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1999-04-13 第145回国会 参議院 交通・情報通信委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年四月十三日(火曜日)    午前十時三分開会     ─────────────    委員異動  三月二十四日     辞任         補欠選任      森山  裕君     鹿熊 安正君      畑野 君枝君     筆坂 秀世君  三月二十九日     辞任         補欠選任      山内 俊夫君     石川  弘君      内藤 正光君     櫻井  充君  三月三十日     辞任         補欠選任      石川  弘君     山内 俊夫君      櫻井  充君     平田 健二君  三月三十一日     辞任         補欠選任      平田 健二君     内藤 正光君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小林  元君     理 事                 加藤 紀文君                 景山俊太郎君                 寺崎 昭久君                 森本 晃司君                 渕上 貞雄君     委 員                 岩城 光英君                 鹿熊 安正君                 田中 直紀君                 野沢 太三君                 山内 俊夫君                 山本 一太君                 若林 正俊君                 内藤 正光君                 本田 良一君                 松前 達郎君                 鶴岡  洋君                 筆坂 秀世君                 宮本 岳志君                 戸田 邦司君                 岩本 荘太君    国務大臣        運輸大臣     川崎 二郎君        郵政大臣     野田 聖子君    政府委員        外務省欧亜局長  西村 六善君        外務省経済協力        局長       大島 賢三君        運輸省自動車交        通局長      荒井 正吾君        運輸省海上交通        局長       宮崎 達彦君        運輸省海上技術        安全局長     谷野龍一郎君        海上保安庁長官  楠木 行雄君        郵政大臣官房長        事務代理     鍋倉 真一君        郵政省郵務局長  濱田 弘二君        郵政省通信政策        局長       金澤  薫君        郵政省電気通信        局長       天野 定功君        郵政省放送行政        局長       品川 萬里君    事務局側        常任委員会専門        員        舘野 忠男君    参考人        日本放送協会理        事        酒井 治盛君     ─────────────   本日の会議に付した案件参考人出席要求に関する件 ○電波法の一部を改正する法律案内閣提出) ○郵便法の一部を改正する法律案内閣提出) ○道路運送車両法の一部を改正する法律案内閣  提出) ○船舶法の一部を改正する法律案内閣提出) ○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき  、関東運輸局栃木陸運支局自動車検査登録事  務所設置に関し承認を求めるの件(内閣提出  )     ─────────────
  2. 小林元

    委員長小林元君) ただいまから交通情報通信委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る三月二十四日、畑野君枝君及び森山裕君が委員辞任され、その補欠として筆坂秀世君及び鹿熊安正君が選任されました。     ─────────────
  3. 小林元

    委員長小林元君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  電波法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会参考人として日本放送協会理事酒井治盛君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小林元

    委員長小林元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 小林元

    委員長小林元君) 電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 野沢太三

    野沢太三君 自由民主党の野沢でございます。  本日は電波法の一部改正が主題でございますが、その前に、国際映像放送関係質問を二、三させていただきたいと思います。  ことしから施行することになっております二十四時間放送の中に日本語教育普及番組が組み込めれば大変有益であると考えておりますが、これに対する準備あるいは可能性はいかがでございましょうか。
  7. 品川萬里

    政府委員品川萬里君) お答え申し上げます。  現在のところ日本語教育普及に関する番組はございませんけれども、法的に見ますと、放送法の第四十四条に国際放送あり方規定されておりますけれども、そのような番組につきましては、この法によりますように、国際親善の増進あるいは我が国に対する正しい認識の醸成という趣旨にかなうものではないかと存じます。  今後、郵政省といたしましては、NHKの方と必要に応じて相談にあずかってまいりたいと存じます。
  8. 酒井治盛

    参考人酒井治盛君) 今郵政省から御説明のあったとおり、私どもNHK国際放送は、ニュース情報番組中心に編成しておりまして、現時点では日本語教育普及に関する番組は組み込んでおりません。しかし、先生指摘のとおり、日本に対する国際理解を促進するのは国際放送の大変大きな目的一つでございます。そのための番組を編成することは目的にかなうということで、御指摘を踏まえて、どのような形で行うのが一番いいのか、郵政省とも御相談しながら、検討に入ってぜひ実現してまいりたい、こう思っております。
  9. 野沢太三

    野沢太三君 先日、私はペルーに参りまして日系人社会の皆さんと御懇談を申し上げたのですが、そこで、日本語教室が開かれておりますが使っております教材が大変古い、しかも先生が不足しておるということでありまして、日系人社会日本語が忘却をされていくことは大変残念でございます。  そこで、日本語教師派遣をもう少し数多く、しかも立派な方を送ってくれないかという声が強いわけでございます。これまでも何人かは行っていただいているようですが、この数をふやすことができないかどうか。これは外務省にお伺いしましょう。
  10. 大島賢三

    政府委員大島賢三君) お答え申し上げます。  移住者とか日系人に対します支援事業の一環といたしまして、日系社会青年ボランティアそれからシニアボランティアといったような形でボランティアの方々を派遣しまして事業をやっております。昨年度におきましては、青年シニアの部門合わせまして新規に六十四名派遣をいたしておりますが、そのうちの三十七名、半数強日本語関係仕事に携わっておられます。  こういった形での事業につきましては、まだ数が不十分でございますので、こういった日系人支援事業、それから青年海外協力隊事業も活用いたしまして、できる限りこうした現地のニーズに沿うように対策を講じていきたいと思っております。
  11. 野沢太三

    野沢太三君 今回の国際映像放送二十四時間化というお仕事は、私は大変画期的な日本への理解を深める大事な通信手段になるだろうと。そういう意味でもこの機材並びに番組をうまく活用しまして、日本人社会あるいは日系人社会、さらには日本との関係の深い外国の皆様に日本の御紹介を常時、毎日やっていくということは、はかり知れない親善、友好の道を開くことになると考えるわけであります。  しかしながら、受信機は向こうでいえば結構高くつくわけでありますから、ODAによってこの受信機援助ができればなおいいと思うんです。大変有効だと思います。既に各国の実情調査をなされて、差し当たりドミニカ供与をするという計画を持っているようでございますが、広く他の諸国にもこれを拡大いたしまして、今後の援助計画の柱の一つにこれを組み込んでおいたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
  12. 大島賢三

    政府委員大島賢三君) 御指摘のとおり、このNHKワールドテレビ受信機材供与いたしますことは海外におきます日本語普及支援それから情報発信、いろいろな見地から大変に私どもも意義と効果があると思っております。先般、既存のODAの枠組みを活用いたしまして、積極的に案件を発掘するように指示を出したところでございます。  先生から御指摘のございましたように、ドミニカに対しましては既に三月に機材供与をしておりますが、それ以外にも、例えばパラグアイとかボリビアから日本人会が経営しております日本語学校中心といたしまして十数校から既に要請が上がってきております。こういったものにつきまして、逐次供与検討してまいりたいと思います。  それ以外の国につきましても、現地大使館等を通じまして案件発掘に努めてまいりたいと思っております。
  13. 野沢太三

    野沢太三君 そこで、中南米、大変これは日系の方が大勢行っていらっしゃるわけでありますが、肝心の隣近所、向こう三軒両隣、特にロシア沿海州サハリン北方四島、この辺についてはなかなか往来が思うに任せぬ中で、ビザなし交流等効果を上げているわけでありますけれども、毎日のお茶の間への情報の伝達というものは大変効果があると私は思うわけであります。特に、天気予報なんかは一日の行動計画、身支度にまで響く、船を出すか出さないか、こんなことにまで響くわけでありますから、北方四島等に対する映像サービス現状と今後の対応策について伺いたいと思います。  まず、NHKから現状の方をお伺いいたしたいと思います。
  14. 酒井治盛

    参考人酒井治盛君) ロシアでは、NHKテレビ国際放送に対して受信してはいけないという規制はございません。  ロシア沿海州サハリン、これにつきましては、受信者の数は把握しておりませんけれども、やや大き目の直径二・四メートルのパラボラアンテナ等、こういった受信設備さえ取りつければ私どもテレビ国際放送受信できる。  それから、もう一方の北方領土につきましては、現地との接触が困難なこともございましてこちらも受信者の有無は把握できておりませんけれども、私どもNHKBS放送が十分受信できる距離にありますので、こちらはやや小さ目の直径五十センチあるいは七十五センチ、こういったアンテナがあれば受信できる。現に、根室や釧路では漁船で入港する北方領土ロシア住民がカニとか魚、こういったものを日本側に売るかわり日本テレビアンテナを買って帰ることがよく見受けられますので、日本テレビを楽しんでいるなということは十分推察できます。  現状としては、私どもNHKとしては、ハバロフスクにありますロシア極東テレビ局サハリンにありますラジオテレビ局の両方とニュース素材交換協定あるいは覚書、こういったものを締結しておりまして随時互いのニュース素材を送り合っておりまして、頻度は少ないんですけれども放送にも出しております。  最近の例ですと、例えば北方領土につきましては現地に住むロシア住民が私ども日本を一体どう見ているか関心のあるところですので、去年の日ロ首脳会談があった際には、NHK取材陣北方領土現地に入れませんので、協力協定を結んでおりますサハリンラジオテレビ局に頼んでかわりにその職員に北方領土に入ってもらって、現地住民が領土返還問題をどう受けとめているか、こういったことにつきましてインタビューとかアンケート調査をしてその素材NHKに送ってもらう、そして全国の番組内容を紹介した、そしてその番組の一部をサハリンテレビ局映像サービスとして配信した、こういうことがございます。  いずれにしましても、先生の御指摘を踏まえて、いろいろな機会をとらえて今後の日本ロシア国際親善理解に役立つニュース番組をどんどん積極的にやってまいりたい、こう思っております。
  15. 品川萬里

    政府委員品川萬里君) ただいまNHKの方から大変意欲的なお話がございましたが、私ども政府といたしましても、外務省なり関係当局とも十分相談しながら、またNHKの御相談にもあずかりながら、国際放送我が国国際理解あるいは相互親善により役に立つように努力してまいりたいと存じます。  以上でございます。
  16. 西村六善

    政府委員西村六善君) 北方四島におきましては、ただいま御説明NHKの方からしていただきましたとおりNHK国際衛星放送受信が可能でございまして、ごくわずかでございますけれども見ている住民もいるというふうに承知をしております。  北方四島に対しましては、いろいろな援助といいましょうか支援といいましょうか、そういった活動をこれまでしてきているわけでございますけれども、主として緊急の人道支援と称されるものをやってきたわけでございます。例えば、衣料品あるいは医療器材などがその中心でございますけれども、最近におきましては発電施設ないしは発電のために必要なディーゼル原油といったようなものも提供しているといったような状況でございます。  そこに貫かれております考え方は、緊急の人道支援という考え方であるわけでございますけれども、今先生がおっしゃられました御趣旨は、目的それから意図をるる御説明になられたわけでございますけれども、そういう意図目的は私どもももとより共有するものでございまして、そういう立場からどういうふうにすることができるのかということを研究してまいりたいと思います。
  17. 野沢太三

    野沢太三君 それでは、電波法改正に入りたいと思います。  今回、新たな海上遭難安全システムへの移行という措置がとられるわけでございますけれども電波技術の進歩に伴います国際的な取り決めも既にできておりますが、これまでの実績で誤動作、誤発信が非常に多いというふうに伺っております。郵政省は、この誤発信防止にどのように取り組むつもりか、大臣お話を聞きたい。
  18. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 先生指摘の新しいシステムGMDSS、これは機器操作ミス等によって誤って電波発射されるケースが多いのは事実でございます。誤発射があった場合には、普通、ほかの通信手段での事実確認が可能ですが、確認作業等負担を発生させるということから、その防止は国際的にも重要な課題になってきております。  郵政省としましては、国際海事機関措置を受けまして、GMDSS機器技術基準を見直したほか、誤発射防止用のビデオの配付等を実施してきているところでございます。  今後とも、郵政省を含む関係省庁及び関係団体から構成されます捜索救助連絡会、これは仮称ですが、を通じて、実態調査ども踏まえてより効果的な誤発射防止策に取り組む予定でございます。
  19. 野沢太三

    野沢太三君 そこで、具体論なんですが、先般、漁船新生丸衝突事故によって沈没し、緊急発信をしたんだけれども、これがどうも誤発信と受け取られて長時間放置された。幸い五人救助されたのでよかったんですが、この対策を一体どうするのか。報告書も伺いましたが、問題がまだ残っているように思うんですが、いかがでしょうか。
  20. 楠木行雄

    政府委員楠木行雄君) 海上保安庁長官楠木でございます。  いろいろな経緯がございましたけれども、できるだけ簡潔にお答えをさせていただきたいと思います。  今回の海難事故につきましては、一月二十日の午前七時二十一分にこの船のEPIRB警報を私どものMCCが一回だけ受信をしたことから始まったものでございます。  私ども海上保安庁では、二月一日のGMDSS完全実施前から、EPIRB警報信号受信した場合には、すぐ情報収集を行いますとともに巡視船艇航空機を現場に急行させているところでございまして、事実、この海難の発生前一週間にEPIRB警報九件を受信しておりますけれども、これらのすべてにつきまして救助活動あるいは救助の手配、あるいは誤発射かどうかの直接確認を行っているところでございます。  この件につきましても、第三管区海上保安本部は直ちに関連情報収集等を行いますとともに、巡視船及び航空機発動指示したわけでございます。ところが、よく言われておりますように、この新生丸定時連絡先であります室戸漁業無線局から、新生丸と通話中であって船は無事であるという旨の情報を入手したことから、巡視船及び航空機発動を解除いたしました。その後、船主からの捜索要請がありまして、定時連絡に対する応答がなかったことから本格的な捜索救助のため改めて巡視船及び航空機発動指示したものでございまして、結果的に本格的な捜索がおくれてしまったことは事実でございます。  今回の海難事件につきましては、運輸省官房長を座長といたしまして、郵政省や水産庁といった他の省庁及び外部の有識者を含めた方をメンバーといたしました事故調査検討会が五回にわたり開催されました。そして、三月二十六日までに報告書が取りまとめられたわけでございます。  この報告書におきましては、大変広い多角的な検討をしていただいたわけでございますが、救難活動に関する改善策等といたしまして、特に、情報収集重複化を避けまして情報が速やかに関係者責任者に集約される体制にすること、遭難警報等受信した場合は原則として海上保安庁みずからが航空機等により当該船舶の安全を直接確認すること、それから、さっき大臣の答弁にございましたように関係者連絡会をつくること等の措置を講ずることとされたわけでございます。  海上保安庁では、これを受けまして既に三月末までに必要なマニュアル整備等を終えたところでありまして、これに従い、今後とも、遭難信号受信した場合における直接確認の徹底に努めますとともに、マニュアルの定期的な見直しを行っていくこととしております。
  21. 野沢太三

    野沢太三君 ぜひひとつ、新しいシステムに早く習熟されるということをお願いいたしたいと思います。  それから、小型漁船とかプレジャーボート等遭難が依然として多いと伺っておりますけれども、万一の場合に備えまして、小型漁船等に対する無線利用をさらに促進すべきと考えますが、郵政省のお考えはいかがでしょうか。
  22. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 小型漁船に適した無線通信普及促進を図るために、多様なシステムを導入するとともに、免許や検査の手続の簡略化等無線設備利用しやすいよう環境整備に努めているところであります。  その結果、総トン数二十トン未満の漁船でも約七万五千の漁船無線設備設置している状況になりました。今後とも、小型漁船等利用に適した無線システム普及促進に努めてまいりたいと考えています。  また、無線設備設置を義務づけられていない小型船舶救助機関との連絡あり方についても、今の連絡会を通じて検討することといたしております。
  23. 野沢太三

    野沢太三君 今回導入する運輸多目的衛星というのは、航空機安全運航あるいは船舶にとってもこれは大変効果のある措置と考えられるんですが、これを導入することによる具体的な効用、効能書きと言ってもいいんでしょうが、これはどのようなことを期待しているのか、お答えいただきたいと思います。
  24. 天野定功

    政府委員天野定功君) 現在、洋上における航空機との航空管制通信短波帯電波を用いた無線電話によっているわけでありますが、電離層の状態に左右されまして必ずしも通信品質が安定していないわけであります。  今度導入します運輸多目的衛星、いわゆるMTSATを経由した通信によりますと、電離層の影響を受けない安定した高品質通信が可能となります。  その結果としまして、航空機がアメリカの測位衛星でありますGPSにより測定した位置情報航空交通管制機関が自動的に把握しまして的確な管制指示を行えるようになりますし、それによりまして、安全性確保しつつ航空機運航間隔の短縮と輸送力の増強が可能となるわけであります。  さらに、MTSATを経由して気象データ等航行に必要なデータを安定的、自動的に受信することが可能となり、パイロット等負担も軽減できると期待しているところでございます。
  25. 野沢太三

    野沢太三君 先月の二十一日に、防衛庁電波傍受施設不審船と見られる船からの電波受信して、二隻の不審船が発見されて追跡しましたが逃げたと、こういう事件がありましたが、このような事件は今後も起こり得る可能性があるかと思うんですが、今回の郵政省電波監視システムというものはこのような事件対応できるのかどうか。  それから、電波監視施設設置都市部中心というふうに伺っておりますけれども、その他地域ではどういうふうに電波監視をするのか、取り締まり関係機関との連携はとれているのかどうか、一括してひとつお答えをお願いします。
  26. 天野定功

    政府委員天野定功君) 最初に、不審船関係について御答弁いたします。  郵政省電波監視は、無線通信秩序を維持して無線局の適正な運用確保する観点から実施いたしております。このため、地方監理局では通常不法無線局が多い周波数電波を監視するほか、混信申告等に基づきまして特定の周波数電波につきまして電波帯域幅方位等技術的測定及びそれに基づく混信妨害源探査中心に実施しているところです。したがいまして、要人の来日等特別の場合を除きまして、通常は二十四時間すべての電波につきまして通信内容を常時傍受する体制はとっておりません。  このように、郵政省電波監視無線通信秩序の維持の観点から実施しているものでありまして、今回のような事件に十分対応できる体制にはなっていないわけであります。しかしながら、防衛庁等からの具体的な周波数につきまして電波方位測定等の依頼があれば、協力していくことは可能ということでございます。  次に、電波監視施設のカバーの問題でございますが、全国的に遠隔方位測定設備等固定監視施設を整備してきておりまして、平成十年度末には人口十万人以上の都市をカバーしておりますが、さらに平成十三年度末、これは第三期計画にこの十一年度から入るわけでありますが、十三年度末には人口五万人以上の都市をカバーする計画でございます。  センサー局は、電波利用が過密であり、不法無線局の出現の多い都市部中心として設置されております。限られた要員のもとで効率的な不法無線局取り締まり等を実施するため、活動中心をある程度都市部に置かざるを得ないというのが現状であります。  なお、固定監視施設でカバーできない地域での監視活動混信妨害源の詳細な探査等を行う場合には、不法無線局探索車を出動させて移動監視も実施しております。  また、取り締まりの際には、必要に応じまして警察庁、海上保安庁協力を求め共同で行うなどしており、迅速な対応機動力確保にも留意しているところでございます。
  27. 松前達郎

