていく。すべての時間帯を下げるのならわかるんですけれども、そうじゃないところから見るとまさにいじめじゃないか、こういう気がしてならないわけであります。これらの問題も今後大きな課題として取り組んでいただければと思います。  海上運送法に関連して質問させていただきますが、まず最初に、事業類型の改定に関連して、船舶運航業について三つの大きな区分があるのではないかと思うんです。その一つは、一定の航路を定めて一定のダイヤに従った運航を行ういわゆる定時制の路線。そしてもう一つは、旅客船か非旅客船か、船の種類によって区分をする。三つ目が、運送する旅客が特定の範囲に限定されているか否か、この三つに大きく分けられるんじゃないかと思うんですが、そのほかに自動車運送を行うか否かによる区分もある。こういうふうに私は拝見しているんですが、海上運送事業の姿が実際にどの区分にどんな船が充てられるのか、これがどうもよく見えてこないわけであります。  また同時に、一般旅客定期航路のうちに、中長距離フェリーや離島航路を除いたものが百七十三あるというのが資料には出ているわけであります。その他の航路ですね。旅客不定期航路のうち、遊覧旅客不定期航路を除いた四百四十六あるその他の航路、こういうのも出てくるわけですが、具体的にこれはどういうものを指すのか、この際確認をしておきたいので教えてください。
  43. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) この海上運送法でございますが、昭和二十四年に基本的にできた法律でございまして、その後日本のいろんな経済発展に伴いましていろんな事業形態などが出てまいりましたことから、利用者の利便性の確保競争の公平性、安全の確保といったいろいろな観点からいろんな事業類型が新たに出てきて、一見、先生のおっしゃるとおりなかなか複雑な定義でありますとか事業類型が出てきておるということで、恐縮でございます。  それぞれ詳しく御説明しますと非常に長いことになってしまいますが、今のことにお答えいたしますと、まず、ダイヤ、一定の日程表と航路を定めまして、旅客船、旅客船と申しますのは旅客定員十三人以上の船舶ということで定義しておりますけれども、これによりまして不特定多数の旅客を運送する事業類型、これを一般旅客定期航路事業と言っておりまして、これがいわば旅客運送の基本的な類型、一番重要な類型というふうに我々考えて海上運送の中でも位置づけられておるかと思います。  そのうち自動車航送を行うもの、いわゆるフェリーが出てまいりまして、新たに定義づけられまして、と申しますのは、当初、一般旅客定期航路事業は人が単独で乗り込むということを前提としておりましたけれども、自動車とともに乗り込む、そのための運賃など運送約款体系を特殊に決めないといけないというような事態が生じてまいりまして、一般旅客定期航路事業のうちではございますけれども、そのいろいろな違いをとらえて、自動車航送、いわゆる通称旅客フェリーを設定させていただいたわけでございます。  それから、ダイヤ、一定の日程表と航路を定めて旅客船により運航するという形態でございますが、一般的な不特定多数ではございませんで、例えば島にある造船工場に会社員を送り迎えするといったような特定の範囲の旅客を運送する事業類型を特定旅客定期航路事業というふうにとらえまして、これは一般大衆を相手にするものではありませんので若干緩めのいろいろのチェックで事業ができるようになっておるということでございます。  それから、ダイヤ、一定の日程表などはございません、まさに不定期でございますけれども航路を定めて旅客船による不特定多数の旅客を運送するという事業類型を旅客不定期航路事業というふうに設定いたしまして許可をしておる。これは先ほど申しました一般旅客定期航路事業との関係で、この旅客不定期航路事業が自由になるとなかなか一般旅客定期航路事業の方の事業維持が困難になるということで許可制に係らしめております。  それから、ダイヤと航路を定めてやっておりますけれども、いわゆる旅客船以外、と申しますのは旅客定員が十二人以下ということになりますが、により事業を営む形態を貨物定期航路事業というふうに定義しておりまして、その中でまた自動車航送、一応運転手とともに乗る、旅客定員はそれなりに十二名以下でありますので、そういったものにつきまして自動車航送貨物定期航路事業というものを定義づけましてチェックしておる。貨物フェリーと言っております。  こういったものが基本的な海上運送法での事業類型でございます。いささかややこしくなりまして恐縮でございますが、とりあえず御説明とさせていただきます。
  44. 松前達郎

    ○松前達郎君 今、最後に質問させていただいたその他の航路、一般旅客定期航路のうち百七十三ある、それから旅客不定期航路のうち四百四十六あるという資料をいただいているんですが、この「その他」というのは例えばどういうところなんでしょうか。
  45. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 失礼しました。  参議院の調査室で用意されました資料の四十九ページでございますが、一般旅客定期航路事業の中のその他百七十三という事業についての御指摘であろうかと思いますけれども、これはフェリーと離島航路でもないということになりますと、例えば湾内の輸送をしておるというような、湾の対岸同士とかそういったものが含まれるということになろうかと思います。
  46. 松前達郎

    ○松前達郎君 比較的近距離で特定の区域内の運航ということになりますね。  今回の改正で、今まで需給調整規制の対象外であった短期間人の運送をする不定期航路の事業のうち、年間運航期間が三十日未満で人の運送を行う場合は需給調整規制の対象外とされている。そういう不定期航路事業として区分をされていたと思います。運航期間の長短で規制の程度が違うというのは、これは不合理といえば不合理だと思いますが、区分見直しが行われたと理解をするわけですが、結果としてこれは許可制に規制が強化されているのではないか。これは私の見方が間違っているかもしれませんが、改正の経緯についてお伺いしたいと思います。
  47. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 先生に御説明をしていただきましたとおり、現在の海上運送法におきまして、不定期航路事業の中で、一定の航路に旅客船を就航させて人の運送をする不定期航路事業を旅客不定期航路事業ということで許可制に係らしめております。これは、先ほどちょっと申しましたが、一般旅客不定期航路事業という大衆を運ぶ旅客船との需給調整を行うという意味でございます。ただ、この際も、臨時的にシーズンだけとか何らかの特別の需要のためだけということで運航日数が三十日を超えないものにつきましてまで需給調整を行うことは過剰な規制になるのではないかという、この制度を設けましたときの国会での御指摘も受けまして、それは届け出制でいいことにいたしましょうということで、このような三十日を超えない旅客不定期航路事業については届け出制ということに相なった次第であります。  しかしながら、その後の運用状況を見てまいりますと、実は三十日ごとの届け出をしながら事実上は一般旅客定期航路事業でありますとかまたは旅客不定期航路事業というような、ちょっと言葉はきついかもしれませんが脱法的な実態が、そうたくさんではございませんけれども、事実が発生しております。  今回の法改正におきまして、この旅客不定期航路事業だけではございませんけれども、一般旅客を含めまして極力事業参入を容易な形に、旅客安全と利用保護規制を除きまして事業参入を容易にしようというふうにしておりますこととか、年間運航日数の多寡でありますとか旅客の多寡に応じて安全規制なり利用保護規制を変えることは好ましくないだろうということ。それから、このような臨時運航を含めまして、そういった事業計画の変更といったものが届け出ということでその手続が簡易化されるということで、全体的には許可制になるということで一見規制強化のようでございますが、実質的には先ほどのような脱法行為の防止と、同じ許可制の中でも非常に参入は自由でございますし、中での事業の自由性が確保できておりますので、規制強化には実質的にはならないというふうに考えております。
  48. 松前達郎

    ○松前達郎君 今の説明趣旨はわかりました。  次に、旅客不定期航路事業について、これは遊覧不定期と旅客不定期に一本化されたわけですね。また、この旅客不定期航路事業では乗り合い運送を原則禁止しているということでありますが、現実として定期航路維持が不定期航路事業にとって困難になる、そういう場合があったのかどうか、また今後生じるおそれがあるのかどうか、これについてお答え願いたいと思います。
  49. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 実は、このような不定期航路事業についての規制が始まりましたのは昭和三十年でございます。昭和二十四年に法律ができて、三十年でございまして、そのときの法改正理由として、そのような混乱が生じているというような、書類はございますけれども実態としては本当にどうだったんだというのは、ちょっと我々はそれを今あらわす資料は手元には持ち合わせてございません。  したがいまして、現在のところそういった規制をしておりますので、現在輸送秩序の混乱が起きておるというようなことはございません。  しかし、今回需給調整規制廃止されるということで、一方におきまして一定の日程表を決めて、スケジュールを決めて一定の航路で行われる一般旅客定期航路事業については、許可制という、安全と利用保護規制はきっちり見ますよという規制をかける一方で、不定期航路事業が一般旅客定期航路事業で集められたお客様を奪っていくというようなことが容易に予想されますので、乗り合い旅客輸送は一般旅客定期航路事業のみに行わしめるというふうに規定を変更した次第でございます。
  50. 松前達郎

    ○松前達郎君 次は貨物フェリーなんですが、これもちょっとよくわかりにくい。歴史的にもいろいろと内容的にはわかりにくいところがあると思うんですけれども、一般旅客定期航路事業として自動車を運んでいる旅客フェリーがあると今おっしゃったわけですね、自動車と人を一緒に運ぶフェリー。こういったフェリーの健全な発達に影響を与える、そういうことだろうと思うんですが、需給調整規制の対象になっていたと思うんです。  しかし、内航RORO、これはロールオン・ロールオフという意味ですからローローと言っていいと思いますが、この貨物船が船腹調整対象であったのに、貨物フェリーは対象外とされる。航路三百キロ以上の長距離貨物フェリーの昭和五十八年以降の許可が行われていなかったために、かえって長距離貨物フェリー業者を保護する結果となっていたんではないだろうか。  今回は規制緩和に伴って貨物フェリーが自由に旅客フェリーに参入できるということになると思いますから、貨物フェリーの類型を廃止するということになると思います。貨物フェリー、旅客フェリー、内航ローロー船の相互関係あるいはその歴史というのは、先ほど冒頭に申し上げたように理解しにくい面があるんですけれども、それぞれの、歴史的な経過等も含めて、また今後の姿について簡単でいいですから説明していただきたいと思います。
  51. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 旅客フェリーと申しますのは、先ほど申しましたように、旅客定員十三人以上の船で自動車も運ぶというものでございます。一方、旅客定員十三人未満、十二人以下で自動車航送をするといったものを貨物フェリーと称しておりますが、実際には旅客も運びますために旅客フェリーとの需給調整を行う必要があるという観点から、これも途中でこのような許可制に係らしめるという規制がしかれた次第でございます。  それで、内航ローロー船につきましては、法律上の定義の言葉ではございません。ただ、海上運送法上どういう範疇に入るかと申しますと、定期的に行いますものは貨物定期航路事業でございますし、不定期に行うものは不定期航路事業でございます。それで、両方とも届け出でよろしいという非常に緩やかな規制に海上運送法上なっておりますが、一方で内航海運業の発展を図るという意味で内航海運業法というのが別にございます。そこで内航海運業の許可を受けなければならないということになっておりまして、一方で許可をし、一方で届け出をするというのは二重規制になりますので、内航海運業法におきまして許可を受けた事業者にあっては海上運送法上の届け出は不要であるという調整がされております。そういった内航ローロー船でございます。  形の上では、自動車がそのまま入っていくという意味では貨物フェリーと内航ローロー船とはそういった意味での違いはない。契約上の違いとかいうのは説明しますといろいろ細かくはございますけれども、端的に申しますと、フェリーは運転手さんも一緒に乗ってそのまま輸送されるということでございますが、内航ローロー船は、トレーラーでもちろん船内に入りますが、荷物を積んだシャシーだけを置きまして、トレーラーだけまた出てきてシャシーをどんどん積みおろしするといったような形態の違いはございます。  今回、貨物フェリー事業につきましては、需給調整をそもそも撤廃するということでございますので、旅客フェリーとの調整をする必要がないということで事業類型も廃止することに至ったということでございます。
  52. 松前達郎

    ○松前達郎君 それでは次に、安全確保の問題について質問させていただきたいと思うんです。  海上人命安全条約というのがありますが、これは一九七四年に締結された国際条約であります。一九九四年に改正をされているんですね。そして、この条約の附属書に追加された第九章第六規則というのがありますが、締約国政府または主管庁から認められた機関は、国際安全管理コードに従って保持されなければならない運航管理制度が適切に機能しているかどうかを定期的に確認しなければならない、こういうのがあるんです。  そこで、この国際安全管理コードに基づいて事業者は自己の責任において安全管理システムを策定して実施、維持しなければならないというふうに私は承知しているんですが、その進捗状況、現在ではどうでしょうか。  そしてまた、この改正案の運航管理規程と船舶の安全運航海上人命安全条約に基づく安全管理システムの規定制定の関係、これはあるのかどうか、これについてお聞かせいただきたいんです。
  53. 谷野龍一郎

