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1998-03-10 第142回国会 参議院 交通・情報通信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年三月十日(火曜日)    午後零時三十分開会     —————————————    委員異動  一月二十八日     辞任         補欠選任      戸田 邦司君     都築  譲君  一月二十九日     辞任         補欠選任      都築  譲君     戸田 邦司君  二月四日     辞任         補欠選任      戸田 邦司君     都築  譲君  二月五日     辞任         補欠選任      都築  譲君     戸田 邦司君  二月十二日     辞任         補欠選任      保坂 三蔵君     片山虎之助君  二月十三日     辞任         補欠選任      片山虎之助君     保坂 三蔵君  三月五日     辞任         補欠選任      大木  浩君     山本 一太君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         川橋 幸子君     理 事                 景山俊太郎君                 亀谷 博昭君                 陣内 孝雄君                 寺崎 昭久君                 但馬 久美君     委 員                 加藤 紀文君                 保坂 三蔵君                 溝手 顕正君                 守住 有信君                 山本 一太君                 中尾 則幸君                 及川 一夫君                 渕上 貞雄君                 上田耕一郎君                 筆坂 秀世君                 戸田 邦司君    国務大臣        運 輸 大 臣  藤井 孝男君        郵 政 大 臣  自見庄三郎君    政府委員        運輸政務次官   江口 一雄君        運輸大臣官房長  梅崎  壽君        運輸省運輸政策        局長       土井 勝二君        郵政政務次官   中谷  元君        郵政大臣官房長  天野 定功君        郵政大臣官房総        務審議官     濱田 弘二君    事務局側        常任委員会専門        員        舘野 忠男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情情報通信及び郵便等に関する調査  (運輸行政基本施策に関する件)  (平成十年度運輸省関係予算に関する件)  (郵政行政基本施策に関する件)  (平成十年度郵政省関係予算に関する件)     —————————————
  2. 川橋幸子

    委員長川橋幸子君) ただいまから交通情報通信委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る五日、大木浩さんが委員辞任され、その補欠として山本一太さんが選任されました。     —————————————
  3. 川橋幸子

    委員長川橋幸子君) 運輸事情情報通信及び郵便等に関する調査を議題といたします。  まず、運輸行政基本施策及び平成十年度運輸省関係予算について、運輸大臣から所信及び説明を聴取いたします。藤井運輸大臣
  4. 藤井孝男

