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1999-03-16 第145回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年三月十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         立木  洋君     理 事                 佐藤 泰三君                 橋本 聖子君                 松崎 俊久君                 福本 潤一君     委 員                 海老原義彦君                 釜本 邦茂君                 鎌田 要人君                 中川 義雄君                 三浦 一水君                 森田 次夫君                 山内 俊夫君                 竹村 泰子君                 内藤 正光君                 風間  昶君                 小泉 親司君                 照屋 寛徳君                 田村 秀昭君    国務大臣        国務大臣        (総務庁長官)  太田 誠一君        国務大臣        (沖縄開発庁長        官)       野中 広務君    政府委員        内閣審議官    安達 俊雄君        防衛庁参事官   小林 誠一君        防衛施設庁総務        部長       山中 昭栄君        防衛施設庁施設        部長       宝槻 吉昭君        沖縄開発政務次        官        下地 幹郎君        沖縄開発庁総務        局長       玉城 一夫君        沖縄開発庁振興        局長       襲田 正徳君        外務省北米局長  竹内 行夫君        外務省欧亜局長  西村 六善君        文部省学術国際        局長       工藤 智規君        文部省体育局長  遠藤 昭雄君        建設省河川局長  青山 俊樹君        自治大臣官房総        務審議官     香山 充弘君    事務局側        第一特別調査室        長        加藤 一宇君    参考人        沖縄振興開発金        融公庫理事長   塚越 則男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成十一年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付)、平成十一年度特別会計予算内閣提出  、衆議院送付)、平成十一年度政府関係機関予  算(内閣提出衆議院送付)について  (総理府所管総務庁北方対策本部)、沖縄  開発庁)及び沖縄振興開発金融公庫)     ─────────────
  2. 立木洋

    委員長立木洋君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  去る十日、予算委員会より、三月十六日午前の半日間、平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち総務庁北方対策本部沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫について審査委嘱がありましたので、本件を議題といたします。     ─────────────
  3. 立木洋

    委員長立木洋君) この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日、参考人として沖縄振興開発金融公庫理事長塚越則男君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 立木洋

    委員長立木洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 立木洋

    委員長立木洋君) それでは、委嘱されました予算について、まず太田総務庁長官から説明を求めます。太田総務庁長官
  6. 太田誠一

    国務大臣太田誠一君) 平成十一年度の総務庁北方対策本部関係予算について、その概要を御説明申し上げます。  平成十一年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、総務庁北方対策本部関係予算額は十二億九千四百十九万一千円であり、これは前年度の当初予算額に対して二億五百四十八万四千円の増額になっております。  その主な内容につきましては、まず、北方対策本部に必要な経費として職員の人件費等一億一千五百四十九万九千円を計上しております。  また、北方領土問題対策に必要な経費として十一億七千八百六十九万二千円を計上しておりますが、そのうち主なものは北方領土問題対策協会補助金十一億三千四百六十五万八千円であります。  この北方領土問題対策協会補助金は、同協会北方領土問題の解決促進のため全国的な規模で啓発等を行うために必要なものであります。  具体的には、啓発事業関係については、まず二〇〇〇年に向けて返還要求運動盛り上げを図るための全国キャラバン活動事業後継者育成目的とした青少年向け啓発事業教育指導者啓発事業等を行うための経費を計上しております。来年度は、特に北方領土隣接地域内の啓発施設を充実するため、国後島が目の前に見える羅臼町に北方領土啓発施設を建設する経費を計上しております。  北方四島との交流事業につきましても、北方領土問題の解決に寄与する重要な方策の一つとして引き続き実施していくこととしております。  特に、来年度は、北方四島交流事業の一層の充実を図るため、教育関係者等専門家を派遣するための経費日本語講師派遣内容を充実する経費及び一回当たりの訪問者数を増員する経費を計上しております。  このほか、返還要求運動中核的役割を果たしている各都道府県推進委員啓発活動北方地域居住者に対する援護措置等に必要な経費を計上しており、特に、北方四島でいまだ所在確認されていない墓地があり、墓参が実施できない箇所があるため、その所在確認のための現地確認調査経費を計上しております。  また、北方地域漁業権者等に対する貸付業務関係についても引き続き所要経費を計上しております。  以上、平成十一年度の総務庁北方対策本部関係予算概要を御説明いたしました。  よろしく御審議のほどお願いいたします。
  7. 立木洋

  8. 下地幹郎

    政府委員下地幹郎君) 平成十一年度沖縄開発庁予算について、その概要を御説明いたします。  平成十一年度の予算総額は三千二百八十二億一千三百万円で、前年度当初予算額に対し一〇四・〇%となっております。  このうち、沖縄開発庁予算の大部分を占める沖縄振興開発事業費については、さらなる沖縄振興策の効果的な展開を図るため公共事業に係る特別の調整費五十億円が計上されたほか、沖縄振興開発特別措置法の一部改正により導入された諸制度の円滑な遂行を図り、産業自立的発展を促すため社会資本整備を進めるとともに、県土の均衡ある発展を図る観点から、北部地域離島地域等における産業振興生活環境改善に資する社会資本整備を進めるなど、沖縄振興開発諸施策の積極的な展開を図るため、その所要額確保に努めた結果、三千五十三億一千五百万円で前年度当初予算額に対し一〇四・一%となっております。  特に、公共事業関係費は、二千八百七十億六千八百万円で前年度当初予算額に対し一〇四・三%となっており、地域戦略プランを除いた全国ベース一般公共の前年度比一〇二・八%を一・五ポイント上回っております。  また、一般行政経費等につきましては、二百二十八億九千八百万円で前年度当初予算額に対し一〇二・一%となっており、その主な内容は、自由貿易地域活性化推進するための調査費普天間飛行場を中心とした返還跡地利用対策関連経費、今後の沖縄振興開発のあり方について検討を行うための沖縄振興開発総合調査費のほか、サンゴ礁の白化現象赤土対策推進に関する調査費沖縄振興開発金融公庫に対する補給金等であります。  また、沖縄振興開発金融公庫平成十一年度における事業計画は、二千五百七十五億円で前年度当初計画額に対し一一二・〇%を予定しております。  以上をもちまして、平成十一年度沖縄開発庁予算概要説明を終わります。  よろしく御審議のほどお願いいたします。
  9. 立木洋

    委員長立木洋君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  10. 中川義雄

    中川義雄君 自民党の中川義雄であります。  まず最初に、沖縄問題について若干聞いておきたいと思います。  特に、いわゆるSACO合意の行方についてどうなるのか、私自身も大変心配になってきましたものですから、その点から伺いたいと思っています。  あの本当に忌まわしい事件を契機にいたしまして沖縄基地問題がまた大きな関心を呼び、それを解決するために日米特別行動委員会、いわゆるSACO基地返還合意に至るまで大変な苦労があったわけであります。  しかし、今見てみますと、十一の合意事項のうち、これまで実現しているのは北部訓練場縮小に関する項目だけでありまして、その他につきましては見通しも立っていない、立っているものもごくわずかだというようなことを聞いております。他の十項目進捗状況、そしてこれからの見通し等について、合意されている実施年との関係も含めて御説明いただきたいと思います。
  11. 宝槻吉昭

    政府委員宝槻吉昭君) 今、先生おっしゃったSACO合意事項進捗状況につきましてでございますけれども先生指摘のとおり、SACO返還事案については、全体として見た場合に、移設先となる自治体等から基地機能の強化になるといったような反対の意向、あるいは施設によっては、施設返還についても関係自治体あるいは地主会等返還跡地利用困難性を理由に反対であるとか、いろいろとSACO実施に関して難しい問題がございまして、なかなか今後の見通しにつきましても確たる見通しは示せない状況であるわけでございますけれども、当庁としては、引き続き地元の御理解と御協力を得て、このSACOの着実な実施に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  そうした中、先生今御指摘があったように、安波訓練場につきまして昨年十二月二十二日に返還合意を見たわけでございます。また最近になりまして、地元の方から那覇港湾施設の問題あるいは金武町の議会におきますキャンプ・ハンセンにおける象のおりの受け入れの問題につきまして、地元の市議会の委員会の方で審議されているというような一部進展の動きもあるわけでございます。  これらの地元動きにつきまして私ども十分に今後見守りつつ、稲嶺知事SACO合意につきましては今後段階的に進めていくという考えで大変な努力をされるというふうに期待しておりまして、私どもこうした知事考えも今後十分にお伺いしつつ、SACOの着実な返還に向けて引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。
  12. 中川義雄

    中川義雄君 ただいまもいろいろ言われましたが、要するに十一の合意のうちほとんど見通しが立っていない。そういうことであれば、そもそも合意そのものが当初から実現不可能なものであったのかな、そういう大きな問題を最初から抱えていたとしたら、これはもうある種の失敗であったと言わざるを得ないのかもしれません。何としても沖縄県民のことを考えますと、政府としては率直にこの現実を認めて、SACO合意のうち土地の返還部分を組み直すなど、新たな現実的な対応策縮小合意といったことについて米側と交渉を行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  13. 竹内行夫

