○
岩永委員 総理初め各大臣におかれましては、二日間にわたり大変御熱心に質疑に応対され、本当に御苦労さまでございます。これだけ熱心な御議論でございますので、これを聞いている
国民は、これだったら景気浮揚をしていかなきゃならぬということで、私自身、
国民の皆さん方の期待に沿える質疑であったと思っております。
そこで、最後の
質問でございますが、
自由民主党を代表して
質問をさせていただきます。
最初に、先日実施されました沖縄県知事
選挙でございます。我が党
自由民主党が推薦した稲嶺恵一氏が、見事大田氏を破って初当選をされました。
私も、実は二日間沖縄に入らせていただきました。特に北部に入らせていただきまして、本当に沖縄の経済の実情をつぶさに見せていただき、失業率も十八歳から二十一歳までは何と二一%の失業率、平均九・二%という状況を見たときに、よくぞ暴動が起こらないなというような感じがしたわけでございます。
それだけに、沖縄県の県民は悲痛な思いで今回の
選挙の投票に行っただろう、このように思うわけでございますし、北部、特に企業らしい企業を何も持つことがないというような状況の中で、この稲嶺氏の当選を契機に、
小渕総理、何とぞ沖縄の経済活性化のために国も全力投球して御対応いただきたいということを最初にお願い申し上げておくわけございます。
そうした沖縄の知事選で、一つ明らかになったことがございます。地方自治体の住民は、自分
たちのリーダーたる首長に、地域の経済振興に関して明確にリーダーシップをとることを求めているということであります。経済問題は霞が関だけが担当するということではなく、これからは地方自治制度の中で思い切った地方の自主性を発揮していくことが大変大事であると私は痛感している次第でございます。
私自身、町議会一期、県議会五期、二十四年地方政治に携わらせていただいてまいりました。これからは、住民の最も身近にある地方自治が主役であろう、このように思っているわけでございますし、そういう時代がもうそこまで来ている、こういうことを感じている次第でございます。
私は、地方自治体が自分
たちの
責任で政治を行えるような環境、地方自治に関連して、実は
質問を展開したい、このように思います。
地方の時代と言われて久しいわけですが、特に現在、我が国では、今までに類を見ないほど地方分権の機運が高まりを見せてきております。特に市町村は、これから介護保険制度などの住民に密着した重要な仕事を主体的に担うのでありまして、地方行政の主役であることはだれもが認めるところであります。
しかし、現在の市町村の姿を見る限り、非常に規模の小さい自治体が多く、財政状況も厳しい中で、それらの仕事を十分に果たすことができないのではないかという声が地方の方からも上がってきております。さきに分権推進
委員会が第五次勧告をまとめたときでも、仕事の分権だけではなく、自主
財源や人材の分権も果たしてほしいという声が聞こえてくるわけでございます。
そして、地方に仕事、
財源及び人材を受け入れられる体制を本格的に整えるために、結局は市町村合併により、自治体が現在よりも大規模で強力な組織とならなければならないとだれしもが認めるところであろう、このように思います。
もちろん、一部事務組合や広域行政の制度はございます。しかし、これだけでは各市町村に存在する複雑な利害を解決し切れず、その連合体の統一的な意思決定を行うことに困難が伴うなど、限界があるのも事実でございます。
先日も、衆議院本
会議におきまして、市への昇格要件を緩和する法案が通過いたしました。国会の場において市町村合併に積極的な姿勢は示されておりますが、このような流れは大変大事なことである、このように思っております。しかし、さらに合併を進めるためには、政府の市町村合併に対する根本的な姿勢、将来像を明確にしていくことが必要であると私は考えているわけでございます。
自治省として、自治体の主体的意思、必要性に基づいて合併を行うべきという
立場をとっておられると聞きます。しかし、このような態度では、自治体は、どのような合併、どのような新市町村を目指してよいのかわからないと思うのであります。例えば、町村はやめて郡の単位ぐらいの市になればよいのか、またあるいは、三百市町村などと言われるように、今の小
選挙区制ぐらいの規模なのかすら実はわからないのであります。
地域の混乱や
議員数削減など、痛みの伴う改革ですから、地方に合併の試行錯誤をさせるというわけにはいかないと思います。しかし、自治体が新しい国家像に従った合併を的確に、かつ迅速に行い得るように、国家の持つ新しい国家像を何としても明らかにしておく必要があると考えるのでございます。そして、そのためには、市町村がどのくらいの人口、財政規模を持つことがふさわしいのかということに関して、
国民的な議論を今してもいいのではないか、このように考えております。
そして、市町村合併を進めていくためには、地方に関するさまざまな制度について検討することが必要であると考えます。
例えば、現在の
交付税制度では、合併に伴う経過措置は考慮されていますものの、非常に小規模の自治体はそのままいても何も困らないということになっております。しかし、これでは、政府が適正と考える規模がこの制度からは全く見えてこないのであります。
また、ほかにも調整が難しい問題として、地方
議員の残存任期や
議員年金の問題もございます。合併を最終決定する
立場である
議員や首長の利害をどう調整するのか。地方
議員の方々は公益を優先する
立場にあるものの、彼らの利害といいましてもささいなことかもわかりませんが、実際に、あと一期で年金をもらえるという
議員が積極的に合併に動くでしょうか。現行の制度が合併の阻害要因になっている一面もあるのではないかと思うわけではございます。
現在、急迫の課題である市町村合併を進めるために、私は、完全な地方統一
選挙を実施するとか、合併によりその地位を失うことになる首長に副首長として残存期間を保証するなど、国が積極的な対応を図るべきである、このように考えております。
また、いずれにいたしましても、市町村合併は時代の要請でありまして、今よりもはるかに市町村の規模は大きくなっていくと言えます。そうすれば必然的に都道府県のあり方についても問題になってくるだろう、このように考えるわけでございます。
現在の各省の地方ブロックごとに州政府をつくるなんということも、そろそろ本格的に議論をすべき時期に来ているのではないかと思います。市町村制を考えていけば、道州制についても真剣に議論せざるを得なくなるのでございます。あわせて、道州制の議論を今どう考えているか、これは大きな議論を沸き起こしていかなきゃならない時期ではないかということを考えております。
そこで、
小渕総理並びに西田大臣と、地方分権の大家であります
堺屋長官にお伺いをいたしたいと思います。
市町村はどのような仕事を具体的に担おうとしているのか、
小渕総理と西田大臣に具体的にお聞きしたいと思います。
そして、それらの仕事を担うために、市町村はどのくらいの人口と財政規模を持てばよいと考えておられるのか、これを今まであいまいにしてきたことが根本的な誤りであると考えますので、この際、とかくはっきりと西田大臣に御
答弁をいただきたいと思いますし、またこの大家であります
堺屋長官にもその考えをお聞きしたいと思うのであります。
さらに、
交付税制度や地方
議員の残存期間、地方
議員の年金制度など、地方分権推進を取り巻く制度的な障害に対してどのような措置を必要と考えておられるのか、このことも西田大臣、よろしくお願いしたいと思います。
そして最後に、道州制の議論につきまして、現在多くの
議員や識者がその見解を示しております。そこで、これら世論の高まりにもかかわらず、この道州制について政府はその見解を示すことを控え続けるべきなのかということについて、あわせてお伺いをしたいと思うところでございます。