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国務大臣(
小泉純一郎君) ただいま議題となりました
国民健康保険法等の一部を改正する
法律案につきまして、その提案の理由及び
内容の概要を御
説明申し上げます。
今回の改正は、近年の高齢化の進展等に伴い、市町村
国民健康保険における退職者に係る老人
医療費拠出金の増大、老人加入率が著しく高い市町村
国民健康保険の保険者数の増加を踏まえ、
医療保険制度等の抜本改革が行われるまでの間において、老人
医療費拠出金について現行制度のもとにおける所要の見直しを行うとともに、
医療保険制度への信頼の確保と
医療費の適正化に資するため、診療報酬の不正請求の防止のための
措置及び病床過剰地域等における保険
医療機関の
指定のあり方等に関し必要な
措置を講ずるものであります。
以下、この
法律案の主な
内容につきまして御
説明申し上げます。
第一に、老人
医療費拠出金に関する見直してあります。
老人
医療費拠出金については、現在、市町村
国民健康保険が一般被保険者の保険料等によって負担している老人
医療費拠出金のうち、退職者に係る部分についてその額の二分の一を退職者
医療制度を通じて被用者保険に負担していただくこととするとともに、老人
医療費拠出金の算定に用いられる老人加入率の上限を現行の百分の二十五から百分の三十に改めることとしております。
第二は、診療報酬の不正請求の防止に関する
措置の強化であります。
まず、診療報酬の不正請求等の不正行為を行ったことにより、保険
医療機関の
指定等が取り消された場合に、
都道府県知事が再
指定等を行わないことができる期間を現行の最長二年間から最長五年間に改めることとしております。また、診療報酬の不正請求に係る返還金に対する加算金の割合を現行の百分の十から百分の四十に改めることとしております。
第三は、保険
医療機関の病床の
指定等に関する改正であります。
都道府県知事は、病床過剰地域内の病院等について、新たな病床の全部または一部について保険
医療機関の
指定を行わないことができることとしております。また、
都道府県知事は、既存の保険
医療機関を含め、医師等の従業者の人数が
厚生大臣が定める基準に満たないときや、適正な
入院医療の効率的な
提供を図る上で保険
医療機関として著しく不適当であると認められるときは、病床の全部または一部について保険
医療機関の
指定を行わないととができることとしております。
第四は、
国民健康保険組合及び
国民健康保険団体連合会の予算について、
都道府県知事の認可を届け出に改めるほか、市町村
国民健康保険の事務費負担金の一般財源化に伴う所要の改正を行うこととしております。
最後に、この
法律の施行期日でありますが、退職者に係る老人
医療費拠出金の負担方法の見直しについては
平成十年七月一日、老人加入率上限に関する特例の見直しに係る事項及び市町村
国民健康保険の事務費負担金に関する事項は四月一日、診療報酬の不正請求の防止に関する事項、保険
医療機関の病床の
指定等に関する事項及び
国民健康保険組合等の認可の見直しに関する事項については公布日から起算して三月を超えない
範囲内において政令で定める日としております。
政府といたしましては、以上を
内容とする
法律案を提出した次第でありますが、
衆議院におきまして、次のとおり
修正が行われております。
第一に、本
法律案のうち老人加入率上限に関する特例の見直しに係る事項等の施行日を、
平成十年四月一日から公布の日に改めることとされております。
第二に、施行日の
修正に伴い、
平成十年度の老人
医療費拠出金の額の算定等について所要の
措置を講ずることとされております。
以上が、この
法律案の提案理由及びその
内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御
審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。