    国務大臣藤井孝男君) 第百四十二回国会に臨み、当面の運輸行政の諸問題に関し所信を述べ、委員各位の御理解と御支援を賜りたいと思います。  昨今の我が国を取り巻く状況に目を向けてみますと、景気回復に向けた足取りは依然として重く、我が国経済社会は今非常に厳しい状況にあります。運輸分野もこの例外ではなく、大競争時代を生き抜くため、現在、官民ともに懸命の努力を行っている状況であり、運輸行政に課せられた使命はこれまでになく大きなものとなっております。  折しも、昨年末には、行政改革会議から国土交通省の設置を初めとする中央省庁再編案等が報告されたところであり、運輸省としては、二十一世紀にふさわしい総合的な交通行政の実現に向け、安全の確保を基本としつつ、陸海空にわたり整合性のとれた交通体系の形成と安定的で質の高い交通運輸サービスの提供を目指して邁進してまいる所存でございます。  あわせて、行政をめぐる厳しい情勢を真摯に受けとめ、綱紀の厳正な保持を徹底することにより運輸行政に対する信頼の確保に努めてまいります。  このような認識のもと、各般にわたる以下の施策の実現に積極的に取り組んでまいります。  まず第一に、国鉄長期債務問題についてでありますが、国鉄改革の総仕上げ及び財政構造改革の観点から、先送りの許されない最重要課題であります。  国鉄長期債務処理方策につきましては、昨年十二月十七日の財政構造改革会議において「国鉄長期債務の処理のための具体的方策」が決定され、政府としてはこれを受け、同月二十五日、同会議で決定された処理方策に基づき平成十年度より国鉄長期債務の処理の実現を図るものとし、このための所要の法律案を本国会に提出する等必要な措置をとることを閣議決定したところであります。今後、本格的処理の実施に向け、引き続き懸命の努力を払ってまいります。  第二に、行政改革経済構造改革の要請や国民のニーズの多様化等に対応して、みずからの行政や規制等のあり方について抜本的に見直してまいります。  運輸省は、平成八年末、従来の運輸行政からの大転換を行い、需給調整規制を原則として目標期限を定めて廃止していく方針を決定したところであり、現在、受給調整規制廃止後の地域における生活路線の維持、安全の確保、消費者の保護等の諸課題に関する環境整備方策等について、運輸政策審議会において熱心な御審議をいただいているところであります。今後とも、経済社会活性化国民生活の質の向上等の視点に立ち、積極的に規制緩和に取り組んでまいる所存であります。  経済構造改革を実現する上で特に重要な物流分野につきましては、昨年四月に閣議決定された「総合物流施策大綱」に基づき、道路交通混雑の解消や環境負荷低減等の諸課題を解決し、円滑な物流を確保するため総合的な物流施策の推進に積極的に取り組んでまいります。  具体的には、国際ハブ港湾空港等社会資本及び物流拠点の整備、規制緩和の推進、情報化標準化、商慣行の是正等による物流システム高度化の推進、モーダルシフトの推進といったハード、ソフト両面にわたる施策を推進してまいります。  地方分権につきましても、従来より関係地方公共団体との密接な連携のもと、地域の実情に対応した運輸行政を行ってきたところでありますが、今後とも、地方分権推進委員会勧告等を踏まえ、適切に対処してまいります。  第三に、厳しい財政的な制約の中で、投資の重点化建設コスト縮減等に特に留意しつつ、陸海空の交通モードがそれぞれの特性を発揮しながら連携して安全、円滑で効率的な交通運輸サービスを提供していくための社会資本整備に一層努めてまいります。  整備新幹線につきましては、平成八年十二月の政府・与党合意に基づき、現在着工している三線四区間の着実な整備を進めるとともに、未着工区間については、昨年七月より政府・与党整備新幹線検討委員会において収支採算性見通し等基本条件の確認を行ってまいりましたが、本年一月に結論を得たところであり、今後はこの検討結果に基づき適切に対処してまいります。また、幹線鉄道高速化等を推進してまいります。  港湾につきましては、物流コストの削減、港湾の国際競争力の強化を図るため、中枢・中核国際港湾における国際海上コンテナターミナルの整備や港湾諸手続の情報化の推進を最重点課題として推進するとともに、廃棄物海面処分場の整備や災害に強い港湾システムの構築にも努めてまいります。  海岸につきましては、質の高い海岸保全施設等の着実な整備を進めてまいります。  空港につきましては、国際ハブ空港を初めとする大都市圏における拠点空港の整備を最優先課題として推進いたします。  成田空港については、円卓会議の結論を踏まえて、平成八年十二月に、共生策、空港整備地域整備を一体のものとして今後の空港づくりを実施するという「基本的考え方」を公表しており、この「基本的考え方」に基づき共生施策のより一層の充実を図り、また、地権者の方々と引き続き誠心誠意話し合いを行い、平行滑走路の西暦二〇〇〇年度完成を目指して最大限の努力を重ねてまいります。  また、中部国際空港については、平成十年度政府予算案新規事業化のための予算を計上するとともに、関連法案についても本国会に提出させていただいているところであります。  