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1998-09-17 第143回国会 衆議院 金融安定化に関する特別委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年九月十七日(木曜日)     午前十時一分開議 出席委員   委員長 相沢 英之君    理事 石原 伸晃君 理事 藤井 孝男君    理事 村田 吉隆君 理事 保岡 興治君    理事 山本 有二君 理事 池田 元久君    理事 中野 寛成君 理事 坂口  力君    理事 谷口 隆義君       伊藤 達也君    伊吹 文明君       江渡 聡徳君    大野 松茂君       金田 英行君    倉成 正和君       佐田玄一郎君    砂田 圭佑君       滝   実君    津島 雄二君       蓮実  進君    宮路 和明君       宮本 一三君    山本 公一君       山本 幸三君   吉田六左エ門君       渡辺 喜美君    上田 清司君       枝野 幸男君    岡田 克也君       海江田万里君    北村 哲男君       福岡 宗也君    石井 啓一君       上田  勇君    大口 善徳君       西川 知雄君    鈴木 淑夫君       西田  猛君    木島日出夫君       佐々木憲昭君    春名 直章君       濱田 健一君    保坂 展人君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 宮澤 喜一君  出席政府委員         内閣審議官   白須 光美君         金融監督庁長官 日野 正晴君         金融監督庁監督         部長      乾  文男君         法務大臣官房司         法法制調査部長 房村 精一君         大蔵大臣官房総         務審議官    武藤 敏郎君         大蔵省金融企画         局長      伏屋 和彦君  委員外出席者         議     員 杉浦 正健君         議     員 枝野 幸男君         議     員 西川 知雄君         議     員 鈴木 淑夫君         参  考  人         (日本銀行総裁)速水  優君         衆議院調査局金         融安定化に関す         る特別調査室長 藤井 保憲君     ————————————— 委員の異動 九月十七日  辞任         補欠選任   河村 建夫君     宮路 和明君   古川 元久君     福岡 宗也君   濱田 健一君     保坂 展人君 同日  辞任         補欠選任   宮路 和明君     河村 建夫君   福岡 宗也君     古川 元久君   保坂 展人君     濱田 健一君     ————————————— 九月十七日  金融機能正常化に関する特別措置法案(佐々  木憲昭君外二名提出衆法第一〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  参考人出頭要求に関する件  不動産に関連する権利等調整に関する臨時措  置法案内閣提出第一号)  金融機能安定化のための緊急措置に関する法  律及び預金保険法の一部を改正する法律案(内  閣提出第二号)  債権管理回収業に関する特別措置法案保岡興  治君外三名提出衆法第一号)  金融機関等が有する根抵当権により担保される  債権譲渡円滑化のための臨時措置に関する  法律案保岡興治君外三名提出衆法第二号)  競売手続円滑化等を図るための関係法律の整  備に関する法律案保岡興治君外四名提出、衆  法第三号)  特定競売手続における現況調査及び評価等の特  例に関する臨時措置法案保岡興治君外四名提  出、衆法第四号)  金融機能再生のための緊急措置に関する法律  案(菅直人君外十二名提出衆法第五号)  金融再生委員会設置法案菅直人君外十二名提  出、衆法第六号)  預金保険法の一部を改正する法律案菅直人君  外十二名提出衆法第七号)  金融再生委員会設置法施行に伴う関係法律の  整備に関する法律案菅直人君外十二名提出、  衆法第八号)  信用保証協会法等の一部を改正する法律案(菅  直人君外十二名提出衆法第九号)      ————◇—————
  2. 相沢英之

    相沢委員長 これより会議を開きます。  内閣提出不動産に関連する権利等調整に関する臨時措置法案及び金融機能安定化のための緊急措置に関する法律及び預金保険法の一部を改正する法律案並び保岡興治君外三名提出債権管理回収業に関する特別措置法案及び金融機関等が有する根抵当権により担保される債権譲渡円滑化のための臨時措置に関する法律案並び保岡興治君外四名提出競売手続円滑化等を図るための関係法律整備に関する法律案及び特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案並びに菅直人君外十二名提出金融機能再生のための緊急措置に関する法律案金融再生委員会設置法案預金保険法の一部を改正する法律案金融再生委員会設置法施行に伴う関係法律整備に関する法律案及び信用保証協会法等の一部を改正する法律案並びに各案中、債権管理回収業に関する特別措置法案に対する北村哲男君外二名提出修正案を一括して議題といたします。  まず、昨日付託になりました菅直人君外十二名提出信用保証協会法等の一部を改正する法律案について議事を進めます。  趣旨説明を聴取いたします。鈴木淑夫君。     —————————————  信用保証協会法等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 鈴木淑夫

    鈴木(淑)議員 自由党鈴木淑夫でございます。  私は、民主党、平和・改革自由党の三会派を代表して、ただいま議題となりました信用保証協会法等の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。  自民党政府は、本年三月、貸し渋り対策を口実として金融機関への公的資本注入を行いましたが、貸し渋りは、やむどころかますますその激しさを増しております。  それどころか、健全な銀行として資本注入を行ったはずの日本長期信用銀行の経営不安が大きな問題となっております。  その上、政府は、当初の目的をねじ曲げて長銀の経営救済のために公的資本注入を行おうとするなど、支離滅裂で言語道断の政策を強行しようとしております。  また、政府自民党は、不良債権問題に決着をつけないまま、本年四月に金融ビッグバン早期是正措置を始動させてしまいました。政策手順の誤りは明らかであります。  その結果、銀行のみならず、証券生保各社は、世界規模の再編の中での生き残りと、不良債権処理及び自己資本比率の引き上げを同時に進めなければならないという大変な困難に直面しております。本来、不良債権処理だけでも信用収縮を初めとするデフレ圧力が不可避であるにもかかわらず、加えてビッグバン早期是正措置が開始されたことによりまして、金融機関健全性自己資本比率の両方を確保するため貸し出しの圧縮、回収を行い、中小企業を中心に大きな打撃を与え続けております。  我々野党会派は、現下の厳しい経済状況にかんがみ、貸し渋りで困っている中小企業者への融資円滑化及び破綻金融機関と取引をしていた他行に行けない善意かつ健全な融資先支援策として、信用保証協会法等の一部を改正する法律案提出する次第であります。  以下、法案の概要について説明いたします。  第一に、現下の厳しい金融情勢にかんがみ、中小企業者等に係る信用収縮防止し、融資円滑化を図るため、信用保証協会財政基盤を拡充強化する必要があります。このため、政府は速やかに、地方公共団体信用保証協会に対して行う財政援助に必要な経費の一部に充てるため、地方公共団体に三千億円を補助することとしております。  第二に、中小企業信用保険公庫に対し一兆円を追加出資し、信用保証協会への融資基金及び中小企業信用保険準備基金に充てることとしております。  政府提出中小企業信用保険法の一部を改正する法律案が本院商工委員会に付託されております。ただいま申し上げた二点について、制度改革としては両案は相反するものではありませんが、信用保証協会への補助額中小企業信用保険公庫への出資額では我々野党会派提出法案の方が多額であり、貸し渋り対策の効果がまさっております。  第三に、破綻した金融機関融資先金融の維持を図るため、中小企業信用保険公庫金融破綻関連保険業務を行うものとし、この保険については企業規模保証限度額を緩和することとしております。具体的には、信用保証協会が、金融再生委員会の定める基準に基づき、破綻金融機関債務者であった資本金五億円までの特定企業者に対する債務保証を三億円を限度として行う場合、中小企業信用保険公庫は、保険金額保険価額の全額とする保険を締結することができることとしております。  第四に、そのため、当分の間、中小企業信用保険公庫金融破綻関連保険準備基金を設け、五兆円以上の額を出資するものとしております。  第五に、金融機関破綻関連保険業務については、平成十三年三月三十一日までに、金融状況を踏まえ、廃止することを含め、そのあり方について見直しを行うものとしております。  以上が、信用保証協会法等の一部を改正する法律案提案理由及び内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げ、提案理由説明を終わります。よろしくお願いいたします。
  4. 相沢英之

    相沢委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————
  5. 相沢英之

    相沢委員長 次に、ただいま議題となっております各案及び修正案について議事を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福岡宗也君
  6. 福岡宗也

    福岡委員 民主党福岡宗也でございます、  私は、債権管理回収業に関する特別措置法案通称サービサー法案について御質問をいたしたいと存じます。  まず最初に、この法案に対します私の基本的な見解を披瀝いたしました後に、質問に移らせていただきたいと考えております。  この法律案というのは、現下金融不安の最大の課題であります不良債権管理回収を図るために、弁護士法七十二条、七十三条に定める、弁護士以外の者に報酬を得る目的法律事務を行うことを禁止するという規定例外として、一定の要件のもとに金融機関不良債権回収する機関を新設しようとして企図されたものでございます。それは、あくまでも金融安定化のために不良債権回収喫緊の要請である、そのための緊急の限定的、臨時的措置である、その範囲内において、弁護士法七十二条、七十三条の例外としく不良債権回収のための機構の新設を認めようとして始まった討議であると理解をしております。  ところが、本法案は、金融関連法案一つとして議員立法として提出をされたにもかかわらず、その目的においても、現下金融不安解消のための不良債権回収に全然限定されておりません。その取り扱う債権も、金融機関不良債権に限定することなく、リースクレジット債権から高利貸金業者貸し金債権、さらに将来は、政令のみの定めによって売り掛け代金にまで拡大ができるという余地を残しておる法案でございます。  もはやこの法律案は、金融不安解消のためという目的をも大きく逸脱をいたしまして、我が国司法制度根幹でありますところの、法律事務というのを取り扱うのは資格を有する弁護士に限定し、国民法的生活の安全を保護しようとする制度内容的に大きく変更をするという、司法制度の大改正になっておるものであります。すなわち、本法案は、法律事務の中でも最も適正、公正な法的判断要求をされます金銭債権回収業務について、一般的に営利を目的とする会社の参入も認めて、全面的に商業主義を導入しようとするものであります。  これは、明治四十五年に導入されて以来八十年にわたって堅持されてまいりました法律事務取り扱いの制限を、最も重要な法律事務一つである債権回収業について全面的に解禁をしようとするものであるからであります。そもそも七十二条、七十三条は、他人の紛争にむやみに介入をして利益を得ようとする、それによって損なわれる国民法律生活安全保障という大きな目的で、これによって今日まで八十年にわたりまして事件屋暴力団等介入から防止ができてきたわけでございます。この大原則変更によりまして、これらの者のばっこを許す可能性というのは極めて高いと思われるわけであります。  しかも、このような厳格な規定があるにもかかわらず、現状はどうか。事件屋暴力団は法の網をくぐり、法的紛争介入し続けているという現況もございます。弁護士会も、長年にわたりまして、民事介入暴力対策委員会、それから非弁活動防止のための委員会等を設置いたしまして、被害者救済のために闘い続けてまいりましたけれども、いまだにこれは根絶をされておりません。それどころか、むしろ組織化し、巨大化し、巧妙化する傾向にあるわけであります。  かような情勢下において、金融安定化という名分のもとに安易に商業主義を導入するような債権回収業解禁することは、暴力団取り立て屋等ばっこというものを招く危険性が極めて重大である、かように考えるわけであります。  それからさらに、これが司法制度の重要な大原則法律事務取り扱いの大原則改正であるとすれば、従来よりこういった重要な司法制度根幹改正は、法曹三者、すなわち裁判所、法務省それから弁護士会で十分な協議をなし、その上でさらに法制審議会において、学識経験者を加えた人の議論によって十分に調査審理を遂げた答申を経た上で立案をすべきということが慣行となっているわけでございます。それをすべて捨象しまして、金融安定化ということに名をかりてこのような抜本的な改正をなすことは認めてはならないというふうに考えるものであります。  そこで、私の質問でありますけれども、まず提案者に対しましては、私は、この改正というものは、目的が限定せず債権も大幅に認めておるということからして、司法制度の抜本的な改正につながるものだというふうに考えるわけですけれども、提案者としてはそのように考えておられるのか、それとも極めて限定的なものと考えておられるのか、基本的な見解をまずお伺いいたしたいわけであります。
  7. 杉浦正健

