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1999-07-14 第145回国会 衆議院 国会等の移転に関する特別委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年七月十四日(水曜日)     午前十時三分開議   出席委員    委員長 井上 一成君    理事 佐藤  勉君 理事 桜井 郁三君    理事 滝   実君 理事 蓮実  進君    理事 桑原  豊君 理事 永井 英慈君    理事 吉田 幸弘君       岩永 峯一君    下村 博文君       棚橋 泰文君    西川 公也君       古屋 圭司君    宮本 一三君       渡辺 喜美君    赤松 広隆君       伊藤 忠治君    小林  守君       冨沢 篤紘君    宮地 正介君       中島 武敏君    保坂 展人君  出席政府委員         国土庁大都市圏         整備局長         兼国会等移転審         議会事務局次長 板倉 英則君  委員外出席者         参考人         (社団法人日本         青年会議所関東         地区茨城ブロッ         ク協議会会長) 横山 和裕君         参考人         (社団法人名古         屋青年会議所理         事長)     社本 光永君         参考人         (社団法人日本         青年会議所近畿         地区協議会会長         )       棚橋 勝道君         衆議院調査局国         会等移転に関         する特別調査室         長       福田 秀文君 本日の会議に付した案件  国会等移転に関する件     午前十時三分開議      ————◇—————
  2. 井上一成

    井上委員長 これより会議を開きます。  国会等移転に関する件について調査を進めます。  本日は、参考人として社団法人日本青年会議所関東地区茨城ブロック協議会会長横山和裕君、社団法人名古屋青年会議所理事長社本光永君及び社団法人日本青年会議所近畿地区協議会会長棚橋勝道君に御出席をいただいております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序ですが、まず各参考人から十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えいただきたいと存じます。  それでは、まず横山参考人にお願いいたします。
  3. 横山和裕

    横山参考人 ただいま御紹介いただきました、社団法人日本青年会議所関東地区茨城ブロック協議会の本年度会長を務めております、土浦青年会議所出身横山と申します。本日はよろしくお願い申し上げます。  このたびは、お招きいただきましてまことに光栄であると同時に、責任の重さを感じております。  私たちは、首都機能移転問題につきましては平成八年より取り上げ、本年は、茨城ブロック協議会ネットワーク推進室の二十五LOMネットワーク委員会、これは二十五の青年会議所の主に副理事長さんに一名ずつ出てもらい、小委員会議論されたことを主に発表させていただきます。  まず初めに、国会等移転問題について私たちは、かなり長期的、国際的案件であることを認識し、この時代に生まれ、この問題に携わることを大変うれしく思っております。また、この問題は、単に茨城県だけの問題ではなく、アジアにとって、世界的にも影響を及ぼすことであり、地域一過性の問題、つまり、オリンピックやワールドカップ誘致であるとか大規模工場誘致というような、いわゆる台風型の経済効果を追求するものではなく、自分たちの子や孫の代まで続く大きな事業であることをかたく決意して、論じていきたいと思っております。  二番目としまして、青年経済人として、私たち青年会議所は、明るい豊かな社会実現、すなわち、自分の住んでいる地域に誇りと愛着を持ち、もっと暮らしやすくし、町の未来や夢を自信を持って語れる同志を一人でも多くつくり出すことを目指す、町づくりの団体でございます。ゆえに、国会等移転問題は、国家レベルの大規模町づくりの問題ですから、真正面から見詰め、そして、青年会議所は変革の能動者たらんとする青年としての集まりであるわけですから、首都機能移転ハード面ソフト面ともこれ以上ない町づくりの大きな夢のチャンスとして、積極的な姿勢で臨みたいと考えております。  さらに、首都機能移転の全県的組織である首都機能移転促進協議会にも平成八年の設立当時より参加しており、国会等移転審議会による本県の現地視察には私の前任者出席し、今までに行われた鹿島開発筑波研究学園都市開発などの国家プロジェクト官民一体となって積極的に取り組んでいるなど、開かれた県民性を主に説明いたしております。  また、本年九月五日の日曜日ですが、茨城ブロック協議会会員大会におきまして、首都機能移転についての分科会を設け、パネルディスカッション誘致に向けた討論会を予定いたしております。  また、福島、茨城、栃木の青年会議所の有志により、二十五の青年会議所によるFIT圏連絡協議会を組織し、首都機能移転問題についても横断的に連絡情報を密にとり合い、連携を図っております。  三番目といたしまして、青年会議所茨城ブロック協議会意識についてでございますが、まず、茨城ブロック協議会メンバーに、首都機能移転に関するアンケートを二十五青年会議所会員に対して実施いたしました。お手元に資料があるかと思いますが、有効回答率が八九%あり、大変関心の高さをあらわしております。首都機能移転に反対しているのは約一〇%、賛成が六三%、どちらとも言えないが二七%と、大変賛成の割合が高い状況でした。実際に首都機能茨城移転された場合によい影響を与えるという答えが八〇%を占めております。  これは、移転先候補地のある青年会議所も、私の出身会議所のように移転先候補地を持たないところも、アンケートに対する回答内容についての地域差はなく、全県的に青年会議所メンバー首都機能移転に対する積極的な姿勢を確認することができました。  四番目といたしまして、主権者による都市創造ということで、主権者である我々国民は、首都とはどうあるべきかを自分たち立場で考えなければなりません。首都機能移転先選定に当たっては、だれが見ても客観的に妥当な理由が必要であります。地元利益を優先するようなエゴイズム的な考え方は排除すべきと考えています。そのような考え方は目的や効果地元本位にとらえているのであって、将来のこの日本、五十年後、百年後を考えたものではないからです。  例えば、私は、国会移転先茨城が一番よい候補地だと考えておりますが、その理由は、自然のよいところを残しつつ、近年の急速な発展により都会の快適さを備えた県でもあり、災害は少ないことはもとより、緑豊かな自然のほか、海にも面しているなど、自然の恵みを中心としたあらゆる貴重な資源が豊富です。また、年間を通じて気候も温暖ですし、久慈川水系那珂川水系など、安定したおいしい水の確保が可能です。さらに、各種のインフラ設備が順調に整備されつつあります。移転先としてふさわしい条件を有していることを確信いたしております。  次に、私たち青年会議所国会移転に関する考え方を述べてみたいと思います。  百年後の人たちのために力強い首都を。  災害や有事の際にすぐに機能を停止してしまうような地域首都を置くわけにはいかないと思います。世界の中での日本の地位を考えた場合、危機発生における国家不安定は国際社会に大きな影響を及ぼします。  まず、地震災害についてですが、茨城県には活断層については確認されておらず、関東大震災の際にも移転候補地は震度四であり、地震災害については極めて安全と思われます。また、活火山等も存在しておりません。  地震災害も含めた大規模災害時の対応力についてですが、阪神・淡路大震災当時を振り返ってみますと、首都東京同時被災を免れました。政府対応の遅さも指摘されましたが、国会等が頻繁に開かれ、緊急措置や復興のために予算措置がとられ、司令塔としてのその責務が遂行されたことは、首都機能がとまらないことの重要性を我々に認識させる重大な契機となったと思います。今後に予想される南関東直下型地震東海地震可能性を考えれば、首都機能移転に伴う災害対応能力強化はあらゆる条件に優先するものであると言えると思います。  次に六番目といたしまして、東京との連携及び都市機能バランス配置の問題でございます。  東京一極集中の是正のために首都機能移転した場合でも、東京都市機能は重要な位置を占めていることは確実です。歴史的に見ても、その巨大な経済文化日本の大きな財産であると言えます。  さて、なぜ東京連携が必要なのかといえば、国会都市建設期間中はまさに両方を行き来する重都状態となります。茨城移転候補地東京から八十キロメートルから百二十キロメートルという連携確保するにはほどよい距離であり、建設期間中においても将来においても、東京との円滑な連携確保が可能であります。また、遠隔地首都機能移転する場合と比較すると、新都市東京間の人や物の移動に伴う時間的コスト、費用も節約できると思います。東京との連携確保という点からも、茨城県は理想の候補地だと思っております。  また歴史的な経緯からも、国土利用についても太平洋ベルト地帯に人口やインフラ設備が集積し、今後は、国土を構成するすべての地域がそれぞれの特性を生かして適切に利用され、活性化することが必要と思います。そのためには、国土利用の比重を太平洋ベルト地帯からそれ以外の地域に移していくことも必要ではないかという議論が多くなされました。  七番目といたしまして、皇居所在地でございます。  国会皇居所在地については、距離的な関係を離して考えることはできません。天皇の国事行為には、国会との時間的関係が密接であり、国民的議論が必要であり、さまざまなシミュレーションを試みる必要があるかと思います。ただし、茨城ブロック協議会といたしましては、距離的な観点から、皇居移転は現在のところ考えておりません。  八番目といたしまして、環境との共生であります。  国会都市建設によって、移転先の今までの環境文化が失われる可能性が懸念されますが、国家レベルの問題なのだからという視点で無視することはできません。国会都市建設環境破壊とも受け取られますが、同時に我々は次のように考えております。  今まで野放しにされていた環境に手を入れるというとらえ方です。そして、日進月歩により開発するときの技術力の向上、新都市からの廃棄物を出さないゼロエミッション等考え方も必要と思います。環境との共生は、時間とともにその地域文化となると思います。  また、茨城県は地形的にも平たん地も多く、傾斜も比較的少なく、自然をなるべくいじらない開発が可能だと思います。  次に九番目といたしまして、多様化するライフスタイル対応できる新都市。  仕事と趣味とは同じとは限らないように、人々の望むライフスタイルはさまざまであります。都市構造が進めば進むほどライフスタイルの枠は狭くなりがちです。それでは豊かな人間らしい生活を求めることができません。  都市整備を図る上で大事なことは、そこにかかわる人間の選択の自由をできる限り阻害しないことです。基本的に国会周辺は非居住地域としても、その周辺には、特色を持ったクラスターを配置する必要があるでしょう。今までの機能や効率ばかりを重視した外観だけが整った町ではなく、人間味あふれた都市づくりを行っていきたい、そのように考えております。  十番目といたしまして、進化する交通アクセス通信アクセスに関してでございますが、終戦直後の人々で、五十年後に東京がこのようになることをだれが想像したでしょうか。現在の技術的進歩は速度を増しつつあります。特にコンピューター技術日ごとに進歩しております。交通に関してもまた通信に関しても、技術進化で考えると、今後の五十年後は予想もしない発展をしていることでしょう。  アンケートからでは、百里基地の民間共用化や、JC内の運動として、既存の線路を改良して、成田空港—佐原—鹿嶋—水戸市を九十分で結ぶ水戸—成田エクスプレス構想青年会議所としての運動として推進いたしております。  また、今後は規制緩和により、セスナなどの軽飛行機やヘリコプターなどが将来の交通手段の核となると思いますので、現在の交通体系に縛られて候補地を選定する必要はないと考えております。  十一番としまして、予算でございますが、現在のような経済状況が厳しい状況国会移転は行わない方がよいという意見があります。確かに、移転に伴う費用は十二兆三千億円と言われ、多くの費用が必要と考えられていますが、これは公共投資約四兆四千億円、民間投資七兆九千億円というように聞いております、この合算額でございます。  仮に首都建設に三十年要するとすれば、一年当たりの公共工事費は千五百億円にすぎません。本年度政府予算公共事業費の九兆四千億円と比較しても、決して驚くような金額ではないと思います。  さらに、国会等移転は大きな経済効果を生み出すことが予想され、経済活動中心日本全体に大きなプラスの効果を及ぼすと考えております。  さらに、我々は、巨大都市をそのままつくることは考えておりません。地方分権規制緩和を進めながら、コンパクトな都市づくりを進めていきたいと思っております。  最後になりますが、十二番、国民として。  今までの歴史を振り返ってみると、首都移転のたびに日本発展してまいりました。私たちは、いろいろな条件を想定した上で、百年後の将来のために真剣な対応をする必要があります。その上で、時代的、歴史的ノスタルジー首都移転の論拠となってはならないと考えております。また、それぞれの地域にはそれなりのプライドが存在しております。その地域プライドを主張することが将来の日本国民にとって必要なことだとは言えません。いずれの場合もエゴイズムであると言えるでしょう。将来的な展望の中で私たちは最善の判断をするべきと考えております。  以上で私の意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
  4. 井上一成

