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1998-03-20 第142回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年三月二十日(金曜日)     午前九時開議 出席分科員    主査 山本 有二君       越智 通雄君    河村 建夫君       海江田万里君    葉山  峻君       河上 覃雄君    北側 一雄君       木島日出夫君    兼務 冨沢 篤紘君 兼務 一川 保夫君    兼務 西村 眞悟君 兼務 平賀 高成君    兼務 前島 秀行君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 久間 章生君  出席政府委員         防衛庁参事官  伊藤 康成君         防衛庁長官官房         長       大越 康弘君         防衛庁防衛局長 佐藤  謙君         防衛庁運用局長 太田 洋次君         防衛庁人事教育         局長      坂野  興君         防衛庁装備局長 鴇田 勝彦君         防衛施設庁長官 萩  次郎君         防衛施設庁施設         部長      首藤 新悟君         外務省北米局長 高野 紀元君  分科員外出席者         宮内庁長官官房         審議官     斉藤 恒孝君         大蔵省主計局主         計官      谷口 博文君         運輸省航空局監         理部国際航空課         長       井手 憲文君         運輸省航空局飛         行場部計画課長 横田 和男君         安全保障委員会         専門員     平川 日月君         予算委員会専門         員       大西  勉君     ————————————— 分科員の異動 三月二十日  辞任         補欠選任   海江田万里君     葉山  峻君   北側 一雄君     河上 覃早雄君 同日  辞任         補欠選任   葉山  峻君     海江田万里君   河上 覃雄君     大口 善徳君 同日  辞任         補欠選任   大口 善徳君     北側 一雄君 同日  第三分科員冨沢篤紘君、第四分科員一川保夫  君、平賀高成君、第五分科員前島秀行君及び第  八分科員西村眞悟君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成十年度一般会計予算  平成十年度特別会計予算  平成十年度政府関係機関予算  〔総理府所管防衛庁)〕                ————◇—————
  2. 河村建夫

    河村(建)主査代理 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  平成十年度一般会計予算平成十年度特別会計予算及び平成十年度政府関係機関予算総理府所管について審査を進めます。  防衛庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。葉山峻君。
  3. 葉山峻

    葉山分科員 葉山であります。  私は、きょう取り上げます厚木基地のすぐ南、海側の方の藤沢市に長らく住んでおりまして、市長時代から、神奈川県知事あるいは大和綾瀬相模原横浜市等の市長さん方と、この厚木基地騒音公害について、防衛庁あるいは防衛施設庁外務省アメリカ大使館等に毎年伺いまして、騒音を解消することを毎年申し入れて、二十二年間努めてきた者の一人であります。  特に冷戦後、この大和厚木基地というのは、周辺相模原横浜藤沢と周りの人口を合わせますと約百万を超える人口を持つものでございまして、そのど真ん中軍事基地があって、夜となく昼となくそこで騒音をまき散らしているというようなことは世界類例がないというふうに思っておりまして、何とかこの問題は解決を図ってもらわなければならない、そういうふうに思っておるところであります。  そこで、去る一月九日夜のことでありますが、厚木東京横田山口県の岩国の各飛行場で一斉に米空母インディペンデンス艦載機による夜間発着訓練NLPが抜き打ち的に始まったことは御承知のとおりであります。それから六日間、夜中まで連日の激しい爆音訓練が続けられたわけであります。  これまで関係自治体には通常一週間前に通告されるのが慣例でありました。ところが、今度のは通告のないままあるいは通告とほぼ同時に訓練が強行されたために、突然の爆音市民の驚きと怒りは大変なものでありました。自治体にかかる電話にも、子供が引きつけを起こしたとか、うるさくて発狂しそうだとか、いろいろな深刻かつ激しい憤りの声が各自治体に引きも切らなかったわけであります。  そういう今回の抜き打ちNLP異例ずくめだったわけでありますが、このことの実態承知しておられるのかどうか、どのような実態であるか、まずお答えをいただきたいというふうに思います。
  4. 萩次郎

    萩政府委員 今回のNLPにつきましては、急な運用上の都合ということで実施されたものと承知しておりますが、先ほど先生申されましたように、従来行われていた地元に対する一週間ほど前の事前通報もなく、硫黄島も使用せず、また訓練が深夜に及んだことについては当庁としても極めて遺憾と考えております。  当庁といたしましては、従来より、防衛施設安定的使用地元の理解と協力が不可欠であると考えておりまして、今回のような地元に迷惑を及ぼす訓練については、直ちに米側に対し、深夜及び休日の訓練自粛並びに訓練日程の短縮を強く申し入れますとともに、今後は地元に最大限配慮した訓練実施するよう要請したところでございます。
  5. 葉山峻

    葉山分科員 まさに今お答えのとおり、今回の抜き打ちNLP異例ずくめであったわけであります。七日間にわたって爆音の総測定回数が千三百三十九回、その中で、この夜間離発着訓練、すなわちNLPは五百四十七回、特に最高音については百十九デシベル、こういったことであります。  この基地のあります大和基地対策課によりますと、第一に、通告実施という極めて異例な形であるということ。しかも、地元自治体に正式に通告があったのはNLPが既に開始後であったこと。特にNLP開始が十七時三十分だったわけでありますが、それより大分おくれまして、正式な通告は十八時五十五分だったこと。第二に、通告内容は、開始時間が明記されてなくて、終了は二十三時五十九分という前例のなさであります。第三に、実施日には土曜、日曜日も含んでいたこと。第四に、予備日にまで訓練が及んだこと。第五に、EA6B等でありますが、激しい騒音の機種であったこと。第六に、硫黄島での実施がなかったこと。第七に、米軍の急な用というだけで訓練理由が明らかになされなかったこと。第八に、この時期、昼間の着陸訓練も特に連日激しかったこと。まさに異例ずくめであったわけであります。  そこで、私は防衛庁長官に御質問したいわけでありますが、防衛庁米軍にこれらの異例ずくめに対していかなる抗議をしたのであるか。また、外務省アメリカ政府に対してどのような説明を求め、どのような抗議をしたのか。また、その後、日米合同委員会のような機会をとらえて、この問題に関する言及をしたのかどうか。これらの点についてお答えを願いたいというふうに思います。
  6. 久間章生

    久間国務大臣 今委員指摘のように、とにかく今回は急な話でございました。従来の慣例からいってもそういうことは許されないわけでございまして、非常に問題があったわけでございます。  そういうことで、運用上の問題でございますから、まず外務省からも、これは今言われました横田山口もひっくるめまして、それぞれ地元自治体からの要請がございましたときに、すぐさまやっておられますし、防衛庁の方もすぐやっております。  そして、私からも、実は一月二十日にコーエンさんがこちらにお見えになられまして、そのときも、日米のお互いの連携をうまくしていくためには、やはり地元自治体との協調関係が大事なので、こういうことをされたのでは困るという話をしまして、コーエンさんからも本当に遺憾であったという旨の返答をもらいました。アメリカ側も、今回の緊急な対応というのが何の理由によるものかつまびらかにはしておりませんけれども、よほどの緊要性があったのか、ともかく日米間のいい関係を、良好な関係を崩すものになるおそれがあるということに対する私ども抗議を真摯に受けとめてくれたということでございます。
  7. 葉山峻

    葉山分科員 抗議をされたということでありますし、このような状態では困るということを強く申し入れられたということでありますが、この問題は厚木基地における演習がなくならない限りなくならないというふうに私たちは思っております。  この問題について、地元大和綾瀬を中心とする市民が、厚木基地爆音防止期成同盟という形で、相次ぐ事故基地被害に対して訴えております。厚木基地爆音防止危険地域有償疎開期成同盟が一九六〇年の七月に結成されました。第一次訴訟昭和五十一年、一九七六年にあり、第二次訴訟が一九八四年の十月にございました。第一次厚木爆音訴訟差し戻し審判決東京高裁で出ておりまして、これは九五年の十二月に確定をしております。  判決は、飛行差しとめは認めず、しかし、爆音を違法とし、八十W値以上の地域居住原告には受忍限度を超えるので被害賠償をせよ、こういう判決が出ておることは御承知だと思います。  しかし、違法判決後も、厚木基地での訓練違法行為を反復継続しているわけであります。判決は、飛行差しとめは認めませんが、しかし、爆音を違法とし、八十W値以上の地域居住原告には受忍限度を超えるので損害賠償をせよということであります。  第二次訴訟に続いて、昨年十二月八日に、第三次の厚木爆音訴訟に、地域住民原告三千四百四十人をもって横浜地裁提訴をいたしました。第一回口頭弁論はこの三月十六日にあったわけでありますが、四月の追加提訴で約五千二百人と大規模訴訟になる予定であります。  こういう中には、病人や妊婦、受験生などが必死の訴えをされている。爆音防止同盟というと、何か特殊な人のように思いますが、運動や訴訟を起こす人を特別視してはいけないと思います。ごく当たり前の普通の市民が、当たり前の平穏な生活が損なわれているということについて、やむにやまれず国に何とかしてくださいと願い出ているわけであります。このように住民が悲痛な訴えをしていることについて、どのように思っておられるか。  また、法治国家として違法状態継続は許されないのではないか。沖縄の特別措置法のときは、法的空白とか違法状態法治国家として放置できないというのが政府の言い分だったのではありませんか。私は、そういう意味で、法治国家としてこの違法状態継続は許されないのではないかというふうに思うものでありますが、その点についてどのようにお考えであるか、お答えをいただきたいというふうに思います。
  8. 久間章生

    久間国務大臣 御承知のとおり、第一次訴訟判決が確定いたしましてから、受忍限度を超えるものについては損害賠償だということで、過去の分について損害賠償を命じられた部分がございます。しかしながら、訴訟全体を通じましては、国の方の主張も大体取り入れられた部分もあるわけでございます。  ただ、国としては、受忍限度を超える騒音については減らさなければならないということは、その判決で示されるまでもなく、その前からも感じておったわけでございまして、その後も生活環境整備等に力を入れてきておるところでございます。W値で八十を超えるものについてはかなり防音工事等も進んできておりまして、今度はそれを下回るものについても今逐次やっておるところでございまして、鋭意やっているところでございます。  この第三次、第四次は、先般三月十六日ですか、口頭弁論が始まったというようなことでございまして、その中身については、裁判の進行中でございますから、具体的にいろいろと言えないかもしれませんけれども、ただ、私どもとして、引き続き、裁判のいかんにかかわらず、やはり騒音対策についてはこれから先も力を入れていきたい、そういうふうに思っているところでございます。
  9. 葉山峻

    葉山分科員 御承知のように、この厚木基地存在そのものは、受忍限度を超える騒音というものにとどまらず、その基地被害というものは非常に大きなものがあるわけであります。  私も当時から関係をしていたことでありますが、例えば実際に非常に多くの極めて危険な事故が発生しておるわけでありまして、厚木基地の、神奈川県内米軍機事故は、昭和二十七年から平成九年まで計百九十七件に達しております。そのうち、墜落事故が六十二、不時着四十八、落下物五十七、燃料放出、オーバーラン三十、こういうことであります。  私も思い出しますのは、一九六四年の九月八日に、F8Cクルーセーダー戦闘機が、厚木基地を離陸直後に、エンジン故障のために滑走路の北千メートル地点の大和市上草柳の館野鉄工所に墜落して、工場も住居も全焼した、こういう事故が起こっております。住民五名が亡くなり、三名が負傷、死者五名中三名は館野さんの息子さんだったわけであります。私も当時そこへ行きまして、その館野さんのお宅を伺いまして、余りの悲惨さに目を覆わしむものがあったという記憶があるわけであります。  ちょうど羽田からそこに鉄工所が引っ越してこられたところに落ちたというようなことで、当時の河野建設大臣を初め、強くこの厚木基地の撤去ということを申し入れたところが、今の成田ではないけれども、まだ成田という問題が出てくる前でありますが、やはり首都圏にもう一つ羽田以外に飛行場は欲しい、だから、厚木を平和の基地として持っていくということで交渉したいと思うが地元としてはどうだというようなお話もあったことを、いまだにこの館野さんの事故記憶しているわけでございます。  それが、その後、成田という形になったというような経過もございますけれども、こういった館野鉄工所事故とか、藤沢の高倉にも不時着をしておったり、あるいは藤沢の今の荏原製作所のあるところ、もとの飛行場のところにU2機が不時着をしたり、あるいは特に横浜荏田で、米海兵隊第一海兵航空団ファントムジェット偵察機厚木基地を飛び立って、洋上の空母ミッドウェーに向かって飛行中に横浜市緑区荏田町の民家に墜落いたしまして、機体と燃料が飛散し、炎上して、家屋五棟全半焼、死傷者九人。特に幼児、二人のお子さんが亡くなられ、そのお母さんも全身大やけどで重傷を負われて、子供の死を告げられないまま皮膚移植の大手術に耐えるという瀕死の母親の容体を日本じゅうがかたずをのんで見守ったことは記憶に生々しいことでありました。このお母さんも四年四カ月後には亡くなられたわけでありますけれども。  この当時は、今の幹事長加藤幹事長防衛庁長官をされておりまして、私も強くこういうことが二度とあってはならないということで申し入れた記憶がございますけれども、そういう被害がずっと続いておる。  だから、この厚木の、百万以上の大都市のど真ん中で深夜までこういう演習離発着訓練というものをするということは世界類例がないから、とにかく何とかしてほしいということは周辺住民の悲願であって、これは再三交渉した結果、三宅島は反対があってだめだというので、三宅島から硫黄島ということで、百数十億の税を投じました硫黄島で今訓練がほぼ九割以上行われているという状態になっていることは御承知のとおりであります。  私も、昨年夏に硫黄島の基地は視察させていただきました。そこには滑走路を初め給油施設貯油施設士官宿舎下士官宿舎、それから冷凍冷蔵倉庫厚生施設も、至れり尽くせりの施設をほぼ完璧につくってあって、いっかのお答えのときにも、もう九割以上硫黄島で練習しているのだからというお答えがあったわけでありますけれども、今回の事件を見ると、緊急時を理由にして結局は厚木でやるようになるのではないかというふうに思うわけであります。  本当に硫黄島に移転したといっても、それを徹底させなければだめだということが今回はっきりしてきたわけでありまして、厚木での夜間離発着訓練というのは危険であり、環境を阻害をするから、今後一切断るということを強く申し入れして、そういう方針を決めなければ、今回のようなことは何回でも行われるのではないかということを周辺住民は非常に心配しているわけであります。そういうことについてどのようにお考えであるか、この点についての基本的な考え方をお答えいただきたいと思います。
  10. 久間章生

    久間国務大臣 今委員指摘になられましたように、厚木飛行場の場合は、周辺住民方々への生活に本当に看過できない問題を与えておるわけでございまして、そういう意味ではNLP訓練をあそこでやることが適切でないということは、私どももそう思っておるわけでございます。  そのために三宅島を検討したわけでございますけれども、御承知のとおり、三宅島の問題につきましては、住民方々の賛意がまだ得られないというようなことで行き詰まっております。そういうことから、ともかく、とりあえず硫黄島でということでやりました。  私も硫黄島に昨年行ってまいりまして、ちょうど訓練の期間でございましたから、訓練状況も見てまいりました。  宿泊施設等もできておりますし、飛行場滑走路等もできておりまして、それはそれでいいのですけれども、ただ、御承知のように、硫黄島というのは厚木飛行場から見まして千二百キロとかなり離れておりますために、即応態勢等の面での問題や、特に天候不良等の不測の事態があって、あそこだけで全部やるということはちょっと困難であるというようなこと、それからまた、硫黄島での訓練が終了してから空母が出航するまでの間は、通常、数日間を必要とするわけでございまして、この間においてもパイロットは練度を維持する必要があるということで、どうしても空母が出ていく場合の直前の訓練というのを近くでやらざるを得ない、そういうようなことから厚木での訓練がゼロにはなっていないわけでございます。  私どもとしては、かなりの部分硫黄島でやってもらっておりますので、かなり減ってきたなと。実際、厚木訓練回数等を調べましてもかなり減ってきておりますけれども、なかなかゼロに持っていくことはできない。これは、基本的には、今言いました三宅島の問題等、そちらの方でできるか、とにかくもう少し近くに完全な訓練場所ができないと、今の状況を完全になくすということができない、そういうジレンマにあるわけでございます。  これはやはり安保条約施設提供義務の問題との兼ね合いもございまして、委員指摘の問題というのは私どもも痛いほどよくわかっております。特に、委員は、御承知のとおり、これまでも地元の行政の長としていろいろな経験をされてこられましたし、地元住民の気持ちも一番よく御存じのわけでございまして、その委員が御指摘されることは、これまでもそうでございましたが、私どもも痛いほどわかっておりますが、なかなかこれを無にすることはできないというふうに思っているところでございます。  ただ、今回の訓練は、通常の、今までのものと比べまして非常に異常でございまして、今度のものをもって厚木がまたNLP基地として回数がふえていくんじゃないか、頻繁に行われるんじゃないかということにはならないのじゃないか。非常に異常中のことであったということで、遺憾の意をコーエンさん自身も述べていることでございますから、どうかその辺については御理解賜りたいと存ずるわけでございます。
  11. 葉山峻