    杉浦議員 福岡先生の御質問お答えを申し上げます。  先生は、弁護士としても私の大先輩でございますし、我がふるさと愛知県、名古屋弁護士会の会長もお務めになるなど、長年にわたっていろいろな御貢献もなさっておられた。御高名はかねがね伺っておるところでございまして、先生がこのたび国政の場でいろいろと御活躍いただけることは、後輩の一人として大変喜んでおるところでございます。  先生の今の御質問でございますが、今度のいわゆるサービサー法目的と申しますか出発点が、目下喫緊課題になっております金融機関不良債権処理からスタートしていることは事実でございます。と同時にもう一つ債権流動化不良債権回収の大きな手段として、セキュリタイゼーションと申しますか、債権流動化を進めなければならぬというところからも出発いたしておるわけでございます。  そもそものこの議員立法による立法経過をかいつまんで申しますと、橋本内閣のもとで金融システム改革を進めることに相なりました。私はその途中から自民党財政部会長を仰せつかったわけでありますが、昨年の九月、仰せつかった時点で既に日銀法改正は行われ、いわゆる外国為替管理法外国為替法と変わっておって、ことしの四月から施行されることに相なっておったわけでございます。自民党内閣共同で、金融システム改革を行うためのさまざまな法整備を行う、いろいろな預金者等に対するセーフティーネットもつくるというような準備が進められておりました。その中に、もう既にことしの九月一日から施行されておりますけれども、SPC特定目的会社をつくるという法律もその一部に入っておりまして、進んでおったわけでございます。  実は、このサービサー法というのも、そのときに既に検討の対象に相なっておりました。つまり、債権証券化を進めるためにSPCをつくる。そのSPCの、証券化をするサービスをするのにサービサーが必要なんじゃないかという見地からでございました。それで、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス等では、サービサーという私どもが今立案しているのと似通った、民間による業としての債権回収を行う会社が、既にかなりの年月、長年にわたって存在しておりまして、機能を果たしております。ちょうどそういうサービサーセキュリタイゼーションをやっているんですね、向こうの国では。いろいろな形で役に立っておる。だから、日本の場合でも、そういうものがあれば非常にいいということで検討項目に入っておったわけです。  ところが、弁護士法七十二条、七十三条との関係から、これは、会社組織をつくるためにはやはり立法が要るだろう。何よりもまず弁護士会の御協力がないと経営できませんから、検討項目に上がっておって検討を始めておったわけですけれども、SPC法案が先にできてしまいまして、これはおくれてしまったわけです。  そういうそもそもの経過があるわけでございまして、私ども、検討の前提となっている問題意識としては、先生のおっしゃるとおり、弁護士法七十二条、七十三条のいわば例外として、あちらを本法とすれば一種特別法と申しますか、そのような形で規制を緩和する立法に相なるわけでございます。それは先生のおっしゃるとおりでありますが、それがいわゆる広い意味での不良債権回収あるいは金融機関債権回収、その重要な一部としてのセキュリタイゼーションという問題も視野に入れまして、これからのビッグバンのもとにおける国際社会とのいわば戦いの武器としてやはりこういう仕組みが必要なんじゃないかという見地があったことは御理解賜りたいと思う次第でございます。
  8. 福岡宗也

    福岡委員 私の質問したことは、基本的に申し上げますと、この改正というのは、我が国司法制度一つ根幹であります、いわゆる法律事務取り扱いの限定という大原則に対する基本的な、抜本的な改正ということにつながるものではないかという御質問をしたわけでありますけれども、それに対しては直接的な答えはありませんけれども、やはりそういうようなことだという、最後の趣旨はそういう御答弁であったというふうに思います。  私は、金銭債権、その他の指名債権流動化というものは、経済活性化、それから金融不良債権回収が根本的に喫緊の問題であるということについては否定しませんし、そのための御努力は高く評価をするものでありますけれども、それが、その限りではなくて一般的な金銭債権全体の回収業という形になる場合には、もう少し司法制度専門家を入れた慎重な検討がなされてしかるべきだということを申し上げているわけであります。  そこで、法務省としては、今回のこの改正、いわゆる金銭債権全般にわたる司法制度に対する重大な変更であるかどうかということについてどのような見解をお持ちなのか、法務省の御見解をお願いしたいと思います。
  9. 房村精一

    ○房村政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、今回の制度は、弁護士法で一般的に禁止されております債権回収特定の場合に民間企業許可をして認めようということでありますので、従来から見ますと相当の違いが出てくるということは間違いございませんが、基本的に、弁護士法律事務を独占するという弁護士法基本原則そのもの変更しようというものではございませんで、先ほど提案者の御説明にもありましたような、一定の場合に限って債権回収法務大臣許可に係らしめた民間会社に認めるということでありまして、弁護士法で考えております基本原則そのもの変更するような大きな制度変更ではないと理解しております。
  10. 福岡宗也

    福岡委員 次は、法務省に重ねてお伺いしますけれども、この法案を見ますと、目的債権範囲が、金融業者不良債権のみならず、リースクレジット貸金業者高利による貸金業者も含みますけれども、そういったものの債権、さらには政令によってこれに類する一切の債権という広がりを持っておりますので、実質的に金銭債権全般にわたる回収業を認めるということにつながってまいりまして、結局、弁護士が取り扱う法律事務のうち、主要な部分というものについて解禁をするという点からすると、相当に大きな改正であると見ざるを得ないのですけれども、その点については法務省はどのように考えておられるのでしょうか。
  11. 房村精一

    ○房村政府委員 ただいまもお答えいたしましたように、従来にない新しい制度であることは先生のおっしゃるとおりであると思っておりますが、ただ、弁護士が取り扱う法律事務全般の中で見ますと、ただいまこの法案サービサー会社に認めようとしております事務は、必ずしも弁護士の取り扱う法律事務の大きな部分を占めているわけではないというぐあいに理解しております。
  12. 福岡宗也

    福岡委員 今の答弁では、本当の債権回収の実態を余り承知をされていないというふうに思うわけでありますけれども、その点はさておきまして、司法制度改正については、昭和四十五年以来、参議院において附帯決議というものがなされまして、「司法制度改正にあたっては、法曹三者の意見を一致させて実施するように努めなければならない。」というふうに決議がございます。その後におきましても、国会において同様の附帯決議がたびたびなされているわけであります。  本件では、提案者の側で法曹三者の意見を実際に、これは公式でも非公式でもいいのですけれども、聴取をされたということがありますでしょうか。あれば、それに対する三者の意見をお述べいただきたいというふうに思います。
  13. 杉浦正健

    杉浦議員 お答えをいたします。  先ほどの答弁で若干舌足らずの点がございましたので、まず補足させていただきたいと思うのです。  この問題の検討を始めました際に、宮澤先生の本部ができる前は保岡先生のところで検討しておられまして、保岡先生がキャップの部会があって、自民党では財政部会金問調協力しながらやっておったわけですが、そこでいろいろ出された御意見の中で、そこには住専の中坊社長とか整理回収銀行代表者の方にも来ていただいてヒアリングを行ったわけでありますが、現在の金融機関不良債権にまつわるさまざまな問題の中に、いわゆる暴力団が非常にいろいろな面に介入してきているということがいろいろな立場の人から出されたわけであります。  中坊社長からはそういう、例えば占有屋とかいろいろなものに対しては、どんどん告発をして処理するようにしているんだというようなお話もあったわけでありますが、金融機関の方からは、最近は損切り屋という形で暴力団が出ておるとか、これは日本に特異な形でありますけれども、経済活動暴力団がいろいろな形で関与しておるわけです、先生御指摘のように。  そういう甚だしい状況が出ておるからむしろ健全な形で、中坊さんのところの住専、あれは一種公的サービサーでありますが、それから整理回収銀行、これも株式会社組織住専と同様ですけれども、弁護士先生方が関与された形で破綻金融機関債権回収をやっておるわけですけれども、そういうようなきちっとした形で、破綻金融機関あるいは住専以外の一般の金融機関、さまざまございますが、そういうところが会社をつくって、弁護士さんと協力をして暴力団介入を排除していく。  正常な、有効な回収機関ができれば、暴力団に頼まなくたってどんどん回収がスムーズに進む。いい例が住専とか整理回収銀行というのがあるわけなんでございますので、むしろ、暴力団のこういう分野における活動を排除するという意味でも、有効な機能を持った会社組織ができればいいのではないかという議論がずっと広く行われておったことは事実でございます。金融機関等からも要望は強うございました。  中坊社長とか整理回収銀行の方からは、ちょっと変則でありますけれども、変則と申しますか、現在そういう業務に従事している方々、住専ですと六百人ぐらいおられるのですか、弁護士さんが関与してチームをつくってやっておられるのですが、住専の場合ですと十五年間で業務を終了する、回収を終わるという計画でやっておられる。整理回収銀行の場合は破綻金融機関ごとに部があるわけですね。その破綻した機関の内情をよく知っている営業関係だとか回収をやっていた管理担当等が、必要な数だけ部をつくりまして回収業務をやる。弁護士さんも参加する。その回収業務が終わりますと、まだ終わったのは一つもありませんが、終わりますと、解雇されるかあるいは他の仕事に転用するか以外になくなるわけであります。  整理回収銀行は、今二千名ぐらいおるのですか、大変な数の人が参加してやっておるわけですが、住専整理回収銀行ともに、参加した人たちはもともと住専とか破綻金融機関の人たち、第三者、ほかから参加した人たちもありますが、いわば債権回収のプロとして合成長しつつあるわけですね。  中坊さんや整理回収銀行の話では、使命が終わった場合に、この人たちを生かす場所も欲しい、せっかく育てた者を分散させてしまうのももったいない、アメリカや方々にあるサービサーのような形ができれば、参加した人が会社をつくって社会のニーズにこたえていくこともできるしという要望が強うございました。そういうものができることによって、今彼ら働いている人たちの士気も高まる、終わったら私たちは首だというような状態じゃない、いずれはサービサーをつくって頑張れるぞということで士気も高まるから、ぜひとも考えてほしいという要望が強かったということも申し添えさせていただきたいと思います。  そこで、本論に入りますが、これは議員立法として進めさせていただくのがいいだろう。つまり、当初はSPC法案とセットで出すつもりでおりましたから。これが一つ。  それから業法でございます。確かに基本的な部分にかかわる法律ですが、一種の業法であるわけでございますから、議員立法でいいだろう。しかし、弁護士の業務、弁護士法と非常にかかわっておりますから、当然のことながら弁護士会、日弁連でありますが、御連絡をとって十分な協議を進めてまいりました。法務省とももとよりでございます。  業法でございますから、最高裁判所の意見は聞かなくていいだろうと、この法律に関しては思いました。サービサー法に関しては呼んでおりませんが、競売等の関係、ほかの三法の関係では最高裁判所も出席してもらって党内の審議を進めたと聞いております。サービサー法についてはございませんでした。  現実に、日弁連につきましては、私ども、当初のプロジェクトチームを立ち上げたときからオブザーバーとして御参加をお願いした。それに先立って、日弁連ではプロジェクトチームをおつくりになったようであります。ことしの四月には海外視察もされた。アメリカの視察もされたわけでありますが、そういった日弁連のプロジェクトチームでの検討状況はこちらへ持ち込んでいただきましたし、十分に意見を交わし、御意見をお伺いし、御質問にありませんから触れませんが、日弁連の基本的な御要望はこのサービサー法案の中に生かさせていただいておりまして、日弁連としても基本的に御了承いただいたというふうに私どもは理解しておるわけでございます。  主な点は、取締役の中に一名以上弁護士さんに入っていただく、それから訴訟の追行については原則として弁護士さんにやっていただくことにいたしましたし、そのほか、こういう会社を生む以上、余り小さいところではまずいからということで、規模も五億円以上ということにさせていただきましたし、行為規制についても、弁護士会意見を十分お伺いをして行為規制をやるということにいたしましたし、それから暴力団の排除につきましても、民事介入暴力等で非常に御経験が深いわけでありますので、さまざまな貴重な御意見を賜って暴力団対策は講じさせていただいているところでございます。
  14. 福岡宗也

