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1999-02-17 第145回国会 衆議院 予算委員会第七分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会平成十一年二月十六日(火曜日)委員 会において、設置することに決した。 二月十七日  本分科員委員長指名で、次のとおり選任さ  れた。       自見庄三郎君    島村 宜伸君       村田 吉隆君    横路 孝弘君       西川 知雄君    北沢 清功君 二月十七日  自見庄三郎君が委員長指名で、主査選任さ  れた。 —————————————————————— 平成十一年二月十七日(水曜日)     午後一時開議  出席分科員    主 査 自見庄三郎君       河井 克行君    村田 吉隆君       坂上 富男君    横路 孝弘君       西川 知雄君    宮地 正介君       北沢 清功君    兼務 滝   実君 兼務 吉田  治君    兼務 遠藤 和良君 兼務 木村 太郎君    兼務 達増 拓也君 兼務 寺前  巖君    兼務 春名 直章君  出席国務大臣         運 輸 大 臣         国 務 大 臣         (北海道開発庁         長官)     川崎 二郎君  出席政府委員         北海道開発庁総         務監理官    斎藤 徹郎君         国税庁課税部長 森田 好則君         運輸大臣官房長 梅崎  壽君         運輸省運輸政策         局長      羽生 次郎君         運輸省鉄道局長 小幡 政人君         運輸省自動車交         通局長     荒井 正吾君         運輸省海上技術         安全局長    谷野龍一郎君         運輸省航空局長 岩村  敬君         海上保安庁長官 楠木 行雄君  分科員外出席者         北海道開発庁予         算課長     岡本 佳郎君         大蔵省主計局主         計官      佐々木豊成君         運輸大臣官房会         計課長     馬場 耕一君         運輸委員会専門         員       長尾 正和君         予算委員会専門         員       大西  勉君     ————————————— 分科員の異動 二月十七日  辞任         補欠選任   島村 宜伸君     河井 克行君   横路 孝弘君     坂上 富男君   西川 知雄君     田端 正広君   北沢 清功君     保坂 展人君 同日  辞任         補欠選任   河井 克行君     島村 宜伸君   坂上 富男君     横路 孝弘君   田端 正広君     宮地 正介君   保坂 展人君    知久馬二三子君 同日  辞任         補欠選任   宮地 正介君     中野  清君  知久馬二三子君     保坂 展人君 同日  辞任         補欠選任   中野  清君     冬柴 鐵三君   保坂 展人君     北沢 清功君 同日  辞任         補欠選任   冬柴 鐵三君     西川 知雄君 同日  第一分科員木村太郎君、第三分科員吉田治君、  達増拓也君、第四分科員春名直章君、第六分科  員寺前巖君、第八分科員滝実君及び遠藤和良君  が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成十一年度一般会計予算  平成十一年度特別会計予算  平成十一年度政府関係機関予算  〔総理府北海道開発庁)及び運輸省所管〕      ————◇—————
  2. 自見庄三郎

    ○自見主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。  私が本分科会主査を務めることになりました。よろしく御協力のほどお願いをいたします。  本分科会は、総理府所管北海道開発庁並び運輸省及び郵政省所管について審査を行うことになっております。  なお、各省庁所管事項説明は、各省庁審査冒頭に聴取いたします。  平成十一年度一般会計予算平成十一年度特別会計予算及び平成十一年度政府関係機関予算総理府所管北海道開発庁について、政府から説明を聴取いたします。川崎北海道開発庁長官
  3. 川崎二郎

    川崎国務大臣 平成十一年度の北海道開発予算について、その概要を御説明申し上げます。  平成十一年度一般会計予算のうち、北海道開発庁に計上いたしました予算額は、歳出九千四百九十九億一千七百万円であります。  次に、これら歳出予算の主な経費につきまして、その大略を御説明申し上げます。  第一に、国土保全及び水資源開発事業経費に充てるため、予算額一千六百九十四億二千四百万円を予定いたしております。  これは、石狩川等重要水系災害多発地域の河川の整備多目的ダム等建設砂防事業及び急傾斜地崩壊対策事業等治水事業推進するほか、治山事業並びに海岸保全事業推進するための経費であります。  第二に、道路整備事業経費に充てるため、予算額三千二百八十六億一千四百万円を予定いたしております。  これは、道内各地域の均衡ある発展のため、基軸となる高規格幹線道路等整備推進し、道路網の体系的かつ総合的な整備を図るとともに、トンネル崩落事故等を踏まえた防災事業雪対策及び交通安全施設整備等推進するための経費であります。  第三に、港湾空港整備事業経費に充てるため、予算額六百八十五億八百万円を予定いたしております。  これは、中核国際港湾である苫小牧港及び物流効率化に資する重要港湾地方港湾整備を進める経費並びに航空ネットワーク拠点空港である新千歳空港及び地方空港整備推進するための経費であります。  第四に、生活環境施設整備事業経費に充てるため、予算額一千二百五十八億二千万円を予定いたしております。  これは、生活環境向上を図るため、公営住宅等、下水道、環境衛生施設及び都市公園整備推進するための経費であります。  第五に、農林水産業基盤整備事業経費に充てるため、予算額二千三百五十五億二百万円を予定いたしております。  これは、社会の変化や国際化の進展に対応した多様で生産性の高い農業への速やかな展開を図るための農業農村整備水産業振興を図るための水産基盤整備並びに森林の持つ公益的機能高度発揮を図るための森林整備推進するための経費であります。  また、このほかに、アイヌ伝統等普及啓発等事業を行うためのアイヌ関連施策経費として九千二百万円及び公共事業等における連携を一層強化推進する特定開発事業推進のための経費として二十一億八千万円を予定いたしております。  引き続き、平成十一年度の北海道東北開発公庫予算について、その概要を御説明申し上げます。  北海道東北開発公庫は、平成十一年十月に日本政策投資銀行へ移行することが予定されていることから、平成十一年度予算は、上半期分として、出融資枠一千七百二十億円を予定いたしております。  深刻な不況下にある企業への円滑な資金供給設備投資促進等のため、北海道東北開発公庫出融資機能積極的活用に努めます。また、苫小牧東部地域開発を引き続き推進するため、現在の苫小牧東部開発株式会社を清算し、同地域の土地を一体的に確保、造成、分譲する新会社に対し二百二十二億円の出資を行います。  以上をもちまして、平成十一年度の北海道開発予算並びに北海道東北開発公庫予算説明を終わります。  よろしく御審議のほどをお願いいたします。
  4. 自見庄三郎

    ○自見主査 以上で説明は終わりました。  別に質疑申し出もありませんので、総理府所管北海道開発庁については終了いたしました。     —————————————
  5. 自見庄三郎

    ○自見主査 次に、運輸省所管について政府から説明を聴取いたします。川崎運輸大臣
  6. 川崎二郎

    川崎国務大臣 運輸省所管平成十一年度予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計予算でございますが、歳出予算額として九千四百五十三億四千四百万円を計上しております。  次に、特別会計予算でございますが、自動車損害賠償責任保険特別会計につきましては六千四百二十八億八千七百万円、自動車検査登録特別会計につきましては五百億七千九百万円、港湾整備特別会計につきましては四千六百九十四億二千三百万円、空港整備特別会計につきましては四千六百六十八億一千五百万円をそれぞれ歳出予算額として計上しております。  また、財政投融資計画中には、当省関係公団等分として二千五百五億円が予定されております。  以下、主要な事項につきまして御説明申し上げます。  まず、鉄道整備につきまして申し上げます。  整備新幹線建設につきましては、既着工区間及び新規着工区間について、政府与党整備新幹線検討委員会検討結果等に基づき、その整備を着実に進めることとしております。  地下高速鉄道ニュータウン鉄道等都市鉄道整備幹線鉄道高速化貨物鉄道整備及び鉄道駅の総合改善等につきましては、必要な助成を行い、整備推進するとともに、今後の鉄道整備あり方等について所要調査を行うこととしております。  次に、港湾及び海岸整備につきまして申し上げます。  港湾整備事業につきましては、物流効率化国民生活の質の向上に資するために、中枢国際港湾国際海上コンテナターミナル整備及び港湾諸手続に係る情報システムの導入、地方圏物流コスト削減のためのコンテナターミナル拠点的整備廃棄物海面処分場整備を最重点施策として推進することとしております。  海岸事業につきましては、安全で潤いある海岸の創造を目指し、面的防護方式等による質の高い海岸保全施設の着実な整備生活環境改善に資する海岸整備を効率的、効果的に進めることとしております。  次に、空港整備につきまして申し上げます。  航空ネットワーク形成拠点となる大都市圏拠点空港整備を最優先課題として重点化し、特に、増大する航空需要に適切に対応するため、関西国際空港二期事業及び中部国際空港整備を着実に推進することとしております。  また、地方空港については、滑走路延長等継続事業中心とした整備推進するとともに、あわせて、空港周辺環境対策及び航空路施設整備推進することとしております。  さらに、航空ネットワークを維持拡充するための環境整備等を図るため、空港使用料等公的負担の見直しを行うこととしています。  次に、地域における公共交通維持整備につきまして申し上げます。  地域住民生活に不可欠な地方バス運行確保を図るとともに、中小民鉄近代化等を図るため、所要補助を行うこととしております。  また、離島住民生活に不可欠な離島航路整備近代化を図るため、事業の欠損及び船舶建造費用につきまして補助することとしております。  さらに、離島航空輸送確保を図るため、航空機購入費補助として、機体更新に対する補助及び運航費の一部に対する補助を行うこととしております。  次に、自動車交通安全対策につきまして申し上げます。  交通事故件数及び死傷者数は高水準にあり、近年一貫して増加傾向にあることから、自動車構造面運行面対策など、安全な車づくり促進のための自動車アセスメント、安全に配慮した都市交通体系形成高度道路交通システムを活用した自動車安全対策等の総合的な事故防止対策を緊急に講じることとしております。  次に、海運造船及び船員雇用対策につきまして申し上げます。  海運対策につきましては、外航海運国際競争力強化等に向けて、国際船舶制度の拡充、日本開発銀行からの融資等の諸施策推進することとしております。また、運輸施設整備事業団により離島航路を含む国内船舶共有建造を行うほか、内航海運活性化構造改善等推進することとしております。  造船対策につきましては、メガフロート総合的信頼性評価に関する調査研究等推進するとともに、船舶輸出を行うために必要な日本輸出入銀行からの融資造船舶用工業産業基盤整備、公平な競争条件確保に関する造船協定の円滑な履行等を図ることとしております。  さらに、船員雇用対策につきましては、本四架橋開設に伴う船員離職者等に対する職業転換給付金の支給や技能訓練事業実施等施策推進することとしております。  次に、人と環境に優しい交通実現観光振興等につきまして申し上げます。  人と環境に優しい交通実現でありますが、鉄道駅におけるバリアフリー化、ノンステップバス等普及促進するため、所要補助を行うとともに、地球温暖化問題等に対応するため、環境に優しい自動車技術評価及び実用評価事業促進気候予測情報高度化システム整備等推進することとしております。  また、観光交流の拡大及び観光振興を図るため、国際観光振興会による効果的な誘客、宣伝活動等実施及び観光情報基盤整備観光基盤施設整備等推進することとしております。  さらに、国際協力につきましては、開発途上国における交通基盤整備人材養成環境保全、輸送安全への協力等事業推進するとともに、貨物流通対策として、日本開発銀行等からの所要融資等を行うこととしております。  次に、運輸関係技術開発推進につきまして申し上げます。  二十一世紀に向けて、より高度な運輸サービスを提供するため、超電導リニアモーターカー、次世代の舶用エンジン等技術開発推進するとともに、基礎的研究に係る研究資金を拡充するほか、すぐれた成果を確保するため、研究開発に係る評価実施することとしております。  次に、海上保安体制充実強化につきまして申し上げます。  国連海洋法条約、新日韓漁業協定締結等に伴い拡大した水域における監視取り締まり強化尖閣諸島周辺海域等における我が国の権益の確保等を図るため、巡視船艇航空機整備海洋調査充実強化及び流出油防除体制整備等推進することとしております。  また、航路標識整備推進することとしております。  次に、気象業務体制充実強化につきまして申し上げます。  台風、集中豪雨雪等観測予報体制強化するため、静止気象衛星及び観測予報施設整備推進するとともに、地震火山対策として、地震津波監視体制強化を図ることとしております。  以上申し述べましたほかにも、各般にわたる施策推進するため、必要な予算を計上しております。  以上をもちまして、運輸省所管平成十一年度予算につきましての説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  7. 自見庄三郎

    ○自見主査 以上をもちまして運輸省所管についての説明は終わりました。     —————————————
  8. 自見庄三郎

    ○自見主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。河井克行君。
  9. 河井克行

    河井分科員 自由民主党河井克行です。  きょうは、川崎大臣におかれましては、日本経済再生を掲げる小渕内閣重要閣僚として、日々休む間もなく仕事をしていただいている姿を拝見しまして、まずもって心から敬意を表したいと考えております。  また、きょうは、一日も早い景気回復を願ってつくりました平成十一年度一般会計予算、この第七分科会トップバッターの役をいただきました。トップバッターということは、質問時間が大変短うございまして、三十分過ぎまでしかございません。ずばっとこっちがお待ちしている御答弁をいただきましたら、もうすぐそこでストップしますから、どうかいいお答えをいただきますようお願いいたしたいと考えております。  実は、昨日、自由民主党交通部会が朝八時半から開催されまして、近いうちに国会にも提出されると聞いております鉄道事業法の一部を改正する法律案について、さまざまな角度から議論をさせていただきました。きょうは、そのことを中心質問をいたします。  実は、私の地元の選挙区、広島県第三区の中にJR可部線という路線がございまして、広島市内からずっと市の北西部を通って中国山地沿いの山合いの地域に至るJR路線でございますが、それが昨年の夏に、唐突と言っていいと思うんですが、JRの方から、その一部、奥の方を廃止したい、そういうふうな意向が示されたところでありまして、地元住民はびっくり仰天した、そういうふうなことであります。そして、その廃止するかもしれないという議論が起こるか起こらないかというちょうどそのときに、今回のこの鉄道事業法の一部改正法案の話も持ち上がったわけであります。JRの方は、これはあくまでも偶然であって、新法をにらんでこういうふうな話をしたのではない、まだ正式には運輸省の方にも一切JRから話はされていないというふうに聞いておりますけれども、しかしながら、時期が余りにも奇妙に符合したということも本当に事実であります。  そして、その中で、昨日の党の交通部会でもいろいろな議論がありましたけれども、異口同音に出席した自民党の議員が言うには、おいしいとこ取りをされたら本当に困っちゃうな、そういうことでありまして、もうかるところは、新規参入がこれから本当に楽になりますから、運賃設定も自由にしてどんどん入っていく。しかしながら、その一方、特にJRの場合は、旧国鉄から含めまして、国民の血税であがなわれてきた、そういうふうな、ほかの民鉄とは違う歴史もあります。もうからないからといってすぐ廃止するというのではいいとこ取りじゃないか、そういうふうな議論が実はきのうの交通部会で随分上がっておりました。  そして、この件につきましては、昨年の夏、当時橋本内閣の一番最後の時期でしたけれども、当時の藤井孝男運輸大臣のところにも、このJR可部線沿線自治体の長、地元議会代表者方々、そして私も同行いたしまして、直接お目にかかっていただきまして、ぜひ地元の願いを聞いてくださいということも実際問題お願いをさせていただいたという経緯もあります。  そこで、まず最初質問なんですけれども、今回提出が予定されております鉄道事業法の一部を改正する法律案、この改正法が成立すれば、路線廃止というのが今までよりもはるかに自由にできるんだ、そういうことを、地元中国新聞という新聞社があるんですけれども、そこの幹部が去年ある会合でしゃべっちゃったんですね。それが結果的には、地元沿線方々の不安をばあっとかき立てることにつながりまして、私はまずいことだったなというふうに思っているんです。そしてまた、JRの方も、これは別に新法を念頭にしてやったんではないと言いつつも、時期としては符合するということであります。まず最初に、地域新聞社あるいはJR当局、そういった点について、役所として、監督官庁としてどのような見解をお持ちなのかについて質問をいたします。
  10. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  JR西日本が、鉄道事業法法改正が成立すれば路線廃止がほぼ自由になるような発言があったという御指摘でございますけれども、御案内のように、現在の鉄道事業法におきましては、事業廃止許可制となっております。その際に、特段、今回考えております地元協議会等々は設けずに、運輸省といたしましては、事業者地元調整をしていただきまして、その上で、その許可の可否について我々として判断する、こういう仕組みになっているわけであります。一方、参入につきましては、先ほど先生お話ございましたように、需給調整規制廃止するという方針のもとに今法律改正を考えているわけでありますが、これに伴いまして、事業廃止につきましては事前届け出とすることを検討しております。  しかしながら、運用につきましては、鉄道事業者廃止意向を表明した段階で、地方公共団体から申し出をいただきまして、運輸省が主体となって地元協議会を設置いたしまして、当該当事者より路線を維持できない事情等について十分な説明を求めるということとともに、代替輸送機関確保等について調整を行わせていただくということにしております。  そういう意味で、地域における生活交通サービス確保のための措置をしっかり講じていきたいということを考えておりますので、先ほどの具体お話が、中国新聞なり西日本のJRの方からどういう発言があったかちょっと具体には承知しておりませんけれども、仮に、今回の法律改正、我々はそういうふうには考えておりませんので、そこを誤解された形で伝わっているということであれば、非常に遺憾であるというふうに考えております。  JR西日本に対しては、その辺の説明については十分に注意するよう指導したいと思っております。
  11. 河井克行

    河井分科員 国会にこの改正法案の中身が提出される前に、しかも政権党自民党部会にかかる前に、ああだこうだ、こういったものを先取りするかのような報道なり発言があるというのは、本当にゆゆしきことだと思っておりますので、ぜひとも政府当局からもしっかりと対処をしていただきたいと考えております。  その上で、二つ目質問なんですけれども、JR、今回の場合でしたらJR西日本、これが正式に廃止事前届け出をする前に、今回も正式にはまだ役所には何にも言ってきていないのですけれども、もう事実上そういうふうなことで報道が先行して流れちゃっております。地元自治体地元皆さん方が不安に駆られておりますから、今回、この新法が成立した後の、これは省令できっちり書いていただきたいなと私は考えておるんですが、事前事前事前届け出のさらに事前地元が要請をすれば、この地元協議会というものをきっちり設置をしていただく、そして、その議論をする中でいろいろな話し合いをしていくというふうな、少し矢印が、実際の現場では私は反対の部分も当然これから想定されるんじゃないかなと考えておるんですが、その点について、鉄道局長さん、どうでしょうか。
  12. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  法律が成立した後の話でございますけれども、地元協議会の開催についてでございます。これはあくまでも手続的に事前届け出という制度になりますので、それを受けた形での都道府県の意見聴取というようなことの制度になります。  具体運用といたしましては、先生お話しのように、届け出の前にそういう意向事業者から漏らされるというようなことであれば、我々としては、地方公共団体意向を受けまして、事前協議会を設けて、しっかり調整をさせていただきたいというふうに考えております。
  13. 河井克行

    河井分科員 その地元協議会ですが、主宰は、ですから運輸大臣、その地域でいいましたら中国運輸局長が主宰するというふうに理解してよろしいんですか。
  14. 小幡政人

    小幡政府委員 そういうことでございます。運輸省責任を持って、具体的には地方運輸局になると思いますが、そこが責任を持って、地方公共団体等々の御意見をいただきながら、御要望をいただきながら対応させていただきたいと思っております。
  15. 河井克行

    河井分科員 三つ目質問なんですけれども、先ほど少し冒頭で申し上げましたが、JRとやはり民鉄とはそもそも経緯が違う。昭和六十二年の旧日本国有鉄道の分割・民営化の際に、今の、いろいろな赤字路線を抱えていますけれども、その赤字路線も全部抱き込んだ上で経営が何とかできますよ、そういう前提で発足したというふうに私は先輩から聞いているわけです。当然今回のJR可部線についてもその路線の一つなわけでありまして、何で今さらこんなことをおっしゃるのかなというふうな疑問も持っております。  いま一度、JR民鉄とは全く成立したいきさつが違うということにしっかりかんがみていただきまして、国鉄改革法の精神とか理念はやはり最大限尊重していただきたいなと考えておりますが、いかがでしょうか。
  16. 小幡政人

    小幡政府委員 先生お話しのように、JR各社というものは、国鉄からの分割・民営化時におきまして、当時の不採算路線も含めて事業全体で採算が確保できるように所要の政策措置を講じたという、他の民営鉄道事業者とは異なった、見られない事情がございます。したがいまして、JR路線廃止につきましては、国鉄改革時、六十二年当時とその後格段の状況変化があったということなどにつきまして、関係者の納得のできる説明が当然必要というふうに認識しております。  この問題は、そういう意味で、国鉄改革の経緯ということでございますけれども、我々は、鉄道事業法運用に当たりましては、そのことを念頭に置きまして関係のJR各社については指導してまいりたいというふうに思っております。
  17. 河井克行

    河井分科員 そして、その地元協議会をつくっていただいていろいろな角度から議論をしていただくわけですけれども、例えば、もっと中央が、国が積極的に、いろいろな赤字とか欠損がある場合、そういったものに対してその欠損補助をしてくださいというふうなことを地元が言ってきた場合、ぜひともそれは国においてもいろいろな面で配慮をしていただきたいというふうに考えております。  また、この可部線のダイヤを見ましても、だんだん使いにくくなってきているのも事実なんですね。お客さんをたくさん運ぶというよりも、例えば朝の通勤時間帯のダイヤがなくなっちゃうとか、春と秋の行楽シーズン、本当に素人考えでは三両連結にしたらいいなと思うのを一両とか二両とか、そういうふうに、もっとお客さんが、もちろん地元の皆さんももっと鉄道を使ってもらうようにしっかり頑張ってもらわなくちゃいけないことは事実なんですけれども、そういういろいろな議論をしていく中で、はいわかりました、ではこの廃止の話を、申請を、この際届け出を取り下げましょうとか、あるいはその時期をしばらく延期しましょうとか、そういうふうなことは今度の新法では可能なんでしょうか。
  18. 小幡政人

    小幡政府委員 事前申請、届け出があった後、事情が変わって、関係が離れて別な合意がなされたということでしたら、当然その事前届け出と違った形、ですから取り下げとか、そういう形は十分可能でございますので、その一年間にしっかり次の対策、方針を決めていただきたい、それについて運輸省も御支援させていただく、こういうことでございます。
  19. 河井克行

    河井分科員 時間までちょっと早いですけれども、そろそろ終わらせていただきたいと思うのです。  最後に、大臣にぜひ質問をさせていただきたいと思うのですが、鉄道と道路というのは随分違いがあり過ぎるなというふうに私は思っておりまして、道路の方は、基本的に全部国なり地方自治体がお金を出してどんどんやっていますけれども、鉄道の方はあくまでも鉄道事業者中心にいろいろなお金をかけて敷設をしてきております。これから地球環境のいろいろな問題もありますので、私は、鉄道というものに対してやはり政治の立場からもっといろいろと注意と関心を払うべきじゃないか。一言で言いましたら、きのうも交通部会で一部出た議論ですけれども、鉄道と道路のイコールフッティング、やはり同じような条件でやるべきだというふうな議論も実際に出ておりました。  最後に、政治家としての川崎大臣に、きょうのこのいろいろな議論をじっとお聞きになっていただいたと思うんですけれども、この新しい鉄道事業法を含めて規制緩和の法案運輸省関係でこれからどっと出てきますが、政治家として、もちろんそれは運輸大臣ですから、絶対賛成でいらっしゃるということは間違いないんですけれども、一政治家としてどのように実感されたか教えてください。
  20. 川崎二郎

    川崎国務大臣 私が昨年就任して以来、常になされてきた議論でございます。特に今、経済情勢が悪いですから規制緩和を少しおくらせたら、こういう御意見も随分出ております。特に、業界の皆さん方の御意見は、規制緩和は必要だけれども少し待ってくれぬか、こういう議論をいただいております。  ただ一方で、我々が待ったをすることができない状況になっていることも御案内だと思います。これは外国との関係というよりも、我々は何で規制緩和に取り組むという決断をしたか。これは、やはり我が国の高コスト構造をどうやって変えていくのか。変えていかないと二十一世紀の我々の未来は大変だぜということから、実はつらいけれども規制緩和に取り組む。どうも規制緩和をバラ色と考える方がいらっしゃるんですけれども、実はそうではなくて、つらいけれども規制緩和に取り組もう、こう私は決断をしたんだと思っております。  したがって、規制緩和による光の部分、これをより伸ばす努力をまず運輸省はしていかなければならぬ。しかしながら一方で、影の部分に対してどういうやり方があるのか。バスにつきましても、タクシーにつきましても、鉄道につきましても、離島航路にしましても、航空路にしましても、あります。この辺をやはり皆さん方としっかり議論をしながら、影の部分が見捨てられるということがないように我々考えていかなければならぬ、こう思っておりますので、先ほど申し上げたように、協議会を持って、その中でしっかりした議論を、一つ一つの問題について詰めてまいりたい、このように思っております。
  21. 河井克行

    河井分科員 最後に、本当に大臣に一番最後の部分で大変勇気づけられる御答弁を今ちょうだいすることができました。影の部分、そこに着目してこそ初めて政治の出番でありますので、引き続きましてお体に気をつけてしっかり頑張っていただくことを最後に御祈念いたしまして、少し時間がまだ早うございますが、失礼いたします。  ありがとうございました。
  22. 自見庄三郎