    井上委員長 ありがとうございました。  次に、社本参考人にお願いいたします。
  5. 社本光永

    社本参考人 社団法人名古屋青年会議所本年度理事長を務めさせていただいております社本光永です。  本日は、このような機会を設けていただき、深く感謝申し上げますとともに、大変光栄に思っております。  首都機能移転に関しまして、愛知県が県民に対して行った意識調査の中で、愛知県を含む東海地域が新首都候補地となった場合にそれを受け入れるかという質問に対しまして、賛成と答えた方が、平成八年度では五七%でしたが、平成十年度の調査では六六・二%へと増加いたしておりまして、県民意識が確実に高まっていることを実感しております。  名古屋青年会議所では、毎年、名古屋の将来を展望する委員会を設け、首都機能移転について継続して調査研究をしてまいりました。また私自身も、首都機能東海地方に招くことに大きな関心を寄せておりまして、きょう資料に出させていただいておりますけれども、私ごとで恐縮ではございますが、ことし四月に名古屋で開かれました首都機能移転シンポジウムにも出席をさせていただき、東海地方への誘致を目指す立場から意見を述べさせていただきました。  さて、本日は、首都機能移転についてお話をさせていただく前に、まず現在の社会のありようについて述べさせていただきたく存じます。  今私たち国民は、長引く不景気の中に身を置き、さらにその周りを取り巻くさまざまな社会不安を実感しております。例えば、自然破壊やごみ問題に代表される環境の悪化、あるいは金融不安や少子高齢化など、深刻な現象が急速に社会の表舞台にあらわれていることは御存じのとおりです。子供のころバラ色であった二十一世紀の姿は、現在、崩れかけていこうとしております。  中でも、新世紀を迎えるに当たって私が最も懸念しているのは、少子化による社会変動です。少子化は数十年前から始まっているとも言われ、このまま進むと労働力の減少による産業の衰退や、それに伴う生活レベルの低下、あるいは、年金、医療、福祉など社会保障において現役世代の負担が増大し、二十一世紀初頭には社会保障制度そのものが破綻を来してしまうとも言われております。さらには、労働力を求めて企業の日本脱出が進み、産業空洞化が一層大きくなったり、地方過疎化がさらに進んで、農村漁村の崩壊を招くとも言われております。こうした現象が起こるのは二十年、三十年先のことと予測されておりまして、それは私たちがまだ現役として活躍している時代のことであります。  そこで、実は名古屋青年会議所では、少子化対策をことしの大きなテーマに掲げまして、さまざまな運動を繰り広げているところでございます。  少子化現象を招いている要因は、単に親たちだけの責任ではありません。大もとには、子供を育てにくい社会環境社会システムができ上がってしまっていることを認めなければなりません。住宅問題、教育費の問題、ダイオキシンや環境ホルモンといった生活環境の問題などが重なり、子供をたくさんもうけることを思いとどまらせていることは否定できません。  ここに思い至ったとき、私は、将来を今までの延長線上でとらえるのではなく、社会国民意識を変革する新しい価値観を構築し、新しい社会環境をつくり上げていくことが少子化現象を突破するかぎになるのではないかと気づきました。その新しい価値観をもたらすものとして、首都機能移転が大きな役割を果たしていくのではないかと考えております。  では、首都機能移転少子化に歯どめをかける上でどんな利点があると考えられるでしょうか。  まず、当然のことながら、政治の中心経済中心が分かれることになります。東京への一極集中が緩和され、それに呼応して地方分権がさらに進むと考えられます。  東京は、江戸時代から日本中心であり、参勤交代など中央集権的な体制を四百年にもわたって存在理由の根本にしてきた都市です。私は、このような都市から首都機能が移ることで、初めて本格的な地方分権が始まるのではないかと思っております。  したがって、各地方自治体は特色ある町や地域づくりを独自にスピーディーに進めることができるようになるはずです。各地方に魅力ある町が生まれ、新しい文化がはぐくまれていけば、若い人たちもその土地を愛し、大都会にあこがれて出ていくことも少なくなるのではないかと思っております。すると、各地域では、労働力確保でき、地元産業が振興し、生活レベルも向上していくことでしょう。そうなれば、子供を育てやすい環境が広がっていくことでしょうし、農村漁村過疎化も緩和されていくのではないかと考えております。  実際に効果があらわれるのは、十年あるいは二十年先のことかもしれません。しかし、少子化現象に対しても必ず大きな成果をもたらしてくれるものと期待しております。  さて、首都機能移転少子化現象抑制関係をたどってくると、今述べてまいりましたように、政経の分離、社会構造の転換、行政改革地方分権実現など、幾つかのキーワードがあらわれてきます。首都機能移転の大きな意義がここから見えてくるように思います。  さらに、首都機能移転には、自然環境との共生情報基盤整備災害への対応力強化など、ほかにもさまざまな利点がありますが、それらについては既に方々で議論されてきていることなので省略させていただきます。  それでは次に、愛知県を中心とした東海地域首都機能移転先として最もふさわしいと考えられる理由を述べさせていただきます。  具体的な理由につきましては、本委員会で、愛知県の神田真秋知事中部経済連合会須田寛会長などが語っておられますので、内容的には重複することもあるのかとは思いますが、私なりに考えている理由をお話ししたいと思います。  私は、大きく分けて三つの観点から述べさせていただきます。  まず第一点目に、費用観点からでございます。  首都機能移転するに当たって、国会等移転審議会では次のような試算が行われております。新首都建設開始から最初の国会が開かれるまでの約十年間でおよそ四兆円、行政機関がすべて移転する数十年後までには、全体でおよそ十二兆三千億円の費用がかかるそうです。この不況下にこれだけの費用をかけるのはむだな出費だという意見もありますが、それは違うと思います。長期的な展望に立てば、首都機能移転で生まれる経済効果ははかり知れず、それを見過ごすことはかえって日本全体の損失だと確信しております。  しかし、本当にそれだけの費用をかける必要があるのでしょうか。この試算はゼロから首都を創造する観点に立ってのものです。既存のものを利用すればもっと安くできるのではないでしょうか。  極論ではありますが、器という視点で見れば、国会は大きな会議室であり、議員宿舎は住宅です。また、中央官庁も、器という視点で考えればオフィスビル機能であると考えてもよいのではないかと思います。これにさまざまなオプションが加わって首都を形成することになります。このオプション部分周辺都市にある施設によって補うことができれば、その部分費用は軽減できると思います。  最近、地方行政では、多数の都市連携する広域行政という概念が広まりつつあります。これは、地方財政改革の一環として、各自治体がサービス機能を分担して広域的にカバーしようというものです。つまり、この考え方首都機能移転に、特に愛知県を中心とした地域への移転には生かせるのではないかと考えているわけでございます。  新首都に勤務する公務員や関連職員家族教育、娯楽、買い物といった生活面での利便性、さらには新首都に訪れる外国からの国賓や高官へのもてなしなどを考慮すると、名古屋市の持つ高次元な都市機能を存分に生かすことが考えられるのであります。現在、愛知県では西三河北部東三河南部の二地域を新首都候補地として考えておりますが、そのいずれの地域首都建設されましても名古屋市を有効に利用することができると思います。  しかしながら、現在の広域行政は各都道府県ボーダー内での構築にとどまっているのが実情です。そこで、新首都ではこの概念を広げ、都道府県ボーダーを取り払って各都市機能分担すれば、岐阜県あるいは静岡県にまたがった連携都市群首都機能を担うということも十分考えられ、首都機能移転にかかる費用ばかりでなく、新首都を運営する費用も圧縮できるのではないかと思っております。  第二点目が、二〇〇五年開催の日本国際博覧会での経験や成果が活用できることにあると思います。  国際博覧会は瀬戸市の南東部で計画されておりますので、ちょうど西三河北部地域に隣接した位置であります。このイベントにつきましては、従来のような一過性のものではなく、博覧会施設恒久利用を積極的に行い、長期的な展望に立った交流未来都市づくりの一過程としてとらえております。瀬戸南東部地区は、この交流未来都市を象徴する地区として、多機能交流型、環境共生型の二十一世紀の新しいライフスタイル対応した町づくり、すなわち環境進化都市を目指しております。これは、二十一世紀首都機能のあり方を示唆するものだと考えておりまして、新首都主要施設としてもその成果を十分に活用できるものと思っております。  また、神田真秋愛知県知事が述べられておりますように、国際博覧会では、自然との共生テーマに、環境情報分野を初めとする最先端の実験的な取り組みが進められることとなっており、準備の段階からさまざまな技術や人類の知恵が結集されてまいります。特に、二十一世紀環境が重視される時代となることは確かですので、そういった視点からも都市づくりに臨んでいかなければなりません。そこで、この博覧会での経験、そこで蓄積された技術、さらには思想、哲学などを首都を目指す新しい都市建設の中に取り入れ、生かしていくことができると思っております。  この点でも、愛知中心とした東海地域への首都機能移転は意義深いものがあると考えております。  第三点目は、だれもが認めることではございますが、東海地区日本の地理的中央にあり、交通アクセスに恵まれた地域であるということです。  首都として地理的な理想を考えれば、やはり国土の真ん中にあって、どの地域からも往来が便利であることだと思います。もちろん、利便性がすべてではありませんが、大きな要素の一つであると考えております。  愛知県あるいは東海地域は、東日本と西日本の接点に当たります。東海道新幹線や東名・名神高速道路を初め、日本列島を縦断する主要道路、主要鉄道が通じていることはもちろん、列島を横断する東海北陸自動車道の建設も進んでおりまして、太平洋側と日本海側が直接結ばれ、東西南北の文化産業の交流を最も図りやすい地域だとも思っております。それに加えて、現在は第二東名・名神の計画あるいはリニア新幹線の構想も進められ、この地域交通の要衝としても大変重要であることは間違いのないことであります。  このように、インフラが既に整備されている一方、現在進行中の大型国家プロジェクトの対象地域でもあることから、首都機能移転に伴う新たな基盤整備費用も削減でき、移転を低コストで行えるメリットもあります。首都機能移転に対する国民意識という意味では、過大な投資が行われるのではないかという不安があるようですが、愛知県を中心とした地域への移転の場合には、費用も抑えられ、国民合意も得られやすいのではないかとも考えております。  また、首都となれば国際政治に対しての機能も備えなければなりません。そのためには、海外各都市と結ばれる航空路線を整備していく必要があります。現在は名古屋空港がアジアや欧米諸国三十三都市と結ばれておりますが、二〇〇五年には中部国際空港が開港する計画で、現在その準備が進められております。  以上の観点からも、私は、愛知県を中心にした地域が新首都にふさわしい場所であると考えております。  首都は、数世紀の単位で展望し、数十年かけて建設していくものです。そこには、日本発展国民の幸せが描かれていなければなりません。それを確かなものとしていくために、私どもも非力ながら精いっぱい取り組んでまいりたいと思っております。この委員会にお集まりの国会議員の先生方の一層の御尽力と御指導をお願い申し上げ、私の発言を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。(拍手)
  6. 井上一成

