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1999-07-22 第145回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年七月二十二日(木曜日)     午後四時十九分開議   出席委員    委員長 中村 鋭一君    理事 飯島 忠義君 理事 植竹 繁雄君    理事 砂田 圭佑君 理事 萩山 教嚴君    理事 神田  厚君 理事 土肥 隆一君    理事 西  博義君 理事 達増 拓也君       今村 雅弘君    奥谷  通君       小坂 憲次君    小林 多門君       佐藤 静雄君    阪上 善秀君       田中 和徳君    田村 憲久君       竹本 直一君    能勢 和子君       桧田  仁君    平沢 勝栄君       堀之内久男君   三ツ林弥太郎君       目片  信君    望月 義夫君       矢上 雅義君    今田 保典君       辻  一彦君    藤村  修君       山本 孝史君    渡辺  周君       赤松 正雄君    木村 太郎君       旭道山和泰君    三沢  淳君       平賀 高成君    藤木 洋子君       北沢 清功君  出席国務大臣         国務大臣         (国土庁長官) 関谷 勝嗣君  出席政府委員         国土庁防災局長 生田 長人君         厚生省社会・援         護局長     炭谷  茂君         農林水産省構造         改善局長    渡辺 好明君         林野庁長官   山本  徹君         気象庁長官   瀧川 雄壯君         郵政省電気通信         局長      天野 定功君         建設省河川局長 竹村公太郎君         建設省住宅局長 那珂  正君         自治省財政局長 二橋 正弘君         消防庁長官   谷合 靖夫君  委員外出席者         厚生大臣官房障         害保健福祉部長 今田 寛睦君         衆議院調査局第         一特別調査室長 高橋 徳光君 委員の異動 七月十二日              辞任         補欠選任   松岡 利勝君     能勢 和子君 同月十五日             辞任         補欠選任   能勢 和子君     松岡 利勝君 同月二十二日             辞任         補欠選任   松岡 利勝君     能勢 和子君 同日                 辞任         補欠選任   能勢 和子君     松岡 利勝君 七月二十二日  地震財特法の延長に関する陳情書(第二九九号)  震災対策関係施策充実強化に関する陳情書(第三四三号)  防災対策充実強化に関する陳情書(第三九四号) は本委員会に参考送付された。 本日の会議に付した案件  災害対策に関する件(平成十一年六月二十三日からの大雨による被害状況)  派遣委員からの報告聴取     午後四時十九分開議      ――――◇―――――
  2. 中村鋭一

    中村委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、特に平成十一年六月二十三日からの大雨による被害状況について調査を行います。  本件調査のため、去る七月十四日、広島県に委員派遣いたしました。  この際、派遣委員より報告を聴取いたします。萩山教嚴君
  3. 萩山教嚴

    萩山委員 報告いたします。  平成十一年六月二十三日からの大雨による被害状況調査につきまして、派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。  七月十四日、広島県に派遣された委員は、中村鋭一委員長を団長として、自由民主党能勢和子君、同じく桧田仁君、民主党の土肥隆一君、同じく今田保典君、公明党・改革クラブ西博義君、自由党の三沢淳君、日本共産党平賀高成君、社会民主党・市民連合北沢清功君、そして私、萩山教嚴の十名であります。  また、粟屋敏信君が現地参加をされました。  また、全行程において参議院災害対策特別委員会と行動をともにいたしました。  本年の梅雨前線の活動は、六月二十三日から広島県を含む西日本を中心に活発化して豪雨となり、広島市では六月二十九日午後二時からの時間雨量が六十三ミリ、呉市では同日午後四時からの時間雨量が六十九ミリとなりました。  この豪雨が、真砂土と言われる風化した花崗岩層に浸透して、がけ崩れ、土石流が多発し、特に広島市、呉市において甚大な被害をもたらしたことに対し、早急に災害救助法適用がなされました。  また、被災者生活再建を支援するため、初めて被災者生活再建支援法広島県全域に適用されたところであります。  七月十三日現在の被害状況といたしましては、人的被害死者三十一名、行方不明一名、負傷者四十七名であります。物的被害住家の全壊百四十五棟、半壊百六棟、一部損壊二百六十一棟であり、部門別被害額公共土木関係三百十七億円、農業関係百一億円、林業関係九十六億円、商工業関係八億円、福祉衛生関係六億円など計五百三十八億円であります。  この災害により、とうとい生命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災者方々に対し衷心よりお見舞いを申し上げる次第であります。  それでは、調査の内容について申し上げます。  まず最初に、広島空港の会議室において藤田広島県知事秋葉広島市長を初め関係者から概況説明を聴取いたしました。  次いで、県及び市から、激甚法適用災害復旧予算枠拡大、急傾斜地等における宅地安全確保などについての要望がなされました。  また、委員から、降雨量の予測など気象情報把握情報伝達流木除去対策地すべり等危険箇所の指定と防災対策住民への避難勧告宅地開発あり方災害対策本部設置のおくれなどの発言があり、自治体側対応が示されました。  次に、視察のため空港を出発し、呉市の被災地に向かいました。  呉市西畑地区において、まず献花をして黙祷を行いました。上畑川と堺川との合流点付近護岸が崩壊し、住宅等被害をもたらしたさまを目の当たりにいたしました。これは、上流からの濁流が湾曲した部分を削り取り、石積みの護岸の崩壊を大きくしたものであります。  次に、呉市役所において小笠原市長を初め関係者から概況説明を聴取いたしました。  次いで、呉市から、災害復旧予算枠拡大災害未然防止のための公共事業予算大幅増額激甚法適用などの要望がなされました。  また、委員からは、川の流路の改修、五分ごとレーダー情報の提供、住民への避難勧告避難住民の現況、砂防ダムの効果などの発言があり、その対応が示されました。  その次に、広島市の被災地に向かいました。  佐伯区五日市町の荒谷地区において、献花をいたして黙祷を行いました。現地は、土石流によって荒谷川がはんらんし、土砂流木付近住宅を襲ったものであります。その実態を目の当たりにして、被害の恐ろしさを実感いたしました。  現地では、大小のショベルカーやダンプカーによる堆積土砂などの排除作業が行われておりましたが、相当の期間を要するものであろうと思っております。  次に、徒歩で上小深川地区に移動し、ここにも献花をして亡き人々のために黙祷をささげました。  この地区土石流により古野川がはんらんをし、土砂などが住宅を襲い、被害をもたらしたものであり、同じく土砂などの排除は相当の期間を要すると思っておりますし、地元の方もそう申しておられました。  両地区からの土砂流木などは、一時的に流通センター用地などの数カ所に投棄されてはおりますものの、最終的な処理が課題として残されております。  調査を通じまして、土石流危険渓流等の整備の促進、防災情報伝達及び防災に対する住民意識高揚など、特に重要であると痛感いたしてまいりました。  報告を終わるに当たり、被災されました多くの方々に改めてお見舞いを申し上げますとともに、災害対策に奮闘されております関係者各位に対し心から深甚なる感謝を申し上げるものであります。  また、今回の調査に御協力をいただきました広島県、広島市、呉市の皆様にも心から御礼を申し上げまして、私の報告といたします。
  4. 中村鋭一

    中村委員長 これにて派遣委員報告は終わりました。  この際、お諮りいたします。  広島県、広島市及び呉市からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 中村鋭一

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔要望事項本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  6. 中村鋭一

    中村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桧田仁君
  7. 桧田仁

    桧田委員 自由民主党桧田でございます。  さきの六月二十三日からの集中豪雨による被害状況について質問させていただきます。  質問に先立ちまして、このたびの災害においてお亡くなりになった方々に心からの哀悼の意を表したいと思いますとともに、被害に遭われました皆様方に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をされますことをお祈りいたします。また、委員長初め現地に御視察いただきました委員先生方には、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。  このたびは全国各地被害が出たわけでございますが、後ほど同僚議員の御質問もございますので、私は特に、今回被害が一番ひどかった広島佐伯区を中心質問させていただきますので、何とぞよろしくお願いします。  このたびは、この佐伯区、私の地元でございますけれども、十一名の死者、それからその原因となりました雨量も、記録上経験したことのないような雨量でございました。しかし、これもいつ起きるかわからない、また災害は忘れたころに起きるということを目の当たりにした経験もしたわけでございました。地元住民復旧に全力を挙げているわけでございますし、国、県、地方と大変御尽力いただき、また、きょう御出席の多くの皆様方にも大変なお励ましをいただいておりまして、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。  なお、ともかくこの被害ということをきっちり究明し、また対応を考えていくことがこれからの一番肝要なことと考えておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  まず第一は、このたび被害がひどかった佐伯区、最終的には十カ所程度大きな土砂崩れ、土石流被害等がございました。その主な四カ所について集中的に質問させていただきたいと思います。広島佐伯区の屋代川、荒谷川堂ケ原川古野川の四カ所の災害について特に詳しくお願いしたいと思います。  まず第一は、この被害が大きく、十一名の死者を出しましたところの避難勧告は出ておりましたでしょうか。
  8. 谷合靖夫

    谷合政府委員 お答えを申し上げます。  二十六日の御指摘地区につきましては、事前に避難勧告は出ておらなかったと承知しております。
  9. 桧田仁

    桧田委員 それでは、これからは時刻関係を少し整とんしてみたいと思うんです。  時間の関係で全部まとめて答弁いただきたいんですが、私は今一覧表をつくって見ているわけなんですが、災害発生した時間と、死者・行方不明がわかった時間と、救助隊が入った時間と、そしてそれを国である消防庁がいつ知ったか。これは、既に私たちが災害対策経験をいたしました鹿児島県の出水市あるいは新潟県の蒲原沢土石流災害と比べましてどのような違いがあるかは、この災害対策特別委員会でしっかりと究明しておきませんと、どこでも起きることであると同時に、現実がどうだったか。  時間の関係がありますから、この四つの川の災害発生時間、死者・行方不明を何時にわかって、何時間後か、救助隊はいつ、どのぐらい入ったのか、そして国の消防庁はそれをいつ知ったのか、この辺もぜひお教えいただきたいと思いますし、先ほど言いました蒲原沢出水市の例と比べてどんな違いがあるのか。特に、国土庁長官には御視察いただいておりますので、御視察前後までにどの程度わかっていたのか、わかれば御返事いただきたいと思います。
  10. 谷合靖夫

    谷合政府委員 時間の関係についてお答えを申し上げたいと思います。  まず、各地区、御指摘のありました屋代川、荒谷川堂ケ原川及び古野川に係る地区、四地区でございますが、そこで土石流そのものが正確に発生をした時刻というのは正直把握をされておりませんが、二十九日の十四時から十六時までの間に、地域によっては数回にわたって土石流発生をしたというふうに推測をされております。  それで、このような災害発生覚知した時刻でございますが、これは広島市の佐伯消防署でございます。まず屋代地区については十四時五十五分、荒谷川地区については十五時二十分、堂ケ地区につきましては十四時四十三分、古野地区については十五時二十七分というふうに聞いております。  それから次に、死者行方不明者覚知した時刻でございますが、その覚知時刻につきましては、先ほど申し上げました災害発生時刻を起点で申し上げたいと思いますけれども屋代地区につきましては災害覚知時刻から一時間二十五分後に一人、それから荒谷川地区については同じく災害発生覚知時刻から四十分後に一人、さらに十時間三十分後に三人、次に堂ケ地区につきましては二時間十六分後に二人、古野地区につきましては一時間十一分後に二人というふうに、それぞれ覚知時間からおくれて死者行方不明者覚知をされていると聞いております。  それから次に、いわゆるレスキュー、救助隊派遣した時刻とその人数でございます。  これにつきましては、地元佐伯消防署では直ちに救助隊派遣を調整いたしましたが、やはり他の署からの応援を求める必要ということもありましたので、一部地域においては時間を要したというふうに聞いておりますが、具体的に申し上げますと、屋代地区につきましては覚知時間から三十五分後に七十五名の救助隊員派遣をされております。荒谷川地区につきましては覚知から一分後に四人、さらに四十分後に十九人。それから堂ケ地区につきましては、災害発生覚知と同時に現場に職員が四人いたというふうに聞いておりますが、さらに二時間三十分後に二十七名。それから古野地区につきましては一時間三十分後に三十四人の派遣がなされているというふうに聞いております。  それから、一番最後に言われました、私ども消防庁がおのおのの地区被害についていつ知ったかという御指摘でございますが、広島市から広島県を通じて消防庁に対する報告がなされるということになっておるわけでございますが、広島県から消防庁に対する最初死者不明者被害報告が行われた時刻は、それぞれ、屋代川、荒谷川及び堂ケ地区につきましては六月の三十日の七時九分でございます。それから古野地区につきましてはこれより早く、六月三十日の四時二十八分というふうに承知をいたしております。  それから、蒲原沢地区土石流災害出水市の土石流災害との関係で御指摘がございましたけれども広島市の今回の各地区での災害発生覚知した時刻から私ども報告を受けた経過時間を見ますと、屋代川及び荒谷川地区では約十六時間後でございます。それから堂ケ地区では約十四時間二十五分後でございまして、古野地区では約十三時間というふうになっております。  一方、蒲原沢土石流災害、これは平成八年十二月六日に起こっておりますけれども、これについての被害報告を私ども新潟県から受けたわけでございますが、そのときには災害発生からおよそ一時間十五分後に報告を受けております。  それから出水市の方につきましては、鹿児島県から消防庁に対して報告があるわけでございますが、災害発生平成九年七月の十日午前零時四十九分ごろでございますが、およそ一時間十分後の午前二時ごろに報告を受けております。  以上でございます。
  11. 桧田仁

