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1998-05-12 第142回国会 衆議院 予算委員会 第33号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十年五月十二日(火曜日) 午前九時五十分
開議
出席委員
委員長
越智
通雄君
理事
伊藤
公介
君
理事
石川 要三君
理事
中山
利生君
理事
深谷 隆司君
理事
山本 有二君
理事
五島 正規君
理事
高木 義明君
理事
北側 一雄君
理事
加藤 六月君 相沢 英之君 甘利 明君 小澤 潔君
大原
一三
君 河村 建夫君 岸田 文雄君 栗原 博久君 桜井 新君 関谷
勝嗣君
津島 雄二君 中川 昭一君
中山
正暉君 葉梨 信行君 萩野
浩基
君
細田
博之
君 増田 敏男君
松本
和那君
村田
吉隆
君 村山 達雄君 綿貫 民輔君 岩國 哲人君 生方 幸夫君
海江田万里
君
樽床
伸二
君
原口
一博
君
藤村
修君
細川
律夫
君 松沢 成文君 山花 貞夫君 上田 勇君
大口
善徳
君 斉藤 鉄夫君
西川
知雄君 中井 洽君
西川太一郎
君 西村
眞悟
君
木島日出夫
君
春名
直章君
矢島
恒夫
君 上原
康助
君
保坂
展人君
委員外
の
出席者
証 人 (
山一證券株式
会社
元
代表取締
役社長
)
三木
淳夫
君
三木証人補佐人
田中
利彦君
予算委員会専門
員 大西 勉君
—————————————
委員
の異動 五月十二日
辞任
補欠選任
大原
一三
君
松本
和那君
野中
広務
君
細田
博之
君
岡田
克也
君
藤村
修君
小林
守君
細川
律夫
君
原口
一博
君
樽床
伸二
君
草川
昭三
君
大口
善徳
君
鈴木
淑夫
君
西川太一郎
君
志位
和夫
君
春名
直章君
不破
哲三
君
矢島
恒夫
君
北沢
清功
君
保坂
展人君
同日
辞任
補欠選任
細田
博之
君
野中
広務
君
松本
和那君
大原
一三
君
樽床
伸二
君
原口
一博
君
藤村
修君
岡田
克也
君
細川
律夫
君
小林
守君
大口
善徳
君
草川
昭三
君
西川太一郎
君
鈴木
淑夫
君
春名
直章君
志位
和夫
君
矢島
恒夫
君
不破
哲三
君
保坂
展人君
北沢
清功
君 ———————————— 五月十一日
平成
十年度
一般会計補正予算
(第1号)
平成
十年度
特別会計補正予算
(特第1号)
平成
十年度
政府関係機関補正予算
(機第1号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
予算
の
実施状況
に関する件(
山一
證券問題) ————◇—————
越智通雄
1
○
越智委員長
これより
会議
を開きます。
予算
の
実施状況
に関する件の
調査
に関し、
山一
證券問題について、
三木淳夫
君より
証言
を求めることといたします。 この際、
証言
を求める前に
証人
に一言申し上げておきます。
昭和
二十二年
法律
第二百二十五号、
議院
における
証人
の
宣誓
及び
証言等
に関する
法律
によって、
証人
に
証言
を求める場合には、その前に
宣誓
をさせなければならないことになっております。
宣誓
または
証言
を拒むことのできるのは、まず、
証人
、
証人
の
配偶者
、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または
証人
とこれらの
親族関係
があった者及び
証人
の
後見人
、
後見監督人
または
保佐人
並びに
証人
を
後見人
、
後見監督人
または
保佐人
とする者が、
刑事訴追
を受け、または
有罪判決
を受けるおそれのあるときであります。また、
医師
、
歯科医師
、助産婦、
看護婦
、
弁護士
、
弁理士
、
公証人
、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者は、
業務
上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについても、本人が承諾した場合を除き、
宣誓
または
証言
を拒むことができることになっております。
証人
が
宣誓
または
証言
を拒むときは、その事由を示さなければならないことになっております。
証人
が正当の理由がなくて
宣誓
または
証言
を拒んだときは一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられ、また、
宣誓
した
証人
が
虚偽
の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。 以上のことを御承知おきください。 次に、
証人
が
補佐人
に
助言