    松前達郎君 きょうは電波法に関して質問させていただくわけですが、先ほどもGMDSSの問題を野沢委員から質問がありました。それとも多少重複するかもしれません。  まず最初に、電波法については平成元年並びに平成三年に船舶地球局運用要件を定める内容改正が行われたわけであります。GMDSS無線設備設置義務ですとか運用規定整備等に関する改正が行われたんですけれども、その際に、参議院の逓信委員会では附帯決議が行われております。  その項目の中に、これは平成元年の場合ですが、「GMDSSの導入に当たっては、無線設備について実証実験を充分に行い、システム信頼性確保に努めること。」、それから平成三年の附帯決議としては、「GMDSSの導入に当たっては、その機能を確認しつつ、一層の信頼性確保に努める」こと、こういうふうな項目が挙げられているわけです。これは、両方共通的に見ますと、信頼性の問題が非常にここで取り上げてあったと私は思っております。  これらの項目に関する対応をその後どういうふうにとられてきたのか、まずそれをお伺いしたいと思います。
  28. 天野定功

    政府委員天野定功君) まず、平成元年附帯決議であります「GMDSSの導入に当たっては、無線設備について実証実験を充分に行い、システム信頼性確保に努めること。」に関しましては、ITUやインマルサット等の国際機関、さらにフランスや米国を初めとする諸国により各種の実証実験が実施されましたほか、国内でも郵政省海上保安庁、運輸省、メーカー等と協力しまして実証実験を行い、デジタル選択呼び出し装置等のGMDSS機器の機能の確認をしたところでございます。  また、平成三年の附帯決議でございます「GMDSSの導入に当たっては、その機能を確認しつつ、一層の信頼性確保に努める」ことに関しましては、関係省庁及び関係団体から成るGMDSSの導入に伴う海上通信の整備・再構築に関する調査研究会が持たれまして、その検討の結果に基づき、平成七年一月に開催されたIMOの第四十回無線通信委員会に対して誤発射防止に関する日本提案を提出いたしまして、GMDSS機器のIMO性能基準の改正に反映させるなど、信頼性確保に努めてきたところでございます。
  29. 松前達郎

    松前達郎君 いろいろと御努力されたということでしょうけれども、この平成元年のときの附帯決議の中にある実証実験、これはおやりになったんですか。
  30. 天野定功

    政府委員天野定功君) これは、先ほど答弁いたしましたとおり、フランス、米国など諸外国でも各種実証実験が実施されておりますほか、国内でも郵政省海上保安庁、運輸省、メーカー等と協力して実証実験を行ったところでございます。
  31. 松前達郎

    松前達郎君 これからずっと質問させていただくのは、およそ信頼性に尽きる問題だと思うんです。  先ほどの質問にもございましたように、新生丸の場合も同じですけれどもGMDSSが機能しない原因は幾つか挙げられると思うんです。機器類の問題もある、さらに人的な情報誤判断の問題もある、こういうふうに思いますけれども、簡単でいいですから、今回の遭難事故の事実関係と今後の対策、これは海上保安庁の方にお伺いしたいと思います。
  32. 楠木行雄

    政府委員楠木行雄君) 先ほどとダブる点は省略をさせていただきますが、先ほど申し上げましたように、七時二十一分にEPIRBからの遭難警報を一回のみ受信をした。ところが、一回だけでは位置が特定をしない、二つ位置が出てしまって、そのうちのどっちに行くかという問題があるわけでございます。そこに、船主さんの方だという話のふれ込みで、室戸漁業無線局の方から、新生丸と通話中であり船は無事であるという、私どもから見ると今まで余りなかったようなことが情報として入手した。しかも、これは通常漁船との定時連絡先であるという面で我々としては信頼に足り得ると考えたわけでございます。それで、巡視船航空機発動を一たん出しておったものを解除した。その後、船主さんからのいろいろ捜索要請がございまして、ただこれについてもその船のいわば定時連絡時間が十五時だということがあって、それまでなかなか確認ができなかった。通常、なかなか船についてはそうできない。  こういうふうなことがございまして、私どもから見るといろんな事情が重なったというのがこの新生丸事件一つの大きな課題である。そこで、先ほど申し上げましたように、いろいろと改善策について検討した、こういう経緯でございます。
  33. 松前達郎

    松前達郎君 人間が行うことですから、そういう面でのミスというのが重なっているような気もするんです。これはマニュアルをきちっとすればある程度解決できると思います。  平成四年から導入されたGMDSSによる機器からの誤発射、これは以前から問題になってきておりますけれども、これが非常に多いということです。これについて、過去五年間一体どういうふうに推移してきたか。年ごとにだんだんふえているのか、あるいはそのまま減っているのか。そういった推移と、それからその誤発射をした機器、これは私一つじゃないと思うんです。後でまた質問しますけれども機器別に何か件数が出ているのか、あるいはその内容は一体どういうものか、あるいは船の船籍国名、それから種類、こういった問題についてはもう既に恐らく調査されていると思うんですけれども、細かいことは結構ですから、その傾向というのは一体どういう傾向なのか、簡単に説明していただけますか。
  34. 楠木行雄

    政府委員楠木行雄君) まず、最近における誤発射状況ということでございますが、このGMDSSの関連機器には三種類ございます。衛星EPIRBとデジタル選択呼び出し装置、DSCと申しますが、これとインマルサットによる遭難警報、この三つあるわけでございますが、傾向といたしますと、衛星EPIRBによる遭難警報、これはふえたり減ったりという状況でございまして、先生五年間とおっしゃいましたが、私どもとっておりますのが平成七年から十年までの四年間しかございませんが、衛星EPIRBによる遭難警報は平成七年が二百八十八件、八年が二百四十五件、九年は二百四十六件、十年は二百八十七件ということでございます。それで、DSCはどんどんふえておる。平成七年が百四件で、途中ちょっと飛ばしまして平成十年が四百四十二件。インマルサットもこれもふえておる。平成七年が二十七件ですが、平成十年は二百五十四件ということでございます。  それから、どういう原因かということでございますが、これにつきましては、私どもこういったようなものにつきまして調べてみますと、操作ミスによると思われるものが全体で四九%、それから整備不良が四%、荒天によると思われるものが五%、なお残りは原因が確認できないということで四一%。結局、操作ミスが非常に多いということでございます。  それから、船の国籍につきましては、日本国籍が十八件、それから外国船籍、これはパナマとかシンガポールとかロシア等々でございますが、これが五十四件。外国船籍がかなり多い、こういう状況でございます。
  35. 松前達郎

    松前達郎君 そうしますと、ブイの方も件数としてはふえているんですね、傾向からいくと。ただ、これはブイを装備する船の数がふえてくるということもありますからブイの総数もふえているだろう、それも考えに入れればあるいはふえたと一言で言えないんじゃないかと、こう思うんですけれども。  今問題のDSC、デジタル選択呼び出し装置、これがどうも多いということなんですが、実はこれに私ちょっと問題があるような気がするんです。これはたしか船の無線室の近くあるいはその中に設置されていると思うんです。マニュアルがあるから簡単には発射できない、ボタンは簡単に押せないようになっているんだといいながらも、監視している者もだれもいないんですね。だから、いたずらしてぱっと押したら出ちゃう場合があるんです。しかも、そのDSCで出した電波については中継する義務があるでしょう、それを傍受した船は。その中継のときにまたいろいろと問題が一つ出てくる。ですから、この件数が十年だと四百四十二件と最も多いわけで、ここにちょっと問題があるんじゃないか。  EPIRBでもやはり問題はあるんですね。あれはたしかテストを一年に一回しなきゃいけないんじゃないですか。義務づけられている。テストをするときに、マニュアルにしてテストをすればできるんですが、それをオートに戻さないと四十秒後には自動的に電波が出てしまう、そういう機械なんですね。しかも、ブリッジの中には置けませんから外に置いてあって、割とさわりやすいところにある。ですから、波が来たりして揺れて物がぶつかったらすぐ外れちゃうんですね。実は私のところにも船がありますので、さんざんそれを気をつけているんですけれども。そういった原因で誤発射もあるだろう。  だけれども、今お伺いしたら、EPIRBはそんなにふえてないんですね。ですから、今問題のあるのは恐らくDSCだろうと私は思っております。  そういうことから考えますと、システムとしてはGMDSSは非常にすぐれたシステムだと思うんです。この考え方はいいんだと思いますが、実際にはなかなか誤発射が減る傾向にない、一部ではふえている、こういうことですから、その原因をきちっと分析して具体的に対策を立てなければいけないのではないか、こういうふうに思うんですけれども、これはいかがお考えでしょうか。
  36. 谷野龍一郎

    政府委員谷野龍一郎君) お答えさせていただきます。  先生最初におっしゃいましたDSCそれからEPIRBの絶対数がかなりふえているわけですが、相対的にどうなっているか我々のところでも分析しておりますので、最初にちょっとそれを答弁させていただきます。  誤発射防止につきましては、GMDSS自体はこの一年間で約四倍に普及しております。今ほぼ全数がGMDSSの適用を受けているということでございます。DSCについては絶対数が一・五倍になっておりますので、比率でいいますと、全体が四倍でDSCは一・五倍、EPIRBは一・二倍ということで、若干の努力の効果は見られると思いますけれども、まだまだ御指摘のように絶対数は大変多いということでございます。  それで、今後の対策でありますが、今回の新生丸の事故を契機といたしまして、関係省庁の間でつくる予定になっております捜索救助連絡会の場におきまして詳しい調査を実施しようといたしております。そして、この調査によって得られたその内容を踏まえまして具体的な対策を講じていきたいと考えておりますが、先ほど海上保安庁長官からも御答弁がありましたが、例えば中身を見ますと、半数以上が外国籍船による、あるいは誤発射の原因の半分ぐらいがソフトの対応のミスによると、こういうことでございます。  したがいまして、一つは、国際的な枠組みの中で対処方針を決めていかなければいけないということでございますので、調査の結果を踏まえまして国際的な対応をまず一つきっちりやっていきたいと思っております。  それからもう一つは、御指摘のように大変GMのシステムはハードとしてはすぐれているものだと思います。ただ、四割近くがソフトのミスによるということでございますので、ハードとソフトがうまくかみ合うように、例えば船員教育訓練等の場において徹底をするなど、そういったハードとソフトのマッチングについても配慮していきたい、こういうふうに考えております。
  37. 松前達郎

    松前達郎君 原因として人為的なものが非常に多いということだと思います。これの対応をどういうふうに今後したらいいのか、ひとつ大いに努力していただきたいと思うんです。  ある意味でいうと、GMDSSというのは非常にすぐれたシステムであることはわかっているんですけれども、この移行のときに一遍に移行してしまうという移行の仕方をしましたね。  ということは、平成元年電波法の一部改正のときの附帯決議、また附帯事項に触れたいんですが、遭難、緊急、安全のための通信に関しては無線従事者が操作を担当する旨の項目があったと思います。無線従事者が操作を担当する、こういうふうな附帯事項があったんですが、現在は無線従事者、いわゆる資格を持っている者じゃない者も操作できるんです。正式な資格を持たないで、講習を受けたりして、例えば船長とか機関長がやってよろしい、いわゆる無線士がやらなくてよろしい、したがって無線局局長も要らない、現在こういうことになっていると思うんです。  それを一遍にやっていますから、いろんな人が来ていたずらする可能性が非常に強いわけなんです、責任ある者がそこの横についていませんから。そういうことが一つ大きな原因だろうと思いますから、これは時間的に慣熟度がどんどん上がっていけばある程度そういうものは避けられるだろうと思います。その辺はひとつ運輸省の方でも十分指示をしておいていただければと、こういうふうに思います。  その辺を含めて、対応をどういうふうにされるつもりか、今後の人的ミスを防ぐための対応、これについてお考えがあったらお聞かせください。
  38. 天野定功

    政府委員天野定功君) 確かに多くの無線局の場合、今先生指摘のように、一定の資格を持った従事者の監督のもとに無資格者でも操作できるのでございますが、船舶局などの無線設備通信操作で遭難、緊急、安全に関する通信は非常に重要であるということから、電波法令により無線従事者でなければ行ってはならないと規定されております。このため、無線設備設置が義務づけられている船舶局等では、無線従事者によりVHF送信機、衛星EPIRB等さまざまな無線設備が一体的かつ適正に運用管理されているものと考えておるわけであります。  なお、衛星EPIRBなど一部の機器につきましては、操作が電源を入れるだけで簡便なものであること、それから無線設備設置が義務づけられていない小型の無線局にも任意の設備として広く設置が期待されていることから、資格を不要としているところでございます。  今後とも、船舶の無線従事者等につきましては、誤発射対策も含めまして、適切な通信の疎通が図られるよう指導してまいりたいと思っております。
  39. 松前達郎

    松前達郎君 それではGMDSS問題はそれぐらいにいたしまして、次に移ります。  電波利用料による使途拡大の問題であります。  平成五年の制度創設時には、主として電波の監視あるいは無線局の監理システムの構築に電波料を使うのであるということだったわけですね。平成八年からそれに追加して、電波の効率的利用のための技術基準の制定にかかわる費用が追加されたわけであります。  平成十一年度予算を見ますと、電波利用料を財源にした幾つかの新規の施策が盛り込まれてはおりますけれども平成八年のときの新規施策については電波法にその使途が明記されたんです。ところが、今回の新規施策に関しては電波法には盛り込まれていないわけです。法改正が必要でない理由がちょっとわからないので教えていただきたいと思います。
  40. 天野定功

    政府委員天野定功君) 確かに平成十一年度から、電波利用料を財源としております電波遮へい対策事業電波安全性に関する調査など、新たな電波利用料を財源とする項目につきましては法改正をいたしておりません。  これは、電波法が定めております電波利用料を充てるべき事務として具体的に例示しているものが三つあるわけでありますが、それのほかに、「電波の適正な利用確保に関し郵政大臣無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用」に充てる場合は電波利用料を使うことができるという包括的な規定がございます。  今回、追加した事務は、いずれも電波法規定する「電波の適正な利用確保に関し郵政大臣無線局全体の受益を直接の目的として行う事務」に該当するということが明らかであるので、法改正は行わなかったものでございます。  なお、平成八年度に電波法に技術試験事務を例示として追加したのには、これは事務の外形上、広く国民全体を対象とする研究開発と類似しているものでありますから、免許人への受益を明確にする意味で規定改正を行ったものでございます。
  41. 松前達郎

    松前達郎君 電波法そのもの全体をずっと見てみますと、非常に包括的な法律なんですね。前にも放送局、いわゆる民放の問題がありました。あの当時も、電波法そのものあるいは放送法、この二つについて非常に包括的であって解釈のしようによっては何でもできるというような感じを持ったわけなんですけれども、しかし、今おっしゃったような理由で法改正に含めなかったということであるというのですから、それはそれでいいと思います。  平成十一年度から標準電波発射施設整備のために電波利用料が使われることになっています。納入者に対する直接的なメリットというのは一体どこにあるんだろうか、これについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  42. 天野定功

    政府委員天野定功君) 平成十一年度から電波利用料財源を用いまして整備する標準電波施設は、郵政省通信総合研究所が管理する国家標準周波数と標準時の時刻信号を長波帯電波を使って日本全国にわたり送信するものでございます。  この標準電波の活用によりまして、無線局の維持管理に必要な周波数のより精度の高い較正や発射周波数の高精度化などが可能となりまして、高密度での周波数割り当てなど、一層の周波数有効利用の実現に寄与できるわけでありまして、結果としまして無線局免許人の利益になるものと考えております。
  43. 松前達郎

    松前達郎君 考え方の相違かもしれませんが、電波利用料というのは無線局全体のために行われる共益的な事務というのに対して使用すべきである、こういうふうに考えられていると思うんですが、これはどうもその趣旨に合わない事業のような気もするんですよ。これは一般会計からやるべきだという議論もあるものですから、そういうことで今お尋ねをしたわけであります。  そしてまた、不法無線局対策、これについてお伺いしたいんですが、電波監視システムの整備については、平成五年から七年までを第一期、その後八年から十年までを第二期ということで整備を行ってこられた、こういうふうに聞いておりますけれども、現在、どの程度まで整備をされたのでしょうか。また、今後の整備計画等についてお伺いをしたいと思います。
  44. 天野定功

    政府委員天野定功君) 電波監視システム中心となります遠隔方位測定設備及び遠隔受信設備につきましては、まず第一期、平成五年度から七年度までの間におきましては、政令指定都市等をカバーする計画で整備してまいりました。第二期は平成八年度から十年度でございますが、これは人口十万以上の都市をカバーする整備目標でやってきたところでございます。ちょうど十年度が終わったわけでありますから、現在は人口十万以上の都市をカバーできる水準まで来ております。  それで、現在の状況と申しますと、遠隔方位測定設備が百二十九カ所、遠隔受信設備が八十カ所の配置になっているわけであります。結果としまして、人口十万以上の都市を監視区域とする目標をほぼ達成と、正確には九八%をおおむね達成したというふうに考えております。  今後は、第三期の目標であります人口五万以上の都市を監視区域とすべく引き続き施設整備に努めてまいりたいと考えております。
  45. 松前達郎

    松前達郎君 不法電波といいますか、これの監視というのは非常に難しいことだと思うんです。特にそれを特定することが非常に難しいのだろうと思うんです。  私も無線免許を持っていますから、そういう点では、よくアマチュアあたりだと、フォックスハンティングというのがあって、どこに電波発信源があるかというのをフィールドで探すゲームがあるんですけれども、それでもごく限られた範囲しか捜索しませんから、まして全国となると非常に難しい問題だろうと思います。  その実績を伺いたいんですが、実際に不法電波の数は挙げられると思うんですけれども、それを取り締まった実績というのはそんなにないんじゃないか、非常に少ないんじゃないかと思います。これもまた法律的な問題もあるというふうに思います。  この不法無線局によるにせの航空管制事件というのがありましたね。昨年の九月に起きた事件ですが、これは郵政省関東電気通信監理局発信源を調査しているという当時の報道があったわけですが、その後の調査状況についていかがでしょうか、特定できたかどうかも含めて。
  46. 天野定功

