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冬柴委員 我々は、この
国会で十分冷静な議論をしたいというふうに思っておりますので、怒号と喧騒のようになるようなことはやめてもらいたいということを申し上げておきます。
次に移ります。
地域振興券について若干聞きたいと思います。
我が党は、今次の長引く
不況、こういうものを克服するための
対策として、合流前ではありますけれども、公明あるいは新党平和が協議をして、昨年の一月の末には、十兆円規模の減税をやるべきである、こういうことをいち早く申し上げました。
その
内容といたしましては、中長期戦略と短期戦略、二つあります。
中長期戦略としましては、所得税、個人住民税、そして法人税の恒久減税を即時六兆円超の規模で行うべきである、こういうことが中長期戦略でございました。
短期戦略というのが、これはなかなかユニークでありまして、大変悪口も言われました。しかし、我々は、一億二千五百万国民すべてに、お一人三万円ずつ、期限つきの商品券という形でお返しすべきである、返還の費用も含めて約四兆円規模、これを即時お返しすることによって国民総支出の六〇%と言われている三百兆に及ぶ消費支出を喚起すべきである、これによって景気を立て直すべきである、こういうことを申し上げたわけであります。
それに対して、税金を払っていない人が減税の恩典を受けるのはおかしいという議論がありました。しかし、私は、税金は所得税、住民税だけではない、消費税も立派な税金であります。この消費税は、例えば年金だけで
生活している御夫婦、一カ月十五万円しか生計費を払えない人でも、一年間には百八十万円のお買い物をしていらっしゃる。この中には五%の消費税があるわけですが、
平成九年四月、二%上げられた、増率された消費税だけをとらえても、百八十万円の二%、三万六千円を、つめに火をともすような年金
生活者でも払っているではないか、この消費税の増率というものが今次
不況の引き金であったとするならば、これをまず返したらいいじゃないか、こういう思想でございます。
したがって、一億二千六百万人の国民ひとしく三万円、貧富にかかわらず定額で返したらいい。なぜそうするかといいますと、所得税、住民税減税というのは所得税や住民税を払った人にしか減税の恩典が行きません。当然の話です。しかしながら、この国には、税金を払えない、例えば二百九十万人の
失業者がいらっしゃるじゃないですか。
失業者は税金払えません。払う必要もありません。ですから、幾ら減税をやっても
失業者の人に対しては一銭も恩典は行き渡りません。
また、先ほど言いましたような、年金だけでしか
生活をしていられない六十五歳以上の、個人住民税の支払いすら免除されている御老人が一千四十五万人、この国にはいらっしゃいます。この
人たちの上には、減税をした減税をした、昨年も二月と八月に二兆円ずつ、合計四兆円の所得税、個人住民税の定額減税が行われまして、
平均世帯、夫婦と
子供二人に約十三万円が配られました。しかし、そのようなものは、このような
失業者の方あるいは低所得の高齢者、あるいは
生活の保護を受けなければ
生活ができない要保護世帯三百三十六万人、こういう
人たちには全く均てんしないわけです。
我々はその点に着目いたしまして、そういう
人たちも生きている限り消費税を払っているじゃないか、
失業者も
失業保険の中から生計費を払って、その中には税を払っているじゃないか、これを返そうじゃないか、そういうことで、この商品券構想というものを設計したわけです。
これをただ単に現金で払ってしまったのでは貯金をしてしまわれる。だから、期限つきの商品券であれば、これはその期限の中で使わなければ無効になっちゃうわけですから、消費の即効性、確実性というものは担保できる。そういうことで、我々はそういう設計をして公約として打ち上げたわけですが、これは大変不評でございました。天下の愚策、そういうことを言っていただいたために、大変国民の間で話題になりました。これがよかったわけでございまして、我々は、毎日のお褒めの言葉もくさしの言葉も、それも一つの話題提供として非常にありがたいな、そういう受けとめ方で今日まで参りました。
そうしますと、最近は随分悪口がなくなってきまして非常によくなってきたわけでございますが、そういう公約を掲げて参議院を戦わせていただきまして、七百七十五万票、我々は大勝利をさせていただきましたが、自由民主党、何人も予想しなかった大敗北を喫してしまいました。参議院では過半数を大きく割り込んだということから、橋本内閣は総辞職をされて
小渕内閣が組閣されたわけであります。
小渕総理は、就任とともに、我々が言っていました六兆円超の所得税、個人住民税、法人税、この恒久減税を
平成十一年から実行する、このように記者会見でおっしゃいました。我々の参議院における公約、約六割はこれで実現したわけでありますが、その残りの商品券問題につきましても協議を始めようとおっしゃっていただきました。
協議をしましたところ、自由民主党の方では、世間も大分厳しいし、これは初めての事業だ、そして結果もわからない、だからやるとしてもせいぜい数千億範囲でやるべし、こんな話で終始をいたしました。最終的に十一月十日に、もうこれ以上延ばすと第三次補正には間に合わない、そういうところで、最終的に
地域振興券交付事業ということで七千六百九十八億円の規模でやろうということが合意されたわけであります。
我々にとっては、四兆円という約束をしていたのが五分の一以下の七千億になるわけですから大変つらかったわけですけれども、二十代、三十代、四十代で子育てをしていらっしゃる可処分所得の少ない層、そういうところに渡る、そういう
意味で、十五歳以下の
子供を持つ世帯にまず優先して配分しよう。その
子供たちは二千八十八万人であります、そういう
人たちにまずお渡しをしよう。
中学生で切ったのは、高校生、大学生には、御承知のとおり、特定扶養親族控除ということで税で教育減税が行われております。所得税で五十八万円の所得控除が行われております。そういう
意味で、それの行われていない中学生以下の二千八十八万人にまずは受け取っていただこう。
子供に渡すわけじゃない、それを育てる二十代、三十代、四十代の可処分所得の少ない世帯にまず取っていただこう。
それから、六十五歳以上の年金
生活者、そして要保護世帯、締めて三千五百九万人の方にお受け取りいただこう。その後、在日の朝鮮・韓国人の
方々、永住者の
方々にも限りなく同じ扱いをすべきだということで、九万人の
子供たちが受け取れることにしていただきましたけれども、いずれにいたしましても、そうなりますと、我々、三万円を主張いたしましたけれども、一兆円を超えてしまいます。そういうことで二万円ということで折れ合ったというのが現状でございました。そういうことでスタートをいたしました
地域振興券、大変話題を生みながら今日に来ております。
このときの四兆円が七千億になったわけですから、最後の幹事長会談では、結果がよければ第二弾、第三弾もやったらいいじゃないですか、これが景気
対策になるということになればやったらいいじゃないかということで、結果よければ第二弾も再検討すべし、こういう書面まで一札入れていただいて、こういうものが合意が成立したわけであります。
総理、自民党総裁として、結果よければ再検討もあるべし、こういう合意がされたということは御存じですか。それについての所感をお伺いしたいと思います。