    福岡委員 日弁連の意見とそれから法務省意見は徴されたということであります。確かに、法案を見てまいりますと、日弁連の意見を取り入れて修正をされたと思われる箇所が随所にございます。しかしながら、実際には、一番根本でありますこの法律目的について、あくまでも現下金融不良債権回収という目的に限定をすることと、それから金融機関貸し金債権に限定をしようとする、そういう要望についてはこれは応じられていませんし、暴力団対策も日弁連の求めておるものからはほど遠いというふうに思っているわけでございます。  特に、中坊さんが取り扱っている住専債権回収機構の問題ですけれども、これはある一定目的を持った回収業であります。そして、しかもそれは公的な運営ということでいろいろな制約がございます。こういうような機関ならば別に問題はないわけでございます。したがって、我々としては、むしろそういうような形にできないだろうか、修正できないだろうかということも申し上げているわけでございます。といって、これは答弁を求めてもまた答弁が長いので、次に移らせていただきます。  次の質問は、各論の第一に、第一条の「目的」の項のところを見ますと、許可制度を実施することにより弁護士法の特例として債権回収会社特定債権の管理及び回収を行うことができるようにする、こういう規定があるのですが、これによりますと、現下金融危機というものが終了しても、これはもう半永久的に債権回収会社というものを存続させるという前提のように読めるわけでありますが、そのような趣旨であるかどうかということと、それからさらに、この野党案ですね、特に民主党を中心とする案ですけれども、やはりある程度明確にこの部分について、現下金融不安というものの解消のために早急に回収するためなんだということについての限定的条項を入れた方がいいんじゃないかという提案がありますけれども、この点についてある程度検討するということを考えておられるのかどうか、その点をちょっとお伺いいたしたいわけであります。
  15. 杉浦正健

    杉浦議員 この立法の動機、目的が、先ほど申し上げましたように、金融機関不良債権回収のみに限定いたしておりません。したがいまして、目的にも、日弁連さんは最後までこだわられましたが、それはそれに限っているわけじゃないからということで御理解を賜って外させていただいたわけであります。したがいまして、不良債権回収、どれぐらいかかるかわかりませんが、それも、この期間を定めるということもいたしていないわけであります。  むしろ、金融システム改革の先行き、その後日本金融経済がどうなるかということを考えますと、セキュリタイゼーションと申しますか、債権流動化と申しますか、そちらの流れが強くなるだろう。そちらの方でこのサービサーというのは大いに役に立っていくだろう。もちろん債権回収もありますが、そういう意味で、期間を限定したり目的を限定したりすることはしなかった次第でございます。
  16. 福岡宗也

    福岡委員 次に、取り扱う債権内容についての規定ですけれども、先ほど言いましたように、金融債権のほかに幅広く取扱債権内容規定されている、これは第二条ですね。特にその第四号を見ますと、前各号に規定する金銭債権に類するもので政令で定めるものとするという規定があるわけであります。自民党サービサーのワーキングチームで論議をされました論点取りまとめを見ますと、これは一般売り掛け債権にまで拡大し得るというような項目になっておるわけでありますけれども、そのような幅広いものを予定しているのかどうか、類するとはどういうような意味なのか、お答えをいただきたいと思います。
  17. 杉浦正健

    杉浦議員 お答えを申し上げます。  この法律におきまして、特定金銭債権、扱う対象債権は第二条に規定されておりますが、一号はいわゆる通常の金融機関債権、二号がいわゆるリースクレジット債権、第三が貸金業の債権でございまして、政令で定めることということで、資本金五億円以上、要するに商法特例法で監査が義務づけられている会社に絞ったわけでありますが、それで四号にこういう規定があるわけでございます。  現在、政令指定予定のものとしては、野党の皆様方の提案で、施行令指定予定のものも本法の方に入れてこられたわけですが、そういうようなもろもろのもののほかに、野党の御提案のほかに、SPCの有する金銭債権、それから、債権の発生の時点において金融機関特定金銭債権であったもの、これで念頭に置いておりますのは、いわゆる共国債権買取機構、CCPCが買い取った債権とか、あるいは、外資系が今債権を買い取っておりますが、外資系が買い取った債権等を念頭に置いております。つまり、発生のときに金融機関債権であって買い取ったものも指定しようということでございます。その他ございますが、そういったものを指定する予定でおるものでございます。  ただ、議論の経過としては、さまざまあったことは事実でございます。一番極端な意見は、もう一切の債権を入れたらどうか、これはアメリカの商工会議所なんかの意見書にございまして、規制を全面緩和すべきだ、全部扱えと、一番極端な意見ですが、一方においては金融機関不良債権だけにしろという御意見もあって、さまざまであったわけでございます。  そういった議論がいろいろあった中で、弁護士会の方では、弁護士法の規制緩和である関係上、極力狭めるべきだという御意見が強かったのでございましょう、金融機関に限定しろという日弁連の御意見でございましたので、その主張も勘案しながら、さはさりながら、いわゆる金融機関以外にも金融機関と同様の与信機能を持ったものがあるだろう、リースクレジットもそうですし、貸金業の中にも、街金みたいなひどいのもあるがちゃんとした貸金業者もあるということで、そういうものも加える。そういうようなことをいろいろ検討した結果、このあたりが適正であろうということで線引きをしたわけでございまして、議論がさまざまございましたし、御意見もあるということは十分承知をいたしております。
  18. 福岡宗也

    福岡委員 結論的に言えば金融業者という形で限定をされるという御趣旨のようですけれども、そういうことならばそういうことの趣旨を踏まえるような、類するという表現ではなくて、ある程度限定的な表現というものに修正をされる方が乱用の危険性もないし安心もできる、かように考えるわけであります。これは御検討をいただきたいというふうに思うわけであります。  それから次に、一般的に債権回収業を認めたときに、虎視たんたんと参入をねらっている暴力団事件屋等が非常にばっこする危険性があるという前提で、提案者の方でもいろいろな対応を考えておられるわけであります。いわゆる暴力団の支配する会社等はいけないとか、それから暴力団関係者にこういったものを委任してはいけないとか、いろいろやっておられるわけでありますけれども、具体的に、暴力団でないその他の取り立て屋、事件屋高利金融業者等というのが実際に参入をしてくる危険性も多いですし、従来の非弁活動もこれらの者が中心になってやってきたというものがございますけれども、これについては法的に、その職種であるとか立場、動機ということによる制限がないように見られるのですけれども、これに対する取り締まりとしてはどのような方策を考えておられるのか、簡単に一言でお願いをしたいと思います。
  19. 杉浦正健

    杉浦議員 暴力団員以外の者についての措置としては、私は、最も有効なのは弁護士、しかも弁護士会の推薦を受けた方、あるいは法務省が日弁連、弁護士会に聞いた場合に適切だという御回答をいただいた、そういう立派な弁護士さんが会社の取締役に一名以上なられる、法令のコンプライアンスについて、常務を執行する中で御監督いただくという機能が一番大きいのではないかと思います。  それから、行為規制もかかっております。厳しくかけておりまして、アメリカ並みに規則で厳しく行為規制をかけるというふうになっておりますし、暴力団員でなくても、暴力団員に類するような不適切な者を使用する場合には、場合によれば許可の取り消しができるという項目も入っておりますので、業務の是正とか許可の取り消しにも、余りひどい者を入れて、不適切な者を雇用したりしている、まあ弁護士さんが入っている以上は大丈夫だとは思うのですが、万一そういうことになった場合には取り消すということもあり得ることになるかと思います。これは法務省が主務官庁でございますので、きちっと対応、運用してもらえると思っております。
  20. 福岡宗也

    福岡委員 今お話のありました業務規制についてお伺いをしたいわけでありますけれども、第十七条に規定がございまして、「人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない。」こういう簡単な一条がございますけれども、実際の業としての債権の取り立てというものは非常に過酷になりがちでありますし、それからまた巧妙な手段を用いてくることも予想されるわけであります。  したがいまして、具体的に、この「威迫」というものはどういうものなのかということ、それから「平穏を害する」というのはどういうことなんだという詳細な規定を設ける必要があるのではないかということ。それから、もう一つ追加すれば、虚偽の禁止であるとか債務者の深夜の接触であるとかいろいろなものがございますけれども、こういったような制限の規定等も、もう少し詳細に盛り込む必要があろうかというふうに考えるわけであります。  それからさらに、第十八条四項の、法務省令でもって具体的な制約を定めることができる、こういうふうに書いてあるわけでありますけれども、これはどのような内容のものであるか。それからさらに、この十八条違反の場合に、罰則規定を見ますと、さきの十七条の違反は罰則規定がございますけれども、十八条違反については罰則規定がないように見受けられるのですが、この点はどうなんでしょうか。
  21. 杉浦正健

    杉浦議員 業務の規制につきましては、法律の中には基本的なことだけを載せることにいたしまして、詳細については、規則の方で業務に関する規制を行おうという考えであれしております。  先生のところにはあるいは行っていないかもしれませんが、施行規則の方で詳細な規制をしよう、アメリカの立法例が非常に詳細をきわめておるわけでございますが、それを日弁連さんが持ってこられたのを参考にいたしまして、詳細な規則を設けようということで考えておるところでございます。今先生のおっしゃられたような問題、あるいは野党側の修正案で本法に入れようとした問題も、規則できちっと規制しようというふうに思っております。  例えば、債務者保証人に対して貸金業者からの借り入れまたはクレジットカードの使用等で弁済することを強要することとか、弁済金を自分の財産と明確に区分せずに保管するとか、あるいは営業所または事業所ごとに公衆の見やすい場所に標識を掲示しろとか、いろいろ細々とした規制を設けることにしておりますが、これについては法務省としてもきちっと対応するということで考えておるところでございます。
  22. 福岡宗也