    井上委員長 ありがとうございました。  次に、棚橋参考人にお願いいたします。
  7. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ただいま御紹介をいただきました社団法人日本青年会議所近畿地区協議会本年度会長を仰せつかっております棚橋でございます。  本日は、この特別委員会におきまして参考人としてお呼び立てをいただきまして、本当に光栄に存ずる次第でございます。  私ども青年会議所におきましては、今し方二名の参考人からもお話をさせていただきましたとおり、地域主権の社会づくりを目指した中で、首都機能移転というものが必要不可欠であるという思いにおいて一致をするところでございますけれども、私が本日、近畿地区協議会の会長としての立場出席をさせていただいておりますところ、近畿・畿央にということに特に重点的にお話をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。  さて、この国会等首都機能移転の問題につきまして、まず、青年会議所として考える中でのその必要性について述べさせていただきたいというふうに考えます。  そのまず一点目は、この国のシステムを根本から変革する必要があるのではなかろうかということを考えております。  今日の長引く不況につきましてはいろいろと論じられておりますところでございますけれども、その根底には、中央で決まらなければ、あるいは中央集権のシステムが変わらなければ自分たちでは何もできないといったような無力感が支配しているように感じております。  青年会議所では、十数年来、地域主権の国家像を思い描きまして、規制緩和や市町村合併、道州制など、みずからが主体的に町づくりにかかわれるべき方策について研究、また提言をしてまいりましたけれども、その意を一層強めたものは阪神・淡路大震災の救援活動でございました。それは、現場が必要とする情報は現場にのみあり、刻々と変わる状況には、現場で判断し、現場で対応することが最も効果的である、そのような実体験によるものでございます。もちろん、そのとき駆けつけたボランティアに無力感はありませんでした。  一刻も早くこの国のシステムを地域主権に基づくものに転換する必要性を痛感しております。そして、その覚悟のほどを明確に国民にアピールするとともに、小さな政府、行財政改革の成功のためにも、首都機能移転が急がれるものというふうに考えております。  二点目に、価値の多様性を醸成していくということがこれからの国家に必要ではなかろうかというふうに感じております。  東京のものでないと本物ではない、そのような価値観が生まれつつあるように感じます。先ごろ、ある新聞記者の方とお話をしておりましたところ、悲しいかな、大阪本社の記事であっても東京の記者によるものの情報が優先されますというようなことでございました。確実に価値観一極集中が加速していることの証左であり、価値観の一極支配構造の危険性を含んでいるのではないでしょうか。  価値観の多様性の意義についてはここで言及するまでもありませんが、国家の安全性と創造性豊かな発展性の確保に向けた価値の多極化を図る意味におきまして、首都機能移転の持つ意味は重要だというように考えております。  三番目に、国土の均衡ある、また持続可能な発展についてであります。  東京への一極集中につきましてはここで論じるまでもございませんが、その弊害は、地方の活力の低下と非効率化、また東京地方との税の活用効率の悪化、またダイオキシン問題ですとかあるいは産業廃棄物処理場の問題にあらわれますとおり、今後の持続可能な発展はなかなか期待できるものではありません。多極分散型国土軸の形成を期待したというところでも、先ほども述べましたように政経文化が一極に集中する状況にありましてその実現は不可能としか言いようがありません。その解決策として、政治機能東京から分離し、東京地方位置づけることによって健全なる中央と地方のバランスを発現せしめ、国土の均衡ある発展の契機とすることが必要だと考えています。また、均衡ある発展は各地域のサイズの適正化にも寄与するものと考えており、将来にわたっての持続可能な発展が期待できるものと思います。  次に、以上のような首都機能移転の必要性に続いて、首都機能移転に求められるべきものを、この近畿地区協議会、私どもで議論をしたことについて少し申し述べさせていただきたいというように考えます。  一番最大の求められるべき要件といたしまして、国家のアイデンティティーを内外に表現することではないかというふうに考えております。  日の丸・君が代問題に象徴されますように、今、国民にとって国家という概念が非常に希薄になっていることを危惧しています。また、国際社会において、我が国は顔の見えない国と表現されることがよくあります。一方、今日、グローバルスタンダードという言葉に象徴されますように、国際社会における標準化が進行しています。現在は、この標準化に乗りおくれまいとして数字合わせに右往左往している状況でありますが、その先にある本質的な問題は個性ではないかと考えます。今求めている標準が当たり前になったとき、個性なきものは埋もれ、個性あるものだけが輝きを持って存続し得るのではないでしょうか。  なればこそ、混沌とする国際情勢の中で、世界に対して、また国民やグローバル化する企業に対してアイデンティティーを指し示し、日本という国のあり方を明らかにすることが急務であるというように考えています。また、その場は、首都機能移転という最大級の国家プロジェクトをおいてほかにはないものというように確信をしております。  次に、国際性、特にアジアの一員としての要因でございますけれども、国際時代の新都に求められるべきものには、その都市が世界に開かれていること、また、戦略的に見て我が国がアジアの一員であるとの強い意思表明が必要不可欠であるというように考えます。  欧米の知識人あるいは親日派のお話としてよく聞かされることに、冷戦後の新たな世界秩序づくりに関して日本に寄せられる期待は絶大のようです。それは、単に経済大国であるということだけではなく、多分に儒教的哲学を持った資本主義経済圏の一員としての期待であるように感じています。  また、アジア地域における経済の牽引車として、またアジェンダ21に規定されるようなアジア北東部の一員として、その他枚挙にいとまありませんが、国際戦略上アジアの中での存在意義を明確にすることも首都機能移転時には必要条件であると考えております。  次に、地方分権の加速性ということで、私どもが十数年来地域主権を唱えている中で、その我々の運動に直接寄与するところの部分でございます。  東京地方にするということは既に述べましたけれども、中央と地方関係東京のみに行わせることは、地方分権の推進に必ずしもよい効果は生まれないと考えています。また、東京経済圏に従属する形をつくることも同様であります。複数の経済圏が活性化し、多極構造をとる中で衛星的に近郊経済圏が力をつけ、徐々に国土に均衡ある発展が進んでいくとするならば、必ずや地方分権の推進が加速するのではないでしょうか。このような観点から、首都機能移転先には地方分権をにらんだ戦略的候補地の策定が望まれます。  以上、青年会議所として、この新しい国のシステムをつくっていくに当たりまして、三候補地、いずれ劣らぬ候補地ではあります。そういう前提におきまして、首都機能移転ということの大前提、その必要性と備えるべき要件について意見を述べさせていただきましたが、ここからは、近畿・畿央にというところで、畿央の検証というところについて述べさせていただきたいというふうに考えております。  まずは、歴史文化の確認から入ってまいりたいというふうに思います。  改めて論じるまでもなく、近畿は歴史の表舞台を歩み続け、特に国宝、重要文化財等の保有量は、東京を第一位としても、京都、奈良、滋賀がそれぞれ二位から四位を占めております。この国の成り立ちを十分に知らしめる地域であります。また、文化財に加え、茶道、華道、仏教など、我が国の精神文化を体現する多くの機会がちりばめられています。国家の象徴としての天皇に関する事象も同様でありまして、国家のアイデンティティーは、新しくつくるものではなく、既にこの地域に存在するものであります。私たちのみならず、諸外国の方々にとりましても、この国の成り立ちとあり方を考える上で、ほかに類を見ない地域であると確信をいたします。  次に、国土の中央であり、三つの国土軸が集中をするという利点でございます。近畿は、国土のほぼ中央に位置をしまして、これは全国との均等なアクセスが可能であることを意味しています。また、この地域は、日本国土軸、太平洋国土軸、西日本国土軸の三国土軸が集中していることに加えまして、日本地域と太平洋地域を最短距離の約九十キロで結んでいるという地域特性を持っております。これは、全国均等のアクセスとあわせ、経済連携並びに連鎖が容易であるとともに、我が国の多様な生活習慣や文化と交流するたぐいまれなる地域と言うことができると思います。  次に、近畿地区内では非常に多くの多様なプロジェクトが推進をいたしております。近畿では、現在、最先端技術の研究分野の関西文化学術研究都市、また、鈴鹿山麓研究学園都市、びわこ文化公園都市など主要プロジェクトを初めといたしまして、国立国会図書館の関西館や京都迎賓館など、新たな投資を必要としない首都機能として有効に活用することが可能な機能が点在をいたしております。  また、先ほど来お話になっております環境ということにつきましても、環境立県としての滋賀、またCOP3の開催のありました京都というものをその域内に抱えておるところでございまして、国際社会の趨勢といたしまして、新首都が諸外国に与えるインパクトを考えましたら、環境への配慮が必要不可欠であります。滋賀県は、石けん運動に象徴されますとおり、官民一体となった環境運動が有名でありまして、環境先進県という呼び声にふさわしい運動が推進されています。また、先ほども申し上げましたとおり、京都は一九九七年にCOP3が開催をされ、これを契機に、近年環境問題への取り組みが急ピッチで進んでおります。  このような地盤を持つ近畿であればこそ、急場しのぎではない、戦略的な環境整備を進めることができましょうし、また我が国の姿勢をアピールすることにつながるのではないかと考えています。  最後に、畿央高原への首都機能移転の優位性について述べてみたいというふうに思います。  先ほど、首都機能移転に際しまして最も大切なことは国家のアイデンティティーを内外に表現することだというふうに意見を述べさせていただきました。この地域への移転そのものが国家のアイデンティティーの表現になるというふうに考えています。  この国の成り立ち並びに我が国の精神文化を体現できるこの地域首都機能移転することは、それ自体が国家のアイデンティティーを世に示すことであり、国家の概念が薄れかけている国民日本国民としての根っこを与えることにつながると同時にまた、真の国際人を生み出す源泉となるだろうというふうに考えています。  一方、新首都には多くの各国の国際機関とともに要人がお越しになることと存じますが、そのような折、机上の議論だけではなく、この国の成り立ちや精神文化を実体験し、理解を深めていただくことがどれほど外交上有益であるかはかり知れません。会議に疲れた体をいやす知的な空間が畿央高原を取り囲んでおります。  次に、地形、環境の優位性でございますけれども、首都機能移転は、広域的かつ長期的なプロジェクトであることに加えまして、自然環境への負荷を可能な限り回避するという課題から、クラスター型の開発が求められております。畿央高原は、複数の盆地群で構成され、一カ所に大規模開発が入り込む余地がなく、中心クラスターから適度の距離を置いてネットワークを形成する複数のクラスターへの段階的開発が必然となります。これは環境に対する配慮を受け入れやすく、今後の自然共生開発の見本ともなり得ます。  また、国立公園や国定公園が集まる地域でもあり、周辺都市機能、びわ湖ホールや京都迎賓館なども考え合わせますと、各国要人へのおもてなしや国際会議などでのエクスカーション要素も十分であります。  三点目に、陸海空それぞれのアクセスの利便性であります。  畿央高原は両翼に関西国際空港と、計画中でございますが、中部国際空港の二つのハブ空港を擁し、陸路は新幹線、名神高速道路、計画中の第二名神など、この上もなく国内外の交通アクセスに至便な地域であります。また、近畿は日本海、瀬戸内海、太平洋の三海域に臨みまして、舞鶴港、若狭港、大阪港、神戸港、名古屋港の活用が可能であります。  このような環境は海外からの要人の来訪を容易にするとともに、非常時の緊急な対応に対しまして選択肢の幅を広げる意味で大変有意であるというふうに考えております。  最後に、二大経済圏の活用でございます。  畿央高原は、空港と同じく両翼に関西経済圏と中部経済圏を従えています。新首都はこの両経済圏を有効に活用でき得るとともに、両経済圏の活性化に寄与することが可能であります。これはさきにも述べましたような、地方分権を推進する上で、東京ひとりに地方の牽引を覆いかぶせることなく、経済並びに町づくりの多極性を現実のものとすることに重要な意味があろうというように考えています。新しいこの国のシステムを構築する上で最も望ましい立地であるということを確信いたしておる次第でございます。  以上、私の方から意見を述べさせていただいたわけでございますが、近畿地区協議会、九六年の堺屋太一先生の御講演を初め、今日までさまざまな研究と提言をしてまいりました。既に皆様方にもお配りをさせていただいていると存じますが、この「未来首都・畿央」も、経済界や学者の方々、また地域行政の方々を主体とします首都機能移転構想研究会の方々の協力を得まして、昨年度近畿地区協議会で出版をさせていただきました。ただいま私が述べさせていただきましたようなことはすべてこの中に記載をされておることでございますし、単に行政、経済界というだけではなくて、地域の住民をも巻き込んだ中での各地青年会議所、それは単に近畿地区協議会だけではなくて、四国や中国の地方青年会議所の方からもたくさん寄稿をいただいて、そういった万全の体制で今後も進めてまいりたいというふうに考えております。  また、畿央地区は四県が接する地点にございます。この四県の地方自治体、また青年会議所、また住民等々におきましてスクラムを組んで頑張って、畿央の方に国会首都機能移転誘致を進めてまいりたいと思います。  先生の皆様方にはこれからもいろいろな形で御指導、御鞭撻等を賜らなければいけないと思いますけれども、どうぞこの近畿・畿央高原への首都機能移転に御理解をいただきまして、推進をいただきたくお願いを申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
  8. 井上一成

    井上委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。     —————————————
  9. 井上一成

    井上委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤勉君。
  10. 佐藤勉

    ○佐藤(勉)委員 自由民主党の佐藤勉でございます。  本日は、日本青年会議所地域の皆様方には、大変お忙しい中おいでをいただきまして意見陳述をいただきましたことを感謝を申し上げたいと思います。また、各地域での皆様方の常日ごろの活動に対しましても敬意を表したいと思いますし、きょうの御意見を本当に拝聴いたしまして、常日ごろ皆様方がその地域でいろいろな面で勉強され、そして意見の集約を図られ、そして地域のことを常に考えているという真摯な態度に対しましても心から敬意を表したいと思います。  首都機能国会移転等に関する意見陳述ということであったわけでありますけれども、皆様方と同じく、私どももそういう気持ちでこの委員会に臨ませていただいている一人でもございまして、そう年的には違わない皆様方とともに、これから国会移転をいかに進めるのか、私もきっと実現をすればまだ生きているのではないかなという年代でもございまして、皆さんとともにこれから歩ませていただきたいというふうに思うところであります。  そこで、皆さん方に御質問をさせていただきたいと思うわけであります。  首都機能移転についてでございますけれども、今お話にございましたように、国政全般の改革、そして東京一極集中の是正、国土災害対応力強化など、これは皆様方が陳述をそれぞれにいただいたと思いますし、さまざまな意義と効果がもちろん論じられているところであります。現在、大きな時代の変革期と言われている中で、青年会議所メンバーが我が国の中枢として活躍することとなる二十一世紀に向けて、首都機能移転がどのような意義を持っているということなのかをまずはお伺いをしたいと思います。
  11. 横山和裕