    桧田委員 実は、皆さん数字がたくさんあったからわからないと思いますが、この問題は、私がこれだけ長く聞いている最大の理由がございます。実は、この数字広島市民も国民も今初めて知ったということでございます。全く公表されたことがない。初めて。  すなわち、災害発生後に、一時間後には既に死者がいる、救助隊も入っていながら、消防庁は十六時間後にそれを知ったということです。十六時間後といっても、三十日の朝七時です。国土庁長官がどのように何時に御報告を受けたかということも重大な意味を持っておりまして、恐らく国土庁長官は、その災害発生状況報告を受けないままに広島にお入りになったのではないかという予想をいたしております。  すなわち、どの災害も一時間十五分後には災害死者被害もわかり、またそれを消防庁は受け取り、そしてそれを国土庁と話し合いをしているのに、十六時間後という、他の地域が一時間十分なのに十六時間後という、これがすべてのこのたびの災害を大きくした原因でございますので、私としては、もう一回消防庁長官に、このことがなぜこうなったのかを教えていただきたいし、さらには、その救助隊を出した五時間後に、自衛隊自身要請を受け、県も要請を受けながら、広島市は現在は自衛隊の出動は必要ないと断っております。  そういう問題に関して消防庁長官としては、この二点、なぜこんなにおくれてしまったのか。こんなに現代、町中の災害でございます。十六時間後に国が知る、そして救助隊も出ていない、こんなことはどうなったのか、どのようにお考えでしょうか。
  12. 谷合靖夫

    谷合政府委員 今回、広島県から消防庁への被害報告が、他のいわゆる被害報告と比較をいたしましてかなりの時間を経ている理由一つとしては、やはりこの地区での被害が甚大であったため、消防を含む県、市の職員応急対策に忙殺をされていた状況があるというふうに聞いておるわけでございますが、今後、そうした被害報告を含む災害時における情報伝達体制あり方につきましては、関係省庁とも十分協議をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、自衛隊関係でございますが、自衛隊派遣要請については、六月二十九日の二十時段階自衛隊から広島県に対して災害派遣要請必要性の確認というものが行われたというふうに聞いておりますけれども広島県が広島市の意向を確認したところ、現被災状況では消防警察等対応が可能であるという回答がなされ、その旨を県としては自衛隊に回答したと聞いておりまして、広島市では、このような判断は、やはり消防等中心に十分対応できるということで、一生懸命救助捜索等に努力を払っていたということでございますけれども、最終的には、六月三十日午前四時に至りまして、自衛隊災害派遣が必要というふうな判断を下し、県知事に対して災害対策基本法に基づく要求を行ったという経緯をたどっていると承知いたしております。
  13. 桧田仁

    桧田委員 では、消防庁は、三十日の七時九分に災害覚知して、被害状況死者も皆わかりながら、国土庁長官国土庁にはどのような報告をしたんでしょうか、三十日の朝。
  14. 谷合靖夫

    谷合政府委員 災害報告につきましては、私ども、県から災害情報を受ける、直ちにそれを国土庁官邸の方に報告をするといういわばルールになっておりますので、それを、私ども報告を受けたその段階で直ちに国土庁ないし官邸報告をしておるという状況でございます。
  15. 桧田仁

    桧田委員 ということは、国土庁長官は、既に十二時にこの視察に出発になるんですから、広島佐伯区の被害が甚大であることは十分御承知の上であったと考えてよろしいでしょうか。
  16. 生田長人

    生田政府委員 ただいま消防庁長官の方からお話がございましたように、私どもリアルタイムで受け取っておりますが、国土庁災害対策関係省庁連絡会議を開催いたしましたのが三十日の十時でございます。その段階協議をいたしまして政府調査団派遣するということを決定しておりまして、その日のうちに国土庁長官に入ってもらったということになってございます。
  17. 桧田仁

    桧田委員 ですから、その段階では佐伯区の被害がこのようにひどいことはわかっていたでしょうか。
  18. 生田長人

    生田政府委員 その時点、つまり六月三十日の十一時現在での私ども佐伯区の死者状況は、死者三名、行方不明八名というぐあいに理解してございます。
  19. 桧田仁

    桧田委員 ということは、もう既にわかっていたということですね、七時九分にはわかっていたと。
  20. 生田長人

    生田政府委員 手元に残っている資料では、全部まとめた資料としては、十一時段階佐伯区の死者・行方不明は、死者三名、行方不明八名。実は、その段階で、安佐北区が死者が四名、呉市が死者が六名、そういう報告を受けてございます。
  21. 桧田仁

    桧田委員 こればかり言っても、時間の関係がありますから、次へ行きます。  このたび、土石流発生には一つ重大なポイントがございました。その地域住民は、雨が大変降るのに川の水が少ない、なぜだろうか、どうしてこれだけ雨が降るのに少ないという、非常な不安を感じておりました。何とかこの土石流予兆現象について、何かあるんではないかと思うんですが、もしも皆さん方でわかっている方があったら、こういう予兆があるよとお教えいただくとありがたいんですが、いかがでしょう。
  22. 竹村公太郎

    竹村政府委員 土石流は、降雨状況、地形や地質、さまざまな要因が非常に複雑に絡み合って、かつ突発的に発生いたします。現状では、私ども技術水準では、その予兆現象把握については大変難しい研究課題と認識しております。  今後、さらに予兆現象に関する研究を進める一方、少なくとも人的被害を回避する警戒避難体制を確立するため、避難のための基準雨量の精度の向上について、今後、鋭意研究を進めていく所存でございます。
  23. 桧田仁

    桧田委員 それともう一つは、気象庁長官にお伺いしたいんですが、このたび、先ほど言いましたように、この佐伯区には百五十ミリを超える雨量が降っておりました。ある程度わかっていた可能性もあるので、歯がゆいというか悔しい思いでございますが、県、市あるいは地域連絡が十分ではなかったんではないかと思います。  ずばり気象庁には、この梅雨時期にどのぐらいこの広島佐伯区域に降っていたのか、それからまた、当日どの程度雨量があったのか、それから、何か土壌雨量指数というのがあるみたいなんですが、これがどの程度わかっていたのか、さらには、レーダー・アメダス解析情報である程度わかっていたようなうわさもあるんですが、この実態はいかがでしょうか。
  24. 瀧川雄壯

    瀧川政府委員 お答えいたします。  まず、梅雨期間雨量でございますけれども通常佐伯区を含みます広島西部地域では、平年では四百ミリ程度降っております。ことしはそれに加えまして二割から三割強くなっておりまして、特にことしの特徴は、六月二十九日に通常梅雨期間の四割程度の雨が集中して降ってございます。  それから、レーダー・アメダス解析雨量でございますけれども、これにつきましては、私どもアメダス全国で展開しておりますけれども、これは十七キロ間隔でございます。さらに細かく雨の状況をつかむために、レーダーも併用いたしまして、両方のデータをあわせまして五キロ四方の雨量をつかまえております。これにつきましては、一時間ごと広島県に連絡しております。  それから、土壌雨量指数お話がございましたけれども、これは、雨が降りまして、その雨が土壌にどの程度蓄えられているか、これを把握するための指数でございまして、現在気象庁開発を進めているものでございます。将来は、これを使いまして、大雨注意報大雨警報等基準にしたい、そのように思っておりますけれども、現在は、この指数有効性について調査を進めているところでございます。  今回の件につきまして、事後の調査によりますと、当日佐伯地区を含む広島西部では土砂災害発生のポテンシャルが非常に高い、そういうふうに推定してございます。  それから、市町村への伝達でございますけれども広島地方気象台の発表いたしました警報や情報につきましては、一時間ごとレーダー・アメダス解析雨量を含めまして、広島県から市町村に伝えられております。  以上でございます。
  25. 桧田仁

    桧田委員 今の問題は大事な問題でして、今後、私は、集中豪雨が来たら、一時間ごとでは遅い、十分と言うと言い過ぎでしょうが、何とかもっと短く頻繁にまず連絡がいただきたい。要望です。  二番目に、県、市、区役所というようなわけにはいきません。もうじきじき、雨が降っている被災地のポイントのところにどんどん情報を流してやっていただきたい。  それから、私桧田の私見でございますが、もう連絡方法はございません。河川の流量がふえたときのサイレンが鳴るように、危ないところはどんどんサイレンを鳴らしていただきたい。もう少々の連絡では間に合いません、大雨が降っていますから。何とぞサイレンの方式でもお願いしたい、こういうふうに思います。  時間がありませんからどんどん行きますが、このたびには、この災害復旧国土庁、建設省、非常に頑張っていただいて、ありがたく感謝申し上げます。  ただ、それでも、三つポイントを挙げてみますと、一つ砂防ダムのことでございます。もう一方は農地の復旧、それから最後に、流木が非常に多かったので、この対応を、時間がありませんので手短に、おのおの担当者にお答えいただきたいと思います。
  26. 竹村公太郎

    竹村政府委員 砂防ダムに関しましてお答えします。  被災した地区につきましては、再度の土砂災害を防ぐため、砂防ダムを整備するなど、緊急事業を早期に実施いたします。  当面の対策としましては、七月十九日に、災害関連緊急砂防事業、十八カ所七十八億円、七月二十一日、広島県の災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業、三十三カ所約十六億円について認められたところでございます。このような事業に懸命に邁進していく所存でございます。
  27. 渡辺好明

    渡辺(好)政府委員 農地、農業用施設の災害復旧につきましては、いわゆる暫定法によりまして、先生御指摘の農地に流入した土砂排除も含めて補助事業の対象とすることにしております。これまでの実績では、農地の場合であれば補助率は八四%、農業用施設につきましては九四%の補助率が適用されます。  それから、応急対策として、県等が事業の決定に先駆けて応急対策を講じました場合でも、後からさかのぼって補助の対象となる、こういうことになっております。
  28. 山本徹

    山本(徹)政府委員 流木の処理の問題でございますが、これにつきましては、災害関連の緊急治山事業等によりまして、流木が二次災害発生させることを防止するために、スリット式ダムといっておりますけれども、山腹に流木をとめるためのダム、これは透過型ダムともいいますが、これを設置する。あわせて流木の除去作業を行います。これらによって今後の災害防止に努力してまいりたいと思っております。
  29. 桧田仁

    桧田委員 大変ありがたい対応をいただいておりますので、何とぞ各省庁全力を挙げてお願いしたいと思います。  御承知のように、広島県は土石流危険箇所が四千九百三十カ所、急傾斜地が五千九百六十カ所、ともに日本一でございます。広島県がたった一つしかないぐらいの日本一でございますから、何としてでもこの災害はしっかりと復旧に全力を挙げていただきたい、こういう気持ちでございます。  それから、まだ仮設住宅が残っておりまして、そこに皆さん避難しております。子供も学校に通えず、苦労しております。これはぜひ全庁的にお助けいただきたい気持ちでございますので、以上を受けて、関谷国土庁長官に、このたびの災害、特に佐伯区の災害について何とぞお言葉を賜りたいと思います。最後にお願いを申し上げます。
  30. 関谷勝嗣

    ○関谷国務大臣 現地も見せていただきましたし、また先生から、その当日、刻々と御報告もいただきましたし、またその後の復旧の状態等々もお聞かせいただいておるわけでございまして、今先生からいろいろ、その前日等々からの時間的な問題等々も御指摘がございましたが、確かにそういう完全なものではなかったと思っております。反省をし、なお今後、力いっぱいの復旧対策に努力をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  31. 桧田仁

    桧田委員 どうもありがとうございました。  以上で質問を終わります。
  32. 中村鋭一

  33. 能勢和子

    能勢委員 このたびは災害特の皆様には現地視察いただきまして、地元を代表して御礼申し上げます。そしてまた、改めてこの災害について、亡くなられた呉市の八名の皆様の御冥福を祈るところでございます。私もこのメンバーに入れていただきまして、ここで質問させていただきますことを大変感謝申し上げます。  まず、このたび呉市の状況を見ていただきましてわかりますように、大変な地形でございます。その中で、激甚災害の指定基準の緩和についてひとつお願いと質問をさせていただきたいと思います。  今回の豪雨災害によります広島県の被害総額は、先ほど萩山先生から御報告があったのは七月十四日現在でありました。その後、七月十六日現在では五百八十八億二千六百万円。また、呉市におきましては概算被害額は五十四億四千五百万円に上っております。そして、公共土木施設、農林漁業の施設も甚大な被害を受けているところであります。これらの被害復旧のため、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律について、これをぜひとも弾力的な運用を図る必要があると考えるわけでありますが、その激甚災害についての指定基準の緩和をぜひお願いしたい。  私が承知いたしておりますのは、皆様も御承知のとおりでありますが、激甚災害の指定基準は昭和三十七年十二月七日に、そして局地の激甚災害の指定基準は昭和四十三年十一月二十二日に中央防災会議で決定されたものが、そのような状況で、今日三十年の経過をいたしておるところであります。その経過中において、当然ながら、呉市におきましても防災工事、河川改修が進められてきておるわけでありますので、今の基準でいきますと財政援助を受けることが厳しいということになっております。  指定基準が現状と随分乖離しているという状況でありますので、これらの激甚災害の指定基準を現状に即した見直しをお願いしたいと思うんでありますが、いかがでございましょうか。
  34. 生田長人

    生田政府委員 激甚災害の指定基準は、能勢委員承知のとおり、本激、局激の二種類がございますが、全国的な激甚災害、いわゆる本激でございますが、これの指定状況を見ますと、農地等関係の指定は一定程度行われているんですけれども、御指摘のとおり、公共土木施設関係の指定は近年ほとんどないという状況になっております。  この原因につきましては、先ほど委員からも御指摘がございましたように、激甚災害の指定基準として用いております地方公共団体の標準税収入が非常に高くなってきている、それが被害額に比べて大変増加した結果、指定基準が相対的に厳しくなっているということでございます。それから、公共土木施設の防災機能が高まったということも一つの大きな要因ではないかと思っておりまして、このため、現在私どもで、過去の災害における激甚災害の指定の状況と、それから国、地方公共団体の財政負担の実情、こういったことにつきまして関係省庁とともに調査をしてございまして、指定基準等の制度の見直しについて検討を行っているところでございます。
  35. 能勢和子