    政府委員谷野龍一郎君) お答えいたします。  先生質問国際条約に基づく規定の実施状況について、私の方からお答えさせていただきます。  御指摘のとおり、国際条約に基づく国際安全管理コードの施行時期というのは船舶の種類によって異なっておりまして、旅客船あるいはタンカーなどは既にその時期を過ぎておりますが一九九八年七月一日から、それから一般の貨物船は二〇〇二年七月一日から施行される、こういうことになっております。  したがって、先生の御質問趣旨は、既にその時期が来ております旅客船、タンカー等についての実施状況と理解いたしましてこれについて御報告申し上げますと、まず、制度としては、船舶安全法に基づきまして法制化をいたしております。  具体的には、船舶所有者等による船舶の安全管理に係る事項を記載した安全管理手引書を作成いたしております。そして、これらを含め、その体制について運輸省による検査を実施いたしております。これまでに約百四十隻の船舶を実施いたしておりまして、適用の対象になっておりますすべての船舶についての措置は終了いたしているということでございます。
  54. 松前達郎

    ○松前達郎君 これは、実は私もその責任者の一人として、運輸省の皆さんから大分いろいろと言われたので今質問させていただいたんですが。  運航安全のための管理規程、この作成と遵守の義務というのは確かに船舶所有者にあるわけです。これは当然だと思いますが、この確認というのはこれからも大変だと思うんです。一回やればそれでしばらく大丈夫だというわけじゃなくて、定期的に確認しなければならないわけであります。  運輸省として、規制緩和の後の海上交通状況の把握、安全性確保の有効なチェック、これも大変だと思うんです。これについてどういうふうにするつもりなのか、もし案がありましたらお聞かせいただきたい。
  55. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 運航管理規程につきまして、先生指摘のとおり、船舶運航事業者が定めるということになっておりますが、基本的な標準パターンにつきましてはそんなに事業者によって変わるべきものではございませんので、運輸省の方で標準的パターンを決めさせていただきまして、あと特殊な事情がそれぞれの事業者にあれば追加して決めていただくというようなことで、すべての事業者にこのような運航管理規程を決めていただきたいと思っております。  そのチェックはどうするのだ、大変な人手がかかるのではないかという御指摘であろうと思います。  基本的には、性善説と申しますとあれでございますが、届け出を受けるということでチェックをいたしますけれども、さらに、本当にそれを遵守しているのかどうかといったようなことにつきましては、やはり事故を起こした事業者、それから何か不安全な状況があるという情報の入った事業者につきましては特に集中的にやるということで、安全チェックの効率性ということも考えてチェックしていかなければいけないと思っております。  今後は、市場原理による競争が激化いたしますと、安全性というものが時におろそかになる可能性なきにしもあらずでございますので、我々運輸省職員、ぜひ全力を挙げて遺漏なきよう期したいというふうに思っております。
  56. 松前達郎

    ○松前達郎君 平成九年の総務庁の海上運送に関する行政監察、これに免許に関しての問題点がたしか指摘されたと思うんです。需給調整規制のもとにおいての問題指摘だったんですから、今後はそういう体制下でなくなるわけであります。廃止されますと、審査のハードルがあるいは低くなる可能性もある。最終的にはこれは利用者に迷惑がかかることも考えられるわけですが、今ちょっとおっしゃいましたけれども、こういう事態が起きた場合に運輸省はどういうふうに対応していくおつもりなのか、お聞かせください。
  57. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 先ほど指摘になりました勧告は、基本的には、免許制がおかしい、直すようにということでございます。我々、そういうことも含めまして需給調整規制を撤廃することになったわけでございますが、安全規制につきましてはいささかも基準を緩めるというつもりはございません。  それで、事故が起こった場合はどうするんだという御指摘でございますが、我々は、とにかく事業者の御努力も含めまして、事故の起こらないように指導していきたいと思っておりますが、そのときには厳正な対処をいたしたいというふうに思っております。
  58. 松前達郎

    ○松前達郎君 それじゃ、規制緩和が及ぼす影響に関して最後に二つほどお尋ねしたいんですが、衆議院で、「需給調整規制廃止に伴う競争により船員の雇用不安を来さないよう、船員雇用施策の拡充を図ること。」、こういった附帯決議が行われていると思います。運輸省として具体的にどういう考えをお持ちなのか、それが一つ。  それからもう一つは、政府の行政組織のスリム化計画では、国立病院あるいは自動車検査など九十の機関、業務を独立行政法人に移すということにしていると思います。この中で、二〇〇一年四月には、海技大学校、それから航海訓練所、海員学校、航空大学校等が独立行政法人に移行すると聞いていますけれども、この場合のメリット・デメリットについて、また今後の船員教育のあり方等について所見をお伺いいたしたいと思います。
  59. 谷野龍一郎

    政府委員谷野龍一郎君) お答え申し上げます。  まず、最初の御質問でございますが、運輸省といたしましては、船員の生活保障のみならず、海上運送業の健全な発展あるいは健全な運営を維持するということは、船員の安定した雇用の維持というものが最重要であると認識をいたしております。  今回の海上運送法改正は、国内旅客船事業に係る需給調整規制を撤廃しまして、国内旅客船事業の活性化を促すことを目的とするものでございます。したがいまして、我々としては、直接的な雇用不安の問題を生ぜしめることはないだろうと考えておりますが、万一雇用不安の問題が生じた場合には、船員職業安定法に基づく職業紹介あるいは職業指導等の適切な実施は当然といたしまして、財団法人日本船員福利雇用促進センターの技能訓練制度等を活用した船員の雇用対策についてもその充実強化を図ってまいりたいと考えております。  それから、二点目の御質問でございますが、海技大学校等船員教育機関の独立行政法人制度の問題でございますが、業務運営の自主性、自律性を独立行政法人制度は付与するとともに、客観的な評価を行うことにより業務運営の効率化とか質の向上を目的とするものだと理解をいたしております。したがいまして、運輸省としましては、こうした制度の趣旨を踏まえまして、独立行政法人の設立に必要な個別法案の企画立案を初め、船員教育機関の独立行政法人化に向けた具体的な検討を行ってまいりたいと思っております。  また、今後の船員教育のあり方につきましては、海運をめぐります国際的あるいは社会的な情勢変化の中で、若く優秀な船員を確保していくというのが当面の一番大きな課題になっております。  こうした課題に対処する観点から、昨年の七月に海上安全船員教育審議会に今後の船員教育のあり方について諮問を申し上げたところでございますので、こうした課題への対応をその答申をいただいて検討するほか、あわせて独立行政法人化を踏まえた船員教育体制のあり方につきましても、同答申をいただいた暁には、それを参考にさせていただきまして、教育の効率化あるいは質的向上について努めてまいりたいと考えております。
  60. 松前達郎

    ○松前達郎君 終わります。
  61. 小林元

    委員長小林元君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時三十一分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  62. 小林元

    委員長小林元君) ただいまから交通情報通信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、海上運送法の一部を改正する法律案及び航空法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  63. 森本晃司

    ○森本晃司君 今回の航空法改正によりまして、航空会社新規参入については、路線ごとの免許制から事業ごとの許可制というふうに規制緩和されて、需給調整規則に基づく審査廃止するということになりました。  そこでお伺いするんですが、この廃止によって航空会社新規参入がどの程度促進されるか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
  64. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) まず、基本的な認識でございますけれども、今回、規制緩和法案、需給調整廃止の法案を御議論いただいております。ただ、業界によってかなり違うんだろうと私は思っております。  例えば、かつてのトラックのような話でありますと、もともと民間がやっていた領域で、そこを需給調整なり規制なりということで業界秩序、これを基本にやってきた。そこを開いて自由競争ですよということですから、随分数がふえた。これは間違いないと思うんです。一方、例えばJR、国鉄でもともと国がやっていた、先ほど議論いたしましたけれども日本航空、もともと国がやっていた、その分野を民営化し、そしてだんだん開いてきた。もともと国がやるということにはやっぱり理屈があって、多分なかなか市場への参入が難しい部分であるんだろうと思っています。  そういう意味では、航空関係もだんだん門戸を開きながら各社が力をつけながらやってきておりますし、スカイマーク、エア・ドゥみたいな例があるわけであります。ただそこには、鉄道の場合にも申し上げましたけれども、ただ規制緩和をしたからどんどん入ってきますよということではないんだろうと。そういう意味で、今回その担保として混雑空港における新規会社への発着枠確保、こういうものを一つ入れながら新規参入というのを促進してまいりたい。  今、私ども聞いておりますのは、沖縄や福岡を拠点としたローカル路線、小型機でというような話が現実の話としては届いているところで、ただ、今申し上げたように少し、午前中は整備の問題も議論いたしております、そういう仕掛けをつくってやらないと必ずしもどんどん出てくるという話につながらないかな、こう思っております。
  65. 森本晃司

    ○森本晃司君 アメリカでは一足先に、七八年に航空会社規制緩和法が成立しまして、参入規制については八二年に、運賃規制については八三年にそれぞれ完全自由化されたわけでございます。この間、規制緩和によって航空会社の数が百を超えたという状況であったようですが、やはりそれに伴い競争激化が起きまして、後に寡占化が進んで、九一年に六十六社まで減少している状況であります。航空運賃については競争による運賃低廉化が進みましたが、寡占化が進んだ現在では逆に高騰化している路線もある、このようにも聞いております。  運輸省としては、アメリカのこういった状況、歴史についてどのように分析されておられるのか。あるいはまた、これもなかなかお答えいただきにくいことであるかと思いますが、我が国航空需要から勘案いたしまして運輸省は、日本航空会社の数は、会社の規模にもよりますが、大体どの程度と考えておられるのかお伺いいたします。
  66. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 第一点目の米国におきます規制緩和でございますが、これをどう見ておるかということでございます。  この米国の規制緩和の評価はいろいろございます。いい面としては、参入機会が増大した、そして競争が促進されたということで、運賃水準が低下しました。また、合理化、効率化によって米国の航空企業の競争力が向上した、そういう面がございます。他方、路線によっては、今先生指摘もありましたが、寡占化ということも起こっておりまして、普通運賃の上昇といったそんなマイナス面もそれぞれ指摘をされておるところでございます。  我が国においても、今回、需給調整規制廃止することによりまして自由な競争を促進するということになりますが、我が国の場合は、米国とちょっと違いまして、例えば空港制約があるなどいろいろな特殊性もございます。そういったことで、先ほど大臣からも御答弁いたしましたように、例えば新規航空会社に優先的な枠を混雑空港については与えるとか、政策的な枠を設けるとか、そういったことも考えなければいけないのかなというふうに思っております。  それから、お尋ねの第二点目の航空会社の数でございますが、数を幾つかということ、これはなかなか数字で定量的にお答えしにくいんですが、我々こういうふうな感じを持っております。  一つは、やはり航空産業にはいろいろ技術的課題、整備の問題もございます。そういったものもありますから、米国のように多数の企業が次々と参入してくる、そういったことはなかなか考えにくい。  他方、競争促進、今回この法律一つの目的ですから、その競争促進という面からすると、余り数が少なくて競争が起こらない寡占状態というのはこれまた困るなということで、いろいろな今回の法律の御議論の中でも我々お答え申し上げていますが、そういう新規事業者が入る余地をつくり、またその中で競争をし、よりよいサービスがより安く提供できるようにしていきたいというふうに思っております。  それで具体的には、数の面で言いますと、最近大手航空会社が分社化を図ろうとしている、それから地域の航空会社の設立が先ほども申し上げましたようにあるというふうなこともありまして、これが最終的にはどのぐらいになるのかというのはなかなかちょっと言いにくいな、逆にマーケットで決まってくるのかなというような気もいたしているところでございます。
  67. 森本晃司