    ○自見主査 これにて河井克行君の質疑は終了いたしました。  次に、木村太郎君。
  23. 木村太郎

    木村(太)分科員 私もまず、大臣には、御就任以来、またこの国会も御苦労さまと敬意を表したいと思います。  いただいた時間を使いまして、私も自分の思いを語りながら御質問させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。テーマ的には二つのテーマに絞って質問をさせていただきますが、まず最初に、地方路線バスについて質問させていただきたいと思います。  地方路線バスの現状を見た場合、私、地元は青森県なんですが、私の青森県内を見ても、需要ということを考えれば大変落ち込んできておりまして、これには車社会、マイカーなどの普及や、あるいはまた過疎化ということも考えられます。しかし一方では、路線バスに頼らざるを得ないいわゆる交通弱者という方々、例えば高齢者の方々、あるいはまた通学、学生の方々とか、こういった方の存在もあるわけであります。これは我が地元に限ってのことではないと思います。全国的にも同じようなことが言えるんではないかなと思いますが、地方路線のバスの現状というものに対しての認識をまずいただきたいと思います。
  24. 川崎二郎

    川崎国務大臣 木村委員が御指摘いただきましたように、自家用車がふえてきた、過疎化が進んだ、そういう中においてバス路線というものが極めて厳しい経営状況に置かれている、これはもう認識として一致いたしております。  そこへ一方で、規制緩和という問題が、先ほどもちょっと議論申し上げましたように、やはり少なくとも我が党の方針として、また国、今は党の方針イコール国の方針と考えてもいいんだと思います。国の方針として規制緩和を進める。これは、高コスト構造を改善していくためにはどうしても通らなければならない、つらい決断だけれども通らなければならない、こういう決断をいたしているところでございます。  したがって、当然光と影が出てくる。影の部分についてどう私どもが認識し、そしてそれを生活路線として守っていくか、これが我々の課題と認識をいたしております。
  25. 木村太郎

    木村(太)分科員 規制緩和という考え方は、国会に籍を置く者、どこの党であってもその思いというのは否定しているところはないと思います。その中で、我々がお互いに知恵を絞ってその目的を達成するということが大事だと思います。  もっと具体的に聞いてまいりますけれども、例えば赤字のバスの事業者がバックアップをいただいている、国や県、市町村なんかから。その分け方が二種、三種と分けて、負担割合を定めて補助金を交付している。全国的にもその額は二百億円以上を超えるというふうにも聞いております。  ただ、私が耳にしたところでは、各地方の事情によりましては補助の対象にならないケースもあるというふうにも聞いているんですが、そういった点はあり得るんでしょうか。
  26. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 地方バス路線具体的に今、二種路線、三種路線というお話がございましたが、二種路線は乗車密度が、乗車密度は平均して乗っておられるお客様の数ということでございますが、五人以上十五人以下という路線でございますが、これはある程度需要はあるが赤字であろうという路線でございます。  今、木村委員が三種路線と申されましたのは、乗車密度五人未満、平均して全路線五人未満しか乗っておらない路線という分類でございます。需要がさらに薄い路線ということでございますので、もちろん赤字でございますし、維持がさらに困難だということでございます。  この補助の内容でございますが、三年間に限り、国と地方が協調して補助しております。三年間の意味は、今後、いろいろな再編、工夫を講じて二種路線への格上げを図るか、やむを得ず民間路線として廃止する場合があるとすれば、市町村代替バスへ移行をする、その場合は必要に応じて市町村代替バスの支援をするというふうになっているものでございます。
  27. 木村太郎

    木村(太)分科員 今お話があった三種の場合の、三年間はバックアップする。この三年の間にいろいろ努力してもらって、仮に二種に格上げできるような努力があればこれは一つの前進だ、しかし、逆方向ですと、廃止あるいはまた市町村段階でいろいろと努力が必要ではないかということですが、だとすれば、私、データも何もありませんけれども、多分、三種から二種に格上げになるよりは、廃止に追い込まれていく、あるいはまた市町村の、さらなる地域の負担というものがふえていっている姿の方が多いような印象を持つわけであります。それはまた、市町村を初め地域の負担にもつながっていくと思うわけですが、その心配をもう大分前から持っていたんです。  それに輪をかけてというと大変失礼かもわかりませんけれども、バス事業に関して、いわゆる規制緩和推進計画において、平成十三年に廃止するということを聞いております。要は、需要に対して輸送力の足りない場合に限り免許を交付する需給調整規制を今まで行っていたけれども、これを廃止することを平成九年の三月に閣議決定されているというふうに聞いております。平成十三年度からバスの事業規制緩和ということを考えれば、今後どのような姿になっていくのか、ますます心配の念を私は持つわけです。  昨年六月には——今度運輸省の運輸政策審議自動車交通部会というところでの最終報告のための答申骨子というのが明らかになったようであります。これらを見ても、各路線参入あるいは撤退というのが自由になる、しかし、そのことは今答弁があったことと同じ姿でありまして、採算のとれない路線廃止に追い込まれていく事態がますますふえていくような感を持つわけです。  いわゆる市場原理主義というんですか、経済原則ということを考えた場合に、規制緩和に本当に取り組んでいった場合に、結果的に過疎地域路線切り捨てというような、その増大につながるというふうに心配するわけですけれども、その点はどういう考え方を持っておられるでしょうか。
  28. 川崎二郎

    川崎国務大臣 貸し切りバスの法案はことし出させていただいて、路線バスは多分来年になると思いますけれども、そのときにまず第一にしっかり御議論いただかなきゃならない課題だろうと思っております。  それに向けて私どもはどういうことをきちっと準備をしなければならないかと考えますと、影の部分、要するに、生活路線というものをどう守るか、当然、国全体として守らなければならない生活路線がどのぐらいあるか、私は正確にこれはつかまなければならないだろうと思います。ただ、それは年がかわることによって変化はしていくと思います。  全体的に生活路線を守らなければならないねという理解の中で、やはり私はその中がまた三つぐらいに分かれるのかなと思っているんです。一つはこれは絶対に国が援助してやっていかなきゃならぬ部分、それから地方公共団体中心になりながらやってもらう部分、それからもう一つは改善を求めていかなきゃならない、先ほど例がありましたように、三人とか二人しか乗らない、それを大型バスをずっと走らせておけ、これは全く無理な話になりますので、他の方法を考えていかなければならないだろう。こういうものにやはり切り分けをして、そしてその部分に対して国としてどれだけの予算を獲得でき、援助することができるか、自治省と協議の中で地方団体に対してどのぐらいの援助を出していくことができるか、そして地方も自立的にやっていただくことができるか、こういう切り分けをしてしっかりしたものをお示ししなきゃならぬなというふうに私は今考えており、また局には指示をいたしているところでございます。
  29. 木村太郎

    木村(太)分科員 次にお尋ねしようとしていたことも含めて御答弁いただいたというふうに、私、今聞きました。  先ほど言った答申骨子の段階でありますけれども、これを見た場合に、財政負担も含めていわゆる国の位置づけというのがなかなかはっきりしていない感があったんですけれども、私自身思ったんですが、ただいま大臣の答弁に国としての、また大臣としての考え方がありましたので、ぜひその考え方に基づいて鋭意取り組んでいただきたいというふうに思います。  先ほど地元の例を言いましたが、実は、私の地元に、私は青森県の津軽地域選出なんですが、この津軽地域において路線バスの維持協議会というものを関係市町村が組織しております。路線バスの運賃収入に国、県あるいは市町村の補助を受け入れてなお生じる欠損額に対してバックアップしている、これは中身を見た場合でも、また今現在取り組んでいる姿も、全国的に見てもかなり頑張っているようないわゆる先駆的な姿というふうに私は思っているんです。ただ、今回、実はこの協議会も十年度から十二年度までさらにバックアップしようということは決めました。ただし、言葉を返せば十三年度以降は白紙というか、十三年度以降のことはまだ何も決めておりません。  こういった地域の努力の中にあっても、例えば関係自治体の首長、町長さん、村長さんとかのお話を聞くと、いわゆる交通弱者を我々は守らなければならない責任がある、しかし、実際に路線バスがなくなるとすれば、住民の足を確保するために、逆に自治体に独自の何らかの負担がまたふえてくることも考えられるというようなことも、心配の念を申す方もいます。  ですので、先ほど大臣の答弁にもありましたけれども、具体的に例えば、今までもそうだと思うんですが、交付税措置を含めて、これはもちろん運輸省だけでなくて自治省初め関係機関、政府内部において一層の努力をお願いしたいわけでありますけれども、この点、もう少し踏み込んで御答弁いただければと思います。
  30. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 今先生のお地元の、特に弘南バスを中心とした生活路線の維持の協議会、今申されましたような大変先駆的な試みでございます。運輸政策審議会の今後の方向でも、地域協議会を設置してそのような地域交通のあり方を検討してやるということが提示されているところでございます。  さらに、その場合の問題は、地方の独自の財源が十分じゃないんじゃないかということでございます。地方財源の充実は、運輸省だけでなく関係行政機関と協議をしなきゃいけませんし、事務的にはもうただいま協議に入っております。基本的な考え方は自治省に理解していただいておると思いますが、この答申の実行、法制化のテンポと合わせて地方財源の充実を事務的にも進めなければいかぬというふうに考えております。
  31. 木村太郎

    木村(太)分科員 ぜひ、一番地域が、あるいはまた特に市町村、自治体が心配する点は、財政的な問題がやはり議論の中でも大きなテーマでありますので、今の御答弁に即して一層関係機関と協力し合って対応策を打ち出していってほしいなと思います。  いま一つお聞きしたいんですけれども、これまた地元の話で恐縮なんですが、これは他の地域でもやっているところはあると思います。今、私の地元では、例えば中心商店街とかあるいはまた官公庁街とか病院なんかをきちっと回るようなコースをとって運賃が百円とかいうバスが好評でして、愛称というか呼び方も百円バスとか、ぷらっと号というような名称で、結構予想以上に好評なようであります。  これも一つのアイデアであって、また地域の努力の一つだと私は思うわけです。こういったアイデア、あるいはまた今までにも既に現実にあります例えばスクールバスとか福祉バスとか、いろいろ目的に応じてのバスの姿があるわけですけれども、こういったいわゆるごく一般の路線バス以外のバスの姿もうまく政策調整しながら取り組んでいくことも、やはりひとつ大事なことではないかなというふうに思うんですが、この点は御意見ありましたら。
  32. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 地域のバスの新しい試み、各地で出ておる中で今先生のお地元でもあるようでございますが、一つは値段を下げるということと、便利に乗ってもらうということ、便利の中身でございますが、わかりやすい路線で目的をはっきりした路線形態がとられております。特に市町村が積極的に関与されているということでございます。行政としても積極的に御支援をしていきたいと思います。行政の役割としては、停留所とか車両の施設整備についていろいろな助成をするという観点から現在行っておりますが、今後、拡充に努めていきたいと考えております。
  33. 木村太郎

    木村(太)分科員 せっかく努力していいアイデアを出している、そういった努力の姿勢には、国としても、できることは何なのかということで、今の御答弁のようにぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。路線バスは以上で終わりたいと思いますが、次に、整備新幹線についてお尋ねしたいと思います。  お隣にお座りの小幡鉄道局長さんにはこれまでも大変お世話になってまいりました。その努力にも敬意を表しながら、私は、最大限皆様方を応援するというような気持ちで質問させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。  整備新幹線についての考え方、また、これをめぐる社会情勢というんですか、環境というものも結構また違ってきたと私は判断しております。もちろん与党は与党の役割の果たし方もありますし、また、国政にある者それぞれで、例えば、新幹線の大会があっても、各政党すべてが新幹線に対して否定するようなお話はしていないわけであって、超党派的にも努力していきたいなというふうにも思っております。  そこで、新幹線について、環境が変わってきた感がありますので、きょうこの場で確認をさせていただきたいと思います。  この十一年度の予算を見ますと、対前年当初比でいいますと七・七%増の三百十七億円、自治体なんかの負担分も含めた事業費全体というのが千六百三十四億というお金になりまして、評価したいと思っております。また、この路線配分も既に明らかになっておりますが、その中で、私の地元にも関係してまいります東北新幹線で見ますと、盛岡—八戸間が六百三十二億円、八戸—新青森間が倍増の二十億円というふうになっております。  まず、盛岡—八戸間について聞きますが、これは、平成三年に既に着工して、工期がおおむね十年というふうになっておりました。工事の進捗率というのが、十一年度も含めますと、五三%、ようやく五割を超えるということであります。総事業費が約四千五百五十億円、そして、十一年度を含めても事業費は二千六百億円。ということは、単純計算しますと、さらに千九百億円が必要なわけですが、平成三年に着工して工期がおおむね十年、これに対して、いわゆる八戸開業というか、開通が本当に大丈夫なのかどうかというような声が、結構、例えば地元の八戸の市長さんなんかが年頭の記者会見なんかでも言っているんです。だとすれば、単純計算ですが、あと二年で、つまり平成十二年、十三年の二年間で開業させるとすれば、毎年約八百六十億円が必要になってくる。そして、その八百六十億円という額は、十一年度の案にプラス二百億円の上積みが必要になってくるというふうに単純計算されるわけです。  そうしますと、十一年度の予算案も十年度から見ると皆さんの努力で伸びてきているわけですけれども、先ほど言った十三年開業を目指すような方向での動きととらえていいのかどうか、この点、お考えをお聞かせいただきたいと思いますし、ずばり聞きますと、十三年八戸開業というのは現実に大丈夫なのかどうかということをお聞きしたいと思います。
  34. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  先生お話しのように、平成三年に盛岡—八戸間、着工させていただきまして、その際に、竣工時期としておおむね十年ということで目標を掲げて努力しておるわけでございます。その意味で、実は具体的に十三年度ということではなくて、おおむねということでスタートしているわけでございますけれども、現在の進捗状況、先生お話しのとおりでございます。  それで、一方、平成十五年にアジア大会の冬季の大会もあるというようなことで、県を初め関係の方々から、それの輸送機関として間に合うようにという強い御要請をいただいていることも承知しております。  そういう環境の中で、我々予算措置をしながら、そしてまた、実は工事上難航の区間もございます。加えまして、実は、地権者との関係において、相当程度まだ買収ができていない、その中で特に御理解いただけない地域等もございまして、そういうものが、今後どのように我々として努力しながら、あるいは理解を求めながらクリアしていけるかということにかかっておるわけでございます。非常に厳しい環境でございますが、我々としても、できるだけ早く竣工できるようにということで、県を初めとする関係の方々協力を求めながら一緒に頑張りたい、こういうことで頑張っているところでございます。
  35. 木村太郎

    木村(太)分科員 もちろん、おおむね十年ですから、それが結果的に十一年、十二年かかるかもわかりません。しかし、おおむね十年という意味が結果的に十五年、十六年かかったとすれば、それはおおむね十年というふうには普通常識的には判断できないわけであって、今答弁があったとおり、やはり我々一層の努力が必要だと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。  先ほど言ったように、八戸の市長さんなんかは、平成十三年開業というのは約束なんだというふうに公言しているわけですよ。ですので、我々政治の分野からも、もちろん私も含めて努力が必要だと思いますので、その点もぜひ御理解いただきたいと思います。  次に、今度は八戸—新青森間に移って聞きたいと思いますが、これについては倍増の二十億円というふうになりました。ただし、これも既に建設許可というのがおおむね二十年という表現になっているわけですけれども、このおおむね二十年に対して、地元では、地域では十年以内の一年でも早い完成ということを当初からお願いしてまいりました。ですので、この地元の願いに対して、十一年度案が倍増、額は小さいんですけれども、倍増の二十億円という動きが、その十年以内の一年でも早い完成という願いに即した動きとしてとらえていいかどうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
  36. 小幡政人

    小幡政府委員 お話しのように、新規着工区間はおおむね二十年ということでスタートさせていただいております。その二十年とした理由は、御案内のように、その財源裏づけ等々の観点からそういうことでスタートさせていただいております。  その中で、スタート直後、財政構造改革という環境の中で、着工はさせていただきましたけれども、事業費については極力抑制するということで、実は一区間十億円ということでスタートさせていただいた、それを今回二十億に倍増させていただいたということでございます。我々としては、当初のおおむね二十年というものに向けての見直しというのがまだ基本でございまして、地元の十年という希望をいただいていることは承知しておりますけれども、正直言いまして、新規着工区間については、今申し上げましたように、まだまだ二十年という目標に復活したぐらいの感じでございまして、これから我々として御要望に対してどうこたえていくか、その辺についてこれからの議論というふうに考えております。
  37. 木村太郎

    木村(太)分科員 今の答弁をそのまま感じ取れば、やはりおおむね二十年という考え方については、今現在はそのとおりだというふうに聞こえたわけですけれども、ただ、一番先に言ったように、新幹線を取り巻く環境、社会情勢というものが、この十一年度全体の予算案を見ても、積極予算というようなことをとってみても、変わってきたというふうに私は判断しているわけであります。ですので、この十一年度予算案は、全体としても動きが違うし、そして新幹線についても動きが違ってきたというふうに私は判断していますし、またそうなってほしいなと思うわけですが、ぜひ、おおむね二十年という意味に対してもう少し具体的に、いわゆる開業時期というものを明確にしていく必要があるんではないかなと思います。  というのは、これは、例えば駅前周辺の整備だけでなくて、経済的に見た場合に民間の資本の投資とか、いろいろなことの効果もあるだろうし、また、いつ完成するかどうかがはっきりするかしないかによって、民間の活力またはその計画性というものも大事なことだと思います。ですので、こういった点を、私は皆さん方に一層の努力をお願いしたいわけであります。  また全体的にも、私は、いわゆる整備新幹線の基本スキーム、これについて与党の方でもいろいろ動きが始まろうとしているようでありますが、先ほど来言っている、環境が変わってきているような感じがしますので、運輸省として、この基本スキームの見直しというものを、この必要性というものを感じないか感じるかどうか、必要性を持つかどうか、お答えいただきたいと思います。  あわせて、時間がなくなりましたので聞きますが、これも既に報道なんかもされているんですけれども、十一年度予算案全体の中で公共事業予備費として五千億円が盛り込まれている。この予備費に対して、新幹線に関しての積極的な取り組みというか、運輸省としての動きを積極的に求めていく考えが川崎運輸大臣にあるかどうかお聞きして、終わりたいと思います。
  38. 川崎二郎

    川崎国務大臣 環境が変わったと申されたように、橋本内閣、財政再建というものを基本にした姿勢から、小渕内閣、経済再生、これを基本といたしております。したがって、ことしの予算も、御批判は一部ございますけれども、積極的な予算というものを展開させていただいております。私自身、閣議等で申し上げているのは、ことしだけではなくて、二、三年間はしっかりとした投資をしていかないと日本全体の経済再生へつながっていかないんじゃないですか、こういう主張を繰り広げております。  ただ、一方で、財政再建という大きな課題を将来我々がしょっておることも事実でございます。そういう意味では、ことしとか来年、できるだけの努力を我々はしていきたい。しかしながら、一方で大きなスキームがえをしてできないようなことを言ってしまってもいかぬな、こう思っているんです。そういう意味では、やはり与えられた中で精いっぱいことしの事業を前へ進めたい、また来年も要求してまいりたい、こうは思っております。  しかしながら、その先になりますと、もう少し、世の中全体の大きな動きの中でこの新幹線問題を考えていかなきゃならない。ただし、私としては、運輸省の立場としては、やはり骨太な交通網というものをつくるという意味では、新幹線を、まさに北海道からになるかもしれません、青森からになるかもしれません、九州まで、骨太なものを一日も早く使えるべく努力するのは運輸省の使命である、こういうふうに思っております。  それから、公共事業予備費のことについては、もうおわかりのとおり、大蔵大臣が再三ああいう答弁をいたしております。私の立場として今これをどうのこうのということは言えない立場でございますので、御理解を賜りたいと思います。
  39. 自見庄三郎

    ○自見主査 小幡鉄道局長。簡潔にお願いいたします。
  40. 小幡政人

    小幡政府委員 大臣お話しのとおりでございまして、我々は、特に予備費の使用につきましては、景気対策上予期し得ぬ事態に対応するということで計上されているものでございますので、現段階において我々皮算用するわけにはいかない、こういう性格のものというふうに理解しております。
  41. 木村太郎

    木村(太)分科員 時間になりましたので終わります。ありがとうございました。
  42. 自見庄三郎

    ○自見主査 これにて木村太郎君の質疑は終了いたしました。  次に、春名直章君にお願いをいたします。
  43. 春名直章

    春名分科員 日本共産党の春名直章でございます。  住民の足を守るための公共交通機関の充実という問題で、とりわけ乗り合いバス、地域路線バスの問題について、運輸大臣を初めとして皆さんにお伺いしたいと思います。  私、四国ブロックの選出なんです。それで、四国各地の自治体をかなり歩いてきたんですけれども、そのバスの路線調査をしてまいりました。想像以上にひどいなというのが私の今の実感であります。  四国管内で見ますと、乗り合いバスの輸送人員が、一九六五年の二億六千九百八十八万人から九七年には五千四百六十三万人と、二〇・二四%まで落ち込んでしまいました。四国管内にある乗り合いバスの事業者は三十社なんですけれども、そのうち二十九社が赤字経営であります。その結果、赤字のその補助金も打ち切られまして、バス路線廃止の動きが続いているわけですね。管内の乗り合いバス路線の休廃止免許キロ数も調べてみると、千五百六十八キロ、これは九二年から九六年までの数字ですが、相当なものです。香川県では、この三年間で百七十六系統から百三十系統、二六%の系統が姿を消すということになってしまいました。  JRバスもありますけれども、これはさらに輪をかけてひどくて、八九年から九八年までに、主要な幹線、例えば香川県の観音寺—善通寺間とか、琴平線とか、愛媛県の川之江市と三島市の間の線とか、日吉—宇和島線とか南予線とか、非常に重要な路線が次々廃止されていて、その距離、十年間で四百四十キロに及ぶ、そういう状況でした。  この質問を準備しておりましたら、新聞に、徳島の西部交通、これが三好—池田間というところを廃止するということが発表され、同時に、四国運輸局に、JRバスの鴨島—脇町間三十九キロ、阿波線が廃止届け出されるということで、住民の大きな不安が広がっているということが報道されたわけであります。四国の深刻さは一端ですけれども、全国的にこういう路線バスの無残な廃止といいますか、そういう事態が今襲ってきているという状況であります。  まず、運輸大臣に基本的な問題をお聞きしておきたいと思いますけれども、こういう地方バス路線の現状について、公共交通責任を負っていらっしゃる運輸省運輸大臣として今どういう御認識をお持ちなのか、その責任といいますか、その問題についてまずお聞かせをいただきたいなと思っております。
  44. 川崎二郎

    川崎国務大臣 先ほどからこの議論が続いておりますけれども、まさに規制緩和の光と影という部分になるんであろう。  私ども、運輸省全体といたしまして規制緩和を進めるという決断をいたしました。その中で、乗り合いバスもその範疇の中に入ってまいります。当然規制緩和の光の部分も出てくるだろう。いい競争が進み、いいサービスが、例えば都市部等では行われるということになるだろう。しかし、一方で、過疎地域の問題というのは当然出てくる。生活路線をどう守っていくか、大きな課題であります。  もう先生の御指摘のとおり、四国の例を挙げましても、マイカーに徹底的に負けておる。しかしながら、やはり生活路線として守らなきゃならぬ。そこをどうこれから私ども規制緩和という、来年実は法案の御審議をいただくわけでありますけれども、その規制緩和という仕組みと、一方で生活路線をどうやって守るか、これを総合的にお示しをしていかなきゃならぬだろうという立場にあります。そして、やはり影の部分にしっかり手助けをしていくというのが運輸省として大きな仕事の一つであろう、こう思っております。
  45. 春名直章

    春名分科員 規制緩和の問題が出されました。  それで、私も、一月二十日に出されました運政審の自動車交通部会の答申素案、これは、九七年三月の閣議決定の規制緩和推進計画の中で提起されていたもので、需給調整制度廃止という問題が大きな柱として打ち出されて具体化をされるということになっていますが、私はこれを非常に心配しております。今お話にもありましたけれども、影の部分が多過ぎるのではないかという気がしてなりません。  乗り合いバス事業の需給調整による免許の規制というのが基本的になくなる、自由参入ということになりますと、バス事業者は、基本的には届け出だけで自由に路線の新設や廃止を決めることができるようになると思うんですね。当然そういう方向だと思うんです。当然予想されることは、もうかる路線には多数の新規参入ということがもちろんあると思います。ところが、今大臣がおっしゃったように、赤字路線からの撤退、廃止が一気に進むんではないかということを私は非常に危惧をするわけであります。  少し紹介したとおり、今でも四国ではずたずたになっているわけでありまして、その廃止のあらしの前に、その事態に拍車をかけるようなことになりはしないかということを大変危惧するものでありまして、この点、そうならないという保証がどこにあるのかということを私はまずお聞きしておきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  46. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 規制緩和によりまして営業が比較的自由になるわけでございますが、その際、市場からの撤退、非常に経営の苦しいマーケットでございますので、赤字の企業の撤退に拍車がかかるんじゃないかという御心配でございます。その歯どめの保証をどこに求めるのかというふうに承っておりますが、ある企業だけの話じゃなしに、地域の足にかかわる話でございますので、生活路線の維持という形で運輸省も長年補助制度を持ってまいりました。今後、この補助制度をどのように見直していくのか、もう一つは、地域の足をどのような形で確保していくのが適切かということを、大きな規制緩和の波とともに、その制度の仕組みを見直す転換点に来ているんじゃないかというふうにも認識しております。  運輸政策審議会の答申骨子案にもアイデアが盛り込まれておりますが、地域協議会を置いて、今後の地域交通のあり方あるいは維持の仕方を都道府県、市町村、関係者、バス事業者、国が寄って協議をするというアイデアも出されております。あるいは、公的補助制度の充実を関係行政機関と調整して図るべきというような提言もなされております。  規制緩和の影の部分になる可能性がございますが、影としないためにそのような工夫を重ねて、生活交通の維持に努めるというのが役目だと認識しております。
  47. 春名直章