    能勢委員 その見直しの中で、この広島県、呉市を含めて激甚災害適用できますように、ぜひとも御尽力願いたいと思います。  そしてもう一つは、先ほども出ておりましたように、災害復旧のための予算枠をぜひ拡大していただきたいわけですが、そのためには災害査定を早期に実施してほしいと願うわけであります。おかげさまで、第一次が八月九日、第二次が八月二十三日、現地視察に入っていただくということは大変感謝申し上げるところでありますが、そのほか、農林関係では八月下旬となっております未確定のところにつきましても、ぜひとも日にちが入りますようによろしくお願いしたいと思います。  続いて、このたび、私は特に現地のときにも申し上げたことでありますけれども災害未然防止。もう災害が起こってから幾ら嘆いても仕方がないわけであって、できる範囲の未然防止のための公共事業というのは大変大事なことだと思っています。  私はこのたび、特に呉に限って申しておるわけでありますけれども平成十一年度の呉市の地域防災計画によりまして、呉市の災害危険区域は、がけ地の危険区域が八百五十七カ所、そのうち県の指定区域が四百九十八カ所となっております。河川の危険区域が二十八カ所、海岸の危険区域が四カ所、土砂流の危険渓流区域が二百七十六カ所、ため池の危険区域が四十四カ所、林地崩壊危険区域が百三十九カ所、合計で千三百四十八カ所に上っているわけです。  特に、広島の中でも呉というのは大変そういうところであるわけでありまして、中でも急傾斜地の崩壊対策工事は、まさに急傾斜の崩壊による災害から住民の生命を保護することを目的とした災害未然防止事業でありますけれども、呉市内におきましても、その補助事業の要件に当たります急傾斜地、皆様も見ていただいたあの急傾斜地がございますが、急傾斜地の崩壊危険箇所が何と七百二十二カ所であります。そのうち五百二カ所が急傾斜地崩壊危険区域に指定されておるところでありますが、そのうち四百二十五カ所が現在施行済みでございます。今、一部着工が七十二カ所という状況であります。  そして、先ほど出ておりましたけれども、四十二年の災害よりも雨は多かったわけですね。四十二年に発生した災害を契機に急傾斜の対策事業が制度化されました関係で、呉市におきましても、現在、全体の事業費が平成十年度までで二百六十四億円余りとなっているところであります。今後も引き続いてその災害未然防止の事業を推進していかなければいけませんが、呉市内においてまだ二百カ所余りの工事を実施していく予定であります。それに約百三十億円の膨大な事業費がかかる見込みでございますので、ぜひとも災害未然防止のための公共事業予算の大幅な増額をここでお願いしたいと思うわけでありますが、いかがでしょうか。そして、今後、地域の実情に即しつつ、ぜひとも適宜に指定基準の見直しがなされるようお願いしたいと思っています。  今回の呉市における災害復旧事業費は、土木建設部門だけで約三十六億円の見込みとなっております。これからまた、二百十日、二百二十日が参ります。台風シーズンを迎えるに当たりまして、早期に抜本的な対策、災害復旧を行う必要がありますので、多大の経費を要すると呉市は大変悩んでいるところでありますが、災害復旧を含めた公共事業に絶大な御支援を。  皆様、特に委員の先生方は呉市を見ていただいて、山にへばりついたあの状況を見ていただいて、本当に住む人も不思議でありますけれども、実は私もそこに住んでいるわけでありますが、その中で、自分のがけだけ心配すればいい段階を過ぎて、あれだけの状況であるわけでありますので、ぜひともこのことについて強くお願いしたいところでありますが、いかがでしょうか。
  36. 竹村公太郎

    竹村政府委員 災害未然防止のための予算の確保でございますが、本年も既に、広島県の百八十二件を初め、がけ崩れ災害全国で六百七十四件発生しております。災害が大変多かった昨年の同時期に比べましても、約二倍に達しております。  平成十一年度の急傾斜地の崩壊対策事業費は九百四十五億円で、前年度比一・〇四倍の伸びとなっており、この急傾斜地崩壊危険箇所全国で約八万七千カ所に上ることから、今後、事業費の確保に努め、危険箇所の整備を促進するとともに、雨量計の設置や、ボランティアとの連携によりソフトの対策を進め、地域住民安全確保を図ってまいりたいと考えております。
  37. 能勢和子

    能勢委員 ありがとうございます。ぜひともそのあたりに強力な御理解をいただきたいと思っています。  続きまして、特別交付税と地方債の増額の配分についてのお願いでありますが、呉市、皆さん見ていただきましたように、地形が急峻で、急傾斜地に住宅が密集している状況委員長にも見ていただいたわけでありますが、降雨による災害というのを大変受けやすい地理的条件にありまして、急傾斜地の崩壊防止の工事、それから防空ごうがまだ残っているわけですね。この埋め戻し工事といいますか、そのことなどの災害防止事業を継続的に今実施しているところであります。だから、傾斜地に、あの山手にまだ今でも、私たちも登れば、防空ごうの入り口があって、それを埋めなければいけないということもあります。こんなに地形が急峻であるところは、ほかには神戸がそうでしょうか、あるかもわかりませんが、大変厳しい状況にあるわけですね。  今回の災害復旧工事にも多大な経費を要するわけであります。特にお願いしたいのが、特別交付税とか地方債の増額について十分な御配慮を願いたいと思うわけであります。特別交付税と地方債の増額をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  38. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 今回の大雨災害によりまして被災をされた地方団体におきましては、今お話もございましたように、応急対策とかあるいは復旧対策などに相当な財政負担が生ずると見込まれております。  このために、とりあえず、普通交付税の繰り上げ交付ということをいたしておりまして、本来は九月分の交付税を、この七月十九日に関係三十五市町村に、これは三県ですが、繰り上げ交付をいたしました。  これからいろいろな災害復旧事業費が固まってくると思いますが、それに応じまして、地方団体の財政負担が固まってくると思います。その辺の実情を十分にお伺いいたしまして、今お話にございましたような災害関係の地方債でございますとかあるいは特別交付税の増額等の措置を講じまして、その財政運営に支障が生ずることのないように、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  39. 能勢和子

    能勢委員 前例もあることでありましたら、ぜひともそれをお願いしたいと思うわけであります。  そして、先ほど来出ておりましたように、これは呉市もさることながら、広島県全体が松枯れといいますか、木が水を吸う状況でない、木が枯れている状況で、全面的に山が、特に呉は真砂といいますか、土が流れてくるという状況でありまして、呉市の状況を調べてみますと、イノシシも結構出たりして、根っこを食っている地域もあったりとかいうような状況もありますけれども、全体とすれば松枯れが大変ひどい状況であります。  林野庁におきまして、本当に防災のためのそうした植林されている木がその役目を果たさない状況であるわけですけれども、この山の問題と、それから今出ました、今回の大きな事故につながりました、対策を練っていないために起こったことを後で幾ら嘆いてもしようがないということで、ぜひともこの時期に、注目を浴びて対策を練ってほしいと思うわけであります。その辺も含めて林野庁の方にお答えいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  40. 山本徹

    山本(徹)政府委員 松くい虫の被害地の対策でございますが、こういった地域につきましては、治山事業によりまして、松くい虫の耐性の松が今生産されるようになっておりますので、これらの植栽を行います保安林の改良事業といったような事業、それから地すべりが起こりました森林の復旧の治山事業、さらに未然防止のための予防治山事業等を私ども積極的に行ってまいりたいと思っておりますし、特に災害に強い森林を整備するために、造林事業等におきましても、長伐期の施業、それから複層林の施業とか広葉樹の施業、さらに間伐の的確な実施等に力を入れてまいりたいと思っております。
  41. 能勢和子

    能勢委員 今御答弁いただきましたように、ぜひともそのような対策をお願いしたいと思います。  最後に、時間がなくなりましたが、実は視察いただきましたときの段階では、呉市の主要道路が全面不通でありました。実はきのう、おかげさまで片側だけ通行できるようになって、まさに国民の生活道、三万人が焼山地区には住んでいる、その一本しかない道路がふさがってしまった。特に呉市に住む者、私も呉市に住んでいるわけでありますが、その者としまして、この日本じゅうどこへでも、本当ならばいい道路のもとに住むということが特にこれからの皆さんの希望であるわけですが、もう今道がふさがってしまった。やっと片側車線となってきたわけですけれども、生活道が六月二十九日の段階から今日までふさがるということが、こんなにも不便をかけている。  大変遠回りをして、ずっと遠回りして目的地へ行くというような状況でありますので、それも全部道側の、山辺のがけが崩れてしまったわけですね。それが崩れてしまった。だから、人は住んでいないけれども、その山へずっと抜けていく道が、全部が土砂崩れで道がふさがったということ。おかげさまで人災には至りませんでしたが。  そのような状況でありますので、これからする仕事、公共事業は悪くない、公共事業こそ国民にとって大変大事な形になってくるということに認識を変えていただいて、ぜひとも、私たちはそれを期待するわけでありますので、よろしくお願いいたしたいと思っております。  大事な十五分間、どうもありがとうございました。
  42. 中村鋭一

    中村委員長 奥谷通君。
  43. 奥谷通

    ○奥谷委員 自民党の奥谷通でございます。  多くの地域で、このたびの六月末の集中豪雨によりまして人命が失われたことに対して、心よりお悔やみを申し上げる次第でございます。また、そういった地域から見ますと、私がきょう取り上げました神戸の新湊川の溢水の件につきましては、大きな声で言えるようなことではないかもわかりませんけれども、実は、この新湊川の洗心橋という、今回も溢水した場所でございますけれども、その場所は、昨年の九月にありました台風七号によりましても同じ場所がはんらんをいたしております。  実は、この河川は県管理の河川なんですけれども、いわゆる百一、百年に一回の洪水にも耐え得る川をつくると称しまして、地元の多くの理解のもとに、長年かかって工事をやっておるところでございます。  昨年のはんらんのときには、十二月に、知事の諮問機関であります新湊川浸水災害補償委員会というのができまして、そして結論としては、県と工事者などが被害額の五割を補償すべきという提言をされ、そして個別に示談交渉が行われ、ちょうど半分ぐらいが示談がまとまっておったようでございます。  また、あと四年半さかのぼりますと、皆様に大変お世話になりましたあの阪神・淡路大震災で、この湊川付近、東山商店街あるいはマルシン市場、湊川中央、このあたりが大変な被害を受けたところでもございまして、やっと何とか復興ができたなというようなところで昨年の被害に遭い、そしてまた今回、この集中豪雨によりまして同じ場所が水につかったというような経緯がございます。毎晩地元の人が集まりまして、今後の対策、あるいは知事に対しての要望をまとめておるということを聞いておりまして、ぜひともこの場でこういったことをお聞きいただいて、そして今後の対策に生かしていただきたい、このように思うわけでございます。  この場所は神戸有数の商店街でありまして、商品、あるいはクーラーや空調機器等の設備の被害が非常に多かったということでございます。補償問題は、とかく住居に対しては、前の阪神・淡路大震災で生活再建支援金というようなものがまとまりまして、いろいろな補償があるわけでございますけれども、こういった商店あるいは仕事の場においては余り補償が今までございません。しかしながら、生活の糧を求める大変大事な場所でもございますので、こういったあたり、昨年と同じところが同じような形で溢水、はんらんをしたというようなことにかんがみまして、今後の補償問題や支援体制に対しても国からのサポートをひとついただきたい、このように思うわけでございます。  それからもう一点、先ほども申しましたように、この河川が、百年に一回の洪水に耐え得る河川改修という鳴り物入りで工事を行っておった、ところが、一年のうちに二回もやってしまったというようなことで、もう笑うに笑えない、笑い話なんですけれども、これからいよいよ本格的な台風シーズンに入ってまいります。とにかく、今後また雨が降るとはんらんするのじゃないかというようなことで、地元の方も心配で心配で夜も眠れないというようなありさまでございます。ですから、特に、この台風シーズンに備えての緊急的な措置。  それからもう一点は、前々からこの工事は行われておるわけでございますけれども、なぜこのような溢水をしたのかというような理由を県に聞きますと、この上流部、神戸の北区に当たるわけでございますけれども、その住宅開発が進みまして保水力が落ちた、このようなことが理由になります。しかしながら、毎回毎回そのような理由というのがまかり通るわけではありませんので、それならそれで、百年に一回耐え得るという鳴り物入りでありますから、もう一度この河川を抜本的に見直した計画が必要じゃないかな。でなければ、これぐらいの雨ですぐに溢水するというのは、どうしても地元住民としては納得がいかないということでございますので、それもあわせてお尋ねをしたいと思います。
  44. 竹村公太郎

    竹村政府委員 新湊川の災害につきまして、答弁させていただきます。  今回の災害は、昨年を上回る集中豪雨に起因するものと考えられまして、具体的に言いますと、新湊川の洗心橋地点で川からあふれ出すまでに降った雨は、昨年九月は七十九ミリでございました。ところが、ことしの災害では倍の百五十六ミリと、大幅に上回っております。  私どもは、この新湊川の抜本的な河川改修とダムによりまして、百年に一回の安全率を確保しようということで、河川改修におきましては、河道の拡幅、河川トンネルの拡幅等で対応し、全体事業費二百三十二億円でもって、現在、進捗率九〇%で鋭意進めておるわけでございます。  ダムにつきましては、既に一つ、既設の天王ダムというのがございます。そして、現在建設事業に着手しております石井ダムというダムの早期完成を図りまして、河道改修とダムの完成と相まって、この新湊川の洪水に対する安全性を、百年に一回の洪水に対応しようという考え方でやっておりますので、今後、鋭意事業を進めていきたいと考えております。
  45. 中村鋭一

    中村委員長 奥谷君、時間です。
  46. 奥谷通

    ○奥谷委員 済みません。  地元も大変期待をいたしておりまして、今の答弁を伺ったのですが、大臣の御決意をひとつ御披露していただきまして、質問を終わりたいと思います。
  47. 関谷勝嗣

    ○関谷国務大臣 先生御指摘の新湊川の水害でございますが、これは、阪神・淡路大震災を契機にいたしまして、災害復旧助成事業を被災後五年間で実施すべく鋭意努力をしているところでございまして、今、竹村河川局長が答弁をいたしましたように、その後、昨年の大蔵大臣との最終的な私の折衝で残りましたその一つでございますが、緊急復旧事業というのがございますが、これで復緊事業を四年間で上流、下流ともきちっと整備をする。上流だけを整備いたしましても、下流にどっと濁流が流れるものでございますから、下流でまた水害になってしまうということもございました。  それと、先生御指摘のように、今までは災害復旧といいますと原形復旧でございましたから、御指摘のように、今後溢水をしないようにかさ上げをするというようなことも始めておりますので、今後はそういうような笑い話がないように、徹底して予算もつけ、またスピードといいましょうか、早く復旧しなければならないと思いますので、いわゆる重点配分というようなことも頭に置いておりますので、的確にやっていきたいと思っております。
  48. 奥谷通