    政府委員天野定功君) この問題につきましては、経緯を先にちょっと申し上げますと、昨年九月二十二日夜に発生したとされますエールフランス航空機への妨害につきましてでありますが、その第一報が九月二十九日に関東電気通信監理局連絡が入りまして、その後、十月二日に運輸省東京航空局から関東電気通信監理局へ妨害電波を受けた旨の正式な報告及び監視調査の依頼があったわけであります。  関東電気通信監理局では、本件事案に対処するため、十月三日から十月十一日までの間、特別監視体制をとりましたが、本件のような航空管制用周波数に対する妨害電波確認されなかったわけであります。また、エールフランス機に対する妨害電波発射源も現在のところ確認できておりません。
  47. 松前達郎

    松前達郎君 なかなか確認するのは困難だと思いますけれども、これは性格上そういうものなんです。  不法電波発射する無線局設置に対する取り締まり、これは前にも私はこの委員会でいろいろと質問させていただいたんですが、この行為に対する取り締まりに二つの違法行為が考えられます。  法的整備が必要だということが私が言いたいことなんですけれども、例えば無資格者が電波発射可能な無線機を設置する、そのこと自体を対象にして取り締まる。これはなかなかやりにくいかもしれませんが、こういうふうなことが一つ考えられる。  それから、有資格者であっても、本来の通信目的を逸脱した通信により反社会的行為を行った場合などの取り締まり、これらについての法的措置。これらについて何らかの措置を考えておきませんと、なかなかこれは減らないし、取り締まりもやる立場からすると非常にやりにくいことになるんじゃないか、こういうふうに思うんです。  これはある意味でいうと法律の問題になりますので、郵政大臣にお考えを伺いたいわけです。今の問題、法改正をそのような方向でした方がいいんじゃないかと私は思うんですが、その問題についてお願いしたいと思います。
  48. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 現在の電波法ですが、まず初めに、免許がないのに不法に無線局を開設し、また運用することを罰則をもって禁止しています。また、免許を受けて無線局運用する場合であっても、免許状に記載された目的または通信の相手方もしくは通信事項の範囲を超えて運用すること、これも罰則をもって禁止しています。また、これらのほか、有資格者による反社会的行為を行った場合にも必要な禁止規定を設けているところであります。  ですから、これらの規定により、必要な法的措置は可能になっていると私は考えているところでございます。
  49. 松前達郎

    松前達郎君 法律的にはそうなんですが、実際にそれを逮捕したりできないんです。  例えば、ダンプカーに載せてある強力な無線機がありますね。資格がないのに、あれでもって電波をどんどん出すわけですが、ダンプカーをとめてやっているのかと聞いても、今やっていないよと言われて終わりなんですね。事実、それをやっている現場をつかまえなきゃいけない。だから、そういう資格がないのに機器を載せる、これを取り締まれと、そうしないと取り締まりようがないということです。その辺の法の整備というか、何かそういったものも考えた方がいいんじゃないかという意味で質問させていただいたわけなんです。  最後に一つ、これも大臣にお伺いしたいんですが、ユニバーサルサービスの問題ですが、携帯電話の数がどんどんふえる、あるいはPHSもどんどんふえてくるわけですが、一一〇番通報あるいは警察に対する通報、これらについても約三分の一が携帯電話、PHSになった。こういうふうに考えてみますと、マルチメディア時代に向けた料金・サービス政策に関する研究会の報告に、ユニバーサルサービスには当たらないというふうな報告があると聞いているんですが、私は、携帯電話をユニバーサルサービスとして位置づける時期に入ったんだろうと思うんですが、この点について郵政大臣の見解を最後にお伺いします。
  50. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 今先生の方から御指摘がありました研究会の報告では、ユニバーサルサービスとは、国民生活に不可欠なサービスであって、だれもが利用可能な料金など適切な条件であまねく日本全国において公平かつ安定的な提供の確保が図られるべきサービスということで、現在のところ加入電話サービスがこれに該当するとされています。  携帯電話は、今お話がありましたとおり、最近急速に国民のニーズが高まっておりますし、利用者もふえてきており、郵政省としては地域間の格差是正事業とか不感地域の解消といった施策がますます重要になると考えています。  こういった意味から、今いろいろな鉄塔施設の整備事業とか、電波遮へい対策事業を実施させていただいていますが、現状においては世帯普及率がようやく五割を超えたところです。先ほど申し上げた加入電話サービスというのは九割を超えているわけで、今現在では事業者に対してすべての地域でサービスを行うべきユニバーサルサービスとして位置づけることはちょっと時期尚早ではないかと思っています。  ただ、研究会におきましては、近い将来においてユニバーサルサービスとして扱う必要も高まってくるかもしれない、そういうことも御指摘がありましたので、今後の普及状況をしっかりと見届けてまいりたいと思っています。  以上でございます。
  51. 松前達郎

    松前達郎君 終わります。
  52. 森本晃司

    ○森本晃司君 今回、電波利用料が改正されますが、利用者にとってどの程度の負担軽減になるか、お伺いいたします。
  53. 天野定功

    政府委員天野定功君) 今回の電波利用料の改正によりまして、免許人全体につきまして、平成十一年度から向こう三年間で約五十八億円程度の負担が軽減されるものと推定いたしております。
  54. 森本晃司

    ○森本晃司君 今もお話がございましたが、携帯電話は無線局の中でも最も台数の伸びが顕著であります。電波利用料の増収は携帯電話の急増によるものであることは論をまたないものでありますが、今回、携帯電話の電波利用料の値下げ、端末の方ですね、行われていない、五百四十円そのままであるということですが、これを見送られた理由について御説明いただきたいと思います。
  55. 天野定功

    政府委員天野定功君) 電波利用料の料額は、二つの要素によって算定いたしております。  一つは、電波の監視などすべての無線局に共通に必要な経費につきましては、全無線局で均等割に負担することにしております。また、総合無線局管理ファイルに関する費用につきましては、無線局の局種によりこのファイルに記録する免許申請書類のデータ量に多寡があるため、このデータ量に比例して負担することとして算定しているわけでございます。  今回、引き下げの主要な要因は無線局の増大によるものでございますけれども、均等割負担分につきましては、無線局の増大に比例しまして、電波監視周波数逼迫対策のための技術試験事務等の充実が必要になったために、均等割負担分が下がっておらなかったわけであります。  他方、総合無線局管理ファイルに係る費用につきましては、無線局の増大に比べ伸びがそれほど大きくならず、データ量が大きな局種、これは全体の十区分中六区分がそれに当たるわけですが、このデータ量が大きな局種につきましては、データ量比例分の負担額が大きく低下して、料額の引き下げにつながったところでございます。  携帯電話の端末につきましては、包括免許の対象になっておりまして、包括免許に係る無線局は個々の無線局データを総合無線局管理ファイルに記録しておりません。そういうことから、均等割の負担額が携帯電話の端末の利用料となり、今回は据え置きとなったものでございます。
  56. 森本晃司

    ○森本晃司君 今の理由を聞きますと、包括の中に含まれているから今回は据え置きだということですね。  今回は据え置きということですが、今後はこれはさらにふえていくと値下げということはあるんですかないんですか。今のような理屈でいくと、今後も下げられないという理屈にはならないですか。
  57. 天野定功

    政府委員天野定功君) 全体の負担無線局の数が大きくなっていきまして、そして均等割負担分がそれによって下がることもあろうかと思われます。そういうことになれば、携帯電話の端末は基本的に均等割の負担額がどうなるかに影響されますので、無線局の増大の状況によって下がることもあり得ようかと思いますが、今回の場合は均等割負担部分の増大の方が大きかったということでございます。
  58. 森本晃司

    ○森本晃司君 次に、電波利用料を値下げすること自体は大変結構なことでありますし、業界の負担が軽くなることによって間接的に国民の利益になるというのであれば、この電波利用料の値下げについては私は決して文句を言うものでもありません。  しかし、郵政省が、平成十一年度予算で、電波利用料を財源として電波遮へい対策事業補助金に十八億八千万円、また無線局運用における電波安全性に関する調査及び評価技術に三億二千三百万円、さらに標準電波による無線局への高精度周波数・時刻の提供に八億円計上しております。  先ほど同僚の松前委員の方からも使途についてお話がございましたが、私も同様に、電波利用料創設時の本委員会の審議において、郵政省は、電波利用料を電波監視システムの整備と電波行政事務の効率化のためのデータベースの整備のために使うと、こういう説明がありました。また、附帯決議で、安易に一般会計で行われている施策を電波利用料施策に転嫁しないとしたことと整合性がとれていないような気がするんですが、御説明を賜ります。
  59. 天野定功

    政府委員天野定功君) 電波利用料の使途につきましては、電波法に定めがございます。先生今御指摘のように、具体的に三つの使途が例示されておりますが、それ以外に、包括的に「電波の適正な利用確保に関し郵政大臣無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用」に充てる旨が定められております。  今回、追加いたしました電波遮へい対策事業補助金等の費目につきましては、この条項に照らしまして電波法規定趣旨にかなうという解釈で追加いたしたわけであります。  なお、先生指摘のように、一般財源による電波行政経費予算につきましては、利用料制度導入時の平成五年度の九十九億円に対しまして、平成十一年度におきましては百七十億円というようにふえてきておりまして、一般財源による電波行政経費の確保にも努めておりまして、安易に電波利用料施策に転嫁しないよう配慮しているところでございます。
  60. 森本晃司

    ○森本晃司君 携帯電話は規制緩和で急速に普及して既に四千万台を突破しているということで、赤ちゃんからお年寄りまで入れまして大体国民の三人に一人は持っているという状況になっているのではないかと思うんです。その結果、電波利用料の収入が予想を上回るペースでふえた、せっかくだからこの電波利用料を新たな施策の財源に使いたいという郵政省のお気持ちは私はわからないわけではありません。  そのことについては理解をしますが、電波遮へい対策事業、これは確かに我々も走っておりましてトンネルの中へ入ると携帯が切れる、あるいは地下に入ると携帯が使えなくなる、新幹線の中でもたびたび切れる。こういうことで、電波遮へい対策事業はやっぱり行っていかなきゃならないと思いますが、これに十八億八千万円出すということは、携帯電話以外の電波料を支払っている無線局の免許人にどのように説明されるのですか。これはある意味でむしろ携帯電話の事業者がやるべき仕事ではないかなというふうに思うんですが、どうでしょうか。
  61. 天野定功

    政府委員天野定功君) 今回新たに追加いたす予定をしております電波遮へい対策事業でございますが、これは人工的な構造物によりまして電波が遮へいされていることによる障害に対策を講じるものでございます。この障害は、電波の持つ特有の性格、具体的に申しますと直進性とか反射性がこれに当たりますが、こういった特有の性格から見てすべての無線局に生じ得るものであり、これに必要な対策電波利用料財源により措置する新補助金の枠組みは、携帯電話といった一部の無線局のみを対象としたものではなく、無線局全体の受益を目的として創設するものでございます。  このようにこの補助金の枠組みは基本的にはすべての無線局を対象として設けたものでございますが、当面の措置といたしまして、平成十一年度予算におきましてはトンネル等における携帯電話の通話断対策に限定いたしているところでございます。これは、従来より免許人からの要望が強いということ、また、現在の電波利用料の大半は携帯電話事業者が負担していることなどを踏まえて措置するものでございます。
  62. 森本晃司

    ○森本晃司君 平成三年度から一般会計で実施されている移動通信用鉄塔整備事業、これは電波利用料を使っておりませんね。今回の電波遮へい対策事業電波利用料を使っている。今まで移動通信鉄塔の方に電波利用料を使っていなかったのはどういうことですか。それで、今回電波遮へい対策事業には使うということの矛盾性について。
  63. 天野定功

    政府委員天野定功君) 従来実施しております移動通信用鉄塔施設整備事業は、携帯電話サービスなど多数の国民が利用する公共的な電気通信サービスにつきまして、過疎地の人々が利用できないという地域間格差の是正を目的として実施するわけであります。したがいまして、無線局の免許人の利益を目的とするものと言えず、電波利用料を充てることはふさわしくないというふうに考えております。  他方、今回の電波遮へい対策事業は、人工的な構造物により本来電波が届くべきところに届かないという電波の遮へいの障害を解消するものであります。これは事業者の立場から電波のサービスの品質の向上になるものでございまして、観点が、移動通信鉄塔整備事業地域間格差の是正、地元住民の福祉といった観点でございまして、今回の電波遮へい対策事業は、サービスを供給する供給者のサービスの確保という観点でございます。
  64. 森本晃司

    ○森本晃司君 大臣にお尋ねいたします。  電波利用料制度は多くの無線局免許人の御負担によって成り立っているわけであります。私は、電波利用料を御負担いただいている方々の信頼を得るために、電波利用料が何に使われているかということを積極的にPRをする必要があるのではないか。また、るる申し上げましたように、従来一般財源で行ってきた施策を安易に電波利用料施策とすることは、御負担いただく無線局免許人の理解を得ることはできないものではないかと思っております。  今後とも、電波利用料施策と一般財源による施策は明確に区分をした上で、電波行政に必要な経費は一般会計でしっかり確保していくことが重要であり、今後のよりよい電波行政につながっていくと思いますが、大臣の御意見をお伺いいたします。
  65. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 電波利用料の活用状況につきましては、毎年、免許人の皆さんにお送りしております納入告知書に関係の資料を同封するなど、負担していただいている方々への必要な情報提供をしているところでございます。今先生指摘のとおり、今後とも、免許人の皆様方のさらなる御理解をいただくために、この制度に対する周知・広報活動は積極的に行ってまいりたいと思います。  電波行政の推進に当たりましては、電波利用が今後の高度情報通信社会構築に不可欠であるという認識のもとで、今後とも、電波利用料施策と一般財源による施策は明確に区分するとともに、一般財源予算の確保を図り、積極的な電波行政を進めてまいりたいと思っております。
  66. 森本晃司

    ○森本晃司君 最後になります。  最近、郵政省が行われたアンケートによりますと、未成年の携帯電話やPHSの契約について、親権者による利用停止や解約の手続ができるようにすべきである、また、学校を卒業するまでは未成年名義では契約できないようにすべきだという意見が六割に達しているようであります。  親の知らない間に、ある日突然多額の電話料金の請求がやってきたりいろいろしているわけでございますが、郵政省はこの調査結果をどのように行政に反映させていかれるかをお尋ねいたします。
  67. 天野定功

    政府委員天野定功君) 本年三月に公表いたしました平成十年度電気通信サービスモニターに対する第二回アンケート調査結果におきましては、先生指摘のような意見が多数見られたことは承知いたしておるところでございます。この調査は、未成年者が携帯電話やPHSの契約を締結するに際し、親権者の同意なしに契約してトラブルとなるケースが多く見られることから、これへの対策検討する際の参考とするために行ったものでございます。  結果的には、先生指摘のような意見が多数を占めることになったわけでありますが、そもそも未成年者の契約につきましては、事業者において親権者の同意を求めることになっている、これは民法の規定でそうなっておりまして、親権者の意向が反映される仕組みになっているわけであります。そして、この仕組みの定着に伴い、未成年者の契約をめぐるトラブルも現状では沈静化してきているものと認識いたしております。  私ども郵政省としましては、御指摘の意見とほぼ同数見られました親権者の同意をより確実に行うようにすべきとの意見が最も現実的であると考えておりまして、今後とも、事業者に対しまして親権者の同意の確認の徹底を指導するとともに、利用者に対しましてもリーフレットなどを通じまして注意喚起を行っていく考えでございます。
  68. 森本晃司

    ○森本晃司君 終わります。
  69. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。  電波法改正案について質問いたします。  先ほど委員からの、なぜ携帯電話の端末を引き下げないのかという質問に対して、均等負担の共益費という話もございました。私の方では、まず少し電波利用料について御質問をさせていただきます。  そもそも共益費均等負担というものについて、私はこれは合理性に欠けるのではないかということを一つ指摘をしたいと思うんです。やはり無線局利用実態、例えば出力であるとか、また周波数帯などを一切無視した議論になっているように思われるんです。  例えば、一定の周波数帯を全免許人で共同で使用しているアマチュア無線局と、あるいは周波数を独占利用する放送局の電波を同じに位置づけるということになっております。また、同じ放送局でも、首都圏をカバーするような東京タワーからの大きな出力の電波の共益費、これと過疎地での数十世帯を相手にした中継局も同じ料金。これはどうも整合性がないように思われるわけなんです。無線局の免許申請の手数料、また検査手数料、こういうものは利用実態に合わせた料金体系になっていると思います。また、公共性のある放送局あるいはアマチュア無線局も、またそれとは別にNTTドコモなど携帯電話の営業で利益を上げている無線局関係なく同じ料金になっている。これも全く不公平だというふうに思います。  同じ電波で、しかも無線局の区分も同じで、手数料、検査料と利用料で料金体系が違うというのは筋が通らないというふうに考えるわけであります。電波手数料と同様に、出力やあるいは使用周波数帯を基礎にして無線局利用実態に応じた利用料金体系を考えるべきだ。また、無線局利用実態については、電波を営業用として利用しているか否か、あるいは公共性が高いかどうかなども考慮した体系を検討すべき時期に来ていると思うんですが、いかがでしょうか。
  70. 天野定功

    政府委員天野定功君) 電波利用料につきましては、制度の創設時より、一つは必要な電波利用共益費用を無線局全体で公平に負担するように算定するということ、もう一つには算定方法につきまして徴収する側から見てもまた負担する免許人側から見てもできる限り簡明なものにすることという観点から算定方式を定めたわけでございます。  具体的に言いますと、まず電波利用料の使途のうち電波の監視などは空中線電力の大小や周波数帯域によらず公平に実施されるものであり、電波の監視等の受益はすべての無線局に均等に及ぶと考えるのが適当でございまして、これらの費用につきましては全無線局が均等に負担することにしております。  また、無線局を管理するためのデータベースである総合無線局管理ファイルにつきましては、無線局の局種によりこのファイルに記録する免許申請書類のデータ量に多い少ないがあるわけでありまして、この多寡があるため、データ量に比例して負担することが適当であるといった考え方で算定しているわけでございまして、このような考え方にぜひ御理解をいただきたいというふうに考えております。
  71. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 やっぱり東京タワーと数十世帯を相手にしたようなアンテナが全く同じ料金体系になっているというのは、普通の感覚からいって整合性に欠けるというふうに国民も感じられると思うんですね。そういう点での御理解というものを我々は少し考える必要があるんじゃないかというふうに思っております。  同時に、次に聞きたいのは、電波利用料の使途の問題であります。  九六年の改正で導入した技術試験事務の予算、これまでの三年間で約百十二億円を取ってきましたけれども、今後三年間で四百二十八億円にするという計画だというふうに思います。研究開発は実用化一歩手前だから現在の電波利用者に恩恵があるという理屈で、それは共益費の範囲内だという説明になるんだと思うんですけれども、私は電波利用料の使途についても、これは先ほどの議論と全く逆になるんですけれども、受益者負担という考え方をそもそも考え直す必要があるのではないかというふうに思っております。  そもそも電波とは何か、また電波利用料というのは一体どのようなものであるのかということを改めて考えてみる必要があるというふうに思うんです。そもそも電波というのは国民共有の資源であり財産だと。だれのものでももともとなかったわけです。しかも、それは有限なものでありますので、だれもが全員が使うというわけにいかないわけです。それを電波利用者は排他的、占有的に使用するわけですから、その利用料というのは、当然国民全体の資源であり国民全体の財産であるものを特定の電波利用者が排他的、占有的に使用するに当たっての課金と考えるのが相当だというふうに思います。  受益者負担ということは、裏返せば負担者受益ということですから、負担した者に受益がいくということだと思うんですけれども負担者受益ということでは国民共有の財産であり資源であるという性格からいうと少し問題があるのではないか。つまり、電波利用料の使途については、やはり国民全体に還元されるべきであるというふうに思うわけであります。  三年前の法改正時に、当時の日野郵政大臣は、我が党の上田議員に、「今後の課題として、」「いろいろな検討をやってまいりたい」と答弁をされました。また、衆議院では矢島議員に対して、「まだ三年でございますから、検討の課題という形にさせていただければと思います。」と、こう答弁されております。  それから三年たちましたけれども検討はどうなっておりますか。
  72. 天野定功