    春名分科員 その規制緩和の流れを既定のものとして私は議論することはできないと思うんですよ。今私が申しましたのは、空想の世界で言っているんじゃありません。一九九七年の十二月に開催された運政審の自動車交通部会バス小委員会に全国のバス事業者意向調査が提出されました。それを見て背筋が寒くなりました。  この調査は、国などからの公的補助がなくなったというふうに仮定したときの路線の継続、廃止の意識調査結果でありました。私もこれを見まして、全国の全系統三万八千百五十二系統のうち、廃止希望が二〇%の七千七百五十二系統にも上った。民間の赤字系統では三〇%の六千四百四十三系統が廃止を希望する、こういうことになっています。規制緩和が過疎地域の赤字バス路線廃止をそれこそ本当にドラスチックに進めていくことになりかねない。こういう実際の世論調査等を見ても私は明らかだと思うんです。  第八回過疎バス調査というのがありまして、これは全運輸省労働組合が何度かとっておられるものです。これは、一九九八年です。代替バスを運行している市町村及び市町村からバス運行を委託されている貸し切りバス事業者のほぼすべてが、運輸事業需給調整規制廃止に対して不安と危惧の意見を寄せている、こういうふうに述べられております。需給調整規制そのものをなくすことが一体いいのかどうか、公的な補助をやればいいということでは済まない問題ではないかと私は思うんですね。大きな流れだからということで前提にしないで、私は、そういう危険性が本当にある、だからこそその問題を提起していますので、もう一度今の調査の動向なども勘案いただきまして、この方向でいいのかどうかということについて御意見を伺っておきたいと思います。
  48. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 規制緩和の流れは大きな方向だとは認識しておりますが、今委員申されましたように、その影響をどのように緩和するのかということも大きな課題でございます。  今規制緩和をすると、廃止希望が二割あるというアンケートが出ました。これは運輸省がむしろ調査して、とったものでございます。実は、その二割を今後どのように扱うのかということが我々のこれからの仕事だというふうに思っております。規制緩和がドラスチックに行われて、二割の路線がすぐ廃止されるような制度にはならないものと思います。その中で、事業者は民間事業者でございますので、赤字なのに助成なしに維持するということもまた困難な事情があるわけでございますので、今後、どのようにそういう路線を維持していくことが可能かどうかをいろいろな仕組みで考えていくというような課題があると思います。  また、組合の方あるいは事業者の方から不安と危惧がいろいろ寄せられているということも、少々以前の情報でございますが承知しております。今度の答申骨子案は、関係者の人に大きくパブリックコメントを求めるという観点から交付いたしまして、今意見をいただきつつあるところでございます。今後どういう仕組みになるのかということが不明な時点での不安と危惧でもあったようにも思いますので、今後、こういう仕組みを形成する上での具体的な意見を十分聴取して、不安と危惧がなくなるように、あるいは生活交通の維持に新たな仕組みが確立されるような努力をしていくべきかと考えております。
  49. 春名直章

    春名分科員 具体的な意見をお聞きいただくというのは当然重視をしていただきたいと思うんですけれども、現実に起こっている今の政策を見ますと、私は本当に大丈夫なのかということを感ぜざるを得ないんです。  例えば、国の補助制度の改悪というのがやられました。第三種生活路線補助の期限つきによる打ち切りであります。三年になってしまいました。その改悪もあって、七〇年代から、雪崩を打つように路線廃止、県、市町村の単独補助形式などを採用する自治体が次々ふえてきている。これはもう激増しているわけです。実際、自治体からお話を聞いてみますと、一番頭を悩ませているのは、財政力の弱い自治体にとって、その負担がはかり知れないものに今なっているということです。  私が調査に行ったところでは、例えば高知県の吾川村、仁淀村という非常に小さな村なんですが、JR路線が撤退をいたしまして、代替運行に近隣の五カ町村で出資を行って運営を始めました。また、それとは別に、もう高齢者も多いので村営バスを別個にもっと綿密に走らさんといかぬということで、別に村営バスを運行するというような努力をやり始めました。担当者の方によりますと、国や民間は採算が合わなければ一方的に撤退できるかもしれないが、私たちは先端で住民生活を守る責任があります、バスは住民の足の最後のとりでで、絶対に手を引くことはできないのです、こういうふうに言っておられたのが非常に印象的でした。  その吾川村というところでは、自主財源が約四億円弱しかありません。四人雇用している運転手などの経費整備費、燃料代などにバス維持経費が年間二千万円以上かかるという状況であります。十年をめどに車両の買いかえも検討しなければならないということで、一台千六百万円。同じく村営バスを運行している愛媛県の河辺村というところにも行ってきました。五千万円しかない自主財源の中で、数百万円の負担がこれにかかっている。各自治体とも悲鳴を上げているわけであります。  こういう現実を目の前に見ますと、需給調整廃止、公的補助検討するということはそういうことの流れなのかもしれないけれども、しかし、目の前にあるこういう悲鳴に対して今運輸省がどうこたえていくのかということが、私は今問われているんじゃないかと思うんですね。例えば、制度がだんだんひどくなってきていますけれども、やはりこういう声にこたえて制度を充実、拡充していくということが大事なんじゃないでしょうか。その点を続いて答弁いただきたいと思うんですが、いかがですか。
  50. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 地方自治体のバス運行でございますが、先生申されましたように、JRでございますとか民間バスが経営上撤退やむなしという路線について、地域の足として守られるというのが大きな動機でございます。そのような路線は、事業として維持するのが大変困難であるが、地域の足として不可欠であると地方自治体が判断されたものでございます。  そのような交通の維持をする方策でございますが、平成七年度から、地方の単独負担を軽減する意味から、一般財源化といいますか地方交付税に裏打ちされた地方負担というふうになったものがございます。地方の財源措置を地方交付税でやるということでございますが、今後、バス路線地方の主体性を重んじて維持する、さらに地方の公的補助の仕組みを考えるといった検討の中で、地方財源の安定した手当てをするということが大きな課題になるものと認識しております。むしろ、規制緩和をする前にいろいろ考えていかなきゃいけない大きな仕事かと思っております。関係行政機関と協議に入っておりますが、地方の負担の軽減、あるいは地方財源の安定化の方向で関係行政機関と今後とも詰めていきたいと考えております。
  51. 春名直章

    春名分科員 私、地方行政委員をやっていまして、地方分権問題、ずっと今議論しております。地方分権推進計画の中には財源や税源の移譲という問題にも触れられております。しかしはるかかなたの課題なんですよ、財源を移譲するとか権限を移譲するということも一部はありますけれども。だから、地方に対して財源をきちっと移譲したりまた拡充するということの保障がないままに需給調整制度を打ち切ってしまうことにもしなれば、それこそ重大な事態に私はなると思っているんです。非常に危惧をしております。地方分権推進計画の中には、いつ財源を保障するなんということは書いてありませんから。だから、先の見通しはわからないのに需給調整制度だけは廃止をしていく、公的補助を充実させなければいかぬ、そのとおりです。どのようにするんでしょうか。どのような見通しがあるのでしょうか。そこの点を明確にお答えください。
  52. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 今運輸政策審議会で議論しておりますのは、需給調整規制廃止した場合にどういう課題があるのか、環境整備をするのはどのようにすればいいかという議論でございますが、その中で今御議論されております生活交通の維持の方策ということが最大の課題になっております。この間出されました答申骨子案でも生活交通の維持の方策の考え方が最初に出ておりますし、今後の大きな柱となって提示されております。これをどのように具体化するのかということが、今委員もおっしゃいましたように、我々の課題、あるいは関係者の課題でございますので、規制緩和を先行させるというのでなしに、同時にこういう環境整備を行っていかなきゃいけないというふうに認識しておるところでございます。
  53. 春名直章

    春名分科員 答申の素案の中では、確かにそのことも触れられていますけれども、「国は、ナショナルミニマムの観点から維持することが適切であると考えられる広域的、幹線的な輸送サービス類型について、地方公共団体を通じて支援することが適当。」こういうふうに指摘をされていますね。この具体化もされていくんだと思うんですけれども、今、生活路線の維持が最大の眼目だ、最大のテーマだとおっしゃいました。まさに生活路線をどう維持、発展させるかということが、私も共通の思いであります。  そこで、今の中身を聞いておきます。  広域的、幹線的な輸送サービス類型については国が責任を持ってやるんだと路線の範囲を言っています。では、この広域的、幹線的な輸送サービス類型は一体どういう範囲を想定されているんでしょうか。この点をお答えください。
  54. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 今御指摘されました答申骨子案では、そのような表現でございます。例えばということで例示になりますが、複数の市町村間において運行され、都道府県庁所在地や広域行政圏の中心都市等へのアクセスを確保するような路線というものが考えられておるわけでございます。  さらに申しますと、国はそういうものを中心にやると書いてございますが、その他の維持方策について、国が今現にやっております維持体制をやめるというわけでは決してございません。国と地方の役割分担を今後どのようにするかということでございますので、地方分権といっても、国の今まで持っていた役割を全部投げるとかあるいはどこかに行って国の役割がなくなるとかということは、むしろあってはならないことでございますので、スムーズな地方分権あるいは現実的な地方分権をどのようにするのかということは、実際的に追求して達成すべき課題でございます。  運輸省としては、こういう概念的なことを出しておりますが、さらに具体的には、バス路線は地理、地勢、地域の実情に応じて路線網が形成されてきた歴史的経緯がございますので、そこの答申のさらに後段に書いてございますように、地域協議会ということが今後有益な手段になるんじゃないかと思います。これは都道府県が主体的になって設置していただきたいと思っております。といいますのは、複数の市町村にまたがる路線もあるという観点からでございますが、国はその一方の主体的な役割を担っていきたいと考えております。
  55. 春名直章

    春名分科員 地域協議会お話も出ました。それは非常に当然だと思うんですね。  それで、広域的、幹線的ということの内容を考える際に、私は、やはり利用者の立場からその内容を検討するということが、上からではなくて、そこが大事だと思うんですね。大変なところはすごい大変なんですよ。  吾川村の話ばかり出して恐縮ですけれども、国道四百三十九号線というのがあるんですけれども、それを挟んで集落が点在していて、奥地からバス停へ出てくるのに四十分かかる、そんな地域が結構あるんですね。そういうところはもう超高齢化です。身内に頼ろうにも子供たちは町に出てしまっていてどうにもならぬと、だから、村内を走る村営バスがまさしくその地域でいえば全く主要幹線そのものというか、上から見れば狭いところを、小さいところをやっているように見えても、その人たちにとっては命綱というところが多々あるわけですね。  だから、私は、地元自治体意見住民などとの十分な議論、何が主要で、何が枝葉か、そのことを検討する際に実態をしっかり踏まえて決めていくというのがどうしても必要だと思います。その点を改めて約束いただきたいと思います。
  56. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 国の役割、地方の役割についての基本的な議論の中での御質問でございますが、今委員おっしゃいましたように、地域の実態を反映するというのはもう当然の前提だと考えております。  国の役割としては、いろいろな考え方があろうかと思いますが、交通の分野では、安全の確保でございますとか、情報の収集でございますとか提供でございますとか、あるいは全国共通な支援体制の整備でございますとか、そういうものが中核になるものと思っております。
  57. 春名直章

    春名分科員 幾つか事例をちょっと御紹介しておきたいと思うんですけれども、例えば坂出市というところがありますでしょう。あそこのお話ですけれども、三種の生活路線補助期限が切れるまでに廃止、代替などの措置をしなければなりませんわね、今の制度では。そういう路線がたくさんある。しかし、地形的ないろいろな問題があって、代替バスで運行するならどうしても五路線つくらないといけない。試算しますと二億四千万から二億五千万の財源が必要になる。とても自治体の今の財政からいって無理だ。現行路線の民間事業への補助もとても市の単独では継続できない。八方ふさがりですわというふうにおっしゃっている例。  それから、中核都市である高松市なんかでも、路線廃止、縮小が相次いでいるんですが、朝や夕方などは道路混雑や市街地の拡散化などがありまして、バス路線が放射線状に残る形でしか運行できない。こういうふうにいかないんですね、放射線だけになってしまうという状況になって、病院や公共施設などが多い、そういう中心部の移動が非常に不便な状態になる、こういう事態。  つまり、民間バス路線が、第三種生活路線への国の補助期間が切れるとともに次々に廃止されていくという現状があるわけなんですね。だから、もう上がっていると思うんですけれども、県レベルで、補助そのものの継続を、もう少し期限を延ばしてほしいとか、継続をやってほしいとかいう要望が、県議会ぐるみだとか出ているところもあると思うんです。  そういう実態があるんだけれども、一方で、あなた方は、来年度の制度改変で、地方バス路線維持制度での一種、二種の生活路線を一本化されて、補助率を均一化する、十分の三にしましたね。そして、トータルでは国の助成額が縮小されるということに実際なるんじゃないですか。そして、第三種生活路線は、補助期間が三年だったのが二年へ短縮されるということも聞いております。  だから、規制緩和の路線ということに沿った話だというふうに私は受けとめますけれども、しかし、実際の現実からいって、今そういうふうな制度改変、まあ改悪と言わせていただいたら大げさかもしれませんけれども、そんなことをやっていたらもっともっとひどい方向になりますよ。だから非常に私は危惧しているんですね。こんなことをやっていて本当にバス路線が守れるんだろうか、交通弱者の足を守れるんだろうかということを非常に考えるわけであります。  規制緩和という流れだけですべて判断しないで、今出てきているこういう要望、例えば補助期間を、三年間を二年間にするというのは言語道断で、四年、五年に延ばしてもらいたいという声もあるわけでしょう。そういう問題について前向きに検討していただきたいと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
  58. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 今、春名委員が四国の例で大変厳しい例をおっしゃいまして、実際にそのとおりだと思いますが、各地でそのように非常に工夫をして検討されておる例もございます。国の役割といたしまして、そのいい例を参考にしていただくとか、あるいはこちらで、まあ御指導と言ったら上からということになりますが、むしろいい情報を集めて工夫を凝らす役割の一端を担うということが大きな役割かと思います。そういう今の坂出その他の事例についても、具体的な協議をさせていただきたいと思います。  さらに、それとともに、助成制度の話になりましたが、時間の都合で具体的な、詳細なことを申し上げる時間はないかと思いますが、三種路線予算制度につきましては、こちらの考え方といたしましては、制度の合理化といいますか、三種制度、三種路線補助金という性格に合った制度改正というふうに考えております。それが現実にいろいろな困難にどのように適用されて、あるいはその制度だけじゃなしに、どのような具体的な工夫があるのかということをケースケースで判断して、いい制度をつくり上げていかなければいかぬというふうには思っております。  具体的なケースと、それを制度にどのように改善していくかというテーマを与えられたというふうに解釈いたしまして、今後、現実の生活構成の維持に遺漏のないように努力をしていきたいというふうに考えます。
  59. 春名直章

    春名分科員 では、最後に一点だけお聞きしておきます。スクールバス、福祉バス、先ほどの御質問者も言われていましたけれども、こういう行政ごとのバスの一元化のことについてです。  答申の素案でも、「スクールバス、福祉バス等他の行政目的で提供されている交通サービスを活用し、乗合バスと合わせた総合的な生活交通確保を図る」と述べております。福祉バスには一般の住民が乗れないなどの規制を、こういう面では大いに実態に合わせて見直していただいて、スクールバスや福祉バスへの一般住民や学童の混乗、こういう要望も強いものですから、ぜひそういう方向を強めていただきたいと思っております。その点についていかがでしょう。
  60. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 スクールバスあるいは病院バス、福祉バスの一般住民の混乗というのは、運輸省も望ましい方向だと考えております。関係省庁とその方向で協議を重ねてきておりましたが、具体的な成果といたしまして、平成八年度より、スクールバスにつきましては一般住民の混乗を可能とするような措置が講じられることになりました。これは文部省の御配慮でございました。さらに、福祉バスについても、厚生省とも協議しながら、一般混乗の可能性の検討を進めております。  福祉バスにつきましては、少々、車いすの乗れる設備があるとか、直ちに利用できないバスもあるようでございますので、もう少し具体的なケースの解決策を詰めながら制度改正をしなければいかぬというふうに心得ております。
  61. 春名直章

    春名分科員 時間になりました。  過疎、高齢化が進行して、ますます公共交通機関の役割がこれから大事になってくると思います。その大きな柱がバスだと思います。きょうの議論を通じて、私も努力したいと思いますけれども、ぜひ運輸大臣を先頭に、住民の足を守り抜くという対策を重視していただきたい、規制緩和一辺倒ではだめだということの一石を投じさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  62. 自見庄三郎

    ○自見主査 これにて春名直章君の質疑は終了いたしました。  次に、坂上富男君。
  63. 坂上富男

    坂上分科員 坂上です。冒頭、大臣にお願いを申し上げたいと思っております。  私の選挙区で新津市という町がございますが、四月からSLが出発するということで、実は国会の中でも、鉄道に大変興味を持っておる先生方から時々私は言われるんです。新津からSLが出るそうだね、乗車に行きますよというようなお話を何人ぐらいもう受けたでございましょうか。ぜひいらっしゃってください、特に国会議員の先生方、ひとつぜひともこれに乗って、また宣伝もしていただきたい、こう言っておるわけでございます。いろいろ聞いてみましたら、やはり山口県でSLを動かしまして、町おこしというようなことで大変成果が上がっておるというふうに実は聞いておるわけでございます。  この新津市というのはいわゆる鉄道の町でございまして、一時国鉄が情勢が悪くなったときでございましたでしょうか、鉄道の工場があったのでございますが、工場がなくなりまして、その後復活いたしまして、また、新津は、工場やそういうもの等、鉄道の町として徐々に今御努力がなされておりまして、町そのものが鉄道中心にして大変発展してきておる、こういう町でございます。  でございまするから、運輸省の方におかれましても、東日本の鉄道会社ではありますが、ぜひともひとついろいろの形でバックアップをお願いしたいなと冒頭申し上げておきたいと思いますが、大臣、もしお話がありましたら、よろしくどうぞ。
  64. 川崎二郎

    川崎国務大臣 実は私の地元にも、二千人の村で四、五百名がJRへ勤めておったという村がございます。そこにSLを持ってこれぬかなと御相談を受けたこともあります。  そういう意味では、そういう思いを持たれている方、多いと思います。できるだけJRにもお話しさせていただいて、側面からバックアップさせていただければ、こういうふうに思います。
  65. 坂上富男

    坂上分科員 ありがとうございました。  それでは、今度は、通告をいたしておりました整備新幹線に伴いますところの貨物ルートの点について御質問いたしたいと思うのであります。  平成九年四月十五日の衆議院運輸委員会におきまして、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案に対する附帯決議といたしまして、「整備新幹線建設に伴う並行在来線の経営分離によって、将来JR貨物の輸送ネットワークが寸断されないよう、万全の措置を講ずること。」こういう附帯決議がなされておるわけでございますが、これに関連をいたしまして質問をするわけでございます。  まず、整備新幹線建設計画が既に決定をされまして、工事が進行しつつあるようでございますが、これに伴うところの貨物のルートがどんなふうになっておるのか、貨物の確保はどんなふうになっているのか。  それから、新幹線建設が進んでおる盛岡以北の在来線は、JRから分離されまして第三セクターとなると予想されておりますが、現状はどういうふうになっているんでございましょうか。まず、この二点。
  66. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  盛岡以北、特に盛岡—八戸が先行して整備中でございますが、これが完成した暁には、第三セクター方式で、従来の並行在来線が残るということでのコンセプトで事が進んでおりますけれども、その際に、お話しの貨物鉄道についてどのような措置にするかということにつきまして、実は関係者間で鋭意検討をしている最中でございます。一つは、当然並行在来線の上を通る案、それからまた、新しくできます新幹線上を走行する案等々につきまして、そしてまた、その際の線路使用料のあり方というふうな問題につきまして、衆議院の運輸委員会の附帯決議等の趣旨も踏まえまして調整中ということでございます。
  67. 坂上富男

    坂上分科員 新幹線の建設に伴いまして、並行在来線の優等列車は新幹線に移動する。このために、貨物列車が並行在来線を走行すると仮定をした場合、第三セクターを走る列車の本数は、旅客列車よりも貨物列車の走る比率が高くなると想定を実はされるんじゃなかろうかと思うのであります。そういたしますと、路線使用料にはね返ってくるんじゃなかろうかということを気にしておるわけでございますが、この点に対する御見解はいかがですか。
  68. 小幡政人

    小幡政府委員 お話のように、今想定されます新幹線竣工後の並行在来線の運営形態として、旅客列車と貨物列車の本数については貨物列車の方が多くなるんではなかろうかと予想されております。  従来の貨物会社がJR東日本に払っております使用料より高くなってはまずいということの中で、どのようなことになるだろうかということの試算等も行っておるわけでございますけれども、実は、全体の線路の使用頻度が少なくなります。そういうことの中において、実は補修費用等も、従来の、現在の東日本が行っているときよりは低廉化の可能性もある。あるいはまた、JR東日本から第三セクターに当然施設等については譲渡されることになると思いますが、そのときの譲渡の際の整備というようなことも一つは考えられる。そういうことを考えまして、今申し上げましたような状況の中で、JR貨物について過分な負担にならないようなことがどういう形で可能かというようなことも含めて実は検討中でございます。
  69. 坂上富男

    坂上分科員 私が今危惧して指摘した点について、運輸省の方でもやはりいろいろ御配慮と検討がなされておるようでございます。  そこで、私は申し上げたいのでございますが、線路の使用料、これはぜひ国の責任において現状というものを維持していただきたいと実は思っておるわけでございます。運輸大臣、この点の考え方についてひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  70. 川崎二郎

    川崎国務大臣 先ほど局長から答弁申し上げましたように、やはり旅客の方のJRと第三セクターと貨物と十分な話し合いの中で私どもは解決すべきだろう。国が線路を持てというのは正直申し上げて無理な話ではなかろうかなと思っております。
  71. 坂上富男

    坂上分科員 これは、今言ったような経過によって、いろいろのこういう事情によって、場合によっては、優等列車が新幹線に移動する結果、自然に貨物列車が旅客列車よりも比較して使用が高くなると想定されるという前提でございます。  したがいまして、優等列車が在来線をずっと通っておって使用率が高ければ貨物列車の心配をそれほどすることはないのでございますが、優等列車が新幹線の方に走っちゃって、いわゆる貨物列車が使用率が高くなる、結果的に。そういう場合を言っておるわけでございまするから、これはやはり、運輸省の方もこれらの観点をどう考えたらいいのかということは検討していただきませんと、そうでなくとも貨物については大変経営が困難という状況も聞いておるわけでございますから、私はやはり、ただ単に使用料は国の責任でやれや、こういうだけの意味ではございませんで、これらを含めて、やはり国として対策を講じていただかなければいかない問題なんじゃなかろうかな、こういう指摘をしておるわけでございますから、再度この点に対する御認識も賜りたいと思っています。     〔主査退席、村田(吉)主査代理着席〕
  72. 小幡政人

    小幡政府委員 大臣から御答弁させていただきましたように、現在も検討中でございますけれども、その際には、当然、旅客会社、JR貨物会社それから我々も、先ほどの衆議院の運輸委員会の御決議の趣旨をいかに実現するかという視点で、それぞれがなすべきことは何だろう、できることは何だろう、それを持ち寄りながら実は前向きにそういうことができる対策検討中でございまして、先ほど私が申し上げましたのはその一端でございまして、いろいろなことを考えております。  当然、政府としても、第三セクターになります鉄道についての支援の道も現行スキームの中でもございますので、そういうものを最大限活用するとか、あるいは、旅客会社から、JR東から分離されるわけですが、その際の、先ほどちょっと触れましたけれども、譲渡に当たっての何か支援みたいなものが可能なのかどうかも含めまして、幅広く検討させていただいているということでございます。
  73. 坂上富男

    坂上分科員 ぜひ大臣の方もよろしくお願いを申し上げたいと思います。  特に、昨今環境問題、また二度にわたるオイルショックの経験を踏まえまして、将来において心配されますエネルギー問題の解決にとりまして、鉄道貨物輸送の全国ネットの維持というのは国にとってはまさに安全保障に等しい重要なことなんじゃなかろうか、私は、またこういう時代が来るんじゃなかろうか、こう実は思っておりますので、特に貨物のこういう置かれている位置というものを十分御認識をくださいまして、貨物が貨物自身自力で堂々と民営運営ができるように特段の御配慮をひとつしていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いをしたい、こう思っております。  そこで、万一第三セクターの経営が困難になったような場合、貨物ルートはどのように維持をするのか、おわかりになりましたらどうぞ。
  74. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  実は、第三セクターをせっかく用意していただいて在来線の運営をしていこうというスキームで県の方とも御相談をさせていただいている最中でございます。我々は、三セクを前提にどうしていくかというところの検討でございまして、お話しのように、一つの考え方として、仮定の議論として、遠い将来の話としてその話があるかもわかりませんけれども、申しわけございませんが、今三セクの有無ということでの前向きな議論をさせていただいている段階でございますので、我々の課題として検討をしているものではございません。
  75. 坂上富男

