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1998-10-15 第143回国会 参議院 経済・産業委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年十月十五日(木曜日)    午前十時開会     —————————————    委員異動  十月十四日     辞任         補欠選任      久野 恒一君     中曽根弘文君      簗瀬  進君     櫻井  充君      三重野栄子君     梶原 敬義君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         須藤良太郎君     理 事                 成瀬 守重君                 畑   恵君                 山下 芳生君                 梶原 敬義君     委 員                 上野 公成君                 加納 時男君                 倉田 寛之君                 小山 孝雄君                 中島 眞人君                 中曽根弘文君                 櫻井  充君                 平田 健二君                 福山 哲郎君                 本田 良一君                 前川 忠夫君                 海野 義孝君                 加藤 修一君                 西山登紀子君                 渡辺 秀央君                 水野 誠一君     国務大臣        通商産業大臣   与謝野 馨君     政府委員        資源エネルギー        庁長官      稲川 泰弘君        資源エネルギー        庁石油部長    今井 康夫君     事務局側        常任委員会専門        員        塩入 武三君     説明員        会計検査院事務        総局第五局長   小川 光吉君     参考人        石油公団総裁   鎌田 吉郎君        石油公団理事   新  欣樹君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○経済産業貿易及び公正取引等に関する調査  (石油公団問題等に関する件)     —————————————
  2. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、三重野栄子君、久野恒一君及び簗瀬進君が委員を辞任され、その補欠として梶原敬義君、中曽根弘文君及び櫻井充君が選任されました。     —————————————
  3. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事梶原敬義君を指名いたします。  なお、あと一名の理事につきましては、追ってこれを指名いたします。     —————————————
  5. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済産業貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日、石油公団総裁鎌田吉郎君及び同理事欣樹君参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  7. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 経済産業貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、石油公団問題等に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 加納時男

    加納時男君 おはようございます。自民党の加納時男でございます。  石油公団の問題について質問させていただきたいと思います。  堀内通商産業大臣石油公団には一兆三千億円の不良債権があるというような御指摘をされまして、通産省においてもいろいろ調査をされてこられ、石油公団再建検討委員会報告書が九月二十九日にまとまり、この席でも御報告をいただきました。読んでまいりました。読んだ上で御質問させていただきたいと思います。  この報告書現状分析ですとか、抱えている課題を非常に鮮明に出していると思います。また、今まで我々が知らなかったデータが非常に率直に公表されていること、私はその点は評価したいと思っております。  大臣にお伺いしたいのは、これだけの調査をなさり、また石油公団も発足以来三十年たったわけで、その光と影があると思うんです。長期、リスキー、そしてバルキーな金、こういうものがかかっているもの、ただし成功すれば国益に資するといったものに対するプロジェクトファイナンス等を行ってきた石油公団の役割、光の面は私は承知しておりますが、影の面、特に報告書ではその分析は非常に緻密をきわめておりますけれども、影というところが私は一つまだ足りないような気がいたします。  どういう反省をされたのか、反省するところはなかったのかあったのか、あったならば何かといったことを簡単に大臣からお示しいただけたらありがたいと思います。
  9. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 先生承知のとおり、石油を見つけるというのは大変難しい仕事でございまして、日本国内ではまず石油というものはありそうもございませんから、他の国々に行ってその国との難しい交渉をしながら、ここで石油を掘っていいよという鉱区を獲得するわけでございます。鉱区自体を獲得することもなかなか難しい交渉でございますし、いろいろな先方の国の政治や経済や社会の情勢等もよく考えながら物事を進めていくわけでございます。  そこで、そういう鉱区を獲得した後に石油の実際の探鉱が始まるわけですが、先生承知のように、井戸を掘ったらすぐ当たるという種類の仕事ではございません。掘っても掘っても当たらないということもありますし、最後にはあきらめざるを得ないということもありますし、幸運にも一本目の井戸で当たるということもありますし、もうこれであきらめたと、最後の一本を掘ろうといって当たることもありますし、これは本当に難しい仕事だと私はいつも思っております。  そういう中で、日本石油政策として、やはりみずから海外に行って、みずからのお金で鉱区を獲得し石油探鉱をやろうという政策、こういう石油政策自主原油開発日の丸原油というような呼び方もされたこともありますが、そういう努力方向自体はきちんとした政策であり、また日本の存在のためにも大事な政策であったし、また現在でもそういう政策は必要であると私は思っております。  この報告書というのは、これは堀内大臣が、過去やったことについてよく国民の前に明らかにせよという御趣旨だったと思いますし、また、堀内大臣は、過去行ったことが健全な企業会計原則にのっとっているのかと、あるいは国の会計を初めとしてそういういろいろな国が持っている法律、こういうものに適合しているのかという疑問を呈されたわけでございまして、通産省関係者と協力をしながら堀内大臣の御指摘に完全にこたえるように努力をしたというのがこの報告書であると、そのように思っております。  そういうことでございますから、報告書については光と影という言葉を使われましたが、そういう石油探鉱開発というのは非常に高いリスクを持っていると。成功した例もあるし不成功の例もあるし、また、成功してもそのことは為替リスクあるいは原油価格リスクというものに常にさらされているということもぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
  10. 加納時男

    加納時男君 ありがとうございました。  私の質問はちょっと意地が悪かったかもしれませんけれども、影の面と言ったのは、どういう点を反省しておられるのか、反省することはなかったのかということであります。  大臣おっしゃるとおり、非常にリスキーなものでございます。ですから、千三つとは言いませんけれども、たくさん投資して幾つかが当たれば、これでほかの失敗例回収される。アメリカベンチャーキャピタルというのを私はずっと勉強してきたんですけれどもベンチャーキャピタルがまさにそうでありまして、全部当たるわけは絶対ないわけで、大臣のおっしゃるとおり、当たるものもあれば当たらないものもある。  そこで、私の質問でございますが、たしかに進む勇気というのは私は大事だと思うんです。もっと大切なのは、事態がうまくいかない場合に退く勇気というのも大事ではないか。その辺についてこの報告書、私はちょっと物足りないなという気がするわけです。石油公団という一種の特殊法人といいますか、言葉は悪いんですが親方日の丸官僚体質ということがとかく言われている中で、これは石油公団鎌田総裁にぜひお伺いしたいことがあります。  なるべく抽象的じゃなくて具体例で、報告書から具体例を拾いますと、一つ北極石油の件でございます。  これは、一九七七年に北極海に面したボーフォート海域でカナダのドームペトロリアム社というのが呼びかけまして行ったものは、鎌田総裁よく御存じのとおりでございます。これは出融資残高、この間の報告書を調べましたら、出資融資で千三百億円ぐらい、かなりの金額が残っているわけでございます。これは七七年にできまして、二十年近くやってきたんですけれども、実は生産していないんです。今何をやっているのかということなんですが、これも報告書を丹念に読みますと、今は債権管理だけやっている。結論は、だからこれは整理するんだと。  私、結論は賛成なんです。質問は、こういった二十年間生産しないものをほっておいたというのはなぜですか。これは言葉は悪いですけれども石油公団親方日の丸体質とか官僚体質というのがあって、先輩がやったのはやめちゃ困るとか、自分の任期中は何とかというようなことがあったんだとするとこれは困ると思いますので、大変失礼な言い方ですけれども、なぜやめなかったのか。普通、我々、私もインベストメントの仕事というのは若干やったことあります。こういうものでリスキーなものであるけれども、例えば八年ぐらいで石油が出なかったらやめちゃうというのが石油常識かなと私は思うんですけれども、私の常識が違っていたら直していただきたいと思うんです。意地の悪い質問で申しわけないんですが、率直に短くお願いしたいと思います。
  11. 鎌田吉郎

    参考人鎌田吉郎君) ただいまの先生お話にございましたように、このプロジェクトが発足いたしましたのが一九八一年、昭和五十六年でございます。それから大分たっているわけでございますが、実は、当初融資買油の相手方でございましたドームペトロリアム社が倒産いたしまして、途中でアモコカナダ社事業が引き継がれたという若干不幸な事件がございました。これが昭和六十三年でございます。ただ、アモコカナダ社は、ドーム社の債務を引き継ぎますとともに探鉱作業を継続いたしまして、現在まで三十八本井戸を掘っております。その結果、十一の構造で十二億バレル程度石油、ガスを発見いたしておるわけでございます。  それからもう一つ、この融資前の条件でございますけれども開発が成功いたしまして生産が始まりますと、生産量の五%をこちらがもらえるという相当有利な条件のものでございます。こういったことでアモコカナダ社は、その後、油価がもっと上がるか埋蔵量がもっとふえないと、場所が極地でございますので経済性が成り立たないということでしばらく待ってくれと、こういう話をされてきたわけでございます。  それに対しまして、私ども追加探鉱をぜひやってくれということをお願いするとともに、経済環境好転を期待しておったということでございます。これは、私どもだけではなくて民間株主の方々の大変強い御希望でもあったわけでございます。  ところが、一昨年から昨年にかけてでございますけれどもアモコカナダ社探鉱対象になりましたボーフォート海域長期的な探鉱地域ということで位置づけられたということがわかったわけでございます。そうなりますと、会社が当分の間、追加的な探鉱活動をやる可能性は小さくなったということで、探鉱活動再開までは長期的な展望を持って臨む必要がある、こういうふうに判断したわけでございます。  そんなこともございまして、昨年の三月、カルガリーにございました現地事務所を閉鎖いたしまして、民間会社の意向を踏まえまして、将来の経済環境などの好転資金回収可能性が高まることを期待いたしまして会社合理化を徹底しまして、新たな資金負担がなしで会社が回るように、実質債権管理会社というような形で会社を存続させておったところでございます。  しかしながら、今回、通産省報告書におきまして、会社債権管理以外の実質的な業務を行っておらないということから会社形態を維持する意義が乏しいということで、石油公団債権を直接引き継ぎまして管理するということで、会社自体は解散する方針で臨めということが示されたわけでございます。  そういったことで、私どもとしては、この際、整理するということで関係者と調整を始めているところでございます。
  12. 加納時男

    加納時男君 同じようなケースで、ナショナルプロジェクトでやってきたジャパン石油開発というのがございます。これにちょっと話を移してみたいと思います。  御存じのとおり、ナショナルプロジェクトの中でも最大の一つジャパン石油開発だったと思います。これは今から約四半世紀前、一九七三年に設立されてアブダビのザクム油田開発に参加したというものでございます。これは成功したと普通言われております。といいますのは、原油が二十四万バレル・パー・デー、一日当たり二十四万バレル自主開発して輸入しているというので、輸入石油の中でも非常に大きい、約三分の一ぐらいを占めている、大変うまくいったと言われているんですけれども、これが経営が悪化しているということについて伺いたいと思います。  さっき大臣がおっしゃったように、こういうプロジェクトは成功しても、これは成功したと思うんですが、円高になったり、あるいは石油価格、当時三十数ドルと考えていたのが下落したり、あるいはこのザクムの場合はたしか設立した後に、パーティシペーションと言っていますけれども産油国権利取得というのが入ったりいろいろな悪条件が重なったということがあって、石油は出たけれども採算が悪化した例だと思うんです。  今回、これをどうするのかというのは報告書に非常に興味があったので読んだのですが、今後、二千四百億円から四千七百億円ぐらいうまくいけば回収できるかもしれない。だから、これは現在かなり出融資残高が大きいですね。たしか四千三百四十六億円と報告書にあったと思います。だから続けるんだと言うんです。  これは一つ具体的なことに絞って伺いたいと思うんですが、将来二、三千億円入ってくるから残すんだ、今四千億円ぐらい残っているけれどもと、こういう話なんですが、これは調べましたら実は融資残が二千四百億円ある、しかも金利は六%を上回っているんです。六・一%ぐらいの金利でついているわけです。こういうようなものを残しておくと、例えば二千四百億円の六%、簡単に言うと年間百五十億円の利払い、二十年で三千億円の利払い、ノベタンで考えた場合ですけれども、そういうようなものが出ていっちゃうんじゃないか、あるいは払わなくてもそういう利払いがつく。こういうものを残しながら、それでも二千四百億円から四千七百億円ぐらい収入があるかもしれないから、現在巨大な出融資残が四千三百億円もあっても残すんだと、この結論に私はどうもいまいち納得がいかないんですが、これは細かい問題なので、大臣じゃなくく石油公団総裁お答えをいただけるでしょうか。お任せしますが、明確なお答えをいただける方にお願いしたいと思います。
  13. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 先生指摘のとおりでございまして、私ども分析によりますと、前提条件にもよりますけれどもジャパン石油はこれから二〇一八年まで一応操業することになっておりますけれども、二千四百億円から四千七百億円程度資金回収が見込めるということでございます。したがいまして、まずその資金が、今四千四百億近く公団出資融資しておりますけれども、それから二千四百億円なり四千七百億円が返ってくるということになりますと、それを今解散するとかそういう選択はないと私どもは思っております。  ただ、先生指摘のように、この後、金利が非常にかさんでいって会社として体をなさなくなるのではないかという問題がございまして、今般は公団全体のプロジェクトを現時点でどうするかということで議論をさせていただきまして報告書をまとめましたのですけれども、今後この産業をどうするのか、ある意味産業政策エネルギー政策としてこのジャパン石油をどうするかについては、その金利の減免を考えるかどうか、それも含めまして今後の検討課題として私どもは整理しております。  特に、今この会社が借りている金利は六%でございます。現在の石油公団の貸し出しの金利は一・七%でございますので、非常にそこに差がございますので、それも含めて今後検討させていただきたいと思っております。
  14. 加納時男

    加納時男君 時間が参りました。  六十分という予定があったようですけれども、十五分になりましたので十五分間に濃縮させていただいて、六十分分ありがとうございました。  最後に、一分間で申し上げたいと思うのですが、部長がおっしゃったように、また冒頭の大臣お話にもあったのですが、石油公団の問題というのは単に赤字体質とかそんなことだけじゃないと思うんです。日本エネルギー政策石油ナショナルセキュリティー観点からどのように自主開発していくのか、その自主開発意味合いをどう考えるのかというエネルギー政策の根本の問題であり、第二には石油公団という特殊法人体質の問題であり、第三番目には日本産業政策の問題であると私は思います。そういう意味では非常に根が深いので、これからさらにこういった問題を一生懸命勉強したいと思います。よろしくお願いします。  ありがとうございました。質問を終わります。
  15. 福山哲郎