    政府委員竹内行夫君) ただいま御指摘の点でございますが、確かにSACO報告書実施状況進捗状況につきましては、先ほど防衛庁の方から御説明があったとおりでございます。他方SACO最終報告書と申しますのは、先生御案内のとおり、日米政府最大限努力を傾注いたしまして、沖縄県民方々の御負担を可能な限り軽減するという目的のために努力をして取りまとめたものでございます。  政府といたしましては、その着実な実施に引き続き努力をしていくという方針でございまして、この点につきましてはアメリカ側との間でも種々の機会を通じて確認をいたしておるところでございます。  例えば、今年の一月でございますが、コーエン国防長官が来日をされまして、その際に、沖縄問題につきましては沖縄県側と十分な意見交換を行いつつ、SACO最終報告の実現に向けて引き続き日米が緊密に協力していくという点につきまして確認をしたところでございます。さらに、御承知のとおり、稲嶺沖縄県知事米軍施設・区域の整理、統合、縮小についてSACO最終報告を基本的に段階的に進めるお考え承知いたしております。  以上のような点を踏まえまして、政府といたしましては、地元の御理解と御協力を賜りつつ、稲嶺知事のお考えも十分拝聴いたした上で、SACO最終報告書の着実な実施に向けて今後とも最大限努力を傾注いたしたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。
  14. 中川義雄

    中川義雄君 いずれにしましても、沖縄県民のことを考えますと、早期にこの問題が少しでも解決できるよう努力していただきたいと思うわけであります。  次に、普天間基地移転先についてでありますが、どの場所であれ必ずいろんな問題を含む、そしてまた問題が生じると考えるのでありますが、そのためにも一番大事なのは受け入れ候補地住民感情だと思うのであります。その観点からいえば、津堅島誘致決議は非常に重要な意義を持つと考えるのでありますが、この津堅島につきまして、その可能性を含めて現状を説明していただきたいと思います。
  15. 宝槻吉昭

    政府委員宝槻吉昭君) 今、先生おっしゃいました津堅島誘致決議の件でございますが、先般、三月八日でございますけれども那覇防衛施設局にこの津堅島住民方々誘致を求める陳情がございました。  政府としては、SACO合意にあるように、この普天間の代替ヘリポートにつきましては、海上へリポート案というものを最善と考えておるわけですが、他方、当然のことながら地元頭越しに進めるという考え方は持っておりません。今、津堅島の問題も含めまして、普天間飛行場移設先の問題につきましても、稲嶺知事軍民共用とする陸上空港案を含む複数案検討していくお考えというふうに承知をしておりまして、また具体的に三月一日に新たな検討組織体制を発足されるということで、前向きに取り組んでいただいております。  当庁といたしましては、こうした知事の取り組みを見守りつつ、この問題の解決に真摯に取り組んでまいりたいと考えております。
  16. 中川義雄

    中川義雄君 新しい知事も非常に積極的にこの問題に真っ向から取り組もうとしているわけでありますから、政府は全面的にバックアップして、この問題の解決に少しでも力をかしてやっていただかなければならないと思いますので、その点よろしくお願いしたいと思います。  次に、沖縄経済振興に関することであります。  沖縄に対していろんな特別措置を講じているわけでありますが、今もって全国でも際立って不況にあえぐその実態は変わりないと聞いております。失業率本土の約二倍にも達しているのではないか、特に若年層失業率は全く深刻な問題になっていると聞いておるのであります。  投資税額控除、そのことによる実質的な法人税率低減等もいいわけでありますが、しかしそれは企業が進出しなければ利益は計上できないわけでありますから、その享受する恩典は実質上その見通しがないと言ってもいい。ですから、企業はなかなか投資しようもないこの現実をどうしたらいいか。  そういうわけでありますから、政府として現実沖縄経済振興するためにどのようなことをする方針なのか、少しでも現実可能な、そしてより迅速な措置をすべきだと思いますので、その点、政府方針について伺いたいと思います。
  17. 野中広務

    国務大臣野中広務君) ただいま中川委員から御指摘を賜りましたように、沖縄経済状態というのはまことに深刻なものがございまして、お話のように、失業率をとりましても、平成十一年の一月で七・七%という状況でございまして、全国平均四・四%と比べますとまことに厳しい状況にあるわけでございます。  ただ、全国平均といたしましてはなお四・四になってきておる状況でございますけれども沖縄におきましてはようやく六カ月ぶりに八・一%から七・七%へと改善の兆しが見えておる、こういう局面もございまして、厳しい中にも、私ども今日までの産業振興雇用の問題について解決をしなければならないと取り組んできたことが若干この数字に見られるようになったのではなかろうかと考えますとともに、また雇用の問題、経済振興問題等を含めてより積極的に取り組んでまいらなくてはならないと存じておるところでございます。  沖縄開発庁といたしましては、昨年の三月に沖縄振興開発特別措置法を、国会の御承認をいただいて改正をいただきました。沖縄への企業立地等促進いたしますために、特別自由貿易地域制度情報通信産業振興地域制度観光振興地域制度などの創設を行いまして、今お話がございましたように、法人税所得控除投資税額控除等税制上の優遇措置を講じますとともに、沖縄振興開発金融公庫によります融資制度といった金融上の措置もあわせて講じてまいったところでございます。  また、特別自由貿易地域につきましては、去る三月八日に稲嶺沖縄県知事さんから、中城湾港の新港地域を指定されたいという申請が出てまいりました。翌九日、私から沖縄振興開発審議会に諮問をいたしたところでございます。可能な限り早くこれを決定したいと存じておるところでございます。  さらに、今御審議をいただいております十一年度開発庁関係予算におきましては、総額約三千二百八十二億円、対前年度当初予算におきましては一〇四%という伸び率を計上いたしまして、これらの諸制度有効活用を支援しますとともに、沖縄におきます産業の自立的な発展に資するように、社会資本整備等について推進をすることといたしております。  また、今お話がございましたように、企業立地促進のための制度が実際に有効に活用されなくてはならないわけでございまして、当開発庁といたしましても、特別自由貿易地域等企業誘致促進関係省庁連絡協議会を設置いたしまして、法改正内容の周知、広報や経済団体への訪問を行いますなど、関係省庁沖縄県とともに企業誘致促進に積極的に取り組んでおるところでございます。NTTを初め、本土企業からも積極的な対応をいただきまして、それぞれ雇用改善が見られつつあるわけでございます。  開発庁といたしましては、今後とも企業立地投資促進をされ、沖縄経済的自立に貢献できますよう、産業貿易振興雇用促進にこれが結びつきますように、税制金融財政面措置を効果的に活用いたしまして企業誘致促進等に取り組みまして、沖縄経済振興はもちろん、沖縄県民の期待にこたえられるように全力を傾注してまいりたいと存じておるところでございます。
  18. 中川義雄

    中川義雄君 沖縄経済発展、そして産業振興ということを考えますと、沖縄振興開発金融公庫役割は大きいと思うんです。私の北海道東北開発公庫につきましても、その役割は大きいということで、我が党としましても、この不況対策としまして、例えば信用保証協会融資ができるように政令を改正するなど努めてきたわけであります。  経済が停滞している中で、特に民間金融機関中小企業等に対する貸し渋りが指摘されております。これに対して沖縄振興開発金融公庫ではどのように対応しているのか。また、最近の資金需要の動向及び十一年度事業計画、実に前年度対比一二%増となっているこの予算、その特徴をどのように重点的に実行していくのか、理事長の見解を賜りたいと思います。
  19. 塚越則男

    参考人塚越則男君) お答え申し上げます。  沖縄振興開発金融公庫は、沖縄における産業開発促進するため、長期資金を供給すること等によりまして沖縄における経済振興及び社会開発に資することを目的として、復帰と同時に設立された政策金融機関でございます。具体的には、本土における日本開発銀行、それから国民公庫、中小公庫住宅公庫社会福祉・医療事業団、それから環衛公庫等の仕事を沖縄県内で一元的に行っている総合的な金融機関でございます。  公庫といたしまして、平成九年十一月に定められました二十一世紀を切りひらく緊急経済対策ですとか平成十年四月の総合経済対策平成十年八月の中小企業等貸し渋り対策大綱等に基づきまして新しい融資制度を創設いたしましたり拡充いたしましたり、また事業計画の追加その他の金融支援策実施いたしまして中小企業等事業活動に必要な資金確保に努めてまいりました。また、中小企業方々等からの相談に迅速に対応できるように窓口を特別に設けるとか、あるいは代理貸しを積極的に活用するといったような手段も講じてきております。  これら一連の切れ目のない対策実施の結果、中小企業等資金及び環境衛生資金貸付実績を申しますと、平成九年十二月から平成十年三月の期間、前年同期比で六〇・七%増となりました。また、平成十年四月から平成十一年一月まで、この期間は前年同月比で三七・一%の増加というように高い伸びを示しております。  また、中小企業等に対する対策に加えまして、昨年十二月末には沖縄公庫法改正していただきまして、平成十二年度末までの時限措置ではございますが、金融機関の破綻、貸し渋り等の影響を受けて十分な資金調達が困難となっている健全な中堅企業等に対する長期運転資金融資制度も創設していただきました。  それから、御審議いただいております十一年度の事業計画でございますが、御指摘のように、対前年度比一二%増、二千五百七十五億円となっておりまして、これは私ども公庫としましては当初計画として最大のものでございます。  資金別に申しますと、産業開発資金中堅企業向け長期運転資金等需要が見込まれますので三三・七%の増。それから、中小企業につきましては、前年一九・七%増加したところにさらに三%増。それから、住宅資金につきまして、低金利とか住宅減税等から申し込み受理件数が増加しつつありますので、これも三・三%増というような形をしております。  また、沖縄公庫独自の融資制度といたしまして、平成十年度の第三次補正予算沖縄経済自立発展契機とすべく沖縄創業者支援緊急特別資金という特別の融資制度を設けていただきました。また、平成十一年度で御審議をいただいておりますが、離島雇用問題解決のために沖縄離島地域経済活性化資金という特別の制度を設けていただいておりまして、こうした形で自立的な経済発展に資するようなところを重点的に融資するつもりでおります。
  20. 中川義雄

