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1999-04-12 第145回国会 衆議院 決算行政監視委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年四月十二日(月曜日)     午後三時二分開議   出席委員    委員長 原田昇左右君    理事 鴨下 一郎君 理事 栗本慎一郎君    理事 佐藤 静雄君 理事 村田 吉隆君    理事 石井 紘基君 理事 前田 武志君    理事 谷口 隆義君 理事 佐々木洋平君       安倍 晋三君    赤城 徳彦君       浅野 勝人君    大石 秀政君       熊谷 市雄君    倉成 正和君       桜田 義孝君    田中眞紀子君       田邉 國男君    東家 嘉幸君       萩山 教嚴君    古屋 圭司君       堀之内久男君    三塚  博君       森  英介君    矢上 雅義君       吉川 貴盛君    渡辺 博道君       安住  淳君    鍵田 節哉君       葉山  峻君    藤村  修君       堀込 征雄君    赤羽 一嘉君       石田 勝之君    旭道山和泰君       福島  豊君    米津 等史君       辻  第一君    中林よし子君       保坂 展人君  出席国務大臣         大蔵大臣    宮澤 喜一君  出席政府委員         防衛庁装備局長 及川 耕造君         環境庁企画調整         局長      岡田 康彦君         国土庁計画・調         整局長     小林 勇造君         法務省刑事局長 松尾 邦弘君         公安調査庁長官 木藤 繁夫君         大蔵大臣官房審         議官      福田  進君         大蔵省主計局次         長       坂  篤郎君         大蔵省主計局次         長       藤井 秀人君         文部省教育助成         局長      御手洗 康君         厚生省社会・援         護局長     炭谷  茂君         厚生省老人保健         福祉局長    近藤純五郎君         厚生省年金局長 矢野 朝水君         社会保険庁次長 宮島  彰君         食糧庁長官   堤  英隆君         運輸省港湾局長 川嶋 康宏君         労働省職業安定         局長      渡邊  信君         自治省行政局選         挙部長     片木  淳君  委員外出席者         総務庁行政監察         局企画調整課長 関  有一君         大蔵省主計局司         計課長     児島 俊明君         会計検査院事務         総長官房総務課         長       船渡 享向君         会計検査院事務         総局第一局長  関本 匡邦君         会計検査院事務         総局第二局長  諸田 敏朗君         会計検査院事務         総局第三局長  大和 顕治君         会計検査院事務         総局第四局長  増田 裕夫君         決算行政監視委         員会専門員   酒井 喜隆君 委員の異動 四月十二日         辞任         補欠選任   相沢 英之君     浅野 勝人君   粕谷  茂君     森  英介君   佐藤 孝行君     古屋 圭司君   滝   実君     渡辺 博道君   森  喜朗君     安倍 晋三君   山口 泰明君     大石 秀政君   熊谷  弘君     堀込 征雄君   村山 富市君     保坂 展人君 同日         辞任         補欠選任   安倍 晋三君     森  喜朗君   浅野 勝人君     相沢 英之君   大石 秀政君     山口 泰明君   古屋 圭司君     佐藤 孝行君   森  英介君     粕谷  茂君   渡辺 博道君     吉川 貴盛君   堀込 征雄君     熊谷  弘君   保坂 展人君     村山 富市君 同日         辞任         補欠選任   吉川 貴盛君     滝   実君 三月二十四日  平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書承諾を求めるの件) は本委員会に付託された。 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書承諾を求めるの件)(第百四十回国会内閣提出)  平成年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書承諾を求めるの件)(第百四十回国会内閣提出)  平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百四十二回国会内閣提出)  平成年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百四十二回国会内閣提出)  平成年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百四十二回国会内閣提出)  平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百四十二回国会内閣提出)  平成年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百四十二回国会内閣提出)  平成年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百四十二回国会内閣提出)  平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書承諾を求めるの件)     午後三時二分開議      ————◇—————
  2. 原田昇左右

    原田委員長 これより会議を開きます。  平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書承諾を求めるの件)外一件、平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)外二件、平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)外二件並びに平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書承諾を求めるの件)、以上の各件を一括して議題といたします。  まず、大蔵大臣から各件について説明を求めます。宮澤大蔵大臣
  3. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 ただいま議題となりました平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書外一件、平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)外二件、平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)外二件並びに平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、平成年度一般会計予備費予算額二千億円のうち、平成八年五月二十八日から平成九年三月二十八日までの間において使用を決定しました金額は千九百八十六億二千三百八十九万円余であり、その内訳は、災害対策費として、ナホトカ号流出油災害対策に必要な経費等の三件、その他の経費として、衆議院議員選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費等の二十二件であります。  なお、平成年度特別会計予算総則第十四条の規定により、平成八年十月四日から平成九年三月二十八日までの間において経費増額を決定しました金額は百六十七億九千五百八十六万円であり、その内訳は、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業調整に必要な経費増額等特別会計の四件であります。  第二に、平成年度一般会計予備費予算額千五百億円のうち、平成九年八月二十六日から平成十年一月二十七日までの間において使用を決定しました金額は十二億三千五百十八万円余であり、その内訳は、その他の経費として、宮城県選挙区選出の参議院議員補欠選挙に必要な経費等の四件であります。  また、平成年度特別会計予備費予算総額三兆千四百七十億八千六百万円のうち、平成九年八月二十九日から同年十一月七日までの間において使用を決定しました金額は二百二十二億二千三百五十二万円余であり、その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における返還金等調整勘定繰り入れに必要な経費等特別会計の三件であります。  なお、平成年度特別会計予算総則第十三条の規定により、平成九年五月二十七日から同年十一月七日までの間において経費増額を決定しました金額は七百五十一億九千八百十一万円余であり、その内訳は、交付税及び譲与税配付金特別会計交付税及び譲与税配付金勘定における地方譲与税等譲与金に必要な経費増額等特別会計の十件であります。  第三に、平成年度一般会計予備費予算額千五百億円のうち、平成十年二月十七日から同年三月二十四日までの間において使用を決定しました金額は二百八億九千五百四十九万円余であり、その内訳は、災害対策費として、農林水産業共同利用施設災害復旧に必要な経費等の二件、その他の経費として、雇用保険求職者給付及び雇用継続給付に対する国庫負担金不足を補うために必要な経費等の五件であります。  また、平成年度特別会計予備費予算総額三兆千四百七十億八千六百万円のうち、平成十年三月二十日に使用を決定いたしました金額は二百九億七百六十万円余であり、これは労働保険特別会計雇用勘定における失業等給付金不足を補うために必要な経費であります。  なお、平成年度特別会計予算総則第十三条の規定により、平成十年三月二十日に経費増額を決定しました金額は百二十二億九千三十九万円余であり、その内訳は、道路整備特別会計における産業投資特別会計繰り入れに必要な経費増額等特別会計の三件であります。  次に、平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書につきまして、その概要を御説明申し上げます。  平成年度におきましては、予見しがたい租税収入減少等により、一般会計歳入歳出決算上、一兆六千百七十四億千三百二十四万円余の不足が生ずることとなりましたので、決算調整資金に関する法律第七条第一項の規定により、当該決算上の不足額を補てんするため、決算調整資金から同額を一般会計歳入に組み入れて、平成年度一般会計歳入歳出決算を行っております。  この決算上の不足額は、決算調整資金に関する法律施行令第一条の規定により計算しました額でありまして、決算調整資金に関する法律第七条第一項の規定の適用前における平成年度一般会計収納済み歳入額七十八兆五千五百三十億五千九百八十三万円余が、平成年度一般会計において財政法第六条に規定する剰余金を全く生じないものとして算定した場合に得られるべき歳入の額に相当する額八十兆千七百四億七千三百七万円余に不足する額に相当する額であります。  また、この決算上の不足額の補てんにつきましては、決算調整資金から一般会計歳入に組み入れる際の決算調整資金に属する現金がなかったので、決算調整資金に関する法律附則第二条第一項の規定により、当該決算上の不足額に相当する額を国債整理基金から決算調整資金繰り入れた後、同資金から一般会計歳入に組み入れております。  なお、この国債整理基金から決算調整資金繰り入れた額一兆六千百七十四億千三百二十四万円余に相当する金額につきましては、決算調整資金に関する法律附則第二条第三項及び第四項の規定により、平成十一年度予算計上して一般会計から決算調整資金繰り入れた後、同資金から国債整理基金に繰り戻すこととしております。  以上が、予備費使用調書等について事後承諾を求める件の概要及び平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書事後承諾を求める件の概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
  4. 原田昇左右

    原田委員長 これにて説明は終わりました。     —————————————
  5. 原田昇左右

    原田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石井紘基君。
  6. 石井紘基

    石井(紘)委員 統一地方選挙前半戦がきのう終わったわけでありますが、結果を見てみますと、やはり無党派層といいますか、政党への支持が全般に総体的に大変低くなっておる。これはとりもなおさず、政治なりあるいは国民の納める税金使い方なり、今ここで決算行政監視委員会が始まっているわけでありますが、今のお話の中にも、一般会計あり特別会計あり、あるいは各機関の会計あり、財投予算あり、そういうものがさまざまに入り組む中で、この国民税金というものの使途が一般に非常に不透明である、むだ遣いが大変多いということに対する国民の感情というものもやはりこの政治への不信につながっているんじゃないかというふうに思うんですが、元総理の宮澤大蔵大臣、この統一地方選挙前半戦の結果等をごらんになってどのようにお感じになっているんでしょうか。
  7. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 政府決算におきまして予算で見込みました歳入不足をする、いわゆる歳入欠陥を生ずるということは、我が国の経済が順調に成長を続けましたときにはまずなかったことでございましたが、ここに参りまして、時々歳入欠陥を生じております。殊にこのところ、四回続けまして四半期ごと成長マイナスを続けておりますので、昨年度におきましても、そのもう一年度前におきましても、歳入欠陥を生じました。  殊に、プラス成長を考えておりました結果がマイナス成長になりましたような年におきましては、その歳入欠陥は極めて大きゅうございまして、この点は、基本的には、経済運営についての政府見通しの誤り、それから、それに対応する施策の不十分等々いろいろございますが、その上にさらに、そういう見通しに基づきまして行いました歳入見積もりが、当然のことでありますけれども大変に誤ってしまった。年の途中で補正をいたしまして減額補正をしましても、なお最終的にはさらにその額にも達しないというようなことが何度かございました。  これは、歳入見積もりをいたしますのが大体十月、十一月あたりでございまして、一番遅い統計をとりましても、それから十五カ月先の予想をするということがなかなか難しいという事情はございますものの、しかし、一遍それを減額補正をして、さらにまたそれも足りなかったというようなことになりますと、これは明らかに政府全体の責任である、国民に対して申しわけないことであるというふうに過去の事例につきまして考えております。
  8. 石井紘基

    石井(紘)委員 この歳入欠陥もそうでありますが、予算使い方ですね、その面における不透明といいますか問題というものが、特に昨今、多々出てきているわけで、そういう予算使い方という面で不透明感が強いのではないか、そういうこともこの政治への不信というものに結びついているのではないか、こう思うわけでありますが、いかがですか。
  9. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 それにつきましても、残念でありますが御指摘のことを認めざるを得ません。  毎年、会計検査院から批難事項として指摘をされるのでございますが、その数なり内容は決して改善を顕著には見せておりません。やはりこの点は、支出に当たる者の不注意ばかりでなく、時にはややモラルに関する問題があるのではないかという点まで指摘されておりまして、この点につきましても十分改善を求められなければならない余地があると存じます。
  10. 石井紘基

    石井(紘)委員 後ほど私はこの特別会計というもののあり方についての議論をさせていただきたいと思うんですが、その前に、この予備費支出、あるいは予算総則十三条に基づく経費増額の問題について若干質問をさせていただきます。  一つは、港湾整備特別会計歳出というのがございます。これは、国土総合開発事業調整費という中での計上だと思いますが、これは毎年こういう支出計上されているんでしょうか。
  11. 坂篤郎