    福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。よろしくお願い申し上げます。  二度の石油ショックを経験した我が国石油自主開発に積極的に取り組まなければいけないという、国益観点から大変重要だということは存じ上げているつもりでありますし、石油公団意義等納得をしているつもりではございますが、それでも、前通産大臣があのような報告書なり雑誌に論文を掲載されたということは大変大きな問題だというふうに承っております。この国会ではこの問題、収束するような状況ではないと思いますので、今、素朴な疑問も含めて若干御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  まずは、大変根本的な問題なんですが、この報告書前提にありますのは、平成五年の石油審議会における長期見通しについて、石油自主開発という部分がありまして、そこで年間百二十万バレルの供給能力確保ということを述べられておりまして、それを前提にこの報告書、それからそれ以降の自主開発というのは話が進んでおると思うんですが、本年六月の石油審議会におきまして、要はその時代と違いまして国際石油市場成熟化ということが大変評価をされています。国際環境が変わっているということが評価をされて、自主開発のあり方について「抜本的な再検討を行う必要がある。」という表記がありまして、これまでの自主開発部分も含めてちょっと考え直そうと。それは、新たな国際市場というマーケットが成熟をしつつあつく湾岸戦争を経ても我が国に対してそんなに影響がなかったということを積極的に評価されて、審議会からこういう報告書が出ておるわけです。  ところが、今回出てきている再建検討委員会報告書によりますと、いまだに平成五年の百二十万バレルの供給能力確保ということを前提に書かれているというふうに私は報告書を拝見しまして受けとめました。  まずは、今の段階で現実の石油自主開発についてはどのような前提条件でお考えをいただいているのかということについてお答えをいただきたいと思います。
  16. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 我が国は、主要先進国の中でも最もエネルギー脆弱性、特に石油につきましては脆弱性の大きい国でございます。例を挙げますと、石油自主開発で申しますと、アメリカ、イギリスはメジャーを持っておりますが、メジャーを持っていない例えばドイツ、イタリア等と比較しても非常に低い水準、自主開発原油の比率は一五%にとどまっております。  そういう中で、我が国は世界第二位の石油消費国輸入国でございます。石油というのは常に探鉱をして開発していかないと減耗するものでございますから、そういう意味でも、日本がただ石油を買うだけではなくて石油探鉱開発に積極的に参画するというのは国際的な責務でもあるというふうに私ども考えておるわけでございます。  今、先生おっしゃいましたように、現在、日量百二十万バレルということを目標として自主開発を行っておりますが、これは二十一世紀の想定される石油輸入量のおおむね三割ぐらいという数字でございます。  私ども石油開発につきましては、この必要性については御理解していただいていると思っておりますけれども、この石油審議会の物の考え方は、確かにおっしゃるように石油市場が誕生した、そういうことはございますが、一方で緊急事態というのも想定される。一方で緊急事態が想定される中で、やはり国際的な市場も出てきた。平時と緊急時とどういう形で分担をして、どういう形で対応していったらいいのかということを今後詰めるということになっておりますので、その中で自主開発政策についても改めて見直してみたい、こういうふうに思っております。
  17. 福山哲郎

    福山哲郎君 ということは、この日量百二十万バレルという数字は、この報告書を書かれる段階ではこれを前提につくられて、今後石油審議会等議論によっては変化をする可能性はあるということですね。
  18. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) おっしゃるとおりでございます。審議会はこの秋開く予定をしておりますが、そこでこの数量目標につきましても御議論していただくつもりでございます。
  19. 福山哲郎

    福山哲郎君 どちらにしても、この目標の百二十万バレルには今の現状で達していないわけですから、これを下げるのが意味があるかどうかというのも僕は問題があるとは思うんです。  では、次の質問に移らせていただきます。  今回、石油公団再建検討委員会というものを設置されて、報告書を提出されました。まず、石油公団再建検討委員会を設置された理由をどのように考えられているのか。前通産大臣等指摘があったからという形なのか、自主的な思いでこれはやらなきゃいけないなと思ってつくられたのか、その理由について率直にお答えください。
  20. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 本検討委員会設立理由でございますが、昨年の十二月三日に衆議院決算委員会におきまして石油公団開発に関する審議が行われました。その中で、三点を中心として質疑が行われました。一つは、石油公団は多額の損失を出しており経営に問題があるのではないか、また、石油公団出融資先会社事業財務内容についての情報公開が不十分なのではないか、それから三点目に、石油公団におけるプロジェクト審査に問題があるのではないかという点でございました。  堀内通産大臣は、この衆議院決算委員会での質疑、さらに御自分分析をされました作業結果を踏まえまして、ことしの六月十六日に省内に御指摘検討委員会を設置して、これらの点についての検討をするよう指示されました。また、ことしの七月には、決算行政監視委員長報告書石油公団現状分析と今後の対策について」というものをみずからお出しになっておられます。  こういう経緯で、今回取りまとめました報告書は、この検討委員会におきまして、前大臣の御指摘事項を踏まえつつ、公団現状情報公開のあり方、公団及び出融資会社の収支見通しなどについての検討を進めまして、検討結果を取りまとめたものでございます。
  21. 福山哲郎

    福山哲郎君 ということは、さきの十二月三日の衆議院の決算委員会のあれを踏まえて再建検討委員会というのは設置されたと承ってよろしいわけですか。
  22. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 直接的な設置の理由は、本年六月十六日の通産大臣検討指示でございますが、その検討前提として、昨年十二月三日の決算委員会の御審議検討内容に加えてあるというものでございます。
  23. 福山哲郎

    福山哲郎君 それでは、石油公団再建検討委員会のメンバーは、どういつだメンバーで委員会が構成されたのかを教えてください。
  24. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 検討委員会は、資源エネルギー庁長官委員長としておりまして、石油部長石油部関係課長、資源エネルギー庁関係課長がメンバーになっております。
  25. 福山哲郎

    福山哲郎君 ということは、構成メンバーは四名ですか。
  26. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 長官、石油部長石油部関係課長五名、それから資源エネルギー庁関係課長三名でございます。
  27. 福山哲郎

    福山哲郎君 済みません、もう一度。
  28. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 長官、それから次長、総務課長、それから私、石油部長石油部の五課長でございます。
  29. 福山哲郎

    福山哲郎君 先ほど言われました、七月に出された堀内通産大臣報告書を踏まえて再建検討委員会をつくられたとお答えになられたと思うんですが、その報告書の中にそういったメンバーで再建検討委員会をつくれという指示はあったんでしょうか。
  30. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 大臣から御指示を得て私ども資源エネルギー庁内に検討委員会をつくりましたが、今先生おっしゃった報告書というのが前大臣の決算行政監視委員会に対する報告書であるとしますと、それは七月二十七日でございますので、こちらはもっとずっと前に、六月の段階で発足し、作業を進めておりました。
  31. 福山哲郎

    福山哲郎君 では、六月に再建検討委員会をつくられたときに、そのメンバーでやれという指示は大臣からはあったんでしょうか。
  32. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) ございました。
  33. 福山哲郎

    福山哲郎君 あったわけですね。
  34. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) はい。
  35. 福山哲郎

    福山哲郎君 そうすると、資源エネルギー庁長官にお伺いをしたいんですが、これだけ衆議院の決算行政監視委員会で問題になって、なおかつ前通産大臣報告書を出されたという問題に対して、今お話を伺うと、ほとんど内部のメンバーで再建検討委員会をつくられた。それに対する妥当性、意味みたいなものに対してエネルギー庁長官はどのようにお考えでしょうか。
  36. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 前大臣の御指示に基づきましてこの石油公団再建検討委員会を起こしましたが、あわせて石油公団におきましても再建検討委員会を置き、また公認会計士等の御協力を得ながら全体の検討を進めております。全体の連携をとりながら検討を行ったところでございます。
  37. 福山哲郎

    福山哲郎君 わかりました。  私などは、それが妥当性があるかどうかというのは大変疑問なんですが、そのようにお答えいただいたので次に行きます。  では、再建検討委員会では現実問題として何回ぐらい議論を重ねられたのかということをちょっとお教えください。
  38. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 初回が六月十七日、最終回が九月二十九日、全部で十回開催をいたしてございます。
  39. 福山哲郎

    福山哲郎君 では、それで検討がされて、こういう報告書が出てきたということは承らせていただきました。  次に、六月に検討委員会ができまして、今お話がありましたように、前通産大臣から「石油公団現状分析と今後の対策について」という報告書が衆議院の決算行政監視委員会に提出をされました。要は、前大臣がこういう報告書をつくられた、この報告書についてどのように今評価をされているのかということを、これは通産大臣資源エネルギー庁長官とどちらにもお答えをいただきたい。
  40. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 堀内大臣日本石油政策の将来、また過去のいろいろな経験に基づいて将来をどう展開すべきかということを真剣にお考えになっていたと私は思っております。私どもとしてはそういう堀内大臣のお考えに基づいて、そういうことに資源エネルギー庁、通産省挙げておこたえしていこうということで検討委員会をつくり、報告書を出したわけでございます。  これは通産省だけでやったわけではございませんで、石油公団の内部でももちろんそういう体制を整えておりましたし、また全く自分たちだけでやるということはやはり世間を説得する力というものはどうかという問題もありますし、外部の御意見をお伺いするという意味で公認会計士あるいは石油に詳しいコンサルタント、そういう方々の意見も幅広く伺って報告書をまとめたわけでございます。  考え方の部分は考え方の部分、それからもう一つは、経理内容等数字部分数字部分というふうに二つ分けて考えますと、物の考え方というのは人によって違うこともありますし、将来の見通しについてもそれは考え方は違うことがあるだろうと思うわけでございますが、経理の状況とかあるいは客観的な事実については極めて正確に皆様方にお示しをする、情報開示をするということを前提につくられた報告書であるというふうに私は評価しているわけでございます。
  41. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 前通産大臣の御指摘のありました決算行政監視委員会への報告文書でございますが、指摘なされている点は大きく四点であるというふうに理解をいたしてございます。  第一点は、経営状態がよくない出融資会社を現時点で清算すれば一兆三千億円の損失をこうむることになるわけでありますが、将来の資金回収見通し、損失見通しを精査すべきであるというのが第一点でございます。それから第二点は、財務内容が不良な出融資先企業を整理して優良企業への統合を行うべきである。第三点は、情報公開。第四点は、石油公団プロジェクト審査能力及びリスク管理能力をレベルアップすべきという四点であったかと思います。  我々、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、この御指摘を正面から受けとめまして、報告書においてこの四点に対する我々なりの検討結果を御報告したところでございます。今後はこの報告内容の実施に全力を挙げて取り組んでまいりたい、かように考えてございます。
  42. 福山哲郎

    福山哲郎君 先ほど加納委員からも御質問があったと思うんですが、この報告書を全部読ませていただいて、前大臣指摘がありましたがこうでありますという内容のことは書かれているのですが、先ほどありましたように反省とかもちろん謝罪とかいうことは全くないわけです。ということは、この報告書はその指摘に対してこたえをしたというふうな位置づけでよろしいわけですか。
  43. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 今回の検討におきましては、堀内大臣の御指摘あるいは国会の御指摘を初め各方面からの問題提起を正面から受けとめて、財務、事業運営について改善すべき点をすべて洗い出し、報告書として取りまとめたつもりでございます。  今回の検討を通じまして、出融資会社情報公開の徹底、国民の理解を得る努力、あるいは既存プロジェクトの不断の見直し、さらには民間企業に準じた会計基準の適用などの面において、従来必ずしも十分とは言えず改善を図るべき点があるということを明らかにしております。  いわばこの報告書全体が各方面からのさまざまな指摘に対する反省を踏まえたものでございまして、今後この報告書に基づき全力を挙げて必要な改善策を講じてまいりたい、かように考えております。
  44. 福山哲郎

    福山哲郎君 ということは、もう一回しつこくお伺いしますが、改善をする点が多々あったということはお認めになるし、反省する面も多々あったということはお認めになるわけですね。
  45. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 従来必ずしも十分とは言えず、改善を図るべき点があった。例えば情報公開であるとか経理のさらなる基準明確化とか、そういう点について今後努力をしたいと思っております。
  46. 福山哲郎

    福山哲郎君 ありがとうございました。  次は、雑誌等で拝見をしている中身の話ですので簡潔にお答えいただければいいのですが、雑誌を拝見していますと、小松前石油公団総裁を更迭をした云々かんぬんというくだりがいろんなところに出ております。しかし、本当にどのような形で石油公団を退職をされたのかということは、こちらとしては正式な状況がわかりません。  例えば、更迭をしたという形のどういう処分が正式に行われておやめになられるに至ったのかということについて、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  47. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 小松前総裁の辞任につきましては、小松前総裁自身が、公団の直面している状況あるいは御自身の年齢等を踏まえて、新たな責任体制のもとで今後の公団事業の効率化に取り組むことが適切という御判断のもとにみずから辞意を固められたものでございます。
  48. 福山哲郎

    福山哲郎君 辞任ということは、みずからおやめになったということは、退職金はもちろん支払われる予定なわけですね。
  49. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 退職金については、公団があらかじめ予定した手続にのっとって今後処理していくべきものと思っております。  現在のところ公団は、今回の検討委員会報告書に基づきまして種々の課題を残しておりますので、その課題の実施、その方向を見定めた上で今後の退職金の取り扱いを決定していくことになると思っております。
  50. 福山哲郎

    福山哲郎君 そのような課題というのはどういった課題なんでしょうか。
  51. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 先ほど御報告申し上げましたが、情報公開の問題、会計基準の問題、さらには今後の全体の公団の収支に係る処理の問題等々でございます。
  52. 福山哲郎

    福山哲郎君 というのは、情報公開公団の収支等々の状況を見て小松前総裁に対する退職金の支払いは検討され、それから決定されるということですね。
  53. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) これらの課題の実施に向けての方向性を見定めた上で取り扱いを決定していくことになる、公団のあらかじめ定められた手続にのっとって決定さるべきものと思っております。
  54. 福山哲郎

    福山哲郎君 何かよくわかったようなわからないような御答弁なんですが、とにかく支払われる前提でいっているということはお伺いしました。  では、少し細かくなりますが、報告書の中身について質問させていただきたいと思います。  一昨日の経済産業委員会における資源エネルギー庁長官の説明にもございましたし、今回のこの報告書の中にもずっとあるんですが、「成功したプロジェクトの株式売却益などで埋めることにより、資金を自己回転させることを想定したもの」であるというような表現があって、よく株式売却益というのがあるんですが、これまでに株式売却益で公団の方が利益を得たというような実態、事実はあったのでしょうか。
  55. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) お尋ねの売却益を計上したケースというものが二社ございます。これは出光石油開発とそれから日本海洋石油資源開発でございます。  これらの二社は、新潟県の阿賀沖で同一鉱区において共同事業を今行っております。公団が取得いたしました株式が取得価格以上の価格で処分し得るような状態になった、恒常的な生産ということになったわけで、それぞれの民間株主に対しまして、出光石油開発の方は昭和五十五年三月、日本海洋石油資源開発の方は昭和五十七年三月、それぞれ売却をいたしまして、それぞれの売却価格は百九十四億円及び百六億円でございます。売却益という点では、前者が五十二億円、後者が七十八億円ということになってございます。
  56. 福山哲郎

    福山哲郎君 出光石油開発公団がそれまでに出資ないし融資をした額は全額で幾らですか。
  57. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) ただいますぐにはあれですので、後ほどお答え申し上げたいと思います。
  58. 福山哲郎

    福山哲郎君 そうしたら、日本海洋石油資源開発公団がそれまで出資ないし融資をした額についてもお教えをいただきたいというふうに思います。
  59. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 後ほどお答え申し上げます。
  60. 福山哲郎

    福山哲郎君 そうすると、今、百九十四億で売って五十二億利益が出たと言われましたが、この利益というのはどういう換算の利益になるんでしょうか。
  61. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 株式の原価と売却価格との差額というふうにお考えいただきたいと思います。
  62. 福山哲郎