    中川義雄君 時間がないものですから、急いでやりたいと思います。  特に沖縄問題、要するに沖縄県民のことを考えると、本当に我が国といたしましては全力を傾注して、歴史的な経緯から見てもあの戦争の大変な戦場となったこと、戦後の米国による施政権が長かったこと、基地が多かったこと、いろいろやらなければならないわけであります。  そこで、私から一つ長官に対して提案。これは長官という立場以上に官房長官として、官邸の最高責任者として、沖縄開発庁長官とあわせての決意をもし聞かせていただければ幸いなんですが、例えばサミットを沖縄で開催する、そしてそこでアメリカの大統領も日本の総理も沖縄に対する思いを込めた県民に対する話をしていただく、そんなことをしていただくと県民大変心も揺るぎ、そしていろんなこれからのことに協力もしていただけるのではなかろうか、そんな思いを込めてこんな提案をさせていただくわけであります。これは私ばかりじゃありません。長官承知のように、特別補佐官として沖縄問題に長年本当に心血を注いできた、またサミットの最初からかかわっていた岡本行夫さんが最近盛んにそのことを主張しているようでありますから、そのことも含めて決意を聞かせていただければ幸いだと思います。
  21. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 二〇〇〇年サミットの開催につきまして、札幌市もまたその名乗りを上げていらっしゃいます北海道から出ておられます中川委員から、今沖縄の長い歴史の痛みや犠牲を思いながら二〇〇〇年サミットの開催につきまして熱い思いを聞かせていただきましたことを、私ども沖縄にかかわる職責を持つ者として深い感銘を受けてお聞きした次第であります。  御承知のように、八つの自治体から二〇〇〇年サミットの開催について名乗りを上げていただいておるところでございます。サミットは、もう私から申し上げるまでもなく、出席されます各国首脳を初めとする外国要人あるいは政府関係者、あるいは内外のプレス関係者等を含めまして約九千人とも言われる人が一堂に会して開催されるわけでございます。それだけに、輸送の問題あるいは宿泊の問題、会議場あるいはプレスへの対応、さらに最重要であります警備等を十分考えまして、このサミットが成功裏に終わるように万全を期していかなくてはならないわけでございます。候補地八都市につきまして、それぞれ今申し上げたような内容につきまして精査をいたしてまいったところでございます。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたようにサミットは成功することが第一条件でございますので、そのような要素を踏まえまして、ケルン・サミットの開催時期までに政府といたしましても決定をいたしたいと存じておりますので、いましばらくの御猶予をいただきたいと存ずる次第であります。
  22. 中川義雄

    中川義雄君 時間が来ましたので、終わります。
  23. 内藤正光

    ○内藤正光君 おはようございます。私は民主党の内藤正光でございます。私の持ち時間は十分と大変短うございますので、できる限り簡潔な答弁をお願い申し上げたいと思います。  私は、沖縄振興のための特別調整費について一連の質問をさせていただきます。  まず、平成十一年度予算案の中に特別調整費として百億円が計上されておりますが、この特別調整費の具体的な使途、あるいはまた具体的な使途が決まっていないならばその基本的な考え、簡単で結構でございますので、沖縄開発庁長官を兼務される野中官房長官にお尋ねいたします。
  24. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 現在御審議をいただいております新年度予算におきまして、百億円の調整費の使途につきまして、稲嶺知事の御要望等を承りながら、政策協議会においてそれぞれ沖縄県の御要望を十分踏まえながら効果的な施策の実施ができますように協議を現在進めておるところでございます。  具体的には、昨年十二月、初めてと申しますより約一年間途絶えておりました沖縄政策協議会を稲嶺知事出席によりまして開催することができまして、具体的な沖縄県当局の御要望があったわけでございます。特に緊急的な対策につきまして確実な実施が図られるよう取り組みますとともに、総理の決断によりまして百億円のうち公共事業関係が五十億円、ソフト関係が五十億円といたしまして、沖縄振興に対する即効性の見地から、リゾート客の増加に資するなど観光を中心とする産業振興に役立つように、あるいは公共事業を重点的に実施するとの活用方針を設けまして、前回一月の協議会におきまして了承をいただいたところでございます。  現在、以上の方針を踏まえまして政府部内におきまして鋭意検討を進めておるところでございます。
  25. 内藤正光

    ○内藤正光君 引き続きまして長官、一般論で結構なんですが、調査の目的とはいかがお考えになりますでしょうか。
  26. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 現在、鋭意検討を進めております中で、特に情報通信関連産業の支援策を中心といたしまして、通信コストの低減の問題あるいはソフトな機能を持つ産業振興のための拠点の整備などについて、平成八年度の補正予算措置されました五十億の特別調整費をより活用する方向で調査いたしまして、その必要性について指摘されたものから調査分析を生かしていきたいというように考えておるわけでございます。  御承知のように、沖縄はマルチメディア特区構想調査等を行ってまいったところでございますし、航空運賃の低減等、幅広い観光産業振興のために現在特別調整費を活用することを考えてその調査を進めておるところでございます。
  27. 内藤正光

    ○内藤正光君 続きまして、平成八年度補正予算で認められました特別調整費五十億円、いわゆる五十億円プロジェクトについて内政審議室にお尋ねをさせていただきたいと思います。  大まかで結構でございます、その中に調整費だとか事業費だとかありますが、それぞれの内訳を簡単に教えていただけますでしょうか。
  28. 安達俊雄

    政府委員(安達俊雄君) お答え申し上げます。  平成八年度補正予算で計上いただきました五十億円でございますが、そのうちの二十億円強が調査費に充てられました。残る三十億円弱が実際の事業に活用されたという内訳でございます。
  29. 内藤正光

    ○内藤正光君 調査の占める割合が大変大きいなという印象を受けるわけでございますが、ではこの調査の結果あるいは事業に対する評価などの報告は既に行われているんでしょうか。
  30. 安達俊雄

    政府委員(安達俊雄君) 調査につきましてはすべて完了しておりまして、調査結果がそれぞれ報告書等の形で取りまとめられておるものでございます。  結果の評価でございますけれども、これまでの沖縄振興策検討に当たって活用されてきたことは当然でございますし、先ほど官房長官から御答弁ございましたように、今回御審議いただいております百億円の特別調整費の活用による施策の検討に当たりましても、この調査結果が生かされてまいりました。今後の振興策の検討に当たりましても、これだけまとまった調査でございますので、非常に貴重なデータや分析結果あるいは構想といったものがこの調査を通じて生み出されたわけでございますので、これを十分に参考にしてまいりたいというふうに考えております。  そういった意味で、ある地域、ある一県について、これだけ網羅的にあらゆる角度からの振興のための調査を行ったのは非常に得がたい成果ではなかったかと思っておるところでございます。
  31. 内藤正光

    ○内藤正光君 御丁寧な説明、ありがとうございます。調査が終了したのは、昨年の三月だろうと思います。それから十カ月たったことしの一月二十九日、政策協議会が開催されたかと思いますが、その中でこの調査結果の報告はなかったというふうに聞いております。  そして一方、こちらに調査事業項目の一覧表がございます。これを足し合わせると五十億円になるというものです。  一方、琉球新報の調査結果、どんなプロジェクトの調査報告書が出ているか、これと照らし合わせてみますと、昨年十二月末時点でまだ調査報告書が提出されていない項目がございます。これはどういうことなのか、簡単にお願いします。
  32. 安達俊雄

    政府委員(安達俊雄君) 平成八年度補正でございますが、一年間の繰り越しが認められまして、昨年三月末時点ではほぼ調査の報告は終わっておりまして、少なくとも新聞に報道されましたような、昨年十二月段階でいまだ報告されていないというものは一切なかったと私ども理解しております。  一年一カ月にわたりまして沖縄政策協議会が開かれなかったということがございます。また、再開されました政策協議会は、昨年の十二月と一月とそれぞれございましたけれども、今後の緊急対策を限られた時間の中で検討していただくのが精いっぱいでございまして、私ども事務方として沖縄政策協議会に平成八年のこの五十億の調査結果の概要について御報告する機会を得なかったわけでございますけれども、私どもとしては次回の政策協議会で全体にわたって報告をさせていただければと考えておるところでございます。
  33. 内藤正光

    ○内藤正光君 ということは、すべての調査に関しての報告書はあるということで理解してよろしいわけですね。  本来、調査結果を踏まえてそれに続く予算づけなどが行われるべきなんですが、ところが実際は正式な調査結果の報告がないままに、来年度予算案の中には主要項目だけでもこのプロジェクト関連予算として百億円を超える事業が計上されているわけなんです。そうなりますと、調査とは一体何なのかという疑問がわいてくるわけでございます。  そしてまた、そんな私の心配を増幅するかのように、同じく琉球新報の中で調査に関する内部告発という形で幾つか述べられております。簡単に御紹介をさせていただきますと、例えば所管省庁から調査を請け負ったシンクタンクへ飲食代等百万円以上に上るツケ回しが行われている。あるいはまたある年度までに調査費を使い切れなかった、それを使い切るために、決して必要でない、不要な、それもファーストクラスを利用してまでの海外調査を実施している。そんなような内部告発がございます。実際に調査員の中でも、こんなぜいたくな調査をしていていいんだろうかというような自責の念に駆られた反省も聞かれるわけでございます。  そもそも調査報告やあるいは調査に対するチェックは内政審議室の責任で行われるかと思いますが、簡単にお願いします。
  34. 安達俊雄