    坂上分科員 ぜひこの問題も頭の中に置いて対応していただかなければいかない問題だと思っておるわけでございます。  それから、いま一つ、第三セクターが災害によって輸送障害を受けた場合、JR各社と比較して復旧に時間を要するとするならば、JR貨物の荷主離れということが想定をされるわけでございます。こういうような対策はどんなふうに考えておられますか。お考えがあれば。
  76. 小幡政人

    小幡政府委員 我々、現在の制度といたしまして、これはJR各社、民鉄一律の制度でございますけれども、大規模な災害に遭われた場合には、災害復旧事業補助という制度がございます。これについて、当然第三セクターについても適用になりますので、この補助制度を使いまして、一日も早い復旧を支援するということを考えております。
  77. 坂上富男

    坂上分科員 この点、大変大事なことでございます。今の状態ですら鉄道貨物は民間のほかの企業におくれをとっておると言っても過言でないと思うものでございますが、災害などによってこれがストップするという事態になりますと、輸送機関との激しい競争の中で、JR貨物会社にとりましてはまさに死活の問題になるんだろうと思っておるわけでございます。  災害復旧に対しては、ぜひ今のレベルを下回らないように、そしてまた国としても、この点に対する具体策を頭の中に置いて講じていただきたいな、こんなふうに思っておりますが、大臣いかがでございましょうか。
  78. 川崎二郎

    川崎国務大臣 先ほどから、坂上委員、まず、JR貨物の重要性という観点から、これをしっかり育てなければならぬ、まさに私ども同じ感を持っております。  私ども、JR、特に本州内の三社については経営が順調にいっております。北海道、四国、九州、それに次いで上場できるだろうかと今必死に模索をいたしております。  ただ、貨物だけは、実は出発当初より経営状況がよくなっていない。今申し上げた六社については出発当初よりも経営状況がよくなってきている。これは私ども率直に評価したいと思っております。ただ、三島については、経営安定化基金から生じる果実が減っておるということから、少し経営状況が厳しゅうございますけれども、将来明るい展望もあると思っております。貨物については、実は逆の方向へ走ってきております。そういった意味では、まずトラックに負けないような状況もつくっていかなきゃならぬ。やはり会社の中で、まず徹底的な、いろいろな想定をしながら努力をしていかなきゃならぬだろうと思っております。しかしながら、一方で、運輸省として何ができるか十分検討してまいりたい、このように思っております。
  79. 坂上富男

    坂上分科員 新幹線の建設は、JR貨物の経営に大きな影響を及ぼすことになると思うのであります。貨物列車の輸送ルートを確保するために、ぜひとも責任を持って対策を講じていただきたいということを要請をいたしまして、この問題はこれで終わります。  さて、その次に、国鉄の長期債務に対する質問。実は、大変問題になっておりました国鉄長期債務のJR各社負担問題でございますが、これは私は、この問題が提起をされまして、運輸委員でありませんものでございまするから、文書による質問をするか、あるいは予算委員会質問をするかというようなことであったのでございますが、たまたま三回にわたりまして、この問題点を私は私のない知恵を絞りながら運輸当局に質問を続けてまいったわけでございます。  私は、憲法第二十九条、私有財産の補償、これに対する憲法違反じゃないかという大前提に立っておりまして、運輸当局にしては嫌な主張をしておるんだろうと思っておるわけでございますが、しかしまた、事は重要な憲法問題でもあるものでございまするから、これはないがしろにできない問題だ、こう思っておるわけでございます。  結果的に、三千六百億円の負担がその半分の千八百億になったというふうなことで、いわゆる国会の中では決着を見た形にはなっておりますけれども、よくよく検討してみると、まだまだ問題点が相当あるんじゃなかろうかと実は私は思っておるわけでございます。そこで、一月の十九日にいただきました答弁書、この答弁書を見ておりますと、まだまだ検討中というような回答が多いのでございます。  差し当たり、JR各社の負担金額はもう決まったんでしょうか。どういうふうになっているか、各社ごとにひとつまず明示をしていただきたいと思っています。
  80. 小幡政人

    小幡政府委員 JR各社の負担額の確定の議論ですが、一月の二十九日に負担額を確定いたしまして、この通知を各社に行っております。  それで、各社ごとに申し上げますと、実はJR旅客会社六社、貨物会社のほかに、例えば日本テレコムとかシステムとかほかの会社もございますが、七社について申し上げます。  まず、北海道旅客鉄道株式会社ですが、百十九億三千八百五十四万九千六百九十円。東日本旅客鉄道株式会社、六百九十九億三千六百八万一千八百八十二円。東海旅客鉄道株式会社、二百五億一千百八十一万五千六百二十一円。西日本旅客鉄道株式会社、四百四十二億三千三百十七万八千三百十七円。四国旅客鉄道株式会社、三十三億四千二百六十万八千六百一円。九州旅客鉄道株式会社、百二十五億二千七百二十九万七千三百三円。最後に、貨物鉄道株式会社ですが、百三十億五千八百九十二万八千百五十円。以上でございます。
  81. 坂上富男

    坂上分科員 これについては、納入といいますか、各社の態度はどうなっていますか。また、返答はいつごろを期限にされておるのでございますか。
  82. 小幡政人

    小幡政府委員 各社の対応状況を御報告させていただきますと、まずJR東海株式会社は、昨日、二月十六日でございますが、全額を一括して鉄道共済組合の方に支払ってございます。  それから、JR西日本JR北海道、JR四国、JR九州及びJR貨物の各社につきましては、三月一日に全額を一括して組合に支払う予定というふうに聞いております。  なお、JR東日本の対応については、現在のところ未定、検討中ということでございまして、近々のうちに決断をしたいというふうに聞いております。
  83. 坂上富男

    坂上分科員 いつまでに払わないと裁判を起こすんですか。裁判、起こしますか。
  84. 小幡政人

    小幡政府委員 実は、この支払い請求は鉄道共済組合の方からJR各社に行っておるわけでございますが、その支払いの最終納期は四月の六日ということでございます。  その支払いが仮になかったときに鉄道共済組合としてどうするか。聞いておりませんけれども、その判断になろうと思いますけれども、そこで支払い請求を続けるか、訴訟として裁判に訴えるかどうかは鉄道共済組合の判断でございます。
  85. 坂上富男

    坂上分科員 鉄道共済組合の判断であって、運輸省の判断はないのかどうかわかりませんが、この問題は、私は、法律家の端くれといたしまして、興味を持つというと言葉がやや深刻さに沿わない言葉になってしまいますが、憲法第二十九条の観点から見て、この法律そのものが強制力を持っているとするならば、やはり憲法違反なんじゃなかろうか、こう実は思っているわけでございます。  そこで、それを裏の方から質問してみますると、まず、清算事業団が今もって存続していた場合はこういうような負担はあったんでしょうか、なかったんでしょうか。
  86. 小幡政人

    小幡政府委員 我々、実は今の話、清算事業団が解散せずに存続したままということであればJR各社へ追加負担をさせることは憲法に違反するかどうかという御疑問でございますけれども、清算事業団の債務等の処理につきましては国鉄改革以来の課題として必ずしなければならないということで、清算事業団はその債務等の処理が実施されれば存続意義が終了するというものでございました。そういう意味で、今回債務等処理法が国会で成立して施行されたことによりまして、その債務等の処理、実施がされたということでございますので、清算事業団は解散することになったものでございます。その意味で、御指摘のような清算事業団が解散しないで存続したままJRに対し債務等処理法により負担を課すというような、そういう事例は現状ではあり得ないということで考えてございます。     〔村田(吉)主査代理退席、主査着席〕
  87. 坂上富男

    坂上分科員 そうでしょう。清算事業団がまだまだ存続しておれば、これは負担させられないわけですよ、法律上。  そこで、清算事業団というのは、いずれ、将来、解散をするということが予定されていたわけでしょう。予定されていたわけだ。予定されておる清算事業団があって、そしてこの事業団が解散をした、事情の変化が起きた。したがって、事後法、後の法律によってこれを負担して財産権の内容を変更しても憲法二十九条に違反しないんだ、これが皆さん方の主張でございますが、もう清算事業団の解散は予定をされておって、予想をされておって、いわゆるJR各社は移換金の負担をしたわけです。  したがって、もう予想されておる前提に立ってこの負担を命じて、それをきちっと履行したわけでございまするから、いかに解散をして事情が変更になったといっても、これはもう、こういう解散というものは予測をされておって移換金の負担をしたわけでございまするから、これを解散するからといって清算のための負担をさせるというのは、どうも、私は憲法第二十九条から許されないんじゃなかろうか、こういうふうに思っていますが、当局、どうですか。
  88. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  我々が申し上げている事情の変更と申しますのは、平成八年度の、例の厚生年金への共済組合の統合の際の移換金の負担の問題でございます。当時におきましては、実は清算事業団が分担することになりました移換金債務、それにつきましても、それからまた六十二年以来清算事業団が引き継いでおりますいわゆる長期債務につきましても、その時点においては最終的にどのような処理をするかということについては実は決めていなかった、こういう状態でございました。  そういうものを両方につきまして、清算事業団が負うことになりました六十二年の債務と移換金の債務というものについて、平成十年度、前国会で初めて、実は最終処理をどうするかということを決めたわけでございまして、その決めに従って、その決めが決まったことによって清算事業団が廃止されることになった、こういう事情変更があったということを我々は申し上げているわけでございます。
  89. 坂上富男

    坂上分科員 何か時間が来たようでございますが、憲法第二十九条は、第一項では財産権の保護をしておるわけでございます。第二項は、公共の福祉に適合するように法律でもって内容を定めるとしているわけです。それで、公共の必要があって財産を収用するような場合は補償をしなければならぬ、結局のところ、ダムの用地買収をされるという場合は、ちゃんと補償しなければならぬということが実は書いてあるんですね。  したがいまして、この三つの条文から見てみましても、清算事業団というのは解散を前提といたしましてされていること、それから、解散を前提として移換金の負担をJR各社がしたわけであります。したがって、もうこれ以上負担はないであろうということで負担をしたわけであります。そして、そのJR各社は、近い将来解散するであろうということは予測をされているわけであります。その予測を承知の上で解散したことをもって、事情変更があって、公共の福祉に従ってやることは決して憲法第二十九条違反でないというけれども、もう予見をされておって契約をして、この分だけ私たちが負担しますという約束をしたわけでございまするから、私は明らかにこの強制負担の法律は憲法第二十九条違反だろう、こう思っておるわけであります。  そこで、私もまた判例を勉強してみました。事後法による財産権の内容変更の合憲性ということが、たった一つだけ農地の買い戻しについて出ているんですね。これは、今問題になっているJR各社の問題と全く性格の違うところの事後法なんですね。でありまするから、国会の決議があったからもう全部合法なんだなんというのはとんでもないことでございまして、私はやはり、この成立したJR各社負担の規定というものは、あくまでも任意に払っていただくなら結構だけれども、強制力というのはどうしても憲法第二十九条から見てみると出てこない法律なんじゃなかろうか、こう実は思っておるわけでございます。  したがいまして、私は運輸当局にも要請をしたいと思います。また、私は法律家の端くれといたしまして、この問題が裁判になって完全に憲法第二十九条に違反するかどうかということが多分争点になると思いますものですから、法律的には極めて興味のある問題ではあるんでございますが、興味ということによってやられる問題でもありませんものでございまするから、どうぞひとつ運輸当局の方におかれても、いま少し御検討をいただきまして、強制的にとるというわけにはいかないのがこの憲法上の制約なんじゃなかろうか、私はこう思っておりまするので、特に御配慮賜りますことも要請をいたしまして、何か時間が参ったそうでございますから御答弁結構でございますが、御指摘だけ申し上げまして、御検討賜ることもお願いをして、質問を終わりたいと思います。  以上です。
  90. 自見庄三郎

    ○自見主査 これにて坂上富男君の質疑は終了いたしました。  次に、遠藤和良君。
  91. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 私は、飛行場の話と鉄道の話、二つ聞きたいと思います。  徳島に飛行場があるんですが、これの滑走路を二千メートルから二千五百メートルにするという整備計画がございます。この工事はいつから始まって、供用はいつから開始されるのか、また、二千五百メートルになりますと、どんなメリットがあるのか、お答え願いたいと思います。
  92. 岩村敬

    ○岩村政府委員 徳島の飛行場でございますが、飛行場は防衛庁、具体的には海上自衛隊でございますが、設置管理をしている飛行場でございまして、そこに民間航空機が現在乗り入れておる、いわゆる共用飛行場でございます。  今先生の方から御指摘がありました滑走路の延長の工事でございますが、二千メートルの滑走路を二千五百メートルに延長するということで、平成九年度に延長事業予算を計上いたしたところでございます。  その後、現在、国と県共同で飛行場拡張事業と、それから、実はこれとあわせて周辺整備事業というのを県が進めておるわけでございますが、その二つについての環境影響評価の手続を今進めておるところでございます。めどといたしましては、十一年度末ということで今鋭意作業を進めておるところでございます。この環境影響評価の手続が終わりました後、公有水面埋立法に基づきます埋立免許の取得、それから、その際には関係漁業者の同意というものが必要となります。  こういった手続をいたしまして、この手続がどういうふうに進むかということが完成の時期とも大きくかかわってくるわけでございますが、おおむね十七年度。と申しますのは、先ほど申し上げたような手続が十二年度中に終わるということを仮定して、その後、工事に入って五年間ぐらいを予定いたしておりますので、手続が順調に進めば十七年度ぐらいには完成するのではないか、そんな見通しを持っておるところでございます。
  93. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 平成十七年というのは二〇〇五年完成ということですが、メリットはどういうのがあるのかと聞きましたのですが、できてしまうと、今度ジェットの就航が可能になる、大型機の就航が可能になる、こういうことですか。
  94. 岩村敬

    ○岩村政府委員 申しわけございませんでした、効果をちょっとお答えするのを忘れました。  現在二千メートルということでございますので、定員が二百五十名から三百名ぐらいのいわゆる中型ジェット機、A300であるとかボーイング767型機、こういったものが就航しているわけでございますが、二千五百メートルに延長されることによりまして、定員が三百五十名を超えるような大型ジェット機、例えばボーイング777またはボーイング747、こういう大型のジェット機の就航が可能になる、その結果といたしまして輸送力の増強が可能になる、そういうことでございます。
  95. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 将来の話はよくわかりました。  現在の話でございますけれども、最近、東京—徳島便が一便減りました。この理由が余りよくわからないんですけれども、東京—徳島のお客の数は毎年ふえているわけですね。例えば、平成五年は五十八万二千人から始まりまして、毎年ふえて、九年には七十七万五千人と、ずっと増加傾向にあるわけですが、こういうときに何で一便減ったのか、この理由を聞きたいと思います。
  96. 岩村敬

    ○岩村政府委員 先生御指摘のとおり、本年の一月から、これまで東京—徳島便、七便ございましたが、一便減便となっております。  この理由でございますが、この便を運行いたしておりました日本エアシステムが、実はこの便と同一機材で伊丹と徳島の便を運行しておったわけでございますが、伊丹—徳島の便につきまして、明石海峡を利用しました高速バスの影響によってお客様が減ってしまったということで、この便が運休になりました。それに伴って、機材の関係で東京—徳島便も一月から減便になった、そのように聞いておるところでございます。
  97. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 機材の調達がつかないというのは、すぐれて会社の事情ですよね。そうすると、ほかの会社の便をふやすということは当然考えられるわけですね。こうした考え方で今交渉をされているんでしょうか、この辺を聞きたいと思います。
  98. 岩村敬

    ○岩村政府委員 実は、東京—徳島線につきましては、先ほどのエアシステムのほかに全日本空輸株式会社の便がもう一便ございます。その便をふやすかふやさないかというお話につきましては、結局、増便につきましては、基本的には航空会社の経営判断というものを尊重してやっております。  ただ、先生御指摘のように、地域の利便性の向上という面からは便が多い方が非常によろしい、そういう御指摘、よく理解できるわけでございますが、実は、徳島と結んでおります羽田の方、これが、空港容量が非常にタイトになっておりまして、増便について種々難しい問題があります。そういった点もぜひ御理解を賜りたいと思います。  いずれにいたしましても、そういう地域からの要請、これは我々も伺っておりますし、先生からの今の御指摘もありましたので、そういったことについて航空会社の方にもお話をしておるところでございます。
  99. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 徳島の住民の立場から申し上げますと、七便ありました、それは羽田の枠も七つあったということですよね。ですから、それが一つ減るということは、会社の都合で減っているわけですから、この際、ダブルトラッキングしているわけですから、他社が一便ふやすという形で、乗降客もふえているわけですから、ぜひ対応していただきたい。地元の知事さんも大変熱心に取り組んでいるわけですけれども、運輸省としてもぜひ関心を持っていただきまして、ANA便が一便ふえて、これが今は二便になっているんですか。三便になるんですね、ANA便が。そういうふうな方向でぜひお取り組みをお願いしたい、こう思います。  もう一点お願いしたい便があるんです。  それは関空便なんですが、海上のアクセスしかないんですね。徳島からやはり航空路線として関空にアクセスする便をぜひ欲しいという声がたくさんあります。これは、例えば小型機でも結構なんですが、その就航の見通しをぜひ明らかにしていただきたい。  この二点について重ねて答弁してください。
  100. 岩村敬

    ○岩村政府委員 第一点の増便の件については、そういう強い御要望が地域からあることを十分踏まえた上で取り組みをしてまいりたいと思います。  第二点目の関空と徳島の間の便でございますが、これも一義的には、国内路線路線設定は航空会社の経営判断で、それを我々は尊重しておるわけでございます。ただ、この関空便につきましては、今県の方でも、どういう大きさの飛行機を使ったらいいかとか、そういったことでいろいろ研究をされておる、そのように伺っておるところでございます。
  101. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 では、飛行機の話はこれまでにしまして、鉄道の話に入りたいと思います。  JR四国の経営が心配なんです。と申しますのは、昨年、高知で大規模な水害がありまして、繁藤地区の方で鉄道が決壊しました。この復旧工事に大変な費用がかかりました。JR四国が負担した額が六億五千万円ぐらいだというふうに聞いているわけですね。さらに、国鉄の長期債務のうち、要するに年金負担分としてJR四国が支払うと予定されている額、先ほども話が出ました三十三億円程度ですね。これを合わせますと大体四十億程度になりますか、今度は一括払いということでございますから、それが直ちに現在の経営に影響があると私は思います。  一括払いにするか分割払いにするかということをいろいろ議論したようですけれども、一括払いにした主な理由は、長期債務の支払いに当たって、請求書が来る前から、法律ができたときから金利がついている、こういう性格がありまして、金利負担分というものも考えますと、一括にした方が経営上軽いもので済むのではないかという判断も会社にあったようですね。  そういうことを考え合わせますと、大体年間のJR四国の経営の規模というのは、例えば平成九年度で申し上げますと、営業収益が四百八十億円、それから営業費が五百六十六億円で、八十五億円の赤のところを、ただいまも話があるように、安定基金で八十億円の果実を得ている。あるいは、そのほか営業外収益とか営業外費用等で少し戻しまして、経常利益を一億円上げている。こういうふうな細々とした経営なんですね。ですから、その中で四十億円という費用負担が出ますと直ちに経営に影響がある、私はこのように認識をするわけですが、運輸省としてはどう思っていますか。
  102. 小幡政人

    小幡政府委員 先ほどお話しの水害によります復旧費、それから移換金の負担といったことによりまして、JR四国の平成十三年度までに上場したいという、可能となるような経営状況というものに持っていきたいという目標がございますが、これの実現に影響を与えることは否めないことと我々は認識しております。  そういうことで、従前からの措置でございます経営安定基金の運用益の確保あるいは税財政措置の支援措置というものに加えまして、本年度新たに鉄道建設公団からの無利子貸付制度を創設して対応させていただきたいというふうに考えております。
  103. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 JR四国の経営の見通しが明るくないということは、国鉄民営化する当時からわかっていた話なんですね。  私も、十数年前になりますが、当時の国鉄改革特別委員でして、いろいろな議論をさせていただきました。そのときにたしか、経営安定基金をつくったわけですが、その金利の見通しは、当時は七・三%ぐらいの、十年間ぐらいはいわゆる結果的に固定金利を保証したわけですね。ところが、今は金利が下がっていますから、実際に運用された金利はトータルで三・六%ぐらいだと伺っております。ですから、この差を何とか補てんするということをしないと、構造的にやはり経営が安定しないのではないか、こう思います。  ですから、十年前に見通したのが間違っていた、十年後のことを見通すのはなかなか難しいのはよくわかるんですけれども、そういう机の上の計算で成り立っている会社ですから、それをやはり何らかの形で補てんしてあげる工夫をするというのは国として責務ではないか、こう思いますが、どうでしょう。
  104. 川崎二郎

    川崎国務大臣 御指摘のように、昭和六十二年にスタートしたときに、基金の運用益、百五十一億出ております。対して、営業損益、当時マイナス百四十九億。それがちょうどひっくり返ったような数字になっておりまして、営業損益は、営業努力の結果、九年がマイナス八十五億、逆に基金運用益が八十一億、先ほどの御指摘のとおりでございます。  そういう意味からすると、基金運用の益が今極めて低い、ここを何とかカバーしなければならぬなという見地から、私ども、先ほどお話しさせていただきましたように、無利子融資というものを実施させていただいた。それプラス税制面で何ができるか、ある程度の支援をやらせていただいているところでございます。  いずれにせよ、営業損益というものが良化の傾向でずっと走っておるということが一番いい話ではなかろうかと思っております。社長を先頭に努力をいただいておりますけれども、一層御努力いただくとともに、今申し上げたような形での御支援をさせていただいているところで、また、遠藤先生御指摘の中で、また足らないものがあればもうちょっと考えろというお話でしょうけれども、十分勉強はしてまいりたいと思っております。
  105. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 運輸大臣、実は経営安定基金は総額で今二千八十二億円あるんですね。そのうちほぼ一千二百億円については、運輸省の計らいで、運輸施設整備事業団に対して四・九九%で貸し付けているということですね。だから、少し民間の金利より高目に誘導しまして、それは政府でお世話をして貸している。これで少し、三・九%の全体の金利の保証ができているわけですが、私が申し上げているのは、できれば、この二千八十二億円のうちの一千二百億円じゃなくて、二千八十二億円丸々、本当は七・三%を保証すべきなんですが、これはJR三社の負担にかかわる話ですから、四・九九%で運用することを政府が主導してできないものか、こういうふうなお話でございます。いかがでしょう。
  106. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  大臣からお答え申し上げましたように、我々、先ほどの先生お話しのような、低金利の中で運用益がなかなか果実として生じてこない、それからまた、水害の費用がかさんだ、あるいは追加の移換金負担が入ったという状況の中で、四国会社が考えております平成十三年度の上場というものに支障がないようにという意味で、今回、税制措置に加えまして、先ほどの無利子貸付制度を導入したということでございます。これをもってすれば、十三年度に向けて会社の努力を継続していただければ、どうにか十三年度上場は可能だろうということで措置させていただいておりますので、大臣申し上げましたように、今後の推移を見まして、さらに加えての必要性が生じたというようなときには検討させていただきたいと思っております。
  107. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 無利子融資というのは長期的な構造改革には資さないんですね、短期ではいいんですけれども。私は、長期的な構造改革の、要するに経営構造を改革するという意味ではもう少し工夫をした取り組みをしてあげないと、もともと国鉄JRにしたときの見込みは、経営安定基金で何とか賄いなさいよ、そういう話であって、今も大臣から話があったけれども、六十二年度のときは果実が百五十一億円あった、ところが九年度では八十一億円になっている。ですから、約半分に減っているわけですね、果実が。それを何とか経営努力によって経常利益が、わずか一億円ですけれども黒字に出るような工夫をしているわけで、精いっぱいの努力をしているわけですね。  そこへ持ってきて、いろいろと会社の考えていなかった経費が必要になってきたわけでしょう。これは年金の負担分を召し上げられたという形になります。私は、この召し上げ方については反対なんですけれども、結果的にそうなります。それから、災害の復旧ということがありました。ですから、構造的な問題として、今後も当初予定していた金利を補てんすると申しますか、その辺のことは国として知恵を出していくべきではないのかと重ねて思っております。  それから、今お話がありました鉄建公団の無利子融資ですけれども、これは八十二億円ですか、そういうふうに伺っていますが、新たな設備投資に使う、使用目的を限定しておりますね。ですから、経営の構造改善には直接結びつかないのではないかと思いますが、どうでしょう。
  108. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  鉄道建設公団からの無利子貸付制度でございますが、これは、設備投資の資金は当然でございますが、これに加えまして、会社の財務体質を強化する意味で、早期退職制度に基づく退職支払い資金につきましても貸し付けるということにしております。  ただ、条件が異なっておりまして、設備投資につきましては、貸付期間二十年、十年据え置き十年均等償還という長期物にしてございますが、退職支払い資金につきましては、貸付期間五年ということで考えております。
  109. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 それから、ただいま平成十三年に株式上場の話がありましたけれども、この経営安定基金というものを会計処理上どう位置づけるかという問題があるんですね。ですから、こういう形で、これは単に資産であるというふうな位置づけになるのか、それとも別の意味合いで位置づけるのかによって、上場の妨げになるのではないかという心配をしておるわけでございます。要するに、普通の民間の会社として同じレベルで上場できるのかどうか。この辺について、経営安定基金を持っているということ自体、そして経営安定基金で経営をしているということ、このことが上場の妨げにはならない、こう断言できますか。
  110. 川崎二郎