を求めることが許される場合について申し上げます。 すなわち、
証人
は、
宣誓
及び
証言
の拒絶に関する事項に関し、
補佐人
に
助言
を求めることができることになっております。
助言
は、その都度
証人
が
委員長
にその旨を申し立て、その
許可
が得られた後に認められるものであります。 なお、
補佐人
は、みずから
発言
すること及びみずから
証人
に
助言
をすることはできないことになっております。 次に、今回の
証人喚問
に関する
理事会
の
申し合わせ
について申し上げます。 その第一は、
資料
についてであります。
証人
は、
証言
を行うに際し、
資料
を用いることは差し支えありませんが、
委員長
の
許可
が必要であります。また、これらの
資料
は、いずれも当
委員会
に提出していただくことになっております。 その第二は、
証人
が
メモ
をとることについてでありますが、
尋問
の
項目程度
は結構でございます。 なお、
補佐人
が
メモ
をとることは構いません。 以上の点を御承知おきください。 それでは、
法律
の定めるところによりまして、
証人
に
宣誓
を求めることにいたします。全員起立願います。 〔
総員起立
〕
越智通雄
2
○
越智委員長
議院証言法
第五条の三の規定によりまして
尋問
中の
撮影
は
許可
しないことになっておりますので、これより
三木淳夫
君の
証言
が終了するまで、
撮影
は中止してください。 それでは、
三木淳夫
君、
宣誓書
を朗読してください。
三木淳夫
3
○
三木証人
宣 誓 書 良心に従って、真実を述べ、
何事
もかくさず、 又、
何事
もつけ加えないことを誓います
平成
十年五月十二日
三木
淳夫
越智通雄
4
○
越智委員長
宣誓書
に
署名捺印
してください。 〔
証人
、
宣誓書
に
署名捺印
〕
越智通雄
5
○
越智委員長
御着席願います。 これより
証言
を求めることといたしますが、
証人
の御
発言
は、
証言
を求められた範囲を超えないこと、また、御
発言
の際には、その都度
委員長
の
許可
を得てなされるようお願いいたします。 なお、こちらから
質問
をしているときは着席のままで結構でございますが、御
発言
の際には起立してください。
委員各位
に申し上げます。 本日は、
申し合わせ
の時間内で重要な問題について
証言
を求めるのでありますから、
不規則発言等
、
議事
の進行を妨げるような言動のないように特に御協力をお願いいたします。
—————————————
越智通雄
6
○
越智委員長
これより
証人
に対して
証言
を求めます。 まず、
委員長
より
委員会
を
代表
して総括的にお尋ねをして、その後、
委員各位
の
発言
を願うことといたしております。 それでは、私からお尋ねいたします。 あなたは
三木淳夫
君ですか。
三木淳夫
7
○
三木証人
はい。そうでございます。
越智通雄
8
○
越智委員長
生年月日、
住所
、
職業
をお述べください。
三木淳夫
9
○
三木証人
昭和
十年八月七日生まれでございます。
住所
は、東京都世田谷区南烏山二の三十一の三十一の六〇三でございます。
職業
は、無職でございます。
越智通雄
10
○
越智委員長
それでは、お尋ねいたします。 本日の
証人喚問
は、
山一証券
の
自主廃業
に至る
経緯
について、事実
関係
を当事者である
証人
からお伺いしたいと思って行うものでありますが、昨年来、当
委員会
でこれに関連して行われた
質疑
、
参考人質疑
並びに
証人喚問等
において論議された
主要点
は、以下の三つであります。 各党に先立って
委員長
である私からお尋ねいたしますので、正確にお答えいただきたいと存じます。 その第一は、
山一証券
におけるいわゆる飛ばしが、いつごろから、どの
程度
、だれの判断によって行われてきたかということであります。 その第二は、この飛ばしに伴う
損失
を
簿外処理
にすることについて、いつ、だれが、どのような
状況
のもとに決定されたのか、そして、その際、
大蔵省
との関連はどのようなものであったかということであります。 その第三は、その後、
簿外債務
はどのように管理されていたのか、そして、昨年秋の
山一証券
の
自主廃業
にどのような影響を持ったと
考え
ているのか。 以上三点について、時間の制約もありますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
三木淳夫
11
○
三木証人
御
質問
にお答えする前に、
越智先生
並びに
委員
の
皆様方
の御
承認
をいただきまして、
一言おわび
の言葉を申し述べさせていただきます。 昨年十一月、
山一証券
の
経営破綻
によりまして、国民の
皆様
、株主の
皆様
、それから
社員
並びに御
家族
の
皆様
等々、