本空港の整備については、昨年十一月の「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」におきましても、民間活力を活用した社会資本整備としてその推進を図ることがうたわれており、今後、円滑な事業の推進がなされるよう、地元関係者の方々との連携を図りながら早期開港を目指して最大限の努力を行ってまいります。  さらに、関西国際空港については、平成八年度より二期事業に着工しておりますが、平成十年度においては、これまで進めてきた実施設計調査の取りまとめを行うとともに、護岸、埋立工事等に着手する現地着工のための準備を進め、西暦二〇〇七年の平行滑走路供用を目指して整備を推進してまいります。  第四に、ゆとりと優しさを実感できる社会に向けての諸施策を推進してまいります。  まず、高齢化の急速な進展や障害者の自立と社会参加要請等に適切に対応するため、高齢者障害者の方々が安全かつ円滑に利用できる公共交通機関の整備を強力に推進してまいります。  都市における交通の円滑化を図り、安全かつ快適で使いやすい交通体系を構築するため、鉄道、バス等公共交通機関整備充実を図るとともに、公共交通機関利用促進、自家用車の使用の合理化等を推進する施策の一層の充実を図るほか、オフピーク通勤中心市街地活性化のための施策等の推進を積極的に図ってまいります。  また、地域住民日常生活を支える地域交通については、所要の助成措置を講ずることにより、その安全確保維持整備に努めてまいります。  さらに、ゆとりある生活や地域の活性化にとって観光の果たす役割が重要であることから、観光地づくり推進モデル事業積極的推進、旅の総合見本市である旅フェア98の開催や観光基盤施設整備等に取り組むほか、一部祝日の月曜日指定により連休の創出を目指すいわゆる祝日三連休化運動を支援してまいります。また、我が国に対する理解の増進と地域の活性化を図るため、国際的に低水準にある訪日外国人観光客の増加を図るとともに、多様な地域への来訪を促進するための施策を推進してまいります。  環境問題への対応方策としては、まず、地球温暖化問題について、昨年十二月に京都で開催された気候変動枠組み条約第三回締約国会議において西暦二〇〇〇年以降の二酸化炭素等温室効果ガス排出削減目標等が決定されたところであり、我が国全体の二酸化炭素排出量の約二割を占める運輸部門においても、自動車燃費向上、低公害車の開発、普及促進物流効率化及び公共交通機関利用促進等を今後強力に推進してまいります。また、窒素酸化物等による大気汚染騒音等の問題につきましても、その解決に向け引き続き尽力してまいります。  第五に、経済社会国際的相互依存関係の高まりに伴う国際運輸サービスに関する調整や協力体制の確立に取り組んでまいります。  特に、アジア諸国との間において、APEC等の場における多国間政策対話を推進してまいるほか、主要各国との二国間での運輸ハイレベル協議についても対象国の拡大を図り、的確な国際運輸行政の推進に努めてまいります。  国際協力につきましては、開発途上国の実情を十分に把握しつつ、鉄道、港湾、空港等運輸関係社会資本整備人材養成環境保全に関する協力を引き続き推進してまいります。  個別の課題としては、自動車マーケットグローバル化等を踏まえ、自動車型式指定制度合理化を図るほか、外航海運分野においては、引き続き公正かつ公平な海運秩序の形成を目指すとともに、国際船舶制度を初めとする国際競争力強化のための諸施策の実施に取り組んでまいります。  さらに、航空分野においては、利用者利便のさらなる向上のための路線網の充実に努めてまいります。特に、日米航空協定の見直しについては、一月三十一日に大筋合意に達し、一九五二年に同協定が締結されて以来四十六年ぶりに平等化が達成され、日米双方の権益が大きく拡大しました。今後、この合意の枠組みのもとで日米関係がますます発展していくことを期待するとともに、双方の航空企業が積極的に活動を展開し、利用者の利便が飛躍的に向上することを念願するものであります。  また、航空機の耐空証明及び船舶職員の資格についても、国際的な制度との調整を積極的に図ってまいります。  第六に、次世代に向けた技術開発の推進に一層取り組んでまいります。  まず、運輸分野における技術の創出、高度化を図るため、公募方式による基礎的研究推進制度を充実するほか、実証実験の結果等を踏まえ、引き続きメガフロート超電導リニアモーターカー等研究開発を促進し、また、先進安全自動車開発等高度道路交通システムを推進してまいります。  このほか、増大する航空需要に対応するための次世代の航空保安システムの整備や気象監視予報体制強化等に資する運輸多目的衛星についても、平成十一年度の打ち上げを目指し、着々と準備を進めてまいります。  