    福山哲郎君 わかりました。じゃ、先ほどお願いした数字をまたお教えいただきたいと思います。  それで、実は、確かに利息、配当、それから株式の売却で将来的に二千四百九十億円の損失から三千七百六十億円の利益になるという見通しがこの間のエネルギー庁長官報告とかにもあるんですが、私、一つ非常に不思議に思うことがございました。  報告書を拝見させていただきますと、十年以内に株式を売却するという表現があるわけです。十年程度で株式を売却するということはあるのですが、実は、別のページにこういうことが書いてあるんです。これは報告書の中にあるんですが、今回の分析においては、我が国会社の持つ油田の生産量の合計が二〇一〇年ごろに現在の約半分になる。つまり、数ある開発会社の中で本当にわずかですが今出ているものがある、その出ているものの生産量の合計というのは二〇一〇年ごろ現在の約半分になると書いてあるわけです。約半分になるのが二〇一〇年ごろと書いてあって、株式売却をするのは十年程度を見込みと書いてあるわけです。  埋蔵量なり生産量が半分になるということは、客観的に言うとその株式は、会社の価値というのは半減するじゃないですか。だって、石油開発することによってその会社というのは評価をされているわけですから、その評価をされている株式を二〇一〇年ぐらいをめどにこちらでは売却すると言っていて、片っ方では生産量が半減するとちゃんと書いてあるわけです。生産量が半減するということは、その会社の価値は今から比べると半分に減るわけです。そのときの売却益とかを、こういう報告書の中で利益が出るというような想定をすること自体に僕は大変無理があるような気がするんですが、どうでしょうか。
  63. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) お答え申し上げます。  生産量が半減するということは、この計算の前提といたしまして、それぞれの会社が持っております確認可採埋蔵量をまずベースにいたしました。それで、それをこれから十年なり五年なり二十年なり、それぞれ権利の切れる期間まで生産を続けるということになります。  そういたしますと、これは非常にかたい見通してございまして、確認可採埋蔵量がだんだん減っていくわけでございます。したがいまして、十年たつとその生産量も半分ぐらいになってしまうわけでございますが、実はそういう非常にかたい見通しであっても、この報告書で御説明をしておりますように、今後、この開発会社合計しますと、将来的には四千三百八十億から八千九百億ぐらいの収益がたまるという計算をしております。  それで、通常の場合で言いますと、各企業はそれぞれ埋蔵量をふやす努力をいたしますし、期限が来ますとそれを延長する努力をいたしますので、通常はそれより生産量はふえるわけでございます。したがいまして、私ども申し上げている、ここで将来の収益の見込みが四千三百八十億から八千九百億ということを見通しておりますが、これより恐らくふえるであろう。それは、収益の見通しと申しますのは、会社にたまっているお金、それから配当として石油公団が受け取るお金でございますから、そういうものは今ここでの見通しよりももう少しふえるであろうということが書いてございます。  株を売却する場合には、少なくともその開発会社が持っている内部留保、自分のところに持っておる内部留保よりも高く売れるわけでございますから、そういう意味では、ここで申し上げた収益の見通しというのは非常にかたい数字だということを私どもは申し上げております。
  64. 福山哲郎

    福山哲郎君 今、開発会社は何社ありますか。
  65. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 百二十三社でございます。
  66. 福山哲郎

    福山哲郎君 今実際に剰余金が出ている会社は何社ありますか。
  67. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 十一社でございます。
  68. 福山哲郎

    福山哲郎君 今、株式として売れる見込みのある会社は何社ありますか。
  69. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) これにつきましてはなかなか難しいのでございますけれども、剰余金が出ている会社というのは、基本的には現在、今まで出資を受けた金額よりも、それを上回った利益が上がっているわけでございますから、その意味では株は簿価よりも高く売れるというふうに思っておりますから、そういう意味では理論的には十一社については売れるんじゃなかろうかと思っております。  私ども計算を、二〇二〇年までいろいろ分析してみたわけでございますが、今の剰余金が出ている会社十一社が恐らく十九社にふえていくという分析をしておりますので、株を売る、それはマイナスで売るんじゃなくてある程度の利益を得て売るとしますと、十九社が観念的には該当すると思います。
  70. 福山哲郎

    福山哲郎君 百二十三社開発会社があって、今剰余金が出ているのが十一社、しかというのか、これは確率が高いというのか、その評価は別にして、その状況で十年後に株式売却をするときに、先ほど言われたように石油生産量がふえているはずだと言われても、これはやっぱり説得力に欠けると僕は思うんです。  さらには、先ほど言われたみたいに十一社が売却益が出ると言われているかもしれないけれども、ある開発会社はひょっとしたら埋蔵量がふえないままいっちゃうかもしれない。ここは確実に会社の株価というか会社の価値というのはどんどん下がっていくわけです。ふえたところはあるかもしれないけれども、そこはまたそのうちの何社かよくわからない。さらに言うと、十一社から十九社まで剰余金が出る会社がふえたと仮定をしたとしても、その横でこの百二十三社のうちの何社かが清算会社がどんどんできているわけです。そこの中で損失を出していっているわけです。  その状況の中で、先ほど言った株式売却益、配当、その他でこれだけの収益が出る可能性があるということに対しては、ちょっと説得力に欠けると私は思うんですが、いかがでしょうか。
  71. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) ちょっと長くなるかもしれませんが、私どもの基本的な計算をした、分析をした前提でございますけれども、百二十三社のうち、今現に動いていると思われます九十七社を具体的に一件一件当たったわけでございます。ある一定の油価、ある一定の為替を前提といたしまして、その会社がどれぐらい生産をして、そこからどれぐらい収入が得られて、キャッシュを得られて、それを石油公団に幾ら返せるのか、それから、返した後幾ら手元に残って利益として蓄積されるのかということを分析したわけでございます。  そういたしますと、ちょっと数字欠いて恐縮ですけれども、今後、確かに回収不能になるものが出てきます。先生おっしゃるとおりで、回収できないものが、前提条件によりますけれども、六千八百七十億、もう少し条件を緩めますと五千百四十億、したがって七千億から五千億程度回収不能が生じるわけでございます。  一方で、もうかっていると申しますか、当たって利益が上がる会社からの利益、その収益、その会社からの配当である場合もありますし、利息である場合もありますし、会社にそのままとっておく、会社の内部含み益としてたまっていくケースもありますけれども、その会社公団の持ち分としてたまっているものを合計いたしますと四千三百八十億から、条件がよくなりますと八千九百億になる。  これは、株式を売却する以前の話でございまして、ある石油会社生産することによって利益が上がって自分のところにためていく、そういうものを合計しますと今の数字でございます。それを今度は、それはその会社にたまるものでございますから、そういう会社の株式を売却する場合に、我々の期待としては売却益が、さらにキャピタルゲインが得られて、ここで御提示した見通しよりももう少し石油公団の収支がよくなるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今後の収益とここで書いてありますものは、会社から受け取る配当金でございますとか利息でございますとか、会社に残る含み益でございますので、株式を売却する前の話でございます。そういう会社を売却すれば、さらにそれにキャピタルゲインが得られるということだと私どもは思っております。
  72. 福山哲郎

    福山哲郎君 今の話はまさにそのことなんですが、今部長がおっしゃられたみたいに含み益の話をされているわけです。含み益というのは、あくまでも含みなんです。ところが、石油公団はどんどんつくっては消し、つくっては清算しということで、これは実損が出ていくわけです。実損が出ていって、実は石油公団は利益が出ますよというのは、これは含みなんです。含みというのは、あくまでも例えば会社を売ってそこの売却益が、キャッシュが入ってきて初めて実益でございます。  こっちでは含みを前提に物事を考え、こちらでは清算会社として実損をどんどん出していったときに、それこそこの報告書に書かれているように、世の中の現状の変化、マーケットの変化、為替の変化によって含み益というのはそれだけ変動があるわけです。含み益は含みで、こっちは実損を出していくというような状況の中で収益が出るというのは余りにも乱暴な議論ではないかと思うんですけれども、いかがですか。
  73. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 私と先生と余り意見は変わってないと思うんですけれども言葉の定義かもしれませんが、確かにおっしゃるとおりで、損は確実にある意味で出るわけでございます。会社探鉱不成功の場合、出るわけでございます。一方で、もうかっている会社には内部留保がたまっていくわけでございます。そういうものに石油公団の持ち分を掛けますと、石油公団の得べかりし含み益が計算できるわけでございます。それは、為替レートによったり油の価格によったりして毎回条件によって違ってまいります。それから、生産が思わずふえたり、それから今の埋蔵量しかなかったり、それぞれによって違いますけれども、私どもは相当かたい見通しを置いて、株式を売却しない前に幾らたまるだろうかと。  そうすると、おっしゃるとおりで、例えばそれを全部配当としていただいてもいいんです。それから、例えば会社を解散するときにそっくりこれは分配を受けてもいいと思います。ただ、継続性のあるような大きな会社でありますと、それを公開して売却した方がやはり株式売却益が得られると思いますので、そういうものについては売却をしていく。  ここで数字でお示ししております収益というのは、その意味会社にたまっているものであって、それを現実化する方法としては、配当をふやす、それから会社を解散させてしまうといいますか、会社の解散を待ってそれを受け取る、それから株式として売却をする。株を売却する場合、恐らく最低ここに予定している数字確保できるというのが私どもの考え方でございます。
  74. 福山哲郎

    福山哲郎君 水かけ論になりますからもうこれ以上は申し上げませんが、私は、今部長がまさにおっしゃられたとおり、内部留保がたまっている、内部留保がたまってきて含み益を石油公団が計算できるような石油開発会社というのは数少ない優良会社だと思っているわけです。  その優良会社を売却して公団が手放すような勇気があるかどうかと考えたときに、これはやっぱり持っていたいと思われると思うんです。持っていたいと思われて、それを先ほど言われましたように、継続性の中でこういった優良な開発会社を持てば持つほど、逆に言うと埋蔵量生産量が落ちていく可能性というのは出てくるわけです。  そうすると、石油公団がよし売ろうと言ったときには、その会社の価値というのはもともと言っていた含み益よりもどんどん下がっているのではないか、その時点でだれが買ってくれるんだというような状況が、含みである限りは僕はずっと起こると思っています。それが一番高いところで売れて、石油公団にもキャピタルゲインが入ったというようなハッピーでは私は済まないというふうに思っていますので、そこに対して大変疑問を持っているということで、もうお答えはいただかなくても結構でございます。
  75. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 先ほどの出光石油開発並びに日本海洋石油資源開発につきましての数字というものを正確に申し上げたいと存じます。  まず、出光石油開発でございますが、公団出資は二十六億円でございます。これに対しまして、売却益五十二億円が出たということで、売却価格としましては七十八億円ということに相なります。先ほどちょっと私、棚を間違えまして百九十四億円と申し上げましたが、七十八億円ということに訂正させていただきます。  それから、日本海洋石油資源開発の方でございますが、公団出資額は二十八億円、これが先ほどの七十八億円の売却益を上げまして、合計百六億円というのが売却価格ということです。  融資、これがあるかないかちょっとお答えできなかったわけでございますが、融資は両件ともございません。
  76. 福山哲郎

    福山哲郎君 これもお伺いはしませんが、売って売却益が出たとおっしゃいますけれども、この後の石油開発の状況によってはひょっとしたら非常に優良な開発会社だったかもしれないわけです。それを売却しているわけで、それでもう離れちゃっているけれども、本当は持っていればもっと公団にとったはいいことだってあり得るわけですから、要は、そこの売却のタイミングというものが確定しない限り、こういう算定というのは大変粗っぽいのではないかということで、もうこれ以上この問題はお伺いしません。  次に行きます。  文芸春秋の前大臣のレポートの中身によりますと、貸付金を減免する決裁は大臣決裁にあるにもかかわらず、大臣は全然決裁をしていなくて担当課長が決裁をされていたというようなくだりが出ています。そして、そこには、通産省の内部規程によって貸付金減免の規程があるというような中身も出ておるんですが、今、現状与謝野通産大臣が御就任をされて、貸付金減免ないし開発に対しての決裁は大臣のところまでちゃんと上がっているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
  77. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 石油公団探鉱融資事業の実施に当たりまして、重要な案件については石油公団や民間当事者から事前に相談を受けます。そして、当然のこととして、大臣の判断を仰いだ上で物事を判断するということになります。  他方、探鉱が不成功に終わった出資先、融資先の会社に対する貸付金元本の減免、償還期限の延長などの通産大臣の認可・承認事項の中で、案件の性格上、定型的なものについては事務当局において処理をしております。文書による決裁は重要な事務処理であるということは言うまでもございませんが、膨大な事務処理を円滑に進めることが必要であることから、事務処理の専決に関する規程に基づき、大臣の許可・認可に係る事項についても一定の範囲内で決裁を事務レベルにゆだねているところであります。  これまでは、石油公団開発事業に関しましては、文書上の決裁を石油開発課長限りで行っていたものがありましたが、より厳格に事務処理を行うため、今般、堀内通産大臣の御指示により、専決に関する規程の改定を行いまして、石油開発課長の決裁事項を石油部長の専決事項としたところでございます。  今後も、石油公団開発事業において、政策的に重要な案件については、大臣の意向を十分に踏まえ、事務処理を行ってまいる所存でございます。
  78. 福山哲郎

    福山哲郎君 ということは、堀内大臣指摘をされたこと等は余り今の現状では変化がないということなんですが、通産大臣の御意見で結構でございますが、国民の大切な税金を、幾ら国益に資する石油開発だからといって減免をする、例えば数百億、数千億の減免をするに当たって、担当課長ないし担当部長の決裁でいいと与謝野大臣はお考えでしょうか。
  79. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 実は物事は程度の問題がございまして、専決で物事を決裁する場合も当然ある一定の尺度、基準、そういうものに基づいて決裁をしているわけでございまして、その額が多額にわたる場合は、決裁はその段階でいたしますけれども、幹部と相談をしながらそういう物事を進めていくというのは役所の中の当然のことでございまして、決裁権者が課長あるいは石油部長ということとそれがその幹部の知識なしに物事が行われているのかということとはまた別の問題でございます。  当然、課長が決裁したことであろうとも、やはり通産省全体としてあるいは資源エネルギー庁全体として責任を持つという意味では、これは課長の決裁で物事がどんどんできるという話ではなくて、役所の意思をそういう段階で文書の問題としては決裁するということでございまして、当然その額が大きいとか重要な事項であるということは大臣も知っているし幹部も知っている、その上で決裁をするということでございまして、ここは定型的な決裁の問題を議論しているわけであると私は思っております。
  80. 福山哲郎

    福山哲郎君 認知をされてそれが行われるかどうかというのは大変大きなことだと思いますので、大臣のおっしゃるとおりだと思います。  今の問題で、先ほどの株式売却益の話、それから今の内規規程の話について、例えば、何歩か譲って通産省のおっしゃるとおり株式売却益が出るかどうかという話についても、情報公開としては大分進んだとは思いますが、今回出された各開発会社のあれを見ていると含み益がどのぐらい出るのかとか、今の状態でこれは上場可能な状況なのかとか、剰余金がどのくらい出ているのかというのが実は余りよくわかりません。本来でいうと、各開発会社のBSとPLを両方出していただいて、そこの中で、それを積み上げた結果、この報告書が正当性を持つのか、整合性を持つのかということを私どももやっぱり検証してみたいと思います。  それから、先ほど申されました内規の規程の問題というのも、実はこの報告書の中にも通産省の内規によってというような記述が幾つもあります。これがわからないことには、これから改善をされるというものも、現実の問題の中で、その内規の幅があればあるほど逆に言うと改善される余地というのは狭くなるわけです。今後この問題というのはこの国会で終わらないと思いますので、ぜひそのための材料として各開発会社のBSとPL、それから通産省の中での各種規程の公開というものを、特にこの報告書では「各種規程の公開」ということがうたわれていますから、ぜひこの経済産業委員会に御提出をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  81. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 私ども石油開発は、国のお金でリスクマネーとして企業に提供するものでございますので、可能な限り情報公開、それからお求めになった資料について提出するように努力いたします。  それから、先生の御指摘の一点、この報告書にも書いておきましたけれども、私どもはこの作業に当たりまして、可能な限りこれは客観的な目で見ていただこうということで、会計士さん、監査法人のお力をおかりしました。二つの監査法人でございます。その方々にチェックをしてもらっております。特に、今の株の部分でございますが、株式の売却益が得られるかどうかということも含めて監査法人の方にそれぞれの会社の株が今幾らで売れるのかということをチェックしていただいたわけでございます。  それによりますと、報告書にも書いてございますけれども、現在の石油公団が保有して、先ほど御説明いたしました剰余金が出ている十一社、それから、剰余金はございませんけれども株式を時価評価いたしますと帳簿価額を上回っているような会社がございます。これが六社でございますけれども、十七社を合わせて今の株式の時価評価、これは八月の時点でございますのでダウが一.万四、五千円の段階でございます、これで四千八百億円になる。一方、この四千八百億円に評価される株の帳簿価額が七百三十五億円でございますので、八月の株式市場前提にしますと、この段階で四千五十億の株式の評価益が出るという計算を監査法人の方々のお力も使ってやってみたところでございます。  御報告申し上げます。
  82. 福山哲郎

