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1999-03-10 第145回国会 衆議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年三月十日(水曜日)     午前九時開議   出席委員    委員長 平田 米男君    理事 佐田玄一郎君 理事 谷畑  孝君    理事 原田 義昭君 理事 宮本 一三君    理事 鉢呂 吉雄君 理事 吉田 公一君    理事 井上 義久君 理事 青木 宏之君       飯島 忠義君    岩永 峯一君       小林 多門君    田中 和徳君       田村 憲久君    玉沢徳一郎君       西川 公也君    蓮実  進君       桧田  仁君    松本 和那君       宮腰 光寛君    目片  信君       望月 義夫君    山本 有二君       渡辺 博道君    石井 紘基君       田中 慶秋君    平野 博文君       山本 譲司君    太田 昭宏君       長内 順一君    中野  清君       西野  陽君    辻  第一君       中島 武敏君    中西 績介君  出席国務大臣         建設大臣    関谷 勝嗣君  出席政府委員         国土庁長官官房         長       久保田勇夫君         国土庁計画・調         整局長     小林 勇造君         国土庁大都市圏         整備局長         兼国会等移転審         議会事務局次長 板倉 英則君         農林水産省構造         改善局長    渡辺 好明君         建設大臣官房長 小野 邦久君         建設省都市局長 山本 正堯君         建設省河川局長 青山 俊樹君         建設省道路局長 井上 啓一君         建設省住宅局長 那珂  正君  委員外出席者         参考人         (住宅都市整         備公団理事)  今泉 浩紀君         参考人         (住宅都市整         備公団理事)  島崎  勉君         建設委員会専門         員       白兼 保彦君 委員の異動 三月十日        辞任         補欠選任   阪上 善秀君     渡辺 博道君   宮腰 光寛君     望月 義夫君   畑 英次郎君     石井 紘基君   長内 順一君     中野  清君 同日         辞任         補欠選任   望月 義夫君     宮腰 光寛君   渡辺 博道君     桧田  仁君   石井 紘基君     畑 英次郎君   中野  清君     太田 昭宏君 同日         辞任         補欠選任   桧田  仁君     田村 憲久君   太田 昭宏君     長内 順一君 同日         辞任         補欠選任   田村 憲久君     阪上 善秀君 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  都市開発資金の貸付けに関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出第一二号)     午前九時開議      ————◇—————
  2. 平田米男

    平田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出都市開発資金の貸付けに関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として住宅都市整備公団理事今泉浩紀君及び同理事島崎勉君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平田米男

    平田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 平田米男

    平田委員長 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。飯島忠義君。
  5. 飯島忠義

    飯島委員 おはようございます。自由民主党飯島忠義でございます。  上程されております都市開発資金の貸付けに関する法律等の一部を改正する法律案について、順次質問をさせていただきたいと思います。  まず、法案についての概要、過日もその概要については理解をしたところでございますけれども、四法を一括した法案にした理由民間事業者等によって行われる都市の再開発を促進するという統一的な政策目的があるからと私は理解しているわけでございますけれども、その辺の、四法一括というところについての見解をお示しいただきたいと思います。
  6. 山本正堯

    山本(正)政府委員 お答えさせていただきます。  今回の法案につきましては、背景といいますか趣旨でございますが、我が国の都市市街地は多くの面で良好な都市環境が備わっているとは言えない状況にあるということでございまして、再開発によりまして、防災あるいは居住環境、交通、景観等の機能の充実改善を図って、都市の再構築を強力に進めていく必要があるということでございます。  また、都心部虫食い地等、低未利用地整形集約化を進めまして、これを再開発事業用地公共施設用地として有効活用することも大変重要な課題でございます。  さらに、現下経済情勢から見まして、都市の再開発民間投資を誘発する効果も大きく、また内需主導による景気回復を図る上でも大変大きな役割を果たしておるということが期待されておるところでございます。  こういう点から、国、地方公共団体一体となって民間事業者が取り組む都市の再開発を積極的に推進するために本法案を私どもは提出させていただいているところでございます。  改正内容につきましては、大きくは三点あるいは四点あろうかと思いますが、民間主導都市の再開発を促進するために、再開発事業に要する資金調達円滑化を図るための無利子貸付制度創設二つ目が、虫食い地整形集約化のための大臣認定制度創設、それから三つ目が、民間都市開発推進機構土地取得業務の期限の三年間の延長、それから四番目が、民間事業者の経営、技術的な能力を積極的に活用するための再開発手法改善充実等が盛り込まれているところでございます。  先生、先ほど御指摘の四法一括法案としたことにつきましては、改正されます都市開発資金の貸付けに関する法律、それから民間都市開発推進に関する特別措置法、あるいは都市開発法、さらには土地区画整理法の四法は、今申し上げましたような民間主導による都市の再開発を促進するという共通の目的を有しておりまして、予算あるいは制度面、その改正につきまして、相互に大変密接に関連しておる、こういうことでございますので、今回、四法一括法案ということでお願いをさせていただいているところでございます。  よろしくお願い申し上げます。
  7. 飯島忠義

    飯島委員 私自身理解、大体まあ妥当なところだと思っていますけれども市街地の再開発事業施行者は、今までは大方、保留床の処分により事業費を回収するまで、民間金融機関ベース資金調達をしていたと理解をしておりますけれども、地価の下落や最近の厳しい経済情勢の中で、保留床の売却や資金調達が困難化している。私の地元の選挙区でもそういうような例がたくさんあるわけでございます。  そこで、都市開発資金協議会要望、これは昨年の十月ですか、広島市長の平岡さんを会長として、それぞれの関係自治体の首長が出されておりますけれども、十二月の三日ですか。  そういう面で、今回の法改正、その点に対する手当て、これが十二分になされているかどうか、その辺についてはいかがお考えでしょうか。
  8. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今先生指摘市長さんが長になられました協議会のいろいろな御要望、今、現下状況にかんがみまして、民間都市開発推進を図るべきであるという趣旨並びに具体的な施策の幾つかについて、私どもとして趣旨を酌んで制度改正をさせていただいているということでございます。
  9. 飯島忠義

    飯島委員 十二分にそうした手当てをしていただきたいと思うわけでございます。  そこでまた、民間都市開発機構、民都機構、この業務道路一体的先行買い取りを加え、本来の土地取得業務も三年延長しているところでございますけれども、その機構に対する資金調達面手当て、これについてはいかがでしょうか。
  10. 山本正堯

    山本(正)政府委員 民間都市開発推進機構資金につきましては、去年の四月に五千億の政府保証枠を拡充していただきまして、今現在一兆五千億の政府保証枠を確保しているところでございます。  現在、私ども政府保証枠に基づきまして民間都市開発推進機構が取得しております金額は、約五千億でございます。これに年度末までの契約を加えますと約六千億から七千億の契約になるのではなかろうか、こういうふうに予測をしておるところでございまして、あと残り約八千億、七、八千億の政府保証枠があるということでございます。  そういう点からいたしまして、民間都市開発推進機構土地取得業務を延長していただきまして、その取得枠の中で土地取得業務を行ってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  11. 飯島忠義

    飯島委員 この四法が通れば、また当然のようにそれだけの再開発進捗というのがあると思われるわけでございますけれども、そういう面で、その額で十二分なものか、再度伺っておきたいと思います。
  12. 山本正堯

    山本(正)政府委員 民間都市開発推進機構土地取得業務につきましては、平成六年から行われておるわけでございますが、平成十年、今年度業務につきましては、やはり経済状況土地動向等を踏まえまして、かなり大幅な土地取得を行っておるところでございます。  そういう観点から、今後三年間にわたりまして、毎年二千億ないし三千億程度の土地取得業務推進していく必要があるというふうに考えておるところでございます。したがいまして、先ほど申し上げました一兆五千億の枠の中で順次対応できる、こういう対応をしていきたいというふうに考えておるところでございます。  また、今回の法律改正によりまして、民間都市開発推進機構道路用地先行取得についても行うことになっておりますが、道路整備特別会計からの無利子資金貸し付けが貸し付けられるということになっておりまして、これも所要の予算措置を講じておるというところでございます。
  13. 飯島忠義

    飯島委員 ありがとうございます。  私の地元神奈川四区でございますけれども鎌倉市に大船駅という駅がございまして、そこの駅周辺でも再開発事業というものが行われております。なかなか行政の谷間にある。つまり、大船駅そのものはどうかといいますと、横浜市民玄関口でもありますし、また鎌倉市民利用駅でもある、そういった意味で、なかなか行政間の調整がつかないというようなことも含めて、率直に、その進捗は余り芳しくないという理解をしているわけです。こういう立派な「大船駅周辺まちづくり」なんというパンフレットができてはおりますけれども権利調整も含めて、率直に前に進んでいない、そんな気がするわけでございます。  そこで、事業立ち上げ段階で、法人格でない準備組合にせざるを得ない、そういう状況があるわけでございますね。そこで、そうした場合の個人負担が実に大きいということから、現場の方々苦労話というものをよく聞いているわけでございますけれども、今回のこの土地区画整理事業市街地開発事業一体的施行土地区画整理組合市街地開発組合設立早期化という改正でどういうふうに変わっていくのか、その辺の説明お願いしたいと思います。
  14. 山本正堯

    山本(正)政府委員 市街地整備を促進する場合に、街路等公共施設整備し、あるいは宅地の利用増進を図るとともに、その一部の地区につきまして有効、高度利用が求められるものも大変多いわけでございます。大船の例もそういう一つの例かと思います。このような場合には、区画整理事業市街地開発事業をあわせて行えるようにすることが極めて有効であるということであろうかと思います。  しかしながら、現行制度においては、両事業をあわせて行う場合には、区画整理事業において土地に関する権利が確定する前の段階市街地開発事業を行わざるを得ないという状況でございます。登記面で、取引上の安定性に欠けるという問題点指摘されておるというところでございます。  こういうふうな問題点を解消いたしまして、区画整理事業における手続進捗に合わせて、市街地開発事業を迅速かつ円滑に進めることが可能となるような一体的施行制度や、あるいは登記等に関する規定を整備するということで、効果的な市街地整備推進を図ろうとするものでございます。  前倒しの関係につきましては、従来は、事業計画の作成が組合設立要件となっておったということでございまして、例えば理事長さん、準備組合個人の方がその信用において資金を借りる、信用力について必ずしも十分とは言えない場合があり得る、あるいは任意の準備組合において事業計画策定等手続を進める必要があった、こういうような点がございまして、結果として、事業立ち上げ段階での資金調達が非常に難しいという面が生ずる結果がややもすると出てきておるという組合があったわけでございます。状況があったわけでございます。  こういう状況におきまして、このような準備段階におきましても法人格が与えられ、組合設立を可能にすることによりまして、その組合として、その立ち上げ調査でありますとか設計でありますとか、そういうような費用を、信用力の向上を、資金調達容易化を図ることによって、そういう資金を調達するということを考えておるところでございます。
  15. 飯島忠義

    飯島委員 大変に時宜を得た法改正だというふうに私は理解をしております。準備組合段階でということに相なるわけでございまして、そういう面でいいますと、本当にそうした再開発のもくろみ、これが前に進むという理解をしております。  先ほどの説明でもありましたように、政令都市等では、低未利用地あるいは不整形地、俗に言う虫食い地ということでしょうけれども、が多いと民都機構データも示しているわけでございます。  これは、年度別はばらばらですけれども東京の二十三区あたりでどうかといいますと、二十三区計で、対象区、これはヘクタールですか、五万八千百三十二、そのうち低未利用地が四千百二十一、全体に占める割合は七・一ポイント。横浜市でも同様に、西、神奈川中あたりで、市街化面積が四千五百三十、同様に、ポイント数はどういうわけか一緒ですけれども、七・一ポイント、こういうふうになっているわけでございます。  そういうデータから見ても、事業用地適正化計画、この認定制度、これについて創設する必要があると思うんですけれども、その辺はいかがかなと思います。
  16. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今先生おっしゃいましたように、都心部に散在している低未利用地、特に、今虫食い地有効利用するということは、町づくりを進める上で大変重要であり、また先ほど申し上げましたように、景気対策上も喫緊の課題であるというふうに思っております。  先ほど先生も御指摘になりましたように、民間都市開発推進機構調査によりますと、全国で七千五百ヘクタール、東京都二十三区で低未利用地は四千百二十一ヘクタールということでございます。そのうち、東京都心四区につきましては、図面上の調査でございますけれども市街化区域の五千八百二十八ヘクタールのうちの三%に当たる百七十七ヘクタールが低未利用地になっておる、こういうことでございます。そのうちまた二七%に当たる四十八ヘクタールが不整形地であるということでございます。  こういうふうな大量の不整形地有効利用を図るためには、虫食い状態を解消するための土地集約化整形化を促進する必要があるということでございます。このため、虫食い地集約化整形化した上で、民間都市開発事業を行おうとする民間事業者の取り組みを税制面の方で支援するということが必要であろうかというふうに考えておるところでございます。  そういうことから、今回、事業用地適正化計画事業者がつくり、それの中で土地の交換をするという場合には、その一定要件に当たりますものにつきましては、所得税法人税の課税の繰り延べ、あるいは不動産取得税の減免、登録免許税軽減といったような、税制上で支援していこうということの趣旨で、事業用地適正化計画認定制度創設した次第でございます。
  17. 飯島忠義

    飯島委員 実際の東京のこの四区だけ見ましても、実にそういう不整形土地等が随所に見られる。例えば、これは先ほどの「東京都区部及び政令指定都市における低未利用地実態」、民都機構資料ですけれども、例えば千代田区、これが画地数で六百八十八、総面積で二十二万七千七百六十九平米、平均面積で三百三十一平米。中央区はどうかといいますと、八百八十七で二十三万三百二十一平米、平均で二百六十平米。港区はといいますと、これは汐留地区の大規模低未利用地を除いたものとして見ますと、千四百十二区画で六十五万四百四十九平米、平均で四百六十一、汐留を入れてどうかといいますと、千四百十四区画で八十六万四千四百四十二平米、平均では六百十一、こうなっています。また、大変バブルの時期にうわさされた話題の新宿あたりでどうかといいますと、千六百五十五画地数、総面積で六十五万八千七百二十五平米、平均では三百九十八となっているわけでございます。  また、整形地、不整形地の分けでいいますと、例えば千代田区は、これは全体で見てみたいと思うんですけれども整形地は五百五十六で十六万七千平米、不整形地はといいますと、百三十二区画で六万、こういう率になっているわけで、実に不整形地の占める割合各区中央区でもどうかといいますと、七百二十二の整形地、未整形地は百六十五、港区は千百八の整形地、不整形地は三百四、新宿整形地千三百八十九、不整形地は二百六十六画地、こういうふうになっているので、相当各区にも、点在というよりも多くを占めている、こういう理解で私は見ているわけで、ぜひともここの部分の認定、これについて御努力をいただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。  次に、時間も迫っていますので、あと二問ぐらいさせていただきたいと思うんですが、市街地の再開発事業における転出者、この補償について伺っておきたいと思います。  私自身も随分いろいろな再開発を近隣で見るにつけ、補償金額をふやすために事業の遅延を図るという、ごね得というんですか、そういう権利者がいる。これは利息金の計算にも大変に問題があるのではないかなというふうに考えていたわけでございます。  そういう面で、今回の改正は、衆議院調査局建設調査室資料、二十三から二十五ぐらいを見ますと、やはり随分中身を精査したなという感じを率直に持っています。これによって相当そうしたごね得が減るという思いもするわけでございますけれども、今までと今回の法改正によっての差異、違いというものを明確にちょっとお示しをいただきたいと思います。
  18. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今回は、市街地開発事業における転出者への補償金利息相当額算定方法を見直したわけでございますが、その補償金算定につきましては、多数の権利者に対しまして公平に算定をしようという主として技術的な理由から、補償金支払い日以前の一定の日、評価基準日でございますが、評価基準日に額を決定した後、実際に補償金支払いを行わなければならない日までの一定利息を付すことによりまして、物価変動率をも加味した適正な額とすることとしておるわけでございます。  この一定利息につきましては、現在、法において年六%とされているところでございますが、近年、物価金利等が極めて安定しておるという状況でございますので、現行の六%を適用した場合、先ほど先生がおっしゃいましたような転出者残留者との間で不公平感が高まっている、こういう状況。場合によりましては、いろいろな状況によりましては、そういう方、残留を一たん希望しながら撤回をするというような方等についてのいろいろな不公平感も高まってきておるというところでございます。  したがって、今回の改正におきまして、基準日から支払い実施日までの間の利息を、通常は、土地収用法類似制度と同様の利率にしたいということで、物価変動修正率改正することとしたわけでございまして、そういうことによりまして、再開発事業意思決定をいたずらにおくらせるようなことによる当事者間の不公平を解消しようということでございます。そういう意味での趣旨改正をさせていただくということでございます。
  19. 飯島忠義

    飯島委員 この辺の中身改正については、実に時宜を得たというか、大変結構なことだと思っています。  現行は、評価基準日から権利変換計画決定、そして補償金支払い、それから権利変換の期日と、これがなべて六%でいっていたわけでございますけれども、それがそうではなしに、評価基準日から権利変換決定、そして補償金支払い日、こういう中での物価変動修正率を加えて、変換計画決定から以降補償金支払いまで六%で、こういうふうに相なるわけでございます。これによって、変な話ですけれども、今までの都市開発に比較してどのぐらい事業者負担割合軽減というのは、大体でいいですけれども、そういう見通しを持っていますか。
  20. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今、先生おっしゃいましたように、年六%の一律の利率から一定時期までにおいて物価変動修正率にする、実態に合わせてやるということでございますので、そのところにつきまして具体的に補償金額の額がどのように変わるかということでございます。  事例や時々の経済情勢によっていろいろな場合が考えられますけれども現下経済情勢下では、当該算定方法の見直しに伴いまして、補償金額の額は現行算出方法と比べて、今の金利状況でございますと減少する可能性が高いということでございまして、金利動向あるいは具体的な額等によって、具体的な数字が変わってまいるかというふうに思っておるわけでございます。
  21. 飯島忠義

    飯島委員 時間があと残り五分でございますので、最後、一問にさせていただきたいと思います。  私も委員として参加をしておりますけれども、党の都市問題対策協議会、今回の法改正と同じような考え方で都市構造の再編についてうたっているわけでございます。当然のように、一極集中というか三極集中東京経済圏あるいは中京経済圏大阪経済圏、そこに多くの人が集ってしまっている。とりわけ、都市の人口ですけれども七割を占めている、そういう状況に相なっております。  そこで、大臣は、その協議会の存在というものをどのように受けとめておられるか、その所見を伺っておきたいと思います。
  22. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 私、昨年の七月に建設省に参ったわけでございますが、そのときの一番最初陳情を受けましたのが、この都市問題対策協議会のまだそういう形が具現化されていないところでございまして、先生初め都市の出身の議員の皆さんが陳情に来られたわけでございます。  東京の、まあ地元であるといえば地元でございましょうが、とにもかくにも一番最初陳情に来られたのがそういう都市の問題の議員先生方であって、本当にびっくりしたと言うと失礼なことになりますが、今までは余り都市先生方は、もう十分に社会資本整備というのも進んでおりましたから、余り我々田舎の議員ほどの活動はされていなかった、失礼な言葉になったらお許しをいただきたいと思いますが、そういうふうに私は認識しておったのですが、その都会の議員方々最初に来られて、びっくりしたというのが正直でございます。  その後、先ほど先生指摘されました自由民主党都市問題対策協議会というのが昨年の八月十日に設置をされたわけでございます。そういうことで大変すばらしい提言をいただいておるわけでございまして、私も建設大臣として、このことは十分に内容も見させていただきまして対処をしていきたいと思っておるわけでございます。  この協議会の提言というものも、今回の法律にもまた関係をしておると思うわけでございまして、ぜひその委員でございます飯島先生のなお一層の今後の御指導をいただきますように、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思うわけでございます。
  23. 飯島忠義

    飯島委員 時間が参りましたので以上で質問を終わらせていただきますけれども、本当に都市生活者、日本の産業の担い手である生活者は疲れている。大臣も通勤、一度、何線でも結構でございます。乗車率が二〇〇%とか二三〇%、その通勤地獄で会社に通って、そしてまた、この厳しい経済環境の中で一日を終えて帰ると、同じようにまた、今度は退勤地獄が待っている。駅に着いてタクシーを待てば、タクシーはなかなか来ない。バスを待てば、バスも時間どおりに来ない。そんな状況都市というものは置かれている。  何としてでも、この都市生活者が安心して通勤し、そしてまた、厳しい経済環境の中で世界に伍して戦って勝っていく日本のそういう中軸的な役割の勤労者でございますから、そういう方々が報われるような町を、この法律の施行によって是が非でも早期に実現をしていただきたい、このように要望して、同僚の田中議員に質問の席を譲りたいと思います。
  24. 平田米男

    平田委員長 田中和徳君。
  25. 田中和徳

    田中(和)委員 皆さん、おはようございます。自由民主党田中和徳でございます。  格調高い飯島委員に引き続きお尋ねをしてまいりますので、関谷大臣、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げます。  実は、関谷大臣が会長をお務めのAPPUの仕事で、マレーシアのクアラルンプールに先週の金曜日から月曜日まで行ってまいりました。宮本先生ともどもに行ってまいったところでございます。不況とはいいながら、近代的な町並み、新しい都市づくり、さらには道路や公園にごみが一つもない、大変美しい姿を見てまいりまして、いろいろと勉強にもなったわけであります。  我が国は、現在、完全失業率が四・四%、失業者数も三百万人に迫るなど未曾有の不況下にあり、一刻も早い景気回復を国民全員が望んでいるところであります。これに対して、二十七兆円の緊急経済対策を策定するなど、我が党そして政府も景気回復のためにありとあらゆる策を講じて、全力で取り組んでいるところであります。  私の地元、川崎には有名な川崎大師平間寺がありますが、多くの人々が御利益にあずかるために、そして不況を乗り切るために、仏頼みのお参りにお見えになっておられます。しかし、不況の影響で、参拝客はふえてもおさい銭は逆に減っている、このような状況も現実の問題であります。  景気回復の重要施策として、都市基盤整備を積極的に進める、既存の産業集積を最大限に生かす、都市部の再構築を図ることは、飯島委員と同様に私も極めて重要な施策だと考えております。こうした中、民間主導による都市の再開発を促進するという共通の目的を有する今回の四つの改正法案は、その趣旨からいってもまさに時宜を得たものであり、私も心から賛意を示すものであります。  しかしながら、今日、かつての高度成長時代とは経済環境も大きく異なっておりまして、その即効性を疑問視する声があちこちと聞こえてまいります。これからの都市開発の着実な推進に万全を期すためにも、その阻害要因についてこれから幾つかお尋ねをしてまいりますので、ぜひ明快な答弁を願いたいと存じます。  地価と建設費の下落した今こそ、公共基盤整備都市の再開発を積極的に推進すべきとの識者の主張をよく耳にします。費用対効果の費用の側面だけ考えれば、確かにそのとおりでございますけれども、しかし、現実はどうかといえば、再開発は遅々として進まず、塩漬けの事業ともいうべきものが全国各地域に散見をされるのであります。私どもの手元にも、あちこちの計画を立派なパンフレットにしてお配りになる、それをいただいて何度も見るわけでありますが、計画どおりにいった事業というのはまれでございまして、ほとんど進んでおりません。  民間都市開発推進機構調査によれば、今も話がありましたけれども、私の地元の川崎市でも、調査対象でありました市の中心ともいうべき川崎区、幸区の市街化区域の四千四百七十ヘクタールのうち、二百七十三ヘクタールが低未利用地となっております。やはり、費用の低下以上に事業実施後に見込まれる収益が極端に低下している、いや、赤字事業になってしまうおそれがあり、そのことが一番の原因ではないかと私は考えております。  大臣は、再開発事業市街地内の区画整理事業がなかなか進まないのはどのような点に原因があるとお考えか、基本的認識についてまずお尋ねをしておきたいと思います。
  26. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 大変今日までの再開発事業の、どういいましょうか、裏の面といいましょうか、暗い面を御指摘されたわけでございまして、区画整理事業がなかなか進まない原因というのはいろいろあると思いますが、今までは、これはまた両面から見ていかなければならないと思いますけれども、なかなか地元方々の協力が得られなかったということも正直申し上げてあったと思うのです。  そのことは、逆に言いますと、今その方向に尽力いたしておりますが、例の説明責任、アカウンタビリティーといっておりますけれども、やはり御関係方々と、その計画の段階から十分にオープンに説明をし、理解をしていただくということからスタートしなければならなかったわけでございますが、それがいささか十分でなかったというようなこともありましょう。ですから、どうしても事業が、先生指摘のように長期化しておるわけでございまして、十年単位のことになってしまっておるのではないか、十年、二十年というようなことになっておると思うわけでございます。  ですから、これを解決するためには、先ほど言いましたように、十分に地元方々に御説明申し上げ理解をいただいて、そして区画整理事業に入っていくということをやっていかなければならないと思っております。  それと、今回のこの法律案で大きく進んでいくことができると思うわけでございますが、そういう虫食い状態のような地形のものを整地していくとか、そういうようなことを行うのは、やはりこういう公団関係の方あるいはまた民間の方々も十分に資金の調達ができる状態にしなければならないと思うわけでございまして、それで今回この法律がまた提出をされた一つの理由にもなっておるわけでございますが、今までは資金の調達が非常に困難であったというようなこともあるのではないかなと思っておるわけでございまして、これからのこういう事業というのは、地元の方の御理解、そしてスピード化といいましょうか、極力短い期間で区画整理をやっていくということにならなければならないと思っておるわけでございます。
  27. 田中和徳

    田中(和)委員 ただいま大臣から基本的な認識についての御答弁をいただいたわけでありますけれども、今回のこの法案中身というのは、先ほども申し上げましたように、景気回復の視点というものがやはり入っている、そうせざるを得ないというか、そうすべきだ、このように言えると思うのでございます。  私の川崎市でも、例えば北部に位置する登戸の地域の区画整理事業というのを今やっておるわけでありますけれども、これも何十年も絵をかき、やっとスタートした、そしてまた事業化しても大変な時間がかかっておるわけであります。その少し南に下がった溝口周辺開発もやっと仕上がったのですが、当初の計画とは全く違ったものになっております。簡単に言うと、小さいものになってしまいました。ほとんどが役所の公共用地を使っての開発でしかでき上がらなかったわけであります。また、私の住まいの地域であります川崎の駅前周辺あるいは隣の区の幸区周辺も、先ほどから言っておりますように空き地はありますけれども、また、老朽化した地域はたくさんございますけれども、計画のパンフレットも刷り上がっておりますが、なかなか進まない。簡単に言うと、どんなすばらしい計画ももうからぬとやはりみんなが協力をしてくれない、こんなことになるのではないかと思っております。  我が党でも、中心市街地活性化や地域戦略プランあるいは生活空間倍増戦略プランなど、地域の目玉となるような事業の策定に大臣を中心に積極的に取り組んでおるわけでありますが、残念ながら、財源問題もありまして地域の数を限定せざるを得ませんし、また、町づくり推進するためには、従来からの全国各地の再開発予定地を地道に一つ一つ確実に仕上げていくことが重要であることは言うまでもないところであります。  それとあわせて、今もお話をいたしましたけれども景気回復だとか、そのための極力スピードアップをどのように知恵を絞るか、図っていくか、こういうことが重要な、何度重ねても重要な視点であります。  今回の法改正によりまして、今も飯島委員からも御質問があったところでありますけれども、重ねて、どのぐらい効果が見込まれるのか、国民にわかりやすくひとつちょっと御説明を願いたいと思っております。できれば、ひとつさらに具体的にお示しをいただければありがたいと思います。
  28. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今回の法律改正につきましては、先ほど申し上げましたように、組合の前倒し設立でありますとか、組合あるいはまた個人施行者あるいは保留床の管理法人に対する無利子貸付制度でありますとか資金の調達の問題、あるいはまた、今現在やっております補助制度税制上の特例措置の充実もあわせて、いろいろな点から総合的に措置をさせていただいておるところでございまして、事業円滑化、迅速化に十分資していけるというふうに考えておるところでございます。  先ほど先生がおっしゃられました川崎の市街地開発事業につきましても、公団施行ということでございますが、こういうものにつきましても無利子貸し付けの活用が可能になるということであろうかと思っております。  そういう点で、それぞれの事業につきましてスピードアップが図られるということになるのではないか、こういうふうに考えておるところでございます。  私ども事業都市開発関係予算全体で例えば六百二十二億でございますけれども、無利子貸し付け制度につきましては、区画整理関係につきましては四十二億余、それから再開発事業につきましては十七億円余ということでございます。それぞれの事業費をもって無利子貸し付け等を行う、あるいはまた補助金等々によって、あるいは税制上の特例措置によってそれぞれスピードアップを図っていくということでございます。具体的な全体のそれによりまして民間の投資が推進されるということでございます。  ちなみに、例えば再開発事業を行うことによりまして、一つの再開発事業を行うことによりまして七・六倍の経済効果があるという試算もあるわけでございます。  したがいまして、そういう点から考えまして、再開発事業推進されることによりまして相当程度の景気の回復、経済効果につながっていくものというふうに思っておるところでございます。
  29. 田中和徳

    田中(和)委員 大変すばらしい答弁でありますけれども、絵にかいたもちにならないためにどうやって国民に、関係者に理解をしていただくか、こういうことが重要であります。当然、地方自治体とのきめの細かい協議も必要だろうと思いますけれども、ぜひひとつ御答弁どおりの効果が上がるように頑張っていただきたい、このように思っておるわけであります。  先ほど、収益性が一番の問題だと言いましたけれども、例えば東京二十三区についての統計では、昨年三月の四・六%を底にいたしましてオフィスの空室率が上昇に転じておりまして、十二月には五・四まで上がっておるわけであります。いずれにしても、大変深刻な事態であります。せっかくの地域の再開発を進めたところ、ビルの床が埋まらない、また、収益性の懸念があって事業の協力が得られない、こういうことになっては大変でありますので、ぜひひとつ重ねてお願いをしておきます。  次に、都市開発は極めて多数の民間の事業協力者の理解を得て初めて成り立つものでありまして、その円滑な実施をするためには、事業に関連する公的機関への信頼が不可欠であります。そこで、国民の信頼の確保のためにぜひとも一点だけ確認しておかなければならないことがございます。  昭和六十二年に民間の都市開発支援のために建設省所管の財団法人として設立された民間都市開発推進機構は、その後も業務を拡大し、今後も、都市開発推進に当たってさらに大きな重責を担うことが期待されております。その一方で、土地の買い取りをめぐる役員陣の接待疑惑だとか、政官財で構造的に甘い汁を吸う仕組みになっているんじゃないかとか、黒いうわさがマスコミを何度となくにぎわせております。大変残念なことであります。新聞のコピーも手元に持ってきておりますけれども、いろいろと書いてございます。  記憶に新しいところでは、長銀が民間都市開発推進機構に対して都内の広大な社有地を売却した際に、その土地で行われる大規模開発事業主体に関連のノンバンクを選定させていたとの報道が昨年末に出されております。長銀が破綻するずっと前の売買だったようでありますが、そのことが事実とすれば、都銀関係者のコメントとして書かれていたように、「長銀と人的、資金面でつながりが深い民都機構が長銀本体と関連企業の救済に手を貸したと言われても仕方がない」、そういうふうに私も思うわけであります。  とにかく、多額の金銭が絡む事業にかかわる以上、違法性の有無にかかわらず、李下に冠を正さずと申しますか、少しでも疑わしいと思われるやり方はとってはならない、そういう心がけが役員を筆頭とする各職員に厳しく求められると思います。まさか、報道されたことが一〇〇%真実であるとは私も思っていませんが、国民の疑惑を晴らすためにも、民都機構がクリーンに事業を行っているということをぜひ詳細に御説明を願いたいと思います。
  30. 山本正堯

    山本(正)政府委員 ただいま先生御紹介をされました、新聞に報道があったということは、私どもも承知をいたしておるところでございます。  ただ、民都機構業務が公正、透明に行われていないんじゃないか、癒着があるんじゃないかというようなことの御指摘かと存じますが、民都機構土地業務は法令に定められた要件手続に基づきまして厳正に行われておるということで私ども考えております。  価格の審査にいたしましても、知識、識見を有する学者等から成る経営審査会あるいは価格審査会の議を経ることとなっておりまして、こういう価格審査会の委員、学識経験者八人による審査を厳正にやっておるところでございます。不明朗な業務運営を行っておるというようなことは、一切私どもはないというふうに確信をいたしておるところでございます。  また、特定の企業との癒着、あるいはまた各関係のところからの人的な点についての交流といいますか、そういうようなものがあるのかないのかということでございますが、特定の企業が所有する土地であるからといって土地を取得するとかしないとかということでございませんでして、取得の対象となる土地が優良な都市開発事業の適地で、その事業化の見込みが高いかどうかということによりまして、その取得の対象とするということでございます。民都機構の職員の大半はプロパーの職員、と同時に企業からの出向者も確かにおります。これは、その業務全般につきまして民間の知恵もかりるという観点から、企業からの出向を仰いでおるということでございます。  しかしながら、このことと、どのような土地を取得するかということとは別の問題でございまして、土地取得業務の運営に当たりましては適正な手続が行われておるということで、特定の企業との癒着が生じているということは一切ないというふうに考えておる次第でございます。
  31. 田中和徳

    田中(和)委員 長銀の破綻というものはだれしも事前に予測できた人はなかったかと存じますし、長い経過の中で、官民双方向の知恵を絞り、集めて期待にこたえていくという仕事でありますから、民間との協力体制、それがそういうふうに映ったのかな、このように思うわけでありますが、重ねて申し上げます。やはり疑惑を持たれないようにしっかりと頑張っていただきたい、このようにお話をしておきたいと思っております。  今回の改正案の中でも、無利子貸付制度創設の受け皿の一つとしてその役割が期待されておりますのが住都公団でありまして、その点についてもお尋ねをしたいと思います。  昨日、実は理事をお務めの谷畑先生にも、また何人かの委員をお務めの先生方にもお越しをいただきましたが、住都公団にお住まいの皆さんからも多くの要望が出ております。そして、やはり一番の重要な視点は、これからの社会環境の変化にどのように対応するのかということと、長い間やってきた住宅の部門について、ひとつ後ろに下がらないようにしっかりとこれからも頑張ってほしい、こういうことであったかと存じております。  今国会で関連法案が審議される予定でありますけれども住宅や宅地の大量供給を担ってきた住都公団は、都心居住や職住近接の促進、防災上の向上、拠点市街地の形成など、都市基盤整備に重点を置く新公団にリニューアルされることになっております。  少し脱線をいたしますけれども飯島委員と同様に、私も所属しております自民党の都市問題対策協議会に近々提案をしたいと思っておりますけれども、子育て中の共働き夫妻の支援策として、ごく簡単に言いますと、鉄道事業者の協力を得て朝夕のラッシュ時に各駅停車の一部に親子専用車両を設け、それと同時にターミナル駅を中心に沿線の各駅に駅型保育所を計画的に配置し、また乗車時間を利用して育児カウンセリングなどのさまざまなサービスを提供したらいかがか、このようなものでございます。このことにより、保育インフラの整備費用も節減できますし、男性の積極的な育児参加もできるのではないか、このように思っております。  新公団への移行後、市街地の再開発推進にも大きな役割を果たすことが期待されるわけでありますけれども、こうした政策を考えている立場からも、オフィスばかりではなく住宅の供給も立地条件に恵まれている再開発事業の中に積極的に取り込んでいく。また同時に、託児所や老人福祉施設の併設を推進する。特養施設についても、今まで三十ベッドの基準でありましたが、今度は二十ベッドということに変わってまいります。これも私たちが都市問題対策協議会の中で提案をしたことでありますし、いろいろと変化が起こっておるわけでありますが、そういう少子高齢化という時代のニーズに的確にこたえていくことも今回の精神に含まれるんじゃないか、私はこのように思っておるわけでございます。  今後の新公団の業務のあり方について、そして新しい再開発の視点をどのように考えておられるのか、この点についてもお聞かせをいただきたいと思います。
  32. 那珂正