    横山参考人 ありがとうございます。  栃木県の出身ということですので、栃木では、栃木ブロック協議会の会長が大橋君といいまして、九六年の那須野ケ原青年会議所理事長ということで、彼のいろいろな意見が大変我々の刺激になっております。本当にきょうはありがとうございます。  まず、首都機能移転の意義でございますけれども、我々は、まず首都機能移転は、ハード面ソフト面においても、我が町づくりに寄与できる一生に一回というか、千載一遇の夢のチャンスである、そういうふうに考えております。  二番目といたしまして、太平洋ベルト地帯に人口やインフラが集中している今の国土構造から、それ以外の地域も均等に発展させることができる絶好のチャンスじゃないかと考えております。  三番目といたしまして、首都機能移転行政改革規制緩和を強制的に実施することができる。  以上三点と我々は考えております。
  12. 社本光永

    社本参考人 二十一世紀に向けて首都機能移転がどのような意義を持つかという御質問にお答えをさせていただきたいと思います。  明治以降の首都東京は官僚たちによって担われた都市であると堺屋経済企画庁長官は述べられております。つまり、全国から優秀な人材を集めて官僚をつくり、その官僚たち日本をリードしていくというのがこれまでの日本のスタイルであったと思っております。しかし、この官僚主導の近代国家発展のシステムが今限界に来ていることは皆様御存じのとおりでございます。民間企業の実力が高くなり、規模も巨大化し、国家間、都市間での競争に対応できる力を持つに至ったわけであります。  こうなっていくと、長い歴史を重ねる間に、官僚主導の政策が企業の活動を規制してしまう面が大きくなっていき、結果として近代産業時代の諸制度が逆に日本を窮地に追い詰めていく結果になりかねないわけであります。こうした事態を乗り越えるためには、首都機能移転による社会構造、行政制度の変革と人心の一新がどうしても必要だと思っております。  明治以来の近代化、産業化から発生した諸問題を解決しながら新しい社会システムをつくり、新しい文化ライフスタイル価値観を創造していかなければなりません。首都移転の本当の目的と意味はまさにここにあると考えております。  私ども青年会議所メンバーが働き盛りの世代を迎える二十一世紀初頭において、新しい日本の姿をこの首都機能移転に託することで新しい日本の姿が展望できるのではないかと考えております。  以上でございます。
  13. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  さきのお二方と大きく違うところは余りございませんけれども、とにかく、新しい社会、国をつくるんだという大号令としての意義が私はあろうかと思います。また、新しい国家をつくるんだというこの大号令に呼応するかのように、私ども青年会議所にとってはその意義を深く実感する機会になるのではなかろうか、これが我々のこれからも取り組んでいく町づくり運動に偉大なる契機になろうかというふうに感じる次第でございます。  以上でございます。
  14. 佐藤勉

    ○佐藤(勉)委員 ありがとうございました。  それぞれの考え方がございまして、もちろんそういう面も含めて、これからまずは国民世論をもっともっと高めていかなければならないという使命が私たちにもあるのではないかなというふうな気持ちがございます。皆様方にも、そういう観点から世論形成についてのお手伝いをぜひともお願いを申し上げたいというふうに思っております。  次に御質問を申し上げますが、首都機能移転先について、広く国民や世界に開かれた都市、先ほどのお話にもございましたように、にぎわいと文化の薫る都市、そして、もっともっと大事にしていかなくてはいけないというお話がございましたが、自然環境共生した都市などというさまざまなイメージが描かれて先ほどの意見陳述の中にもあったわけでありますけれども、二十一世紀を代表するにふさわしい新都市像というのが絶対に必要なんではないかなというふうに私どもは思っているわけであります。  したがいまして、そう簡単にこういう問題を解決していけないという思いもあるわけでありますが、ぜひとも皆様方におかれまして、先ほどのお話にも具体的にのっておりましたけれども、改めまして、具体的にどのようなイメージをお持ちか伺うものでございます。
  15. 横山和裕

    横山参考人 ありがとうございます。  我々も青年会議所内部でいろいろ議論をしたんですけれども、このイメージといいますと、どちらかというと、大変緑が多い中にぽっと国会があって、そして、それがうまく商業地ですとか官公庁とすみ分けをしている、そして環境共生、非常に環境に気を使ったそういう新しい都市をイメージしている点が一点でございます。  次に、インターネットがここ数年でこれだけ普及したように、そのほかに最先端の都市、テレビ会議ですとか、そういう国会情報がすぐ各家庭に伝われる、そういうような機能を持った都市と考えております。  また、やはり首都になりますので、大変各国からいろいろな方がお見えになります。国際交流のかなめとなるような都市をイメージいたしております。  以上でございます。
  16. 社本光永

    社本参考人 二十一世紀を代表するにふさわしい都市像としてのイメージをお尋ねだと思いますので、お答えさせていただきます。  首都が果たす役割の中には、さまざまな文化中心性もあります。特に近代国家においての首都は、産業文明の実態を国民に具体的な形で示す役割があったため、巨大な建築物、荘厳な博物館や美術館、デパートや娯楽施設など多くの文化装置を建設する必要がありました。しかし、二十一世紀首都には、そうした観点から建設をする時代ではございませんし、その必要もないと思います。むしろ、政治、行政にじっくり取り組める、教育環境に近いような環境が求められていくのではないでしょうか。特に、環境との調和は二十一世紀のキーワードになっていくと考えられ、新首都はまさに自然と共存するような都市像となるのではないかと考えております。  例えば、町の中心には国会議事堂のほかコンベンションセンターも設けられて、そこでは国際セミナーや市民フォーラムが頻繁に開催されたり、あるいは、新首都郊外の大学では最先端の環境研究が行われているような姿、あるいは緑の中に町が散在しているようなつくりで、主要な諸機関を一街区に集中させないように配慮された都市設計がされている、また、諸機関が分散されていても、情報インフラが整備されていて、必要な情報はどこからでもパソコン等で簡単に手に入る、そんな姿を想像しております。  現在の東京は、明確な都市の成長を描くことなく肥大化をし続けて現在に至っておると思います。新首都では、そのようなわだちを踏むことのないよう、長期的な都市計画のもとに、緑と水が調和できるような都市像を描いていくことが肝要だと思います。それを実現できるのは、まさに豊かな自然を存分に生かせる、愛知県を含む東海地区だと思っております。  以上でございます。
  17. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  当然、新首都に対しましてはいろいろな御意見がございますし、環境の問題でありますとか、あるいは国際社会への開かれたものでありますとか、そういうことがあろうかと思います。  ただ、非常に静閑なところにそのものだけを分離、隔離をするようなものであっても、やはりその機能の中で、人間工学的におきましても、いろいろな精神医学的なことにおきましても、都市というものが有機的に機能しなくなってくる危険性というのもあろうかというふうに思っています。そういった中では、ある程度各クラスター都市間と連携をとりながら、人の交流のあるようなそういう都市づくりが望まれるのではないかと。当然、その環境の中にありまして、緑と水というのがこの滋賀のイメージでもございますし、そういったものがふんだんに取り入れられて、落ちつける環境づくりというのは必要かというふうに思います。  また、これは私見でありますけれども、さまざまな新しい国のシステムを実験するための実験都市というような位置づけもおもしろいのではないかというふうに考えています。それは、単に国会だけでその国のことを考えるということではなくて、NPOでありますとか、そういう市民参加のモデルをこの地域の中で一度試験的に試みたり、そういったもののシステムを全国に発信をしていく、そんなもののあり方もあるのではなかろうかというふうに考えております。  そんなところで、各既存のさまざまな経済圏、人の交流、それから水と緑、そういう立地環境によりまして私は畿央高原がまさしくふさわしいものだというふうに考える次第でございます。  以上でございます。
  18. 佐藤勉

    ○佐藤(勉)委員 最後の質問になるかと思います。  今までのお話の中で、ぜひともそういうものをこれからも醸成をしていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。  そこで提案でございますが、首都機能移転について検討するに当たって、移転先で主役となる、二十一世紀を担う皆様方でございますから、若者に関心を持っていただくということが大変必要なのではないかなというふうに私ども思っております。そこで、青年会議所中心に若者に対してアピールしていくようなことを、今までもしているとは思いますけれども、これから企画してはいかがかという提案をさせていただきたいと思いますが、一言で結構ですから御意見をいただきたいと思います。
  19. 横山和裕

    横山参考人 ありがとうございます。  多分、これは一番大事なことというふうに我々も考えております。まず、私たち青年会議所がこの首都機能移転に本気で取り組んでいる、そういうことをさまざまなネットワークを通して我々よりも下の世代というか、に伝えていくことが一番重要かと思います。そのときに、やはり一緒に夢を語り合う、この夢というのが私は一番好きな言葉でございます。そのためにも、意見交換の場をさらに拡大していったり、地元や近隣、広域とネットワークを拡大して、さらに大きな輪ができるような形で努力していくことを頑張りたいと思っています。
  20. 社本光永

    社本参考人 先生がおっしゃるように、JCが若者たちにこういう首都機能移転についてアピールしていくことはとても大事なことだと思っておりますし、先生方のまたいろいろな形のお力をいただきながらどんどん進めていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  ありがとうございました。
  21. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  既に近畿地区協議会におきましては、先週十日に近畿地区フォーラムということで、これは、基本的には近畿の、関西の経済復興ということをメーンのテーマにしておりましたが、その一つの要素として非常にこの首都機能移転が重要であるというようなことをメーンフォーラムにおきましてディスカッションをしております。  また、こんなことをホームページ等々でも発信をしていきたいというふうに考えておりますが、特にまた、日本青年会議所、全国に七百五十の青年会議所を従えるネットワークを持っております。そういう中でも、今後、首都機能移転という大前提にのっとって、そういったところからも重要な情報発信ができようかというふうに考えておりますので、前向きに検討させていただきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  22. 佐藤勉

    ○佐藤(勉)委員 大変ありがとうございました。  私の質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  23. 井上一成

    井上委員長 伊藤忠治君。
  24. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 民主党の伊藤忠治でございます。  きょうは、お三方に大変御多忙な中を御臨席いただきましてありがとうございました。心からお礼を申し上げます。しかもまた、貴重な御意見をいただきまして、拝聴させていただきました。ありがとうございます。  持ち時間十五分でございますので、なかなか思うようにはまいらないと思いますが、お三方の御協力をいただきまして、ぜひとも有意義な中身になれば、こう思っております。それで、時間が許しますならば四問と思っていますが、果たしてどうなるかわからないと思いますが、精いっぱいやらせていただきます。  まず第一点は、随分と国会移転議論が続けられているわけですが、これは、国会移転するという、新たに首都をつくるというこの方向性は変えられないわけでございまして、いろいろございますが、この方向性は変えられないわけでございまして、そのことは国会の総意でもある、こういう認識を前提にしていろいろ考えなければいけないと思っているわけでございます。  私も首都移転なさった国々を訪問させていただいておりますが、つまり、新たな首都をつくられるところは政治の都、経済はニューヨークに代表されるように、これは経済都市。ところが、国家の歴史的なこともございまして、ドイツのようにボンからベルリンに移るという場合には、これは私の判断なんですが、これは政治的な配慮、国際的な立場でどう考えるかということが非常に動機としては大きかったのかなと思っているわけであります。オーストラリアの場合のキャンベラの例ですが、これは今も御意見ございましたとおり、クラスター、まさにそれを地でいっているモデルケースじゃないかと思っておりますが、これは特徴的な首都移転のケースではなかろうか、こう判断をいたしております。  いずれにしましても、東京が我が国の首都であるということはまさにもう異常でございまして、この状態を持続させることはできません。持続、発展させることは、諸条件を考えまして不可能なんでございます、不可能なんであります。このことを自力でもって解決できないということになれば、国際社会から、日本という国はいかにも保守的で、いかにもなおざりで、事なかれ主義で、まあ、バブルの例を出すのは卑近でございますが、結局、日本の将来は見えないということになりかねません。私はそう考えているわけでございます。  つまり、政治、経済文化など、すべての分野にわたって東京が支配してきたと思うんです。そういう意識国民の中に歴史的に定着をしていると思うんです。そのことをもとから変えるということは、国民意識の大変革でございまして、それはまさに私どもが考えております連邦国家論、これが二十一世紀の国のあり方なんだ、分権ももちろん、そのことが基本に座っての分権のあり方が存在するわけでございまして、そういう立場から考えても、新しい国づくりを世紀をまたいだ国家の空前の大事業としてやれるかやれないか、そのエネルギーが我が国に存在するのかどうか、このことが国際的に問われているんだろうと私は考えているわけでございます。  これは私の意見なんで、きょうは意見を発表する場じゃございませんのでこのあたりで終わらせていただきますが、この議論をしますといろいろあるわけです。  それは横に置きまして、お三方に御質問させていただきますが、国会移転の意義と位置づけについてどのようにお考えでしょうか。簡単でよろしゅうございますので、それぞれから承りたいと思います。
  25. 横山和裕