第七に、運輸行政の基本である安全確保のための体制強化に取り組むとともに、事故の再発防止のために万全の措置を講じてまいります。  交通安全対策につきましては、引き続き、交通安全施設の整備、輸送機器の安全性の確保、適切な運行の確保、被害者救済対策充実等に努めてまいります。  また、昨年は我が国周辺海域においてナホトカ号ダイヤモンドグレース号などの大型タンカーによる大規模な油流出事故等が相次いで発生しました。今後はこの経験を踏まえ、即応体制情報収集体制等の確立とともに、大型しゅんせつ油回収船建造等による油防除体制充実等に尽力してまいります。また、アジア太平洋地域の諸国と協力しつつ、外国船舶への立入検査の強化、ダブルハルタンカーへの代替促進等を通じ、事故の再発防止対策についても積極的に推進してまいります。  海上保安業務につきましては、国連海洋法条約締結に伴う新たな海洋秩序の形成と我が国領海をめぐる昨今の諸情勢に的確に対応しつつ、巡視船艇、航空機の増強等を推進し、我が国の権益の確保と警備救難体制の強化を図ってまいります。また、海の安全を守るべく、航行安全対策の推進、航路標識の整備、水路業務充実強化等に努めてまいります。  気象業務につきましては、引き続き、台風、集中豪雨等気象現象の的確な把握、予測、地震・津波・火山に関する情報の迅速かつ的確な発表、気候予報等気候変動対策温室効果ガスの観測、監視等地球環境対策への取り組みの強化など、その充実に積極的に取り組んでまいります。  最後に、以上申し上げました諸施策を実施するために必要な平成十年度予算案について申し上げます。  まず、一般会計でありますが、歳出予定額で九千百五十九億円、前年度当初予算に対して三百七十六億円、三・九%の減となっております。このうち、行政費は国鉄長期債務処理のための日本鉄道建設公団特例業務補助六百五十億円を含めて四千五百七十億円、公共事業関係費は四千五百八十九億円であります。  次に、特別会計予算でございますが、自動車損害賠償責任保険特別会計につきましては六千四百七十億円、自動車検査登録特別会計につきましては四百九十四億円、港湾整備特別会計につきましては四千五百八十一億円、空港整備特別会計につきましては四千七百二十八億円を、それぞれ歳出予算額として計上しております。  また、財政投融資計画中には、当省関係の公団等分として二千八百四十九億円が予定されております。  以上、運輸行政をめぐる課題は山積しておりますが、私といたしましては、長期的展望に立ち、また、国民の行政に対する信頼を確保しつつ、機を失することなく果敢に諸課題の解決に取り組んでまいる所存でございます。これらは申すまでもなく、委員各位の深い御理解と御協力を必要とする問題ばかりであります。終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援をお願い申し上げる次第でございます。  ありがとうございました。
  5. 川橋幸子

    委員長川橋幸子君) 次に、郵政行政基本施策及び平成十年度郵政省関係予算について、郵政大臣から所信及び説明を聴取いたします。自見郵政大臣
  6. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 川橋委員長を初め、交通情報通信委員会皆様には、郵政行政の適切な運営につきまして平素から格別の御指導を賜り、厚くお礼を申し上げます。  この機会に、郵政行政基本的な考え方につきまして私の所信を述べさせていただき、御理解を賜りたいと存じます。  二十一世紀を間近に控えた今、我が国社会経済システム全体を改革し、新たな社会経済構造を構築することが強く求められております。また、我が国経済民間需要中心の自律的な安定成長軌道に乗せることが現下の最重要課題となっております。  郵政省といたしましては、郵政行政国民生活地域社会経済、文化、行政等あらゆる分野を支える基盤となる極めて重要な分野であることにかんがみ、常に国民の立場に立ってさまざまな政策課題に積極的に対応し、国民共有生活インフラである郵便局ネットワーク最大限に活用するとともに、情報通信高度化に向けた取り組みを加速することにより、我が国経済の再建と国民が真に豊かさを実感できる社会実現に貢献してまいる所存でございます。  以下、当面の重要施策について申し上げます。  まず、郵便局サービス改善充実についてであります。  郵便局は、地域の最も身近な国の窓口機関として長く親しまれ、郵便、貯金、簡易保険等国民生活に不可欠なサービスを提供し、国民皆様方から高い評価をいただいております。