    葉山分科員 時間も迫ってまいりましたので、最後に申し上げますが、今回は特別なんだということでありますけれども、やはり厚木でのNLPは全廃しなければ、今回のような緊急時を理由に結局は厚木でやるようになるというふうに、周辺住民は今回のことで大変心配をしているわけであります。  私は、防衛庁長官防衛施設庁あるいは外務大臣に毎年お会いしまして、最後アメリカ大使館に知事さんや周辺市長と伺うことを毎年の行事の一つとしていたわけでありますが、こんな例はないのですよ。人口百万以上のど真ん中軍事基地があって、しかも、夜、昼を問わずこういう離発着訓練をしている。大変な環境破壊というか迷惑をかけているということで、アメリカ大使館でも、アメリカ環境を大切にし、人権を大切にするというけれども、このくらいひどい状況はないではないかと言いますと、アメリカ大使館側では、これは副大使だったわけでありますが、いや、サンディエゴがありますよ、こういうようなことを言われる。  サンディエゴは、アメリカの第七艦隊の基地ですよ。しかし、隣の横浜市とサンディエゴというのは姉妹都市になっていますから、私も二、三回市長さんを訪問したことがありますけれどもサンディエゴと過密の度合いが全然違う。しかも、このサンディエゴの場合は、確かにノースアイランドとミラマー基地という二つの基地があるのでありますけれども、これは人口八十万のサンディエゴの全く郊外というか人里離れたところか、あるいは海の中とか人家に影響ないところで演習はしているわけでありまして、本国でもちろんそういうことをしている。  日本は、当然のようにこういう形でど真ん中でやるなんということは許されないことなので、ここはやはり強い姿勢をもって、今後とも厚木基地におけるNLPは全部やめてもらいたいということを米側に申し入れてほしいというふうに思います。  最後に、これは私の要請といたしますが、ひとつよくお考えをいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  12. 河村建夫

    河村(建)主査代理 これにて葉山峻君の質疑は終了いたしました。  次に、河上覃雄君
  13. 河上覃雄

    河上分科員 この後すぐ、十時から常任委員会質問がありまして、若干繰り上げてでないと間に合いませんものですから、短目にやらせていただきたいと思っております。  今、同僚議員からもお話がありました。また、後の議員皆さん方も全く同じであると思いますけれども、本年一月早々に行われました神奈川厚木基地におけますNLP訓練につきましては、突然に、そして異例な形で実施された。もう十分、施設庁防衛庁地元の激しい苦情というものを聞き及んだと思いますけれども、私は、今後このような突然の実施をぜひとも繰り返させないために、ちょっと細かくなって大変恐縮なのですが、今回の突然のNLPにつきまして、事実確認をあえてお答えしていただきまして、質問をしたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  一月九日、まず在日米軍司令部から口頭による事前通告があったのは何時なのか、また、正式文書による連絡は何時なのか、まずここから、施設庁ですか、お答えください。
  14. 首藤新悟

    首藤政府委員 一月九日午前十一時三十分ごろに、在日米軍司令部から電話により事前連絡を受けました。文書による連絡は、同日の十五時十九分にファクスにて受けたところでございます。
  15. 河上覃雄

    河上分科員 次に、防衛施設庁から、神奈川県を初めといたしまして厚木基地周辺自治体連絡をいただいたのは何時ですか。それは口頭文書、両方でありますか。
  16. 首藤新悟

    首藤政府委員 九日の十六時十分ごろ、横浜防衛施設局から、神奈川県を初めといたします関係自治体電話により通報したものと承知しております。  なお、横浜防衛施設局から神奈川県に対する文書での通知は、同日の十九時ごろと承知いたしております。(河上分科員周辺自治体は」と呼ぶ)神奈川県以外の自治体につきましては、大和市、綾瀬市、海老名市、相模原市、座間市、藤沢市及び横浜市でございます。  なお、東京都の町田市につきましては、東京防衛施設局から同じ連絡をいたしてございます。
  17. 河上覃雄

    河上分科員 次に、では、米軍訓練開始した時間は一月の九日の何時からでしょう。
  18. 首藤新悟

    首藤政府委員 十九時からと承知いたしております。
  19. 河上覃雄

    河上分科員 事前通告訓練当日に伝えられた、こういうケースは今まであったのですか。
  20. 首藤新悟

    首藤政府委員 先生御承知のとおり、厚木飛行場におきましては、昭和五十七年の二月から艦載機着陸訓練開始されておりまして、その当時から通報はなされていたものと承知しておりますけれども、少なくとも施設庁として把握しております、硫黄島での訓練が始まりました平成三年以降では、訓練当日に通報がなされた例はございません。  なお、通常は、訓練開始日の約一週間程度前に通報がなされております。
  21. 河上覃雄

    河上分科員 ここも異例ですね。  それから、突然の通告でありますので、当然米軍側としても何らかの御説明が多分あったはずです。米軍から、その際、どんな説明がありましたか。
  22. 首藤新悟

    首藤政府委員 米側からは、急な運用上の都合という説明を受けたところでございます。
  23. 河上覃雄

    河上分科員 それに対して、突然の通告でございますので、施設庁としては米軍抗議をいたしましたか。あるいは訓練の中止、延期、これらの要請米軍にいたした事実はありますか。
  24. 萩次郎

    萩政府委員 当庁といたしましては、従来より、施設安定的使用のために地元の理解と協力が不可欠である、こういう考え方のもと、今回のような地元に迷惑を及ぼすような訓練につきましては、直ちに米側に対して、十分な予告期間をとること、当該訓練の延期、これを申し入れをいたしました。と同時にまた、訓練を行う場合には、深夜及び休日の訓練自粛並びに訓練日程の短縮についても強く申し入れたところでございます。  また、先ほど大臣の方からも申し上げましたが、国防長官来日の折、大臣の方から米国防長官に対して、強く遺憾の意を表しておるところでございます。
  25. 河上覃雄

    河上分科員 もう一点、これはちょっとそごがあるのですよね。これまでの事前通告には訓練開始時間が明示をされておりましたが、今回は訓練開始時間が明示をされていない、こういうケースになっているわけです。  ですから、通例であれば、開始時間、終了時間が書いてある。開始時間が抜けておって、二十三時五十九分という翌日の一分前の終了時間だけ書いてある。これそのものも、今ちょっとお話しされましたけれども、十時から翌朝六時まではやらない合意なんでしょう。既にもう突出しているわけですよ、通告そのものが。  だから、私は細かく聞いてまいりますが、今申し上げた、この事前通告には訓練開始時間が明示されていないわけですけれども、このされていないということに対して、それでは防衛庁防衛施設庁米軍に対して、確認、抗議をいたしましたか。
  26. 首藤新悟

    首藤政府委員 私どもといたしまして、この点、在日米軍司令部に対しまして、訓練開始時間につきましては照会いたしましたが、急な訓練ということで、同司令部としても情報を受けていないということでございました。
  27. 河上覃雄

    河上分科員 前の方のお話にもありました。いずれにしても、内陸部でありまして、百二十万、百三十万人の住民、きっとごらんになっていると思いますけれども基地の隣はずっと家なわけですから、その意味で、一つ一つしっかりとやっていただかないと、住民の感情、あるいは御苦労しています。周辺自治体市長さんたち、大変困ると私は思うのですね。過去に、墜落をして一年後に親子の方が亡くなったというケースもあるわけでありますので、その意味で、私は絶えず申し上げ続けさせていただきたいと思いますが、本当に慎重に、そして厳密にチェックする姿勢を持ちませんと、だんだん緩くなってしまう、こういう感想を持ちます。  今若干申し上げましたが、二十三時五十九分と米軍側の通告文書には明確に書いてございますが、これに対して、飛行活動に関する時間制限、これは日米の間で合意をいたしておるわけでありますから、これについては反しませんか。それで、私は、この合意に基づく終了時間を、二十三時五十九分ではだめだよ、十時に戻しなさいよ、こういう具体的な抗議もいたしたのかということを、これもお尋ねしておきたいと思います。
  28. 萩次郎

    萩政府委員 先ほど申し上げましたとおり、急な運用上の都合ということで突如実施されたということになっておりますが、先生おっしゃられたように、従来行われておりました地元に対する一週間ほどの前の事前通報もなかった、硫黄島も使用しなかった、また、訓練が深夜に及んだということで、当庁としても、大変遺憾である、こういうことを申し上げたわけでありますが、厚木騒音規制につきましては、合同委員会の合意におきまして、二十二時から〇六〇〇、翌日までの間は、厚木海軍飛行場におけるすべての活動は、運用上の必要に応じ、合衆国の態勢を維持する上で緊要と認められる場合を除き禁止されている、こういう合意があるわけでございます。  今回の場合は、その例外的な場合に該当すると先方は考えているのであろうと思っておりますが、したがって、直ちにその合意に違反するとは考えないわけでありますけれども、私どもとしては、大変遺憾な事態であったな、こういうふうに考えております。
  29. 河上覃雄

    河上分科員 施設庁長官、大分踏み込んで御回答いただいたのですが、いいのですよ、そうならば。運用上の必要に応じ、合衆国の態勢を保持する上に緊要と認められる場合、これはいいのですよ。その説明が、急な運用です、これしか回答がない。さっき確認したら、そう言った。では、これは当たらないのでしょう。当たらないけれども、そうではないというお話も今答弁の中で出てきてしまいましたけれども。だから、そんなことを言うのだったら、急なことでございますので全部済んでしまうということになってしまうわけだ。こういうのはやはり回答にならないのですよね。全部、急な、いやこれ以上は言えないのですと。これは後でまた聞きたいと思いますが、そういう姿勢ではまずいと私は思うのですよ。  まだ事実がございます。特にひどかったのは、七日間訓練を行った中で、一月十日、十一日の土日に集中しておるのですね。九日、最初の日は二十五回ですが、土曜日は百七回、これだけ訓練回数をやっておるわけです。十一日には八十五回、これはすべて土日集中ですよ。翌日十二日の月曜日から、四十三回、六十八回、四十一回、三十五回ですから、今回の突発の訓練において一番回数が多かったのは土曜日、日曜日、この両一日間。  土日も本当はだめなのですよ。合意に基づかない、本当は土日はやめてよと。今さっき申し上げたような状況でありますから、お仕事をなさって、土日ゆっくり休養をとって、また月曜日から頑張ろうという方がいらっしゃるわけです。家族団らんで、そして土日を過ごして英気を養い、また来週から頑張ろうというふうに思っている方が多いのですが、これを見てください、もう土日に集中してしまっている。  実は、私自身もこの騒音の洗礼を受ける地域に住んでおりますから、どれだけすさまじいかというのは全くもってわかっているわけです。だから、こうやって一つ一つ考えますと、これは急な話でとおっしゃるけれども周辺生活をする者にとってはやはり大変な問題になってしまう。その分だけ抗議が強かったのだ、私はこう思うのですが、これは、感想と、この土日問題、御見解をください。
  30. 久間章生

    久間国務大臣 先ほども施設庁からもちょっと答弁しましたけれども、私も、今回の訓練は非常に異常であるというような、そういうことで感じましたし、地元皆さん方も、とにかく反発も相当なものでございましたから、コーエンさんが見えましたときに、やはり良好な日米関係、信頼関係をつくっていかなければならないのに、こういうことをされるとそれを損なうというようなことを申し上げたわけでございます。  だから、逆に言いますと、今委員は、土曜日が非常に多いではないか、日曜日が多いではないかと言う、向こうにしてみると、土日に構わずやらなければならない何か緊急な運用上の所要があったのだろうというふうに思うわけでございます。運用上の問題と言われてしまいますと、日米合同委員会のあの文書を見ましても、アメリカの都合で、運用上の問題でどうしてもやむを得ないときにはこれを除くというような趣旨で省いておりますから、なかなかそれ以上突っ込んで、特に防衛庁の立場としては、また外務省とも違いますので、運用上の問題と言われますと、突っ込んで言うことはなかなかできませんけれども、とにかく日米の信頼関係を損なってはならないし、そのためにはやはり地元方々の支持がなければやっていけないわけでございますので、そういう角度から、困るということを言いました。  今までも、土曜日につきましても日曜日と同じように努めて減らしてきているようでございまして、そういう努力はこれまでも米軍自体はやってきておったようでございます。したがいまして、これから先もそういうふうに、土曜日といえどもこれは準日曜日的な感じで、このごろは週休二日制も定着してきておるわけでございますから、私どもも、また引き続き土曜日も日曜日と同じように減らしてもらうようにやっていこう、そういうふうに思っております。
  31. 河上覃雄

    河上分科員 土日問題につきましては大臣の御見解もいただきましたので、ぜひとも御努力を願いたい、ひとつよろしくお願いを申し上げます。  さらに確認をしておきたいのですが、今回の訓練に使用した機種、これは掌握いたしておると思いますが、特にこの中で、厚木基地訓練で今まで使用していなかった機種、また各訓練日の騒音の最高値、これはどんな実態であったのか、この三点について御報告ください。
  32. 首藤新悟

    首藤政府委員 今回厚木飛行場で使用されました機種は、当庁職員の目視でございますが、これによりますと、E2それからEA6B、F14、FA18、S3、それとE2Cと承知いたしております心なお、厚木以外の訓練で使用して、厚木基地で使用しなかった機種は、C2と承知いたしております。  それから、当庁におきましては、飛行場周辺に自動騒音測定器を設置いたしまして測定しておりますけれども、この目的は、航空機騒音の評価値でございますいわゆるWを把握するための内部基礎資料でございますことから、各訓練日ごとの最高値の公表は差し控えさせていただきたいというふうに存ずるわけでございますが、ただ、一点申し上げさせていただきますと、以前、空母ミッドウェーからインディペンデンスの交代によりまして艦載機の変更がございましたことから、平成四年の二月五日のNLPの際に、進入コースの直下でございます、滑走路の南端から南へ約九百メーターの地点に、これは大和市の福田という地点でございますが、測定員を配置しまして測定いたしましたところ、騒音の最大値は百十六デシベルということでございまして、本年一月のNLPは当時と同様のNLPを行ったということから類推するに、同程度の騒音値になるものと考えておるところでございます。
  33. 河上覃雄

    河上分科員 私も、一遍、測定員というお話がありましたが、やってみた。これからもやっていこうかと思っているのですが、これは大変ですよ。一遍どうですかね、久間大臣、騒音がどのくらいすさまじいか、一緒に現場に行ってみませんか。
  34. 久間章生

    久間国務大臣 私も、夜中の騒音というのは現実に行って聞いておりませんので、これは一度そういう機会があればというふうに、ぜひ経験してみなければいかぬなと思っております。やはり委員のように、生活者レベルで物事を肌で感じないと、また対応の仕方も違うわけでございますので、それはそのようにしてみたいと思うのです。  ただ、NLP、さっきの話もございましたように、最近は比較的硫黄島にかなり移ってきておりまして、かなり減ってきております。厚木でやるというのが一週間前にならぬとわからぬわけでございまして、なかなかそういう機会も少のうございますが、本当に一回は夜のそういう騒音を自分で実感した上で、またいろいろと考えていかなければならないとは思っております。
  35. 河上覃雄

    河上分科員 その節は、ぜひとも私ども、後の方と一緒ですから、近所に住んでおりますから、言っていただければお連れ申し上げたいと思っております。  それで、今回、また予備日を使ったのですね。そして、トータル七日間になったわけであります。ちょっと、これ、どんどん予備日を使っていきますと、予備日実施が恒常化するようなおそれがあるのですが、心配ありませんか。
  36. 萩次郎

    萩政府委員 一月のときは、当初訓練期間ということで予定をしておりました九日から十四日、この期間に、天候不良により所要の訓練が消化できなかったということで、予備日として予定していた十五日から十九日のうちの十六日に実施せざるを得なかった、こういう通告を受けているところでございます。  先生御承知のとおり、ほかの訓練でもそうですが、訓練というのを設定いたしますと、天候等でできなくなる場合がありますものですから、大体それに三日ないし四日の予備日というのをつけて、その間できなかった場合はそこを使うというのが通例でございます。
  37. 河上覃雄