    政府委員(安達俊雄君) それぞれの調査に関しての予算につきましては、財政当局の査定を経まして厳正に対処しているわけでございますし、また、それぞれの調査の内容に応じまして、執行官庁としてそれぞれの省庁に予算を振りかえまして、執行官庁の責任においてこの調査を進めてまいったわけでございます。  私どもは、新聞報道に見られるような不明朗な使われ方というものは一切なかったというふうに考えておりますが、およそすべての国の予算と同様に厳正に対処してきたわけでございますし、今後ともそのような事態がないように、所要の会計検査、その他当然一般的に行われるわけでございまして、私どもは、単なる新聞報道でございまして、そのような実態はないものと認識しております。
  35. 内藤正光

    ○内藤正光君 そういったうわさ以外に、ほかにも真摯に受けとめて改善すべき点が多く聞かれます。例えば、調査の実施主体が県ではなく国だということで、調査がすべて中央省庁関連のシンクタンクで実施をされて、地元のシンクタンクにノウハウや情報等が蓄積をされない。あるいはまた、肝心の地元企業県民の意向が全く反映をされない、それゆえに事業内容も説得力に欠ける。また、往々にしてあることですが、予算が省庁間の分捕り合戦になる。あるいはまた、先ほどるる申し上げましたように、チェック機能が働かないだとか、あるいはまた調査結果が沖縄県に報告をされない、また報告の義務もないというようなちょっとおかしなことがあるわけでございます。  私は、そもそも五十億円プロジェクトの評価検討というのは、その次へ続く、百億円プロジェクトと申し上げましょう、百億円プロジェクトを計画するに当たっての必要にして最低限の条件ではないかと考えますが、最後に沖縄開発庁長官を兼務される野中官房長官にその辺の御見解をお伺いしたいと思います。
  36. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 基本的に私は今、委員がおっしゃったとおりだと思っております。私どもとしては、今、安達審議官が申し上げましたように、それぞれこの使途については適正なものであったという報告を受けておりますけれども、今、委員が御指摘されましたような問題が仮にあるとするならば、なお調査をいたしまして、その真相をきわめて適切に処置をしてまいりたいと考えております。
  37. 松崎俊久

    ○松崎俊久君 民主党・新緑風会の松崎でございます。  今、同僚の内藤議員の質問を受けてお尋ねいたします。  沖縄に対する沖縄振興策ということで、五十億円プロジェクト、百億円プロジェクトというようなかなり大きな額の投資が行われておりますが、沖縄にいろいろな箱物をつくってやってその箱物を沖縄に上げるというような観点でのいわゆる沖縄に対する振興策、そういうふうに沖縄県民のかなりの部分は受け取っております。  問題は、いろいろ開発庁から発注されます事業の内訳でございますが、地元の業者に落ちる割合とそれから本土大手ゼネコンに落ちていく割合というものが、私、数年前に沖縄の琉球大学の教授でおりましたときに聞いた話では七、三、極端な場合は八、二とかと。大手ゼネコンの担当者も、こんなにたくさん、八割、七割をもらうようでは我々ちょっと心が痛むとさえ言っていた言葉を聞いております。  このようなことでは沖縄の自立という問題が達成されず、いつまでも沖縄のいわゆる依存体質、補助に対する依存体質というものが残ってしまうと思います。  ここ数年ないしは三、四年で結構でございますが、本土の業者に行った割合、それから沖縄県内の業者に落ちていった割合、この事業費の発注状況について長官にお伺いいたしたいと思います。
  38. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 今、委員から御指摘いただきました公共事業の施行と地元発注との関係というのはまことに重要な問題でございまして、私も沖縄開発庁長官として就任いたしましたときに申し上げましたことは、二つあります。  それは、委員が今おっしゃいましたように、沖縄振興開発をやっていく上で、予算の執行、特に公共事業についてはできるだけ地元業界の人たちの受注ができるような方途を考えること、あるいはこれの執行に当たっていやしくも政治家が絡んだりなんかするようなことは一切排除すること、この二つを私は開発庁長官として就任に当たって要請をしたところでございます。  今、具体的に委員からここ数年の数字を示すようにというお話でございましたが、平成七年におきましては、県内業者に発注いたしましたのは七〇・五%でございまして、金額は三九・三%でございます。平成八年は、県内業者が七〇・六%で、金額は三九・三%でございます。平成九年、改善をされまして県内業者が七七・八%の受注で、金額が五〇・九%でございます。県外はこれに反比例いたしまして、平成七年が、割合が二九・五%、平成八年が二九・四%、平成九年二二・二%、金額が平成七年が六〇・七%、平成八年六〇・七%、平成九年四九・一%と、逐次改善をされつつあるわけでございます。  今後も、委員がお話しになりましたように、県内業者の受注が円滑にいくように、それぞれ分離分割発注や混合入札等を活用することによって、可能な限り地元関係業者の受注機会が確保されるように努力してまいりたいと存じておるところでございます。
  39. 松崎俊久

    ○松崎俊久君 長官はかつて、沖縄の誇りを札束で買うつもりはないという趣旨のことをおっしゃいました。ぜひこの基本線を維持してくださって沖縄の自立のために一層の努力をお願いしたいと思います。  長官の今お話しになったのは、六対四から大体五対五まで金額面で近づいてきたように伺いました。これをさらに県内六、県内七というような割合に積極的に進むこと自体、この振興費が役に立った、本当に目に見えて役に立ったという日だと思いますので、この点をぜひ進めていただきたいと思いますが、どうしてこの六、四とかという事態が、あるいは昔七対三というような状況が続いたんでしょうか。これについてお伺いいたします。
  40. 玉城一夫

    政府委員(玉城一夫君) 私ども沖縄開発庁の直轄事業というのは、非常にロットの大きな事業がたくさんございまして、そういう意味で、ランク別にしましてもどうしても大きい額面の工事がございます。したがいまして、そのまま発注いたしますと、どうしてもランクづけからいいますと大手の事業者の方に結果的に行くケースが多かったと思います。ただ、今大臣からお話がございましたように、できるだけ分離分割をするとかあるいは技術のいいところを混合発注ということで、上のランクまで入札ができるというふうな仕組みなどを活用いたしまして、これが努力を積み重ねた結果、徐々に改善を見てきたというふうに考えております。
  41. 松崎俊久

    ○松崎俊久君 今度は観光面の関連で質問いたします。  沖縄の基本産業の重大な柱であります観光のでありますが、沖縄の県庁も四百万を突破したとか五百万を目標にするというようなことを言っておりますが、私たちの目から見れば、このような目標というのは余り意味のない目標だというふうに感じております。  と申しますのは、観光で若者を三、四日沖縄誘致して、そこで航空会社が自分の飛行機を使い、自分のホテルへ泊め、そこで金を使わせて本土へ返す式の観光が幾らふえたとしても、これは沖縄県民の生活にプラスの側面を出すことはほとんどないというふうに言われております。  私は、昨年十月の臨時国会でもこれに対して関連質問をいたしましたが、とにかく国土の有効利用という観点から、半年もこたつの中に潜っている、そして動かない寒い国の老人たちを沖縄へ長期間、三、四カ月移住せしめ、同時に農業に従事せしめて健康の回復に資する、これは沖縄のサトウキビ依存農業体質に対してもいい意味の刺激を与えるだろうと思います。そういうことを提案しましたが、幸い農水が、ドイツのクラインガルテンを模して都市から農村へということで、この問題に関しては若干の調査費用を出していただきましたが、これに対しまして肝心の厚生省は、十分検討に値するという答えをいただいたにもかかわらず、財政逼迫の折から、年金関連施設の全面撤収ということで宿泊施設の撤収を開始する模様で、このような問題について沖縄に特別の処置は考えられないというようなことを言っています。  新聞記事によりますと、自治省は何か、山形の例に対して若干の支援をされたという記事が出ておりますが、それをまず一つ伺いたい。  長官にぜひお願いしたいことは、所信を伺えれば伺いたいのですが、厚生省、農水省、国土庁というような、それぞれの省庁にちょっとずつ絡む問題、しかもこれは、三、四カ月、例えば百人の住民が五万円ずつの生活費を使って滞在したとすれば、膨大なお金が自治体に生活費として落ちるわけであります。これは直接その自治体の住民のプラスになります。そういう意味で、いわゆる長期滞在型保養基地と我々は呼んでおりますが、こういうものこそ開発庁が音頭をとってプログラムを立ててやるのにふさわしい問題だと思いますので、ぜひ御一考いただきたい。
  42. 香山充弘

