○星野朋市君 私は、自由党を代表して、ただいま
議題となりました
金融システム改革のための
関係法律の
整備等に関する
法律案外三
法案について、
総理並びに
関係大臣に
質問をいたします。
四月一日より
改正外為法が
施行され、
我が国の
金融状況が一変しようとしています。
金融業界は、
外国金融機関との間で真の国際
競争力が問われようとしております。もう既に
ビッグバンは始動したのであります。しかし、それに対し、橋本内閣の
ビッグバンに対する政策は積極的な戦略性が全くありません。
まず第一に、バブル崩壊により、
我が国経済がこうむった痛手はまだいえておりません。加えて、橋本内閣のとった九兆円
国民負担増加が深刻なダメージをもたらしております。
公的
資金による資本注入を行って
ビッグバンを乗り切ろうなどというのは、フリー、フェア、グローバルのいずれにも該当しない護送船団行政の復活であり、何の解決にもならないびほう策であります。
不良債権問題は早期に顕在化させ、一刻も早く処理しなくてはなりません。隠ぺいしていては
内外からの
信用回復などできるわけがないのであります。
まず、
不良債権問題を解決し、次に
ビッグバンを成功させ、その上で
財政再建を実現するという手順を踏むことなく、
不良債権問題も未解決のまま、
財政デフレ政策と早期是正
措置を強行し、
我が国経済を先行き
見通しの立たない深刻な
状態に陥らせています。
去る
財政・
金融委員会におきまして、私が
総理に、あなたは
ビッグバンを高らかに唱えられた、そういう
質問をいたしましたが、
総理は、私は高らかに唱えていない、おずおずと言い出したと、こういうふうに言っておりますが、この
総理に
ビッグバンを行う資格などありません。
総理の御
所見をお伺いいたします。
以下、順次お伺いいたします。
金融システム改革法では、
保険業に早期是正
措置を導入しようとしております。異常な超低金利が既に三年目に入っております。超低金利政策もせいぜい一年ぐらいであればカンフル剤としての効果がありますが、もはや深刻な弊害をもたらすのみであり、金利や年金に頼る人たちを圧迫し、年金基金を
破綻させ、税収をも落ち込ませ、
経済をゆがめているのであります。
中でも、民間生命
保険業の
経営が圧迫されていることは論をまちません。
政府は、
銀行の過ちを
保険でも繰り返すおつもりでしょうか。株価も低迷する中、早期是正がもたらす
影響をどのように
考えておられるのか。
また、
透明性、公平性を
確保する
観点から、政令事項である早期是正発令基準、ソルベンシーマージン算定基準を
法案審議に先立って明らかにするべきであります。これらの基準を国会で審議することが重要であります。
以上について、
大蔵大臣の
答弁を求めます。
次に、昨年来、
金融機関の
破綻が相次ぐ中、
保険契約者が不安感、
不信感を持つのは当然のことであります。
保険契約者の
保護に対するスキームが未
整備であったことが、それを助長している感は否めません。しかしながら、既に
金融ビッグバンの第一波が始まっている現時点において、
保険会社が
保険契約者保護機構の負担金に果たして耐え得るでしょうか。
また、
金融システム不安がいまだ払拭されない中、十年間に四千六百億円の
資金は果たして十分な額と言えるのか。基金の不足分については二〇〇一年三月までの間、
政府保証と
日銀借り入れによるとしておりますが、これも
財政負担につながりかねません。
また、
保険業は直接決済システムにリンクしてはいないものの、今後、直接
金融市場が拡大していく中、
保険業の
破綻は
金融全体にどのような
影響を与えると
考えておられるのか。
大蔵大臣の
答弁を求めます。
次に、三洋
証券、山一
証券の
破綻に見られるよう、
証券会社が多額の負債を抱えて倒産するのは異常な事態であります。本来、
証券会社の
業務は
顧客の注文の執行であり、
証券会社の
資産は
リスク負担内にとどめておけば巨額の負債を抱えることなどありません。
破綻した
証券会社は本業でなく、ノンバンク等の子会社や簿外債務がその原因であります。
今回、連結ベースに
ディスクロージャー制度を見直すこととすると同時に、
証券会社の自己資本比率規制を見直すこととしておりますが、
証券会社の自己資本比率のみで、早期是正効果はあるのでしょうか。
大蔵大臣の
答弁を求めます。
次に、SPCについてお伺いいたします。
不動産の
証券化については、かねてより我々も主張していたことであり、橋本内閣の対応は遅過ぎると言わざるを得ません。
しかしながら、与党自民党の
総合経済対策基本方針によれば、特別目的会社が発行する
証券の流通
市場育成のために郵貯・簡保など公的
資金を使用するとしており、これは言語道断であります。
SPCは不動産その他の
証券化、
流動化に資するものではありますが、しかし、公的
資金でSPCの
証券を買い上げるのであれば、公正な
市場育成の
観点からまさにへんぱな対応と言わざるを得ません。マーケットはその参加者が魅力を感じて初めて
投資を行い、成立します。公的
資金により無理やり需要を創出して、それが果たして
市場育成になるとお
考えなのでしょうか。
橋本総理の明確な
答弁を求めます。
ビッグバンを迎える政策順序。今行うべきは
不良債権の一掃、
金融システム不安につながらないよう
セーフティーネットの強化、
改革の痛みを吸収するための
経済対策と構造
改革であり、これが
ビッグバンを迎える正しい順序であります。
口先介入と公的
資金による
市場操作で
ビッグバンをスタートさせた橋本内閣には、これらの視点が一切なく、全く支離滅裂であり、悔いを千載に残すことは間違いありません。
総理の御
所見をお伺いして、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣橋本龍太郎君
登壇、
拍手〕