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伊藤(茂)
委員 実質は変わっていないと言いましたが、私は、重大な変化が起きているということを申し上げたい。理屈の論争ではなくて、私の最近勉強したことで幾つか申し上げたいと
思います。幾つも例がございますけれ
ども、古い例、それからしばらく前の例、最近の例と、絞って幾つか申し上げてみたい。
ちょっと古くて新しい話題なのですが、例えば六五年十二月五日に起きた
事件で、八〇年代に当
国会でも随分議論になったことなのですが、タイコンデロガ
事件がございました。沖縄沖で水爆とパイロットと飛行機が航空母艦からおっこちて、その二日後にその航空母艦が横須賀に入港したという
事件でございまして、非常にセンセーショナルに
報道された問題でございます。
八〇年代にさまざまな議論があり、外務省あるいは条約
局長などの外務
委員会における答弁な
ども読んでみましたが、その当時は、まだ
情報公開法で出される航海日誌などが出されていない段階。最近、その航海日誌とかそれから司令官報告とかいうものが、やはり
情報公開の国ですね、私もうちに帰ると、ペンタゴンとかにインターネットでつながるようになっていますから、いろいろなものが入って、さすがと
思いますけれ
ども、はっきり出てまいりました。
それを読みますと、私はびっくりいたしました。水爆とパイロットをおっことして、二日後に横須賀の十二号バースに着いた。その中身もさまざまですね。司令官報告六六年度分、それから、おっこちた飛行機が第五十六攻撃飛行中隊とあるのですが、それの報告書などを読みますと、つまり、いつでも核戦争に対応できる能力を持っている。これは、ブッシュ大統領が核兵器を船に載っけるのですね。
潜水艦以外はやめたという前のことですから、能力を持っている。核兵器というかかわりの文章は、すべて複数になっております。Sがついている。
そして、横須賀寄港、それからさらにベトナムで北爆、当時ですからヤンキーステーションに帰るのですが、その間にどこにも寄り道をしておりません。航海日誌から地図に落として、全部私
どもやってみましたが、どこにも寄り道はしていないですね。横須賀に来るまで寄り道はしていない。行くときも真っすぐ行っている。それから、ほかの船に荷物を積みかえたということも、記録には全然ございません。
と申しますと、一体何だろうか、非核三原則、事前協議。事前協議に該当する三つの岸・ハーター交換公文の取り決めというものは何だろうかというふうに
思います。これが、重大な問題として私も非常に痛感しましたが、
一つであります。
二つ目には、
外務大臣には実は再三申し上げてきたことなのですが、昨年一月に、インディペンデンスが湾岸に出撃をするということで、NLP
訓練がございまして、これは事前通告なしで、コーエンさんも陳謝をされたと総理からも伺っております。
それはそれなのですが、実はその後、二十二日に横須賀から四隻でペルシャ湾に
出動をいたしました。その前の日にコーエン国防
長官が横須賀基地をヘリで訪れまして、インディペンデンスの甲板の上で兵士を激励いたしました。その演説の内容、これも私
ども、米軍のアメリカンフォーシズ・インフォメーションサービスから取り寄せまして、向こうのでありますが、相当激しい演説をいたしまして、重要な
任務でこれから中東に
出動する、アメリカの力を見せつけなくてはならぬ、諸君、しっかりやれというふうなものですね。
母港であり、それから第七艦隊の旗艦もある、その場所で、現物の航空母艦の上で最高司令官が言うのですから、直接の
出動に何らの疑いもありません。いや、私は、政策的なことを言っているのじゃない、ルールを言っているんです。ルールはしっかり守ってもらわなくてはならぬと。
そういたしますと、今条約
局長も言った、事前協議はさらに守りますだの何だのと言っているのは、何をやっているんだという気がするわけでありまして、きちんとした日米間の話があって、お互いにやって、やれることはやれる、やれないことはやらないというのが同盟というものだろうと私は
思います。
最近のことでもう
一つ申します。
海兵隊を乗っけて、上陸とか作戦に出るための船が、実は佐世保にベローウッドとかジャーマンタウンとか三隻ございます。御承知のとおりであります。最近、その三隻が沖縄のホワイトビーチに寄港をいたしまして、海兵隊員二千人を乗っけまして中東に参りました。
そしてその後、イラク攻撃に関連をいたしまして作戦
行動がございまして、四カ月ぶりに、つい最近、三月の十四日にホワイトビーチに帰還をいたしました。
報道をいろいろ見てみますと、フルトンさんという大佐の司令官なのですが、湾岸での作戦
行動にしっかりやったと、即応態勢の重要性を強調したと、必要な弾薬などはほとんど沖縄から供給をされたと。直接
出動だろうと思うのですね。
こういうふうなことが、いろいろと
報道その他を読んでおりますと、例えば三沢の飛行場からF16が直接飛んでいったであろうとか、確かめるあれはありませんが、いろいろなことが実は出てくるというわけでございます。
安保の根幹として、六〇年
安保のときでも、私
どもの先輩が議論したのは、事前協議と極東の範囲という問題でございました。言葉では、それは変わりませんとか、さまざまな御説明がございます。しかし、事実は重大な変化が起きている。この事実を一体どう
考えるのか。
十分な時間がございませんので、私は、
外務大臣に、この前の、原子力空母が横須賀に来るかという議論のときにも突然申しまして、空中戦をやって、その後落ちついた議論をいたしまして、私は満足はしておりませんが、一定の詰めた話まで
国会でもさせていただきました。やはり、こういう議論をきちんとやっていくということが必要なのではないだろうかというふうに
思いますが、これらの
事態について、
外務大臣ですか
防衛庁長官ですか、どうお
考えになりますか。