    横山参考人 どうもありがとうございます。  本当に相通ずるものがあるわけでございますけれども、やはり私どもは、ハードにおいてもソフトにおいても、首都機能移転というか、新しい町が、しかも首都ができる、これはこの時代というか、今この時期にいることが本当に我々はうれしく思っている、これをチャンスである、そういうふうに思っております。  そして、もう一つは、やはり、茨城県にとりましては、太平洋ベルト地帯というのは、どうしても、私は静岡ですとか名古屋ですとかあの辺へ行くと、非常に社会整備が進んでいるな、ぜひそれ以外の地域にも均等にチャンスを与えていただきたい、そういうふうに考えております。  以上でございます。
  26. 社本光永

    社本参考人 国会移転の意義と位置づけをどのようにお考えかという御質問でございますが、先生のおっしゃるとおり、新しい社会づくり、国づくりというふうに思っております。  今まで日本は、奈良、京都、江戸といったように、首都移転しながら歴史を築いてまいりました。例えば、平安時代の政治、文化は藤原氏などの貴族が担い、彼らは荘園からの豊かな収入で文学、美術、建築などの高い文化を生み出し、日本文化の古典的な様式をつくったと言えると思います。また、元禄時代の後期には、江戸に町人文化が花開きました。浮世絵、小説などが大量に印刷され、いきや通など町人独特の美意識価値観が生まれ、それが現在の東京に受け継がれたと思っております。  したがって、新首都建設には、単に国会行政機関移転するということだけで終わるものではありません。新首都は、長期的な視野に立ち、崇高な理念を掲げ、新しい社会生活文化のあり方を提示するものでなければならないと考えております。それは、新しい日本、新しい社会、新しい文化を創造していくことであり、建設をもって新しい日本が描かれていくのではないかと考えております。  以上でございます。
  27. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  私も先生と全く同感でございます。世界に対する最大のメッセージ発信の機会、二十一世紀の新たな国家戦略を内外に示す重大な契機というふうに位置づけております。  先ほども冒頭で、陳述で御意見を述べさせていただきましたとおり、日本としてのアイデンティティー、この国のあり方というものを国内外にしっかりと示すことが国際社会における我が国の新しい発展にかかわるとともに、国民に対して、日本人とは何たるか、真の国際人をつくる上においても非常に重要であると考えておる次第でございます。  以上でございます。
  28. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 次の質問でございますが、新しく東京都の知事になられました石原さんは、首都移転反対と堂々と言われているわけです。選挙公約でもあったそうでございます。それから、国会のそばに首相官邸があります。首相官邸を今度新しく、もう新築の工事が始まっておるんです。  これらの状況を見られまして、どう受けとめられますか、どう思われますか。
  29. 横山和裕

    横山参考人 まず、東京都知事の意見に対してでございますけれども、平成二年の十一月に国会移転に関する決議、そして、平成四年の十二月には国会移転に関する法律が、これは議員立法でつくられた法律でございます。  私は、やはりこれをぜひ尊重していただいて、時計の針を逆戻しするようなことはやめていただきたい、そういうふうに考えております。  二番目に、首相官邸の新築に対してでございます。  いろいろ我々もフォーカスですとかそういう形で首相官邸をかいま見ることがございますけれども、その中で、やはりもう建築後七十年を経過した今の首相官邸は老朽化がかなり進んでおります。現官邸での緊急事態への対応の限界も感じており、また通信情報システムの不十分さは阪神大震災等で大変明らかでございます。建築費用が四百数億と大変かかる、この建築費用の是非は別といたしましても、これから首都機能移転が二十年程度のプランでとらえると重都状態にもなる、そして、現在の首相官邸の対応力強化等を考慮すれば、私は妥当であるかなと思っております。  また、首都機能がもし別の地域移転いたしましても、何らかの形で東京政府の中枢的な役割になる、そんな形で首相官邸が引き続きその役目を担うんじゃないかなというふうに思っております。  以上でございます。
  30. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  都知事の御意見につきましては、反対ということで、賛成する方、また反対する方にはそれぞれのお立場から深い考えがおありのことというふうに考えておりますので、これにつきましてはすべてを否定するつもりはございません。それにつきましては、ある意味では、議論をしていく中で平行線をたどることもあろうかというふうに思います。ただ、私は、先ほど来申し上げておるように、前向きにプラス効果を信じるものでありますので、私の持論といいますか意見を述べさせていただくという姿勢でおりたいというふうに考えております。  それからもう一点、首相官邸の新築工事の件でございますが、これはある意味、江戸末期のときに二条城と江戸城というようなものが存在したように、それぞれの機能分配といいますか、ある意味でのすみ分けがあってもいいかと思いますし、また、先ほど少しお話がありましたとおり、有事、非常時の際に、どちらか東西の方がダメージを受けたときに、補完的に政府がすぐにまたそちらの方へ移動できるという意味においても、私は価値があるのではなかろうかというふうに考えております。  以上でございます。
  31. 社本光永

    社本参考人 お答えさせていただきます。  お二人の参考人と同じような意見でございますけれども、国会移転は都知事が御反対だということでございますけれども、やはり東京一極集中化というものは緩和しないと、新しいシステムをつくったり、また地震ですとか災害等、またテロとかいろいろな部分においての危機管理のことからしても一極集中は避けるべきであり、新首都は当然つくるべきだというふうに考えております。  また、首相官邸の建築につきましてでございますが、首相官邸も、お二人の参考人がおっしゃいましたように大変老朽化しているものでございますし、新しい二十一世紀の新首都ができるまでの間だけでも、やはりそういう対応できた首相官邸が危機管理的なものも含めまして必要であると思いますので、首相官邸がつくってあるから新首都移転はほごだよ、そういうお話になるものではないというふうに考えております。  以上でございます。
  32. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 ありがとうございました。  最後に一言ずつ承りたいんですが、もし候補地選定に漏れた場合、あなたはどのような態度をとられますか。お伺いいたします。
  33. 横山和裕

    横山参考人 ありがとうございます。  開かれた情報公開と公正な手続に基づいて決定されたのであれば、私はそれにもちろん従わせていただきます。しかし、純粋に現在私もこの北東地域が一番いいと考えておりますし、私たち青年会議所は、もし漏れた場合でも、今回こういった形の勉強が次のステップの町づくりに生かせるように努力していきたいと思っています。  以上でございます。
  34. 社本光永

    社本参考人 ほかの地域候補地になった場合という御質問でございますけれども、やはり今の参考人と同じように、適正な形で決められる新首都候補地に対して、先ほど来申し上げております新しい社会システムの構築という意味において当然必要なことでございますので、他の地域であろうと御支援させていただきたいとは思いますけれども、いろいろな観点から考えて、やはり東海地域が最もすばらしいと考えております。  以上でございます。
  35. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  選に漏れた場合、全く考えてもおりませんことでございますのでなかなか態度を表明することが難しゅうございますが、あえて申し述べさせていただくならば、首都機能移転がなされたという現実を評価させていただきまして、新しい地域戦略を構築すべきであろうというふうに考える次第でございます。冒頭にも申し上げましたとおり、ぜひとも近畿地区畿央をよろしくお願いいたしたいと思います。
  36. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 どうもありがとうございました。
  37. 井上一成

    井上委員長 冨沢篤紘君。
  38. 冨沢篤紘

    ○冨沢委員 公明党・改革クラブの冨沢篤紘でございます。  若い世代の御意見を伺わせていただきまして、大変ありがとうございます。私の長男も、伸一郎と申しますが、神奈川県の大和JCで活動をさせていただいております。大和JCから日本JCに小倉允雄君が出向しておりまして、彼が出向しておった当時、地方分権に関連をして三千二百三十二の地方公共団体を三百四十五に合併すべきであるという、区割りまでお示しになって若い世代の提言をされた、そんな御活動、御活躍に心から敬意を表しているところでございます。二十一世紀を間近にして、この国の形、各界で今論議をされておりますが、皆さんも一層の御活躍を期待申し上げます。  論議を先ほどから聞いておりまして、遷都、新しい政治都市をつくる、こういうことなんですが、国会では決議もでき上がって、特別委員会もこうして活発に論議をして、この秋には答申も出る時期を迎えておる。  しかしながら、候補地も含めて町の中では、本当に国会移転できるのか、するのか、こういうレベルでございまして、殊に候補地でない都道府県、私ども神奈川県も候補地ではないわけなんですが、全くこの件について関心がない。遷都でございますので、国民意識をどうここに向けていくか、この具体的な手だても必要であると強く感じているところでございますが、国民関心国会機能首都機能移転に向けさせる何か具体策をお考えになっておられましたら、ぜひひとつお聞かせを願いたい。
  39. 横山和裕

    横山参考人 私どもは、この国会移転というのは本当に夢というふうに考えておるわけでございますから、世界各国にも、先ほど先生方がおっしゃったような、ボンですとかキャンベラ、ブラジリアはちょっとうまくいっていないということを聞いておりますけれども、やはりうまくいっているところを、こういう形でよくなるんだよというのをどんどんPRをしていきたいな、そういうふうに思っております。  以上でございます。
  40. 社本光永

    社本参考人 国民にどうPRしていくかということだと思いますけれども、やはり国会等でこういう議論をされていることをどんどんマスコミでしていただくことも重要なことでございますし、我々青年会議所も、他の地域ももちろん含めて首都機能移転についてどんどんいろいろな形での発言を申すことが重要なことだと思っております。  以上でございます。
  41. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  冒頭で、この国を無力感が支配しているというお話をさせていただきました。この国会機能移転ということにつきましては、小さな政府また地方分権の、この国の根本的なシステムを変革していくその一大ターニングポイントとなる非常に重要な契機だというふうに考えております。  そういった中で、この無力感を払拭するという意味におきまして、シナリオをしっかりと国民に指し示し、政治家の先生方やあるいは中央省庁の問題ではなくて、我々が自分たちでどういう社会、町をつくっていくのかということにかかっているんだというような、その戦略を指し示すことが自分たちの問題としてとらえる早道ではなかろうかというふうに考えております。  以上でございます。
  42. 冨沢篤紘

    ○冨沢委員 我々国会議員も地元で、できるだけ国民関心がこの件に集中をするべく頑張りますが、できる新しい政治機能都市は皆さんの世代がお使いになるわけですから、ぜひひとつJCの皆さんも頑張ってPRに御参加をしていただきますようにお願いを申し上げます。  申し上げましたように、神奈川県でございますので候補地ではありません。皆さんの誘致活動、我が町がいいんだというお話を、比較的客観的に伺える立場にあるわけなんですが、そこで社本君にお伺いするわけなんですが、あなたの、少子化の歯どめとして首都機能をとらえると。御高説、拝聴をいたしました。  ただ、名古屋にしても静岡にしても、いずれにしても太平洋ベルト地帯の大都市です。大都市の中に、改めてまた政治機能を持った都市をつくる。全国もっと、うんと過疎地もあれば、産業誘致したい場所もある。何というか都市の中にまた一つ都市をつくる、屋上屋を重ねるような、そんな方向になるのかな、こんな率直な感想を持ったところなんですが、いかがですか。
  43. 社本光永

    社本参考人 愛知県ですとか東海地域は、名古屋候補地としてお話を申し上げているわけじゃなく、名古屋近郊の、愛知県ですと西三河北部ですとか、静岡県との隣接地域である浜名湖周辺東三河南部方面が候補地として今挙がっていると思うのですけれども、都会の中に都会をというお話でございますけれども、それほど、そんなすごい都会ではないと実は思っておりまして、ですから、都会の中に都会とは私は考えておりません。  ただ、いろいろな部分機能的なものにおいて、先ほども申し上げましたように、現在の名古屋及び東海地方というものがいろいろなものを持っているものですから、それを利用できるものは利用すればよいし、新たな首都をつくるのには、全く先生のおっしゃる部分とは、私は実はそうは思っていないということで、少子化の問題についても、過疎地対策にはならないというお話でございますけれども、直接東海地域が、首都圏が来るから、東京がその移る部分で過疎地対策というわけじゃないでしょうけれども、それによって、いろいろな地方分権とか地域主権とか、そういうものが進むということにおいて将来的に過疎地対策になり、また大きな意味で少子化対策になるというふうに考えております。  以上でございます。
  44. 冨沢篤紘

