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鉢呂委員 私は、
農林水産大臣の御
答弁でよろしいかと思います。
その上に立って、今後のあり方をどういうふうにするのかというところに来るわけであります。
今回のこの
政府案については、三兆八千億のうち一兆円は、今後五十年間で
国有林野特別会計で利益を生み出して、そこでこの
処理ができるという枠組みなわけであります。
これも、五月七日に衆議院の本
会議で当時の島村
農林水産大臣が、我が党の木幡
委員に対しての御
答弁で、これはできるのだという要素を四つ挙げております。
一つは、収穫量が今後資源が成熟するので将来的に増加すること、二つ目は、木材価格はこれまでの価格動向を踏まえれば今後も横ばいに推移をすること、それから三番目は、林野・
土地等の売り払いについては実績を踏まえて算定すること、四番目は、公益林についてその管理等の経費について
一般会計から繰り入れを行うこと、これらを踏まえれば五十年間で約一兆円の剰余が見込まれる、このように本
会議で
答弁をされております。
私は、この
一つ一つ、今、あと十分しかありませんから詳しくはお話しできませんけれども、
一つは収穫量について、今五百万立米ぐらいです、
総理、これが五十年後に千五百万立米、今の三倍切ることができると。確かに帳簿上の蓄積量は、これからだんだん切る木が出てくるという
意味では帳簿上はあります。しかし、
総理も御案内のとおり、この間中間施業というものをきちっとやっておらないという面がありまして、伐採量がふえるのは十五年後、十六年後からふえてくるのですけれども、果たして本当に将来切れるのかな、切る木があるのかなというのが
一つであります。
それから、長伐期施業といいまして、今度は長い期間かかって、今までは皆伐といって一斉に全部切ってしまったのだけれども、百年ぐらいかかってすぐり切りをしていくというような施業を考えておるのですけれども、一気に切るよりコストは三割増かかるというふうに言われています。ですから、もちろん非常にコストがかかることは自明なのですけれども、そうなった場合、果たして今までのような利益というものが、コストも踏まえて出るのか。
あるいは、
総理も御案内のとおり、一昨年計画を見直しまして、今まで木材を生産する林地は五一%ほど
国有林野はあった、そういう取り決めをしていました。これからはこれも二一%に、半減以下にするというふうに、
政府みずからそういう方向にしたわけであります。そういうことを考えますと、今よりも三倍もふやして、伐採量というものはあるのか。
それから、二つ目の価格の動向ですけれども、これは今後も横ばいだと。これは、国際的な輸入量というものも見ながら試算をしておりますけれども、果たして三十年、五十年後の価格の動向、横ばいで試算をすることが現実性があるのかどうか。価格については、今までも下がってきております、不確実性が強いという
意味では、これを横ばいとしてとらえるのがいいのかどうか。
それから三番目に、林野・
土地等の売り払い、これは前半の二十五年で五千億売ることにしております。これも中身を見ますと、林野を三千六百億。林野というのは木としてこれからも利用するというようなところ、
土地というのは、今木が生えていない、例えば営林署の跡地を売るとか営林局の跡地を売る、純粋の
土地です。林野というのは、木が生えて、今後も木として利用するようなところを三千六百億売るという、これは二十五年であります。そういうところからいきますと、地球温暖化にとって森林がCO2の吸収量ということで極めて大事だというときに、今後も林野を三千六百億も売るというのが、果たして国際世論からいっても妥当かどうかということが私は問われておると思います。
そういうものを考えたときに、しかも、
総理御案内のとおり、この一兆円を生み出す利益は、これから十六年後になって初めてプラスの利益が出てくる。それは、先ほど言ったように伐採量が多くなるから出てくるわけであります。したがって、十五年間は一切出てこない。これは、金利については
一般会計から全部
処理をしていく、五十年間金利については
一般会計から見るということでありますけれども、そのような元金を、一兆円を、十六年以降から始めて三十五年間で
処理をするというのが果たして現実的かどうか、私は非常に先送り的な今回の収支の
見通しではないかというふうに強く
指摘をせざるを得ないわけであります。
私ども民主党としても、このような非現実的な材価が、売れるかどうかわからないというような形でまたぞろ一兆円が、とりわけこの五年間なりが非常に伐採量が少ないわけですから、通常の経常
事業部門でもさらに赤字を生み出す。実は、来年の概算要求を見ましても、八百億新たに借り入れをしなければならないという数字が出てきます。そういうものが、その一兆円のほかに、
改革初頭には起きる可能性が強い。そうなった場合に、この一兆円というのは、またぞろ雪だるま式にふえる可能性が強いのではないかというふうに言わざるを得ないわけであります。
そういう点で、私どもは、思い切って三兆八千億というものを
一般会計で
処理をして、仮に十六年後なり三十五年後に利益が出てきたときには、
一般会計にその利益を、黒字を繰り入れるという手法の方が
責任を持った会計制度ではないか、そのように考えておるわけでありまして、その点について農林大臣としてどのように考えるか、御
答弁願いたいと思います。