    ○那珂政府委員 お答えいたします。  ただいま先生指摘の新公団、すなわち現住宅都市整備公団の改革によりまして移行が予定されております都市基盤整備公団でございますが、これにつきましては新法で別途御審議をお願いするわけでございます。  その新しい公団の業務の第一の目的でございますが、確かに従来のように住宅宅地の大量供給というねらいを引っ込めましたけれども、しかし、実際に新しく打ち立てますねらいは、健全で文化的な都市生活の基盤を整備する、こういうことで、特に居住環境の向上に資する市街地の再開発あるいは賃貸住宅の供給を行うということを目的と考えているところでございます。  少し具体的に申し上げますと、良好な住宅市街地の形成ということが新公団の再開発業務の第一のねらいでございまして、住宅供給の基盤となる公共施設や敷地の整備を行うとともに、住宅供給に資する再開発事業やあるいは政策的に必要な賃貸住宅の供給に積極的に取り組むものとしているところでございますし、また、さらに先生指摘になりましたように、このような再開発や賃貸住宅の供給を進める中で、託児所とか高齢者福祉施設につきまして地方公共団体との連携を図りつつ、その併設等について積極的に取り組んでまいりたいと思います。
  33. 田中和徳

    田中(和)委員 時間の関係でこの質問をもって終わりにいたしますけれども市街地の再開発といえば私の地元にもありまして、JR川崎駅の東口、西口、双方の一帯でも大変大きな計画を持っております。しかしながら、本当にスケジュールどおりにいくかというと、難問山積で首をひねることが多いわけであります。  ところで、昭和六十三年の「国の行政機関等の移転について」の閣議決定を受けて、平成元年には国土庁所管の地域振興整備公団について川崎市が移転先の候補地となっております。その後、平成七年には移転予定時期が平成十四年度とされました。そして、実は、ここがポイントでありますけれども、同時にJR川崎駅西口地区市街地開発事業地区が具体的な候補地になっております。  もう一点つけ加えると、平成十四年度を移転予定時期として、そして川崎駅西口の既存のビルを具体的な候補地としていた労働省所管の労働福祉事業団は、私たちの再三の主張が実りまして、一昨年の平成九年、つまり予定より五年も早く川崎市内の国の施設第一号として移転が実現したのであります。  行政機関の移転推進の本来の趣旨東京一極集中の是正にありますが、実は、同時に大きな経済波及効果も伴うものでありますから、景気回復としても有効である、私はこのように考えております。くしくも都市開発とも密接にかかわる公団でありますが、地域振興整備公団について移転の時期や方法がなかなか具体化してこないのは、受け皿の今申し上げ市街地開発事業の見通しが立たないからではないか、このように地元でも言われております。  最後に、市街地開発の着実な推進と、従来の方針どおり、さらには前倒しでの行政機関の川崎に向けての移転を、国土庁長官として大臣にお伺いをして、できれば前向きの答弁をひとつぜひお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただければと思います。
  34. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 地域振興整備公団の移転でございますが、これは伺いますと、平成十四年を目標に進めておるようでございまして、先生指摘のように、労働省の方は早くも完了したというようなことでございましょうが、確かに、川崎駅西口地区市街地開発事業地区を移転先としておるものですから、それができないと行きようがないということが正直なところだろうと思います。  ですから、両々相まって、その開発事業が早くできればその分だけ早く移転することができるわけでございますから、その方向に私は私なりの立場で指導をしてまいりたいと思います。
  35. 田中和徳

    田中(和)委員 終わります。ありがとうございました。
  36. 平田米男

  37. 山本譲司

    山本(譲)委員 民主党の山本でございます。  早速、都市開発資金の貸付けに関する法律等の一部を改正する法律案について質問させていただきたいと思います。  本法案に関しては、審議日程も二日間とることが理事会で決まったようでございまして、このことは、今の再開発事業が大変多くの困難な状況に直面をしている、そしてそれぞれ委員の皆さんも大きな関心を持っている、そのことのあらわれではないかと考えております。  私は、東京の立川市というところが地元でございまして、私の地元でも駅の周辺の再開発事業区画整理事業がたくさん行われております。区画整理事業でいいますと、昭和三十九年に都市計画決定をされて、三十四年以上たった現在もまだ完成を見ないというのが現状でございます。  これは、ほぼ私の人生と同じぐらいの期間でございまして、区画整理という、ある意味で線引きをされて、そんな中で、新しいきちんとした家を建てたくても建てられない、そんな制約の中にずっと過ごしてこられた。また、今後新しいビジネス、例えば商業をやるにしても、新しい展開をしようと思っても、なかなかそれが足かせになって思うに任せない。一生、人生の半分ぐらいを区画整理あるいは再開発とつき合っている、そういった嘆きの声も聞こえてくるわけでございます。  この再開発事業の最も大きな問題点というのは、やはり、とにかく事業が決まるまで、事業計画から施行までの助走期間に十年、二十年かかる、そして、一体完成はいつのことやら、大変気の遠くなるような話でございまして、特に、現下経済情勢の中におきましては大変先行き不透明でございます。この不透明感をなくすために、私ども政治にかかわる者は全力を挙げていかなくてはならないわけでありますが、しかし、この経済情勢の中で、時間がたつということのリスクというものも大変大きくなっているわけでございます。  そこで、当然、この再開発事業をスピードアップしていく、早く事業を完成させなくてはならないということは、大方の皆さんの共通認識であろうと思います。しかし、この事業がなかなかはかどらないといった、その根本的な原因というのが一体何にあるのか、その理由は何なのか、そのことをきちんと把握しなくては、制度の拡充をしても、あるいは新しい制度をつくっても、有効に機能しないのではないか、そんな危惧もございます。  そこで、今回、手続的には事業を早く進められるように改正をされたわけでございますが、まずこれは大臣にお伺いをしたいと思うんですが、この再開発事業が進まない原因はどういうことだと率直に認識をされているのか、まずお伺いをしたいと思います。
  38. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 確かに、この再開発事業というのはなかなか難しいところがあると思いますし、したがって、先生指摘のように、十年、二十年、三十年かかっておるというのは事実でございます。  いろいろな理由があるだろうとは思うんですけれども、やはりその地域の、その土地をお持ちの方々理解というものもまず大きくなければならないと思います。それからまた融資の制度、そういう意味において今回法律改正を行うわけでございますが、融資がもっと要件を緩和してできるというようなこと。それから、その開発ができ上がるまでの間に対します御関係方々に対する生活の保障というようなこともあると思います。  ですから、先般の本会議場での先生の御質問にもございましたように、やはり説明責任というのがますます重要になってくると私は思うわけでございまして、当初から、その事業の計画の段階から地元方々には十分お話を申し上げる、そして、その時点において既に反対ということが多い場合には、これはもうやむを得ないのではないかなと思うわけでございます。  ですから、そういうような理由でもって今日まで長い時間がかかっているんじゃないかな、そんなことを思っております。  それから、最後になりましたが、先般、本会議場での質問をいただきまして、ありがとうございました。
  39. 山本譲司

    山本(譲)委員 大臣の認識をお伺いいたしまして、かなり問題意識としては、本当に突っ込んで持たれているんだな、単にこれは資金面の問題だけではなくて、そういった手続の問題などもまだまだ徹底しなくてはならないという認識かと理解をいたしました。  そこで、やはりそういう説明責任、アカウンタビリティーといったところを制度的にも保障していかなくてはならないと思っております。  そこで、この再開発事業組合設立等の認定権者でありますのは都道府県知事でございまして、この法改正に当たりましては、当然そういった地方公共団体からの意見というものもお聞きになられたと思います。また、民間からもいろいろな意見というものもやはりお聞きになられたと思いますが、この間、どんな手続でそういった声を吸い上げてこられたのか、また、そんな中でどういう国に対する要望法改正要望が多かったのか、このことについて伺いたいと思います。
  40. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今回の法改正につきましては、私ども、いろいろな各界各層あるいはいろいろな公共団体等からの御意見を集約させていただいて、内容を検討してまいったわけでございます。  一つは、平成十年の四月の総合経済対策におきまして、こういう民間再開発を円滑に進めるための方策を総合的に講じていくための法制面の課題について検討をするという政府全体としての総合経済対策の方針を受けまして、こうした民間活力を活用した都市開発を円滑に推進するためのあり方を検討する場を設けて、私ども関係公共団体あるいは学者の方々あるいは地方公共団体方々等から成る委員会を設置いたしまして、そういう検討する場を設けて意見交換を行ってきたところでございます。  さらにはまた、業界の関係方々からの御要望、あるいは地方公共団体、知事会、市町村長会等からのいろいろな御要望等もございました。私ども、そういうふうないろいろな各界各層からの御議論あるいは御要望も踏まえまして、民間主導による都市の再開発を積極的に推進することを目的として取りまとめたところでございます。
  41. 山本譲司

    山本(譲)委員 二点目の質問なんですが、二点目というか、先ほど聞いた中で一つ、そういった地方公共団体等の意見を踏まえてということでございましたが、その意見、どういう意見が多かったのかということ。
  42. 山本正堯

    山本(正)政府委員 地方公共団体、地方財政、大変厳しい状況でございます。一つは、地方公共団体の財政的支援を何とかお願いできないかというような点についての御要望も一つございます。それから、今先生がお話しになりましたようないろいろな事業推進の中心となりますのが地方公共団体、これが非常に財政難がございます。  それから、各種の手法との連携によって面的な都市の再構築を推進する必要があるといったようなことがございます。公共団体としても、総合的にいろいろな町づくりをやっていくというような点がございます。そのためには、いろいろな総合的な施策、補助制度あるいは予算税制等について、いろいろな面での大幅な制度改善をやってくれ、こういう御要望もございます。  あるいは手続面につきましても、いろいろな手続についての簡素化、あるいはそういったような点についての地方分権といったような点も踏まえた、いろいろな事業推進方策といったような点もございます。  そういう点についてのいろいろな御要望を踏まえまして、私ども整理をさせていただいた、こういうことでございます。
  43. 山本譲司

    山本(譲)委員 ここでちょっと数字を伺いたいのですが、現在、この市街地開発法というものが施行されて、これは昭和四十四年以降ですか、これまで事業が完了した件数、そして現在進捗中の事業の件数、これをそれぞれ公共団体施行、組合施行、その他でいいますと公団施行もありますし、例えば住宅供給公社施行もあるでしょうし、また個人もあるでしょうし、その辺の数字を、ちょっとかいつまんでお願いをいたします。
  44. 山本正堯

    山本(正)政府委員 市街地開発事業についての数字でございますが、御案内のとおり市街地開発事業につきましては、地方公共団体組合、あるいは住宅都市整備公団、住宅供給公社、個人といったような主体があるわけでございますが、全体で現在六百六十三地区の実績がございます。その中で事業が完了いたしましたのが四百十四でございます。  個別に申し上げますと、全体の六百六十三の中で、地方公共団体が百三十七でございまして、そのうち事業完了が九十でございます。それから組合でございますが、過半を占めておりまして、三百六十九地区の中で二百が事業完了でございます。それから住宅都市整備公団につきましては、三十二地区につきまして十八が完了でございます。住宅供給公社、各県にございます住宅供給公社は、八の中で六が完了でございます。個人が約四分の一を占めておりますが、百十七地区の中で百の個人地区事業完了しておるという状況でございます。
  45. 山本譲司

    山本(譲)委員 今の数字をお伺いしてみますと、件数としては半分以上が組合施行ということになっているわけでございますが、その点の、組合の認可等に関する手続改正も今回提案をされていまして、その件については後ほど細かくお聞きするといたしまして、建設省として、現在進捗中というのは把握はされておるのは、これは当然だと思います。準備組合というのは、大体これはどれぐらいやられているのか。これは任意団体ですから、把握する必要がないのかどうなのか。建設省としては、調査的にその辺は把握はされているのか。伺いたいと思います。
  46. 山本正堯

    山本(正)政府委員 お答えをさせていただきます。  準備組合というものにつきましては、段階がいろいろございます。先生御案内のとおり、市街地開発事業を行いますには、地元方々がまず初めに話し合いを始められるところから始まりまして都市計画決定をするわけでございますが、都市計画決定をし、それから事業計画の認可を得て、それで組合設立し、事業を行う、こういうことでございます。  全体で、今現在、都市計画決定をされまして、事業計画の認可、いわゆる組合設立がされていないという地区が七十二地区ございます。したがいまして、この七十二地区につきましては、何らかの形で、準備組合といいますか、組合という形をとっているかどうかはちょっとまだ把握をいたしておりませんけれども、何らかの形で地域の方々でそういう話し合いが行われ始めているところの可能性がある、こういうことであろうかと思います。あるいは、都市計画決定が打たれておりませんものにつきましても、そういう話し合いが行われ始めているというようなところも何地区かあろうかというふうに考えておるところでございます。
  47. 山本譲司

    山本(譲)委員 当然、準備組合というのは法律的に認められていない任意団体でありますから、なかなかそれは把握するのは難しいと思います。  例えば、地域の商店街の皆さんが集まって、ではこれからこういう町にしましょうと話し合って、それなりに市役所の方も入ってもらって話し出した、これが準備組合の前段階かというと、そうも受け取られるわけですから、そこまで含めての把握というのは、なかなかこれは難しいと思います。しかし、この再開発事業を行うという地域、これは都市計画上、やはり限定をされているわけですね、用途地域ですとか。
  48. 山本正堯

    山本(正)政府委員 お答えを申し上げます。  先ほど、市街地開発事業につきましては、都市計画決定がされているということを申し上げましたが、これが再開発地区についての都市計画決定がされている、こういうことでございまして、何らかの形でそこのところについて再開発をやろうというところの地区ということでございます。
  49. 山本譲司

    山本(譲)委員 これは、何らかの都市計画決定というのは、それは何らかの都市計画決定をするのは当たり前だと思いますが。  これは一般的に再開発といいますと、全国至るところで行われている、あるいは完成をしたものを見てみますと、大体高層ビルですね。これは用途的に、高度利用地区というのをかけなくていいのですか。
  50. 山本正堯

    山本(正)政府委員 まず高度利用地区あるいは地区計画をかけて、それから市街地開発事業としての都市計画決定を行う、こういう段取りになるということでございます。
  51. 山本譲司

    山本(譲)委員 そういう意味では、都市計画決定をするという行政上の手続にのっとって、そのことが前提に再開発というのが行われるということになろうかと思いますが、そういった面で、今回の法案には当然予算的措置も講じられているわけです。これは今後の需要見込みというのを、この制度を活用する再開発事業というのがこれからどれぐらい発生するのか、そういったことも当然把握をされているのでしょうか。その上でのこの予算措置になってくるのでしょうか。今、局長お話しのように、高度利用地区あるいは地区計画というものを前段階としてやられるわけですから、そういった数字も当然きちっと把握をされているのではないかと思いますので、それもあわせて、今後の需要見込みというのは一体どの程度のものなのか、お答えをいただきたいと思います。
  52. 山本正堯

    山本(正)政府委員 お答えをさせていただきます。  都市計画決定済みで事業認可前の地区が、組合個人、全部合わせまして八十地区事業認可済みの施行中の地区が全体で百六地区事業完了地区が三百地区ということで、全体で四百八十六地区でございます。これらにつきまして無利子貸し付けの活用等が行われるという格好になろうかと思います。これに対していろいろ、無利子貸し付けにつきましては、今申し上げましたような市街地開発事業につきましては現在十七億円の予算措置をさせていただいている、こういう状況でございます。
  53. 山本譲司

    山本(譲)委員 再開発事業というのは、規模もそれは一律ではないでしょうから、どれだけの件数が発生したら無利子貸し付けがどれぐらい発生するか、これもちょっと一概には言えないと思うのですが、具体的な数字というよりも、この貸付制度によって果たして再開発事業を持ち上げるインセンティブになるのかどうなのか。そのことを検証する上でも、これは単に無利子融資制度だけではなくて、今回の法改正には、手続の簡素化になるのか、手続を早めるための手段を講じられております。  特に、先ほど数字でお示しをいただきました、再開発事業でその主体となっている施行者、この中で半数以上を占めます組合、この組合に対して、改正前というか現時点で、準備組合と言われるようなところに法人格を与えて無利子融資ができるようにするということでございますが、法改正後ではなくて、現時点での組合設立に至るまでと、組合設立、これは何が条件なのか、そしてその組合設立された後、どういう手続をして最終的に都市計画決定をされて事業を行うのか、こういう順番かどうかわかりませんが、同時というのもあるかと思いますが、その辺を簡単に説明をいただけますか。
  54. 山本正堯

    山本(正)政府委員 お答えを申し上げます。  先ほど申し上げましたように、まず高度利用地区なり地区計画なりで都市計画決定、それとほぼ並行して事業についての都市計画決定がされるわけでございますが、その後、地権者等がいろいろ発起人になりまして、定款とか事業計画の策定をしていくわけでございます。  その際に、施行地区内の地権者の三分の二以上の同意によりまして事業計画をつくることになるわけでございますが、その縦覧等々の手続を経まして組合設立される、それで法人格を取得し、それから具体的な事業に入っていく、こういう格好になるということでございます。
  55. 山本譲司

    山本(譲)委員 これは事業計画があって、それを踏まえた上で組合設立されるということですか。そして、その事業計画ですけれども、この事業計画中身ですね、それは文書でちらちらっと書けば事業計画ということもあり得るでしょうし、あるいは模型なんかを使ってきちんと、こういう何階建ての建物を建てますというのが事業計画であったりもするのでしょうから、この場合、組合設立に向けての事業計画といったものは一体どこまでの範囲を提出しなくてはならないのか、この辺について説明をいただきたいと思います。
  56. 山本正堯

    山本(正)政府委員 事業計画でございますが、事業計画につきましては、施行地区の範囲それから設計の概要、設計の概要といいますのはその設計図それから説明書、そういったような設計の概要、それから予定の事業施行期間、それから一番あれでございますが、資金計画等々についての、それが主な事業計画内容でございます。  これらにつきまして事業計画を策定し、組合の定款を策定して、それをあわせて、組合設立の認可を得る、現在の段取りはそういう格好になっておるところでございます。
  57. 山本譲司

    山本(譲)委員 例えば、住民の皆さん、地権者の皆さんの合意が、コンセンサスが得られた、それから設計に入るわけなのでしょうが、一般的に言いますと、私の地元でも実はとんざをした再開発がありまして、ここではかなり細かい模型をつくっていました。また、コンサルタント会社にいろいろ設計依頼でありますとか、あるいは、これは自治体独自の制度になるのか、再開発に関しての助成金みたいなものも出されておりました。  おおむね大体、こういう設計に至るまでの経費というのは幾らくらいかかるのか。これは平均どれくらいと思われているのか。よろしくお願いします。
  58. 山本正堯

    山本(正)政府委員 組合の規模あるいはまたいろいろ中身にもよりますけれども、大体平均いたしますと二億円から三億円、その調査の設計費、コンサルタントに委託をいたします調査、測量をする経費等でございますが、その程度、二億円から三億円程度の準備関係段階での費用がかかるというふうに考えております。
  59. 山本譲司

    山本(譲)委員 そこで、今回の法改正でございますが、今言われた二億から三億かかる設計概要まで含めた事業計画、これはどこで提出をすることになるのでしょうか、今回の法改正準備組合が法人化をされますと。その時点でかなり細かい設計まで必要になってくるのか、あるいはまたちょっと違う手順になってくるのか、その辺を説明お願いします。
  60. 山本正堯

    山本(正)政府委員 現在の制度でございますと、定款、事業計画とあわせて組合設立のときに認可を行う、こういうことになっておるわけでございますが、改正後につきましては、まず定款、事業基本方針というものを策定するという手順になっております。それと同時に組合設立する、こういうことでございます。それで法人格を取得いたしまして、それから正式の事業計画を策定する、それから事業計画の認可をする、こういう格好でございまして、組合設立事業計画の認可は分かれる、こういうことでございまして、組合設立の前に事業基本方針というものについて策定する、こういうことでございます。
  61. 山本譲司

    山本(譲)委員 現制度におきましては事業計画というお言葉をお使いになられました。そして、法改正後は事業基本方針という言葉を今言われたわけなんですけれども、この事業基本方針というのは大体どんなものなのか。また、これはかなり、さっきは事業計画に関しては大体二億円以上かかるんじゃないかということなんですが、そういったものなのかどうなのか。どうでしょうか。
  62. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先ほど申し上げましたように、改正後におきましては、事業基本方針を先につくって組合設立する、その後事業計画をつくるということで、事業計画も当然つくることになっておるわけでございます。  その前に事業基本方針をつくるわけでございますが、事業基本方針につきましては、具体的にはどこまで書くかということにつきましては建設省令で定めることにしておりますけれども、現在考えておりますのは、事業目的でございますとか施行地区でございますとかおおむねの事業実施の期間、それから事業計画決定するまでの資金計画等々について定めるということにする予定でしております。
  63. 山本譲司

    山本(譲)委員 現行法の中の設計概要と比べると、随分簡素化をされている。違う意味で言うと、アバウトなものでもいいわけですね。  そうなりますと、これまでどちらかというと、事前の、住民の皆さんの、地権者の皆さんの合意形成に向けたかなりの時間を要した上で、組合設立事業計画を同時にという考え方だったわけですね。したがって、組合設立と同時にもう設計のかなり細かいところまでできている。したがって、それに至るまでは多少地権者の皆さんも、あるいはこれは地権者と借地権者、借家人、それぞれ分けて言った方がいいのか、その三つを並列して言わなければならないのか、その辺は法的によくわかりませんが、大体将来のビジョンが見えてくるわけですね、組合設立まで。  やはりなかなか組合設立に至るまで困難なことは、自分の将来のどういう青写真を描けるのかどうなのかというのがわからないところに、なかなか合意が困難だ。たとえ総論賛成で、やろうと一〇〇%近い同意が、別に行政からの指導じゃなくても得られたとしても、いざ設計だとかいろいろ、これは権利変換に至る前の段階ででもかなり不協和音が出てくる。各論になると、いろいろごちゃごちゃになってくる。  そこを今回は、準備組合段階で融資をしていこう、法人をつくっていく。そこに至るまでの、これまでの合意形成に要した時間を、僕は事業をスピーディーにすることはいいことだということを前提に申し上げているわけなんですが、果たして、三分の二であろうと、このアバウトな基本方針なるもので合意が得られるのかどうなのか。  そして、もうそこに、無利子であるにしても融資が来るわけですね。融資ということは、それはただでもらうんじゃないから返さなきゃならないんです。ある意味で、機械的と言ってはいけないかもしれませんが、自動的にそこに組み込まれていく、そういう制度になってくるわけですね。  ちょっと視点を変えますと、現在でも三分の二の地権者の同意をもって組合設立ということでございますが、法律的にはそうなんですが、知事がなかなかそれを認めないというのが現状のようでございます。その辺の理由というのは一体どういうことなのか。地方公共団体からしてみれば、どういう不都合があって、一〇〇%に近い同意を求めざるを得ないということになっているのか。その辺について建設省としてはどうお考えなのか、伺います。
  64. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今の先生のお話でございますが、施行地区の地権者の同意は三分の二以上の同意を要する、こういう格好になっておるわけでございます。これは、改正後の事業基本方針を策定する場合も三分の二の同意ということで、同じ要件になっておるわけでございます。  この三分の二の要件につきましては、事業立ち上げあるいはまた事業推進するに当たりまして、やはりその地域の中の権利者のできるだけ多くの方々の同意、了解を当初から取りつけて、そのもとで設立をし、事業を遂行していきたいということがございます。そういう意味で、自治体、地方公共団体等におきましては、この法律上三分の二以上の同意で足りるといいますか、そういう法律の規定ではございますけれども、全員の同意あるいはそれに近い率の人の同意を得てくることが設立の条件といいますか、要件にされておったということもございました。  私どもの方といたしましては、法律要件に従ってそういう過重な認可の要件を課すようなことのないようにということで、私ども行政指導を、通達を出し、指導をさせていただいたところでございます。
  65. 山本譲司

    山本(譲)委員 今お話をされたとおりだと思うのですが、法律的に、全員の同意を得た場合、何かその後の手続上でプラスになるというようなことがあるのか。  ちょっと私も再開発法を見てみますと、これは百十条に、権利者の全員の同意があるならば割かし権利変換が自由に行えるというように、私からしてみれば理解できるような条項があるんですが、全員同意であるとなしによって、その後の権利変換手続上の違いというのはあるんですか。
  66. 山本正堯

    山本(正)政府委員 私が先ほど申し上げましたのは、三分の二の同意ということで、これは原則でございまして、原則の手続はこれであるということでございます。  ただ、特別に、全員の合意が得られておれば、権利変換等々についてそういう点でのスピーディーな手続がとれる、こういうことになろうかと思います。
  67. 山本譲司

    山本(譲)委員 では、今大方の再開発事業で全員同意というものを、これは都道府県知事というよりもかなり顔の見える範囲で、日ごろつき合い、またその計画の最初段階から深く事業にコミットしているであろう基礎的自治体、市町村、ここからの指導が組合施行の場合組合施行者に対して行われるんでしょうが、その結果、全員同意ということがほとんどの再開発事業立ち上げるための前提になっているようなんです。  その場合、今お話のありましたように、例外的に権利者の全員同意があるならば権利変換がかなりスピーディーに行えるということを適用されていたのか。ことわざで急がば回れなんてありますけれども、全員同意をしていれば、ある意味で最終的にぐっと、権利変換段階ではスピードアップが図れるということに、これまでの事業でいえば結果的になっていたのかどうなのか。この辺について伺いたいと思います。
  68. 山本正堯

    山本(正)政府委員 全員同意での場合は権利変換計画の特則になっておるわけでございまして、権利変換計画は過半数の者であれば権利変換計画ができる、こういう格好になっておるわけでございます。その特則として、全員同意の場合にはそういう格好で権利変換計画ができる、こういうことでございます。
  69. 山本譲司

    山本(譲)委員 法律の解釈ではなくて、先ほど来数字でお示しをいただきました再開発事業について、これまでにその制度というものが適用をされてきたのかどうなのかということをお伺いしているんです。
  70. 山本正堯

    山本(正)政府委員 権利変換計画の特則でやられているものもございますし、一般の通常ルールでやられているものも、両方ございます。
  71. 山本譲司

    山本(譲)委員 そこで、ここでやはり大きな問題となってくるのは、必ずしも一〇〇%同意というものは、事業によっては難しいというケースは当然あり得ると思います。  これまでですと、再開発自体に賛成をされない方、要は権利変換を求めないで転出をされるわけですが、その転出をする場合の制度は、こういう理解でいいんですか、事業計画を出されて組合設立がされる、そこから三十日以内に申し出れば転出ができるということでいいんですね。
  72. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先生おっしゃるとおり、転出の関係は三十日以内でございます。
  73. 山本譲司

    山本(譲)委員 そういう意味では、転出をするという人も含めて、もう目の先に、組合設立と同時に転出する場合は転出するということがわかるわけですから、それも含めた同意というのはかなりとれたんじゃないかと推測するんですが、このたびの法改正になるとその辺はどうなるのか、転出をする人、権利変換を求めない人は手続上どうすればいいのか、この改正後はどうなるのか、お答えをいただきたいと思います。
  74. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今回の法律改正といいますよりも、今までの、従来どおりの手続で転出が行われる、こういうことでございます。
  75. 山本譲司

    山本(譲)委員 そうしますと、今までの法律どおりというと、組合設立から三十日ということですね。となりますと、今回の法改正後は、準備組合で、もうここで法人格を与えられる。その先、組合設立というまでに、これはやはりかなりの時間を要するわけじゃないでしょうか。  これはかなりの時間を要することがいいという意味で言っているんじゃなくて、常識的に考えて、先ほど来の質疑の中でお話ありましたように、そんなに詳細ではない基本方針というものを出されて、それをかなり細かいものに煮詰めていく作業というものもそれなりに時間がかかる、一年、二年で終わるかもしれませんが。では、一年、二年先になって組合設立されてそれから三十日以内に、転出をする人は、例えば一年、二年という早さでやっても、一年、二年後にならないと転出というのはできない、あるいは転出に向けての、話し合いというのは事前にやられるんでしょうけれども、具体的に、法的に転出するんだという立場になれないということですか。
  76. 山本正堯

    山本(正)政府委員 少し詳細に説明をさせていただきますと、現在の手続でございますと、事業計画の認可と組合設立の認可と同じでございますので、そのときから三十日以内に転出の手続が始まるということでございます。改正後につきましては、法人格組合設立がされまして、その後事業計画が認可されるわけでございます。その事業計画の認可された後三十日以内ということでございますので、改正後の手順でまいりますと、転出は、組合設立され、事業計画の認可があって後三十日、こういう格好になろうかと思います。
  77. 山本譲司

    山本(譲)委員 したがいまして、今説明のように、これまでの現状の法律ですと、大体いろいろなめどがついて、それから一、二の三で事業も始まる、その組合に参加をしないで転出される、その方も事業という意味では同時にスタートをされるわけなんですが、今回二段階になってくるわけです。ですから、準備組合が法人として認められて、それから事業認可を受けるまで、その間というのは、どうも転出を希望する人はにっちもさっちもいかないんじゃないかと。  再開発事業に反対をするという方は、さっきごね得なんという言葉がありましたけれども、私は単にそれだけではないと思うんです。単に住民エゴだけではない。確かに、将来の生活設計が立たないとか、そんな中で非常に悩んでいる人もいるわけです。しかし、それを放置していいという話では決してありませんよ。そこを早くちゃんと解決するような手段をとって、事業全体がうまく運ぶようにしなくてはならないという前提とした場合、準備組合設立から事業許可を受けるまでのこの期間、一体賛同しない人たちはどうすればいいのか。常識的に考えると、その間に民民でいろいろな、結局土地を売り買いをして外に出ていくということになるのでしょうけれども、そういった場合の、それなりのインセンティブを働かせるような措置、税制上でもいいです、補助というのはまああり得ないのでしょうけれども制度面でのその辺の措置というのはどうなっているのでしょうか。
  78. 山本正堯

    山本(正)政府委員 基本的には、今申し上げましたように、定款とか事業基本方針を策定されましてから組合設立事業計画の認可に至る間に転出、あるいはまたその事業について必ずしも賛成しない方も含めて、今後どういうような組合のやり方、組合のあり方をやっていくのかということについて、ここで話し合いが行われるわけでございます。  その場合に、転出を早期に希望される方に対しましては、今回改めて税制上の特例措置をつくらせていただいたわけでございまして、事業認可前に設立されることになる市街地開発組合に買い取られる土地につきまして、転出の希望者については二千万円の特別控除の適用をするというような制度をつくらせていただいたところでございます。  そういうような制度も含めて、全体として転出の希望をされるかどうか、あるいは転出の希望をするとすれば、そういう制度を活用するかどうかということも含めて、全体のそれぞれが御判断をされる、こういうことになろうかと思います。
  79. 山本譲司

    山本(譲)委員 先ほど来私が心配するのは、法律どおり三分の二の合意を得たら当然組合を認可する。しかし、これまでいろいろな地域でやってきた再開発を見てみますと、そうじゃなかった部分、それなりの考える時間ですとかいろいろあったと思うのですが、今回、権利変換を希望しないで結局転出する権利者、この辺に対する救済措置といいましょうか、早くスムーズに事業が進む上での手当てというのがやはり肝心になってくると思うのですよ。  したがいまして、これ以上申し上げませんが、ぜひ、権利変換を希望しないで転出する権利者に対する補償でありますとか、救済措置というのを十分配慮していただきたいと思っております。  そこで、もう一つ、これだけ短期間でやれるように法改正をされたわけで、そういう意味ではどうもその後ぎくしゃくしちゃって、融資は受けたんだけれども、とても立ち上がらないよと。区画整理なんかでいいますと、組合の議決で解散ということができるみたいなんですけれども、今回もあれですか、これまで立ち上がった組合の自主的な解散はできないわけですね。行政側が、もうそろそろこれは、完成をした場合は当然解散ですけれども、その後よほどのことがあって、それを行政側から解散させる、その認可権者である知事になると思うのですけれども、今回の場合はどうなるのでしょうか、その辺は。区画整理と同じようになるのですか。
  80. 山本正堯

    山本(正)政府委員 従来の方式でございますと、組合設立されますと、権利変換という格好になりますと組合の解散というのがあり得なかったわけでございますが、今回は事業準備段階から組合設立されるということでございますので、組合の解散ということも起こり得る、こういうことでございます。
  81. 山本譲司

    山本(譲)委員 決してその解散が、実際にこの法律が適用されるようなことのないように、ぜひ関係自治体も含めて努力をしていかなくてはならないと思っております。  そこで、手続上の問題はわかりました。しかし、これだけ転出者に対する救済措置でありますとかいろいろなことを考えた上でも、やはり一番大きなネックというのは、保留床をどう処分するかということにかかっているんだと思います。  先ほどの質問の中で、地区計画なり高度利用地区都市計画上かけたところ、これが再開発の条件だということでしたよね。したがって、必然的に再開発は高層ビル化というものを目指されているわけです。  今、これは本当に現状として再開発ビルが空き家だらけというところもたくさんあるわけで、例えば、当然地方自治体も、行政側の補助というのは再開発事業、ビルの本体ではなくて、かなり補助制度はございますよね。道路整備にしても、あるいは土地整備でありますとか、あと共有部分、ペデストリアンデッキでありますとかそういうところに補助金を、これは国が三分の一ですよね。そして、地方公共団体もそれに三分の一。したがって、共有部分に関しては三分の二ぐらいの経費を当然行政全体として出されるわけです。これは細かく聞きませんが、それで全体事業の大体三五%ぐらいが補助金で賄われるのではないか、こう言われております。  しかし、それだけ行政の補助金が入っているにもかかわらず、かなり保留床というのは高いものになっているというのが現状ではないか。その結果、空き家がふえている。また、それだけ地方公共団体が初めからこの計画に参加していますから、なかなか途中で引くに引けなくなってしまって、例えば五十坪ぐらいのところにコンピューター一台置いて何とか情報連絡室なんという行政の施設を入れたり、結果的に行政のコストを、まあ行政のむだ遣いといいましょうか、にっちもさっちもいかなくなった結果そういう入り方をしていますから、コスト高になってしまっている。  そういうことを行政が、地方自治体が努力をした上でも、まだ空き家がかなりある。これはやはり、もともと地価が決して安いところでは当然ないと思いますけれども、その上に高層建築でございますから、建物の構造上も、メンテナンスだとかそういうところでかなりコスト高になっているというのが現状ではないかと思います。  私の知り合いも、これまで住宅つきで坪当たり八千円くらいで借りていたのが、再開発ビルに入りました。坪当たり大体四万円くらいになってしまっている。これでは、これまでやっていた商売を続けるわけにはいかない、そんな声もたくさん聞くわけでございます。  これは建設省として、その辺はどう理解されていますでしょうか。やはり高層建築物というのは、家賃も、あるいは買い取る場合も、また管理費もかなりはね上がる。実際、そういうデータがあるんだったらお示しいただきたいと思います。
  82. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先生指摘のように、現在再開発事業が進まない原因の大きな一つが、保留床が売れないあるいは売れ残るという点がございます。そういうときの保留床、今までの場合は、高層建築物を建てて保留床をかなりとって、保留床を売ってその事業費に充てる、こういうのが多かったわけでございますが、建築費が、コストが高くついている、こういうことでございます。  私ども、今、そういう再開発事業の実情等にかんがみまして、施設建築物の計画につきましては、必ずしも高層建築物を建てることがいい場合だけではなくて、地域の実情に応じていろいろな適切な形態にすることが望ましいのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。無理な、過剰な容積を生み出すというようなことではなくて、中層あるいは中ぐらいの規模の再開発ビルを整備する事例も幾つかございますし、またそういうことも地域に求められているのじゃないかな。  こういうことで、私どもとしても、そういう地域の特性を生かした事業推進するように支援の充実を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
  83. 山本譲司

    山本(譲)委員 要は、高くても商売になるんだったらそれはそれでいいと思うのですが、どうも全体の、確かに再開発自体は面整備、しかし局地的な面整備であって、商業立地条件がどれだけ増してくるかというのは、当然交通アクセスの問題だとかそういうことも加味しなければならないと思うのです。  しかし、今、周辺部の白地地区とかそういうところにも、また調整区域なんかでも、かなり大規模ショッピングセンターなんか建っていますね。どうも交通アクセスの悪いそういうところに行くんだったら、郊外でも行ってしまおうかと。そういう中で、一方、そこで事業を営む人のことを考えると、条件もよくない、それで高い、それじゃなかなか保留床は買いたいとは思わない。したがって、地権者が保留床事業費を返していくにも、それがままならない。したがって、再開発がなかなか立ち上がらないというのが現状ではないかと思います。  そこで、これは提案なんですけれども、先ほど、地方公共団体も共有部分に関しては三分の一の補助金を出すわけですよ。そして、総事業費の大体三五%ぐらいが、国でありますとか地方公共団体が補助金を出している。そういう意味では、地方自治体、行政としての目下の大きなテーマであります例えば福祉施設でありますとかあるいは保育施設だとか、こういったある意味で商売とはまた別に人が集まるような公の施設というものも、これはさっきお話をしましたように、行政が絡んでいるから最後ににっちもさっちもいかなくなって、あいているところに何とか、では役所が一つ買おうかとか、そういう話じゃなくて、計画の段階からきちっと入っていく、そういうことが望ましいのじゃないか。  さっき、行政からの補助金、再開発事業に対する補助金というのを私の理解説明させていただきましたが、たしかこれは地域の福祉施設に関しても何かありましたね。
  84. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先生、今おっしゃいましたように、再開発事業地方公共団体がやります福祉施設、そういう福祉施設等がそこに保留床の中に入るというような例も幾つかございます。そういうところにつきましては、福祉施設についての補助というものも制度としてございます。
  85. 山本譲司