    ○森本晃司君 そういう状況の中で、やはり新規参入会社育成をしなければならないと思うんです。せっかくこういう規制緩和をやって、その逆の方向に行ったのでは利用者にとっては必ずしもよいことではないと思うんです。  規制緩和の推進によって、これはもう今も大臣がおっしゃいましたし、去年相当テレビでにぎわいましたが、スカイマークエアラインズが羽田—福岡、それからエア・ドゥが羽田—札幌に新規参入をいたしました。いろいろとサービスの合理化やコストの低減を図りまして大手の航空運賃の半額もしくは三割安ということでございまして、九九年二月の搭乗率は八〇%台を超えていたということでございます。これに伴って今度は大手航空会社運賃を割引したという状況になりまして、新規会社スカイマークの搭乗率は一時六〇%台にもなったということでございます。  また、新規参入会社にお客を奪われた大手会社新規会社航空機整備受託契約を打ち切るかという検討を行ったようでございますし、スカイマークはどうやら七月から運賃値上げを決定するというようなことで、新規会社の安い運賃維持というのは非常に困難になってきたように思われるところであります。  規制緩和の目的というのは、今も申し上げましたけれども航空会社競争促進によって運賃低下をもたらして利用者の利便の向上を図ることにあるわけでございますが、しかしながら、大手航空会社新規会社に対する運賃割引競争あるいは整備契約打ち切り問題というのは、新規航空会社に追い出しをかけているような状況になりかねないと思われます。  一方で、安全部門の根幹である整備既存他社に依存する体制自体が問題であるという意見もございますし、航空の安全対策の基本である運航整備のあり方について、特に新規参入会社整備体制の確立について運輸省はどのように考えておられるかお伺いいたします。
  68. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 今回の法律改正の目的が、新規会社が参入し競争が起こる、そしてそれによってよりよいサービスが生まれてくる、そういうねらいであるわけですから、新規会社が参入できなければそこの効果は半減してしまうということでございます。  そういう意味で、従来も新規参入を容易にするための方策をとっておりましたが、今回の法律改正の中でも、羽田等の混雑空港について発着枠配分管理に関して新規会社に優先配分を行うとか、航空運賃についても、運賃は原則として自由ということで事前届け出制に移行しますが、一方で差別的な運賃とか略奪的な運賃設定、すなわち新規航空会社を追い出す結果を生むような運賃については、公正競争確保の見地から、個別の状況に応じて変更命令を発動できるという、そんな仕組みを用意したわけでございます。  そして、先生御心配されておられます整備の問題でございますが、現在、スカイマーク、エア・ドゥともに全日本空輸そして日本航空との間で整備委託契約の更改といいますか、今後についての話し合いをやっておりまして、その結果を待つ必要があるかなというふうには思っております。ただ、これは大きな流れとして、例えば既存会社も既に海外整備というようなことも一部で始めておるわけでございまして、そんなことも頭に入れていくのかなと。  いずれにしても、この整備の問題というのは新しい航空会社が出られるかどうかの一つの大きなポイントになっておりますので、公正競争確保の見地から、我々としても関心を持って見守っていきたいというふうに思っておるところでございます。
  69. 森本晃司

    ○森本晃司君 次に、航空機事故の問題でございます。  事故、アクシデントは今まで当然報告され、あったわけでございますが、今度の改正で重大インシデント、事故発生につながっていくおそれのある場合は運輸大臣に報告をする、こういうことになっていくわけでございます。航空事故を未然に防ぐためには、やはり事故に至るまであるいはそのおそれのある問題に関して調査研究を推し進めていかなければならないと思っています。  今報告された重大インシデントの調査というのは将来的には事故調査委員会で行われるということになるわけでございますが、それには法改正の必要があるということで、当分の間運輸省航空局で行うということになっております。調査体制整備が不十分であると思いますし、重大インシデントの機長報告を事故防止に生かすために、迅速な調査体制整備が大きな課題になるわけでございます。  重大インシデントの具体的内容については運輸省令で定めるということにしていますが、その定義については国際標準にやはり合わせていかなければならない、このように考えておりますが、その点についてお伺いいたします。
  70. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 重大インシデントの定義でございますが、先生指摘のように国際的にばらばらであってはいかぬわけでございまして、我が国の場合も国際民間航空条約の附属書の十三というところに例示が挙がっているわけですが、その附属書の中で定義がされております。事故には至らなかったものの航空機運航の安全に影響または影響するおそれのあるものであって、ほとんど事故となりかかった事態、これが定義でございまして、我々としてもこれを国内法に引いてまいりたいというふうに思っております。  そして、この附属書の今申し上げたガイドラインが示してあるわけでございますが、重大インシデントというのは、例えば地表面との衝突を危うく回避した事態、そういった例を含めまして幾つかの具体的な事例も挙がっているわけでございます。我が国におきましても、この国際標準に合わせて、重大インシデントの内容を具体的に運輸省令の方で定めていきたいというふうに思っておるところでございます。
  71. 森本晃司

    ○森本晃司君 次に、旅客機の安全情報開示についてお尋ねを申し上げます。  九九年度中に旅客機の安全に係る情報公開制度が開始されることになります。運輸省は安全確保のための技術的な規則、国内で起きたニアミスや事故状況、その原因と改善策等の情報を公開し、航空会社は欠航率、安全性向上策等を公開することになっております。  今、他社に先駆けまして日本航空が、欠航率やその原因などをインターネットのホームページで既に情報公開をしているということでございますが、航空会社にとっては、事故が起きたということが航空会社のイメージダウンになるのではないだろうかということで、なかなか情報公開には積極的になりにくいのではないかと思うんです。そういうことが予想されるわけでございますが、やはり航空会社が積極的に安全情報を公開するような方策が必要ではないか。  また、航空業界は極めて専門用語が多いために、情報公開されても、なかなか私たち国民にはその安全性、今こういうことを言っていますよということについてわかりにくい部分がある。したがって、公開するについても、国民にわかりやすいような説明情報公開をする必要があるのではないか、このように思いますが、お伺いいたします。
  72. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 航空の安全に関する情報の公開については、今先生指摘のように、航空会社では日本航空が本年の四月からインターネットにホームページを開きまして安全情報を公開しているところでございます。また、航空会社としては、全日本空輸そして日本エアシステムでも近々、全日空は六月中と聞いております、また日本エアシステムは八月中というふうに聞いておりますが、同じくインターネットのホームページをつくりまして、そこに安全情報を公開する予定というふうに聞いております。  今先生指摘のように、情報公開してもわかりにくいのでは意味がないわけでございまして、一般の国民の方々にわかりやすく説明するよう我々としてもそういう点には注意を払っていきたいというふうに思っております。  また、運輸省の方につきましては、昨年五月の航空審議会の答申に従いまして、運輸省としても航空安全に関する情報の公開を行おうということで、現在作業をいたしております。本年度中に運輸省のインターネット上のホームページをつくりましてそこに我々の情報を公開していきたい、その際には一般国民にわかりやすいという点には留意をしていきたいというふうに思っておるところでございます。
  73. 森本晃司

    ○森本晃司君 関西空港についてちょっとお尋ね申し上げたいんです。  関空は九四年九月に日本初の二十四時間空港として開港いたしました。もう五年になるわけでございます。当初、利用者は順調に拡大したようでございますが、近年の不況によって開港四年目の利用者は初めて前年度を下回ったということでございます。現在、二本目の滑走路をつくる二期工事に着手しておりますが、供用開始によって年間発着数十八万回が可能になるという状況にあるわけでございます。  まず、二期工事について、昨年末懸案だった漁業補償について地元漁協と合意に達して着工準備に入っておりますが、現在の状況はどうなっているのかということをお伺いいたします。
  74. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 関西空港の二期事業、二本目の滑走路整備でございますが、平成八年度から上下主体分離方式により着工しているところでございます。御指摘のように、ことしの初めまでに関係の漁業組合との漁業補償についての話もつきまして、関西国際空港株式会社より運輸大臣に対して航空法に基づく飛行場施設変更許可申請が出されて、現在審査中でございます。また、これは埋め立てを伴いますので、関西国際空港用地造成株式会社より大阪府知事に対し公有水面埋立法に基づく埋立免許の出願がなされているところでございます。これらの手続が終了後、現地着工、すなわち現地で工事を始めるということになる予定でございます。  なお、埋立免許につきましては、大阪府知事より運輸大臣、建設大臣に対しまして三月三十一日に認可申請が出ております。そして、四月二十八日には両大臣から環境庁長官に環境問題での意見照会をしておる、そんな状況にあるわけでございます。
  75. 森本晃司

    ○森本晃司君 同じく関空が昨年十二月に混雑解消に向けて検討を重ねてきた陸上飛行ルートの導入が地元との合意に達しまして、運用が開始されました。新ルート導入によって年間十六万回までの発着が可能となったことを受けて、ことし三月から新たな発着枠を増加しましたが、これによる効果はいかがなものかということをお伺いします。
  76. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 御指摘のとおり、三月十三日から発着枠が、今まで一時間当たり二十六回でございましたが、これが二十八回にふえました。その結果として、今まで利便性の高い時間帯、午前中とか夕方という時間帯は満員だったものですから、例えばタイ国際航空はその時間に入れないものですから午前一時五十分に出発をしておった、それが余裕が出ましたので今回午後七時三十分の出発に変わるというようなことで、お客様の利便の向上が図られたというふうに思っております。  また、発着枠拡大によりまして新規路線も、例えば日本航空のシカゴ線であるとか日本エアシステムの昆明線、西安線、こういったところが三月から五月にかけて新たに開設されたという、そういった効果が出ておるところでございます。
  77. 森本晃司

    ○森本晃司君 先ほども申しましたが、近年の不況で利用者は減少しております。便数ですが、増加傾向にあったのが頭打ちになりまして、昨年の冬のダイヤ、それからことし夏のダイヤでは便数が初めて前年度より減少するということになっています。航空会社の不採算路線の整理によって路線の運休が相次いでおります。今後の経営はますます厳しい状況になっていくのではないかと思いますが、運輸省はどのように見通しておられるのかお伺いします。
  78. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 関西空港の国内線、国際線の便数でございますが、先生指摘のように、国内線につきましては平成十年度、国内景気低迷もございまして対前年度八%の減となりました。他方、国際線の便数については、対前年度比二%の増加ではありますが、これまでの伸びに比べると鈍化をしておる。この結果、平成十年度におきます関西空港株式会社の営業収入のうち航空会社からの収入、航空系の収入でございますが、これが平成六年の開港以来初めて対前年で一・五%でございますが減少になったということでございます。  このような状況も踏まえまして、関西空港株式会社におきましては、国の内外におきまして積極的にポートセールスを行う等増収策を行っていますし、また経費の節減を図るべく今努力をしておるところでございます。
  79. 森本晃司

    ○森本晃司君 次に、海上運送法改正についてお伺いいたします。  まず最初に、海上運送におけるバリアフリー化の問題についてお尋ねをしたいわけでございます。  船を利用する場合船着き場の使用が前提となるわけでございますが、大きな港ならばまだしも、高齢者が多いと思われる離島や普通の港でも、障害者やあるいは子連れの旅客など移動制約者にとって、波で上下する船への移動というのは極めて危険を伴うことがあります。  鉄道のバリアフリー化は、まだまだ十分ではございませんが一定の進展を見ている一方で、国内旅客船は、乗降施設等々あるいは船の中のトイレ、そういったものもおくれているような気がするわけでございます。移動制約者による旅客利用の一層の円滑化を促進して利用度を高める上からも、ターミナルまでのアクセスの整備、それから船舶を含めた障害者用トイレの整備に対する助成金の交付やあるいは税制措置、改善費用の手当てなど行政側の支援が必要ではないかと考えます。  現在の整備状況について説明をしていただきたいと思いますし、また最近、運輸施設整備事業団が三年かけて調査研究した結果がまとまったと伺いますが、そのポイントを簡潔に御紹介願いたいとともに、運輸省はこのような調査研究の成果をどのように実行に移していくかということをお答えいただきたいと思います。
  80. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 先生指摘のように、高齢化社会の到来、また障害者の社会参加の要請ということから、バリアフリー化というのは船舶関係につきましても必要だと我々認識しております。運輸省全体といたしまして、平成六年三月に、公共交通ターミナルにつきましての施設整備のそういった意味でのガイドラインを策定しておりまして、旅客船のターミナルにつきましても所要の施設整備を進めるということで、関係団体の援助もいただきながら施設整備を進めておるところでございます。  船舶そのものにつきましてでございますが、先生指摘の運輸施設整備事業団がバリアフリー設備に関する調査研究を行っておりまして、一定の成果を出しております。例えば、乗降口に身障者用の車いすでも通れるような幅をきちっととっておくこととか、スロープの関係でありますとか、そういったことなどでございますけれども、我々といたしましては、そういった成果も参考にしながら、今後そういったことを運輸省としてのガイドラインでどの程度できていくのかというようなことを検討していきたいと思っております。  財政的な支援ということは、内航船舶そのものについて直接的なものはございませんけれども離島航路に就航する船舶につきまして固定資産税の軽減措置というものをやっておりますけれども、十一年度からはこういったバリアフリー化を措置されたものについては固定資産税の軽減措置を拡大するといったようなこと、全体的には金銭的にはわずかな効果でございますけれども、こういったことも含めまして支援を続けてまいりたいというふうに思っております。
  81. 森本晃司