    福山哲郎君 私の質問お答えいただいていないんですが、百二十三社の石油開発会社の損益計算書と貸借対照表、それから通産省内での各種規程についてこの委員会に御提出をいただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。
  83. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 規程類を含めまして、可能な限り情報公開という今回の報告書の趣旨に沿いまして、私ども検討させていただきます。
  84. 福山哲郎

    福山哲郎君 可能な限りというのはどういう話で、それで検討させていただきますというのはどういう返事で、僕は国会の経験が少ないのでそういうお答えがどういう意味を持っているのかよくわからないので、済みません。
  85. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 恐れ入ります。  石油の世界でいいますと、どうしても出せないものがございます。例えば、産油国との関係でございますとか、埋蔵量でございますとか、そういう非常に国際的な問題、それから例えば共同でメジャーとやっているようなケースでいいますと、メジャーとかかわるような問題、こういうものはそれぞれ契約なり、相手国の国家機密でございますので、そういうものについては公開の対象にならないと思いますが、それ以外につきましては可能な限りお出しするということでございます。
  86. 福山哲郎

    福山哲郎君 少し疑問に思うんですが、国家機密等で出しにくいというのは僕も理解はします。しかし、公団融資として三割、出資として四割ですか、つまりほとんどの石油会社について七割までの出資をしているような状況ということは、それを税金で使っているということは、もうはつきり言って国民の会社なわけですよ、石油開発会社というのは。その国民の税金で七割も出しているものを国民の代表である国会の委員会の場に資料が出せない、可能な限りという答弁というのはやはりちょっと納得しがたいんですが、これは委員長にお願いをして、理事会の方でまた次回までに御検討いただきたいというふうに思います。
  87. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) はい。
  88. 福山哲郎

    福山哲郎君 もう時間もありません。それでは、次に行かせていただきます。  いろいろあるんですけれども、これも余り私、好きな分野ではないんですが、いろいろ調査をいたしました結果、私の手元に今これ百二十八社、先ほど百二十三社が存続と言われていましたので、多少清算されたところがあるかもしれませんが、百二十八社の石油開発会社の役員のお名前があります。ここで個人的なお名前は余り申し上げたくはないんですが、ある元中小企業庁長官は百二十八社のうち、何と十九社で役員をやられています。そしてもう一人、ある元大阪通産局長さんは二十一社で役員をやられています。この百二十八のうちの十九社と二十一社で役員をやられているということの実態について、まず通産大臣はどのようにお考えになられるでしょうか。
  89. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) ただいまのお話でございますが、名前を貸している場合と実際給与をいただいている場合というふうにやはり分けて考えていただいた方がいいんではないか。名前を連ねているということと常勤で給与を受け取っているということとは事柄が違うと私は思っております。  このうち、常勤で直接給与を受け取っている会社は、それぞれの方、お名前は多分同じ方を指していると思いますが、一社と伺っております。  ただし、同一グループ内のプロジェクト会社に利益が出た場合など、その時々の各社の事情に応じてプロジェクト会社が役員報酬の一部を負担することがあるものと聞いております。今お話をお伺いすると、十九社から全部役員報酬を受け取っているとか、そういう印象はちょっと私もびっくりしたんですが、そういうことはなくて、一社から基本的には受け取っているというふうに御理解をいただきたいと思います。
  90. 福山哲郎

    福山哲郎君 私も全部の会社から給料をもらっているとはもともと考えておりませんでしたが、一社から給料をもらっていても、剰余金等が出たときにはやはり役員報酬が出るわけですね。それで、十九とか二十社に名前を連ねている。それは貸しているだけではなくて、れっきとした役員報酬が出るということはなかなか私としてはよく理解ができない。  それで、正式に今ある百二十三社の石油開発会社についての役員の名簿をこの委員会にお出しいただけないかということを今お願いしたいというふうに思っていますが、いかがでしょうか。
  91. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 御提出申し上げます。
  92. 福山哲郎

    福山哲郎君 それと、先ほど申し上げたお二人は、ほかの方もそうなんですが、当然、清算会社にいらっしゃったことがあるはずですね。要は、今は役員だけれども、清算した会社があってそこの役員をやっていたということだってあり得るわけです。その場合に、その清算会社が清算をされたときに退職金等をもらわれた例というのは一社もないのか。もしくは複数社の清算会社から退職金をもらわれた例があるのかということについてもお答えをいただきたいんです。
  93. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 先ほど御指摘のありました二名のうちの後者につきましては、清算済みの会社で役員を務めていたものからいずれからも役員報酬、退職慰労金は受けておりません。  御指摘のありました前者は、多分お名前は同じだと思いますが、平成四年六月、ラントウ石油開発というところから支給された約三十二万円のお金がございました。全くないかというと、この例が一つございます。原則的にはございません。
  94. 福山哲郎

    福山哲郎君 ということは、清算会社から役員には退職金は払われないことになっているんでしょうか。
  95. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 今まで私ども先生の御指摘も受けて調べましたけれども、極めて例外的なケースではございましたけれども、取締役として先ほど先生がおっしゃった二名のOBが清算会社を退職するときは退職金はいただいておりません。受け取っておりません。
  96. 福山哲郎

    福山哲郎君 この二人はと、例外的なものはあるわけですね。  ですから、私が言っているのは、例示的にお二人を挙げたわけで、かなり複数の会社で役員の名前を連ねている方がいらっしゃって、それを全部今この場で挙げるというのが時間的に不可能なのでたまたまお二人を挙げたわけですが、この辺についても今後検討させていただきたいというふうに思います。  とにかく、冒頭申し上げましたように、私は、国益上の観点から石油開発をすることを否定するわけではありませんが、やはりその分、透明性の確保としっかりとした将来見通しをつけないと、温暖化の関係からいって、石油、石化燃料に対する世界の視線もこれから先厳しくなるわけです。それを本当に石油という形で、日本がこの状況と同じような形で延長線上にエネルギー政策としていっていいのかということも含めて私は大変疑問に思っていますので、今後ともまた審議を進めていきたいというふうに思います。  どうも誠実にお答えいただきまして、ありがとうございました。これで終わります。
  97. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時十八分休憩      —————・—————    午後一時三分開会
  98. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、経済産業貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、石油公団問題等に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  99. 加藤修一

    ○加藤修一君 午前中、加納委員あるいは福山委員からさまざまな質疑がなされたわけですけれども、私はまず最初に公団の総裁にお伺いしたいわけです。  加納委員からは千三つとか、そういう話がございました。ある意味で、成功率が〇・三%という意味合いに私は理解したわけです。こういう事業をやるときに、当然のことだと思うんですけれども、費用便益分析とか、あるいはさきの国会で話題になりました費用対効果とか、そういう定量的な方法をもとにして事業可能性、フィージビリティースタディー、そういったものをやるように私は聞いておりますけれども、千に三つということを考えていった場合に、採算性の関係を含めてどのようにこれを考えたらいいか、今まで大体そういうやり方をしてきているのかどうなのか、その辺について見解をお伺いしたいわけです。
  100. 鎌田吉郎

    参考人鎌田吉郎君) 先生指摘ございましたように、石油開発というのは大変リスクの大きい事業でございます。そういった中で、いかに経済性確保するかということでございますけれども、従来から技術的な審査あるいは経済性についての審査ということは新規案件採択に当たってやってまいっておるわけでございます。  ただ、従来は非常に定性的でございまして、定量的な審査というのは行われていなかったということで、実はこの春から技術的な審査につきましては定量的な観点を入れまして、油田の発見確率あるいは油田が発見された場合の埋蔵量についての埋蔵量分布の確率、こういったものを導入いたしまして確率的にどうかということを見ておる次第でございます。今回の通産省報告書でも示されておりますけれども、おおむね少なくとも一〇%以上の確率のある場合に限って採択するということにいたしておる次第でございます。  それから、経済性の審査につきましては、従来RORという、油田が発見された場合の投資利益率といいますか利回り、これを基準にして新規採択案件の会社を決めておったわけでございます。これについては今後とも使ってまいるわけでございますが、それと同時に、最近欧米のメジャー等で期待現在価値、エクスペクテッド・ネット・プレゼント・バリュー、こういうシステムが採用されております。これは油田の経済的な開発が不成功に終わった場合のリスクも入れて経済性評価するという定量的な評価方法でございまして、この評価方法をこれから使っていこうということで鋭意検討しているところでございます。  いずれにしましても、今度の通産省報告書でもはっきりしたわけでございますが、結局全体の九割ぐらいのプロジェクトは失敗に終わっているわけでございますが、全体の一割程度、出融資額でいいますと八%程度だったと思いますけれども、それが全体の損失をカバーして全体として資金が自己回転するような仕組みになるような収益を上げていると、こういうことでございます。  こういったことでございますので、私どもは今申しました格好で今後とも一層効果的なあるいは効率的な運用に努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  101. 加藤修一

    ○加藤修一君 つい最近、その定量化について踏み出したというお話でございますけれども石油公団法に変わる前に、改正になるときに附帯決議が出ていますね。その中にはそういった面についても書かれてあったと思うんですよ。つい最近というのは私は非常に理解しにくいんです。  それと、経済分析、費用対効果あるいは費用便益分析、そういったFSをやっていくという場合に、要するに石油公団法の第一章の総則に、「石油等の安定的かつ」、これは安定的というのは私もわかります、次の「低廉な供給の確保を図ることを目的とする。」と書いてあります。低廉というのは経済性なわけです。その経済性にかかわるような関係のノウハウをなぜずっとやってきていないのか、ノウハウをうまく使ってそういう経済分析をやってこなかったのか。学ぶことは欧米メジャーを含めて私はあると思うんです。メジャーがさまざまなFSをしっかりするためにGISを使ったり、あるいはリモートセンシングを使ったりやっているわけなんですけれども、なぜごく最近なんですか。私、非常にこれは大事な点だと思いますよ。
  102. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 総裁が申し上げましたのは、一層定量的にしたという趣旨でございます。
  103. 加藤修一

    ○加藤修一君 わかりました。そうであるならば、FSということをやっているわけですから、あるいはその費用対効果あるいは費用便益分析、そういったことについてやっているケースがあるというんでしたら、全部出してください。
  104. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 私どもの審査でございますが、まずは三つの部門で行っております。一つは技術的事項、二番目が経済的事項、そして三番目が事業実施関連事項という分野でございます。  技術的審査に関しましては、対象鉱区及びその周辺地域の地質状況などの分析に基づきまして、石油、ガスの賦存状況など鉱区の有望性あるいは探鉱開発計画の妥当性など技術的観点からこの審査をしているところでございます。  また、経済性に関しましては、技術的審査を前提としまして、所要の探鉱成果が得られた場合に期待される事業収支、RORと先ほど申し上げましたけれども、これを生産量あるいは開発投資額、原油価格、為替、インフレ率などを想定した上で算出をしまして、石油開発プロジェクトとしての経済柱を審査するわけでございます。  また、事業実施関連事項といたしましては、契約上の権利でありますとか契約条件とか、オペレーターである場合にはオペレーターとしての事業遂行能力、あるいはパートナーである場合にはそのパートナーの適格性というようなこと等、事業実施体制あるいは本邦への原油持ち込み等の可否、また対象国のカントリーリスクなどについても評価を行っておるところでございます。  こういったことで総合的な審査を行っているわけでございますが、この審査の中身につきましては、すべて、例えば地質図がどういうふうになっている、先ほどリモートセンシングでどうかとかおっしゃいましたけれども、それも含めいろいろ地震探鉱を行ったデータでありますとか、あるいは産油国との間のいろいろな条件でありますとか、こういったものというのは企業秘密というものに属するものかと思います。したがいまして、その審査の内容そのものを全部公表し、お出しするというわけにはこれはちょっとまいらぬかと思っております。
  105. 加藤修一

    ○加藤修一君 要するに、事業をするかしないか、進めるかどうかという観点から考えていった場合、当然取締役会で決めるわけですけれども、その審議の内容についてぜひ委員会の方に提出していただきたいと思うんです。  先日の長官の説明によりますと、第七番目で、「また、徹底した情報公開を行うとともに、」と書いてあるんです。「徹底した」ですよ。「最大限」というのも書いてありました、報告書の中に。ぜひ委員会の方に私は提出していただきたいと思います。
  106. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 例えば、産油国との関係におきまして、守秘義務などがあるようなものというのも多々ございます。そういうお出しできないような資料というのもございますが、お出しできるようなものをいろいろ考えて検討してまいりたいと思います。
  107. 加藤修一

    ○加藤修一君 ぜひ早急に出してほしいと思います。来年とか再来年とかそんな話にしないでください。なるべく早く、至急出していただきたいと思いますけれども、どうですか、その辺、約束できますか。出すには出したってタイミングがありますからね。
  108. 鎌田吉郎

    参考人鎌田吉郎君) ただいま新理事から申し上げましたように、産油国との関係で国家機密に属しておって言えないこと、あるいは企業秘密に関係するような事項、こういったことは除きまして、すべて公開するというのが私の考え方でございます。早急に、できるだけ早くお出しできるようにしたいと思います。
  109. 加藤修一

    ○加藤修一君 ぜひ委員会の方に提出をお願いしたいと思います。  それで、私は別の質問をしているわけでございますけれども、先ほど午前中の質問を聞いている中で、前通産大臣の論文の件がございました。それに対するエネ庁、石油公団関係の報告書がございますけれども、前通産大臣は、情報開示、出資融資、その審査体制の問題、あるいは会計処理基準の明確化、そういったものをすべきであるというふうに指摘していたわけでありますけれども、これに対しては報告書で十分なし得たというふうに考えていらっしゃいますか、どういう見解ですか。
  110. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 私ども、前堀内大臣の御指摘につきましては、それから国会でのさまざまな御審議につきましては、最大限ここで受けとめて、正面から対応してきたつもりでございます。
  111. 加藤修一

    ○加藤修一君 では与謝野大臣にお伺いいたしますけれども、つい先日の衆議院の委員会の方で、堀内通産大臣の指示に関しては事務方が一〇〇%達成していると、そういうふうに答弁にございます。あれは、手記の執筆後に出た報告書については前通産大臣納得していただけるはずであるというふうに御答弁されておりますけれども、前通産大臣にこの辺は御確認をしておりますか。
  112. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) それは、私どもは国会で先生方の御質問を受けたことに関しては直接お答えをするということは当然の義務であろうと思いますが、政治家が雑誌に発表されたものに対して、私どもはこれは国民にアピールしたものというふうに解釈をしておりまして、直接お尋ねがあればいかなることも私どもお答えをする立場にあると思いますが、雑誌等に出たものに関しましていろいろなお答えをするというのは、公の場所で先生方に、例えばこういう委員会で御質問を受けたものとはまた違うものだろうと私は思っております。  もともとこの検討委員会報告書というのは、まさに堀内大臣が指示をされたその方針に沿って作成した報告書でございまして、事務当局も堀内大臣の御意向におこたえできるように全力を挙げてこれに取り組んできております。私も概要の説明を受け、また一部は詳しい説明を受けましたが、これは堀内大臣の御指示なさったこと、要請されたことについて十分な答えを出していると、そのように判断をいたしている次第でございます。
  113. 加藤修一

    ○加藤修一君 いや、衆議院の答弁の中には、前通産大臣納得していただけるはずだというふうに、ある意味で一方的な表現のように私にはとることができるんですけれども、その点、確認されましたか。
  114. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) はずだということは、それはある種の推定を申し上げているわけで、その推定は根拠がなく、推定をしているわけでございまして、しかし、納得していただけるはずだというのは、別に何も私がそれを確認に行くという意味ではございません。
  115. 加藤修一