    ○冨沢委員 ありがとうございます。  棚橋君に伺いますが、関西、関東と、箱根の山を中心に区切って仕分けをしておる。関東の人間としては、せっかく徳川家康が江戸を都と定めた、畿央の方に新しい首都を設定する、里帰りしてしまうのかな、そんな感じ。もともとあった首都の場所にまたもつくるのか、そんな感じもするわけなんですが、この点いかがですか。
  45. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  先ほど来お話を申し上げているところでございますが、関東の方へ行ってしまったんだから、もともと近畿にあったんだからちょっと返せよみたいな、そんなことを申し述べさせていただくつもりは毛頭ございませんけれども、やはり今価値観が大きく変換をしようとする中で、手探りの状態で、どの方向へ行っていいのかわからない。それは、かなり外へ出ていって深化してしまったところで自分のロケーションを見失っているというようなところが多様にあるのではないかというふうに考えるところです。  こんなときに、やはりこの国の成り立ち、原点に立ち返って、日本の国がそもそも何であったのかということから新しい別の方向性への一歩を模索し、また、この国の成り立ちとともに、新しい国の文化なりあり方を創造していくという意味におきましても、温故知新ではありませんけれども、もう一度その原点に立ち返るという意味におきまして、近畿・畿央にもう一度立ち戻って新たな一歩を模索していく、そういうことが必要ではなかろうかと感じる次第でございます。  以上でございます。
  46. 冨沢篤紘

    ○冨沢委員 横山君にお伺いしますが、いろいろあなたの場所が首都機能の場所として適地であるという理由を伺わせていただいたのですが、私は、東京との連携が大変よろしいのだ、この説明が一番説得力があるかな、こんなふうに受けとめたんですけれども、幾つかある、我が町がいいという理由の中で、これが一番というのを挙げていただくとすれば、どれになりますか。
  47. 横山和裕

    横山参考人 茨城県におきましては、十六市町村が今誘致の候補になっております。ですから、どれがいいというか、それぞれの地域がその地域でいろいろな役割を担っていけるように、茨城県挙げて新しい首都をその地域誘致していきたいな、そういうふうに思っております。
  48. 冨沢篤紘

    ○冨沢委員 ありがとうございました。  皆さんの御活躍を期待いたしまして、質問を終了いたします。ありがとうございました。
  49. 井上一成

    井上委員長 吉田幸弘君。
  50. 吉田幸弘

    ○吉田(幸)委員 自由党の吉田幸弘でございます。  本日は、三名の参考人の皆様、お忙しい中、大変貴重な御意見をお聞かせいただいて、まことに感謝申し上げます。  皆さん、実は私よりもややお年が上というか、ややではありますが、私よりもわずかに先輩でございます。いずれにしても同世代ということで、二十一世紀の将来、私とともにという言い方が僣越かどうかはわからないですが、やや僣越だなという気はしておりますが、ともに二十一世紀を歩んでいくということで、同世代の仲間として、本当に貴重な意見として、私、本日拝聴させていただきました。  ただ、多くの方々に参考人として委員会にお越しいただき、また私としても、多くの方々からいろいろな場所で意見をちょうだいいたしました。自分自身の判断の中で、例えば審議会の項目にしろ、またこの国会移転に関する基準にしろ、その観点から見ますと、すべての地域が適しているんだ、すべての地域において極めて移転先としてすばらしい地域じゃないか、このように考えているわけです。  ただ、ふと考えると、国会移転首都機能移転というのは国内だけの問題で済むのであろうか、国内から見てどこがいいのか、こういうことでは済まされないような気がしてなりません。例えば、では我が国、二十一世紀に向けてどんな方向で進んでいくのか。また、人口の問題とか社会保障の問題とか、総枠を考えた中でのこの国会移転、こういうものを考えてみたい、このように思い、二点について三参考人の方に御質問をさせていただきたい、そのように思います。  したがって、その地域の特色は何ですかとか、今まで多くの質問のたぐいとは多少観点が異なるかもしれませんが、その辺は御勘弁いただいて、二点質問をさせていただきます。  一点目は、ガイドラインの関連法案についての御意見をいただきたい。その意義と、今後我が国の方向性を含めて国会移転の意義、そして、この法案に関与して新しい国土軸、要は地域の話ではなくて国土軸を含めてどの地域が好ましいか、このような観点から一点目をお伺いしたいと思います。  三参考人の方によろしくお願いいたします。
  51. 横山和裕

    横山参考人 どうもありがとうございます。  ガイドライン関連法案の意義と国会移転の意義ということでございますけれども、私どもは、現在におきましては答申前の状態でありますので、両方の意義をどう関連させられるかは今のところ正直言って見出しておりません。また、私たち青年会議所も、町づくりの団体でございますので、国防上の問題についてどうのこうのというのはちょっと、これはいろいろ事前に質問いただきましたので委員会でも議論させていただいたのですけれども、統一した意見は正直言って得られませんでした。  次に、国土軸を含めた新都市候補地としての条件ということでございますけれども、やはり我々は、太平洋ベルト地帯からこの茨城県は外れた地域でありますので、そして災害に対して最も安全性が確保できる、そういうことで考えております。よろしくお願いします。
  52. 社本光永

    社本参考人 ガイドラインから国土軸に関しての御質問でございますけれども、二十一世紀日本の方向性として、アメリカとのパートナーシップを強めていくことは当然大切なことであると思っております。日本の基本的進路もやはりそこにあると考えております。  ガイドライン関連法案につきましては、現在参議院におきまして審議が続けられていると思いますが、この法案が国会を通過されますと、日本はアジア地域の安定化に向けてアメリカとのより緊密で強力な体制を実現していくことができるものと確信しております。  ところで、極東地域はイデオロギーの対立による緊張状況にあるのはよく御存じのことと思います。こうした状況を緩和していく上で、私は、ガイドラインや関連法案に期待を寄せるとともに、今後はそれに関連して日本国土軸が果たす役割ももっと大きくなっていくのではないかと考えております。  愛知県は御存じのように日本の四つの国土軸が出会う場所にありますが、中でも太平洋新国土軸につきましては特にその役割が大きくなっているのではないかと思っております。  二十世紀日本太平洋ベルト地帯中心発展してまいりましたが、二十一世紀には、沖縄を含む太平洋新国土軸を中心に新しい日本発展が行われると考えております。といいますのは、この国土軸にはハブ空港的役割を果たしていく関西国際空港ですとか二〇〇五年に開港する中部国際空港、ガイドライン関連法案との結びつきが強い沖縄県などが点在し、国内で最も世界に開かれた国土軸であると考えているからであります。  そうした意味で、沖縄県に対する国民の期待はますます高まるでしょうし、太平洋新国土軸上にある愛知県は、日本の新しい首都を構える地として、新世紀日本をリードし象徴するのにふさわしい場所であると考えております。  以上でございます。
  53. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ガイドライン関連法案についての御質問ということでございますけれども、国際社会におきます日本影響力には多大なものがあると感じています。その責務につきましては、ただ資金的なものだけではなく、顔の見える行動が必要だというふうに思っています。  そういった意味で、ガイドラインにつきましても、これまでの一歩引いた姿勢から、国際社会に積極的にコミットしていくという姿勢が必要でしょうし、新しい国のあり方として、国会移転についてもそのような姿勢を表現することが望ましいのではないかというふうに考えています。  また、国土軸との関連につきましてですけれども、冒頭陳述の中でもお話をさせていただきましたが、価値の一極集中を是正する意味におきまして、関西、中部の地域情報発信としての価値の多様性を発現せしめまして、その中で、情報発信とともに経済の活性化、国土の均衡ある発展につきまして、関東以北につきましては東京が中核となり、また、中部、西日本につきましては中部、関西経済圏がその牽引を果たしていく。  そんなことの意味として、私は、東京よりも以西に対して、特にまたこの二つの経済圏を活性化する意味におきまして、国土の均衡ある発展国土軸の連鎖性というものに期待をしたいというふうに考えております。  以上でございます。
  54. 吉田幸弘

    ○吉田(幸)委員 今、ガイドラインの内容云々ということでの答弁を求めたわけではなくて、要は、新しい方向性、ずばりこの言葉を使ったものですから多少方向性がずれたような質問になりましたが、二十一世紀に向けて我が国はいかがあるべきか。そして、では二十一世紀において、我が国の人口構造の変化、極めて重要な変化が起こる。  このことも先ほど質問にあったようなのですが、例えば名古屋の近くにまた移した場合、こういう観点ではなくて、例えば一つの場所に首都を移すことによって国全体の人口構造の変化、全体に、全体というか分布ですね、地域による人口構造の変化をもたらすことができないか。これは高齢化社会が到来し、そして現行の社会保障制度ではなかなか維持が不可能になってきつつある。では、きれいに人口の構造というか分布を整備することによって均一な社会保障サービスができていくのではないかと私は考えるわけです。  今回そこまで詳しくという御意見は求めないのですが、首都ができ上がる過程において、またでき上がってから、その当地内での、首都内での人口構造のあり方、また社会保障制度のあり方、介護制度のあり方、こういうものについてビジョンというかお考え、またこうあればいいなというような御意見があればお伺いをしたいと思います。  この質問に関しても、三名の参考人の皆様に同様にお願いをしたいと思います。
  55. 横山和裕

    横山参考人 大変難しい質問で、我々青年会議所町づくりの団体ですので、どちらかというとこういう議論はふだんしていないのですけれども、私の個人的な意見も含めて御拝聴いただければと思います。  私は、一応子供は四人おりますので、かなり貢献しているのではないかと思うのですけれども、それと同時に、私どもの会社でも、現在、政府の皆さん方のおかげによりまして、いろいろな補助金制度を利用させていただいております。全体の今の状況が、女性が生涯に産む子供は一・三八人だと思いましたけれども、これを変えるのは容易ではないと思います。これを変えるというよりも、今の現状を見詰めていく上では、この高齢化社会に我々企業としてもどう対応できるかな、そういうのが私は一番急務ではないかと思っております。  具体的には、私どもも大変中小企業でございますけれども、現在、私の会社では六十歳の定年の方を希望があればすべて雇用いたしております。もちろん、仕事の能力等いろいろあるかと思うのですけれども、やはりもうこれは避けて通れない。できれば、避けて通れないことに関しましては我々企業といたしましても、今から、実験的であるかもしれませんけれども、その中からいろいろな方向が見出せるように、これは個人的な意見でございますけれども、努力いたしております。  それから、介護保険についてでございますけれども、間もなく介護保険制度が施行される。我々は、まず自分の負担がどうなるのかなということもありますけれども、ちょうど私も四十ですので、私の年代からは保険料が取られるというわけでございますけれども、これは大いに高齢化社会に役立つわけでございます。それに関しては、私どもはもちろん異議はございません。  ただ、今聞いておりますと、市によってこの介護保険制度のサービスレベルが違ってくるということを聞いております。多分、大都市の方が、保険料は高いのですけれども、その分よりよいサービスが得られる、そんなようなお話も聞いております。  そういう中からも、この介護保険というのは、一つには、茨城県も八十五市町村ありますので、それを集約できるいいチャンスかなというふうに我々は考えております。  その中でも、我々青年会議所といたしましては、現在、特にNPOの団体の育成に力を入れております。このNPOによって、税制の、寄附金とかそういう問題をぜひ実現させて、育てていきたいなと思っております。  また、我々青年会議所は四十歳で卒業でございます。私もことし一年で青年会議所を卒業させていただくわけでございます。そういう意味では、これからが本来の町づくりのスタンスが問われるというか、今まで勉強してきたことが問われるわけでございますけれども、やはりNPOにおきましても、どちらかというと、やみくもにできてうまくいくわけがないというのが、欧米でも、特にアメリカの例でもございます。やはり経営者的感覚というか、しっかりとした人生観、哲学、信念を持ってNPOを育てていける、そんな形からも、直接的には役立つかわかりませんけれども、介護保険、合併また少子高齢化に役立つような部分で私ども活躍場所を見出していきたいなと思っております。  以上でございます。
  56. 社本光永