    福岡委員 今の問題について私の質問にちょっと答えがないのですけれども、その十八条の法務省令で定めた事項に対する違反については罰則規定はあるのですか、ないのですか。
  23. 杉浦正健

    杉浦議員 罰則規定はございません。ございませんが、許可の取り消しその他業務改善命令をする。許可制でございますので、そういう違反事実があれば、そういう措置をとる場合もあり得るかと思います。
  24. 福岡宗也

    福岡委員 十七条には罰則規定があるわけですね、基本原則については。その詳細な内容についての違反行為については罰則規定がないというのでは、一貫性がないということでございますので、ぜひこの点も修正として御検討をいただきたいというふうに思うわけであります。  それから次に、本案を見ますと、債権回収業についての報酬の問題についての規定が全く存在をしないわけであります。  従来より事件屋とか暴力団債権回収業務の特色というのは、その過酷な取り立て手段、もう一つ、現実に債権回収できてもほとんど原債権者には払われていない、大部分を懐に入れてしまうという、いわゆる暴利行為的なところであります。そして、その債権者もひどい目に遭っているというのが実情であります。  本法律案では、取り立て委託の場合も債権譲渡による取り立ての場合についても、その報酬額の制限とか定めは全くございません。弁護士の業務の場合には、いろいろな規制はございますけれども、そのほかに、やはり報酬の基準規定というのが日弁連単位会に設けられておりまして、これに反するような場合には懲戒申し立てによる懲戒処分を受ける場合もあるということの厳格な規制がございますけれども、この点はどうなっているのか、提案者の御回答を求めたいと思います。
  25. 杉浦正健

    杉浦議員 報酬につきましては何ら定めておりません。  いろいろ議論はございましたが、先生おっしゃるような、一般大衆がサービサーに依頼に来るということはまず考えられません。金融機関等、プロが頼みに来るわけでありまして、出す方もプロならば受ける方もプロでございます。ですから、報酬というのは、一方においてはサービサー、これは経営体でありますので、経営を維持しなければならないということで報酬を要求するでしょうし、出す方は出す方で、言ってみればできるだけ安い方がいいということに相なるでしょうが、そこのところはプロ同士の話し合いで適切な報酬が決められるのじゃないか。  規制緩和の方向で、マーケットが判断して、余り細々決めない方がいいだろう。高いサービサーには頼みに行かなくなるだろう。ただ、高いけれども優秀なサービサーには頼みに行くだろうし、自然にマーケットが決めていくのではないかということで、あえて決めなかったわけでございます。
  26. 福岡宗也

    福岡委員 マーケットがそれは決めるんだということですけれども、債務者の保護のほかに債権者の保護ということは、これはある程度、国家的な見地、法的な生活安定という見地から、どうしても規制をしなければならぬ最小限度のものはあると思うのですね。それを完全野放しでそういうことをするときは、本当にこんなうまい職業はない、丸取りみたいな形のものができ上がってくる危険性があるので、どういう形かは知りませんけれども検討していただかなければなりませんけれども、ある程度歯どめというものをかけるとか、それから不良債権の程度とか認定とかそういうことによって、一割しか回収できないものもありましょうし、二割しか回収できないものもありましょう。それに応じての手続を公正化するというような方法をとるとか、この規制を考えてもらわないときには、ますますこれは事件屋等がうまい商売だということで乱入する危険性が非常に高くなってくるというふうに思うわけで、ぜひともこれも御検討をいただきたいと思うわけであります。  それから最後に、弁護士法七十三条の規定趣旨の問題であります。  七十三条はこのような規定になっております。何人も、他人の権利を譲り受けて訴訟、調停、和解その他の手段でもってその権利の実行をすることを業としてはならない、こういう規定であります。すなわち、弁護士もその他の者も、このような係争物件を譲り受けて訴訟等によって権利行使をすることを業とすること自体を禁止しておるわけであります。
  27. 相沢英之

    相沢委員長 質疑時間が終了しておりますので、御協力を願います。
  28. 福岡宗也

    福岡委員 はい。これが最後でありますから。  したがいまして、係争物件の譲渡というのは弁護士もできないわけであります。ところが、このサービサー法案は、本当の厳格な制約規定というものが余りないにもかかわらず、このような係争権利の譲り受け自体を解禁してしまっている。この弊害は本当に大きいものがあると思うわけであります。  したがいまして、七十二条問題以上に、七十三条の譲り受けたけは禁止をして、取り立ての委託ということだけに限定すべきじゃないかというふうに考えますが、一言、この点についての御回答をお願いいたします。
  29. 杉浦正健

    杉浦議員 不良債権回収の実情から見ますと、委託のみならず譲り受けた場合の方が有効な場合もあり得るということで入れたわけでございます。そういったこともあって、資本金を五億円以上にするとかいうことで、ちゃんとしたところにやってもらおうということにも相なったわけでございまして、取り立て委任一本に絞るということについては不適当だろうということに相なった次第でございます。
  30. 福岡宗也

    福岡委員 いろいろ御質問申し上げまして、御答弁をいただきましたが、結局のところ、本法案は、あくまでも金融機関の再建のためということではなくて、抜本的に回収業を認めるということでありますので、ちょっと問題がある。したがって、あくまでもその目的に限定をし、債権も限定をし、しかも公正な機関という形に検討を加えて修正をしていただきたい。これを強く要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  31. 相沢英之

    相沢委員長 これにて福岡君の質疑は終了いたしました。  次に、石井啓一君。
  32. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 平和・改革の石井啓一でございます。  今、連日、与野党法案修正協議が進められているところでございますが、長銀の扱いが一つのポイントでございます。これにつきましては、九月十四日、私どもの坂口政審会長の方から、大蔵大臣と質疑をいたしまして、長銀の取り扱いについて、長銀を破綻状態であるというふうに認めて対応するのか、それとも破綻をしていない状態であるというふうに認識をして対応するのか、こういうことの問題の中で、野党案をそのまま原案を使って処理をしても、あるいは与党側の対応であっても、大差ないんではないかと。  特に、政府が公的資金を導入するというのは、これは優先株とか劣後ローンだ。野党案の場合はそれは公的管理ということですが、これは普通株を買い上げるということでは大きな差がない。また、最終的に民間金融機関に承継をする、こういうことであっては、政府のやり方もあるいは野党のやり方も大きな意味では差がないんではないか。  こういうことで、宮澤大蔵大臣も基本的には御了解をいただいていると思いますけれども、最終的に、政府が長銀を破綻したとは認められない、こういう破綻ということに大変こだわられているのではないかと私は考えます。  今申し上げましたように、実態としては、公的管理に入る段階で普通株を購入するか、あるいは優先株、劣後債、劣後ローンか、こういうことでございますし、あるいは途中のプロセスにおきましても、経営者、株主の責任を明確化させる、あるいはリストラをする、不良債権処理をする、そして最終的には民間銀行に承継をする。  住友信託銀行は長銀と合併と言っておりますけれども、正常債権しか引き継がないというふうに言っておりますので、これは通常の合併というよりは、私は営業譲渡に極めて近い状態じゃないかなというふうに考えております。私どもの案も、基本的には、最終的には民間金融機関に営業譲渡等を行う。こういうことで、最初も出口も、あるいは途中のプロセスも大きな差はない。  そうすると、やはり長銀を破綻というふうな言葉を使って認定をするのかどうか、ここが大きなポイントになってくると思うのですが、その前提として破綻の定義をこの際きちんと明らかにしておかないと、今後の議論がうまく進まない。こういう問題意識から、私は、本日は、まず金融機関の破綻とは何ぞや、こういうところから質問をさせていただきたいと思います。  まず、現行預金保険法金融機関の破綻の定義があるわけでございますが、現行法では金融機関の破綻というのはどういう定義になっているか、そしてその破綻の認定というのはどういうふうになっているのか、まずそこから質問をいたしたいと思います。
  33. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 お答えいたします。  今先生言われました現行法、預金保険法では、第二条第四項によりますと、「この法律において「破綻金融機関」とは、業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれのある金融機関又は預金等の払戻しを停止した金融機関をいう。」というぐあいに規定されておりまして、具体的に破綻金融機関に該当するか否かにつきましては、金融監督庁長官が、預金保険法第六十一条三項による合併等に係る資金援助の適格性の認定とか、あるいはこの法律六十二条の第一項による合併等のあっせんを行う際に、今申し上げました二条四項の基準に従って判断されることになります。
  34. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 現行法では、「「破綻金融機関」とは、業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれのある金融機関又は預金等の払戻しを停止した金融機関」、こういうことでございます。  「預金等の払い戻しを停止」というのは、これはもう現実の状況でございますからすぐわかることでございますけれども、「業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれのある」、このおそれがあるというところをどういうふうに受けとめるのか、これが非常に重要になってくると思うのですけれども、現行法では、このおそれがあるというのはどういうふうに認定といいますか、事実上行っているのでしょうか。
  35. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 お答えいたします。  今先生が言われました、金融機関がその「業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれのある」と認められる場合に該当するかどうかについてでございますが、これはその時々におきまして、金融機関に対する信認の度合いとか預金の流出状況、資金調達の状況等によって変わるものでございまして、一概に論ずることはできないわけでございますが、個別具体的な事案に即しては金融監督庁の方で御判断されるものと考えられます。
  36. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 これまでの破綻した金融機関の実態としてはどういうことになっているのですか。現実に、大蔵省なり金融監督庁がこれは破綻だと認定したということはあるのでしょうか。現実に破綻したというのは、どういう状況になっているのでしょうか。
  37. 日野正晴

    ○日野政府委員 一番最近の例では、北海道拓殖銀行がそれに当たると思います。
  38. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 いや、北海道拓殖銀行の例というのは、拓銀の方からみずから預金の停止のおそれがある、こういうふうに認めたという場合ですね。だから、現状では金融機関がみずから破綻したと認める場合が大半であって、当局が、この金融機関は、あなた、破綻しているのじゃないのですかというふうに決めつけたといいますか、認定したといいますか、そういう事例はございますか。
  39. 日野正晴

    ○日野政府委員 ほとんどの場合、かなりの場合が、今お話がありましたように申告してきたというのが多いと思いますが、ごく最近では阪和銀行の例が、業務停止命令をかけたという例がございます。
  40. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 阪和銀行の場合は、これは債務超過とみずから認めたケースですね。債務超過になるとみずから決算期で発表するというふうに認めて、その前提の上で業務停止命令をかけた、こういうことかと思いますけれども、ちょっと確認します。
  41. 日野正晴