関係
各方面の方々に大変御迷惑、御心配をおかけいたしました。このことにつきまして、心から
おわび
を申し上げたいと存じます。 また、今日このような結果になりましたことにつきまして、まことに申しわけなく思っております。重ねて心から
おわび
を申し上げる次第でございます。 それでは、御
質問
にお答えいたします。 いわゆる飛ばしがいつから行われたかということでございますが、正確には把握しておりません。しかし、八〇年代の後半、八七年ごろからかなり頻繁に行われるようになったのではないかと理解いたしております。 で、どういう
メカニズム
で決定されたかということですが、初期の
段階
では
営業マン同士
の
話し合い
というような
感じ
でございましたが、そのうちにだんだん、規律を入れるといいますか、
部長権限
ということになりまして、
最後
の方は
担当役員
の
権限
で行うというようになっておったと理解しております。 それから二番目は、どういう
ぐあいにして資産
が簿外化されたかという御
質問
でございますが、大体二
段階
ございまして、
最初
はいわゆる
関係者
の
会議
で、最悪の場合はこのぐらいのものをとる必要があるというようなことで包括的な
承認
を得ておりまして、後の具体的な
契約
になりますと、
契約
をやる人、具体的には
社長
、
法人担当
副
社長
、
法人担当役員
が
相手先
と決めてくるという
メカニズム
でございます。 それから三番目の、どういうぐあいに管理しておったかという御
質問
でございますが、これは
担当部署
がございまして、
企画室
の一部、
経理部
それから
債券部
がそれぞれ管理をいたしておりました。 以上でございます。
越智通雄
12
○
越智委員長
以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。 次に、
発言
の申し出がありますので、順次これを許します。
細田博之
君。
細田博之
13
○
細田委員
自由民主党の
細田博之
でございます。 本日は御苦労さまでございます。きょうは、二時間の時間の中で各党合わせまして七人の
議員
が
尋問
することになっておりますので、私は
トップバッター
でもございますので、いろいろまず大きな枠組みについてお伺いをしたいと思っております。 まず、
田中弁護士
から、
事件
の中身は
証取法
にもろにかぶっているとか、
刑事
に対する対応がまだ決まっていない、検察の
証拠開示
がない、
対処方針
が決まっていない今の
段階
では
三木刑事被告人
に悪影響を及ぼすことが想定され、ほとんどお答えできないというような電話での連絡があったようでございます。 確かに、
三木証人
は、昨年の九月二十四日に、まず
証取法違反
、
商法違反
で
逮捕
されておられます。その後、十月二十三日に、さらに
損失補てん
の
証券取引法違反
で
逮捕
。そして、本年三月四日に
証券取引法違反
、
虚偽有価証券報告書提出
の事実により
逮捕
、三度されておられまして、しかも
訴訟
が進んでいるという
状況
はわかるわけでございますけれども、むしろこの国会の場におきまして、
山一証券
そして
三木証人
はいろいろな
経緯
があって今日に至ったものだというふうにも理解しているわけでございますので、みずからおっしゃりたいことについては、ぜひ率直に
お話
を願いたいと思っております。 これに
大変参考
になる書類が、
報告書
が、去る四月十六日、
山一証券株式会社社内調査委員会社内調査報告書
として発表されたわけですね。これをつぶさに私も読ませていただきましたが、大変いい
報告書
であります。
山一証券
にはやはり非常に優秀な
社員
が多いんだなということがわかる、いい
報告書
でございます。 そして、
山一
の
社員
七千五百人、
家族等
、
グループ等
を入れれば四万人の人が
自主廃業
ということで大変困っている、その端緒となるべきさまざまな
経緯
について、この
報告書
が非常に端的にまとめられております。
山一証券
みずからがまとめられたことでございますから、この中で一番重要な部分について、事実について確認をいたしたいと思います。 それは、特に、ここでも
証人喚問
あるいは
参考人
ということで出てきてもらった
大蔵省
当時の
松野証券局長
と当時の
三木
副
社長
、
三木証人
が副
社長時代
の九二年一月二十二日の
松野
・
三木会談
についてでございます。 この
報告書
によりますと、これは括弧して「
三木
副
社長
の
記憶
による」と書いてございますけれども、「
松野局長
「
東急百貨店
と揉めているそうですが、どうするのですか」「大和は
海外
に飛ばすそうですよ」、
三木
副
社長
「
海外
は難しいのではないですか」、
松野局長
「うちの
審議官