    河上分科員 最後に申し上げたいと思います。  今回の訓練につきましては、一月九日の十一時三十分に米軍から口頭連絡があって、そして地元にはその日の十六時十分、大分時間があるのですよ、十六時十分ごろ通達がされまして、十九時には開始をされた。時系列で追いますとこうなるわけでありますが、ぜひともこの点を本当に深く認識をしていただき、二度とないようにしていただきたいと思うのです。  久間大臣からもお話がありましたが、本当に住民感情を無視した行為に対しては、やはりきちっと米軍側に申し入れをしていただきたいし、これまでも住民の皆さんにも御協力と納得をいただきながら、周辺市長さんたちもあるいは県も我々も一生懸命頑張ってきたわけでありますので、この感情を損なうような、米軍との信頼関係もあることでしょう、しかし、こうした事実に基づけば、自治体の首長の皆様、そして何よりも住民の皆様との信頼関係というものを培っておかないと、私は、どこか片っ方を向いていればいいのだという話にはならないと思うのです。  極めて細かい微細なことをお尋ねしたのは、あえてその両方と信頼関係等もあるから、これをきちっとしておきませんと、また再発につながるおそれがあるかもしれないし、そのときまた頭を下げればいいんだなんという考え方ではやはりいけないと思いますので、一つ一つ具体的に確認をさせていただきながら質問をいたした次第でございます。  いずれにしても、今回甚大な影響を与えたことに対しまして、今後政府は同じ過ちを繰り返さないようにするためにどのように取り組んでいくかという御決意、深刻な受けとめ方につきましての御答弁をいただいて終わりたいと思います。
  38. 久間章生

    久間国務大臣 今本当に委員が御指摘されたとおりでございます。  私どもも機会あるごとに、米軍に対しましても、やはり信頼関係を損なうようなことはしてもらっては困るということをこれから先も言い続けますし、そういう中でNLP訓練等もできるだけ厚木における訓練を少なくするように、そういうふうに持っていきたいと思っております。
  39. 河上覃雄

    河上分科員 終わります。ありがとうございました。
  40. 河村建夫

    河村(建)主査代理 これにて河上覃雄君質疑は終了いたしました。  次に、冨沢篤紘君。
  41. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 御苦労さまでございます。  葉山議員河上議員から突然のNLP質問が続いておるのですが、私は厚木基地のある大和市に住んでおりまして、大和綾瀬にまたがった米軍基地なんですが、綾瀬大和も私の選挙区であります。子供のときから基地とかかわって育ってきた人間の一人でございます。  お二人の先生から御指摘があったことは重ねて伺いませんが、もう一つ周辺自治体住民が懸念をしている問題は、基地で毎年行われる航空ショー、この騒音の問題もあるわけなんです。この三月四日に大和市長が、米海軍の厚木基地スワイガート司令官にお目にかかって、航空ショーの中止を申し入れております。この点は、防衛庁施設庁、認識をされておりますか、されておるとすればどんなふうな対応をされたのか、お伺いします。
  42. 萩次郎

    萩政府委員 航空ショーは、我が航空自衛隊も航空基地で毎年行っておるのですが、米軍地元との交流ということで、計画を立ててやっております。  それについて、厚木周辺の場合には、先生おっしゃいましたように、人家の密集しているところでのアクロバットな飛行というような事故のおそれのあるようなことはやめてもらいたいという考え方を前から持っておりまして、地元では基地の方に申し入れをされているということは聞いております。  私どもの方にも御相談がありまして、私どもの方から米軍に対して、地元がそういう不安感を持っているので、そこのところはよく考えてもらいたいという話は常々言っておるのですが、一方、米側は、航空ショーをやりますと大体何十万という人が来て、彼らは自分たちがやっていることが地元に大変喜ばれるというふうに思っております。それに対して、地元の行政側は、いや、そうじゃないんだ、やはり心配しているからなるべくやめてくれというところで、双方とも感触というのが必ずしも一致していないなという印象を受けておるところでございます。
  43. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 米軍地元との交流という理由をつけているようですが、お見えになる方は確かに二十万とも三十万とも言われておるのですが、よそからお見えになるのですよ。地元の人間の大多数はうるさくてしょうがないというのが率直な感じであります。  殊に、航空ショーは日曜日の一日なんです。だけれども、航空ショーに至るまで三日も四日も訓練するわけですよ、編隊飛行して。これがウイークデーで、水木金とやるわけですよ。学校現場に与える影響というのは大変なものなんですよ。NLPの音も大きいけれども、あの航空ショーの訓練の音もなかなか大したもので、学校に与える影響も大きい。  確かに、航空ショーを一日だけ見に来るお客さんは、これはこれで楽しいですよ。地元は、学校にしろ、日常生活を送っている者にとっては耐え切れないので、ここのところは、日本の国としては、考慮してほしいなんてことじゃなくて、地元市長と同じ立場に立って、航空ショー中止を申し入れていただけませんですか。
  44. 久間章生

    久間国務大臣 私もこれまで委員の御質問等をたびたび拝聴いたしておりまして、ただ、正直言いまして、防衛庁としてなかなか言いにくい点もあるわけなんですね。  米軍運用の問題といいますか、要するに、米軍は、自衛隊も入間でやっているじゃないか、何でおれたちのものはだめなんだというような、自衛隊側といいますか防衛庁側からいいますと、そんな感覚を持つのじゃないかな、そういう感じがいたすわけでございます。  入間の場合は、別に地元からそれに対してやめてくれという話も自衛隊に対してもございませんで、やはり場所柄の違いなのかな。それと、今言われたように、来る人が、例えばよその人が来て、地元の、厚木周辺の人たちは余りやってもらいたくないという気持ちの方が強い。そういうふうな違いがあって、自衛隊の航空ショーとの違いがそんなのに出ているのかなと思うのです。米軍の方は、地元も喜んでくれておるじゃないかというような、地元というのは、これは日本の国民も喜んでくれておるじゃないかというような感じを持っておるのではないかと思うのです。  だから、これは外務省とも、外務省のマターになるのかもしれませんので、この辺について、米軍とよくつき合いがあるのは自衛隊でございますけれどもアメリカ側に対して、特に今委員が御指摘になりましたようなことをどういうふうにわかってもらうようにしたらいいのか。せっかくよかれと思ってやっているのが、逆に地元基地関係ではマイナスになっているんじゃないかという気が、委員の御質問をたびたび聞くたびにそう思っておりまして、やる意味があるのかなというふうに、私自身も正直言ってそんな感じを受けております。だから、この問題については、どういうふうにすれば委員指摘のような方向に持っていけるのか、そういうことも含めて、これから先検討していきたいと思っております。
  45. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 突然のNLP、あるいは航空ショー中止、これは、米軍側と協議する場所というのは日米合同委員会になるわけですか。
  46. 萩次郎

    萩政府委員 そのとおりでございます。
  47. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 やはり日本国民の立場に立っていただいて、余り米軍に遠慮をするというのも、基地を抱える自治体住民は大変な苦労をしているわけですから、これは葉山議員河上議員質問にもあるとおりでございますので、ぜひひとつ、地元市長要請ですから重く受けとめていただいて、米軍側にきつく航空ショー中止を申し入れるように要望をいたします。  昨年の分科会でも、米軍の住宅建設が神奈川県に集中をしているという指摘を申し上げて、改善のお願いをしておったのですが、本年は、予算で米軍住宅の建設戸数百三十三戸と承知をしておりますが、間違いございませんでしょうか。もう一点、そのうち神奈川県には本年何戸建つか、この点を数字でお示しをいただきたい。
  48. 首藤新悟

    首藤政府委員 平成十年度予算案におきましては、提供施設整備によって米軍家族住宅を全国で百三十三戸整備する計画でございますが、神奈川県内米軍施設におきましては、家族住宅を整備する計画はございません。
  49. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 全国で本年百三十三戸米軍住宅を建てる、神奈川県は本年はゼロと。昨年、全国で四百八十四戸のうち、二百五十二戸神奈川県に集中したわけなんで、本年ゼロというのは、基地強化反対という県の立場からして大変結構なことで、ありがとうございます。  沖縄でも大きな問題になっていますけれども、どうも米軍基地の強化がされているのではないかという懸念を私は持っております。平成八年の十二月に、遊休施設になった上瀬谷通信施設に六百戸の米軍の住宅計画があるという発表がされたようですが、この件について、その後の動き、何かつかんでいるところがありましたら御報告ください。
  50. 萩次郎

    萩政府委員 関東地区におきましては、依然として米海軍の家族住宅の不足が深刻な状況でございます。潜在的に米側は家族住宅をもっとつくってもらいたい、こういう希望がございます。しかしながら、具体的に上瀬谷通信施設で計画があるということで我が方に要求が上がってきているということはございません。  米側の場合は、現在でもかなり基地外に家族が居住しているということで、なるべく基地の中に収容したいということで、基本的に基地の中に家族住宅をもっとつくりたい、こういう希望が強いことは事実でございます。
  51. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 昨年の五月に安保委員会で横須賀基地の視察をしたときの話なんですが、米海軍横須賀基地司令官、海軍大佐ウィリアム・D・リンチさんのお話で、正確を期するために私はメモをとっておいたのですが、フィリピン・クラーク基地が閉鎖となって、その分が横須賀に来てしまった、横須賀基地内はこのごろ大変混雑をしている、学校、住宅、駐車場が足りないんだ、一万八千人が二万五千人までふえてしまうというお話を聞いたところです。  防衛施設庁お話ですと、外国の基地のしわ寄せが日本に来ていることはないと否定をされております。ここのところの食い違いはどういうことなんでしょうか。
  52. 萩次郎

    萩政府委員 米海軍家族住宅は現在四千戸ぐらいありますが、米側の希望は五千数百戸を希望しておりますので、依然として千数百戸足りないという状況でございます。  これが以前に閉鎖されましたフィリピンのクラーク基地とどういう関係があるのかどうかというのは、私ども関係ないという立場にはございませんけれども、知る立場にもないということを御承知おきいただきたいと思います。
  53. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 日米防衛体制ですから、アメリカ基地があることはやむを得ない。しかし、沖縄とか神奈川県に、五十年間ずっと我々は音に悩みあるいは墜落に悩んできたわけでございますので、これ以上の基地強化は御免をこうむりたい、これがまず県民の率直な感情であることを御理解をいただきたいと存じます。  こういう基地被害を予防しよう、少しでも緩和しようということで、今、周辺対策として住宅防音工事が進められております。昨年度、全国で七百十六億円。本年度、平成十年度の住宅防音工事が、減額になって六百五十九億円になっておるのですが、この点、間違いございませんか。
  54. 首藤新悟

    首藤政府委員 平成九年度におけます全国の住宅防音事業の予算額でございますが、今先生お述べになりました約七百十六億円、これは、実はいわゆる空調機器の復旧工事などは別途ございまして、これなどを入れますと約七百二十九億円というふうになります。このうち、厚木飛行場関係分は、約四割に相当いたします約三百二十四億円を充当しているということでございます。  それから、同じく十年度予算案におけます住宅防音事業の予算額は約六百八十八億円で、そこから今申しました空調機器などの復旧工事などを除きました住宅防音工事予算額は約六百五十九億円というふうになるわけでございます。  なお、各施設ごとの計画額につきましては、予算の成立後、実施計画を作成しまして、財政当局の承認を得て決定されるものでございますけれども、現時点における厚木飛行場関係分は、約四割に相当する約二百四十三億円を計画しております。
  55. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 国全体でも住宅防音工事が減っている。厚木基地周辺でも同じように減っている。これはどういう理由ですか。
  56. 萩次郎

    萩政府委員 先生御存じのとおり、住宅防音事業、これは我が庁の最重点施策の一つということで積極的に推進しておるものでございますが、御承知のとおり、平成十年度から三年間防衛予算は前年度以下という大変厳しい財政事情のもとにございます。そういうことで、防衛費全体を抑制をしておるという状況でございまして、この防音事業についても、総額について対前年度比五・五%減ということでお願いをしております。  ただ、厚木の場合は若干特殊な状況がございまして、既にいわゆる新規と言われているものはほぼ完了に近づいているということで、現在は追加の方に力を入れておるわけでございます。行います戸数では余り減っておらないのですが、厚木の場合には周辺の防音工事ということで単価が下がる傾向がございます。戸数ではそんなに減っておらない、ほぼ横ばいなんでございますが、単価の関係で減っている分野もあるということでございます。
  57. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 御承知のように、音自体が大変うるさい、これへの補償が住宅防音工事としてなされているわけですが、いろいろ聞きますと、平成十年度はこの程度の減額であるけれども平成十一年度は防音工事が大分でき上がっているというようなお考えのようで大幅に減額になるという話を聞いておるのですが、間違いございませんか。
  58. 萩次郎

    萩政府委員 今、平成十年度の予算をお願いしている段階でございますので、十一年度は全くまだ視野に入って検討しているわけではございません。  厚木の場合で申しますと、さっき申しましたように、いわゆる八十W以上の追加工事というのはほぼ終了しかかっておりますが、現在はそれの外の七十五から八十という追加工事を精いっぱいやりたいということで、例えば来年度予算でも前年の二倍の世帯を追加工事の方をふやしていきたいと思います。  そういうことで、新規工事の方は減少をする傾向にありますが、追加工事の方は増加する傾向にあるということで、十一年度もほぼそういう傾向が続くのであろうと思いますけれども、金額的にどうこうということが言える、まだそういう計算をしている段階ではございません。
  59. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 九年、十年と減額をされて、平成十一年度にも減額傾向は続くであろう、こういう御答弁なんですが、御承知のように、この騒音、国が負けたのですよね。飛んでもいい、しかし、騒音受忍限度を超えて違法だと。この違法行為に対する補償が住宅防音工事である、私はこう認識をしておるのです。  したがって、現実に行われている防音工事が、道一本でこっちのうちはできる、こっちのうちはできない、こういう不都合が残っているわけですよ。私は自宅は大和なんですが、大変な音が聞こえてくる。しかし、施設庁の計画では、まだ何年たっても防音工事の対象地域に入ってこない。同じ大和市民で、ここのところまではできる、ここのところはできませんという、こんな住民差別に当たる施策はないわけで、自治体からもぜひ一律にやってほしいという要請は出ているはずです。しかも、裁判で国が負けたこの住宅防音工事を減額するという、その考え方が私は理解できないのですが、長官、どうですか。
  60. 久間章生

    久間国務大臣 判決を読んでみてもそうでございますけれども、ある一定以上の、八十ですか、それ以上のところは受忍限定を超えておるというようなことでございまして、そういうところから優先的にとにかく早く対処しなければならぬということでやってきていたのだろうと思います。  おかげさまでかなり進んでまいっておりまして、今度はそれ以外のところで、八十以下の、七十五から八十、そういったところに対する工事等をやっていくわけでございまして、そういう意味では、どうしても優先度が高かったところの工事と、対象戸数がふえるかもしれぬけれども今度はそれ以外のところとでは若干数値が違ってくるわけでございまして、そういうようなことの中で予算額がどういうふうになっていきますか、十年度は確かにそれが現実に減ってきているわけでございます。  しかし、今言いましたように、それは優先度の高かったところのものがほぼ完了に近くなってきたというのが一つでございます。それと、第一種、第二種いろいろあるわけでございますけれども、その区域を決めますときにはどうしてもいろいろな調査をしながらやっていかなければならないわけでございますが、やはり川とか道路とか一定の何かの形で区域を限定しなければそれはできません。その辺で、道路によって区分されますと、道路を挟んで右と左が違ってくるということがあるわけでございます。  これは、例えば長崎の原爆の区域なんかにつきましても同じことが言えるわけでございまして、川で泳いでおった、右側に上がった人と左側に上がった人で、片一方は原爆手帳をもらえて片一方はもらえないという、それじゃおかしいじゃないかという議論がございますけれども、行政というのはどこかで一つの線を引かなければなりません。  その辺の実情等もあって、実態から見ましてもできるだけそういうことのないように、両方のWその他を比較しながら決めていくわけでございますけれども、ぎりぎりのときに、今委員が御指摘になったような、音は変わらないじゃないか、そういうような感覚の問題等が、最後は音の場合は非常に感覚を伴う点もございますので、非常に委員から見ておかしいぞと言われるかもしれませんが、行政としては、何らかの基準でその区域を定めようとすると、やはり合理的なのは道路等が区域を区分けするのに一番都合がいいものですから、そういうふうになっているのじゃないかと思っております。  そういう意味では、そういうような方法によらざるを得ないという実情等についても御理解賜ればと思うわけでございます。
  61. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 来年度大幅減額という。減額してもらっちゃ困るわけなんです。もっと対象面積も戸数もふやしてもらいたいのですよ、裁判で負けた音ですからね。平成十一年、しかも、私の認識は、公共工事一律削減なんという話もあるけれども、歳出削減もあるけれども、これは司法の判断で違法な音だということが明白になっている。やはり行政運営でもっと尊重しなくちゃいけないのじゃないですか、裁判所の判断を。三権分立て、横浜地裁で出た判決は、違法な音ですよ。これに対する補償工事を減額するという考え方、これは改めてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
  62. 萩次郎