    ○奥谷委員 どうもありがとうございました。
  49. 中村鋭一

  50. 土肥隆一

    土肥委員 民主党の土肥でございます。  私も、この七月十四日の広島県への派遣視察に参加してまいりまして、つぶさに被災状況を見てきたわけでございます。その中で、幾つかただしておきたいこともございますので、限られた時間の中で質問をさせていただきます。  日本が災害列島であるということはよくわかるわけでございまして、ちょうど広島に参りましたときに、広島県が一つ資料をくれました。そして、これを見ますと、「全国土砂災害危険箇所一覧表」というのがございまして、土石流危険渓流というのが七万九千カ所、それから地すべり危険箇所というのが一万一千カ所、もう一つ、急傾斜地崩壊危険箇所が八万六千カ所、膨大な数でございまして、まとめて十七万七千カ所余危険なところがあるということでございまして、広島がトップだそうでございます。私もいろいろ計算しまして、二位が長崎、三位が高知、四位が我が兵庫、五位が鹿児島ということでございまして、この五県に住んでいらっしゃる方はよほど注意をしなきゃいけないなというふうに思う次第でございます。  さて、今回の広島の呉及び広島市を見てまいりまして、これは、災害が起きました時間は二十八日の午後でございます。十二時ごろから雨が降り始めまして、夕方六時でぴたっともうやんでしまっているという、六時間ぐらいの経過の中で降った雨でございまして、それが一挙に流れ出しまして、同じ日に亡くなった方が三十一名、そして行方不明が一名、こういうふうに報告されております。  私も、阪神・淡路大震災を経験しておりますから、地震による災害というのはつぶさに見ているわけでございますが、土石流あるいは土砂崩れによる災害というのは初めて見たと言ってもいいくらいでございまして、土砂崩れあるいはがけ崩れなどが非常に多くて、私もずっと数えているわけですけれども、正確な数は申し上げられませんけれども、この土砂崩れあるいはがけ崩れに対する災害対策というのは、今、日本の災害対策行政の中でどうなっているのだろうかということを思う次第でございます。  一人お聞きしましたら、家を飛び出して川下の方に逃げていったわけですね。そうしたら、もう見事にというか、まともに水に巻き込まれてしまって、むしろ、裏山があるわけですけれども、裏山に逃げたらいいのにと思うのですが、そうではなかったというような話も聞いております。  日ごろ、建設省あるいは国土庁としては、土砂崩れ、がけ崩れに対するどういう行政あるいは訓練などをしていらっしゃるか、まずそれからお聞きしたいと思います。
  51. 生田長人

    生田政府委員 私の方から訓練についてお答えを申し上げたいと思いますが、土肥委員大変よく御存じのとおりでございますが、防災訓練というのは、災害予防の大変大きな柱の一つでございまして、災害対策基本法上も、防災計画等の定めるところによって防災訓練を行わなければならないという規定がございます。  その防災計画の基本となりますのが防災基本計画でございまして、これを国土庁が事務局をしております中央防災会議で決定をしているという状況でございます。  この中に、防災週間とか水防月間あるいは土砂災害防止月間等を通じて積極的に防災訓練等を実施しなさいということが書いてございます。同時に、住民の風水害発生時の避難行動等の習熟を図りなさいということが書いてございます。それから、特に重要なことは、防災知識の普及、あるいは訓練を実施する際に災害弱者に配慮しなさいということが書いてございまして、これらによって実際の訓練が行われているところでございます。  御承知だと思いますけれども、本年度も総合防災訓練の大綱というのを定めておるわけでございますけれども、この中でも、現地訓練の重点事項といたしまして、土砂災害それから水害等の危険が予測される地域におきましては、地域の特性を十分踏まえた上で、住民の参加、協力を得るように努めなさい、特に土砂災害、水害等の懸念される地域からの住民避難誘導、それから救出救護訓練を実施することというようにしております。
  52. 土肥隆一

    土肥委員 その当日のいわゆる警報、退避勧告などが出ているわけでありますが、どういうふうになさったのか御説明していただきたいと思います。当日の様子です。
  53. 谷合靖夫

    谷合政府委員 お答え申し上げます。  実は、今回の災害につきまして、広島市及び呉市の両市で死者不明者発生したその現場におきましては、六月の二十九日の時点では事前に避難勧告が行われていなかったということでございまして、これはやはり、一時間に十ミリ程度の雨が続いた後に、被害発生した一時間に五十ミリを超える予想を上回る豪雨に見舞われまして、しかもそれが局地的であったということが避難勧告が出せなかった大きな原因だろうというふうに伺っているところでございます。  ただ、七月一日以降につきましては、広島市では五十一地区、呉市では二十三地区に対して避難勧告が行われておりまして、方法といたしましては、広島市の場合は、同報無線がありますので、それによるほか、消防車あるいは広報車の巡回、それから呉市では、主として消防車の巡回によりそうした周知が行われたというふうに聞いております。
  54. 土肥隆一

    土肥委員 大変残念ですけれども避難勧告が出ていなかったということですね。これは短時間の集中豪雨でございますから、出すいとまがなかったというふうにも理解できるわけですが。  どうなのでしょうか。集中豪雨であろうとどんな雨であろうと、一時間当たり何ミリ降ったとか、あるいは一日当たり何ミリ降ったら、あるいは前日から計算してもうそろそろ危ないなというようなことが、たとえこの日は十二時から六時までの間の集中豪雨であっても、何かの基準があって、目安があって、警報を出したりあるいは避難勧告を出したりするのではないかと思うのですが、その辺はどうなのですか。
  55. 谷合靖夫

    谷合政府委員 お答えを申し上げます。  実は、避難勧告の発動基準については、私ども、かねてから、地域における災害の危険性の総合的な把握の実施というようなことを通じて、より具体的な土砂災害発生の危険性を予測、判断をして、地域の特性を考慮した警戒または避難を行うべき基準をあらかじめ設定をしていただきたいということで、指導をいたしておるわけでございます。  具体的には、市町村によれば、本当に地域ごとにきめ細かな判断基準地域防災計画の中に定めているところもございますし、残念ながら非常に抽象的な定め方しかしていないところもあるわけでございますので、今後、こうした地域特性に応じた具体的な発動基準について、地域防災計画に定められるように、関係省庁とも協力をしながら検討してまいりたいというふうに考えております。
  56. 土肥隆一

    土肥委員 大変貴重な教訓を残した災害ではなかったかというふうに思います。  この報告書にも真砂土が多かったということでございます。土質とか岩盤だとか、あるいは傾斜だとか、それから植林状態だとかを見て、そういうふうにそれぞれの山に特質があるわけでございまして、そこへ数時間降ったときにどうなるかというようなことは、日本の防災行政の中でも当然やっておかなければならない話じゃないかと思うのですが、そういうことは今やっていらっしゃるのですか、いかがでしょうか。
  57. 生田長人

    生田政府委員 お答えを申し上げたいと思います。  私が聞き及ぶところによりますと、気象庁等を中心に、土質の中に水量がどれぐらいあれば危なくなるのかというようなことについての研究をスタートしているというぐあいに聞き及んでおります。
  58. 土肥隆一

    土肥委員 通告していなかったので恐縮ですが、それくらいのことはやっていただかないと、何万カ所もありますから、八万六千カ所もあるのですから大変だろうとは思いますが、それにしても、避難勧告も出ずに三十一名の方があっという間に土砂流にのまれてしまったということは重い事実だと思いますので、今後、気象庁だ、消防庁だ、あるいは建設省だと分けないで、総合的にやっていただかないと住民はたまったものじゃないというふうにも思えるわけであります。  その中で、一つおもしろいというか、興味ある報告がございまして、この地区の携帯電話の基地局が災害によって破壊されまして、広島及び呉市の数ではございませんが、十県で四十一局が停波した、つまり送信できなくなったというわけです。今はもう、携帯電話というのは一般的に非常に普及しておりますし、第一、電線による被害というのは風水害に必ずつきものでございますから、携帯電話が災害情報を流す、あるいは家族の安否を問うにも非常に重要なものではないかと思うのでありますが、そのときに、基地局が壊れてしまうというのは一体どうなのだろう、どんな基地局をつくっているのか、郵政省の方に聞きたいと思います。
  59. 天野定功

    ○天野政府委員 お答え申し上げます。  去る六月二十三日から六月末にかけまして、西日本、中部地方を中心とした大雨による被害によりまして、携帯電話の基地局が電波がとまる、いわゆる停波と呼んでおりますが、そういう状態が生じまして、先生今おっしゃいましたように、十府県四十一局に及んでおります。  この原因別の内訳は、落雷によるものが三十局、それから基地局と交換局間の伝送用ケーブルの切断等によるものが五局、浸水によるものが三局、それから商用電源がダウンをする、とまるということによるものが三局でございまして、七月二日までにはすべて回復したと報告を受けております。  郵政省では、電気通信事業法に基づきまして、固定電話の場合と同様に、携帯電話につきましても、予備電源の設置、そのほか応急用復旧機材の配備等を電気通信事業者に義務づけまして、災害時の通信の早期復旧体制の整備を平素から求めてきたところでございます。  災害に備えてのこういった施設の設備につきましては、税制あるいは金融面での支援措置も講じているところでございまして、今後とも、こうした施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
  60. 土肥隆一

    土肥委員 落雷に弱いんですね、基地局というのは。だれだって落雷に弱いかもしれませんけれども、一たん壊れたらなかなか復旧できないわけですから、通信手段が途絶してしまうというのは人間を一番不安にするわけでありまして、技術的な改良はないのかどうか、何か工夫していただけないものでしょうか、どうでしょうか。
  61. 天野定功

    ○天野政府委員 確かに、今回の被害を見ますと、落雷の被害が一番多うございます。安全を見込みまして、強い電流が流れた場合にブレーカーが飛んでとまるというような仕掛けになっておるわけでございますが、今先生御指摘のように、災害にも強靱な施設になるべく、さらに事業者の方にも研究、工夫を重ねるよう、私どもの方も努めてまいりたいと思っております。
  62. 土肥隆一

    土肥委員 ぜひ雷にも強い、風にも強い基地局をつくっていただきたい、このように思います。  何しろ、避難勧告は出ていない、あっという間に軒下まで土砂流が押し寄せてくる、電話は通じないということになりますと、逃げ場を失ってしまうという状況が、パニック状態になっているということが容易に想像できるわけでございます。  さて、相も変わらず、ここでも、ある福祉施設が被災をいたしまして、土砂流入があったということで、報告書によりますと、障害児通園施設の広島佐伯明星園というのでございますが、そこで職員が一人亡くなられました。  この施設に土砂流入があったわけですが、ちょうどこの時間帯に、通園施設でございますから、子供たちはもう既に退園していた、職員の人が残っていたということで、この方が亡くなられたんですが、この現場を見せていただいておりませんので、どういう状況であったか、御報告いただきたいと思います。
  63. 今田寛睦

    今田説明員 御指摘の六月二十九日の十五時十五分でございましたけれども、障害児のデイサービス事業を行っております佐伯明星園におきまして土砂崩れが発生したわけであります。  この土砂崩れにつきましては、職員室を中心土砂が流入をいたしました。したがって、職員室におりました職員、保育士の方四名が土砂に埋まったわけでございます。この方々につきまして、全員が消防署員それから消防団員、それから地元住民皆さん方のお力によりまして救出され、病院に運ばれたわけでありますけれども、うち一名は十七時五十分に病院で死亡が確認され、残りの三名につきましては幸いにも軽傷であったという状況であります。  児童につきましては、十四時四十分ごろ全員送迎バスで帰宅をさせておりまして、児童には被害がなかったということでございます。  今回土砂が流入いたしましたのは、先ほど申し上げましたように職員室であったわけでございますので、保育室には幸いにもほとんど被害を受けていないという状況でございました。
  64. 土肥隆一

    土肥委員 ちょっとその場所、ロケーションについて御説明いただきたいんです。  職員室だけ土砂流入があったということで、もし子供たちが全部いても、それぞれの教室であれば土砂流入はなかったというふうに理解されるわけでありますが、その場所柄、土地柄はどういうふうになっているんですか。土砂崩れが起きやすい地域に建っていた施設と理解されますけれども、どうでしょうか。
  65. 今田寛睦

    今田説明員 当該施設の職員室の側の山側が崩れたわけでありますが、ここの施設を運営いたしております社会福祉事業団がございますが、その事業団といたしましては、この施設がそういう被害を受けやすい可能性のある施設ということは認識していたようでございます。  また、当日の朝九時に、ミーティングにおきまして園長が、降雨が続いているということから、土砂崩れ災害に気をつけるよう職員に注意をしたというふうに聞いております。
  66. 土肥隆一