    政府委員天野定功君) 電波利用料の使途でございますが、これは、電波法第百三条の二に、「電波の適正な利用確保に関し郵政大臣無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用」に充てる旨規定されております。  すなわち、電波利用料は、税金と異なりまして、無線局の免許人が電波を適正に利用できるようにする、いわば健全な電波利用社会の維持運営のための事務に必要な費用につきまして、受益者負担考え方に基づき免許人から徴収する、そういう考え方で構成されております。  したがいまして、電波法上、現在の電波利用料の性格を前提とすれば、国民全体に利益が及ぶような事務に充てることは認められないわけでございます。
  73. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 先ほど質問がございましたように、今年度予算でもやはり三つの使途の、その他という考えに基づいてさまざま新たな施策に取り組んでいるということでもございますので、できるだけそういう方向で広げていく。そして、もちろん必要とあれば、三年前に質問をし大臣の答弁があったように、改めてこれはきちっと検討して、国民全体にその受益が行き渡るようにすべきだと私ども思うわけです。  私どもは、そういう広げるという点では、テレビ難視聴の解消であるとかあるいは過疎地における電波利用の拡大など、国民全体が電波利用で恩恵を受けるような方向でぜひ検討していただきたいというふうに思っております。  さて次に、携帯電話のための鉄塔の問題についてお伺いをしたいと思います。  各地で無線基地建設ラッシュで地域住民とのトラブルが起きております。郵政省の資料によれば、携帯電話基地局の設置数は本年二月末現在で推計約二万三千局となっております。その結果、全国各地で電波を中継する無線基地局の建設をめぐって住民の反対運動が起きております。  郵政省は、九七年二月二十日、携帯電話事業者を集めて、携帯電話基地局のための土地の選定及び地域住民への説明等は工事業者任せにすることなく携帯電話事業者が責任を持って対応する旨の要請を行っています。  ところが、その後もトラブルが続発しております。私の地元、大阪の交野市でも、NTTドコモが住民に十分説明しないまま工事会社が工事を始めようとするなど、現場では全くルールがないという状況もございます。  今後、携帯電話等の急増でこの問題はさらに重大になることは明らかだと思うんですが、建設を急ぐ余り、住民の了解なしで建設を強行するということは避けるべきだし、この点で事業者をきちんと指導すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  74. 天野定功

    政府委員天野定功君) 携帯電話基地局の建設をめぐりまして、地元の周辺住民と電気通信事業者との話し合いがスムーズに進んでいないケースが一部の地域で生じているということは承知いたしております。  このため、郵政省では、携帯電話事業者に対しまして、土地の選定や地域住民への説明に際しましては、下請工事業者に任せることなくみずからが誠意を持って対応するとともに、周辺住民の方々の御理解を得るよう努めていただきたい旨、要請をしております。  また、地域住民の方々から基地局建設に係る要望等をお受けした場合には、関係の携帯電話事業者にその内容連絡しますとともに、基本的には双方の十分な話し合いにより解決されるよう要請もいたしているところでございます。
  75. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 とてもみずから誠意を持って対応するというような実態になっていないですね。住民にすれば、例えば住宅地に、家の前に高さが三十メーター、五十メーターという鉄塔をある日突然建設するということが伝えられると。鉄塔の倒壊の危険、景観の悪化、電磁波の人体への影響等、不安を持つのは当然だというふうに思います。それに対し事業者や建設者は、建築基準法や電波法など法的に見ても問題ない、電磁波は人体への影響はない、こう強弁するだけで、強行的に建設しているというのが各地の実情なんです。  神奈川県小田原市の移動通信社の小田原北局携帯電話基地局の鉄塔については、建設前には住民に対する説明会はなかった、建設後、付近の住民の強い要望で初めて説明がされたという始末であります。その鉄塔の撤去を求めて今住民運動が起きております。  郵政省は、住民の了解が得られていない携帯電話の鉄塔など基地局についての無線局申請は許可しないなど、携帯事業者が責任を持って対応して住民の了解を得るように指導すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  76. 天野定功

    政府委員天野定功君) 電波の免許、無線局免許に当たりまして、建設をめぐる住民とのトラブルを回避するためのそのような住民対策を要件といたしておりません。しかしながら、私どもとしましては、スムーズな地元の建設を取り運ぶために、先ほど申しましたように事前の住民への理解を徹底してほしいという要請をしているところでございます。  今御指摘のような法律上の要件とすることは困難かと考えております。
  77. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 住民が心配している点の一つは電磁波による人体への影響だというふうに思います。  今までも携帯電話事業者は、例えばNTTドコモ九州、これは佐賀市兵庫町に建設予定の鉄塔ですけれども電波の強さはどれだけなのか、範囲はどの程度なのか、こういうことも説明していない。人体には影響ないと今話がありましたけれども、どこかでもうはっきりしたという一点張りであります。  郵政省は、九八年三月、電波防護指針の運用の在り方に関する調査研究会の報告を出し、九〇年六月の電気通信技術審議会答申、電波利用における人体の防護指針の強制規格化を打ち出しております。また、九八年九月二十九日に、携帯電話の短期暴露では脳に障害を与えないとの生体電磁環境研究推進委員会の研究結果を発表しております。  しかし、現在の防護指針は、電波の生体影響でいいますと熱作用が支配的だ、熱作用の生じない低レベルの暴露は健康に障害を与えることがないということで熱作用以外の作用は無視しているとの専門家の指摘もございます。九六年、九七年にかけて、非熱作用研究でがんとの関係指摘をされ不安が広がりましたけれども、防護指針を満たしていても電波が絶対に安全という証明はないわけであります。  電波に対する国民の信頼感を高めるためには、郵政省が非熱作用の研究をさらに進めながら、電波安全性について不安を取り除くための研究を本格的に進めていくべきだと考えておりますが、最後に郵政大臣、こういう方向での研究への決意をお伺いして、私の質問を終わります。
  78. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 実は、今先生指摘の電磁波の影響というのは、私がちょうど二年前、政務次官のときにかなり大きな問題になりまして、取り組んできているところでございます。  今ちょっと御指摘もありましたけれども電波の人体に与える影響については、もう既に四十年以上の研究の蓄積がございます。基準値というのが策定されておりまして、世界保健機構、WHOと連携して活動している国際非電離放射線防護委員会平成八年四月、電波防護指針値を下回る電波によりがんを含め健康に悪影響を発生する証拠はないとの見解を声明として発表しておるところでございまして、電波防護指針を満たせば安全性確保できるという考え方が国際的にも専門家の認識となっているところです。  この指針は、平成五年から民間のガイドラインとして電気通信事業者の施設整備等に用いられていますが、より安全な電波利用確保し、国民の不安にこたえるために、電波法に基づきまして無線局の開設者が守るべき技術的な基準として定め、本年の十月から施行することとしています。  さらに、この問題は人の健康にかかわる問題でありますから、より万全を期すために、平成九年度から関係省庁や大学の研究者等の協力を得まして、安全性評価に関する研究を五カ年計画で推進しており、平成九年度においてはその成果として、短期間の携帯電話の使用では脳内への毒性物質の侵入を防御している機能が損なわれないことを確認し、その研究成果を広く公表させていただいたところでございます。  今後とも、積極的にこの分野の研究を推進するとともに、国民に対して電波の人体に与える影響について広く周知をしてまいりたいと思っています。
  79. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 終わります。
  80. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社会民主党の渕上でございます。  運輸多目的衛星について御質問申し上げます。  今回の電波法改正において、運輸多目的衛星に関する事項についての改正趣旨についてお伺いをいたします。
  81. 天野定功

    政府委員天野定功君) 運輸多目的衛星利用しました航空交通管制通信の導入が平成十二年度から予定されておりまして、これに対処するため、航空機地球局の開設に係る免許手続の規定等を整備するというのが今回の改正趣旨でございます。  具体的に申し上げますと、従来は航空機地球局については電気通信業務を行うことを目的とする利用しか存在しなかったため、電波法上も航空機地球局の開設目的を電気通信業務用に限定しておりましたが、今回、その限定を解除して航空交通管制通信にも利用できるようにするものでございます。
  82. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 三月十日の新聞各紙、産経、東京、中日において、管制官を装いジャンボ機に指示を出していたとの記事が載っておりました。これは悪質きわまりない電波妨害であり二度とあってはならない事態でありますけれども、その後の状況などについて御説明いただきたいと思います。
  83. 天野定功

    政府委員天野定功君) 昨年九月二十二日夜に発生しましたエールフランス機への妨害の件につきましては、今日までまだ妨害の発射源を確認できておりません。  郵政省では、このような人命もしくは財産の保護を目的としました重要無線通信に対する混信妨害は国民生活に重大な影響を与える深刻な社会問題と受けとめております。  こうした事案に対しまして、DEURAS、これは電波監視施設でございますが、こういったシステムを活用しまして妨害電波発射源の迅速な探査に努め、その結果、不法無線局確認された場合には、告発など厳正に対処していく所存でございます。
  84. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 先ほども質問があっておりましたけれども電波利用料の改定についてであります。今回行われる電波利用料の改定は料金の引き下げでありますけれども、引き下げ幅の積算根拠についてお伺いします。
  85. 天野定功

    政府委員天野定功君) 現在の電波利用料額は平成八年度から十年度までの三年間に必要と見込まれる電波利用共益費用の額を同期間内に見込まれる無線局数で公平に負担するように算出されております。  今般は、平成十一年度以降につきまして現在の料額水準が適当かどうかを検討いたしましたところ、無線局数の伸びにより、現在の料額を維持しますと電波利用料収入が電波利用共益費用を上回る傾向が続くと見込まれますために、免許人の負担の適正化の観点から料額の引き下げを行うものでございます。  具体的には二つの要素により算定いたしております。一つには、電波の監視などすべての無線局に共通に必要な費用につきましては、全無線局に均等割で負担させることとしております。もう一つは、総合無線局ファイルに関する費用につきましては、無線局の局種により、このファイルに記録する免許申請書類のデータ量に多寡があるため、これに比例して負担させることとして算定いたしておるところでございます。
  86. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、電波利用料の未収納が、法百三条の二の区分で見ますと、移動する無線局、MCA移動局、パーソナル無線。移動しない無線局で、移動する無線局または携帯受信設備を行うため陸上に開設するもの、携帯電話基地局、PHS、無線呼び出し局。それから実験無線局及びアマチュア無線局。その他の無線局、固定局。それから包括免許の無線局、包括免許を受けた携帯電話端末において発生しております。  未収納原因と今後の対策についてお伺いをいたします。
  87. 天野定功

    政府委員天野定功君) 電波利用料の収納率でございますが、金額ベースでは平成九年度において九九・四%ということで、年々高くなっているところでございます。  なお、御指摘の区分のものにつきましては、パーソナル無線、アマチュア無線局などのように少額で個人が使用している無線局が多く、収納率が低いという現状にございます。  この要因でありますけれども一つには、免許人が住所変更を行った後、変更の届け出を怠ったために納入告知書の送達ができないものがあること、また、電波利用料額が少額であることから、一部の免許人については滞納することに対する罪の意識が薄く、未納が生じていることなどが考えられます。  電波利用料制度は、免許人の理解協力のもとに成り立っているわけでありますので、郵政省としましては、口座振替制度の導入など納付方法の多様化を図るとともに、制度の周知、広報に努めているところでございます。  さらに、未納者に対しましては、電話指導、訪問しての納付指導を行い、悪質なものには強制徴収を行うなど、徴収率の向上に努めているところでもあります。今後とも、免許人の負担の公平性を保つよう、徴収率の向上にさらに努力してまいる考えでございます。
  88. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、不正電波電波の障害についてお尋ねをいたします。  まず、電波障害によってテレビ、ラジオへの影響や電子機器の誤作動、さらには電子点火式のストーブの誤作動によって火災となった事件があるやに聞いておりますけれども、これらの電波障害の現状やその原因について把握されているかどうかお伺いいたします。
  89. 天野定功

    政府委員天野定功君) 郵政省では地方電気通信監理局等に電磁環境対策室を設置いたしておりまして、このような電波が原因と考えられる障害に対する相談を受け付けたり必要に応じて調査を実施いたしているところでございます。  寄せられました相談の多くは、電話機やテレビ、ラジオに音声や雑音が混入するというものやパソコンが誤動作する等でございますが、平成八年には、近くの道路を走るトラック等に設置された不法無線局から出された極めて強い電波によりまして石油ストーブの電子回路が誤動作したためと推定される火災が発生している状況でございます。
  90. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 電波利用料を財源として不法無線局監視システム、DEURASシステムの整備を図っていますが、これによりどれくらいの効果が上がっているのか。また、不正電波の発生件数と措置数に相当の開きがありますけれども、先ほどの同僚議員の質問状況についてはわかりますけれども、なぜそういう開きが出てくるのか、お伺いいたします。
  91. 天野定功

    政府委員天野定功君) 不法無線局の出現確認数でございますが、平成元年度から平成九年度まで逓増している状況にございまして、平成九年度の確認数は三万六千五百二十件でございます。このうち不法パーソナル、不法アマチュア及び不法市民ラジオで不法無線局の九五%を占めている状況でございます。  一方、平成九年度に免許人から受け付けた混信等の申告件数は二千四百八十七件になっております。  また、不法無線局確認した場合には、可能な限り発射源を探査しまして適切な措置を講ずることとしており、平成九年度の措置件数は六千七百二十五件となっております。  このように、不法無線局確認しました三万六千五百二十件に対しまして、六千七百二十五件に対して告発等の措置を講じているわけであります。  この開きが生じている要因でございますが、不法無線局確認は、例えば割り当てをしていない周波数電波発射確認することにより直ちに把握可能であるものに対し、具体的措置を行う場合にはだれが発射したものかを探査しなければならず、必ずしもすべてについて電波発射源が把握できるものではないということから生ずるものでございます。
  92. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 携帯電話使用に係る問題として、先般、朝日新聞の四月一日夕刊それから東京新聞の四月六日において、コンサートホールにおける携帯電話の着信音の問題が掲載されていました。  基本は携帯電話を使用する者のマナーの問題であろうと思いますが、通信機能抑止装置、郵政省はガイドラインを決めていく対応で今実験段階だと聞いておりますが、どういう方法といいましょうか、必要はないかどうか、見解をお伺いしたいと思います。  また、このための財源として電波利用料を財源とした施策の中で電波遮へい対策事業費補助金が盛り込まれていますが、逆に遮へい対策通信機能抑止装置へ割り当てることも検討すべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
  93. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 携帯電話が普及しふえることによりまして、今お話がございましたように、コンサートの会場で着信音が不意に鳴ったりして大変うるさい、そういう苦情が出てきていることはまさに事実でございます。また一方、どのような場所でもきちっと通信確保したい、また、今技術が進んでいますから着信音がなくても文字通信なんかで通信が可能ですので、そういう両方のいわゆる適度な兼ね合いというのが今求められているんじゃないかなと思っています。  先生指摘のとおり、基本的にはまさに利用者のマナーの問題なんですが、残念ながらそのマナーがきちんと守られていないということでトラブルが生じています。そこで、郵政省は、昨年の六月の発着信による迷惑防止のための電波利用の在り方に関する研究会の報告書を踏まえまして、通信抑止装置について、コンサートホールなど一定の条件に適合する場合に限定した上で、昨年十二月一日から実験局としての申請を受け付けており、将来の実用化の判断に必要な情報を収集することとしています。  今先生お話がありました電波遮へい対策事業費補助金というのは、先ほど来局長説明しているとおり、トンネルとか人工的な構造物によって電波が遮へいされている場合に無線、携帯電話を初めとするそういうものが使えるよう対策をとるものであり、今のような場合の遮へいするための対策を行うものではないということで理解をいただきたいと思います。
  94. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 終わります。
  95. 戸田邦司