    ○加藤修一君 私は、できるならば前通産大臣参考人として来ていただくことも非常に大切だと思いますので、委員長、よろしくお願いをしたいと思います。  それでは次に、時間がございませんので、公団の財務諸表について、とりわけ引当金勘定についてお聞きしたいわけです。投融資損失引当金、こういうものがございますけれども、「内規に基づき、期末投融資残高及び期末求償権残高の百分の五十の範囲内で計上している。」、こういうふうに書いてあるわけです。百分の五十の範囲内と。確定した数字を言っているわけじゃないんです。普通、法人税法や何かについては法定の繰入率とか、そういったものを明確に定めているわけです。  あるいは、例えば貸倒引当金の勘定についても考えていきますと、法定繰入率については施行令の第九十七条で製造業の場合は千分の八、あるいは金融・保険業については千分の三とか、そのほかの事業については千分の六と、こういう形になっているわけです。そのほかの製造業は、要するに石油関係、これは入ると思うんですけれども。ただ、そういったことを考えていきますと、この場合は例えば千分の六の範囲内で計上している、確定していない。これは普通ちょっと考えられない話なんですけれども、この辺についてはどういうふうにお考えですか。
  116. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) この石油開発事業の投融資損失引当金と申しますのは、探鉱事業が不成功に終わった場合などに出資金や貸付金について損失を処理する必要がございます。そのために、将来発生するそういった損失に備えるために用意をするというものでございまして、御指摘のように、現在の繰り入れの方法というのは、毎事業年度末の出資金、貸付金及び求償権などの残高の百分の五を限度として繰り入れ、かつ繰り入れ後の引当金残高が当該事業年度末の出資金、貸付金及び求償権などの残高の百分の五十を超えないことという格好になっているわけでございます。  これは、最大の引当金の繰入額が百分の五十を超えない範囲内、つまり、百分の五十というのはそういう意味では限度額を示したものというふうに考えておるところでございます。  実際の運用としては、毎年度、受取配当金とか、あるいは貸付金利息など収入がございます、それから支出、いわゆる一般管理費等でございますが、こういったものを差し引いた額を繰り入れておるところでございます。
  117. 加藤修一

    ○加藤修一君 そうしますと、決算のたびにその辺の値は毎回毎回変わるということが想定し得るわけですけれども、どうなんでしょうか。
  118. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 御指摘のとおりでございます。  ただ、この投融資損失引当金につきましては、今般の石油公団再建検討委員会報告書によりまして、「石油開発事業資産の内容をより的確に評価し、表示するための一層明確かつ適切な引当金計上基準を策定」せよと、こういうことになっております。  それは、具体的には、当面の十年間かなりの確度を持って発生が見込まれると思われる損失の額を計上するということを基本として計上する、いわゆる個別算定法を採用せよということになっておりますので、平成十年度以降は収益のいかんにかかわらずこういった格好で計上することとしたいと思っております。
  119. 加藤修一

    ○加藤修一君 その確定した数値について、過去十年間の数値については提出できますか。
  120. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 今後十年間に見込まれるものということでございまして、これは平成十年度の決算過程においてやっておるところでございます。
  121. 加藤修一

    ○加藤修一君 それは決算で確定していますね。確定したやつについて出していただきたいということでございます。
  122. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) はい。引当金繰り入れの状況ということでございましたら、これは十年間、お出しをいたしたいと思います。
  123. 加藤修一

    ○加藤修一君 それでは、「重要な会計方針等」というのが石油公団の決算書の中にございますけれども、その中で、退職給与引当金、これも実は役員と職員を分けないでそのまま、「役職員の退職手当の支払いに充てるため、内規に基づき、役職員が自己都合で退職した場合の期末要支給額の百分の五十相当額」と書いてございます。役員に対しては「全額」というふうに書いてあるんです。これはどういうことですか。例えばだんだん収益が落ちてきた場合に、まず役員の退職の方については全額取ってその後職員とか、そういう話になりませんか、これ。こういう表現の仕方というのはちょっと理解できないんです。
  124. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 退職給与引当金は、御案内のように毎年の役職員の退職手当の支出に備えるものでございまして、先生指摘のように、今の石油公団の内部通達におきましては、当該事業年度末日における役員の退職手当要支給額の全額と職員の退職手当要支給額の百分の五十相当額の合計額を計上しているところでございます。  これは役員につきましては、任期というものが限られておりまして極めて短い格好になっておりますので全額を計上しておる。職員につきましては、五年、十年、二十年、三十年というようなところに分けていろいろな計算方法がございますが、そういった退職要支給額の百分の五十を計上しておる、こういうことでございます。
  125. 加藤修一

    ○加藤修一君 それは経営がだんだん悪くなってきた場合についても、役員については先に百分の百という形で取ってしまうわけですか。
  126. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 普通の会社と違いまして石油公団は無税でございまして、ここで幾ら退職手当を積むかどうかということにつきましては税金とかそういう問題とは一切関係がない話ではないかというふうに理解しております。他の一般の企業でございますと無税部分として幾らという格好になっているかと思いますが、そういうことではないということでございます。
  127. 加藤修一

    ○加藤修一君 はっきり言って、なかなか私には理解しづらいですね。午前中の答弁についても理解しがたいことがたくさんあるんですけれども、これは一回の審議に限らず、もう何回も、五回も六回も、やはり皆さんの方で徹底した情報公開とかそのようなことをきちっとやっていくという話になっているわけですから、私は審議をもっと続行してやっていくべきであることを主張しておきたいと思います。  それで、石油公団の損益見通しの分析結果についてお尋ねしたいわけです。これは午前中も福山さんの方から話があったわけですけれども、概要の十二ページに書いてございます。為替の関係とかオイルの価格とかさまざまな形のデータをもとにして将来の損益の見通しについて分析を行っているわけですけれども、全部の九十七社についてやっている。  私は、これをちょっとチェックしょうと思ったわけですけれども、なかなかチェックできない。これは検討委員会でつくったわけですね。ある意味では、それについて第三者が本当にこうなのかということをチェックしたいわけですよ。そのチェックするためには十分なデータがなければチェックできない。果たしてどういうふうにやっているんだろうかということを我々当然考えるわけですから、これは検討委員会で合理的にかつ将来のことを含めて考えて出したものですよ、信用してくださいと言われても、はいそうですかという形になかなかならないわけですよ。  では、本当に信用できるかできないか、それは我々がやっぱりそれなりのデータに基づいてチェックをしなければいけない。例えば、九十七社について分析を行ったわけですから、それ別の将来の生産計画がなければならない。それ別の生産計画、それを逐次出していただけませんか。そうしたら我々も当然検討できるわけです。
  128. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) この見通しにつきましては、実は通常の企業の場合でもそうでございますが、将来の経営状況を具体的にどういうふうに見るのかということ、それから非常に企業にとっての機密事項でございます。  ただ、そうは申しましても、欠損が非常に大きい会社でございますとか非常に貸している会社というものにつきましては、この本レポートの方の最後に各論をおつけしております。  それから、これは非常に難しい問題なのでございますけれども産油国との関係で、埋蔵量及び生産量というのは実は産油国にとっての機密事項でございます。
  129. 加藤修一

    ○加藤修一君 では、どうやったら我々信用できるんですか。
  130. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) それで、私どもは、ここにありますように、全体のものとナショナルプロジェクトの五社と剰余金のある十五社、もうかっている方と損が出る方という例を引きまして御説明したということでございます。  それから、もし必要でございましたら、何か分類を私ども考えさせてもらって、そういう形でお出しさせていただきたい。  といいますのは、将来の、二十年先の見通しということになりますと、企業との関係、産油国との関係、非常に微妙なところがございますので、そこは御理解いただきたいと思いますのと、その意味で何か工夫をさせていただいてというふうに思っております。
  131. 加藤修一

    ○加藤修一君 何か工夫は、そういうふうな言葉しか出てこないというのはよくわからないわけでもないわけですけれども産油国の話とか国家機密にかかわる問題だとかそういう言葉だけで逃げてほしくないです。なるべく私は出すような努力をしてほしいと思うんです。本当にそう思います。だって、これは将来の石油公団の根幹にかかわる話じゃないですか。  本当に収益が上がるのか上がらないのか。しかも先ほど私が申し上げましたように、石油公団法の総則の第一条に書かれている「低廉」という、そういった話にもつながってくる話ですよ。本当に大切なところなんです。その大切なところがそういった一言だけで、いやちょっと難しい難しいと。何らかの工夫はするというふうな答弁はございましたけれども、非常に私は大事なことだと思います。ぜひそれは鋭意努力してすぐにも出すように考えていただきたいと思います。  それと、私はもう時間がございませんから簡単に申し上げますと、要するに、今回いろいろな資料を読んでいきますと、内部規程、そういうことがいっぱい出てくる。その内部規程についてどういう仕組みになっているのか我々はほとんどわからない。そういうことについてもやはり情報公開という立場から委員会の方に提出していただきたいと思います。  それから、石油公団会計処理基準、これも明確にすべきだと思いますけれども、どういうふうに将来的に明確にしていくか、その辺の考え方もお聞きしたいし、それから先ほども申し上げましたけれども、投資、融資の判断、役員会の会議録、これを至急出していただきたいということです。  それから、出資先の会社の財務諸表、これはある話によりますと三メーターとか四メーターとかなるというふうに聞いておりますけれども、最近五年間だけでもよろしいですから、ぜひそれも出していただきたいと思います。  それから、天下りに関しても、午前中福山さんの方から話がございましたけれども、私も同様にこれについてはぜひ出すことを要求しておきます。  それから、今回の委員会の報告書委員会はエネ庁にもある、石油公団にもある、密接な連携のもとにつくられたという話でございます。でも、この報告書というのは内部だけでつくった話ですね。第三者がかかわってつくったとは言い切れない。公正な判断、そういったもとにつくられたものではないというふうに私は理解しているわけです。だから、外部の監査体制というのをやはりきちっとつくった上でやるべきものであるというふうに私は理解しておりますので、ぜひそういったシステムをつくっていくことを要求して、私の質問を終わりたいと思います。
  132. 西山登紀子

    西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。  文芸春秋に、前通産大臣堀内議員の告発というふうに私は思いましたけれども、ものが載りまして大変話題を呼んでいるわけですけれども、なぜこういう形で告発がされるのか、私は大変興味を持ったわけでございます。  先ほど与謝野大臣は、その文芸春秋のものそのものについては少し突き放したといいますか、一般論でお答えになったようなんですけれども、バトンタッチをされたのは非常に最近でございます。そういう点で、なぜああいうことをなさるのかなと、いろいろ私なりに勉強させてもらったんですけれども、実は堀内通商産業大臣が在任中の七月二十七日に衆議院決算行政監視委員会原田委員長あてに「石油公団現状分析と今後の対策について」という報告書を出しておられるんですが、いろいろ読み物として脚色されているわけですけれども数字だとかいろんな中身については、割合これはダブっている面があるんです。  そこで、文芸春秋は一応おきまして、与謝野大臣にお伺いしたいわけですけれども、バトンタッチされるときに、当然この報告について引き継ぎを大臣から直接受けられたと思うんですけれども、いかがですか。
  133. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 当然のことながら、堀内大臣がやっておられましたあらゆる業務について、口頭及び引き継ぎ書で私が引き継いだわけでございます。
  134. 西山登紀子

    西山登紀子君 この七月二十七日の通産大臣堀内氏の報告書を読んでみますと、その冒頭に、   石油公団経営内容については決算委員会で  もしばしば問題とされ、新聞紙上でも度々その  無責任経営指摘されたが、調査したところ内  容は極めて憂慮すべき状況にあり、一刻の猶予  も出来ない状態であった。多額な国民の税金を  使って、このままの経営を続けることは許され  ず、一日も早く対処し、存続意義のある石油公  団に再生を計らなければならないと思料する。というような指摘がされているわけでございます。  もちろん、私自身としてはこの堀内大臣と立場を異にする部分もありますけれども石油行政を含む通産行政の責任者であった方がこういう受けとめをされているということについて、大変私は関心を持っております。  与謝野大臣は、こういう指摘を受けとめて、検討委員会大臣就任以来どのような指示をしてこられたのか。検討委員会は六月十六日にできているわけですが、与謝野大臣が就任されて以降この報告書が出るまで、どういう御指示をなされたか。
  135. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 当然のごとく、前大臣大臣の職におられるときに事務当局に出した御指示でございますから、それを誠実に実行して検討委員会においてあらゆる検討を行って前大臣の指示にこたえるようにということは督励をしてきたわけでございます。
  136. 西山登紀子

    西山登紀子君 ですから、決算行政監視委員長に出された堀内大臣のこの報告というのは、もちろん与謝野大臣も全面的にそれを引き継がれたし、ここに指摘されている問題点がより深く分析されるように検討委員会に指示も与えてきたということでございますね。
  137. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 先生、この問題を考えていただくときに、物事の整理をする上で幾つか考えていただきたいことがあるわけです。  それは、大きく言って日本エネルギー政策の中で石油がどういう位置を占めるかということがまず第一でありまして、その日本の今後とも非常に必要なエネルギーをどういう形で確保していくのかという大きな視点からやはり日本石油政策というものを考えなければならないということは、私は大事なことだろうと常に思っております。  第二の視点というのは、そういう中で選択した政策として石油公団という組織をつくって大変リスクの高い分野に投資をしていく、あるいは融資をしていくということ、その是非についても考えなければなりませんが、私は、そういう大変リスクが高いけれども日本全体にとって避けがたい政策選択は、やはり石油公団のような公の組織をつくってそれを進めていくということは必要であったし、現在もまた必要であると思っております。  そこで、今問題になっておりますのは、投資をした先、融資をした先の会社が適正な経理を行っているのかという問題、またその投融資をしたときに適切な判断に基づいて投融資を行ったかどうかという問題が問題なのであって、そういうあらゆる観点から、検討委員会報告書堀内大臣指摘された点についてはこたえるよう精いっぱい努力をし、また堀内大臣の御指摘についてはこたえたものと私は確信をしております。
  138. 西山登紀子

    西山登紀子君 余り一般論じゃなくて、堀内大臣が七月二十七日に委員長に出した基本点というのは、単に経理面をどうのこうの言うだけじゃなくて、例えば自主開発石油一本やりの方針を変更していくというようなことだとか、不良会社の清算を行おうとすれば非常に大きな損失を負担しなければならない、計画的な処理を行うというようないろいろな点で四つの基本点が出されているわけです。もちろん、この四つの基本点すべて私が賛成するとかそういうことではなくて、かなり大胆に石油公団のありようについて、現在もそれから将来についても非常にメスを入れなきゃいけないという点が指摘をされているというふうに思います。  そこで、この報告書をお出しになった委員長であります稲川長官に確認をしたいと思うんですけれども、この報告書で国会やあるいは堀内通産大臣指摘した問題点に正面からこたえるためにどのような努力をされてきたのか、お伺いいたします。
  139. 稲川泰弘

    政府委員稲川泰弘君) 御指摘の前通産大臣報告書は四点の主な点がございました。  第一点、損益の見通しにつきましては、石油公団の制度が、不成功のプロジェクトによる損失を成功したプロジェクトからの資金回収、収益で補って、全体としての資金の回転を図るという考え方をとっております。この点を念頭に置きまして、まず公認会計士などの外部専門家の意見をも参考にしながら、石油開発会社からの将来の資金回収や収益確保の見込みを立てて石油公団の将来の損益見通しを行ったところでございます。  第二点は、出融資をしております石油会社の整理方針についてでありますけれども、これらの会社公団資金回収の見込みなどに基づきまして一定の基準を設けて分析を行ったところでございます。  第三が情報公開でございますが、高いリスクを負いながら行っております公団事業について国民の理解を得ることが不可欠という観点から、先般、平成九年度決算の中でかなり思い切った情報公開を行いましたが、今後、個別プロジェクトの採択の際などにも徹底した情報開示を行うこととしたほか、監査法人の意見を参考にしつつ経理基準の見直しを行ったところでございます。  第四は業務運営でございますけれども、最新のリスク評価手法の導入などによる審査基準の一層の定量化、事業運営方針の策定などによってさらに効率的な業務の運営を図るという方向を定めたところでございます。
  140. 西山登紀子

