○山中(あ)
分科員 食品産業の形成と同時に、
地域の開発という中で、
農業製品それから加工品に付加価値をつけていく、そういう
努力をぜひやっていただきたいと思います。
それで、一番大事なのは人材の育成だろう。私はもともと大学におりましたから、どうしてもそう思うという点もありますけれ
ども、この
農政改革大綱にも、「担い手の確保・育成」ということが挙げられておりまして、
農業高校から大学の農学部への推薦入学の拡大、それから
文部省と
協議機関を設けて
農業教育への支援策の具体化をするというふうにあります。
これは大変大事なことですが、私がちょっと心配していますのは、これを見て、その後のプロジェクトというところを見ても、ほとんど同じことがちょっと違う言葉で書かれているという
状況でございまして、具体的にどういう形になるのかというのは、これから
協議会を設けて多分話し合われるんでしょうが、今までのように審議会で、こういう形になりましたという今までの延長のような形ではなくて、私は、
政府委員の廃止というのは、委員会そのものが、委員会そのもので一つの
方向性を見出す政策の
議論ができるところという形になるんだろうと思いますので、専門的な議員の方たちが、私は農水部会ではありませんけれ
ども、たくさんいらっしゃるわけですから、審議会でこうなりましたという委員会への出し方ではなくて、ぜひ委員会そのものの中でうんと
議論をしていただきたいというふうに思うんです。
先ほどちょっと申し上げましたように、デンマークでは、若手の
農業者のためのプログラムというのが非常に行き届いております。どういう研修をすれば例えばどういうサティフィケートがもらえるかとか、管理者までなるためにはどういうようなプログラムをとればいいかという、順繰りに上がっていけるような形になっております。
それと同時に、既に就業している
農業者の方への生涯教育的な
農業のコースというのが、これはわずか一週間なんですけれ
ども、そういうものがきちんと、これは公的なものではなくて
地域地域の
農業組合、もちろん国の後押しもありますけれ
ども、
農業関連の団体の人たちが集まって、それぞれのところに適した新しい情報ですとかそういったものを入れるということで、既に就業している人たちがさらにバージョンアップとかグレードアップしていけるようなこと、あるいは熟練の技術者とか
農業経済の専門家というのは、大学を出なくてもその
地域の経営ができるというようなさまざまなプログラムがあります。
私は、大変すばらしいと思っていますのは、それを後押しするシステムとして、その
地域地域でヘルパーを組合として雇っていて、一週間講義を受けに出るとなると、だれがその間の
農作物の世話をするかとか家畜の世話をするかということを憂いなくやれるような、つまり、受講者はお金は払うんですが、非常に安いお金で、あとはヘルパーを
地域として派遣する、そういうようなことがあります。
このヘルパーの制度というのは、高齢社会になっていきますけれ
ども、しかもまた、若手の
農業者の方は、子供を抱えて、家族
農業の場合には人手が欲しいというときもある。あるいはベルファストの酪
農家は、夫婦でかわるがわる海外旅行をして、その間コントラクターかヘルパーを使っているというようなこともあります。
そういった後押しをする周辺のものも含めて、起業家マインドのある
農業経営者を育成するためには、思い切ったカリキュラムの改革、それから、どういった教材を使うか、どういったコースを設定したらいいかというのを、それぞれの
地域の特性を生かしながらぜひやっていただきたいということと、非常におもしろいのは、その中でデンマークは、ああいう
地域にありますから、海外での研修ということに重きを置いておりまして、酪農大学もいろいろ研修生を受け入れておりますが、
農業経営者になるにはデンマーク語と一緒に英語も勉強するということもプログラムに入っております。
そういったことも含めまして、ぜひ、
協議会というのは、単なる今までの延長の
農業教育ということではなくて、新しい発想を入れていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。