    坂政府委員 お答えいたします。  国土総合開発事業費等いわゆる調整費と申すものが幾つかございます。特にこの関係のものは、公共事業における事業縦割り、各官庁が縦割り事業を行っているために、例えば進度が合わないとか、こちらの事業はやったけれども一緒にやるべきものが行われていないとか、そういった御批判が従来からございまして、そういった弊害をできる限り排除し、各省庁間の枠を超えて連携を強化する、そういったことを推進したいということで、それがひいては財政資金の効率的な使用を図るということにつながるわけでございます。  そういったためのお金といたしまして、国土総合開発法などの地域におきまして各省各庁が実施をされます開発でございますとか保全でございますとか、そういったそれぞれの事業の間の調整、あるいはその調査につきましても総合的な調整を行うための経費ということでございまして、平成年度二百五十億円、八年度、九年度とふえておりまして、また最近におきましてもそういったものは計上をさせていただいております。
  12. 石井紘基

    石井(紘)委員 これは道路もそうなんですけれども、道路でやはり百億、二百億近くある、港湾で五十億ぐらい。やはりこういうのは、ある年にたまたまそういう必要性が出てきたというんだったらわかるんだけれども、十年ぐらいさかのぼってみても、これが毎年出ているわけですね。どうもこれは、あらかじめこれを当てにした整備計画ということになっているんじゃないんですか。どうなんでしょう。
  13. 坂篤郎

    坂政府委員 お答えいたします。  今御指摘の例えば港湾でございますが、例えば平成年度でございますと、北陸や中部圏において主要地方道との調整促進を図るといったために特別会計から支出をされておりますし、平成年度におきましてもそういったものがございます。  これは、それぞれ一つ一つ、当然のことでございますが、国土庁さん、私ども、あるいはそれぞれ担当の役所でそれぞれの事情を精査いたしまして、こういった調整費を使って調整をすることが、先ほどお答えいたしましたような財政資金としても効率的であるといった事情に基づいて支出をしているものというふうに考えております。
  14. 石井紘基

    石井(紘)委員 それは結局、縦割りでやっていますから、道路道路の間とかいろいろなそういう関連の中で、港湾から続いていく道路が先にできたけれども港湾がちょっとおくれたのでこっちを予備費でやるんだ、合わせていくんだ、こういうようなことですね、言ってみれば。  そうすると、それはやり方によっては公共事業を早めていくというか、あるいは余計事業をやれるというか、毎年毎年こういうふうに予備費でこれを使えるとなりますと、どっちか片っ方が進捗が速いというと、それに追いつけというんで予備費をつけてやるということになれば、これはもう、これを毎年やっているということになれば、やはりそれは公共事業の量をふやし、スピードを、速度を上げていく、こういうことになるんじゃないですか。
  15. 坂篤郎

    坂政府委員 お答えいたします。  各省庁の事業間の調整でございますとか連携でございますとか、そういったことは、本来ならば予算編成をしている段階であらかじめ調整を図るといったことがもちろん望ましいことなんでございますけれども、なかなか予算編成を行っているときまでに、例えば普通でございますと十二月までにわからないというようなことも時々どうしてもございます。  そうした事情が、予算編成してから後事情が変わった。例えば、圃場整備を片方でしている、その同じ場所河川改修事業も行われている。御承知のように、河川圃場整備といったようなものは同じ場所でやっている場合には当然一緒になるべくならやった方がコスト的にも安いですし、お互いに合理的だということになるわけでございますが、なかなか、例えば何らかの都合で川の方はうまく事業が進められないと十二月までは思っていた、それが翌年になりましてから実際にやることになったときにはその事情が解消してできるというような状況になった、こうしたことが起きた場合には、御承知のように、調整費を使って同時に施行をして経費の節減を図るといったことでございます。  大蔵省といたしましても、当然のことながら調整費の配分に当たりましては、各省庁さんからいろいろ御要求があるわけでございますが、当初予算編成をしたときに調整とか連携とかいったことが行われなかったことについて、やむを得なかった、十二月ぐらいまではそういう事情だったということ、あるいは予算編成後どういう事情変更が生じたのか、あるいは調整費使用することによって事業費がどれくらい合理化されるあるいは全体として節減されるかといったこと、その他のことを私どもとしても総合的にチェックをして配分するように努めておるところでございます。
  16. 石井紘基

    石井(紘)委員 その辺はちょっと指摘をしておきたいと思いますので、やはり考えてもらいたいと思うのです。毎年そうやって関連した事業のおくれている方に予算をつけるということは、やはり予備費でありますから、ちょっとおかしい。  それから、農水省の予備費使用調書の中での「食糧管理」に組み入れられた、要するに「返還金等調整勘定へ繰入れに必要な経費」、これがちょっとよくわからないんですが、ちょっと説明してくれませんか。
  17. 堤英隆

    堤政府委員 食管特会におきましては、食糧法規定に基づきまして米麦売買操作ということをやっているわけでございますが、その中には、国内米管理勘定等事業勘定と、それから食糧証券の発行によります資金調達等の経理を専ら行います調整勘定等七つ勘定がございます。  今、調整勘定資金流れ一つ指摘だと思いますが、これは、調整勘定は各勘定資金調達を一元的に行っておりまして、各事業勘定全体で資金不足しました場合には、食糧証券を発行いたしまして資金を調達して資金不足します事業勘定繰り入れるということと、それから、資金に余裕がございます場合には食糧証券返還に充てる、こういうことをしております。  また、事業勘定から今申し上げました調整勘定への返還金等資金流れでございますけれども、これは、食糧証券年度をまたがって借り越しする場合には、翌会計年度に到来いたします償還日に全額返還するということになっております。九年度の場合につきましては、当該返還に要する資金として七千八百四十四億円を計上したわけでございますが、それを上回る八千三十億円の年度越し償還食糧証券がございましたために、弾力条項を適用いたしまして、国債整理基金特別会計を通じまして償還をしたわけでございます。この弾力条項を適用いたしました百八十六億円につきましては、先ほど申し上げました各事業勘定から調整勘定にそれぞれの予備費使用いたしまして返還するということにしたところでございます。
  18. 石井紘基

    石井(紘)委員 大変複雑なやり方のようですが、この食糧証券というのは短期で発行しているということですが、従来は日銀から借りるというか調達するということ、これは、今後何か変わっていくのでしょうか、同じやり方でやっていくのでしょうか。
  19. 坂篤郎

    坂政府委員 御指摘のように、食糧証券等につきましては、従来日銀が引き受けておりましたが、このたびやり方を変えまして、市中公募をして市中で売るというふうに変えております。
  20. 石井紘基

    石井(紘)委員 それは、そうすると、市中金融機関から調達するということなんでしょうが、利率とかさまざまな条件が整ってこないとなかなか、やはりこれは相当低い利回りというか金利なんでしょうから、見通しというのはどんなふうに考えているのですか。
  21. 坂篤郎

    坂政府委員 大変恐縮でございますが、私直接担当していないものですから詳しくは存じませんが、理財局から聞いておりますところでは、今のような金融情勢でございますし、おかげさまで順調にスタートしているというように聞いております。
  22. 石井紘基

    石井(紘)委員 そうですか、わかりました。  それでは、今度は厚生省に、特別会計との関連で伺いたいと思います。  厚生省の保険の関係の特別会計というのは、国民年金と厚生保険特ですか、この両特別会計国民の納める保険料が大体百三十四兆円ぐらいあるんでしょうか、それを資金運用部に預託をしておる。それで、この特別会計には一般会計からも相当の金額、大体どのぐらいになりますか、四兆円ぐらいですかね、入ってくる。資金運用部にそれを差し出して、資金運用部はこのうちの大体累計で百四十兆、年間で約六兆円ぐらいを、年金福祉事業団に貸し出しているわけですね。それで、年金福祉事業団に累計三十五兆数千億を貸しておる。ちょっとなかなかこれは、特別会計と特殊法人と資金運用部と一般会計でありますから、これがぐるぐる回っているわけで、大変複雑なんです。  そこで、この資金運用部と年金福祉事業団の金のやりとりについて、どうせこれは特別会計から流れていっているものが相当入っていますから、このことについてちょっと取り上げたいと思うのです。  年福事業団は百四十兆円を資金運用部に預託しておる、それで、利息を払っておる。金利が平均するとどのぐらいになるんでしょうか、五%までいかないぐらいでしょうかね、年福事業団が受け取る金利は。それを今度は資金運用部から逆に、貸しているのに今度は借りる。三十五、六兆円を借りる、年福事業団が。年間四、五兆円ですが。この利息は貸した利息よりも高い。自分たちが貸しているのに、そこから借りる利息の方がもっと高い。こういうことは、一つの年福事業団の大きなフォーカスといいますか、秘密の一つなわけですね。こういうあり方というものについては、年福事業団も大変な累積の欠損を出して相当困っておるのだと思うのですが、それで、年福事業団が年間返済する金額は大体五兆一千億ぐらいになるのですね。資金運用部に借りているのを返す、五兆一千億ぐらい。そのうちの一兆六千億は利息だ、こういうふうになっているわけです。  さてそこで、年福事業団がやっていること、これは何かといいますと、年福事業団が運用するお金は、資金運用部から入ってくる金と一般会計から補助金として入ってくる金と含めて、三十五兆円ぐらいを運用するわけですね。その三十五兆円を運用するうちの二十五兆円は、信託銀行だとか機関投資家だとかそういうところへ預けて、債券とか株とかそういうもので運用して、これは大変な欠損を出しておる。  それから、あとの十兆円は、融資事業と称して住宅の貸し付けだとか、住宅資金の貸し付けなんというのは住宅金融公庫からいろいろなところがやっているわけですが、まあここでもやっておる。それから、年金を担保にした小口の貸し付けだとかあるいは教育資金だとか、こういうのを国民金融公庫かなんかでやっているのだけれども、ここでもさらにやっているわけです。至るところで特殊法人は大体同じような金貸し業をやっているわけですね。  もう一つ、また大変な問題になっておるのが、大規模年金保養基地というもので、これはギブアップというような状態なわけですね。  そこで、問題は、信託銀行とか都市銀行とか、あるいは機関投資家だとか、そういうところへ莫大な金を預けているわけです。運用しているわけですね。そういうところは、それは銀行だって、一社につき例えば一兆円とか二兆円とか、がばっと仕事が来るわけですから、それはもう目の色変えて、例のMOF担じゃないけれども、天下り、天上がりの関係をつくって、そして仕事をもらいたがるわけですね、事業を。  そういうものを利用して、ここが今度は公益法人をさらにつくる。厚生省の関係でいえば、年金保養協会なんというのは問題になっているところですね。それから、年金融資福祉サービス協会とか全国年金住宅融資法人協会とか、そういう公益法人をつくりまして、そういうものに対して、取引先の金融機関から金を集めて、賛助会費だとかいろいろなお金を集めて、そういう公益法人を成り立たせている。  そういう公益法人には天下りの方もいらっしゃるし、また中には、年福事業団から公益法人に直接今度は補助金を出しているところもあるし、厚生省が出しているところもある。今挙げた三つの団体以外に、さらに五十三ぐらい、私の数えたところだと公益法人がそうやってあるわけですね。  それからまた、さっきのグリーンピアの事業なんかにすると、今度は地方公共団体を通してまた公益法人に、全部じゃないけれどもやらせている。グリーンピアの大規模保養基地の四つは年金保養協会がじきじきにやっている、そのほかは地方に公益法人をつくらせてやっておる、こういう形になっているわけですね。  だから、特別会計というものから発して、そして厚生省の年金関係の特会というのは、それほど直接にそういう特殊法人に金を流したりはしていません。資金運用部を通してやっておるわけですが、いずれにしても、特会の存在というものは一般会計から離れておりますから、特会の中の運営というものはかなり自由裁量というものになってくるわけです。ですから、道路特会にしても、あるいは港湾にしても、あるいはその他のいわゆる事業特会と言われる特会の場合は、特に自由裁量が非常にきくものですから、いろいろなことがやられるわけですね。  こういう特別会計の制度というものについて、もちろん年金なんかは基本的には一般会計でやるわけにはいかないものでしょうから、それは厚生年金あり、国民年金ありというものでしょうが、特に公共事業をやるような特別会計、こういうものについては、今申し上げましたのは年福事業団、年福の年金関係の特別会計のことでありますが、ほかのそういう事業会計の特会について申し上げてもいいんですけれども、ほとんどが今言ったように公益法人、特殊法人、天下り、あるいは業界、取引先から金を集める、こういうような構造になっているわけですね。ですから、ここから筒抜けになっていくわけですね。こういうところから、ざるから水が漏れるように税金流れて飛び散っていってしまう、いわばそういう構造になっているわけなんですね。  大蔵大臣、せっかくおいでいただいていますので、この特別会計の制度というものについて何かお考えになったことはおありでしょうか。
  23. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 ただいまの御指摘の事例は、いろいろな行政改革、合理化等につきまして、実はまさに一番問題になっておる事例でございます。  それに入ります前に、特別会計そのものは、特定の目的を持って、そして一般会計と明らかにはっきり分かれた一種の事業会計である、あるいは経理をする会計であるというときに設けることは、それ自身は意味があることであると思いますけれども、正直を申しますと、一般会計からいえば、余りそういうことがたくさん行われることは好ましいことではございません。  また、目的税といったようなものも、できるならばそれは多くない方がいいということは、一般会計の立場から申しますと基本であると思います。  ただ、現実には、戦後殊にそうでございますが、特別会計が相当の余裕金を持つようになり、その余裕金を本来の目的から別離しない限りで、その延長線においていろいろに利用するといったようなことは、加入者の便利にもなるといったようなこともございまして、かなり行われてまいりました。  まいりましたが、そういうことは、国の経済あるいは国の財政全体が右上がりに進んでいきますれば、それはそれで一つの考え方かもしれませんけれども、だんだんそうじゃないようになりますと、そういう施設の運営というものは本来専門家がやりましても簡単にいかないものでございますから、しばしばいろいろな問題を生じてくるし、また行政改革的見地からいえば、それは民業の圧迫である、そういうことは市場経済国家においては民業がすべきことなんだ、何もそういうところがする必要はないといったような議論も出てまいります。当然、それらは特殊法人であるとかあるいは役所の行政改革全体の対象になって、やはり厳密に考えられつつあるというふうに私は思っています。  一般会計の立場からすぐにそれほどまでのことを申すというつもりはなかったわけでございますけれども、現に民業圧迫になるといったような、あるいは、そういうところの経営が実際にはなかなかそううまくいかないといったようなこと等々がありまして、いろいろな批判を浴びて、私どももやはりそこは反省しなければならないところが多いというふうに考えております。
  24. 石井紘基