少子・高齢化情報化等環境変化の中で、今後とも国民皆様の御期待にこたえられるよう、国営・三事業一体による効率的事業運営のもと、郵便局サービス改善充実に積極的に努力してまいる所存であります。  去る二月二日には七けたの新郵便番号制度をスタートさせました。今後、新制度の定着に一層努力し、できるだけ低廉な料金で郵便サービスを提供し続けることができるよう努めてまいります。  また、郵便窓口の土・日開設局及び郵便貯金ATM・CDの休日稼働実施局拡大民間金融機関を通じた保険金等口座振替実施等利用者本位サービスを提供するとともに、過疎地域において高齢者に対し声かけ等を行う在宅福祉支援サービス実施地域拡大等により、地域社会活性化にも積極的に貢献してまいりたいと考えております。  さらに、身近な郵便局公的サービスが受けられるワンストップ行政サービス推進するとともに、郵便貯金民間金融機関との間のATM・CD及び送金ネットワーク相互接続実施する等、郵便局ネットワークオープン化を進め、国民利用者皆様利便向上を図ってまいります。  郵便局マルチメディア化を一層促進し、郵便局サービス地域情報を提供する等、地域情報拠点としての郵便局づくりにも努力してまいります。  これらにより、国民共有生活インフラでございます全国二万四千六百の郵便局ネットワーク最大限に有効活用し、郵便局情報・安心・交流の拠点となるよう、国民利用者皆様に効率的で利便性の高いサービスを提供するとともに、社会経済活性化地域社会の発展に貢献してまいる所存であります。  続いて、情報通信高度化に向けた取り組みについて申し上げます。  通信放送分野設備投資計画額について見ますと、平成九年度は全産業の一割を超える四兆八千億円に達しており、情報通信産業は、二十一世紀に向けたリーディング産業として経済成長を牽引し、産業の生産性向上、ニュービジネスや雇用の創出をもたらすことが期待されております。まさに情報通信社会経済構造改革の原動力として、二十一世紀の国の根幹となるべき最重要分野であります。各国がこれに関し国家戦略的な展開を見せ、また、国際的な協力関係の構築が求められる中、我が国といたしましても、これを国家機能の重要な柱とし、急激な技術革新国際化に対応した戦略的、機動的、総合的な行政を展開することが求められております。  平成十年度予算案でも、科学技術及び環境と並び、情報通信経済構造改革特別調整措置の最重要事項と位置づけられているところであり、今後、この分野に資金、人材、技術を投入し、高度情報通信社会早期実現に向けた積極的な取り組みを進めてまいります。  まず、二十一世紀基盤的社会資本である光ファイバー網等次世代ネツトワーク早期全国整備移動通信サービス地域間格差の是正、インターネットアクセス拠点の拡充、成層圏無線プラットホームに関する研究開発推進等情報通信基盤整備に総合的に取り組むこととしております。  同時に、情報通信のダイナミズムを創出する第二次情報通信改革を積極的に推進してまいります。このため、国際競争力強化をも視野に入れ、一層活発な競争を促進すべく、NTT再編成の実施を初め、この分野における公正有効競争確保するための条件整備規制緩和を積極的に進め、一層の料金の低廉化サービス多様化実現してまいります。  あわせて、本年二月には電気通信の世界的な自由化枠組みを構築するWTO基本電気通信合意が発効したことも踏まえ、情報通信分野国際連携強化するとともに、我が国事業者海外展開を促進してまいります。  放送分野においては、放送のデジタル化が重要な課題となっております。これは、国民皆様技術革新の成果の還元と情報選択機会拡大をもたらすものと期待されております。  そこで、地上放送デジタル化に向けたパイロット実験実施する等、円滑な移行に向けた環境整備を促進し、全放送メディア早期デジタル化に取り組んでまいります。さらに、高齢者障害者方々のための字幕放送等充実や、青少年保護等の観点からの視聴者保護施策の展開にも努めてまいります。  情報通信利用高度化についても積極的に推進してまいります。具体的には、社会経済全体の情報化起爆剤として期待される行政教育等公共分野情報化関係省庁連携して進めるとともに、インターネット等を活用した電子商取引環境整備マルチメディアを活用した中心市街地活性化高齢者障害者方々情報通信利便を享受できる情報バリアフリー環境整備、女性の雇用機会拡大等に資するテレワークの普及等により、新たな社会経済システムやライフスタイルヘの変革を促進してまいります。  