○渡辺(周)
委員 もちろん、為替レートの指標というものが決してすべてにおいて優先するわけではないということは、今お答えの中に行間の意味を酌み取ったわけでございますが、しかしぜひとも今後、この質問はまた改めて
経済企画
庁長官等がいらっしゃるときにぜひ質問したいなと思いますが、つけ加えてちょっと言わせていただければ、
経済企画庁の発表する物価レポート、過去のものを見てみますと、円高局面で国際比較、公共料金の料金
水準の高さを
指摘しておりまして、見方を変えると、何か社会の割高感を、言葉はちょっと過激ですが、扇動しているようにも思えるわけでございます。
そんな中で、これからこの法改正を進めていくに当たって、今回のこの改正については、
エネルギー問題については、我が国特有のいろいろな諸条件の違いといったものをぜひとも勘案しながらある意味では見解をまとめて、指標というものをいろいろな形で多角的に示していただきたい、そのようなことをつけ加える次第でございます。
時間がございませんので、次の質問に移らせていただきます。
次のお尋ねでございますが、先ほどちょっと冒頭申し上げた、ニュージーランド、オーストラリアに我が党の同僚議員の
方々とケーススタディーに行ってまいりました。
規制緩和により成功されたと言われる、特にニュージーランドで、昨年の二月に大停電が発生したのは御承知のとおりでございます。昨年の二月でございます。
日本では冬ですが、向こうでは真夏でございまして、
電力会社の中長期的な
設備投資の抑制、保守、メンテナンスがおろそかになったといったことがこのニュージーランドのオークランドの大停電を引き起こしたとレポートもされております。もう当然ごらんになって把握はされていらっしゃると思いますけれ
ども。
島津議員の質問と若干ダブるかもしれませんけれ
ども、御案内のようにオークランド市でございますので、東京でいえばこのあたりが大停電を起こした、東京の丸の内を
中心にして千代田区であるとかあるいは港区あたりの心臓部が全く機能が麻痺したという中で、その点についていろいろな要因を挙げてきたわけでございます。
本当に、この大災害の原因というのは、先ほど申し上げたような
電力会社の中長期的な
設備投資の抑制である、あるいは保守、メンテナンスがおろそかになった、それからまたその後の復旧作業に大変時間がかかったということについての原因も、実は復旧作業の要員不足があったのではないかというふうに
指摘がされたわけであります。
もちろん公式なレポートにはそのようなことは触れておりませんけれ
ども、私
どもがお会いした
電力産業に働く
方々あるいは学者の
方々、それから学識経験の方、
消費者団体の
方々、いろいろな分野の方とお目にかかって、当然
会社側の方ともお目にかかることがありましたけれ
ども、そのような幾つかの意見が出されました。ある意味では、先ほど
島津議員も申されましたけれ
ども、公益事業が利益を優先してしまうとどういうことが起きるかという
一つの原因を見てきたわけでございます。
そんな中で、事業の効率化あるいはコストダウンということを
考えた場合に、今申し上げたような保守点検要員でありますとか、こういった
方々が人件費削減のために雇用削減された。そして、それがある意味では最も手っ取り早い
企業にとってのスリム化の手段であるというような
一つの例は、
日本に限らず、ニュージーランドでも同じことが例示されたわけでありますけれ
ども、先ほ
どもお話ありましたが、短期的な利益を最優先に
考える、そして中長期的な
設備投資を抑制、こういったことが、結果的には保守、メンテナンスをおろそかにし、そして技術者、技能者が解雇されたことによって要員が不足をした。こういうことが実は今回の問題であらわれた、自由化あるいは
規制緩和による光でない影の部分として端的にあらわれたのではないだろうかなというふうに思っているわけであります。
そうした中、
規制緩和という問題が、今回のニュージーランドの例でいいますと、メリットを享受できたのはまさに光の部分、これは大口
需要家でありまして、影の部分、先ほど申し上げたようなサービスの低下ということ以外にも、一般の
生活者にとっては電気料金が実は上昇したんだといったデメリットを甘んじて受けた、こういう
状況も
指摘されたわけでございます。
そうした中で、今回の
日本の
電気事業法改正、このポイントの中には
電力会社の
経営の自主性を尊重するということが挙げられているわけでございますけれ
ども、このような最低限必要な、先ほど申し上げましたコストの部分、これを適正に回収するためにどのように具体的な
制度設計を
考えていらっしゃるのか。中長期的な
需要想定に基づく
設備の強化、再
投資、そして保守、メンテナンスに必要な要員、そしてその技術者の育成でありますとか技能の継承といったような必要なコスト、この点についてどのように
考えるのか。
そしてもう一点は、このニュージーランドの例で
指摘されました電気を利用する
消費者の公平さ、公正さを担保するためにはあわせてどのようにお
考えになっているか、その点についてのお尋ねをさせていただきたいと思います。