が知っているから聞いてください」」、こういう会話が行われたというふうに書いてございまして、副
社長
が本社に戻られて、結果を
報告
されたところ、
出席者
は皆、
大蔵省
から、
東急百貨店
の件を
訴訟等
によらず飛ばしによって
処理
するよう示唆されたと理解して、それに沿った手続を始められたということでございます。 そうして、本件の終了後、また
大蔵省
の
松野証券局長
に、
東急百貨店
問題が解決した旨の
報告
を行ったと述べられた。これも「
三木
副
社長
の
記憶
による」と書いてありますけれども、「
松野証券局長
に「資金繰りなど自信がありませんので、国内で
処理
することにいたしました」と述べたところ、
松野証券局長
から「ありがとうございました」あるいは「ご苦労さまでした」と言われた。」と書いてあります。括弧して「
東急百貨店
の件を
海外
に「飛ばす」ことは」と書いてありますが、この辺ははっきりいたしませんけれども、そういうことでございます。 それからさらに、
大蔵省
に訪問されて
松野証券局長
に面会した際に、
松野局長
から次のように言われた。「
山一
にすればたいした数字ではない。ひと相場あれば解決ですよ。何とか早く解決して下さい」 その後もいろいろございますけれども、この一連の
流れ
について
報告書
ははっきりと書いてあるわけでございますが、
三木証人
の御
記憶
からしてこのことはすべて事実である、あるいは、
自分
の御
記憶
から見てこういうことであったということがあればお答えを願います。
三木淳夫
14
○
三木証人
私はそのように
記憶
いたしております。
細田博之
15
○
細田委員
ということは、すべて、この
報告書
に書かれてあることが、
三木証人
の御
記憶
であるということでございますね。 この点については、
予算委員会等
で多くのやりとりがなされております。それは何かといいますと、二月四日の
大蔵委員会
で
松野
元
局長
が
参考人
として
答弁
されておられますし、三月十八日には
予算委員会
で
証人
として
答弁
をしておられる。そして、四月三日には
参議院
の
予算委員会
の
参考人
として出てこられて、必ずしもそういうこと、特に
簿外債務
、
海外
へ飛ばして
処理
をするというようなことについては、いわば言った覚えがないというような、これは
議事録等
をごらんになっていると思いますから御存じと思いますけれども、この元
局長
の
答弁
に関連してどのようにお
考え
であったか、お気持ちを
お話
し願いたいと思います。
三木淳夫
16
○
三木証人
今
先生
のおっしゃいましたことは大体、おおむねそのとおりでございます。
松野
元
局長
の
状況
は
新聞等
で拝見いたしましたが、ちょっと
認識
が違うなという
感じ
を持っておりました。
細田博之
17
○
細田委員
三木証人
が今さまざまな、
商法違反
、
証券取引法違反
に問われている。これはこれで
経営者
の御
責任
として、先ほども
お話
がありましたように、
責任
を痛感されておられるというふうに受け取りました。 しかし、私は、この問題は、
ひとり山一証券
の問題にとどまらず、
大蔵省
の
証券行政
と、それから
証券各社
のさまざまな
経営
、そして、
最後
には
自主廃業
に追い込まれたということもございますが、
行政庁
と企業との
関係
に非常に大きな問題を投げかけていると思うんですね。 そこで、例えば
大蔵省
は、八九年には、いわゆる
角谷通達
というようなものを出して、
投資一任勘定
とか
損失補てん
を慎むべし、こういうのを出していますね。その後、だんだんいろいろな
不祥事
が起こって規制が強化されてきているわけでございますが、その過程で、私がそんたくいたしますと、どうも、やはり、冒頭に
お話
がございましたように、飛ばしの問題にしても、八七年ごろから頻繁に行われてきている。 しかも、八九年から九〇年にかけては、大納会で、八九年は三万八千九百十五円をつけて、そうして、九〇年十月には二万二百二十一円になる。それで、九二年八月、
三木社長
が就任して間もなくのところで、大底の一万四千三百九円を迎える。何と六三%の下落が起こる。こういった中でいわゆる
一任勘定
を運営するということは、ほぼ不可能であった。 そうすると、
大蔵省
も、
証券局
としては、まあ、何らかの
措置
が行われることを十分
認識
しながら
各社
と当たっている。その中で、たまたま
東急百貨店
問題が表に出て、
訴訟
が起こりそうになって、当時副
社長
、
三木
元
社長
が御相談に行って、こういう示唆を受けたんじゃないかという気が大変するわけですね。 したがいまして、そもそも、八九年の
通達
以降、
大蔵省
と
証券業界
との
関係
でいうと、当然、いわば
業界