    川崎国務大臣 御指摘のように内部資産と考えておりますので、そういう問題が上場するときに支障になるとは考えておりません。  問題は経営の問題でありますから、十三年を目指して四国が頑張る、その中で、もし遠藤先生御指摘のように追加の措置が必要ではないかということになれば、運輸省もしっかり勉強してまいりたい、このように思っております。
  111. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 それから、大臣、ぜひ理解してほしいんですが、四国は瀬戸大橋で本州とつながりました。しかし、鉄道は岡山から茶屋町というところが実は単線なんですよ、昔からある宇野線の部分ですけれども。ですから、単線で四国の四県全部ネットワークがあるわけですね。  私もしばしば使うんですけれども、特急が走っているんですが、特急が、行き違いのために、停車する予定じゃない駅にとまって相手方の特急が通るのを待っている、列車が通るのを待っている、こういう状況があるわけでございます。これはやはり、四国に入る入り口のところでございまして、出口でもあるんですけれども、ここのところは少なくとも複線化すべきだ、こう思います。  この運動は、最初から、瀬戸大橋ができるころから議論があった話ですけれども、いまだに実現しておりません。これを早急に複線化の方向で、JR西日本JR四国、それから岡山県、四国四県が該当すると思うんですけれども、会議を開いていただいて、早急に実現する方向で喚起していただきたい、こう思いますが、どうでしょう。
  112. 川崎二郎

    川崎国務大臣 先ほどからお話ししている問題のほかに、実は二つ問題点があると思っております。  一つは、今、四国は高速道路網建設が続いております。したがって、自動車との競争がこれから激しくなってくるな、これに負けないような努力をしなければならぬだろう。  もう一つは、今御指摘いただいた宇野線の問題が大きな問題としてある。これは十分承知いたしておりますし、私どもも検討いたしているところでございます。
  113. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 自動車との競争ということもあるんですけれども、私は、高齢化社会というものを考えてみると、やはり自動車というのは、高齢の方には直接運転ができなくなってしまうという心配がありますね。鉄道をきちっとネットワークで張るということは、高齢化社会に対する社会資本として大変大事な観点だと思います。四国は大変基盤が整備されておりませんので、まだ複線化率も低いし、あるいは電化率も大変低いんですね。これはきちっと整備をしていくということが大切だと思います。  それから、例えば短絡新線の話もあります。池田—川之江間を短絡して新線を引きたい、それをすることによって大変便利になる、しかしお金がなかなか集まらない、こういう話があります。  私はこの機会にぜひ検討していただきたいのは、特定の地方幹線を緊急に整備する事業、こういうものを創設する、あるいは地方の新線を建設する制度、こういうものを創設していただきまして、これは国が助成をしていただきたいという気持ちもあるわけでございますが、新幹線の整備ばかりじゃなくて、地方の幹線の整備をぜひやってもらいたい、こう思いますが、どうでしょう。
  114. 川崎二郎

    川崎国務大臣 国鉄長期債務を御審議いただいたときも、次の課題として在来線の整備というものをどう考えているんだと、今まさに言われましたとおり、新幹線は新幹線の議論、在来線というものをどう考えているかと、今、運輸審議会の方で議論をいただいております。私の方も諮問もさせていただきました。  そういう諮問をさせていただくと同時に、技術的な開発も進めなければならぬ。今、御承知のとおりフリーゲージトレーン、私ども、この問題についても十分調査を進め、また実験を進めさせていただいているところでございます。  そういった意味では、在来線をどう活用していくかという問題と、科学技術というものをもう少し発展させていく、ここが大事であろうと私ども思っております。
  115. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 池田から川之江の話をいたしました。これは、徳島県の知事が運輸省出身ということもあるでしょうけれども、大変関心を持って、四国の知事会でも議論がされております。ぜひこの線をつくるという——短い距離です。ここをつくることによって四国の四県都が本当にスピードアップされるわけです。  ただ、新線ですから、今のJR四国に負担は大変難しいわけですから、ただいまもお話ししましたように、地方の幹線の整備をするという制度あるいは機構、そういうものをつくっていただいて、その中でこの新線建設について、ぜひ着工の方向で検討していただきたい。これはぜひ、大臣にちょっと、もうその話を聞いているかどうかということも確認をしたいんです。
  116. 川崎二郎

    川崎国務大臣 今、初めて御陳情いただきましたので、頭の中へしっかり入れておきます。
  117. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 局長はお聞きになっていますよね。
  118. 小幡政人

    小幡政府委員 先輩たる圓藤知事から、再三再四、中身を伺っております。
  119. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 それで、JR四国が、昨年でございましたか、四国の四つの県都、高松、徳島、高知、松山ですけれども、そこから特急寝台列車を出しますということを会見で話されました。私、十数年前のあの国鉄改革特別委員会のときにも、当時は中曽根総理で橋本運輸大臣でしたかね、この構想を話をさせていただきました。それはぜひ瀬戸大橋が完成をした後検討する課題にしたいというふうな答弁があったように記憶しているわけです。  今でも特急寝台瀬戸というのがあるんですけれども、それは出雲に行く寝台と一緒に東京駅を出ています。私も先日乗ってきました。それが途中から分かれていって、岡山から分かれるんでしょうか。それと同じ理屈で、今度は岡山から四国の四県に枝分かれしていく、そういうふうなことも考えられるわけです。今度は、東京へ行くときは、逆にみんなが岡山まで集まってきて一列縦隊で行くというふうに考えられるわけです。そうすると、四国の各県庁所在地から東京行きのダイヤが組めるわけですね。  鉄道は必ずつながっているというのは頭でわかるんですけれども、駅のダイヤの中に東京行きというのが入ると、すごくこれは四国の人たちにとっては本当に身近な交通機関になるわけです。バスとかいろいろあるわけですけれども、やはり鉄道というものは安全ですし、それから夜ゆっくり休んで行けるわけですから、四国四県からブルートレインを東京に直行させるというJR四国の発表に対して理解を示していただきまして、これは今度の三月のダイヤ改正というわけにはいかないでしょうけれども、少なくとも二十一世紀の早い段階で実現するようにいろいろ考えていただきたい、こう思いますが、どうでしょう。
  120. 小幡政人

    小幡政府委員 お客さんの需要に応じていろいろな工夫を各社考えているところでございますけれども、その中で、我々行政といたしましても支援、協力できることがあれば積極的に対応させていただきたいと思っております。
  121. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 終わります。ありがとうございました。
  122. 自見庄三郎

    ○自見主査 これにて遠藤和良君の質疑は終了いたしました。  次に、寺前巖君。
  123. 寺前巖

    寺前分科員 去年の五月八日に、運輸委員会で自動車の販売をめぐる不正問題を取り上げました。そのときの経過がございますので、委員長、そのときに使わせていただいた資料がありますので、ちょっと大臣にお渡ししておこうと思うんです。別に直接これを質問しようというわけじゃございません。経過があるだけにお渡ししておこう、こう思っておりますので、よろしくお願いします。     〔主査退席、村田(吉)主査代理着席〕
  124. 村田吉隆

    村田(吉)主査代理 はい、どうぞ。
  125. 寺前巖

    寺前分科員 そのときの内容というのは、主として三点あるわけなんです。自動車販売業者が購入者に対して、一番、販売諸費用を明記せず一括徴収するというやり方をしておるのは問題じゃないか、第二番目に、行政書士まがいの徴収方法をやっているんじゃないか、三つ目に、自動車関係諸税の詐欺的徴収を行っている疑いがある、こういう問題を具体的な資料を提示して質問をしたものです。  当時の運輸大臣と技術安全部長さんには、調査をするとか必要な措置を講じますという御答弁をいただいているんですが、その後どういうことになっているのか、御説明をいただきたいと思います。
  126. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 御説明申し上げます。  昨年五月八日の運輸委員会において先生から御質問がございました今の三つの類型についての、まず調査の面でございますが、最初の販売ディーラーの一括徴収の件が二点ございました。これにつきましては、かいつまんで申しますと、新人の営業マンが明細を省略して一括請求したという事案であることがわかりました。それにつきましては、その後注文書作成をコンピューター処理するとかという改善策がなされたという調査でございます。  二つ目の附帯費用の徴収の件でございますが、行政書士の費用を徴収して行政書士まがいの事業をしたのではないかという御指摘が二点ございまして、この調査の結果でございますが、行政書士に依頼をその件はされたようでございまして、預かり行政書士料というふうに表示をするのが適切ではなかったか、預かり料だと表示するのが適切ではなかったかという事案でございました。  三つ目は、税金を過大徴収して、判明した後返却しなかったのではないかということでございます。そのような事例が二つございまして、現実に、一点目はチェック漏れで返還を行わなかったわけでございますが、この件についてはその後和解がなされたと聞いております。もう一つは、過大徴収でございました事実はそのとおりでございますが、ユーザー値引きという形で説明をされたということでございますが、いずれにしても、税金を販売の段階で過大徴収するということは非常に不適切な行為であったというふうに認識しております。
  127. 寺前巖

    寺前分科員 調査していただいた結果に対していろいろな対応もされたし、通達その他お出しになったし、自販連を通じていろいろな指示もまたしておられるということは聞きました。  それで、私はその調査をされた文書を見たときに気になりました。何が気になったかというと、こういうふうに書いてあるんです。今もおっしゃいました。会社として販売諸費用明細を記載するよう指導してきたが新人営業マンが一括表示したものだとか、営業マンが行政書士料と表示したものとかというふうに、個々人の責任になっているんです。ところが、年間新しい登録をするというのは四百万台からあるところの自動車のことでございますので、新人の営業マンのちょっとしたミスがたまたま私のところへ来た、そういう措置だけでいいんだろうか。  自販連というのは、トヨタとか日産、本田を初め自動車メーカーの系列販売店などで組織している公益法人で、九七年の自販連会員名簿を見ると、支部が五十三支部あり、支部別ディーラー会員は二千百七十七社で、このほか賛助会員として日本自動車輸入組合の名も出ている。  ところで、提起したところの事例の会社を見ると、六つ出しましたけれども、三社の会長、社長は、自販連常務理事で系列販売店協会の会長に就任しているとか、自販連岐阜支部長とか、長野県自動車販売店協会会長などの要職を占められているところの会社で起こっている話であるだけに、新人のたまたまの事故として、そういう見方でいいんだろうか、私はそういう点で組織的な活動として注目を払う必要があるんじゃないかというふうに実は感じているところなんです。  そこで、私は、きょうは組織的に適切でない自販連の活動があるんじゃないかという問題について新しく聞きたい、こう思っているところなんです。  今、大臣にも去年使った資料をお渡ししていますが、その資料の中に出てくるわけですが、こういうような項目があるんです。代行センター利用料というのを出しなさい。ところが、一括して書いてあるために、赤丸をつけておきました、それは一体何ぼやわからぬということについて調査をしてくださっているわけですが、一体代行センター利用料というのは何を指しているんだろうか、御説明いただけますか。
  128. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 代行センター利用料と申しますのは、新車なりを販売されますときに、検査登録手続代行費用として一括して請け負うケースがあるわけでございます。現実に登録をしますときには、ディーラーが請け負った手続を登録代行センターというところに委託をいたしまして登録をするということが数多く行われております。その代行センターに委託する費用が代行センター利用料というふうになっておるものと承知しております。
  129. 寺前巖

    寺前分科員 登録代行センターの業務は、今お話がありましたように、自販連支部によって、行政書士料と書いてあるところもありますし、代行料と書いてあるところもあります。いろいろ調べてみました。  登録代行センター利用料というのは、それでは、この費用は一体、ユーザーから徴収して、それでだれが納めているんですか。
  130. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 ユーザーが登録されますときは、みずから申請されましたりすることもあるわけでございますが、数多くはディーラーに任せられて登録されることがございます。そのときにディーラーに登録代行手数料ということで一括して支払われるケースが多くございます。  そのうち、ディーラーが請け負いました登録代行業務の最後の陸運支局に登録する手続の代行を代行センターに行わせ、委託するということでございますので、代行センター利用料は、最終段階では、ユーザーからいただいたお金をディーラーが代行センターに支払われているというふうに承知しております。
  131. 寺前巖

    寺前分科員 先ほどから、ディーラーはユーザーから登録代行センター利用名目で、代行センターというのを自販連の支部ごとにそれぞれ持っているので、料金を徴収していると。  この料金は登録代行センターに納めるものと思っていたところが、自販連の内部資料を見ると、料金の一部がディーラーに還流しているという事実は知っておられますか。
  132. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 存じておりません。(寺前分科員「知らない」と呼ぶ)知りません。
  133. 寺前巖

    寺前分科員 それでは、ちょっと資料を配付させてもらいたいと思うんです。  これは自販連の内部資料です。各支部ごとの登録代行センターがあって、それで新車・中古車新規、移転・変更、抹消、継続検査などなどの登録にかかわる料金表であります。支部によっては行政書士料とも代行料とも書いているというのは、上の方に書いてあることを読んでいただいたらわかると思います。  例えば、今お配りしました表の札幌の登録代行センターの欄を見ていただきたいと思うんです。新車新規ないし中古車新規の登録をする場合、センター利用料金は千五百円をユーザーから取るわけです。ところが、その内訳は、行政書士に支払う料金は百円なんです。センター分が九百七十二円なんです。ディーラーの取り分が四百二十八円となっている。資料の太枠がディーラーの取り分、還流分なんです。  ディーラーへの還流は、登録代行センター五十三支部中、そこに書いてあるのを見ると二十六支部になっているわけなんです。ここに非常に内部的に明確に還流しているということがわかるわけなんです。ところが、ユーザーの方は、自分が納めている金でちゃんとうまいことやってくれているんだというだけであって、これがこのように使われているということになってくると、ちょっと話は違うなということになる。  この前の指導では、一つずつについて明確にわかるようにしようじゃないかというのが長年にわたっての運輸省の指導であったし、改めて個別の問題についても調べさせていただきましょうということになって、先ほどのようなことになったと思うんです。ところが、自販連内部の中において組織的にこのようなことになっているということになると、これは新人だからというわけにはいかない性格になってくる。私は、改めて自販連の活動のあり方について見直しをやる必要があるというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  134. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 今いただきました資料を拝見しておりますが、一番左の手数料の額は、私どもの把握しておる額でございます。例えば、札幌千五百円という額でございます。それに、こういう内訳がある資料は正直言いまして初めて拝見いたしましたが、こういう資料は、もちろん新人の営業マンがつくるようなたぐいの資料じゃないと思います。  ただ、今拝見いたしましたので、至急調査をいたしたいと思います。
  135. 寺前巖

    寺前分科員 それで、私は改めて、新車の新規の登録は何台あるんだろう、四百四十万台ある。中古車の新規が約八万四千台ある。大きな金額になると思うんです。一台に対してこのようなお金を取るんですから、それぞれのところで一体どれだけの登録をやっているんだろうか。その数を掛けてみたら、平成五年で八億六千四百万円、平成六年で八億六千五百万円、平成七年で八億九千三百万円、平成八年で九億二千九百万円、平成九年で八億九千三百万円という数字になってくるわけなんです。最近の五年間だけでも約四十四億四千万円強という数字になるわけなんです。  この額が、センター利用名目でユーザーから徴収している、ディーラーにキックバックした金額がこうなるんだ。この還流金は、ユーザーとの間で締結している注文書や契約書に表示されていない金額なんだ。ユーザーにしてみたら、詐欺的にお金を取られているのかなという気持ちになるのじゃないか。  今、調査をしてみるとおっしゃっていますから、きちんと調査をして、そのあるべき姿の改善お願いしたいと思うんですが、私は改めて国税庁に聞きたいと思うんです。  このディーラーが会員となって組織している自販連の本部及び支部には会費制度があるんです。本部の会費は、各ディーラーの均等割、定額制が八千円、大型車一台百八十円、中小型車一台百円、一台当たりの登録台数を掛けた金額が会費になっているんです。この会費が還流金をもって相殺されている支部もあると聞いております。この還流金は注文書、契約書の表に出ない所得なんだから、水面下の所得ということになっているわけです。当然法人税の課税の対象になってくる問題だろうと思うんですが、国税庁にお聞きしたい。  きょうの新聞にも載っていましたが、昨年の五月の連休後約一カ月間、自販連本部に対して税務調査を行ったと聞いているんです。また、福岡、愛知、神奈川、東京、千葉、埼玉、茨城、福島など十四支部に対しても税務調査が入ったと聞いている。私は、そういう税務調査の場合に、この問題についてはどういう関心を持って見られたのか、御説明をいただきたいと思うんです。
  136. 森田好則

    ○森田(好)政府委員 お答えいたします。  御指摘のようなマスコミ報道があったことは承知いたしております。ただ、ただいまのお尋ねの件は、個別の事柄にかかわる問題でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。  ただ、一般論として申し上げますと、国税当局としましては、常に納税者の適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じまして、課税上有効な資料、情報の収集に努めております。これらの資料と納税者から提出されました申告書などを総合検討し、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うなどにより、適正な課税に努めているところであります。  今後とも、こういう考え方に基づきまして、適時適切に対処してまいりたいと思っております。
  137. 寺前巖

    寺前分科員 運輸省に聞きましたら、知らなかった。去年、税務調査をおやりになった。知っておったら、運輸省の所管の登録税にかかわるところの問題であるから、運輸省に連絡があってしかるべき話だと私は思うんです。ということは、国税もそこまで気づかなかったのか、私はそういう問題にもこれは関連する問題だ。改めて国税庁もこの問題について調査をやってくれますか。
  138. 森田好則

    ○森田(好)政府委員 先ほども申し上げましたように、個別の事柄について答弁することは差し控えさせていただきたいと思います。  繰り返しになりますが、一般論として申し上げますと、国税当局としては、常に納税者の適正な課税を実現するという観点から、国会において議論された事柄や新聞あるいはマスコミ等において報道された事柄も含めまして、あらゆる角度から課税上有効な資料、情報の収集に努め、課税上問題があると認められる場合には、実地調査を行うなどにより適正な課税に努めているところであります。  今後とも、このような考え方に基づき、適時適切にやっていきたいと思っております。
  139. 寺前巖

    寺前分科員 一般論的に適正な調査をやりますというだけじゃないんです。その問題について適正な調査をやっていると、私は運輸省の報告を聞いて、やっていないなと感じたんです。  とするならば、改めて調査をやってくださいよと問題提起したんだから、改めて調査をしますと答えて、それこそ一般論で言われたことの答えになるんじゃないでしょうか。胸を張って改めて調査をしてみますと言うてしかるべきじゃないんでしょうか。どうですか。
  140. 森田好則

    ○森田(好)政府委員 先ほどの繰り返しになるかわかりませんが、個別の事柄について答弁することは私ども差し控えさせていただきたいということを御理解いただきたいと思います。  また繰り返しでありますが、一般論としては、あらゆる機会で情報を集めまして、課税上問題があると認められる場合には、実地調査を行うなどにより適正な課税に努めているところであり、今後ともそのようにやっていきたいと考えております。
  141. 寺前巖

    寺前分科員 大臣に細かいことを言うたようですけれども、内容は四百万台以上にわたるところの、国民の大部分の人が実は自販連を通じてこういう渦中に置かれているだけに、私はこれは大事な問題としてよく注意を払っていただきたいということで問題を提起させていただいているところなんです。  きょうの新聞を見ておりましても、税務調査を受けて、少なくとも六億円の申告漏れが見つかったという報道がなされていました。運輸省令などによって、自販連は主務大臣である運輸大臣に毎事業年度の予算や決算を提出することになっているんですから、これは運輸大臣の所管の大事な仕事なんです。  自販連から運輸省に対して申告漏れの報告がされたのかどうか。そのことと同時に、改めて自販連としてメスを入れなければならない問題点として提起が今までになされているのかどうか。税務調査があったこの機会に、改めて自販連の方からそういう問題があったということを言ってきているのか。あるいは、運輸省の側からほかに問題はないのかと組織的に問題を提起されたことがあるのか。私は本当にそういう点、パイプがきちっと、意思が統一するようにあってほしい。  一体どういうことになっていますか。自販連から報告があったんですか。税務調査を受けて、こうこうこういうことが起こっていますね、ここをこう改善しましょうというような内容の報告がありましたか。それとも、プラスしてこういう問題もありますので、御指導をという問題もあったんですか。そこはどうなんですか。
  142. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 自販連は運輸大臣と通産大臣の共管の公益法人でございますが、現在まで税務調査の結果についての報告は受けておりません。  なお、今御指摘のありました問題では、ユーザーとディーラーの表示の関係、それから、今還付金のような形で資料をお示しになりましたが、ディーラーと自販連という公益法人に対する問題があると思います。両方とも運輸省の課題だと思っておりますが、自販連の体制につきましては、この税務調査報道がございましたので……。  なお、収支決算は運輸大臣にも報告することになっておりますが、昨年の収支決算は暦年でございますので、暦年が終わった後三カ月以内ということになりますので、制度的にはこの三月中には出さなければいかぬ調査書であるものでございます。いずれにしましても、そんな時点には出てくるわけでございますが、きょうの御質問をきっかけに調査を開始したいと思います。
  143. 寺前巖

    寺前分科員 この間、自販連の役員さんというのはどういう人がなっているんだろうかというのをちょっと調べてみました。何と、自販連の本部の理事さんに運輸省におられた方が一人おられるんです、私がちょっと見ただけで。各支部には三十五人、ずっと名前が出てくるんです。私は、運輸省出身者をこういうふうに天下りをさせていて、そしてこんなことが起こっているとするならば、これは運輸省にとってもやはりゆゆしき問題だなということをつくづく感ずる一人です。  自販連の倫理綱領というのがありますので、それを読んでみました。我々自動車販売事業者は、企業責任を認識し、ここに業務遂行上の指針とする倫理綱領を決めるとしておる。社会の発展と福祉の増進に寄与すること、社会的な地位を向上するため、諸法令を遵守する、販売秩序を維持する、顧客に適切な商品、サービス及び情報を提供することなどが明記されているわけです。  私は、天下りをしている運輸省の諸君がおるし、運輸省所管法律でこんなことが起こっているということは、本当にこれでも政府ありというふうに語れるんだろうかということを強く感ずるわけなんです。  運輸大臣の御見解を聞いて終わらせていただきたいと思います。
  144. 川崎二郎

    川崎国務大臣 税の話は、私もきょう知ったところでございます。既に調査を命じました。また、きょうお話しいただいたことも含めて、事実関係をしっかり調査させます。
  145. 寺前巖

    寺前分科員 ありがとうございました。
  146. 村田吉隆

    村田(吉)主査代理 これにて寺前巖君の質疑は終了いたしました。  次に、宮地正介君。
  147. 宮地正介

    宮地分科員 私は、きょうはJR追加負担問題を最初お話をさせていただきたいと思います。  昨年、JR特別委員会におきまして、JRの長年の、国鉄の長期債務処理を国民に負担をさせることになりまして、いわゆる年金問題につきましては、二分の一修正ということで国会で成立をしたわけでございます。  その後、JR各社の追加負担の問題について現状どのようになっておるのか、まず御報告いただきたいと思います。
  148. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  各社の対応状況でございますが、まず、東海旅客株式会社は、昨日、共済組合に一括全額をお支払いしていただいております。それから、JRその他の中で、JR北海道、JR西日本JR四国、JR九州それからJR貨物、この各社につきましては、三月一日に全額一括で支払う予定というふうに聞いております。  なお、JR東日本については、現在のところ未定というふうに伺っております。
  149. 宮地正介

    宮地分科員 先ほど私の方に入りました情報によりますと、東日本が先ほど三時三十分に東京取引所で記者会見を行いまして、また四時半に運輸省で松田社長が記者会見を行い、本年度中に約七百億の追加負担については支払う、訴訟については断念をする、こういう状況と報告をいただいておりますが、運輸大臣、あなたのところにはそういう報告はないかどうか。
  150. 川崎二郎

    川崎国務大臣 一昨日、私、社長に運輸省まで来ていただきまして、話し合いを持ったところでございます。なるべく早い機会に決断をしたい、私自身、今委員が言われたように、きょうあすに決断は下るんだろうと承知しておりましたけれども、私がずっと一時からここへ入っておりますので、社長と直接、実はあのとき、社長は決断をされれば私にお電話をいただける、こういう話でありましたけれども、私はここに入っておりますので、メモで今先生が言われた内容を見させていただきました。メモで見させていただきましたけれども、私自身が社長には確認をいたしておりません。
  151. 宮地正介

    宮地分科員 メモで報告は受けたわけですね。
  152. 川崎二郎

    川崎国務大臣 社長から連絡を受けた者からのメモを見たということでございます。
  153. 宮地正介

    宮地分科員 本日、いずれにいたしましても、JR東日本がそういう決断をした、既に運輸省にも報告済み、いずれ恐らく四時半に松田社長が運輸省記者クラブで記者会見をして発表、こういうことですから、この分科会運輸大臣があけば、恐らく御報告に行くのではないか。  そうなりますと、いよいよ、今後JR各社に向けて、いわゆる完全民営化について、運輸大臣、当初の国鉄民営化の原点に返って、私は早急にこれは進めるべきである。具体的には、やはり株の放出の問題、この問題についても、いろいろ市場との関係があるにせよ、やはり早急に決断をすべきであろう。  特に、長期債務処理の問題のときに、このJRの資産の処理についてはできるだけ国民に有利になるように処理をするということで、土地の売却だとか株の売却という問題は大変重要な問題で、この処理の仕方によっては、いわゆる三年間先送りした補助金の問題もこれは大変に有効な手段になるわけです。あの法律が通るころには、東日本が七十万前後、東海が六十万前後、西日本が五十万前後、七、六、五で大体来ていたわけですから、一時、昨年十二月に東は七十三万まで上がって、それからずっと落ち込んできましたが、また最近六十八万ぐらいで、七十万近くに復活しているわけですね。  ですから、三月の決算期を迎えて各企業が、こういう不況の中ですから、株の放出をしますから、三月に同時でやるということはいささか無理があろうかな。しかし、四月の、年度が明けた段階で、当然市場を見ながら、これはやはり早急に処分して、そして完全民営化に向けて積極的に大臣がリーダーシップをとっていく、私はこういう環境が本日相整った、こういうふうに理解しておりますが、この点について、大臣の所感を伺っておきたいと思います。
  154. 川崎二郎