    ○森本晃司君 これから新規参入あるいは規制緩和という形でいろんなことが行われますが、ぜひそのことによって、バリアフリー化が後退するのではなしに、むしろバリアフリー化が進んでいくという方向に願いたいと思います。私どもでも船の乗りおりはやはり怖いと感じることが時々ございます。ぜひバリアフリー化を推し進めていただくことをお願いいたしまして、いろいろと通告しておりましたが、私もこれで終えさせていただきます。  ありがとうございました。
  82. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 質問いたします。時間が短いですので答弁はぜひ端的にお願いしたいと思うんです。  今回の航空法改正は、参入廃止についての規制の撤廃、運賃の自由化、安全規制の緩和など、安全という点でも生活路線を守るという点でも極めて重要な内容だと考えます。  航空新規参入については、この間既に先取り的に昨年九月にスカイマークエアラインズ、さらに昨年末には北海道国際航空、エア・ドゥが参入をいたしました。この参入は、スカイマークの羽田—福岡線は大手の半額の一万三千七百円、エア・ドゥの羽田—札幌線は大手が二万五千円だったところを一万六千円、三六%引きという格安運賃で参入したことで一気に値引き競争が加速してまいりました。  運輸省はこの航空運賃の例を規制緩和の最大の効用のように言っておりますけれども、私はまず、この二社がなぜ参入できたのか、そしてなぜこんなに安い運賃を実現できたのか、ここをはっきりさせる必要があると思うんです。  大きく言って理由二つだと。一つは、東京—福岡、東京—札幌というまさにドル箱路線と言われた高収益の路線への参入だったということ。二つは、航空事業にとって不可欠の二つの柱と言われる運航整備のうち、整備を持たずに参入したということ。運輸大臣も衆議院で、「今回の新規会社が出てくるに当たって、整備既存会社が引き受けてくれるという前提の中で出てきた。」、こう答弁をされていますが、まさにこれが大きいと思うんです。  このように、初めから整備の委託を前提にした会社、委託がないと成り立たない会社が生まれてきているということなんですが、今度の法改正をやられるならば、こういうことはもっとフリーになる、ドル箱路線にだけ整備体制も持たずに参入する、こういう事例がふえると思うんです。安全上の問題また運賃の不当なダンピングという問題が起こるのではないか。運輸大臣の認識をお伺いしたいと思います。
  83. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、鉄道という分野、それから航空という分野、昔は国が直接やっておりました。そういう意味ではなかなか新規参入会社というのは少ない、出にくい業界であることは私は間違いないだろう。そういった業界の中で、市場原理というものにゆだねながら国民に対していいサービスが提供される、いい競争の結果その果実が国民にもたらされる、こういうもとで私ども施策を進めさせていただいているところであります。  ただ、鉄道のときにも御論議いただきましたように、何らかのやはり全体的な支援措置というものがなければそう新規参入業者というのはふえてこない、航空の場合もそういうふうに私どもは認識しております。  したがって、法案に書いてありますように、混雑空港というものについては優先的に一部枠をつくって新規参入会社に渡していく、こういう仕組みをとらせていただいているところでございます。そして整備も、そういうものを前提としながら今日まで進んでまいりましたけれども、今整備を引き受けている会社とエア・ドゥ、スカイマークの中でいろいろな議論が行われておる。それから、先ほど局長の方から海外整備という問題、もしくはエア・ドゥ、スカイマークで共同して整備会社をつくっていく、こういうような話もいろいろ議論をされているところでございます。
  84. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 そこで、その整備の委託の問題についてお伺いしたい。  この二社が低運賃を実現した背景に整備の委託があるということはお述べになったとおりです。スカイマークエアラインズでは、昨年九月の就航開始まではスチュワーデスやパイロットの訓練も全日空が実施をしてきた。その後も航空機整備や空港カウンター業務を全部全日空が有料で請け負っております。同時に、日本航空新規参入したエア・ドゥの機材整備、カウンター業務も受託をしております。  報道によると、全日空はスカイマークとの間で結んでいる航空機整備受託契約を契約期限の来年半ばで打ち切る検討を始めたと言われておりますが、株主や取引金融機関から、売り上げの足を引っ張るライバルに協力すべきでないとの批判があったためだとされています。全日空は労働組合との交渉の中でも、スカイマーク参入によって、羽田—福岡線で二百億の売り上げ減という数字も出しておりますし、月五億程度の影響とも言っております。  第一、これは後で質問いたしますけれどもJALANAは自分のところの航空機整備を海外に委託しております。自分のところの航空機を海外に出しながら、この二社の航空機整備をやっている。おかしな話だというふうにも思うんです。  いずれにせよ、運輸省はあくまで民間契約だということのようですけれども、それではこの契約が解除された場合どうなるのか。二つ新規参入会社整備体制を持っていない以上、残された道は海外に委託するしかない。  そこで、今回の法改正では整備の管理まで含めた委託が可能となっておりますけれども、そうなるとこの二社は運航だけを行う航空会社となります。また今後、そういう事業者運航だけで整備を一切しないという事業者が参入してくることになると思うんですが、いかがですか。
  85. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 今回、管理の受委託の制度を創設するわけでございますが、この管理の受委託の許可制度におきましては、当該許可を行うに当たりまして、受託者の安全確保の能力があるかどうか、それから委託者及び受託者の責任の範囲が明確であるかどうか、こういったことをきちっとチェックすることといたしておりまして、委託及び受託が輸送の安全を確保するために適切なものであるという審査をした上で許可をしようということになっております。すなわち、そういった問題がある場合には許可がおろされないということでございます。  また、今回のこの許可制度を設けることによりまして、委託者のみならず受託者の方につきましても国が直接に安全確保観点から監督していくことになりますので、安全上の問題はないというふうに我々は考えておる、そういうところでございます。
  86. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 海外への整備の委託というのはどれほど問題が多いか、私は航空労組連絡会の皆さんからもお話を伺ってまいりました。  例えば、ことし三月十六日、サイパンを往復したジャンボ機JA八一四九が、成田空港到着後、主翼のエンジン取りつけ部付近から多量の燃料漏れが発見されました。ところが、この機は前日シンガポールの委託整備から戻った直後の運航でありました。点検の結果、燃料管の継ぎ目に本来二枚必要な部品が一枚しか取りつけられていなかったことがわかり、他の三台のエンジン取りつけ部も調べたところ、必要部品がすべて一枚不足していることがわかった。こういう報告がございます。  ほかにも、中国TAECO社への委託では、エンジンコントロールケーブルに布きれが絡まっていた。エールフランスでは、前輪のステアリングリンクの結合の不備。アメリカ・ロッキード社でも、ジャンボ機の胴体外板のリベット五百本の作業不良などなど、枚挙にいとまがないわけであります。  海外に委託するといっても、それは運輸省の認定工場で、認定工場の場合はその工場が全責任を持つという建前になっております。それでも現状では、例えばJALは、その工場に出向者を出して重要なポイントでは検査の立ち会いを行っている、また受け取るときには受領確認検査も行っている。そこまでやってもこのありさまです。  整備の管理も全部委託すると、そういうチェックもできないような新規参入会社がそのまま運航するとしたら極めて事態は重大です。参入規制があってさえこういう企業が入ってきているわけですから、撤廃して安全を守れるんですか。いかがですか。
  87. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 先ほど申し上げましたように、委託先が十分な能力を持っている、すなわち受託者が能力を持っているということがポイントでございまして、そういったものについては従来でも委託を認めてきたわけでございます。  それで、今後のことでございますが、今幾つか例を出して御質問されておりますので、その例についてちょっとお話を申し上げますと、我が国航空会社が重整備を海外に委託をしております。この整備事業者につきましては、御指摘のとおり、航空法二十条に基づく事業場の認定を取得しておる。その当該認定に当たっては、施設、人員、安全管理体制基準に適合していることを国として確認をしておるということでございます。そういう意味で、今後ともこれは定期更新検査等を通じて適切に維持されるよう確認するという体制にございます。  また、当然、その委託をしている我が国航空会社の方ですが、これについても領収検査をきちっとする。受け取るときに検査を航空会社でしておるわけですが、そういったものを適切にしろというようなこと。さらに、外注管理についても確実に実施するというような指導をしておるところでございます。  それで、法律改正になりますと、先ほど説明申し上げたように、今度は許可制度になりまして、受託者側についても直接国の監督がいくということでございますので、必ずしも海外に委託をした、別の会社に委託をしたから安全上問題がふえるということにはならないというふうに考えております。
  88. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 事実が指摘されているわけですから、必ずしもそうはならないと、しかしそういう可能性、そういう危険も大きいということは御認識をいただきたいと思うんです。  そこで、私は、委託した作業に重大な問題があった、二月二十二日、運輸省が事業改善命令を出した日本航空のDC10非常脱出用スライドの整備規程違反事件を取り上げたいと思うんです。  この事件は、非常脱出用スライドを膨張させる高圧ガスの制御弁に塗るグリースが正規なものでなく、緊急時にスライドが展開しないおそれがあったというものであります。スライドが正常に作動しなければ乗客乗員の迅速な脱出は不可能でありまして、はかり知れない二次災害をもたらした可能性があったわけであります。  この作業は日航の子会社である日航エアポートエンジニアリング、AECに委託したものであります。九五年十月から九七年十月までの二年間にわたって誤った作業が行われてまいりました。しかもその後、昨年の十二月までの一年二カ月間は欠陥に気づかず、気づいてからことし一月三十一日に交換を完了するまで二カ月、つまり合計すれば結局三年四カ月間非常用設備に問題がある状態で運航していたということになります。この間、運航便数五万便、提供座席数一千五百万席ということを聞くと背筋が寒くなる。しかし、日本航空は、原因がわかり非常用設備に問題があることがはっきりしてからも、交換作業中にも飛行を続けました。日航の責任は極めて重大です。  ところが、あなた方の事業改善命令にはその責任については一切触れていない。そして、驚くべきことに、運輸省は一月二十八日に報告を受けても運航停止を指示せず黙認をいたしました。三年四カ月間乗員乗客を危険にさらしてきた日航の責任をなぜ問わないんですか。そして、なぜ二十八日時点で直ちに運航停止をしなかったのか、御答弁ください。
  89. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 整備のミスによりまして緊急時に一部の脱出スライドの展開がうまくいかないという、そういう可能性があったわけでございますが、これにつきましては、脱出スライドのメーカーの方から次回の工場搬入整備時に交換するべきであるという助言がございました。また、この事態が判明して交換期間十日間という短い間で迅速に処理をしたということ、その両方を考慮いたしまして、運航の停止をするというところまではしなかったわけでございます。  ただ、この整備規程に違反する整備作業が御指摘のように長期間継続していたこと等、重大な整備規程違反であるということで、異例といいますか、これまでになかったわけでございますが、日本航空に対して大臣から事業改善命令を出して再発防止のための整備体制の改善を指示したわけでございます。
  90. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 全く理由にならぬと思うんです。製造業者が言ったから非常装置が働かないおそれのある飛行機を飛ばしてよいと、こう運輸省は判断したんですか。また、十日程度で交換するから飛ばしてよいと、これもでたらめな話です。二十八日に報告を受けてから交換完了までの三日間、非常脱出用装置に異常があることがわかっている航空機を飛行に使用することを運輸省が黙認をした、お墨つきを与えたということです。これはもう国民はだれも納得しない。  結果として三年四カ月非常用装置に欠陥がありながら飛んでいたという事実、これは航空法百五十七条、整備規程によらないで航空機運航したとき罰金五十万円以下、これに明白に違反している。あなた方が事業改善命令でこれに一言も触れなかったから、その結果、日航は当局から指摘を受けていないので航空法違反でないと開き直っているじゃありませんか。そこが問題なんです。  しかも、長い間日航は知らなかった、こういう話でありますけれども、ここが問題だと思うんです。子会社に委託をした、こんな重大な欠陥を日航でさえ三年二カ月の間チェック、管理できなかった。つまり、管理まで任せて外部委託を野放しにしたらどうなるか、ここにはっきりと示されているじゃありませんか。小さいところだったらどうなるのか。運輸大臣、ひとつはっきり今回の事業改善命令にも触れて御答弁いただきたいと思います。
  91. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 今法律違反ではないだろうかという御指摘でございますが、この日本航空運航いたしておりますDC10の耐空証明の有効期間、この中に運輸大臣が定める期間となっておりまして、具体的には整備規程の適用を受けている期間というふうになっております。  今御指摘日本航空の脱出スライドの整備不良についてでございますが、整備規程の附属書に定められたものとは異なるグリースを使用したわけでございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、脱出スライドの製造事業者から次回の工場搬入整備時に交換をするべきであるという指摘がございまして、そういう意味で耐空証明の有効性上の問題はなかったというふうに考えておるところでございます。
  92. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 同じ御答弁ですが、国民は納得しないというふうに私は思います。  もう一つ日本航空はこの整備ミスが発覚した後も機長、乗員を初め運航現場に対して情報を一切隠ぺいしてきた。航空法七十三条の二、「機長は、運輸省令で定めるところにより、航空機が航行に支障がないことその他運航に必要な準備が整つていることを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならない。」、この規定に照らしても、非常時脱出用スライドが開かない可能性がある、こんな重要な情報を伝えず運航させる、これは明白な航空法違反行為ではないですか。
  93. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 今回の場合、担当の整備士からさらにその上へという情報が伝わらない、すなわち情報の共有化がされなかった点、そんな点も踏まえまして、異例とも言うべき事業改善命令を発し、当局への報告はもちろんでございますが、社長に対して社内のそういう情報の共有化、こういったものが進むようにという指導命令を行っておるところでございます。
  94. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 いいですか。あなた方は、日本航空に事業改善命令を出しました、迅速な当局への報告を求めた、そういうふうに言います。しかし、非常脱出用装置に重大な欠陥があることがわかっても別に運航停止も求めない、早急な交換をと日本航空対応策を追認するだけ。これでは幾ら迅速に報告があったって何の意味もないじゃありませんか。おくれて追認するか早目に追認するか、ただそれだけのことであります。  もう一つ航空局長は衆議院での寺前議員の質問に、飛行機の安全な運航に関しては機長が全責任を負っているんだから、不安があれば直ちに運航を停止する、そういう権限を有しております、そこでとめる勇気を機長に持っていただきたい、こう言いましたね。しかし、非常脱出装置の重大なミス、こんなことも伝えられない、全く知らされない、これではとめる勇気も何もないじゃありませんか。  そして、今回の事業改善命令はこういう問題に一切触れていない。私は、運輸大臣が安全重視の姿勢を示したと力説される事業改善命令というものはこういうものだと。現状でさえこれなのに、コスト削減を優先した委託化を野放しにするならばこれは重大な事態に立ち至るのは明瞭だというふうに指摘をしておきたいと思います。  次に、退出規制の撤廃について聞きます。  新規二社の参入を受けて、既存三社も同じように値引きを行ったということは先ほど議論があったとおりです。福岡—羽田、二万七千四百円が今や一万三千七百円、半額です。これで全部がそろったわけであります、横並びになったわけであります。それならば、これまでの標準原価運賃というのは一体何だったのかということになってまいります。  あなた方が標準原価を実際よりも高く見積もって三社をもうけさせてきたということなのか、それとも現状が原価を度外視したような不当な競争状態にあるとでも言うのか、どちらかでありますが、これは一体どちらでしょうか。
  95. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 運賃の問題でございますが、これは新規航空会社を参入させて競争を行わせるという目的で、一般のこれまでの既存事業者に対していわゆる標準原価、そしてそこからの一定範囲内での運賃届け出、これの例外的に措置をしておるわけでございます。  すなわち、同じ条件でやれば新規で出てくるものは出るに出られない、競争がそもそも起こり得ないということで、特例として標準原価以下であればその下限について設定をしないという、そういう判断をして認めたわけでございます。
  96. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 横並びになったわけですから、全部がこの値段になった。標準原価は何だったのか、高過ぎたのか、高過ぎはしなかったのか、どちらですか。
  97. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 今度の既存航空会社運賃を下げてきたこの点につきましては、別にいわゆる普通運賃を下げているわけじゃなくて、割引という形で企業防衛といいますか対抗上そういう特別の割引を設定しておるわけでございまして、現行制度でも割引は五割までの範囲で認められておるわけでございます。
  98. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 つまり、これまでの標準原価というのは、不採算路線離島路線も含めてトータルで標準原価を計算していたというふうに思うんです。それが今回下がったということでいえば、これからは結局採算がとれないような路線は切り捨てられていく、その危険については何度も運輸大臣も御答弁されているとおりです。  既にそういう動きが出てきているわけですが、一つお伺いしたいのは、九八年度一年間で休廃止された路線は何路線あるか。これは事実の問題です。お答えください。
  99. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 昨年で二十三路線でございます。
  100. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 私の手元の調べてみた資料では二十路線というふうになっております。  既に一昨年の時点でJASの社長は、座席利用率が五〇%を割り込むような路線はすべて見直しの対象になると語っておりました。昨年減らした二十あるいは二十三路線のうち約半数、九路線JASだと思います。  さらにJASは、二〇〇〇年三月期の経常黒字確保を目指して、ローカル線を中心に国内線の一割から二割を削減する方向だと報道されております。新聞記事では、スカイマークエアラインズなどの新規参入以来幹線の運賃競争が激化し収益が低下、幹線の黒字でローカル線の赤字を補うという収益構造が崩れつつある、これを理由に挙げております。同じく全日空も、羽田発以外の国内線の大幅な縮小や採算の悪い国際線からの撤退ということも言っております。  きょうは私は、座席利用率六〇%未満の路線の表というものをつくってまいりました。資料でお配りしてありますので、ぜひごらんになっていただきたいと思うんです。  この表は六〇%以下ということですが、昨年休廃止された路線でも、例えば福岡—旭川は六〇・四%、札幌—宮崎は五九・一%と、六割前後の路線でも休廃止されているわけであります。百三十九路線。左肩にバッテンがついているものは既に休廃止されたものでございます。  五〇%未満、JASの社長が言うこの基準で言えば三十五路線委員の皆さんの地元路線もあるかと思いますけれども、今でさえこうなのに、規制を撤廃して廃止を自由化したらさらに切り捨てが進むのは明らかではないですか。
  101. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 一つ、ロードファクターだけで事を判断するのが適切かどうかという問題があるかと思うのでございます。と申しますのは、これは現在の機材をベースに、中型なり大型の機材をベースにやっておるわけでございまして、例えば最近出てまいっておりますように、休止した路線について、小型の航空機を使ってコストの安い子会社を使ってそこに改めて路線を引くというような例も出てまいっております。  そういう意味で、従来どおりの経営を続け従来どおりのコスト構造でいけばなかなかやっていけない路線というのは出てくるかと思いますが、単純にロードファクターが半分だからやめてしまうという、それほど簡単な話ではないのではないだろうかというふうに思います。  そういうことで、今見てまいりますと、各社非常に分社化して低コスト会社に移管したりしておりますが、それでもなお廃止する路線というのはございます。例えば大阪—米子線などを見ますと、智頭線が完成して高速化した、それに高速バスも非常に増便されたということで、代替交通機関が非常に有利になってしまったということで撤退したものもございまして、必ずしもロードファクターが五割だからどうこうという話にすぐにはつながっていないように思っておるところでございます。
  102. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 不採算路線は切るというふうに航空会社は言っているわけですからね。やはりこういう問題が出てきたときに、結局、その不採算という問題について地方自治体などがさまざまな援助をするということになるわけであります。  運輸省は着陸料を下げたということをこういう問題をお伺いするとお答えになっておりますけれども、では航空会社はその着陸料の値下げを不採算路線を守ることに使おうと考えているか。全くそういうことは考えていないという報道もされております。一月十六日の産経夕刊、「日本航空と全日空は十六日までに、」「現行の三分の二に引き下げられる地方空港の空港使用料の負担軽減分を、不採算路線維持に使わない方針を決めた。」、こう報道されています。そして、空港使用料の引き下げや採算のための運賃の値上げなど、結局そのしわ寄せは地方自治体あるいは住民に行く。  例えば、あなた方が昨年路線がふえたということでよく挙げる佐賀空港、これは一体どうかと見てみますと、空港使用料は三分の二でなく三分の一に大きく引き下げる。そこまでやったって客はふえないだろう。だって、福岡空港まで行けば半額運賃で行けるわけですから、とても勝負にならない。  不採算でなくするためには経費を下げて収入をふやす必要がございます。空港利用料を赤字覚悟で引き下げる、それでもだめなら運賃を上げるしかない、運賃を上げたら客が減る、それを避けるには自治体が運賃の補助を出す。自治体が赤字覚悟でそこまでやっても、航空会社はその増収分を赤字路線維持には使わない、運賃引き下げ競争に使うんだ、こういうふうに言っているわけですから、自治体は踏んだりけったりだと言わざるを得ません。  あなた方はこういう空港をつくってきたんです。つくらせてきたんです。これも問題です。しかし、今不採算路線でやられようとしていることはこういうことだということを指摘しておきたい。  時間もございませんので、残り、海上運送法を中心にお伺いしたいと思います。今度の改正で最も大きな問題は、生活路線を含めた離島航路について廃止が自由になるということです。これに絞って質問いたします。  航空法でも離島航路維持が大きなテーマですけれども、特に船の離島航路という問題は一層切実で重大です。飛行機がなくても船があるとか、鉄道がなくなってもバスがある、こういうものではない。特に船の問題は、他に代替交通がなく、唯一のそして最後の交通機関となっております。生活航路にまで廃止の自由化を持ち込むという点からいえば、手をつけてはならないところまで手をつけようとするものだと言わざるを得ないと思います。  答弁を聞いていると、二言目には指定区間ということが出てまいります。しかし、指定区間になれば許可制が守られるのかといえば、そうじゃないでしょう。届け出制に変わることに何の違いもない。三十日か六カ月かという期間の長さの違いだけであります。  鉄道事業法の審議でも指摘したように、許可制と届け出制には雲泥の差がある。法律論的には、許可は原則禁止、届け出は原則自由ということです。六カ月にしたからといって、何の歯どめがあるのか。どんなに住民の方々が困ったと言っても、事業者が六カ月の間、うんと言わなければ廃止できるということではないんですか。歯どめがあるんだったらお示しください。
  103. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 離島航路指定区間制度でございますけれども、いわゆる市場原理の導入による規制緩和によりまして、いいとこ取り的な事業によりまして離島航路全体がサービス低下になることを防止するための制度でございます。  廃止につきましても、通常は三十日前の届け出ということでございますが、六カ月前の届け出ということで、代替の交通手段の準備につきまして関係者が十分話し合える期間をとったものでございます。  要するに、制度的に許可と届け出では違うじゃないかという御指摘でございますけれども、制度的な問題以上に、実質的に事業者が赤字でもう対応できないというものにつきまして、幾ら許可でありましょうともそのまま事業を強制的に続けさせるということは経済実態上困難な話でございまして、現在におきましても撤退する事業者があるという状況でございます。
  104. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 鉄道でも同じ議論でしたよ。事業者は今許可制だからこそ届け出なんかしてこないんです、許可を求めてこないんですよ。あなた方が届け出制にすれば、天下御免で出してくるということになるじゃないですか。  では、離島航路の補助金についてもひとつお伺いしたいと思うんです。  補助金があるからという答弁もあるんですが、国は離島航路の補助制度を経営者の努力を生かすということで九四年に改正をいたしました。その結果、離島航路の欠損額に対する国の補助率は九四年以降年々減ってまいりました。以前は七五%補助というんですけれども、調査室の参考資料五十一ページの離島航路補助金交付実績をもとに私、計算をしてみました。九〇年でも実際七〇・七%でした。九四年六三・七%。それが制度が変えられて以降は、九五年六四・四、九六年五八・五、九七年五二・五とずっと下がりっぱなしであります。では、その分はどうなっているのかと自治体の補助率を運輸省に聞いたんですが、つかんでいないというお返事でありました。  これもひどいと思うんですが、直接幾つかの県を調査してみて驚きました。香川県では、県が離島航路に出している補助金が九三年度二千八百万だったが、制度変更後九五年には六千六百五十万、二・四倍に膨れ上がり、さらに九八年では一億二千四百三十万、何と五年間で四・四倍に膨れ上がっております。ちなみに、香川県下の市や町からの補助金もこの五年間で三千百六十万円から八千七百万円と二・八倍にふえているわけです。逆に国からの補助金は一億三千九百万円から六千六百八十万円、半分に減っているじゃありませんか。こういう県はほかにも幾らでもあります。同じように調べたら、長崎県の補助金はこの五年で約三倍、愛媛県は約二倍、大分県などは制度変更後の四年間だけ見ても何と七倍、こういうありさまです。  運輸大臣にお伺いしたいんですが、あなたの言う経営者の努力を生かす、これがそういうことですか。国の補助金を切って自治体にその分を押しつけた、ただそれだけのことじゃないですか。
  105. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 平成六年度の制度改正のことに触れられましたけれども、従来、平成六年度までは実績欠損に対する定率補助方式という方式、七五%という御指摘のとおりの方式でやっておりました。ただこれでは、実績欠損でございますので、事業者のインセンティブというものが働かないというようなこと、それから国と地方のこういった住民の足につきましての補助のあり方の見直しといったようなことを行いまして、国の補助といたしましては、全国の離島航路のデータを平均化いたしまして標準化した欠損額を補助する、全国一律的にナショナルミニマム的な補助をするという形で、それでもたない部分につきましては地方自治体の方で地域の実情に応じて自主的事業として補助を行うことというふうにしたものでございます。  国の補助金によって補てんされない欠損につきまして、地域交通維持サービス観点から地方自治体が補てんしておられるというふうに考えております。
  106. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 航空でも、あなた方は離島航路についての運航費の補助だとか免税措置だとか着陸料の軽減とか、そういうことも言っております。しかし中身を見れば、高速艇など代替措置があればだめだ、あるいは観光化してあるものはだめだ、また離島と県庁所在地を結ぶ路線でないとだめだ、結局そういう話であります。用意している予算も飛行機の場合、今の離島航路の赤字総額三十五億に対してわずか五億、それでも飛ばしてほしければあとは自治体が金を出しなさいということではありませんか。  海の離島航路事業者は七六%が赤字経営です。それでも島民の生活を守って頑張ってきた。規制緩和で参入も自由化する、だから廃止も自由化するという場合に、だれも参入しない赤字の生活航路はどうなるのか。引き取り手がなければ離島航路がなくなる。航路がなくなればそれは孤島になるということであります。結局は自治体が責任を持つことになっていかざるを得ない。これをすべて自治体の責任にしようというのでは余りにもひどい。  ぜひ大臣に、これは地元だけの責任にしない、国も努力すると、ぜひこの御答弁をお伺いして、私の質問を終わります。
  107. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) 先ほどから御質問いただいている中で、例えば新幹線が通ったために逆に飛行機というものが撤退せざるを得ない。また、近くに飛行場ができてそちらの方が便利だという形でお客様が移っていかれる。こういうある意味での競争の結果としていろいろな変化が起きてくる、これはやむを得ないことであろうと思っております。また、鉄道がバスにかわっていく、これもやむを得ないことではないかなと思っておりますけれども、一方で、今離島航路の問題、これはもう委員が御指摘のとおり、これがなければ全く足がなくなるということでありますので、税制や補助金、そういった問題でしっかり我々も考えていきたい、こう思っております。
  108. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社会民主党の渕上です。航空法についてまずお伺いをいたします。  需給調整規制廃止に伴いまして、離島生活維持路線に関しての基本的な認識についてお伺いをいたします。  まず、法改正に当たりまして離島生活維持路線維持方策が重要な課題として議論をされました。しかし、同法案には離島の生活路線維持に関する条文が全く定められておりません。私は、需給調整規制廃止後も国民の生活交通におけるナショナルミニマムを確保していくという国の基本認識を明確に示すためにも、離島航空輸送の確保に係る特例を定め、今後離島生活路線維持に関する法的根拠を示すことが最低限必要と考えますが、いかがお考えでございましょうか。
  109. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 需給調整規制廃止後におきましても、離島航空路線のうち当該地域住民の日常生活に不可欠な路線、これについては先生指摘のとおり引き続き維持を図る必要があるということを考えております。  したがいまして、今般の平成十一年度の予算の中で、一つ離島振興法、ここの中にそういう地域の足という考え方が出てくるわけでございますが、そういった離島振興法の趣旨を踏まえまして、十一年度の予算、そして関係税法の改正の中で以下のような支援措置について国会の場で御論議いただき、またお認めいただいたわけでございます。  中身としては、一つ離島航空路線運航費の補助制度、これは新しくつくりました。また、離島航空路線に就航する航空機についての航空機燃料税を軽減する、これも新規に制定をいたしました。また、固定資産税につきましては、従来も軽減措置がございましたが、これを拡充する措置を行いました。また、離島航空路線に就航するジェット機、今まではプロペラ機だけに限っておったわけですが、ジェット機についても空港着陸料の軽減措置を行うという制度の拡充を図ったということでございまして、いろいろ御議論いただいた結果、こういった離島航路維持必要性、そしてそれに対する税制、財政の措置をするということ、こういうことを国会でお認めいただいているわけでございます。  我々としては、これを受けましてこれらの制度を活用し、また当然のことながら関係地方公共団体との連携も必要なわけでございますから、連携して離島航空路線維持活性化を図っていくということでございます。そういう意味で、今回の航空法改正の中にはそういう直接の規定はございませんが、今申し上げたような各種の支援措置と相まって成り立っているというふうに考えておるところでございます。
  110. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、離島生活路線に関するクリームスキミングについてお伺いいたします。  離島生活路線については、その維持のため九九年度予算で一定の財政措置が講じられました。これは需給調整規制廃止後もこうした路線をそのまま放置しておけば維持が困難であるための措置でありますけれども離島生活路線といっても季節によっては観光客の利用により需要の増加が考えられます。しかし、そうした高需要期に他社が参入してクリームスキミングを行った場合、もともと厳しい離島生活路線の収支が圧迫され、年間を通じた安定的な路線維持が困難となりますし、財政措置の拡充を迫られることが懸念されます。  私は、効率的な財政措置のためにも、また路線の性格上安易に参入、退出が行われては、そこで生活する地域住民の方々は不利益をこうむるわけですから、離島生活路線維持に関しては、航空法上、参入、退出に関するルールを設定すべきだと考えますが、いかがでございましょうか。
  111. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 航空の場合、若干海運と違うのかなと思っておるのでございますが、一つは、航空の機材も結構高いということで、初期投資が大きい。また、地上の支援体制も、先ほど整備の話ではございませんが、相当な要員体制も要る。そんなこともいろいろある。また、地上の支援の施設の整備も要るというようなことで、需要が少ない生活路線について、海運に見られるような、一時的または部分的においしいところ取りというんでしょうか、そういう部分的な参入の実例というのはこれまでにもないところでございまして、航空についてはちょっと海運とは違うのかなというふうに我々は考えたところでございます。
  112. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、新規航空会社の取り扱いについてお伺いします。  一つは、混雑空港の許可有効期限の考え方は、既存航空会社発着枠の固定化を防ぐとともに、新規航空会社の参入を容易にするための措置と考えますけれども、こうした混雑空港における新規航空会社の取り扱いについてはどのようにお考えでございましょうか。また、その定義と許可基準についてお伺いをしたい。仮に、混雑空港において新規航空会社の優先的な取り扱いを認めるとすれば、それは国としてクリームスキミングによる参入を是認することになると考えますけれども、いかがでございましょうか。  次に、我が国航空ネットワークの現状からすれば、仮に優先的な取り扱いを行うのであれば、その優先権を認めるかわりに他の低需要路線維持する義務をセットで負わせるような措置が必要だと考えられますが、この点についてはいかがでございましょうか。
  113. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 新規企業が参入することによって、スカイマーク、エア・ドゥの例にもありますように、新たな競争が起こりまして利用者の利便が向上してきているというふうに考えます。そういうことで、新規会社をどういう形で参入を認めていくかということが出てくるわけでございます。  その観点で、羽田等の混雑飛行場、これは先発の航空企業で既に独占的に占められておるわけでございますから、これと競争しようとすると、ある程度の枠についての優遇措置が要るというのは先生指摘のとおりでございます。新規会社のために枠を認めて、それによって参入の促進が図られる、それが大事であろうかというふうに思っております。  具体的な配分の仕方等についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、まず新規会社の定義、それから配分すべき発着枠の数、そういったところをこれから決めていくわけでございますが、これについては諸外国混雑空港の特例をつくっているところもございます、そういったものを参考にしなければいけませんし、またこれから希望してくる新規会社の計画内容、そんなものも見る必要があると思っております。  いずれにしても、発着枠配分必要性先ほども御答弁いたしましたけれども年内にはこういう勉強を始めなきゃいけないかと思っておりますが、有識者から成る検討組織を設置しまして、かつ透明性を確保するという意味公開の場で議論して結論を得たいというふうに考えておるところでございます。
  114. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、新規航空会社整備体制についてお伺いをいたします。  現在、既存航空会社への委託で行われていますけれども、最近、既存航空会社は今後ともこうした整備受託を続けることは難しいとコメントを出しているようでありますけれども、私もそのように思います。したがって、今後、新規航空会社は自前もしくは海外委託等によりまして独自に整備体制を整える必要があると考えますが、この点に関して運輸省はいかがお考えでございましょうか。
  115. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 報道では整備を受けない受けると議論が出ておりますが、現在、整備の受委託について、民間企業の契約に係る事項だということもありまして、両者で話し合いをしておるところでございます。我々としては、この両者の話し合いが十分行われる必要があるというのが第一の認識でございます。  また、新規航空会社同士で本件を含めての話し合い、これもあるというふうに聞いております。また、一部の先発の航空企業もやっておりますが、海外整備という方策も考えられるわけでございます。  いずれにいたしましても、この整備の問題というのが新規航空会社の参入について非常に大きなポイントになりますので、公正な競争確保の見地から関心を持って見守っていきたいというふうに考えております。
  116. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、航空機運航整備に関する受委託についてでありますが、改正法の第百十三条の二に、「航空機運航又は整備に関する業務の管理の委託及び受託」とありますが、業務の委託及び受託とどのように異なるのでありましょうか。  また、受託者が当該業務の管理を行うのに適しているか否かを判断するのはどのような審査基準で行うのでありましょうか。その基準について明確でかつ透明性のあるものとすべきであると思いますけれども、どのように設定して運用する予定なのですか。既に制度化され運用されている認定事業場の制度等も視野に入れて、改正前後で大きな考え方の差異が生じないように配慮することが必要であると考えますけれども、この点はいかがでございましょうか。  次に、業務の管理の受委託は、説明によりますと、丸投げ受委託のようにも聞こえますし、国は需給調整規制廃止しても安全確保については責任を持っていくと明言しています。航空機は巨大なシステムでありますし、地球引力に逆らって飛行していることから失敗が許されないわけであります。このことから、航空機運航整備にかかわる人々には、知識はもちろんのこと、運航整備の仕事に対する誇りといいましょうか心といいましょうか、そういうものが求められているわけでございまして、今回の改正点であります業務の管理の受委託に関しても、そういう整備する側の人間の気持ちの問題が非常に大切だと思うのでありますが、この点を国がしっかり指導監督しなければならないと思いますけれども運輸省の見解をお伺いしたいと思います。
  117. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 幾つかの御質問がございましたが、まず第一点目の現在の業務の受委託と今度法律で新たに定められる管理の受委託がどう違うかという点でございます。  この点につきましては、現在の業務の受委託というのは、具体的な業務の内容、作業手順、こういったものは委託者側がきちっと整理をしているわけですが、新たに今度、法律改正後の管理の受委託という形になりますと、具体的な業務の内容、作業手順、それまでも受託者が決定する、受託者の自主的管理のもとに業務を行うようになるということでございます。そういうことで、受託者についても直接国が監督するということで規制をその部分強化いたしておるところでございます。  また、管理の受委託を許可するわけでございますが、その受託者について当該業務の管理を行うのに適した者であるということ、それから委託者と受託者の責任の範囲が明らかになっていること、その他輸送の安全確保のために適切であること、こういったことを審査した上で許可するというふうに考えております。  そして、その際、透明性といいますか、先生指摘審査基準について明らかにすべきではないかということでございます。これにつきましては、具体的な審査基準の設定と運用については、事前に十分に関係者の意見を聞くとともに、その内容を公表するなど、透明な形で決めていきたいというふうに考えておるところでございます。  それからもう一つ、こういうことをすると丸投げになってしまうのではないかという御指摘でございますが、今回の管理の受委託につきましても、旅客に対する最終的な運送責任はあくまでも航空運送事業者たる委託者の方にあるわけでございまして、業務の管理の受委託、これは決して無責任な丸投げではない、委託者はみずからその責務を十分自覚して受託者が行う航空機運航または整備について適切な監督をしなければならないことは当然のことでございます。  また、受託する側でございますが、繰り返しに若干なりますが、安全に運航または整備を行う能力を持っていなければいけませんし、常に安全を最優先にして、マニュアルを定め、法令そして基準を遵守して業務を遂行する必要がございます。  この点を踏まえて、受託者側も直接運輸省が監督するわけでございますから、今後とも指導監督をこの関係者に対してやっていきたいというふうに考えています。
  118. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 安全規制の見直しについてお伺いをしますが、改正では許認可廃止それから整理統合の流れの中で新たに航空運航整備士という資格を設けていますが、これの目的と予想される効果及び業務の範囲はどのようなものを想定しているのかお伺いをいたします。  次に、航空運航整備士航空整備士の相互の関係はどうなるのでありましょうか。もし、航空運航整備士航空整備士資格取得の前提条件にするようなことになれば、今回の法改正趣旨に反することになると思うのであります。  航空技術の発達のスピードは非常に速いわけでして、これに伴う安全規制も合理的なものへと見直していく必要があると思いますし、見直しの大前提であります安全のレベルを下げない、安全の確保確認できること、このことは国が責任を持って行う項目であると理解しておりますが、いかがでございましょうか。
  119. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 最初に、航空運航整備士資格を設けた目的でございますが、近年の整備作業、航空機の技術的進歩そして信頼性の向上が進んでおります。そういうことによりまして、飛行前及び飛行後の点検等を中心とする保守や軽微な修理の作業、これが中心になってきておるわけでございます。  しかしながら、現行の整備士制度では、主として修理作業に着目をしておりまして、そういった資格しかないわけでございます。実情は既にそういう点検保守が中心になっておるわけでございますから、点検保守を中心とした整備についても従来の修理を眼目とした整備士資格を持った者を充てている、そういう状況にあるわけでございます。  そこで、日常的に発生します大半の点検であるとか保守、軽微な修理、こういったものに特にそういう能力を備えた者ということで航空運航整備士資格を創設したわけでございます。航空運航整備士は、主としてスポットまたはエプロンにおいて日常的な点検作業を専門に行いますので、現実運航場面に即した資格であるというふうに考えております。また、こういう点検の過程で実際に修理が必要となる場合になれば、これは当然のことながら航空整備士が出てきて確認をする、運航整備士任せにはしないということになるわけでございます。  また、この二つ航空整備士航空運航整備士の間の資格関係でございますが、航空運航整備士資格の保有は航空整備士資格取得に当たっての前提とはしない、すなわち関係なく別途の試験をして資格を与えるということを考えておるわけでございます。  先生指摘のとおり、航空技術は日進月歩で進んでおります。そういう中で規制をより安全にそしてまた合理的なものに見直していく必要があるという視点でこういう改正をさせていただいたわけでございます。
  120. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、海上運送法についてお伺いをいたします。  海上運送事業における公正の秩序と確保について、まずお伺いいたします。  需給調整規制廃止によって海上運送事業が混乱を来し、安全で安定的な海上輸送サービスの供給に支障を来すことがないよう、当該事業の公正な市場環境の整備に関して十分な行政的な配慮がなされるべきだと考えますが、いかがでございましょうか。
  121. 宮崎達彦