    石井(紘)委員 私は、特別会計全部が悪いというよりも、特別会計だってだんだんと分野が広がってきちゃいますとやはり質的におかしなものになっちゃうということですので、やはりここは、節度というものが非常に必要なものだと思うんですね。  それで、今の厚生保険特別会計とかあるいは国民年金特別会計なんかの場合でも、会計だけやっていればいい。ほかの特会もそうだと思うんですね。ここで事業をやるのと、それから、事務会計というのはまた一つ別にあって、人件費なんかも事務会計でやっている。だから、国家公務員だって相当部分が、恐らく半分以上じゃないですか、特別会計の職員になっているわけでしょう。一般会計でもって国家公務員の給料を出すんじゃなくて、特別会計の職員になっておるというのは、これはおかしいんじゃないか。  国家公務員のうちの特別会計の方の職員というのは今どのぐらいいるんでしょうか。わかりますか、すぐに。     〔委員長退席、佐藤(静)委員長代理着席〕
  25. 坂篤郎

    坂政府委員 申しわけございません、ちょっとただいま手元に持っておりません。
  26. 石井紘基

    石井(紘)委員 事前に言っておきませんでしたからあれでしょうけれども、半分以上だと思うんですね。だから、この年金なんかの場合でも、これは社会保険庁の職員として一万七千人を特別会計で抱えておるというわけですよ。同じ公務員でもおかしいんじゃないですか、これは。  だから、私は、この事務、業務会計というのは特会がやる必要がない。それから、道路、空港、港湾というようなその他公共事業特別会計、これも非常に肥大化しておるわけですよ。  一つ例を挙げますと、空港に関していいますと、空港整備特別会計というものが年間四千六百七十四億円、これは財投からの借り入れの累計は一兆を超えておりますが、そういうものと、それから一般会計からの、累計でやはり五千億円近い出資金と、そういうものでもって空港整備特別会計というのはやっている。一方では、特殊法人の空港公団というのがありますから、そういうものへここからやはりまたお金を流してやる。別の方では、今度は空港建設だとか整備費、それから空港維持運営、こういうようなものにお金が二千何百億とそれぞれ出ていくわけですけれども、こうなると、もう行き先はわからなくなっちゃうわけですよ。その先どうなるかというと、やはり特殊法人以外に公益法人があるわけですね。空港環境整備協会だとか空港関係公益法人が、二十五法人以上ありますよね。そういうところへ予算が行くわけですよ。  だから結局、お金が出ていって、先々へ行くと、毛細管を伝わって、今度は血となり肉となればいいんですけれども、そうじゃなくて、これがどこかへ汗みたいに蒸発しちゃうんですね。こういうところに非常に大きな問題があるわけであります。特別会計というのは、事業の部分をもう一つはやはりきちっとけじめをつける、事業は特会から切り離すということをやりませんと、特殊法人に行く、公益法人に行く、地方に行く、地方とお金の行ったり来たりがあるというようなことで、一般会計がその上にありますから、全くこれは錯綜してしまってむだが多くなってくるわけですよ。  そういう点について、大蔵大臣、ぜひお含みいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  27. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 いろいろ御引例がございまして、私ども十分資料がなくて十分にお答えできませんけれども、お話のようなことは私自身が随分たくさん経験をいたしております。ですから、そういうことはもうあちこちにあるなということを、おっしゃることをごもっともだと思って伺っておりました。  どうしてもやむを得ない特別会計というものはございます。ございますが、そうでないもので、それがいわば余裕金をいろいろに活用するということでまさにタコの足のようにいろいろなことをしているということは、経験を生かしておりまして、やはり行政改革とか合理化とかいうことの問題としてとらえなければならない、相当私は弊害があるというふうに考えますので、御指摘のことには同感でございます。
  28. 石井紘基

    石井(紘)委員 先ほどの、厚生省の財団法人で年金保養協会ですか、この年金保養協会というのはそもそもかつて何のためにつくったかというと、何か余暇利用とかなんとか、そういうようなことの研究ということでつくられたんじゃないんですか。ちょっと経緯を。わかりますか。
  29. 矢野朝水

    ○矢野政府委員 お答え申し上げます。  財団法人の年金保養協会の設立の経緯でございますけれども、これは、先ほどからお話に出ていますグリーンピア、これを設置いたしましたときに、その運営につきましては民間のノウハウを活用してということで、この運営をする財団法人として設立したものでございます。それで、現在、四カ所グリーンピアを受託して運営している、こういうことでございます。
  30. 石井紘基

    石井(紘)委員 そうすると、この年金保養協会というものはそういうことを目的に、そういう商売を目的にやるというのは基本的には公益法人としてはこれはだめなんですけれども、だからこれは法律的にも大変問題があるんですが、そこはおいておいて申し上げますと、これがさらに年金資金運用研究センターというものを平成五年の七月につくったというわけですね。こういう保養協会の目的というものと年金資金運用研究というようなことと何の関係があるんですか。公益法人というのがこういう全然違うようなものをやり始めるというのは、どうしてこういうことになるんですか。
  31. 矢野朝水

    ○矢野政府委員 この年金保養協会のもとに年金資金運用研究センターというのができたのが、平成五年でございます。これは、おっしゃるように、保養協会の本来の、そもそもの業務とは縁がないわけでございますけれども、これができたいきさつについて御説明申し上げますと、年金福祉事業団で、先ほどからお話しになっているように資金運用部から資金を借り受けまして民間で運用する、市場で運用する、こういう事業を始めたわけでございます。こういった資金の運用といいますのは、実は日本では非常に蓄積が乏しいといいますか、欧米に比べまして歴史が浅うございまして、いろいろな面での調査研究というのが非常に重要なんですけれども、そういった面での研究開発が非常におくれておったということでございます。  そこで、年金福祉事業団といたしましては、内部組織としてこういう調査研究機能を持つということも当然考えられたわけでございますけれども、みずからそういった機能を持つというのは現実問題としてはなかなか難しい、こういうことでございまして、保養協会のもとに年金資金の運用研究センターをつくりまして、そこに民間から人材を受け入れるということで、年金の運用をどうやったらいいのか、そういう運用の方針を立てたりとか、あるいは内外の運用環境の調査をしたり、あるいは年金運用の実態を調査したり、こういうことで、研究センターとしてそういう業務を行ってきたということでございます。     〔佐藤(静)委員長代理退席、委員長着席〕
  32. 石井紘基

    石井(紘)委員 それは、この財団法人というものの趣旨と全然違うんだから、関係ないんだから、保養協会の中に年金資金を運用する研究センターをつくる、これはおかしいですよ。それは非常に問題であるんだけれども、同時に、年金資金の運用についての、何ですか、研究をやるんですか。研究調査についての研究をやるんですか。何かそこのところがあいまいなんだけれども、何でそういうことをこういう財団をつくって厚生省がやらなくちゃならないんですか。ちょっと言ってみてください。
  33. 矢野朝水

    ○矢野政府委員 ただいま申し上げましたとおり、年金福祉事業団がこういう運用するといった場合に、調査研究機能というのは非常に重要なわけでございます。ただ、そういった面での専門家というのは非常に限られているわけでして、年金福祉事業団がみずからそういう機能を内部に持つことが現実問題として非常に難しいということで、年金保養協会というのが財団としてございましたので、そのもとにこういう研究センターを設けて、年金福祉事業団が調査を研究センターに委託しておる、こういうことでございます。
  34. 石井紘基

    石井(紘)委員 厚生省の人たちがそういうことの勉強をするというのは、それはいいですよ。勉強、どうやったら利殖がたくさんできるか。ところが、その勉強を委託するというのは、そうすると、勉強する人はまた別の人でしょう。しかも、ディーリングというのか、そういう市場の切った張ったは厚生省がやることじゃないでしょう。どうなんですか。
  35. 矢野朝水

    ○矢野政府委員 年金福祉事業団の市場運用事業といいますのは、基本的にはすべて民間の金融機関に委託をして運用してもらっているわけでございます。年金福祉事業団みずからが株を買ったり債券を買ったり、こういうことじゃなくて、そういうのは信託銀行ですとか生命保険会社、投資顧問会社にお願いして実施をしている。  ただ、その全体の運用方針をどうするかとか、それから、個々の運用機関を評価いたしまして、どういった運用機関に幾ら、どういう運用手法で運用を任せるのか、あるいはその結果を評価いたしまして、成績が悪いところは切りますし、成績がいいところにはもう少したくさんお願いする、こういう全体の管理を行っているのが年金福祉事業団でございます。  そういった場合に、この分野は、みずから売り買いするわけじゃないんですけれども、非常に専門的な知識とか経験、こういったものが要求されるわけでございまして、こういった問題につきましては、我が国のこれまでの実績というものは非常に乏しかった。そういうことで、センターを設立いたしまして、民間から人材を派遣していただいて、そこに調査研究を委託して、その成果を運用に生かしておった、こういうことでございます。
  36. 石井紘基

    石井(紘)委員 ですから、どの株を幾ら買うとかどの外国債を幾ら買うとか、そういうようなことは信託会社なり委託先がやることなんですよ。厚生省は、厚生省の部屋にそういうボードか何かあってやるわけじゃないんだ。だから、厚生省の人たちは、あなた方はそういう運用についての技術だとかそういうようなことはやらなくてもいいんです。  なぜあなたたちはそういうことを、私は、そのためにこのセンターをつくったんじゃないと思う、財団を太らせていろいろまたいいことがあるからつくったんじゃないかと思うんだけれども、もしあなた方がそういうことをやる必要があると思ってやったんだとすれば、そういう前提でいえば、それは民間がやることですから、あなたたちがやっていることはもっと上のところで間違っておるわけだ。つまり、年福事業団がそういう巨額の年金を運用する機関である、これが厚生省の機関であるというところが間違っておるわけですよ。行政はそこまでやるものじゃないんです。  だから、どっちかなんですよ。やるんだったらとことん、あなたたち、ボードを買ってきて市況を全部見ながらやらなきゃいけないですよ。だから、こういうものは即刻改めるようにしてください。  それで、この年金保養協会の中にセンターをつくったわけだけれども、そこで皆さん方が、二十五兆円を運用している三菱信託だとか住友信託であるとか三井信託だとか、そういう信託と、それから機関投資家である生保だとか、あるいは莫大なお金を預ける都市銀行だとか、そういうところからみんなお金を集める、賛助会費ということで集めているのかどうか。集めてこういう公益法人を運営しているということは事実なんですか。
  37. 矢野朝水