    西山登紀子君 午前中の議論にもありましたように、内部のメンバーでやったということで、お手盛り報告だというような御批判もあるようですけれども、私も読ませていただきまして、結論が非常に甘い、十分分析がされていない。公認会計士というお話がありましたけれども、そういう部分的な外部の人の導入ということだけでは十分な分析はなされないというふうに指摘をして、次の質問に移りたいわけです。  結局この報告は、現在の成功払い、いわゆる探鉱融資制度についてはそのまま認めた形の報告書になっているわけです。私たち日本共産党は、石油公団の仕組み、運営につきましては、設立当初は石油開発公団というふうに呼ばれていたわけですけれども、この公団の成功払いの探鉱融資制度そのものについて当初から問題が多いということで反対をしてきた経緯がございます。  石油開発というのは大変リスキーな事業だということは承知をしているわけですけれども、このリスキーな事業に国民の税金を注ぎ込んで、仮に事業が失敗しても成功払いということで、失敗した場合にはもういいよということでございます。ですから、石油会社は何ら責任を追及されないというところから、プロジェクトの選定にも非常に甘さが出てまいります。そして、むだ遣いになるおそれがあるということをたびたび指摘してまいりました。この報告書の中でもその実態が浮き彫りにされているのではないかと思います。  石油公団がこれまで支援した会社二百八十三社のうち、解散などで事実上倒産した会社は百六十社、半分以上。支援中の百二十三社で見ても、生産中・生産準備中の四十七社でも三十四社は欠損金を計上している。解散準備中の会社も八社あるということ。探鉱中の六十八社も見通しが立っていない。こういう報告報告書の十八ページのところにされております。  設立以来三十一年です。この間に出資された額は、税金は約一兆二千億円、欠損は四千百六十六億円、こういう税金が損失になった。石油開発はリスキーであるということは十分承知だけれども、これは国民にとって余りにもリスクの大きな事業をやってきた、こういうことがこの報告書で明らかになったのではないでしょうか、大臣
  141. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) そんなことは私は決してないと思っております。  と申しますのは、日本人が一年間に使う石油の量、またそのために支払っている代金の総額をお考えいただければ、先生が言われた四千億というのは、私は、全部成功すればそれはそれにこしたことはないわけでございますが、石油を掘ること自体が、掘れば必ず石油が出るというものでもございませんし、またその報告書にも書いてありますように、その報告書の中で一番悪い条件で将来の見通しを見た場合、すなわち為替も不利に動き、あるいは原油価格も不利に動きという極端なケースと、それから原油価格も上昇し、為替もいい方に振れたという二つのケースをその中に書いてございます。  そうしてみますと、それでは、国あるいは公の機関がそういうリスクを背負わないで一体だれがリスクを背負うのかという問題はやはり解決しなければならない問題でして、そういうもののリスクは一切だれもとらないという世界をつくり上げますと、結局は外国の石油会社石油資本に日本が永久に依存するということになるわけです。日本人がみずからの手で海外に行って探鉱開発をやって自主的に原油確保する道筋をつけようとしてきた努力というのは、正当に評価されるべきですし、また今後ともそういう努力は継続されるべきものだと私は思っております。
  142. 西山登紀子

    西山登紀子君 与謝野大臣はいわば全面的に今の石油公団のありようも含めて問題がないというふうな、むしろ効果的だと、国民にとって益がある、こういうふうにお答えになったように私は受けとめたんですけれども、しかし四千百六十六億円というのは非常に巨額でございます。平成十年度の中小企業対策費全体の額でも千八百五十八億円でございますので、いかに巨額のお金が損失になっているのか。これはやはり心を痛めるべきだと思います。また、だれがリスクを負うのかという御意見ですけれども石油の総輸入量のうちの自主開発は今一四・九%でございます。その他の八五%はそうではないところからの輸入ということになっているわけですから、この制度がなくなれば全く石油がとまってしまうような御議論というのは少し乱暴過ぎると思います。  それで、次に移りますけれども、六十年以降、設立企業が数倍にふえ、しかも成功例は非常に少なくなっています。これはまるで税金のばらまきじゃないかという批判もありますし、また非常に安易なプロジェクトの設定があったんじゃないかという批判もありますけれども、どうしてこうなったのですか。
  143. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 先ほどの先生の御指摘でございますが、確かに石油公団ができまして三十年間で不成功に終わったものについての損失を石油公団は出しております。それが四千三百四十二億円でございます。一方、その間、受取配当金でございますとか利息とか……
  144. 西山登紀子

    西山登紀子君 いや、質問していないことに答えていただかなくていいです。
  145. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) そういうことでございまして、私どもは国からお預かりしたものについて、これを有効に使って減らさないということでこのたびの報告を申し上げたところでございます。  今の先生の御質問についてお答えいたしますと、六十年以降ということで会社の数がふえております。従来、年平均四社程度でありましたけれども、その後十五社程度にふえております。  これは理由があると私ども思っておりまして、ソ連が崩壊した後、旧共産圏が非常に鉱区開放を行い始めまして、そういう意味鉱区開放が活発になってきたということ。それから、石油精製とか元売の企業が石油開発に本格的に参入してきたということでございます。それから、石油価格が下がったものですから、メジャーにおいてすら国際コンソーシアムといいまして、各企業をみんな寄せ集めて一緒にプロジェクトを組んでやっていくというような国際コンソーシアムによります共同探鉱が国際的傾向になりまして、そういうところに日本企業が参加するようになったこと。それから、だんだん時代がたってまいりますと、これから開放される鉱区というのが例外的なものを除きますと非常に小さく、小規模なものになってきた、こういうような事情があると思います。  また、六十年以降設立されました会社について不成功に終わったものが多いのではないかという御指摘でございますけれども、これも報告書数字を出してございます。確かに成功会社のパーセントが減っております。これはやはり石油そのものが全体的に世界的に埋蔵量がだんだん少なくなっていくという中で、石油探鉱、見つけ出すこと、それが非常に難しくなってきておることの反映、それから油の価格が下がっておりますので、採算性という形からしてもなかなか難しくなってきている、そういうものの結果であろうかと思っております。
  146. 西山登紀子

    西山登紀子君 今御説明いただいたわけですけれども、その説明をお聞きいたしましても、結局、成功払いで七割までは税金で出してあげて、失敗しても責任は問わないよというこの成功払いの今の探鉱融資制度、それがあるために、世界的にもうかるような機運が出てまいりますとそこにどっと参入してくる会社がふえて、そしてその審査を非常に甘くやるということから、こういうたくさんの会社が設立され、そしてたくさん消えていく、そして損失は国民が負う、こういうことになっていると思うんです。ですから、私は、この今の成功払い探鉱融資制度そのものの非常に大きな問題点を明らかにしていくことが必要だというふうに思います。  それで、時間の関係から、二つあわせて大臣お答えいただきたいわけですけれども、この成功払い探鉱融資制度というのは、例えば会社の方は三割程度の自己負担があるんだというようによく政府は言われるんですけれども、しかしこの三割程度の負担を一体幾つの会社で分け合っているのかということを少し私は注目したいわけです。  ナショナルプロジェクトのいろんな会社があるわけですが、例えばジャパン石油は三百二十七社が集まっている、日中石油は四百十二社、北極石油は四百六社、日本インドネシア石油は三百九十五社、サハリン石油は百三十一社ということで、石油公団を除いてですが、たくさんの数百という会社が一緒になってプロジェクトに参加をしております。ですから、もし損失が出た場合のその三割の負担というのは、一社当たりにすれば非常に額が少なくて済むというふうなことになるんじゃないかなと思います。  ですから、こういう成功払いで失敗しても責任は問わないというやり方、そして参画企業が非常に多いためにその損失も非常に少ない、こういう今の制度が非常に問題が多い、税金のむだ遣いになるというふうな点はどうですか、大臣のお考えは。
  147. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) ですから、先生のお考えのもともとのところに、日本経済というのは大きく石油に依存している、やはりその石油をどう確保していくのかという点にも着目して、ぜひいろいろなことをお考えいただければと思っております。  時間がありませんので簡単にあれしますが、ナショナルプロジェクトは、開発原油確保及び産油国との関係強化にもちろん大きな貢献をしているわけでございます。しかし一方で、一九八六年以降、原油価格の大幅な下落や円高により経営困難に直面しているということもまた事実でございまして、また、多数の民間株主の参加と、会社運営に責任を負うべき幹事会社が不在であったことがその後の経営困難を招いたという御指摘も一部ではあることも事実でございます。現在は、石油公団において、中核となる民間会社の責任が明確な形でプロジェクトが推進されることを重視してやっているところでございます。
  148. 西山登紀子

    西山登紀子君 今例えばいろんなプロジェクトに数百社が参入しているというこの事実を私は勉強したわけですけれども、これはまるで何か甘いみつにアリが群がっていくという、そういう、これは印象ですけれども持ったわけです。まじめに石油を掘る、見つけるということをやるんじゃなくて、何か投機的なというか、当たれば一獲千金だというふうな形でたくさんの会社が参入する。こういうところにまで国民の血税をこんな形で使い続けていいものかということを私は思います。  また、引き続く議論はきょうだけではなくて続けていきたいというふうに思うわけですけれども質問を先に進めさせていただきたいと思います。  この各プロジェクト評価する場合に、経済的な側面、それから技術的な側面、両方から審査するというふうになっているわけですけれども石油業界の協力なしにはこういう評価をすることは大変難しいと思いますが、石油公団石油業界のこの協力状況はどうなっていますか。
  149. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 石油業界とおっしゃる意味が申請をしてくる開発会社ということの意味であるとすれば、私どもは、業界の企業から申請を受けまして厳正な審査をしているということでございます。
  150. 西山登紀子

    西山登紀子君 申請してきた企業以外の石油業界との協力状況はどうなっていますか。ありませんか。
  151. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 石油開発業界全体の組織といたしまして石油鉱業連盟というものがございますけれども、そういうところとの情報交換というようなことは定期的に行っておるところでございます。
  152. 西山登紀子

    西山登紀子君 次に、各委員も要望なされたわけですけれども、私もいろんな資料を要望したいと思います。  この報告書の中に、石油公団の将来の損益見通しというのを出しているんですけれども、そのバックデータを出してほしいと思うんです。そうでないと、なかなか不確定な要素が絡んで、そして結論づけて、石油公団は大体これでいけるんだというような報告が出されているわけですけれども、それでは少し、そのままうのみにするわけにはいかないので、原油価格や為替の予測をなさっているわけですけれども、そのバックデータを出していただきたいと思いますが、どうですか。
  153. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 先ほども御答弁申し上げましたように、個々の企業のこれから二十年の具体的な生産量というところまでになりますと、企業秘密、それから産油国の国家機密の問題もございますので、いろいろ御相談させていただきまして工夫させていただきたいと思います。
  154. 西山登紀子

    西山登紀子君 そこで、委員長にお願いをしたいわけですけれども、前通産大臣が文芸春秋でああいう形で告発されるというのは、よほどの決意があり、よほどの理由があったというふうに私は思います。  中身を読ませてもいただきましたが、いろいろな点で、例えば、これはむしろ私たちがいつも指摘をしているような、「この天下りの実態を見よ!」だとか、「通産省石油公団開発会社の三者のなれあいによって厳しい監査も業務のチェックもできないのは当然」だというふうな言葉があったりいたします。そして、石油公団の問題というのは、この文芸春秋で前大臣が言っていらっしゃるのは、「国民の税金を使っているという責任感の欠如、それに伴う数々の不明朗な会計処理、そしてそれらが不正にもつながるということを認識していないことが明らかであり、こういう体質経営を悪化させ、積もり積もって一兆円を超す不良債権を生みだしてしまったということをまず明確にしなくてはなりません。」というようなことをかなり厳しく指摘をされています。  この真意、それから前通産大臣がいろいろ努力をされてきたことについて、やはり当委員会でも参考人としてお呼びしてお聞きすべきじゃないかと思いますので、その点について理事会で御検討いただきたいのが第一点。  それからもう一つ、けさ、日本共産党が十五項目にわたる資料要求の第一次分を理事会に出させていただきましたけれども、これは先ほど来、各委員も要求していらっしゃるものもあればそれ以上のものもございますので、ぜひ検討していただきまして、委員会で請求できるように委員長の方でぜひお取り計らいをいただきたいと思います。  最後大臣に、こういう問題について、まだ国会の審議も始まったばかりというふうなことでございますので、よりこれからしっかりとメスを入れて、引き続き国民の期待にこたえていただきたいという点での御決意をお伺いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
  155. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 私は、先生にまず、日本も現在のような自主開発原油確保していくという必要性はぜひ御理解をしていただきたいと思います。  ただ、石油公団が投融資を行う場合に、まず第一には、石油鉱区を獲得するということはなかなかの難事業でございます。これは、よその国に行ってよその国の地面の権利をもらってくるわけですからなかなか難しい。ただ、投資や融資を始める前には、石油がありそうな場所、なさそうな場所というのは地質学の問題としてあるわけでございます。地質学も、従来のいろいろな地質学のほかに、地震探鉱も発達してまいりましたし、その他のいろいろな技術も発達してきておりますから、そういう今入手し得る最新の技術、あるいは科学的なデータに基づいて、そこに石油が賦存する可能性があるかないかということについてはやはり十分検討をして投融資を始めるべきだ。  しかし、そうはいっても、科学的データだけで全部判断できるという問題ではなくて、やはりそこには経営判断というものも入ってくるということは当然でございますが、投融資を開始する前に、あらゆる知見を駆使して適切な判断をしていくという努力をすることは大事ですし、また仮に石油が見つかった場合に、さらにそこに投資をしていくかどうかというときには、採算性とかあるいは将来性とか埋蔵量とか、あらゆることを検討しながら投資を行っていくということが大事なんであって、これについては引き続き石油公団を初め御関係者の皆様方に、日本の必要とする石油確保するという大事な国の政策、これの遂行に当たっては、そういう十分な注意を払いながらやっていかなければならないということは今後も十分注意を喚起してまいりたいと、私はそのように思っております。
  156. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 委員長への二点の要請につきましては、理事会で協議いたします。
  157. 梶原敬義

    梶原敬義君 エネ庁に聞きますが、石油資源というのは、私も国会に来まして、これはやがて枯渇していく、大変なことだとずっと思っておりました。私なりに資料がありますが、石油埋蔵量石油価格の見通し、最初にこれについて簡単にお聞きしたいと思います。
  158. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 埋蔵量でございますが、最近のオイル・アンド・ガス・ジャーナル社の見通しによりますと、非常に権威がある見通しでございますが、現時点で四十三年というふうになっております。  また、将来の油の価格でございますが、OPECの増産、今減産に入りましたけれども、そういう状況で非常に低い水準にございますが、少し長期的に見た場合には、十五、六ドルが最も底で、それ以上、二十ドルから二十三ドル、二十五ドルというさまざまな予測がございます。  以上でございます。
  159. 梶原敬義