    政府委員(香山充弘君) ただいまお話がございましたのは沖縄県多良間村の取り組みのことだと思いますけれども、私ども自治省におきましては、先導的な地域づくりを行う場合にリーディングプロジェクトという形で支援をさせていただいておりまして、平成十年度からは特に広域的連携に着目をいたしまして、交通網あるいはいろんなネットワークを活用して複数の市町村が連携して行うような事業というのを採択するというふうにいたしました。具体的には、複数の市町村が共同で実施いたしますハード事業に対しましては地域総合整備事業債で、それ以外のソフト事業につきましては計画策定費も含めまして特別交付税によって支援をするという仕組みになっております。  御指摘のありました多良間村の事業につきましては、夢パティオたらま、こういうふうな事業名を冠された事業でございますけれども、岩手県の宮古市と山形県の金山町との間で従来から姉妹盟約等を通じまして交流がございまして、この二市町の高齢者を対象といたしまして長期滞在をしていただこうと。そのための施設整備をする。しかもその長期滞在に当たりまして、共同で地域振興だとか高齢者対策なんかも話し合うような集いの場をつくろうというような事業でございまして、その伝統文化の交流とか宿泊機能を備えた拠点施設整備を中心とした事業でありまして、これに対しまして地域総合整備事業債を許可し、さらに人的、文化的交流を行う事業に対しまして特別交付税によって支援をすることといたしたものでございます。  以上でございます。
  43. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 今おっしゃいましたように、沖縄は我が国唯一の亜熱帯、海洋性の気候のもとで恵まれた自然環境と独自の伝統文化や歴史を有しておるわけでございますので、それぞれ観光リゾート地域の形成等、委員が御指摘になりましたようにこれから国民の余暇時間の増大や余暇活動の多様化等にも対応いたしまして、今自治省からも御報告がございましたように、長期滞在型や通年型の観光リゾート地の形成を図ること等第三次沖縄振興開発計画にも盛られておるところでございます。  委員は医療の専門家でございますので、私から長々申し上げることはございませんけれども沖縄のように非常に保養に適した地というのは、これからのマルチメディア社会見通したときに、内地の基幹的な病院からそれぞれ沖縄の一定地域にいわゆるリハビリを行うような場所を設置することによって、基幹病院からリハビリをケアしていくといったような、そういう保養と沖縄振興のあり方ということをこれから考えていくべきではなかろうかと存じまして、沖縄開発庁の中におきましても有識者の皆さんのまた御意見を近く賜りたいと存じておったところでございます。  委員の御指摘を踏まえまして、一層積極的に取り組んでまいりたいと考えるわけでございます。
  44. 風間昶

    ○風間昶君 公明党の風間でございます。  まず一点、沖縄振興についてお伺いしたいと思います。  おととしの本委員会の質問でも、沖縄県内の公営住宅と学校プールの整備状況本土に比べて著しくおくれているということを指摘させていただいた上で、具体的な数値も挙げて指摘させていただきましたけれども、そしてその改善を要望させていただきました。  現在、じゃもう二年たってどの程度整備が行われているのかということを、それぞれ省庁が違うでしょうけれども、公営住宅については沖縄開発庁、学校プールについては文部省にお伺いしたいと思います。
  45. 襲田正徳

    政府委員襲田正徳君) 住宅の関係でございますが、沖縄県の居住水準を若干の指標で見てまいりますと、一つは最低居住水準未満世帯という指標がございますけれども、復帰の昭和四十八年の時点で五六・七%でございましたが、平成五年には一三・三%になっております。平成五年というと、ちょっと古い感じはいたすわけでございますが、実は住宅統計調査は五年ごとにやっておりますので、これが最新の数字ということになるわけでございます。  それから、一住宅当たりの延べ面積で見てまいりますと、同じく五十三・七平方メートルから七十四・五平方メートルにふえるというふうにそれぞれ大幅に改善はされておるわけでございます。しかしながら、沖縄県の居住水準は、所得水準が低いということもございます。また、地価が高いということもございまして、こうした事情によりまして、近年におきましても全国の水準から比べますと立ちおくれておるということは事実でございます。  このため、平成八年度から第七期の住宅建設の五カ年計画、これにおきまして二千七百戸の公営住宅の建設をするということ、また沖縄振興開発金融公庫融資等による住宅建設など公的資金によりまして約三万六千戸の住宅建設を計画いたしておりまして、引き続き沖縄県におきます居住水準の改善に取り組むことにいたしておるわけでございます。
  46. 遠藤昭雄

    政府委員(遠藤昭雄君) お答えいたします。  沖縄県の公立学校水泳プールの設置率でございますが、十年の五月現在、小中高含めまして全国平均は七九・〇%になっております。対しまして沖縄は六二・三%となっておりまして、まだ低い率となっているというふうに考えています。  ただ、これも二十年前沖縄の場合には一四・六%、十年前には四五・八%というふうに着実に伸びてきている状況にございます。特に沖縄県の義務教育諸学校の学校水泳プールの建設費につきましては補助率のかさ上げが図られておりまして、通常三分の一ですが、沖縄の場合十分の七・五という形でございまして、十一年度の政府予算案におきましては、地元の要望も踏まえまして四億一千三百四十九万円が計上されておるところでございまして、今後とも沖縄開発庁と連携を十分図りながら沖縄県における学校水泳プールの整備促進に努めてまいりたい、このように考えております。
  47. 風間昶

    ○風間昶君 二十年前の話と比較してデータを求めているわけではありませんので、今答弁を伺っていますと、開発庁の方が平成五年、五年ごとだって言うから平成五年のデータしか出ていないと。十年度のデータは今当然集計かけているはずなのに、その説明が全然ないことが極めて、この本委員会のいわば主管の開発庁の答弁が私は納得できないと思います。本年度予算でどのぐらい措置されているのかぐらいも含めて文部省さんはちゃんと答えているにもかかわらず、開発庁は答えてもいない。とんでもない話だよ。
  48. 襲田正徳

    政府委員襲田正徳君) 最初の統計の年の関係でございますが、平成十年の十月に、総務庁におきまして住宅統計調査をしておるわけでございますが、私ども聞きますと、速報値につきましても来年三月ぐらいにならないとまとまらないということでございますので、まことに申しわけないのですが、現時点では把握しておらないわけでございます。  それから、十一年度の当初予算関係でございますが、私ども予算といたしまして百六億円を計上させていただいております。中身といたしましては、公営住宅が五百五十戸、特定優良賃貸住宅が百戸、高齢者向けの優良賃貸住宅が五十戸等でございまして、こうした整備を図るなど必要な支援を図ってまいりたいというふうに考えております。
  49. 風間昶

    ○風間昶君 我が党は沖縄全島をフリートレードゾーンに指定するように以前から強く要望してまいりました。これについては政府の賛同を得ないまま現在に至っているわけでありますけれども、そうすると、当面はフリートレードゾーンにかわり得るような優遇税制や優遇金利といったものを駆使して沖縄振興を実りのあるものにしていかなきゃならないというふうに思っているわけでありますけれども、なかなか官房長官とそして開発庁長官と兼務の中でのお仕事ではあるといっても、沖縄開発に向ける開発庁長官の意気込みというものは当然あるでしょうし、その部分の決意についても披瀝を、若干所信のときにもありましたが、この部分について長官の決意を伺いたいと思います。
  50. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 沖縄産業振興はもう申し上げるまでもなく最重要な課題でございまして、これを通じて就業の場の確保あるいは所得水準の向上などを通じまして県民の生活水準を向上させますとともに、沖縄経済の自立的な発展と活力ある地域社会の実現を図る上で極めて重要な課題であると考えて、私ども積極的に取り組んでまいっておるところでございます。  三次にわたります振興開発計画に基づきまして、産業振興の基礎となる基盤の整備等推進いたします一方、先ほど来申し上げておりますように、沖縄の特性を生かした基幹産業であります観光リゾート産業や亜熱帯農業の振興を図りますとともに、競争力のある製造業の振興に努めておるところでございます。  しかしながら、それぞれ御指摘を賜っておりますように、沖縄経済は第三次産業の比率が大変高く、第二次産業の比率が低い産業構造となっておるところでございまして、また、逐次改善されつつあるとは申せ、本土に比べまして非常に高い失業率でございまして、沖縄社会経済情勢は依然として厳しく、産業振興雇用確保の面においてより解決しなければならない多くの課題を抱えておると存じておるところでございます。  このため、開発庁といたしましては、昨年の三月に沖縄振興開発特別措置法改正をお願いいたしまして、沖縄の地理的な優位性を生かしました貿易振興企業立地等を促進いたしますために、三五%の法人所得控除措置を講じますとともに、特別自由貿易地域制度の創設を行ったところでございまして、先ほど来申し上げておりますように、知事からの申請もございましたので近く決定をする運びにしてまいりたいと存じておるところでございます。さらに情報通信産業振興地域制度観光振興地域制度などの創設を行ったところでございます。  今後は、企業立地投資がより促進されますように、そして沖縄経済自立に貢献できる産業貿易振興雇用促進にこれが結びついていきますように、制度の効果的な運用に努めてまいる所存でございます。
  51. 風間昶

    ○風間昶君 ありがとうございます。  じゃ具体的に、まず沖縄振興開発公庫に対する補給金に八十六億円余りが計上されていますけれども、これは資金運用部やあるいは簡易保険資金からの借り入れに対する利息であろうというふうに推察されるわけでありますけれども、きのうの農林水産委員会でも議論がありましたが、資金運用部の利率が高いときに借り入れて、現在返済に困っていらっしゃるという不満の声も出ているわけであります。結局、資金運用部の成績を保持するために沖縄予算を投入しているのではないかというそしりを受けることがあってはいけないと思います。  お聞きしたいのは、直近の借りかえの利率がどうなっているのかということと、高金利時代の借り入れに対する借りかえや利子補給の措置、補給金、これはどうなっているか、お伺いしたいと思います。
  52. 玉城一夫

    政府委員(玉城一夫君) 現在、資金運用部から借り入れております利率でございますが、二・一%でございます。今、先生から御指摘ございましたように、平成十一年度の予算におきまして、公庫の補給金として八十六億二千二百九万円を予定しております。
  53. 風間昶