    土肥委員 やはり土砂崩れの起きやすいところにあったということで、いつものことでありますけれども、社会福祉施設というのはどこでもずっと山奥の奥まったところにあったりいたしまして、そうでない施設もございますけれども、したがって、いつも危険地域に建てられるということもあるということを、今さらのように思い起こすわけでございます。園長の判断もあって早目に帰した、大変結構だったと思いますが、やはり職員の方が一名亡くなられたということについては、非常に残念に思います。  恐らく厚生省も、社会福祉施設の置かれている場所の土地柄などなどについて、何回も起こっていますから、点検をしていらっしゃると思いますけれども、なお一層、社会福祉施設の場所の点検を徹底していただきたい、このように思います。福祉施設があって、そこに死者が出る、そのような施設の場所そのものが問題だろうと私は思う次第でございます。  次に参ります。  それで、早速、被災者生活再建支援法というのが適用されたようでございます。  この被災者生活再建支援法というのは、阪神・淡路大震災を経験して初めてできた現金給付の施策でございますが、私は、この名前を繰り返すたびに、なぜこんな名前をつけたんだろうと今さらのように思うのです。百万円と五十万円で何で生活再建支援ができるんだろうか、こんなに欺瞞に満ちた法案名はないんじゃないかと思うくらいでございまして、名前を変えた方がいいんじゃないかなというふうに思います。  ごめんなさいねというような、これっぽっちですが許してくださいねというような額でしかないわけでありまして、これはもう少し拡大もしなきゃいけないし、特に、福祉的な視点に立ちまして、収入制限でありますとか、あるいは家族構成などなどの制限があって、そのすれすれのところでいっぱい、条件に合わない人ははじかれていくというようなことが、私の地元でもあるわけでございます。  さて、とにもかくにも、現金給付ができたということはいいことでございますが、この資料を読みますと、おやっと思う施策がございます。これは建設省の仕事だというふうに聞いておりますが、がけ地近接等移転事業というのがございまして、これは、がけ地で危ないから移転しなさいというときに、除去費用で七十八万円、住宅建設等で二百五十六万円、土地購入で八十万円、敷地造成に二十万円、こういうふうに出るというふうにあります。これはまたなかなか立派な施策だな、国がやるにしては随分思い切った予算の使い方だなと私は思うわけでございますけれども、これはどういう趣旨で、そして今回の広島県の災害でどれくらいの戸数適用されるのでしょうか。御答弁いただきたいと思います。
  67. 那珂正

    ○那珂政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のがけ地近接等危険住宅移転事業でございますが、これは、がけ災害防止の観点から、がけ地の崩壊等による災害の危険が高い地域として建築基準法に基づく指定をされた区域からの住宅の移転を促進する目的で、昭和四十七年度から実施しております国庫補助事業でございます。  補助制度の概要は、ただいま先生御指摘のとおり、危険住宅の除却費と移転後の住宅取得費の一部を対象としているわけでございますが、個人の資産への助成という観点から、考え方といたしましては、新しく住宅を取得する際等に要する借入金の利子を減じていくという考え方で、先生今御指摘のような数字がベースとしての補助対象でございます。また、借入金が実際もう少し多い場合には、もう少し金額も割り増しとなります。  実績でございますけれども、実は、全国で見ましても余り多く実績はございません。平成十年度におきまして、全国で百八十戸分でございます。御指摘広島県におきましては、呉市において平成八年度に三戸の実績がございますが、広島市につきましては、近年、この五年間の実績はございません。  災害復興のために適用するというよりも、先ほど申し上げましたけれども未然防止という観点から、幅広くそういう危険な区域についての対策として御利用いただきたい、こういうふうにPRに努めているところでございます。
  68. 土肥隆一

    土肥委員 そうすると、要するに、借入金に対する利子補給ということですね。そうですか。私は、補助事業というから、補助金が出ると書いてありますから、まるっきりくれるものだと思っていた。そうじゃないのですね。
  69. 那珂正

    ○那珂政府委員 この部分は利子補給ですから、補助金で、今先生御指摘のような金額はちゃんと個人の方に行きます。ただ、それが総額の利子補給に相当する額を積算として使っているということでございます。
  70. 土肥隆一

    土肥委員 よくわからないのだけれども。これはまず、くれるんですか。もうちょっと詳しく説明してください。事前にやればよかったのだけれども、ごめんなさいね。
  71. 那珂正

    ○那珂政府委員 ただいま先生御指摘のような、危険住宅の除却に要する場合について七十八万円、それから新しく購入する場合において二百五十六万円ないし三百六十六万円、ケースによって異なりますが、これが国と市と合わせた金額として、この金額が当該個人の方に支給されます。
  72. 土肥隆一

    土肥委員 支給されるのですね。わかりました。大変結構ですが、もう少したくさん国民の皆さんも利用なさったらどうかと思う次第でございます。  さて、地元要望を聞きますと、広島県あるいは呉市などについても激甚災害法の適用を早くやってくれということでございますが、激甚災害法の適用というのはいろいろ調査とか研究が必要なようでございまして、この結論はどれくらいたったら出るのか。そして、激甚に指定されるのでしょうか、されないのでしょうか。研究してみないとわからないとおっしゃるかもしれませんが、これは非常に重要な問題でございまして、建設省及び農水省の今の状況、どんなことをしていらっしゃるか、お知らせいただきたいと思います。
  73. 生田長人

    生田政府委員 激甚災害の指定につきましては、今土肥委員指摘のとおりでございまして、公共土木施設の場合には、その被害額、それから被害を受けた地方公共団体の財政状況をもとに指定が行われるということになっております。  それから、農地、農業用施設等につきましては、その被害額、それから被災地方公共団体における農業所得の状況をもとに判断をするということになっておりますので、いずれにいたしましても、この指定につきましては、地方公共団体の側からの被害報告を受けて、関係省庁において、指定の前提となる被害額、つまり復旧事業費等の確定作業を行うことがどうしても必要になってまいります。現在、その作業を各省庁で急いでいただいているところでございますけれども、その結果を踏まえまして、指定基準に該当するものについては速やかに対処をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  74. 土肥隆一

    土肥委員 農水省も同じですか。
  75. 渡辺好明

    渡辺(好)政府委員 二十一日現在で、全国合わせて、農地、農業用施設の被害状況は約六百億円ということでございますので、私どもは、かなりの災害だという感じを持っております。
  76. 土肥隆一

    土肥委員 激甚に指定されるようなかなりの額だと。激甚になるのですか、どうですか。農水省の考えはどうですか。
  77. 渡辺好明

    渡辺(好)政府委員 国土庁からお答えがございましたように、国土庁とのお話し合いで決めます。その前提として、私ども、査定の作業を急ぐということでございます。  かなりの額だというふうに申し上げましたのは、私のこれまでの経験でございます。
  78. 土肥隆一

    土肥委員 今度の災害は、やはりいろいろ問題点があって、いろいろ我々も学ぶところがあったと思う次第でございまして、きょういろいろと指摘いたしましたところを十分に勘案して、行政の方も頑張っていただきたい。それから、激甚についてはなるべく早く結論が出るようにお願い申し上げて、終わります。ありがとうございました。
  79. 中村鋭一

  80. 西博義

    ○西委員 公明党の西博義でございます。  持ち時間二十分でございますので、できるだけ早目に御質問を申し上げたいと思います。  梅雨前線の影響による大雨は、広島県を初め全国各地土砂崩れや浸水など大きな被害をもたらしました。我が党も、被災に遭った広島佐伯区を視察調査をし、国土庁長官に、災害対策を速やかに講ずるよう申し入れを行いました。また先日、衆参両院の災害対策特別委員会による現地調査で再び現地を訪れさせていただきました。この二回の現地調査を踏まえて、質問を申し上げたいと思います。  まず初めに、さきの災害対策特別委員会で、私は、高齢者、障害者など災害弱者の関連施設に関して総合的な土砂災害対策を講ずるように大臣にも要請をさせていただきました。残念ながら、今回も、先ほどもお話がありましたように、広島県で一人の職員がお亡くなりになった佐伯区の心身障害児通園施設佐伯明星園を初め、知的障害者と障害児の施設自然村見信学園、特別養護老人ホーム和楽荘などの施設が、建物半壊、また床上浸水などの被害を受けました。  土砂災害を受けるおそれのある高齢者や障害者などのいわゆる災害弱者関連施設の立地条件に関する建設省などの緊急点検調査によれば、全国で約一万九千の施設が土砂災害等を受けるおそれがあるということが、調査の結果わかっております。建設省等による調査では、病院や学校を含めた十三万九千施設を今回調査していただいたというふうに聞いておりますが、割合にいたしまして、全体の一四%が危険箇所に立地をしている、こういうことでございます。  私は、災害弱者の関連施設については、三つの観点から申し上げたいと思うのですが、まず、危険な立地条件の場所につくらないということ。それから、既につくられているものについては、できるだけ安全な場所に移っていただくという、これが二つ目の観点。それから、どうしても移れない事情のある場合には、早急にまたこの土砂災害の対策を行う。この三つをうまく組み合わせて、できるだけこのような災害の起こらないようにしていかなければならない、こう思っております。  こうした施設の建設というのは、さまざまな難しさがあるように思います。どうしても、立地条件が悪くて住宅地から離れた場所につくられるということが多いように思います。今回二カ所の施設を視察いたしましたけれども、二カ所とも住宅地の一番端、住宅地から離れたところという、そんなところに建っておりました。  現在、新設施設の立地に当たっては、地すべり防止区域等、法律または地域防災計画等において土砂による災害発生のおそれがあるとして指定されている地域を避けるようにという行政指導が既に行われております。  関谷大臣は、先日の広島県の現地視察の際にも、危険地域住宅が密集しているのを上空から多分ごらんになったのだろうと思うのですが、法的な規制の必要性を痛感したというふうに感想を述べておられた、こういうことを新聞でも拝見いたしました。私も、いろいろ難しい面はあるだろうと思いますが、同じ気持ちを持っております。あわせて、社会福祉施設も含めて検討すべきではないか、こう思っておりますが、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
  81. 関谷勝嗣

    ○関谷国務大臣 先生、あらゆる角度からの御指示がございましたが、まず最初に弱者の関連の施設でございますが、昨年の福島県西郷村の救護施設からまつ荘におきましても、あそこの園長さん自体も、そういう災害に遭ったということを最初耳にしたときには、びっくりした、信じられなかった。なぜかというと、もう大変岩盤のしっかりしたところに建てたわけでございます。ところが、そういうようなところで、ああいう大変な、五名の方が亡くなられたわけでございまして、そういうようなことで、それを転機というと恐縮でございますが、ぜひぜひ、そういう弱者の関連の施設は、そういう危険のポイントをもっと高くして守っていこうというようなことで今進めておるわけでございまして、十三万九千施設のうちの一万九千施設が、現在、土砂災害危険箇所にあるということが判明をしておるところでございます。  ですから、今回の水害におきましても、総理からも指示もされましたし、また私自身も全くそうだと思いましたけれども、総理が、私がその広島報告に行きますと、こういうような現地視察をして報告をいただく、そういうようなことだけの繰り返しでは意味がないのではないかと。全くそのとおりである。ですから、そのプロジェクトチームを今建設省の中につくりまして、三カ月以内にまず大体のものをまとめて、今年中には最終的にしっかりとしたものにしたいと思っておるわけでございます。  先生御指摘のように、これからは、ですから、いわゆる宅地造成なども、山すそあるいは谷合いの出口のところまで住宅を建てるようなことは、やはりもう規制をしなければならないと私は思います。  それから、先生御指摘のように、今チェックをすると非常に危ないというところは、思い切ってこれは国の予算でもって場所をかわっていただく、また別のところに移動をしていただく。そして、どうしてもそれが不可能な場合には、例えばその近くに砂防のダムをつくっていくとか、そういうようなことをやっていかなければならないと思うわけでございまして、いずれにいたしましても、今プロジェクトチームでそれをやっておりますので、いつまでもこういうようなことが論議をされるようなのでは本当におかしなわけでございますから、ぜひぜひ頑張っていきますので、なおいろいろな御支援をいただきますようにお願い申し上げたいと思います。  それから、先ほどの御質問にもございましたように、今回の、いわゆる避難勧告が出ていなかったとか情報が遅かったとか、そういうような御指摘が先ほどございましたけれども、こういうようなことをいろいろ経験してみますと、今インターネットの時代であるとか科学技術が相当進歩をしておるというようなことを言いますけれども、案外単純な方法で避難勧告もできるわけでございまして、どなたかの御意見にございましたけれども、サイレンを鳴らせと。サイレンということに対しては、特に日本人、まあ私たちの年代は、空襲のときにサイレンが鳴りまして防空ごうに逃げ込んでおりましたから、危険であるという感覚を持っておりますが、本当に単純なことですけれども、サイレンを早く徹底して鳴らすなんということだって、私は本当にいいことだろうと思います。  何かそういうようなところ、ちょっと科学的な進歩だけが頭にあって、そちらの方向だけから考えておりますけれども、そういうことではなくして、もっと本当に車の余りなかった時代の感覚で災害対策を、あるいは予防対策をどうするかというようなことも何か考えてみなければいけないのではないかなというようなことも考えたりしております。  いずれにいたしましても、おくれをとらないように、あらゆる角度から対策をやっていきたいと思っております。
  82. 中村鋭一

    中村委員長 長官、サイレンは桧田委員指摘でございました。
  83. 西博義

    ○西委員 視察されて早速の御指示、決断、大変にすばらしいことだと思います。ますます頑張っていただきたいと思います。  副大臣制ももうすぐ施行されるということで、大臣、発言の機会がもっとあればもっと御自身でお答えいただけるのに、官僚の皆さんが積極的に答えられるのはもったいないなという気がいたしました。  次に、既存の施設を安全な場所に移転するという点について、ちょっと御質問申し上げたいと思います。  安全な場所に移す際に問題となるのが、代替用地の件でございます。これは大変難しいことだと伺っております。  社会福祉法人の認可に当たっては、一般に、社会福祉事業者は土地をまず所有していることという、これは資産要件で、一般的にはそういう要件があります。土地の貸与ということも一部許されているのですけれども、今のところは、都市部等土地の取得が極めて困難な地域に限る、こういうふうな限定がございます。そのために、できるだけ土地の安い都市部の周辺に施設が設置される。まず土地を求める、そこから始まるわけですから、そういう意味では、施設がどうしても不便なところ、山の周辺に移っていく、また安いところに、逆に言えば危険が伴うところに移っていく、こういうことになるわけです。加えて、社会福祉施設への住民の理解の不足もあって、どうしてもそういう実態が今の事態を生んだのだというふうに思います。  私は、「社会福祉法人の認可について」という厚生省の通達がございますが、そこで決められている「都市部等土地の取得が極めて困難な地域」という、この資産要件に係る条件を外して、都市部に限らず、どこでも貸与していただいた土地で事業ができる、まずこれをお願いしたいと思います。安全な場所に施設の建設用地を少しでも確保しやすい要件を満たしてあげる、こういうことがまず大事ではないかと思います。  また、移転を促進し、こうした施設に土地を貸してくれる人をふやすために、今度は、土地を貸してくれた人に対する不動産の取得に係る税の優遇措置などインセンティブをやはり与えていくべきではないか、そのようにして少しでも移転を促進するという方向を考えるべきではないかと思いますが、御意見をお願いしたいと思います。
  84. 炭谷茂