    政府委員宮崎達彦君) 今回の法改正によりまして市場原理を導入して競争を促進するということに当たりまして、安全確保はもちろんのこと、公正な市場環境の整備ということも重要な課題であると認識しております。  そういう観点から、改正法におきましても、現行法に規定しておりますサービス改善命令、輸送安全確保命令というものはそのまま存置いたしたいと考えておりますし、認可運賃が届け出運賃に変更されるということで、運賃変更命令というものを新たに規定いたしたいというふうに考えております。  さらに、競争環境の整備ということで、人の運送すべてに対しまして安全規制及び利用保護規制の適用をいたしたいと考えております。また、旅客不定期航路事業の原則乗り合い禁止による競争条件整備、それから罰則内容の強化といったような、このような一連の措置によりまして、需給調整規制廃止後におきましても公正な市場環境の整備に努めてまいる考えでございます。
  122. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 時間になっていますけれども、最後に、規制緩和推進計画に基づくところの法改正について審議をしてまいりました。しかし、やはりこの安全問題というのが大変重要なことであります。問題は、やはり安全をどうしていくかということが基本的な考えの中心になければならないと思うのでありますが、需給調整規制廃止は安全輸送という問題と非常に深くかかわってくることでございますし、先ほど質問があっておりましたように、小さな事故やインシデントをも見逃してはならないという体制が必要だと私は思います。  そこで、本来、交通産業というのは今回この需給調整廃止して市場原理にゆだねても十分な安全が確保できると大臣は思っているのかどうなのか、事故の発生を低く抑えられると確信しているかどうか、その辺をお伺いして、質問を終わります。
  123. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) まず、基本でございますけれども、例えば航空は、国際線はまさに日本の企業そして外国の企業を含めて激しい戦いの中にあります。一方、国内につきましてはカボタージュという制度のもとでやはりセーフティーネットワークというものが張られておる。航空産業というのはそれが同居した社会であろうと思っております。  したがって、需給調整廃止されたからといって、国際線においてもまた国内線においてもこの安全という問題が、経費削減のために安全に係る整備や経費というものが削減されていく、こういうことであってはならないんだろう、こういうふうに思っております。もちろん、いろいろな意味での合理化はお考えいただいていると思いますけれども、やはり私どもは安全というものは担保されなければならない。  そういった意味で、三カ月ぐらいになりますでしょうか、ずっと安全の問題と需給調整の問題は御議論をいただいてまいりました。そういった中で、五月中ごろから六月にかけまして航空会社すべてに、改めてこうした規制緩和が続く中で整備の実態がどうなっておるか検査に入らせていただいているところでございます。  今後ともこうした姿勢というものを貫いてまいりたい、こう思っております。
  124. 戸田邦司