    ○戸田邦司君 電波法の一部改正に関しましては、私は特別質問するつもりはございません。  この遭難通信GMDSSシステムですが、これが海上人命安全条約で改正されましたときに私はちょうどこの仕事を担当しておりました。政府代表を務めておりました。その後、船舶安全法の改正などで当委員会、当時は運輸委員会でしたが、そこで検討の際に野党の先生方から非常に厳しい指摘を受けたこともございました。  先ほど松前先生が御指摘になっていました技術的な問題点ですが、これはやはりこれだけのフェールセーフといいますか、自分が何か手を下さなくても遭難信号発射されるというシステムをつくったときにどうしても避けられない問題として最初から予想されていたと思います。機器の研究などでその点が除かれるような何らかの発展があればということを強く願っているわけです。  この遭難信号関係では、ちょうど今までのSOS方式からGMDSSに移ってきまして、その中で遭難通信の聴守義務、それから沈黙時間を守る、それが廃止された。実態上もうなくなっているものについての法的措置がおくれていたということでもありましょうし、また航空機関係につきましては、これによって特に太平洋航路での航空管制が非常に精度が高まるということで便数をふやせる、そういったメリットが非常に大きいかと思っております。  私、今度の電波法改正でただ一つ郵政省にお願いしておきたいと思いますのは、電波利用料の問題でありまして、これは利用料金を払う人が百人が百人満足して払うということはなかろうと思いますが、できるだけ多くの人がその料金体系を十分理解して料金を払っていただけるような透明性、公平性について十分御検討いただいて今後の運用を図っていただきたい。  それだけをお願いしまして、終わりにしたいと思います。
  96. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 電波法改正につきましては一点だけお伺いしようと思っておりますが、その前に一点、携帯電話の普及と人間関係といいますか、その問題について大臣にちょっとお尋ねをしたいと思うんです。  私は、携帯電話を否定しているわけではございませんし、こういう便利なものは大変いいということでこの普及は賛成でございますけれども、また普及によって生じる弊害というものがあるわけでございまして、そういうものはきっちりと除去しなければいけない、こう思っているわけでございます。  その点なんですが、昨年の委員会でしたか、大臣に、高度情報化社会の中で気をつけなきゃいけないのは情報伝達手段が人間関係、それによって人間関係が出てくるんでしょうけれども、いわゆる目と耳の二官に限られるんじゃないか、健全な人間関係というのは五官で伝達されて初めて本来のものになるのではないか、その点気をつけなきゃいけないんじゃないかということを質問させていただきました。大臣からも御答弁をいただいたんですが、それは一般論としての御答弁だと思っておりますので、今回、携帯電話についてもう少し突っ込んだといいますか、具体的な面で大臣の御所見をお伺いしたいと思うんです。  どうも感覚だけで申しわけないんですけれども、未成年者の普及率が非常に高いというような感じがある。お聞きしましたところ、まだそういう面のデータもないようでございますし、契約者が親だということで使用者までつかめないという問題があるんですが、感覚としては世の中そういう感じが非常に多いと思うのでございます。  そういう中で、私の古い認識かもしれませんが、従来から電話というのは茶の間にあって、家族を含めていろんな人間から見られた中、監視された中で、相互監視と言ったらおかしいんですけれども、何をやっているかなということがある程度見えてやっていた、またそういうことによって家族間の息遣いといいますか、そういうものを感じる人間関係ができ上がってきたんだと思うのであります。そういうことによって、一面ではあるでしょうけれども、未成年者の健全育成に役立ってきたのではないかというふうに考えております。これは何も未成年者ばかりでなくて、大の大人にしてもどこかに隠れて電話ができないということが一つあったのではないかと思うんです。  もちろん携帯電話は、親にとっては子供を監視しやすいというメリットもあるようでございまして、どこにおってもつかまえられるということもありますから、必ずしもこれだけを取り上げてどうこう言うことはないと思うんですが、今年少者あるいは未成年者のいろんな問題が起こっておりますけれども、私はやはりここにそういうものにつながる何かがあるような感じを受けてしようがないんです。  私は終戦直後の教育を受けた人間でございますので、これはそういう者の思い過ごしかもしれないんですが、聞くところによればそういう考え方はいろんな方がお持ちのようでございますので、ここで年代の違う若い大臣の御所見並びに何か郵政省としてそういうことに対応されているのかどうか、ひとつお答えをお願いしたいと思います。
  97. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 先生今御指摘のありました携帯電話、PHSというのは今日までで約四千七百三十万加入ということで、それによりましてただ通話をするだけじゃなくて文字を送ったりとか、そういうさまざまなサービスもどんどん広がっているところであります。  確かに今おっしゃったようなマイナスの面もあると思いますけれども、逆に、未成年というか若い人たちなりにコミュニケーションを図る、友達同士とのコミュニケーションを図り、なおかつ家族とも、さっきおっしゃったようにどこへ行ってもつかまるというお話もありましたけれども、むしろ家族間でもそういう安心の道具としても利用されているのではないかと思っています。  今後ますます急速にいろんな形で新たなサービスの展開が考えられると思いますけれども、そういう新しいコミュニケーションの道具の一つとしていい形で進めていきたいなということは思っています。  未成年者の契約に関するトラブルというのは、先ほど御質問がございまして局長から答弁があったとおりですけれども、むしろいろいろなサービス、親が心配しているサービスなんかを事業者が新たに付加価値としてつくり出してくれるとうれしいなというふうに思っているんです。  けさ、たまたまある新聞に出ておりましたけれども、デジタルツーカーという放送事業者が、親が一番今困っているのは、子供たちが携帯電話を使い過ぎる、通話料金がすごく大変だというので、ここの会社ではリミットプランという上限を定めたサービスを五月から提供すると。そうやって親の不安を事業者の方でも少しでも理解し受けとめてそういうサービスをしていこうというような取り組みもありますので、どうかそういうプラスの面も御理解しつつ、新しい情報通信の文化というのを受けとめていただきたいと思います。  ちなみに、固定電話の話なんですけれども、確かに小さいころは私の家も茶の間に一台、玄関先だったと思いますが一台。そのうち私が思春期を迎えるころには子機というか、たしか上と下で二台になったような気がします。そこで、親に聞かれたくない友達同士の話なんというのは二階にこっそり上がってかけていて長電話がばれて怒られたような記憶があるわけですけれども、いずれにしても、友達にせよコミュニケーションをとる、また家族とコミュニケーションをとる、そういう道具の一つとして進展していくことを望んでいるものでございます。
  98. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 今大臣が言われました、まさに隠れてかけて怒られたというそのことが何か一つの監視というか、子供とのつながりではないかというような気がいたします。この問題は具体的にどうこうというのはなかなか難しいと思いますが、今大臣が言われました親の気持ちを業界の方にもわからすというような、そういう気持ちを持った取り組み、どこにあらわれるかわかりませんがそういうことが大事だと思いますので、郵政行政のトップでございます大臣にぜひその辺のお気持ちを持っていただきたいとお願いする次第でございます。  それともう一つ電波法関係ですが、今回GMDSSの導入に関係しまして、近海漁業をやっている漁船なんかは自分で今までも衛星電話を装備してやっていたと思うんですが、今回の改正GMDSSの移行に当たってこういうことも当然やって、漁船というのは小さいのが遭難の機会も多いので、安全な装置を取りつけることは大変大事だと思いますけれども、ただ、新しいものに切りかえるということは金の面でも大変だと思いますし、また今までつけたものが使える場合はそのまま使ってもいいんじゃないかなというふうな気もいたしますので、その辺の対応についてお答えを願いたいと思います。
  99. 天野定功

    政府委員天野定功君) 漁船GMDSSの対象にするに際しましては、平成七年一月三十一日以前に建造された漁船につきましては、操業実態等も考慮いたしまして、漁業用海岸局と漁船定時連絡を条件といたしまして、従来の漁業無線設備をデジタル選択呼び出し装置つき中波・短波無線電話設備等の代替措置として認めているところでございます。また、N—STAR等の衛星を利用した船舶電話も、船舶の規模、航行海域によっては引き続きGMDSSにおける陸上との通信可能な無線設備として認めているところでもございます。  このような措置によりまして、我が国では本年一月三十一日までに約三千隻の漁船を含むすべての対象船舶GMDSSに移行を完了したところでございます。
  100. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 私は、大きな船舶よりむしろ小さい漁船関係したものですから、ぜひともその辺よろしく御指導のほどをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
  101. 小林元

    委員長小林元君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  電波法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  102. 小林元

    委員長小林元君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、寺崎君から発言を求められておりますので、これを許します。寺崎昭久君。
  103. 寺崎昭久

    ○寺崎昭久君 私は、ただいま可決されました電波法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     電波法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実施に努めるべきである。  一、免許人の拠出による特定財源としての電波利用料の性格にかんがみ、電波利用料を財源とする施策とその他の施策を明確に区分し、電波行政経費の負担を免許人に安易に転嫁することなく、一般財源による十分な電波行政予算の確保を図り、電波行政の充実に努めること。  二、電波利用料額については、最近の携帯電話等の無線局の増加状況等を踏まえ、今後ともその算定について見直しを行い、適正な水準を確保すること。  三、電波の公共性・希少性にかんがみ、周波数割当方式の在り方を検討するとともに、周波数割当手続の透明性の一層の向上を図ること。  四、電波利用の拡大に適切に対応するため、今後とも電磁波の人体に対する影響等について調査・研究を進め、国民が安心して電波利用できるよう環境整備を図ること。また、不法無線局による混信・妨害が及ぼす影響の重大性にかんがみ、その対策の一層の充実・強化に努めること。  五、GMDSS(海上における遭難及び安全に関する世界的な制度)について、その遭難警報の大半が誤発射である現状を踏まえ、誤発射の原因の究明を図るとともに、使用方法の周知徹底等の対策を進め、GMDSSのより円滑な運営が図られるよう万全を期すこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  104. 小林元

    委員長小林元君) ただいま寺崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  105. 小林元

    委員長小林元君) 全会一致と認めます。よって、寺崎君提出附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、野田郵政大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野田郵政大臣
  106. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) ただいま電波法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼申し上げます。  御審議を通じて賜りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  どうもありがとうございました。
  107. 小林元

    委員長小林元君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 小林元

    委員長小林元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  午後一時まで休憩いたします。    正午休憩      ─────・─────    午後一時開会
  109. 小林元

    委員長小林元君) ただいまから交通情報通信委員会を再開いたします。  郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  110. 岩城光英

    ○岩城光英君 この法案は、郵便料金の納付にクレジットカード決済を導入するというもので、国の歳入金の決済手段としてはこれが初めてのケースになるということで、大変画期的なものであろう、こんなふうに思っております。  それで、このクレジットカード決済ですが、当面、ハイブリッドメールサービスの料金の納付に導入するというふうに伺っております。また、このサービスは、インターネット通信におきまして文書を作成し、そしてそれを送付するものでありまして、パソコンを通じて簡単にそれも家にいながら郵便を出すことができるという新しい形の大変興味深いサービスではないかな、こんなふうに受けとめております。  東京の引受局で受け付けまして、それを各郵政局管内の全国の十一局を通じまして各家庭に郵便として配達されるというふうな説明でございますが、どのような形で印刷され、そしてそれが配達されるのか、また料金をどの程度に設定されてお考えになっていらっしゃるのか、まずお伺いをいたします。
  111. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) お答え申し上げます。  今、岩城先生御紹介いただきましたように、ハイブリッドメールサービスは、御家庭とかあるいは会社にいながらにして、市販のワープロソフトとかあるいはプレゼンテーションソフト、表計算ソフトでもってインターネットを経由して郵便が出せるというところが大きな特徴でございます。  日本全国どこから出していただきましても、電気通信回線でまず渋谷の方に入りまして、そして郵政局ごとに一カ所の郵便局を指定しまして、そこまで電気通信回線がつながっております。そしてデータがそれぞれの拠点の局におきましてハードコピーになり、そこから普通郵便で送達をするというところの特徴を持っております。  一番早い場合ですと、例えば沖縄から北海道に出されるという場合でございますけれども発信をされて一時間足らずの間に北海道で言えば札幌中央局でもってハードコピーになっておる、そこから配達をされるということで、ニアリーイコールで、発信されたときが各あて先のブロック単位の局の窓口で差し出されたときと同じ時点からスタートということでございます。  例えば、朝五時ぐらいまでに発信していただきますと、札幌市内の配達でありますと当日の朝配達が可能だということです。大体午後二時ぐらいまでに発信していただきますと、一部の例外を除きまして全国ほとんど翌日配達が可能だということでございます。  また、先生今御質問いただきました料金でございますけれども、これからさらに詰めてまいりたいと思いますけれども、白黒とそれからカラーも可能であるわけですが、恐らく大宗を占めるでありましょう白黒につきましては百円程度の料金に設定させていただきたいということで検討させていただきたいというふうに思っております。
  112. 岩城光英

    ○岩城光英君 去る二月に十一の中継局で実験をされたと伺っておりますが、その結果はいかがなものだったでしょうか。
  113. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 渋谷の局に機器を入れまして、そして模擬的に伝送実験なども含めて実験をさせていただいたところでございます。  その結果、モニターさんからいろいろアンケートとかヒアリングを実施させていただいたわけでございます。品質面の検証とか評価とか、あるいは技術・性能面の確認とか、あるいはシステムのこれからのさまざまな改善課題について抽出をしたものでございます。モニターは約百名の方でございますが、八割以上の方がこのサービスについて評価をいただいておるというような非常にありがたい結果をいただいております。非常によかった、よかったを合わせて約八割でございます。それから、操作につきましても、思ったより操作は容易だったという方が約九割というような形で、おおむね好意的に受けとめていただけたものと理解をいたしております。
  114. 岩城光英

    ○岩城光英君 そこで、大臣にお伺いいたしますけれども、ハイブリッドというのは、いろんな複数のものをかけ合わせてよりよいものをつくっていく、こういう意味で使われているようですが、このハイブリッドメールサービスが今までの郵便に比べてどのようなメリットがあるのか、そしてまたどのような新しい需要が見込まれるのか、まずその辺についてお伺いしたいと思います。  同時に、最近、電話とかファクスを使う機会が多くなりまして、心温まる手紙のやりとり、はがきのやりとりが少なくなってきているように思いますが、こういう状況の中で、若い世代も含めてこのサービスをどうPR、アピールしていくのか、その点につきましてお伺いします。
  115. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) ハイブリッドメールにつきましては、今局長の方から中身の御説明があったわけですけれども、インターネットを扱う人たちがこの日本でも一千万人を超えるということで、インターネットも爆発的に普及しており、その前段としてワープロとかパソコンを使う人も随分ふえてきた。そういう背景のもとで、自宅にいながら今の話のように即座にそういう機器を使ってお手紙を出していただけるということが非常に目新しいものではないかと思っています。  もっと具体的な話をすると、手元に便せんとか封筒とか切手がなくてもパソコンを使ってお手紙を出すことができるということになれば、例えばの話、今先生委員会質問されているものをデジタルカメラで撮って、それをパソコンに入れて文章を書かれて、そして終わり次第伝送していただければ、御家族なり御友人にリアルタイムにその状況は送っていただける、そんなようなことも可能であります。当然、モバイルというか携帯のパソコンをお持ちですと、例えば出張先とか旅先とかで文書とかを作成して、その場で郵便局にも行かずパソコン一台で手紙を送ることができるというのも可能になってくると思います。  手書きというのも心温まるものですけれども、パソコンの機能を使うことによってオリジナルな文書ができます。写真を入れたり自分のイラストをかいたり、自分の気に入った文字で文章を書いたり、むしろそういうことで別な意味での手づくりのお手紙をつくっていただけるのではないかと思っているんです。  また、今若い世代の人たちは、携帯電話を初めとして手紙を送るとかのやりとりよりも電話なんかで気楽に済ませるようなコミュニケーションが進んでいるわけですけれども、むしろ若い世代が利用しているインターネットとかパソコンを使うことによって新しい手紙の形というのができてくるのではないかということで、普及に努めてまいりたいと思っているところでございます。
  116. 岩城光英

    ○岩城光英君 これまで、財団法人のポスタルサービスセンターを介してのハイブリッドメールサービス、こういったものがあったわけですが、このサービスはどんな層が利用していたのか、そういったことも分析を行って、新しい利用していない層への周知徹底を図ることも必要ではないかと思っておりますので、よろしくお願いしたいと存じます。  そこで、利用する立場から一番気がかりなのは、実は情報の流出、漏えいの問題だと思うんです。セキュリティーの問題です。通信文の秘密の保持とか、それからカードの情報や一番大事なあて先のリスト、例えば私どものような立場ですとこれがほかの同じような人の陣営に漏れてしまっては大変やりにくいことにもなりますので、そういったところについてはどのような配慮をされておりますか、お伺いします。
  117. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 岩城先生指摘のように、ハイブリッドメールの場合にセキュリティーの確保に私どもとしても細心の注意を払っていかなければならないというふうに思っております。  まず、発信された場合、インターネットですから当然いろんな方のコンピューターを経由する、その間にデータが盗まれないようなところからまず始まるわけでございますが、もちろん、そういう場合にはSSLの暗号技術を使いましてセキュリティーの確保を図っていきたいと思っております。  それから、やはりクレジットカードですとまだまだインターネットに番号を打ち込むのは怖いというようなところもございますが、これは電話回線の方で打ち込んでいただきたい、そういうふうに思っております。  それから、郵便局のシステムの場合に、渋谷の局ではファイアウオールを当然立てるわけでありますけれども、そこを通過されてきた正規の通信につきまして、今先生指摘のようないろいろなカードの情報、あて先の情報通信文の情報等々が入るわけでございますが、こういったものにつきまして、そこにアクセスできる人間を非常に絞り込むということで、パスワードを知っている人間でなければ、加入者でなければアクセスができないということも非常に大切でございますし、それからさらには、これから非常に重要になってきますけれども、インターネットなどの不正アクセスを防止する観点から、頻度を高くパスワードを変えていただくとか、そういった面の利用者への周知などについてもよく気を使っていきたいと思っておりまして、先生指摘の点は本当に重要な点だという認識をいたしております。
  118. 岩城光英

    ○岩城光英君 万全を期していただきたい、こんなふうに思っております。  そこで、先般、小学校の入学式が行われてぴかぴかの一年生が大きなランドセルを背負って希望に胸を膨らませて学校に行きましたけれども大臣の先ほどの説明をお伺いしまして、そういった子供の入学式の様子を田舎のおじいちゃん、おばあちゃんに早ければ翌日にでも届けることができるということがこのサービスの一つのPR点でもあろうかと思います。  従来ですと、写真を現像に出して戻ってくる、また切手を買って、文書を書いて、封筒に入れて出すということですから、三、四日かかってしまったのが、早いうちに届くことができる。また、そういった郵便を配達しながら郵便局の若いお兄さんがおじいちゃん、おばあちゃんと孫の話に花を咲かせる、こういう心温まるサービスが郵便局に求められているものと思っております。  やはり、特に特定局はそうですが、地域情報あるいは交流の拠点としての位置づけがなされようと思っております。また、住民にとって一番身近な国の行政の機関でもありますし、また地方自治体、市町村の行政ともこれから連携をますます深めていくことが大事だと思っております。そんなことから、ワンストップ行政サービスにつきましても郵政省として取り組んでこられたと思いますが、これまでの実施状況それから今後の見通し等についてお伺いできればと思います。
  119. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) ワンストップ行政サービスでございますが、先生よく御案内のように、九年度から郵政省として本格的に実験をスタートさせておるところでございます。十年度も、現在取り組みを終えましてその成果を今検証しようとしておるところでございます。十一年度も、引き続きまして全国五つの広域の市町村でもって実験を継続させていただく。それから、今度はテレビ電話などもさらに付加して実験を継続させていただきたいと思っております。  それからさらに、十一年度の新しい言ってみれば目玉といたしまして、従来は市町村の施設の中にしか設置されておりませんでした住民票等の自動発行機を郵便局でも設置できるようにということで、ただいま自治省それから地方公共団体とも調整を行っておるところでございます。  今後とも、先生指摘のように、郵便局が全国の拠点として広域的な行政サービスの発揮にも十分貢献できるよう、私どもとして特にその辺も留意しながら現在進めておる施策をさらにさらに深く広く進めてまいりたい、そういうふうに思っております。
  120. 岩城光英