    山本(譲)委員 したがいまして、ぜひこれからの再開発におきましては、外国なんかへ行ったら、結構駅前の再開発ビルに学校があったりするんですよ、イギリスなんか。そういった海外の例も参考にしながら、ぜひそういった施策を建設省としても推進できるようなさらなる法的整備、当然一時的には地方自治体になってくると思いますが、地方自治体に対するそういった要請なども含めて、ぜひ前向きに考えていただきたいと思っております。  今、よく日本の都市計画制度を称して、どうも、日本には都市計画って一体あるのと言われるような、海外の人からも言われるような状況ではないかと私自身思っております。  ヨーロッパあるいはアメリカなんかへ行っても、結構整然とした町が、それなりの住民が参加をした中で、計画をきちっきちっと、全体に網をかぶせるような形で行政がある意味で誘導していっている。一方では緩和をしながら、成長をさせながら、もう一方、こっちの地域では抑制をするというようなゾーニングというのをきちっきちっとつくられているわけですね。ところが、日本の場合、どうも都市計画区域もそんなに、国土全体に占める割合として全部を網羅しているというわけでもないですし、その中でも市街化区域というのも限られています。  そういう意味では、こういう一つ一つの施策で一生懸命努力をされるというのは非常に理解できるわけでありますが、それが有効に機能するかというのは、まさに先ほど指摘をさせていただきましたように、道路のアクセスでありますとか、あるいは市全体でありますとか、県全体をどうするかといったようなきちっとした法的な拘束力を持つマスタープランがあった上で、その中で連動させていきながら再開発事業でありますとか区画整理事業を行っていくということが非常に重要になってくると思うのです。  その意味では、ヨーロッパなんかはきちっきちっと、ある意味で規制は強いと思うのです。規制は強いだけに、かなり地方分権でありますとか住民参加というのは徹底をされている。そして、こういう再開発事業でありますとか地区計画になりますと、原則、規制があるところでそういう再開発をやることによって、これから自分たちで物を考えてこの規制から外されるんだという解放感というか喜びみたいなのがあるやに、実際聞いております。  一方、日本を振り返ってみますと、原則、線引きがあって、線引きの中では、用途地域なんかはあるんですけれども、それは大体自由な建築を行える。しかし逆に、再開発をやった場合あるいは区画整理をやった場合、いろいろなものが制限されるのじゃないか。逆に再開発をやることが、どうもほかのところは自由なのに自分たちのところだけは制限されるのじゃないかと、かえって重荷になってしまうようなことが都市計画の法体系全体の中で、どうもこういう開発を進める上でマイナスになる要素になっているのじゃないか、またそういう法体系になっているのじゃないかということを私は強く感じるわけでございます。  そういう意味では、確かに無利子融資の拡大でありますとか、今喫緊の課題として、大変困っている方もたくさんいます。評価できます。しかし、これをいつまでも続けていくのじゃなくて、あるいは制度を拡充したり新設したり、これは地権者の皆さんとお話をしても、あるいは地方公共団体の再開発の担当者とお話をしても、どうもすぐには答えが返ってこないのですね。法律だけでもう頭に入らないほどある。果たしてどの制度利用したら一番プラスになるのか、それを考えるだけでも随分時間がかかってしまう。その辺の法律の簡素化でありますとか、そういうこともぜひ前向きに考えていかなくてはならないと思います。  どうか、その辺を含めたこれからの都市計画制度の抜本的な改正と申しましょうか、本当に住民が使いやすい法改正、実際、もう制度がいっぱいあって、ほぼ一〇〇%利用されていない制度法律として多分いっぱい残っていると思うんですよ。そういうものを整理統合していく。今回の法改正の中でも、土地区画整理事業と再開発事業がようやっと合併して施行できるということになったわけです。これはいいことだと思います。ぜひ、簡素な法律の中でも選択肢が広がるような、都市計画関連法すべてにわたっての改正に向けてのそういう抜本的な取り組み、これは強く私は要望したいんですが、その点について大臣の前向きの決意を伺いまして、私の質問を終わりにしたいと思います。
  86. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 山本委員の再開発に関しますいろいろな御質疑をずっとお聞きしておりまして、本当に、今のこの法案提出をいたしました時点において、戦後、もう半世紀たったわけでございますが、再開発をするためにはどういう条件整備ができればもっと早くできるのか、あるいは一向に進まないようなことがなくなるのかということ、いろいろ御指示がございました。  確かにこれは、私は、そういう意味において大変難しいことがあると思うわけでございまして、先生の御意見も住民の方々のいろいろなことをまずお聞きするということもしかり、また反面、やはり行政機関の強力な指導がなければなかなかこれもできないのじゃないかというような御意見もございました。ですから、本当に、先生が御指摘されますように、この再開発を行っていくというのは難しいなとしみじみ私も思っておりますし、また、質疑応答の中でもそのことを感じたわけです。  ですから、私は、この再開発事業が今よりも早く進む一番大きな要諦は、やはりその地域の方々のまとまりがどこにあるか。先生指摘のように、三分の二以上の賛成があれば動かすことはできるといいますけれども地方公共団体はほぼ一〇〇%に近い方々の賛同を得てから進める方向にある、そのために時間がかかるというようなことがございましたが、そういうようなことで、一人でも多くの方が、三分の二以上で多くの方が賛同されるということがあればこれは進めていくことができるんじゃないかな、そんなことを感じておりました。  いずれにいたしましても、建設省としては、やはりスピード化ということが一番重要なことだろうと思いまして、その点に関して、その目的をいかに達成することができるか、いろいろまた考えていきたいと思っております。
  87. 山本譲司

    山本(譲)委員 終わります。
  88. 平田米男

  89. 田中慶秋

    田中(慶)委員 私、民主党の田中慶秋です。今回の都市開発資金の貸付けに関する法律等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。  まず、この法律によって、民間事業者によって行われる都市開発の促進をするための支援措置を講ずるということになっておりますけれども、これについて、どのような形で、どのような規模で、どのような内容で行っていくのか、まず冒頭にそのことをお聞きしたいと思います。
  90. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今回の法律目的内容、規模ということでございますが、先ほども申し上げましたように、我が国の市街地は、多くの面で良好な都市環境がまだ備わっているという状況ではないということで、再開発による防災性、居住環境等の充実を図っていく、都市の再構築を進めていくという必要があるということでございます。  このため、私ども国、地方公共団体一体となりまして、民間事業者が取り組む都市の再開発を積極的に支援、推進していきたいということでございまして、今回の法律につきましては、先ほど来御質疑をいただいておりますような、民間施行主体等の資金の調達を支援するための無利子貸し付け制度創設でありますとか、あるいは虫食い地整形集約化のための大臣認定制度でありますとか、あるいは民間事業者の経営、技術的能力を積極的に活用するための区画整理と再開発事業一体的施行等々の再開発手法の改善等を内容とした法律案を提出し、これらを一体的に、総合的に実施することによりまして、都市の再構築をさらに一層進めていきたいということでございます。  また、規模ということでございますが、これらの都市の再開発推進するための都市開発資金の例えば十一年度予算案、総額六百五十億円ということでございます。うち、先ほど申し上げましたように、市街地開発事業に係る無利子貸付金は十七億円、区画整理事業に係る無利子貸付金は四十二億五千万円ということでございます。  都市開発資金予算案は以上のとおりでございますが、区画整理、再開発事業等につきます補助金等につきましても所要の額を計上させていただきまして、事業の積極的な推進に努めたいというふうに思っておる次第でございます。
  91. 田中慶秋

    田中(慶)委員 大変、発想と内容はいいと私は思うんですけれども、まず一つは、今、大々的に資金の貸し付けをすると言っていながら、この金額で、大々的に法律をつくってやる金額ですか。まずその辺をお伺いしたいと思います。
  92. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今申し上げましたように、例えば、市街地開発事業区画整理事業準備組合から設立段階を迎えるということになりますと、例えば準備組合を準備のための費用が二億円ないし三億円かかるということになります。これが二年ないし三年間でやるということになれば、一年間で約一億円ぐらいの経費がかかるわけでございます。これをすべて事業の準備をしている人が無利子貸し付けを受けるということじゃなくて、自分である程度事業資金を工面いたしまして、その残余の部分について何とか無利子貸し付けを受けるという格好になろうかと思います。  そういう点につきまして、今の無利子貸し付け制度につきましては、地方公共団体が無利子貸し付けをするに当たりまして、それの二分の一を国があわせ貸しをする、こういうことでございます。したがいまして、例えば、今申し上げましたように、準備組合につきましての貸し付け、国としての貸し付けの経費は、一件当たり、毎年毎年で、一年当たりの経費は数千万ということになろうかと思います。そういうことになりますと、例えば、市街地開発事業の貸付金でございますと十七億円ということでございますので、数十地区について、対象に可能性があるということであろうかと思います。  また、事業そのものも、市街地開発事業あるいは区画整理事業につきましても数十億ないし百億を超えるような事業費がかかる場合がもちろんございます、これは数年間でかかるわけでございますが。それにつきましても、資金につきましては保留床、保留地を売った資金で賄うのが基本でございますが、あるいはまた補助金、管理者負担金等で賄っておるわけでございますが、それらをすべて貸付金で賄うわけではなくて、実際のいろいろな経費で賄っていくわけでございまして、その残余の部分につきまして、一部分について、足らないところを無利子貸し付け制度として活用していくということでございます。  したがいまして、一つの組合に対します貸し付けにつきましては、土地区画整理事業につきましては既に既存の制度がございますけれども、一組合当たり一年間で約九千万から一億円ぐらいの無利子貸し付けという制度の実績がございます。  そういう観点からも、今回市街地開発組合に対します貸し付けもそういうことを参考にしながら、勘案、参酌しながら、そういう格好での組合に対する貸し付けを行っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  93. 田中慶秋

    田中(慶)委員 まあ制度をつくって、仏つくって魂を入れずという、日本にはこんなことわざがあるわけですけれども、そのような形にならないようにしてほしい、こんなふうに思います。  なぜそういうことを申し上げるかというと、特にこの再開発区画整理の一番の問題点は、融資や資金の問題ではないのです。根本的な問題というのは、まず保留床を含めて売れない、高いというところに問題があるわけです、はっきり申し上げて。ですから、この建設コストなり管理コストが非常に高いわけです。考えてみてくださいよ。大体、民間の住宅で、坪百万出したら最高にいいところですよ。ところが、この再開発その他でビルをつくると、大体保留床を含めて三百万、四百万になってしまうのです。ですから、そういうことで考えていきますと、そこにキーテナントも入らなければ結果的にそういうものについて売れなくなってくる等々を含めて、やはり今の問題点資金の融資ということも一つはあるかもわかりませんけれども、そうではなく、今の第三セクターやいろいろな問題を含めて全体的に見直しをする必要があるだろう、私はそう見ているのです。  今回の法案でも、民間と言っておきながら、ここにはちゃんと住宅公団と書いてあるじゃないですか、対象の中に。そうでしょう。違いますか。住宅公団とこう明確に、この参考、「国は、住宅都市整備公団に対し、市街地開発事業、賃貸住宅の建設等に係る業務に要する資金の一部を貸し付けることができる」、これは民間ですか。民間じゃないでしょう。
  94. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今回、私どもお願いをしておりますところにつきましては、民間の再開発事業を中心として、私ども、そういう資金面のコストについての支援をしていこうということが中心でございますけれども、同様に、住宅都市整備公団につきましてもこういう再開発事業が行われておるわけでございます。住宅都市整備公団につきましても、行うこういう再開発事業につきましては、資金面といいますか、全体のコスト面では同じような状況でやはりやっております。  そういう観点から、住宅都市整備公団に対します無利子貸付制度についても、こちらの方としてお願いをしておる、こういうことでございます。
  95. 田中慶秋

    田中(慶)委員 私は、本当の意味で民間をそのような形でサポートして援助するのなら非常に賛成をするのですけれども、この裏には、今住宅都市整備公団というものが特殊法人として今度改正をされる、今までの住宅部門から撤退して、都市市街地の再開発等々に力を入れる、こういう形になっている、建設省の別働隊として、そんなことをある面ではこの住宅公団の救済策としてやっているんじゃないですか、私はどうしてもその辺が納得いかない。民間なら民間と、初めからうたっておけばいいのです。  そして、なおかつ、先ほど私申し上げましたでしょう、再開発区画整理で今一番問題になっているのは、この建設コストが高い、管理コストが高いということ、そうでしょう。今の住宅公団はなぜこの住宅から撤退するのですか。高いからでしょう。あるいは民間と競争しても負けるからでしょう。地方自治体でもそれぞれがやっているからでしょう。二重、三重のことを今やっているわけですよ。だから撤退するということを決めたのでしょう。  そして、今度はこの市街地開発を初めとするそういうところに目を向けてやろうとしている。それもよしとして言うならば、じゃ、住宅公団、今四千八百人の職員で、日本一マンモスのディベロッパーになりますよ。地上げ屋さんになりますよ。違いますか。  そんなことを考えたときに、きのう、おととい、例えば銀行が公的資金を導入する、金融監督庁はどういう査定をされたのですか。そうでしょう。銀行のそれぞれ一行当たりに、職員のリストラ何%やるんだ。平均して一四%でしょう。役員のリストラ三五%やるのでしょう。住宅公団が今回リストラをする役員さん、たった四人だけだ。そして、四千八百人の職員がどうなっていくのですか。  ましてや、これから新しく参入しようとしている開発部門、そのことを含めて、私は、今回の法案の中にあえてその一項を入れてあるということは、何かこの住宅公団の救済策みたいな形にとられてしようがない。その辺を含めて、建設省及び住宅公団の考え方を聞かせてください。
  96. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先ほども申し上げましたように、住宅都市整備公団は現在、都市開発事業都市開発事業を実施いたしております。  そういう、現在住宅都市整備公団が実施をいたしております都市開発事業は、民間事業者のみでは実施することが非常に困難な大規模な再開発事業を大都市で中心に行っておるということでございます。大都市地域においてそういったような再開発事業を行うことは、防災性の問題でありますとか交通の機能の向上でありますとか、そういう点からも大変重要であるという認識を持っておるわけでございまして、地方公共団体民間事業者等、役割分担しながら、公団がこうした事業を今後とも実施していくことが不可欠であろうというふうに思っておるわけでございます。  こういうふうな観点から、今回も、住宅都市整備公団が行います再開発事業に対しまして、無利子の貸し付けお願いするということでございます。  今先生の御指摘のように、住宅都市整備公団のあり方、改革につきましては、今現在新しい法律について提出をさせていただき、御審議をお願いしておるところでございまして、そちらの法案について適切に十分なる御審議を賜りたいというふうに思っておる次第でございます。  また、私ども法案関係につきましては、今申し上げましたように、住宅都市整備公団が現在も行っております都市開発事業、そういうようなものについても、さらに採算性等の観点からもそういう格好での支援が必要であるという観点から、規定を入れさせていただいて、お願いを申し上げているところでございます。
  97. 今泉浩紀

    今泉参考人 お答え申し上げます。  ただいま先生から、住都公団におきますいわゆるリストラということでございまして、私ども、新しい公団につきまして法律で提案をさせていただいておりまして、私ども、仮にそういう法律に担う業務をいかに効率よくやっていくか等につきまして、今懸命の準備をいたしておるところでございます。  その一つの流れでございますが、例えば職員の定員ということから申し上げますと、もう既に、私ども、今やっております住宅の公団の業務の中で、例えば住宅建設とかいわゆる都市開発部門あるいは住宅管理部門、こういった部門につきましては極力削減をいたしまして、公団として新たな業務が期待されております、例えば市街地開発事業とか現在やっております土地有効利用事業、そういったものに人を振り向けまして、全体的なこうした運営をやっております。  一方、その定員といたしましては、私ども、やはりスリム化というのが一つの大きな課題だというふうに認識してございまして、ちなみに、私ども住都公団が五十六年に発足したわけでございますが、現在までにおおむね約一一%のいわば純減をいたしております。  それで、新しい公団になります、お許しいただければなるような場合ですと、引き続きそういった業務を担うべく懸命に努力いたしますが、その中に、やはり新しいそういった概念のもとに、例えば特殊法人におきます削減計画、それに加えまして、分譲住宅の撤退等を含めたスリム化につきまして懸命の努力をいたしたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
  98. 田中慶秋

    田中(慶)委員 スリム化に対する具体的な提案、何もないんですよ、言葉だけで。はっきり言って。分譲住宅からは撤退する、それで今度新しくこういうものをやる、では、四千八百人というのはそのままにして、本当に原価意識を感じているんですか。そうでしょう。ましてや、公団で一番悪いところ、公団が赤、系列会社はみんな黒字じゃないですか。  ということも、例えば一つのプランニングをする、そのときに、本当に原価意識を感じているならば、同じプレゼンテーションをすりゃいいじゃない、図面を、構想をつくるときに。そうじゃない。今までの公団の関係、例えば二千万のものが、そこに三千万に出して、そしてまたそこから次の民間に二千万のものを出す。もうワンクッションで、それだけ高いものにつくり上げている。その構造を直さない限り、今あなたが言っている、一生懸命これからリストラして原価を下げて、何もできませんよ。そして結果的に、赤字がこれだけ出たからということで補給金でしょう。こんな特殊法人の体質がいつまであっても、今回の問題の中に住宅都市整備公団という一項目がそこには入っている。  ですから、私は、少なくても公団の生き残りをかけた一つの法案じゃないかな、こんなふうに心配をしている。本当に民間事業としてやるならば私は一番すばらしいと思っているんです。  では、今の後段の私が指摘した問題について具体的に答えてください。
  99. 今泉浩紀

    今泉参考人 関連会社に対します発注の問題でございました。  私ども、いわゆる業務を発注する場合には、工事あるいはコンサルタントにつきまして、いわゆる一定の基準に基づきまして発注をいたしております。その基準でございますが、国あるいは私ども住宅関係で組織しております公共住宅建設事業者連絡協議会というのがございますが、そういったところで定めた基準に基づきまして発注をしております。  したがいまして、受注するのが、先生おっしゃりますような私どもの関連会社であっても、それ以外の会社であっても、いわば同じというふうに考えています。ただし、先生指摘のような点につきましては、私どもは十分に認識しておりまして、いわゆる全体的なコストの削減ということにつきましては、鋭意検討、また努力しているところでございます。
  100. 田中慶秋

    田中(慶)委員 今のような答えが出ておりますけれども、現実には、例えば一つのコンペをしてそれに参入しようとしても、あなたのところはみんな排除しているんじゃないですか。それで自分たちの系列の中で回しでやっていく。だから、原価意識なんて何もないんです。結果的に高い。いいもので高いんだったらともかくも、同じレベルで高いもので住宅ができたって、民間の方のが売れて公団が残るというのはそういう結果なんです。  そのことに反省をしてないで、今度また新しい都市開発事業、分譲から撤退しました、その感覚で住宅整備等々をおやりになったらば、また大変な赤字を出して、そこにまた補給金を埋めなければいけない、こういうことになりかねないんです。  いいですか、あなたのところは、もう既にそのことを含めて東京二十三区に、何か私どものやる仕事を少し見つけてください、何かありませんか、三千万程度のリサーチをするためにお金を出しましょう、そんなことをやっているんですよ、もう既に。冗談じゃない。自分のところでこういう仕事をやりますから、これからこういうプロジェクトを組んでやりますから、どうかあなたのところ、相談に乗ってくださいとかいうことであるならばいいんですけれども、あなたのところ、やってくるのは、意味が逆なんです。何か仕事ありませんかと。  局長、そんなこと知っているんですか、あなたは。
  101. 今泉浩紀

    今泉参考人 私の方から御説明させていただきますが、ただいま先生から御指摘のございました調査でございますが、正式な調査名でございますが、市街地整備土地有効利用事業展開ニーズ調査というものでございまして、これは土地有効利用を中心としまして、新しい公団事業が今度の法案でございますが、地元との連携、役割分担のもとに業務を展開するという流れの中で、地方公共団体、地方行政という面から、市街地整備課題とか整備方策につきまして御意見を伺おうということで委託調査でやっているものでございます。  ちなみに、これにつきましては、こういう調査をしますということで公共団体の方にお示しをして、公共団体の方から、いわばやってあげようということで事業が成り立っているものでございまして、現在、二十三区の中では十七区、それから東京都、それから政令市を加えて、現在二十七の公共団体がやっているものでございます。先生は玉探しということでございましたが、私どもはそういう玉探しということではなくて、ただいま申し上げたような趣旨調査をやっているものでございます。どうぞ御理解賜りたいと存じます。
  102. 田中慶秋

    田中(慶)委員 いずれにしても、基本を明確にしないとぼけちゃうんですよ。ですから、あなたのところは、これからの生き残りをかけてどういう仕事をします、そのために、では東京二十三区なら二十三区に、こういうことについて公団はこれからはこういう仕事をしていきますのでということだったらともかくも、今あなたのところがとられているのは、何でもいいから公団がやる仕事があったら教えてくださいという、こんな感じでとられていますよ。現実に私はそう受けて、こんなことをしていていいんですか、こんな話があったんですから。ですから、私は申し上げている。  ですから、やはり公団というものが本当にここで参入してやるのであれば、原価意識やあるいはそういうことを含めてやっていかないと、また本当に補給金等々が、すればいいという感覚、これはよくないと思っておりますので、この辺について、今までの前段の質疑について、大臣、どうお考えになりますか、お伺いします。
  103. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 先生指摘の問題につきましては、また私もいろいろ考えさせていただきたいと思います。
  104. 田中慶秋

    田中(慶)委員 いずれにしても、この再開発事業というのは今日まで大変時間がかかっているんですね。今回の資金の問題も、本来民間事業としてそのことが一〇〇%生かされてやることになると非常に私はいいと思うんです、いろいろな面で促進できる。  ただし、先ほどちょっと申し上げているように、今、再開発実態の問題でやはり一番大切なことは、建設コストが高い、管理コストが高いというところに一つあるんです。それはタイム、時間が長過ぎる。そのために、例えば制度改革をして、そのスピードアップといいますか時間を詰めるようにしてほしいという問題があります。  それから、都市計画をするに当たって、都計審で決めたものにもう少し強制力を持たせるようにしなきゃいかぬ、強制力を。ということは、見てください。今、都市計画決定をされて工事未着工というのは約半分ぐらいあります。ですから、都市計画決定をしたというものは、そういう点で都市計画決定の権威、信頼性というもの、そしてこれから事業推進するという面から、私は少なくてもそこにもう少し法的な規制といいますか、法的な強制力、こういうものを持つべきじゃないかということを今まで考えておりました。  たまたま、私が住んでいる横浜の戸塚というのは、昭和三十八年から、再開発でやる、いや区画整理でやる、合意形成がなかなかできないまま今、再開発、しかしいまだに終わっていない。虫食い状態であり、大変な状態になってきている。本当にいつ着工できるのかな。こうして現実に目で見ているものですから。  ただ、今回は法律が、両方が一本になられたことによって私は効果がすごく出ると思うんです。昔は区画整理でやるのか再開発でやるのか、それぞれ役所の指導が違っていたわけです。今回のように両方併用できるような形になってくると、若干の選択肢も出てくるし、あるいは指導その他にも出てくるわけでありますから、そういう点では非常にプラスの面が出てくる。そこにこの資金の無利子ということが出てまいりますと、さらに効果が出てくるだろう。  ただ問題は、やはり地元の商店街が、高過ぎてそこで営業ができないということで、なかなか合意形成ができない部分がたくさんあるわけです。ですから、そういう点では、この市街地開発についてのコストの問題というものをいかに低減するかをこれから研究してほしいと思うし、あるいはまた市街地開発についてのアクセスの問題。それから合意形成の一番問題は、そこの生活者である人たちの生活スタイルが変わってくるわけでありますから、そういう点での問題。それから、自治体としての財政的な措置の問題。しかし、今自治体は財政破綻状態にあるので、このスピードを要求しても大変厳しい問題がたくさんあるわけでありますので、こういうことを含めて、やはり原価意識というもの等々が一番大切じゃないかなと思って、今日までいろいろな勉強をさせていただきました。  こういうことを含めて、あの民都機構がおやりになっているように、固定資産税といいますかあのスタイルをこういうところに徹底しておやりになれば、もう少しこの事業推進ができるんじゃないか、こんなふうに思っておりますので、局長の考え方をお伺いしたいと思います。
  105. 山本正堯

    山本(正)政府委員 ただいま先生がおっしゃいましたように、市街地開発事業区画整理事業、大変今保留床が売れない、あるいは事業の期間が長くなる等々、いろいろ合意形成に、権利関係が非常にふくそうしているということで大変難しい局面を迎えておるということでございます。  その際に、おっしゃいましたように原価意識を非常に強くきっちりと持って再開発事業に当たるべきであるということ、私どもも常にそういう格好で今後とも努めていきたいというふうに思っておる次第でございます。  また、その合意形成、幾つかの点についてお話がございました。合意形成に当たって、生活者の救済、そういった転出者等に対する救済措置等々についてもしっかりとやるようにというようなこともございました。あるいは自治体についての、今現在、窮状に伴いまして、国の方もしかるべき支援をしっかりやるようにというような御趣旨であったろうかと思います。さらには税制の面等々につきましても、私どもとしてはさらに一層この制度趣旨を生かして推進に努めてまいりたいというふうに思う次第でございます。
  106. 田中慶秋

    田中(慶)委員 特に局長にお伺いしますけれども、今回のこの法律は、中小企業の皆さんが参入して、そして今のような無利子の資金法律趣旨にのっとって貸し付けをされるのかどうか。民間であるということ。ところが、私が一番懸念しているのは、民間であるけれども大手ディベロッパーであるとか、こういう問題。中小企業の人たち等々の問題についてやはり参入というものをどのように考えられているのか、お伺いしたいと思います。
  107. 山本正堯

    山本(正)政府委員 この市街地開発事業土地区画整理事業、これにつきましては、組合が行うことに対する支援措置、無利子貸し付け等々でございますが、組合ということでございますので、大企業であるとかあるいは中小企業であるとかということではなく、個人が集まられた組合設立され、組合に対して支援をするということでございます。  あるいはまた、いろいろな今回、区画整理組合、再開発事業等につきましても、例えば特定建築者制度といったような制度の拡充に努めさせていただいたところでございますけれども、そういう特定建築者につきましても、大企業とディベロッパーということだけじゃもちろんございませんでして、例えば医療法人でありますとかそういうふうなものも特定建築者になっておるというようなこともございます。大企業を対象に限っているということは全くございません。  その他いろいろ、民間都市開発事業に関連する制度につきましては、大企業であるとか中小企業であるとか、企業の規模によって差を設けておるということは一切ございません。事業内容に応じて利用可能、制度の活用が可能であるということでございます。
  108. 田中慶秋

    田中(慶)委員 ぜひそうしてほしいと思いますし、特に、市の事業というのは大体大手さんが多いわけですから、中小零細のところも一生懸命やろうとするときに、やはりそういうことも今のような形で配慮をしていってほしい、こんなふうに思っております。  そこで、実は都市基盤整備その他について、土地の集約に関する計画については建設大臣認定という話になっておりますけれども、今の時代、中央から地方へ、官から民へ、こんな形で行政改革が進んでいるわけであります。そこで、建設大臣がやらなければいけないという、その辺について、県知事や指定都市の首長ではよくないかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。
  109. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 これは、今地方分権の大きな流れがある中でございますことは認識をいたしておるわけでございますし、ましてこういうようなことに対しましては、市町村長あるいはまた地域の住民が果たす役割は一番よく御存じでありますから、重要であるということは認識をいたしておるわけでございますが、今回の法案に盛り込まれております事業用地適正化計画制度について、本制度は主に国税の特例措置である、一〇〇%ではございません、一〇〇%ではないんですが、大部分が国税関係でございますので、それで建設大臣認定をする仕組みということになっておるわけでございます。  今の時点ではこういうことでございますが、その内容が変わってくるならば、また法律の一部改正ということで、そのことはまた対処していけばいいんではないか。今の時点は、何か私がそう答弁しますと、私がやりたいというような感じにとれるかもしれませんが、そういうことでなっておりますので、御理解をいただきたいと思います。
  110. 田中慶秋

    田中(慶)委員 税制との問題ということで、国税だから建設大臣がよかろう、こういう趣旨だろうと思いますけれども、県知事あるいはそれぞれの指定都市の首長でできないという理由は私はないような気がするんですよね。  逆に、国税との交渉等々を含めて、具体的に説明や説得力というものが、当該の知事あるいは首長の方がむしろ説得力があるんではないかな、こんなふうに考えて、私は、大臣はもっと大きな政策的な問題でおやりになっていただいて、このような計画について大臣認定を行うなんというようなことは、むしろ地方分権その他の精神からして、税制の問題はあるにしても、それぞれの当該の知事、首長に任せた方がよろしいんじゃないか。  この法律改正をずっと見ていて一番私が気になっていたのはこの辺が気になっておりましたし、そして、今までは、どちらかというと県知事なり指定都市の首長なりが大体最終的な、いろいろな問題について、都市計画でいってもそうでありますし、ほかのことについても相当の権限が持たされているものですから、この辺は、再度、私の申し上げたことについて大臣あるいは局長から答弁をいただきたいと思います。
  111. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 それともう一つ、私は、このことだけではなくして、大臣として、いわゆる再開発というのは強力に指導をしていかなければ、先ほどの山本議員の質問にもございましたように、今まで長期にわたっておる、十年なんかでできたものなどはごくわずかでしょうから、そういうような意味におきまして、再開発を強力に指導していくという立場で、ぜひその一環として、しばらくの間私に対処させていただきたいと思います。
  112. 田中慶秋

    田中(慶)委員 今のような経緯と説明であれば、大臣あと十年ぐらい大臣をやってくれれば日本の虫食いが全部なくなるかもわかりませんけれども、いずれにしても、そういうリーダーシップを発揮していただくということも含め、税制の問題、そういう意味があるなれば、こんな質問をしなくても済むように、もっと前からその辺を明確にしてほしいね。一々聞かないとわからない、それが今行政の一番悪いところですから。あるいは、情報公開云々よりもむしろその謙虚な姿勢が必要だろう、こんなふうに思いますので、ぜひその辺は期待しております。  また公団に戻って大変恐縮です。別にあなたのところをいじめるわけでも何でもないんですけれども。  これからの事業を、住宅販売の形から都市整備あるいはまた虫食い等々を含めておやりになる、こういうことでありますけれども、今までと絶対変わらなければいけないのは、九時から五時では仕事はできませんよ。これが一つ。月曜日から金曜日で、この今問題になっているような土地の処理をしようと思ったら、これはできませんよ、はっきり申し上げて。ですから、フレックスタイムを導入するとか、あるいは、例えば整備公団と農協が別会社をつくってそれをやるとか、何かそういう形でやっていかないと、先ほど申し上げているように、時間当たりのトータルとしての時間コストは高いけれども成果は上がらない、こんなふうに考えておりますけれども、その辺はどのように対処するのか、決意を述べてください。
  113. 今泉浩紀

    今泉参考人 お答え申し上げます。  現在の私ども公団の仕組みというのをちょっと前もって御紹介させていただきますが、いろいろなやり方がございまして、例えば、勤務時間の変更制度とか休日の振りかえ制度等によりましてお客様とか地権者に対応いたしておりますが、ただいま先生が御指摘になったようなことを踏まえまして、新しい公団の発足がかないますれば、私ども最大限努力してまいりたいと思います。  その基本にありますのは、やはり職員の意識改革だろうというふうに私考えております。もちろん機会をとらえまして職員の意識の啓発、啓蒙をしておるわけでございますが、CIという一つの手法を導入いたしまして、職員の方に徹底を図ってまいりたい。その一つに、先生から指摘ございましたコスト意識の問題がございます。このコスト意識の徹底につきましては、CIの大きな柱の中に据えて、そういった面でやってまいりたいというふうに思っております。  よろしく御指導方お願いいたします。
  114. 田中慶秋

    田中(慶)委員 ぜひこの辺は徹底してやっていただかないと、特殊法人としての存在価値がなくなってまいりますから。職員そのものが今不安定な状態であるんですから、今こそその辺をみんなでちゃんとしていく必要があるだろう、こんなふうに思いますので、その辺を徹底してください。  次に、今回の法律と、中心市街地活性化法という法律がありますね、これとの関連。ここでも、大体ことし事業ベースで一兆円ぐらい組んでいるわけでありますから、こういう問題でこの関連はどうなっていくのか、お伺いしたいと思います。
  115. 山本正堯

    山本(正)政府委員 中心市街地法、去年成立したわけでございますが、この趣旨も、空洞化が進んでおります中心市街地の活性化を図るという観点でございます。これは、関係省庁とか公共団体、民間事業者等が連携して、市街地整備改善とあわせて商業の活性化、商店街の活性化を図るということを総合的、一体的に推進することを目的として定められたものでございます。これも都市の再開発の大きな事業の施策の一つであろうというふうに考えております。  今回の法律改正、まさに私ども都市の再開発に取り組みます民間事業者等に対する支援の拡充を図っていく、区画整理事業をやりますとか、あるいはそれに対します無利子貸し付けを行いますとか、そういうような民間事業者に対する支援の拡充を図っていくということでございますので、この中心市街地における市街地整備改善を進める上でも、両々相まってやっていく必要があるということで、大変有効であると考えております。大いに、中心市街地の活性化に向けて、中心市街地法律あるいはまた私どもの今回の法律の活用が期待されるということでございます。
  116. 田中慶秋

    田中(慶)委員 ぜひ横の連携をしっかりと、はっきり言ってセクショナリズムにならないで、建設省、通産省、自治省、こういう問題がこの関連法案にはあるわけですから、どちらかというとそのリード役が建設省であろうと思いますので、そのことを含めて、今回の法律とあわせて、リンクしてやればもっと効率のいい、中心市街地活性というものがより有効的になると思いますので、そういうことをしっかりとやってください。これを指摘しておきます。  そこで、今のような問題とあわせて、今回の都市開発ということは、例えば駅前の整備とか駅前再開発とかというのが必ず出てくるわけですね。そうすると、先般も質問しましたけれども、駅前の国が管理している河川等々の問題が出てまいります。  今までは、河川法だということで、河川局の方は大変頭がかたくてなかなかフレキシブルにならなかったわけですけれども、今回大分、大臣も含めて、いろいろなことを前向きにという問題もございまして、期待をしているわけでありますが、やはりこういう一連のことが、相乗効果が出るようにしないといけないのだろうと思うのです。  例えば大船駅前、もう何十年という地元の期待があっても建設省河川局がノーノーノーという、何かそんな言葉しか今まで聞けなかったわけでありまして、今回のような中心市街地の問題あるいはまた今の都市開発の問題等々を含めながら、この辺について河川局として大変期待にこたえられるような考え方を示していただきたい、こんなふうに思っております。
  117. 青山俊樹

    ○青山政府委員 今お話ございました大船駅前につきましては、現在鎌倉市が中心となって大船駅西口地区整備計画案を作成中だというふうに認識いたしております。今後、この計画作成に協力するとともに、事業につきましても、区画整理との一体整備の中で支援できるものについては積極的に対応してまいりたい、かように考えております。
  118. 田中慶秋

    田中(慶)委員 この前建設大臣が、このことを熟慮して検討しますということでございましたので、今までの河川局からすると大変な飛躍をした考え方であろうと思いますし、やはり実態を見ていろいろなことをしていただいているようでありますから、地元でもう既にあのことだけでも何回もプランニングができているわけですから、もう少しそういうことを含めて取り組んでほしい、こんなふうに思っております。  次に、昭和四十五年六月十日施行されました新都市計画法であります。  やはり都市基盤の整備都市開発ということになりますと、この線引きの問題というのはある意味では避けて通れない部分があろうと思うのです。まず一つは、駆け込み的にあの線引きがされたということについての認識をぜひ持ってほしい。ですから、今の例えば住居地区にしてもあるいは路線住居についても、一種にしても二種にしても、みんなばらばら、基準がない、こういう状態になっております。  こういう問題を含めて、確かに地方自治体の問題であろうと思いますが、建設省は最終的に報告を聞いたりあるいは線引きに対する指導をしているわけでありますから、こういうことを含めて、四十五年当時、この線引きは三年から五年で見直しをしますという、これは大変な、私有財産の拘束を含めてこの見直しというものはあるわけであります。  それも、今回、この新しい都市基盤の整備等々を含めて考えますと、線引きの見直しをどうするのか、今の用途の問題についてある一定のマニュアルをつくってこれから指導していく必要があるだろう、現実にはそのマニュアルは建設省はお持ちじゃないわけでありますから、そういうことを含めてやる必要があるだろう、こんなふうに思っておりますが、建設省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  119. 山本正堯

