○西田(猛)
委員 自由党の西田猛でございます。
きょうも、大臣その他各位におかれましては大変お疲れさまでございますが、まことに、我が国が置かれている現下の
経済危機及び金融危機に対しまして、非常に大切な
委員会でございますので、ぜひ真剣な討議を、しかも、時間がございませんので、一刻も早い適切かつ有効な手だてをとれるように、我々一丸となって頑張らねばならないと思っております。
冒頭、関東、東北地方を襲いました大豪雨その他で被災された皆様方に対しましては、心よりお見舞いを申し上げておきたいと思います。したがいまして、私は、きょうは国土庁長官には御質問をさせていただきません、大蔵大臣を
中心に質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
さて、この現下の
経済危機及び金融危機に対してどういう適切かつ有効な手だてをとらなければならないのかということを、今、この金
融安定化特別
委員会で我々は一丸となって審議をしなければいけないのですけれ
ども、そこで提案されているのがこのいわゆる金融六法と呼ばれているものだということは、ある
意味では驚くべきことであると言わざるを得ないのだと私は思います。しかも、そのいわゆる金融六
法案と称するものの大宗を占めているものが
ブリッジバンク法案と呼ばれているようなものであるということは、これはいかなることなのでしょうかという思いを抱かざるを得ません。
と申しますのは、それは、
金融機関等が破綻後に、実に複雑な仕組みをもってその破綻
銀行等を整理しようというものであります。今我々が問題としているのは、目の前の金融危機であり、長期信用
銀行にとどまらない、我が国全体の信用秩序の危機そのものであると私は思っております。
実はけさも、私は、地元のある方たち二人からお電話をちょうだいいたしました。一人は元市長の方、もう一人は、これはある
金融機関とだけ申しておきましょうか、ある地元の
金融機関のトップの方であられます。その方たちは、異口同音にこうおつしゃいました。まず、普通の市民、あるいは民間の
会社、あるいは大阪には多い
中小企業、個人商店主が
経営が行き詰まったときに、
政府があるいは都道府県が
公的資金で、それはある程度の援助
措置はありましょうけれ
ども、もう何千億円というふうな規模で支援してくれるようなことはそれはない。したがって、
金融機関に対してだけそういう支援がなされるということについては、非常な憤りを覚えざるを得ない。もちろん、西田さんたちがいつも言っているように、
金融機関には
預金者がいる、
借り手がいる、決済機能があるんですという特殊性があるということはわかっています、そういうことはわかった上でも、やはり不公平感は否めないという苦言なんですね。
しかし、そのお二方とも、その先にさらに続けて言われるには、だけれ
ども西田さん、今、国会の特別
委員会で審議されているあのスローな審議の
状況は何でしょうか、早く、ある
意味で長期信用
銀行と住信の合併を促進してやってくださいね、こういうふうに言われるわけですね。
私は、その話を聞いて、
長銀の問題は実はこうですよ、これからも私御説明申し上げますけれ
ども、我々はそれについてこう
考えますということを、るる電話で述べたわけです。
しかし、私は、きょうのお電話の主のお二方の話を聞いていて、これは国民の非常に苦渋に満ちたお
考えであり、苦渋に満ちた声だなというふうに
考えるわけです。
といいますのは、やはり
金融機関だから、あるいは大きな
銀行だからといって公的な資金を注入されて、ある
意味で救済されようとしている。しかし他方、それが救済されなかったら
日本発の世界恐悦が起こるかもしれない。確かに、ニューヨークも東京も、いろいろなところで株価が落ちている。
自分たちの生活も苦しくなってきている。だから早く
経済が回復してほしい。そのためには
日本の金融秩序が戻ることが必要なんだろう。だったら、西田さん、やるべきことはやってくださいという、非常にこれは庶民的なというか、国民の肌身のお声だと思うのですね。
したがって、るる大蔵大臣もこの金融特別
委員会その他で御発言しておられることについて、私は、大臣御自身も、もう少しそういう一般的な国民の皆さんの感覚をお
考えになった御発言をぜひしていただきたいと思うのであります。
何を言っているのかということは、大臣御自身が一番おわかりだと思いますけれ
ども、ここで、例えば長期信用
銀行が今のような形で破綻をしたらば大変なことになるんだぞというふうなことを声高におっしゃっておられるわけですね。その御発言そのものが、これから私いろいろ述べますけれ
ども、いろいろな
意味で、例えば金
融安定化措置法に書かれている一体どこの資金注入策に該当するのだろうかという
実態的な問題もございますし、それから、大臣というお立場でありながら、国民の皆さんに非常な不安をかき立てているという画面もございます。
そのようなことでございますので、私は、長期信用
銀行という個体の
企業としての
銀行を救済するという観点の
議論は、ここではなされるべきではないと思います。
日本の金融秩序、世界的な決済機能の保護ということのために、今、
日本が一刻も猶予ならず何をしなければいけないのかということを
議論していかなければならないのだと思います。
ぜひ、私は、そのことを最初に銘記をしておきまして、大臣にいろいろと御意見をお聞かせ願いたいと思っているのであります。
私は、
日本の金融危機を回避すること、それはとりもなおさず、
経済危機を回避することが一番かっ最も有効な方策だと思っています。したがって、我々は、るる申し上げておりますように、
日本経済を再活性化させなければいけない、そのためにマクロ
経済政策その他の構造的な改革を行って
日本の
経済を再活性化すれば、金融不安あるいは信用秩序の問題も、やがてこれは解決に向かっていくものだということを主張してまいりました。したがって、何年も前から、あるいは二年前の総選挙のときもそうでございました。我々は、そのための抜本的な税制改革、それから構造的な諸改革、具体的に申し上げれば、所得税の半分、法人税を国際水準並みに引き下げる、行革による減税、政治改革などなどと申し上げてきたわけです。
それに対して、この二年間、総選挙の後、自由民主党内閣は、いや、そうではない、国の財政赤字を消すことがまず大切なのだということで、緊縮財政路線をとってこられたわけでございます。そのためにできたのが財特法であったり、いろいろな
法律であって、我が国の今の
経済危機を招いたということは、もう既にさきの参議院議員選挙で国民の皆さんが判断したことだ、これはまさに国民の審判でございました。
その後成立した小渕内閣は、その方針を転換されて、今私が申し上げたような所得税の恒久、まあ内閣は恒久的減税と言っておられるようですけれ
ども、あるいは法人税率の引き下げ等々についても、やっと重い腰を上げてきたという
状況でございます。
したがって、私は、ぜひここで大蔵大臣の口から、今の金融秩序の問題というものは、マクロ
経済、
経済政策をしっかりととっていくことによって払拭することができるのだ、したがって、個々の
金融機関の問題ではなく、
日本の全体的な
経済運営をどうしたらいいのかということをいっときの猶予なく実行に移すべきだということを言っていただきたいと思います。大臣、御意見いかがでしょうか。