    ○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。  渕上議員が時間をオーバーしたからというわけではありませんが、私は時間を短縮して二点ほどお伺いしておきたいと思います。  先日成立しました自動車それから鉄道関係規制緩和法も含めての問題になるかと思いますが、本日の海関係それに航空関係全体ひっくるめてですが、参入する場合の需給を見ないというような規制緩和になると、新規参入が相当ふえてくるだろうとか、現在の業界の中でいろいろ相当の心配をしている人たちがおります。  運輸省は既にそういった人たちと話をされて、それで規制緩和の内容を説明されているようですが、第一の点は、これらの法案が成立、施行されると一体世の中どういうふうに変わっていくかというようなことについて、運輸省は掛け値のないところでこういうようなことになっていきますよということを十分に事前に説明していただいておくべきだろうと思っております。  それから第二の点は、これまでの許認可行政と相当様相が違ってくるのではないか。今までですと事前チェックといいますか、そういうところから事後チェック型に変わっていく。行政指導などということも余りなくなっていくのか。一方で、そうは言いながら、運輸関係の産業の振興というのも運輸省の仕事であろうかと思います。そういった点から考えて、運輸省と業界とのあり方といいますか関係、そういった点についてはどういうふうにお考えになっておられるか。その二点について、運輸大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
  125. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) 今回、規制緩和の各法を御審議いただきました。私もこうして答弁をしながら自分で考えているわけですけれども、やはり各業界によってかなり状況が異なるなと。それを先ほど要約して申し上げましたけれども、基本的に民間というものにゆだねられて戦後歩んできた業界、これはある意味では需給調整なり規制というもので業界秩序というものが中心になりながら今日まで育成されてきた業界であろう。  一方で、JR、国鉄の問題。特に日本のまさに北から南まで全部に通じるということになると、やっぱり国の力でなければ多分できなかったんだろうと思っております。これは電電公社も同じであろう。それから、日本が戦後まさに国際社会の中に出ていくときに、やっぱり日本航空という国営のものがなければ、ジャパンフラッグを掲げて出ていかなければとても育成がいかなかったのではないか。そういう意味では、国家がやってきたというものが規制緩和の中で民営化をされ、次の時代を迎えた。  しかし、この部分というのはなかなか、JRに変わって他の民間会社どうぞ新幹線をおやりなさいと言っても、とてもできる部分ではないんだろう。また、ローカル線の維持の問題というのも、またそういう意味ではJRに対する期待というのは非常に高いなという形で私どもも受けとめさせていただきました。  そういう意味では、委員指摘のとおり、各業界業界で、次の時代を変えていくのに違うと。それだけに、しっかり運輸省は各業界と話し合いをしながら、五年後、十年後にあるべき姿というものをお互いに描きながら歩んでいきなさい、こういう御指摘だろうと思います。やはりそこを大事にしていかなければならない。  そして、必ずしも業界へ私ども考え方を押しつけるというよりも、業界ニーズというものをしっかり聞かせていただく中で、国民のためにあるべき業界の姿を追い求めながら努力をしてまいりたいと思いますので、まさに委員は御専門でございますので、またいろいろ御指導を賜りますようお願いしたいと思います。     ─────────────
  126. 小林元