    ○矢野政府委員 この年金資金研究センターの運営でございますけれども、これは金融機関に賛助会員になっていただいて、その賛助経費をもとにこのセンターが運営されておるということでございます。  それからまた、研究員につきまして、これは民間金融機関から若手の人を出していただいて、今現在七名そういう方がいらっしゃるわけですけれども、そういう方を中心に研究をやっておるということでございます。
  38. 石井紘基

    石井(紘)委員 そうすると、さっきのお話ですと、厚生省がそういうことの研究も、どうやって運用したらいいかも研究しなくちゃいけないから、知識を得るために研究センターをつくった。だけれども、そのお金はそういう取引先から出してもらって研究員もそれに養ってもらってやっておる、こういうことですか。  そうすると、そこで上がった研究成果というものはどこが持っていくわけですか。それはまた、厚生省がお金を出して委託して、その研究成果をお金を出して買うんですか。
  39. 矢野朝水

    ○矢野政府委員 これは委託研究を年金福祉事業団がセンターに委託するわけですね。それで、年金福祉事業団の市場運用事業にその成果を活用しておる、そういうことでございます。
  40. 石井紘基

    石井(紘)委員 どうもそういうようなのは民間の方がやはりはるかに進んでいるだろうし、厚生省がしょぼしょぼ、年金保養協会のグリーンピアだとかホテル経営、旅館経営みたいなものをやっているようなところが、そういう莫大な金の運用の技術や何かを研究するために、しかも民間に金を出させて、民間で給料も皆出させてやっている。これだったら民間によほど立派なものがあるんであって、これはやはり何かほかの目的でやっている、こう思わざるを得ないわけでございますので、十分御検討をいただきますように申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  41. 原田昇左右

    原田委員長 次に、谷口隆義君。
  42. 谷口隆義

    ○谷口委員 公明党の谷口でございます。  本日は、まず初めに概括的な質問と申しますか、大蔵大臣に来ていただいておりますので、御見解をお伺いいたしたいというように思っております。  それは、現下の国家会計システムの問題でございまして、これは、従来から当委員会でも多分議論があったのではないかというように思っておりますが、予算決算の問題であります。  御存じのとおり、予算は厳格な承認手続を経て承認されるわけでございますが、一方、決算の方は、どうも見ておりますと、仮に決算が承認されないというようなことにおいても法律的には責任は問われない、政治的な責任はあるんだろうと思いますが。このような状況になっておるわけでございます。簡単に言いますと、いわば決算が大変軽視されておるというようなことでございますが、まず初めに、大蔵大臣に御見解をお伺いいたしたいというように思います。予算決算の問題でございます。
  43. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 国会決算の御審査を願いますのは、政府国会で成立をさせていただきました予算の執行について、間違いなく、間違いなくという意味は、適正に、しかも不正あるいは不適当なことがないように果たして予算を執行したかどうかにつきまして国会の御審査を受ける、そういうことが決算を御審査願う主たる目的であると思います。もちろん、政府内にも会計検査院がございまして、支出が不当であるか適当であるかということの検査はございますけれども、その上で、国会のお立場からして、予算が適正に執行されておるかどうかというのを決算の場を通じてごらん願うということでございますから、そういう意味では、予算の御審査を願うのと同じような大切な意味合いを持つものと考えております。  ただ、決算の御審査を願うのがいろいろな事情からかなりおくれてまいりますので、そういう意味で、もう少し早く御審査を願えば、さらに政府としても適切な御示唆を国会から受けることができるということもございますと思います。その点につきましては、かなりの時間のおくれというものが一つの問題だとは思いますけれども、しかし、決算が適当でないと国会に言われることは、結局予算を正しく適正に執行していないということでございますから、それから受ける政治的な意味合いは大きいし、また、私ども、そういう意味で決算の御審査というものに重点を置いてお答えをしておるつもりでございます。
  44. 谷口隆義

    ○谷口委員 まさに、今大臣の言われたとおりであると思います。  まず初めに、これは国家会計でございますので企業会計と比べるべくもないわけでございますが、大体承認期限というのが普通あるわけでございますね。ところが、国の場合はそういうようになっておらない。何年度も承認されないような決算がたまっておるというような状態も見受けられるわけでございます。  本来はやはり、予算は大変重要でございますが、最終的結論としての決算の重要性というもの、極めて重要なわけでございますので、そのような観点で、今巷間よく言われております国家会計システムの見直しみたいなものを考えていかなければいけない時期に入ったんじゃないかというように私は思っておるわけでございます。  一つは、先日も雑誌を見ておりますと、公会計制度のことが出ておりまして、国家においてはバランスシートがない、歳入歳出の状況のみでございます。そういうこともございまして、国家の財産がいかほどあるのか、また負債がいかほどあるのかというような状況が明確になっておらないわけでございます。  他方、欧米諸国を見ますと、そういうような国家会計システムを導入するような傾向にあるようでございます。これはかなり事前の準備作業も必要でございますし、もろもろの手続が必要なわけでございますが、現下の国家会計システムが有効に機能しておるかどうかということを踏まえて、もう一度大臣の御見解をお伺いいたしたいというように思います。
  45. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 私も、自分の政治生活における体験からは、今おっしゃいますようなことが非常に実はあるんではないかということをしばしば感じておりますけれども、残念ながら十分知識がございませんので、それをどのようなシステムに置きかえていいのかということを自分で考える力がございません。  しかし、いかにも、全体の予算の積算から、あるいは編成、執行等々を通じまして、しかも民間企業会計、それは政府の会計は利潤を追求するものではございませんから民間の会計と同じだとは思ったことはございませんけれども、しかし、コストとベネフィットの関係なんというものは、これは、そうであろうとなかろうと、恐らくあるべきものでございますし、その辺のこともかなり大きな改革をしなければならないのではないかということを、しばしば自分で感じていることはございます。  ただ、十分専門家でございませんので、自分の考えとしてお答えすることはできません。
  46. 谷口隆義

    ○谷口委員 いずれにいたしましても、現下の国家会計システムと申しますか、予算が優先しておるこの制度におきます弊害も多々見受けられるわけでございますので、大きな世界の動きの中で、また我が国の今の現状を十分踏まえた対応が迫られておるのではないかというように思うわけでございます。今後、このような問題も、これは大きな一つの国家的な課題として検討をしていかなければいけない、このように私は思う次第でございます。  一応今の質問は終わりまして、ちょっと具体的な問題に入りたいわけであります。  先ほどの質問にも若干出ておりましたが、決算調整資金に関する法律というのがございます。この決算調整資金について若干お伺いをいたしたいというように思います。  五十六年度決算決算調整資金使用され、その後、一般会計繰り入れが行われておりませんから決算調整資金は残高ゼロで推移をいたしておるわけでございます。それで、この決算調整資金に関する法律を見ますと、不足分については、国債整理基金より当分の間繰り入れることができるというようなことで、今回も国債整理基金から繰り入れられておるわけでございます。  平成年度歳入不足、当初八十兆一千七百億が、現実の歳入額が七十八兆五千五百三十億ということで最終的に一兆六千百七十億の歳入不足が生じたということで、決算調整資金に関する法律国債整理基金からこれを繰り入れたというようなことでございますが、今、国債整理基金の残高を見ますと二兆七千三百三十七億円というようになっておるわけでございます。  今回はこの残高で充当できる金額であったわけでございますが、仮に国債整理基金の残高を上回る歳入不足が生じた場合には、どのように取り扱われるようになるんでしょうか。
  47. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 お答え申し上げます。  今先生おっしゃいましたように、決算調整資金につきまして、現在残高はゼロとなっております。したがいまして、ここ最近、例がございますけれども、決算におきまして不足が生じた場合には、国債整理基金の方から決算調整資金の方に資金繰り入れるということで対応をいたしております。  今先生がおっしゃいましたように、この国債整理基金の残高、九年度末で二兆七千億円余ということでございます。したがいまして、仮定の話でございますけれども、仮にそれをさらに上回る決算での不足というような場合、私ども、そういうことのないように適切な財政運営にこれ努めてまいるということでございますが、論理的な問題としてあえて申し上げますと、仮にそのような場合には、必要に応じて補正予算等で対応するということかと思います。
  48. 谷口隆義

    ○谷口委員 これは一応、決算調整資金に関する法律では国債整理基金からということになっておりますが、これ、補正予算を組んで対応は可能なんですね、今おっしゃったように。
  49. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 お答え申し上げます。  この決算調整資金に関する法律、これの第四条に規定がございます。政府は、一般会計において仮に剰余金が生じた場合でございますけれども、その場合には、第六条一項に規定する剰余金を生じた場合においては、剰余金金額から償還財源、国債の償還財源でございますが、これを控除して得た金額を限り、翌々年度までに一般会計から資金繰り入れることができる。さらにその第二項におきまして、政府は特別の必要がある場合には、予算の定めるところにより、一般会計から資金繰り入れることができるということでございます。  残念ながら、現在のところ、このような一般会計からの資金への繰り入れはございませんけれども、規定上はこのような規定になっております。
  50. 谷口隆義

    ○谷口委員 国債整理基金から当分の間繰り入れることができるというようにこの法律では書いてあるわけでございますが、今おっしゃるようなことであれば、むしろ国債整理基金から繰り入れるというよりも、補正予算を組んでこれを繰り入れる方法もあるということでございますので、これはどのようにお考えでしょうか。
  51. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 お答え申し上げます。  残念ながら、現下の財政事情は非常に厳しいわけでございます。そういうことからいいまして、今先生おっしゃいましたような、決算調整資金一般会計から予算繰り入れを行うというような状況には、残念ながら今のところない状況でございます。  そういうことからいいまして、私どもといたしましては、各年度予算編成におきまして、歳入欠陥が生ずることのないよう適切な財政運営に努めるということがまずもって重要ではないだろうかというように考えております。
  52. 谷口隆義

    ○谷口委員 その国債の償還等、基金の運営に支障はないのかということでは、どのようにお考えでございますか。
  53. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 お答えいたします。  この国債整理基金特会からの国債の償還、これはそれぞれ年度を通じまして、種々のいわば償還時期というものがございます。  具体的に申し上げますと、そのような償還の時期、国債整理基金特会でのいわば資金需要というものを見まして、必要に応じまして、今おっしゃいました、仮に決算調整資金への繰り入れが必要な場合、このような場合には七月末が限度になっておるわけでございますが、その段階で決算調整資金国債整理基金特会から繰り入れを行うということでございますし、他方、この決算調整資金から国債整理基金特会への繰り戻し、これにつきましては、先ほど私申し上げましたが、この国債整理基金特会の資金需要、資金動向というものをにらみまして、必要に応じまして決算調整資金から国債整理基金特会へ繰り戻しを行っているということでございます。
  54. 谷口隆義