また、インターネット等情報通信メディアの普及に伴って社会問題化しつつある違法・有害情報、他人の名誉を侵害する情報等の流通に対しても適切に対応してまいります。  一方、情報通信分野における技術力向上は、国際連携推進国際競争力確保を図る上でも不可欠であります。このため、産学官連携により、国際標準実現に資する技術地域ニーズに応じた技術に関する研究開発を積極的に推進してまいります。  国際的な協力関係を構築する観点からは、ODAによる支援や、ITUAPTAPEC等国際機関を通じた協力により、アジア太平洋諸国を中心とした各国の情報通信基盤整備に取り組んでまいります。  また、本年十月のITU事務局長選挙我が国から立候補者を出しているところであり、その当選に向け全力で取り組む所存であります。御理解と御支援を賜りたいと存じます。  以上、当面の重要施策について申し上げましたが、郵政行政は多くの職員に支えられて初めて成り立つものであり、意欲に満ちた創造性ある職員なくして、その発展は期待し得ないものであります。  そこで、国民皆様ニーズに対応した高品質のサービスの提供及び豊かで活力のある社会実現に向け、積極的な人材開発と活力のある職場づくりに特に力を入れるとともに、相互信頼に基づくより高次の労使関係の構築に向けて努力してまいる所存であります。  次に、以上の諸施策実施に必要な平成十年度予算案について申し上げます。  最初に、郵政事業特別会計でありますが、歳入歳出予定額は、収入印紙等六印紙に係る業務外収入支出分を除きますと、四兆九千三百九十七億円で、前年度当初予算額に対しまして八十六億円の増加となっております。  郵政事業に関する主要事項について御説明申し上げます。  まず、事業の効率化と利用者本位郵便サービス充実を図る等の観点から、新郵便番号制度による郵便処理システムの改善、郵便窓口の土・日開設局拡大郵便貯金ATM・CDの休日稼働実施局拡大民間金融機関を通じた保険金等口座振替実施過疎地域における高齢者の在宅福祉支援サービス拡大等の諸施策推進することとしております。  また、郵便局のネットワークの活用の観点から、ワンストップ行政サービス実験の拡充、情報受発信拠点としての郵便局におけるマルチメディア化の促進等の諸施策推進することとしております。  なお、資金運用につきましても、為替リスクの管理手法の充実、資金決済への日銀ネットの導入等、制度改善充実を図ることとしております。  次に、一般会計でありますが、歳出予定額は八百八十一億円で、前年度当初予算額に対し四十四億円の増加となっております。  この一般会計予算案における主要事項について御説明申し上げます。  まず、次世代ネットワークインフラの構築を推進する観点から、基幹的な情報通信基盤としての加入者系光ファイバー網の整備促進、移動通信サービス地域間格差を是正する移動通信用鉄塔施設整備事業、さまざまな通信・放送サービスを低コストで実現する成層圏無線プラットホーム研究開発、放送の多様化実現する地上デジタル放送のパイロット実験等の諸施策実施することといたしております。  また、情報通信利用高度化推進する観点から、関係省庁連携して公共分野情報化推進する電気通信システム共同開発事業中心市街地活性化に資するマルチメディア街中にぎわい創出事業、すべての人が情報通信利便を享受できる高齢者障害者のための情報バリアフリー環境整備等の諸施策推進することとしております。  さらに、情報通信分野における創造的研究開発充実強化を図る観点から、産学官連携による国際標準実現研究開発制度地域提案型研究開発制度の創設等の諸施策実施することといたしております。  なお、このたび、公務員に対する信頼を著しく失墜する事件が起きたことを政府全体の問題として厳粛に受けとめ、より一層綱紀の厳正な保持に努めてまいる所存であります。  郵政省といたしましては、これまで申し上げました諸施策に速やかに取り組み国民皆様の御期待にこたえることのできる郵政行政を展開してまいりたいと考えておりますので、予算案及び法律案の御審議をよろしくお願い申し上げます。  以上、所信の一端を申し上げるとともに、関連する予算案の概要について御説明申し上げました。  委員各位におかれましては、郵政行政推進のため、一層の御支援を賜りますよう心からお願い申し上げる次第でございます。  ありがとうございました。
  7. 川橋幸子

    委員長川橋幸子君) 以上で両大臣からの所信及び説明の聴取は終わりました。  本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十八分散会      —————・—————