    社本参考人 少子高齢化につきましては、先ほど最初に意見陳述をさせていただきましたように、とても大事な問題だと思っていまして、ことしの名古屋青年会議所の大きなテーマとさせていただいているところでございます。  ちょうど今横山さんもおっしゃいましたように、私も四人の子供がおりまして、四人子供がおるものだから少子化が言えるなという部分で実は言っておるわけでございますけれども、それは個人的な話でございますので別問題といたしまして、現在のまま事態が進むと、遠からず、遠からずというか本当に確実に、幾ら言っても、やはり一・三八という合計特殊出生率でございますので、今現在の社会保障制度は崩壊するのではないかと考えております。老人一人を二人余りの若者で支えていかなければならなくなるためであり、社会保障に対する負担が増大することで財源が確保できなくなるためだと考えております。  したがって、当然のことながら財源の確保が最大の問題となり、それにつきましては、自由党さんが提唱しておられます福祉税制度を導入して、税として国民が均等に負担するというのも一つの方法かと思っております。  いずれにしても、現在の社会保障制度がおよそ二十年後には破綻してしまうことが考えられる以上、対応策を今から早急に論議して、実行していかなければならないと思っております。  そこで、首都機能移転に伴って、社会制度を大きく変換し、従来の社会保険制度とは違った財源の求め方を考えていくことが必要だと思っております。  その一つが、これも国会その他で研究、論議されております地方自治体の再編成であります。現在の地方自治体を再編成し、従来の複雑な地方自治の仕組みを大胆に簡素化することであります。つまり、地方行政をスリム化することで、むだを省き、大きな財源を生み出していくことができるのではないかと考えております。  また、首都機能移転に際しましては、国と移転先地方自治体ばかりでなく、国家の一大事業でもあることから、各都道府県にも資金協力を仰ぐことで社会保障制度へのしわ寄せを防ぐことができるのではないかと思います。  一方、首都においては、省庁職員とその家族を中心とした三十万人程度の規模都市を目標として、そうしたことで若い世代を中心とした町づくりがなされ、結果として、世界に目を向けた首都にふさわしいインフラ整備にも資金をつぎ込んでいくことができるのではないか、こう考えております。  以上でございます。
  57. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  畿央高原、近畿内に首都機能移転されたとき、その近畿圏内の人口の年齢構成については随分と若返ってくるだろうというようなことは考えられます。そういった意味で、私どもの域内の高齢者と成人との比率の中でのバランスというものについては相当改善をされるというふうに考えておりますが、これは、単に首都機能移転したその先だけの話ではやはりいけないのであろう。国家としての、先ほど来お話がありますような財源の確保の問題でありますとか、いろいろなことで根本的にシステムを変えていかなければならないのであろうというふうに思っております。  社本参考人と同じように、やはり私どもの考えといたしましても、現状では、財源ということに関してはこの先非常に難しかろうというふうに考えています。小さな政府ということの補完性の原理から何を取り上げるべきかは、これから議論をしていかなければならないのだろうというふうに思いますけれども、私見といたしまして申し上げるならば、財源も含めた社会保障制度等、道州制のようなあるまとまりを持った地区内の、地域間の競争にゆだねる手も、一つとしてはあるのではなかろうか。  すなわち、すべてが社会保障優先ということだけではなくて、その地域によっては社会保障であったりそのほかの優先することがあったり、そんなものを地域間競争あるいは地域の特性としてその地域住民の合意にゆだねていくことも一つじゃなかろうかというふうに私は思っています。  特に、今回の介護保険の問題につきましては、私は、地方分権の前哨戦ではないかというふうに位置づけています。すなわち、独自で解決できなければ、市町村合併あるいは広域連携というものを探る方向性が必要になってこようかと思いますし、その先には、道州制というようなあるまとまりを持った連邦国家としてのありよう、それは、地域社会のみんなで考えて、その価値観を、どのプライオリティーをつけていくのかということを議論していくことが必要ではなかろうかというふうに感じる次第でございます。  以上でございます。
  58. 吉田幸弘

    ○吉田(幸)委員 これで終わります。どうもありがとうございました。
  59. 井上一成

    井上委員長 中島武敏君。
  60. 中島武敏

    ○中島委員 日本共産党の中島武敏です。  きょうは大変御苦労さまでございます。  先ほどから注意をしてよく伺ったつもりでおりますけれども、どうもわからないと思うことがありますので、それをまずお尋ねしたいと思うのです。  三人とも強調されましたことの一つは、首都移転すれば、地方分権が、あるいは規制緩和が、あるいはスリムな政府が、新しい価値観実現をする、そういうふうに言われたように聞きました。私は、なぜそうなのかということを、納得のいくような御説明をさらにいただきたい。時間がないからとは申しません、かなり時間をかけてくださって結構ですけれども、そこのところをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  61. 横山和裕

    横山参考人 どうもありがとうございます。  地方分権規制緩和については、首都機能移転することによって自動的に実現できる問題と私はとらえておりません。そして、政策として進めていく中で、地方分権規制緩和を実施していく上でこの首都機能移転が絶好のチャンスであると考えております。  特に、具体的に申しますと、私どもの会社なんかを例にとりますと、現在、衛生設備ですとか環境ですとか、そういう部分では待ったない状態に、今ISOですとかHACCP、そういう形で、また国民が非常に衛生に気を使う。そういう待ったない状態の中でどうしたらいいかというせっぱ詰まった状態に持っていけばいろいろな知恵も出てきますし、もっともっとよくしていこうと。ですから、そういう意味では、せっぱ詰まれば、地方分権規制緩和ということに関してももっともっと、今よりももっと真剣に、具体的な目標が出れば、出てくるのじゃないかなというふうに、これは私見もあるのですけれども、考えております。  それから、スリムな政府に関しましては、現段階においても行政改革も進行中でありますが、やはり首都機能移転することによって、強制的にこれは持っていくもの、持っていかないもの、つまり置いていくものと置いていかないものが、規制緩和もそうですし、それからいろいろな箱物にしてもそうですし、ソフトについても選別できる。  ですから、やはり、もうやるしかないんだよというせっぱ詰まった気持ちにならないと、私、企業の経営者としても、非常に優柔不断になりますし、あいまいな決断になる。ですから、もう追い込んでから、自分でどうしたらいいかというのは、やはり今自分の人生を歩んでみますと、そのときにいろいろな知恵が出てくるかなと。首都機能移転もそういう形で私はとらえております。  以上でございます。
  62. 社本光永

    社本参考人 首都機能移転すればなぜ地方分権が進むかとか、規制緩和、スリムな政府実現するかという御質問だと思いますけれども、首都機能移転ができたら、今も横山さんがおっしゃったように、それで自動的になるなんということは決して思っておりません。  ですけれども、やはりそういう起爆剤があって、皆さんの物の考え方とかそういうものを変えて、そのためには、なかなか今の現状のまま変えることは非常に難しいんじゃないか。いろいろな意味で、いわゆる政官財の癒着なんて本当にあるかどうかは知りませんけれども、そういう言葉もありますね、マスコミ等でよく言われる、経済団体とかそういう部分東京は絶対経済中心地として残るべきだと思うんですよ。やはりこういうふうに離れるということは、いろいろな意味での緊張感も持つでしょうし、いろいろな規制緩和とかそういうものも進みやすいのではないかというふうに思っております。  だから、首都機能移転で自動的になるのではなく、それを契機としてそのようなことをどんどん進めていかなきゃいけない。そのためには首都機能移転は必要不可欠な存在である、そのように考えております。  よろしいでしょうか。以上でございます。
  63. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  今、本当に大きな世界の情勢の中での枠組みが大きく変わろうとしておりますし、これは今までの価値観とは全く違う次元のものであろうというふうに考えます。  そういう中で、一つの価値を例えば箱に例えるならば、箱の中のあり方を変えようとしてもその箱の外には出られませんし、箱のその器よりも大きいものはできないのではなかろうか。そういった意味におきまして、やはり同じところにおって同じ価値、同じ習慣の中で改革をするということは、結局、その範囲内でしか改革は進まないということを意味するような気がしてなりません。そういった意味から、私は、首都機能移転というだけの大きなインパクト、エネルギーが必要になってくるのではなかろうかということを思います。  それから、それだけの大きなエネルギーを、では、ほかで、首都機能移転が不都合であるならば何をもってなすかということを考えました場合、企業などで考えますに、例えばCIというようなものとかリストラクチャリングですとかいろいろありますが、例えば会社の名前を変えるということがあります。では、日本国という名前を変えるのかということになりますと、これはまた非常に難しいことがあろうかと思います。  そういう中で、そのインパクトと、それから先ほど来申し上げております、いろいろなこの国のシステムのあり方を根本的に変え得る原動力となるべきものとして首都機能移転が必要であろうと私は考える次第でございます。  以上でございます。
  64. 中島武敏

    ○中島委員 別にお答えについては評論はいたしません。  もう一つお尋ねしたいのは、きょう配られた経歴書を見ますと、お三人ともちょうど四十歳なんですね。同い年でいらっしゃる。たまたまだとは思いますけれども、大変、若手経営者なんですね。そういう意味では、その若手経営者としての感覚をちょっと聞きたいと思っているんですけれども、今の日本の財政状況というのは大変な危機的な状況にあることは御存じのとおりです。長期債務がGDPの一二〇%、一・二倍。この間も申し上げたんですけれども、EUでしたら、もう門前払いでとても加盟させてもらうことはできない、六〇%が加盟条件ですからね。  そういう状況にあるときに、一年に延ばせば幾ら幾らだから、大したことないから、こういうふうにおっしゃった方もいらっしゃったかと思いますけれども、その辺で、国家の財政的な危機という問題とこの首都移転問題、その辺は、若手経営者の感覚としては、自分たちが企業を経営しているというそういうところと引き比べて、どんなふうにお考えになるのかなということを感じますので、お答えいただきたいと思います。
  65. 横山和裕

    横山参考人 ありがとうございます。  こういったお話を私聞かせていただいているときは、常に自分の会社でどうしようかなということを自分で思っております。  その中で、一つには、多分、国会移転等が自分の会社に置きかえられると、今非常に工業的な部分でも、衛生面でも、また距離的にもいい土地を幾つかが提供してくれる。ただし、自分の会社の財政にどれだけ余裕があるか、余裕がないとしたらば、本当にこれはそのときの、我々経営者としては、英断というか本当の一生に一回の大きな決断じゃないかと思っています。  ただ、これから先どういうふうになるかわかりませんけれども、私は、やはり日本の将来に大きな希望を持っておりますし、夢を持っております。その中で、この首都機能移転が大きな夢になれば、多分若者の中でもいろいろな発想が出てくるんじゃないかなということを考えているのと同時に、また大変経済状況がこういう状態でございます。我々青年会議所もそうなんですけれども、いろいろな事業をやる場合に、バブルのころの景気のいいころは、企業さんからも協賛金ですとかいろいろな協力を本当に多く得られました。ところが、やはり今この時代になりますと、どうしても、広告費の節減ですとかそういった余分なことは切り捨てられて、我々の事業も本当に縮小になりがちです。  ですけれども、私が思うには、企業もそうですし、国もそうだと思うんですけれども、好況のとき、経済が右上がりのときにすべてよしと考えるんじゃなくて、やはりこういうときにはもっともっと、自分の店づくりですとかそういう仕事場づくりを考える場合には、好況のときよりもより知恵を出して勉強をしていく、そしてその知恵や勉強によって、非常にお金で解決できないものが解決できるようなそういう気がします。  ですから、やはりこの首都機能移転ということ、国会移転に関しましては、これは日本国の大きな問題でありますけれども、考えるときにはもうどんどん悲観的に考えて、それが出尽くせば、皆さんが危機感を持ってやっていけば、きっとそういった財政的な問題も私は克服できるんじゃないかな、そういう考えで、今企業とオーバーラップしてちょっと考えてみました。  以上でございます。
  66. 社本光永