    ○風間昶君 企業沖縄に進出して新たに工場や会社を設立する場合には、例えば土地の取得や建物の固定資産に関して優遇がなされていると思いますけれども、台湾からの企業進出が依然として多いというふうに聞いていますけれども、こういう海外からの企業誘致に際しての優遇税制というのはどういうふうになっているでしょうか。
  54. 玉城一夫

    政府委員(玉城一夫君) 沖縄公庫は総合公庫ということで、先ほど塚越理事長からも御説明ございましたのですが、本土の一銀行、五公庫等の業務のうちでできるだけ有利な条件、利息、償還期間、それらにつきましても本土公庫よりは幾らかずつ優遇しているところでございます。  今、先生からお話のございました海外から沖縄に進出する企業に対しての優遇措置でございますが、今年度、平成十年度から沖縄公庫独自の融資制度といたしまして沖縄経済国際化促進資金を創設したところでございます。この資金は、沖縄県内企業が海外に展開する場合、また逆に沖縄県で事業展開を図る外国企業に対しましても、有利な制度で運用しているところでございます。
  55. 風間昶

    ○風間昶君 わかりました。  時間も余りありませんから、次にアメラジアンの問題について、これは昨年の予算委員会におきましても同僚の照屋委員も質問され、また先般の文教・科学委員会でも同僚の松委員が質問させていただいておりまして、ラップするところがあると思いますけれども説明は要りませんからお聞きしたことについてお答えいただきたいと思います。  アメラジアンの実数について、昨年五月の県教育委員会の調査で百七十名が基地内の教育施設に就学しているという報告がございましたが、それ以降どのぐらいの調査をされているのか、教えていただきたい。
  56. 工藤智規

    政府委員(工藤智規君) 私どもというよりは沖縄県教育委員会が中心になって調査してございまして、昨年五月の調査結果が最新のものでございます。
  57. 風間昶

    ○風間昶君 それ以上やっていないと。ということは、今後実態調査をして解明していくことに取り組まないというふうにとらえていいわけですか。
  58. 工藤智規

    政府委員(工藤智規君) そういうことではございませんで、沖縄県の方で検討委員会も設けて種々アメラジアンの問題について御検討いただいているわけでございますが、御案内のとおり、ある程度プライバシーの問題もございまして、正確な実態調査について相当な困難があるのでございます。どういう形でさらに調査するかということも含めて検討中と伺ってございます。
  59. 風間昶

    ○風間昶君 プライバシーということにかこつけているんではないかというふうに思いますよ。この県教委が調査したデータですら、ある意味では米軍基地内の小学校七つ、中学校二つ、高校二つは米軍からの資料でわかった状況じゃないんですか。
  60. 工藤智規

    政府委員(工藤智規君) そのとおりでございます。
  61. 風間昶

    ○風間昶君 じゃ何のために文部省が国際化を標榜して、しかもこの重国籍に取り組まなきゃならないという今の流れの中で、文部省が県教委にただほうり投げて、しかも向こう側のデータだけをうのみにして、それで終わらせているということが私は問題だと思うんです。  そこで、最後でありますけれども、この国際化の問題について必要なことは、やっぱり政府を挙げてどう取り組みをするかということが一番問題、そこにかかってくるわけで、国内法の問題もありますから、官房長官に、ぜひ重国籍に関する取り組みを開始すべきではないかと思いますが、そう思っていらっしゃると思いますけれども、決意を伺って質問を終わりたいと思います。
  62. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 今御指摘を賜りましたように、沖縄県の重国籍児の教育問題というのは、沖縄県に残された大きな傷として非常に重要な問題と認識をしておるわけでございます。  県当局から具体的にこの人たちが差別を受けておるといったような報告は現在受けておりませんし、沖縄県におきましてもこの問題についてそれぞれ対応をされておると聞いておるところでございます。  いずれにいたしましても、この人たちは二重国籍の問題等もございまして、我が国の国籍を持つ人たちにつきましては教育を受ける権利を保障することが重要であると考えておるところでございます。このため、我が国の小中学校に就学する機会が与えられておるとともに、保護者の選択によりまして米軍基地内等の教育施設でも学習することが可能であります。ただ、将来いずれの国籍かをこの人たちは選択しなければいけないという事情がございまして、教育の問題の難しい課題もあると考えておるわけでございます。  沖縄県と十分連携をしながら今後の問題に取り組んでまいりたいと思うわけでございまして、我が国現行の法制では米国との双務的な枠組みを設ける体制にはなっておらないわけでございます。そのような体制の整備にはより慎重な検討が必要であるわけでございますが、米国との双務的枠組みを締結することは現状では困難でございます。  いずれにしましても、アメラジアンの問題については政府としていかなる対応が適切であるのか、さらに検討をして沖縄に残された問題解決の大きな柱として取り組んでまいりたいと存じておるところでございますし、我が国の各種の母子家庭施策は我が国国内に住所を有しておるということでございますので、母や児童の国籍を問わずに受けられるものでございます。いわゆるアメラジアン家庭も一般の母子家庭も要件は同じでございます。  しかし、プライバシーを含めたさまざまな問題がございますので、先ほど申し上げましたように沖縄の重要課題として県当局と密接な連携をとりながら対策を講じてまいりたいと存じておるところでございます。
  63. 小泉親司

    ○小泉親司君 先ほど議論のありました沖縄振興対策調整費について幾つかお尋ねをいたします。  まず、そもそも沖縄振興対策というのは、沖縄復帰の際に当時の山中総理府総務長官が、多年にわたる忍耐と苦難の中で生きてこられた沖縄県民方々の心情に深く思いをいたして、県民への償いの心を持って事に当たることが重要だという基本的な立場から進められているものだと思います。  御承知のとおり、沖縄振興対策調整費が一九九六年、平成八年九月十日に閣議決定された際、橋本内閣総理大臣の談話では同じように、沖縄県民が耐えてこられた苦しみと負担の大きさを思うときに、私たちの努力が十分なものであったかについて謙虚に省みるとともに、沖縄の痛みを国民全体で分かち合うことが大切だという基本的な立場から、二十一世紀のこれからの沖縄をどうするかという大変大局的な見地に立ってこの問題が進められてきたというふうに思います。  その点で、その母体としまして、内閣官房長官を担当者とします沖縄政策協議会がつくられてきたということでありますので、私がまず初めにお聞きをしたいのは、先ほども議論がありましたが、五十億円のこれまでの沖縄振興対策調整費沖縄政策協議会ではどのように総括されているのか、担当者でもあられ、沖縄開発庁長官でもあられる野中長官からまず初めにお聞きしたいというふうに思います。
  64. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 今御指摘ございましたように、前橋本総理の際に、八年度の補正予算といたしまして五十億円の特別調整費を計上されまして、沖縄政策協議会を設けてその具体的な成果に結びつけるような施策を考えてこられたところでございます。  雇用問題につきましては、前大田知事の際に沖縄県の雇用開発推進機構の造成資金にする目的で、この機構に対する補助として約十億円が充てられて、厳しい雇用情勢にある沖縄におきまして雇用開発支援事業等の諸事業の推進に積極的に今活用されておるところでございます。  二番目といたしましては、人材育成に関連をいたしまして、留学生等の派遣事業に対しまして平成九年度に一億二千万円を充てまして、海外の大学院等への留学生派遣や同時通訳者の養成等の事業を実施し、これらの事業は平成十年度以降も継続実施しておるところでございます。  琉球大学におかれましては、約一千万円を調査費に充てまして、この調査に基づく検討を通じまして、平成九年には大学院工学研究博士課程、生涯学習教育研究センターの設置等、さらに平成十年度には大学院理工学研究科の海洋環境学部専攻博士課程、さらに沖縄・アジア医学研究センター等の設置が図られたところでございます。  また、特に重要な情報通信関係におきましては、通信・放送機構の事業といたしまして、御承知のように先進的マルチメディア器具を備えました共同利用型の研究開発施設であります沖縄情報通信研究開発支援センター、総額五億円と存じておりますが、これを平成十年三月に開所いたしまして、現在まで計九十一団体、延べ三千六十二人がこれを利用されておるところでございます。また、マルチメディアコンテンツ制作支援事業といたしまして二・四億円を助成いたしまして、平成十年度もこの支援を継続して対応いたしております。  こうした事業が契機となりましてベンチャー企業が誕生するような素地が生まれてきて、効果が徐々に出てきておると認識しておるわけでございます。  このほか、沖縄振興を中長期的展望に立って調査を行いまして、今後さまざまな施策を行うことによりまして、この事業が円滑にしかも沖縄の自立経済に役立っていくように処置してまいりたいと存じておるところでございます。
  65. 小泉親司