    ○炭谷政府委員 まず、危険区域に立地しております社会福祉施設につきまして、仮に危険区域外に移転しようとした場合につきまして、まず国庫補助金について優先的に採択をし、そして、それの要する、借入金があった場合につきまして、社会福祉・医療事業団から無利子融資が受けられるというような措置を講じて、移転に対する援助策を講じているところでございます。  また、ただいま先生の御指摘されました賃借の関係でございます。これにつきまして、私ども、現在、社会福祉の基盤となる諸制度の大幅な改革を行うための作業を進めているところでございます。その中で、社会福祉施設の整備を促進する観点から、現在は先生御指摘になられましたように自己所有が原則となっている社会福祉施設の土地や建物につきまして、賃借によることも通所施設などについて認める方向で検討いたしております。こうした改革によりまして、社会福祉施設の危険区域外への移転もしやすくなることにつながるんじゃないのかなというふうに考えております。  また、土地の取得が困難な地域におきまして、十年度、十一年度におきまして、地方公共団体が社会福祉法人に貸与することを目的として用地を取得する場合には、地方債措置を講じられております。これも、代替用地の確保に活用できるものだろうというふうに考えております。  なお、御提案の不動産取得に係る税の優遇措置については、土地を貸し付けること自体は収益事業でありますので、他の不動産貸付業とのバランスの上からも、社会福祉施設に貸し付けることをもって税の優遇措置をとることは困難ではないのかなというふうに考えております。
  85. 西博義

    ○西委員 その次、土砂災害の対策について、さきの委員会で、建設省は、土砂災害危険地域にある災害弱者関連施設を、平成十一年度から五カ年計画で地すべりなどの対策を優先的に行っていく、こういう方針を打ち出していただいておりました。具体的には予算額二千億で千六百カ所という数字が出ておりますが、この事業はまだ始まったばかりで、これからどう予算を確保し、事業を拡大していくか、大変重要な時期だと思います。  この間の委員会でもお願いをしたわけですが、現行の治水事業、急傾斜地の崩壊対策事業とは別枠で、ぜひとも、この予算を確保して取り組んでいただきたいということを再度大臣に、このことを踏まえて、災害を踏まえてお願いしたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
  86. 関谷勝嗣

    ○関谷国務大臣 そういうようなことも、私も努力をしたいと思っておりますし、広島視察いたしましたときに述べたわけでございますが、今、公共事業云々なんと言う方もいらっしゃいますけれども、確かに公共事業もいろいろ形は変わってくるでしょうけれども、建設省の予算の中の公共事業でも、いわゆる生活関連、下水道であるとか都市公園であるとか、そういうようなことにも大分重きをなしておりますけれども、私は、建設省のそういう予算の第一に、いわゆる防災対策の予算が一番に来るぐらいの感覚で今後進めていきたいというふうに述べておったわけでございます。  そういうような角度で、先生御指摘のそういう弱者の施設に対する援助は力いっぱい努力をしていきたいと思っております。
  87. 西博義

    ○西委員 時間がもうなくなりましたので、もう少し予定した内容もあるのですが、飛ばさせていただきます。  今回の広島市の豪雨災害は、先ほどから話がありましたように、昼間のわずかな時間の、特に三時から五時までの二時間ぐらいの集中的な、記録的な豪雨によるということは間違いないことだと思います。  私が委員会でも視察いたしました佐伯区の五日市町古野と荒谷については、私は、もう少し先に党の方で視察をいたしました。大臣が視察された翌日行かせていただいたんですが、そのときには、おびただしい量の材木が根っこごと散乱しておりました。今回は大分片づけておりましたけれども、今回の視察の折に、説明をしていただきました折に航空写真を見て驚いたことは、小さな川に沿って上流から下流にかけて川の流域が大幅に削り取られて、下流までずっと赤い土が見えていたということでございます。  ふだんこんな小さな川がどうしてこんなことになったのかということなんですが、一つは、もちろん土石流というか地すべりで川がある程度せきとめられたりして、それがどんと来て大きな災害になったということだろうと思います。また広島は、特殊な真砂土という地質にも関係があるんだろうと思いますが、木材が異様に多いということが私は気になって、地元の人にお尋ねをいたしました。川に近いところにたくさん木が生えていて、そこがまた水分が多くて生育が大変にいいものだから、そういうこともあって、それが災害を引き起こす一つの要因になったと思うというお話地元の方がおっしゃっておられました。  これは一種の凶器というか、今回の災害においては家を破壊したりという大きな凶器になっていったわけですが、全国各地、今、山がかなり荒れているというか、手入れができていない状態のままで置いているところが大変多いんじゃないかと思うのです。農水省は、こうした問題に対応して、どのような治山事業を今行っているのかを説明していただきたいと思います。  今までどおり砂防ダムをたくさんつくる、または治山ダムをつくるということは非常に大事なことですけれども、こうした災害を防ぐために、木の種類や、それから植えるべきではないところもきっとあるんだと思うのですが、そういう防災の観点を取り入れた森林整備をやはり一方では行っていく必要があるんではないか、このように思い、答弁をお願いしたいと思います。
  88. 山本徹

    山本(徹)政府委員 先生御指摘のとおり、災害に強い森林づくりというのは大変重要な課題でございます。  私ども、このために、具体的には適地適木といいますか、この広島真砂土のような地域につきましては、松くい虫の耐性松とか、あるいはアベマキと言っている、これはクヌギの一種でございますけれども、こういった広葉樹を積極的に植える。それから、せっかく植えた木も、後、手入れが必要でございます。下刈りとか間伐はきちんと実施するというようなこと。それから、具体的な山の仕立て方として、複層林の施業とか長伐期の施業といったような、防災の観点も考えた山の仕立て方等々に努力をしてまいらなければならないと考えております。
  89. 西博義

    ○西委員 終わります。ありがとうございました。
  90. 中村鋭一

    中村委員長 達増拓也君。
  91. 達増拓也

    達増委員 六月下旬の西日本を中心とした大雨による災害でございますけれども、自由党もすぐに中西啓介国土建設部会長を本部長とする対策本部を立ち上げまして、関係議員、地元連絡をとり合いながら、必要に応じて実際に入ってみたり、また特に被害が多かった広島県については、佐藤公治、地元の自由党の総支部会長でありますけれども、県と連絡をとって、随時、対策、必要な措置をとれるよう体制をとっていたところでございます。  その広島県でございますけれども、三十一人の死亡が確認されたということでありまして、予想外の被害だったわけであります。一方では、発生してしまえば、土石流、がけ崩れ、その原因につきまして、かなり事前にもいろいろ対策が講じられたのではないかということを言われているわけでありますけれども、その被害の出た地域の事前の対策がどのように講じられていたのかをまず質問したいと思います。
  92. 竹村公太郎

    竹村政府委員 広島の今回の災害につきまして、現状の整備状況を御回答いたします。  まず、土石流危険渓流の整備率は広島県内で一九%、そして急傾斜地崩壊危険箇所の整備率は三五%でございます。  具体的に申しますと、土石流で亡くなられたのは六渓流でございます。そのうち、荒谷川では計画が砂防ダム五基ございますが、現在一基完成しておりました。屋代川では計画五基のうち二基、古野川では計画六基のうち二基が設置されておりました。その他三渓流では未着手の状態でございました。また、がけ崩れで死者が生じた八カ所は、いずれも整備途上または未着手の箇所で災害発生しております。  今後、施設の重点的整備の促進と警戒避難体制等の確立とをあわせた総合的な土砂災害対策に、なお一層邁進していきたいと考えております。
  93. 達増拓也

    達増委員 広島市は土砂災害危険箇所マップというのをつくっていて、これを見ますと、本当に危険箇所、およそすべての沢やがけが土石流危険渓流また急傾斜地崩壊危険箇所として指定されているわけであります。これらについて、危険であると指定するにとどまらず、すべてに対策を講じるようになっていなかったのか。また、その対策を講じる優先順位といいましょうか、そうした違いが何かあったのでありましょうか。
  94. 竹村公太郎

    竹村政府委員 御指摘のように、広島県の土石流危険渓流は四千九百三十カ所、急傾斜地崩壊危険箇所数は五千九百六十カ所と、いずれも全国一でございます。これらの危険渓流や危険箇所において、その重要度につきましては、その場所の地形、地質そして保全すべき対象の人家の戸数等を総合的に判断しまして、順次事業を実施しているところでございます。  今後とも、安全性の向上を図るために、重点的に対策を進めてまいる所存でございます。
  95. 達増拓也

    達増委員 やはり、宅地化が進むことによって、かなり危険なところにまで宅地がたくさん展開しているというところに問題点もあって、ですから、これは後ほど質問をいたしますけれども、そういう制限と、あと対策のバランス、もしその対策が、間に合わせるのが原則ではあるのでしょうけれども、どうも対策のペースを超えて住宅が広がっているということであれば、制限も考えていかなければならないのかなというふうに思います。  その質問に入る前に一つ、これは七月六日の衆議院で開かれた災害特の、今回の災害についての国土庁長官報告の中で触れられていることでありますけれども、今回、広島市、呉市で、自衛隊災害派遣や警察、消防の出動等、総力を挙げた対応が行われているという御報告があったわけであります。このうち、自衛隊災害派遣について、どうも広島県で、知事の自衛隊への要請がおくれたということを聞いておりますけれども、この辺の経緯について伺いたいと思います。
  96. 谷合靖夫

    谷合政府委員 お答え申し上げます。  今回の広島市における自衛隊災害派遣でございますが、六月三十日午前四時に、広島市長が知事に対しまして、災害対策基本法六十八条の二の第一項の規定に基づき派遣要求を行いまして、この要求に基づき、直ちに知事から自衛隊災害派遣要請が行われたという経緯をたどっています。  ただ、このように、広島市による県への派遣要請が被災をした六月二十九日の翌日になったというのは、六月二十九日の時点におきましては、市では、消防あるいは警察等中心に十分に対応できるという判断のもとに、懸命に救助捜索等に取り組んでいたということでございますが、結局は、六月三十日の午前四時に至りまして、最終的には自衛隊の支援が必要だというふうに改めて判断をした、そのような経緯の中でこのような要請の時間になったというふうに承知をしております。
  97. 達増拓也

    達増委員 阪神・淡路大震災のときに、自治体の自衛隊に対する抵抗感が、いざ緊急災害の際の自衛隊の初動をおくらせてしまうことになるという問題提起がされたわけでありまして、その後のいろいろな災害、日本海の重油流出事故でありますとか、昨年の東北、北関東を中心とした集中豪雨ですとか、かなり自治体が日ごろから自衛隊連絡をよくとって、防災訓練なども一緒にやって、いざというときに自衛隊の出動が非常に円滑に行われ、それで災害も防がれるという例があったにもかかわらず、今回のこういうことで、これも、自治体として自衛隊に対する何か抵抗感とか嫌悪感があったかどうかという議論は、私もここでは立ち入りませんけれども、やはり住民の安全を考えたときに、自衛隊が必要に応じて円滑に活動できるような工夫を、これは自治体の側も常日ごろから、共同訓練あるいは連絡、そういう対話を密にしておくことでやっていかなければならないのじゃないかということを、改めて問題提起したいと思います。  さて、先ほどの危険箇所の問題に戻りますけれども、これは関谷大臣、急傾斜地など危険箇所住宅建設を制限する方向ということで、きょうも関連の御答弁をされているわけでありますけれども、改めて危険箇所における住宅建設の制限についてのお考えを伺いたいと思います。
  98. 関谷勝嗣

    ○関谷国務大臣 六月に視察に行きましたときに、またヘリコプターで上空からも視察をしたわけでございますが、本当に宅地造成がいわゆる山にできておりまして、そういうようなところを宅地造成したものでございますから、山すそあるいは谷合いの出口のところは、もう鉄砲水が来れば、それを待っているようなところにまで住宅が建っておるわけでございます。こんなことをしたのでは、どれだけ防災対策をやろうとしても水害あるいは災害はなくならないということを見たわけでございまして、そのことは広島県知事自身も言っておりました。  特に日本人、我々は、土地といいましょうかそういうようなものを財産価値として、あるいはまた、自分の家を持ちたい、持ち家に住みたいという感覚が非常に強い国民性があるわけでございます。そういうようなことでございますが、ですから、これからは宅地造成をさせても山すそから二十メーター以内は公園にしていただく、それは宅地として売ることはできないというような条件をつけて宅地造成もさすというようなことも必要ではないかなというようなことを思いました。そして、現状を見まして、これはもう本当に危ないというところは、いわゆる国の予算でもって買い上げて移転をしていただくということをやらなければ、今後も幾つもこういう災害は続くと私は思うわけでございます。  そういうようなことで、先ほども述べさせていただきましたが、七月の六日に建設省に総合的な土砂災害対策に関するプロジェクトチームというのをセットいたしまして、当面の対策を三カ月の期間を目途にまとめ上げる、そして総合的なものは、先ほども言いましたように年末までにまとめるということで、今鋭意努力をしているところでございます。
  99. 達増拓也

    達増委員 ありがとうございました。  次に、福岡市の水害について質問をいたします。  福岡市で地下街やビルの地下室が浸水したことで犠牲者が出たわけでありますけれども、そういう都市型災害一つの形として、大きい教訓になる災害だったと思うのです。特に、最近東京の方でも非常に強い雨が降ったりしておりまして、どういうふうな原因で福岡市であのようなショッキングな災害発生したのか、これについて今研究調査した結果について伺いたいと思います。
  100. 竹村公太郎