    梶原敬義君 皆さんの報告書に目をざっと通しましたら、一バレル当たり十六・一ドルから二十・七ドルで試算をして、二十年後ですか、二〇二〇年ごろには公団の採算はこうなるというふうになっておりますが、私は、これは当然もっと上がる。価格というのは、通産省の見通しよりもこれはもっと高く日本の将来のために見ておって、そして公団のためだけに使う資料じゃなくて、日本全体の経済の運営上ある程度、相当見通しを立ててこれはやっていかないと、狭い範囲で見ておると、本当に気がついたときには遅かった、こうなりかねないことを最初に私の意見として申し上げたいと思います。  それから、前の通産大臣も、よくここでこうして質疑をやっておりまして、人となりはよくわかりましたんですが、三メーターに及ぶ開発会社の資料を一人で見たというようなこの月刊誌の記事を本人が書いております。どうも通産省の担当者は、今考えてみると、堀内通産大臣が一生懸命検討するときに、もっと役人として大臣を補佐してやってもよかったんじゃないか、このように思います。いや、やりましたというのならまたお聞きしたいと思いますが、それが一つ。  それから、今私ずっと読んでみましたら、石油公団の中で粉飾決算等という言葉が何度も出るんです。それから、不可解な貸付金、棚上げ利息棒引き、大臣の決裁は知らないところで判をついておる、こういう問題。それからもう一つは、最大の問題、ジャパン石油開発、粉飾云々、なれ合いによる経理操作は許されないということがあります。  二番目にお聞きしたいのは、公団で粉飾決算、要するに正規の会計原則にのった、計算上、粉飾決算ありやなしや、その二点、お聞きしたいと思います。
  160. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 石油部長といたしまして、前大臣とは本問題について長時間議論させていただきました。  第二の御質問でございますが、石油公団の粉飾決算ということでございますが、私どもは、通産省が協議を受けたり財政当局と相談をしたり、それぞれについてルールに沿って処理してきたものではないかというふうに思っております。  ただ、そういうことにつきまして、これまで累次御質疑がございますように、対外的に一切そういうものが公表されていないといいますか、わからないということは確かに対応が不十分だったと思いますので、今般の報告書におきましては、いろいろ指摘されているものにつきまして、それぞれについて私どもの考え方をここに記したものでございます。
  161. 梶原敬義

    梶原敬義君 これは公団に答えてもらった方がいいと思うんですけれども、この委員報告の中にはその決算の会計処理上等問題があるというところは一カ所も出てきていないんです。ところが、前の通産大臣は、これは当然会計処理上は粉飾に値するというような点の指摘が幾つか出ております。問題は、その点は非常に大事なんです。ですから、そこがあるのかないのか、それだけ。
  162. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) これまでの公団の決算のやり方ということにつきましては、いろいろな国のルールにのっとりましてやってまいったつもりでございまして、これについてはまた監督官庁あるいは会計検査院というところの検査も受けておるもので、私どもは粉飾というようなことには当たらないというふうに思っております。  ただ、結果的に投融資先企業との間で若干の数字の誤差が出てまいります。これは、例えば原価法を採用するか低価法を採用するかというようなところで、それぞれの企業によって選択をするというようなところにおきまして若干のずれが出てきたということは、これは事実、堀内大臣の御指摘のとおりでございます。できるだけそういうものがないようにこれから改善していこうという意味においては、九年度決算におきましても有価証券の評価の方法とかそういうものにつきまして改善を図ったところでございます。
  163. 梶原敬義

    梶原敬義君 会計検査院、おいでですか。  会計検査院としたら、当然堀内大臣のこの月刊誌の記事も読んだと思うんです。私が言うように、今、決算上の処理の仕方として問題があるかないかということについてはどのようにお考えですか。
  164. 小川光吉

    説明員(小川光吉君) 会計検査院は従来、検査をやってきたところでありますけれども、今回の堀内通産大臣の発言あるいは記述の内容については最近でございましたので、出資会社公団とのそごの問題、そういうものについではまだ確認を行っておりません。
  165. 梶原敬義

    梶原敬義君 検査院にちょっと物申しますけれども、防衛庁の調達問題でもしかり、この問題でも、大臣指摘するというのはよほどのことがあると思うんだけれども、最近の会計検査院、私も前よく決算委員会で会計検査院の報告書も読みまして、日本会計検査院というのは立派だなと、こう思っておったんだけれども、どうも最近抜けていることが多いんじゃないか、こう感じてしょうがないんです。  こういう問題、防衛庁の問題にしてもこの石油の問題にしても、巨費というか大きな金が動くところにはやっぱり言われているようにどうしても悪がはびこる可能性が強いんですよ。小さいところを会計検査院は見つけてよく指摘をしているような例はありますが、こういう本当に大きな巨費のかかっているようなところにやっぱりもっと鋭くメスが入るべきだ。そうしますと、私たちは、あなた方がしっかりやってくれれば、何も国会でこんなことを一々やる必要はないんですよ。国の行政のやることを信用し、会計検査院がそれを裏づけると、こうなら一番いいわけですが、その点については会計検査院に本当に少し失望しているんですが、本件に対してどういうような感想を持ち、どういうような態度でこれから臨もうとしているか、決意を伺いたいと思います。
  166. 小川光吉

    説明員(小川光吉君) 本件の公団の不良資産と申しますか、そういう問題につきましては、五十一年度の検査報告公団石油開発融資資産の中に、探鉱事業が不成功に終わり休眠会社となっている会社に係る多額の不良債権が含まれていることを問題として取り上げているところでございます。  しかし、昨年十二月の国会での議論を踏まえまして、通産省当局、石油公団では石油公団再建検討委員会を設置されて、制度改善あるいは情報公開の徹底を図ろうとされているものと思います。  本院としましては、当局の制度の改正状況あるいは情報公開のあり方など、もちろん十分に留意しまして、今ここで行われている議論等も踏まえ、また、担当職員の資質の向上を図るなどして検査の観点やあるいは検査の方法などにさらに創意工夫を加えて今後は実施してまいりたいと、そういうふうに考えておるところでございます。
  167. 梶原敬義

    梶原敬義君 石油公団というのは国費一〇〇%の特殊法人です。これは会計検査院が入るのは当然ですが、それぞれ公団から開発会社にも五〇%までは行かないが相当程度出資をしておりますね。それは直接じゃなくて間接的に公団を経由して国の金が開発会社に行っているわけですから、この点についても会計検査院は一歩踏み込むべきだと思うんですけれども、それはいかがですか。
  168. 小川光吉

    説明員(小川光吉君) 今お話しになりましたように、石油公団では出資をされているわけでございまして、我々からいたしますと孫会社というようなことになるわけでございます。そういうところにつきましては幾つかの会社、スタッフの量の問題もございますのですべてというわけにもまいりませんけれども、幾つかの会社について検査を実施してきているところでございます。
  169. 梶原敬義

    梶原敬義君 公団総裁に言いますが、こういう情報公開の問題ですから、あなた方は直接出すというのは、企業の秘密とかなんとかいう問題で先ほども何度も答弁されておりますが、会計検査院には一部始終全部それは出していいんでしょう。協力できるんでしょう。その点はいかがですか。
  170. 鎌田吉郎

    参考人鎌田吉郎君) あらゆる情報を会計検査院には御提供できると思います。
  171. 梶原敬義

    梶原敬義君 それは開発会社もひっくるめましてやれますか。
  172. 鎌田吉郎

    参考人鎌田吉郎君) 含めてできるというふうに考えております。
  173. 梶原敬義

    梶原敬義君 会計検査院の小川局長、こういう問題は、通産省公団側から見ると当然だと主張したいかもわかりません。一方ではこういう疑惑がある。だから、そういうことを一番よく検査をして指摘をしてやれるというのは、日本の場合はそれは力量からいっても会計検査院です。だから、今言われましたように、本件の、前の大臣指摘した中身等について十分そちらでやってもらって、そして決算委員会等で皆さんが特別報告をするとか、国会に報告するとか、こういうようなルールというかやり方を早く確立をした方がいいと思うんです。この点についてはいかがでしょうか。
  174. 小川光吉

    説明員(小川光吉君) こういう場での議論でありますとかいろいろなことを勘案して、できるだけそういうふうな形で今後検査を実施してまいりたいというふうに思います。
  175. 梶原敬義

    梶原敬義君 通産大臣、前大臣のときには通産省エネルギー庁以外、全部これは余談の話になりますが、堀内通産大臣はよく仕事をされたと思うんですが、余り協力体制がなかったと、こう通産省全般に言っております。今、いかがでしょうか、大臣
  176. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 堀内通産大臣のもとでもそれぞれ部署の担当者、責任者は大臣の命に忠実に従ってあらゆる仕事をし、作業をしていたわけでございまして、故意に仕事をしなかったとかそういうようなことは一切なく、堀内大臣の御指示と御命令に従って資料を作成し、資料を提出し、情報を収集し、大臣のやっておられるお仕事にあらゆる面で協力してまいったわけでございます。もちろん、それは役所の人間としては当然のことでございまして、今もまた堀内大臣の時代も同じ態度で大臣に接しているということであります。
  177. 梶原敬義

    梶原敬義君 もうやめますが、問題は、石油資源というのは、先ほども話がありましたように、四十二年じゃなくてもっと早く、石油ショックが何度もこれから恐らく二十一世紀に入ったら繰り返し来ると思います。これは、今のままどんどん石油をたいてあるいは車が走って、世界じゅうこういうことですから。  この前言いましたように、三井鉱山をなくするとき大牟田に行きまして、国会から最後の視察に行ったときに私は大牟田の会社の皆さん方に質問したんです。石炭がなくなる、こんなことをかつて戦後あなた方は想定したことがあるかと言ったら、だれもないと言うんです。だから、石油も今のままどんどん世界じゅうが消費をしておりましたら、これはもうもちませんよ。これは何度も来ますよ。  だから、そういう意味では、石油確保することも大事だけれども、省エネ、消費、これをやっぱり大事にして少しでも資源を延ばしていくように、民族、世界の人々のためにそういう努力をやる、あるいはもう少し新エネルギーに対して石油公団にかかる費用の半分ぐらいは投入してどんどんやっていく。これは何も原子力を言っているんじゃないですよ。こういうようにひとつ希望して、質問を終わりたいと思います。
  178. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 段々の議論を聞いておりまして、大変残念なことですが、これは大臣は答弁必要ないですけれども、私がかって十七年通産の諸君たちとやっていたときのことを考えると、昔日の感です。まことにもってだらしがない。まことにもって、綱紀が緩んでいるというか、それは鎌田総裁、先輩おられるが、私は本当にそういう意味では非常に情けないことだなと思います。石油公団の問題というのは石油公団の問題じゃないですよ。即通産省エネルギー庁の問題です。そういう意味においては、歴代のエネ庁長官鎌田総裁もその一人だが、緊張感が足りていなかったということだと思うんです。  私はこの報告書をちょっと見て、正直に言って、よくもまあここまでほったらかしたものだなと。これは国鉄と一緒だよ。私、きのうまでやっていたし、それは銀行だって同じだ。そういう意味ではまことにもって反省をしなきゃならぬ。  エネ庁長官は今たまたま長官のところに座っているだけで、これは役人としては災難の一つでしょう。しかし、さっきの梶原先生質問の中の堀内さんの話じゃないが、役所というのは、心が通うと思っていたら通っていなかったり、通っていないと思ったらとんでもないところから通っている、水が入ってきたり、いろいろありますよ。ありますけれども、私は、この石油公団の問題というのはエネ庁、まだほかにもいろいろあるわけで、出先の公社、事業団、公団、これは与謝野大臣、ぜひあなたの在任中に本当にそういう意味では一回きちんとした方がいいと思います。僕はそれに本当に心から期待したい。  そうでないと、通産省になれていない人が来たり、関係がないとは言わないが、そういうことが結局、就任した大臣がひがんで、そんな週刊誌だか何誌だかわかりませんけれども、私は実はもうそんなものなんか読まないことにしているんですよ。そういう意味では、今後のことが極めて重大だと思いまして、私はまさに情けない気持ちであります。  そのことをまず冒頭に申し上げて、とにかくきのうになってから質問せよということなものだから何にも用意していないんですが、この報告書を見た中で幾つかの疑問点をちょっと指摘してみたいと思うんです。  なぜナショナルプロジェクトがこんなにうまくいかなかったか、これはたるんでいたからだけれども、基本的には。それはそうじゃない、首をかしげることないよ、君。だって、本当に取り組んでいて、これほどまでにだめにしなくたって、途中でやめたっていいんだから。ナショナルプロジェクトだと思うから、親方日の丸だと思うからやって、突っ込んでいったんじゃないの、そうだろう。そういうところがいけないと言うんですよ。  僕は石油公団とは何の関係もなかったし、何のあれもないけれども、とにかく、しかしこの報告書を見てみて、ナショナルプロジェクトであるならば成功しなきゃならなかったのがナショナルプロジェクトであるがために成功していないというのだから、こんなばかげた話は日本じゅうないですよ、石油公団ぐらいのものです。  しかも、相手の国があるわけでしょう。通産省が背景となって、国のエネルギー政策を背景にして、そしてどこに石油があるのか、あると見たからしかかっていく。それは直接やれるところもあるし、あるいはまた企業に奨励するところもある、それで取り組んでやるわけでしょう。それがもし途中でというかほとんどがだめになる。日中関係もその一つ、やめる、中国との話も。それはだめなものはだめでいいでしょう。しかし、決していいものは与えません。  日本通産省というのは、エネルギー庁もやっているけれども通商産業政策なんでしょう。要するにバランスをとってやっているわけでしょう。だから、そういうことを考えたら、こっちはこっちでもって進めていく、こっちがだめになっても平気だと、そういう考え方で、この報告書も極めて短絡的にだめなものはだめですなどということであるように見えるが、そういう意味でも非常にバランス感覚が通産省の現職の職員たちになくなっている。私はそう思いますよ。これは、後のそれぞれの国とのフォローというか、そういうこともなかなか容易じゃないと思います。  鎌田総裁、小松さんの後を引き受けて、久しぶりに会ってみてちょっとやせたかなと思って、気の毒だし同情もするが、しかし、厳しく石油公団の歴代の総裁に対しても私はこの場から申し上げたい。とんでもないことをやったと思うんです。それはやってみなきゃ、掘ってみなきやわからぬというのは、別に揚げ足をとるわけじゃないけれどもまさにそれはそのとおりです。だからこそ日本の国策でやったんです。そんなことはわかっている話です。しかし、それにしてもずさんですよ。この責任は、これは私が与党にいたって部会でもこんなものは悪いけれども黙ってなんか見過ごさない、はっきり言いますけれども。  今、あなたが総裁になって一番の問題は何ですか。この帳じりを合わせることが一番大変ですか。それとも内部でもって機構改革とかあるいは審査する査定基準をつくっていくとか、そういうことが大変ですか。鎌田総裁にちょっと聞いておきましょう。
  179. 鎌田吉郎

    参考人鎌田吉郎君) 今回の通産省報告書によりまして、これから石油公団として取り組むべき重要な課題を数多く指摘されているわけでございます。これをとにかく早急に実行に移したいというのが私の気持ちでございます。  例えば、一番最初に必要なのが、今回ナショプロ三つを含めまして十三社を整理するという方向が打ち出されているわけでございますけれども、ナショプロ、非常に大きなプロジェクトでございまして、民間の株主も多うございます。そういった方との調整、あるいは今先生から話がございました産油国との関係、こういった調整、もう既に取りかかっておりますけれども、とにかくこれに早くめどをつけたいと思っております。  さらに、ただいま先生からお話がございましたように、より効果的、効率的な事業運営体制を目指して積極的に前向きにいろいろ改善していくということも必要でございます。そのためにいろいろな仕組み、事業運営方針を新しくつくるとか、外部の有識者に御参加をいただきまして経営諮問会議をつくるとか、海外のコンサルタントを活用するとか、いろんな手だてを尽くして考えていきたいというふうに思っている次第でございます。よろしくお願いいたします。
  180. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 この一番最後のところに「審査基準の一層の定量化」というふうに書いてありますけれども、これはさっき言ったことと裏腹で矛盾するように聞こえると困るんだが、審査基準を余りきつくしたら、そんなものは別に公団に頼まないでもいいわということになる。だってそうでしょう。そこのところは非常に難しい問題だと思うんです。  さっき大臣が答えておられましたが、今探査衛星その他で相当な確度の高い情報というのがとれるわけです、調査ができるわけです。そういうものに基づいてやって、最近の出資している会社が非常にうまくいっている、こういうことでしょう。どうですか、総裁。
  181. 鎌田吉郎

