○岩國
委員 民主党を代表いたしまして、質問させていただきます。
小渕総理は、昨日のこの
委員会で、明治維新というのは、百三十年前、黒船四隻がやってきて、それからいろいろな
改革が行われた、二番目の大きな
改革というのは、戦争直後、マッカーサー占領軍によって数々の大きな
改革がなされました、それを第二の
改革となぞらえるならば、今我々がやらなければならないのは、第一の
改革、第二の
改革のような外圧ではなくて、みずからの力によってそれをやらなければならない、そういう
決意を表明されました。私も全く共感いたします。
確かに、五十年前我々が経験いたしました日本の
改革は占領軍によって行われたわけでありますけれども、教育
改革、農地
改革、あるいは財閥解体、経済の民主化、証券の民主化、数々の
改革が行われました。日本人は十二歳だからと言われて、日本の憲法までつくっていただいたのも五十年前であります。こうした数々の
改革を経て五十年、今こそ私たちが、痛みを覚えながらも、この
改革をやり遂げなきゃならない。ぜひともそのような
改革を実行していただきたいという期待を込めながら、しかし、この
中央省庁の
改革あるいは
地方分権等については数々の疑問も存在しますので、その点を検証させていただきたいと思います。
海部
内閣のときに、
鈴木永二会長を会長として、第三次行革審と言われる臨時行革審が行われました。当時私は出雲市長でありましたけれども、
鈴木永二会長の御指名をいただいて、私は二年余りその専門
委員を務めさせていただきました。国の形と
行政サービスの改善のために少しでも貢献したいと、毎週私は上京し、二日間は東京で
仕事をさせていただき、大変いい勉強をさせていただいたと思っております。私は、それまでの三十年間の、経済の世界の合理的な感覚、あるいは特にスピード感覚、それに比べまして、
地方行政の現場は、まさにしがらみ、非合理性、あるいはスピード感の欠如、全く対照的な二つの世界の経験をさせられたことになります。
そうした経験を踏まえて、私も一メンバーとして数々の
提案を
鈴木行革審で行ってまいりました。残念ながら、そのほとんどは、
利権組織を背景とする政党や、あるいは官僚の反対で日の目も見なかったり、車検期間の延長などはその一つの例であります、あるいは、最終報告で盛り込まれたけれどもたなざらしになってしまったものや、骨抜き、たなざらしを免れて、そしてようやく実現したというものは、パスポート期間の延長であるとか、あるいは外務省や環境庁の充実などが挙げられると思います。
こうした日本の行革の取り組みについては、韓国も大いに注目しております。韓国も、数々の
行政改革を金泳三大統領以来やってきております。つい最近行われたのは、先週発表された行革であります。韓国の行革を担当している大臣は金杞載さん、この人は野党の国
会議員でありましたけれども、現在の
内閣の
行政自治
長官を務め、十年来の私の友人でありますけれども、非常に熱心に韓国の行革に取り組んできております。その金杞載
長官も、日本の
国会における行革の取り組みというのを大いに参考にしたい、参考にするだけではなくて、できれば日本よりも早く実現したい、そういう意欲に燃えております。
韓国の行革と日本の行革とを比べてみますと、大きな違いはスピード感覚です。先週発表した行革案に基づいて、もう新しい
内閣を韓国は発表しております。そのようなスピード感覚の欠如というものが日本の行革の一番の欠点ではないかと私は思います。
昨日も、またけさほども、行革
委員によってこの行革の評価が行われました。また、大臣席からもいろいろな評価がありました。こんなに早く行革が実現する段階に来るとは思わなかったという
堺屋長官の発言も、あるいは
我が国の歴史では初めてであるとか、こういった手褒めのコメントも数多くありましたけれども、行革を今やるということは、意外なことでも
我が国初めてのことでもなくて、消費税三%を五%に上げるというのも、これは
我が国初めてのことでした。
そして、今回の行革は、二年前に行われたその消費税を上げるというときの担保に行革の実行を入れたのではありませんか。三年前の総選挙のときに、
総理、覚えていらっしゃいますか、消費税をまず最初に上げてそれから行革を実行するか、それとも行革を
実施してからでなければ消費税を上げてはならないという新進党その他の党と、この対立点を中心にあの総選挙は行われたわけであります。
総理、この点、覚えていらっしゃいますか。行革を必ず実行するという前提で消費税をまず上げさせてほしいという
自民党の公約、この点について、覚えておられると思いますが、御確認、
お願いいたします。