    萩政府委員 今やっていることが減るということではございませんで、先ほど申しましたように、八十W以上のところはほぼ終わりつつある、現在七十五以上のところに追加してやっていると。そちらの進捗率が、九年度六〇%前半が今度十年度行えば六〇%後半になるということで、私どもとしては、なるべく一日も早く一〇〇%に近づけていきたいということで努力をしておるということを御理解いただきたいと思います。  それから、なるべく広い地域ということでございますが、先ほど大臣からも述べましたように、やはり行政的には、この防音区域ができる区域というのはWでどこまでということが決まっておるものですから、そこはきちんと科学的に測定をして、そこで線引きをせざるを得ないという現状がございますので、どうしても道の右、左でカバーできない、あるいは一つの行政区域の中で漏れるところが出てくることがあり得るということは御理解をいただければと思っております。
  63. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 基地周辺自治体あるいは住民にとって、この音というのはまことに厄介なもので、明白なのは、国が加害者で住民自治体被害者であるということです。その救済を住宅防音工事でカバーをしようということですから、住宅防音工事については昨今の公共工事の枠外である、私はそういう認識をしております。しかも、厚木基地から出る航空機騒音というのは、裁判で国が負けちゃったのですから、その司法の判断を尊重するのは行政として当然な行政運営の基本姿勢ですから、ここのところは十分司法の判断を尊重いただいて、住宅防音工事を十分にやっていただく、金額は減らさない、このお願いを申し上げるのですが、もう一度御答弁をお願いします。
  64. 久間章生

    久間国務大臣 私どもも、この住宅防音工事が一般の公共事業と同じとは思っておりません。先ほど、何回も言っておりますように、やはり騒音がある限度を超えたら、これは受忍限度を超えるのだから違法だという判決もあるわけでございまして、そういう点を念頭に置きながらこれまでもやってまいりましたし、これから先もそういうことにならないようにやっていくつもりでございます。  ただ、これから先は、いろいろ公共工事の単価のダウンということもやっていきます。これは、やはりそれに合わせまして単価等のダウンについてはやっていかなきゃならないので、額としてはそれに倣って下がることもございましょうが、公共事業の一律削減みたいな、そういう枠内でのことは毛頭考えておりません。  ただ、実態として、W値八十を超えるのもかなり終わってきておるから、そういうような負担をする工事の単価と、それ以下の部分における単価との違い等もありまして、追加でやりますから世帯数はふえますけれども、しかしながら、そういう内容的な違いがあって下がることはあり得るのじゃないか。  しかし、今委員指摘になられましたように、私どもは、この防音工事を減らしたためにまた違法だと言われるようなことのないようにだけはしていかなきゃならない、そういうふうに思っておるところでございます。
  65. 冨沢篤紘

    冨沢分科員 ありがとうございました。  湾岸からインディペンデンスが戻ってきますとまたジェット機の音がしますので、どうぞ、御招待いたしますので、時間をつくって大和の方へお出かけをいただきますように。  ありがとうございました。
  66. 河村建夫

    河村(建)主査代理 これにて冨沢篤紘君の質疑は終了いたしました。  次に、一川保夫君。
  67. 一川保夫

    一川分科員 自由党の一川保夫でございます。  今ほども基地周辺騒音問題等々の議論がなされておりましたけれども、実は、私の地元の方にも航空自衛隊の小松基地というのがあります。  昨年の通常国会の折にも、ちょうど空港整備法の一部改正という議論がございまして、防衛庁長官にも当時御出席を賜りましたけれども防衛庁が所管している空港で最近民間航空に対する需要が非常に強くなりまして、お互いの共存共栄という中で、地域のいろいろな期待というものが一方で大きいわけです。  ただしかし、防衛の必要性といいますか、そういう重要性なり、また防衛施設をしっかりと管理していくということも一方では非常に大切だということもだんだん周辺方々にも理解されてきておるというふうには思います。  しかし、今ほどの議論にありましたように、基地が抱えている従来からのいろいろな課題というのは、幾つかあると思うのですけれども、そういうものを現時点で点検してみた場合に、そういう周辺地域に対するいろいろな問題等も含めて、いろいろな課題がしっかりと解決されているかどうかということが非常に気になるわけです。私自身も、自分の住宅地域の同じ町内の中にも小松基地に勤務している方々がたくさんいらっしゃいまして、自衛官の皆さん方を中心に、皆さん方地域皆さん方といろいろな融合を図るという面で大変努力されているということは、日常生活上十分わかっているわけでございますけれども。  そこで、幾つかお尋ねしたいわけです。  一つは、先ほどの騒音問題にも関連いたしますけれども、小松基地の場合にも過去に騒音にかかわる経過がいろいろとございました。今現在、周辺地域では、騒音区域に入っている部分で家屋の移転がだんだん進んでまいりまして、その移転した跡地というものが割と虫食い的にだんだん目立ってまいりました。そういうことも含めてちょっと確認をしておきたいのですけれども、今現在、移転したいという希望が出てきた場合、当然宅地を優先的にやっていらっしゃると思いますけれども、農村地帯であれば宅地に隣接して畑とかそういうものも当然あるわけですけれども、そういう住宅地の移転というものが小松基地周辺では割と順調にいっているというふうに判断されていらっしゃるのかどうか、そのあたりの見解をお聞かせ願いたいと思うのです。
  68. 萩次郎

    萩政府委員 御承知のとおり、小松飛行場周辺の移転措置につきましては、防衛施設周辺環境整備法という法律に基づいて住民の方の要望を受けまして移転補償を実施しておるところでございます。  先生おっしゃいましたように、なるべく地元住民の方の御希望がかなえられるようにということで、現在までのところ、御要望のあったものはすべて実施をしております。昨年度までに終了いたしましたのが四百四十五戸、今年度七戸が希望されまして実施中でございます。  なお、来年度につきまして、地元に御要望を聞きましたら、四戸が移転の希望を出されておりますので、その予算を計上しておるところでございます。
  69. 一川保夫

    一川分科員 今の御説明によりますと、家屋の移転等については割と順調に進んでいるという感じを受けておりますし、我々も、その問題については、今希望すればほぼ希望に近い形で措置してもらえるというお話は聞いておりますし、引き続きぜひそういう方向でお願いしたいというふうに思います。  そういう中で、私が先ほどちょっと触れましたように、その移転した跡地というものを、今のところはそんなに大きな面積が固まってあいておるわけじゃないのですけれども、ある程度まとまった面積が出てきた場合、防衛庁側としてそういう跡地利用ということについて何か基本的な考え方を持っておられるのかどうか、そのあたりをお聞きしたいと思うのです。
  70. 萩次郎

    萩政府委員 移転をされた跡地、移転を希望されるというのは、基本的に音がうるさいということでやられるわけでございますので、その跡は原則として人が居住するには余り適さないということで措置をするわけでございます。  一番多うございますのは、やはり緑の地域にする。これはもちろん国有地のままでございますが、そこを植栽するとか自然林のまま保護して緑の地域にする、これが半分以上でございます。また、空き地になるわけでございますので、地域によっては駐車場に使いたいとか、サッカー場に使いたいとか、グラウンドを一部そういうことで使わせてもらいたい、そんなようなことがございますので、その場合は使用に差し支えがなければ使っていただいておる、そういうことでございます。
  71. 一川保夫

    一川分科員 我々の地域でも、その跡地の利活用ということについて、恒久的な施設をつくるとか、そういうものは当然できないというのは十分承知の上なのですけれども、今ほどお話がございましたように、例えば駐車場あるいは緑地にするとか、いろいろなスポーツの用に供する空間として提供していくということも、地域皆さん方にとっては大変ありがたいことだというふうに思います。  そのあたりは、これからの防衛業務全体に対して、地域皆さん方にしっかりとした理解を深めながら協力を仰ぐという面では、防衛庁サイドとしましても、周辺地域住民に対して日常生活上も非常に配慮をしているというような態度を具体的にいろいろな場面場面で示していただければ、国のいろいろな防衛業務についてもしっかりとした理解が深まっていくのではないかというふうにも思いますので、今ちょっとこの問題を例に取り上げましたけれども、そういう周辺住民に対するいろいろな配慮といいますか、そういう基本的な考え方ということについて、防衛庁長官の見解をよろしくお願い申し上げます。
  72. 久間章生

    久間国務大臣 こちらの方に書いておりましたものは行政財産になっておりますけれども、これにつきましては、とにかく有効に活用されることが国全体としてもいいことでございます。  ただ、防衛庁が主体になっていろいろなことを考えるよりは、やはり地元の市あたりの要望等を聞きながらやっていくことが一番いいと思いますので、市等もいろいろな要望があれば従来も対応してきているようでございますけれども、また、委員におかれましても、地元の市町村のいろいろな声がありましたら、市に言っていただければ幸いではないかと思っております。こちらは十分に対応していこうと思っております。
  73. 一川保夫

    一川分科員 おっしゃるとおりでございまして、当然、地元市町村、行政機関側の全体の構想の中で物事に対応するということにしなければならない。そういう中で、また基地サイドともいろいろな協議を進めていく。その場合には、ぜひ今大臣のおっしゃったような考え方で御指導を賜りたい、そのように思っております。  次に、先ほどちょっとお話ししましたように、小松基地の場合は共用飛行場ということで、これは全国に数カ所あるというふうに聞いておりますけれども、当然ながら、共用でございますから、防衛庁サイドと運輸省サイドに所管が分かれてくるわけでございますけれども、最近、小松空港の場合でも、これだけ景気が低迷してきている中で、地域経済に活力をつけたいという思いの中で、関係団体、関係機関が特に民間航空というものに相当関心を持っていろいろと運動をしているのが現実でございます。  そういう中にあって、本来業務である防衛業務とのいろいろな整合性なり、そういう調整が当然必要になってくるわけですけれども、今、小松基地の場合、民間航空サイドでも、毎年石川県なり地域の要望として関係省庁にもお願いしていると思いますけれども、例えば国際便を開設したいとか、あるいは国内路線をもっとふやしたい、新規路線をふやしたいというようなことも含めて、いろいろな要望が当然なされているというふうに思います。  きょう、運輸省の方も来ていらっしゃると思いますけれども、こういう共用飛行場で、国際便等を含めて、国内便もそうでしょうけれども、新たな路線をこれから拡充したいという強い地元の意向があるわけですけれども、そういうものに対する運輸省サイドの基本的な取り組み方といいますか、そこのところをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  74. 井手憲文

    ○井手説明員 お答え申し上げます。  小松の飛行場は、もちろん防衛庁の管理の飛行場ではございますが、一定の範囲で民間の路線にも開放されてございます。  まず、国際線でございますが、これは小松に限らず、ほかの空港の場合もそうでございますが、需要の動向あるいは内外の航空会社の運航の具体的な計画でありますとか、あるいはCIQその他関係の受け入れ機関の対応の状況、そういったものを考慮しながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。  それから、国内線でございますが、私ども、今国内線につきましては、新しい路線の設定等についてできる限り航空会社の経営判断というものを当然のことながら尊重するというふうにしておりまして、特に羽田あるいは伊丹といった、国内線に関して空港の発着枠が極めて厳しい、タイトな空港以外につきましては、航空会社の方から、小松を含めて、新しい路線の開設等の申請希望がありましたらば、これについては認める方向で対応していきたいと思っております。
  75. 一川保夫

    一川分科員 そういう新たな路線の開設ということにつきまして、これからも地域のいろいろな意向を真剣に受けとめていただいて、御配慮をお願いしたいわけです。  昨年の空港整備法の一部改正の折にも、新たに地元負担を初めて導入する改正を行ったわけですけれども、それに対して地元公共団体等々が余り異論を唱えなかったということに対しては、やはりできるだけ地元の意向を尊重していただきたいという期待感のもとに地元負担を受け入れたというふうに私は思いますので、両省におかれましても、そのあたりの地元の気持ちをしっかりと受けとめていただきたい、そのように思っております。  そういうことを具体的に進めていく場合に、小松飛行場の場合でもそうなのですけれども、民間の国際便的なもの、今はチャーター便が相当実績が上がってきておりますけれども、遠距離は飛ばせば飛ばすほど舗装厚とかそういうものが相当議論になるわけです。当然ながら、近いうちには滑走路の舗装厚をもっと厚くしたいとか、あるいはいろいろなエプロン等々の空港の施設を拡充したいという話にすぐつながってくるわけです。  当然、共用の飛行場ですから、具体的にそういう施設を整備する場合の工事費をどういうふうにしてお互いに振り分けしていくかということも含めて一つの課題があるような気がいたします。明らかにこれは民間航空だけで使用するというものであれば、それは当然ながら運輸省サイドでの負担になると思いますけれども滑走路ということになれば、相当経費もかかる仕事でもございますし、また当然自衛隊側ともいろいろなかかわりが出てくるわけです。  そういうものに対する定まったルールは余りないとは思いますけれども、基本的な考え方としまして、そういう施設を具体的に整備していく場合の両者の費用の振り分けといいますか、そういうものに対する基本的な考え方というのは今現在どういうふうになっているのか、ちょっと御説明を願いたいと思うのです。
  76. 横田和男

    横田説明員 お答え申し上げます。  滑走路など自衛隊と民間航空機が共用しているような施設につきましては、先ほどちょっと先生もお話がございましたように、施設の整備は、だれの必要でやっているのかという、いわゆる原因者負担の原則でやっておりまして、そういうことで防衛庁さんと調整の上、適切な費用負担を行っているという現状でございます。  それから、民航側の負担につきましては、先ほど先生のお話にもございましたように、平成九年五月に空港整備法の一部改正をいたしまして、地元負担もお願いしている次第でございます。
  77. 一川保夫

    一川分科員 防衛庁長官にもちょっと見解を確認いたしたいわけです。  今ほどちょっとお話ししましたように、そういう共用飛行場で新たな路線を開設したいという要望なり、また、いろいろな飛行場施設を整備拡充したいという議論が、地方では相当真剣に議論されているのが現実でございます。そういうことが中央の段階で、当然防衛庁と運輸省サイドとのいろいろな折衝事につながってくると思いますし、基本的には防衛庁側の判断というのが相当重きをなすというふうに思います。  そういう地方が、今景気低迷の中で、地域の活性化なり地域経済というものに対して何とか力をうけたいという中で、共用飛行場というものをしっかりと有効に活用していきたいという気持ちが当然あるわけですし、一方では、そういうことと並行しまして、防衛業務の重要性なり防衛施設の必要性ということについても当然理解の上でのそういう要望だというふうに思いますので、防衛庁長官として、そういった今日のいろいろな地方の要望というものに対してどういうふうにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
  78. 久間章生

    久間国務大臣 昨年の法改正のときにも委員に御答弁申し上げましたように、防衛上の必要性から、願わくは専用の空港が一番いいわけでしょうけれども、そうは言いながらも、飛行場をそんなふうにつくらなくて、むしろ共用した方が国全体として見たときに効率がいいし、また、地元との関係でもその方がいいというようなこともございます。  そういうことで、できるだけ地元とうまくやっていくのもまた防衛政策上も大事なことでございますし、地元も非常に防衛政策にも協力していただいているわけでございますから、私どもはそれも念頭に置きながらやっていこうと思っております。  アロケーションの問題とか、そういうことにつきましては、これは運輸省と防衛庁がいろいろとすればいいわけでございまして、第一義的には原因者負担といいますけれども、それによってまた改良されて既施設がよくなる部分については、当然原因者だけではなくて防衛庁が持たなければならないようなケースも出てくるわけでございますから、そういう点については運輸省と調整しながらやらせていって、できるだけ総合的にうまくいくように考えていこうと思っております。
  79. 一川保夫

    一川分科員 ぜひそういう方向でお願いを申し上げたい、そのように思います。  では、次の話題に移らせていただきますけれども、冒頭ちょっと触れましたように、私自身も自分の生活している地域に、小松基地に勤務されている方なり自衛官の方々が相当数いらっしゃいます。そういう方々というのは、地域皆さん方としっかりと交流を深めたいという気持ちで生活されているというふうに受けとめられますし、そういう面では、地域皆さん方に、自衛隊の方々というのは非常にすばらしい人間性を持った方々が多いというふうに評価されているわけでございます。そういう面では非常に私たちもうれしく思っておるわけです。  ただ、最近、我々からすると非常に若い方々がもう定年だということでやめざるを得ないという状態なのですね。それは、御存じのとおり、自衛隊の場合には特別若年定年制というのがしかれているという中で、早い人は五十三歳ぐらいで定年だということになってきておるわけです。  しかし、最近よく言われていますように、高齢化社会という中で、皆さん非常に元気で長生きする、そういう時代にもう既に突入しているわけですね。しかも、五十半ばといえば、まだまだ体力もあるというふうに私は思うわけですけれども、基本的に、こういう若年定年制というものをしかれたというのは、それは自衛隊の任務からすれば当然だといえば当然なのですけれども、最近、そういうものを見直すというような考え方があるのかないのか、そのあたりをちょっとお伺いしたいと思います。お願いします。
  80. 坂野興