    ○谷口委員 決算調整資金についてはこの程度で終わらせていただいて、次に、予備費についてお聞きをいたしたいわけでございます。  本来、この予備費というのは、予見しがたい予算不足に充てるために認められた制度である、憲法八十七条並びに財政法二十四条において認められた制度でございます。この予見しがたい予算不足とは、予算成立当時に全く予想ができなかった新しい費目が出てきたような場合であるとか、当初予算計上された各費目の金額不足が生じた場合も含む、このように解釈されておるようでございます。  それで、ちょっと話は飛びますが、平成十一年度予算の中に、予備費で、特定予備費と申しますか、公共事業予備費五千億円が計上されております。  この公共事業予備費については、緊急事態に対応するというもので公共事業という使途の定めがある予備費であるわけでございますが、このような平成十一年度公共事業予備費五千億について、景気浮揚をねらっておる予算全体の性格をむしろあいまいにはしておらないのか、あいまいにしておるということはないのかということをお聞きいたしたいわけでございますが、いかがでございましょうか。
  55. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 平成十一年度予算は、昨年八月以降、平成年度の第三次補正一緒に、いわば十五カ月という考えで編成をいたしました。八月、九月でございますので、それから先十五カ月間を予想するということは、当然のことでございますけれども、普通でも難しゅうございますが、こういうふうに経済が非常に異常な状況になっておりまして、それに対応しなければならないということで、殊に公共事業につきましては、ふだんのときと違いまして、一つは、普通、概算要求の締め切りは八月でございますが、特に十月まで、事態の急変に伴って、それに少なくとも一番レーテストに即応できるような予算要求をある程度の枠内で認める、お願いをするということにいたしましたり、あるいは即効性のあるものを考えたい。しかし、二十一世紀というものもすぐそこでございますから、それに対応するものも必要だと。かなりいろいろな、欲張ったと申しますか、多様なニーズを、しかも予想しがたい将来に向かって予算化しなければならないという問題がございました。  そういうことから、五千億という公共事業予備費をそういうことの中で設けまして、そして、平成十一年度は前年度に比べて少なくとも一〇%以上の公共事業支出をしていきたい、こう考えたわけでございます。  具体的にもっと一つ一つがわかりますならば、こういうくくりをする必要はなかったわけでございますけれども、どういう種類の公共事業が特に緊急に求められることがあり得るか。殊に、やはり一番雇用のことを心配いたしておりますので、雇用不安が、ある地域に局地的に何かの事情で起こってくるといったような場合にどういう対応ができるかというようなことはなかなかいろいろわかりかねておりまして、そういうことも含めまして、五千億というかなり大きな公共事業予備費国会にお願いいたしたわけです。  国会のお立場からいいますと、これは極めて横着な予算内容ではないかという御批判があると思います。それはごもっともかもしれませんが、私どもにしてみますと、そういう予測しがたい将来において、ただそれは一般的な予備費と申し上げればなおさらそれは横着でございますから、少なくとも、公共事業に限りましてこういうことをお願い申し上げたいと。  私どもとしては、そういう意味で、そういう制約のもとに国会からお認めを願いたい、こういうことでお願いをいたしておるつもりでございます。  現在におきましても経済状況は依然として大変に不安でございますから、殊に雇用については気をつけなければなりませんので、こういうものを予算で認めていただいておるということが、それは困れば補正をすればいいじゃないかという御議論はわかりますけれども、補正予算を組むということは、御承知のように、やはりどうしても一つ政治的な出来事になりまして、いろいろなものをどうも一緒に巻き込むというのが普通の、過去の私どもの経験からして常でございます。したがって、そうなりますと、現にお願いをしてそれが成立するのには二カ月ぐらいはかかるということは、経験的に覚悟しておかなければならないというようなこともございまして、それもあわせまして、このようなお願いをいたしたわけでございます。
  56. 谷口隆義

    ○谷口委員 今おっしゃった公共事業予備費のような、いわば特定予備費であると思うわけでございますが、特定予備費が果たして問題がないのか。予備費制度の、予算の事前議決といいますか、予算の事前議決の原則から外れておるんじゃないか、拡張解釈になっておるんではないか、このように思うわけでございますが、このような観点からもう一度御答弁をお願い申し上げたいというように思います。
  57. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 お答えを申し上げます。  ただいま大臣から御答弁があった内容に尽きると思いますけれども、重ねて御答弁をさせていただきます。  予算作成時に予見し得なかった事態、これが年度途中に生じた場合、これを補正予算によるのか、あるいは予備費によるか、これは内閣に基本的にはゆだねられているというふうに考えております。そして、その上で、機動的な対処を図るために予備費によること、これも適切な一つの方策ではないだろうかというように考えております。  そして、今の御指摘公共事業予備費でございますが、これも大臣からお答えございましたように、今回のこの公共事業予備費につきましては、本来限定されていない予備費の使途、これを公共事業等に限定することによりまして国会の判断を求める、そういうことからいいまして政府予算執行についてみずから制約を課すものであるということで、予算国会審議権尊重の考え方に立っているということが言えるのではないだろうかというように考えております。
  58. 谷口隆義

    ○谷口委員 かつてのいわゆる特定予備費公共事業予備費の状況を見ておりますと、特定目的に使用しないで、これを取り崩しをし補正予算財源にしておった例が多々見受けられるわけでございます。そのような観点でいきますと、財源の留保措置のような形で使われておったケースが多々あったわけでございますが、そういうことになりますと、当初予算におきます予備費計上の妥当性が問題になるわけでございまして、このような観点から私は先ほど何点か質問したわけでございます。そのような観点で御見解をお願い申し上げたいと思います。
  59. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 お答えいたします。  過去、公共事業予備費につきまして計上をいたしました年度で申し上げますと、五十一年度及び五十三年度、さらに五十四年度ということでございます。  実際に、災害等を中心として、いわばこの予備費使用した例として申し上げますと、五十一年度でございます。  五十三年度、五十四年度におきましては、補正予算編成する機会があった折に、まず、五十三年度で申し上げますと、補正予算において公共投資を追加することとしたこと、それから五十四年度でございますけれども、逆に、年度途中までの経済情勢の推移にかんがみまして、公共事業予備費を設けておく必要がなくなったと判断されたことから、先生、今お話ございましたように、公共事業予備費を全額取り崩したところでございます。  結果として、先生、あるいは今おっしゃいましたような側面を御指摘かと思いますけれども、私どもといたしましてはやはり、景気状況に応じまして機動的、弾力的に対応するためには、公共事業予備費というものはどうしても必要ではないだろうかというように判断をいたしているところでございます。
  60. 谷口隆義

    ○谷口委員 今おっしゃったように、結果としてこの取り崩しをしたと。今おっしゃったのは、五十三年と五十四年でございますね。五十一年は、これは特定目的に使用されたということでございます。だから、平成十一年度予算におきます特定予備費と申しますか、この公共事業予備費でございますが、これは今スタートしたところでございますが、これは、そういうようなことで、目的以外に取り崩すというようなことはないということでございますね。御答弁をお願いいたしたいと思います。
  61. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 お答え申し上げます。  十一年度予算におきましての公共事業予備費の設けられた趣旨というものを十分に考えて、必要があれば、景気状況等をにらみながら、執行あり得べしということで対応がなされていく、基本的にはそのように考えております。
  62. 谷口隆義

    ○谷口委員 今の予備費におきましてはこの程度で、次に、弾力条項についてお伺いいたしたいわけでございます。  御存じのとおり、特別会計予算総則における弾力条項というのは、予算成立後の事情変更に対処する制度の一つとして弾力条項の制度が設けられておる。これを見ますと、特別会計において何らかの理由で歳入がふえた、収入がふえた、それに伴って支出がふえたというような場合に、こういうような弾力条項で対応するんだというようなことのようでございます。  それで、お伺いをいたしたいわけでございますが、国土総合開発事業調整費であるとか科学技術振興調整費であるとかいうようなものは、一般的に言われておる弾力条項、今、例えば国立大学の特別会計であるとかいろいろ特別会計がございますが、その特別会計の中で、一たん収入がふえて、その結果、歳出が、支出がふえたというようなこととは若干性格を異にするのではないかというように考えるわけでございますが、まず初めに、このことについて御見解をお伺いいたしたいと思います。
  63. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 今先生おっしゃいました調整費でございますけれども、調整費につきましては、各省庁の事業間の調整あるいは連携、これは、本来的に申し上げますと、予算編成段階で調整を図り、当初予算に織り込むことが基本であるというように考えております。ただ、調整を終えるのが予算編成後となるケース、これもございます。こうした事情に適切に対応するため、事業縦割りによる弊害を排除し、各省庁間の枠を超えた連携の強化、推進に努めることによりまして財政資金のより効率的な使用を図るということを目的といたしまして、調整費が設けられているわけでございます。  そこで、先生、今おっしゃいました特別会計でのいわば予算の総則におきます弾力条項、これはおっしゃるとおり、通常で申し上げますと、事業量の増加等に起因いたしまして特会固有の収入金額予算額に比して増加する、そして収入の増加と見合いまして支出の増加を図るものというようなことで設けられております。そういうことからいいまして、この調整費といいますものは、一般的に考えられている弾力条項とは、その原因といいますか、よって来る源は若干趣を異にすることは事実だと思います。  ただ、特会から申し上げますと、やはり歳出規模といいますか、これがいわば予算で議決を得られた金額を超えて歳出権が付与されるわけでございますから、そういうことからいいまして、やはり特会法の予算総則におきましてこの規定を設け、そして具体的なその後の取り扱いにつきましては予備費と同様の対応をするというような仕組みになっているということでございます。
  64. 谷口隆義

    ○谷口委員 調整費は、予算計上に当たって、項の金額だけで目の区別がなく、また、使用に当たっては各省各庁の組織に移しかえて使用されるということで使途が特定されておるわけでございます。これは、使途が特定されておる予備費ではないか、むしろ予備費として対応すべきではないか、このように思うわけでございますが、これについてはいかがでございますか。
  65. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 先生おっしゃいましたように、具体的に予備費、これも予見しがたい予算不足が生じた場合に使用するというものでございます。ただし、調整費は具体的には、先ほどちょっと申し上げましたけれども、予算計上の段階では目の区分がなく、実際の執行の段階で他の省庁の組織に移しかえて使用される。したがいまして、この調整費につきましては、予備費と違いまして、支出の目的あるいは支出すべきことは既に決定をしているわけでございます。そういうことからいいまして、この予備費調整費といいますものはその基本的性格を異にしているということが言えようと思います。
  66. 谷口隆義

    ○谷口委員 例えば国土総合開発事業調整費、これは平成年度で百五十三億円、九年度で三百十六億円ですか、金額は大したことはないわけでございますが、このことについて若干お聞きいたしたいわけでございます。  当初の一般会計における調整費予算建てはどのような形でされておるのか。積み上げでされておるのか、どういう形になっておるのか、御答弁をお願いいたしたいと思います。
  67. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 お答え申し上げます。  いわば調整費の性格上、具体的に個々の積み上げで行うというような性格のものにはなじまないというように考えております。  ここ数年の数字を見ましても、基本的にはさほど大きな変化がないわけでございますが、具体的には、過去の数字等、金額等をいわば総合的に判断いたしまして、定額で計上をいたしているということでございます。
  68. 谷口隆義

    ○谷口委員 冒頭お話ししたように、大した金額じゃないんですね。それで、実態的にそういう調整を行うための支出ということで使われておるということでございますが、見方によると、これは実態的にはシーリング逃れみたいな形になっているのではないかというような批判もあるわけでございますが、これについて御答弁をお願いいたしたいと思います。
  69. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 お答え申し上げます。  公共事業関係費全体の中で調整費の問題でございますが、この調整費を含めまして、公共事業関係費全体でもって概算要求基準というものを設定しております。  あえて申し上げますと、その具体的な要求というのは国土庁からなされておるということでございまして、今先生おっしゃいましたような概算要求をいわば逸脱するためのものというものではございません。
  70. 谷口隆義

    ○谷口委員 要するに、当初予算が確定していないからこの国土庁事業調整費で対応するんだということでございますが、これはまた補正の対応、補正予算の対応という手も考えられるのじゃないかと思うのですが、この辺についてはどのようにお考えでございますか。
  71. 藤井秀人

    ○藤井(秀)政府委員 お答え申し上げます。  一つの論理的な考え方として、補正予算で別途手当てをするということは一つの選択肢としてあり得ようと思います。ただ、この調整費の性格上、でき得る限りそのあたりの事業について連携が図られるとすれば、機動的、弾力的に執行が望まれるわけでございます。そういうことからいいまして、調整費というものの方がむしろ円滑なる執行をより図り得るのではないだろうかということで、調整費のいわば大きな一つのメリットというものを十分に考えていく必要があろうというように思っております。
  72. 谷口隆義