    委員長小林元君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、上杉光弘君が委員辞任され、その補欠として脇雅史君が選任されました。     ─────────────
  127. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 参議院の会の岩本でございます。時間を大分いただいたようでございますが、いろんな審議を尽くされておりますので、取りまとめて簡単に質問をさせていただきたいと思っております。  今、自由党の戸田委員が大変重要な問題を取り上げられました。私もこの規制緩和について大変関心があるわけでございますけれども、ここのところで何本か規制緩和法律をいろいろ審議させていただきました。大体同じような観点からの規制緩和だと思いますが、規制緩和そのものにつきましては私は反対するものではございませんので、今までずっと賛成させていただきました。  私なりに解釈をさせていただきますと、今大臣も言われましたけれども、いわゆる公的といいますか国の規制から民間の規制に移った。自由になったということよりも、むしろ民間同士でお互いに規制し合う。規制という言葉がいいかはどうかわかりませんが、お互いの事業者利用者がうまくマッチングしたところで新しいルールができる。そういうことが規制緩和ではないのかなと。確かに戦後は国が中心になってやらなきゃいけなかった。そういう時代が終わって、今度は新しい民の時代だということは、ある意味では、地方分権を今審議されておりますけれども、ああいうものと共通するものではないのかというふうな気がするわけでございます。  そういうことでございますが、審議をいろいろお聞きしておりますと、当然先のことは予想できないんでしょうけれども、やはりある意味では国民の皆さんの善意の行動といいますか、そういうものに期待しているところが多いのではないのかなというような気がいたします。これがこの先どうなるか、結果論ということにもなるかと思いますけれども、しっかりとそれは見きわめていかなきゃいけないと思うんです。  例えば、需給調整規制廃止などのところを読ませていただきますと、いわゆる市場原理の導入による利用者利益の増進ということを書かれておりますけれども、これは逆に見れば利用者じゃなくて事業者利益の増進ということにもなりかねない、そういう危なっかしさを持っていることは確かであると思います。ただ、先ほど言いましたように、これはある意味では経緯を見なくてはいけないという意味がございますので、その点をこれからもしっかりと見させていただきたいと思いますのと、運輸省の方でも、自分のところの範疇から離れたということで傍観するということではなくて、世の中の動きということをしっかり見ていただきたい。これは質問ではなくて私の感想と要望でございます。  今回、いろいろ審議されましたので特にないんですが、航空関係でまだ私質問したことがございませんので、今回の法改正に当たって一、二点ちょっとお伺いしたいんです。  私の立場は、地方におりまして、そういうことから出てまいりまして、おかげさまで私の出てまいりました県は一県二空港の大変ありがたい御配慮をいただいたところでございます。そういう意味で、空港といいますか飛行機に対しての関心が大変強いんでございますが、今回の法改正でそういう地方空港がどういう影響を受けるのか、プラスなのかマイナスなのか、その辺ちょっとわかりかねることもございます。私の勉強不足もあろうかと思いますが、申しわけないんですが、いわゆるスロット配分先ほどから議論が出ております発着枠について何か新しい方策がとられるというようなお話も伺っておりますので、そういうものが今回の法改正地方空港路線開設に当たってどういうような影響があるのか、その辺ひとつ教えていただきたいと思います。
  128. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) 混雑空港のスロットの配分の問題でございますが、御承知のように、東京の羽田なり大阪の伊丹なりのような混雑をいたしております空港については、その発着枠配分を放任するといいますか自由にしておきますと、一つ新規航空企業の参入の余地がなくなってしまう。すなわち新たな競争が起こらない。また、収益力の高い路線に定期便が集中してしまってネットワークがいびつになり、収益性の低い地方空港向けの路線がカットされてしまう。そんなような弊害が生じるわけでございます。  したがいまして、今回の航空法改正におきまして、混雑飛行場に係る運航計画について運輸大臣認可に係らしめることとしたわけでございます。そして、その認可に当たりましては、混雑空港発着枠についての考え方を取り入れていこうと。すなわち、全国的な航空ネットワーク維持形成するために政策枠というようなものを設けていきたい。また、新規航空会社の参入に対しては新規航空会社枠という特別の枠を設けていきたい。こういうことによって新規路線やまた新規航空会社の参入ができるように配慮したいというふうに考えております。  なお、具体的な枠の配分については、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたが、年内にもそういう検討の場を設けまして検討の開始をしたい、こういうふうに考えております。
  129. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 ありがとうございます。  地方空港から混雑空港に行く場合には、既設の路線を持っている会社がやってくれるのが一番いいんですけれども、需給の関係でなかなかそういう面までいかないという場合には、やはりいろんな面で手を差し伸べていただけたら、こういうふうな思いでございます。  それともう一つ開設の問題なんですが、届け出で廃止されるという場合に、今回の規制緩和流れの中で、いわゆる生活路線維持ということをうたわれておられますけれども、生活路線というのはそれを使われる方の生活路線だろうと思うんですが、いろんな地方空港があると思うんですけれども、乗ってくる方々によって生活をしているというそういう生活路線も実はございます。やはり空港を開設するといいますか維持するには、その関連施設というのはかなり投資をするのが実態でございます。  そういう場合に、簡単に、簡単じゃないかもしれませんけれども、今度は今までよりも簡単な届け出でできるということになると一抹の不安が伴う部分でございますので、その辺の対応につきまして、もしございましたらお教え願いたいと思います。
  130. 岩村敬