    ○坂野(興)政府委員 お答えいたします。  先生御承知のように、自衛官につきましては、部隊の精強性を確保するため、各階級ごとに職務に必要とされる知識、経験、体力等を考慮いたしまして、定年制を設けております。  この定年年齢につきましては、中高年の体力の動向、装備技術の向上、その他社会情勢の変化等を踏まえまして、人材の有効活用を図るとの観点から、精強性を損なわない範囲で従来から逐次延長も行ってきたところでございまして、現在、将及び将補につきましては六十歳としているほか、その他医師とか警務とか通信情報等の特定の職域の自衛官につきましては、業務の内容に照らしまして若年定年制をとる必要がないことから、定年を段階的に六十歳まで延長しているところでございます。  しかし、それ以外の大部分の自衛官につきましては、各階級ごとに、一佐につきましては五十六歳、二佐及び三佐につきましては五十五歳、一尉から一曹につきましては五十四歳、二曹及び三曹につきましては五十三歳というように若年定年制を採用しているところでございます。
  81. 一川保夫

    一川分科員 そこで、今五十六歳から五十三歳というその階級の皆さん方というのは、現状そうなっているのは事実でございますけれども、この年齢というのは最近変更されてきておるのでしょうか、それとも、いつごろからこういう制度がしかれておるのでしょうか。
  82. 坂野興

    ○坂野(興)政府委員 例えば、自衛隊が発足いたしました昭和二十九年でございますと、将につきましては五十八歳、将補につきましては五十五歳、一佐につきましては五十三歳ということに、階級ごとに今よりは若い定年制をしいてきたわけでございますが、最近のいろいろな事情もございまして、自衛隊の精強性を損なわない範囲ということで、先ほど御説明申し上げました年齢にまで少しずつ定年を延長してきたというのが従来の経緯でございます。
  83. 一川保夫

    一川分科員 今ほどのお話のように、自衛官としましての精強性を維持するということで、一般の公務員に比べて非常に定年制を若くしているというのは、ある面では理解できるわけでございます。  しかし、今日平均寿命が非常に延びてきまして、長官も、何歳か正確にはわかりませんけれども、五十代だと思いますけれども、五十代半ばの年齢というのは、私はまだまだこの任務をこなせるだけの体力というのはあるような気もします。それと、相当個人差があると思いますね。  それで、一律五十三歳とか五十四歳、五十五歳、五十六歳で線引きするというのは、どうも私はある面では非常に、今、即応予備自衛官だとかあるいは予備自衛官とかという制度を設けながら、いろいろな面で周辺の体制を拡充しようとしているときに、基本的に、そういう能力、体力のある方々に自衛官としてしっかりもう少し働いていただくという何か弾力的な制度があっていいような気がするのですけれども、そのあたりはどうでしょうか。
  84. 久間章生

    久間国務大臣 しかし、制度でつくる場合はどうしても公平にやらなければならないので、個人別の体力差というのを比較する基準がなかなかないと思うので、やはりこれは年齢によらざるを得ないと思うのです。  そして、今局長から答弁しましたときに、佐ぐらいしか言いませんでしたが、今聞きましたら、例えば曹でいいますと、四十五歳だったのが今五十三歳まで上がっているわけですね。そういう意味では、かなりこの数年上がってきているわけでございます。これはほかの原因もありますけれども。  それと、自衛隊の定数全体が決まっておりますから、そういう人たちが残るということになりますと、若い人の採用が減ってくるということになります。これも、自衛隊の全体としてのバランスを考えましたときに、どんどん年齢を上を上げていきますと、頭数が自衛隊法で決まっておりますから、下の採用をどんどん減らさなければならない、そういうことになりますので、そういう点でも全体としての問題にもなってきますので、そう年齢を上げるわけにもまいりません。  精強な自衛隊をつくるというのは、やはり若年者もどんどん入れていって、それを鍛えていって、五十、今でいいますと、曹でいったら五十三歳まで、佐官クラスになりますと五十六歳、あるいは将に行きましたら六十歳までということでやっておりますので、この辺についてはまた別途の形で、今、公務員につきましても、六十歳を超えた人をどういう形で活用するか、六十五歳までどういう活用をするかという話がございます。  だから、自衛隊等においても、活用できる人をどういう形で活用する方法があるのか、それらについてはやはり公務員の活用の方法と同じように議論はしていかなければならないと思いますけれども、定年を延長するということについてはやや無理が来ているのじゃないかというような気がいたします。というのは、最近、この二、三年間特に上げましたので、そのために若年者の採用がその分減っておるという事実もございますので、その辺のことを考えながらこれから先も対応していきたいと思っております。
  85. 一川保夫

    一川分科員 私が地域でそういう方々と直接接している状況を見まして今のような話題をちょっと出させていただいたわけです。  御案内のとおり、自衛隊というのは特殊な任務でございます。普通の一般の労働者と違いまして組合組織も当然ないわけでございますし、ある面では言いたいこともはっきり言えない部分が自衛隊の隊員の皆さん方にはあるのじゃないかと私は思うのです。  当然ながら、五十三歳、四歳という年代は家庭的には相当費用のかかる年代だというふうに私は思いますし、その時期にまた第二の人生を歩むという面では、こういう非常に景気が低迷し、いろいろな面で職場が不足しておるときに、再就職をしていくということは非常に難しい状況にあるのじゃないかと私は思うのです。  それを無理して仕事をせざるを得ない状態に追い込まれるわけですけれども、相当厳しい状況の中で、まだ五十半ばで再就職の道を探すということは、ある面では非常に大変だなという気持ちを持つものですから、確かに新たな尺度でもって定年制を決めていくというのは非常に難しいということは十分承知の上なんですけれども、何らかの配慮の中で、それなりの能力なり体力のある方々の経験をもう少し生かすよう、しっかりと活用していくという仕組みが検討されてもいいのではないかなと私は考えておるわけでございまして、ぜひそのあたりも含めてこれからの課題として御検討していただきたい、そのように思っております。  以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  86. 河村建夫

    河村(建)主査代理 これにて一川保夫君の質疑は終了いたしました。  次に、平賀高成君。
  87. 平賀高成

    平賀分科員 日本共産党の平賀高成でございます。私は、新しいガイドラインとAWACSの問題で質問させていただきます。  ことしの一月二十日にアメリカコーエン国防長官が来日をしまして、首相と会談した後、小渕外相、久間防衛庁長官と会談を行いました。この会談で、新ガイドラインを具体化する機構として、日米共同計画検討委員会を中核とした包括的メカニズムを発足させることで合意をいたしました。今月の十三日には日米共同計画検討委員会の初会合が開かれ、実質的な作業を開始しています。  この日米共同計画検討委員会は、自衛隊、米太平洋軍、在日米軍など制服組で構成をされています。その構成者でもある夏川和也統幕議長が一月二十二日の記者会見で、あえて言うなら日本有事は土台があるので、周辺有事について先に手をつけた方がいい、こういう発言をし、米軍も同様の認識であることを強調しております。  三月の十三日に開かれた日米共同計画検討委員会では、周辺事態での軍事作戦計画となる日米相互協力計画を優先的に進めるということになったのですか。
  88. 太田洋次

    ○太田(洋)政府委員 お答え申し上げます。  日米両国政府は、共同作戦計画についての検討と周辺事態における相互協力計画についての検討を行うわけですけれども、その両者の計画について、まず整合性を図るというようなことについて留意するようガイドラインに定められております。  そこで、両方の計画について検討するわけでございますけれども、御存じのとおり、日本有事の場合、つまり我が国に対して侵略が起こりました場合に、日米で共同作戦をとる場合についてのいわゆる研究については従来行われております。周辺事態については今回初めて取り組むわけでございます。先ほど先生御指摘の点につきましては、片方については既にある程度経験があるということが言えるかもしれません。片や新たに取り組まなければいけない。そういうことが念頭にありまして、先はどのような発言になったというような感じもいたします。真意のところは実際には私にはわかりません。  いずれにしましても、ガイドライン上は両方の計画を検討するということになっておりますし、その間の整合性を図る、つまり周辺事態が我が国有事に波及する場合もあり得るということはガイドラインで書かれておりますので、いずれの方が優先するとか、そういうことには理論的にはならないというふうに私は考えております。
  89. 平賀高成

    平賀分科員 この問題について言いますと、これまでの国会の討論の中でも、日本の有事の問題についてはもう検討してきたということが言われておりまして、今答弁がありましたように、やはりこれからは周辺事態にどう対応するか、こういうことで日米相互協力計画を優先的に進めるんだということになっていると思います。  そこで、昨年の九月十九日に、新ガイドラインについてキャンベル米国防副次官補はブリーフィングで、空港、港湾、施設、そして多種多様な後方地域支援について高度の具体性を期待している、その取り決めは数ページのものではなくて、これは文字どおり数百ページのものになる、それは軍事計画立案者たちがやることであると発言していますが、この日米相互協力計画は本当に数百ページにも及ぶ、そういう計画になっているのですか。長官に伺います。
  90. 久間章生

    久間国務大臣 まだこれから具体的にそういう検討をやろうということでスタートしたばかりでございまして、数百ページになるものであるかどうか、今ここでどうかと思いますけれども、どの程度までをそういうペーパーにするのかどうか、その辺にもあろうかと思います。だから、感じで数百ページに及ぶと言われましても、率直に言ってそうかなというような感じがいたしますけれども、それについて間違っているとも別に言うわけにもいかないというのは、今からスタートするわけですから、そこで余り感触を、そんなにはならないのじゃないかということを言うような話にもちょっとできないわけでございます。  いずれにしましても、今からそういうことについて検討していこうということで、緒についたばかりでございます。
  91. 平賀高成

    平賀分科員 これは、ブリーフィングの中身にまさに数百ページのものになるということが書かれているわけですね。ですから、具体的にはいろいろなことを想定して、これがいろいろ各計画を全部合計するとこんな厚い数百ページのものになると。大体具 体的な内容についてはほぼ決まっているのじゃないかと私は思うのですが、その点はどうなんですか。
  92. 久間章生

    久間国務大臣 いや、まだとにかく計画をつくるというのじゃなくて計画の検討をすると言っているわけでございますので、緒についたばかりでございます。この間第一回の会合を開いたばかりでございますので、これから作業が始まるというふうに理解していただいて結構だと思います。
  93. 平賀高成

    平賀分科員 この日米相互協力計画の検討メンバーには、アメリカ西海岸からアフリカ東海岸までを任務範囲としている米太平洋軍が参加をしています。米軍の紛争シナリオに、自衛隊や自治体施設、港湾、空港など、民間も含む国民全体を巻き込んでいく、こういう危険な日米相互協力計画の検討は私は直ちにやめるべきだ、このことを強く指摘をしておきたいと思います。これは中身を見ますと、本当に自治体を巻き込むような計画になるわけですから、このことは強く私は指摘をしておきたいと思います。  次に、新ガイドラインでは情報提供が重要な協力になっています。自衛隊が収集した情報を平時、有事を問わず米軍に提供する仕組みになっています。  三月二十五日に、日本では初めて、早期警戒管制機AWACSが二機、静岡県の浜松基地に配備をされることになっています。AWACSは空飛ぶ司令塔と言われていまして、約四百八十キロメートルの範囲にある航空機や艦船の動きを捕捉でき、一度に六百機の目標の敵味方の識別が可能であり、集めた情報は攻撃部隊へそのまま提供できる能力を持っているわけです。  浜松市民は、これは音楽の都市という、こういうことの町づくりが行われてきまして、この浜松に空飛ぶ司令塔と言われるような飛行機は要らない、そして浜松基地に実戦部隊は来てもらっては困る、こういうことを常々言ってまいりました。こうした市民や国民の声を無視して、一機五百七十億もするようなAWACSをなぜ配備しなければいけないのか。この点について、長官のお考えを聞きたいと思います。
  94. 伊藤康成

    ○伊藤(康)政府委員 我が国は御承知のとおり専守防衛ということを旨としておるわけでございますが、そういう中で情報収集機能というものは非常に重要だということは当然おわかりいただけることかと存じます。  そういう中で、情報収集の中の一つでございますけれども、早期警戒監視という機能は、これは有事、平時を問わず大変我が国にとっては重要なものでございまして、そういう中で、最近の航空軍事技術の趨勢といったものを踏まえますと、洋上におきます早期警戒監視機能、あるいは地上の警戒監視機能の代替としての機能といったものが現段階では非常に重要なものになりつつあるわけでございます。  したがいまして、すぐれた探知能力と航続性能を持ちます、また国土から離れました洋上においても早期警戒監視機能を確保することができる、それだけではなくて、地上の警戒管制組織に比べまして、残存性と申しますか、仮に地上の警戒管制組織が何らかの被害があった場合にもこれを代替できる、そういう意味でのAWACSというものを導入するということで、これはさきの中期防で決められまして、この三月二十五日に、最初に調達した二機が浜松基地の方に到着する予定になっておるところでございます。  そういう重要な飛行機でございますが、これをなぜ浜松に二機かということになろうかと存じますけれども、当然のことながら、この種の飛行機を配備するに当たりましては、それだけの滑走路の能力ですとか地積ですとか、飛行機を置くだけではございませんで、関連の部隊等ございますので、そういったものを考慮しなければならないわけでございます。あるいはまた、航続距離もかなり持っておるわけでございますので、できれば余り北の端とか南の方に偏ったところではない、我が国の中央に近いところといったような観点も踏まえますと、浜松基地が大変適当なところであるということでお願いをした次第でございます。
  95. 平賀高成

    平賀分科員 今の答弁を聞いていましても、これまで日本にはE2Cとか、潜水艦の捜査をするP3Cとか、いろいろ装備がありました。それで、なぜ今のE2Cの態勢だとかそういうものでだめなのか、なぜAWACSでなければならないのか、この点について明確に述べてください。
  96. 久間章生

    久間国務大臣 E2Cの覆域、空域というよりも、とにかくAWACSの方が広いわけでございますし、それから航続時間にしましても長く飛べるという能力の差もございます。  それと、AWACSだったら管制能力も持ち合わせておるわけでございますから、二つを比較しますとAWACSの方がはるかにすぐれておるということで、我が国みたいな専守防衛の国としては、他国からの攻撃等に対しますいろいろな情報収集をするに当たっても、また、それを管制するにしましても、とにかくAWACSみたいな飛行機が必要だということで、この導入を決めたわけでございます。
  97. 平賀高成

    平賀分科員 今まで防衛庁の方ともいろいろ話す中で、スタンドオフ攻撃ということが言われていましたけれども、これについて、一体どういうものなのか。
  98. 伊藤康成

    ○伊藤(康)政府委員 先ほど私の御答弁の中で、航空技術の進歩ということを申し上げました。確かにE2Cをかつて、昭和五十年代でございますか、導入したわけでございますが、そのころから比べますと格段に軍事技術というものも当然進歩しておるわけでございまして、それは、例えば相手方の戦闘機あるいは爆撃機の能力ですとか、あるいはまたそこに搭載しておりますミサイルの能力といったものが非常に進歩しているというふうな事実がございます。  そういう中で、今御指摘のスタンドオフということでございますが、我が方といたしましては、結局、我が国に対して何らかの攻撃があるとすればそれを防がなければならないわけですけれども、我が方の航空機が、要撃機が相手方を迎え撃ちに行くわけでございます。そのときに、迎え撃ちに行ってももう間に合わないという状況が、軍事技術的にはこのままですと起こり得るということでございます。それをスタンドオフと、向こう側がスタンドオフ能力を持っているというようなことでございまして、そういうことへの対処ということもAWACSの導入の大きな理由一つでございます。
  99. 平賀高成

    平賀分科員 実際にスタンドオフ攻撃で、日本のレーダーが持っている覆域の外から低空で侵入してくる、そういう攻撃に対してAWACSが必要だ、そういう趣旨の説明だと思うのですが、実際に、日本が守備範囲としている中で、そういう攻撃をする飛行機を持っている国は具体的にあるのですか。長官にいいですか。
  100. 伊藤康成

    ○伊藤(康)政府委員 既にその種の、特に空対地のミサイルとかそういったものは、周辺の国と申しますか、軍事技術的に既にその種のものがいわば平均的な装備になりつつあるということを申し上げている次第でございます。
  101. 平賀高成

    平賀分科員 私の質問は、スタンドオフ攻撃ができる航空機を持っている国が具体的に日本周辺にあるのか、このことを聞いているわけですので、明確にお願いします。
  102. 久間章生