    ○日野政府委員 仰せのとおりでございます。
  42. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 といたしますと、やはり現行法では、基本的には金融機関がみずから認めるといいますか、申し出るといいますか、そういう状況である、このように考えますが、新たに政府提出してまいりましたこのブリッジバンク法案によりますと、内閣総理大臣が「預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合又は金融機関が預金等の払戻しを停止した場合であって、次に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、」「金融管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分をすることができる。」こういうことで、はっきりと、内閣総理大臣、具体的には金融監督庁長官が、金融管理人による処分を命ずる、その前提として破綻の状況を認定する、こういう仕組みになっているわけでございます。  それでは、このブリッジバンク法案では、先ほど確認しましたけれども、この「預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合」、これをどのように認定をするのか、確認をしたいと思います。
  43. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 お答えいたします。  ブリッジバンク法案におきましては、「金融機関がその業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合又は金融機関が預金等の払戻しを停止した場合」をもって破綻としておりまして、これは法案の二条の二の第一項で、これは先ほども御説明しました預金保険法規定と同じでございます。  それで、今先生が言われましたように、金融監督庁長官金融管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分をすることができる場合は、今言いました規定の破綻した場合であって、したがっておそれの場合は先ほど御説明したような内容になるわけでございますが、であって、また、その金融機関の「業務の運営が著しく不適切であること。」またはその金融機関について、「営業譲渡等が行われることなく、その業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、」その金融機関が「業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。」のいずれかの要件に該当する、この要件が加わっているわけでございますが、と認められるときと、法文上列挙されているわけでございます。  なお、先ほど先生が言われましたように、申し出の話もございます。金融機関がその業務の状況で預金等の払い戻しを停止するおそれがあるかどうかについては、その当該金融機関が最も知り得る立場にあるわけでございますので、金融機関はそのおそれがあるときは文書をもってその旨を申し出なければならないということが、法案の二条の二の三項に規定されているわけでございます。
  44. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 金融機関が申し出る場合は、これはみずから資金繰りをやっているわけでありますから、預金等の払い戻しが停止するおそれがある場合というのは、具体的な問題としてよくみずから把握しているわけですから、わかるわけですね。ところが、行政庁が「停止するおそれがあると認める場合」というのは、やはりもう少し明らかにしておかなければいけない。先ほど答弁がございましたけれども、その「おそれがあると認める場合」というのを、もう少し具体的にわかりやすく説明してください。
  45. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 お答えいたします。  これは先ほどの預金保険法と同様でございまして、おそれがあると認められる場合に該当するかどうかにつきましては、その時々において、金融機関に対する信認の度合いとか、どの程度の速さでどういった預金が流出しているかとか、インターバンク市場における資金調達の状況はどうかなどによりまして状況が変わるものでございます。したがって、一概に論ずることはできないわけでございますが、個別具体的な事案に即しまして、金融監督庁の方で御判断されるものと考えております。
  46. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 そうすると、そのおそれがある場合というのはその時々の状況によって変わる、こういうことですから、非常に幅広い定義になっているのかなと思いますけれども。  では、確認しますけれども、債務超過というのは、その「おそれがあると認める場合」に該当しますか。
  47. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 債務超過であるかどうかも含めて、それは総合的に判断されるものだと思います。
  48. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 いや、債務超過になったと認められた場合は、そのおそれがあるというふうに判断をするのでしょうか。それを確認したいと思います。
  49. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 前提といたしまして、一概に論ずることはできないわけでございますが、今言われました債務超過の場合は、一般的に言いまして、たとえ一時的に資金繰りがついていたとしても、早晩資金操りに困難を来し行き詰まることとなるものと考えられることから、「財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合」に該当するものと考えられます。
  50. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 そうですね。債務超過になれば、一時的には資金繰りがついたとしても、早晩行き詰まってしまうだろうと。阪和銀行がまさにその事例でございますね。  そうしますと、債務超過かどうかというのが一つのメルクマールになる、こういうことがわかりました。ただし、そのほかについては、その時々の状況に応じて、信認の度合いだとか、預金の流出状況だとか、インターバンクで資金がとれているかどうかとか、こういうことでございますから、大分その判断に幅があるなと。このおそれがあるケースというのをある意味で前広にとれば、破綻という概念といいますか定義というのも、非常に幅が広くとれるのではないか、私はそういうふうに今理解をしましたけれども。そうしますと、破綻かどうかというのは、その時々によって判断せざるを得ないということになるのでしょうかね。  例えば、大蔵大臣は長銀について、公的資金を導入しなければ破綻せざるを得ないというふうな御答弁をされましたけれども、そういう状態というのは、早晩資金繰りに行き詰まってしまう状態というふうに考えられるのではないのでしょうかね。すなわち、もう実質破綻状態。ちょっと御答弁しにくい質問を申し上げておりますけれども、公的資金を導入しなければ破綻せざるを得ない状態というのはどういうふうに理解をすればいいのか、そういう銀行の状態というものはいかがでございましょうか。
  51. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 お答えいたします。  今先生が聞いておられるのは、停止するおそれがあると認める場合に該当するかどうかということでございます。したがいまして、先ほどから申し上げておりますように、金融機関に対する信認の度合い等、一概に言うことはできませんが、いずれにいたしましても、具体的な取り扱いにつきましては、その時々、監督庁において判断されるということでございます。
  52. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 そうしますと、金融監督庁長官の判断によって、その銀行は破綻しているか破綻していないか、その微妙なところの区分けというのはどうなるんでしょうか。
  53. 日野正晴

    ○日野政府委員 今大蔵省金融企画局長が答弁されたとおりでございまして、それぞれの具体的な事例に応じていろいろな要件を挙げられましたけれども、それに基づいて判断せざるを得ないのかなと。しかし、私どもとしては、できるだけ透明な行政をやらなければならないと思っておりますので、その要件はできるだけ明確になっていることが望ましいものというふうに考えております。
  54. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 それでは、ちょっと観点を変えて質問をしますが、早期是正措置におきましては、いわゆる第三区分、自己資本比率が〇%未満の場合、業務の一部または全部の停止命令をこの措置としてやる、こういうふうになっておりますけれども、この〇%未満で業務の一部または全部の停止命令をかけるケースというのは、これは破綻のケースというふうに考えてよろしいのでしょうか。
  55. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 前提といたしまして一概に論ずることはできないわけでございますが、一般的に言いまして、今言われました自己資本比率が〇%未満の第三区分であれば債務超過の状況にあると考えられまして、したがって、先ほど申し上げましたような考え方になると思います。
  56. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 債務超過の場合、破綻だと。  ここで、この早期是正措置の中で非常に重要な事項が盛り込まれていると私は思うのですけれども、このように自己資本比率が〇%未満になった場合、業務の一部または全部の停止命令をかける、これは事実上破綻と認めた、こういうことになるかと思いますが、ただし、以下の場合には第二区分の措置を講ずることができる。業務の一部または全部の停止命令ではなくて、それ以前の措置を命ずることができるとしまして、含み益を加えた純資産価値が正の値である場合、あるいは明らかに純資産価値が正の値となる見込みがある場合、これは、今、自己資本比率が形式上〇%であっても業務の停止命令をかけないことができる、こういうふうにされております。  一方で、自己資本比率がたとえプラスであったとしても、含み損を加えた純資産価値がマイナスの値である場合、あるいは明らかにマイナスになることが予想される場合は業務停止命令を発出することがあり得るということで、形式上の自己資本比率だけではなくて、純資産価値がプラスかマイナスか、すなわち時価評価した場合に債務超過になっているかどうか、こういうことで、もう一つ破綻の定義を実質的に今の早期是正措置でもやっているのではないか。  私、これは非常に参考になるといいますか、債務超過状態は破綻だというふうにお認めになっていますけれども、それに加えて、時価評価した場合の債務超過、含み益、含み損を加えたらどうなるのか、これもやはり破綻の定義になるのではないかと考えますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。
  57. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 お答えいたします。  第三区分に該当する金融機関であっても、今先生が言われました資産を時価で評価した場合に資産超過となることも考えられるわけでございます。この場合には、早期是正措置においても、当該金融機関に対しては第二区分に相当する個別措置を命ずることが銀行施行規則第二十一条の三第二項でできるということになっております。
  58. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 私が言いましたことをそのまま御答弁でもう一度繰り返されたような感じがしますが、すなわち、自己資本比率という数字だけではなくて、自己資本比率がプラスになっていたとしても、その純資産価値がどうかということで破綻かどうかを認定する、こういうことになるのではないか、こういう問いでございますので、お答えをいただきたいと思います。
  59. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 お答えいたします。  今申し上げましたように、施行規則では、第三区分に該当する金融機関であっても第二区分に相当する個別措置を命ずることができる場合があるというぐあいに規定があるということでございます。
  60. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 きょうは持ち時間が二十五分しかなくて、これからしっかり議論したいところですがへもう時間が来てしまったようでございます。  今後、与野党の協議、最終的な段階に来ておりますが、いわゆる破綻後の処理、破綻前の処理、いろいろございますけれども、やはりその前提として、破綻というのをどういうふうに定義するのか明確にしていただかないと話が進まないのではないか、こういうふうに思いますのと同時に、政府は長銀は破綻していないということにこだわられているようですけれども、定義がはっきりしない限りは私は破綻していないということに余りこだわらなくてもいいのではないか、こういうことを申し上げまして、極めて時間が少なくてじっくり議論が詰まらなかったことを残念に思いまして、質問を終わります。
  61. 相沢英之

    相沢委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。     —————————————
  62. 相沢英之

    相沢委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  各案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 相沢英之

    相沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  64. 相沢英之

    相沢委員長 次に、西田猛君。
  65. 西田猛

    ○西田(猛)委員 自由党の西田猛でございます。きょうは、日銀総裁におかれましてはお忙しいところをわざわざ御出席いただき、ありがとうございます。  それでは、早速ですけれども、いろいろとお聞きを申し上げてまいりたいと思いますが、やはり何度も申し上げていますように、今ここで問題になっておりますのは、我が国の、本当に市場原理に基づいた競争を行っていなかったこの産業界の体質、特に銀行業界における問題点だと思います。  二〇〇一年の四月一日からは、もうペイオフ、預金の一定額の払い戻しで済ませてしまうという制度も実施されてしまいます。そういう目の前の市場主義、それから、消費者がみずからの責任で利用するべき銀行を選別していかなければならないという時代を迎えておりますけれども、今のような銀行業界の体質、この特別委員会でるる議論されている象徴的な長銀に見られますような問題がこの日本の産業界に残ったまま、そのペイオフという二〇〇一年四月以降の事態を迎えましたらば、一体、我が国の経済金融業界あるいは国民生活にとってどのような影響が及んでくるのか、このあたりを本質的に考えなければいけないと思います。  大蔵大臣、今のような金融業界のありさまのままで、いわばなれ合い資本主義と申しますか、真の市場原理が徹底されていない中でペイオフを迎えましたらばどのような事態になるとお思いになっておられますか。
  66. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 おっしゃいますように、金融機関の間の競争というものは、従来、ある意味で護送船団方式によって自由に行われていなかった、そういう過去を持っております。しかし、そういうことでは二十一世紀を迎えられないという国民的な認識のもとに、いわゆる金融再生トータルプランを国会でも御審議をお願いしておりますし、また、金融監督庁が既に六月から厳しい検査等々をお始めになりまして、それによって、必要によっては早期是正措置も講ぜられる、ここでようやく競争体制に入ったということでございます。それによって銀行の間の選択をする、金融商品の間の選択をするといったような自由と責任もまた利用者側に生ずる、こういうところに今おるわけでございます。  そうでありません間のいわゆる一〇〇%預金保証ということは、これは必要なことでございますし、これを変えるつもりはございません。しかし、これを先へ延ばすということは、またそういう意味での自由化、これは金融機関側におきましても、あるいは利用者の側におきましてもでございますけれども、その流れを促進することにならないというふうに考えておりますので、したがって、これを延長するということはすべきではないであろう、こう思っておるわけでございます。
  67. 西田猛