    ○岩城光英君 各種証明書等の自動交付機が郵便局に設置できるということで、非常にこれは好ましいことだと思っております。ただ、現在各自治体に設置されているところの話を聞いてみますと、例えばメリットは、土、日、祭日でも稼動しているので利用する住民のサービスになるということは当然あるわけですが、デメリットとしまして、これは機械にもよるんでしょうが、暗証番号を忘れる方が多いとか、それから三回押し間違えるとカードが回収されてしまうとか、あるいは高齢者には非常に取り扱いにくいというようなことも指摘されていますので、これから導入に当たりましていろいろ御考慮いただければと思っております。  それからもう一つ、こういったワンストップ行政サービスに関連してですけれども、ひまわりサービスというのにも取り組んでいらっしゃいますし、また道路の損傷などの地方自治体への情報提供サービス、こういったものにつきまして、先ほどと同じように今後の見通し等をお聞かせいただければと思います。
  121. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) まず、ただいま御質問いただきましたひまわりサービスでございますけれども、全国二万四千七百の郵便局が先生指摘のように情報・安心・交流の拠点として地域にお役に立てるようにということで、一つの代表的なサービスがひまわりサービスでございます。過疎地域におきまして、郵便の外務職員が郵便物の配達で立ち寄る際、七十歳以上のひとり暮らしの高齢者の方などに対する励ましの声かけとか、あるいは生活用品の注文はがきの取り集めとか注文品の配達を行う、こういうのが中心的な中身でございます。もう既に現在、全国百七十七の市町村におきまして二百二十八の郵便局で実施をさせていただいております。さらに拡大に努めてまいりたいと思っております。  いま一つ質問いただきました道路の損傷等の情報提供サービス、これは外務職員のフットワークを活用しようということで、集配運送途上で道路に穴ぼこができておるとかあるいはガードレールが少しおかしいとか、気がつきましたときに速やかに市町村の方に連絡をさせていただくということで、地域にも貢献できますし、また私どもの集配作業にもはね返ってプラスになってくるということで、これにつきましては昨年の末現在で全国千八百三十五の市町村、二千八百四十六の郵便局で実施させていただいておるところでございます。  こういった国営事業ならではという御評価を受けるようなサービスについてもさらに積極的に進めてまいりたい、そういうふうに思っております。
  122. 岩城光英

    ○岩城光英君 それから、活き活き情報交流サービスで冊子を出されておりますけれども、この冊子を私はこの間初めて見まして非常に不勉強を恥じているわけですが、市長時代に平成五年から導入したということがわからなかったものですから申しわけなく思っております。現在、百五十三の自治体がこれに加入されていろいろと利用されているということでございますけれども、このサービスの利用状況とか、それから今後どういうふうに展開されるかということにつきましてお伺いいたします。
  123. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 今先生指摘いただきましたように、百五十三の自治体、これはもう全国四十七都道府県すべてにわたっておるところでございまして、まだまだ私どものPRが不足しておるわけでございますが、地域情報発信支援する施策として平成五年一月から実施しておるところでございます。地方公共団体の観光やイベントなどの情報を郵便局ネットワークを活用して提供させていただくというものでございまして、平成九年度ではこのサービスを利用して約八万件の情報提供の申し込みがあったところでございます。  このサービスにつきましても、まずもって周知に努めるというところが大きいわけでございますが、幸いにしまして、十一年度には一筆啓上賞、日本一短い手紙で有名な福井県の丸岡町にも御参画いただいておりますので、この辺についても周知に努める中で一層世の中に貢献をさせていただきたい、そういうふうに思っておるところでございます。
  124. 岩城光英

    ○岩城光英君 もう時間でありますので、大臣に最後に参考までに御意見をお伺いしたいと思います。  外国では郵便局の窓口を活用してさまざまなサービスを提供しております。例えば、パスポートの申請の受け付けとか、アメリカとイギリスでは申請の受け付けだけなんですが、交付までやるところもドイツとかオーストラリアではございますし、そのほかにも、オーストラリアだと電話とかガスとか電気、水道等の公共料金の収納、あるいは税金の収納とか税金の還付、また年金の支払い、各種民間保険料の収納、さらに出生、死亡、婚姻届の受理、こういった幅広くやられておるわけであります。日本の場合いろいろと省庁間の協議あるいは法律の問題等があろうかと思いますが、大臣としまして、こういったものを全国の各郵便局で進めることにつきましてどのような御所見か、お伺いさせていただきます。
  125. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 先ほど局長の方から御説明がありましたけれども、ワンストップ行政サービスの究極の姿がそういう今先生がおっしゃったさまざまな行政手続を一括して行える場所として郵便局が今後国の中で存在していかなければならないということで、積極的に今推進しているところでございます。  せんだっては今お話にございましたオーストラリアの実態についてもじかに見てまいりましたし、それぞれの担当している人たちの御意見を踏まえつつ、御協力をいただきながら、最終的には全国二万四千七百の郵便局で、それぞれ国民の一番身近な郵便局でそういう行政サービスが受けられることが真の行政改革、住民にとっての行政改革になるのではないかということで、引き続き先生方の御指導、御支援をいただきながら取り組んでまいりたいと思っています。  よろしくお願いします。
  126. 内藤正光

    内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、今回の法案改正趣旨でありますクレジットカード決済、これはまずはハイブリッドメールサービスにおいてのみ行うとありますが、今後このクレジットカード決済を拡大していく御予定はあるのか、あるとすればどのようなところまで拡大していくのか、お考えをお聞かせください。
  127. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 今、内藤先生から御指摘いただきましたように、法案自体では「郵便に関する料金(省令で定めるものに限る。)」という書き方をしておるわけですが、当面ハイブリッドメールサービスでもって出発をさせていただきたいと思っております。料金納付の確実性、そしてまた利用者の利便性を考えますと、やっぱりハイブリッドメールが一番だろうと思っております。  クレジットカードですが、先生御案内のように、パーセンテージはいろんな業種、業態によって違っておりますけれども、私どもとして三%程度かなというような感じを今持っておるわけでございますが、やはり料金徴収上のコストというのを考えなければなりません。  例えば、料金後納ですと、今、月十万というところで担保あるなしの仕切りがあるんですが、十万円毎月使っていただけるところですと、クレジットカードとなりますと、私どもクレジットカード会社に三千円毎月お支払いしなければいけない。ところが、十万円使っていただけるところが後納で口座振替でやっていただきますと、民間の金融機関なら五十二・五円、郵便貯金なら十五円で手数料が済むというところがございまして、その手数料の点が非常にやっぱり大きな問題になるのかなということでございまして、そういう意味からもまずはハイブリッドメールから出発をさせていただきたい、そのように思っておるところでございます。
  128. 内藤正光

    内藤正光君 わかりました。  それでは、これから何点かハイブリッドメールサービスについてお尋ねをさせていただきたいと思います。私は、今回、技術的な点というよりも、むしろ郵政省さんが新たなサービスを始めるに当たってマーケティングの方はどうなっているのか、そういった観点に立って幾つか質問をさせていただきたいと思います。  まず、収支見込みなんですが、料金設定によっていろいろ変わってくるかと思います。何年で単年度黒字になって投資が回収できていく、その辺の料金設定、それぞれのケースに合わせて収支見込みを教えていただけますでしょうか。
  129. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 先生指摘になりました大きな枠組みといたしましては、新しいサービスでございますので、五年程度でもって収支相償になるような料金設定をさせていただければと思っておるところでございます。まずもって十一年度、現在渋谷の郵便局においてはかなりシステムを構築できておるわけでございますが、あと全国の十一郵政局のおおむね中央局に機器等を納入いたしましてシステムを構築するんですが、この機器等の購入というのもまだこれからというところがございまして、私どもとしてはできるだけいいものをというふうな期待を持っております。  そういうことで、総額について確たるところはまだこれからというところでございますが、基本的な考え方として、ただいま申し上げましたけれども、五年間で収支が相償うようにということでございます。予算のときの積算で大ざっぱなところといたしまして私どもはじいたところで、白黒であれば大体百円程度の料金で何とか出発できるようにならないかな、まあ百十円ぐらいになるかもしれませんが、そういうようなざくとしたところの感じは現在持っておりますが、詰め詰めの話はこれからということになる部分がございます。
  130. 内藤正光

    内藤正光君 カラーの方はまだ大体の見当は立ててないということですか。
  131. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) もちろんコスト的にいきましてインクから何から始まりましてお高くなろうかと思いますが、まだそれについては今ここでめどを申し上げるまでの段階に至っておりません。
  132. 内藤正光

    内藤正光君 次に、平成九年の実績を見ますと、郵便物は、個人から個人へ流れるものはおよそ二〇%、事業所から個人へ流れるものが五二、三%、そして事業所から事業所へは二四%となっております。  ここでお尋ねしたいのは、どういったセグメントをねらっているのか。あるいはまた利用形態もいろいろあろうかと思います。ダイレクトメールあり、業務用通信あり、通常の個人と個人の間で行うあいさつのやりとりありと。いかなるセグメントで、そしてまたいかなる利用形態を見込んでいるのか、お聞かせいただきたいと思います。そしてまた、そういった郵政省さんの見込みを支えるマーケティング調査などおありであればお示しいただきたいと思います。
  133. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 今私の方でイメージとして持っておるという段階でございますけれども、やはり小口の個人の方と先生よく御案内のSOHO、小口の事業者の方が一つターゲットとしてこのハイブリッドメールサービスの場合立ち上がり期においては少なくとも考えられるのかなと思っております。  それから、カラーもできるわけですが、やはり一斉同報というところがメリットとして大きなセールスポイントかなと思っておりますので、個人の方については転居通知とか各種のごあいさつ状、それからSOHOのビジネスをやっておられる方については、大量割引というわけにはまいりませんので、こういうものを御利用いただきましてダイレクトメールのようなビジネスへの御利用、こういうところも期待できるかなと思っております。  それから、マーケティングという御質問でございますけれども、昨年、十年の一月から二月、そしてまた、先ほど岩城先生から御質問いただきましたけれども、ことし二月に渋谷の局で一月以上実験もやっておりますので、この辺先生から御指摘いただくとまだまだ十分でないかと思いますけれども、とにもかくにもこのあたりのことは最低限させていただきまして、そして今申し上げましたところのサービスイメージというのを現在つかんでおるところでございます。
  134. 内藤正光

    内藤正光君 このハイブリッドメールサービスに類似したものとして、例えばレタックスですとかあるいはまたコンピューター発信型電子郵便などがあろうかと思います。  ところが、この二つのサービスの最近の利用形態、利用状況を見てみますと、どれも皆減少傾向あるいはまた横ばいになっているんですね。この理由はどこにあると郵政省さんではお考えでしょうか。
  135. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 先生指摘のように、トータルの数字といたしましては、確かに、まずレタックスですと平成七年度をピークに八年度、九年度若干下がってきております。大きなところでは、大学レタックスについて電話合否応答システムというライバルが登場いたしまして、大学の方がそちらに流れ込んでおられるというのが非常に大きな点でございます。それからまた、景気の影響もありましょうけれども、イベントレタックスも若干減少いたしております。  ただその中でも、先生御案内かと存じますが、レタックスの場合電話からも出せるわけですが、端末のレタックスからも直接郵便局のレタックスにつないで出していただけるわけです。こういうものについては、九年度で若干ではございますけれども増加というようなところもございます。  それからまた、もう一つのコンピューター郵便でございますが、これにつきましてはやはり平成六年度の数字をピークにして若干下がり目というところでございます。九年度は若干盛り返してはおりますけれども、傾向として下がってきておるというのは事実でございます。これは一部の大口差し出し事業所の差し出し通数の減少といいますか、一部なんでございますが特定の差し出し通数の減少というのが非常にきいておるわけです。ただ、名古屋でもこの受け付けを始めまして、名古屋の場合はこの三年ずっと伸びてきております。  それから、コンピューター郵便ではパソコン通信を使った形での引き受けもやっておるんですが、そちらの方は九年から十年に比べますと若干伸びてきておるということで、先ほどのレタックスの端末引き受け、つまり事業所などに端末を置きましてそして電気通信回線で直接送ってこられる、あるいは御家庭のパソコンからパソコン通信などで直接送ってこられる、この辺の上がりぐあいを見ますと少し示唆するところもあるのではないかな、そういうふうにも期待を持っておるところでございます。
  136. 内藤正光

    内藤正光君 レタックスにしろコンピューター発信型郵便にしろ、完全にハイブリッドメールサービスと同じであるとは思いませんが、しかし、そこには何かしら学ぶべきものがあろうかと思います。ですから、ぜひそれらの反省点を踏まえて、ハイブリッドメールサービスを成功させるには何をすべきか、真剣に取り組んでいっていただきたいと思います。  次は、ハイブリッドメールサービスの再利用を促すような施策を何かお考えなのかということをお伺いしたいと思います。  先ほど濱田郵務局長おっしゃいましたが、今回の目玉の一つに一斉同報通信があると。私もそのとおりだと思います。コンピューターの電子メールのような手軽さで、それもカラーでもって一斉にもう何千何万と送り届けることができる。そこで例えば大口割引のようなものをやれば、再利用してみようかなとか使ってみようかなという気を起こさせるでありましょうし、あるいはまた、今回のシステムから言えることなんですが、利用番号を通じてお客さん個々の利用形態を把握することができるんじゃないかと思います。つまり、利用頻度が高いお客さんに対してはある程度の割引サービスを提供したりしてみてはいかがかと私は思います。  そこでお伺いしたいのは、このような再利用を促すようなサービスを何かお考えでしたらお聞かせいただけますでしょうか。
  137. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 先生からアドバイスいただいておりますように、再利用が非常に重要でございます。そういうところで、来年二月から出発をさせていただきたいわけでございますけれども、出発後も利用者の方の声をよくお聞きしまして、サービスの改善をやれるところは取り入れていって、そしてニーズを新たなものを含めて開拓をしていきたいというふうに思っております。  ただ、大口割引につきましては、当然真剣に検討させていただきますけれども、コストがダウンすることによる利益の還元としての大口割引、つまり普通の郵便ですと、大量にお出しいただいて郵便番号ごとに区分していただきますと郵便局の方でその分手間が助かりますので、ワークシェアリングと申しますか、その分割引をするというような意味での大口割引もあるんですが、こういう点は少しハイブリッドメールの場合にはなじまないのかなというふうにも思います。  いずれにしても、大口割引に限らず真剣に検討をさせていただきたいと思います。  それから、先生ただいま御指摘のように、電気通信でございます。利用者が出されたいろんな情報利用頻度の情報どもあるわけですが、ただ、こちらについては、先生も御案内のように、やはりプライバシーとの関連というのにも留意しながらこの辺のあり方について勉強していく必要があるかなというふうに思っております。  いずれにしても、本当に貴重な御指摘ありがとうございます。
  138. 内藤正光

    内藤正光君 ぜひ、もう一回使ってみよう、何度でも使ってみようと思わせるようなインセンティブを働かせるような何かを考えていただきたいと思います。  最後の質問をさせていただきたいと思います。  これは通告はしておりませんが、プライバシーに関する問題でございます。  先ほど濱田郵務局長から、システム上の問題がないように努めたいと、いろいろお伺いしました。しかし、私がここでお伺いするプライバシーというのは、最後の部分でございます。つまり、印刷をします、そしてそれを袋詰めします、その時点でのプライバシーの確保はどのように担保されているのか。これがすべて機械化されているのであれば問題はなかろうかと思いますが、ここへ若干でも人間の手が介在するとなると、やはりプライバシーの問題というのは担保しておかなければならない。この辺についてお聞かせいただけますでしょうか。
  139. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 最後の、要するに先ほどで申し上げますと、渋谷の局を入れますと全国十二の局になるわけですが、電気通信回線で運ばれてきましたデータをプリントアウトしまして、封入封緘機に入れて、そして配達をさせていただくわけですが、少なくともカラーの場合にはプリントアウトされて自動的に封入封緘する機械がまだないというような事情もございます。  いずれにいたしましても、プリントアウトされた場合に郵便局の職員が扱います。郵便局の職員の場合、先生御案内のように郵便法で秘密の確保義務というのが刑罰規定で担保されております。もちろん国家公務員法上の秘密の保持規定というのもございます。秘密にかけては郵便局の職員は本当にデリケートになるぐらい、神経質になるぐらいその辺留意しておりますので、ぜひそこにつきましては御安心をいただければと、そういうふうに思っております。
  140. 内藤正光

    内藤正光君 最後になりますが、通常、民間企業が新たなサービスを行うに当たっては徹底したマーケティング調査を行うのは常識でございます。本当に設備投資に見合った利益が得られるのか、これを徹底的に調査するのはもう当然でございます。  最後にお願いを申し上げたいのは、このハイブリッドメールサービスに限ったことではございませんが、どんなサービスであっても新しいサービスを始めるに当たっては、ぜひともそういったマーケティング調査をして、国民から官のやることはやっぱりと言われないようにしていただきたいと思います。  これで終わりです。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
  141. 森本晃司

    ○森本晃司君 ハイブリッドメールという新しい形のものができ上がって、どういうものかなと私もいろいろお伺いしたいと思っておりました。先ほど岩城先生内藤先生が聞いていただいたことと相当重なる部分もございますが、私も端的に質問をさせていただきたいと思います。  まず、ハイブリッドメールの投資額と採算性ですが、平成十二年二月スタートで四億九千万円が計上されていますが、これで設備投資は大体完了するんですか、それとも、先ほど何カ所かという話がありましたが、引き続いてあるのか、それから採算性、五年間で収支が合うように頑張るという局長からのお話がありましたが、その点についてお伺いいたします。
  142. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 森本先生指摘のように、平成十一年度予算でハイブリッドメールサービスの実施に関しまして四億九千万円を計上させていただいております。十年度予算、これは渋谷局のシステムの構築でございますが、十年度予算では一億八千万計上させていただきました。これで先生指摘の渋谷局等十二の地方局につきましての設備投資はひとまずは完了する、それでサービスを来年二月一日から開始させていただきたいと思っておるわけです。  もう一つ、岩城先生の御質問で時間の関係で答えられなかったんですが、現在、札幌の方でワンストップ行政サービスの一環として電子内容証明サービスというのをやっております。こういうような技術をこのハイブリッドメールに導入したいというふうにも考えておりまして、こういう新たな対応という点では四億九千万円ですべて終わりではなくて、またさらに次もあり得るというところを御理解いただければと思っております。  それから、先ほど内藤先生からも御質問いただきましたけれども、五年間で何とか収支相償になるように、それもできるだけお使いいただきやすいように安い料金を何とか設定させていただきたいということで出発をさせていただきたい、そういうふうに思っておるところでございます。
  143. 森本晃司