    久間国務大臣 各国がどういうような態勢をしているか、私どももいろいろ情報等は収集いたしております。しかしながら、それをもってどこの国がそういうような攻撃態勢がとれる、とれないというようなことをこういう場で言うのもなんでございますので、いろいろと差し控えさせていただきますけれども、いずれにしましても、我が国は専守防衛に徹しておるわけでございまして、それだけに、よそ以上に、いわゆる攻撃されたときにそれに対処できるかどうか、その辺についてはよその国以上に意を払わなければならないという点については、我が国の専守防衛という非常に極めて難しいという点については御理解賜りたいと思うわけでございます。
  103. 平賀高成

    平賀分科員 これは重要な問題なんですね。  実際に日本周辺でこういうことをやる飛行機があるのかないのかということは、明確に言えないということですか。
  104. 久間章生

    久間国務大臣 さもAWACSがよその国がないような攻撃能力を備えているのだという、そういう観点からこのAWACSをとらえられるとすれば、大変そこは誤解を生ずるわけでございまして、私どもがこのAWACSを導入したのは、今のE2Cよりもはるかにいわゆる情報収集能力にすぐれておる、そういう点で導入したわけでございますし、そういう点では、四機持っておれば大体日本全体をカバーできるという観点から入れたわけでございますから、さっき言われたスタンドオフという、その観点のみでこの問題をとらえて言われますと大変誤解を生ずるのじゃないか、そういう気がいたします。
  105. 平賀高成

    平賀分科員 これは明確に言うことはできないと、明確な答弁がなかったと私は理解をします。  そこで、前に進めます。  それで、AWACSは専守防衛のためと言われますが、九〇年の湾岸戦争において、イラク攻撃の際に大きな攻撃能力を発揮したことは明らかです。湾岸戦争の最終報告書によりますと、あの湾岸戦争では、多国籍軍がイラク機四十二機を撃墜しましたが、AWACSは、イラク機の動きをすべて監視下に置き、味方の爆撃部隊に対して警告を発し、戦闘機に攻撃指示を出しました。このAWACSの指示によって、味方の戦闘機は、敵目標を視認することなく、レーダー誘導のミサイルで遠距離から攻撃ができました。このように、湾岸戦争でAWACSはイラクの攻撃に大きな能力を発揮しました。AWACSは、米軍にとってはもはやなくてはならない存在となっていまして、今では、米軍が大規模に海外展開する際にはAWACSが必ず同行する、こういうことになっているわけです。  湾岸戦争でのAWACSの運用からはっきりしていることは、瞬時に六百機にも及ぶ敵味方の識別情報を味方の部隊に提供し、味方の攻撃力を決定的なものにする航空機だと私は思うのですが、これはいかがですか。
  106. 伊藤康成

    ○伊藤(康)政府委員 今お挙げになりました数字はともかくといたしまして、AWACSが非常にすぐれた管制能力を持っておるという点は、そういうことだと思います。  ただ、我が国は、憲法上も、また国策といたしましても、専守防衛ということでやっておるわけでございまして、まさにこの専守防衛のためにこれを使うということが私ども考え方でございますし、また、そのような方針のもとで装備をしているところでございます。
  107. 平賀高成

    平賀分科員 さらに伺いますが、AWACSが瞬時に識別した敵味方の情報は、有事においても米軍へ自動的に提供されることになります。周辺事態では、自衛隊のAWACSが提供する情報は、米軍の攻撃作戦にとって欠かせないものとなるのではありませんか。
  108. 久間章生

    久間国務大臣 AWACSの言うなれば情報の蛇口を出しておけば、それは情報が流れることは委員指摘のとおりでございます。この情報が流れたからそれが有利になるということは、結果としてはそういうことはないとは申しません。それはあると思います。
  109. 平賀高成

    平賀分科員 そういうふうなことはちゃんと認めるという答弁でありましたので。  それで、米軍はAWACSの識別情報によって攻撃力を決定的なものにするということですので、その米軍へ、新ガイドラインのもと、自衛隊のAWACSが識別情報を提供するわけですから、この協力が自衛隊のAWACSの最大の任務になるのではないかと私は思うのですが、この点、いかがですか。
  110. 久間章生

    久間国務大臣 いや、それが最大の任務になるというわけではございませんで、結果として米軍を利することはあり得るということでございます。AWACSは我が国の防衛のために必要だということで入れて、そのための情報収集等の任務を行うわけでございます。その知り得た情報がアメリカに流れて、アメリカがそれを有利に使うことは、これはあり得るということを先ほどから言っているわけでございまして、アメリカへ流すのがAWACSの仕事だというふうに言われますと、それは心外でございます。
  111. 平賀高成

    平賀分科員 今御答弁がありましたが、私は、AWACSというのは、これは近代戦争で情報戦というのは、まさにいわばその最高の部分だと思いますよ。そこの部分をこのAWACSがやるわけですから、自衛隊に配備されても、まさにその近代戦争の一番中枢部分を担う、そういう兵器だと私は思います。ですから、こういうAWACSを日本に配備することには私は反対であります。  さらに、その上で、浜松基地の体制強化についてちょっと伺いますが、現在、三沢基地に航空自衛隊の警戒航空隊が置かれていますが、浜松基地へのAWACS配備に伴って、浜松基地に警戒航空部隊が設置されることになっています。部隊及び隊本部はいつ設置をされるのか、AWACS四機を運用するために、整備員などを含めてどれだけの規模の部隊がつくられるのか、また、現在三沢基地にいる警戒航空隊司令はいつ浜松基地に移るのか、これらの点についてお願いします。
  112. 伊藤康成

    ○伊藤(康)政府委員 浜松にはこの三月二十五日に当初の二機が入ってまいりますが、今の予定でございますと、来年の三月にさらに追加の二機が入ってまいります。その四機が入りました時点で、警戒航空隊司令とそれからその隊本部の一部が、これは現在三沢にございますけれども、その一部につきまして浜松に設置をするというふうに予定をしております。時期といたしましては、今申し上げましたように、四機そろった時期ということでございます。  なお、浜松におきますE767を運用する部隊は、この警戒航空隊司令の統括のもとで、およそ三百名前後の部隊になろうかと存じます。  ちなみに、三沢の方のE2Cの部隊につきましては、これはほぼ現状のまま、飛行機等はもちろん三沢にそのまま置くわけでございまして、ほぼ現状のままということでございます。
  113. 平賀高成

    平賀分科員 わかりました。  現在でも、浜松基地ではT4のジェット練習機が訓練を行っています。騒音などについては地元住民にいろいろ被害を及ぼしておりますが、特に夜間の訓練は、地元住民からはいろいろ反対運動も起こっています。AWACSの実用試験、運用試験については、これは夜間でもやるのですか。
  114. 鴇田勝彦

    ○鴇田政府委員 お答えをいたします。  三月二十五日にE767が浜松基地に到着をいたしまして、直ちに実用試験、また、それを了しますと、今のところおおむね平成十年度末、来年の三月ごろを予定しておりますが、運用試験という手順に参ってまいります。  それで、実用試験の中では、当該AWACSが全天候下において飛行が可能であるということを確認するための試験でございますので、夜間飛行実施することを予定しております。また、運用試験におきましても、早期警戒管制機の任務の性格上、この試験におきましても、夜間あるいは早朝に飛行するということもあり得るものと考えております。
  115. 平賀高成

    平賀分科員 それで、続いて伺いますが、現在浜松基地では、T4ジェット練習機などによる夜間訓練については事前に地元住民へ知らせていますが、AWACSの運用についても地元住民に事前に通知をするのですか。  また、浜松基地運用に関して、防衛庁地元自治体との間での文書による協定も、まあ現在は結ばれてはおりませんが、地元住民からも、運用について明確な文書による協定を結んでほしい、こういう要望も出ています。浜松市の方からこういう要望が出た場合、これは防衛庁として協議に応ずるということになるのでしょうか。
  116. 伊藤康成

    ○伊藤(康)政府委員 現在、浜松の基地につきましては、大変地元方々の御協力をいただきまして、円滑に運用させていただいていると存じております。  そういう中で、いろいろと地元方々にお知らせすべきものはタイムリーにお知らせをしているというふうに承知しておりますし、そのような体制は、仮にAWACSが入りましても、基本的には同じようにやっていくことになろうというふうに承知をしております。  それから今、協定というお話がございましたが、そういうことで、これまでも、また現在も非常に円滑に運用しているというふうに私ども承知しておりまして、特別、今その協定というお話があるというふうには承知しておらない次第でございます。
  117. 平賀高成

    平賀分科員 これはT4の練習機がありまして、これと同じようにということは、きちっと事前に通知をするということと理解していいのですね。  それから、これはうまく運用されていると言うのですが、これは今までそういったことがなかっただけの話であって、何も問題がないということでないことも私は指摘をしておきたいと思います。  特に、今まで浜松の航空自衛隊の基地というのはパイロットの養成の基地であります。今度はAWACSが配備をされて、これは実戦機になりますから、基地の性格そのものが全面的に変わるわけです。ですから、改めてこういう要望が出た場合は協議に応ずるということをはっきり明言していただきたいのです。  二つ、お願いします。
  118. 伊藤康成

    ○伊藤(康)政府委員 まず前者の方でございますが、基地と市当局なり、あるいは地元方々とのやり方でございます。  これは基地の方で従来のスタンスでやるものと私ども承知しておりますが、個別に、個々にどういうふうにやるかということにつきまして、私は今ここでお答えできる材料を持っておりません。  それから、二番目の協定のお話でございますが、確かにこれまで、先ほど来申し上げておりますように、大変いい運用をさせていただいております。その線上で私ども考えておるということでございます。決して、AWACSが入ったからといって、その基地が特別に大きく変わるというふうには私どもは認識していないところでございます。
  119. 平賀高成

    平賀分科員 認識が随分違うようなのですが、昨年六月十一日の衆議院外務委員会で長官も、情報を与えるということによって戦争をやっている相手の国から日本も同じような、参戦国と見られて攻撃を受けるおそれがあるということも答弁されていますよ。ですから、この点について、基地の性格も変わらないと言いますけれども、そういうことをやる航空機が浜松基地に配備をされて、今までの教育訓練基地が実戦基地に変わるわけですから、これは明確に基地の内容が変わるわけですよ。この点どうなんですか。
  120. 久間章生

    久間国務大臣 前回の答弁で、たしか御党の方が、そういうふうに見なされるんだぞというようなことを言われたので、それによって参戦するというふうに私の方から言ったことはなかったと思います。そういうふうに情報を提供することによって、参戦していると同じように、相手から見て参戦していることになるんだぞというようなことを確認めいて言われたのをただ最後は聞き流したような感じで終わったと思っております。  今のお話でございますけれども、これは浜松に四機がそろった場合、そこで情報収集等に当たるわけでございますけれども、そこの基地に戦闘機があって、そこから発進してどうこうするわけではございませんで、そういう意味では基地の性格が大きく変わるということにはならないのではないかというふうに私どもは思っております。  情報の収集の仕方としては、浜松にやるAWACSでとる場合もあるでしょうし、また今までのE2Cでとる場合もあるでしょうし、あるいはまた、その他いろいろな方法で情報収集には当たるわけでございまして、そういう情報収集をすることによってそこの基地が非常に性格が変わって、とにかく攻撃の対象になるんだと言わんばかりの言い方をされますと浜松の皆さん方に大変な心配を与えることになるのではないかと思いまして、そういうようなおそれはないということをぜひ御確認いただきたいと思います。     〔河村(建)主査代理退席、主査着席〕
  121. 平賀高成

    平賀分科員 明確に攻撃されるおそれがあるということを委員会の中でも言われているわけですから、しかもそういう実戦機が配備されるわけですから、有事になってそういう情報活動をやっていたら実際に基地がある浜松は標的になりかねませんから、私たち日本共産党は、このような、いわば平和のためだと言いながらこういう危険なことになるAWACSの配備については明確に撤回してもらいたいということを申し上げて、質問を終わります。
  122. 山本有二

    ○山本主査 これにて平賀高成君の質疑は終了いたしました。  次に、西村眞悟君。
  123. 西村眞悟

    西村(眞)分科員 御質問を聞いておりましたけれども政府もいろいろな立場からの質問があって大変だなと思って聞いておりました。まず、私は、宮内庁の方に、天皇陛下の海外御訪問に関して主に質問をさせていただきたいと思います。  その前提に申し上げますが、例えば橋本内閣総理大臣は国会が指名しただけでは総理大臣にならない、天皇陛下の任命によって総理大臣になる。また、我々もここに勝手に集まって国会になるわけではなくて、天皇陛下の召集においてなる。天皇陛下、皇位という地位はそのような地位であるというならば、我々は、国会におる議員は、その皇位の、恐れ多い言葉ですけれども、取り扱いについてもっと真剣に関心を払わねばならない、この問題意識からお聞きいたします。  さて、これは主に文芸春秋なんですが、平成六年の文芸春秋で、「天皇訪米・全記録」、また平成十年の文芸春秋でも、アメリカ御訪問、スペイン、フランス御訪問、これに関して共通して書いておるのは、極めてハードスケジュールの御訪問である。例えば米国公式御訪問においては、十七日間に五十三回の公式行事をこなされた。そして、三十五度を超える猛暑の中の強行スケジュールには批判が集まっているが、これは現地大使館が自分たちの点数稼ぎのために、あそこにも行っていただきたい、ここにも行っていただきたいと訪問先をふやしたことが原因と言われている。  スペイン、フランスの御訪問においても、これは極めてハードスケジュールであった。このときはチョンボをして、勲章をなくしたのか、持っていくのを忘れたのか、こういうこともありました。  今回のブラジル御訪問においては、これも極めてハードスケジュールで、皇后陛下は御帰国後ヘルペスを発病され御入院された。そして、皇后陛下の記者会見のお言葉は、今回の場合、とりわけブラジルは広大な国土に多くの都市が点在している、もし希望を言うことが許されるとすれば、この十五日間の日程の中に一日の休養があればよかったと思いますと。また、この同じ記者会見ですが、「ただ、年齢の上からも、これからは日程作成の上で、あまりの無理は避けていくことが出来ればと願っています。」余りこのような問題についての御発言のない皇后陛下にここまで言わしめる日程はだれが決めておるのかということが質問の一点でございます。
  124. 斉藤恒孝

    ○斉藤説明員 お答えいたします。  天皇陛下の外国訪問の御日程等につきましては、相手国との関係等も調整しまして、宮内庁と外務省とで協議しまして、閣議で決定されるという手続になっておるところでございます。
  125. 西村眞悟

    西村(眞)分科員 宮内庁と外務省で、最終決定は閣議。これについては、最終決定が閣議だというところで、もちろん、我々の政治体制は与党が閣議のメンバーを送り込むわけですから、政治的機関によって最終判断がなされておる。私は、非政治的機関、例えば皇室会議的なものが政治から超越している天皇陛下の御日程を最終的に確定する制度を検討してもいいのかなと思っております。これはお聞きいたしません。私の問題提起でございます。  今回、迫っておりますのは、英国、そしてデンマーク御訪問。それで、この御訪問の中にやはり一日なり二日なりゆっくりした時間がなければならぬと私は思っておるのですが、これについては、決まっておりましたならばお答えください。  それで、これからの御方針として、皇后陛下が言われるように、たとえ一日でも休養があるとよかった、願っておるというふうな、一日の休養でもとっていただくつもりはあるのかないのかということを御答弁いただきたい。
  126. 斉藤恒孝

    ○斉藤説明員 外国御訪問の日程の検討に当たりましては、宮内庁としましては、我が国と御訪問国との友好親善関係の増進という目的を踏まえつつも、天皇、皇后両陛下の御負担の問題に十分配慮しつつ、今後御日程の調整に努めてまいりたいというふうに考えております。
  127. 西村眞悟

    西村(眞)分科員 くれぐれもそのようによろしくお願いいたします。  教訓としては、出先に任せてしまえば日程は過密になるということですね。必ず宮内庁において主導権を握りながら、我々の国家と国民統合の象徴のことで、断じて御体力のことについては配慮して日程を組んでいただきたい、このように思っております。  宮内庁への質問を終わります。  それで、防衛庁長官にお願いいたします。冒頭申しましたように、あっちこっちの角度からの質問で大変だと思いますが。  お聞きしますけれども、理念的には小さな政府か大きな政府かとよく言われまして、行政改革でも、小さな政府にする、なぜかというとむだをなくそう、こういうことで今なされておる。しかし、小さな政府の大きな責務とは何か、これが柱です。  この議論は余りなされていないので、長官、小さな政府の大きな責務、私は、国防だと思います、治安の維持だと思いますけれども、いかがでございますか。
  128. 久間章生

    久間国務大臣 確かに、どんなに行政改革とかいろいろなことをやりましても、我が国がやはり独立して、しかも国内の治安がしっかりと守られていなければ政府としての役割はないわけでございますから、これは本当に大事なことでございます。
  129. 西村眞悟