    ○西田(猛)委員 今大蔵大臣から大変示唆に富んだお話をいただきました。確かに、ペイオフ実施を延期するおつもりもないというお考えでございますし、真の競争原理の働くそういう銀行にならなければいけない、また、逆に消費者側も自由と責任を持った時代を迎えなければいけないのだというお話でございます。全くそのとおりだと思いますので、これはひとつ、宮澤大蔵大臣も重々、個人的にはきっと御認識しておられることだと思うのですけれども、今の長期信用銀行問題、あるいは銀行がバブル期に抱え込んでしまった不良債権問題についても、その基本的な考え方にのっとって解決を図っていかなければならないと思うのでございます。  したがって、長銀について何やら、なぜなのかという理由も明らかにされないままに政府が公的な資金を注入する、あるいはどのような形でであれ、市場から、市場原理からいえばアウトと言われてしまった一企業に対して公的な支援をしていくということについては、やはり今大蔵大臣が言われたことの基本的な考え方に私は合致していないんだと思うんですね。そういうことを基本的に考えながらこの問題を解決していかなければならないと思っております。  そんな中で各種新聞を、きのうあたりの報道から見ておりますと、政府日本銀行筋が今月内にも日本長期信用銀行に対して資金繰り支援を実施するということを決定した、あるいは最終調整局面に入ったというふうな報道がなされております。  ずばりお聞きいたしますけれども、大蔵大臣は、日本銀行法の三十八条一項に定める要請を長期信用銀行について行われるお考えを今お持ちでございますか。
  68. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 私は、ただいま長期信用銀行の経営の内容を知り得る立場にございませんので、したがいまして、そのような事態が起こるか起こらないかということについて判断をできる立場にございません。したがって、そういうお尋ねに対しては、今としては考えておりませんというふうに申し上げるべきであろうと思います。
  69. 西田猛

    ○西田(猛)委員 そういたしますと、日銀法の三十八条に言うところの、これがいわゆる日銀特融と呼ばれているものでございますけれども、それは大蔵大臣が日本銀行に対して要請をする、その要請の前に「内閣総理大臣との協議に基づき」でございますけれども、日本銀行に要請するということなんですが、そのお考えはない、こういうことでございますね。
  70. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 再度申し上げますが、私は、長期信用銀行の現在の金融、金繰り等々の状況を存じておりませんので、それを判断するだけの材料を持っていない、ただいまはこう申し上げておるわけでございます。
  71. 西田猛

    ○西田(猛)委員 今新しい日本銀行法が施行されておりますけれども、その以前の日本銀行法では、第二十五条で、「日本銀行ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ信用制度ノ保持育成ノ為必要ナル業務ヲ行フコトヲ得」、こうなっておりました。今の新しい日本銀行法では、三十七条、三十八条、三十九条というのが御存じのようにございまして、昔の日本銀行法で言う「保持」はその三十七条と三十八条で適用されるだろう、それから「育成」というのは、より積極的な意味合いを持っているもので、これは現行の三十九条で適用されるというふうな考え方だそうでございます。  その中で、いわゆる特別融資というものは、その三十八条の発動なんですけれども、それを今大蔵大臣は、長銀の状況を知る立場にはないのでという前提ではありますけれども、今の時点でその発動を要請するお考えはない、こういうふうにおっしゃっておられます。  そこで、国民もそれからこの国会の委員会でも一番問題になっておりますのは、日本長期信用銀行が今どういう資金の流動性の状態、リクイディティーの状況にあって、それがもし、リクイディティーが保てなくなったらばどういう国民経済上の影響が出てくるのかというところが目下の一番の問題なんだと思うのです。そのことをいろいろマスコミなども、日本発の国際金融危機にしてはいけないというふうな宣伝をしております。  そこでお聞きいたしますけれども、まず日本銀行総裁にお聞きしたいのです。今の長銀の資金の流動性の状況についてどのようにモニターしておられるか、国民にわかりやすく説明していただけませんでしょうか。
  72. 速水優

    ○速水参考人 長銀の流動性の現状がどうなっているかということでございますが、私どもも、個別の金融機関の経営内容に関しましては、私の立場から立ち入ったコメントを加えることは差し控えたいと思います。  ただ、長銀の資金繰りの動向についてお聞きでございますので、日銀としてもこれは、先行きの金融債の発行、償還の予定あるいはコール市場、ユーロ市場、そういったものでの調達状況などを含めまして、注意深くモニターいたしております。現段階において、長銀に対しまして、特段の資金繰り上の支援が必要な状況にあるとは考えておりません。
  73. 西田猛

    ○西田(猛)委員 総裁に再びお聞きしたいと思います。私の調べたところによりますと、今、日銀の日銀貸出残高は本年八月末で三兆一千二百十億円で、そのうちいわゆる特融、先ほどからお聞きしております法三十八条に基づく貸し出しは二兆六千三百十一億円と承知しておりますけれども、その数字が正しいのかどうかと、それから、その貸出残高総額から特融に係るものを除いた額はどのような貸し出しなのかをお聞かせいただけますでしょうか。
  74. 速水優

    ○速水参考人 御質問の差額部分の貸し出し、これは日銀法三十三条に基づきます手形の割引、すなわち手形、国債その他の有価証券、これらを担保とした貸し付け、こういうものが入っているわけでございます。これらの貸し出しには、例えば従来から行っております商業手形の割引とか、輸入金融円滑化のための輸入決済手形を担保とする貸し付けとか、そういったものが入っております。  これ以上の詳細につきましては、個別の取引内容にかかわる事柄でもございますので、お答えを差し控えさせていただきます。
  75. 西田猛

    ○西田(猛)委員 日本長期信用銀行は、九月中に六千七百三十九億七千万余の長期信用銀行債券の償還を迎えます。これは公社債月報等からとった数字ですから間違いのない数字ですけれども、それについて、今、日銀総裁は、特段資金繰りについて問題があるとは聞いていないとおっしゃいましたけれども、この数字を前にしてもやはり資金繰りについて特段の問題があるとは承知していない、このようなことでよろしゅうございましょうか。
  76. 速水優

    ○速水参考人 現段階では、私どもの方から流動性の行き詰まりで特別の融資をしなければならないという状況ではございません。そのことは、今後のことはまた変わるかもしれませんけれども、現段階においてはそういうふうに申し上げられると思います。
  77. 西田猛

    ○西田(猛)委員 そのようなお答えしかできないのだと思うのですけれども、実は九月九日に日本銀行が発表された「金融市場調節方針の変更について」というのがございました。この中で、さらに、日銀の方におかれましては、短期金利を低目誘導するという方針を打ち出されたわけでございます。  これはちょっと余談と申しますか、話がそれますけれども、去る九月十五日、敬老の日でございました。私どもも地元の方で十四カ所ほど回りまして、約一万人ほどの御高齢の方たちといろいろなお話をしましたけれども、皆さん、年金とか、それから今までの長い人生の中における蓄えに少しも金利がつかない、百万円預けても年で五千円、月にすると四百円強だ、そうしたら、銀行へ行く往復のバス代の方が高うついてかなわぬというお話で、結局、子や孫に何も買ってあげられないというような話がございました。  そんな中でますます低目誘導されるという金融政策状況について、国民にわかりやすく説明していただきたいのが一つと、それから、同じ、総裁が出された「金融市場調節方針の変更について」(1)のなお書きで、金利の水準だけじゃなくして、「上記のコールレート誘導目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。」という文章をつけておられるのですけれども、この一層潤沢な資金供給を行うということの意味はどういうところなのかを、これまた国民の皆さんにわかりやすく御説明していただけないでしょうか。
  78. 速水優

    ○速水参考人 では、御質問の初め、預金金利のことにつきましてお答え申し上げます。  私どもといたしましても、特に金利収入に多く依存しておられます家計、これは大変厳しい状況にあることは十分承知しているつもりであります。しかし、最近の経済情勢を見ますと、景気が全般に悪化を続けてまいります中で、家計部門の雇用、所得をめぐる環境というのは顕著に悪化してきております。例えば、最近では有効求人倍率が、一九六三年に始めた統計でございますが、統計開始以来の最低水準を記録しておりますほか、賃金の中核部分となる所定内賃金も前年水準を割り込んできております。このことは、景気の悪化が総体としての家計部門に強いマイナス影響を及ぼしていることを示していると思います。  これらを踏まえますと、現在の局面では、経済活動を下支えしてその回復を促していくということが、金融政策の運営にとって何よりも重要なことであるというふうに判断いたします。私どもとしましては、今回の措置が、政府の諸施策の効果などと相まって我が国経済の自律的な回復につながることを期待しております。また、このようにして日本経済活性化してまいりますれば、雇用や所得の増加などを通じて国民経済に必ずよい影響をもたらすものと考えております。どうか御理解いただきたいと思います。  それから第二の御質問で、先般の金融緩和をいたしましたときの政策委員会から事務局へのディレクティブの中に、これは発表されたものでございますが、なお書きとして、「なお、金融市場の安定を維持するうえで必要と判断されるような場合には、上記のコールレート誘導目標にかかわらず、」これは無担保コールを平均的に〇・二五%前後というこの誘導目標にかかわらず、「一層潤沢な資金供給を行う。」というディレクティブを出しております。  これは、まず誤解のないように申し上げますと、今回の金融緩和措置は、あくまでも金融政策運営の一環として金融市場全般に対する私どもの資金の供給方針を定めたものであります。したがいまして、特融とか個別金融機関に対する流動性の支援、こういうものを意味するものではありません。特融は、金融政策の決定会合で決められるものではなくて、先ほどおっしゃいましたように、必要の都度別途政策委員会で決定されなければなりません。  そこで、御指摘のなお書きの意味でございますけれども、現在我が国では、景気が全般に悪化を続けており、金融システムに対する人々の信頼も弱い状況にあります。そうした中で、このところ金融資本市場では、金利のリスクプレミアムとか株価などが非常に不安定な動きを示しております。このような情勢を踏まえますと、いつ何どき何らかのきっかけで不安心理が増幅し、市場が急激に逼迫するような事態も予想して考えておかなければならないことではないかと思います。なお書きの部分は、仮に何らかの理由でそうした不測の事態が生じた場合に、日本銀行として迅速かつ機動的な対応をとる用意があるということを示したものであります。  もう少し具体的に申しますと、市場の不安心理が極めて強いような緊急時においてはコールレートは〇・二五%前後、緊急時においてはそれをさらに低下することを容認してでも市場が安心するだけの大量の流動性資金を供給することによって、日本銀行として市場の安定に万全を期していくようにするという意味でございます。
  79. 西田猛

    ○西田(猛)委員 今御説明いただきました。今は、私がちょっとお話し申し上げましたように、本当に日本の中の大多数の方は年一万円、五千円という金利がつくのかっかないのかというふうなことで一喜一憂している時代でございますのに、総裁も今おっしゃいましたように日本経済が非常に悪い状況だ、そんな中で、一説には何千億円あるいは一兆円というふうな公的な資金を投入してでも日本長期信用銀行を何とかしなければいけない、なぜなのかということがまだよくわかっておりません。  それと、私は、このディレクティブのなお書きのことをお尋ねしたのですけれども、私、お聞きしてもいないのに、このなお書きの資金を潤沢に供給するということは、個別の銀行や個別の金融機関救済することを目途としたものでないとまでおっしゃったのは、私ども、どうしてもこれは、いざというときには長銀に対する資金供給は万全にあるよというメッセージを発せられたなということを感じざるを得ないのでございます。先ほど石井委員が破綻の定義についてお聞きになりましたけれども、リクイディティーが欠如すること、これも立派に預金等を払い戻すことができない危険性があると今金融企画局長がおっしゃいました。それに相当する場合でございまして、これはやはり市場原理にのっとって粛々と考えていかなければならない問題だと思います。  時間が来ましたので終わりますけれども、最後に一つだけお聞きしておきます。  長銀に対する日銀貸し出しは、どのような形のものであれ現時点では一切ないということでございますか、総裁。
  80. 速水優