    山本(正)政府委員 都市計画制度でございますが、先生御案内のとおり四十三年にできまして四十四年に施行されたわけでございますが、その当時の状況、郊外のスプロール化がまだ進んでおるというような状況から、現在は成熟した都市といいますか、都市の中心部の衰退がかなり顕著になってきておるというような状況、人口の増がとまるあるいは経済成長が非常に鈍化する、高齢化が進む、少子化が進むといったような点で、社会状況、いろいろ経済状況が大変変わってまいっております。  そういう点を踏まえまして、四十五年に行いました線引き等につきましても、これはおおむね五年ごとに都市計画基礎調査をやっておりますが、その結果を踏まえて、それぞれ計画的な整備の見通しが立った地区から随時機動的に見直しを実施しているところでございますけれども、この制度自体について、具体的に、現在の制度あるいは見直し、線引きそのものがいいのかどうかといったようなことにつきまして、今後やはり再検討、検討していく必要があるのではないか、こういうふうに私どもも考えておるところでございます。  私ども、そういう観点から、都市計画制度全般についての見直しについて検討をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  120. 田中慶秋

    田中(慶)委員 特にこの用途の問題等については、やはりそれぞれ時代とともに変化することだと思っているんです。だから、用途の問題もしっかりとある程度のマニュアルをつくって、おもしろい例があるんですよ。幹線道路があって、路線住居がある。一種住専があって、中に二種住専があって、そして調整区域ですよ。普通ならば、二種があって一種があって調整ですよ。ところが、そういうところが至るところにあるんです。  そういう問題を含めながら、この線引きというものに対するマニュアルをつくって、そして指導してほしいということと、今おっしゃられているように、もう四十五年から相当の月数がたっている。五年ごとの見直しといってもなかなか、微調整しか見直しをしていない。こういう点では、ある面では大変迷惑をかけている部分があるわけであります。  三年か五年たったら見直しができるから、とりあえずはこうしていこう、それが十年も二十年たっても全然見直しされていない。これが現実でありますから、ぜひ、デスクワークだけじゃなくて、全体的に見て、リサーチをして、その検討を進めて、そして高級官庁として地方自治体に指導するとかそういうこともやってほしいな、こんなふうに思いますよ。その辺の局長の考え方をぜひお聞かせください。
  121. 山本正堯

    山本(正)政府委員 線引きとか用途地域につきましての柔軟な見直しを推進するという観点から、私どもとしましては、公共団体に対しまして、従来から通達で比較的緩やかな基準をお示しいたしまして、地域の実情を踏まえたそれぞれの個性ある町づくり推進するようにということで指導をしておるところでございます。  そういう線引きに関する都市計画の基礎調査の結果を踏まえて、必要なところから線引きを見直すとともに、そういうような基準を踏まえて、各地域公共団体が個性ある町づくり推進するための用途地域線引きについての見直しをやっていただくようにお願いを申し上げたいというふうに考えておる次第でございます。
  122. 田中慶秋

    田中(慶)委員 ぜひ、国道とか県道とか幹線道路から百メーターはそういう見直しの対象にするとか、そういう基本を明確に示すことによって、今のような線引きの見直しというものができていくと思いますので、やはり何の基準もそういうものが全然ないわけでありますから、ぜひ再度そういう問題について検討してください。  農水省、来ていますか。農水省も同じような形で、調整区域の中で農業振興地区、あるいは調整区域の中で農用地とかあるいは専用地区とか、いろいろな問題がございます。  これは確かに地方自治体の問題でありますけれども、農水省として、はっきり申し上げて、そういう指導的な問題について、農地を守るということも大切でありますけれども、現実には郊外に、調整区域のところに大きなショッピングセンターができてみたり、あるいは住宅ができてみたり、そのことによって、今回の都市開発等々の問題も含めながら、ある面では非常に迷惑もかかっている部分があるのですね。  何年もかけて駅前の整備をしよう、都市開発をしよう、こういうときに、大分距離を置いている、車の時代ですから二キロ、三キロ離れたところに住宅地が、今までの調整区域、線引きの見直しをしなくてもそういうところに出ている。ショッピングセンターがある。そうすると、都市開発、駅前再開発なんというのは逆におくれてしまう。こういう問題があるものですから、こういう問題等についてどういう指導をなさっているのか、あるいはまた、もう地方分権だから全部地方自治体にお任せしているよ、こういうことなのか。  ところが、いろいろなことを含めて、時々口を出すのですね。税制なんというのは、緑地指定で二十五年、三十年あるいは五十年なんというのは地方自治体でやったんじゃないですからね。国がやっているわけですから。あれだって、これから五十年、幾ら寿命を考えても生きられない人にそういうことを押しつける。現実にそういうことがあるわけですから、やはりそういうことを含めて、もう世紀が変わるのですから、二十一世紀に。いろいろなことを含めて、私は見直しをする必要があるんじゃないかな。  あるいはまた、分権というものをちゃんとする。こういう今のような問題についての取り組みをしっかりとすることがこの都市の再開発、そして特に必要なのは、それぞれの都市が画一的じゃなく、もっとユニークで、そしてすばらしい町があっていいと思うのです。そういうものをつくるためには、今の農水省のいろいろな問題も弊害になっているわけですから、そのことを含めて考え方を聞かせてください。
  123. 渡辺好明

    渡辺(好)政府委員 優良農地の確保とそれから土地の合理的な利用、これはいずれも大事なことでありますので、適切な調整をとることが必要だろうと私は思います。  今、御指摘がありましたのは、具体的に言えば、線引きの際の設定もしくは除外、あるいは定期的見直しといいますか、そういう点についての基準なりということをきちんとしろということではないかと思うのです。  これまで、私ども、局長通達をよりどころにしまして都道府県や市町村を指導してまいりました。このたび、地方分権の一環でもございます設定、除外について、明確な基準を法律等によって明らかにする、そして地方公共団体がこれをよりどころとして運用するというふうにしたいと思っております。  それから、二つ目には、見直しの問題につきましても、おおむね五年ごとの基礎調査をもとにいたしまして必ず見直しをするということを義務づける。こういう二つの柱、これを主たる内容といたしました農業振興地域の整備に関する法律の一部を改正する法律案を、実は昨日閣議決定をいたしまして、国会に提出をしたところでございます。  今後は私ども法律上、基準をきちんと明確化することによりまして、この合理的かつ適切な運用を図りたいと考えております。
  124. 田中慶秋

    田中(慶)委員 見直し等々の問題についても今お話があったようなことでありますが、特に市街化地区における農地の問題、税制の問題等あって、本当に農地なのか、遊休地なのか、雑種地なのかわからないようなのがいっぱいあるんですよ、はっきり言って。若干木を植えて、木というか果樹木を植えて、確かに農地かもわかりませんね。ですけれども、そういう問題も含めてありますので、やはりいろいろな問題を含めて、農地としての扱い方、あるいは時代とともに変化しているわけですから、その地区のニーズにこたえた線引きをちゃんとして、本当に五年ごとに見直しをすると言ったのだから、やはり役所はうそを言っちゃいけないですから、見直しをしないとね。そういう指導をしてやってください。ぜひお願いを申し上げたいと思います。  時間も大分来ましたので、実は大臣にお伺いしたいのですけれども、この一連の再開発区画整理組合あるいは都市開発等々の問題も、一番大切なことはスピードなんですね、はっきり申し上げて。そのスピードが今のニーズに全然こたえていないと思う。もう二十年、三十年はざらなんですね。ですから、当初の計画が、まるっきり見直しをしなきゃいけない。地価が、坪四、五百万していたものが、今はもう百万くらいになってしまった。そんなことで地権者等の思惑も全然違ってくる。それは何かというと、その時間のタイムラグなんですね。ですから、スピードがもっと速まることによって促進もできるし、私は、スピードはやはりこれからの都市開発、再開発区画整理の最重点課題としなければいけないような気がします。  そこで、大臣にその考え方と、具体的な手法があれば、大臣の考え方をお伺いしたいと思います。
  125. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 確かに、再開発はどうも余りにも時間がかかり過ぎるということが一番のネックだろうと思うわけでございまして、それに対しますこれという強力な解決策はないというのが正直なところだろうと思いますけれども、やはりそれのいささかの側面的なバックアップになってくるということは、説明責任というか、その事業自体がスタートするときから、その関係者の方々に十分な説明をし、そして理解をしていただいてスタートをする。その当初からだめであった場合には、これは当初から逆にもうやめるべき話であるのではないかなというふうに私は思っております。  それと、こういう時代でございますから、地権者がその地域の発展のためにまた協力をしていただく、そういう感覚もまたぜひ持っていただいて、両々相まって、少しでもその時期を縮めていく、完成の時間を早くしていくという方向で努力をしていかなければならないと思っております。  ですから、またそういう方々のためには、何といいましても予算は当たり前のこと、また税制のことは当たり前のことだろうと思いますから、そういう側面的な、やはり環境整備といいましょうか、そういう方々がなお一層理解をしていただく環境整備をあらゆる角度からやっていくという以外に方法がないのではないかな、そのように思います。
  126. 田中慶秋

    田中(慶)委員 私も、地権者の人たちのいろいろな考え方も聞かせていただきましたけれども、時間が長いために自分の計画ができないということもありますし、例えばそこに再開発ビルができたときに自分はどこに行くのか、まずそのことも不安定でわからない、何の答弁も出ない。あるいは、これから管理費を初めとするその費用がどのぐらいかかるかという問いに対しても、今のような変動が激しいと何も答えができない。これが現実なのですね。  ですから、ある面で再開発に協力してもらいたいけれども、その人たちができないという理由もそういうところにあるわけでありますから、やはり明確にそれらについて答えてやる必要があるのだろう。こんなふうにこれから、この再開発を初めとする都市開発のあり方としてそういうことが、地権者の人たちが有利になるなんて言っておりませんから、不安のない、そして具体的に心配を明確に解消できるような形をとる必要があるのだろう、こんなふうに思っておりますので、そのことをぜひ配慮していただきたいと思います。  特に、これからの建設省あるいは地方自治体としていろいろな協議をしてもらいたいのは、やはりこれからの開発、再開発区画整理、都市開発について、今の少子高齢化というこの時代をしっかりと受けとめないといけないと思います。  そこで、例えば高齢者施設であるとか、文化施設であるとか、保育施設であるとか、教育施設であるとか、厚生施設であるとか、こういうことも再開発の一つの大きなビルの中に、あるいは区画整理、区画整理はそんなことはないわけですけれども都市開発の大きな目玉としてやっていくと、私はこれがより促進できるのではないかなということをかねがね思っていたものですから、そのことを申し上げました。  大臣、そのことについて、もし考え方があればお答えいただきたいと思います。
  127. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 確かに、すばらしいサジェスチョンをいただいたと思っております。確かにそういう例えば保育施設であるとか、あるいはまた年配者の方々はコミュニケーションの場が少ないわけですから、そういう集会場所等々もその中に設置をするというようなことも当初からの計画に入っておれば、なお地権者の方々理解も得られるのではないかな、そのように思いました。いい御指示をいただいたと思っております。
  128. 田中慶秋

    田中(慶)委員 以上で終わります。
  129. 平田米男

    平田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十四分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議
  130. 平田米男

    平田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。石井紘基君。
  131. 石井紘基

    石井(紘)委員 石井でございます。  最初に、私この間、先週末に、あそこの市川と船橋の間のあたりに三番瀬というのがありまして、これ行ってみましたら、まあ大変広大な干潟でございまして、今ごろはカモが、あるいはシギとか千鳥なんというのがもう一生懸命えさをついばんでおりまして、大体ああいうところは、潮が引いている間に、その短時間の間にえさを食ってしまわないと、もう潮が満ちてくると、シギ、千鳥なんというのはほんのもう何センチかしか水の中にくちばしが入りませんから一生懸命食っておりました。だんだんとシベリアの方が今度は雪解けになってくると向こうの方へ渡っていくようですけれども、たくさん鳥がおりました。それで、私もずっと生まれてから東京でございますので、小さいころは潮干狩りだとかあるいはハゼ釣りなんというのにあの辺の近所まで出かけていったんだろうと思っておりますが。  ところで、あれを埋め立てるということで大変大きな、近隣の住民の皆さんを初めとする全国的な関心を呼んでおるわけでありますが、あそこになぜ埋め立てるかというと、その目的の一つは第二湾岸道路を通すんだということでありますが、これは建設省、どういう計画になっているんですか。
  132. 井上啓一

    井上(啓)政府委員 第二湾岸道路状況についての御質問でございますが、第二湾岸道路、首都圏の幹線道路ネットワーク、三環状九放射の一つということで現在基礎的な調査を進めているところでございますが、今お話のあの三番瀬のところにつきましては、県の方で環境再調査、予測調査を実施して、環境保全に配慮した計画を策定すべく見直し中というふうに聞いております。  そういうようなことで、その検討結果を踏まえて、埋立地を通過するという案も今までは一つの案でございましたけれども、今検討をしている最中というふうに聞いておりますので、その埋立計画の再検討の結果を踏まえて、第二湾岸、埋立地を通過させるのかどうかというようなことも幅広に検討をしてまいりたいというふうに思っております。  なお、第二湾岸のために埋め立てが必要というふうになっているというふうには考えておりません。
  133. 石井紘基

    石井(紘)委員 これは調査、再検討の期間というのはかなりかかるようなんですが、そうしますと、道路局としてはあの上を通さないということも十分あり得るということですか。
  134. 井上啓一

    井上(啓)政府委員 いずれにいたしましても、県の検討結果を踏まえた上できちんとしたルートあるいは構造等は検討していきたいというふうに思っております。  そういうことで、検討結果を待たないと、何とも今のところ状況としては申し上げられません。
  135. 石井紘基

    石井(紘)委員 もう少し道路というのは、あの辺へ行くと、こっち側には東関道が通っておる、下の国道を私通って行ったんですが、そうすると左側には京葉道路が通っておる、ちょっと向こうの方には湾岸道路が通っておる、下にも何本か通っておる、何しろ見渡す限りもう道路だらけ、そういうことでございますから、道路というのはつくれば渋滞が減るのかどうなのか、そういうようなこともある。これは、あの湾岸道路なんというのはアクアラインの観光のためにつくったような道路でしょう。がらがらでしょう、あそこの道路自体は。あんなところで一万円も往復かけて野菜を積み出したり魚を積み出したりして東京方面に売りに来たって、それは商売にならないわけですから、通る人はいないわけですよ。本当に必要で通るという人は非常に少ないわけですね。だから、道路行政という立場から、現地の検討結果を待ってとかそんな主体性のない答弁ではだめです。もっときちっと主体的なやはり価値判断というようなものをしなきゃいけません。  そのことを申し上げて、何度聞いてもあいまいな答弁なんでしょうから、そのことはそれで一応、あとは今後のことにしておきます。  ところで、本題でありますが、住都公団は区画整理事業というのを今全国で幾つやっているんですか。それで、この事業が開始されてから幾つ行ってきたんですか。
  136. 平田米男

    平田委員長 住宅都市整備公団島崎参考人。  局長が答えるんですか。山本都市局長。
  137. 山本正堯

    山本(正)政府委員 御無礼申し上げました。  区画整理事業を今やっております住都公団でございますが、全体で事業着工が百八十一、うち換地処分をやっておりますのが百十九、施行中が六十二ということでございます。
  138. 石井紘基

    石井(紘)委員 いわゆる何もないところに、例えば埋立地だとかあるいは多摩の方だとか、そういうほとんど都市的な再開発というものを伴わない、そういう区画整理というのも区画整理と言えば言えるんでしょうけれども、そういうものではなくて、例えば一般民間で言えば、区画整理組合をつくって、駅の近辺だとかあるいは繁華街だとか商業地域だとかそういうところでの大型の区画整理を行う、そういう意味での区画整理は幾つあるのかというふうに聞いたわけです。そして、多分十かその前後だと思いますので、それはどことどこなのか、言ってみてください。
  139. 島崎勉

    島崎参考人 住宅都市整備公団が市街地で行っている区画整理事業でございますが、特定再開発という形での区画整理を現在十一地区で行っております。その地区名でございますが、仙台市の長町地区、埼玉のさいたま副都心地区、立川基地跡地関連地区、千葉中央地区、新川崎地区横浜でございますが、みなとみらい21地区、尾張西部都市拠点地区、大阪の竜華都市拠点地区、京都市の丹波口駅地区、神戸ハーバーランド地区、それから福岡市の香椎浜都心地区、以上でございます。
  140. 石井紘基

    石井(紘)委員 組合施行なんかの区画整理事業というのは、見てみると大体、JRにしても私鉄にしても大概の駅の南口、北口、東口、西口というようなところでそれぞれ駅前再開発というようなものが区画整理で行われる、あるいは商業地域等でも進んできた。こういうものは恐らく戦後、万の単位あるんだろうと思うんですね。この特定再開発事業ができてから約二十年足らずですか、その間だけを数えてみても民間とか地方公共団体で行うこうした再開発区画整理事業というものは数千あるだろうと思うんですね。そういう中で、住都公団がやったのは、完成したのは一つだけです。今やっているのは十。こんな程度のものですよ。しかも、公団がやる事業はとにかく長過ぎるという評判、それから少な過ぎるということですね。だから、一体こういうものが公団じゃなきゃできないという理由があるんだったら、何か言ってみてください。
  141. 山本正堯

    山本(正)政府委員 住都公団が行っております土地区画整理事業でございますけれども、先ほど先生指摘のように、特定再開発事業につきましては、現在やっておりますのは十地区でございます。  公団の施行する土地区画整理事業につきましては、DID内で民間が施行する土地区画整理事業に比べまして地区面積では四倍、施行期間で約二倍ということで、民間の施行に比べまして、より大変実施が難しいところの事業であるというふうに考えております。民間では実施が非常に困難であるというようなものにつきまして公共団体から要請がある場合等、公共性の高い地区におきまして、公団が持ちます資金力と経験、ノウハウ、技術力と組織力を活用いたしまして事業推進するということにしておるわけでございます。地区の数といたしましては、必ずしも、民間がやります区画整理事業を合わせました数字の箇所数から見ますとそれほど大きな数字ではございませんけれども、担っております役割、その事業の重要性というのは変わることはないというふうに私ども思っております。
  142. 石井紘基

    石井(紘)委員 今、民間では実施が困難ということを言われて、その理由資金力とか経験、ノウハウ、それから技術力、こういうものを挙げられましたね。資金力といったって、これは国からの補助金をつぎ込んでやるというだけの話でしょう。それは補助金の行き先だけの問題でしょう、そうすると資金力というのは。行き先だけの問題ですよ。それから経験とかノウハウ。経験というのは何ですか、これは。それは全国的に十一やっているから、そのほかのものはそんな区画整理といったって何もないところへ道をつくったりなんかするものですから、経験といったってこれはただ経験だけの問題ですよ、あるとしても。それは養成すればできることだし、また能力のある人がやればいいだけのことであって、技術といったってどういう技術ですか。地上げの技術ですか、あるいは談合だとか何か。  だから、結局はあなた方が言っているのは理由がないんですよ。公団じゃなくても十分、だれでもできるんですよ。そういうことです。  ところで、私は、今私が申し上げたことをるるこれから証明していきたいと思うんですが、この間私は、今挙げられた京都丹波口の区画整理事業を見に行ってまいりました。そこで、この京都の丹波口駅というのは、あれはJRの山陰本線の京都の次の駅ですか、というところですが、これは今ちょっと言われた要請に基づいて行われている事業ですね。だから、公団がやっている再開発区画整理事業というのは、一つは公団自体が直接やるものと、委託を受けてやるものと、それから要請によって行うものですね。このうちの要請というのは、これは京都の市からの要請ということでやっておるわけです。  そこで、この事業施行者、つまり事業主体というのは、したがってこれは住都公団ということだと思います。当然、これは大臣の認可ですから、認可の申請者は公団であろうと思いますが、そこまで間違いありませんか。
  143. 島崎勉

    島崎参考人 ただいまの公団事業に対する要請でございますが、京都市と京都府から要請をいただいております。そして、公団事業としての事業認可は建設大臣でございまして、間違いございません。
  144. 石井紘基

    石井(紘)委員 この要請というのも、これは公団法に書いてあるんでしょう。何かよくわけのわからない、要するに住都公団というものはそういう要請を受けることができるということを住都公団の法律に書いてある。その住都公団そのものの存在というものも、法律的にはどこにも位置づけられていないんですね。公法にはどこにも書いていない。住都公団法という自分たちの法律があって、その中に設置法というのがあって、それで住都公団というものがある。とにかく公団そのものがえたいの知れない、宙を舞っているようなそういうものなんですが、それにまた要請をすることができるとか受けることができるとか、そういうようなことが書いてある。  その要請というものに基づいて公団は認可申請をするわけですが、その前に、都計審の結果を受けて計画決定をするのは、これは京都市じゃないんですね、公団でもない、これは京都府なんですね。計画決定をするのは京都府。それで建設省が、大臣が認可をする。そうすると、公団がそれを施行者となって、事業主体となってやる。ところが、その補助金は、どういうわけか今度は京都府に行く。そういうことですね。
  145. 島崎勉

    島崎参考人 都市計画決定につきましては、区画整理事業都市計画決定は京都府が行うということになっているわけでございます。それで、事業は公団がやるわけでございますが、いろいろ区画整理の補助金等がございまして、その補助金につきましては、地元の市町村が国からの補助を受けて、さらに、その地元の市町村の、自分自身の経費を含めまして、公団の方に補助金として交付をされておるわけでございます。
  146. 石井紘基

    石井(紘)委員 なかなか、あいまい重ねみたいな話でございまして、どこがどういう責任ということになっているのかさっぱりわからないわけですが。  そこで、この丹波口駅地区区画整理事業というのは相当の広さのものでございまして、これが事業認可があったのが平成三年の九月、認可があった。それで、認可があってから、今度は審議会というものができるわけですね。地元の地権者や、いわゆる知識人とかなんとか書いてありますけれども、公団がつくるものです、審議会というのをつくる。そこで、本来であれば、いよいよ具体的に事業計画がつくられていくはずなんですね。例えば換地計画だとか、具体的な交渉も行われていく。  ところが、この区画整理事業の中には、大阪ガスの広大な敷地が含まれておる。あるいは、日本たばこ産業の広大な敷地が含まれておる。この二つが何といってもメーンなんですね。しかも、この大阪ガスの場合には、京都リサーチパークという構想がありまして、もう既に、計画決定あるいは認可以前に、このリサーチパークの一号館なんというのは建てられてしまっているわけですね、大阪ガスに。これが区画整理の区域に入っている。これはどういうわけなんですか。
  147. 島崎勉

    島崎参考人 区画整理の区域には、市街地でやる場合にはもともといろいろな施設がございますので、そういう意味での既存の施設というふうに理解をしております。
  148. 石井紘基

    石井(紘)委員 というと、その区画整理の中で、これもまたできたばかりの立派な、大きなビルですよ、こういうものをまた壊して移動したりなんかするのですか。
  149. 島崎勉

    島崎参考人 区画整理の場合に、基本的に土地の整地でございますので、新しい建物等がある場合において、それを移動するかどうかは具体的な換地計画の中で決まるものというふうに考えております。
  150. 石井紘基

    石井(紘)委員 そういう無責任な、言い逃れみたいな答弁をするのだったら、換地計画を出してください。
  151. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先生指摘の、京都市の丹波口での駅の土地区画整理事業でございますけれども、これは、現在約九〇%の地域において仮換地指定が行われておる、こういう工事の段階だというふうに承知をいたしております。  この事業地区全域の仮換地につきまして、一般に公開するかどうかということでございますが、個人とか企業の資産に関する情報ということを第三者にお知らせするということになるわけでございますが、一般に、個人の資産状況に関する情報というのは、借地権がそこについているかどうかとかそういうようなことを初めとしまして、他人に知られたくないような場合がございます。そういう意味で、関係者のプライバシーが侵害される場合も予想されるわけでございますので、こうした点を踏まえまして、仮換地指定の公表については、個別の地区状況を踏まえながら、プライバシーの保護にも配慮して検討していくことが必要であるというふうに考えておるところでございます。
  152. 石井紘基

    石井(紘)委員 その答弁は納得できないですね。これは予算をつぎ込んでやっている事業ですから、内容を明らかにできないということは通らない話です。これは納得できない。ちょっとそれはまたあとの問題としておいておきます。  それで、ここに大阪ガスとたばこ産業があるわけですね。大阪ガスとの話の経過はどういうことだったのですか。
  153. 島崎勉

    島崎参考人 大阪ガスとの話の経過ということでございますが、京都市におきまして当地区区画整理事業の検討を進める段階で、大規模地権者の一人であります大阪ガスにつきましても、事業化に向けた意向把握を実施したところでございます。  平成年度に京都市から公団に事業要請があったことを受けまして、公団といたしましては、区画整理事業事業計画認可、仮換地指定につきまして、地権者である大阪ガスにつきましても合意形成のための説明を実施いたしまして、そういう形での話し合いをしたということでございます。
  154. 石井紘基

    石井(紘)委員 ちょっと待ってくださいよ。  これは、いいですか、知事決定平成元年の五月、それで大臣認可が平成三年の九月ですよ。今の答弁は、平成元年に大阪ガスともう既に話し合いをしておったと。ということは、その他の地権者、これは全体で約百人ぐらいいるわけでしょう、その他の地権者は、この事業認可がおりた後審議会というものがつくられた、そこからスタートをしているわけですよ。それ以前に、それではあなた方は、大阪ガスとか日本たばこ産業と既に、どういう区画整理をやるかというようなことの、私、さっき言葉が滑って談合とか言いましたけれども、そういうやりとりをやっていたのですか。
  155. 島崎勉

    島崎参考人 ただいま、ちょっと誤解を生むような形があったかと思いますが、大阪ガスとの話し合いというものは、要請をする側の京都市ということでございまして、公団の方におきましては、平成元年に京都市から要請があった、それを受けまして話し合いをしたということでございます。
  156. 石井紘基

    石井(紘)委員 だから言っているんですよ。京都市から要請があったということは、事業認可以前ですよ。公団が入ってくるのは、いいですか、正式には事業認可があってからでしょう。少なくとも認可申請をしたのは公団ですから、もうちょっと前だとしても認可申請をした時点でしょう。その他の地権者とは話をしてないわけでしょう。大阪ガスとか日本たばこだけと話をしろと京都市から本当にあったんですか。京都市が責任者ですか、それは。
  157. 島崎勉

    島崎参考人 平成元年の京都市からの要請があった後におきまして、いろいろな地権者の方々説明会等を実施したというふうに理解しております。
  158. 石井紘基

    石井(紘)委員 京都市から要請があったのは、区画整理事業をやりたい、公団にその要請をしたいということで、区画整理事業をやってくれという要請があったんでしょう。もうその時点から本当に地権者みんなを集めてやりましたか。後に残ることだからね。
  159. 島崎勉

    島崎参考人 地権者の方々全員をお集まり願って説明したかどうか、ちょっと今手元に資料がございませんので、後ほど御報告させていただきたいと思います。
  160. 石井紘基

    石井(紘)委員 全員をやっているわけないでしょう。そもそも審議会だって全員とはやらないんだから。  この土地区画整理審議会、これは住民が、権利者が入って、権利者が主体ですが、土地所有者あるいは借地権者、こういう人たちの要するに機関というものが初めてできるわけですが、この審議会ができたのはいつですか。
  161. 島崎勉

    島崎参考人 土地区画整理を行う場合に、具体的な意見を聞く場といたしまして、土地区画整理審議会というのを設けておるわけでございますが、この審議会の発足は平成四年の二月でございます。
  162. 石井紘基

    石井(紘)委員 審議会は平成四年の二月というわけでしょう。ここから始まるわけじゃないですか、地権者や土地所有者とか借地権者との話し合いというものが。そうすると、あなたたちはそれより四年も前から大阪ガスやたばこ産業と既に打ち合わせをやっておったということですよ。  あなた方は、そういう区画整理をどういうふうにやろうかということの研究会をやっておりませんでしたか。
  163. 島崎勉

    島崎参考人 まず土地区画整理審議会についてでございますが、土地区画整理審議会につきましては、公団がいろいろ土地評価基準とかそういうものを定めるということになっておりますが、その際に意見を聞くというようなことでありまして、そのための審議会というふうになっておりまして、要請の時期と具体的な審議会の発足の時期というのはずれがあるというふうに思っております。  また、このような計画をつくる場合に、例えば京都市等が、地元の市が具体的な都市計画を決定するようなときに際して、基本計画の作成ですとか整備計画とか、そういうものの、いろいろな計画をつくるための勉強会ということはやっておるわけでございます。
  164. 石井紘基

    石井(紘)委員 その勉強会には公団以外にはどこが参加していましたか、研究会には。
  165. 島崎勉

    島崎参考人 京都市とか京都府が入っておりますが、それ以外の具体的なものにつきましては、ただいまちょっと手元に資料がございませんので、後ほどお届けしたいと思います。
  166. 石井紘基

    石井(紘)委員 大阪ガスは入っていませんでしたか。
  167. 島崎勉

    島崎参考人 ちょっと手元に明確な資料がございませんので、お答えはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
  168. 石井紘基

    石井(紘)委員 その研究会というものは、いついついつ開かれて、だれとだれが出席していたという記録はあるんですか。今手元にないと言うけれども、手元にはないかもしれないけれども、あるんですか、どこかに。
  169. 島崎勉

    島崎参考人 いろいろ研究会が行われた日付等は具体的にあるというふうに思います。  ただ、今ちょっと手元にございませんので、明確には申し上げられないわけでございます。
  170. 石井紘基

    石井(紘)委員 あなた方は既に、住民の皆さんにその計画を提示する前に、相当前から大阪ガスや日本たばこ産業といろいろと打ち合わせをしておったんですよ。その結果の一つが、既にでき上がっている大阪ガスのリサーチパーク、コア京都というものの一部をなすところの大きなビルが区画整理事業の中に入っておるということにもなってきた。  ここに計画の大体の図がありますけれども、日本たばこ産業というのは相当離れたところにあるんですね。これは向こうの皆さんは御存じだから申し上げますと、ここに丹波口駅というのがありまして、ここの道路は、ここまでは狭い、二十五メーター前後。これを五十メーターに広げようというので、ここの部分を、国道九号線を広げるという事業に関連して、この辺一帯の区画整理事業、こういうふうになったわけですね。  ところが、もう道が広がっているところのこっち側、この電車のこっち側の奥まったところに、この緑のところと、この隣に日本たばこ産業の工場があった、これを区画整理事業に入れたんですよ。それで、人が通らないところへ道路も通したんですよ。人が通らない、必要がない。だって、抜けてないんだから。私、現地に行って見てきましたよ。こういうところへ道も通した。道路予算というのがありますから、これは補助金の関係ですよ。  これは、日本たばこ産業というものをどうしてこの計画の中に入れたんですか。
  171. 島崎勉

    島崎参考人 この区画整理事業でございますが、新しい都市の中心市街地の活性化を図るという目的で特定再開発ということでやっておるわけでございますが、国際新都市京都の新たな発展と都心地区の活性化を目指す、そういうことで都市基盤整備を行って都市機能を更新する、そういう観点からこの地区の区域が決められたというふうに考えております。
  172. 石井紘基

    石井(紘)委員 これは道路を広げるのに関連した区画整理事業ですから、例えば、代替地か何かでこれが必要だというんだったらまだわかるんですよ。日本たばこ産業というところの敷地の半分を公園にしたわけでしょう。  ところで、もう一つは、大阪ガスと同時に、この日本たばこ産業というのは二・五ヘクタールあったわけです。それで、減歩が当然ありますから、それを一・九ヘクタールに見合うものということにしたわけですね。二・五ヘクタールが、この区画整理後の価値からいうと、一・九ヘクタールに縮めた、こういうふうになっておるわけですよ。ところが、その公園の分は一・一ヘクタールなんですね。そうすると、二・五ヘクタールから一・一ヘクタール引くと一・四ヘクタール。そうすると、その縮めたという一・九ヘクタールよりも残りが少ないんですよね。  これは、日本たばこ産業と土地の売買とかはあったんですか。
  173. 島崎勉

    島崎参考人 通常の公団の区画整理におきましては、先行取得ということで一定の用地を買収するわけでございますが、特定再開発におきましては、基本的には用地買収を行わない区画整理でございますので、今の買収があったかどうかということに関しましては、買収はないわけでございます。
  174. 石井紘基

    石井(紘)委員 そうすると、この日本たばこ産業の、少なくともこの公園になった分に相当する一・一ヘクタール分というのはどういうふうになったんですかね。残りはあそこにたばこ産業の何か社宅のようなものが建っておりましたけれどもあと土地はどういうふうにしたんですか。
  175. 島崎勉

    島崎参考人 公園とか道路につきましてはいわゆる減歩ということで生み出しておりますので、その意味では面積が減っているというふうに思っております。
  176. 石井紘基

    石井(紘)委員 そうすると、日本たばこ産業は、あそこに二・五ヘクタールの土地を持っていて、そして減歩で一・一ヘクタールの公園を提供することになったというわけですか。そうすると、その分の価値は、あそこに残っている、しかもかなり奥まったところですよ、あそこに残っているあの宿舎ですか。そんなことはないでしょう。社宅ですよ、あれ。
  177. 島崎勉

    島崎参考人 それは、全体の地域を対象といたしまして、基本的には平均的に減歩をしていただくということでございます。
  178. 石井紘基

    石井(紘)委員 もう工場は要らないと工場を閉めたわけです。そして、土地があるからその一部に社宅をつくった。社宅といったって、そんなに住都公団の分譲マンションほど立派なものじゃないです。そういうような社宅がある。その社宅のためにあれだけ広大な土地を一・一ヘクタール減らしますか。それだったら、よそに立派なマンションを従業員のために与えた方がよほど安上がりだ。そういう非常に理解のできない答弁というものは、これは後で問題になろうかと思います。  そこで、次は、計画予算の総額は百七十四億円余りですか、そのうちの補助金が約百億でしょう。保留地を六十四億で処分するんだ、こう言っている。そうすると、大体百六十四億。計画予算は百七十四億ですからまあ大体、何といいますか、見合っているといいますか、しかし、十億足りないんですけれども、これはどういうふうに考えているんですか。
  179. 島崎勉

    島崎参考人 この丹波口駅の事業費でございますが、当該地区事業収入は、区画整理補助金等ないしは公共施設の管理者負担金という制度がございまして、そういうものと、それから保留地処分金から成っておるわけでございます。その総額は百七十四億五千七百万円ということでございます。その中で、保留地処分金が六十四億ということで、保留地の処分と区画整理補助金、それから公共施設管理者負担金等によってこの事業の経費が賄われるということでございます。
  180. 石井紘基

    石井(紘)委員 ちょっと今、予算のことに触れましたが、もう一度ちょっとこの審議会の問題に戻っていきますが、この審議会というものは、土地区画整理審議会ですね、これは公団法で定められているんだと思いますが、これは、人数とか、どういう人たちがメンバーになるかというようなことはもちろん最初から規定があるわけです。私のところにもあります、規定があるわけですが、この中に、当然地権者が中心になってやるべきものですが、会長をやっている人は浪江さんという方で、元建設省の技官をやっていた方じゃないですか。どうですか、違いますか。
  181. 島崎勉

    島崎参考人 土地区画整理審議会の構成でございますが、まことに申しわけございませんが、ただいま構成のメンバー表を持ってございませんので、今の御質問に対してはちょっとお答えしかねますので、後ほど構成を確認いたします。
  182. 石井紘基

