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堂本暁子君
大臣が今おっしゃったようにすべてが展開すればいいのですけれ
ども、産業構造
審議会と
中小企業政策
審議会の中間答申にもございますように、やはり大店法の制約効果というのは無視できないというふうにまだ言われています。そこのところが今回の
政策転換で十分に担保されるのかどうかということはもう今までるる議論されてきたことだと思います。
〔
委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕
私がその点でいささか今疑問と申しますか危惧を抱いている面があるのは、今おっしゃったような
経済の流通の面とそれから
都市計画の視点から今回政策が組まれている。もし大店法を
廃止するのであれば、二十一世紀に向けて前向きな
政策転換でなければならない。その前向きな
政策転換というものの中身というものは、個性化、多様化、それから高度化というようなものが消費需要で今どんどん進んでおりますけれ
ども、恐らくそれに対応するのはむしろ
中小のお店なんではないか。そういった
中小のお店を単に工学的な視点から
支援していくというようなことでは、本当の
意味で
支援できないんではないかということが
一つです。
それからもう
一つは、地方の街や村の個性、これは今
同僚議員の方からも
お話が出ましたけれ
ども、生活習慣の伝承の場である小さなお店や、中くらいのお店でもいいんですが、なれ親しんできたお店、そういうお店は時には町や村の方たちの社交場でもあります。それから、ある
意味では村にとっても町にとっても市にとっても、私は東京に住んでいますが、東京の下町にとっても、そこに住んでいる
住民の無形文化財と言ってもいいんだと思うんですが、もう本当にここ十年ぐらいの間にほとんどと言っていいほど
中小のお店は姿を消しました。その中で、ああ、あそこにいたおばあさんはどこへ行ったんだろう、みんな遠くの埼玉県の老人ホームに行ったとか、とても何か心痛む状況です。
そういった中で、一方で
大型店というのは全国的なフランチャイズの展開をしているんだとすれば、そこにはどうしてもモノカルチャライズ、同じものを皆私
ども着ることになるのかというような危惧を持つわけなんです。
日本の文化の多様性、そして地方の個別な個性というものを今度のこの大転換の中で果たしてきちっと優しく守っていけるのかどうかということに非常に不安を持っています。きのうも
通産省の方にどうやってそれをやるんですかと言ったら、コンサルタントや何かの指導でと。今、平井
先生がたまたま
行政能力というふうにおっしゃいましたけれ
ども、それも
一つ。
それだけの大転換を二十一世紀を見据えて、また何百年も前からの歴史を見据えて、今
住民の意思
住民の意思というふうにおっしゃっているんですけれ
ども、そのきちっとした
意見を一体どうやって聞き取れるのか。それから、そこの一人一人の、町長なり市長なり県知事に至るまで、それだけの大きなビジョンがどこまで専門的に持てるのか。それでは中央からいらっしゃるコンサルタントがそういった文化の視点、環境の視点、あるいは高齢者が道を歩きお店に入るときの物の
考え方、そういったむしろソフトと言われる
部分、これが一番私は
日本では欠けていると思います。子供の小さなおもちゃのこととか、売っているあめとか、私たちはそういうものを買いに駄菓子屋へも行きました。田舎へ行くと駄菓子屋がまだあります。だけれ
ども、そういったものまでがきれいに整理されて、これから一兆円近い予算を入れて、そしてまるでイタリーのプラザみたいなものを山形県だ四国だというところでつくられたんでは、
日本の文化はここでもう本当に私は終わってしまうと思う。
多分今まで展開された議論は、どうやって
中小のお店の経営を守っていくのかということの方が主だと思いますけれ
ども、私は、ここは
日本の風土を守るためにとても大事なことだ、風土と文化と人の心だと思います。WTOに対応しての国際的な事情も背景にあるとは思いますが、ここの場では、どうやって
地域住民の
意見を本当にしっかり聞いていけるのかそれを守っていけるのか、そこまで
通産省がきちっと
考えておられるのか。
そのことについては、これは
大臣の確たる決意と申しますか信念をこの場で伺っておいて、それを私たちは立法府の
責任として、全国展開していく中で、あそこでああおっしゃったじゃないですか、きちっとそのことは担保してくださいということをお願いし続けなければならないと思っているんですが、いかがでしょうか。