○滝
分科員 とにかく規制緩和は
政府の大きな
施策の一環の問題ですから、
運輸省でこの問題を引き延ばすというわけにはいかない問題だろうと思うのでございますけれども、片や
具体的な市や町村の立場になると、これによって
赤字路線が表面化して、助成金を出せ、そうじゃなかったら
生活路線の維持ができない、こういうことになってくるということを大変恐れているわけでございます。
今も
自動車局長さんが、いろいろ考えている、こういう助成方法のあり方について御
検討されているというような御
答弁がございましたけれども、やはり
地元としてはこれは大変な問題でございますので、ひとつ規制緩和が税金の持ち出しにならないように、そういう点も配慮しながら、何とか
路線バスの
生活線が維持できますように御要望を申し上げておきたいと思います。
次に、これも細かい話で恐縮なんでございますけれども、
鉄道の踏切
整備について御
意見を伺いたいと思うんです。
昭和三十六年以来、踏切の統廃合を進めてこられたということは承知をいたしておるわけでございますけれども、最近、私どもの
地元の中で続けざまに一、二件踏切事故が起きたものですから、そこで、
地元が改めて踏切の
整備問題について大変関心を持ち出しているわけでございます。
起きた踏切は、長らく、要するに耕運機、コンバイン等の農作業車だけ通す踏切ということで認められてきたようでございますし、そのような立て札が警察によって立てられているわけでございます。ところが、実際起きましたのは耕運機じゃございませんで、農作業用の軽トラが踏切の中を、これもいつも通過しているわけでございますけれども、これが何かの調子に脱輪をいたしまして、結局どうもしようがないものですから、軽トラではあるんですけれども、脱輪して踏切から抜け出せずに電車にぶつかった、こういう事故でございますけれども、事故が起きますと、
鉄道事業者の方は、けしからぬ、こうなるわけですね。警察も、けしからぬと。ここはもともと耕運機しか通っていないのになぜ軽トラが通るんだ、こうなるわけです。
ところが、
農業者の方は、冗談じゃない、耕運機が通るなら当たり前の話で、昔から軽トラが走っているんだ、じゃなかったら農作業できませんよと。耕運機だけその踏切を通って、軽トラは農作業車であってもずっと迂回していくなんというわけにまいりませんから、当然、耕運機が通る踏切は農作業用の軽トラも通る。そういうことでやってきたんですけれども、事故が起きると、起きた途端にそういうようなことを言ってクレームがついたものですから、
地元がえらいかんかんになっているわけですよ。
そこで問題になりますのは、
鉄道事業者にかけ合ってもこれはらちが明かないんですよね。要するに、自分らは
法律に従ってやるまでである、
法律は踏切の統廃合を目指しているから、そういう小さな踏切なんというのは要するに
廃止しなきゃしようがない、したがって事故が起きようと起きまいと自分らは関係ない、事故が起きればますます踏切を
廃止せざるを得ない、こうなるわけです。
ところが、
地元の
皆さん方から言わせれば、軽トラが脱輪をするような踏切だって、間口が狭いんですから、中に行って少し膨らませて、少しぐらいアクシデントがあっても脱輪しないようにするのがまず先決なんですよね。脱輪するということは事故につながるわけでございますから。要するに、そういう意地の悪い施設をしておいて脱輪を誘発する、それで事故が起きたら、おまえらけしからぬ、こういうことなんですよ。かけ合っても、もともと統廃合が先決である、こういうわけです。
統廃合なんといったって、これは三十年も四十年もかかることですよね。要するに、どこかの踏切を三カ所ぐらいまとめて立派な踏切にしたらいいじゃないか、こうなるわけですけれども、そのためには道路の
整備もしなければいけません。あるいは場合によっては、立体交差なんというのはなかなかできませんけれども、道路を
整備するだけでも二十年や三十年は奈良の場合、かかるんです。ましてや統廃合なんといったって、こんなものはいつになるかわからない。したがって、簡単にできる
整備ぐらいはしたらいいのに、
鉄道事業者はもう開き直って、おまえらが悪い、統廃合までは何もせぬ、こうなるわけなんです。
したがって、私は、そういう踏切改良法の
法律はありますけれども、どうしようもないのはその中でやったらいい。現実に
運輸省の指針ではそういうのはやれと言っているんですけれども、
鉄道事業者に徹底してないんですよね。
地元にはその辺のところが了解されてないものですから、
鉄道事業者に言われるともう手がないのかなという感じになりますし、その辺のところはどういうふうに
鉄道局の方はお考えになっているのか、それをはっきりと言っていただきたいと思います。