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都築譲君 法律の問題は、本来
行政にお願いして内閣提案で出してもらうものではないわけでございまして、こんなことを申し上げるのもあれかもしれませんでしたが、ぜひそういう心構えだけはしっかりとお持ちいただきたいということでお願いをしたいと思います。
次は、もう一つの
テーマとして、いわゆる
内部監査の問題ということで、本来、
内部監査ということであれば
業務監査とかあるいは財務
監査とかもろもろあるわけでございますが、きょうは
公務員倫理問題がいろいろ取りざたされているということで、
服務監査という
テーマで厚生
大臣そしてまた通産
大臣にもお越しをいただいたわけでございます。
倫理規程といったものが一昨年、岡光
事務次官の事件に端を発してできました。当時、私ども新進党が
公務員倫理法をつくろう、こういうことで議員提案をしましたが、結局は倫理規程とか通達で対応するからということで審査にも入れずに廃案とされてしまったわけでありまして、今ごろになって
公務員倫理法というのでは遅いのではないかというふうな印象を私自身は持っております。
その理由というのは二つありまして、一つは倫理規程といったものが出ておりますし、今回、
公務員倫理法が出たっていずれまたこれは精神訓話、精神論にすぎなくなってしまうのではないか、本来のところが本当に解決をされないのではないかというふうな思いがあるわけでございます。その本来のところというのは、何といっても中央官庁に
権限が集中し過ぎている。そこのところを
行政改革という形で、これはまた一面、
政治改革ということで
政治家の指導性といったものをちゃんと発揮できるようにしなければ、いつまでたっても政策とかあるいはまた予算のお話とか、あるいは具体的な運用のお話は全部官庁にお任せということになってしまえば、そこにだれだってすり寄っていくわけでございます。
この間大蔵省の金融検査官が逮捕されましたけれども、要は
情報を流すということのほかに、例えば住専の処理のときに不良債権の処理の仕方として有税償却か無税償却か、それの区分をあえて無税償却に入れてやった。あの検査官の場合は額としては小さかったかもしれませんが、全体の額として何千億の不良債権を償却するときに有税か無税か、これだけでも恐らく何十億、何百億の違いが出てくるだろうと思います。それに対して、二百万、三百万円の接待だろうが、こんなもので何十億ももうかるのだったら、だれだって行ってこいと、こういう話になるのは当たり前の話であります。
先ほど
小里長官がそういう仕組みを、ルールを透明なものにして、また事後管理、事後チェックといったものをしっかりやる、こういう話でございます。まずそこのところを本当にしっかりとやっていく必要があると思うわけでございまして、この点はぜひ
総務庁長官にもお願いをいたしたいと思います。あと、それぞれの、厚生
行政もそしてまた通産
行政も、そういった意味で膨大な
権限を中央官庁が今持っているわけでございまして、そういったものについてぜひ切り込んだ
改革の実を上げるようにお願いしておきたいと思います。
そして、ここでお伺いをしたいのは、この倫理規程を拝見いたしまして、
服務管理官あるいは総括
服務管理官といったものが置かれるようになっておりますけれども、実際のところ、この管理官の皆さん方は課長さんとかあるいは官
房長ということで、結局はラインの中にいる人たちが
職務を兼務しているということでありました。そういった
状況が結局チェックといったものの
体制を甘くしてしまっているのではないか、もっと独立性を与えた仕組みを講じていくべきではないのかなというふうに思うわけです。
ただ、余り日本的な人間
関係の中でぎすぎすするというのはよくない、かえって
公務の能率さえも妨げる、こういう議論もあるかもしれません。それでも
服務管理官の皆さんに、先ほど通産省の官
房長がお答えになっておりましたけれども、事前に相談をしていくというふうなことですから、これはどちらかというと
行政指導タイプの
服務管理官であるわけでありまして、余り警察的にチェックするというふうなのがどこまでいいかどうかはわかりませんけれども、独立性を与えていかなければやはりそれなりの抑止力というか、そういったものは生じてこないのではないかな、こんなふうに思っておるわけでございます。こういった
服務管理官制度、これはまたいずれ人事院の仕組みの方の改正にもつながっていくのかもしれませんけれども、こういった
服務管理官制度で本当に実効が上がると考えておられるのか。
というのは、例えば課長さんのところでいいよいいよ行っておいでと言っておいて、行ってみたら実は大変な問題を抱えている。事後報告が上がってくる。上がってきたら、そうすると今度は
服務管理の仕方が悪かった、こういう話になってしまうわけです。それをまた、じゃ官
房長さんに御報告をしましょうと。いや、それはやっぱり黙っていようよ、こういう話になっていくのが今までのケースでもあったと思うんです。今までの
公務員法に基づく
公務員倫理の確立とか、あるいは
宣誓の規定とか、あるいは
信用失墜行為の
禁止とか、みんな同じ話でありまして、それが守れなかったのに今こういった同じものを重複してやっても意味がないのではないか、こんなふうに実は思っております。
ここら辺のところにつきまして、今後、
公務員倫理法がまたどういうふうな形で出てくるかわかりませんが、根本的なところは、先ほど
小里長官が言われましたように、もう世の中が変わってしまった。今までみんな貧しかったわけです。戦後も、高度成長のときだって貧しかった。だから、あのときは
公務員は随分その処遇がおくれでいったわけでございまして、あんな貧しい中で汚い
公務員宿舎に住んで、それでも高い規律、士気を持って仕事に取り組んできた。ところが、あのバブルのときにみんな何か豊かになっちゃって、金を右から左に移すだけで何十億、不動産を左からまた右に戻したらこれでまた何百億ともうかるとか、そんなばかな商売ばかりがはやってしまって、まじめに働くという人たちがばからしく思えるような、そんな
状況になってしまって、
公務員の皆さんにもいろんな影響が及んだのではないか、こんなふうに思うわけでございます。
この日本の豊かさを支えてきたのは日本人の勤勉で本当に誠実な
国民性だと、そういった意味で日本の国際競争をやっている製造業の労働者の皆さん方は一生懸命働いておるわけでございまして、そういったところにもう一度思いをいたしてそういった
改革に取り組んでいただくようにぜひ各
大臣にお願いをいたしまして、最後に
総務庁長官の御見解をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。