    川崎国務大臣 昨年の特別委員会の論議におきましても、民営化の大方針というものは貫いてまいりたい、三社の完全民営化それから三島プラス貨物の株式上場、これを運輸省の大きな方針としてやってまいりたい、こう申し上げてまいりました。  ただ、ことしになりまして市場の動向が、今宮地委員から御指摘のとおり、三月に売却をするとすれば少し適した時期ではないんではないかということで決断をおくらせたことは事実であります。  しかしながら、一方で、やはり運輸省の昭和六十二年以来の国鉄改革の趣旨にのっとりながら民営化というものは進めてまいりたい、そのためには、株の売却、関係者と十分話し合いをしながら調整を進めてまいりたい、こう思っております。
  155. 宮地正介

    宮地分科員 ぜひ早急に完全民営化に向けて踏み切っていただきたい。そして、規制緩和をやっていく。御存じのとおりのJR会社法の適用除外、これを除いていくためにも、この完全民営化というのは大変重要な問題であります。  私は、二十一世紀のこれからの民間企業の機関車として、牽引車として、前にも、小渕総理のときに申し上げましたが、JRとかJTとかNTT、国が、中曽根内閣のときに、民間活力をつくる、そのためにはやはり民営化をしようということで踏み切ったわけですから、いつまでも親である政府がひもつきみたいになっていたり、あるいは子離れのしないような状態であっては、これはもう世界的に信用を失墜します、国際市場においても。  そういう点で、私は、JR、JT、あるいはNTTにおいても、所管は特にJR運輸省ですから、ぜひこの三つの民営化の成功のためにも、先陣を切って川崎運輸大臣はこのJRの完全民営化に踏み切ってもらいたい、そしてさらに、その後の規制緩和についても、ぜひ思い切った、やはり早い時期に措置をしてもらいたい、こう思いますが、この適用除外の問題について、大臣の見解を伺っておきたいと思います。
  156. 川崎二郎

    川崎国務大臣 まず株の売却を進める、その売却が全部終わりましたときにJR法というものを直していかなきゃならぬ、それで完全民営化が完結したことになるだろうと思います。そこへ向けて関係者と調整を進めてまいります。
  157. 宮地正介

    宮地分科員 きょうは限られた時間ですから、私はこの点について強く申し上げておき、また今後とも、国会の場で運輸省の対応について私はしかと監視していきたい、こう思います。きょうは小幡局長も来ていますから、あなたが所管なんですから、JR特のときの担当局長なんだからしっかりと、まずあなたの決意も伺っておきたい。
  158. 小幡政人

    小幡政府委員 大臣の御指導のもと、しっかり対応させていただきます。
  159. 宮地正介

    宮地分科員 それでは、ちょっと話題をかえまして、一つは営団地下鉄の十三号線の問題について少しお話をさせていただきたいと思います。  これは大変に長い歴史がございまして、私は、埼玉県の西部地域から中選挙区のときには六度当選をさせていただいて、大変にお世話をいただいております。  ちょうど昭和四十七年に田中角栄総理が誕生して、日本列島改造論が出まして、以来埼玉県は首都圏のベッドタウンとして大変な人口急増地域になってきたわけであります。そういう中で、埼玉県は、特に西部地域は、池袋から放射線状に、一本は東武東上線という東武鉄道が走っております。もう一つは西武鉄道が走っております。この二つの路線だけでは通勤通学のラッシュ解消には大変難しい。  ちょうど昭和四十七年ごろ、当時の運輸審議会が、地下鉄八号線と地下鉄十三号線の導入計画をつくっておりました。当時は夢の計画と言われまして、地下鉄が埼玉西部地域に入ってくるなどということはなかなか難しいな、こういう状況でありましたが、私、昭和五十一年に衆議院に初当選させていただきまして以来、マングースのようにこの問題を歴代の運輸大臣に、こうした分科会でも要請をしてまいりました。  そういう中で、御存じのとおり、地下鉄八号線は、現在、東武東上線森林公園から和光市まで、和光市から小竹向原を通って池袋、今新木場まで導入をすることになりまして、ほぼこれは、当初の運輸審議会の計画どおり完成を見たわけであります。  さらに、本年三月には、この地下鉄八号線に加わりまして、西武鉄道との相互乗り入れが実現いたしまして、現在では永田町の駅に立ちますと、東武東上線の川越、森林公園に行くのもあれば、西武所沢、飯能に行く、そういう地下鉄の八号線が延伸をされまして、大変に西部地域の通勤通学難解消、また通勤客にとって大変な質の向上、また東武東上線、西武鉄道、営団との競争という市場原理が働きまして、サービスが大変よくなってきている。  そういう中で、今回、第三次補正の中で、いよいよ今度は地下鉄十三号線、これは池袋から新宿、渋谷に抜ける地下鉄でございまして、既に池袋—小竹向原間というのは地下が三階に掘られている。地下二階を使って今申し上げたいわゆる八号線の関係が入ってまいりますが、地下三階も新線池袋駅ということで、池袋どまりになって、既に地下は掘られている。  これを使って、今度は新宿、渋谷に向けて地下鉄の十三号線がいよいよ第三次補正、十一年度の本予算、二〇〇七年に向けまして約二千四百億という資金を国、地方、民間が投じてつくる。特に池袋—新宿—渋谷間の山手線、埼京線の通勤混雑解消にさらにこれを加える、さらにこれが今の不況克服、景気回復に効果をもたらす、こういうことで一石三鳥ぐらいの効果で、昨年第三次補正に踏み切ったことは、大変私は感慨深く、また高く評価をしているわけでございます。  そこで、この第三次補正から本年度予算、二〇〇七年に向けて、要は国のこれからの予算のフォローアップ、あるいはこれからの促進、これが大変重要になってくるわけですが、まずこの点について、運輸省の考え方、決意、こういうことをお伺いしておきたいと思います。
  160. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  我々としても、大都市交通対策問題としてこの十三号線を位置づけまして、やっと日の目を見たわけでございます。これにつきましては、営団地下鉄とも協力し合いながら、ぜひ予定の十八年度完成を目指して努力させていただきたいと思っております。
  161. 宮地正介

    宮地分科員 今後先送りにならないように、どうしてもこうした鉄道計画というのは、今までの経験上先送りをされる可能性がある、財政との関係から。そういう点で、今やはり景気をよくするためにこの対策が打たれるわけですから、ここは、景気の効果とそれから通勤の足、この二足のわらじを一挙に進めるわけですから、どうか自信を持って、また政府内においても大臣、しっかり予算をこれから獲得するためにも頑張っていただきたい。特に都心の重要な池袋、新宿、渋谷というのは山手線の中でも最も通勤混雑の激しいところでございますので、ぜひこれは頑張っていただきたい。大臣の決意を伺っておきたいと思います。
  162. 川崎二郎

    川崎国務大臣 御指摘のように、景気対策として何が一番有効であるかというときに、私は、いいプロジェクトを早く仕上げて経済効果を出していく、これが一番いいことではないか、こう主張を続けておりました。十二号線は早く完成させろ、一方、十三号線をスタートしろということでありますので、今、私自身いろいろな方とお話ししておりますけれども、いい御理解をいただいていると思っております。大蔵省を含めて、いい御理解を受けていると思っておりますので、全力を投じてやりたいと思います。
  163. 宮地正介

    宮地分科員 今大臣からいみじくも話がありましたが、十二号線についても、私は質問通告しておりませんが、局長は頭に入っていると思うので、これは光が丘から今度は埼玉に延伸させるわけです。この点についても、東所沢の武蔵野西線にドッキングするという話もありますが、どういう方向で今運輸省としては取り組んでおられるのか、この点についても見解を伺っておきたいと思います。
  164. 小幡政人

    小幡政府委員 お話しの十二号線の延伸につきましては、現在運輸政策審議会で、各地方公共団体等の御意見をいただきながら、今後の進め方として議論させていただいておりまして、その中で整理させていただきたいと思っております。
  165. 宮地正介

    宮地分科員 ぜひ小幡局長、この十二号線と十三号線をこれから宮地正介、折を見ていろいろと要請しますし、監視しておきますから、ぜひ特段のインプットをしておいてくださいね。これは非常に大事な、通勤通学難解消の首都圏の大事な心臓部ですから、よろしくお願いしたい、こう思います。  それから、時間が最後になりますが、これも昔から、国鉄民営化になる前から、当時国鉄の高木総裁のころから私の懸案の構想なんですが、今の埼京線が新宿から大宮、そして川越まで入っています。経緯を話すとちょっと長くなるので簡単に申し上げますけれども、実は上越新幹線が上野に入るとき、埼玉県が渡り廊下だけになっては困るということで、この埼京線をまず大宮まで、当時赤羽線というのが池袋から赤羽まで通っていた、これを使って大宮まで入れよう、当時の畑知事がこれを推進して、新幹線との絡みで埼京線が大宮に入る、こういう予定だった。  しかし、埼京線の操車場、車庫、これが川越市の南古谷というところにつくられる、こうなりまして、操車場だけが川越市の中につくられて鉄道は大宮どまり、これはけしからぬということで、私は当時、地元でございましたから、この埼京線は川越まで乗り入れをすべきである、電化をすべきである、こういうことで実は埼京線は、大宮どまりが南古谷の操車場建設に伴って川越に電化、相互乗り入れが入ったわけです。そういう経緯がありまして、それから川越から高麗川の間が電化になったわけです。今、大宮—川越間は埼京線が入っている。川越から高麗川は電化。  さて次、一番大事なのは何か。次は高麗川と八王子のディーゼルカーを電化することということで、八高南線の電化の問題も私も強くこの分科会で要請して、今日では八高南線が電化になっている。ですから、私は、もう川越から高麗川、八王子はすべて電化になっているわけですから、この埼京線を川越どまりにしておかなくて、八王子まで新宿から延伸をしてもいい、そういう状況が整っている、こう考えておりますが、この点について運輸省の見解を伺っておきたいと思います。
  166. 小幡政人

    小幡政府委員 運輸省といたしまして、鉄道事業者が利用者の利便向上に資するという観点からいろいろの措置をとることは重要なことと当然認識しておりますけれども、列車の運行形態につきましては、その事業者が経営判断の問題として、利用者へのサービスをどのようにしていくかということの中で考えられるべきものというふうに認識しております。  JR東日本の報告によりますと、埼京線と川越線の輸送体系は、御案内のように、恵比寿—新宿—川越間は十両編成で運行してございます。一方、川越線、八高線の川越—高麗川—八王子間は、需要が少ないということもございまして、四両編成ということでございます。現在のところ、そういう事情でございますので、御指摘のような運行形態は今のところは考えていないということでございますけれども、我々としては、需要動向を見ながら適切に対応していただけることを期待しているところでございます。
  167. 宮地正介

    宮地分科員 ホームの大きさだとか高架線にして複線化にするかとか、今後そうした大きな問題がいろいろ残っているのは私も承知しています。  私が考えているのは、八王子まで埼京線を入れますと、将来、もう既に八王子と新宿は中央線も走っていますし、貨物線もあそこは一本走っていますから、三多摩と都心とのいわゆる格差是正と、第二の山手線に匹敵する循環鉄道がこれで完成するわけなんです。  これを私は、実は高木国鉄総裁時代に提案をしたことがある。将来これは大変おもしろいことになりますよ、ましてや、埼玉県と三多摩、都心の格差是正にもつながるし、循環鉄道として、将来大変これは第二の山手線構想としておもしろいですね、当時の高木総裁が、宮地さん、非常にこれはおもしろいな、これは将来の、二十一世紀の非常に大事なポイントですねということを大変評価していただいた。それが、ちょうど今申し上げたように、諸般の情勢の中で着々と点が結ばれてきた。  ですから、ここは、私もこれからJR東日本にいろいろ要請していきますが、ぜひ運輸省としても、そうした大きな構想の中でこの問題を私はお話ししているのです。ただ延伸だけじゃない。  次に来るのは、川越から高麗川の高架線による複線化の問題、あるいは高麗川から八王子の複線化。この辺は、入間とか横田基地周辺ですから、もう人口が、今どんどん宅地化が進んでいます。交通の便さえよくなれば、ここは私は通勤の乗降客も非常によくなってくる、この可能性は十分あります。  私はそういう経験があります。例えば、先ほど申し上げた地下鉄の八号線の、当時は東武さんは志木どまりにしてくれという話があったんです、和光まで営団が入るけれども。しかし、私は、それでは本当の意味の通勤通学難解消にならぬ、最低川越まで入れなきゃだめだ。そのとき一番心配したのが採算ベースの問題なんです。私は根津社長に、逆ですよ、お客さんはふえますよ、質が変わりますよということで、当時は東武東上線も、今では笑い話ですが、川越の芋のお芋電車なんて言われたことがある。しかし、今ではとんでもない感じになっているわけです。  同時に、私は、ぜひこの第二の山手線構想を実現したいし、ぜひ運輸省としても関心を強く持っていただいて、東日本とも連携の中で、この問題が早期に、二十一世紀初頭にでも第二の山手線、循環鉄道が完成することを私は期待しておりますので、大臣、この点について、お話を伺っていて何か御感想なり抱負があったら一言おっしゃってください。
  168. 川崎二郎

    川崎国務大臣 一番最初に御指摘いただいた話でございますけれども、松田社長、運輸省にお見えになるようでございます。正式の御報告があるものと考えております。  そのときに松田社長と話し合うかどうかはわかりませんけれども、JRとも機会をとらえながら、今の宮地先生の大構想を話をしてみたい、このように思います。  我々もしっかり勉強します。
  169. 宮地正介

    宮地分科員 小幡局長に最後に決意のほどを伺って終わりにしたいと思います。
  170. 小幡政人

    小幡政府委員 先生のかねてからの大構想、詳しくお聞きいたしまして、私たちも十分勉強させていただきたいと思います。
  171. 宮地正介

    宮地分科員 ありがとうございました。
  172. 村田吉隆

    村田(吉)主査代理 これにて宮地正介君の質疑は終了いたしました。  次に、滝実君。
  173. 滝実

    ○滝分科員 自由民主党の滝実でございます。  本日は、乗り合いバスの規制緩和の問題と鉄道の踏切の整備の二点について御意見を伺いたいと思うのです。  規制緩和の一環として、路線バスのいわば乗り入れ自由化の問題がかねてより論議されておりまして、現在、運輸政策審議会で扱われているというふうに聞いているわけでございます。当然のことながら、運輸政策審議会は、規制緩和推進、こういうことで議論されているのだろうと思うのでございますけれども、今どんなような状況にあるのか、それからまず伺いたいと思います。
  174. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 お答え申し上げます。  乗り合いバスの規制緩和でございますが、平成九年三月の規制緩和推進計画、閣議決定されました中で、生活交通維持方策確立を前提に、遅くとも平成十三年度までに需給調整規制廃止することとされております。  このため、新しい制度の枠組みや生活交通確保方策について、一昨年の春以来、運輸政策審議自動車交通部会において審議がされております。本年一月には答申骨子素案を公表されまして、現在、骨子素案に対する関係者からの意見を聴取しておるところでございます。それを踏まえまして、この三月末あるいは四月初めにも最終答申が取りまとめられていく状況にございます。
  175. 滝実

    ○滝分科員 恐らくそういうことだろう、こういうことは想像できるわけでございますけれども、具体的な数字を申し上げて、考え方を伺いたいと思うのです。  私どもの奈良県の中では、奈良交通が圧倒的に路線を持っております。県内三百四十四路線あると言われているわけでございますが、カウントの仕方によって市町村ごとにどうとるかの問題がありますから、計算の仕方はいろいろあるだろうと思いますけれども、市町村ごとに割り振りますと、三百四十四路線。そのうち二百五十一路線が赤字、あとの九十三路線でようやく収益を上げている、こういうことですね。  これを市町村ごとに見ますと、奈良県内四十七市町村あって、そのうち黒字の市町村は幾つあるかと申しますと、二市六町村、こういうことに相なっております。もちろん、人口が少しでも上向いているところ以外は大体赤字、こういうことになるわけですね。実に大半の市町村で赤字ということになるわけでございます。  そこで、各市長会も町村会もみんな心配いたしておりますのは、赤字になりますと当然、地元にバス路線を維持するための財政助成をよこせ、こういうことになってくるのは必定でございます。今地元の町村が赤字補てんをしている路線は幾つあるかというと、現在は二十路線、極めてわずかな路線しか市町村は赤字補てんをいたしておりません。あとは要するに黒字路線赤字路線を支えている、こういうことになるわけでございます。  これが参入自由になると、参入自由になるということは撤退も自由だ、当然こういうことに相なるでしょうから、赤字路線を抱えた市町村は、恐らく、今のような二十路線の財政支援じゃなくて、もっと片っ端からバス路線を維持するためには負担をする、こういうことにならざるを得ないんじゃなかろうかという心配をいたしておるのでございますけれども、この辺の見通しについてはどういうふうに御認識を持っているか、ひとつ伺いたいと思うんです。
  176. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 今、滝委員が、奈良交通を例にとって地方交通の維持の御懸念を表明されたわけでございますが、奈良交通は、全国のバス事業の中でも比較的頑張っておられる会社でございます。例えば、市町村からは助成を受けておられますが、国からの助成は過去ほとんど受けておられない。国は年間、国だけの助成で約九十億近い助成を出しておるわけでございますが、奈良交通は比較的頑張っておる。会社も全体的には黒字基調である。これは奈良市を中心とした黒字路線が大きく寄与して、その内部補助赤字路線を埋めておられる結果だと思います。  そのようなことが、市町村の心配とバス会社の心配と二つあるように思います。市町村が赤字を補てんされているというのがどうなるかということでございますが、一つには国の助成がもう少し受けられるような形態に、地域によって工夫されているところもございますので、奈良交通赤字路線を抱えておる会社の一つでございますので国の助成を受けるとか、もう一つは、市町村の負担につきましては、滝先生も御専門のところでございますが、これは中央からの地方財政の補てんをどうするかというようなものがございます。  また、バス会社といたしまして全体として抱えておられるのは、規制緩和となればどうなるのか、赤字がふえるんじゃないかという御心配もあろうかと思いますが、これは考え方の問題にもなるかもしれませんが、奈良交通は全国の中でも比較的賃率の高い会社でございます。これは独占ということを背景にして賃率が高いということだと思いますが、高い賃率で黒字を出して全県を維持されておるという内部補助の仕組みが、今後維持できるのかどうかということでもあろうかと思います。  奈良交通の、どのような生活交通を維持されて、かつ負担を最小にするかという課題につきましては、奈良交通の考え方ともマッチしなきゃいけないと思いますし、地域の考え方とも整合しなきゃいけないと思いますので、今後、市町村にとりましてもバス事業者にとりましても利用者にとりましても、直ちに大きな負担となるというような大きな心配はしておりませんが、そういう可能性もございますので、そのあたりの制度の仕組みを現在検討中というふうに考えております。
  177. 滝実

    ○滝分科員 おっしゃるように、奈良交通は全国的に路線バス会社としては相当成績優秀だ、こういうふうに私も考えております。  そこで、奈良交通が国庫助成金を受けていない理由は、黒字路線赤字路線をカバーして、なおかつ収益がありますから、今のところは年間五千万ないし六千万円の収益がありますから、国庫助成金が基本的には受けられないと言った方がいいと思いますね。ところが、こういう奈良交通でも、これからに備えて、やはりそれならば分社化をして赤字路線だけをまとめた会社にするという動きが当然出てくると思うんですね。今までは黒字路線でカバーしていましたけれども、これからは、自由競争だということであれば分社化を進めて、今の現行制度でも赤字会社になれば国庫助成金を受けられるということになれば、当然そういうことになってくると思うんです。そういうようなことをこの規制緩和というのは促すことになるんじゃないかなという感じがするんですけれども、その点はどうでしょうか。  それからもう一つ。奈良交通は県内では独占的な色彩の強い、だから割と料金も高いということになっていますけれども、必ずしもそう言えないところもあるんですよね。同じ奈良交通のやっている路線で同じような距離でも、やはりお客がたくさん来るところは一回百八十円、そうでもないところは二百四十円。例えば、奈良市内の団地を結ぶ路線は百八十円でやっていますよね。ところが、生駒の真弓の方へ行くバス路線は二百四十円。同じ生駒でも、具体的なことを言って申しわけありませんけれども、ひかりが丘団地なんというところへ行くバスは四百五十円というように、大体同じような距離を走るのでも、結局お客の数によって会社の中でもそういうふうに料金を分けざるを得ない。  こういうようなことをやってなおかつ赤字の路線も相当出ているわけでございますので、やはり一番は、問題は、これから分社化になって国庫助成金をもらおうじゃないかというような動きに当然なってくると思いますから、その辺のところをどう考えるのかということをまずお尋ねしておきたいと思うんです。
  178. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 いわゆる規制緩和で参入がある程度可能性が出てきますと、会社の運営を、組織を分社化して効率化を図る、場合によっては赤字の会社ができて補助金が受けられるということは十分考えられますし、現に各地である程度そういう動きがございます。  分社化のいい面、悪い面が見方によってあろうかと思いますが、一つのメリットは、分社化いたしますと運行形態が輸送の実態に適した、非常に頻繁なところとそうでないところ、あるいは中山間地と都市というふうに、同じバス会社が同じ運行の条件でやるのではなしに違う運行条件で、会社の中でも例えば退職した人を再雇用してやる。そういたしますと、運行頻度は低いわけでございますが、再雇用でございますので賃金が低くなるといったような、いい例でございますと経費が非常に削減されて、したがって、補助金を受けておられるケースであっても削減されたという、大分のようなケースがございます。  分社化そのもの自身を必ずしも推奨するわけではございませんが、運行しやすい、効率的な運行ができるように、あるいは国の助成の体系にマッチするように会社を分社化なり運行形態を変更していただくのは、ある面、望ましい面があろうかと思います。
  179. 滝実

    ○滝分科員 とにかく規制緩和は政府の大きな施策の一環の問題ですから、運輸省でこの問題を引き延ばすというわけにはいかない問題だろうと思うのでございますけれども、片や具体的な市や町村の立場になると、これによって赤字路線が表面化して、助成金を出せ、そうじゃなかったら生活路線の維持ができない、こういうことになってくるということを大変恐れているわけでございます。  今も自動車局長さんが、いろいろ考えている、こういう助成方法のあり方について御検討されているというような御答弁がございましたけれども、やはり地元としてはこれは大変な問題でございますので、ひとつ規制緩和が税金の持ち出しにならないように、そういう点も配慮しながら、何とか路線バスの生活線が維持できますように御要望を申し上げておきたいと思います。  次に、これも細かい話で恐縮なんでございますけれども、鉄道の踏切整備について御意見を伺いたいと思うんです。  昭和三十六年以来、踏切の統廃合を進めてこられたということは承知をいたしておるわけでございますけれども、最近、私どもの地元の中で続けざまに一、二件踏切事故が起きたものですから、そこで、地元が改めて踏切の整備問題について大変関心を持ち出しているわけでございます。  起きた踏切は、長らく、要するに耕運機、コンバイン等の農作業車だけ通す踏切ということで認められてきたようでございますし、そのような立て札が警察によって立てられているわけでございます。ところが、実際起きましたのは耕運機じゃございませんで、農作業用の軽トラが踏切の中を、これもいつも通過しているわけでございますけれども、これが何かの調子に脱輪をいたしまして、結局どうもしようがないものですから、軽トラではあるんですけれども、脱輪して踏切から抜け出せずに電車にぶつかった、こういう事故でございますけれども、事故が起きますと、鉄道事業者の方は、けしからぬ、こうなるわけですね。警察も、けしからぬと。ここはもともと耕運機しか通っていないのになぜ軽トラが通るんだ、こうなるわけです。  ところが、農業者の方は、冗談じゃない、耕運機が通るなら当たり前の話で、昔から軽トラが走っているんだ、じゃなかったら農作業できませんよと。耕運機だけその踏切を通って、軽トラは農作業車であってもずっと迂回していくなんというわけにまいりませんから、当然、耕運機が通る踏切は農作業用の軽トラも通る。そういうことでやってきたんですけれども、事故が起きると、起きた途端にそういうようなことを言ってクレームがついたものですから、地元がえらいかんかんになっているわけですよ。  そこで問題になりますのは、鉄道事業者にかけ合ってもこれはらちが明かないんですよね。要するに、自分らは法律に従ってやるまでである、法律は踏切の統廃合を目指しているから、そういう小さな踏切なんというのは要するに廃止しなきゃしようがない、したがって事故が起きようと起きまいと自分らは関係ない、事故が起きればますます踏切を廃止せざるを得ない、こうなるわけです。  ところが、地元皆さん方から言わせれば、軽トラが脱輪をするような踏切だって、間口が狭いんですから、中に行って少し膨らませて、少しぐらいアクシデントがあっても脱輪しないようにするのがまず先決なんですよね。脱輪するということは事故につながるわけでございますから。要するに、そういう意地の悪い施設をしておいて脱輪を誘発する、それで事故が起きたら、おまえらけしからぬ、こういうことなんですよ。かけ合っても、もともと統廃合が先決である、こういうわけです。  統廃合なんといったって、これは三十年も四十年もかかることですよね。要するに、どこかの踏切を三カ所ぐらいまとめて立派な踏切にしたらいいじゃないか、こうなるわけですけれども、そのためには道路の整備もしなければいけません。あるいは場合によっては、立体交差なんというのはなかなかできませんけれども、道路を整備するだけでも二十年や三十年は奈良の場合、かかるんです。ましてや統廃合なんといったって、こんなものはいつになるかわからない。したがって、簡単にできる整備ぐらいはしたらいいのに、鉄道事業者はもう開き直って、おまえらが悪い、統廃合までは何もせぬ、こうなるわけなんです。  したがって、私は、そういう踏切改良法の法律はありますけれども、どうしようもないのはその中でやったらいい。現実に運輸省の指針ではそういうのはやれと言っているんですけれども、鉄道事業者に徹底してないんですよね。地元にはその辺のところが了解されてないものですから、鉄道事業者に言われるともう手がないのかなという感じになりますし、その辺のところはどういうふうに鉄道局の方はお考えになっているのか、それをはっきりと言っていただきたいと思います。
  180. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  先生お話しのように、踏切事故を防ぐためには、踏切を除去する、統合するという方向が大事な方向であることは事実でございまして、そういうことに力を入れさせていただいているわけでございますが、現実問題として、統廃合が困難なケース、時間がかかるケース、いろいろございます。  その間における踏切の拡幅等々の問題、これについてもやはり大切なことでございますので、そこら辺の事業者運用についてやはり問題ありというふうに我々認識しておりますので、関係の鉄道事業者を、今後、適切なケース・バイ・ケースにおける具体的な対応をとるように指導してまいりたいと思っております。
  181. 滝実