    西村(眞)分科員 それで、長官、防衛庁というのは英語で言うたら何と言うのですか。
  130. 太田洋次

    ○太田(洋)政府委員 たまたま私が英語を知っておりますので、お答えします。ジャパン・ディフェンス・エージェンシーでございます。
  131. 西村眞悟

    西村(眞)分科員 行政改革を、イギリスでもやって、我が国でもやって、きょうさんエージェンシーができていくわけですな。この中において、我が防衛庁もエージェンシーだ。これは何をやっておるんだということに海外から見たらなる。実態もそうであれば大変なことだ。しかし、論語子路編にいわくです。子、政をなすにまず何をなすか。子いわく、まず名を正すべきか。これが政をなす根本だと。  そこでお聞きしたいのです。エージェンシーでほっておいたらだめだ。なぜこの行政改革議論の中で防衛庁を国防省もしくは防衛省にするという結論が出なかったのですか。
  132. 久間章生

    久間国務大臣 私どもも、国防という大事な、国の基本的な任務を預かる我が防衛庁としては、やはり省として位置づけてもらうことが大事だというような認識で、そういう主張をしてまいりました。しかし、最終的には、この行政改革会議は両論併記になっておりまして、総理の決断ということになったわけでございます。  そういう中で、総理としては、現在抱えているいろいろな問題、ガイドラインもそうでございますし、そのほかのいろいろな問題の中で、この問題については、環境庁みたいに省の中身が変わるということでもないので、とにかく防衛庁のままいこうというふうに決断されました。  私は、やはり政治的な判断の上に立ってそういう決断がされたものと思っておりますし、そういう形で行政改革会議が答申をなされました。それを受けて、それを最大限に尊重するというふうに言ってまいりました私ども政府としては、この問題については、これから先、議論は議論として一応残るけれども、やはり現在のこの行政改革会議が出した答申を受けて進める。今回の法律改正に当たってはそれでやむを得ないというふうに、引き下がったと言えば語弊がありますけれども、そういうような環境、置かれている状況、またやらねばならない最近のいろいろな問題を優先させようという思いもございまして、とにかくそれでいくということに決定した、それに従ったわけでございます。
  133. 西村眞悟

    西村(眞)分科員 実は、先ほど紹介した論語子路編の、まず名を正すべきかという孔子の言葉は、そのように政治的配慮で何も軸が立てられない、実態的に動かすことができない、何かがんじがらめになって具体的に動けなくなった国家の政を孔子がもし頼まれれば、先生、何から先になさいますかという問いに対して、まずその名を正すべきかということです。政治的な実態の錯綜はおいでおいでも、まず名を正すべきかということで、私は、現代の日本にこの言葉は非常に印象的だから、よく覚えております。我々は、名を正さねばなりません。  次に質問を移します。  私が二回地雷についての御質問を申し上げて、あそこで残存率とか持久率とか撃破率とか言われた。それで、アメリカは昨年九月に、オタワ・プロセスのオタワ会議において、死傷率が三五%アップするというふうなシミュレーション結果をやはりディフェンス・ニュースで公表しておるのです。日本も同じようなシミュレーションをやつて、国会では明らかに差し控えると言われたのですが、どう考えても、地雷全面禁止条約の承認を審議しなければならない国会は、やはりそれをアメリカのように教えていただかねば審議もできないし、防衛計画の基本を国会が審議することもできない。  前、残存率というのは死傷率と同じことだと。地雷をもってする現在のいわゆる専守防衛においての残存率と、地雷がなき場合において、今代替手段がないわけですから、指向性散弾というのは役に立たないということは前に申し上げたとおりで、専門家集団が認識されているとおりなのですから、これはやはりどう考えても、この残存率とか撃破率は教えていただかねばおかしいと思うのですが、長官、いかがですか。
  134. 久間章生

    久間国務大臣 アメリカの場合、ディフェンス・ニュースというのでは、これはやめられた方の、退役将軍がクリントン大統領あてに出した手紙の中で三五%というのを言っておりまして、ディフェンス・ウイークというものの中では、それらしきことがどうも政府関係者で出たんじゃないかなというような、そういう話はございますけれども、私どもは、正直言いまして、現在の政府が三五%を公式の場で述べたということについてはまだ確証をとっていないわけでございます。  いずれにしましても、撃破率あるいはまた残存率、持久率、これらは一定の要件を置いてシミュレーションをやっておるわけでございますが、この数値が出てくることになりますと、その数値の前提条件はどうなっておったか、そういうようなのをこの委員会で公開することになるわけでございます。また、日本は地雷を持たなくなったら撃破率はこれがこれだけになるんだ、あるいはまた、持久率はこうなんだということを言うなれば公表することになるわけでございます。そういう意味で、従来からそういう問題については答弁を差し控えさせていただきたいということを申し上げているわけでございますので、どうかその辺の事情も理解していただきたいと思うわけでございます。
  135. 西村眞悟

    西村(眞)分科員 地雷はなく専守防衛というのは交戦力が落ちることは確かですから、何でこんな条約を締結したんだ、気が狂っているのと違うかなとまで思うのですよ。  我々の国会に対してさいは投げられているわけですから、これは人道的な残存地雷の除去という問題と国防の問題を混同した条約ですから、人道上、我が国の信義においては、もう少し一歩冷静になって、人道的な支援、地雷被害ゼロプログラムということには精いっぱいは支援します、つまり、自衛隊の諸君が我が国からカンボジアに地雷除去に派遣されるということも含めて、それに対しての援助は、また助力は尽くすというのが筋でありますけれども、我が国の専守防衛において、国防という問題において、だから我が国はもうみんな廃棄してしまうんだということはいかがなものなのかな。まして、平成十年度に地雷取得費を計上している防衛庁が、傍らでは地雷全面廃止条約を結ばれているという事態は、我が国は情緒で動いておるのかな、このように思わざるを得ない。  これはこれからもいろいろ議論が続きますけれども、ちょっとこれは質問の申し出をしていなかったので、御質問ではなくて、私の御提案をこれから申します。というのは、もう少し地雷のことをやろうかなと思ったのですけれども、余り限られた時間でやるのも何ですから。  長官、数年前に、フランス国防白書が二十二年ぶりに出た。その国防白書の内容を、私はフランス語なんかできませんから、フランス語のわかる人に教えてもらった。これは六つのシナリオと兵力の投入ということを書いてある。  一つは、死活的な権益が問題とならない地域紛争、二つは、死活的な権益が問題となる地域紛争、三番目は、本土以外のフランス領土の保全への侵害、四番目は、二国間防衛協定の履行、五番目は、平和維持活動及び国際法遵守のための作戦、六番目は、西欧に対する重大な脅威の再出現。こういう六つの場面を想定して、例えば第一番目なら、五千キロの範囲内で六カ月から十二カ月間、兵力を陸二個師団、海空何個師団投入できる、投入しなければこれは防げないとか、シミュレーションを書いておるのですね。  我が国の防衛白書も、図で何かミサイルが飛んでくるようなのがありますけれども、こういう場面が想定される、死活的な利益が侵害された場合、離島が侵害された場合とか、そういうシナリオを想定して、そこにどれだけの兵力を投入して、どうすれば防御できるんだ、だから今何個師団が必要なんだ、だから兵器はこういう兵器が、南北に長い、離島が多い我が国の国土には必要なんだ、こういう観点から、国民が、子供も読めるようなものを書いていただきたいな、このようにお願いしたいのですよ。これは質問ではないのですけれども、何かございますか。
  136. 久間章生

    久間国務大臣 その国々の防衛計画をどの程度オープンにしていくか、それはその国のとるいろいろな方法だと思います。  我が国におきましても、いわゆる自衛隊の内部を含めまして、防衛庁におきましては、年防等のいろいろな計画を立てながらいろいろなことはやっておりますけれども、我が国は、御承知のとおり、これまでも、崩壊する前のソ連を初めとしていろいろな国々との緊張関係にあったわけでございまして、従来から手のうちはなかなか明かさないというようなことでございます。  それと同時に、敵対国みたいなことを仮に想定させますと非常にまたよくないわけでございまして、従来から、そういう緊張状態にあった当時から、余り具体的なことを防衛白書にも出しておりませんでした。私は、それはそれで一つのやはり防衛白書のやり方ではないかというふうに思っているわけでございます。  それで、特にこれから先、信頼醸成を深めていかなければならないときに、あたかも、何だ、おれの国はそういうことだってあり得ると思ってやっているのかというようなことを言われるような形の、防衛計画の中身の積み上げの一つの基準等を示すということは、これもいいことかどうか問題があろうかと思うのです。  だから、そういう意味で私は、従来とっております我が国の防衛白書の書き方というのは、これでいいのではなかろうか。中身はやはりきちっとしなければならないけれども、そういうような観点から、今回もまた、防衛白書を今計画しておりますけれども、従来のパターンに基づいた白書になろうかと思っております。
  137. 西村眞悟

    西村(眞)分科員 いみじくも長官の言われたことは、我が国の百年ぐらいの伝統的な考え方です。  というのは、仮に戦艦大和をすべて公開して、あのときは弩級戦艦で、大艦巨砲主義の時代で、アメリカもそうで、我が国が航空母艦でやるまで彼らは気づかなかったわけですから、あれを本当にすべて公開して、私どもはやはり身を守ろうとしてこれを持っていますと言えば、アメリカの世論も決して、日本に開戦をさせて引き金を引かせるというふうには流れなかっただろう。つまり、信頼醸成というのは、持っておるものを隠すのではなくて、持っておるものを見せるのだ。あなたの国と同じように私どもの国も、国を守る設備は持っておりますし、国を守る者の気力は、国家を守るために命をもなげうつという青年を擁しておるんだ、これが信頼醸成の前提だと私は思うのですね。手のうちを見せてしまうことになるというのは、先ほどの残存率のことから今のことまで、長官のお言葉から出ましたけれども、そうかな、私はこう思います。  武器輸出三原則にも触れますけれども、武器はどんどん輸出したらいいのですよ。そして、その武器が手のうちを明かすことになりますけれども、優秀な武器を輸出し、また同盟国も安心して使える、日本という国は、やはり日本の力でみずからを守れる国だなというふうな抑止力は働く。いざとなったらやるぞ、しかし、いざとなったらやるのだから手のうちを明かさぬぞというのが、やはり伝統的な思想です。だけれども、それはちょっとおかしいなということだけ申し上げます。  長官、いろいろ、先ほども本当に同情申し上げるような角度からも質問があるから、時間がありますので、長官を励ます意味で、シャルル・ドゴールのサンシール陸軍士官学校の卒業式の訓辞を申し上げます。「軍人は戦争の時代には過度に尊重され、平和な時代には過度に軽視される。それだけに士官たるべきものは戦争を戦う勇気とともに、永い平和のなかで戦争に備え続ける忍耐が必要である。」これがドゴールのサンシール士官学校の卒業式での演説です。  それからあと一点だけ、これから私が取り上げていきたいという問題意識が化学兵器、主に満州を中心にしてある化学兵器ですね。あれが本当に日本軍が遺棄したのかということです。  化学兵器というものは、日本軍は管理していたと思います。そして、地雷についてもちゃんと管理していたということですから、そして、八月十五日の終戦の布告において武装解除の命令があったわけですから、すべて現地においての武器のリストをつくって向こうへの引き渡しを完了した。だから、日本軍はやはり規律に従ってそうしたのであろう。だったら、今満州にあるものは何か。日本軍が捨てたものなのか、日本軍から受け取って、中国軍、国民党政府軍または中国共産党軍の所有に一たん帰したものを、彼らの内戦の中で、それから内戦は数年続くわけですから、そこで敗走する軍、いずれかの軍が捨てたのかどうか、これは事実の認定をしなければならない。もう手おくれかもしれませんけれども、これはやはりしなければならないと私は思っておる次第でございます。これは質問ではございません。これからの私の研究課題でございます。  これで質問を終わります。ありがとうございます。
  138. 山本有二

    ○山本主査 これにて西村眞悟君の質疑は終了いたしました。次に、前島秀行君。
  139. 前島秀行

    前島分科員 最後でありますので、よろしくお願いをいたします。  長官、この三月二十五日にAWACSが浜松基地に配備されるということで、地元関係者、非常に議論が起こっておりまして、地元紙並びに全国紙の地方版が今一斉に、AWACSの配備について、さまざまな記事があり、議論になっているということがありますものですから、私、ひとつ要望なり、あるいは防衛庁の姿勢みたいなものを伺いたい、こういうふうに思っているのです。  防衛庁の今後のAWACS配備に当たっての地元への対応を端的に示すものとして、また同時に、今後ぜひ改めてもらいたいものとして、事実の経過として、一月十七日に、浜松基地を使って緊急着陸という事態が実は起こっているわけですね。これはもう長官も御存じだと思いますけれども、インディペンデンスの艦載機が二度にわたって、二機と四機別々に緊急着陸をして、給油をして、二時間後に飛び立っている、こういうことですね。実は私は、このときの自衛隊並びに地元自治体の対応というところに一つ問題がありはせぬかなという気がするわけです。  というのは、この緊急着陸の事実について、自衛隊も地元も、地域住民には一切報告していないし、発表していない。二月に入って、マスコミだとか地元の人たちが騒ぎ出して初めてその事実を認めた、こういうことなのですね。この自衛隊の姿勢、あり方について、今後AWACSの導入に伴って、改めてもらいたいし、また住民との対応をちゃんとしてもらいたいということなのです。  そこで、インディペンデンスからの艦載機F18戦闘機が一月十七日土曜日に緊急着陸をした。このインディペンデンスというのは、実は一月十三日に母港横須賀を出て、二十日ごろまで近海で訓練をして、また二十三日以後日本国の領海から行って中東の方に着いている、こういう一連の動きの中で、一月十七日に緊急着陸があった。しかも浜松基地というのは訓練基地でして、しかも土曜日ということは、もう土日は大体やらないことになっております。そこに緊急発進が出て、十時から始まって、六機が全部離陸するまでには、夜九時半過ぎだったということですから、その間あったということは、地域の者から見れば、みんな異常なことを感じたわけですね。したがって、自衛隊の発表でも、三十八件の問い合わせが直接自衛隊の方にあった、こういうことなんですよ。そして自衛隊は、行政の方に十八日に報告をして、行政の方は、十八日は日曜日なので、十九日に改めて詳細の報告を求めたけれども、報告はなかった、そしてそのままになってしまった。自衛隊もそのままになったし、行政もそのままになったけれども、みんなが騒ぎ出したので、二月二日に渋々事実を認めた。  このことは、これからAWACSを導入し、浜松基地がちょうど地域住民のど真ん中にある基地なものですから、過去、ブルーインパルスといって、現に、航空ショーをやっている真っ最中に飛行機が墜落して事件を起こしたというのは、これは映像、ど真ん中で我々は見ている、地元の人が見ている。そんな一連の経過から見て、この十七日の緊急発進に対する自衛隊の対応、自治体の対応、とりわけ自衛隊のことについて、非常に不信、不安を地元に与える対応ではなかったかなと私は思いますが、その点、防衛庁長官、いかがですか。
  140. 久間章生

    久間国務大臣 自衛隊の基地に、海上もそうですし、航空もそうですけれども、とにかく自衛隊法で、油が切れたから緊急着陸するということで言われますと、いつも認めておるわけでございます。年間で大体四百七十回ぐらいやっているわけですね。だから、自衛隊の方から見ますと、その二機から、そういうことがあって、おりていきますと。今までだって、浜松にもあっているわけでございます。年間で、例えば平成八年度でも九回ぐらいあっていると思います。そういうことでは、普通の状態で、余りそれほど神経質になっていなかったのだろうと思うのです。  ところが、浜松の方では、ほかの、今言われたようなインディペンデンスの、出ていくとか、いろいろなことの流れの中で、非常に異常なこととして受け取られたのではないか。そして殺到したのではないか。これまでも浜松に緊急着陸は何回かやっておるわけでございます。そのときは、そういうことはないわけでございますね。だから、そういう中で、殺到したから、これは市の方にも連絡せぬといかぬなということで恐らく連絡をしたのだろうと思います。  だから自衛隊の方は、本当にそういうふうに、何も隠すつもりがあったわけではございませんで、年間通しますと、これは硫黄島の回数が非常に多うございますけれども、とにかく、硫黄島の約二百回を除いても、そこはほかの基地でもやはり二百回を超える、二百回に上る着陸はあっておるわけでございますから、そういう意味で、そういうような背景もぜひひとつ御理解していただければ、今度のものがそれほどの問題として、わざと隠したみたいな、そういうようなことではないということをぜひ御理解賜りたいと思うのです。
  141. 伊藤康成