    ○速水参考人 おっしゃるとおり、現在は貸し出しは出しておりません。
  81. 西田猛

    ○西田(猛)委員 終わります。
  82. 相沢英之

    相沢委員長 これにて西田君の質疑は終了いたしました。  次に、春名直章君。
  83. 春名直章

    ○春名委員 日本共産党の春名直章です。  金融監督庁長官に、まず、八月二十一日の住信高橋社長の記者会見ですが、正常先債権のみ承継するということを言われております。九月の十四日、我が党の吉井議員質問に対しまして長官は、この正常先債権というのは、業況が良好で、かつ財務内容に特段問題がない債権である、こういうふうにお答えいただきまして、正常債権というのは、この正常先債権に加えまして、要注意先債権以下でも優良担保でのカバー部分、引き当て済みのものを加えたものである、こういう御説明をお聞きいたしました。このことによりまして、二、三分類の二兆八千二百四十億円だけでなく、第一分類の正常債権十五兆九千百十四億円、この中でも住信に引き継がれない、そういう債権があることが明らかになったわけでございます。  ところで、長銀の大野木頭取が九月十日の参議院の参考人質疑で、当行の貸出先は約八千社、約七千社が正常先債権だ、こういうふうに御答弁されております。したがって、これらを総合しますと、これは確認なんですが、この約七千社への債権合計額は、イコール十五兆九千百十四億円にはならない、イコールではないということがこれで確認されるわけですが、そのことを一応確認しておきたいと思います。
  84. 日野正晴

    ○日野政府委員 お答えいたします。  御質問の御趣旨がちょっと正確に把握できませんでしたので、あるいは御質問とは違った内容になるかもしれませんけれども、住友信託銀行が談話の中で表明しております正常先債権が具体的にどのような債権を指すのかということは、これはあくまでも、今後住友信託銀行との合併交渉において検討されることになるものというふうに考えております。したがいまして、引き取られる債権の合計が十五兆九千億円とおっしゃいましたでしょうか、になるかどうかということは、その合併交渉において決定されるということになろうかと存じます。
  85. 春名直章

    ○春名委員 合併交渉で検討されるということでは、そういう無責任なことでは困るのです。これによってどれぐらいの債権が切られていくのかということが出てくるわけでありまして、ですから、私は今聞いたわけです。  正常先債権、これが大野木頭取が七千社あるというふうに言われて、この七千社への債権合計額が十五兆九千百十四億円、第一分類だと私は思っていたのですけれども、正常債権だと思っていたのですけれども、そうではなくて正常先債権なので、全部十五兆九千百十四億円が七千社の債権合計にはならないということが、今までの明らかになったことであります。  それでは、もう一つお聞きをしておきたいと思います。  この正常先債権と言われる七千社の債権は一体どういう額になるのか、このことがおわかりでしょうか。七千社というのはどれぐらいの債権の額になるのか、お教えいただきたいのですが。
  86. 日野正晴

    ○日野政府委員 今長銀が保有している債権のうち、何を住友信託銀行との合併の際に引き継ぐか、あるいはドロップするかということは、これから、あくまでも高橋社長が言っておられる正常先債権のみを引き継ぐということを前提とした合併交渉においてこれから進められることでございますので、私ども金融監督庁といたしましては、それがどの範囲が合併の対象になる、あるいはならないのかということを申し上げる立場にないということを御理解いただきたいと思います。
  87. 春名直章

    ○春名委員 それはおかしいのでございまして、大野木頭取自身が、七千社は正常先債権である、そして高橋社長は、正常先債権のみ承継すると言っているわけであります。正常債権ではなくて正常先債権を承継すると言っているわけです。その正常先債権というのが一体どれぐらいになるのか、正常債権の中からどれぐらいが選択されて落ちていくのか、それぐらいも把握していないのですか。わからないのですか。積み上げればわかるんじゃないですか、七千社の債権を。
  88. 日野正晴

    ○日野政府委員 合併交渉の過程におきましては、一つ一つ債権について引き継ぐかどうかということを、恐らくデューデリジェンスで吟味されるものと思います。その過程において初めて、何が引き継がれ、何が引き継がれないかということが明らかになるわけでございまして、まだその交渉が進展中の段階でその金額を積み上げるということは不可能であろうと思います。
  89. 春名直章

    ○春名委員 全くこれは無責任でございまして、正常債権すら、第一分類債権すら引き継ぐ意思はないと言われている、正常先債権は引き継ぐ、七千社、それはどれぐらいか、それもわからないということで、双方がもう同じ認識で言っているのにそれをつかんでいらっしゃらない、これは私は非常に無責任だと思うのですよ。先日の吉井質問によりまして、住信のデューデリジェンス次第では、この正常先の七千社の中でもさらに選別をされて落とされる危険があるということが既に明らかになっております。  そこで、私は次にお聞きをしていきたいのですけれども、住信の方に引き継がれなかった債権、例えば正常債権の十五兆九千百十四億円の中で正常先債権以外の債権、あるいは初めから引き継がれないとしている二分類以下の債権、こういう引き継がれていかない債権がありますね、これは確実にありますでしょう。こういう債権はどうなっていくのか、どういう処理がなされていくのか、このことをお答えいただけますか。
  90. 日野正晴

    ○日野政府委員 合併というものを前提として考えます場合には、結局、住友信託銀行に引き継ぐことになるであろう長期信用銀行の現在保有している資産それから負債、合併の時点でバランスシート上にあらわれているものは、これはすべて、合併でございますので一分一厘とも残さずに住友信託銀行に行くわけでございます。  ただ、問題は、住友信託銀行はあくまでも受け取る側でございますので、やはり契約としては、自分としては引き取りたくないというものは、これは長銀としては落とすことになると思います。それを今御指摘になったのだと思いますが、これは結局、これから落とすものを決め、さらにどういう落とし方をしていくかということは、これはやはり両行の間で、いろいろなやり方があろうと思います。それをこれから検討して決めていくことになるのだと思います。  いずれにいたしましても、合併ですから、その合併の時点で日本長期信用銀行に残っている以上は、これは全部、営業譲渡と違いますので引き継がざるを得ないということになろうかと思います。
  91. 春名直章

    ○春名委員 丸ごとの前に整理をするということを言っているのです。その整理をするということがどういう形でやられていくのか、どんなやり方があるのか、どのようなことが考えられるのか、そのことをお聞きしているのでございまして、これとこれしかありませんというふうに言わなくてもいいですけれども、一般論で言えばどういう処理がされることになるのか、どうなっていくのかということはお答えいただけますか。
  92. 日野正晴

    ○日野政府委員 さまざまな方法があるわけでございますが、その一、二の例を具体的に申し上げますと、例えば債権につきまして引き当てを増加する、引き当て額をふやすということも一つの方法でありましょうし、あるいはまた債権をよそに売却するといったような方法もあろうかと思います。いろいろな方法があろうかと思いますが、それは結局両行の間で決められるものと考えております。
  93. 春名直章

    ○春名委員 大体こういう場合どうなっていくかというのは、今おっしゃいましたけれども、引き当てをふやしまして他銀行への承継ということも考えられると思うのですね。しかし、その他銀行への承継ということは、住信が引き継がないという前提がありますので保証がなかなか出てこない。だから、もし引き継がれなければどうなるかといいますと、共国債権買取機構への売却というようなことも当然出てきますね。こういうことになっていきますと、CCPCへの売却をされていく、そうなると、そこに行った債権は当然回収されるだけになってしまいます。他銀行への承継ということもなかなか困難でしょう、一度烙印を押されるわけですから。そうすると、正常債権の中で正常先と言われている債権以外の部分も、そういう部分でも命脈を切られてしまうというようなことになりかねない事態が生まれてくる、私はこれは非常に重大だと思います。  さらに、私、お聞きしておきたいのですけれども、当然のことなんですけれども、他銀行への承継の場合は、今おっしゃいましたけれども、一定の引当金がどうしても必要になりますので、その場合、長銀の負担で行われていくということになると思います。それからまた、共国債権買取機構への売却ということにもしなれば売却損が出ますので、そのロスも長銀が責任を持つということにならざるを得ません。  いずれの場合も長銀の負担がふえていく。住信がいいところだけをとっていくということに執着してやられていきますと、長銀の新たな負担がふえていく、こういう構図に当然私はなると思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
  94. 日野正晴

    ○日野政府委員 今御指摘になりましたように、さまざまな債権の引き継ぎ方あるいはその引き当ての仕方があろうかと思います。もちろん、引き当てを行いますと、それは長銀が借方の方に引き当て損を計上しなければならないわけですから、長銀の負担になることは当然でございますし、それから債権は、恐らく、簿価と売却価格との差額というのは、当然のことながらこれも長銀の負担になろうかと思います。  さまざまなケースが考えられると思いますが、いいところだけというふうに仰せですけれども、結局、合併というのはあくまでも両行が契約によって行うものでございまして、その両行の間の話し合いで、何をとり何を売却するかということはやはり両行の間で決めていただくしかないものというふうに考えております。
  95. 春名直章

    ○春名委員 最初から最後までそこに行き着くわけですけれども、新たな負担になるということは否定をされませんでした。  それから、合併だから何をどう引き継ぐかというのは両行の間の話だと言いますけれども、そういうことを言っている場合じゃないんですね。その中身によって公的資金の導入というのがどういう規模になっていくのかということが連動しているわけですから。長銀の負担がふえていけばふえていくほど過少資本になります。過少資本になりますと、公的資金の投入という申請の額もふえてくるという関係になるじゃありませんか。  だから、私企業同士の合併だからそのようなことは関知しない、好きなようにやってくださいということでは済まされないことなんだということを私はきょう質問で申し上げているわけでありまして、どうですか、その点は。合併だから何を引き継ぐかというのは好きなようにやればよろしいということにはならないんじゃないでしょうか。正常債権でさえ引き取ろうという立場にないということ、そんなことが許されるのでしょうか。私はそのことを問うているのです。公的資金投入ということに直結しているんだということを問うているのです。長官、いかがでしょうか。
  96. 日野正晴

    ○日野政府委員 お答えいたします。  たびたび同じ御答弁で大変恐縮でございますが、結局、合併というのは百行が契約で決めるものでございまして、今仰せになりましたように、これから果たして一体どれほど長銀の負担がふえるのかといったようなことは、これから交渉してみなければわからないことでございますので、それはこれからの交渉の結果にまちたいというふうに今考えております。
  97. 春名直章