    参考人鎌田吉郎君) 探鉱技術の面では、石油公団石油開発技術センターというのがございまして、海外の研究機関とも連携しながら新しい探鉱技術の開発に努めておりまして、これを積極的に私どもの投融資先の開発事業に活用していただくということでやっているわけでございます。  ただ、囲えば地震探鉱にいたしましても、従来二次元でございましたが、これを三次元でやるとか、それから井戸の掘り方も垂直じゃなくて水平に掘っていくとか、いろいろな新しい手法をどんどん活用いたしております。  ただ、それにいたしましても、やっぱりリスクは残るわけでございます。実は先ほども通産省から御説明を申し上げましたけれども、一九八五年以来今日までの新規採択案件を調べてみますと、八六%が海外の企業、これはメジャー中心でございますが、一緒にコンソーシアムを組んでやっているプロジェクトでございます。つまり、八六%がメジャーと私どもが同じようにリスクを負担しているということでございまして、そういった難しさがあるということはぜひ御理解賜りたいと思うわけでございます。
  182. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 公団の改革と今後の期待は、エネ庁に期待するんじゃなくて、要するに新しい鎌田総裁が誕生した、新しい体制で石油公団の信用を回復して、あるいはまた期待をつないでやっていくようにしなきゃいかぬと僕は思います。そういう意味では、ぜひそういった小さい問題も大きい問題も全部一回内部を本当に精査してみる、今度は鎌田総裁の後に行った人が仕事がないぐらいにひとつやってみたらどうか。  その話のついでに、ちょっと気になることがあるので聞いておきますが、別段特別な個々のことは申しません。いわゆる成功している融資先の会社、それから成功していない、これから店を閉じようという会社、みんなそれぞれ子会社を持っている。その子会社、さっきは監査の話だったけれども、その孫かひ孫になるのか知らぬけれども、そういう子会社の実態まで公団は、僕はこれだけ長くやっていても石油公団の機構というのは知らぬのです、そういう子会社との関係のポジションというのはあるんですか、融資先の子会社ですよ。
  183. 鎌田吉郎

    参考人鎌田吉郎君) 私どもの投融資先の企業は二種類ございます。一つプロジェクトカンパニーでございまして、ワンプロジェクト・ワンカンパニー、こういうプロジェクトカンパニーの場合には原則として孫会社への投資はございません。  ただ、産油国の法制との関係あるいは税法上の関係で、現地法人をつくりまして現地法人を使ってオペレーションをするとかそういうことが必要な場合がございます。そういう場合に限っては、私どもは全部チェックいたしておりますけれども、例外的に出融資先のプロジェクトカンパニーが出資する場合があるということでございます。  それからもう一つは……
  184. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 ちょっと違うんだよ。出資した会社は当然、その会社の子会社、そういうところまで把握していますかと聞いている。
  185. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 総裁が申し上げようと思いましたのは、インドネシア石油のようにインドネシアで成功した、それが例えばほかの地域に投融資をして新しい開発をしようという場合に、これは子会社として会社をつくりますが、そういうときには石油公団への投融資の期待もございます。そういう格好でチェックなり監督をするというのが一つございます。  それから、そのほかの場合、全く石油開発とは関係のないような格好での子会社をつくるという場合におきましても、石油公団としましては、親会社経営というものを見る上で必要な重要な事項についてチェックをさせていただいておるということでございます。
  186. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 それは要するに孫会社ぐらいまで見ないと、えげつないことだけれどもあえて言っておきますけれどもプロジェクトはうまくいきません、その会社は赤字でした、しかし子会社がうまいこといっている会社がありましたというのは幾らでも例があるんですよ。そういうことを言っているんです。それは要するに、もう一言言えば、石油公団の金が極めて健全に利用されている、使用されている、あるいは活用されている、効果が出ているということじゃないわけです。  これから大事なことは、まさにさっき大臣が言っておられた、最初のところの審査基準、さっききつくやったらみんなは大変だろうと言ったんですけれども、そこはまたアメリカ並みの何か基準を考えるんですか。それは石油公団はエネ庁が考えたものを尺度にするんですか。そういうのは石油公団独自が持っているんですか。例えば精査する能力というのは石油公団が持っているんですか。
  187. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 結論からいいますと、石油公団自身が持っているということでございます。数量的ないろいろな基準をこれから導入するというのに際しましても、いわゆるグローバルスタンーダードと言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、各種メジャーなどが採用していると言われているような手法というものもどんどん取り入れていく、こういうことでございます。
  188. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 要するに、この問題は、これだけ注目されて、前大臣がああいうふうに発表されますとなかなか尾を引くと思いますよ。だから、そういう意味では、先ほど期待を申し上げたように、ぜひしっかりした運営あるいはまた経営をやってもらわなきゃいかぬと思います。  最後に、余り信用していないエネ庁に言っておきますけれども、こういう時期は、大臣からどうしろと言うことは、ほとんどそういうあれはないと思うんですが、事務方の方で改革するというのを、ただこんなところに書いてあるようなことでない、本当に本質的な抜本的な、あるいはまた与謝野通産行政でなるほど新しいものが出てきたなというようなことが進言されていかなきゃいけませんよ。その中で大臣が選択をするわけですよ。だから、そういう努力をすべきだと思う。  その一つは、石油審議会の人事の問題だと思います。こういうときこそ惰性に走らないで、審議会の任期中はしょうがないけれども、後のことは、私はだれがどうだという不満を言うんじゃないですよ。不満を言う意味じゃなくて、審議会も、見てみたら、とにかく社長がかわっていったら今度は次の社長が入ってくるというような、あるいはその団体をやめたら次の団体の長が入ってくるというようなものですよ、今見てみたら。もうそういうところにマンネリとそれから惰性があるんですよ。それを私は言いたい。現職の諸君たちは自分たちがやりやすいように、使いやすいようにということになつちゃうから、そこらは大臣、目をみはって新しいものを、石油審議会に学者の一人も入っていないんだ、日本石油ですよ。そういうことを考えると、私はかつて与党におりました一人として、堕落しておったことを証明するみたいなものですけれども、なるほどという感じがします。答弁は必要ありませんが、ぜひ参考にしていただいて、考えていただければと思います。  終わります。
  189. 水野誠一

    ○水野誠一君 渡辺先生の演説の後で大変影が薄くなりそうなんですが、何点か少しお尋ねをしたいと思います。  石油公団のあり方というのは、昨年十二月の衆議院の決算委員会においての集中審議から始まりまして、私も、日本の財政改革あるいは行政改革との両立という視点からも、あるいは情報の公開という視点からも、この石油公団のあり方は大変興味を持って見ておりました。  その後、堀内通産大臣のああいった御指摘が出てきて、それによって内部のずさんな経営実態が明らかになるということで、私は大変この堀内通産大臣の御指摘というのは画期的なことだったのではないか、かように評価をさせていただいているわけであります。  今般、この検討委員会報告書が出されたわけでありますが、そもそも監督責任を問われるはずの資源エネルギー庁自身が再建策を検討するという点に関してはいかがなものかな、非常にまだ認識に甘さがあるのではないか、そんな感じも否めないところでございます。  再建策の検討は、多数存在する公団開発会社あるいは孫会社の財務分析も当然のことながら必要であるわけでありまして、今後もこの検討は引き続き行っていくべきものであると私は考えております。  そこで今回、ひとつ財務諸表の点についてまずお尋ねをしたいんですが、今回の報告書に示されました再建策のうち会計処理基準の改善、これは八月末に発表されました石油公団平成九年度決算において既に実施されている、こういうふうに理解しております。  そこで、その財務諸表の内容についてお尋ねをしたいと思います。  この中で「重要な会計方針の変更」というのがありますが、一つは有価証券の評価方法について、従来の原価法から低価法へ方針を変更されている。しかし、ここでおっしゃっている有価証券の中には、今話題になっています公団が出融資している開発会社の株式は含まれていない、かように聞いております。平成九年度の決算の財務諸表が今回の再建策を盛り込んで作成されたものであるということである以上、「重要な会計方針の変更」とあるからには、堀内大臣より指摘されました公団の隠れた財務上のリスクができ得る限り明らかになる、そういう質的変更であるべきだと私は思うのでありますが、株式評価法を低価法へと変更したにもかかわらず、実はその報告の中に財務諸表への影響がない、こういうふうに書かれているんです。  これはどういう意味なのか、どういうことなのか。これで公団の財務の透明性が向上したと一体言えるのかということであります。開発会社の株式公開による売却益を公団再建の柱に据える、かようにもおっしゃっているわけでありますから、なおのこと財務上の資産算定に際してはそういった点から何らかの形で反映される方法を考慮されるべきではないかと私は思うんですが、いかがでございましょうか。
  190. 新欣樹

    参考人(新欣樹君) 御指摘のように、九年度決算から有価証券につきましては原価法から低価法にということで考え方を変えたということでございます。ただ、その場合の有価証券といいますものは、低価法を採用する有価証券はいわゆる上場企業あるいは取引所に相場が立っているというような有価証券を指すものでございまして、私ども現在のところそういった上場企業の株式によって運用を図っておるというようなものはございませんで、私どもが持っております関係会社の株式は探鉱開発会社あるいは備蓄会社の株式ということでございまして、これは原価法によって処理せいということに相なっておるわけでございます。  ただ、今後、株式を放出することで自己回転を目指すということではないかという御指摘でございますので、私どもこの報告書を踏まえまして、保有株式の時価評価試算というものをやってまいりたいと思っております。十年度決算から会計監査法人の協力を得まして期末時点の時価評価額の試算値を公表したいということでやっておりますけれども、これは決算としての数字というよりはあくまで情報公開というものの一環として、含み益なりなんなりの参考にさせていただきたいというふうに考えております。
  191. 水野誠一

    ○水野誠一君 大変結構なことだと思います。  私も民間企業の経験しかないんですが、民間企業なんかでも簿価で評価しております子会社の株式、これも民間企業の監査においては保有株式の評価下げというのも十分あり得る、こういうふうに理解をしております。特に今回、北極石油のように清算が見込まれているような会社、こういう会社の株式については清算前に資産評価を減らす、こういうことをやるということが財務諸表自体の信頼性というものを高める、こういう意味もあると思います。私は、単に情報公開の問題だけではなくて、こういった信頼性を増す意味からもぜひ御検討いただきたい、かように思っております。  それから次に、再建検討委員会報告の中で、公認会計士の関与の法的意味合いというのをちょっとお尋ねしたいと思います。  報告書の冒頭に、「本委員会の検討においては、公認会計士」、これは二社ほどの名前が実際に挙がっておりますが、「などの外部専門家の意見を参考とし、」と、こういうふうに明記されているわけでありますが、これは会計監査上の責任を有するレベルでの関与だったのか。すなわち、この二社が会計監査をしたと言えるのか、または、そのチェックの範囲は開発会社の財務諸表まで含まれていたのか、その辺を伺いたいと思うわけです。  もし公認会計士が単に意見を述べただけだということであれば、それは何ら法的な意味を有するものではないと考えていいものか。そうすれば、今回の報告書の内容について、通産省は真に客観的な会計上の改善がなされたとお考えになっているのか。また、報告にある再建策がうまくいかなかった場合に、監査上の責任というのは今度は一体だれがその責任を負うことになるのか。ちょっと回りくどい質問で大変恐縮なんですが、その点についてお答えください。
  192. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) このたび報告書をまとめるに当たりまして、公認会計士の意見をお聞きしたわけでございます。特に、出融資会社のキャッシュフローの分析に基づいて石油公団の損益の見通しを策定する場面。それから、石油公団保有株の時価評価をするところ。それから、投融資損失引当金。新しいルールをつくってこれから新しい運用をしていこうということでございますので、その策定についての考え方、民間事業ではどういう形になっているのか、そういうものも含めて御議論させていただいたわけであります。それから、その他の会計処理基準につきましても御意見を伺っております。それからまた、今般の、八月に出しました九年度の決算における情報公開についてもいろいろ御意見を伺いました。その意味で、公認会計士の専門的な知見が必要なところというのは、私どもは全面的な協力を得て検討を進めたわけでございます。  ただ、今般の報告書は、石油公団再建検討委員会で取りまとめたものでございますので、私ども通産省の責任でございます。その意味で、公認会計士がこれについて責任を負うということではございません。責任はあくまでも通産省でございます。  ただ、会計士事務所の方は、先生今お読みになりました前書きのところに監査法人の名前を出すことについて御了承されておりますので、その意味で、会計士の方の御意見はこの報告書に十分反映されているのではないか、このように思っております。  今後とも、石油公団の監査それから決算等々におきまして、公認会計士の御意見は十分お聞きしたいということで、この報告書にもその旨が書いてございます。
  193. 水野誠一

    ○水野誠一君 子会社株式の売却についてお尋ねしたいと思いましたが、これは先ほど福山委員ほか皆さんからかなり的を射た御質問が出ております。したがいまして、具体的にもうちょっと踏み込んだところで一つ二つ伺いたいと思うんですが、それは、この株式売却の実現性あるいは現実性ということをどこまで検討されているのかということであります。  株式売却は今後十年程度の中期的スパンで考えるということでありますが、具体的な対象となっている十七社についての株式公開スケジュールというのは、かなり具体的なものをお持ちになっているのかという点。それから、株式市場の水準を一体どの程度に想定されているのか。例えば、他の石油事業者の株価を参考にしているのか否か、そういう問題。それから、公開した株式を一体どういう人が買うという想定をされているのか。つまり、一般の投資家を想定されているのか、それとも民間の石油事業者を想定されているのか。その辺ちょっと、なかなか私もイメージがわいてこないものですから、具体的な御計画があればお答えいただきたいと思います。
  194. 今井康夫

    政府委員今井康夫君) 株式の売却につきましては、従来、石油公団は収益が損を上回っていた関係がございますので、これまで勉強してこなかったわけでございます。今般、全体の見直しの中でこの制度を回す、公団の制度として資金を自己回転させるということからしますと、やはり株式の売却が要るということで、このたびそれを決めたわけでございます。  具体的にどのタイミングでということにつきましては、まだそこまで至っておりません。ただ、通常、公開には三、四年の準備期間が必要でございますし、公開条件を整える必要がございます。既に一、二の会社かなり公開基準をクリアする、近いところないしはそれを上回っているところに来ております。そういう意味で、これから数年をかけまして、それから株式の売却のタイミングもまたいいタイミングを考えながら進めていくということであろうかと思います。  また、基本的には株式は一般に公開をして、これは国有財産でございますので、それの管理という観点から見ても、それから株式売却益を得るという観点からも、公開をしていくのがいいと思います。  ただ、それだけの公開基準に達しない株式もございますので、それについてはまた相対で売却するとか、その会社石油を掘って終わりになりますともうなくなるわけでございますから、配当で収入をふやすとか、そういう個別の企業に即してこれから考えていかなきゃいけない、このように思っております。
  195. 水野誠一

    ○水野誠一君 冒頭申し上げました、堀内大臣がこの問題を一つ掘り起こすきっかけをおつくりになったと。与謝野大臣がそれを引き継がれたわけでありますが、特に与謝野大臣は、行政改革、財政改革、ともに政府の中枢で手がけられてきた経験もおありになるわけでありますし、このエネルギー行政の機構改革ということについてはぜひ大臣にしっかりとかじ取りをやっていただきたい。  大変期待をしておりますので、それを最後に申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。
  196. 須藤良太郎

    委員長須藤良太郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時二分散会