    竹村政府委員 梅雨前線の活動によりまして、福岡県北部を中心に大変激しい雨が六月二十九日に降りました。一時間に九十六ミリという記録的な雨でございまして、これは具体的に申しますと、百年に一回の雨は約七十ミリオーダーでございます。ですから、九十六ミリというのがいかに大きかったかということがおわかりになっていただけるかと思います。そのため、御笠川があふれまして、福岡市街に大変大きな被害が生じたところでございます。  この災害によりまして、福岡市において、ビルの地下施設が浸水しまして、地下から脱出できずに死亡するという痛ましい被害があったほか、地下鉄または博多駅地下の構内、天神地下街等においても浸水し被害が生じたところでございます。  建設省としては、本災害を高度に発展した都市特有の災害と認識しまして、河川改修などの治水事業を推進するとともに、洪水時の地下の施設の管理者への早期の情報伝達避難誘導対策のあり方について、関係四省庁、国土庁、運輸省、自治省、建設省でございますが、地下空間洪水対策研究会を設けまして、昨年十一月より検討を開始したところでございます。この検討会では、今回の災害で七月七日に調査団を派遣しまして現地調査をいたしまして、今後早急にこの問題点の解明に努め、今後の対策を検討していきたいと考えております。
  101. 達増拓也

    達増委員 地下街というものが、東京、大阪等は既にかなり発達しているわけでありますけれども、地方都市でまたさらに発達している中で、非常に重要な問題だと思いますので、政府の方でもきちんと取り組んでいただきたいと思います。  時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
  102. 中村鋭一

  103. 平賀高成

    平賀委員 日本共産党平賀高成です。  まず最初に、梅雨前線豪雨災害で犠牲になられました方々に心からの哀悼を表したいと思います。また、今回の豪雨災害で被災をされた多くの皆さんに心からのお見舞い最初に申し上げたいと思います。  今回の豪雨災害において、死者行方不明者は七県で四十人に達し、そのうち、土石流土砂崩れによる犠牲者が二十九名で、これは七割以上に上っています。土砂災害による犠牲者が後を絶たないもとで、今回、なぜ広島災害では犠牲者が出る前に避難勧告を出すことができなかったのか、大きな問題だと私は思います。  この点で、消防庁はどのように把握をされているのか、最初に伺いたいと思います。
  104. 谷合靖夫

    谷合政府委員 このたびのいわゆる避難勧告でございますが、基本的に現地において避難勧告がなされなかったということにつきましては、一時間十ミリ程度の雨が続いた後に、被害発生をした一時間に五十ミリを超える、予想を上回る豪雨に見舞われた、しかも、それが局地的であったということがやはり大きな原因だというふうに私どもも市、県から伺っているところでございまして、そのようなやむを得ぬ事情で事前の避難勧告ができなかったのではないかというふうに承知をいたしております。
  105. 平賀高成

    平賀委員 これは今まで他の質問者からも聞かれていることなのですが、気象庁からも二十九日の午前十時二十分の段階大雨洪水警報が出されています。それで、実際には、被害は午後の三時以降の夕方にかけて起きているわけなのですが、土砂災害というのは集中豪雨の後に同時多発に起こるのだということは、河川審議会の総合政策委員会危機管理小委員会で出している報告書の中でも出ていることなのです。ですから、そういうふうな問題に対してどう対応するのか、どうやって避難勧告を出すのかというふうな立場で分析をしないといけないのではないかというふうに私は思うわけです。  それで、消防庁調査によりますと、土砂災害による死者二十九名が発生した現場について、いずれも事前に避難勧告が行われておりません。消防庁防災課長名で、ことしの五月二十五日付で各都道府県消防防災主管部長あてに「風水害対策の強化について」を通知しています。その中の「5 避難体制の整備」、その「(2)適切な避難の勧告・指示及び伝達」というところでは、「危険の切迫する前に十分な余裕をもって、避難の勧告・指示等を行う」このように述べているわけです。  ですから、まさに危険が切迫する前に避難勧告を出して、それで逃げていくということをやることが本当に大事なのだということになっているわけですが、このとおりにやれば犠牲は出ないと思います。しかし、実際にはなかなかそのとおりにならない。  私は思うのですが、なぜこういうふうなことを消防庁は各自治体に徹底し切れないのか、この点について質問します。
  106. 谷合靖夫

    谷合政府委員 御指摘のございました通知については、毎年一定の時期にそうした御通知を申し上げ注意を喚起しているところでございますし、さらに、やはり防災対策の基本ということになりますと、地域防災計画でございますので、その中に具体的な避難勧告というものを、できる限り地域の実情に応じてきめ細かく、具体的に規定をしておくということもあわせて指導いたしておるところでございます。  ただ、現実には、市町村によっては非常にきめ細かな勧告基準というものをつくっているところもございますけれども、一部のところではやはりまだ抽象的な基準にとどまっているというようなこともございますので、今後とも、そうした通知と相まって、具体的なきめ細かな勧告基準がつくられ、それに応じて自主的な勧告がなされるような、そうしたことを関係省庁協議しながらさらに指導してまいりたいというふうに考えております。
  107. 平賀高成

    平賀委員 もう少し踏み込んで聞きたいのですが、広島市では今回十八名の方が亡くなられ、呉市では八名の方が土砂災害でとうとい命を失っています。広島市の場合も、土石流発生した二十九日の段階では、ここも避難勧告が出されていないわけです。建設省の「総合的な土石流対策の推進について」が出ておりますが、この通達によりますと、「土石流危険渓流、土石流危険区域及び土石流に対処するための警戒避難基準」を組み込むように指導するべきだということが書かれています。  消防庁に伺いますが、広島市の地域防災計画でこの警戒避難基準は定められていたのかどうなのか、この点について伺います。
  108. 谷合靖夫

    谷合政府委員 お答えを申し上げます。  先ほど御指摘のございました土石流に対処するための警戒避難基準というものは、昨年の七月に建設事務次官通知により、新たな土石流対策として全国の都道府県及び市町村に示されたものでございまして、こうした警戒避難基準の作成手順としては、まず、地方建設局長及び都道府県知事が警戒避難基準に関する資料関係市町村に提供して、そして地域防災計画に組み込むように指導するということにされているわけでございます。  それで、昨年導入された新たな基準であることもありまして、広島県におきましては、市町村に提供するための警戒避難基準に関する資料を実は作成中ということでございますので、広島市の地域防災計画には、こうした通達に基づく警戒避難基準というのはいまだ記載をされていないというのは事実でございます。  ただ、現在広島県では、その作成中の資料が今月中にも完成予定であるというふうに聞いておりまして、これをもとに県内の市町村に基準を作成するよう指導していくということにいたしておりますので、消防庁としても、建設省等関係省庁とも協力をしながら、地域防災計画への記載に努めてまいりたいというふうに考えております。
  109. 平賀高成

    平賀委員 今お話がありました広島市の地域防災計画の避難勧告の発令手続を見ますと、必要があると認めるときは勧告をするということで、非常にあいまいなんですね。  同じ広島県の加計町という町があるのですけれども、ここでは非常に具体的になっていまして、雨量が警戒基準値の百三十五ミリを超すと避難待機を無線で全戸に放送する、それで時間雨量が五十ミリを超えれば直ちに避難勧告が出される、こういうふうに非常に具体的になっています。このように基準を決めてやれば、避難勧告もしっかり出されていくと私は思うわけです。  それで、警戒避難基準を定めている自治体が全国的にどのぐらいあるのかということを建設省に伺いましたら、建設省の説明では、全国では一〇%程度だというふうに言われました。もっと自治体が避難基準を定めて対応できるように、これは大臣、ぜひ徹底するべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
  110. 竹村公太郎

    竹村政府委員 土石流または急傾斜のがけ崩れの要因は大変難しく、また突発的な出来事でございます。技術的には大変困難な課題と認識しております。  ただし、警戒体制、ソフトの面につきまして、私ども、各省庁協力しまして、避難体制のスタンダードを決めるべく現在検討中でございます。そして、そのスタンダードで各市町村を技術的に指導をしていきたいと考えております。  まだまだ至らないところがありますが、これからの課題と認識しておりますので、私の回答とさせていただきます。
  111. 平賀高成

    平賀委員 ぜひ、その点については頑張っていただきたいと思います。  それで、広島市の土石流の危険渓流の整備率は一一%です。そして急傾斜地崩壊危険箇所の整備率は二六%です。危険箇所広島県は全国一だというふうに言われているわけですが、行政の側でも十分そういった危険性は予測できるわけです。それで、土石流から人命を守るためには、避難体制を強化するというソフトの面でも大いに強化をすることが求められているわけです。  私は、人命第一の行政を貫くためには、災害対策基本法に定められた避難勧告を適切に発動することが必要だと思うのですが、この点で、大臣にぜひ質問をしたいのです。  人命を守る上で、避難勧告が適切に発動されるための人的な体制、そして降雨量など明確な発動基準の検討を行うこと、また、気象庁研究している土壌雨量指数による土砂災害の危険性を判断するシステム開発など、警戒避難基準について市町村長が的確に設定できるような科学的な防災対策の支援を国が行うべきだというふうに思うのです。  そうしないと、判断基準がないものですから、幾ら状況に応じて決めるといろいろ言いましても、空振りに終わったらどうするんだとか、いろいろなことがありますから、その点についてぜひ検討していただきたいということを大臣に伺いたいのです。
  112. 関谷勝嗣

    ○関谷国務大臣 まず、先ほどの御質問、竹村局長に答弁していただいたのですけれども、やはり県民といいましょうか国民の感覚がいろいろ年とともに変わってくるわけでございます。先生おっしゃったように、今までは、空振りというようなときにやはり現地方々が大変非難をされる、それを恐れて余り、この避難勧告というのは、むだになってもいいぐらいの尺度で出すべきではないかと私は思うのですけれども、しかし、今までは余りそれがやれなかったような社会情勢、国民の意識、感覚だったと思うのです。私は、こういう広島避難勧告が大変おくれた等々も、全国皆さんがマスコミ、新聞等々で見られておるわけですから、そういうような国民の考え方というものも大きく変わってきておると思います。  そういう時点において、先生御指摘のように、国がそういう基準をつくるというのは、私はもうそういうときに来ておると思うわけでございまして、そういうはっきりしたものがないから、これは市町村長がその勧告を出すわけですから、そこにまたちょっと遅きに失したというようなことがあるのではないかと思っております。  それで、七月十六日でございますが、これは関係省庁局長レベルで行っております中央防災会議局員会議というのがございますが、そこでは、まず一つといたしまして、避難勧告が確実に住民伝達される情報収集・伝達体制をどうすべきかというようなことを検討しております。それから、ハザードマップの明示等、効果的な事前の周知方法をどうするか。それと、先生おっしゃいましたように、やはりもう思い切って国としての、一時間のうちにどれだけの雨が降った場合は、そこの地形がどうであるとか土壌がどうであるというようなことは度外視して、そのときには避難勧告を出すというふうに基準を決めれば、地方の市町村長も出しやすいと思うのです。ですから、私は、この中央防災会議局員会議においても、そういうようなことも検討をするように指示をいたしたいと思います。
  113. 平賀高成

    平賀委員 ぜひ、その点について頑張っていただきたいと思います。  それで、次に、地下鉄や地下街の問題について聞きます。  福岡の博多駅の周辺という都心で、地下鉄や地下街への入り口は水害に対して全く無防備であり、JR博多駅では、JR九州は水害に対する水防マニュアルをつくっていないということを聞いていますし、防水シャッターなどの専用設備もないなど、具体的な防災対策が必要になっています。  時間もありませんから、ちょっと簡潔に述べさせていただきますが、特に地下街というのは、不特定多数が利用しているわけですから、溢水の規模や時間帯などによりますと、これは本当に重大事故になりかねない、そういう全国的な問題でもあるわけです。  福岡の経験から、これは大河川だけではなくて、二級河川の溢水や破堤を想定した地下鉄や地下街の抜本的な水防対策を講ずるべきだと私は思うのですが、この点で、大臣どうですか、二級河川についても。
  114. 竹村公太郎

    竹村政府委員 高度発展した都市における災害の一環として私ども認識しておりまして、関係省庁によりまして地下空間洪水対策研究会を設置しまして、関係省庁で協力しまして、この問題について今後の方針を出していくつもりでございます。  もちろん、その中で二級河川の洪水時のはんらんを含んでおりまして、私ども、新しい地下施設管理者への早期の情報伝達避難誘導対策のあり方等について、今後進めていきたいと考えております。
  115. 平賀高成

    平賀委員 この地下鉄や地下街の問題だけではなくて、もう一つ重大な問題というのが、ビルの地下の店舗が重大だと思います。  それで、博多駅周辺では、浸水や水没したビルの地下の店舗というのは、二十一のビルで六十店舗だというふうに言われています。私も行ったのですが、実際に、東福第二ビルと博多東ハニービルについて調査をしました。ハニービルの地下二階は機械室や受水槽、立体駐車場、地下三階は電気施設になっていて、こういうビルの重大な設備が水没をするという被害を受けているわけです。  さらに、テレビでも報道されました、亡くなられた女性の方がいる東福第二ビルの地下の入り口や、それからその裏手の駐車場の入り口、さらにはその駐車場の排気口ですね、空気の入れかえの排気口、こういう部分から一気に水が入ってきて、それで逃げおくれて亡くなられる、こういう状況にありました。地下の建物というのは密封状態で、水害には全く無防備だという実態にありました。  ところが、政府が、昭和四十八年に関係省庁が出しました通達では、この地下街というのは、これは地下の公共の地下道に面した店舗や事務所の一団を地下街と言うんだということになっているわけですが、しかし、それ以外のビルの地下に設けられている店舗や事務所、これは政府の言う地下街からは定義に外れているんですね。  ですから、私は、こういうビルの地下に設けられている店舗や事務所、不特定多数が利用するわけですから、こういうところに対しても、ビルの地下の店舗の一団、これを対象とした水防や防災対策が必要だと思いますし、それから、市が施設管理者をまとめて水防、防災対策を確立するとか、それから地下街やビル地下の入り口への止水板や防水扉の設置をするとか、さらには河川管理者から施設管理者への正確で迅速な情報伝達、水防体制、避難体制の確立、こういうことを検討するべきだと思いますが、この点で建設省、いかがでしょうか。簡潔にお願いします。
  116. 竹村公太郎