    ○谷口委員 それはメリットはあるのでしょう。だけれども、さっきも申し上げたように、そういう意味において申し上げますと、もっと大きな問題もあるんだろうと思うので、この三百億、百六十億ですか、八年度百五十億余りでございますが、この程度でどの程度おっしゃるような目的が達せられるのかというようなこともあるんだろうと思います。予備費の対応というのは厳格にされなければいけないわけでございまして、そういう意味において、この弾力条項の取り扱いも極めて慎重にする必要があるというように申し上げたいと思います。  あと、ちょっと具体的なことを申し上げたいのですが、今回の、これは平成年度でございますが、水俣病問題の最終的全面的解決のための一時金支払いで、予備費が充当されております。これが六十四億九百万円でございます。またその前年に、やはりこの一時金支払いとして、チッソ支援でございますが、二百二十三億二千百万円、これは一時金支払いの予備費対応でございます。そのことについて若干お伺いいたしたいわけでございます。  これは、平成七年の十二月十五日付の閣議決定において、長年、救済対象者の問題等々ございまして大きな問題であったわけでありますが、全面的解決をいたして、その結果、チッソが支払うべき一時金について支援をしようということで、今回予備費対応されたわけでございます。  今申し上げましたように、一時金として、平成八年一月九日に二百二十三億二千百万円、平成八年十月四日に六十四億九百万円が予備費で行われております。平成八年の七月に最終の受け付けが終了したようでございます。  それで、お伺いいたしたいわけでございますが、状況をお聞きいたしますと、この患者分一時金として、先ほど申し上げましたように、平成八年一月に一人二百六十万円、八千二百人、国の負担分は八五%といたしまして百八十一億二千二百万円。また八年の十月に一時金追加といたしまして二千九百人分、これは八五%国の負担でございますので、二百六十万円を掛けまして六十四億九百万円。一時金の合計が二百四十五億三千百万円というようになっておるようでございます。  これに対して、最終の判定の結果、救済の対象者の方が一万三百五十三人になったようでございます。それに対しまして、予備費で充当いたしておりますのが一万一千百人になっておるわけでございます。  また、これはちょっと非常にややこしいのですが、最終的に支払われたのがこの判定終了時の一万三百五十三人ではなくて、一万三百十人というようになっておりまして、予備費で充当した金額と現実に支出されておる金額の間に乖離がございまして、最終判定のこの一万三百五十三人の方からいたしますと、十六億余り余分に熊本県の水俣の関係の財団に支出されておる。また、最終の支払い後の一万三百十人を基準にいたしますと、十七億余り多く熊本県のこの財団の方に国から支出されておるということでございまして、これは、お聞きしますと、最終的に認定を受けられた方が、この人数が決まっておるということでございますので、この差額について、国の対応と申しますか、国の方はどのようにお考えでございますでしょうか、ちょっとお聞きいたしたいというふうに思います。
  73. 岡田康彦

    ○岡田政府委員 お答え申し上げます。  数字につきましては、今先生がお述べになったとおりでございますので詳しく申し上げませんが、現在、熊本県がつくりました水俣病問題解決支援財団の方に予備費を、いただいた分を県経由で出資しているわけでございますが、最終的にはまだ、実は員数の方は今先生がおっしゃったとおりなんですが、チッソの方が、亡くなられた方の遺族に対する支払い等でまだ金額が最終的に確定していないという問題がございます。そのために、最終的な額が確定していない。すなわち、逆に言うと最終的に余る額も確定していない、こういう状況にあるものですから、最終的な額が確定した段階で、必要な手続をとって、まず財団から県に返してもらい、また県から歳出手続をとってもらって国の方にそのうち八五%を返していただく、こういう手順をとるべきものとして、一括した処理をこれまで考えておりました。  しかしながら、先生の方から、とにかく、最終的ぎりぎりの清算分はまだわからぬとしても、最大限のところの押さえはつくではないか、こういう御指摘もいただきまして、対象者の最大数が確定しているということを踏まえまして、県の方とも相談をいたしまして、いわば二段階、例えば、まずきっちりもう最低ここまでは明らかに戻してもらってもいいというもの、それから、請求者が要らないと言ったり、いろいろなことで最終的に決着をした段階でもう一遍清算してもらう、そういういわば二段階で返還することも含めまして、熊本県と相談してまいりました。その結果といたしまして、県の方からは、この補助金の返還についてはできるだけ速やかにその手続を進めたいという回答をいただきましたものですから、その方向で必要な調整を進めてまいりたいと思っております。
  74. 谷口隆義

    ○谷口委員 国から支出をいたしました予備費で充当したこの金額は、今現在どこにあるわけでございますか。
  75. 岡田康彦

    ○岡田政府委員 お答え申し上げます。  もともと県がつくりましたところの、先ほど申し上げました水俣病問題解決支援財団に県が出資をする、それに対して国がそのうちの八五%を補助するという仕組みにしておりますので、県経由で財団の方に行きました。それから、チッソの方が実際に支払いを行いますと、財団の方からチッソの方に貸し付けが行われる、こういうふうになっておりますので、歩どまり分は現在財団にありまして、財団に残っているうちのいわば八五%分が国の分だということになると思います。
  76. 谷口隆義

    ○谷口委員 わかりました。  一応、この予備費の対応というのはやはり極めて慎重に取り扱われなければいけないわけでございますが、今回の問題も、既に解決し、救済対象者の方が決まっておるわけでございますので、一応清算できるわけであるというように解釈いたしておるところでございます。そういうことで、今後、どの程度の金員が返ってくるのかどうかということも含めて、また御報告の方をお願い申し上げたいというように思います。  一応、私の持ち時間が終わりましたので、これで質問を終わらせていただきます。
  77. 原田昇左右

    原田委員長 次に、中林よし子君。
  78. 中林よし子

    ○中林委員 まず初めに、平成年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)、それには、広島県大竹市の東栄地区の港湾整備事業に対する国土総合開発事業調整費使用に係る経費増額が含まれております。この事業概要と、それから調整費使用の内容について、簡単に説明してください。     〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕
  79. 川嶋康宏

    ○川嶋政府委員 御質問の広島県の大竹港でございますが、大竹港は、化学工業あるいは紙パルプ工業を主体といたしました臨海型の工業拠点といたしまして発展してきた港でございます。企業活動の高度化あるいは活性化に対応するために、港湾物流機能の強化を図るために、平成年度から東栄地区におきまして港湾の整備を行っているところでございます。  事業主体でございます広島県では、大竹市が実施しております宅地造成事業から発生する土砂を活用して埋立工事を行うこととして、事業の進捗度を調整し、平成十二年度から土砂の受け入れを行うために、平成年度国土総合開発事業調整費により予算増額を行いまして、岸壁の工事等を実施しているところでございます。
  80. 中林よし子

    ○中林委員 整備された港湾を利用するのは主にどこだと考えておられますか。
  81. 川嶋康宏

    ○川嶋政府委員 当該港湾の施設の利用につきましては、当地区に立地しております化学工業等の企業四社が中心でございますけれども、このほか、背後地とか周辺の企業等の利用も見込まれておりまして、地域産業の活性化や物流コストの削減を通じまして地域経済の発展や生活の向上に広く寄与するものと考えております。
  82. 中林よし子

    ○中林委員 運輸省に説明を求めたところ、そちらから事前にいただいたペーパーでも、「大竹港の整備について」ということで「立地予定企業 主要企業四社」となっているわけですね。その四社というのは、ダイセル、日本板紙、大竹紙業、三菱レイヨン、この四社であることは明白です。  二期計画も含めた事業計画内容と港湾整備を必要とする需要等の根拠について、運輸省に私は資料要求をいたしました。しかし、出てきた資料というのはこれ一枚でございまして、一期計画の整備についてという非常に簡単なものしか出てまいりませんでした。私は、資料要求に対しての回答としては極めて不誠実だというふうに思います。内容も本当に簡単なものでして、需要見込みなどということを私は要求いたしましたけれども、そういうことも全くありませんでした。当該経費承諾を求める政府の対応としては極めて私は不適切だというふうに思います。不満でありますその点を、答弁は求めませんけれども、指摘をしておきたいというふうに思います。  私は、県の方から資料を入手させていただきました。私が入手している「大竹港東栄地区港湾整備事業について」と題された県の資料によりますと、事業概要として「県西部の拠点工業を形成する大竹港において、東栄地区地先を埋立て、工業用地、大型岸壁、公共ふ頭を整備し、港湾貨物取扱量の増加・船舶の大型化に対応する」、整備目的として「貨物輸入量の増加による船舶の大型化に対応した大型岸壁及びふ頭用地の整備」等を挙げております。  また、施設整備計画として、一期計画では、水深五・五メートル、二千トンクラスの一般貨物用一バースと同水深の危険物貨物用五バース、それから二期計画では、さらに大きい水深十一メートルの一万五千トンクラス用二バースと水深七・五メートルの五千トンクラス用一バースを整備する計画となっております。土木建築部空港港湾局施工の補助事業の概算事業費、これは、改修事業の一期計画には八十二億四千五百万円、それから二期計画に九十五億三千六百万円で、一期、二期計で百七十七億八千百万円、ほかに港湾環境整備事業、これは二期なんですけれども、四十億円となっております。事業実施期間については、一期計画が平成五年から平成十二年度を目標とし、二期計画が平成十一年度から平成十七年度を目標としているわけです。  運輸省も、埋め立てで港湾整備、それと工場の拡張用地もつくる、しかもそれは宅地の残土というか山を切り取っていった土砂でやる、こういうふうに説明があったわけですけれども、今ある大企業が、工場を拡張するための用地です。  地元でも、埋立地の工場、物流関連用地への企業進出予定、これはこの計画でも、大竹紙業、日本紙業、三菱レイヨン、ダイセル、日東化学の大企業です。二期工事で整備する一万五千トンバースを利用するのは二社だと言っているんですね。大竹紙業と日本紙業の二つの製紙会社にすぎない。だから、専ら少数の大企業に奉仕するためのこの予算使用はやめるべきだというふうに私は思いますね。本来、自分たちでやるべきだというふうに思うわけですが、少なくとも、今の一期が来年度で一応終わるということになっているわけですから、もう二期はやめるべきだというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
  83. 川嶋康宏

    ○川嶋政府委員 第二期地区の事業につきましては、第一期地区の事業完了後、その利用状況とかあるいは将来の動向等を十分に勘案しながらやっていくべきだというふうに思っておりまして、そういう意味で、適切に対処していきたいというふうに考えております。
  84. 中林よし子

    ○中林委員 この瀬戸内地域はいろいろなところで大型な岸壁もできております。この第二期工事でやる事業では、製紙会社のこの二つの企業が専ら使うということはもう地元で言っているわけですよ。たかがこの二つの企業のためにそんなことをやる必要はないんじゃないか。私は、これこそ本当にむだ遣いになっていく。厳しい厳しい予算だと言っているわけなのに、まあ大蔵大臣の地元でございますのでよく御存じだと思いますけれども、こういうわずかな私企業のために大切な予算は使うべきでないというふうに思います。  この間、日本共産党が、全国的に学校の施設がどんなになっているかということを調査いたしました。これは、大蔵大臣もよく聞いていらっしゃるというふうに思うんです。私の地元の島根県、ここの学校の状況を私自身もちょっと調べてみました。その中で、極めて大変な問題があるという学校、非常に具体的で申しわけないんですけれども、ぜひ善処していただきたいので紹介したいというふうに思います。  これは県立の松江南高等学校宍道分校という学校です。この学校は、木造で、明治三十八年十二月の建築で、築後九十二年たっております。しかもこれは、高等学校なんですが、昭和三十六年九月に旧宍道町立宍道小学校の校舎を借り受けて使用しております。小学校の校舎を高校として使っているということなんですね。  いっぱい改善してほしい要求は出ているんですが、特に防災の問題から、この学校では非常に具体的な要望が出ております。  それは、民家と極めて密着している非常に集合的な町の中にあるということで、北側の境界は民家に一メートル道路を経て隣接している、南側の境界は一・九メートルの通路を置いて民家に隣接している、東側の境界は校舎のすぐ裏側に一・一メートル高いところを町道が通っている、したがって、冬季の北西の季節風の強いときにその方から出火、延焼すれば本校はたちまち危地に追い込まれ、類焼を免れがたい位置にあると。しかし、ここの校庭は、小学校の校舎でしたので、二十メートル掛け三十メートルと狭くて避難場所には不適切だということで、はるか離れた今ある小学校の運動場に避難することになっている。本校から道や鉄路を横切らないで避難できる場所はない。つまり、鉄道を渡って避難しなければならないということになっているわけです。避難路が風上に当たるため、生徒、職員全員の避難は不可能となる可能性が強い、ここまで言っております。  防火対策のための改善はほとんど施されてはいない、火災報知器装置だけがあると言っております。当然設置されるべき以下のものすべてがありません。防火壁、防火扉、金網入り耐火ガラス窓、消火栓、避難階段、避難ばしご、避難ロープなどの二階からの退避路、それから避難誘導灯。そういうような実態にあるということですね。  隣家との距離というのは、屋根の端で〇・五メートル、つまり五十センチしか離れていない、建物の壁の面では一・二メートルしか離れていない、火災時の防災対策はゼロに等しいと。しかも、二階に教室があって、ここで授業をやれば本当に逃げられない。廊下の幅が狭くて、階段は狭い上に勾配が急なので、平常時やっと二人並んで通行できる状態だから、緊急時には素早く通行することは困難である。ここでは、去年、生徒一名が南の階段で転落して骨折した、四年前も生徒一名が転落して打撲傷を負ったというような事態にあり、さらに、地震にはもうひとたまりもないであろうと。これが学校の要望書の中に綿々と書かれてあります。  これは県に出されているものですけれども、文部省、こういう学校を放置していていいんでしょうか。
  85. 御手洗康