    ○滝分科員 基本的に、遮断機をつけるとか警報装置もあわせてつけるとかいうと、それは相当な事業費がかかるだろうと思うんですね。しかし、狭い踏切の中を膨らませるぐらい、幅を広げるぐらいのところは簡単にできる話だろうと思うんですよね。地元もそういうことを望んでいるわけです。それから、警報機ぐらいは簡単にいけるんじゃないのかという感じもしますので、その辺のところもひとつ、これは事業者にもそういうような方針で、とりあえずの事故をどうするのかという角度からお取り上げいただきますように、よろしくお願い申し上げたいと思います。  とにかく踏切事故は、何だかんだいったって、やはり脱輪事故と途中でのエンストなんですよね。このごろは車の性能がよくなりましたからエンストがないかと思うと、さにあらず、今でも時々は、エンストによって立ち往生して電車とぶつかるという例はたくさんあるんですよ、踏切事故の中では。ですから私は、そういうようなことをどうやって予防するかということをやはり現在の状況を踏まえて指導していただきたい、こういう感じがいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。  それから、ついでに、これは通告しておりませんでしたけれども、例えばエンストなんかの問題は何で起きるかというと、踏切でもって一たん停車するからなんですよ。  先進国の中で、警報機、遮断機のついた踏切で一たん停止をさせるような国は余りないと思うんです。イギリスでもフランスでもないと思うんです。皆さん方はイギリスやフランスにしょっちゅう行っておられるからおわかりになると思いますけれども、踏切でもって一たん停止しません。それはなぜかといったら、警報機とか遮断機とか、信号がついているんですからね。鉄道の信号が信用できなくて道路の信号が信用できるなんという法はないと思うんですよね。  ところが、踏切だけは必ず一たん停車させて、信号がチンチン鳴っていようと鳴っていまいと必ず一たん停止しませんと、渡っちゃいかぬ。特に、意地の悪い警察官なんかおりますと、そこで見張っていて、おまえは目を動かさなかったから、左右確認しなかったからアウト、こういうような例まであるわけですからね。  ですから私は、やはりそういう近代的な文明は信用してもらった方がいいと思うんですね。そういう意味では、信号があるような踏切は停車なしで行ったらいいと思うんですよ。それはもう日本特有の事象でございますけれども、結局、踏切で一たん停車させるために、そこでもってエンストが起きて、真ん中で立ち往生して電車にぶつかってしまう、こういう事例もあるわけでございますから、私はやはり、そういういろいろな角度から、技術的に近代的な文明を信じていただいてやっていただく、そういうようなことをもう少し細かく指導していただきますように御要望を申し上げまして、終わりたいと思います。  終始、運輸大臣にはお聞き取りいただきまして、ありがとうございました。それぞれ自動車局長さんと鉄道局長さんに御要望申し上げましたので、ひとつ大臣からもよろしくお願いを申し上げまして、終わります。  ありがとうございました。
  182. 村田吉隆

    村田(吉)主査代理 これにて滝実君の質疑は終了いたしました。  速記をとめてください。     〔速記中止〕
  183. 村田吉隆

    村田(吉)主査代理 速記を起こしてください。  次に、吉田治君。
  184. 吉田治

    吉田(治)分科員 ありがとうございます。民主党の吉田治でございます。  本日は、運輸大臣分科会で御答弁ということで、御苦労さまでございます。  まず最初に、おかげをもちましてと言ったらいいのか、お力添えをいただいてと言うのか、やはり与党のお力と言ったらいいのかわかりませんが、私どもの地元の大阪地下鉄八号線、いよいよ予算づけもしていただきまして、ですから非常に難しいんですね。そのためには、この予算を早く上げなければいけない。しかしながら、野党の議員としてはちょっと待てよという、非常に、体型はそうではありませんけれども、ハムレットの心境とはこのことかなと思っておるんです。  大臣もしくは事務当局でも結構でございます。大阪市内の東部を南北に走るこの線というのは今までございません。よく言われておりましたのは、鉄道局長よく御承知だと思いますけれども、大阪という町は、環状線の中というものは非常に鉄道整備がなされている、しかしながら、環状線の外というのはどうもいろいろな整備というふうな部分においてはちょっと立ちおくれている。そういう中において、この地下鉄八号線の予算がついたということは非常に大きなことですし、また、かつ地元においても喜ばしいことでございます。  本線の一日も早い着工、完成というふうなものを待ち望んではいるのですけれども、いろいろ問題点もあるかもしれませんが、運輸省として、着工、完成についてのめどというのですか、それから、間で起こり得る問題点というふうなものをどういうふうに御理解をされているのか、まずお答えをいただきたいと思います。
  185. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  お話しの大阪市地下鉄八号線の、具体的には井高野—今里間でございますけれども、ここの整備につきましては、お話しのように十一年度予算案においてお願いしておるところでございますが、この地下鉄整備は、既成高度市街地におきます交通需要への対応、それから道路交通の慢性的な渋滞への対応等のため、我々としても早期に整備することが必要であるというふうに考えている路線でございます。  本路線につきましては、予算案を見ていただきますと、平成十一年度に着工いたしまして、十七年度の完成を目指すということでございまして、現在、それについての準備をしておるところでございます。運輸省といたしましては、今後とも適正に整備促進されるよう支援してまいる所存でございます。  特に、この場合に我々今後の考慮すべき点といたしましては、当然でございますが、毎年度における所要予算事業費が計上できるかどうかということでございますので、よろしくまた御支援いただければと思っております。
  186. 吉田治

    吉田(治)分科員 これは十一年度ですけれども、実は十年度予算という形でもともとは要望をさせていただいたんですね。それがちょっと一年間ずれたというふうな事情がおありだと思うんですが、その辺の事情というのはどういうふうに聞かれておられるでしょうか。それからもう一点は、今着工の年度と完成の年度を申されましたけれども、この間に横たわる問題点というふうなもの、何か事業者当局の方から運輸省に対して説明の中において出てきているのかどうか。その二点、お願いを申し上げます。
  187. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  一つは、十年度予算要求でぜひ取り上げてほしいという御要望を大阪市の方からいただいたのは事実でございます。その際に、先ほど申し上げました、今回採択させていただきました路線は井高野—今里間、八号線の北側でございますけれども、南側の今里—湯里六丁目間につきましても、実は全体の話として御相談がございました。  これにつきまして、特に南部につきましてまだ検討すべき課題も多いんじゃないかということで、一年間実はじっくりと一緒に勉強をさせていただいたということでございまして、その検討、勉強結果を踏まえて、第一期事業として井高野—今里間というものにするということで、十一年度に要求いただきまして、今回採択し、予算案としてお願いしている、こういう経緯がございます。  それから、平成十一年度着工、十七年度完成の間にネックが予想されるかということでございますが、特段具体的な地元の事情については我々伺っておりません。  先ほど申し上げましたように、各年度、我々必要の事業費を計上する必要がございますので、また御支援いただきながらそれを確保していくということでございますので、よろしく御支援いただきたいと思います。
  188. 吉田治

    吉田(治)分科員 一年間勉強したということですけれども、私がいろいろ聞きますと、距離が長過ぎる、だから、何かどうもこういう地下鉄を認めるというか予算づけする場合においては、何キロ以上はちょっとそれはというふうな話があるというのは聞いているので、その辺は、内容的にはあったんでしょうか。  ですから、反対に言うと、勉強させてもらって北半分にしたということですけれども、その勉強の中身というんですか、内容的なものとして、なぜ北半分というふうな形で終わったのか。ちょっとその辺、理解を深めるために教えていただければと思います。
  189. 小幡政人

    小幡政府委員 お答えを申し上げます。  路線として長いからだめとかいう発想は、ちょっと我々としては持ち合わせていないと思っています。  それで、先ほど勉強させていただいた議論というのは、実は北の事業と南の事業、大分質が違う、量的にも違うところがございまして、我々は、やはり事業採択させていただく以上、一つの収支採算性、投資採算性が見込めるということが大前提でございまして、そういう意味から見て、全線をやった場合に問題がないかあるか、ここら辺が中心の課題でございました。  北部についてはそれが見込めましたので、第一期としてお願いするということでございまして、南の今里—湯里六丁目間につきましては今後の課題、こういう認識でございます。
  190. 吉田治

    吉田(治)分科員 今後の課題というふうな中で、どうなんですか、これは今後、井高野—今里で終わりという発想なのか。先ほど勉強という言葉、それから採算という言葉を言われましたけれども、湯里六丁目に向かって、このこと自体終わりではなく、またこれからもいろいろ検討を加えていくというふうに、俗に言う延伸問題ですけれども、それについては今どういうふうにお考えになられているんでしょう。
  191. 川崎二郎

    川崎国務大臣 今、鉄道局長から答弁しましたように、例えば私が就任してから札幌の地下鉄を見に行きました。大変な期待があって、そして一本だけじゃ足りないということで、事実上並行線をつくった。今、二千億ほどの赤字を抱えておる状況になっている。東京においてもかなり地下鉄の御希望は多うございます。しかし、やはりよく詰めてまいりますと、例えば営団ですと七〇%補助でございますけれども、一〇〇%補助にしないとできないと。一〇〇%補助ということになると、これはなかなか、上下分離というのは、理屈論はどうだろうか。  いろいろな議論をした中で、やはりやる以上は収支採算というものをしっかり見ていく。ですから、この鉄道をつくりながら、一方で、南の地域が果たしてそれだけの採算が合うか、これはしっかりとらえていきませんと。  特に私ども思っておりますのは、今は経済をよくするのは最優先、どんどんやりなさいというフォローの風が吹いておることは事実です。また、都市鉄道について大変国民の理解が深くなってきている、これも事実であります。しかしながら、一方で、何年かたてば、やはり財政再建というのが大変厳しい課題をしょう時代も来ると思います。それだけにしっかり吟味しながらやっていかなきゃならぬということでありますので、十分検討してやっていく。やる方向にはそれは変わりはないというふうにお受けとめいただいても結構なんだろうと思います。
  192. 吉田治

    吉田(治)分科員 最後、大臣、やることには変わりはないんだ、採算重視ということを言うて、反対言うと、採算がとれるような見込みができれば、これはすぐにでもという言い方はよくないかもしれませんけれども、その辺を十二分に吟味した上で、大阪だけでなく今後のさまざまな地下鉄の問題に対応する、そう理解してよろしいんでしょうか。
  193. 川崎二郎

    川崎国務大臣 基本的な認識として、それで結構でございます。
  194. 吉田治

    吉田(治)分科員 では、その中で、鉄道局長、採算を合わせるというのは、何も人をいっぱい乗せるというだけではないはずなんですね。これは、工事コストを安くするというのも一つの方法。  ちょっとこれは、きょうの朝の新聞で一部出ていました。例えば名古屋の地下鉄工事について談合があったのではないか。一部報道ありましたけれども、それはお耳に入って、今何らか対応されているところでしょうか。
  195. 小幡政人

    小幡政府委員 恐縮でございます。ちょっときょうはこの分科会の準備で実はテレビを見ておりませんので、帰りましてから対応させていただきたいと思います。
  196. 吉田治

    吉田(治)分科員 新聞等の報道によりますと、工区を分けて、俗に言うどこがどういうふうに落とすかというふうな形でやったと。まさに鉄道本体をつくる、先ほど、採算というのは、つくるところの値段も安くしなければならない、このために安全性だとか手抜きがあってはいけないことは確かですけれども、それと同時に、機械化ですとか、俗に言う合理化というふうなものを進めていかなければならないんです。  それについて、特に地下鉄等においては各自治体が直営というか特別会計でやっておられますので、国がどうこうということはできないと思うんですけれども、例えば、ある程度の指針というんですか、全国一律にこういうふうな駅はこういうふうにしなさいとか、こういうふうな機械がありますよ、みんなで導入しませんかとか、こういうシステムがありますよというふうなことについて、今、運輸省鉄道局なりが何らかの働きかけというか情報交換というんですか、そういうふうなことをしているのか、またそういう場があるのか、その辺はいかがでしょうか。
  197. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  今先生お話しのように、地下鉄のコストの場合に建設費をいかに安上がりに割安につくっていくかということと、それを実行する運営体制に至りますまでコストをどうするか、非常に大事な問題と考えております。  我々、実は問題意識として、公営企業の場合に、一般論でございますけれども、特に人件費を初めといたしまして、やはり民間の鉄道と比べまして割高感は否めない。そういうこともございますので、実は、補助金の申請をいただくとき、あるいは運賃改定の申請がございます、そういうときに、それは建設コストの削減から始まりまして、人件費その他もろもろの節減策、そういうものをほかの事業者の、例えば私鉄とかそういう資料を示しまして具体的な指導をさせていただくというのが通例でございまして、今後ともこういうことは続けさせていただきたいと思っています。  具体的に大阪市につきましても、大変細かい指導をさせていただいたつもりでございます。
  198. 吉田治

    吉田(治)分科員 これについては今質問の中でちらっと申し上げたんですけれども、地下鉄同士の横のネットワーク、こういうふうに運営についてできるだけ安上がりにしようというふうな横のネットワークというのは、今現在あるんでしょうか。
  199. 小幡政人

    小幡政府委員 そういう場としては、実は、地下鉄を運営される、建設される方々の集まり、地下鉄協会という法人がございまして、こういうところにそういう関係の方がみんな入っておりますので、そういうことを情報交換しというようなことも一つの大きな仕事、業務としてやっておるということでございます。
  200. 吉田治

    吉田(治)分科員 やはり一番大きな人件費という部分で、これをどういうふうに省力化していくかというふうなことが今後の課題だというのはよく理解をさせていただけたんですけれども、その中において、やはり利用者の立場から考えた場合に、これはいろいろ補助金を見させていただいていますと、エレベーターの設置という部分、これは新設の駅については非常につきやすい、しかし既設の駅については非常にやりづらいし、現実的にはほぼゼロに近い部分もあるというふうな話も聞いております。場所的には、ホームから駅の改札口まで。  実は、地下鉄というのは、私が言うまでもなく局長御承知のとおり、改札口を出てからの階段の方が多いんですね。やはりそこへ、少子化の時代の中において、やはり子供を連れていくときに、昔のお母さんでしたらこないして両手握ってそれでわっと走っていきましたけれども、今のお母さんは乳母車でよっこらしょと、これは不便やないかというふうなこともあります。  まさにそういうふうな部分での、使いやすさという部分、その辺を、地下鉄全体について、補助の部分も含めて今どういうふうな施策がとられて、少子化、特にまた高齢化ということになると、おじいちゃんおばあちゃんがただのパス持っていても、なかなか地下鉄は階段がしんどいからというふうなこともあります。その辺は費用もかかることですけれども、一つのサービスという部分で考えたときには、今後どういうふうな展開、また現状どういうふうにされているのか、御答弁いただきたいと思います。     〔村田(吉)主査代理退席、主査着席〕
  201. 小幡政人

    小幡政府委員 お答え申し上げます。  地下鉄につきましては、お話しのように、新設するときあるいは大改良するときにはその補助金の中で当然見させていただいておるわけでございますけれども、既設の駅についてどうするかという話は、地下鉄のみならず一般の鉄道の駅についてもそうでございまして、これにつきましては、従来細々と支援させていただいていたんですが、十年度の第三次補正におきまして、エスカレーター、エレベーターの補助を基準として五十億円用意させていただきまして、これは国の方で三分の一、地方公共団体で三分の一、残りを事業者という分担でございますので、事業費としてはその三倍になるわけでございますけれども、これでもってJR及び地下鉄等々のバリアフリーの推進を図るということで現在手続中でございます。  また、次年度以降につきましてもしっかりやらせていただきたいと思っております。
  202. 吉田治

    吉田(治)分科員 まあ悩ましい話なんですね。そうしますと、人間だんだん楽に流されていきますので、ない方がおかしいという発想になって、体がだんだん衰えていくというのもありますし、それぐらいあっても、階段あってもいいんじゃないかという声もありますし、その辺の整合性をよく図っていただきたいと思います。  その中で、今大臣の答弁にもございました、地下鉄、各地で欲しい欲しいという声が上がる、しかも採算性の問題、それからサービスの中というふうな中において、実は私は、ここでバスというふうなものの見直しが徐々に行われてきているのかな、運輸省施策の中でもそういうのがあるのかなというのを感じております。  一つには例えば、これは東京の話ばかりで、大阪の人間としては非常にしたくはない話なんですけれども、例えば武蔵野市、エリアバスを走らせる、そして渋谷—代官山の間、ミニバスを走らせる、そして、たしか群馬の方ですか、運賃を安くしたら乗客がどんとふえたというふうな中で、私はバスの見直しというものがあってもいいんではないかな、長い階段をえっちらおっちら歩いていくというよりも、まさにドア・ツー・ドアに近い感覚で。いっときは、モータリゼーションという自動車がわっと席巻した中において、バス路線というのは縮小に次ぐ縮小、そして補助金、補助金、補助金というのがあったんですけれども、ここで路線バスというふうなものの見直しというものを今後なされてはいかがかなと思うんです。  現状、路線バスというふうなものに対して、今いろいろな事例を申し上げましたけれども、どういうふうに運輸省としてとらえ、今後しようとしているのか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
  203. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 路線バス、特に都市の路線バスでございますが、今委員申されましたように、道路がすいていればよく見えるとか、乗降が楽であるとか、いろいろメリットがございますが、逆に道が混んでいるとなかなかにっちもさっちもいかないということでございますが、最近の傾向といたしまして、見直して、便利でいいバスをつくろうという地域の試みがございます。安い、乗りやすい、親切、あるいは定時性がある、あるいは連結バスをやるとかいろいろ新しい試みがございます。運輸省といたしましては大変好ましい傾向だと思いますし、支援を充実させていきたいと思っております。  具体的には、人、町、環境に優しい、バスを中心とした町づくりの観点からのバス利用ということで、例えば浜松市におきまして総合的なバス利用計画が出ておりましたり、松江市、金沢市においてそういう計画が出ることになっております。  今後ともそういう努力をしていきたいと思っております。
  204. 吉田治

    吉田(治)分科員 地下鉄の話を申し上げて、自動車通局長の方から松江の話が出て、今、市街地の見直しというのが出てきていまして、まさにバスではないかな。  そういう中で、局長、ブラジルのクリティーバという町がありまして、私は、これは好き嫌いは別にして、レスター・ブラウンという、国際的な環境学者と自称しているのか他称しているのかわからないですけれども、その人の本にも取り上げられているんですけれども、ここの町というのは、まさにバスというふうなものを、今局長言われた道路というふうなもの、道路は専用レーンを設けます、まさにほぼ鉄道に近い雰囲気、乗降については、安全であるように駅のようなバス停にして、ステップも楽にしてというふうな形で、まさにクリティーバという町がバスによってコミュニティー、コミュニケーション、そして環境というふうなものを、バス自身も今のような規格のバスではなくて、例えば、時間帯によっては大型のバスまたは小型のバス、料金はできるだけ均一で安くというふうな形で運営をされて、非常に注目をされている。  しかしながら、これは各地の交通局と言われているところへ行きますと、知っているけれどもやはり鉄道の方がええでと。これは私はわからないのですけれども、交通局の中の自分のポジションであるとか、それぞれの各地の役所の中での、地方行政の中でのやはりあり方、バスというのはどうも古臭いというイメージがあるのかもしれませんけれども、まず一点目は、そういうブラジルの事例があるということは運輸省は認識をされているのか、それに対して、そういうことを含めて、例えば浜松市でバスのそういう総合計画とか、これからのバス事業のあり方ということにおいてそういうふうなものをどこかにしんしゃくをされているのか、この二点、お答えをいただきたいと思います。
  205. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 今のブラジルの事例は、もちろん行ったことはございませんが、模型を拝見いたしました。ボルボが非常に熱心に参画されたという事例で、これは大変すばらしいものだと思いました。非常に長連結のバスで、かつプラットホームのような丸いプラットホームをつくって、町の景観、しかも環境に非常にマッチしたいいバス、町づくりそのもののような感がいたしました。  日本で導入できるかどうかということでございますが、そういう場所が本当にできたらいいなと思っております。
  206. 吉田治

    吉田(治)分科員 できたらいいなではなくして、先ほど大臣のお話の中にも、非常にこれから財政が厳しい中において、何千億もかけるような鉄道というふうなものを、大量輸送という発想を、今地下鉄だとか鉄道のみならずそういうバスというものも含めて、ぜひとも今後の運輸行政の中で私は御検討していただきたいことを強く望ませていただきたいと思います。  大臣、何かバスについて思いはございますか。
  207. 川崎二郎

    川崎国務大臣 実は、きょう、朝からは規制緩和による影の部分の議論が多かったわけです。今吉田委員が言われておるのは、逆に規制緩和による光の部分、いろいろなアイデアを生かしながらやろう、まさに都市部のある意味では特権でありますけれども、そういったものがやはり規制緩和によって生まれてくる、それを支援していく体制というのをつくらなきゃならぬなと思っています。  一方で、例えば鉄道は地球環境に優しい、こういう議論はありますけれども、例えば地方で極めて乗る人が少ない中、大きな鉄道が走っている、それは電気かディーゼルで走っているわけですから、それのエネルギーと効率性のいいバスというものを比較したときに、どっちが地球に優しいかとなると、実はバスの方が優しいという議論も当然出てくるわけだ。どれだけの人をどうやって運ぶときにどれが一番効率性があるかということを常に考えながら物事を決めていかなければならないな、こう思っております。  したがって、言われるとおり、地下鉄もいいところもあれば、やはりバスも優位性を持っているところもある、そんなものをうまく組み合わせるのが我々の仕事であろうと思っております。
  208. 吉田治

    吉田(治)分科員 まさに国土交通省というふうなものになっていく中においては、その辺を含めて交通という名前に合うようにしていただきたいなと思います。  まさに今、大臣言われた自由化というふうな話で、タクシーの完全自由化というのが今後なされていく。  多分、聞かれる話は、大体今もう運転手さんいっぱいで、大変で、実車率が低うて、これ以上需要をふやして、タクシーの台数をふやしてというのでいいのかという質問が私は多かったかと思います。それぞれの御答弁は多分それぞれの議事録に出ておりますので、私も随分、この予算分科会だけじゃなくて、この中でも何人か担当されていた方を覚えておりますが、運輸委員会でも質問をさせていただきました。その気持ちには変わりありませんが、私は今度は、じゃ、まさに完全自由化されたときにどういうふうな人がそこへ参入ができるのかな。  私、タクシーに乗りましたら、運転手さんがこう言うんですね。待っているんですという人もいるんですね。自由化になったら自分たち運転手五人集まって、お金出し合ってタクシー会社やるんですわというふうな方も。私は聞いていて、ああそうだなと。自分たちは、影ももちろん大事だけれども、そういうふうなやる気の部分。  今でしたら、タクシーの運転手さんが独立するというのは個人タクシーの運転手さんしかない。しかしながら、こういうタクシーの完全自由化という形になってくると、そういう方も参入できるんではないかと思うんですけれども、局長具体的に、その完全自由化になったときのイメージというんですか、何年何月から完全自由化になる、そのときには、例えば極端な話、私みたいな者と言うたら怒られますけれども、私がやろうと思えばできるのか、そのときの基準というふうなものが多分あると思うんです。  では、その基準は何なのか。例えばお金、お金持ってなかったらできへんのか、それともそれに参入しようと思えば、何々資金があって、そういうような人、やる気のある人にはお金つけてやらせてあげるよとかいうふうになっているのか、その辺のシステムというものを今どういうふうにされているのか、お考えをちょっと述べていただきたいと思います。
  209. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 最近は、規制緩和は心配だ、難しい、あるいは運輸省の周りをタクシーで囲まれて規制緩和反対という事例に直面しておりますので、今の御質問を伺って、気がちょっとほっといたしましたところがあるわけでございますが、しからば新しい参入がどういう形で、一つはニューフェースといいますか、新しい意欲のある方の参入に門戸を開くというのが規制緩和の大きな目標でございますので、そのようなことを達成するということが可能になるような参入条件ということが前提になろうかと思います。  もう少し具体的にはどうなるかというのはまだ詰め切っておりませんが、次の、法律をつくり、その条件を明示する段階でまた御審議を願うことになろうと思いますが、基本的には安全、安心なタクシー事業者というイメージでございますので、一対一で運行されて、おりるときに料金を払う、そのときに、確定した明確な料金でないと困るというような運送形態でございますので、安心でかつ安全な乗り物ということが確保されるような条件とは何か、大変抽象的でございますが、そのような基本的な概念として詰めていくというふうに考えております。
  210. 吉田治