    社本参考人 この危機的な財政状況下において若手経営者としてどうか、首都機能移転なんてやっていていいのかという御質問だと思うんですけれども、やはり私も、会社の経営幹部という立場にもございますので、考えると、設備投資をしないことには将来の発展は絶対あり得ないというふうに思っています。もちろんバランスシートを見ながら行うわけでございますけれども、今の日本状況首都機能移転に値するかどうかという、いろいろな論議はあるかと思いますけれども、僕はやはりいろいろな、バランスシートだけでなく、今後の社会システムの問題ですとか、地方分権の問題ですとか、環境の問題ですとか、危機管理とか、そういうものも含めて、当然、首都機能移転はするべきだというふうに考えております。マイナスを恐れて将来のプラスを失ってはいけないと思っております。  いろいろな考え方はございますけれども、例えばこの霞が関とか永田町が新しい首都に移ると、この残された跡地というのは大変な金を生み出すものではないかというそういう考え方もあるかと思います。すべてがすべてじゃないにしろ、どの程度の、その試算まで私はしたことはないですけれども、そんな御意見もしてみえる方も見えますので、これをうまくレンタルなり売却とかすれば、相当な量で新首都移転に伴う費用というものもカバーできるのではないかと思いますので、この危機的な財政状況下でも首都機能移転は推し進めるべきだというふうに考えております。  以上でございます。
  67. 棚橋勝道

    棚橋参考人 経営者としてということで、非常にシビアな御質問だというふうに感じております。  ただ、私が考えますに、やはり健全なる赤字経営への方向転換が必要であろう。赤字が悪いわけではない、ただ、その赤字が健全で、その先へ向かって発展性を持つ、黒字に転換するものでなければいけないというふうには思いますし、また、非常に多くのプラス要素を含んでいるものが、今の現状から、その新しい次なる一手を打たざる場合に、じり貧になって倒産をしてしまうということでもやはりいかぬだろうというふうに思います。  また、もう一つには、初期の投資コストとランニングコストのバランスということもあろうかと思います。初期の投資コストにどれだけかけて、その後のランニングコストが、非常に大きな政府、大きな組織運営をしておるよりもスリムになって、そこで経済効果が生まれてくるということも考え方としてあるのではなかろうかというふうに考えるところでございます。  ただ、何が何でも、ない物ねだりで移してしまえばいいんだということもやはりこれは無責任だろうというふうに思います。その中でも、先ほど皆様方がお話しされておるように、そのバランス感覚にのっとって、どれぐらいの規模が適正であるのかということも、きちっとしたその投資の計画を立てることが必要かというふうに思いますし、そういった意味では、さまざまな周辺都市機能を生かせる畿央地区が一番リーズナブルではなかろうか、コストパフォーマンスではなかろうかというふうに思う次第でございます。  以上でございます。
  68. 中島武敏

    ○中島委員 時間ですから、これで終わります。
  69. 井上一成

  70. 保坂展人

    ○保坂委員 社会民主党の保坂展人と申します。  きょうは、参考人の皆さん、ありがとうございました。最後でございますので予定していた質問が各委員からいろいろ出ましたので、それにとらわれずに率直なところを聞いていきたいと思いますので、そう難しいことは聞きませんので、よろしくお願いします。  まず横山参考人にお尋ねをいたしますけれども、茨城県ということで、立地のよさあるいは東京との距離の微妙な、八十キロから百二十キロということで、いろいろな利点を挙げられていたと思うんですが、八十キロから百二十キロ、まあ八十キロくらいですと、かなり遠い方ですけれども、現在も東京の通勤圏にどうにかひっかかるというふうにも思えるわけなんですが、仮に茨城県に新首都圏ができたときに、ちょうどこの東京茨城の百キロの中間五十キロとか、そういうところが両方に行けるベッドタウンみたいな形で今でももうあると思うんですね。そういうところがベルト的に膨張して、日本なり、東京もそうですけれども、町づくりは必ずしも計画的に行われていなくて、何かそういったところが膨れ上がって、全体として東京圏と茨城のその新首都がだんだんくっついていって、めり張りのない形になってしまわないかという気もするんですが、いかがでしょうか。
  71. 横山和裕

    横山参考人 ありがとうございます。  確かに、私どもの住んでいる土浦市からも、ほとんど通勤圏という形で、通っている方は随分いらっしゃいます。また、バブル期におきましては、茨城県の県南寄りもだんだん値段が高くなってきて東京から離れていく、そういう地域もございます。ただ、ある意味では、ゆとりという部分でどうかなと。  私どもの会社にも、東京の勤務から茨城の方の地元に帰ってくる。しかも三十五から四十、五十歳以上になって、もうしんどいというか、非常に東京の便利さもあるんですけれども、通勤の面で、近いといっても六十キロになりますと、ドア・ツー・ドアですと大体二時間ぐらいかかってくる。我々はやはり近くに筑波研究学園都市というのがございますけれども、そこができた当初には、多くの科学者の皆さんですとかそういう方が、どんなところかわからないからということで、単身赴任ですとか東京から通っておりました。ところが、今はそういう方はほとんど、現在、もちろんこれは国のおかげで住居も整備されたこともありますけれども、ある意味ではその人たち中心となって新しい町づくりをしております。そして、多分、東京から八十キロから百二十キロ、本当に微妙な距離だと思うんですけれども、どちらかというといわゆる新首都というのは、それに伴って六十万人ぐらいを想定している。当初十万から三十万、この先どうなるかわからないことはありますけれども、基本的に、もっともっとその首都の近くの方が住みやすいんだ、そういうことを我々が町づくりとしてどう提案していくかが大事かなというように思っております。  その辺で答えになったかどうかわかりませんけれども、以上のように考えております。
  72. 保坂展人

    ○保坂委員 それでは次に、社本参考人に伺いたいと思います。  既に何人かから出ていますように、少子化の問題について触れられていると思いますけれども、これは社本さん自身がここで述べられているように、少子化というのは社会構造的な、女性の働く環境だとかなんかという問題だけではないかもしれない、例えば環境ホルモンやダイオキシンなどのまだ未解明の原因で、いわゆる生殖機能に何らかの悪影響があるのかもしれないということもここで述べられているわけです。例えば愛知県において、新首都ができれば子供がふえるという論理ではなくて、つまり、愛知県はもう既に少子化にストップをかけ始めているんだ、例えば環境ホルモンやダイオキシンに関して県独自の規制や調査や安全基準だとか、そういう不安を除去していく措置、あるいは魅力ある町が若い世代に残るというのはわかるんですけれども、つまり、首都が来なくたってもう十分魅力があって、子供は、ほかのところに比べれば少子化傾向はちょっと愛知は違うぞというようなことがあるのかどうかお答えください。
  73. 社本光永

    社本参考人 愛知少子化対策が進んでいるかという御質問だというふうに御理解させていただいたんですけれども、決して進んでいるとは言えないというのが実感でございます。  実は私、この少子化対策というものを考えさせていただいたのが、年金問題とかそういうものからいろいろな勉強をさせていただくうちに、少子化というものがある意味ではすべての一つのキーワードになるんじゃないかということを考えまして、御存じのように、青年会議所は一年一年が単一年度でございますので、その年の大きなテーマを決めなければいけない、そういう事情がございまして、何をしたらいいかと考えているときに少子化という部分が浮かんできたというのが本音のことでございまして、それからいろいろ考えていくと、これを対策することが、地域の問題はもちろんのこと、国家レベルでも考えなければいけない非常に大切な問題だということに気がつかされたのが現実でございます。  偶然、先ほども申しましたように、私は四人の子供がおるものですから、少ない人よりは言いやすいんだろうなという部分も個人的にもございまして、関係ないとは思うんですけれども、個人的にもそう思ったものですから、そういうテーマをとらせていただいたという部分で、今青年会議所の方でもこの一年間の集大成としていろいろ、少子化をキーワードにした環境問題とか教育問題とか、直接少子化、まあ婦人の問題もそうでしょうけれども、そういうものを名古屋青年会議所で提言書を今まとめさせていただいておりまして、それを当然愛知県にも提言させていただき、それが実行されることを大変期待しております。  今回、この委員会参考人として呼ばれるに当たり、愛知県の方ともいろいろなお話も聞かせていただき、それを通じてこのことについてもいろいろな形でお話をさせていただけるチャンスができたというということは、そういう意味からしても大変ありがたかったなというのが本音でございまして、現状の進みぐあいはどうかと言われると、決して進んでいるとは思えないというのが事実でございます。  ちょっと御質問の趣旨に合うかどうかわかりませんけれども、お答えとさせていただきます。ありがとうございます。
  74. 保坂展人

    ○保坂委員 私よりはるかにたくさんのお子さんをお持ちだということで、それは、生まれるところには生まれるんですが、生まれないところは全然生まれないというのがこの少子化の、つまり子供をつくらない夫婦というのが大変ふえているということが主な原因なようですね。そしてまた、結婚をすれば子供を産む確率は高いんだけれども、結婚という形をとらないとなかなか、いわゆる結婚によらない子供というのは行きがたいという部分もあろうかと思います。  時間の関係で、できれば本当は環境博についても一言触れたかったので、私の印象だけちょっと伝えていきたいと思います。  私は、海上の森に行きまして、大変豊かな里山の森、これは本当に資源として大切だなと。一方で、環境博という大イベントがある、場合によると大きな道路やコンクリートの大変な建物がここに建ってしまうのかなといういろいろな心配をしておりましたが、このたび分散開催という方向になってきたということで、それはそれとして非常によかったなと思っています。できるだけ自然環境の大切な部分を守るということも多分その地域の魅力につながるんだということをお伝えしておきたいと思います。  続けて、棚橋参考人に伺いたいと思いますけれども、震災の体験の中で、一人一人の被災者の皆さんあるいは駆けつけた人たちが、上意下達の行政の仕組みではなくて、まさに現場現場で即断即決しながら大変有機的に動いたというところが、言ってみればその原点というようなお話を伺いまして、大変興味深いお話だったんですけれども、今の日本社会、どちらかというと、つまり震災のときのそういった本当に自発的な、一人一人が責任と判断を持って動いていく社会に向けて脱皮しなければいけないんですが、ややもすると、だれかに決めてもらいたい、何か通達だとかあるいはマニュアルに頼りたい、そういう社会に一方でなっているという部分もあります。  どうでしょう、関西の住みやすさということでいうと、うっとうしいお役所が遠いという部分もあろうかと思うんですが、首都移転してきたらそういう関西のよさが損なわれてしまうんではないかという部分について、つまり指令や通達やマニュアルをつくる人たちが身近にいるというところでデメリットもあるんじゃないか、こう思うんですが、いかがでしょうか。
  75. 棚橋勝道

    棚橋参考人 ありがとうございます。  お答えになるかどうかわかりませんが、私は滋賀県の彦根というところに住まいをしております。滋賀県の彦根というのは、江戸時代には井伊藩主が治めておったところでございますが、実は彦根と長浜という関係がございまして、長浜は豊臣秀吉の出世城でありまして、羽柴秀吉のころのお城でありました。その後、石田三成が彦根を治めておった、そんなところもありまして、非常に自由濶達な町衆文化というのがそこに形成をされております。彦根藩が治めておったときもそこは余りさわらないというようなところで、お上のすぐそばにおっても町衆文化の中で自由濶達に動き、町をつくっていく、動かしていくというものがやはり今も長浜というところには残っております。また、近畿の中を見てみますと、堺という、昔、自由貿易港として歴史の中でも一時代を築いたところもございます。  ですから、そういったものが、首都機能が来てお上が非常に近くに来たけれども、ではそれにすべて迎合してしまうのかというと、なかなか関西人の気質というのはそう簡単ではございませんで、いろいろなところで、雑多な一つずつの感性と個性、そういったものの集合の中で多様な価値観文化を創造してきたという歴史がございます。  そういった中で、近畿・畿央地区首都機能移転されるということにつきましては、もう既にいろいろと述べさせていただきましたプラスが関西人の気質に対してマイナスに作用するということはなかろうというふうに私は確信をしますとともに、また、阪神・淡路大震災の中で青年会議所が延べ五万人救援活動に駆けつけたという、非常に、ちょっと言葉は悪いんですがメモリアルなといいますか、そんな地域でもあります。そういった中でのボランティアあるいはNPOというものの醸成も徐々に加速をしていくような空気もございます。そういった新首都のあり方の中で、NPOとの関連性、先ほども少しお話をさせていただきましたが、いろいろな実験都市として、NPOや政府と市民が一体となった中での新しい国づくりのあり方というものが関西人の気風とうまくマッチしていくのではないか、かように考える次第でございます。
  76. 保坂展人

    ○保坂委員 ありがとうございました。  いろいろとまだ伺いたいこともありますが、私は、東京の議員として、この首都機能の問題については本当にそう簡単にできることではない。ですから、やはり、本当に大きな議論が高まって、文化的なアイデンティティー、あるいは本当に一つの時代が大きく展開するという相当の大激動、大震動がなければ実現しないものと思っております。ですから、角度を変えて質問をいたしましたけれども、きょうは大変御苦労さまでございました。  終わります。
  77. 井上一成

    井上委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言お礼を申し上げます。  横山参考人社本参考人及び棚橋参考人におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十六分散会