    ○御手洗政府委員 個々の学校の状況につきまして、御指摘の学校を含めまして、私ども、具体の状況を承知しているわけではございませんが、今委員指摘のように、県立学校でございますので、そういった具体的な要望が県の教育委員会の方に出されているということからもおわかりのとおり、それぞれの学校設置者におきまして、防火上の問題あるいは建築基準法上の問題等を含めまして適切に対処していただく、そういう仕組みになってございますので、私ども、状況につきましてはお伺いをしてみようかと思っております。
  86. 中林よし子

    ○中林委員 自治体の問題だということで片づけないでいただきたい。私があえてここで取り上げたのは、もう一刻も放置できないだろうということで取り上げました。しかも、ここの学校からは本年で三回要望を出すけれども解決にはほど遠い状況にある、何ら返事がないと言うんですよ。だから、初めてこの問題を出したわけじゃない、それは生徒の命を預かる学校ですから、これまで再三こういう要望を出しているんだけれども、一向にらちが明かないという訴えなんです。  文部省が出しておられる「安全指導の手引」がありますね、小学校にも中学校にも。これを見ますと、はっきり文部省は書いているじゃないですか。「人命はすべてに優先して尊重されなければならないものであり、学校における安全に関する指導は、自他の生命の尊重を基本理念として進められるものである。」ということで、何よりも人命の尊重をうたってあるわけでしょう。ここの学校では守られないということを言っているわけですよ。  だから、今のような、基本はその地方自治体だからというようなことで逃げないで、今読んだところは聞いていても大変でしょう、こんなことで命は守れない。しかも、小学校の校舎を高校が借り受けている、しかも築後九十二年たっているというとんでもない木造なんですよ。そこに防火装置はもう何一つない、警報器しかないというようなことで、ずっと放置されていいんでしょうか。どうされますか。
  87. 御手洗康

    ○御手洗政府委員 繰り返しになろうかと思いますけれども、公立学校につきましては、それぞれそれを設置する市町村あるいは都道府県が、責任を持って学校を設置し日常の管理運営をしていく、児童の安全も含めまして、校長と十分連絡をとりながらそういった責任を持つということが学校教育法の基本でございますので、御指摘の点につきましては、御指摘でございますので私どもとしても県教育委員会から実情はお伺いしてみたいと思いますけれども、基本は各設置者において責任を持ってやっていただくということで対処していただくということでございますので、御理解をいただきたいと思います。     〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
  88. 中林よし子

    ○中林委員 「安全指導の手引」できっちり出しているように、人命を何よりも尊重するという文部省の立場からやはり厳しい指導をしていただきたいということを申し上げて、次に移りたいと思います。  さらに、島根県の、これは松江市立の小学校の屋体の問題なんですけれども、母衣小学校という学校です。これは昭和四十四年に建てられておりますけれども、軟弱地盤のところに建っていて、体育館に私行ってみましたですけれども、波打っている体育館なんです。もうびっくりしました。床下を見れば、幾つジャッキが入っているかわからないけれども、うまく考えたものだと思いました。ボールを転がしてとまるところのジャッキを回して、上げて平らにするというようなことを繰り返しているわけですよ。こういう学校で、私も、市役所に行きました、教育委員会にも要望しましたけれども、要するになかなかできないんだと、胸のうちを吐露されました。  そこで、地方自治体が基本的にはやると言うんだけれども、その地方自治体がこういう学校の改修をやったり危険なところを直したりしたりということを鈍らせている責任、これが国にもあるんじゃないかというふうに思います。それは、改修事業の建築単価の国の基準がまだ低い。これまで随分改善されたとは聞いておりますけれども、まだ低いということで、市の持ち出しがあるということです。  平成九年に、松江市立第一中学校の屋体、これは鉄筋コンクリートづくりの改修単価なんですけれども、国の基準は平米当たり十九万三千五百円、補正後単価で、これは補正されて二十一万六千二百円。しかし、実際にかかった実施単価、これは二十三万千九百二十三円で、補正後単価でも平米当たり一万五千七百二十三円の差が出てきております。この差が自治体の熱意を鈍らせてしまうということになるわけで、建設の補助単価の引き上げ、これをしなければならないと思いますけれども、考えていただけますでしょうか。
  89. 御手洗康

    ○御手洗政府委員 御指摘のございました公立学校施設の補助単価につきましては、予算上は、標準的な設計に基づく単価というものを積算いたしまして、これを予算上の単価としているところでございます。  この点につきましては、私どももそのような指摘を受けまして、平成年度に全国的な実態調査をいたしまして、そのデータに基づきまして、平成年度と六年度、二カ年にわたりまして、計画的に、小中学校の校舎で申し上げますと二カ年間で三二%、屋内体育館で申し上げますと二カ年間で三五%という大幅な引き上げを行いまして、いわゆる超過負担の解消というものにつきましては、最大限の努力を図って解消したところでございます。  なお、御指摘ございましたように、実際の実施の単価とそれから予算の単価に乖離があるという点につきましては、実際の補助に当たりまして、地域の状況あるいは個々の学校の置かれた具体的な状況等を勘案いたしまして、予算単価に地域的な状況等を含めましてできるだけ実績に近いような執行単価を設定するという形で、できるだけ地方の負担のないようにきめ細かく対応させていただいているところでございます。
  90. 中林よし子

    ○中林委員 平米当たりの差で見ると大分縮まってきたようには見えるけれども、しかし、この屋体の面積は千五百二十平米なんですね。そこで、計算すると、市の持ち出しが二千八百八十九万八千九百六十円、約三千万円ですね。やはり持ち出しになっているわけですよ。だから、ぜひ、実際にかかった費用にさらに近づくよう努力をしていただきたいというふうに思います。  それから、もう一つですけれども、実は危険校舎かどうかというようなことで、耐力度調査をやっております。今、母衣小学校の波打つ体育館の話をしましたけれども、これも早く改修しなきゃいけないというふうに市も思っているし、学校当局は非常に強いし、PTAも要望しております。今年度、実は耐力度調査をやろうかと思ったんだけれども、その危険度にはどうもなりそうにない、耐力度調査には一千万かかるというふうに市の当局は言っておりました。そこで、もしそれをやって危険度に達しなかった場合、そのお金は補助の対象にはならなくて、市単独の持ち出しになるということです。だから、年次的に各学校はやりたいんだけれども、これはほぼ危険校舎という改修の補助の対象になると見込まれるときになってやっとその調査を実施して、それも補助対象にしてもらうようにしなければ市の財政としては大変なんだ、こういうふうに言っておりました。  そこで、耐力度調査そのものにも単独で何らかの、たとえそれがやってみたけれどももう少し足らなかったとかいう場合でも、単独補助ということにならないものかどうか、それについてお答えいただきたいと思います。
  91. 御手洗康

    ○御手洗政府委員 耐力度調査につきましては、御指摘のとおり、通常の場合でありますと、前年度にやっていただきまして、それを含めまして、翌年度以降それを補助対象にするということにしてあるわけでございますが、これは予算の執行上、これをかなり前もってやるというのはなかなか難しゅうございます。  ただし、地震防災五カ年計画に基づきます事業につきましては、その五カ年間につきまして計画的に事前にやっていただきまして、その範囲内の着手していただくものにつきましては、いずれも補助対象年度の前年度あるいは前々年度等におきましてもこれを補助対象とするというようなことも工夫しながらやっているところでございます。
  92. 中林よし子

    ○中林委員 これで質問が終わるわけですけれども、大蔵大臣に最後にお聞きしたいのです。  港湾整備のように、二社しか使わないようなところに多額の税金投入という計画になっているわけですね。ところが、本当に必要な、公的な学校のああいう事態のところになかなか予算が回っていかない。こういう今の予算上の問題があるというふうに思うのですけれども、予算使い方の問題として、宮澤大蔵大臣の考え方はいかがでしょうか。
  93. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 大変具体的なお尋ねに対して、政府委員から具体的にお答えをしておられました。私はその実情を存じませんので、政府委員が申しますように、いろいろそういう問題は解決する仕組みなり道がございますから、それを飛んで、突然私にどうだとおっしゃいましても、何ともお答えをするすべがございませんので、御了承をお願いいたします。
  94. 原田昇左右

  95. 保坂展人

    保坂委員 社会民主党の保坂展人です。  本日は、委員会に提出された決算の書類をめくりながら、私の時間は大変限られているものですから、とりわけ法務、検察に集中をして、そしてもう一つは、防衛庁の問題についてお聞きをしたいと思います。  先週末より、東京高検検事長をめぐる報道、そしてその展開には、正直言って、私、そして国民全般も大変驚いていると思います。検察というのは、日本最高、最強の捜査機関であり、そして、昨年の大蔵省あるいは一連の各省庁に及んだいわゆる接待の問題や不祥事の摘発など、最高の捜査機関であるがゆえに最高の信頼を置かなければならない、そういう機関だと思います。  具体的にお尋ねしますので、簡単に、簡便に答弁をお願いしたいと思います。  この問題で、新聞各紙が伝えておりますけれども、最高検が異例の調査に入った、そして、この調査はそろそろ終わって法務大臣に報告がなされる予定であるというふうに伝えられておりますが、現在の段階、法務大臣への報告はもう済んだのか、調査の途上なのか、お答えいただきたいと思います。
  96. 松尾邦弘

    ○松尾政府委員 現在の段階でございますが、最高検察庁において所要の調査を行いまして、その結果を本日内閣に報告したところでございます。
  97. 保坂展人

    保坂委員 それでは、具体的に伺います。  最高検の調査は極めて早いですね。例えば防衛庁の事件でも、かなり内部調査に時間がかかった。あるいは、大蔵省の場合もそうでした。この問題は簡単だからということなのかもしれませんけれども。  具体的に伺いますが、本日の朝日新聞には、朝日新聞側がこの女性に取材をして、出張に同行したことがある、それから、振り出した三十万円の小切手を慰謝料として受け取ったことがある、あるいは、勤めていたクラブに特定の業者と来店することが多く、そして請求書を業者の会社あてに送付されていたこともあったなどの証言があります。こういうことに対しても、逐一具体的に調べられて報告されているのでしょうか。調査は内容に触れていると思いますので、お答えください。
  98. 松尾邦弘

    ○松尾政府委員 現在、内閣に調査結果を報告したところでございます。  最高検察庁及び法務省といたしましては、本件にかかわる所要の調査は遂げたものと考えております。
  99. 保坂展人