    ○森本晃司君 ハイブリッドメールというのは、僕はこれは新しい一つのメール方法であると思っているんです。レタックスが出たときも、これはなかなか便利なものだなと思う一面もありました。野田大臣は大変お若うございまして、私も負けないぐらい若いと思っているんですが、やや私の方が古い人間かなという気もするわけでございます。  そういう視点から、ハイブリッドメールが出てきますと、一面、手紙文化ということがございますね。私は一日大体五枚ぐらいはがきを書くんですが、最近では絵手紙等々が非常に皆さんに好評でございますし、郵政省もいろいろ考えて、裏に何にもないものから、最近は「風景美術館」という東京中央郵便局が発行している国会の絵とか入った、なかなか粋なことを郵政省も考えるな、同じ五十円でよう頑張っているなという気がして愛用をしているところでございますけれども、この手紙文化というのは私はやっぱり大事にしていかなきゃならない。  一方、こういうハイブリッドメールという新しい通信方法が出てくるわけでございますが、この文化という問題について大臣はどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
  144. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 常々、森本先生からそういう御指導をいただいておりまして、まさに手紙の文化というのはすばらしいものであり、これからも次世代の人々に受け継がれていただきたいと思うところでございます。  むしろ、ハイブリッドメールというのは、手紙文化の一つの新しい形ととらえてもいいのではないか。最近、若い人の間では手紙を書くことが少なくなってきたという話もあるわけですけれども一つには、私の例を言うならば、例えば私は余り字が上手じゃないとか、例えば絵をかくのもいま一つ才能がないとか、そういうときには絵手紙とか達筆のお手紙をいただくとうらやましいと思うわけでございますが、そういう人間も随分多いと思います。そういう人間が新しいパソコンなりそういうものを利用して、イラストとか写真とかそして自分のオリジナルの文書をつくってそれが送ることができれば、手紙文化というずっと流れがある中で、またその層をふやしていく一つの手だてになるのではないかと思っているところでございます。  むしろ、情報通信の高度化と古くから先達から伝えてもらった手紙文化との融合の形で、またこれから若い人たちが改めて手紙を差し出すという、そういう形になじんでいただけるような一つのきっかけになればいいなということを考えておるところでございます。
  145. 森本晃司

    ○森本晃司君 私の部屋に野口英世博士のお母さんから野口英世先生にあてた手紙が、複製のものでございますけれども、壁にかけてあるわけです。なかなかやっぱり味がありましてね、読んでいて母親のほのぼのとしたものも伝わってきます。見ているだけでそういうものが伝わってくるわけで、大臣、一回またそばへ来られたら寄ってのぞいていっていただければいいと思いますが、そういうものがある。  ですから、私は、ハイブリッドメールというのは、新しい方法で大事なことだし、早く伝わるし、若い世代の人たちに一気に受けるかと思うんですが、同時に、手紙文化というのをやっぱり残していくことも大いに考えていっていただきたいな、そう思うところでございます。これは答えは結構でございます。  それから、これからこのハイブリッドを進めていくために付加サービスをいろいろやっていかなければならないかと思うところでございます。  内容は、一つは迅速な配達ということではないかと思うんです。先ほど局長の話を聞きますと、札幌へきょう朝五時までに出したらもうその日に届くという、これは極めて速いなと思いますが、一つはスピードということ。  それから二つ目は、領収書の発行です。これは人に頼まれたりして出す場合もありますし、それから同窓会等々で出した後皆さんに費用がどれだけかかったかということ等々いろいろ領収書が要るんですが、その点については領収書は個々に出してもらえるのかどうかという点でございます。  それから三つ目は、アシストサービス。パソコンおたくの方々だけではなしに、パソコンがあれば簡単にいろいろとできるような、短時間でハイブリッドメールを作成できるようなそういうアシストサービスも必要ではないかと思いますが、お答えいただきたいと思います。
  146. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 森本先生から三点御指摘いただきました。  スピードの点ですが、レタックス五百八十円、こちらは百円あるいは百十円というところで、金額の差といいますか、もう先生方御案内のように、レタックスの場合には大体三時までに出していただきますと、当日中、夜速達便で配達をいたしますので、平均的にいきましてやっぱりレタックスにはかなわないというところがございます。先ほどは一番早いケースを出させていただいたわけですが、やはりこのスピードの点についても今後の問題としてよく勉強させていただきたいと思っております。  それから、今領収書の御指摘をいただきました。今度のハイブリッドメール自体が、御自宅とかあるいは会社からパソコンでもって通信が出せるというところでございまして、出された通信について領収書を紙の形でお送りするというのはちょっと今のところは考えてないんですが、ただ、今の先生の御指摘というのは当然のことでございます。  私ども、ハイブリッドメールを引き受けさせていただきましたならば、その画面に差し出し通数と並んで金額を表示させていただきまして、必要な方についてはそれこそ御家庭とか会社にございますプリンターでもってプリントアウトしていただく、そういうことは可能にいたしますし、それから、今月どのぐらいハイブリッドメールを使っておるかなというような御照会に対してもコンピューターでもって対応できるようにさせていただきたいと思っております。  それから最後の三点目、非常に重要な点でございます。今度、二月に渋谷の局で実験をさせていただいたわけでございますが、私どもの思った以上に実際のモニターの方が操作してみて容易だったというような御評価もいただいておるわけでございますが、やはり先生指摘のように、初心者の方でも入っていけるという意味で画面のつくりをよりわかりやすいものに、さらにさらに工夫させていただきたい、そういうふうに思っております。
  147. 森本晃司

    ○森本晃司君 終わります。
  148. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 午前中に引き続いて、郵便法改正について質問いたします。  私の方でも基本的なことをお伺いしておきたいと思うんですが、まず、今回の郵便法改正は、先ほど来議論があるようにハイブリッドメールサービスの導入に伴う料金の支払いについて、クレジットカードによる決済を導入するというものでございます。我が党は基本的にこれに賛成でございます。その上で、郵政省運用方針について幾つか確認をしておきたいと思います。  今回の法改正内容は、先ほど御説明もありましたが、郵便法第三十二条八項として、クレジットカードによる決済でも郵便料金を納付したものとみなす規定を追加する、そしてその上で省令で定めるというようにしておりますので、省令の変更次第でいわば料金納付を他のものにも拡大できる可能性というものが残されているわけであります。  まず、基本的なことですが、改めて、ハイブリッドメールサービスだけを定めるということでよろしいですね。
  149. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 今、宮本先生からお示しいただきました今回の法律案の三十二条の八項は、先生御紹介いただいたとおりでございます。現在の八項が今度九項になるんですが、この九項で次のような書き方がございまして、「料金の納付が確実であり、かつ、郵便に関する料金の徴収上有利であると認められる場合に限り、」クレジットカードを行うとなっております。  したがいまして、料金徴収面で、先ほど十万円の郵便料金の場合にこちらでいくと三千円かかる、一方は五十二・五円とか十五円とか申し上げましたけれども、そういうコスト的なところからも拡大について相当我々慎重にならなきゃならぬ点はあるというふうに考えておりまして、利用者の便宜と私どもの料金徴収上の理由、両方相まったものとしてまずはハイブリッドメールサービスからスタートさせていただきたいというふうに申し上げておるところでございます。
  150. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 徴収上有利ということも今触れられましたけれども、私どもは徴収上有利であるかどうかというだけの問題ではないのではないかと。納入方式を大もとから変えるわけですから、郵便法の六条で利用の公平ということが定められています。クレジットカードが使えない方というのもいらっしゃいますので、その点は慎重にすべきであるというふうに考えております。それはそういう指摘だけにとどめます。  次に、もう一つ基本的なことですが、発信者の文書が郵政省のコンピューター内に保存されて、そしてそれが相手方に届くということですけれども一つは、インターネットをやっておられればどなたも経験があるんですが、文字化けというのがございます。変換ミスですね。こういうものをどう確認するのか。  それから、これを郵政省が実施したとしたら、郵便法第八条の検閲の禁止、あるいは第九条信書の秘密を侵すことになりはしないか。信書の秘密を確保しつつ、インターネット通信における正確、安定、内容確認はだれがどう行うのか。  また、利用者のイメージどおりのものが、カラーのものなどは頭で描いたものと同じものが相手に届くかどうかということもあろうかと思います。随分イメージと違っていた、こういうトラブルも予想されるんですが、どう対応していかれるのか、お聞かせください。
  151. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 宮本先生から非常に専門的に文字化けのお話をいただいたわけですが、これはもう先生御案内のようにフォントによるわけでございまして、文字フォントで世の中で使われておるものはできるだけ多くをハイブリッドメールでも御利用いただけるようにしたいということで、私どもがこれを使っていただいて結構ですという文字フォントに合致しておれば基本的に文字化けは起こらないというのは先生御案内のところでございます。  さらに、そうはいっても、やはり自分が今送ろうとするものが本当にどのようなできばえで送られるのか確認をしたいというのは、これは当然利用者の方におありになろうかと思います。したがいまして、送信される前にプレビュー画面をつくりまして、今おつくりになった画面はこれでございます、これを送りますということで確認をしていただいて、そしてゴーということでサービスをさせていただきたい、そのように思っております。
  152. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 ハイブリッドメールサービスも国民の利便あるいは郵便サービスの充実ということを目的としてされることだと思うんですけれども、次に郵便事業について若干、特にそういう努力の一方でいろいろやっぱり国民の中で問題が起こっているということも御質問させていただきたいと思うんです。  私の地元、大阪豊中市での新しい郵便番号の変更問題ということについてお伺いをいたします。  豊中市の郵便集配については、これまで豊中南局、豊中局、吹田千里局、三つの郵便局が担当してまいりました。それが昨年二月からの豊中南局舎の新築による規模拡大によって各局の郵便配達担当区域がことしの七月から変更になる、それに伴って郵便番号も変更になるという旨の説明が突然ことし二月に自治会の関係者に行われた、こういうふうに聞いておるわけであります。  私どもは、もちろん古くなった庁舎を建てかえることに機械的に反対をするものでもございませんし、また郵便番号というものに絶対変更があってはならない、そういうことを別に主張するものではございませんけれども、今回、これによって豊中市では総世帯の四分の一に当たる四万世帯の皆さんの郵便番号が施行後一年余りでまた変更される、こういうことになっているわけです。これは非常に住民の方の中に怒りが広がっておりまして、先日、直接の管轄である近畿郵政局にもお伺いをいたしました。  そこで、まずお伺いしたいんですが、豊中南郵便局の局舎新築というのは平成九年の予算承認だと思います。平成十年二月建設に着工しているわけですね。昨年二月二日から新郵便番号の発足なんですから、発足時には既にわかっていたのは明らかだと思われます。そのとき何の措置もとらずに、ことし二月になって突然というのはどういうことなんですか。
  153. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 先生よく御案内のように、ただいまの豊中南局というのは、大阪国際空港、伊丹空港の滑走路の延長線上にあるということで、運輸省と大阪府の方からそこを緑地帯にするので立ち退いてほしいというのが平成四年にございまして、これを受けまして私どもとしてはやっぱり真摯な対応が必要だというところで豊中南局の移転を考えたというところに事は起因しておるわけでございます。  移る以上は、先生今御指摘になりました残り二つの郵便局、豊中郵便局と吹田千里郵便局が築後結構年数が経過しておりまして、さらにまた局舎が狭隘になってきておるというところを何とか同時に解消したい。それからまた、吹田千里というのは吹田市にある郵便局ですが、そこから豊中市に配達されておるということで行政区と郵便区が一致していない、ここも一緒に合わせたい、そういうところで郵便区調整というのをやろうというふうになってきたわけです。それに伴いまして、先生ただいま御指摘の郵便番号の変更という問題が現在持ち上がってきておるところでございます。  平成十年二月に今度の新しい豊中南局は工事着工したわけでございますけれども、近畿郵政局の方に照会いたしますと、かつて工事着工のときに想定した郵便区が変わった例もあったということで、そこは慎重を期して計画が確定してから市の方あるいは住民の方に御説明をしたいということで、事実といたしまして、市の方には昨年やっておるわけですが、住民の方への御説明はことしの二月からになったというような経過があったというふうに近畿郵政局から聞いております。
  154. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 住民の方々の話を聞くと、これはなかなかやっぱり住民の立場で見れば大変な問題がいろいろ現に起こっているわけですよ。  例えば、ゴム印であるとか封筒、名刺、そういうものを番号が変わるとつくり直さなければならぬ。直接私も商店主の方にもお伺いしましたけれども、昔は文字どおりゴム印だった、ゴムというのは一部を削り取って新しいものをつけ加えるということもできたけれども、今はもういわゆるシャチハタというんですか、インクが出るものなので、とてもそのゴムの一部を変えるなんというようなことはできないようなんですね。新たに一つ買うと。なかなか高くて、一つ七千円だと言っておりました。縦型、横型と二つ要るので一万四千円かかると。  しかも、特にこの豊中でいいますと、去年の二月に新郵便番号でつくった、そしてことしの一月から電話番号に六というのが頭につきまして、まずそれだけでも怒ってはるわけですよ、二度手間だと言って。そこへこの七月でまた変えると。これは本当に怒ってはるわけですね、現場の方々は。  やっぱりこの変更を私もいろいろ見てみましたけれども、局舎の建てかえについても、郵便局の側というか郵政省の側の都合だと思うんです。  それから、郵便区分の変更というのも見てみましたけれども、郵便局中心に等距離に変更するんじゃなくて、今は郵便局中心に等距離、円状になっているものを、それが行政区と郵便区とを合わすということでしょうけれども、むしろいびつになるんですよ。ということは、集配担当の郵便局までの距離が遠くなる人はいるけれども近くなる人はほとんどいないという計画なんです、これ自身は、見てみると。普通は住民の中に利益になる人も不利益になる人も出るというようなものでしょうけれども、この場合は随分逆にいびつな形になるような線引きになっていると思います。  先ほど冒頭にも言いましたように、私どもは別に是が非でもこういうことがあってはならないということではないと思うんですけれども、しかし、やっぱり何といっても住民の方々にしっかり納得していただく、そして住民の方々が本当に今こういう声を上げておられるわけですから、そういう方々の意向にもしっかり耳を傾けて対処していただくということが非常に大事だと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
  155. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 先ほど申し上げましたように、郵便区の調整は必要だというふうに思っておりますけれども、やはり郵便番号を変更するに当たりましては、先生も御指摘のところでございますが、住民の方々の御理解と御協力を得るための努力、これはやはり大切なものだと思っております。  なお、一点だけですが、余り具体的な話はやめますけれども、現在、吹田千里局から吹田市でないところの豊中市の住民の方に郵便が行っておりますけれども、そこの住民の方と豊中の郵便局というのは直接に結ばれておりませんので非常に郵便物が遅いわけです、吹田千里から一たん茨木の方に上がりましてそして豊中の方に行きますので。今度、郵便区調整が終わりますと、吹田千里と豊中との間にありますそこの郵便区の方は非常に豊中市に接近する、そういう具体的なメリットもあるわけですが、ちょっと具体的過ぎますのでそれ以上の紹介は差し控えたいと思います。
  156. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 そういう面もあるのかもしれませんけれども、再配達、郵便局にとりに来てくれなくてもはがきで入れてくれたら改めて届けますからとおっしゃるわけですけれども、やっぱり御高齢の方は自分でとりに行くのが習慣になっているという方もいらっしゃるわけですね。目と鼻の先のところへとりに行けたのにという声も、これは私も直接お伺いいたしました。  少なくとも三回にわたる、もちろん電話番号の変更はNTTがやったことですけれども、三回にわたる変更があって、そのたびそのたびそうしてゴム印だとか名刺だとかはがきだとかそういうものもつくりかえてきた。大企業、大きなところは一度つくってもすぐに大量にはけていくんでしょうけれども、小さいところは半年、一年とつくったものを使うわけです。それが使えなくなるということで、随分リアルなといいますか生々しい声をお伺いしたわけです。  これはひとつ大臣、そのお気持ちは御理解いただけると思うんですけれども、そういう方々にしっかり納得していただくという方向でこの問題に対処していただきたいと思うんですが、いかがですか。
  157. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) 新郵便番号の記載率というのが最新の調査で、これは二月十八日なんですけれども、九三・七%ということになりました。これはひとえに国民利用者の皆様方の御協力、御理解のたまものであり、心から感謝申し上げなければならないと思っています。  郵便局というのは、まさにそういう利用者の皆さんの支持を得て初めて、今局長が申し上げましたけれども地域に密着できるサービスが提供できると思っています。  今先生指摘の豊中の件につきましても、十分に認識して、地域住民の方々の御理解とか御協力をきちんといただくようさらに努力が必要だ、そう認識しております。
  158. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 一つだけ。これは官報による告示というような正式なことにはまだなっていないですね。
  159. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) まだでございます。
  160. 宮本岳志