    石井(紘)委員 会議規則というのが、公団のものがありまして、これだと、この審議会というのは住都公団が招集するということになっておるんですね。会長は会議中に、非常に説明が一方的であったりあるいは地権者に納得できないというようなことがあって、地権者が例えば退席しようとするということはよくあることですけれども、そういう場合には、会長は委員に退席を禁じることができる。さらには、「会長は、公団と協議の上、当日の会議を開閉し、」開いたり閉じたりするのは全部公団と協議の上、会長がやる。要するに公団の、何といいますか、かいらい機関といいますか、附属機関というような性格のものなんですね、この審議会というのは。  この審議会の議事録というのを見てみますと、会長は盛んに住民に案を示して、そして、それでは採決いたしますと言うわけですよ。賛成の方は挙手願います、こう言うんですね。  それまでの議論を見てみますと、非常に弱い者いじめといいますか、ある工場を持っている人なんかは、用途地域も変更される、したがって容積率も変わるというようなことで、私はこれだったら、言われるようにしなきゃならないんだったらもう食っていけません、これまでの仕事ができなくなります、こういうことを盛んに言っているわけです。そのほかの人たちもそれぞれに、おかしいじゃないかというようなことを言っているわけです。  そうすると、突如として、それでは採決します、こう言い出すわけです。そうすると、いやいや、それはおかしいじゃないか、いやいやと、またいろいろな議論が始まるわけです。そうするとまた、採決します、こうやってくる。何回もその繰り返しやっているんですよ、これ、議事録。  弱い者いじめなんですよ、要するに。大阪ガスとかたばこ産業とはもう何年も前から全部やっておきながら、住民との話を始めたのは平成四年以降ですよ。あなたがそんなこと言ったって、ちゃんと記録があるんですから。四年も後ですよ。あるいは、平成元年よりもっと前から大阪ガスや何かとは、やっていた節もある。  この審議会についてはどういうふうにお考えなんですか。公団がつくっているわけでしょう。
  183. 島崎勉

    島崎参考人 まず、審議会の性格でございますけれども、基本的には公団がいろいろな換地設計計画、そういうものを定めるわけでございますが、それが公平に行われているかどうかということについて、基本的に御審議いただくということでございます。  その中で、特に換地計画といいますか区画整理の中身でございますが、主として減歩の問題が大きな問題になろうかと思いますけれども、その減歩につきましては、基本的には全部平等の減歩になっておると思いますので、その意味では公平な形で行われているというふうに考えております。
  184. 石井紘基

    石井(紘)委員 そんな答弁、とんでもないじゃないですか。  大阪ガスは幾ら減歩になった。大阪ガスは一・九ヘクタールあった。これが減歩で一・六ヘクタール、これに相当するというわけですよ。そうすると、大体〇・三ヘクタール縮まるということが、公団の出した資料によるとそういうことです。一五、六%ぐらいですか。  ところが、あの地域にあるマンションがありまして、これが不良債権になったんですね。それの最低競売価額というのが二億四千万だったやつが、これは住専管理が、住専管理との交渉も相当話し合いというかいろいろやりとりをやったようです。どうも公団が住専管理に依頼をしたようですね。そして、これを自己競落してくれということを公団は頼んだんじゃないですか。それで、最低競売価額が二億四千万だったやつを八億五千万で自己競落したわけですね、住専管理は。住専管理の言い分は、それだけ価値を高めるということだと。  確かに、これが予定どおり順調に完成すれば、それぐらいあるいはそれに近いぐらいの価値になるだろうと私も思います。それは三倍半ぐらいの、最低競売価額を基準にできないかもしれないけれども、その倍としても、例えば四億、五億だとしても、八億五千万でそれを買ったわけですから、倍に価値が、少なくとも倍以上に上がるということだとすれば、こういう減歩というのが一五%か六%あるというようなことも、非常にこれは不公平である。ましてや、個々の孤独な住民、そういう者に対する配慮というものはほとんどなされていない。みんなそれぞれ減歩されておりますが、なされないというやり方です。  これ、平成十二年までに完成をする予定で予算が組まれておりますけれども平成十二年までに終わるんですか。
  185. 島崎勉

    島崎参考人 計画ではそういう形になっておりますが、あと清算期間として五年ございますので、その五年の範囲内で終わる計画ということでございます。
  186. 石井紘基

    石井(紘)委員 今、私が申し上げたこの百世帯近くが住んでいるマンションというのは、ずっとその中に住んでいる人、事業をやっている人たち、その他事務所、全部数年前から別の代替の施設をつくったり、あるいは既設の施設に入れたりして、莫大な補償金をずっと払ってきているわけです。それで、まだその建物はそのままです。  私、専門家に聞いてみましたら、例えば今すぐに取り壊したとしても、でき上がるまで最低でも二年半かかるというわけですよ。そうすると、これがまだ決着していませんから、平成十二年度いっぱいには到底、少なくとも、それだけでも終わらない、ほかのところもありますからね。そうなりますと、予算計画がもうどんどん大きく狂ってくるわけです。  いいですか。補償費は百億ぐらい予定していますけれども、今もう六十億ぐらい使っているわけです。しかし、そのマンションを建てかえるだけでも二、三十億かかるわけですよ、それだけでもですよ。そのほかのも、補償はたくさんあるんですよ。道路はまだ全然できていません。まだもとのままです、道路は。すると、膨大に時間もかかるし、金もはるかに予算を超えていくわけですよ。  そういう中で、もう時間がありませんからまた別の機会にやりますけれども、あなた方はこの住民の皆さんを接待したことはありませんか。
  187. 島崎勉

    島崎参考人 接待とかそういうことに関しましては、聞いておりません。
  188. 石井紘基

    石井(紘)委員 聞いていないということは、あるということですか、ないということですか、どっちですか。
  189. 島崎勉

    島崎参考人 そういうことはないと信じておりますけれども、直接に確認をしておりませんので、ないというふうに信じております。
  190. 石井紘基

    石井(紘)委員 では、具体的に私が言いましょうか。  飲み食いをさせて公団がそういうものを払ったり、あるいはその他の、ゼネコンなんかでもよくあることですが、民間ではそういうことは許されている、許されているというかビジネスですから、ある程度やるわけですよ。しかし、行政というものはそういうものじゃない。いいですか。行政とビジネスとのここのモラルといいますか、この垣根をしっかりとあなた方は押さえていかなければならないわけですよ。皆さんはそういう行政マンなんですから。そうでしょう。  いろいろあるんですけれども、例えば京都市内の木屋町のあるスナック、行ったことはないですか。あるいは京都市内のある施設の和室ですき焼きなんかをごちそうしたことはないですか。出席者は公団の所長の杉本さんだとか課長の細見さんだとかその他数名とか、そういうことはありませんか。
  191. 島崎勉

    島崎参考人 ちょっと今具体的に確認はできませんので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
  192. 石井紘基

    石井(紘)委員 建設大臣、そういうことがあったとしたら、どういうふうにいたしますか。
  193. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 いけないことでございます。だめなことでございます。
  194. 石井紘基

    石井(紘)委員 明快でございます。やはり公費でございますからね。そういうもので、しかもそういうこそくな、すき焼きを食べさせたりスナックで飲ませたり、そういうようなことでもって住民の選択に影響を与えよう、住民の判断に影響を与えよう、こういう意図があるからいけないんだろう、そういうふうに思いますね。  そうした場合には住都公団はどういう善後措置をとられるんですか。  大臣、いけないことということは、まあそれでわかるようなものですけれども、またそういうことが事実があったら、厳正にやはりそれは対処をするということをもう一言答弁いただいて、おしまいにしたいと思います。(発言する者あり)じゃ、改めてまたやらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  195. 平田米男

    平田委員長 鉢呂吉雄君。
  196. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 大臣、大変御苦労さまでございます。きょうは長時間の審議でお疲れのことと思いますけれども、私からも、四十分間でありますけれども、民主党の最後のバッターとして質問させていただきたいと思います。  きょうは都市の再開発ということで、政府が開発資金創設するというようなことの、いわゆる都市の再開発なり基盤整備を進めていくということでの法案改正でございます。  先ほど大臣からも田舎の出身でというようなお話もございました。私も実は北海道の南の方の、選挙区は五十五万という、小選挙区をつくったときには一番大きな選挙区だったのですけれども、今は八番目ぐらいに落ちまして、一市二十六町村、函館市が一番大きくて、そのほかに二十六の町村があります。函館は三十万都市でありますけれども、その周辺の人口も含めますと四十四万ぐらいになりまして、過疎と過密が同居しておる。函館市は函館駅前を土地区画整理で再開発をしようという事業を起こそうとしております。  そういう中で、率直に言いまして、今の都市の環境、私も今、農林水産委員会とかけ持ちでこの昼からは審議になっていまして、農水委員会の方は新しい食料・農業・農村基本法をつくろうということで、いわゆる地域社会としての農村ということを農水省の中でも取り組んでいこうという形で、過疎は極めて深刻だということであります。  きょうは朝からずっと御論議を聞いておりまして、私もまた昨年建設委員会でさまざまな、都内を中心とした視察、調査をさせていただいて、こういう集中的な大都市にもさまざまな大きな問題があるということを承知しつつあるわけでありますけれども大臣として、この法案を出すに当たって、どういう都市の現状にあるというふうに御認識をしているか、御答弁をお願いします。
  197. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 一口に都市といいましても、いわゆる三大都市もございましょうし、先生指摘のような、我々のような地方都市というのもあるわけでございますが、一くくりにして申し述べますれば、やはり都市というのは何といいましても国民生活の大きな生活の拠点でありますし、また、国の経済活力の基盤としても重要な地域であるというふうにまず認識をしておりまして、都市づくりへの投資というのは、そういうような意味において、今度は内需の拡大とか雇用の確保という意味においても、大変重要な地位を持っておると思うわけでございます。  このような都市にあって、かつての人口とか産業の集中に伴って都市がいろいろ郊外に向かって拡大をしていく段階から、今や産業、文化が都市を共有の場としていくと同時に、今度は中心市街地活性化法というような法案も出してこなければならないように、中心部が空洞化するというような変化もまた出てきておりまして、戦後半世紀たって、大きくそのスタンスも変わってきたとは思うわけでございます。  そういうようなことで、プラスの面、マイナスの面を含めて都市の再構築というものを進めていかなければならないと思っております。その一環としてこの法案も提出をされた、そのように認識をしております。
  198. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 先週の本会議でも大臣の御答弁で、我が国の市街地は多くの面でまだ良好な都市環境を備えるに至っておらないという御認識を示されました。  私もちょうど戦後の団塊の世代ですから、友人が北海道から東京に来ている方が多いのでありまして、故郷に戻らないかと言ったら、いやいや、あんな寒い北海道には、そして雪の多い北海道には戻らないと。田舎から出てきた人ほど、まあそれ以外の原因もあるでしょうけれども、なかなか都会、住んでしまったから仕方がないという面もあろうと思います。  しかし、実際を見ますと、先ほども飯島先生からもお話あったとおり、職住といいますか、住宅地と職場とが離れておるとか、あるいはまた自然環境に大変乏しいとか、いろいろの問題が出ております。私も昨年都内を視察して、一時間に通算して八分か十分ぐらいしか踏切があいておらない、あとはふさがっている。これはいわゆるラッシュアワーの時間帯をいうのでしょうけれども。そういうような都市の住環境といいますか、そういう環境を見まして、今さらながら都市の再開発といいますか、良好な環境をつくっていくということが必要ではないだろうかというふうに思うわけであります。  しかしながら、一方、この狭い日本列島で、私のようなところでは高齢化率が三〇%を超えて、三人に一人は六十五歳以上のお年寄りというようなところもあって、国土庁長官でありますから、いわゆる国土の均衡ある発展といいますか、過密と過疎が何とかもっと均衡あるものにならないのかというのは、もうずっとこの間の政治の大きな課題だと思いますけれども、なかなかそれが解消していかない。  先ほど質問にもございましたように、日本の都市開発といいますか、余りにも個人の法意識が強過ぎて、全体で都市は限りあるものですから、住民の皆さんの合意なり住民の皆さんの話し合いのもとにおいてが前提でありますけれども、もっと居住環境を素早く行うための手だてがなければ、今回法案を出されておりますけれども、抜本的な解決策というにはほど遠い感があるのではないか。  私ども民主党としても、この間何回にもわたりまして、学識経験者やあるいは業界の皆さん、さまざまな方を呼んで勉強会を開きました。この法案自体は今の都市整備をやりやすくしていこうという観点には立っておると思いますけれども、これで何ほどいわゆる現在の再開発の水準を高めていけるのかどうか、甚だ疑問があるような気がいたします。  大臣として、今回の法の整備でどの程度の都市整備の水準の向上が図れるのか、その辺の計画がありましたらやはりこれは示すべきでないだろうかというふうに思いますから、大臣としての御所見でよろしいですけれども、お聞かせを願いたいと思います。
  199. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 先生指摘のように、本当に、この法律ができたらぱっと都市の再構築ができるということを言いたいんですけれども、そういうようなことは言えないとは思いますが、しかし、前進をしていくことは事実であろうと思っておるわけでございまして、真の豊かさを求める、その方向に沿っていく内容ではあると思うわけでございます。いずれにいたしましても、御指摘のように、下水道であるとか公園であるとか街路であるとか、そういうような都市基盤の整備というのはまだ不十分でございます。そういうようなことですから、この法律を通して、いろいろな再開発のもとでそういうような分野も伸ばしていきたいと思っております。  さらに、文化あるいは景観、コミュニティー、環境、福祉、情報などの高度化、多様化する国民のニーズにもこたえていって、真の豊かさをそこからかち得るということをやっていきたいと思うわけでございまして、一歩一歩その目的に向かって努力をする、その一つのステップであろうと思っております。
  200. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 先週の金曜日の五日の本会議で、我が党の山本氏の質問に対して、小渕総理は次のように述べております。今回の法律改正による支援措置の拡充等に加え、今後さらに、町づくりに係る、統合的なという表現をしていますけれども、統合的な補助金の導入の検討を図ってまいりたいという総理の御答弁だった。  これは正式の議事録でありませんから、私どもの民主党で大要、総理の答弁を踏まえ書き写したものではありますけれども、ここに言っております、今回の支援措置でも不十分であるということを総理は認めておるわけでありまして、統合的な補助金の導入ということも含めて、大臣として今後どういう考えでこの町づくりといいますか、都市の再開発に臨んでいくのか、具体的な、ここはざっくばらんでいいですから、そういうものがないから今回法案を立て直せなんということは言いませんので、何かありましたら御答弁願いたいと思います。
  201. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 総理が答弁されましたのは、統合的な補助金というようなことでございまして、いわゆる地元の創意工夫に基づいて町づくりを進めていきたいというようなことを御答弁されておるわけでございます。  そういうようなことで、確かに、地方分権推進委員会の勧告の中にもございますように、町づくりに係る統合的補助金という記述があるわけでございますが、その地域の方々のそういうような御意見を聞いてそういう補助をしてその開発をするということでもございましょうが、今総理が提唱されました生活空間倍増計画、そのもとで国土庁が進めております地域戦略プランというのがございますが、これは御承知のように、一カ所で百億円の予算をつけるというようなことをやっております。やはりそういうような形での、これはこの法案とは別の形ですが、いわゆる開発のやり方として私はまたそういうやり方もあるんだろうと思うわけでございまして、ぜひその頭の中には、地元のいわゆるプランニングというのを基本として開発というのは進めていきたいと思っております。
  202. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 小渕総理がせっかくそういう形で言っておりますので、その具体化をまず早急に行ってほしい。  そういう中で、やはり問題あるのは、総理も言っておりますけれども、そういうものを検討して地方公共団体がより主体的に取り組めるように努めてまいりたい、こういうふうに言っております。一挙には、先ほど私が言ったような、地域の民主主義で、多数決で物事を決めるというのは無理があろうと思っていますけれども、まず最初に、国がより細かく指導通達をするとかという手法を改めて、やはり地方自治体に、あるいはその地域の住民の参加にさらに任せるという手法をとっていただきたい。  どうも、私どもも勉強いたしましたけれども、先ほど田中慶秋先生等からお話あったと思いますけれども、えらく時間が、二十年、三十年というのはもうざらであって、なかなかうまくいかない。皆さんからもありましたけれども組合による市街地開発事業概要ということで、これは全国で、現在都市計画決定済みが七十二地区、それから組合設立したのは四十二地区、工事に着手しているのが五十五地区ということで、事業中の地区数は百六十九地区です。  余りにもこれは少ない数でありまして、建設省の幹部の皆さんに、この法改正でどのぐらいふえるんだと。予算は先ほど局長からも話があったけれども、四十億から六十億ぐらいでしたよね、二つ合わせて六十億か七十億。たかだかこれぐらいの無利息資金しか用意しなくてもいいというような今の法律改正でありまして、やはりもっと抜本的に、大胆に、この問題について内閣を挙げて取り組むぐらいの姿勢がなければ、なかなかうまくいくものではないのではないかというふうに痛切に思うわけであります。  その場合には、やはり国のこの法律が、いろいろなことで権利関係ですとか、あるいは事業関係で細々とした規制といいますか、そういうものを持っておる、そのあたりを大胆に変えていく、ある面では簡素化していく、そしてその地域の自主性に任せる。地域の住民の合意をやるよりも、役所との法律関係といいますか、いろいろな規制の関係に四苦八苦せざるを得ない。その両面を持たなければなかなか事業進捗していかないというのが現状でないかというふうに思いまして、大臣として、この地方公共団体等の主体的な取り組みに努めてまいりますという総理の発言ですけれども、そこらあたりに対して、大臣のお考えをお聞かせ願いたい。
  203. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 先生の御指示のように、私は今その御意見を伺いながら思ったわけでございますが、一つの手法として、本当にプランニングからを、もちろん地方公共団体を窓口にするというのはそれとして、住民の方々にすべてを、プランニングから始まって全部やらせてみたらどうだろうか、思い切って。そういうことも一つの、早くその開発を進めていくこと。  というのは、地権者御自身がいろいろなプランニングしてやるわけですから、自分で責任を持ってやるということにもなりましょう。ですから、そういうようなことができるものであるならば、またそういうようなことも考えてみるべきではないかなと思います。
  204. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 我々も勉強する中で、先ほど山本議員からも話がありましたけれども、高層建築にするとどうしても建設コストあるいはその後の管理コストが莫大にかかる。むしろ、つくってしまってからそこに入って商売をやろうと思っても、とてもじゃないけれども営業コストが高くなって成立しない。あるいはまた、保留床が売れないという理由は、駐車場がなかなか十分なものとしてつくれない、そういうことで、なかなか中心市街地の方にお客さんが戻ってくるような商業地域にならないということが指摘されました。  ですから、そこは中低層型に変えるとか、あるいはまた小規模、連鎖型の、私も函館のものを見せていただきましたけれども、先ほど飯島さんも同じようなものを持っていて、いかにも日本人というのは、建設省に聞きますと、いやいや、そんなものは強制していないんだ、ほとんどが地方自治体でできるようになっているんだと言っていますけれども、後で詳細見せてほしいんですけれども、大体似たようなことを書いて、先ほど山本議員からもお話ありました、例えば、中心市街地に人の交流を起こさなかったらどうにもならない、したがって、高齢者の施設ですとか文化施設、あるいは教育、保育、保育所の関係ですけれども保育、教育施設とか、その他厚生施設をいわゆる専門店街とリンクした形で設定しよう、設定した方がいいのではないかという専門家の意見をいただいています。  ですけれども、この函館のものを見ても、いわゆる居住関係ですとか、いわゆる高齢者とか、そういう教育関係は一切入っていないですね。場所によるかもわかりませんけれども、文化とかそういう情報、交通拠点、商業・業務ゾーン、これはもちろんあります、あると思いますけれども、何か同じような形ばかりでありまして、そういう点も大変大きな問題点がある。  これは建設省が厳しく指導しているのか、あるいは、日本人の性格で、横並びで、ほかのところを見てきて我々もそういう形でやった方がいいというふうになっているのか、そこはわかりませんけれども、私は前者の、表向きやっていないとは言っているけれども、陰に陽に建設省のいろいろな陰の御指導があるのかもわかりません。そういう点がやはり問題がある。  それから、事業立ち上げのための資金について、非常に不十分だ。ですから、ある高名な先生は、都市近郊の農協を利用することが非常に役立っている事例が多い。農協は金も持っているし、それ以上に、農家も土地持ち農家が多いので、農家を説得する人材というのが農協にいる。また、農協というのは組合員組織ですからまとまりやすいということで、積極的にこの農協というものを町づくり利用すべきだという御提言もございました。  いずれにしても、事業立ち上げ資金というものは、今回無利息資金を導入しますからそういう点では是としますけれども、もっと使いやすい資金というものが必要になるのではないか。  同時に、都市計画決定前からの先行買収についての補助金あるいは資金についても創設をすべきでないかというような御意見が私ども聞こえております。ですから、この点についても、大臣として、この法案改正だけでは不十分だということであれば、やはり建設省に御指導願って、大胆な、そして効果の上がる都市の再開発基本法のようなものをぜひつくっていただきたい。  今、大臣に具体的に少し三、四点お話ししましたけれども、何かそれについての御意見がございましたらお聞かせを願いたいと思います。
  205. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 市街地開発事業でございますが、これは売却を目的といたしました保留床を確保するため、どうしても大規模な高層ビルの形態となる場合が多かったのは事実でございます。  しかし、再開発事業は、地域の実情に応じた適切な形態とすることが望ましいということでもあり、そのような観点から、地域社会のニーズを踏まえた適切な規模、構造の再開発ビルとなるよう関係者の間で計画づくりを行っていくことが重要と認識しておりまして、すべてが高層ビルではございません。いわゆる普通の、中小のものもあるわけでございますので、それは、そうそう難しく規制をしておるわけではございません。  それから、そういうような意味におきましては、全国一律ということではなくして、地域とか地区ごとの特性を生かした事業を進めていくように建設省も指導をしているところでございます。  それと、先生指摘がございましたが、ここ委員会での討論というのは私は非常に重要なことだと思っておりますし、ここで委員先生方の、いろいろいただいたその御指示、アイデアというものは必ず取り入れていっておるわけでございまして、先ほど、田中慶秋先生が前回の委員会で御指摘がございました、あの河川の利用をしろということも、これも指示を出しまして、進めるようにしております。あの難しい先生も、よしと言っていただきましたので。  そういうふうなことで、この委員会の討論というのは、質疑応答というのは本当に私は重要だと思うのです。それがなければ政治家主導のまた行政もできないし、また改正もできないと思いますので、先生のいろいろな御指示は十分に反映をさせてまいります。  ですから、この再開発の中にも、先ほど先生も御指摘がありましたように、保育所を隣接しろだとか、あるいは高齢者の方々がそこに集まることができるようなコミュニティーの場所をつくれとか、私は全くいい御指示をいただいたと思っておるわけでございまして、そういうようなことも含めてこの再開発をやっていく、それが真の心の豊かさでもあろうと思うわけでございまして、努力をいたしますので、何なりとまたひとつ御指示をいただきたいと思います。
  206. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 ぜひ関谷大臣の御在任中にもう一度抜本的な都市開発法資金の貸し付けということでなくて、大胆に出していただきたいものだなというふうに考えるところでございます。  そこで、時間がなくなりますので、住都公団の島崎理事さんが来ていると思いますので、二、三御質問いたします。  住都公団の未着工用地の問題でございます。現在、公団が分譲住宅用等として購入したものでまだ未着工の用地というものが、先般新聞でも出ていましたし、時間がありませんので私の方でお話ししますけれども、六百三十六ヘクタールあるということで、このほかに、工事段階に入っているものが、しかしまだ分譲しておらないというものが二百九十ヘクタールあるということでございます。  さらに、未利用の用地費、これは造成費も含めて、この金額が九千百二十三億円、約一兆円ある。さらに、金利負担ですとか、既に工事段階で建物を建てておる費用というものを加えますと、これは建設仮勘定で、詳細は教えてもらいましたけれども、一兆八千六百六十億という膨大な金額になるわけでございます。  平成九年が、分譲、賃貸住宅として市場に出したものが約四十ヘクタールでありますから、先ほど言った六百三十六と合わせて九百ヘクタール等をやっていっても二十年近くもかかる。  さらに問題なのは、二十年前に用地購入を始めたところというのがこのうち三百六十ヘクタールほどあるということで、全体の五〇%近くが未着工のまま二十年近く経過をしておる。中には、東京都内の八王子市の百四十一ヘクタール、これは特殊な理由もあるようでありますけれども、百四十一ヘクタールが未着工なままになっておるという状況でございます。  公団として、これはどのようにお考えになっておるのか、まずそこからお聞きいたしたいと思います。
  207. 島崎勉

    島崎参考人 ただいま先生からお話がありましたいわゆる未着工の土地でございますが、六百三十六ヘクタールというふうになっております。ただ、これは一、二の地区を除きまして、ほとんど造成にはかかっておる段階でございます。そして、この六百三十六ヘクタールのうち、順次造成、処分をしておりますので、もともとの土地はより大きくて、この約三〇%が今残っているというような状況でございまして、そういう段階で、逐次処分しているということでございます。  でございますので、一部分譲から、今後基本的には新規分譲をやめるというようなことがございますが、経過措置とか賃貸住宅への切りかえとか、さらには民間の事業者との共同の分譲、さらには個人の戸建ての住宅用地等として活用してまいりたいというふうに考えております。
  208. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 三〇%ほどが未着工というような言い方で、非常に、いわゆる処分がスムーズにいっているかのような御答弁でありますけれども、そのうち、二百二十地区があるのでありますけれども、当然公団は、簿価の建設仮勘定、一兆八千六百六十億というふうに言いましたけれども、それに対して推定時価評価額というものを立てていらっしゃると思いますけれども、その金額をお伝え願いたいと思います。
  209. 島崎勉

    島崎参考人 現在、住宅建設等を目的としまして公団が持っている用地が九百二十三ヘクタールでございまして、それの推定の時価評価額、これが一兆九千七百十四億円というふうに算定をしてございます。  これは、平成年度の固定資産税評価額を基準にいたしまして、いわゆる乖離の補正を行うとともに、近傍類似の地価公示の価格、それから最近の土地取得による鑑定評価額を参考に試算をしたものでございます。そのような意味で、推定に当たりましては、事業箇所の特性とか進捗状況など個別の要因を特に考慮せずに、相当機械的に推計したというものでございます。
  210. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 そのうち、今推定評価額は簿価よりも若干、一千億程度プラスするという御答弁でしたけれども、二百二十地区のうち、簿価よりも推定評価額が下回るもの、これは何地区で総額どのぐらいになりますか。その差損額といいますか、差額であります。
  211. 島崎勉

    島崎参考人 二百二十地区は六百三十六ヘクタールでございます。この中にはやはりバブル期に取得したものもありますので、全体のうち約四分の一の地区が推定時価評価額が簿価を下回っております。推定時価評価額と……(鉢呂委員「もう少し具体的に、四分の一の地区数で言ってください」と呼ぶ)四分の一の具体的な地区数でございますが、五十七地区でございます。(鉢呂委員金額」と呼ぶ)ただいま、この六百三十六ヘクタールの簿価でございますが、用地費でございます、これが六千百五十一億円でございます。  これに対しまして、ただいま御説明しましたように、固定資産税評価額等をベースにしまして相当機械的に推定評価額というのを試算してございますが、六百三十六ヘクタールに対する評価額が七千五百二十九億円でありまして、それの土地費が六千百五十一億円ということでございます。
  212. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 今ちょっとわからなかったんですが、時間がなくなりますからあれですけれども、今簿価が推定評価額よりも上回っている、推定評価額が簿価より下回っているということからいけば、その差額は幾らになるんですか。それが五十七地区で幾らになるんですか。
  213. 島崎勉

    島崎参考人 六百三十六ヘクタール、二百二十地区でございますが、これの推定評価額が土地費でありますいわゆる簿価を下回っているのが四百六十三億円でございます。逆に、上回っている地区が当然ございまして、百六十三地区でございますが、それの上回っている額が千八百四十億円でございます。
  214. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 今、機械的に推定時価評価額を試算しておるということでありまして、中身は、内容は必ずしもきちんとしたものでないと。私は、建設省として、これは膨大な、一兆九千億でありますから、これはもちろんまだ市場売り渡しをしていない建物関係も入っています。いろいろ公団が売り損ねて、なかなか四苦八苦しているという事例もここで委員の皆さんから出ておりまして、大臣として、こういう長期にわたって未着工になっておる、あるいはまた市場に供されておらないというようなものについて、監督官庁の建設大臣としてどのように考え、どう対応していくのか。やはりここは透明度を高めるべきであるというふうに思いますので、大臣の御見解を伺いたいと思います。
  215. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 その問題にしましては、とにもかくにも取得後一、二年のものが現在大半でございまして、今後十年間の保有期間の間に事業予定者の事業スケジュールに合わせて事業化を進めていくということでやっていきたいと思っております。  そしてまた、保有しておる土地で、値が下がったもの、あるいは値が上がったもの、両方あるようでございますが、今の報告を聞きますと、値の上がった方が多いようでございましてほっといたしましたが、そういうようなこともありますから、しかしいつまでも保有しておるというわけにはまいりませんので、着実にその事業化が進むようには指導をしていきたいと思っております。  また、本法律案改正になりますと、取得することを三年間延長するわけでございますから、そうなりますと土地の取得量もまた増大するということでございますから、先生の御指示の点は十分考えまして、いわゆるリスク管理というのには十分配慮をしていくように指導をしていきたいと思っております。
  216. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 民都機構の方が三カ年の延長でありまして、大臣、そこはあれです。  そこで、民都機構の方に最後に、もう二、三分でありますけれども移らせていただきます。  民都機構は、今言いましたように三カ年の延長をして取得の業務を行うということで、九四年から五カ年を過ぎようとしていまして、今のところ百十一件、取得面積で百五十三万平米、金額で四千九百五十億という形になっておりまして、建設、不動産関係の企業の土地を取得して再開発をするという形になっておるわけであります。  建設省からお聞きをいたしますと、これは十年経過の中で、金利もつけて売り渡しをするということで、まさに問題はないというような見解を言っておりますけれども、問題は、取得する予定の企業等にいわゆる倒産等が生じた場合に、そこが不良債権化することが懸念されるのではないか。  そして、今のところ取得した土地を譲渡したものは二件だけであります。もちろん十年以内でありますからすべてということは言いませんけれども、百十一件のうち事業化、着手したものがまだ二十三件という少なさであります。平成年度、今年度を見ましても、熊谷組だけでも四件、三万九千平米という膨大な土地をここに売っておるということで、かなり僕は問題があるのではないかということで、単なる駆け込み寺的にここが利用されておるのではないか。実際にきちんとした再開発なりそういうものがなければ、やはりペナルティー的な措置が必要ではないか、あるいは民都機構の情報開示なり外部監査というものが必要でないかというふうに思います。  時間が参りましたので、御答弁は要りません。また後日質問をいたしたいと思いますので、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  217. 平田米男

    平田委員長 中野清君。
  218. 中野清

    中野(清)委員 公明党・改革クラブの中野清であります。  都市開発資金の貸付けに関する法律等の一部改正案と、それに関連する課題について質問をしたいと思います。  全国各地で市街地開発事業が滞っているのは、単に当事者の能力の問題以前に、再開発事業制度そのものに問題があるんではないか、私は常にそう考えております。つまり、急激な時代の流れに対応できるフレキシビリティーが失われているんではないか。  今回の改正措置も、単なる対症療法に終わり、根本的な対策として機能していないんではないか。今日までのいわゆるデパート型の集合形式、いわばクローズ型の箱物建設方式による再開発の手法そのものがあらゆる点で行き詰まっていることは、例えば再開発事業の定量的評価を見るまでもなく明らかであります。  加えて、錯綜する権利とか事業そのものの長期化、変化する時代の流れと、それに伴い色あせるビジョン等、事業そのものを不透明化するとともに、テナントとかそういう方々の参加意欲を低下させる傾向が強いというのが私は実態じゃないかと思います。時代を見据えた思い切った再開発についての発想の転換が必要だろう。  そういう意味でもって、まず総論的にお伺いをしたいと思います。  この再開発といいますか、町づくりにつきまして、まず器をつくってから考えるんじゃなしに、その運用のノウハウ、つまり高性能エンジンをつけた、なおかつ軽快なボディーをつくり出すというようなユニークな再開発の計画をも視野に入れて考えるべきでないんだろうか。先ほど言ったデパート形式とかクローズ型の建設方式から発想を転換して、もっと明確な将来ビジョンのもとに事業をしていくことが大切と考えますけれども、この点はどうだろうか。  これに関連しまして、いわゆる既存商店街のオープンモール方式といいましょうか、そういうものをベースに、常ににぎわいを演出して、しっかりとした運営ソフトを持つ独自の再開発事業というものを今までの再開発事業と一緒に私は積極的に進める必要があるんじゃないか。この二点について、まず簡単に御答弁を願いたいと思います。
  219. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 私は、今までの開発というのは、どうしても国であるとか地方公共団体が指導をしていくというやり方でなければ、それは制度の上においても、あるいは予算においても、税制においてもなし得なかったと思うんです。  ところが、もう今の時点になりますと、今再開発が非常に長期化してしまっておる。それでまた二十年たったときには、もちろん環境も、あるいは住民の方々の考えること、要求されることも変わってきておるわけですから、全然それがマッチしない状態になってしまったというようなこともございます。  先ほどの意見の中にもありましたけれども、それではなぜ今日まで長期化しておるかということをまず逆に考えますれば、それはやはり今までの説明責任というものが十分でなかった。公開度、いわゆる透明度といいましょうか、そういうものが十分でなかった。そしてまた、そういうことで再開発地元方々の考え方が十分に反映されていなかったというようなことが一番のネックになっておるんじゃないかと私は思うわけでございます。  そうなりましたら、先ほど私も述べさせていただいたのでございますが、これからは逆に、国だとか地方公共団体の指導ということではなくして、そのまま、開発するところに住んでいらっしゃる、あるいは関係方々にすべてを、もうプランニングから全部を、まず皆さんの考えをまとめて出してくださいと。それに乗っかって今度は市であるとか県であるとかが協力をし、指導をして、この地域を開発しようではないかというやり方をやらないと、委員御指示のように、この法律ができて再開発が目をみはるようなものがあるかといえば、正直言いまして、そんなことを私が言いますとこれは失言になるかもしれませんけれども、そんなことはあり得ないと私も思っております。  ですから、決してこの法律をつくるのがマイナスになるとは思いません。少なくともプラスになるということは間違いない。ですから、私は、思い切ってもうその地元の関連の方々にすべてプランニングから任せたらいいんじゃないか。そうしたら、これはまた自己責任でございますから、その方々を市町村がバックアップをするということになればこれまた地方分権でもありましょうし、地元の方が一番現状を御存じですから、もう思い切ってそういうことをするべきではないかなと思ったりもしております。
  220. 中野清

    中野(清)委員 今大臣のお考えについては、十分理解しておりますし、同感の点がたくさんあります。そういう意味で、おっしゃるとおり、再開発事業というのは従前からの権利者が中心となって実施すべきだというのは同感でございますけれども、そこの場合にノウハウや資金が欠けるところが当然ありまして、推進が困難な点が多い。特に、御承知のように今までの再開発というものが、地価が上がるといういわゆる右肩上がりの経済というものを想定して保留床の売却のみに頼ってきたのが今までの手法でございますから、これは限界があるというのはもう御存じと思いますけれども、では何かほかにないんだろうかということについて、きょう少し、もしそういう点についてのお考えがあったらば明らかにしていただきたいと思うんです。  例えば、今おっしゃった地元の声ということがございましたけれども、民間事業の活用によって、例えば保留床とか権利床の関係の有無にかかわらず、例えば前の権利者のノウハウの不足を補ったり地方公共団体との適切な役割分担を図ることで事業が円滑に進む面があると思いますけれども、そういう点はどうだろうか。それから、特に特定建築者制度の拡充という点についてもあると思いますけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。  これは私は、結果的に言えば、テーマとしては低成長時代の市街地の再開発をどうするかというテーマだと思うんです。そういう点にはっきりポイントを置いて説明いただきませんと、今までのことはどうだろうかということじゃなくてお願いをしたい。しかし、今度の法律が悪いというんじゃないのですよ、これだけでは十分じゃないだろう、もっと何かあるんじゃないかということで、そういう意味で御説明お願いしたいと思います。
  221. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先生今御指摘の、保留床の売却に頼るような手法というのは限界に来ているのではないか、何かかわる、解決するための方策は何かというような御指摘がございました。  先ほどから大臣からも御答弁をさせていただいておりますが、保留床を処分して資金を確保することが今までなされておったわけでございますけれども保留床の処分先の確保が非常に困難になってきておる、地価が下がってきておる、そういう建築物が価格が低下してきておる、こういうのが最大の阻害要因だと思うわけでございます。こういう場合に、今回法律でも出していただいておりますように、再開発事業施行者が中心になって、保留床の譲渡が困難な場合に、その保留床を取得し、管理していく法人を設立いたしまして、その保留床の床法人が長期の賃貸契約によって事業資金を回収していく、こういう新たな方式が各地で見られてきておりまして、これに対する新たな無利子貸し付けの導入を図ってきた、こういうことも一つの支援の制度ということでございます。  また、民間のノウハウを活用して再開発事業を進めるという点から、先ほど先生が御指摘いただきました特定建築者制度、これの拡充をさせていただいたところでございまして、施行者にかわりまして民間事業者がみずからのノウハウによって当該建築物を計画し、建築するという制度でございまして、こういうことの制度の拡充等によりまして、現在の市街地開発事業が大変厳しい状況に置かれてきておるところの活性化を図っていこうということで考えておるところでございます。
  222. 中野清

