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国務大臣(
大木浩君) 今お話がございましたように、六%というのは正直申し上げましてなかなかきつい目標でございますが、京都で決めました議定書の中では、この温暖化の
対策としまして、つまり排出ガスを抑えるための方策として、一つは排出ガス自体の削減、それから森林等が一たん排出されたガスを吸収するという吸収、これが二つ目でございます。それから、諸外国との、例えば開発途上国と
協力する、あるいは例の排出権取引というようなことで、国際的な
協力で結果的にはこれも排出を抑えるという効果が出てきますから、これが三つ目。この三つが並んでおりますけれ
ども、この二つ目の吸収というものにつきましてはまだ科学的な知見が十分に得られていないという面がございます。京都でもいろいろと議論があって、どこまで認めるんだというような議論がございました。
それから、三つ目の国際的な
協力、もちろんこれも間接というか結果的にはそれなりの効果はありますけれ
ども、各国が国際的なことだけで削減を実現しようということでは自国内における努力というのがおざなりになるということですから、やはりこれは自国で排出ガスの削減に努力するというのがまずはこの基本になるんじゃないか、こういうことがいろいろと交渉の過程でも議論されておりました。ただ、その六%を何によって実現するかということは、各国ともどこで何をやるかということは決めておりませんけれ
ども、
日本の場合にもこれはやはりまずはみずからの削減というところからスタートすべきであろうと思っております。
そういうことで、御存じのとおりに、排出の主体と申しますか分野と申しますか、これは産業界もありますし、運輸、交通の方もありますし、また民生もあると。ですから、この三つそれぞれにおいて頑張っていただかなきゃいかぬ、こういうわけでございまして、産業界については今通産省が既に立法
措置を
考えておられますから、まずは省エネという形で、これは間接というか結果的にはガスの削減にもなるわけですから、これはひとつ進めていただく。それから、私
ども、産業界ばかりではなくて運輸部門あるいは民生においてもいろいろと削減努力できるところもあるんじゃないかということで、これは総括的なできればひとつまとめた法案というものができないかなということで検討をしております。
ただ、今直ちにあらゆる方策を並べた法案というよりは、まずは
国民に御理解をいただいて、今申し上げました各部門でできるだけ自発的、自主的に
対策を進めていただく。そのためのいろいろとまた
政府として
協力できるところをまず固めていく、そういったところを中心にしての方策ということがスタートではないかというふうに
考えております。
もちろん、必要に応じまして何か
規制的な
措置を相当きちっとそろえることが必要だという面もありましょうし、それからいろいろと御議論の中ではあるいは科学的な手法で何か税金を
考えたらいいじゃないかと、こういうのもありますけれ
ども、今直ちにそこまで
考えるよりはできることからやった方がいいんじゃないかと
考えております。
と申しますのは、結局、京都会議でできました議定書の内容もまだ十分に固まり切っていないところがございますから、今申し上げましたような対象をどこまでカウントするのか等、どういう手法で実現するかというようなことについては、まだまだ今後COP4以降に議論しなきゃならぬ問題が多いわけでありますから、私
どもといたしましては今はできるところからまずスタートすると。
しかし、いずれにいたしましても、京都会議でせっかくあそこまで合意したわけですから、
日本政府としてはぜひともひとつできることはきちっとやっていく、そういう政治的な意思と申しますか、これだけは
内外にきちっとわかるようなスタートをさせていただきたいということで、もう先般来、御存じのとおりに
総理を本
部長といたします
対策本部もできておりますから、これから環境庁も一体となりまして頑張らせていただきたいと思っております。