    ○宮本岳志君 ぜひ今御答弁があった方向でよろしくお願いしたいと思います。  以上で終わります。
  161. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 郵便法関係について御質問申し上げますが、ハイブリッドメールサービスの意義等についてお伺いをいたします。  パソコン相互の通信普及をしている中でなぜハイブリッドメールサービスを行うのか、その効果利用率はどれぐらいと考えられておるのか、コンピューター発信型電子郵便との違いはどうなのか、お答えいただきたいと思います。
  162. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 渕上先生指摘のように、パソコン通信普及しておるというのは事実でございます。ある意味でパソコンが普及し、そしてインターネットが相当使われ出したというところでこういったハイブリッドメールサービスが立ち上がる素地が出てきたということで、これは日本だけではなくて、現在アメリカ、イギリス、フランス、ドイツでも実験を含めて各国が力を入れておる郵便サービスでございます。  先生の方からただいま効果という点でございます。先ほど大臣の方からもお話しさせていただきましたけれども、封筒とか便せんとか切手を用意する必要がなく、会社や自宅にいながらにして差し出す便利なサービスである、それからまた、会合のお知らせなど同一の内容の文書を多くのあて先に一斉に差し出すことができるというメリットがございます。さらには、先ほども大臣が言われたところですが、デジタルカメラで撮影いたしました写真やパソコンで作成した画面などをカラーで印刷できるというメリットもございます。それから、パソコンを持たない方に対しても電子メールを届けることが可能だし、また持っておられる方、先生はここを御指摘されたのだと思っておりますけれども、やはり郵便の持つ最後の段階での儀礼性、現物性というところを評価していただく方もおられようかと思います。さらには、先ほどちょっと述べましたけれども、これから電子内容証明制度というのが実用化することによって電子メールの認証も可能になってくる、そういうようなメリットがあって新たな需要の拡大に結びつくものというふうに期待をいたしております。  先生ただいま利用率ということでございますが、昨年一月から二月に実施いたしましたアンケート調査では、トータルといたしまして約九割の方が利用の意向を示していただいております。その中でも、三%強の方がよく利用するというふうに言っていただいておるところでございます。  それから、コンピューター発信型電子郵便との違いということでございます。幾つか違う点あるいは共通の点もございますけれども、大きな点は、コンピューター郵便は、現在ありますのは大口の利用者を対象に想定してでき上がっておるサービスだということが言えようかと思います。こちらの方はどちらかといえば小口とかSOHOビジネスの方を対象にいたしまして、家庭とか会社から手軽に出していただけるサービスだということで、スピードの点はやはり全国十二のブロックにプリンターを置きますのでこちらの方がいいということで、それぞれ一長一短があるところでございます。
  163. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 郵便法の第五条「事業の独占」と第九条「秘密の確保」にかかわって、ハイブリッドメールサービスはインターネットを利用してのサービスでありますけれども、どこからが郵政業務となるのか。例えば、電子郵便の取扱いに関する省令の第三条「電子郵便の取扱いの内容」では、「電子郵便の取扱いは、郵便局において、」と定められています。インターネットのプロバイダーは送達を業とする対象とならないのかどうなのか、お伺いいたします。
  164. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 郵便の業務といいますのは、御家庭とか会社のパソコンから通信文を発出されます、そして渋谷の引受局におきましてそこのサーバー、コンピューターでございますが、そこのコンピューターでもってデータで送られてきた通信文を蓄積し終えた段階から郵便の業務が始まるというところでございます。その前の段階は、これは郵政省とかかわりのないところということでございます。
  165. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 クレジットの委託条件と決済についてでありますけれども、納付義務者から委託を受けられる者の条件は具体的にはどのように考えておられますか。
  166. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 具体的な指定基準についてはこれから鋭意検討させていただきたいと思いますが、基本的なところは、やはり何といいましても料金の確実な収納を図らせていただくということと利用者の利便性の確保という点にポイントはなろうかと思っております。  具体的に言いますと、クレジット会社の信頼性、これはやはり私どもとしてぜひ担保させていただきたい、健全な経営を行っておるクレジット会社と私どもとして契約をさせていただきたい、指名をさせていただきたいと思っております。それからまた、でき得ればオールジャパン的に非常に普及しておるクレジットカードが望ましいのではないかというようなことも思っておりますし、それからクレジットカード会社と御利用者における契約が非常に明確に定められておる、そういったいろんな条件を基準としてこれから制定いたしまして、具体的には公募で求めまして、そしてその中で条件に合致したクレジット会社を指名させていただきたい、そのように思っております。
  167. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 ハイブリッドメールサービスを利用した場合の料金の支払いでありますけれども、クレジット決済でしか受け付けられないのか、またクレジットカードによる決済によってクレジット会社からの請求書の表示はどのようになるのか、お伺いします。
  168. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 当面、ハイブリッドメールサービスにつきましてはクレジットカードだけで出発をさせていただきたいと思いますけれども、私どもの方にやはり口座振替もできれば使いたいというような声も入ってきておるところでございます。ただ、そのためにはちょっとシステム的に前提条件を整備する必要がございます。  結論だけ申し上げますと、私どものPNETという郵政省システムがあるんですが、平成十三年度にこれがバージョンアップいたします。このころを目途に口座振替制度もつけ加えることができないかどうか、検討させていただきたいと思っております。  それから、先生今御指摘いただきました請求書の形でございます。クレジット会社から郵便の利用者に送られる請求書でございますが、これは私ども、クレジット会社とこれからお話をしていきたいと思っておりますけれども、その月使われた分が分計されて、そして利用明細が明記されるような形でもって表示されるように私どもとしてクレジット会社の方に対応してまいりたい、そのように思っております。
  169. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 地球環境に配慮した郵政省としての姿勢をお伺いしたいのでありますが、一つは、はがきや切手などに使用されるパルプの総量及び再生紙の使用などリサイクル状況についてどのような状況になっておるのかお伺いをしたい。  それから二つ目は、集配車両へのクリーンエネルギー自動車の導入状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
  170. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 事実関係でございますが、まず郵便はがきへの再生紙の活用でございますけれども平成四年度から順次拡大をしてまいりまして、十年度で年賀はがきについてもすべて再生紙化を図ったところでございます。ただ、通常はがきと往復はがきは割と長い時間持たれますのでその間に変色等するということで、こちらの方だけがまだ手がついておらないというような状況でございます。  郵便切手につきましては、再生紙に発光塗料が塗布されていた場合に誤った検知をする可能性がございますので、現在、郵便切手については再生紙はまだ使用していない状況でございます。  次に、郵便集配用の車両でございますが、平成三年度から、軽自動四輪車についてでございますけれども、電気自動車を試行的に導入をしてまいっております。現在五十九両でございます。ただ、先生よく御案内のように、集配用車両ですからある程度のエネルギーが必要なのでございますが、性能面あるいは価格面においてガソリン車と比べれば集配の車両に使うという意味におきましてはまだ少し難しい点もございます。現在試行をやっておるわけですが、今後これらの点が改善されるのをよくウオッチしながら、さらなる導入について取り組んでまいりたい、努力してまいりたいというふうに考えております。
  171. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 終わります。
  172. 戸田邦司

    ○戸田邦司君 大分議論も進んでまいりましたから、一言だけにさせていただきたいと思います。  今までの議論をお伺いしていまして、非常にこれで便利になるのではないかということがわかるわけであります。特にハイブリッドメールサービスの仕組みは、現時点で考えれば非常によくできていると私は思っております。いろんな利用の仕方があるんだろうと思いますが、大口でこれを利用するということを考えますと、各政党もこれを利用していろいろとアピールに使えるんじゃないかと考えているところではないかと思います。  非常に便利なだけに、意図的にといいますか、いたずらあるいは悪用があり得ると私は思いますが、そういった点について、具体的にはどういうことを想定しているかといってもお答えいただくわけにはいかないと思いますが、そういうことにどういう対応を考えておられるか、その一点だけお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  173. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 先生がおっしゃるのは、一言で言えばセキュリティーを確保していくということだと思います。  流れに沿って簡単にポイントだけお話しさせていただきますと、まず御自宅とか会社のパソコンから発信をされる。そうするとインターネットを通ずる。これは第三者のパソコンを通じますから、この間にデータが盗まれるおそれもある、改ざんされるおそれもある。そこをいかにガードするか。そういうことは暗号化技術でもってひとまず対応させていただきたいと思っております。  それから、郵便局に到着をする。到着をした場合にも、本当に真正な方だけがファイアウオールを通じて入れるように入り口でチェックするということです。それからまた、入った方々のデータが安全に保護されるように、私どもとしても郵便局の管理者でごく限定してパスワードを持った管理者しかそのデータにアクセスをしないようにさせていただきたいと思います。  それから、先生よく御承知の不正アクセスをいかにして防止するかという意味では、やはり利用者の方にも御協力いただく必要があるということで、パスワードをいつまでも同じパスワードでないようにしていただきたい。それからまた、パスワードと利用者番号はできるだけ他人の目に触れないような管理をしていただきたいとか、それからそれに準ずるようなところ等々いろいろ考えておかなければ、このサービスをもって国民の信頼にこたえて開始することはできないというふうな認識を持っております。
  174. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 議事進行が大分スムーズなようでございまして、いよいよ最後の質問者でございます。岩本荘太でございます。  今回の改正に関する質問はいろいろ出されております。もう私その点についてはお聞きするつもりはございませんが、前の戸田委員が一言御質問されましたので、私は二言か三言ぐらい質問をして締めくくりをさせていただきたいと思います。  郵便番号について、先ほどもちょっと別の観点からの御質問がございましたが、この七けたというものについて御質問させていただきたいと思っております。  今までは三けたから五けた、それが七けたになった。そのときに議論はいろいろされているとは思うんですが、また大臣の先ほどのお話で九三%ですか、そのぐらい皆さんお使いになっているというので、実績も上がってきたとは思うんですが、私自身一国民として考えてみますと、ある意味では郵便が非常に出しづらくなったという面もあるような気がいたします。  それは、とりもなおさず細かい七けたの数字を探して書かなければならないということでございまして、場合によっては郵便の内容を書いたまま七けたを探すのが面倒くさいからそのままにしておいて、それで忘れてしまったなんというようなことも起こり得るのが私自身の状況でございます。何か郵政省は、確かにメリットがあった、郵政省負担が軽減されたと。その負担が逆に利用者に行っただけじゃないかというような気もなきにしもあらずなのでございます。  先ほど大臣が言われた九三%にしましても、こんなことを数字がなくて議論もなんですけれども、それだけ普及したと言われますけれども、私なりに考えますと、それは七けたを承認したということではなくて、郵便番号を書かなきゃいかぬという意識が非常に普及した、したがって、書かなきゃいけないから番号がわからない場合には何か出しづらくなって、それが知らない間に出せなかったというような、こういう現象ではないのかなというような気もするわけでございます。  それはさておき、やはり郵政省負担軽減された分が国民にそのまま過大に負担が来ているというのではこれは非常にまずいわけでございまして、郵便番号を使うことによってあて先などを省略できる、その辺も十分利用者に対して周知徹底させる必要があるんじゃないかな、こう思うのでございますが、郵政省のお考えをお聞かせ願えますか。
  175. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 岩本先生から御指摘いただきましたように、七けたの郵便番号を書いていただきますと、例えば東京都千代田区という行政区名までは省略していただいてもちろん結構でございます。結構でございますけれども先生指摘のように、その辺十分にPRされておるのかというと、私どもPRに努めてきておるわけです、こういう新郵便番号簿を全家庭にお配りしておるわけですが、やっておるんですが、やっぱり十分過ぎることはないというふうに不断に思っております。ただ、既に御存じの方はそのようなことで省略されますと、新聞を見ましても、意外に手間が省けたというふうな御評価の投書などもいただいておるわけです。  いずれにいたしましても、先生からただいま御指摘いただきましたように、あて名の記載省略、これは具体的な省略方法を含めまして今までも努力してきたわけでありますけれども、さらにお客様へ周知用物品を出す場合には、もう必ずと言ってもいいぐらいできる限り住所省略の具体的な例示を掲載することによりまして、さらにPRを一生懸命やっていきたい、そのように思っております。
  176. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 ぜひ御努力をお願いいたしたい。全家庭に郵便番号簿をお配りになった、これは非常にありがたいことですが、それを見るのが非常に大変だと私は申し上げている次第でございまして、今後も周知徹底についてはよろしくお願いいたしたい。  それと関連いたしまして、我々住所録などをつくって持っているわけですけれども、それはやはり郵便物といいますか物を送る場合に必要だからということが大きな目的であると思います。戸籍とかそういうものは別としまして、一番使うのはそのためであると思うんです。郵便物については今のお話で郵便番号で実際の住所はかなり省略できる。これは確かにそうなんですが、一方で宅配便でございますけれども、宅配便は私が知っている範囲では送り主の郵便番号も書いてこない、受取人の郵便番号も書かないのが実態ではないかなというような感じがいたします。したがって、宅配便については郵便番号というのはちょっと関係ない世界になっているというような感じがするんです。  そうしますと、利用する国民の側は一人の住所について二つを認識しておかなきゃいかぬ。これは、一つでよかったものがかなり過重になったということが言えるんだと思うんです。宅配便は運輸省の問題かもしれませんが、こういう郵便番号を決められる上ではその辺のことも十分御配慮していただかなければいけないんじゃないかなと思うんですが、その辺について郵政省のお考え方をお伺いしたいと思います。
  177. 濱田弘二

    政府委員(濱田弘二君) 事実だけを申し上げますと、私どもはこの新郵便番号簿の配布だけで百億円を超える投資をさせていただいたところでございますけれども先生指摘の民間宅配の中にはもちろん無料でもって新郵便番号七けたを御利用されておるところも今出てきておるというふうにお聞きしております。もちろん、その場合にあて名の記載省略をされておるかどうかというところまではつまびらかにはいたしておりません。  それから、先生指摘のところとまた違うんですが、これは先生よく御案内のところでございますが、パソコンのソフトで新郵便番号七けたを入れれば町域名まで出てきますので、非常に住所を書くのが容易になったという意味で住所管理にも非常に貢献をさせていただいておるということで、七けたの新郵便番号は、郵便局の区分とか配達の作業だけじゃなくて、世の中的に大いに広がりを持ってお使いをされ始めておるというのが実態としてあるのではないかというふうに認識をいたしております。
  178. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 いろんな面の工夫もあるでしょうし、新しい時代に向けて利用する面はいろいろあると思いますけれども、そこまでにいかない大多数の国民がいるわけでございます。端的に言いまして、宅配便も普通いただいたら、送ってこられたら返事を書くわけですけれども、宅配便の送り状というんですか、あて先を見ただけじゃ七けたの郵便番号書いてありませんから郵便物出せないんですね。そういうような不都合があるのは、これはやはり国民に負担を課しているという以外にないんじゃないかというような気がするんです。この点いろいろと勉強していただきたいと思います。  それと同時に、こういうような現象が起こってくるというのは、やはり縦割り行政といいますか、郵便番号一つにしてもいろんな省庁関係しなくちゃいけない、いろんな省庁に波及するいろんなものがあると思うんです。そういうものによく目配りをいただいてやっていただかないといけないんじゃないかなというような気がいたします。これから省庁再編等があってもやはりそういうものは問題が起こってくると思うんですけれども、その辺についての大臣の御所見がございましたら、よろしくお願いいたします。
  179. 野田聖子

    国務大臣野田聖子君) まず初めに、新郵便番号九三・七%の記載率というのは、ひとえにやはり国民利用者の御理解と御協力のたまものだと思っています。心から感謝申し上げ、今先生指摘がありました住所の省略も周知徹底が十分じゃないということを受けとめまして、私たち精いっぱい新郵便番号になったことによるメリットを一人でも多くの皆様方に御理解いただけるよう努めてまいりたいと思います。  あわせて、むしろ縦割り行政というよりも、これだけの高い記載率の新郵便番号というのは国民共有のインフラなんじゃないか。さっき局長の話にもありましたとおり、それを無料で民間企業も使っていただいておる、またパソコンソフトにも利用されているということで、今後こういうメリットの部分を十二分に引き出していけるようさらに努めてまいりたいと思いますので、よろしく御理解をお願いいたします。
  180. 岩本荘太

    ○岩本荘太君 国民の財産、確かにそうかもしれませんが、日本人の性格として決められたらやらなきゃいかぬという面もあると思います。私などそういう日本人的でないのかもしれませんけれども、それはちょっと矛盾があるなというような感じを持つわけでございまして、その辺縦割り行政の弊害でないとおっしゃるのかもしれませんけれども、私はそれはいろんな見方があって、これから行政といいますかこういうことをやっていくにはやはり広い目で見ていただきたいな、そういう面では御認識いただけたとは思うんですが、あえてそれは追及いたしません。  その辺を今後ともお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
  181. 小林元

    委員長小林元君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  郵便法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  182. 小林元

    委員長小林元君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  183. 小林元

    委員長小林元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  184. 小林元

    委員長小林元君) 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。川崎運輸大臣
  185. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) ただいま議題となりました道路運送車両法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  今日、自動車は、平成十年末における保有台数が七千四百万台に達するなど国民各層に普及し、国民生活に欠くことができないものとなっております。このように、モータリゼーションが成熟化する中で、自動車の検査及び点検整備制度について、自動車の安全の確保と環境の保全を図りつつ、技術の進歩や使用形態の変化に対応して見直しを行うことが必要であります。  具体的には、自動車の使用状況交通事故や環境問題等の現状、自動車技術の進歩、諸外国の状況等、自動車を取り巻く状況を踏まえ、自動車の安全の確保及び環境の保全を前提に、自動車使用者の負担の軽減にもつながるよう配慮し、自動車検査証の有効期間及び定期点検の実施時期の見直しを行うことが必要であります。  特に自動車検査証の有効期間の見直しについては、昨年三月に閣議決定された規制緩和推進三カ年計画に基づいており、定期点検の実施時期の見直しとともに昨年十二月に運輸技術審議会から答申がなされ、この答申の趣旨を踏まえ、所要の措置を講じることが必要であります。  このような状況から、この法律案を提案することとした次第であります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、自動車運送事業の用に供する自動車等について、定期点検の間隔を一月から三月に改めることとしております。  第二に、車両総重量八トン未満の貨物の運送の用に供する自動車等について、初めて自動車検査証の交付を受ける場合の自動車検査証の有効期間を一年から二年に延長することとしております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  186. 小林元

    委員長小林元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。     ─────────────
  187. 小林元

    委員長小林元君) 次に、船舶法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。川崎運輸大臣
  188. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) ただいま議題となりました船舶法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  船舶法第一条においては日本船舶の要件を定めておりますが、現行の規定によれば、株式会社は取締役全員が日本国民でなければ日本船舶を所有することができないこととされております。  近年、外航海運をめぐる国際競争の激化の中で、我が国海運企業においても外国企業との提携や役員の派遣、外国籍の人材の活用等のニーズが高まっているところでありますが、日本船舶の要件を定めたこの規定との関係我が国海運企業は外国人を取締役に就任させることができない状況にあります。このため、日本船舶の要件を緩和し、こうしたニーズにこたえる必要があります。  このような趣旨から、このたびこの法律案提出することとした次第であります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、日本の法令により設立された会社であって、その代表者の全員及び業務を執行する役員の三分の二以上が日本国民であるものが所有する船舶日本船舶とすることとしております。  第二に、罰金額の引き上げ等、罰則に関し所要の改正を行うこととしております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  189. 小林元

    委員長小林元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。     ─────────────
  190. 小林元

    委員長小林元君) 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局栃木陸運支局自動車検査登録事務所設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。川崎運輸大臣
  191. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局栃木陸運支局自動車検査登録事務所設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。  この案件は、運輸省の地方支分部局として、関東運輸局栃木陸運支局自動車検査登録事務所設置しようとするものであります。  すなわち、栃木県の南部地域における自動車の検査及び登録に関する事務の円滑化を図り、あわせて当該地域住民の利便を増進するため、栃木県佐野市に、関東運輸局栃木陸運支局の下部組織として、佐野自動車検査登録事務所設置する必要があります。  以上の理由によりまして、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局栃木陸運支局自動車検査登録事務所設置に関し国会の御承認を求める次第であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御承認くださいますようお願い申し上げます。
  192. 小林元

    委員長小林元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十五分散会