    竹村政府委員 先ほど申し上げましたように、私ども関係省庁によります地下空間洪水対策研究会も七月七日に現地に入りまして、現地をくまなく調査しております。今先生の御指摘のような点も把握しておりまして、今後、関係省庁でもって新しい都市防災あり方について真剣に検討し、新しい、ソフトな対策も含めました方針を出していきたいと考えております。
  117. 平賀高成

    平賀委員 ちょっと時間がもうなくなっておりますが、あと一つだけお願いします。  それで、最後に、河川改修について伺いますが、私も福岡の現地に行ってきましたけれども、特に御笠川が激しく溢水しましたけれども、比恵橋付近は川幅が狭くて、なおかつ橋脚が五つもあるというふうになっていて、ここから溢水をしているわけです。しかし、整備目標は二〇〇四年になっているわけですので、ぜひこれは前倒しでやっていただきたい。  それから、東光橋から河口部の部分というのは、これは都市化が進んでいて買収などがうまくいかないというふうな問題もありますけれども、しかし、市の方は緊急重大課題だということで要望しておりますので、ぜひこの点について積極的に進めていただきたい。  それから、建設省の河川事業の予算や中小河川事業の予算は、全体としては十年間でふえているのですが、特に御笠川や宇美川の事業費は減っているのですね。特に、御笠川は六五%です。ですから、これについてもしっかり対応していただきたいのと、あと、最後に、宇美川と綿打川の合流地点で堤防をかさ上げしたのですけれども、鉄筋が入っていなくて、そこのところから崩れて、原田地区で四百戸が床上浸水の被害に遭う、こういう状況にありました。これらの点について、再度被害が起きないように、抜本的な対策をぜひお願いしたいということです。  まとめてお答え願い、それを伺って終わります。
  118. 竹村公太郎

    竹村政府委員 今回の災害につきまして私ども調査をし、福岡県ともども、県内の都市河川に対策を、抜本的な工事を含めて、そしてなおかつソフトの対策も含めてやっていきたいと考えております。
  119. 平賀高成

    平賀委員 以上で終わります。ありがとうございました。
  120. 中村鋭一

  121. 北沢清功

    北沢委員 私は社民党の北沢でございますが、今回の広島の例を見るまでもなく、情報の伝達を含め、最近では人災の面が大きな要素になってきている。そういう意味で、再発防止に向けての対策が急務であることは言うまでもありません。  私は、水害の違う点は、地震は瞬時に起こるわけです。水害というのは、長雨ないしは集中豪雨という形で二時間、三時間という例がありまして、物や何かは、これは後でつくることができるのですが、人命というのは買うわけにはいかないですね。そういう意味で、先ほどからそれぞれ委員皆さんから適切な質問をされております。  私は、今回の災害を見て感じたことは、河川に付随した道路で非常に低いところがあるのですね。ですから、部分的には土石流が堆積をしてダムになって、それが崩れたという、もぎ取られるという傾向があるのですが、大勢の皆さんの亡くなられた場所をずっと私は見てまいりまして、川っ縁で、やはり二階にいれば助かったかもしれないし、五メーター上のところにおれば助かった、もう一〇〇%安全だということも言い得る、私はそういう見方をしてまいりました。  そんなことで、これは後でつくったものか知りませんが、これは広島県が、私ども現地で実はいただいてきたものです。「わたしの家は大丈夫?」ということですね。これは土石流危険箇所マップですから、今回歩いたところはまさに災害の巣です。そんなことで、ここには、一瞬にして人命や大切な財産を奪う土砂災害土石流、地すべり、がけ崩れなど、土砂災害のほとんどは、長雨や大雨が引き金になって起こります。まさかに備えて、私たちの家の周りの危険箇所を確認し、災害に備えて避難場所、避難経路について、ふだんから家族で話し合うことが大切だ。  日本人は非常に命令意識に、だから避難勧告とか、または終わってから、いや災害も予算が少ないからこうなったとかいうことで、全国災害危険箇所は十七万カ所あるのです。広島は一万一千。ですから、これはもう膨大な費用がかかるわけでして、それを政府を待ってはだめなわけで、いわゆる人命を最優先するという意味では、家族、地域消防団。今回の意味では、情報の伝達、非常になかったということですね。市までは気象台のあれがあったかもしれないが、末端まで徹底してなかった。または、災害のそういうふだんの心得といいますか、ここに詳しく述べてあります。これをやったら絶対に間違いない。  こんなことをこの席で言うのもおかしいことですが、私は現地を見て感じたことは、ちょっと二階にいればとか、お年寄りや子供さんはこう行くとか、または避難するために自動車をとりに行って遭難するとか、そういう意識が相当あるのではないか。または、今の福岡の地下街の例もありますが、これも管理者が知っていればこういうことはなかったということを言っているんですね。そのことを、現地を見た感じとして、特に今後における対応ということで、きめ細かな対応をすべきだ、私はそういうことを主張したいと思います。  そうした対応に参考になる点では、一部の報道で知ったんですが、私ども広島に入った同じ日に、土木や地質の専門家でつくる地すべり学会の緊急調査団が現地に入っております。国土庁はこうした事実を御存じでしょうか。またシンポジウムなども行われ、近年全国に多発している土砂災害について、研究体制の充実必要性または開発による斜面崩壊などは、他の地震などの災害より予測や対策をとりやすいということでありますから、こうした専門家の提案とか指摘についてはどういうふうに対処をされようとするのか。連携されていくような用意がおありなのか。その点について、私は長官にお尋ねをいたしたいと思います。
  122. 関谷勝嗣

    ○関谷国務大臣 七月十四日に地すべり学会が広島県で開かれたということでございまして、細かくは報告は受けておりませんが、その中で、土砂災害につきましては、そのエネルギーが大きく、また発生が突発的であるため、人的被害につながりやすい傾向にあることから、土砂災害未然防止被害の軽減を図るためには、やはり大学やあるいは関係省庁と連携して、こういう研究を進めて充実させるべきであるという指摘は、私もそのとおりであると思うわけでございまして、国土庁といたしましても、今後、大学とか関係省庁と協力して、あらゆる角度からの充実あるいはまた研究、展開を広げていきたいというふうに考えております。
  123. 北沢清功

    北沢委員 同じ調査で、上空からヘリコプターで見て、若い森林が崩れた場所が非常に目立っています。実際、私ども現地で樹木が根こそぎ流されてきているのを見てまいりまして、木がぞくっと立ったまま流れていくんですね。山地が災害の多様な発生源となっていることも考えるわけでありまして、本来、木というものは山の防災に役立つために植えてあるわけです。それが、私もいろいろ経験がございますが、河川の端に、例えば私の方でいいますとカラマツを植えている。そこには違う根っこのあるものを植える。それはもやしのような木ですから、すとんとみんな川へ落ちていくんですね。  そういう意味で、本来の治山事業が重要になるわけですが、こうした急傾斜地に対する対応について、林野庁はどういうふうに考えておられますか、お尋ねをしたいと思います。
  124. 山本徹

    山本(徹)政府委員 山地災害危険箇所でございますけれども、私ども、これはそういったおそれのある地域について、全国、民有林については都道府県、それから国有林は森林管理局が調査いたしておりまして、二十二万七千カ所ございます。こういった危険箇所については、周辺に人家あるいは公共施設等がどの程度あるかというようなことを見て優先順位をつけまして、これについてダム等の治山施設の整備、あるいは森林について間伐等の手入れを行うといったような事業を進めさせていただいておりまして、今治山の危険箇所は二十二万七千カ所ございますが、このうち約四〇%の箇所で工事に着手しております。  これで、どれぐらいの期間で実際にこれが一応完了するんだ、私ども明確にはちょっと把握できませんけれども、二十年とかそういったようなオーダーかと思っております。
  125. 北沢清功

    北沢委員 やはり植える木やその手入れを、そんな小さい額ではなくて、私もずっと長い間理事をやっておりまして、林野庁より余計に自治省で私は予算をとった経験があります。そういうことも、四〇%だけではなくて、そういう地帯はすぐ、やはりそういうものに対する木や土質の研究をして適切な対応をされることが非常に大事ですから、まず研究と実際にやる手段を積極的に考えていただきたいと思います。  それから、現地を見て、開発によってこうした危険な急傾斜地に接した住宅地もふえております。これらは建設省の対応はどうなっているのか。先ほどいろいろ御答弁がございました危険地域把握対策は当然のことですが、こうした対応については、今回の場合でいうと、やはり林野庁との連携がなされないと、裸の土地であれすれば、これは崩壊することは当然でありますから、そのことの対応はどうなっているか、お尋ねをしたいと思います。
  126. 竹村公太郎

    竹村政府委員 土石流対策でございますが、この土石流対策、全国で計十七万七千カ所ございまして、整備率はまだ、土石流が二〇%、地すべりが二〇%、急傾斜地崩壊が約二五%という状況でございます。  私ども土砂災害危険箇所安全確保のために、関係省庁連絡をとり合いまして、ソフトの対策としての警戒避難体制の確立、危険箇所の周知等、情報基盤の整備といった対策に取り組んでいきたいと考えております。もちろん、ハードの砂防施設の整備の推進は申すまでもありません。ハード、ソフトをあわせまして、これらの対策にこれからも邁進していきたいと考えております。
  127. 北沢清功

    北沢委員 今までも、こういう答弁では、全国で何万カ所あるからなかなか大変だという御答弁があったんですが、今回はそういう意味では非常に具体的になっておると思いますが、問題は、どうやって連携をしながらやるか、そういうことが大事であって、いいことはやることが大事なんですね。そういうことを、ひとつ金をかけなくてできることも考えて、人命を、まず国土を優先して守るということだけは、ひとつ皆さんの英知を結集していただきたいと思います。  特に、平成九年に、予想される災害に対して防災基本計画が策定をされています。これに関係する省庁の数と、その実施に当たって国土庁の役割はいかなるものか、その点について御答弁をいただきたいと思います。
  128. 生田長人

    生田政府委員 お答え申し上げます。  災害対策基本法に基づきます指定行政機関の数でございますが、これは現在三十一機関となっております。  それから、防災基本計画の的確な実現を図る上で、国土庁がどういう役割を果たすのかというお尋ねでございますが、まず、平常時、私どもは中央防災会議の事務局といたしまして、こういった関係行政機関に対しまして、資料の提出とか意見の開陳であるとか、その他の必要な協力を求めることができることが災害対策基本法上規定されておりますので、それに基づきまして、関係行政機関に対して必要な調整を行わせていただいているところでございます。  それから、非常時、災害発生したようなときでございますけれども、これは国土庁として独自の形で被害情報及び応急対策活動の集約、連絡を行うという責務がございますが、これとあわせまして、災害対策関係省庁連絡会議の開催、今回も開かせていただいたわけでございますが、これによりまして、政府調査団派遣あるいは各指定行政機関の連携がとれた応急対策の実施ができるような体制を確立させていただいているところでございます。
  129. 北沢清功

    北沢委員 国土庁は、主として企画に今まで当たったわけですね。今お聞きをすると、関係する省庁が三十一機関ですか、これをどういうふうに災害という一つのところへまとめていくかということは、これは縄張りがあろうし、今言ったようなばらばらな施策も出てくるわけでありますから、もう少し、私は特に要請をしたいことは、そういう面での、地震災害も含めて、やはり国土庁のリーダーシップといいますか、そういうものはこれから考えていかないと、災害というのは一つの危機管理なんです。危機管理というのは、ある程度筋が通ってないといけないのです。対応もそうですね。私は、そういうことを特に国土庁に、いろいろの三十一機関という省庁にまたがっているわけでありますから、そこら辺の不徹底が災害対策がおくれている原因ではないか、そう考えます。  それから、今回は降雨災害ということで、例えば予知施設の雨量計についてだけでも、建設省、林野庁、気象庁がそれぞれの管理のもとに設置をされています。相互協力体制については各自治体の判断に任せられていますね。そこに実情があるわけでありますから、私は、そういう面で、何度も申し上げていることですが、各省庁が取りまとめている大局的な判断を下せる役割を持つところが必ず必要ではないか。今私が申し上げた役割を国土庁長官に担っていただきたいということでありますが、いかがでしょうか。
  130. 関谷勝嗣

    ○関谷国務大臣 御指摘のとおりでございまして、災害対策の総合調整官庁として国土庁がまとめていくということで、逆に言いますれば、縦割り行政の弊害を払拭していくということで努力をしたいと思います。
  131. 北沢清功

    北沢委員 最後にもう一度、危機管理について、私は神戸の災害のときに実は与党の筆頭理事をやっておりまして、阪神大震災の折は、直後、責任上つぶさに現地視察しました。地方行政委員会の所管というのは、地方自治体、兵庫県だとか神戸市だとか、それから消防庁、警察庁。  そういうことで、非常に大事なことは、今もって、いろいろあの後危機管理ということで改善をされました。映像だとか自衛隊派遣現地でやるとか、いろいろ改善をされたけれども、やはり一瞬にして破壊された中で、初動活動といいますか、それは一体だれがやるか。では自治省がやるかということになると、市長が神戸の市役所へ行くに、朝の中でたどり着いたのが午後だったということ。現地でだれがやるかということ。消防署は火を消す方や救急、それから警察は交通整理だということですね。  だから、そういう意味で、私は重ねて申し上げたいのは、今までもそのことを私も持論として唱えてきたわけでありますから、初動活動が何でも大事なんです。今回のことも、初動活動が大事なんです。そのことをもう一度、地震災害ではだれがどのように当たるかということで、私は、交番が役割を果たしていくのが大事だということで、当時の野中自治大臣も、交番に予備人員として退職した人を充ててもよいのではないかと。一番地理を知っており、一番対応できる、また地域の協力を得やすいということと、それをただ空からヘリコプターやなんかでテレビで火災を確認するのじゃなくて、現地であらゆることが対応できるという意味で、私は一定の提案をしてあります。  これらをぜひこの際、今回の水害も含めて、生かしていただきたいということをもう一度御検討いただきたいということを強く御要請して、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  132. 中村鋭一

    中村委員長 御苦労さまでございました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時五分散会