    ○伊藤(康)政府委員 恐れ入ります。事実関係だけ、ちょっと補足をさせていただきます。  確かに、先ほど先生御指摘のように、十八日に部隊の方から市の方にお伝えいたしました。翌月曜日に、市の方から若干の、若干のと申しますか、その事実関係についての御質問が私どもの方の浜松の防衛施設事務所にございまして、私どもの方は、外務省と、あるいは米軍等に確認する等の手続を経まして、わかる範囲で、二十二日には市の方にお答えをしております。また、二月二十六日に市の方で持たれました基地対策協議会におきましても、この件について質問があったようでございますので、御説明をしたというところでございます。事実関係だけでございます。
  142. 前島秀行

    前島分科員 長官、自衛隊にとっては、大したことではないのだ、どうってことではないのだと思っている。確かに、わざと隠したのではないというのはそうだろうと思うね。だけれども、問題は、自衛隊にとって、防衛庁にとってはそれくらいのことはどうってことないことなんだよという、そこの感覚が、地元との間ではその間の溝が問題だと私は言っているのですよ。  ましてや、AWACSが導入されるということ、それから現にブルーインパルスの事故を一九八二年に経験しているということと、そして今後AWACSが導入されてくるという、この置かれているところに、自衛隊は、それは当然のことだから、そんなのは当たり前よと。私も、実は九日に現地に行ってきて、司令官と会ったら、余りどうってことは思わないと言うのです。そこに私は、逆に言うと問題を感ずるし、自衛隊の今後のあり方といいましょうか、地元との兼ね合いのことを余計感じますよ。それは、地元の者から見れば、異常なことが起こったことは間違いない。そこを異常と思わないことに、地域の者から見れば心配になるという、そこなんですよ。そこのところを、その溝を埋める努力をやはりこれから防衛庁、自衛隊はすべきだということなんですよ。  しかも、浜松基地というのは、浜松基地飛行機の離発着をカメラで撮ると、必ずそのレンズの中には住宅が入ってくるし、電柱が入ってくるというところをいつも離発着しているのですよ。それが、今までは訓練用の基地だったからそれほど問題がなかったけれども、さて、今度はAWACSということになったので、地元もいろいろ関心を持ってこの数年間やってきた。そこに一月十七日にこういう事態が起こったのに、こんなのはどうってことないよ、心配することないよと言われる住民の不安というのは、そのギャップを私は問題にするのであって、このギャップを埋めるような努力を自衛隊なり防衛庁がしない限りは、浜松基地のように町中にある基地の運営はこれから大変になるよということを言いたいのです。  だから、隠したのではないということはそうかもしれない、今までの例から見ればあれかもしらぬけれども、そのギャップが問題だということを私は言いたいのだという、その辺をこれからどうしていくかということもまた大事だろうと思っていますね。  それで、このAWACSがどういうものだろうかなとか、AWACSが配備されてどういう活動をするのだろうか、そのことによって浜松基地というのはどういうふうになってくるのだろうなということは、地域のみんなが心配しているのですよ、不安に感じているのですよ。それについて防衛庁は、自衛隊は、積極的に言うべきことは言い、事実を明らかにすることはして、その不安を解消する努力をしなければいかぬじゃないかということなんです。  そのこととは全く違った対応が、実は一月十七日の緊急着陸のときにあったよということを指摘した上で、周辺有事という議論が今ありますね、例のガイドライン議論の中で。そのときにAWACSが、ふだんの日常の活動とは情報収集ということですから、問題は、今議論になっているガイドラインに言う周辺有事になったときにAWACSは一体どういう対応をするのだろうなと。地域の者にとって、そこのところがどうかかわってくるのだろうというのは、やはり論点といいましょうか心配事の一つなんですよ。それがまた、浜松市の機能が変わってくるのじゃないかということの一つでもあるわけですね。  当然、今さら言うことでもなく、AWACSというのは十二時間の航続距離を持っているものであるということ、それから、情報収集だけではなくして司令機能、だからよく空飛ぶ司令塔だという表現もマスコミ的にはされていることは間違いない事実ですね。  そうすると、新ガイドラインというのは日米防衛協力のことですから、有事が起こったときに、このAWACSは当然それに対応することに、ガイドラインからいくとなるなと。そうすると、あくまでもこれは想定の議論だから、想定の議論をしたってしょうがないよと言うけれども、やはり住民から見れば不安になるのだから、そこに防衛庁はこたえるべきだと思う。  十二時間の航続距離を見れば、当然、有事の際の活動範囲というのは、日本の領域を越えて朝鮮半島だとかその他のところに活動するという能力と、それからガイドラインとの関係から見れば当然そうなるなと。そういう不安が今あるわけですよ。そのことが浜松基地の機能の変化になってくるのじゃないかな、こういうことになっている。  これを長官、どういうふうに地元に、そんなことはない、心配するなと。
  143. 久間章生

    久間国務大臣 AWACSは、御承知のとおり四機体制で、そのうちの一機は整備等に回ることがございますから、常時三機がおると、日本周辺といいますか、日本を取り巻く周辺の情報はほとんど収集ができるということで入れたわけでございます。浜松は日本のちょうど真ん中辺になりますから、浜松にたまたま置いておくということでございまして、何もそこが司令塔になって周辺有事のためにやっているわけではございませんで、これを入れますと、周辺有事であろうとなかろうと、日ごろから我が国がいろいろな情報収集をする。特に、覆域の広いAWACSによって、三機体制で、常時三機、日本国を北から南まで、沖縄まで全部カバーできるということでやっておるわけでございます。  だから、これが周辺有事になりましても同じことでございまして、日ごろのそういう自分の受け持ちの空域の情報収集をしているのと同じような状態を続けるというだけでございます。さも、それが周辺有事のときには外国の領域まで行って情報収集するみたいなことがありますけれども、そうじゃなくて、十二時間の体制でございますけれども、それは公海まで飛ぶことはございますけれども、他国の領域に入って情報収集に努めるとか、その情報を特にアメリカのためにするとかいうことではございませんので、どうかひとつ、いろいろな方々にもその辺は御理解をしていただきたいと思っておるわけでございます。
  144. 前島秀行

    前島分科員 そういう説明をすると余計疑問に感じてしまうわけなので、今まで、AWACSの今度のE767の導入までがさまざまな経過があって、議論があって、そしてAWACSが導入されているということ、それから片っ方、ガイドライン議論があって、有事の際とか有事の定義だとか、いろいろ議論がある中でAWACSが配備されているわけですから、僕は、有事に対応することが最大の目的でAWACSを導入したとは言いません。しかし、ガイドラインというものが現実に議論になって、その仕組みがつくられていて、有事のときにはお互いに協力し合うんだよということと、別に有事ではなくても、データリンクシステムというのですか、日米の情報というのはお互いにコンピューターで自動的に提供し合ってやる、こういう現実の中で、特に平時から有事になったときにAWACSがどういう対応をするのか。それの拠点が、基地が浜松になっているときに、だれしもそうは納得できないようなことを言うだけでは、地元の者から見ると不安解消にはならないよ。私はこう言っているのです。  例えば、地元の人たちなんかはAWACSについて、情報化時代ですから、アメリカ軍のインターネットでAWACSとはとか、みんな出ていて、それをみんな写しているのですよ。AWACSの機能はどうなんだというようなことはみんな知っているわけですよね。それで、かつてE2とか3がどういう活動を今までやってきたか、それからE3からE767になった経過というのはどうなのかというのは、みんな地元は知っているのですよ。そういう中でAWACSが配置されたのだから、その辺のところはちゃんと、役割として、機能として説明をして、地元の皆さんには不安を与えないようにするという姿勢がなければ、そんな心配をするなとか、あるいはそんなことはあり得ないという答弁だけでは、地元は納得しないですよ。  そして、このガイドラインの機能から見て、データリンクシステムという日米間の日常的な仕組みから見て、AWACSが収集するであろう情報というのが、当然、有事のときには米軍に連動し、それが攻撃との関係で連結するということについては、さまざまな議論が出てくるな、不安だな、こうなるのは、長官、当たり前です。  そこをちゃんと、そんないいかげんなことを言ったって、みんな信用しないですよ、今のときに。そこのところをちゃんと、言うべきことは言うとか情報をするという基本的な姿勢がないと、不安解消にはならぬ、こういうふうに思いますが、どうですか。
  145. 久間章生

    久間国務大臣 非常に心配して疑っておられる方に説明すればするほど、ますます逆に理解してもらえない、そういうようなことがあるとすれば、本当にこれは残念なんです。  例えば、先ほどの着陸にしましても、平成七年度は五十一回、浜松に着陸しているのですね、緊急着陸。平成八年度は二十六回ですよ。半分に減っているわけですね。ことしたまたま六機やったわけですね。それが浜松に、先ほど言うAWACSが来る時期と重なって、これはおかしいぞ、おかしいぞと言われますと、そういうふうに言われると、平成七年、五十一回着陸したときには何もそういうことを言われなくて、今の時期にだったら、たった六機着陸したのがおかしいぞと言われると、おかしくないという証明をしようというのは非常に難しいわけでございます。  それと同時に、AWACSにつきましても、これは今言いましたように、低空でのいろいろな空からの侵入に対しては、それをカバーする、発見するには非常に機能的にもいいし、インターネットで見ましても、AWACSの機能はこんなにすばらしい、動く司令塔にもなり得るのだと言わんばかりの説明をそれはしていると思います。  そういうふうにしていることは日本の防衛政策上は非常にいいことなんだということを、私たちとしてみれば説明をしたいわけですけれども、それと米軍への情報提供、よそで何か戦争が起きたときにAWACSの活躍によってそれをさらに補強するのではないか、そういうふうに言われますと、とにかくそれを打ち消すには、どういうふうに言えば打ち消すのか。我々もその努力はしますけれども、なかなか、疑っている人に違いますよということを……。  先ほども共産党の先生から質問がございましたけれども、とにかく私たちは、日本の国防のため、専守防衛のために一番いい方法をと思って、今までのE2Cではカバーできない部分をAWACSでカバーしようと思って、これを入れた。入れるときにもいろいろ疑われて、いろいろな議論があった。しかしながら、最後は理解していただいて、入れた。今度はガイドラインが出てきた。そうすると、ガイドラインと結びつけて、これはそのために入れたのじゃないかというようなことを言われる。そうじやありませんよということを言うのが精いっぱいでして、ガイドラインのために入れたのじゃないということを証明しようとするとどういう手だてがあるんだろうかと、本当にその辺は困るわけでございますので、私の言っているのをそのままに受けとっていただきたい。  私は、決してそういうような隠して物を言うために言っているわけじゃございませんので、AWACSというのは非常にすばらしい、そういう情報収集、あるいはまた管制機能を持った飛行機なんだ、それを日本に入れていくことによって日本の専守防衛には非常にプラスするんだ、決して、対外的にそれを攻撃用に使おうなんていう気はさらさらないということを重ねて言うしかないと思うのです。
  146. 前島秀行

    前島分科員 私は、ここでAWACSの議論をするつもりであれしているのじゃなくして、地域の者から見ると、訓練基地であった浜松がAWACSの導入によって大きく変化して、地域との関係が大きく変わるだろうということが現実にあるわけです。また同時に、AWACSと専守防衛議論というのは、これはまた現実にあることも間違いないし、ガイドラインの与党協議会の中でも、AWACSと専守防衛、これと情報等の研究については議論を引き続きしていこうという、項目の中の一つでありますからね。  そういう意味ですから、長官、やはりAWACSのあり方ということについては議論のあるところは間違いないわけですから、そこのところをちゃんと、住民の皆さんが安心するということが必要なんです。じゃ、AWACSだから大したことはないよという安心を地域の人にしてもらって、協力してもらうためには、問題は、具体的に地元とどういう約束みたいなもの、あるいは協定みたいなものをするかということがまた、心配するな、安心せよという一つの材料だろうと私は思うのですね。  そういう面で、訓練基地としての浜松の基地からAWACSが導入になっていろいろ変わってくるという心配があるわけですから、例えば、情報の公開といいましょうか、情報のあり方の問題だとか、あるいはこういう事故が起こった場合はこういう対応をするとか、あるいは常日ごろ自衛隊基地と行政とは定期的な情報交換といいましょうか、こういうことをするとかということを積極的に自治体とやっていけば、それは専門的なことはさることながら、自衛隊の方から見れば、防衛庁の方がちゃんとそういうふうに今と違った姿勢を示して、我々に安心させるんだな、行政の方も責任を持っていくんだなということになれば、そこは、あなた、具体的に、安心してもらう、理解してもらう、協力してもらう形になるわけなんで、そういう面で、例えば、そういう協定を結ぶ意思があるかないかというところなんですよ。地元自治体とそういう約束事みたいなものを結んで、万が一が起こった場合はこういう対応をするからということを、安心させる材料として、防衛庁なりはやる姿勢があるかということなんです。
  147. 久間章生

    久間国務大臣 浜松の場合は、特に地元自治体とはこれまでも大変うまくやってきております。だから、これから先も、今委員指摘のような不安といいますか、あるいは不信といいますか、そういうのがあるとすればいけないわけでございますので、自治体とは、これまでもやってまいりましたけれども、これからさらにそういう点では連携を強めて、いろいろな意見交換等もする機会をふやしていかなきゃならないと思っております。  まあ、協定まで結ぶかどうか、この辺はまた十分地方自治体ともいろいろな話の中で、今までも別に協定まで結ばなくてもお互いに行き来をしてやっているようでございますので、そういう中でまた話をしていきたいと思っております。  なお、先ほど私が挙げました数字で、五十一、二十六というのは、これは量の方の問題で、量で把握しておりましたから量の方を言っておりましたので、着陸した機数でいくとその半分ぐらいになろうかと思います。
  148. 前島秀行

    前島分科員 その辺の数字の問題は、別途またいろいろ聞いていますから、そんなに気にしないでください。  いや、入間基地なんかはちゃんとやっていますね。緊急事態の場合の自治体との協定があるのですよ。また、浜松との間では、夜間飛行については口頭では事前に言うというのが自治体との関係です。口頭で言うならちゃんと文書で確認したらいいじゃないですか、新しくAWACSが入るわけだから。特に、夜間飛行というのは、AWACSの性格から見れば訓練とは違うわけだから、当然可能性はありますね。  それから、今訓練飛行で使っている機種と今度のAWACS、E767とのあれから見れば、進入経路については当然変わってくるということはみんなもう地元の皆さん盛んに言っているわけでして、騒音ということも従来よりか大きくなるということは、これは間違いないということになっているわけです。そういう面で、夜間飛行の際の取り扱いとか、協定というとちょっと構えちゃうかもしれませんけれども自治体との取り決めみたいなもの、それから騒音に関する問題、あるいは緊急事態が起こったときにはどうしようか。緊急連絡網なんか、まだ浜松ではできてないのですよね。  それから、情報を提供するという意味で、自治体地元の自衛隊基地との間では、定期的な意見交換会とか情報公開をやるだけだって、住民から見れば安心するわけなんで、そういう積極的な、夜間飛行に対する問題への対応、それから騒音対策、それから情報の交換といいましょうか、情報の開示という意味で、定期的な地元自治体との会合の設定、これくらいのことはやはり積極的に自衛隊、防衛庁の方から自治体に向かって、この導入に当たってはやろう、やろうではないかということになれば、それは安心しますよ。そして、ふだん起こっていることについて協議会とか定期交流会のところでただしていけばいいことなんであって、そういうことを最低、浜松基地の置かれている状況から見ると私はやるべきではないかな。そのことが、基地をうまく使ったり、あるいは地元住民に理解をいただくということになると思うので、今までの浜松基地を取り巻く状況と最近のAWACSの導入に伴う地域住民の反応とは違いますよ。  だから、やはりそこは、そういう夜間飛行だとか安全対策だとか情報公開のための定期的な懇談だとか交流の場というのは積極的につくっていくことが必要ではないだろうかなと私は思いますが、その辺のところ、どうですか。
  149. 久間章生

    久間国務大臣 今の御指摘の点は大変大事なことでございますので、私ども、これは来年の三月の末をめどに具体的にやるわけでございますので、それまでまだ時間がございますから、その間に市当局と特にいろいろ意見交換をしながら、どういう形が一番みんなに不安を与えないで済むか、そういうことも考えながらやっていきたいと思っております。
  150. 前島秀行

    前島分科員 くれぐれも、夜間飛行のことと、緊急事態が起こった場合の緊急対応ぐらいは、ちゃんと市と自衛隊との間で協定といいましょうか、取り扱い事項として文書で確認をするということが私は最低の努力すべきことではないかなということを改めてそこのところはお願いをして、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
  151. 山本有二

    ○山本主査 これにて前島秀行君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして防衛庁についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  分科員各位の御協力を賜りまして、本分科会の議事を無事に終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。  これにて散会いたします。     午後零時十八分散会