    保坂委員 お答えになっていないと思うのです。  では、別の角度からお聞きしますが、大蔵省にタニマチという存在がかつてあったでしょうか。そして、検察官に対してはタニマチという存在はありますか。刑事局長でいいです。
  100. 松尾邦弘

    ○松尾政府委員 タニマチとおっしゃる趣旨が必ずしも明確ではございません。なかなかお答えしにくい御質問かと思います。
  101. 保坂展人

    保坂委員 それでは具体的に、検察の首脳が、例えば飲み食い、これを特定の業者にツケ回しするようなことがあったとしたら、これは大変問題だと思いますが、いかがですか。
  102. 松尾邦弘

    ○松尾政府委員 お尋ねの業者というのが必ずしもどういう関係かわかりませんが、職務上利害関係のある業者というお尋ねでありますれば、今お尋ねの則定氏において、そうした業者等から何らかの私的供与の肩がわりを受けたという事実はないものと承知しております。
  103. 保坂展人

    保坂委員 また、本日の毎日新聞には、最高検総務部は、関係者から話を聞いて、公務出張に同伴というふうに言われているけれども、これは日曜日のことなので公務ではない、つまりプライベート、私人だという言い分。これは事実ですか。
  104. 松尾邦弘

    ○松尾政府委員 則定氏が公務出張に女性を同伴した事実はございません。
  105. 保坂展人

    保坂委員 いや、そうではなくて、私が聞いているのは、日曜日は公務ではない、したがって、私人であるから何も言われるいわれはない。  つまり、翌日は公務なわけですよね。宿泊代は公務として払われたのかどうなのか、私人として自前で持ったのか。いかがですか。
  106. 松尾邦弘

    ○松尾政府委員 旅行命令上は、旅行日として指定されている日の初日に目的地に到着しまして公務を行うことを求めているということになります。  なお、本件の場合は、前日が休日でございますが、前日の旅行というのは休日における本人のプライバシーに属する事項であろうと考えております。
  107. 保坂展人

    保坂委員 それでは、プライバシーというふうにおっしゃいましたけれども、宿泊施設に自分の名前ではない、一言で言えば偽名で泊まるということについては、犯罪目的などがないので特に懲戒の対象に当たらない、こういう見解を早くも出されたというふうに報じられています。そうだろうという推測記事ですが、偽名で泊まった事実はあるのですか。
  108. 松尾邦弘

    ○松尾政府委員 則定氏が、女性とホテルを利用した際といいましょうか、仮名を使用した事実はございます。
  109. 保坂展人

    保坂委員 通信傍受と盗聴みたいな違いかもしれませんけれども。  どうでしょう。最高の権限を持った、大蔵省の職員で追い詰められて亡くなった方もいるのですよ。そしてまた、退職に追い込まれていった方もいる。少なくとも特捜部が摘発した省庁は、みんなかなり期間をかけて内部調査をやっているじゃないですか。  最高検は捜査機関でしょう。この程度の期間で調査は終了したというふうにもし考えているとしたら、それは身内に対する甘えではないですか。
  110. 松尾邦弘

    ○松尾政府委員 最高検察庁としましては、今回の雑誌の報道を契機に、その内容を精査しまして、短期間ではございましたけれども、所要の捜査を遂げたものと私どもは考えております。
  111. 保坂展人

    保坂委員 じゃ、あと一点だけ伺います。  そのタニマチで、東京高検検事長を取り囲む若富士会という、大阪の肥料業者の方が取り持ったそういった会の存在も把握しておられますか。
  112. 松尾邦弘

    ○松尾政府委員 調査の結果、その若富士会という会が存在するということについては認めることができませんでした。
  113. 保坂展人

    保坂委員 それじゃ、公安調査庁に。  実は、当雑誌にもう一点見逃せない記事が出ているのです。この「噂の真相」という雑誌です。  公安調査庁の当時の豊嶋長官が昨年の八月十三日から二十四日までアメリカに出張して、その間、二十日から二十三日までハワイに滞在して、お土産だとかそういう出費しかないので、これはどう見ても観光ではないかと指摘されているのですが、ハワイで何をされていたのですか。
  114. 木藤繁夫

    ○木藤政府委員 豊嶋前長官は、平成十年八月、アメリカ合衆国などに出張いたしたわけでありますが、御指摘のハワイには、同月十九日から二十二日まで、移動日を含めて四日間滞在しております。  滞在目的は関係機関との連絡協議でありまして、実際に、公務として複数の関係機関との連絡協議を複数回行っておりまして、一部雑誌が報じる、観光などの目的ではございません。
  115. 保坂展人

    保坂委員 では、委員長にお願いしますが、この雑誌が、伏せる形で出張費の数字を出しているわけなんですが、きちっとした目的の出張だったというふうに言われているので、それではこの際、この書類も含めて、どういう行動をされ、どういう研修、勉強をされたのか、当委員会に出していただくことをお諮りいただきたいと思います。
  116. 原田昇左右

    原田委員長 理事会で協議します。
  117. 保坂展人

    保坂委員 続けて、防衛庁の装備局長にお願いします。  私は、当委員会において、十月十五日でございますけれども、私の方で何度も提出要求したのですけれども、ついに出てこなかった、委員にも配られていますが、「東通事案における主要項目の基本認識について」という書類について、十六項目の質問をいたしました。  これは、資料要求というよりは、質問に対して回答をお願いする、そして、それからもう半年が過ぎてしまいました。私のもとに、あるいは理事会に対しても報告の兆しがないのですが、この宿題というか問いかけについて、どういうふうに受けとめ、どういうお答えを用意されていますか。準備をしていたのか、準備をしていないのかも含めてお答えください。
  118. 及川耕造

    ○及川政府委員 先生御指摘の資料につきましては、本委員会でも再三御説明申し上げたかと存じますが、性格が個人の私的メモでございますので、それに対する防衛庁のコメントというのは差し控えさせていただきたいというふうに申し上げました。  ただ、保坂先生の御質問として、私どもに別途資料要求の形で同様の御趣旨の点をいただきました。その際、私どもの担当課長の方から、先生のもとにお伺いをいたしまして、そして考え方を御説明し、それを記したメモをお渡ししているかと存じます。私どもの考え方は大体そこに尽きているかと存ずるところでございます。  以上です。
  119. 保坂展人

    保坂委員 それでは、そのメモでは全く納得できないということで突き返したわけですけれども、そのメモで説明が終わったというふうに考えられていたということがわかりましたので、再度理事会に対してその防衛庁の作成したメモを提出いたしますので、再度御協議いただきたいと思います。
  120. 原田昇左右

    原田委員長 理事会で協議いたします。
  121. 保坂展人

    保坂委員 今回、法務省、検察の高い信頼、これはまたその捜査の高度な権限と責任に照らして、この短い期間で最高検の調査が終わっていくとすれば、じゃ、これまでの検察の摘発してきた事案は一体何だったのか、今後はどうなのかと、強く厳しく問わなければならないと思います。こういうことで最高検がお茶を濁すようでは、国民に対して、捜査機関に対し、そして検察、とりわけ巨悪と言われる政治構造、経済構造まで含めてメスを入れてきたそういう捜査機関の信頼が失墜しかねないということで、きちっとした調査を要求して、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
  122. 原田昇左右

    原田委員長 これにて各件についての質疑は終局いたしました。     —————————————
  123. 原田昇左右

    原田委員長 これより平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書承諾を求めるの件)外七件及び平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書承諾を求めるの件)について、一括して討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木洋平君。
  124. 佐々木洋平

    ○佐々木(洋)委員 私は、自由民主党及び自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書外七件並びに平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書承諾を求める件について、承諾を与えることに賛成の意を表明するものであります。  まず、予備費について申し上げます。  平成年度一般会計予備費は、衆議院議員選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費を初め、老人医療費の増加に伴う老人医療給付費負担金の不足を補うために必要な経費、医療扶助等の給付費の増加に伴う生活保護費負担金の不足を補うために必要な経費、エイズ訴訟における和解の履行に必要な経費ナホトカ号流出油災害対策に必要な経費等使用されたものであります。  平成年度一般会計予備費は、雇用保険求職者給付及び雇用継続給付の増加に伴う国庫負担金不足を補うために必要な経費衆議院議員及び参議院議員補欠選挙に必要な経費、被収容者の増加に伴う矯正収容費の不足を補うために必要な経費等使用されたものであります。  また、平成年度特別会計予備費は、国内米管理勘定及び国内麦管理勘定において返還金等調整勘定への繰り入れに必要な経費、雇用勘定において失業等給付金不足を補うために必要な経費等使用されたものであります。  これらの予備費はいずれも当然必要な経費で、憲法及び財政法規定に基づく予見しがたい予算不足に充てるため内閣の責任において支出された妥当なものであり、承諾を与えることに賛成いたします。  次に、特別会計予算総則に基づく経費増額については、その増額はいずれも妥当なものであり、承諾を与えることに賛成いたします。  次に、平成年度決算調整資金については、予見しがたい租税収入減少等により平成年度一般会計歳入歳出決算において決算上の不足を生じたため、同資金から一般会計歳入不足する額が組み入れられたものであり、当時の経済状況を考えますとやむを得ない措置であり、承諾を与えることに賛成いたします。  しかしながら、戦後四度目の歳入欠陥を生じたことは極めて遺憾なことであります。  政府は、今後とも、安定的な財政運営を期すため、歳入歳出両面にわたって抜本的な改革に取り組む方針を堅持しつつ、当面は経済対策に全力を傾けることを要望し、私の賛成の討論を終わります。
  125. 原田昇左右

    原田委員長 次に、辻第一君。
  126. 辻第一

    ○辻(第)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題になりました予備費承諾案件のうち、平成年度一般会計予備費使用調書平成年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額調書平成年度一般会計予備費使用調書(その1)、平成年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書(その1)及び平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書の五件については不承諾の意を、また、残余の四件については承諾の意を表明します。  平成年度一般会計予備費使用調書及び平成年度一般会計予備費使用調書(その1)には、イスラエルとシリア両軍の兵力引き離しと停戦監視、巡回という明白な軍事行動を主任務とするゴラン高原兵力引き離し監視軍の司令部要員及び連絡調整要員の派遣に要する経費が含まれており、これは憲法の平和原則はもちろん、PKO協力法にさえ明白に違反する経費使用として断じて承諾できません。  また、平成年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額調書及び平成年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書(その1)には、地元住民多数が事業計画無効確認訴訟を起こした長野駅周辺第二地区土地区画整理事業費補助のほか、専ら大企業に奉仕する事業であるとして関係住民等から批判が出ている公共事業が多数含まれており、大企業優先の逆立ち政治を正す立場から、承諾に反対するものであります。  しかしながら、これらの調書には、以上の内容のほか、国民生活に密接に関連する経費使用も含まれており、それらの経費使用についてまで反対するものでないことを念のため申し添えておきます。  さらに、平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書につきましては、決算調整資金制度自体が、会計年度独立の原則を侵害し、放漫財政を進めて政府の財政運営の節度を失わせるなど、財政民主主義と財政法の根幹を踏みにじるものであります。加えて、当該年度の税収不足の原因は、消費税増税など九兆円もの国民負担増を押しつけて消費不況を招いた政府経済政策の失敗にあることは明白であり、到底承諾できません。  残余の四件の内容は、災害復旧や雇用保険選挙費用など、国民の生活と権利に密接に関連する当然の予備費使用、及びNTT株式売却益による無利子融資の繰り上げ償還金の処理に関する経費増額であり、承諾に賛成するものであります。  以上、各案件に対する態度とその理由を申し述べ、討論を終わります。
  127. 原田昇左右

    原田委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  128. 原田昇左右

    原田委員長 これより採決に入ります。  まず、平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書平成年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)及び平成年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)、以上各件について採決いたします。  各件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  129. 原田昇左右

    原田委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。  次に、平成年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、平成年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)、平成年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)及び平成年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その2)、以上各件について採決いたします。  各件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  130. 原田昇左右

    原田委員長 起立総員。よって、各件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。  次に、平成年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書について採決いたします。  本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  131. 原田昇左右

    原田委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 原田昇左右

    原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  133. 原田昇左右

    原田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件、特に、事務・事業の評価・監視システム導入に関する問題について調査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 原田昇左右

    原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十七分散会