    ○小泉親司君 長々と大分御成果ばかりを強調したように私はお見受けいたしますけれども、実際に先ほども指摘がありましたが、私どもはこの点について沖縄県民方々にいろいろと調査いたしますと、沖縄の調査機関、いわゆる地元発注が非常に少ない、それから地元企業の育成や地元の情報蓄積に役立っていない、調査内容が復帰後県や政府が調査したものを何度も繰り返しているという例がある。それから、事業によっては予算化された調査費が使い切れずに必要のないような調査まで実施されている。それから、調査報告書を含め事業の結果がどうなったかわからない。  こういうふうなさまざまな県民の立場から、私は、先ほどもちょっと調査の不明朗な部分指摘をされましたけれども、そればかりではなくて、県民振興という立場からこの問題について本当に役立っているのかという点での総括が非常に不十分だという点を指摘せざるを得ないのじゃないかと思うんです。  その点で私がお聞きしたいのは、沖縄振興対策調整費はどうも基地問題と非常に絡めて進められている。例えば、一九九六年九月にこれが決定されたわけですが、ちょうどそのときには、米軍用地の強制使用の公告縦覧の代行応諾に伴って予算化されたということも言われている。特に、昨年二月に大田知事が海上ヘリ基地を拒否したこととともに、その推進母体である沖縄政策協議会も休業状態になってしまった。実際に総括も十分にやられていないまま、今回新たに公共事業を含めた百億円という振興対策費がまた計上された。それで今度は沖縄政策協議会が再開された。どうもこの振興対策が、県民の暮らしや産業の育成というよりは基地問題と絡めて進められているような問題があると思うんですが、この辺の経過を官房長官及び沖縄開発庁長官としてどのように考えておられるのか、この点をお聞きしたいと思います。
  66. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 私は、決してそういう基地問題と絡めて調整費として計上したとは考えておらないわけでございます。  ただ、今委員がおっしゃいましたように、不幸にして昨年一年余り、稲嶺知事が当選をされますまでの間、大田知事出席を得られない状態で政策協議会を開催することができませんでした。私は、一番大切な時期に政策協議会を開催することができなかったということは非常に残念なことであったと思うわけでございます。稲嶺知事が当選をされまして就任をされました翌日、この途絶えておった政策協議会を開催することができまして、ようやくまた具体的な沖縄県の意向を承って、そして政策協議会の中でこれを生かしていくように今せっかく努力をしておるところでございます。  今までのおくれを克服するために、そしてこれが真に沖縄の皆さんの期待にこたえられるように一層努力をする決意で、小渕総理も従来の五十億になお五十億を積みまして百億円の調整費といたしたところでございまして、これが積極的に有効活用されますように、私どもとしては過去を総括しながら、そして不十分であった点で御指摘をいただいた点は徹底してまた調査をいたしますことによって、より沖縄振興に役立つようにやってまいりたいと考えておるところでございます。
  67. 小泉親司

    ○小泉親司君 私は、どのように総括しておるのかといって内政審議室にもいろいろお話を聞きました。資料が出てきましたが、私が計算した範囲では二十六の事業しかございませんでした。実は私どもがこの五十億円について、これまで明らかにされてきた新聞の報道ですとか、沖縄県のさまざまな取り組みを通じて明らかになったものを表にまとめました。六十一事業ございます。そちらが提出された資料はわずかの二十六事業。こういう点は大変問題だと思うんです。実際にどのような事業がされているかという点で出されたものを数えた結果は全く違う。私たちはこの六十一事業というものがどういうふうな整合があるのか、この点やはりきちんと出していただかないと問題だというふうに思います。
  68. 安達俊雄

    政府委員(安達俊雄君) 先般、先生にお答えいたしまして提出させていただきました資料、六十一に係る事業について、それぞれ五十億円がどのように配分されたかということも含めて御報告をさせていただいているものでございまして、ただ、先ほども御答弁させていただきましたけれども、その具体的な内容につきましては、次回の政策協議会で報告をさせていただいて、その後に公表させていただくということでございます。その点については御理解賜りたいと思います。
  69. 小泉親司

    ○小泉親司君 私がいただいた資料は六十一事業なんてございませんよ。実際に二十六事業しかない。例えば、あなた方が米軍基地米軍施設・区域返還跡地の整備検討一億一千万円と言っているものも、中身は、米軍施設・区域返還跡地の都市開発事業に関する検討調査、米軍施設・区域返還跡地整備に関する検討一千万、米軍施設・区域の返還により影響を受ける従業員の雇用に関する調査一千万。この一億一千万の内訳も全部含めて六十一事業あるんでしょう。だから、非常にこういう点が不明確。総括している、全部事業は終わっていると言っているんだけれども、実際の中身は明らかになっていない。そこにやはり今県民方々、先ほども同僚委員から指摘がありましたように、さまざまな指摘を呼ぶわけです。  私自身は、この沖縄振興対策調整費をこれから百億円推進する上でも、先ほど官房長官がおっしゃられたようにまず五十億円をしっかりと総括するということが非常に大事だと思います。その点で私は、今やられている事業のうち六十一事業がどのような省庁によってどのくらいの予算がついてどのような結果だったのか、沖縄政策協議会はもとより、当然当委員会ですとか、それから沖縄県当局ですとか、そういうところにもはっきりと示さないと、実際この振興対策費の効果は上がりがたいんじゃないかというふうに思いますが、長官、いかがでございましょうか。
  70. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 私は、前の大田知事沖縄の代理署名を拒否されました直後に、なぜ大田さんがこれを拒否されたのかという事情を調査いたしました。沖縄に対する第一回目の代理署名の調印のときのお約束が全く我が国政府において果たされていないということを自分で検証いたしました。その反省に立って大田知事さんにお会いいたしまして、まず謝罪をする中から、大田知事さんの沖縄にかける情熱を聞かせていただきました。  大田知事さんはまず、沖縄県民基地の使用料に頼って、そしてみずから正業につこうとしてくれない。これが親の代から子供の代に移りつつある。私は、この沖縄に生まれ、そしてこの沖縄で生きてきた人間として、このまま基地の使用料に頼って、そして正業につこうとしない県民状況を見るに忍びないという真情を吐露されました。私も、その気持ちを大切にして、何をなすべきなのかということを考え、さまざまな知事提案を聞きながら、まず党の沖縄振興調査会を立て上げまして、知事のおっしゃいましたいわゆる航空運賃の低減を初めとする施策を政府とともに党側からやってまいった一人でございます。おかげさまで政府沖縄県の協力によってこれができ、そして離島を含めた航空運賃の改善がされまして、昨年は四百万を突破する観光客に結ぶ等のこともございました。今度は、予算審議を終えましたら高速道路の問題、さらには揮発油税に足を踏み入れまして、なお沖縄県と本土との航空運賃の割引を深めていきたい、こんなことを考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、今委員指摘のように、過去の五十億の総括をしながら新たなる百億を的確に沖縄県民の期待と、先ほど申し上げましたように沖縄振興開発、そして自立経済発展の上に役立つように、そして将来に結びつく、沖縄としての希望の持てる方向にこれが使われていくように、私どもとしては注意深くこの事業を実施してまいりたいと考えておるところでございます。
  71. 小泉親司

    ○小泉親司君 最後になりますが、やはり総括という点でございますので、約六十一事業、先ほど私が言いましたような責任官庁、予算、それからその結果、こういうものはやはり当委員会にもきちんと出していただいて、沖縄振興のために、この委員会は主管委員会でありますから、当然提出を要望いたしまして、質問を終わります。
  72. 立木洋

    委員長立木洋君) 回答はいいですか。
  73. 小泉親司

    ○小泉親司君 答弁をお願いいたします。
  74. 安達俊雄

    政府委員(安達俊雄君) 沖縄政策協議会に対しまして次回報告するということで準備させていただくわけでございますけれども、当委員会との関係につきましては委員長とも御相談申し上げたいと思います。
  75. 立木洋

    委員長立木洋君) ただいまの件は、後で理事会で検討して、そういうことにいたしたいと思います。
  76. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 それでは、建設省おいででしょうか。私は、最初に羽地ダム建設工事からの浸水被害等についての補償問題などについてお聞きいたします。  ダムの建設を初め多様な水資源の開発というのは、もう基地問題と並ぶぐらいの沖縄県政にとって重要な課題でございます。幸いに、開発庁初め政府の取り組みでこれまでダム建設や水資源開発が進められてまいりました。現在、羽地ダムの建設が進んでおりますけれども、この工事現場から浸水が起こって多くの民家が被害に遭った、こういうことで沖縄で大きな問題になっておりますが、その調査結果、経緯等について御説明ください。
  77. 青山俊樹