    中野(清)委員 今局長から御答弁いただいたのですけれども、ちょっと今私が申し上げた低成長時代の市街地の再開発事業は何かという命題と比べますと、余りに少し専門的過ぎちゃって、細か過ぎると私ははっきり申し上げます。  これは質問通告していませんが、大臣、一言で結構なんですけれども、お伺いしたいのです。  私、これから細かい話も幾つかお伺いしますけれども、この問題については、一つは発想の転換と申し上げました。それから、もう一つは意識改革だと思うのですよ、言いかえますと。特に、この再開発を指導しているコンサルタントたちでさえも、今までの考え方と同じような発想でいたら、いつになっても保留床が売れないから売れないからというだけでもって、これはだめだということが一つ。  それから、そのためには、私は、少なくとも全国の、全部じゃなくてもいいですから、幾つでも結構ですから、モデル的にでも人材とか資金とかを大量に投入して、集中的に投入して、しかも、それについては、モデルとしてこういうものができるんだ、こういう方法があるんだということを建設省としてこの際やらなければ、いつになっても保留床がどうこうという話で、言いわけだけで、これはもうはっきり言って問題が多いんじゃないか。これは別に細かいことは申し上げませんけれども大臣として、やはり建設省の決意といいましょうか、そういうものを私はお伺いをしたいと思うのです。細かい話はこれからお伺いしますから。
  223. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 山本局長は専門家でございまして、私は凡人でございますから、その凡人としての答弁をさせていただきたいと思うのですが、実は、今先生がおっしゃられました、そういう現在の日本の経済的な状態、それから、国民の皆さんの、例えば建物なら建物、地域なら地域に対します感覚、そういうものがすべて変わってきておるわけですから、おっしゃるとおりに、右肩上がりの三%の次年度予算をつくるというのがいろいろな企業の常識みたいな時代で、ずっと今日まで経済的な発展をしてきたわけですけれども、今やそういうことではない、低成長である。したがって、これは私はかつてのようなバブルのはじけるような好景気というのはもう出てこないと思うのでございますが、ですから、そういうモデレートな成長の中での都市開発をどうやっていくかということは私は本当に重要なことだと思うのです。  ですから、今日までの建物を見ますと、そこへ行きましても、こんなぜいたくなことをするのかと思うようなお金を入れた建物をつくっておるわけですが、私はそんな必要はないと思うのです。実利をその建物から得ることができればいいわけでございますから、華美にならないようにもしていかなければならない、そういうふうに私はいろいろ変わってきておるのだろうと思います。  ですから、そういう中で、一つのモデルケースのような開発というものを建設省がやっていくということも、やはり私は必要なことではないかなと思っております。
  224. 中野清

    中野(清)委員 ちょっと細かい内容を聞く前に、今大臣おっしゃっていただいた御意見に私も賛同でありますので、ぜひそういう方向で進めていただきたいと思います。  そういう意味で、あわせてお伺いしたいのですけれども都市計画を今建設省はやっておりますけれども、これと一緒に、都市周辺部を含めた自然環境というのでしょうか、資源といいますか、例えば生産地も含めた、いわゆる都市と地域、都市計画と地域計画という考え方があると思いますけれども、そういう意味で、自然環境の資源の保護とか保全、いわば都市を補完し得る地域の位置づけを明確にした地域計画の制定というものの考え方、これが必要じゃないのだろうか。  都市計画だけで都市をつくればいいんだという、都市の中のいろいろな施設をつくるということ、しかしそれは、あくまでも都市というものは大量生産、大量消費の場所でありますから、それを補完するものが必要だろう。その場合に、都市型の施設を規制して、都市を支える適正な地区を計画する手法こそが、我が国全体の調和ある発展に不可欠のような気がするのです。つまり、都市計画だけでなくて、それと一緒に地域計画をつくったらどうだろうかという点が一点でございます。  それからもう一点は、市町村を含むところの、先ほど来、県とか市とかというふうに、地域とか地方の役割は極めて大きいわけでございますけれども、そういう意味で、建設省でもいわゆる多様化とか情報化の時代とかということをおっしゃっておりますし、都市についても多様な要素があるということも認めておることは私もわかっております。  建設省が、実は都市再構築のシナリオという研究のレポートがあると思いますけれども、その中で一つ気になることは、そういう多様化というものを認めながら、国の一貫した方針のもとで全国共通の枠組みを提示して、国が積極的な役割を果たすべきだという点、これは私は意欲はわかるのですよ、意欲はわかるのですけれども、それではまた昔と同じように全国同じような金太郎あめをつくるのだろうかという点の、そういう意味でちょっとこれについては違和感を感じておりますので、改めて地方分権と国の方向についても御答弁いただければありがたいと思います。
  225. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 二つの御質問でございまして、一つは、都市計画と同時に都市周辺部を含めた自然環境資源の保護、そういうことに配慮した策定が必要ではないかというようなことでございますが、都市計画は一体都市を総合的に整備する、そして開発し、保全するというふうに定められたものでございます。  したがいまして、その反面の、今度は都市周辺部を含めました自然環境資源、そういうようなものもまた考えていくということで、去る三月の三日に開会されました都市計画中央審議会におきまして新たな計画制度委員会を設けまして、現行都市計画制度を抜本的に見直すと同時に、その審議会におきましてこの周辺部の自然環境資源をどうするかというようなこともまた検討をしていただくということになっておるわけでございまして、またその答申も待ちたいと思っております。  それから、もう一つの問題でございますが、都市再構築のシナリオで、地方分権との関連というようなことでございますが、町づくりに当たりましては地域の実情に即した個性的な町づくりを進めることが重要であると思っておりまして、そのためには、地方公共団体、中でも地域住民に最も身近な市町村がその中心的主体となるべきであり、今後とも地方分権を積極的に進めていかなければならない、そのようには思っておるわけでございまして、連絡を密にいたしましてやっていきたいと思っておるわけでございます。  法律などの全国共通の制度的な枠組み、あるいは補助金など地方公共団体だけでは対応の困難な問題につきましては、なお支援の幅を広げていくという必要があるとは考えておるところでございます。
  226. 中野清

    中野(清)委員 今の御答弁の中のことで大体わかりましたけれども、私は、都市再構築のシナリオも大事でございますけれども、それよりも地域再生復興のシナリオというものがなければならないということを申し上げて、この質問から内容に入りたいと思います。と申しますのは、先ほど来、本法案の中で、都市開発についていろいろの話がございましたけれども、現実に再開発事業を実施している現場の声というものがあると私は思うんですよ。それについて幾つかインターネットなんかでも出ておりますから、私はそれをお伺いしたいと思います。  まず法制度面では、組合施行の、地権者が自主的に行うところの第一種市街地開発事業への新たな権利変換手法の導入についてはどうだろうか。また、施行区域要件の緩和とか、都市計画決定組合設立権利変換の手法の改善とか、特定事業参加者制度の改善とか、先ほど私は特定建築者制度については申し上げましたけれども、そういうものがあります。  それからまた業務代行の活用としては、補助として予算的にもある程度入っているというのは承知しているんですよ。承知しておりますけれども、国費のさらなる確保とか補助の弾力化とか、申請とか交付手続の簡略化とか迅速化という問題があります。  また税制では、地区転出者に対する譲渡課税の特例措置の拡充だとか、保留床の取得に対する不動産取得税の特例措置の創設とか、その他融資制度とか公的機関の役割とか、いろいろ幅広く、現場の声というものが建設省に届いているはずだと私は思うんですよ。  どうかこれについては、時間がございませんから一括で結構でございますけれども、一説には、首都圏だけでも八十三地区の計画中のものがある、これをやるだけでもGDPでもって三兆円以上のものがあるんだということになってくれば、当然その中においては、いわゆる権利者の方とのいろいろな問題もあります、それからまたいろいろな、そういう意味町づくりの問題もあります。ですから、そういうことは十分承知しておりますけれども、実行する面においてのこういう声についてはどのように建設省はこたえようとしているのか。これは専門的でしょうから局長さんで結構でございますから、答えてください。
  227. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今先生から、現場の声、第一種市街地開発事業権利変換の問題、補助金の弾力化の問題等々、いろいろな御要望があるということを承っております。私どもも、これらの点についていろいろなところからいろいろ承っておりまして、それについても鋭意今検討をしておるところでございます。その中でも幾つかの点につきましては、今回の法制度制度化させていただいたものもございます。  今後とも、今いろいろな御要望がございました点について、現場、公共団体等々からさらに詳しく要望等について私どもと御相談をさせていただき、今後の改善に努めさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
  228. 中野清

    中野(清)委員 これについては、いろいろな意味で個々の問題がございますけれども、現場の声というものをきちっとこれからもつかんでやっていただきたいとお願いをしたいと思います。  実は、過日、私が予算委員会においてちょっと質問したことの中に、中心市街地の活性化による町中の再開発というものは、対象地区の中の調整だけじゃなくて相隣関係調整にも手間がかかりましていろいろ難しい、これは先ほど来大臣も御承知のとおりでありますけれども、その中で、ちょうど大臣にも聞きたいと思ったのですけれども、現役閣僚でありますところの堺屋長官が、用途地域を廃止すべきだという主張がありまして、私が聞きましたらば、用途地域よりも環境別の方に切りかえていくんだ、例えば一定の音響を出さない方がいいとか、煙を出さない方がいいとかというような答弁がありました。私は、今堺屋さんのことをどうこう言うんじゃなしに、主管の大臣としてこれについてどういうふうにお考えになっているか、この際お伺いしたいと思うんですよ。  それからもう一つは、堺屋さんは公共施設は要らないというのを主張していました。評論家がそういうふうにおっしゃってもいいですよね。しかし、聞きましたら、今度は、博物館とか、いわゆる公共施設とか文化施設は必要だというふうに私の質問に答えておりましたけれども、全国に、今日まで問題があったのは、市役所とか町役場もそうでしょうし、官庁もそうだろうし、公共施設を初めとしていろいろなそういうものが、町中の交通渋滞とか駐車場がないとかということでほとんど郊外へ行っちゃって、中心市街地がおかしくなった、そういう認識が欠けているんじゃないかと私は思うのですよ。  公共施設の郊外移転と中心市街地の空洞化、これについても、どう認識しているか、これは堺屋さんのことを批判するというんじゃなくて、主管の大臣としてどうお考えか、明らかにしていただきたい。
  229. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 このこともまた、先ほど先生が御主張されておりました、やはり時代の変遷に伴って変わってきたと思うわけでございます。用途地域制度もございますが、その前の、例の調整区域と市街化区域の線引きなどもございましょうが、あれなども、いわゆる工業と住宅などが混在したのでは、今度は住宅に住んでいる方が静かな生活ができないとかいうようなことで、それで線引きをしたのでございますが、それはその当初の時代でございましょう。その後、いろいろ住宅地も広がってきたわけですから、今の地方の声として、調整区域を早く市街化区域にしてほしいという声は非常に多いわけですが、そういうようなことに対処していかなければならない。  ですから、先生の御指摘の用途地域制度でございますが、これは、例えば住宅は、工業専用地域以外は原則としてどこでも建てられるわけでございまして、基本的に用途の混在を幅広く認めるという緩やかな規制体制にはその後なってきておるのでございますから、私は、それは緩和の方向でいいんではないかなと思っておるわけでございます。  それから、中心市街地が空洞化しているということで、中心市街地活性化法というのがあるわけでございます。これはまたそれぞれの町の実情に応じて、両者の適切な調整が図られて解決をしていけばいいことだろうとは思うわけでございますが、これも、いわゆる中心市街地というのが郊外へ出ていくようになってしまう。それは結局、中心市街地に駐車場がないものですから、郊外にちょっとしたショッピングセンターをつくると、そちらへ行った方が非常に便利であるということで郊外に伸びていったということでございますから、それはやはり需要者といいましょうか、利用者、消費者の動向に従っていけばいいことだろうと私は思うわけでございまして、何も私は、世の中の国民の感覚の流れにさお差したって、それは流されるわけでございまして、それは自然の流れに判断をしていけばいいんではないかな、そのように思います。
  230. 中野清

    中野(清)委員 今、大臣おっしゃいましたけれども、堺屋さんがこう言っているんですよ。都市計画の用途の純化がおかしいという話を、そういうような感じのことも聞いていますよ。建設省も用途地域のことをおっしゃっているとおり、建築制限を見ても、では東京都内に住居とか工場が建たないかといえば、今おっしゃるように建つわけですよ。例えば丸の内とか銀座に、例えば商業地区でいえば、危険性や環境の悪化のおそれが大きい工場は建たないけれども、それ以外は建つということになったときに、どうもそういう意味での発言については、ちょっと短絡的ではないか、誤解を受けやすいと思いますから、これはひとつ大臣としてしっかりと、主管大臣ですから、この問題についてははっきりしておいていただきたい。これはお願いをしたいと思うのです。  それから今、大事な発言として市街化区域と調整区域の話がございましたけれども、これについては確かにいろいろ議論がありますし、今後果たして、そういう意味で、いろいろ堺屋さんの意見も入れて考えるというのだったらば、それはきちっとやってもらえばいいと思うのですよ。ただ虫食い的に、格好よく、用途地域を廃止すべきだというのでは困るので、もっともっとそういう意味での基本的な体系というものを考えてもらいたい。そういう意味要望をしたいと思います。  そういう意味で、実は私は、昨年、大規模小売店法の問題のときに、いわゆる町づくり三法の審議の際に、町中の再生を行うためには町中の問題だけではだめなんだ、いわゆる市街地の外の問題があるんだという話を何回もさせていただいてきました。現在の都市計画制度では都市計画区域外に土地利用制限が及ばないといいましょうか、つまりいわゆる未線引き白地地域とかまたは調整区域についてはほとんどコントロールがきかない。ですから、そこに今日まで中心市街地の空洞化があり大型店の問題があったというのは、大臣御承知のとおりだと思うのです。  そういう意味で、私はまず二つお伺いしたいと思うのですけれども、まず第一に、我が国土のうちに都市計画が占める割合は二五%で、都市計画の中で先ほど言ったいわゆる未線引き都市計画が占める割合というのは四七%、半分近くあるわけですね。これらは、地域としてやはり方針を明らかにしなければどうしようもないわけです。  今度大店立地法になりましたから、いわゆる経済的規制はできませんけれども、いわゆる地域として、地元として、社会的な存在としてのことを考えるということは可能なはずなんですよ。そうすると、都市計画の持つ役割というものは非常に重要なわけです。  きょう、私は特別用途地区については言いませんけれども、大して進んでいるはずはないんですよ。また、そんなに簡単にできると思っていませんけれども。簡単にできるわけないのです。だから、きょうそれは言いませんけれども、しかし、そういう問題があるということです。  その点について、都市計画における土地利用制限、特に町中以外の今言った白地とかいわゆる市街化調整区域、農地も含めて、これは考える必要があるのではないか。特に今言った大型店の問題等については、単なる経済的な問題としてとらえるのではなしに、町づくりとしてこの問題を考える必要があると思いますけれども、まずその点をお伺いしたいと思います。     〔委員長退席、井上(義)委員長代理着席〕
  231. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 今の先生の御指示、またいろいろな角度から研究しまして、また皆さんの御意見も伺って対処をしていきたいと思います。先生の御指示は、最低限度の規制はすべきであるという御意見だろうと思いますが、そういう方向でまたいろいろ考えてみたいと思います。  それで、土地の問題は、先生の御指示ではないのですが、よく言われますように、今まで土地というものを大きな財産として認めておった。いわゆる私有財産物として見るか、あるいはこれは国のものである、公共のものであるという感覚、そのどちらの立場で土地というものを認識していくかということも、そのことを考える前に考えていかなければならないんだろうと思います。  いわゆるバブルがはじけて、その大きな要因でありましたのは、いわゆる不動産、特に土地が異常に高騰したというところにあるわけでございます。これも、ですから、投機の対象とされたというところに、日本の経済の、それがいい方向に効果を発したのかあるいはまずい方向に走ったのか、私、今考えておるわけでございますが、私個人の考えとすると、やはり土地というのは公共物であるというふうに認識しております。
  232. 中野清

    中野(清)委員 今の大臣のお考え、私も同感であります。  先ほどちょっとお触れになったので確認をさせていただきたいんですけれども、先ほど大臣都市計画制度の見直しについて触れられましたので、私もそういう意味では同感なんですよ。特に今までのような線引きとか開発許可というそういう運用だけでは、もう無秩序な開発に対応は十分にできない。  ですから、そういう意味でも、都市計画中央審議会でも「都市再構築へのシナリオ」におきまして、「新都市計画法施行後約三十年を経て、中期的には、抜本改正も視野に入れた検討が必要」と報告もされているようでありますし、言いかえれば、都市計画制度において、適正な土地利用制限を課して、各種施設の立地を規制、誘導するための都市計画制度の見直しというものを今回の改正とあわせましてやる必要があるということについては、先ほどちょっと触れられておりましたので、ぜひ、これは都市計画制度改正するんだという意味で、御確認を願いたいと思います。
  233. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、これは、三月三日に開催されました都市計画中央審議会におきまして、審議会に新たに計画制度委員会というのを設けることといたしまして、現行制度を抜本的に見直すということで着手をいたしておりますから、このまた一つの結果を待ちたいと思っております。
  234. 中野清

    中野(清)委員 ぜひこの都市計画制度の見直しというものをやっていただきたいとお願いをしたいと思います。  最後に、いわゆる都市基盤公団とそれから民都機構というものと、両方兼ねまして三点ばかりございます。時間がございませんから、あわせて私の質問を申したいと思いますので、ひとつお願いをしたいと思います。  まず第一に、いわゆる民間都市開発推進機構というものについて、政府は昨年、住宅都市公団と民都機構を使った土地整形集約化都市の再開発の促進を打ち出しておりますけれども、この両者の関係及び新しい都市基盤整備公団との役割分担、これは後ほど当然あると思いますけれども、私は商工委員会でございますので、できたらばお伺いしたいと思います。  それから、もう一つは、中心市街地では、東京都とか政令指定都市だけで七千五百七ヘクタール、十五万二千九百カ所という虫食い土地とか未利用土地があるというふうに伺っておりますけれども、今回の大臣認定制度に基づくところの税制創設というものは評価しますけれども、なかなかこれだけではこれだけ膨大な土地は動かないと思いますけれども、総合的な利用促進法を講ずるべきと考えますけれども、具体的な方法は何か、お伺いをしたいと思うのです。  あわせて、不動産の証券化についてもお伺いしたいと思います。  最後に、これは私としても希望的に申し上げたいと思うんですけれども都市基盤整備公団について私見を述べさせていただきますと、今日、この公団というものは効率のみで考えるべきじゃないんだろう。いわゆる民間で行えない都市基盤の整備こそ重要でありまして、環境問題とか少子とか高齢化対策、また福祉とか交通整備とか防災対策とかいわゆる市街地開発とか、そういう基盤整備というもので促進される機能というものをやるという意味では、今回の住都公団からの移行というものは一つの時代のニーズに合っていると思うんですよ。だから、そういう意味で、具体的にいえば、今言ったバリアフリーにおける道路とか施設の整備とか、高齢者福祉の問題とか乳幼児の保育所の問題とか、さっき出ました。それから、駐車場の多機能化とか、高度化とか情報化とか、そういうような都市交通施設とかということで、いわゆる民間ができない問題についての取り組みについては、私は勇気を持って、先見力を持ってやるべきだということも考えておりますし、特に防災の施設についての重要性なんかはもう申し上げるまでもないと思いますので、これについては、大臣の御決意というか、ありましたらいただきたいと思います。
  235. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 あとの専門的なことは局長から答弁をさせていただきますけれども、まず、都市基盤整備公団に変わってくるわけでございますが、これは先生指摘のように、住宅宅地の大量供給から、今の法律関係しますけれども都市の基盤整備業務をシフトしていくということが一つでございます。それから二つ目に、民間及び地方公共団体との適切な役割分担、連携の観点に立った業務の徹底的な見直しということ。ですから、民間に重きを置いていくということでございましょう。それから三つ目が、組織のスリム化と経営管理の合理化。それを基本にいたしましてこの都市基盤整備公団というものが設立をされまして、これがまた法律化されるわけでございまして、そのときにまたこのことは御討議をいただきたいと思うわけでございます。  このため、新しい公団は、都市の再開発等によります市街地整備の改善とか、国の施策上特に必要とされる賃貸住宅の供給を業務の柱としておるわけでございます。  それから、具体的な先ほどの業務の展開に当たりましては、地方公共団体との連携を図りつつ、御指摘のございましたような高齢化対策あるいは防災対策、あるいは段差が解消されたいわゆる道路のバリアフリー化等、だれにとっても住みよい先導的な町づくりの基盤整備に努力していくというようなことでございます。  税制につきましては、局長の方から報告をさせます。
  236. 山本正堯

    山本(正)政府委員 何点か御指摘がございましたが、一つは、民都機構土地取得業務と住都公団の土地有効利用事業との差ということでございますが、民間都市開発推進機構につきましては、基盤整備を必要としない、あるいは民間事業者により基盤整備が行われることが可能な低未利用地を取得、保有して、建築物の整備事業の企画調整を行った上で譲渡するという、基本的には基盤整備を必要としない土地について取得するのが民間都市開発推進機構土地取得業務でございます。  一方、住都公団は、このノウハウ等々を生かしまして、虫食い地とか公共施設が不十分な低未利用地につきまして、現状では再開発事業を行うことが困難なものについて、これを取得して、公団みずから整形集約化し、公共施設整備等の基盤整備を行った上で民間事業者に譲渡する、あるいは自分みずからがそういう事業を行うということでございまして、民都機構と公団との業務は少し違っておりますが、それぞれが適切に役割分担をし、土地の取得、有効利用につなげていきたい、こういう制度でございます。  また、大臣認定税制創設だけではなくて、いろいろな総合的な施策、利用策を講ずるべきじゃないか、こういうことでございます。  先生おっしゃるとおりでございまして、私ども、昨年四月の総合経済対策において土地流動化のための総合的な施策を取りまとめ、政府全体としての具体的方策を実施しておるところでございまして、今回の住都公団を活用した土地有効利用のための事業推進、民都機構の活用、あるいは都市開発事業を迅速化するための今回の法制度改正税制改正等々について、今現在やっておるところでございます。さらに、これらの制度の活用等について図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  237. 中野清

    中野(清)委員 最後に、関谷大臣お願いしたいと思いますけれども、私は、この建設委員会で、前の亀井大臣それから瓦大臣に、町づくり、中心市街地の活性化につきましては、美しく、安全で、人のにおいがする町をつくりたいという両大臣の意見に賛同してまいりました。ぜひ大臣も、そういう意味で、この美しく、安全で、人のにおいがする町、そしてそれは再開発というものを、もっと時代を見詰めた思い切った発想の転換の中において、今までの従来型からもっと本当の意味で実行ができる施策というものをやっていただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  238. 井上義久

    井上(義)委員長代理 太田昭宏君。
  239. 太田昭宏

    太田(昭)委員 公明党・改革クラブの太田昭宏です。  まず、町づくり都市づくりの国のビジョンについてお伺いをしたいと思います。  昨年行われました町づくり三法、都市計画法、中心市街地活性化法、大店立地法、この審議の際も、日本の町づくりということについて大幅にシフトするということが大事だということを私は痛感し、主張させていただきました。ゾーニング手法で復活したアメリカのピッツバーグとかあるいはボルチモア、あるいはヨーロッパの国々の商店街の活性化等を見ましても、町づくり全般というものに対してのいわゆる哲学というものが私はあったと思います。  ところが、今回の法案を見ますと、これは民間主導という、それはそれで理念が貫かれているわけなんですが、まず民間主導の前に、国は一体どういう町づくりをするのかという、そこの哲学、思想というものを私は明確にすることが大事であろうというふうに思っております。  その意味で、昨年の中心市街地活性化法に基づいてかなりお金を使っているようなので、それがどうなるのか。あるいは、去年の四月だったと思いますが、建設省東京都で都市構造再編プログラム、これは街路整備ということを軸にしてやっているわけなんですが、これは一体どうなっているのか。あるいは、これから地域戦略プランという、これは小渕政権の目玉であるわけなんですが、これが一体どういうふうになるのか。  地域戦略プランについては私は後から聞きたいと思いますので、中心市街地活性化法、そして都市構造再編プログラム、これが一体どういう推進になっているのか。また、そのほかに、国として一体この町づくりとか都市づくりということについてどういうふうに骨格を貫くのかという、そこについてお聞きをしたいと思います。
  240. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先生指摘のように、都市づくり、町づくりというのは、基本的には主体は密着に関係いたします市町村であります。しかしながら、都市政策、国としてどういうふうなことを基本の柱にやっていくのかというのは、やはり私どもとして、国としてしっかりとした枠を持っていなきゃいかぬということであろうかと思います。  そういう意味から、都市政策ビジョンというものを私ども都市計画審議会の方から御提言をいただきまして、それに基づいて私ども推進していこうというふうに考えているわけでございます。歴史的転換期に当たりまして、都市の再構築ということを一番大きな目玉にいたしまして、既成市街地の再構築と都市間連携、あるいはまた経済活動の活性化に寄与するための都市整備、環境問題など新たな潮流への対応というようなところを新たな視点として、全国の都市政策のあり方について基本的な明確なビジョンをつくっていこうということでございまして、全国都市政策戦略ビジョンということを現在策定に向けて考えておるところでございます。  そういう大きな流れの中で、先生先ほど御指摘をいただきました中心市街地活性化法案先生にも大変御尽力いただきまして、中心市街地法案が今施行されておるところでございますが、これにつきましては、市町村の基本計画が、市町村が策定するわけでございますが、現在までに三十五の市町村から提出されておりまして、年度末までには累計で百を超える市町村から基本計画が提出される見込みでございまして、今後、これらの市町村におきまして、中心市街地活性化のためのいろいろな各省庁総合的な取り組みが本格化するという状況であろうかというふうに思っておる次第でございます。  また、都市構造再編プログラムでございますが、都市構造再編プログラムにつきましては、順次、今現在策定中でございまして、去年の四月に東京都区部について第一号で策定をしたところでございまして、大阪市についても、来年度早々公表をめどに作成中でございます。そのほかの大都市についても、今プログラムの策定を強く働きかけているところでございます。  両々相まちまして都市政策の推進に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  241. 太田昭宏

    太田(昭)委員 私の言っていることには答えていないのですよ。いっぱいしゃべっていただいたのだけれども、答えていないのですよ。要するに、関連というもの、そこの思想性と哲学というようなものが、先ほど最後に中野先生がおっしゃったけれども、どういう町をつくるのか。その骨格というものの中で、かくかくしかじかで、日本という国土、町づくりについてこういう問題意識を持っていて、それで私たちはこうします、その中の位置づけとして、中心市街地活性化法はこうあります、地域戦略プランはこうなんです、街路整備というのはこうなんですということが見えないから、何かばらばらでやっていて、予算というのを分捕りしているように見えてならないけれども、そこが一番大事なんですよということを私は申し上げているわけなんです。  それについて簡単に答えてください。何も答弁のそんな文字を見なくていいですよ、一番あなたが専門で知っているのですから。
  242. 山本正堯

    山本(正)政府委員 恐縮でございます。人口が高齢化する、人口が縮減を遂げてくる、中心市街地が衰退をしてくる、こういう状況でございます。そういう状況を受けて、都市の再構築を図っていくというのが私どもの基本的な都市政策の大きなビジョン、一つの考え方でございます。  そのために、一つの施策として、中心市街地の活性化の法案に基づいて各省連携をしていくということであろうかと思いますし、都市構造の再編プログラムというのも一つの非常に有効な手段であろうというふうに考えておるところでございます。
  243. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 太田先生、私の知っている分だけを答弁させていただきたいと思います。したがいまして、中心市街地活性化法、それと国土庁に行って私も関係をいたしております地域戦略プラン、この二つのことを先生に述べさせていただきたいと思うのです。  この中心市街地活性化法案というのは、これも先生が御関係されていらっしゃったわけでございますが、これをつくりました当初は、駅前活性化というような感覚でスタートしたと私は認識しておるのです。地域地域の駅前というのはその地域の顔であるというようなことで、その顔をあでやかなものにしようというような感覚で行ったのですけれども、今やずっとやはり中心市街地、その中でも特に商店街の活性化、私の松山でも大きな大街道とか湊町なんというのはもう商店街が虫食い状態になっております。ですから、そこをいろいろ税制も変えて活性化をしていこう、再構築をしていこうというようなことでやっております。私は、それが一つの哲学だろうと思うのです。  それともう一つの地域戦略プラン、これは先生に御指摘をされまして、あのときは私も恥ずかしいものでございますから、六十兆円の要望が出てきておるのですから、それだけ地域はわかって提出しておりますと言って、大変うそを言いまして反省をしておるのでございますが、あれはやはり国土庁の説明が十分でなかったものでございますから、予算の分捕り合戦の感覚でいろいろな、何々道路予算を幾らつけてくれ、何々河川を直してほしいとか、そういうようなことで出てまいりまして、これではだめだということで、一月の末に骨格を提出していただいた。それで、それを見ますと、国土庁が考えましたその哲学は地方の公共団体に全然理解をされていないということで、三月の末というのを五月の末に延ばしました。  ですから、それまでには、今国土庁も六チームの班を編成いたしまして、先生から御指摘をしていただいたことがもとになりまして、全国へ徹底してこの哲学を理解させて、そのプランニング、事業を出さすということをやっておりますので、五月以降の委員会におきましては、堂々と私はその哲学を実行したということを答弁できると思うのです。  ですから、この二つのことを私は自信を持って答弁できるのですけれども、もう一つの都市構造再編プログラムというのはちょっと私は十分に存じておりませんので、それは局長の方から答弁をしていただきたいと思います。
  244. 太田昭宏

    太田(昭)委員 それでは、私、質問の順番を変えて、せっかく大臣からそういうお話がありましたから、地域戦略プランについてお聞きしますけれども、今回のこの法案、これは予算規模はどれだけですか、局長。地域戦略プランじゃありませんよ、今回のですよ。
  245. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先ほどから御説明をさせていただいておりますが、今回の無利子貸し付け関係につきましては、土地区画整理組合関係に対する無利子貸し付けは四十二億五千万でございます。それから、市街地開発事業関係するあれにつきましては十七億ということでございます。その他、税制上の措置等々がございます。
  246. 太田昭宏

    太田(昭)委員 十七億と四十二億五千万。地域戦略プランは幾らですか、一括計上。
  247. 小林勇造

    小林(勇)政府委員 計上されている予算としましては、国土庁に公共事業として二千億円、それから非公共事業として五十億円。ただし、これは国土庁に計上されている分でございまして、事業そのものの規模としては、年間、事業規模全体で年平均で八千億を見込んでおりますので、国費ベースでは四千億ということで、四千億の半分が国土庁に計上されているというふうに私ども理解しております。
  248. 太田昭宏

    太田(昭)委員 今回は、私はなかなかプロ好みの法案を出してきたと思いますよ。かゆいところに手が届いているところと、届いていないところとあるから、私は届いていないところを後から申し上げるけれども。  しかし、十七億と四十二・五億、一方では地域戦略プラン二千五十億、あるいは四千億だ。この一月二十九日に四十七都道府県を通じて地域戦略プランの骨子を出した。出したものがどうなったかというと、結局、あそこからここから全部かき集めて、私も現場を幾つか聞きました。  そうしましたら、一月に出せというのでは、今あるものをどんどん出すしかないと。そして、それをかき集めて出すしかない。吟味がされていない。そして、ゾーンという形での広域性とかいうことがない。橋をつくるしかない。それを橋をつくるということが、こちらの都市とこちらの都市の合体だというふうに考えている。しかも、地方財源はない。だが、とりあえず出さなくてはいけない。一月が締め切りだ。出してきた。六十兆になった、六十兆になって、そして四兆に絞り込む、そういうことでしょう。六十兆になって四兆に絞り込むなんというのは、打ち出し方がこれは間違っているんだ。  私たちが物事をやるというときに、大体どのくらいの規模でということを計算して、あなたの都市ではこのくらい、あなたの村ではこのくらいということを出して、今から、六十兆出したものをまた四兆に削れなんと言ったって地方自治体は困りますよ。どう考えていますか。
  249. 小林勇造

    小林(勇)政府委員 まず初めに、六十兆というような数字が出てまいりましたことについて、私どもとしても大変大臣からも厳しく叱責されましたし、大変反省しております。  ただ、このプランの趣旨が、やはり地域の自主性ということで、地域みずから考えて持ってきてくださいということだったのですが、私どもの全体では、総平均では一カ所百億、四百カ所ですから四兆円ですよという御説明をしていたのですが、地域への趣旨が徹底しなかったということをまず一点反省するとともに、やはり各地域は、先ほど先生からもお話ございましたが、いろいろなことをやりたいということで、いろいろなものを盛り込んできたということ。さらに、各事業については、このプランに位置づけておかないと、将来、当該事業進捗に悪影響を及ぼすのではないかという心配を皆さんされまして、それでたくさんのものが出たわけです。  実は、私どもとしては、あくまで骨子の段階は素材であって、これをもとにこれからプランづくりを進めるということで、先ほど大臣からも、五月まで延ばして、そして国土庁がチームを組んで自主性を発揮するということで、私ども待ちの姿勢だったわけですが、どうもこれではなかなかうまくいかないかもしれないということで、私ども、三月中にも全県を回るということで、調整作業をお手伝いしようということで進めていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
  250. 太田昭宏

    太田(昭)委員 素材を出してもらった。その素材の中に哲学が入るのですよ、素材の中に。一歩の、左足なら左足の踏み込み、立ち合い一発の踏み込みだ。ここが大事だ。素材を出しました、その素材の中に哲学が込められているかということで、地域戦略ということが、町づくりという観点が入っているかが大事ですよ。  三月に回るというのは大変すばらしいことだが、何人で回るのですか。二十人ぐらいでしょう。何人ですか、担当は。
  251. 小林勇造

    小林(勇)政府委員 御明察のとおりでございまして、一チーム三人ということで六チームで全県を回る。それから、私も国会の審議に影響がない限り行かせていただいたり、あるいは、組織として推進室というのをつくりまして、審議官が次長をやっておりますが、これも一緒に応援団として回ろうということで今予定を組みつつございます。
  252. 太田昭宏

    太田(昭)委員 二十人の中に都市づくりの専門家は何人いますか。
  253. 小林勇造

    小林(勇)政府委員 都市プロパーで専門家というのは、私は、それぞれの出身、略歴なり、ちょっと今手持ちにございませんが、それぞれ公共事業にさまざまな形で携わっておられる方が非常に多いんじゃないかというふうに考えております。  ただ、都市づくり専門家と申しますと、もともとそういう方が果たして国土庁の中に何人いるかということも含めまして、若干自信がございません。
  254. 太田昭宏

    太田(昭)委員 私がこれは出し直せと言ったら、出し直しますか。この計画は小渕さんの目玉だけれども、やり直せと言ったらやり直しますか。
  255. 小林勇造

    小林(勇)政府委員 現在の作業の進め方としまして、先般、全体を四兆円にするために各県ごとに五年間の総額の事業費をお示ししまして、示した後の作業の進捗状況の私どもに入ってくる情報でございますが、先ほども某県の副知事さんが見えまして、上限の数字がはっきり示されたので作業が大変やりやすくなったということで、先ほど御報告に参ったりしておりまして、私どもとしては、今後順調に作業が進むと思います。  ただ、まさに先生がおっしゃっているとおり、数字だけの話じゃなくて、中身が本当に生活空間倍増の地域戦略プランに沿った趣旨にならなければ意味がないわけで、そういう意味で私どもとしては、現場に行って、あるいは東京にも来てもらいますが、いろいろと地域の方々と意見交換して、これにふさわしいものとしていきたいというふうに考えております。
  256. 太田昭宏