    吉田(治)分科員 局長、せっかくこういう質問しているんですからちゃんと答えてください。そうでないと、そういう抽象的なことばかり言うとみんなが心配するわけです。  では、今タクシー会社をやっている人、大きな会社をやっている人、そういう人でないとやっぱり参入はできないのか。そこで働く人たちは、搾られて搾られて搾取されて、そういう労働者でしかなくなるのかということしか考えられないわけじゃないですか。だから私は、わざわざ完全自由化になって楽しみになっている運転手さんもいる、じゃ、その運転手さんは本当に参入できるのかどうか、お金の部分を含めて、いつからか、それを私は今質問しているわけであって、抽象的なことを言うんだったら質問かえるよ。
  211. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 もちろん、今例示されましたような方でありましても参入できる可能性が出てくると思います。大会社だとか既存の事業者の買収だけではないように考えております。  また、いつからかということでは、閣議決定は十三年度から実施ということになっておりますので、現在は、閣議決定は変わっておりませんので、それを念頭に置いて作業を進めております。
  212. 吉田治

    吉田(治)分科員 だから、そのさわりだけでも教えてと聞いているんですよ。今どこの審議会で、どこがやって、いつそういうのが出てくるか。審議会でやっているのであれば、審議会の内容は公表されているんですから、議員、委員、この審議会のこういう内容をインターネットか何かで見て、そこに全部出ているから、そういうお話を聞きたいということです。
  213. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 まさしく運輸政策審議自動車交通部会議論されておりまして、答申骨子の素案を公表しております。Eメールアドレスもつけております。御意見を伺うためにアドレスをつけたわけでございます。この答申は四月の上旬に最終答申になる予定でございます。その後、具体的な内容の詰め、法案を作成するための詰めが続くものでございます。
  214. 吉田治

    吉田(治)分科員 随分きつく申し上げましたけれども、まさにそこのところ、あるから、ちゃんと言ってくださったらそれでみんな納得するんですよね。それを、抽象的なことで、申しわけない、安全、安心と、聞いていたら、なめとるのかというふうな話になるわけですよ。  ですから、はっきり言ってもらいたいと同時に、もう一つ私はこの機会にお聞きしたいのは、少子高齢化という時代になってくると、まさに今タクシーの運転手さんというのは、リタイアされて六十幾つの人というのは山ほど運転されています。少子化ということになってくると、じゃ自由にして台数をふやして、タクシーだけじゃなくてトラックもそうでしょう、バスもそうでしょう、そういうふうなところへの働き手というふうな部分が、今のような条件において、労働条件だとか雇用条件という言い方があるのかもしれません、果たして集まるのかなと思うんですけれども。  そういう少子高齢化というふうな部分に対して、今特に自動車関係、プロドライバーという部分において、何らかの対応だとか発想を持ってやっているのかどうか、ちょっとその辺、対応をお聞かせいただきたいと思います。
  215. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 自動車運送事業はドライバーが基本でございます。ドライバーなしに成り立たない事業です。ただ、傾向として、ドライバー自身の高齢化が進んでおる事実はございます。特に旅客の運送におきましては二種免許を取得しなければいけませんので、二種免許の平均年齢が現在非常に高くなっております。これは警察庁の所管でございますが、二種免許の位置づけということも運送事業において大きな課題になっております。  事業を所管する立場からいたしまして、物流にしろ旅客にしろ、自動車運送というのは大変大きな経済のもとになっておりますので、バイタルな、元気な事業ということからは、若手のドライバーといいますか、元気なドライバー、特に物流なんかにはそういう面が見られるわけでございますが、確保するようなことを念頭に置いていきたいと思っております。
  216. 吉田治

    吉田(治)分科員 時間ですけれども、ちょっと答弁漏れがあるんですよ。少子高齢化の、高齢化の話を今されましたけれども、少子化ということは、プロドライバー、若い人が欲しいけれども、だんだんそういう人が少なくなるということですね。そこに対しては今どういうふうに考えて施策を打とうとしているか。そういう部分がどうなのかということ、雇用条件を含めて。上げなければ来ないし、来たらなかなか今のコスト削減の中では厳しいんじゃないか。今後五年、十年を考えたときに、その辺はどういうふうに今考えているのか。もしくは、今言われた運輸政策審議会の中で議論がされているのか。その辺はどうなんですか。
  217. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 少子化ということと運送事業のドライバーというと、正直言いまして、今そう直接的な施策、政策が樹立されているわけではございません。今後どのような影響があるか、もう少し勉強してみたいと思います。
  218. 自見庄三郎

    ○自見主査 小幡鉄道局長から発言を求められておりますので、これを許します。運輸省小幡鉄道局長
  219. 小幡政人

    小幡政府委員 先ほど答弁させていただいた中で、ちょっと私、勘違いの答弁がございましたので、訂正させていただきます。  先ほど、せっかく第三次補正予算におきまして五十億の予算を計上いたしまして、地下鉄、JR民鉄等のエスカレーター、エレベーターのためにということを申し上げましたけれども、地下鉄についてはこの五十億には含めておりません。  そのかわり、地下鉄補助予算、公共事業費ですが、その中の、従来、大規模改良と新規だけでございましたけれども、エレベーター、エスカレーターについて、地下鉄の場合には大規模改良に当たるということで、地下鉄のエスカレーター、エレベーター、既存駅についての設置も対象にするという制度改正をいたしまして、そちらの方で対応させていただくということでございますので、おわびして訂正させていただきます。
  220. 吉田治

    吉田(治)分科員 これで終わらせてもらいますけれども、その辺でやったところは何%ぐらいになるのか、また後で数字を教えてください。  ありがとうございます。
  221. 自見庄三郎

    ○自見主査 これにて吉田治君の質疑は終了いたしました。  次に、達増拓也君。
  222. 達増拓也

    達増分科員 自由党の達増拓也でございます。  きょうは、まず最初、一月の二十日に発生いたしましたマグロはえ縄漁船新生丸海難事故について質問したいと思います。  この新生丸は岩手県山田町船越漁協所属の漁船でありまして、ことしの一月二十日の朝遭難をいたしまして遭難信号が出たわけでありますけれども、その後、その信号が誤発射であったというふうにみなされてしまいまして、結局八時間空白、ほうっておかれた格好になったわけであります。八時間の空白があって、ようやく午後三時過ぎに改めて遭難だ、海難だということで海上保安庁が出動したわけでありますけれども、残念ながらその日のうちには発見されませんで、翌日の午後になって、六名のうちの五名について救命ボートに乗っているところを発見されたということで、全体としてその発見までに三十三時間もかかってしまった。この八時間の空白ということについて、これはもう地元では本当に驚き、戸惑い、一体どうなっているんだということで非常に問題になったわけであります。  この事件につきまして、その後、運輸省、海上保安庁さんの方でも調査委員会、組織をつくって各方面から情報を聴取し、さまざま検討を加えているというふうに仄聞しておりますが、特に、この八時間の空白というものがどうして起きてしまったのか、この点を中心に、改めてその後の調査の結果等も踏まえて、その経過について説明お願いしたいと思います。
  223. 楠木行雄

    ○楠木政府委員 お答えいたします。  この岩手県の新生丸の事件につきまして、救難がおくれたのはもうおっしゃるように事実でございます。そして、私ども、そういった点につきましては率直に言いまして遺憾に思っておりまして、いろいろこういった面での私どもの業務等々についての改善につなげていきたいと考えております。  また、先生御指摘のように、海難が起こりました翌日の二十一日の夕刻、五名の方は救助されたわけでございますが、残り一名の方については、大変お気の毒なことでございますが、また残念なことではございますが、現時点でも行方不明となっているという現状でございます。  そこで、このようなことになりましたことにつきましての経緯、私どもも十分調べたわけでございますが、非常に複雑な経緯がございまして、これは全部申し上げますと大変時間がたちますので、簡潔にまとめて申し上げたいと思います。  まず、一月二十日の午前七時二十一分にこの船のEPIRB警報を海上保安庁の業務センターでございますMCCが一回だけ受信をしたというところから始まったものでございます。本件海難を担当いたしました横浜にございます第三管区海上保安本部は、直ちに関連情報の収集等を行うとともに、巡視船及び航空機の発動を指示いたしました。これは、こういうことがございますと、常にこういう確認できない状態ではすぐ出すというようなことをやっておるわけでございます。  ところが、新生丸の定時の連絡先でございます高知県の室戸漁業無線局から、新生丸と通話中であって、船は無事であるという旨の情報を入手したということがございまして、巡視船及び航空機の発動をその後解除したわけでございます。その後、さらに船主からの捜索要請がございまして、定時連絡に対する応答がなかったというようなことから、本格捜索救助のため、改めて巡視船及び航空機の発動を指示したものでございます。  このような事態となりました原因の究明につきましては、先生の御質問にもございましたように、官房長を座長といたしまして、関係省庁も参加していただきました運輸省内の調査検討委員会を立ち上げまして、一月二十五日に第一回目を開催いたしました。また、二月の五日には第二回目を開催いたしまして、海上保安庁などがこの一月二十日及び二十一日の当日どのような対応を行ったかを詳しく調査検討を行い、そして中間的な結果としてまとめたというものでございます。  また、これを踏まえまして検討事項が取りまとめられておりまして、今後はこれに基づきまして、来月中を目途に、いろいろ広い観点から検討を行っていこうとしております。  簡単に申し上げますと、一つは、遭難信号の確実な発射はどうしたらいいかということとか、あるいは誤発射の検知、それを減少させる等の方策はどうしたらいいか。それから二番目は、漁船の操業時等における通信の確保等の方策でございます。それから三番目は、関係者が多岐にわたる事案における情報収集体制の改善方策でございます。それから四番目は、他の機関、例えば自衛隊とかそういう他の機関との協力強化方策でございます。こういったこと等々の海上保安庁の捜索、救難のあり方、その他のいろいろ広範な事項につきまして鋭意調査検討し、その結果を取りまとめることといたしております。  なお、この衝突の相手方というのを早く特定するというのが非常に重要でございましたが、二月九日に相手船をパナマ船籍のカエデ号というふうに特定をしたところでございまして、この点につきましては引き続き捜査に万全を尽くす所存でございます。  以上でございます。
  224. 達増拓也

    達増分科員 今の答弁の中でも触れられたのですけれども、EPIRBという遭難信号を発信する機械、今回の事故では一回しかそれが発信されなかった、それで、また一方、このEPIRBというもの、しばしば誤作動が発生していて、報道によりますと、年間約三百件受信している遭難信号のうち、約九割が誤作動である。  それで、このEPIRBの搭載というのは義務づけられているわけで、今の遭難対策の主要なものとして位置づけられているわけですけれども、このEPIRBの信頼性といいますか、実際、今回のようなことがあり、また、ふだん誤作動が多いということが今回の関係者の対応の混乱につながったようなところもあり、EPIRBの信頼性というのは一体どんなものなんでしょうか。
  225. 谷野龍一郎

    ○谷野政府委員 まず、お答え申し上げます前に、今般の事故に遭われた被害者の方々、また家族の方々に心から御同情申し上げて、その上で先生の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。  先生御指摘の衛星EPIRBは、遭難者がどこにいるか、その位置を特定することを目的といたしております。したがって、船舶からすぐ脱出をしなければいけない場合には、救命いかだ等にそれを持ち込んでそのまま逃げるということを基本といたしております。  この場合、一般的に大型船につきましては、緊急退船時にEPIRBがあるところまで行けるかどうかなかなか難しい側面もございますので、自動離脱する形態のものを義務づけております。他方、小型船舶につきましては、アクセスが非常に簡単でございますので、必ずしも自動離脱型が必須の要件とはなっておりません。  今般の事故は、たまたま小型船舶に自動離脱型のEPIRBを設置していたものでありますけれども、離脱機能は、荒天時に船舶が大きな波をかぶりますと不用意に外れてしまうケースもございます。したがって、一定の水圧が、これは条約で四メーター未満までに外れることとなっておりますが、一定の水圧がかかることを必要とするようにしております。そのため、今般の事故では、船舶が小型でございましたので、横転時にEPIRBが離脱するのに必要な水圧がかからなかったという大変不幸なケースだったわけでございます。後ほど調べたんですが、電波の発射機能そのものはもちろん大丈夫でございました。  機器は技術の進歩でどんどん進展をしてまいります。ただ、使い方をきっちりしませんと、なかなか機能しないというのが事実でございます。今般の事故を契機にしまして、ソフトとハードのうまく兼ね合った使い方を十分注意しながら、こういったケースが減るように努力をしていきたいと思っております。
  226. 達増拓也

    達増分科員 せっかくのハードも使い方次第できちんと機能せず、またそういうことが重なることで人間の対応に混乱が生じてくるということですので、その点、必要な措置等きちんとやっていただきたいと思います。また、この海難事故、複数の省庁が関連したり、また政府のみならず民間の無線局ですとか、その間の連絡調整、まだまだ課題があると思いますので、調査検討委員会の方でもそこをきちっとやっていただきたいですし、二度とこういうことが起こらないように努めていただきたいと思います。  さて次に、現下の不況のもとで、いろいろ運輸関連でも厳しい情勢の中、四苦八苦しつつも頑張っている業界が幾つかあるわけですけれども、まず、タクシー業界について幾つかの質問をしたいと思います。  タクシー業界、規制緩和を推進するという、これは政府の行政改革委員会規制緩和小委員会等、政府全体が規制緩和の方針で進んできたわけでありますけれども、思えばイギリスやアメリカで規制緩和が大きく進んだ八〇年代というのは、アメリカ、イギリス、景気がよかったときでもありまして、そういう景気のいいときでありますと、規制緩和の中でビジネスチャンスがどんどんつくられて、退場すべき人たちも新しい分野に移動しながらスムーズに退場できるわけなんですけれども、経済危機、歴史的にかなり例のないような不景気のもとで無理な形で規制緩和を進めていくと、例えば、私の地元でも幾つか例があるんですけれども、経営のあり方に問題があるというよりは、やはり不景気ということが直接の原因になって、経営がうまくいかなくなって身売りせざるを得なくなるようなケースというのが出てくるわけであります。  規制緩和というのは基本的には進めなければならない話なんですけれども、タクシーの場合、特にタクシー事業に従事している会社、関係者からは、そもそも混乱のない形で規制緩和を進めてほしい。利用者保護、安全の確保、雇用の確保、企業の経営安定等々、もともとそういうタクシー業界に内在する特殊事情があるわけでありまして、それに加え、今、こういう不景気の中で規制緩和を進めていかなければならない。これは非常に難しい話だと思うんですけれども、この点、今政府はどのように対応しているのか、伺いたいと思います。
  227. 川崎二郎

    川崎国務大臣 基本的な認識を私の方からお話し申し上げて、四月上旬の答申に向けては荒井局長の方から細かいことは話をさせていただきたいと思います。  私、就任以来、景気が悪うございますから、多くの方々から規制緩和をおくらせたらどうだ、景気のいいときに規制緩和をして新しい需要を生み出していく、またコストを下げていく、大事なことだけれども、今はお互いが肩を寄せ合いながらという時期じゃないか、こういう御意見を随分いただきました。  ただ、私どもが規制緩和なり需給調整を取っ払う、こういう決断をいたしましたのは、やはり二十一世紀の日本を考えたときに、この高コスト構造をそのまま持っていたんでは、とても諸外国に立ち向かえないんではなかろうか。また一方で、我々がかなりの所得まで上がってきた。しかし、ドル換算にすれば世界一と言われるような所得になってきたけれども、生活実感としてはどうだということになると、どうも世界一とは考えられない。そういった問題をどう解決していくのかということの中で、実は政府として決心をいたしたわけでありますので、このペースを緩めるということは、私ども、しないという決意をいたしております。  自由党の皆さん方にも大変お力をいただいておるわけでありますけれども、やはり景気対策に全力を挙げながら規制緩和のペースは緩めずに進めていく、この二つを求めていきたい、このように思っております。  その中で、タクシー業界の御意見、また多くの一般の方々の御意見も賜りながら、先ほどちょっとありましたように、一般の人もどうぞ御意見をお寄せください、いつでも投書をくださいというような形で門戸を広げながら、今話を聞かせていただいているところでございます。来年には法律として皆さん方の御審議をいただくということになろうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  228. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 恐縮でございますが、引き続きまして検討状況をちょっとごく簡単に御説明申し上げます。  運輸政策審議会の場で現在検討を進められておりますが、今委員おっしゃいましたように、規制緩和の中でもタクシーは非常に難しい分野だというような感じがございます。  特に、タクシー事業の特性をどのように規制緩和に反映させるのかということは、答申の骨子素案にも記載がされてございますが、八割が人件費でございます典型的な労働集約産業、歩合制で労働条件に直結するため労働者が非常に厳しい労働条件、あるいは歩合制でございますので事業者の増車意欲は極めて強い、あるいは都市と地方で流し営業中心、駅待ち、車庫待ちというふうに随分違うというようないろいろな特性がございまして、その中で、しかし、新しい意欲のある人の参入に門戸を開くということがどのように達成するのかという、少々難題でございますが、それを混乱のないようにやるという課題を背負っておると思います。  答申、さらに法案の詰めに際しまして、深く検討を進めていきたいと思っております。
  229. 達増拓也

    達増分科員 規制緩和、ビジネスチャンスを拡大し、またそれぞれが自己実現の機会をふやしていくための規制緩和ということでありましょうから、そういう方向でスムーズにやっていただきたいというふうに思います。  同じタクシー業界関係なんですけれども、まさに新しいビジネスチャンスということで、近年福祉輸送ということに関心が高まっていて、そういう福祉輸送、車いす用のリフトがついていたりあるいは寝台がついているようなそういう車両を導入してやっていこうというような動きもあるわけであります。そういう新しいビジネス、ニーズ、そういうビジョンはあるわけですけれども、今のこの不景気ということもありますし、なかなかスムーズに新しいところに入っていけないようなところもまた同時にあるというのが現状だと思いますが、この点、政府の方はどのように認識し、また対応しているんでしょうか。
  230. 荒井正吾

    ○荒井政府委員 最近、高齢化等を反映いたしまして、移動に少々の障害があられる方がふえておられます。そういう方に対しまして、福祉輸送という分野が非常に期待されておるところでございます。タクシー事業の方からも、そのような分野に積極的にサービスを展開しようという動きがございます。運輸省としても、できるだけ支援をしたいと思っております。  昨年の十月に全国福祉輸送サービス協会というものが設立されまして、全国のそういう、特にタクシー事業の方がほとんどでございますが、福祉輸送サービスを展開しようとされる方が集まって発展を誓ったというようなこともございます。また、運輸省も、わずかでございますが、車両の税制特例を設けましたり、あるいはいろいろな相談に乗りましたり、許認可等の緩和をいたしましたりということで、応援をしている最中でございます。
  231. 達増拓也

    達増分科員 続いて、観光業について幾つか質問をしたいと思います。  観光業というのも、やはり景気に非常に左右されやすい、不況のもとでは経営環境が非常に厳しくなる業界だと思うわけであります。  最近、岩手県で岩手山の火山活動が活発化したことによりまして、それがかなり他の地方、特に東京などで非常に誇張されて伝わって、もう既に噴火している、あるいは今すぐにも噴火して、とてもそんな近くに泊まりに行ったり、レジャー、観光に行ったりできないかのごとき誤ったイメージが伝わって、それで地元では風評被害というふうに言っているわけでありますけれども、ただでさえ景気が悪いところに、さらなるダメージとして地元が非常に困っているということがございます。  こうした観光業に対する風評被害、例えばナホトカ号日本海重油流出事故の際にも、重油が流出して観光の目玉でありますカニが汚染されて食べられなくなっているというような、これは実際には食べられるんだということを関係の議員さんたちがカニを食べてみせたりして、いろいろ対策をとったりということもありました。  また、去年の東北から北関東にかけての集中豪雨があったときにもやはり、那須町がかなり被害を受けたわけですけれども、あそこは観光地でもありまして、もうダメージが回復して観光客の受け入れ態勢がある状況にもかかわらず、なかなかお客さんが来なくなる。  こういった風評被害、正しい情報が伝わっていさえすれば需要がちゃんとあるはずなのに、一種のこれは市場の失敗だと思うんですね。市場、マーケットは、本来正しい情報が関係者の間で共有されているという前提で市場メカニズムが働くわけですけれども、それが、風評ということで正しい情報が得られないまま需給関係がゆがめられている。これを正すのはやはり政府として取り組むべきことではないかと思うんですけれども、この点、政府の方でいかがお考えでしょうか。
  232. 川崎二郎

    川崎国務大臣 今一番話題になっていますのは、所沢のダイオキシンの問題でございます。マスコミが誤った報道をしたために、野菜農家に大変な被害が出ている。こういう問題を政府としてどうとらえるか、厚生省なり農林省がやはり正しい情報というものを国民にしっかり知らせていく必要がある。損害補償の問題は別として、我々の立場としてはそういうことで今懸命になっておりますし、中川農林大臣は毎日ホウレンソウを食べているようでございます。  そういった意味から、岩手のこの火山の報道につきましても、私どものできることとして、やはり正しい情報をお伝えする、特に観光関係が私ども所管に入っておりますので、そういったところへ岩手県の今のようなお話をしっかり伝えていくということが大事だろう。そういう意味では、国もしっかりやり、また岩手県みずからも、安全性というものを強く訴えていただいて観光誘致に御努力をいただきたい。私どもも、岩手県が逆に観光をPRするときに、また側面から、例えばサインシステム等援助させていただきたいな、こういうふうに思っております。
  233. 達増拓也

    達増分科員 力強い御答弁をいただいたと思います。  観光業については、去年、休日三連休化法案が成立いたしまして、土日に、月曜日を休日に持ってきてなるべく三連休をつくるようにする、そうした法律も成立しまして、いろいろな観光振興の工夫が出てきていると思います。  この法律審議されるに当たっては、新たに予算を投じることなく何兆円規模の経済効果が期待できる、そういう議論も行われたわけでありますけれども、全国的に不況のもとで大変厳しい状況の観光業に対しまして、今、政府としてどのような振興策等を考えているのか、伺いたいと思います。
  234. 川崎二郎

    川崎国務大臣 昨年、議員立法で、ハッピーマンデー、一月の第二週、十月の第二週、成人の日、体育の日を月曜日に移していただいて、三連休をつくり上げていただいたところでございます。来年からでございますが、ちょうどことしの十月十日が三連休になる週になりましたので、プレハッピーマンデーというのですか、一番いい時期でございますので、少し盛り上げるべく努力をしたいなと今考えているところでございます。  一方で、一つは国内対策、それから一つは国際観光誘致という問題があると思っております。  一つは、やはり各地域国民皆さん方が行っていただく、そのためにしっかりとしたシステム、標示というシステムをつくったらどうだろうかということで、ことし予算化に盛り込ませていただいたところでございます。また、団体旅行から個人旅行へのシフトがやはり多くなってきておりますので、外人の方々も含めて個人が簡単に観光情報を知れる、そんなものもインターネットを通じながらやっていかなければならぬ、こう思っております。  それから、問題は、我が国の海外に行かれる方、仕事が中心にはなっておりますけれども、千七百万人でございます。対して、我が国に来られる外人は四百万人、四分の一という状況になっておって、ここを何とかしていかなきゃならぬ。  そういった意味では、ことしは米国の西海岸地域にテレビコマーシャル、今韓国の金大中大統領が、どうぞいらっしゃいと打っておられますけれども、同じように、私どももウェルカムプランということでアメリカ側にテレビCMを打ちたい、こういうふうに思っております。それから、中国との関係も、今までは公用でしかお見えになりませんでしたけれども、これから観光にも手を広げてもらうということで了解をもらいましたので、中国に誘致機関も私ども設けて、中国からも観光客に来ていただけるような体制をつくっていこうと。  そういう意味では、この千七百万と四百万という差、せめて二分の一までは縮めたいな、こういう目標を持ちながら頑張りたいと思っております。
  235. 達増拓也

    達増分科員 今、川崎運輸大臣答弁の中にありました韓国の金大中大統領のケースは、まさに政治のリーダーシップ、政府の思い切ったリーダーシップでそういう国の観光というのが大きく前進し得るということだと思いますので、特にこういう不況の時期でもありますから、そこを脱出するための突破口としても、今後ますますきちんとした対応、思い切った対応、思い切った施策をしていっていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。
  236. 自見庄三郎

    ○自見主査 これにて達増拓也君の質疑は終了いたしました。  次回は、明十八日木曜日午前九時より開会し、郵政省及び運輸省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十八分散会