    政府委員(青山俊樹君) 今お尋ねがございました羽地ダム工事に関連しての浸水の問題でございますが、工事用の道路といたしまして仲川道路という道路を使わせていただいておるわけでございます。これは名護市の市道でございますが、平成十年七月に浸水被害が生じたということで、地元の方からの御指摘をいただいておるわけでございます。  この仲川道路につきましては、羽地ダム建設の工事用道路といたしまして、また名護市の仲川地区農業基盤総合整備事業の幹線農道の共同事業といたしまして、昭和五十九年に協定を締結し、北部ダム事務所、これは建設省が執行責任を持っております沖縄総合事務局の事務所でございますが、この北部ダム事務所が工事を実施し、昭和六十三年度に名護市に引き渡したものでございます。平成十年六月十五日、十六日、このときに百四十ミリほどの雨が降ったわけでございますが、この雨によりまして仲川道路ののり面において変状が生じまして、これにより道路の側溝が浮き上がり、水が流れない状態になっていたという認識を持っております。  さらに、平成十年七月十六日の降雨、これは二百ミリを超える二百十六ミリという大雨だったわけでございますが、当該箇所に隣接いたします川上区内の商店が浸水したということでございまして、のり面の変状で道路側溝が浮き上がったということによります影響が川上区内の浸水にどの程度影響したかについては今のところ不明でございますが、建設省といたしましても、名護市と協力いたしまして、浸水の実態等について調査してまいりたいと考えております。
  78. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 いずれにしましても、これは仲川道路ののり面が崩落して、それで排水溝を埋めてしまって排水溝のない状態の道路になって、そこから鉄砲水のように民家を襲ったわけですから、その原因究明、補償の問題をきちんとやらないと、もう地元の人たちは怒ってダンプを実力でとめちゃう、こう言っているわけですからね。国にきちんと対応をやれと言ったら、これは市だと。市の方に言ったら、いや、市道認定をしていないから市は関係ない、県だと言う。県に言ったら、当事者同士でおやりくださいと。これじゃ地域住民は踏んだりけったりなんです。  長官、この羽地ダムの問題、私はぜひ開発庁としても早急な調査と対策をとる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
  79. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 照屋委員がおっしゃいましたように、これからの沖縄振興開発というのは、水資源をいかに安定確保するかというのが重要な課題であると認識しておりまして、その意味において、沖縄開発庁といたしましても、復帰以来多目的ダムの建設に鋭意努力をしてまいったところでございます。  今御指摘の羽地ダムにつきましても、こういう意味から多目的ダムとして着手をされたわけでございまして、今、照屋委員が御指摘になりました道路の決壊に伴います浸水被害等につきましては、建設省からお話がございましたが、道路管理者である名護市を中心にして、地元関係者の間でよく話し合いが持たれ、羽地ダムの建設事業が円滑に進められるように私どもとしても期待をしておるところでございます。  私も、この問題に関心を持ちまして地元事情等も調査をいたしまして、照屋委員も御承知のようにいろいろ問題もあるようでございますので、そういう問題をも含めまして対応が図られるようには配慮をしてまいりたいと考えております。
  80. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 それでは、防衛施設庁にお伺いをいたします。  アメリカ海兵隊の実弾砲撃演習、本土の五カ所の演習場で移転演習するようになりましたけれども、その一回目の北富士演習場で実施した際に、全日空の飛行機を使って実弾や自動小銃等を運んだ事実は間違いありませんか。
  81. 山中昭栄

    政府委員(山中昭栄君) 平成九年七月に北富士演習場で実施されました県道一〇四号線越えの実弾射撃訓練に参加をいたします米海兵隊員約七十名、これを同年六月三十日に沖縄の嘉手納飛行場から横田基地まで全日空機で輸送をいたしました。  その際、弾薬を装てんしていないライフル約七十丁、それとピストル約二十丁、これらを木箱十数個に収納の上、貨物室に保管をし、またピストル一丁に用います弾薬約三十発、これを所定の容器に収納の上、機長の指定いたしました場所におのおの保管をして輸送いたしております。
  82. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 この問題は、新ガイドライン体制の先取りであり、大変大きな問題をはらんでいると思いますので、私は後日また予算委員会等でも追及をさせていただきたいと思います。  それから、施設庁、日出生台の演習場で訓練をやりましたね。その際に、米軍使用に関する協定を関係市町村と結びました。その中に、治安安全対策として、訓練に参加した米兵が外出する際に施設局の職員が安全対策で同行する、こういう協定を結んで、そのとおり実行したことは間違いありませんか。
  83. 宝槻吉昭

    政府委員宝槻吉昭君) 今、先生指摘の、本年二月の日出生台演習場におきます県道一〇四号線越えの砲撃訓練の移転に際しまして、現地協定を踏まえまして、米兵が外出する際に同行を行ったことは事実でございます。
  84. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 沖縄ではやらなかったんですよね、そういうことは。  施設庁、沖縄で今でも日常的に米兵が訓練していますが、沖縄県民の治安安全対策のために、日出生台でやったように、沖縄でもその訓練している米兵に施設庁の職員が付き添って安全対策を講じられますか。  また、開発庁長官、どうなんでしょうか。そういうふうに沖縄を差別するようなやり方でやっている。沖縄県民が求めたらやりますか。施設庁、できますか。答えてください。
  85. 宝槻吉昭

    政府委員宝槻吉昭君) まず、先生、この問題を考えるときに、在日米軍の構成員には地位協定上、日本国内の移動の権利が認められていると。また、個々の人権の観点からも外出等の際の行動の自由が認められているといったことについては考えておかなきゃならない点だと思っております。  私どもに、この県道一〇四号線越えの本土への分散実施に際しまして、矢臼別演習場あるいは王城寺原、日生台演習場の地元から、海兵隊の外出についてこれをやめてほしいといったような要請がございました。そうした地元の要請と、他方で先ほど申しましたような海兵隊員の権利といったものを考えまして、この訓練の実施を円滑に行うために、地元の御要望等も踏まえまして施設局員が自発的な措置として同行するなどの措置を講じてこの演習の円滑な実施に当たるということでございますので、こうした事情のもとで行われているということについてぜひ御理解を賜りたいと思うわけでございます。
  86. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 御承知のように、昭和二十年六月に海軍壕で大田少将が自決する前に最後の電文を大本営に打っております。沖縄県民よく戦えり、後世において特段の御高配あらんことをという電文を最後に組織的抵抗ができなくなったわけでありますが、その後特段の配慮を我々はしなきゃいけないというふうに思っているわけです。  それで、今沖縄問題に関しては、沖縄開発庁振興計画を進めておられ、基地返還は所管にあらずというふうに言っております。外務省は安全保障上の観点から基地の存続は不可欠ということを述べております。防衛庁は防衛上の観点から基地の存続は不可欠、こういうふうに言っております。例えば、三次振興計画が終了する平成十三年度には沖縄はどういうふうになるのかという青写真が一元的に管理されない状況に行政的になっているわけです。沖縄開発庁でも青写真はかけない。基地縮小、整理がどのように進むかということもはっきりしないわけですから、どのような青写真を描くかということで一元的に沖縄を管理する役所というものがない。  したがいまして、今、野中官房長官が兼務をされておりますから、私は官邸以外にないんじゃないかというふうに思っておりまして、官房長官が今沖縄開発庁長官でもあられますので一番いい状況にあるんではないかというふうに私は思っておりますが、今後こういう体制はずっと続けていくおつもりなのか、どういうふうに調整をして進んでいくおつもりなのかを長官にお尋ねしたいと思います。
  87. 野中広務

    国務大臣野中広務君) 田村委員が御指摘ございましたように、沖縄問題につきましては今日まで私は内閣官房長官として御指摘の調整部門を中心とする沖縄担当を命ぜられてきたわけでございますが、今回の連立政権の発足に当たりまして、官房長官に加えまして沖縄開発庁長官を兼務することになったわけでございます。これによりまして調整、実施両面にわたる任務を兼務することになったわけでございまして、今後の総合的一体的な沖縄対策推進が可能になったと考えておるわけでございます。ただ、官房長官という仕事がまことに厳しい忙しい仕事でありますだけに、沖縄開発庁長官を兼務することによって沖縄開発振興のために果たして十分私自身がお役に立てるかどうか一番心を痛めておるところでございまして、何とかこの開発庁長官としての職責がいささかでも沖縄振興開発にそごを来さないよう十分私としては肝に銘じて努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。  中央省庁の再編に当たりましては、行政改革会議の最終報告及び中央省庁等改革基本法におきまして、今御指摘沖縄対策につきましては、歴史的地理的条件や米軍基地の存在などの特殊事情を踏まえまして、地域の発展のための諸課題に対応するとともに、県民のためのきめ細かな施策を総合的一体的に推進することが国政上の重要課題であるとされたわけでございまして、各省庁の一段上に位置づけられる内閣府に沖縄対策担当部局を設置することとしておるわけでございます。現在、そのための関係法案の提出に向けて検討を進めておるところでございますが、こうした最終報告及び基本法の内容に沿いまして、沖縄対策にかかわります企画立案及び総合調整の機能が十分に発揮されますよう、その具体化に努めてまいりたいと考えておるところでございます。  いずれ、国会に法案の提出をお願いするわけでございますので、よろしく御審議賜ることをこの機会にお願い申し上げる次第でございます。
  88. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 時間がありませんので、最後の質問になりますが、嘉手納空軍基地における米軍のパラシュート降下訓練について中止を要請しているわけですが、これはずっと中止を要請していかれるつもりかどうか。日米安保体制の信頼性の向上のためにも米軍の訓練は必要だと私は思いますので、どのようにこれは処置されるのかお伺いして、私の質問を終わります。
  89. 竹内行夫

    政府委員竹内行夫君) 委員御指摘のとおり、三月六日に予定されておりました嘉手納飛行場におきます米軍のパラシュート降下訓練は、我が方からの要請も踏まえまして米側として当面見合わせるということになったわけでございます。  そこで、先生の御質問でございますけれども、御承知のとおり、SACO最終報告書におきましては、パラシュート降下訓練を伊江島補助飛行場に移転する旨合意されておりまして、政府といたしましては、このSACOの報告の着実な実施に向けて現在地元との調整等を進めているところでございます。  まさしく先生指摘のとおり、パラシュート降下訓練は米軍が日米安保条約の目的を達成するための即応態勢を維持する、さらに向上させるという観点から極めて重要かつ必要であると認識しております。他方におきまして、昨年五月に嘉手納飛行場におきましてパラシュート降下訓練が実施された際の地元の反応ぶりということ等も考えますと、やはりこの訓練に対する沖縄県内の受けとめ方にも十分に配慮する必要があるということも事実であろうと考えております。  今後のことにつきましては、こうした点を踏まえまして、政府としてはSACO報告の着実な実施ということを念頭にも置きまして、地元との調整等を進めるとともに、日米間で引き続き話し合いを行っていきたい、こういうことでございます。
  90. 立木洋

    委員長立木洋君) 以上をもちまして平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち総務庁北方対策本部沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 立木洋

    委員長立木洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時一分散会