    太田(昭)委員 私は、これはやるからには、大臣、もう一遍、一番最初は地方建設局の人がアドバイザーになるということで担当まで決まっていたはず。そういうことも含めて、国土庁の二十人が三月に回るというようなことだけでなく、総体、内閣全体、あるいは、やるならやるで、明確にそういう新しい地域戦略ということに、町づくりということに即した、そういうものにしなくてはいけないし、残念ながら、日本の中には町づくりの専門家というのはいなくて、大体こういうものはぽんとコンサルに投げたりして、それをコンサルというのを、A案、B案、C案というものはどういいのかという、そこの歴史性とかさまざまなことを踏まえた、また未来というものを踏まえた、そういうものを見る鑑識眼というものを持たない、そういうことが私は非常に問題だと思うのです。  その辺の知恵のインフラというか町づくりインフラというものの骨格というものを徹底的に、建設省、国土庁も含めてちゃんとやってもらわないと、これはとんでもない話になる。私は、このことについてしっかりくぎを刺しておきます。それで、これを本当にやって、そしてちゃんと報告してもらいたい。
  257. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 正直申し上げまして、国土庁の中にそういう説明の方を十八名つくって全国の地方公共団体へ派遣するわけでございます。ですから、一からの出直しと御理解をしていただいたらいいと思うわけでございまして、四兆円の範疇にもちろんそれは入れなければなりませんし、それから、骨子として出されたもので是とするものもあるでしょうが、私の今の感覚からいきますと、それが認められないものが大部分ではないかと思うわけでございまして、そういうような意味におきましても、一歩からの説明を始めて、そして五月の末までにしっかりとしたものを、哲学を理解した上での地域の独自の事業プランニングを出していただくということでやっていきたいと思います。  したがいまして、これは本当に、これをおかしいと思ったのも予算委員会での先生の御質問からでございますので、途中の経過、どういう事業内容が出てきておるか、予算はどのぐらいであるかというようなことを報告させていただきたいと思っております。
  258. 太田昭宏

    太田(昭)委員 都市局長、私が先ほど申し上げたのは今みたいな話です。  要するに、昔は鉄道というものを基軸にして、もっと昔は町が街道沿いに日本はつくられた。それから鉄道という、駅を軸にして町がつくられた。駅前商店街というのがあった。疲弊をしている。そして新しい、今度は車社会になってきた。郊外が大事になってきた。動きが全然変わってきた。その中で、中心市街地という駅前商店街が疲弊をした。何とかしなくてはいけない。中心市街地活性化法だ。こういうふうになっているが、そういうところだけに力を入れていったって町は回復はしない。  地方都市はどうなっているか。私の田舎の愛知県の豊橋市というところだって、駅前というのはあった。そこに市民病院もあった、何でもかんでもあった、何々銀座というのもある。それが、病院が出ていく。いまだに空き地だ。そして、うちの母親なんかもそういうところに、病院にはなかなか遠くて行けない。非常に風が吹いて大変だ。新しい町並みとか工場街ができようとしている。この町は一体どういう町なのかということについて、地方自治体は物すごく苦労している。  そういうところに、苦労をして何とかこの町というのは一体どういう町をつくっていこうかという新しい観点に立っての地域戦略プランというのがあって、中心市街地活性化法というのはその一つの手だてだから、何をどういうふうにしていくのかというような観点、私は、都市局長にはそういう話をしてもらいたいのだ。いかがですか。
  259. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先生がおっしゃるように、町、都市はそれぞれに歴史があり、文化があり、そのところで息づいておられる人々がそこで生活をし産業を営まれるというところで、非常にそこのところをどうやっていくのか、どういうふうにその町の人が活性化を図っていくのかというのが大変重要であるということであろうかと思います。  現在の都市のあり方について、今先生がおっしゃいましたように、中心市街地が大変疲弊化していく、そのときの大都市のリノベーションをどうやっていくのか、中心市街地の活性化をどういうふうに図っていくのかというのが一番戦略性の高い課題であって、その辺の戦略性を持ってやっていかなくてはいかぬということであろうかと思います。  私どももそのために、先ほどちょっと私が途中まで申し上げて大変恐縮でございますけれども、全国の都市戦略プランというものを策定するために現在鋭意進めておるところでございます。その戦略プランというものの中に、そういうことの考え方をきちっと入れて、都市政策の基本的なあり方について明らかにしていきたいということでございます。     〔井上(義)委員長代理退席、委員長着席〕
  260. 太田昭宏

    太田(昭)委員 地方自治体の都市計画法が三、四年前改正された。その中で基本方針、いわゆるマスタープランをつくれという指示が出た。マスタープランがどれだけつくられていますか。
  261. 山本正堯

    山本(正)政府委員 今、先生がおっしゃいました都市計画の市町村のマスタープラン、市町村におきます都市のあり方についての基本のものでございます。  これにつきましては、平成四年に改正されて位置づけられたわけでございますけれども、現在、四百三十三の市区町村で策定を完了いたしております。また、今現在、多くの市町村、約九百ほどの市町村で策定に向け具体的な取り組みがなされているという状況でございます。
  262. 太田昭宏

    太田(昭)委員 この四百三十三市区町村、これは三千自治体ということからいくと十数%にしかならないけれども、これについては国は関与しないのですか。そういうことについてどういうふうに思っていらっしゃるか。
  263. 山本正堯

    山本(正)政府委員 市町村のマスタープランをつくりますのが、三千三百余の市町村の中で対象になりますのが二千三十三ということでございます。現在、その中の四百三十三、策定中も合わせまして全体で八百四十五ということで、半分ちょっとということでございます。これは、順次こういう格好で、市町村が自分たちの都市計画のあり方、町のあり方についてこの中で明らかにしていくということであろうかと思います。市町村みずからの工夫のもとに、住民の意向を反映させて、個性ある都市づくりの将来像、町の将来像を提示することになろうかというふうに思っております。  そういうような格好で、都市につきまして独自のマスタープランをつくるということについて、私どもとしては国として支援をしていく。そのときに私ども、先ほど申し上げましたように、都市政策のあり方、市町村は独自の町づくりのあり方をマスタープラン等で明らかにするわけでございますが、国としても戦略的に都市政策のあり方、地方のあり方というものをきちっと明らかにしていかなければいかぬということで、全国都市戦略プランということを現在策定、検討中だということでございます。
  264. 太田昭宏

    太田(昭)委員 要するに、現場に任せてよく議論をしていただくということと、その自主性というものを尊重するということと、国がどうバックアップするかというところ。私は、昔ある役人の方がおっしゃったように、現場に知恵がないとは言いませんよ。ただ、現場に知恵はあるのだけれども、日本全体に町づくりの知恵というのが欠けている。それについては、建設省、しっかりやらなかったら大変なことになる。同じことが今回の法案にもあるわけですよ。  今回は、貸し付けという角度で、先ほど私はこれはなかなかプロ好み、憎いと言ったけれども組合事業計画とどちらが、鶏が先か卵が先かというようなことの中で踏み込んでやったということは大変いいことだ、前進だと私は思うけれども、もう一つの大事なポイント、現場でいろいろな方に、携わっている組合の方たちに聞いてみました。  どこが一番のネックか。一番最初、地権者は三分の一でいいのだけれども、現実の場では、これはやはり全員の納得というものを得たい。得なければなかなかスムーズに進まない。まずそれが第一のネックになる。そういうことの中で、貸し付けの問題というのは、今回はなかなかプロ好みだと言ったのは、そこは前進はする。  もう一つ、今、保留床のところというのが一番焦点になって、手が打たれたようなのですが、実は、この市街地の再開発で一番の問題は、まさに保留床の買い受け先が見つからない、ここの問題ですよ。ここを組合をつくって、これを組合ということで区切りをつけて、賃貸ができるようにする。一応の区切りをつけて、次の段階に踏み出すためにそういう整理の仕方をした。これは結構。  しかし、ここで、現実には四十階とか、東京では三十階とかいうようなことを考えている。五階までをそういう形で使おうとしている。何とかそこに、例えば公共施設が欲しい。それは全体の地位が上がるとかいうことで、これはかなり深刻なのですよ。  それで、こういう人たちが、あっちに相談に行ったりこっちに相談に行ったり、何をここの中に入れたらいいか、新たな職業訓練所がいいのじゃないか、学校絡みがいいのじゃないか、警察の寮がいいのじゃないか、いろいろそういうように駆けずり回るわけだ。我々のところにもさまざま相談に来る。ここにもまた知恵の根源というものがないし、また、どういうシステムで、どこに何をどう言っていったらいいかわからない。しかし、役所も相談を受けるけれども主体ではないということに最後はなって、その辺の相談の受け皿というか、その辺についてもう一歩踏み込んでいかないと、物すごく現場はその辺が大変ですから。  その受け皿問題とか、保留床管理法人がすぐ直面する、こうした悩みの受け皿的な役割ということに対して、先ほどマスタープランについても国が支援するという言葉を言われたけれども、その辺の国の受け皿的な役割あるいはアドバイスというようなこと、アドバイスも単に言葉だけじゃなくて、少しは踏み込んだり人の手足を引っ張ってあげるというような措置は考えられているのかどうか。結構ここはポイントですよ。
  265. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先ほどの保留床の処分先の確保をするためには、地方公共団体による福祉施設とか文化施設とか公共施設の導入とか、中心市街地の施策における商工部局との連携とか、そういうような工夫が必要であるということでございまして、テナントを調整する、テナントを呼び込んでくるというような観点からは、コーディネーター役の人材確保も極めて重要であるというふうに考えておるところでございます。  私どもとしては、住宅や社会福祉施設を導入するような事業に対する新たな補助制度上の割り増しの優遇措置でありますとか、あるいは、公共団体が地域交流センターとして床を取得する場合の補助の実施でありますとか、そういう事業の施策を実施しておりますとともに、コーディネーター役とか都市開発のプランナーみたいなものにつきましての登録制度も現在実施しておるところでございます。そういうふうなソフト、ハード、両面にわたる助成制度を活用して、積極的にやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  266. 太田昭宏

    太田(昭)委員 速くおっしゃったので、私の質問に答えたのかどうかが私自身がよくわからないけれども、そういう悩んでいることに対して本当に相談、アドバイス、それももう一歩踏み込んで、文部省関係のものができないかとかいろいろ駆けずり回っているけれども、そういうことについて、答弁の用紙を見なくていいから、もうわかっている話でしょうから、これについて何らかこういうようなことをやっているという、もう一歩プロらしいアイデアというものがされていますか、この法案に。
  267. 山本正堯

    山本(正)政府委員 この法案といいますよりも、各市町村、あるいはそういう事業を行いますときのコーディネーター、プランナーというようなことについての私どもとしての登録制度でありますとか、公共団体がそういうことを行います人材についての私どもの育成でありますとか、そういう点について心がけていきたいというふうに考えておるところでございます。
  268. 太田昭宏

    太田(昭)委員 再開発ビルの保留床を管理する管理法人に対して、保留床の取得費の三分の一を無利子で融資する。そうですね。この三分の一の問題について、現場の方ではなかなかこれはありがたいとは言っているのですよ、もう本当によく勉強していて。それで、すぐ欲しいと。これが通るということになれば、四月からですか。もう待ちに待っている。待ちに待っているけれども、十七億じゃ余りにも少ないという話はそこから出てくる、待ちに待っているから。  そこで、無利子制度自体は大変ありがたい。しかし、右肩上がりの時代と違って、保留床の引き受け手がない、借り手がない。そこで、公的施設が入ればいいがということで駆けずり回っても、なかなかそういうようなことにもならない。ランニングコストが非常に高いということで、自治体は及び腰だ。  そうすると、どうなるかというと、大企業を回ったりして、そして、その大企業自体が入るのでもない。そこが自分のところで借りて、またテナントに出すというようなことになる。そういう話し合いまで現実には行われている。そうすると、三分の一のお金では少ない。それがそのまま一床一床の値段にもかかわってくるということがありまして、三分の一を上げてもらえないかというのが、結構、現場の一番急所であると私は思っていますが、これはどうですか。
  269. 山本正堯

    山本(正)政府委員 保留床に対します資金手当てでございますが、この点につきましては、日本開発銀行でありますとか住宅金融公庫でありますとか、そういうようなものについての低利の融資制度がございます。これが融資率が五〇%ということになってございます。それとあわせて、今回の無利子融資、三分の一ということで融資をされるということになれば、ほぼ七割から八割を対象にして融資がなされるという格好に私どもとしては考えていきたいということでございます。
  270. 太田昭宏

    太田(昭)委員 恐らく午前中の論議とかそういうところでもいっぱい出たと思いますが、十七億、まず助走でございますからと何か遠慮がちにそろそろとやっていくんでしょうが、現場ではかなり、今申し上げましたように、もう待っているところも現実にある。  そういう意味では、十七億という問題と三分の一ということ、ここを上げてもらわないと、なかなか保留床というものが引き受け手がない、そういうような現実。そこのところは三分の一の支給だという一点にかかっていますから、私はこれは何とかここは一工夫できないものか、それについて大臣いかがでしょうか。
  271. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 一工夫と言うのですが、まあ当初はこれでスタートさせていただいて、来年度予算でまた、これは十一年度だけでございますか、ですから、また大きなものに育っていくことができると思いますが。
  272. 太田昭宏

    太田(昭)委員 もう一点だけ御質問させていただきますが、今回問題となっている虫食いの土地の集約、これもなかなか考えたことになっていますが、土地交換の際の譲渡益課税を免除するという制度が加わる。  そこで、画期的だと私は思いますが、これには建設大臣認定が必要となっている。この制度自体は非常に便利であるけれども、厳格化過ぎますと動かなくなってしまうから意味がない。そうかといって、安易な認定ではモラルハザードを招きかねない、こういうことになる。  大蔵省が思い切って今回の措置に踏み込んだのは私は評価できると思いますが、そこの認定基準についてどう考えるか。認定のときの計画のありよう、ここをよく見ることが大切になると思うわけでありますが、いかがでしょうか。
  273. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先生おっしゃいましたように、事業用地適正化計画認定につきましては、税の減免ということでございますので、ある程度基準は厳格にならざるを得ない。ただ、私どもとしましては、運用に当たっては、柔軟な運用をできるだけ心がけるようにしたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。  認定基準につきましては、法律におきまして、例えば事業用地が低未利用地であるとか、三大都市圏の中にあるとか、あるいは形状、面積から見て事業の用に供することが困難であるとかいろいろな要件がございます。この一々、一つ一つの要件をクリアすると同時に、今申し上げましたような、制度の制定されました趣旨に基づきまして、事業計画、民間都市開発事業が立ち上がるように、その事業が立ち上がるための税制措置が十分適用されるように、私どもとしても十分な運用に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  274. 太田昭宏

    太田(昭)委員 終わります。
  275. 平田米男

    平田委員長 井上義久君。
  276. 井上義久

    井上(義)委員 まず、都市開発全般につきましてお伺いしたいと思います。  日本の都市開発あるいは区画整理事業は、町づくりに大変大きな役割を果たしてきたと私も認識しているわけでございます。ただ、これまでの都市開発というのは、これまでも指摘されておりますけれども、いわゆる減歩を建物の高度化によってカバーする、保留床をできるだけたくさん生み出して、その売却で事業資金を賄う、こういう手法で行われてきた。  それから、区画整理事業というのも、結局、公共あるいは保留地というものによる減歩というものを、土地価格の増加、開発利益をそれに充てるということが本来なのですけれども、それに地価上昇というものが右肩上がりでありましたから、それが加わって事業推進してきた、そういう側面があるわけでございます。  ところが、こういう手法が、結局、地価が右肩上がりでなくなったということで、先ほどから出ていますように、なかなか保留床が売れない、あるいは保留地が売れない。それから、例えば、高度化によって保留床をつくり出しても、都市間の競争があってオフィスビルがなかなか埋まらない。  いわゆる右肩上がりの地価と経済成長を前提にしてきたこういう再開発の手法なり区画整理の手法というものが、ある意味で行き詰まりに来ているということなのだろうと思うわけですけれども、再開発あるいは区画整理事業が置かれている現状について、大臣の認識をまずお伺いしたいと思います。
  277. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 先生、御指摘のとおりでございまして、地価の下落等の現在の状態を見まして、そのもとで事業期間の長期化、そしてまた資金調達が大変苦しい状態であるというようなこと、それに関連しまして、関連制度というものについても民間活用の一層の促進を図る必要があるというような認識で、今回の法律案を提出したわけでございまして、そこで、無利子貸付制度の導入とか、民間事業者の経営、技術的能力を積極的に活用するための再開発手法改善充実等内容とする本法律案を提出させていただいたというところでございます。
  278. 井上義久

    井上(義)委員 再開発事業あるいは区画整理事業というものがどういう状況に今あるのかという大臣の認識をまず確認しないと、この先なかなか進めないので、そのことを確認したかったので、もう一問お尋ねしますから、それに加えて答えていただければいいと思います。  要するに、減歩を建物の高度化でカバーする、保留床をできるだけたくさん生み出して事業資金に充てる、いわゆるタワーアンドスペース、突然大きな建物がどんと建つ、こういう手法で再開発というのは主に行われてきたわけです。  ところが、こういう問題というのは、さっき言ったように、右肩上がりの経済成長とか、いわゆるオフィスをつくればどんどん入ってくる、それから保留床をつくればつくるほどそれは高く売れて事業資金に充てることができるということはもうなくなったという前提に立たなければいけないと思うわけで、そういうこともなくなった。  しかも、高齢社会、タワーアンドスペースのような大きな建物、そういう町ができても喜ぶ人はほとんどいない、こういう状況になると、そういう手法自体がもう限界に来ているのではないか。しかし、一方で、再開発は必要だ、区画整理は必要だということになると、これまでの手法というものを抜本的に改めないと、これ以上先に進めないのではないか。  そういう意味で、現状をどう認識して、これまでの手法についてどう総括をされているのかということをまず確認しておきたいと思います。
  279. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 そういう意味におきましては、確かにもう経済力あるいは国民の皆様方の物事に対します考え方、主張といいましょうか、そういうものも大きく変わってきておるわけでございまして、建築物にいたしましても、おっしゃいますように、土地の価格は下落はいたしておりますし、右肩上がりの経済情勢でもございませんから、そういうものを建ててそこからの収益でもって返済をしていくということも、したがいましてなかなか難しい状態になってきたというふうに認識はいたしておるわけでございます。  ましてや、片や少子高齢化という人口構造になってきておるということでございますから、そういう意味において、私は、そういう高度経済成長からいわゆるなだらかな成長期に今入りつつあるのだろうと思いますけれども、その中での建設行政というもの考えますと大変難しいと思うのです。  それの一助として、手助けとして、いわゆる民間主導のそういう景気回復に持っていきたいということで、いわゆる無利子融資制度などをそこに出してきたというふうに私は考えております。
  280. 井上義久

    井上(義)委員 どうもちょっと余りかみ合わないようなのでもう一度お伺いしますけれども、要するに、再開発事業なり区画整理事業というのは大きな転換期にあるということは、大臣もそのとおり認識されているのだろうと思うのですよ。  要するに、今までのその手法がもう限界に来ている。例えば、こっちで再開発をやる、隣の町でも再開発をやる、同じようなオフィスビルが建つ。そうすると、これはもう都市間の競争になって、今まではパイが大きくなっていますから両方埋まる。わざわざ同じことをこっちでやっても埋まらないということになると、今までのそういう手法自体がもう限界に来ている。  しかも、今までは区画整理事業とか再開発事業というのは、要するに必要があった。例えば、防災の問題だとか美観の問題、あるいは中心市街地の活性化の問題だとか、必要がある。必要があるけれども、可能なところから順番にやってきた。今までの手法で可能だった。そういう今までの手法で可能なところはもうほとんどなくなってしまった。だけれども、必要というところは残っているということなんだと思うのですよ。  そうすると、何か手法を新たに考えないと、このままでは、必要はあるけれども開発は一向に進んでいかないということがこれから進んでいくわけで、そういう中で、今回出たこの法案、私は、それぞれ個別に今やっていることについての援護射撃、これは十分とは言いませんけれども、いろいろな意味で、再開発で現場で苦労している人たちにとっては相当な援護射撃にはなっていると思うのです。  ただ、この法案からそういう再開発なり区画整理事業の先が見えてこない。この法案というのは、そういう再開発が置かれている、区画整理事業が置かれている状況の中で、どういう位置づけでこの法案を出してこられたのか、そこを明確に、もう一回確認したいと思います。
  281. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 専門的なことは局長といたしまして、今勉強させていただきましたが、確かに今までの手法では開発は難しいと思います。しかし、その開発を求めておる地域は依然としてある。全く私もそうだと思うわけでございまして、ですから、そのことに対して、新たなる、今の経済状態等々も考えた開発手法というもの、方法というものを打ち出せという御趣旨だろうと思うわけでございます。  ですから、そういう中にあって、この法案はいささかのプラスにはなるんではないか。すべてがすべてとは思いませんし、また先生指摘のように、その答案がさっと出るんでしたら、ぜひ逆にお教えをいただいたら、今からでもこの法案内容を修正いたしまして対処したいと思うのですが、私の知恵ではちょっと今その手法というのは出ません。局長も無理だろうと思いますけれども、ちょっと一応答弁させます。
  282. 山本正堯

    山本(正)政府委員 大変恐縮でございますけれども先生が今御指摘のように、保留床とか保留地の処分をすることによって、民間のみで、基本的にはその資金で再開発区画整理をやっていくというその手法は、もう大変行き詰まってきているということはおっしゃるとおりだと思います。  そういう保留床とか保留地処分のみに依存しない事業手法ということを考えていく必要がある。例えば、その一つの例でいえば無利子貸し付け、あるいは補助金の関係、合併施行でありますとか、あるいはまたそういう個別の施設、福祉施設でありますとか、道路、街路でありますとか、そういうものとの合併施行といいますか、あわせて事業をやっていくとか、そういうようないろいろな、保留地、保留床処分だけで、単独でやっていくような事業手法ではない、いろいろな手法の改善を図っていくということが当面の課題であろうかなというふうに考えておるところでございます。
  283. 井上義久

    井上(義)委員 先ほど申し上げましたけれども、要するに、必要なところがあって可能なところから手をつけてきた、必要なところはどんどんふえている、計画はどんどん上がってきているのですけれども事業決定しているところがなかなか伸びないというのが象徴的だろうと思うのですよ。  そうすると、これから、今回の法案もそうなんですけれども、ある意味で公的資金をつぎ込むわけですから、よっぽど戦略性を持って考えないと、どこにどういうお金をつぎ込むかという戦略性を持って考えないと、今までのように、さっき話がありましたけれども保留床を売って、あるいは保留地を売って事業資金が出てくるということじゃなくて、公的資金をそこに投入していくわけですから、国としてのきちっとした戦略を持って考えなきゃいけない。しかも、今地方財政も非常に厳しくなってきていて、公共投資、いつまででもこれもまた右肩上がりでやるということはできないわけでございます。  そういう意味で、先ほども議論が出ていますけれども、明確な町づくりの戦略、あるいは再開発とか区画整理というものを何を一番の星にしてやるのか。例えば、防災なのか、あるいは住宅のスプロール化というものをできるだけ防止して、職住近接のそういう住宅をメーンにしていくのかとか、やはり地域地域によってそういうきちっとした戦略性を持ってこれから再開発をやっていかないと、公的資金、これまでの手法の延長線上で、ただバックアップするだけでつぎ込んでいくようなやり方ではとてもやり切れないと思うし、どうもこの法案を見ていると、先ほどもちょっと言いましたけれども、今一生懸命やっている人たちには援護射撃になっていると思いますが、その方向性が見えてくるような仕組みになっていないんじゃないか、こういうことを私は非常に心配するわけでございます。  そういう意味で、先ほどもちょっと出ていますけれども、「都市づくりの政策体系のあり方」というので、「都市再構築へのシナリオ」というのを都計審の基本政策部会が昨年提言されて、その中で、国がきちっとした戦略を持ちなさいよということを指摘しているわけです。その中で、具体的に全国都市整備戦略ということで、UDSですか、この策定なんかも提言されて、それを受けて建設省もその策定に取り組んでいる。  私は、何もやっていないと言っているのじゃなくて、取り組んでおられると聞いているので、そのこともあわせて、今指摘したことについてどういう戦略を持とうとされているのか、その辺のことをお答えいただければと思います。
  284. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先ほどもお答えを申し上げましたように、都市の政策のあり方をきちっと国としても持つべきであるということで、先生、今御指摘のような全国都市整備戦略の策定に向けて、今準備を進めておるところでございまして、できるだけ早く策定し、公表したいというふうに思っておるところでございます。その中でも、都市づくりについての政策課題、国の取り組み方針、基本的な考え方について、ここできちっとした方向を出そうということでございます。  私どもが常々言っておりますように、人口増加が鈍化してくる、あるいは経済成長が鈍化してくる、高齢化社会、少子化社会だ、こういう状況の中で、都市型社会になってくる。都市が今まで、区画整理でありますとかにつきましても、外縁部のニュータウンの区画整理、あるいはその周辺部の区画整理から、町中の区画整理を中心にまたやっていかなければいかぬという状況になってくる、大変厳しい状況の中で区画整理をやっていく必要があるというようなことになってきている状況でございます。  こういう点について、区画整理事業についても、先ほど先生からも御指摘いただきましたように、今のような、従来のような形ではなかなか事業として成り立たない、もっと新しい手法を考えるというようなことでの戦略的な考え方も持つべきであるということでございます。残念ながら、まだ今の段階で、抜本的な、ドラスチックな制度についての私どもとしての腹案を持っているわけではございませんけれども、先ほど先生がおっしゃいましたような趣旨も踏まえて、私どもとしての改善策についていろいろ検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
  285. 井上義久

    井上(義)委員 再開発に関連して、都市計画の件についてちょっとお伺いしたいと思います。  都市計画制度については、その法体系とか制度体系が非常に複雑だということがよく指摘されているわけでございます。例えば、土地利用に関する都市計画についても、用途地域のほかに特定街区というのがあったり高度利用地区があったり、あるいは地区計画というふうに非常に複層化、複雑化しているわけです。一方で、都市づくりというのは市民参加というのが非常に重要である、そのためには、やはり制度をわかりやすく使いやすいようにしなければいかぬのじゃないか、こう思うわけです。  そういう意味で、都市計画法の抜本改正を視野に入れた都市計画制度の見直しを行うということで、都計審、この三月に計画制度委員会を設置してその検討に着手されている、こういうふうに聞いているわけです。最終的には法制の改革という方向へ行かなければいけない、こう思うわけですけれども、計画制度委員会設置のねらい、法改正まで含めて考えているのか、それから、今どういうことを検討して、今後どういうスケジュールでそのことを行われようとしているのかを確認しておきたいと思います。
  286. 山本正堯

    山本(正)政府委員 先ほど大臣からもお話がございましたように、都市計画法が成立して三十年たつわけでございまして、都市を取り巻く状況が一変してきておる、こういう状況でございます。そういうことで、現在、都市計画中央審議会に小委員会を設けて検討を始めたところということでございます。  具体的には、先生今おっしゃいましたような現行都市計画法の大枠についても抜本的な検討を加えようと。都市計画区域のあり方でありますとか、市街化区域、市街化調整区域の線引き制度のあり方でありますとか用途地域、今先生おっしゃいました地区計画、地区計画もこの数十年の間に順次追加されてきておりますけれども、わかりにくくなってきている、こういう状況もございます。そういう複雑になってきておる制度についても、抜本的にいろいろ再検討していこうということでございます。法律改正も当然含めて、今現在検討に着手し始めたという段階でございます。
  287. 井上義久

    井上(義)委員 法改正を視野に入れてやられていると思うのですけれども、大体めどをどういうふうに考えていらっしゃるのですか。スケジュール。
  288. 山本正堯

    山本(正)政府委員 都市計画審議会の方で、実は三月三日に開きまして、きょう第一回目の小委員会を開いておるところでございまして、鋭意今先生方に御検討をお願いしているところでございます。  私ども事務方の希望としましては、来年度、今年中には何らかの中間的なり、あるいは一つの方向を見出して法制度につなげていければいいかなと。段階的な制度改正になるか、あるいはまた抜本的に全体をやるかどうかという点についても、今後審議会の先生方にも御相談をさせていただきながらやっていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  289. 井上義久

    井上(義)委員 明年度中にほぼめどをつけたいというふうに理解してよろしいですね。
  290. 山本正堯

    山本(正)政府委員 大枠のあり方につきましては、本年じゅうをめどに成案を得るべく検討していきたい、大枠につきましては本年度中にというふうに考えておるところでございます。
  291. 井上義久

    井上(義)委員 本年中ね。了解ね。
  292. 山本正堯

    山本(正)政府委員 修正させていただきます、来年度中ということで。恐縮でございますが、本年中ということで。恐縮でございます、ちょっと混乱いたしました。本年中というめどで検討をお願いしているところでございます。
  293. 井上義久

    井上(義)委員 この都計法、これは都市計画の基本ですので、戦略を決める上でもやはり大枠をきちっとしていかないといけないと思いますので、ぜひよろしくお願いしたい、こう思います。  それから次に、再開発区画整理事業に関連して補助金制度の問題ですけれども、これはほかもそうなのですけれども、非常に複雑多岐で、地方公共団体がプロジェクトを推進する際に必ずしも使いやすい制度になっていない、お認めになると思いますけれども。類似事業を総合化して、プロジェクトに着目した補助金の運用や制度を確立する等、補助金制度の総合化、統合化を進めて、地方公共団体が使いやすい、あるいはその個別プロジェクトが能率的、効果的にできるような仕組みをつくるべきである、こう思うわけでございます。  地方分権委員会の勧告でも、町づくりに関して統合補助金を創設するように求められているのですね。この分権推進委員会の勧告は当然で、この補助金制度の総合化、統合化、これについては、建設省、きちっと考えていただいていると思いますけれども、これから具体的に何か出てきますか。
  294. 山本正堯

    山本(正)政府委員 補助金制度の簡素合理化あるいは統合化ということでございますが、一つは、例えば今回の市街地開発事業への補助制度につきましても、大変複雑な制度構成になっているというようなこともございまして、一定比率を乗じて定める簡便な乗率方式を導入するといったようなことも今回することとして、来年度予算からやることとしております。それも一つの例でございます。  あるいはまた、先生、今おっしゃいました地方分権推進委員会の勧告の方向を踏まえまして、現在、建設省全体、都市局も、その中に当然いろいろな観点がございますけれども、下水とか公園とかの関係にわたります補助金につきまして、統合的な補助金の導入について検討を進めているところでございます。  例えば、町の中の一定の区域につきましてのプロジェクトにつきまして、公園、下水道あるいは街路等を一括して、メニューのような格好で補助を採択できるように、市町村にそういう採択の余地を残すような格好での補助金でありますとか、あるいは、一つの市町村の公園事業につきましても、個別の具体の小さい箇所をすべて見るのではなくて、市町村あるいは地区ごとに、幾つかの公園については、その採択についてはそれぞれの地区のあれに任せるといったような、統合した補助金の制度のあり方について検討を今現在進めているところでございます。
  295. 井上義久

    井上(義)委員 今回の改正に関連して、何点かちょっとお伺いしたいと思います。  今回の改正案、民間主導によって再開発を促進するということで、事業資金調達円滑化とか再開発手法の改善充実の措置を図る、こういうふうにうたわれているわけですけれども、まず、法定事業について、市街地開発事業土地区画整理事業に対する都市開発資金からの無利子貸付制度創設、拡充、これは非常に大きいと思うのですけれども、特に、事業準備段階事業施行者の前倒し貸し付け、この促進効果をどのくらい見ていらっしゃるのか。  先ほどもちょっと指摘がありましたけれども予算規模十七億、実際に行われている再開発事業からいうと極めて小さいというふうに我々は認識するわけなんですけれども、この効果をどの程度見ていらっしゃるのか。
  296. 山本正堯

    山本(正)政府委員 国費で予算に計上させていただいているのは十七億でございますが、先ほども説明を申し上げましたとおり、準備組合段階事業費が要るということが、設計、施行、調査関係の費用につきましては、例えば二億ないし三億円ぐらいの費用がかかるということでございますので、一年間で一億ぐらいの費用が、一つの組合で立ち上がるためにはかかるということになろうかと思います。  その費用につきましても、全額無利子貸し付けで対応するか、あるいはまた、ある程度自己資金がございまして、ある程度無利子貸し付けに頼るということになろうかと思いますが、そういう場合には、地方公共団体が、その足らず前について無利子貸し付けをやることについての、それに対する二分の一の国のあわせ貸しということでございます。したがいまして、一つの地区について数千万の国の無利子貸し付けを行うことによって地方公共団体もついてくる、それと自己資金で大体立ち上げていくというようなことになろうかと思います。  したがいまして、十七億、来年度予算としては、大変私どももいろいろ頑張った結果、そういう格好の予算になったわけでございますけれども、今後とも、全体の様子を見ながら、そういう格好で、また私どもとしてもその推進に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  297. 井上義久

    井上(義)委員 これは実際のニーズに対してどうなんですか。今おっしゃるように、一カ所について数千万規模。実際のニーズに対してどのくらいの効果があるというふうにお考えなんですか。
  298. 山本正堯

    山本(正)政府委員 全国、今そういう準備組合、あるいはまた、例えばそういう格好で希望しておるところが、今、内々では五、六十あるかと思います。それに対しまして、今申し上げましたような格好であれしますと、全部について要望にこたえられるかどうか、ちょっとあれでございますけれども、これからまたいろいろ検討をさせていただかなければいかぬと思いますが、ある程度のところまでについては私ども要望にこたえさせていただけるのかな、こういうふうな格好でございます。
  299. 井上義久

    井上(義)委員 それから、保留床の管理法人とか保留地の管理法人に無利子貸付制度を今回創設するんですね。ところが、現状、保留床が売れないということで管理法人で実際に運営しているところが幾つもありますし、そういうところにとっては大変助かるんだろう、こう思うんですけれども、いわゆる施行事業者じゃないところに、こういう無利子の貸し付けですから、これは公的資金を使ってやるわけですから、そういうことが果たしてどうなのかという問題が一つ。  それから、これは現状大変なところは多少助かると思いますけれども、これによって実際に促進する効果があるのかどうかということについて、どうでしょう。
  300. 山本正堯

    山本(正)政府委員 確かに、保留床の管理法人ということになれば、再開発事業組合あるいは土地区画整理組合と別法人でございます。ただ、管理法人の設立に当たりましては、継続性を担保するという意味で、組合の構成員あるいは組合一定数以上の者が引き続き管理法人の構成員になる、そういう要件も掲げておるところでございまして、継続性、そういう格好での担保をしつつ、その対象にしたいということでございます。  それから、先生の御指摘の、効果があるのかどうか、こういうことでございますが、やはりそういうようなものがある、無利子貸付資金が受けられるということがございますと、そういう賃貸、保留床が売れないから、もともともうつくるのをやめておこうということではなくて、そういう制度があるということで再開発事業推進していく、あるいは実際上も、テナントの賃料で回収しますところの何らかのプラスという格好で事業推進していけるという効果があるんじゃないかというふうに、私どもは考えております。
  301. 井上義久

    井上(義)委員 今回の改正で、先ほども指摘しましたけれども、現状、一生懸命再開発事業をやっていらっしゃる方に対しては相当な支援になる、こう思いますけれども、どうしてもこの改正事項とか新規施策を施行するときに、窓口になる地方公共団体、そこが窓口になって実際の事業施行者とか民間事業者が活用することになるんですけれども、要するに、十分活用できる体制をとるためには、やはり自治体がきちっと窓口になったり、それから、自治体にこういう制度に熟知した専門の人がいないとなかなか事業者が使いこなせないということで、そういう周知徹底だとか体制、これはどのように考えていらっしゃいますか。
  302. 山本正堯

    山本(正)政府委員 私どもといたしましても、地方公共団体に対する周知徹底、地方公共団体の協力を得るということが最も大切だというふうに思っております。  地方公共団体へ通達、説明会等を行い周知徹底を図る、あるいはまた、そういう制度等につきまして、公共団体と十分連携をとりまして、例えばホームページによる情報提供でありますとか関係団体への説明等々を通じまして民間事業者への周知徹底も図るというような格好で、両々相まちまして、重点を置いて施策内容の浸透に万全を期していきたいというふうに考えているところでございます。
  303. 井上義久