    ○春名委員 交渉の結果を座して待つということになりますと、それだけ国民の負担がふえていくという流れが今生まれてきているので、私は忠告をして発言をしているのでございます。  金は出すが口は出さない、こういう態度をとり続けますと、結局住信の言いなり、税金投入額がふえていくということにならざるを得ないと私は思いますよ。こういう態度を見ておりますと、やはり公的資金投入というのはどうしてもやってはならないということを改めて強く私は主張したいと思います。  そして、今、修正協議がされておりますけれども、政府自民党は、長銀処理に当たりまして、破綻前処理から実質破綻処理という、そういう理屈も持ち出されております。  結局、十三兆円にかわる枠組みをおつくりになって、公的資金を投入するという本質は何も変わらないものだと私は思います。むしろ、実質破綻という概念が不良債権の引き当て処理を行って過少資本になった銀行をもし指すのであれば、長銀はおろか、ほかの危険な銀行にもすべて当てはまるようなことになっていく。十三兆円のスキーム以上の公的資金投入、そういう道が開かれる危険性さえ私は感じるものであります。  野党の追及で長銀への税金投入の根拠も道理もなくなりました。破綻前の処理、実質破綻処理、どちらにしても、長銀への公的資金投入は絶対に認められないものだと思います。そのことを可能にする新たな枠組みを、許されないということを私は強く主張いたしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  98. 相沢英之

    相沢委員長 これにて春名君の質疑は終了いたしました。  次に、保坂展人君
  99. 保坂展人

    保坂委員 社会民主党保坂展人でございます。  宮澤大蔵大臣にまず伺いたいのですが、長銀が破綻あるいはつぶれると世界的に甚大な影響が出る、たびたび政府見解としてお聞きしてまいりました。しかし、既に株価も十数円、実際、市場ではアウトという宣告が下されているものと思いますけれども、この長銀がつぶれてしまえば世界的に大きな影響があるとするならば、現在の長銀の株価、この状態で、氷漬けの状態、これが世界的にどんな影響を今及ぼしているのか、ちょっと伺いたいと思います。
  100. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 それはもうしばしば申し上げたことでございますけれども、まず、今、日本のマネーセンターバンクスが外国で外貨を借りられる、その場合にいわゆるジャパン・プレミアムというものを取られております。それもしかし、だれもがプレミアムを払えば借りられるということですらない。そういう日本金融危機に対する世界的な不信が御承知のようにございますが、仮に長銀がそういうことになりますと、この不信はさらに大きくなるということは、これはもうごくごくわかりやすい道理だろうと私は思っております。  そこへまた、これも時々御議論がありますが、長銀は、自分の勘定であれお客さんの勘定であれ、デリバティブスもかなり大きなものをまだ、減りましたけれども、やっております。それから、たくさんの、何十といういろいろなタイプの店、出先を持っておりますが、それがみんな経済活動をしておるわけでございますから、それが閉められるということになる。また、日本は世界の大きな金融国でございますから、国内的に起こる国民の間の不信、不安というものは、これは申すまでもないことでありまして、幸か不幸か、我が国は戦後大きな銀行の倒産というものはございませんでした。国民はそういうものはないというふうにきょうまで思っておられるわけですから、それだけに経験のないことなので、大したことはないとおっしゃる方があって、私は違う意見を持っております。
  101. 保坂展人

    保坂委員 では、大蔵大臣には後ほどまたお聞きしたいと思いますが、実は、長期信用銀行法という法律を見ていましたら、その八条に、「長期信用銀行は、資本及び準備金の合計金額の三十倍に相当する金額を限度として、債券を発行することができる。」このようにあるのですが、現在の長銀の内容は定かじゃないのですが、現在違反状態にないか、あるいは減資をしたらこれはここに触れてくるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  102. 乾文男

    ○乾政府委員 お答えいたします。  今先生がお読みになりました長期信用銀行法の第八条にそういう規定がございますけれども、私どもといたしまして、今手元に数字がございませんけれども、現時点でそういう異常状態にはなっていないというふうに承知をしております。(保坂委員「減資をしたら」と呼ぶ)減資ということは、仮定の話でございますので、ちょっとお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  103. 保坂展人

    保坂委員 それでは、同じ十六条に他業会社への転移という部分がございます。これは長期信用銀行が免許を失ったときに、債券の権利者保護のために、当該債務の総額を限度として財産の供託を命ずるという部分がございます。今回、長銀の処理に当たって、この十六条に規定されているようなことを判断されるのかどうか。
  104. 乾文男

    ○乾政府委員 お答えいたします。  今引用されました長期信用銀行法の第十六条の与件と申しますか、前提は銀行法の第四十一条でございまして、そちらを見ますと、「銀行業の全部を廃止したとき。」あるいは「全部を譲渡したとき。」とか「解散したとき」とか、そういう場合でございますので、現在、長期信用銀行と住友信託銀行検討されておりますのは合併でございますので、この条文は当てはまらないというふうに考えております。
  105. 保坂展人

    保坂委員 それでは、監督庁長官に伺いたいのですが、今回、長銀問題でたくさんの国民の声が渦巻いている中に、本当に中小企業、ばたばたと今倒産をしているわけですけれども、借金の徳政令なんというものはないわけで、とりわけ日本リース二千五百億円、他の関連会社も合わせて五千億円を超える債権放棄を行うという部分に、何とも納得がいかない思いが私自身も込み上げるわけです。  住専不良債権は中坊さんが一生懸命取り立てている。白昼堂々と債権を取り立てませんよ、これは放棄しますよということが許されるのかどうか。監督庁長官が今そのポストにおられるその経緯も、まさにしっかりした法の目でこの事態を見よという、大きな大蔵省汚職、いろいろな不祥事のさなかで就任されていったと思うのですが、これは場合によっては特別背任と指弾されても仕方がないことじゃないか。堂々と債権を放棄しますよと、こんなでたらめが許されるのかどうかということについてお願いします。
  106. 日野正晴

    ○日野政府委員 二つの観点から、まずお答えさせていただきたいと思います。  一つは、結局、放棄する相手方の、日本リースがその中の一つでございますが、これをどういうふうに、日本リースをちゃんとこれからやっていくのか、あるいはここで倒してしまうのかという、まずその判断があったのだろうと思います。  これは倒してしまうということになりますと、結局、すべての債権者がプロラタで平等にごくわずかの、その債権に比例した金額しか受け取ることができませんし、それから、倒した場合の影響などを考えますと、大口の債権者である日本長期信用銀行が、この際はまず自分が率先してこの債権を放棄することによって他の債権者にも、中には、いや、おれは債権を放棄したくないよという債権者もおられるかもしれませんけれども、そういう方々に御協力をいただいて、すべての債権者の間で日本リースをこれから盛り立てていこう、リース業はきっちりやっているようでございますので盛り立てていこう、こういう判断があったわけでございます。  これは関係者間でこれからその協議が進められるものと思いますけれども、あくまでも当事者間で決められるべきものでございまして、金融監督庁として、これから日本リースを倒すのか、あるいはこれから盛り立てていくのかという判断につきましては、これはあくまでも関連会社のことでございますので、私どもから何か口を挟んで、やれとかあるいはやるなとか言う立場にはないということをひとつ御理解いただきたいのと、結局、似たようなやり方としては、かつて住専の例がございました。この際は、結局、さまざまな大変大きな御批判をいただきまして、これからは政府としてはこういうことには手を出さないということを決められたわけでございますので、その教訓を私どもはしっかりと受けとめて、これに対しては私どもは手を出さないといいますか、口も出さないといいますか、とにかくそういうふうに静観していきたいというふうに考えているわけでございます。  それから、もう一つの観点は、やはり関連ノンバンクの不良債権処理というのは、住友信託銀行との合併を進める上において必要になってきたのだろうというふうに思います。これは住友信託銀行の方からは、関連会社あるいは親密関連会社をきちっと整理しなさい、整理してほしい、こういうかねてからの要望がございますので、これに沿ってこれを整理していくということになったのだろうと思います。  仰せのように、何の理由もないのに債権者が一方的に本来なら取り立てられるはずの債権を放棄するということは、確かにこれは適切なこととは言えませんけれども、こういったいろいろな諸事情が背景にございまして、債権を放棄するということになったというふうに承知しております。
  107. 保坂展人

    保坂委員 宮澤大蔵大臣に再度伺います。  今回の長銀問題あるいは金融システムの問題で、経営者責任ということは随分言われたと思います。もう一つ、免許者責任といいますか監督者責任、免許を与えて監督をし続けた、具体的には大蔵省の責任ということもやはり問われなければならないというふうに思うのですね。金融監督庁の現検査を待たなければ実態がわからないというのであれば、では、その大蔵検査は一体何をどのレベルでやってきたのかという問題がございます。  実は、予算委員会で三月五日でしたけれども、私は、住友信託銀行にも説明不能な不良債権があるという問題を申し上げました。  これは、磐梯リゾートというリゾート法指定第一号、かなり広大な広さの究極の総合的なレジャー施設をつくるということで、実はこれは、大蔵省の元銀行局長の徳田氏、そして事務次官の吉瀬さん、取締役会長に吉瀬さんがなり、取締役に徳田氏がなるという形で、歴代の大蔵OBの方がそこにずらっと並んで立ち上げた。この住友信託銀行は、私調べたのですけれども、土地が借地であるという形なんですね。ほとんど担保がないというところに七百三十一億円という借入金の大半を貸し込んでしまった。  ということで、こういうことをきちっと調べたらどうかと再三申し上げているわけですけれども、一体、大蔵省全体が、こういう住友信託銀行の私が今指摘した点なども含めて、きっちり総括をして新しいルールづくりをしているのかどうか。そして、長銀に対してアメリカの検査会社を使って財務内容の精査を今行っているということでありますから、ついでに住友信託銀行も同様のことをやったらどうかというぐらいに思うわけですけれども、大蔵大臣、いかがでしょうか。
  108. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 広い意味で従来大蔵省は、銀行法に基づきまして監督の立場にあったわけでございますから、そういう意味での、何と申しますか、個々の問題といいますよりは銀行のビヘービアとして、やはり監督する者の責任は私はあるものというふうに考えます。
  109. 保坂展人

    保坂委員 それでは、監督責任を、具体的に経営者責任も私財の提供だったりいろいろ問われているわけであります。たまたま私が調べたこの住友信託の不良債権と化しているケースでは、大蔵省のOB、国家としての大蔵省のOBをかさにして、いわば無担保に近い状態で多くのお金を引き出して、そしてそれを、場合によっては私的に私企業に払い込んでいるという実態があるんですね。こういうことを放置しておいて、そして国民の血税である公的資金という名前の税金の投入ということをもって両行を合併させていくというのは、納得ができないというふうな思いでいっぱいなんですが、いかがでしょうか。
  110. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 非常に厳しい意味での犯罪があったとかいうこととは思いませんけれども、このことにつきましては、八月十九日に衆議院の予算委員会でお尋ねがございまして、そういうお尋ねを受けまして、私は、友人としてこれらの方々に対して、こういう御質問があって、自分としては友人としてそれをお伝えをいたしますと申し上げましたとおりのことを、この諸君に私からお伝えをいたしました。
  111. 相沢英之

    相沢委員長 質疑時間が終了しておりますので、御協力願います。
  112. 保坂展人

    保坂委員 時間が来ましたので、終わります。
  113. 相沢英之

    相沢委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  114. 相沢英之

    相沢委員長 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。  ただいま商工委員会に付託になっております内閣提出中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について、同委員会に対し連合審査会開会の申し入れを行うこととし、あわせて、本委員会において審査中の菅直人君外十二名提出信用保証協会法等の一部を改正する法律案について、商工委員会から連合審査会開会の申し入れがありました場合には、これを受諾するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 相沢英之

    相沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、連合審査会の開会日時等につきましては、商工委員長と協議の上決定いたしますので、御了承願いたいと存じます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十七分散会      ————◇—————