    政府委員岩村敬君) この点も先ほど来いろいろ御議論がございましたが、航空会社間の競争がこれから激しく行われるわけでございますから、航空会社の中のいわゆる内部補助の余地は少なくなることになります。  したがいまして、収益力の低い路線については、航空会社が大幅なコスト削減を図らない限り、すなわち従来どおりの経営を続けるのでは撤退を余儀なくされることになるかというふうに思います。現時点においても、この三年間で二十二路線が休廃止され、それによって航空便がなくなった路線がございます。  一方で、コストの低い航空会社が小型の飛行機を使って新たに参入をした例もございまして、そういうものも含めまして、逆に三十四路線が新たに路線が設定されてきておるわけでございます。  そういうことで、従来どおりの企業の対応では、なかなか新しい路線どころかこれまでの路線も休止なりに追い込まれるわけでございますが、そういったことを勘案しまして、航空ネットワーク維持形成というために、一つは今年度の予算で二種A空港、すなわち名古屋空港だとか福岡空港、さらには共用飛行場、千歳空港でございますが、こういった国の管理する空港についての空港の使用料の引き下げを行っております。  また、これは先ほどお答え申し上げたところですが、ネットワーク維持のために、やはりその核となっております東京、大阪の両空港、これについては今はなかなか混雑をしているということで新規に入ることもままならぬわけですが、ここについて先ほど申し上げたような枠を優先的に配分する、そんなことも考えたいというふうに考えておるわけでございます。そして、そのための手段として、今回の航空法改正において、混雑空港に係る運航計画認可制にするという、そういう措置もとったわけでございます。  それからまた、航空路線廃止について、地方自治体とのやはりいろいろなお話し合いも必要です、仮に退出した後のサービスをだれが維持するか、そういったことの調整が要りますので、六カ月前までに届け出をしていただく、そんなことを規制で残しておるわけでございます。
  131. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 私も実例をもって御質問させていただいているわけでないのでこれ以上のお話はできないわけですけれども先ほど言いましたように、実際にこれが動き出した後の規制緩和の実効性というのは、そのときにまたいろんな例がございましたら審議させていただきたい。  最後に、一つだけ大臣にちょっと教えていただきたいというか御質問させていただきたいんです。  先ほど戸田委員の方から質問があったことに似ているかと思うんですが、先般ニュースで見たんですけれども航空料金、大阪—博多間が随分割引になっている、先ほどからいろいろ出ておりますけれども競争によって安くなっている。ああいうことは規制緩和によって当然出てくることであろうと思うんです。  あれを見ていて気がついたんですが、ああいうことが進むと、本当に日本の国の中で随分地域間の格差が出てくるのではないのかなというような気がちょっといたしました。地域間の格差は何も航空料金一つとって云々すべきものでない、いろいろな面のものがありますし、これは運輸省所管だけの問題ではないと思いますけれども、そうやって地域間格差が出てくることこそ、地方時代といいますか個性のある社会ができるんだと見えないこともないわけですけれども、逆に見たらやっぱり不平等感が出てくるというような見方も出てくるんじゃないか。  その辺で、将来像、イメージというわけでもないんですけれども、そういうようなことについて、私自身、じゃどうしたらいいのかと言われてもないんですが、いろんな面で御造詣の深い大臣がそのようなことについて何か心配でも持っておられるのか、どんなふうにお考えになっているのか、これは質問というよりも教えていただきたいなというようなことで御質問をさせていただきます。
  132. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) 今例に引かれました博多—大阪間、飛行機便数がふえてきて、そしてJR西は大変な危機感を今持っております。多分値下げに踏み込まれるのではなかろうかなと。そういう意味では、航空間だけの競争議論をきょういたしましたけれども、割合そうではない、各交通手段との競争もある。  先ほど申し上げたように、新幹線が敷かれて、その方が時間的に早くなったということで飛行機撤退した地域がございます。逆に、先ほどのように飛行機が便利がふえてきたら今度はJR自身も値段を下げよう、こういう部分もある。橋ができて高速道路、そうすると飛行機競争力がなくなったというような例もございます。そういった意味では、各交通手段ごとだけではなく、複合的な競争というものが今日行われておるんだろうと思います。  ただそこで、内部補助というものに大きく頼ってやっていくというのは私ども今日的ではないだろうと。簡単に言えば、東京—北海道、東京—福岡、そこで収益を上げた分で他のローカル線を維持しなさいよというのは、今度はそれを利用されている方々からすればなかなか納得のいかない話になってまいります。そこが一番需要が多くて利益を上げやすい場であることは事実でありますので、当然、適正利潤というものは上げていただかなければならないだろう。そこで、企業の社会的責任という話に私はなっていくんだろうと。  確かに、東京、大阪で物を売っていればたくさん売れますけれども、トヨタさんにしたって松下さんにしたってソニーさんにしたって、北海道の端から九州まで全部自分の商品を同じ値段でお客様にお届けしているわけですから、効率のいいところだけで企業というものは売っているわけではない。したがって、幾ら競争時代に入ったからといって、航空会社もまたJR等も企業の社会的責任というのを十分熟知した上でいろいろな意味での効率化というものが検討されていくんだろう、私はこのように思っております。  そういう意味では、企業家が自分たちに課せられた課題、今大変赤字が積んでしまって、それを全部持っていてずっといきなさいというかつての国鉄みたいなことはいけませんけれども、しかし一方で社会に対する責任というものをやっぱり果たしていただく、そしてそれが果たしやすいような環境を私どもはつくっていく、それも競争の中でつくっていくということが大事なんだろうなと思っています。また、運輸省のみならず、各自治体と私どもは協力し合いながらそうしたものをつくり上げていく、このようなものを私ども今後とも心がけてまいりたい、このように思っております。
  133. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 どうもありがとうございました。
  134. 小林元

    委員長小林元君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案のうち、海上運送法の一部を改正する法律案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  135. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、海上運送法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  反対する理由の第一は、航路の休廃止運航ダイヤの減便変更など認可制から届け出制に変更することは、事業者の一方的な判断で撤退や減便が可能となり住民の生活や営業の貴重な足としての役割を奪うものだからであります。  特に離島の住民にとってはなくてはならない生活航路も六カ月前の届け出だけで廃止されるものであります。離島航路は、全国で百五十万人の住民の足として地域の生活を支えている重要な航路であり、離島住民に重大な影響を与えることになります。しかし、航路事業者の七六%が赤字経営の状態であり、不採算航路であり、撤退が促進されていくことは明らかであります。  法案では、運輸大臣が指定区間を設け一定措置を講じるとして、運航ダイヤや運賃については認可制としていますが、肝心な航路廃止については、指定外航路より事前届け出の期間が五カ月長いだけで、届け出をすれば自由に廃止できることには変わりないのであります。結局、何らの歯どめにもならず、国民利用者へのごまかしとしか言いようがありません。  反対する理由の第二は、参入規制の自由化は、資本力を持つ大手事業者がもうかる航路への自由な参入を許し、事業者の八割以上を占める中小零細事業者の経営に重大な影響を与えるおそれがあるからであります。  現在でも通勤通学や観光地のため多くの旅客で一日百便以上も運航している航路があり、このような航路では参入を自由化すれば過当競争となるおそれがあります。大小の事業者が共存しているところでは、大手の増便や他の有利な航路への参入、また運賃の大幅な値下げ行為によって中小零細業者が追いやられ、経営に大きな影響を与えることが十分予想されます。  また、過当競争にコスト削減で対抗することになり、人員削減や労働条件引き下げなど労働者にも大きな影響を及ぼすことになります。  反対する理由の第三は、海上旅客運送事業においては第一に安全確保に努めなければなりません。しかし、需給調整規制撤廃で過当競争が強まる中で、輸送の安全性に懸念が生じます。コスト削減、運賃のダンピングなどの影響で人員の十分な体制がとれず、安全が担保できなくなるおそれがあるからであります。  最後に、国が補助制度の改悪をはかりながら自治体や住民に負担の転嫁を進めていることは重大な問題であります。今こそ国は補助制度の改悪をやめ、充実を図ることを求めて、討論を終わります。
  136. 小林元

    委員長小林元君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  海上運送法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  137. 小林元

    委員長小林元君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、寺崎君から発言を求められておりますので、これを許します。寺崎昭久君。
  138. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 私は、ただいま可決されました海上運送法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     海上運送法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に向け万全を期すべきである。  一、安全で安定的な海上運送サービス確保するため、公正な市場環境を整備するよう適切な措置を講ずること。  二、離島航路など生活交通確保するため、クリームスキミングの防止に努め、国及び地方公共団体における必要な行財政措置を講ずること。  三、海上運送における安全を確保するため、事業者の遵守事項を明確にし、計画的かつ着実な監査を実施するなどの指導監督を強化するとともに、輸送の安全確保に関する命令等について厳正かつ機動的に行うこと。  四、需給調整規制廃止に伴う競争により船員 の雇用不安が生じないよう、船員雇用施策の拡充を図ること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  139. 小林元

    委員長小林元君) ただいま寺崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  140. 小林元

    委員長小林元君) 多数と認めます。よって、寺崎君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、川崎運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。川崎運輸大臣
  141. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) ただいま海上運送法の一部を改正する法律案につきまして、慎重な御審議の結果御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。  ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、運輸省として十分な努力をしてまいる所存であります。
  142. 小林元

    委員長小林元君) 次に、航空法の一部を改正する法律案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  143. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、航空法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  今回の改正は参入、退出や運賃、そして安全にかかわる規制緩和であり、航空法の根幹を改正するものです。  反対理由の第一は、路線の休廃止を許可制から届け出制に変更することです。それは、不採算路線からの撤退を促進させることになるからです。航空会社が不採算だという理由で一方的判断で路線撤退が進むことは、国民の利便や地域経済に重大な打撃となります。  私も指摘しましたが、座席利用率の六〇%以下は百三十九路線、五〇%以下は三十五路線に及んでいます。これら不採算路線は休廃止の対象となっていくことは明らかであります。とりわけ、住民の生活や産業振興の上で不可欠の役割を担っている離島路線の切り捨てにも一層拍車がかかります。  第二に、運航整備を丸ごと委託することを認めるなど、航空の安全に重大な影響があります。運航整備も他社任せで、みずから責任を負わない航空会社新規参入が可能になります。低コスト会社へ丸ごと委託することを可能とし、コスト削減競争に拍車をかけ、航空の安全に重大な影響をもたらす改悪であります。  また、現行の整備士よりもランクを下げた知識・技術レベルの運航整備士資格を新たに設けて日常的な航空整備作業を行わせ、整備の訓練や人件費にかかるコスト削減をねらうものであり、安全性低下につながります。  さらに、路線ごとに機長としての資格審査、認定することをやめることも問題です。空港ごとに異なる地理的特性や気象条件などについて十分な知識と訓練のないまま路線運航するような危険な事態が起こりかねません。  第三に、運賃の自由化はダンピング競争に拍車をかけます。利用者間の不公平、不平等を拡大し、コスト削減競争を激化させ、安全性を一層低下させることになります。  一方、値上げへの法的歯どめがなくなり、不採算路線寡占化の進んだ路線では、航空会社は自由に値上げが可能になります。極端な高運賃や略奪的運賃については、運輸大臣が変更を命じるとしていますが、命令を行う基準が不明確で、実効性に乏しいという問題があります。  以上、本法案の改正需給調整廃止という航空事業の大もとを変えるものであるにもかかわらず、わずか数時間の審議で議了することに強く抗議し、私の反対討論を終わります。
  144. 小林元

    委員長小林元君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  航空法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  145. 小林元

    委員長小林元君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、寺崎君から発言を求められておりますので、これを許します。寺崎昭久君。
  146. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 私は、ただいま可決されました航空法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     航空法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について万全の措置を講ずべきである。  一、離島住民の日常生活に必要不可欠な航空路線確保するため、国及び地方公共団体における必要な財政措置を講ずること。  二、航空運送事業の許可に当たっては、輸送の安全確保観点から適切な事業の計画及び事業遂行能力等についての審査を厳正に行うとともに、その基準を具体的に定めて公表する等、許可の運用について明確性、透明性を確保すること。  三、航空旅客の利便増進を図るため、混雑空港解消に向けて、大都市圏の空港整備を積極的に進めるなど航空交通容量の拡大に格段の努力をすること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  147. 小林元

    委員長小林元君) ただいま寺崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  148. 小林元

    委員長小林元君) 多数と認めます。よって、寺崎君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、川崎運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。川崎運輸大臣
  149. 川崎二郎

    国務大臣川崎二郎君) ただいま航空法の一部を改正する法律案につきまして、慎重な御審議の結果御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。  ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、運輸省として十分な努力をしてまいる所存でございます。  どうもありがとうございました。
  150. 小林元

    委員長小林元君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 小林元

    委員長小林元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二分散会