    井上(義)委員 ちょっと時間がないので、まとめて聞きます。  一つは、民都機構土地取得譲渡業務、この辺に関連して、これは大臣にぜひお答えいただきたいと思うのですけれども、この土地取得業務についてマスコミ等で、ゼネコン、銀行の不良資産整理に利用されて土地ロンダリングだというような批判もあるくらいで、そのことについて大臣はどのようにお考えなのかということ。  それと、今回それを三年延長することになるわけですよ。政府保証のついた民間資金で購入するわけですから、もし土地が下落して損失が出たという場合は当然公金からの補てんが必要で、国民の負担になってくるということを考えますと、この土地取得業務については、やはり国民が納得できるような業務形態じゃなきゃいけないと思います。そういう意味では、情報開示ということを当然徹底してやらなければいけないということを思うわけです。  それからもう一つは、取得件数がどんどんふえていると。それは、目的が取得することにあるんですから、ふえていることはそれはそれで結構なんですけれども、逆に言うと、今度は譲渡業務が一方で進んでいかないと、特に地価の場合、今下落傾向にあるわけで、機構が保有する土地が増大することそれ自体、経営を圧迫する懸念があるわけですし、再開発を促進する意味でも譲渡業務を促進すべきだ、こういうふうに考えるわけです。  この三点について。
  304. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 まず最初に、そういうようなことで、いささかもロンダリングではないかというような疑惑あるいは疑いを持たれるようなことがないように、いわゆる透明性を高めて、いろいろなことは公開をしてまず対処していきたいと思っております。  それから、土地取得業務でございますが、これは、民間都市開発事業の見込みの非常に高い、そして土地虫食い状態のような、あるいはまた低未利用地先行取得するというようなことで、優良な都市開発事業の種地を確保することで民間都市開発事業を支援することを目的といたしておりますから、その目的から逸脱することのないようにやらせていきたいと思っております。  それから、そういう意味におきまして、特定の業種であるとか、あるいは不良債権の担保不動産を優先して判断しているものではございませんので、そういうようなことはなおオープンにして御理解をいただきたいと思います。  それから、当該土地の価格評価については、外部の委員から成ります経営審査会及び価格審査会の議を経ることとなっており、したがいまして、厳正な、公正な審査を行っておるところでございます。  それから、リスクの管理のことでございますが、確かに土地は下落をしておるわけでございますから、この取得契約におきましても、事業予定者またはもとの土地所有者の資力であるとかあるいは信用力を十分に精査いたしまして、それらの方との間での買い戻しの特約をこれは結ぶわけでございますが、そういうことを結ぶなど、リスクの管理は特段に注意をしていかなければならないと思うわけでございます。そういうふうな不良債権だけをいつまでも持つようなことになったのでは、三年間延長するというのが逆に裏目に出るわけでございますから、その点は十分に注意を払って対処していきたいと思っております。
  305. 井上義久

    井上(義)委員 これも大臣にお伺いします。  いわゆる住都公団の問題で、今回、市街地開発事業とか土地区画整理事業に対する無利子貸付制度、これは住都公団にも貸し付けができるように制度改正することになっているわけです。ところが、この住都公団は数カ月で廃止を予定されている、そういう法案を出されているわけで、普通に考えれば、新公団の業務内容が確定した後、新しく発足する時点で改めて議論するのが本来の筋ではないか。なぜ、この時点でこの制度創設したのかということが一つ。  もう一つは、住都公団がそれにふさわしいかどうかというのはこれからの議論ですけれども、私は、都市づくりの専門機関についてはこれから必要であるというふうに思うのですけれども、現在、再開発に関する専門機関としては、この住都公団、それからもう一つは民都機構があるわけで、この両者の役割がどうなっているのか、明確に分担されているのか。それから、もし新公団が発足するのであれば、その時点で一体化して、業務、組織の合理化、効率化を図る方が行政改革の時代の要請に合っているのではないか、こんなふうに思うのですけれども大臣の所見を承りたいと思います。
  306. 山本正堯

    山本(正)政府委員 ちょっと事務的に、先にお答えさせていただきたいと思います。  先ほども説明申し上げましたように、住宅都市整備公団は従来から、現在も、民間では実施困難な再開発事業を実施してきております。ただ、今回の事業につきましては、分譲住宅から基本的には撤退をする、住宅という部門から都市基盤というものの部門に重点が移ってくる、その一つの大きな柱として、再開発事業ということであろうかと思います。  それはもう既に私どもも現在もやっておるわけでございますが、そういうふうに、民間では実施が困難な再開発事業を実施しておるわけでございまして、特に、最近の厳しい経済情勢土地市場の低迷の中で、この事業の的確な遂行を図るためには、住都公団が大変必要であるということでございます。このため、今回無利子制度創設することによりまして、事業の的確かつ円滑な実施を図っていくこととした、こういうことでございます。  住都公団のあり方につきましては、今現在、新しい法制度を提案させていただいておりますので、そちらでもまた適切に御審議を賜れば大変ありがたいというように考えている次第でございます。  それから二点目の、住都公団と民都機構との役割分担、場合によっては一本化すべきじゃないか、こういう御意見でございます。  先ほども説明をさせていただきましたが、民都機構による土地取得業務というのは、もともと、基盤整備を必要としない、ある意味では更地、きれいな土地について、低未利用地を取得、保有をいたしまして、プロジェクトを立ち上げる。そのときに、基本的には買い戻し特約をつけて、事業者にプロジェクトを立ち上げていただく。こういうための土地の取得、一時的に土地を取得する、こういうものでございます。  一方、公団は、御案内のとおり、公団の技術、ノウハウ等を生かしまして、虫食い地とか公共施設が不十分な低未利用地について、現在、都市開発事業を行うことが困難なものについて集約し、あるいはまた、公団がみずから整形をいたしまして、公共施設整備等の基盤整備を行って、自分で利用する、あるいはまた、基本的には民間業者に譲渡する、こういうことでございます。  取得する土地、あるいはまた事業のノウハウの有無といった点で差があるわけでございますが、いずれにしましても、いずれも都市開発事業に大変効果のあるものでございますので、お互いに協力し合いながらやっていかなきゃいかぬということで、協議会をつくって、今現在、調整を図りながらやらせていただいている、こういう状況でございます。
  307. 井上義久

    井上(義)委員 大臣、今の説明を聞いていると、一緒にした方がはるかにいいと思うのですが、どうですか。今の局長の説明を聞いていると、はるかに、一つにした方がこの都市開発ということについて効率的になるんじゃないか。  特に、先ほどから言っているように、例えば、無利子融資という形で、事実上、公的な資金を民間の開発事業にこれから導入していくことになるわけですよ。そうすると、民間、公共という立て分けというのも非常に難しくなってくるし、そういう意味で、町づくり、再開発区画整理ということを一体的にやるような仕組みをつくった方がはるかに効率的だ。局長の今の説明を聞いていたら、何で一緒にしないのかと思うのだけれども大臣どうですか。
  308. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 そんなことで、この法案が通りましたら直ちにその方向に進むと思いますので、よろしくお願いします。
  309. 井上義久

    井上(義)委員 何か大臣、その方向に進むということですので、期待をして、次の法案の審査に諮りたいと思いますので、よろしくお願いします。  以上で終わります。
  310. 平田米男

    平田委員長 中島武敏君。
  311. 中島武敏

    ○中島委員 きょうは私が最後の質問者です。大臣もお疲れだと思うのですが、お互いひとつ頑張ってやりたいと思います。  都市開発資金の貸付けに関する法律等の一部を改正する法律案、この問題について、初めに大臣に伺いたいと思うのです。  この法律案は、都市開発資金の貸付けに関する法律民間都市開発推進に関する特別措置法、それから土地区画整理法都市開発法のそれぞれの一部を改正する法律を一括したものでありますけれども、このような改正案を提出した理由は何なのか、お尋ねしたいと思います。  私、思うには、昨年四月の二十四日になろうかと思いますが、閣議決定されました総合経済対策で、こんなふうに言っています。  思い切った内需拡大、経済構造改革、不良債権処理促進のため、複雑に絡み合った債権債務関係の円滑な整理を進めつつ、土地取引を活性化させるための方策として、土地整形集約化都市開発の促進を図る、こういうふうにしております。  結局、大臣、これは、このことを法律的に支援をするというものではないかと思っているのですが、どうなんでしょうか。
  312. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 今回の法改正のねらいでございますが、我が国の市街地は、多くの面で都市住民が満足できる水準まではまだ達していない状態でございまして、もちろん今までそういう努力もしておるのでございますが、まだ十分ではございませんので、この再開発を行いまして、防災とか居住環境、交通、景観等の機能の充実改善を図って、再構築を強力に進めたいということがまず第一でございます。  次に、この法律案は、国、地方公共団体一体となって、民間事業者等が取り組む都市の再開発を積極的に推進するため、都市開発法等の関係法を改正しまして、再開発のための資金の調達の円滑化、あるいは、先ほど先生指摘がありました虫食い地等の低未利用地有効利用の促進の支援を行うというようなことでございまして、緊急経済対策の一項目にも合致をしておるわけでございます。  今回の法律案は、そういうようなことで、あくまで民間主導の再開発の促進でございまして、不良債権処理の促進を直接ねらったものではありませんけれども、いわゆる土地の流動化が進んでくる、その結果、不良債権の処理にいささか資することがあるということは私は否定はできないと思います。そういうこともございますが、それが直接のねらいではないと思っております。  ですから、今後、法律議員立法で提出されるようでございますが、PFIなどというのがございまして、これは先生御承知のように、公共事業に民間が参加をするというようなことでございまして、やはり景気を喚起するのは、いわゆる国主導、政府主導の協力策というのはもう今ぎりぎりいっぱいのところまでやってきたと私は思うのです。これからは、いわゆる民間主導景気回復ということになってこなければならないと思っております。
  313. 中島武敏

    ○中島委員 今、答弁ありましたけれども、しかし、結局、答弁を聞いておっても、やはり不良債権となっているようなものを、虫食い状のまま放置されているというようなものなんかは、やはり買い集めるというようなことがやられるわけですね。そのことを何も今否定されたのではないと私は伺いました。  それで、そういう塩漬けになっているような土地がなぜ生まれたのか、この問題なんですよね。それは、投機が投機を生むバブル経済に踊って、それで湯水のように銀行の不動産融資が行われて、そして、それに乗って大手不動産だとか大手ゼネコンが、当面開発の見込みのない土地をもどんどん投機のために買い込む、こういうことが随分やられました。それが結局またバブルを生み出す、そしてそれが崩壊した。そのために、その結果として、もうたくさんの虫食い状態東京なんかも随分たくさんあるのですけれども、そういうものが生み出されたのじゃないかと思うのですね。そしてまたそれが、今日の出口のないようなこの不況をつくり出したのではないかというふうに思うのですね。  そこで、大臣に伺いたいと思うのは、やはりそういう塩漬けの土地をたくさんつくり出した本人の責任というものを明らかにしないままに不良債権の処理を法的に支援するということになりますと、これは本末転倒しているのではないかなというふうに考えるのですけれども大臣はどんなふうにお思いでしょうか。
  314. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 そういう個別企業の経営悪化への対応というのは、基本的には、言うまでもなく企業自体の自助努力、自己責任で行うべきものであって、私は、ですから、不法なといいましょうか、あるいは極端な、企業経営努力をせずして経営悪化になって倒産をしたという企業は不動産関係でもございますが、そういう方は、刑事罰で対処されておる方は大変多いと思っております。  そういうようなことでございまして、ただ、経営努力もしたけれども、そういうバブルの影響で経営が非常に厳しくなったというところは、先生指摘のように、そういういわゆる違法なことでない状態の場合のものとしては、これはやはり虫食い状態だとかあるいは低利用の地形を直して、それを土地の流動化に向けていくというようなことをやはり一つの国の施策としてやらねばならないのではないかな、そのように思っておるわけでございます。  ですから、そういう違法な経営者をそのまま野方図にしておるということは私はないと思っております。
  315. 中島武敏

    ○中島委員 詳しくはまた第二日目に、民都機構が買い集めている土地だとか、あるいは、これからまた法律にされて出されてこようとしております、住都公団を廃止して都市基盤整備公団にすると。何をやるかといえば、不良債権の買い集めなどに一生懸命力を尽くせという中身で出されてくるわけでして、私が問題にしておりますのは、何も個別企業の責任という問題を問題にしているのではないのです、今ここで問題にしておりますのは。  そういう点からいえば、ざっくり申し上げますと、現在、資本主義のルール、つまり、企業が事業に失敗したら経営者が責任をとる、これはもう資本主義のルールだと思うのですね。ところが、これが今崩れてしまっているというところが非常に問題なのではないかと思うわけですね。  みずからバブルを引き起こして、それが崩壊して、それで不良債権が生まれたからといって、政府の今までやっているところを見ると、六十兆円もお金をつぎ込んで、それでこの問題を、公的機関までつくって不良債権の土地を買い取ってやるということ、税制上の優遇措置もやる。これは全く私は、こういうことをやっておりますと、モラルハザードになるのではないか、もう倫理観は全く欠如した資本主義、企業というふうになるのではないかと思うのですね。  私はもうずっと以前から、この問題についてのいろいろな質問なんかも伺いましたし、またそのためにもいろいろ調べましたけれども東京でいいますと神田とかそれから西新宿、もう塩漬けの土地はいっぱいありますよ、これは。それで虫食い状態ですね。放置されているわけですよ。それで、防災上いろいろ問題があるということは私自身はよく承知いたしております。これをほっぽり出しておくと防災上のいろいろな問題が出てくるということは、これはもうそのとおりなんですね。かといって、大臣開発の見込みもないものをどんどん公的機関が買い上げるというのはいかがなものかなと私なんかは思いますね。  それで、幾重にも抵当権がついているような、何重にも抵当権がついているような、そういう問題のある土地をきれいにして、それでそれを大手金融機関、大手ゼネコン、不動産会社の不良債権処理という、これはやはり問題があると言わざるを得ないのではないですか。やはりそれは大銀行それから大手ゼネコン、大手不動産、これの責任で処理させることが私は当然だと思うのですけれども大臣の御意見を伺いたい。
  316. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 経営者責任を問わないということは決してありません。このことは、どの業界、何もバンカーだけでもありません、建設にいたしましても、ほかの事業の経営者にいたしましても、経営者責任というのは今まででもとっておりますし、これからも私は厳しくやっていかなければならないと思っております。  そういう中で、中島先生自身もおっしゃられましたように、さりとて、その土地をそのままほっておくというわけにもいかないということもあるわけでございまして、土地の流動化と有効利用の促進ということはやはり私はやっていかなければならないと思うわけでございまして、何も抵当権がたくさんついているものを買うなんということは一つもありません。そんなことは絶対ありませんので、いわゆる優良な、虫食い地を含めて、低未利用地をいわゆる整地をして、それをまた出していくわけですから、売っていくわけでございますから、そういうようなことで、これは正常な土地の流動化に資するためであると思っております。
  317. 中島武敏

    ○中島委員 私は、次に、法律に則して問題点をお尋ねしようと思ったのです。ところが、ちょっと時間の関係もこうやって見ておりますとありますものですから、それは後ろの方に回しまして、この法律案に関連して、地下室利用のマンション、この問題について伺いたいと思います。  まず最初に伺いたいのは都市局長なんですけれども都市局長、用途地域で第一種低層住居専用地域を設けている趣旨は何なのか、これを伺いたいと思います。
  318. 山本正堯

    山本(正)政府委員 第一種低層住居専用地域を指定するということでございまして、第一種低層住居専用地域、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護することを目的として指定される地域でございます。
  319. 中島武敏

    ○中島委員 実は私、横浜市戸塚区で、第一種低層住居専用地域の網がかかっていて戸建て住宅が多いところで、マンション販売業者グレイス住販というのがあるのですが、このグレイス住販が、住民の不安や反対の声を押しつぶして傾斜地を造成しまして、それで、七層、五十一戸、地上三階、地下四階、こういうふうに言っているのですけれども、マンション建設を進めているわけです。  それで、業者は昨年の七月から造成工事を開始して、本年の十一月に建設を完了する予定だと言われております。開発面積は、都市計画法上の規制の三千平方メートルすれすれ、二千九百九十八・八一平方メートル。住宅地がある谷側から見ますと、高さ二十一メートル、七階建てにもなるということなんですよね。  委員長、ここで、視察に行ったときの写真やらパネルなんかをちょっと大臣にも見てもらいたいし、それぞれ局長にも見てもらいたいので、使わせていただきたいのですが、お許しください。
  320. 平田米男

    平田委員長 どうぞ。
  321. 中島武敏

    ○中島委員 実は、これをちょっとごらんいただきたいのですが、これは視察に行ったときの造成工事中の写真なんです。それを引き伸ばしたものです。  これ、裏打ちがしていないので、ちょっと見にくいかもしれませんが、低層住宅はここにずっとびっしりあるのですよ。これ、傾斜地なんですね。それで、傾斜地をだあっと削っていって、擁壁をつくっているわけですね。上の方はここなんです。ここからこういうふうに傾斜地だったのです。この傾斜地を専ら、こういう機械を持ってきて、どんどん削っているわけですよ。ここに住民が住んでいるのですね。そうすると、こんなすごい工事がここでやられている。上の方はここですわな。何たる土地だというふうに思うのは当然で、住民の皆さんは大変これは怒りに震えているのですよ。  それで、もうちょっと説明させていただきたいと思うのです。  これは同じところのものなんですけれども、昨年の一月二十八日放送のテレビ朝日ニュース「スーパーJチャンネル」、説明は「規制緩和は誰のため?! 乱立する傾斜地マンション建設計画」、こういうふうに言っているのです。シミュレーションするとこういうものができ上がるということなんですね。ここは第一種低層住居専用地域なんです。こんなものがつくられてくる。  それから、これは完成予想図なんです。これはグレイス住販自身がつくったものなんですけれども、これはもう低層住宅がここにある、目の前にこんな巨大なものができ上がってしまう、こうなってくるわけなんですね。だれが見てもえらいびっくりすると思うのです。  それから、これは住民の方がつくったものなんですけれども、こうなんですね。七階建てが建ち上がる、そうすると、これは何だ、これは空堀だというのですよ。空堀だというので、こういうものがつくられている。だけれども、これはもうとにかく独立した建物ですよ。七階建てですよ、二十一メートル、こういうものができているのです。ごらんいただいたから見当はつこうかとは思いますけれども。  それで、これは私たちは調査に入ったのですけれども、南関東ブロック選出の大森猛議員と私とその他なんですが、調査に入った。結局、こういうものができてくる。さあ、都市局長、今写真をごらんいただいたと思うのですけれども、これは都市計画上から見ていかがなものでしょうかね。
  322. 山本正堯

    山本(正)政府委員 都市計画では、先生も御案内のとおり、土地利用の現況や将来像を勘案して、その地域の特性にふさわしい用途地域を指定しているという、第一種低層住居専用地域ということでございます、今回のこの点につきましては。ただし、個々の建築物に係る規制の適用につきましては、建築基準法に基づき実施しているところでございます。  こういうことでございますので、建築基準法上、特段の問題が生じていないというものにつきましては、都市計画として問題ということにすることはないというふうに考えておるところでございます。
  323. 中島武敏

    ○中島委員 住宅局長、来ていらっしゃると思うのですけれども、建築基準法にすぐれて係るものだという今の御答弁かなと思うのですけれども、ちょっと伺いたいのです。  私たち、横浜市の建築局指導課から説明を受けたのです。そうしますと、建築基準法上は、高低差三メートル以上の傾斜地は、平均地盤面を設定し、そこから高さ十メートル以内なら問題はない、こういう答弁が返ってきました。  このマンションの場合にも、地盤面から九・七三メートルなんです。やはり十メートル以内なんですね。ぎりぎりですな。だから適法だ、こういうふうに市の方では言って、法をクリアしているので周辺居住環境を悪化することにもならない、こういう説明をしたのです。この説明はちっとも説得力がない。これが住環境の破壊にならないという説明ですから、私もこれはどうかなと。大臣だって思うでしょう。  それで、しかし、こんな不思議な説明が出てくる根拠として、これ、何か根拠があるのだ。その根拠は、ほかならない、九四年、平成六年六月の建築基準法の一部改正、ここにあるのですね。実は、こういうことになるのではないかということを恐れたから、だから、私はこの問題について質問したのですよ。これはそのときの会議録なんです。余り長く引用するつもりはないのですけれども、大事なところですから、ちょっと聞いていただきたいのです。   マンションなんかの場合ですけれども、今度の改正で地下に二階とか三階とか、敷地で広大な地下面積をつくる、こういうことになるのじゃないかということを恐れるのですけれども、これはどうなのかという点と、そういうふうにしてつくった地下を商業利用するというようなことにもならないのか 実は、私はそういう質問をしたのです。そうしましたら、当時の住宅局長である三井住宅局長が、   一般的に、日本人の行動様式としまして、完全に地下の中で世帯がお住みになるというのは考えにくいというふうに考えているわけでございます。現実に地下でお住みになっている方がおいでになるわけでもございませんし、マンションの上で普通の居住生活をされまして、物置ですとか物入れですとか、そういった収納スペースあるいは車庫、そういったことでお使いになるのが一般的でありまして、現在でもそういうのが大勢で、大勢というか、ほとんどそれでございます。 こういうふうに答弁になっている。「したがいまして、」ここからが大事なのですけれども、  仮に今御心配のようなことがあり得るとすればどういうことかということでありますけれども、すべて地下で家族がお住みになるというような場合には空堀をつくっていただくとか、 さっき空堀ということを申しましたけれども、空堀はつくられているのですよ。だから、あれは空堀かなと思うような空堀なのですけれども、独立した建物になっちゃうような空堀なんですね。  空堀をつくっていただくとか、そういった、居室を地下につくっていけないという規定がございますので、それで実際上はそういうものは建ってこないだろう、利用されないだろうというふうに思っているわけでございます。 これが当時の住宅局長の答弁だったわけですね。  結局、私が非常に心配している、傾斜地につくったらこういうふうになるということを想定して、考えて、頭に置いて質問したらそういう答弁が返ってきたわけです。だから、あなた、心配せぬでいいという答弁なんです、これは要するに。  住宅局長に伺いますけれども、これは違法じゃありませんか。
  324. 那珂正

    ○那珂政府委員 お答えいたします。  当時の質疑でのやりとりで当時の住宅局長答弁を引用されましたけれども、その答弁は、地下の居住につきまして、空堀もなくて居室を完全に地下に埋め込んだような形で設けることは衛生上の問題からも禁止されているところでもございましたので、丸ごと地下に埋め込んだような住宅は考えにくい、そういうふうにお答えしたものと思います。  しかし、そのときもそうでございますが、現在でも、採光や通風が確保されて衛生上支障がないという場合には地下に居室を設けることは違法ではございません。
  325. 中島武敏

    ○中島委員 私は、斜面における問題を想定して質問したんですけれども
  326. 那珂正

    ○那珂政府委員 いわゆる斜面地マンションについての問題を幾つかの切り口から整理させていただきたいと思いますが、一つには、先生もお触れになりましたけれども、建築物の高さ制限の際の高さをどうやってはかるのかということが基本でございます。  一般的には、建築物の敷地ごとにはかるというのは当然でございますが、御指摘のような傾斜地など、あるいは段々でもいいんですけれども、敷地そのものに高低差があるものについては、若干問題は複雑になります。また、これも先生指摘になりましたけれども平均地盤面からの高さごとに、例えば十メートルの高さ制限ならば十メートルというようなことを規制の手段としているわけでございます。また、敷地内の高低差が三メートルを超える場合には、三メートルごとに敷地の平均の高さを設定することといたしております。  そういう平均地盤面からの高さ制限、もちろんその他の規制基準もあると思いますが、そういうものをクリアしていれば、御指摘のようないわゆる斜面地マンションというのも建築規制としては違法ではないと思います。
  327. 中島武敏

    ○中島委員 真っすぐ掘り下げる場合の答弁があったんだというのが基本ですね、住宅局長が言っているのは。斜面を考えない答弁だったんだということですね。斜面の場合にどうするかということについては、今言ったやり方で計算するというか考えるんだ、こういうお話ですね。  それで、私、普通だったら、ああそうか、こう言いたいんですけれども、どうもこれが、ああそうですかと言えないんです。それはなぜかというと、私は、住宅局長の答弁が、私がそういうことを念頭に置いて聞いたにもかかわらず、そういう答弁が返ってきている。これは、大臣あるいは住宅局長の答弁が有権解釈じゃないかなというふうに私は思っているんです。  実は、私は、きょうここで質問するに当たって、当時のすべての衆議院、参議院のこの問題に関する会議録を全部読み返しました。それから提案理由も読み返しました。附帯決議も読み返しました。実は、この問題についていろいろ問題にしているんですよ。この問題というのは、そのときの改正についていろいろ問題にしておりまして、私の質問に対してどういうふうに答えているかというと、こう答えているんですね。  これは、先生が冒頭言ったように、こう書いてありますけれども、「今回、容積の三分の一を不算入にさせていただきましたのは、今先生が冒頭御質問ありましたように、やはり広い住宅を求める国民のニーズというのは非常に強い。したがって、できる限りこの御要望にこたえるようにしなければいかぬというのが一番の基本にあるわけでございます。」こういうふうに答えて、これは裏を返して言えば、戸数をふやすことじゃない、そうじゃなくて、答弁にありますように、広い住宅を求める国民のニーズにこたえた改正なんだ、これが一番基本なんだということを言っているわけですよ。いいですね。  それからさらに、この問題についていろいろな方が質問をしておりますけれども、地上でなく地下に延ばすんだから環境破壊にならない、こうも答弁しております。これは衆議院における自民党の議員に対する答弁でです。それから、参議院でもこの問題の質疑が行われておりまして、やはりみんな心配しておるわけですよ。公共負荷が大きくなるんじゃないか。そうしますと、人数もふえない、したがって下水道とか自動車はふえないから、道路とか公共施設に対する負荷はない、こういうふうに繰り返し答弁しているわけですね。  それから、衆議院の、これも自民党の議員の方が、容積率制限を緩和する、敷地面積それから容積率の具体例を挙げて国民にわかりやすく説明してください、こういうことを言っているわけです。これに対しても、斜面における建設の場合についての説明はなかったんです。  斜面、傾斜地における質問を行ったのは実は私だけでありまして、そして、それに対する答えもこうなんです。住宅局長は、環境にも影響がない、それから下水道とか道路とか公共施設にも影響を与えない。斜面のことを聞いても、いや、それは大丈夫です、こういうふうに答弁してきているんですから、私は住宅局長のこの答弁こそ有権解釈として考えなければならないんじゃないか。これだけ質問があるんですけれども、全部一言も斜面問題についての説明はありません。私が斜面問題について質問しても、やはり違う答弁を返したんだというようなことをのうのうと言っていますけれども、それはちょっと、私自身にしてみればそれはおかしい。  全部精密に読んでもこうなんですよ。繰り返し読んだって、斜面のことについては私が質問した以外にはありません。出てこない。詳しく説明してくれと言っても、そのことは触れられない。そうだとすると、私はやはりこれは有権解釈じゃないかと思うんですけれども、局長はどう思いますか。
  328. 那珂正

    ○那珂政府委員 御指摘平成六年の建築基準法改正時におきます住宅地下室に係る容積率の合理化のことでございますが、これにつきましては、先生指摘にもなりましたけれども、居住形態の多様化とかあるいは建築技術の進展、土地有効利用への要請などを受けて、住宅の地下室の床面積について、当該建築物の住宅の用に供する部分の床面積の合計の三分の一を限度として容積率不算入とする合理化を図ったものでございます。  その際、対象を、公共施設への負荷が少ないという観点から、用途を住宅に限定いたしました。それからまた、周辺環境に関する規制でございます高さの制限、斜線制限、日影規制などの規制につきましては、それらの形態制限につきましては一切緩和しておりません。  そういうことで、重ねて、くどいようでございますが、法改正時におきましても、当初からこれは戸建て住宅のいわゆる地下室だけではなくて共同住宅も対象と考えておりまして、御指摘のようないわゆる斜面地マンションというものにつきましても、建築規制としては違法ではないというふうに考えております。
  329. 中島武敏

    ○中島委員 さっき言ったように、何度読んだって、私以外に斜面の質問をやっている人はいないのです。しかも、斜面におけるマンションについての質問をやっている人はいないのです。  それで、そういうふうにはおっしゃるのだけれども、では、あなた方建設省は、これはマンション業者が利用すればこういうふうに何階建てにでもなってしまうんだな、こっちから見れば、ということを承知していて、これは法律改正じゃないのです、政令、省令かな、に出ているものを法律に直しているわけですけれども、五十二条の三項でこの数え方、平均地盤面というのは何なんだという、そのことについての数え方を言っておりますけれども、それでは、あなた方は知っておってこれを黙っておったわけですか。
  330. 那珂正

    ○那珂政府委員 まず、お尋ねの平均地盤面のはかり方について、平成六年の当該改正時におきまして、確かに五十二条三項におきまして、地盤面の高さについても考え方を明記してございますが、これは建築基準法施行令、もともとございました定義の中で、地盤の高さ、地盤のとり方について定義してございますが、それをきちっと明確な形で引用した改正でございます。建築基準法、昭和二十五年、最初に制定されて以来、地盤からの高さのとり方についてはこういう考え方で来ております。  また、当時からこういう問題について知っていたか知らなかったか、こういうことでございますが、私個人としてはともかくとして、建設省全体としては、当然この幾つかのバリエーションとしてこういう形のマンションが想定されたというふうに理解しております。
  331. 中島武敏

    ○中島委員 私はおかしいと思うのだね。知っていたというお話ですよ、要するに。知っていて、三井さんの答弁は、住宅局長の答弁は、衆議院でも参議院でも一切このことに一言も触れていない。これは大変だ。こんなことをやっておったら、衆参の議員も、国民ももちろん誤解してしまうのではないか。よくやっていらっしゃる得意の耳打ちをするとか、メモを出すとかして、ここ説明しておかないとぐあいが悪いですよと、これは私は何でやらなかったのかと思うのですね。  それから、これは参議院先議なんです。参議院先議で衆議院へ回ってきた法律なんです。その間に十七日間あるのですよ。だから、参議院の方でもこの話は全然説明されていないわけなんですから。実際の法律条文としてここへ政令を格上げしたんでしょう。  これは、そのとき私がいただいた新旧対照表なんです。何でこれでは誤解してしまうということを言わなかったのか。とにかく七階建てなんということになってくると——もうこんな時間ですか。  だから、もしこういう話がされたら、私はこれは自民党も含めて否決に回る、反対に回る、こういうことはあり得たと思うのです。自分たちが言っている、質問していることについて、心配ありません、心配ありませんという話がずっと来るわけですよ。ところが、こういう話だということになってきたら、考え方は変わるのですよね。そういうものをなぜこういうふうにやっていたのか。言うべきだったんじゃないのですか。
  332. 那珂正

    ○那珂政府委員 くどいようでございますが、当時の住宅局長の答弁、議事録を私も今拝見しておりますが、埋め込み型の典型的な地下室を住宅として丸ごと利用するというようなことのお尋ねだと思って、そういう前提でお答えしていると理解されます。  また、先生が今、当時からそういうことは想定されるならば、いろいろなことを事例を挙げておくべきだったのではないか、こういうお話でございますが、それはいろいろなケースについて、住宅地下室の利用のされ方について、いろいろな想定をもっと丁寧に御説明しておけばよかったかと言われれば、そのとおりだと思います。
  333. 中島武敏

    ○中島委員 遅いですよ、今時分そんなこと言ったって。審議しているときが一番問題なんですよ。そういうときに、皆さんが、今のお話だったら気がついた人がいるんでしょうから、言うべきなんです。  ちょっと都市局長に伺います。  第一種低層住居専用地域というのは、低層住宅に係る良好な住宅の環境をしっかり守るということの目的のためにつくられているのですけれども、これは適法だ、こういうふうに言われても、しかし、結果として低層の地帯にさっき言ったような巨大なものができ上がるということは、やはり良好な環境を守っているというふうにお考えになりますか、都市計画上の問題ですよ。それはどうかということをまず一つ伺いたい。
  334. 山本正堯

    山本(正)政府委員 町をどういうふうにつくり上げていくか、どういうふうなコントロールをやっていくかということにつきましては、都市計画法と建築基準法とが相まって町づくりの規制、コントロールをやるわけでございますが、私ども都市計画法に基づきます都市計画につきまして、今申し上げましたような一種低層住居専用地域というのは、先ほど申し上げましたような良好な住居の環境を保護することを目的として指定されておる、こういうことでございまして、具体的な個々の建築物に係る規制の適用については建築基準法に基づきやっておる。建築基準法上特段の問題が生じていないものについては、都市計画として問題とすることはないということでございます。
  335. 中島武敏

    ○中島委員 まあ、余り納得のいく答弁が返ってこないのですけれども、それは、そっちの方は建築基準法の方でやることですからというお話なんです、要するに。これが結局、第一種低層地域、ここでつくられるものなんです。さっきお見せしたとおりなんですね。私は、こんな七階建てのものが、第一種低層、容積率八〇%、ここにどうしてできるのか、結果として。適法だ、いや何だといったって、これが第一種低層にできるというのは本当に考えようのないような事態なんじゃないんですか。これが適法だというふうにのみ言っておってよいのかという問題が私はここにあると思うのですよ。  大臣に伺いたいんだけれども、実は、これは当時建設省から私がもらったものです。ここにも書いてあるのですよ、「立法の背景」といって。それは何かといったら、ゆとりある都市住宅の供給が求められているというのですね。それで、既成市街地を中心に限られた市街地を有効に活用する、その場合に、良好な市街地環境を確保しつつ土地の合理的かつ有効な利用を進める、それで、住宅の地下室の容積率制限を緩和するんだ、これは非常にはっきり書いてあるんです。だから、住戸がふえることを言っていたわけでは決してないわけなんですね。そういうふうに、私にくれた建設省自身の文書にも載っているわけなんですよ。  それで、大臣に、この問題はあちこちで紛争が起きているんです。物すごい紛争が起きている。当然だとお思いになりますでしょう、紛争が起きるのは。第一種低層のところにこんなものができてしまうんだから。だから、新聞やテレビも随分取り上げておりますし、それから社会問題になっているというふうに言っても決して言い過ぎではないと私は思います。それから、きょうも傍聴の方だとかマスコミの方だとかいろいろ来るわけですよ。これはやはり非常に、この問題をこのままにしておいていいというものじゃないということなんですね。  戸数をふやすことは趣旨とされていなかったんです。ところが、今言ったように、斜面における問題は、戸数をふやすマンションがどおんと、しかも立ちはだかるかのごとくつくられる、こういうことなんですね。だから、こういうものができてくるということになったら、住民の皆さんがそれはもう本当に心配したり怒ったり、これはおかしいというふうに言って立ち上がるというのは、私は非常に道理があるというふうに思っております。そして、その気持ちも非常によくわかります。  それで、これは合法だと言われても、住民の人たちは決して納得できるものじゃないと思います。しかも、これが今どしどしふえつつあるんです。斜面のある町、ここにふえるんです。だから、横浜は御存じのとおり斜面にできている町ですよね。それから兵庫県の神戸市、それから二十三区の中でいえば世田谷の一部その他とか、そういう斜面のところでどんどんこういうことが紛争になってあらわれてきております。(発言する者あり)もう短くやりますから。  それで、私は本当は、その当時の住宅局長の答弁を唯一の有権解釈として、ホテルやマンションやスーパーがつくられればそういうものには適用しない、そういう措置をとるとか、ゆとりのある住居をつくるという法改正趣旨が生きるように、容積率不算入を悪用できないような具体的な措置を、法律改正の問題も含めてやはりきちっととるべきなんじゃないだろうか。  これは結局、できるのは局長の皆さんじゃないと私は思う。政治家たる大臣の決断だと私は思いますよ。そういう点では、多くの方々はきょうの建設大臣の答弁を非常に注目しておると思います。建設大臣の答弁をお聞きします。
  336. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 まず最初に、建築基準法改正のときに、こういう斜面地のことでこういうことが起こるのではないかという御質問をされた中島先生に心から敬意を表したいと思うわけでございます。  そして、この件でございますが、法治国家でございますから、法律によりますれば違法ではないということですから、私もそれ以上の答弁はやりようがないわけでございます。ただ、心情的、人情的にはいささか理解ができるわけですから、したがいまして、これは先生議員立法を提出されて、基準法を改正するというような方向で対処をしていかれればいいのではないか、そのときにはまた、賛同する方は大勢いらっしゃるのではないかと思います。
  337. 平田米男

    平田委員長 もう時間がありませんから、これで終わりにしてください。
  338. 中島武敏

    ○中島委員 もう終わります、終わりますが、ぜひひとつ、やはり心情的にわかる、矛盾があるのを大臣ひとつ検討をしてください。どうすればいいかということを大臣として検討してください。  このことを申し上げて、終わります。
  339. 平田米男

    平田委員長 次回は、来る十二日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十五分散会