の常識的なところとして、常識がよかったかどうかは非常に今になっては問題でございますけれども、そういうことが行われていたという
認識
があって、しかも、あの
通達
というのは、何らかの
措置
を
各社
がとらなければどうしようもないような
状況
にあったことを
認識
していたんじゃないか。 だから、
経営者側
から見るとそういう
状況
であったし、また
大蔵省
も
認識
は十分得ていたはずであるということを確認いたしたいのでございますが、この際でございますから、
証人
もぜひ御
自分
のお
考え
をそこでおっしゃっていただきたいと思います、歴史的な観点も含めてですね。
三木淳夫
18
○
三木証人
大蔵省
さんは、もともと、我々
証券業者
に免許を与えて営業させる、それから、定期的に
検査
をして、適正に
業務
が行われているかどうかを
検査
されるというようなことで、我々と大変密接な
関係
がございます。 それで、従来は、お互いの
情報交換
といいますか、そういうことのために、例えば
業者
の
代表
と
昼食会
をやるとか、そういう形で
情報交換
が行われておりましたんですが、
証券不祥事
が起きまして以来、そういうあれはすっかりなくなりまして、もう全く昼だけのつき合いということになっておるわけでございます。
細田博之
19
○
細田委員
私は、そういうところに、一番大きなこの
証券業界
と
大蔵省
の問題があると思うわけです。 そこで、さらに、四月三日には、
白井参考人
が重大なことを
参議院予算委員会
でおっしゃっていますね。
三木
から、
局長
から
東急百貨店
の件について引き取ることに了承を得たというふうに聞いていると言うんですが、これも事実でございますね、そうすると。
三木淳夫
20
○
三木証人
そうでございます。
細田博之
21
○
細田委員
しかも、
山一証券
としては、その後、それらの
流れ
を受けて、
平成
五年の
大蔵省検査
、二月から三月、これは
虚偽報告
をされた、
ペーパー会社
を記載しないということによってですね。そして、その後、九三年の十月には、
証券取引等監視委員会
に対してさらに
三木社長名
で
虚偽報告
をされて、内容的には、「現在または将来当社の事業の負担となるおそれのある飛ばし
取引
その他の
簿外取引
はないことを確認しましたので、この旨お答え申し上げます」と言っておりますが、これは事実でございますね。
三木淳夫
22
○
三木証人
先ほど
先生
がおっしゃいました、
訴訟
を受けておりまして、私、この件につきましては、私の
刑事責任
を左右する重要な
項目
かと思いますので、まことに申しわけございませんが、回答を控えさせていただきたいと思います。
細田博之
23
○
細田委員
この点は、また、
同僚議員
からもさらに
質問
があると思いますので、次へ参りたいと思いますけれども、最終的に、
三木
前
社長
、
三木証人
が、
野沢
新
社長
、昨年の
記者会見
で大変有名になりました後任の
野沢社長
さんに引き継いだ。そのときに、いろいろあるけれどもよろしく頼みますと言って、
簿外債務
のことを言わなかった。そして、
野沢
新
社長
は、後でそのほかの
役員
の方から話を聞いて、びっくりしていすから立ち上がれなかったというふうに
報告書
にございますけれども、この「いろいろあるけど、よろしく頼みます」という、この辺のくだりは事実でございますか。
三木淳夫
24
○
三木証人
事実でございます。
細田博之
25
○
細田委員
この点は、私は、
経営者
としての
三木証人
、大変失礼ながら、
昭和
三十五年に入社されて、三十八、九年、四十年にわたって
証券マン
として
社長
まで務められて、そしてさまざまな
状況変化
に対応し切れずに、いろいろなことをされたにせよ、そのことをしっかりと引き継いで
善後策
をとられなかったということについては、非常にやはり問題があるんじゃないか。 ちょうど入社されたときから五年間で
株価
は大暴落して、四十年にあの
山一
の
日銀特融
が起こり、身をもってあの
日銀特融
を体験されたのは、
三木証人
ほか本当にわずかな、一握りしか残っていない。
株価
の大暴落というようなものを経験したときに、
証券会社
はどうあるべきかということを、最も
責任
のある方がそこに対応できなかったということについては、不思議でもあると同時に、やはり大変な御
責任
があると思いますけれども、その点、何かおっしゃりたいことがあれば、ぜひおっしゃってください。
三木淳夫
26
○
三木証人
もともと
社長交代
が、
小池事件
の勃発といいますか、あれで起きました、大変予期しない出来事でありまして、私も自宅、
会社
ともいわゆる
家宅捜査
を受けるというようなことで、大変混乱しておりました。どちらかといえば、若干
茫然自失
という
感じ
でございまして、それから、新
社長
の
野沢社長
も、青天のへきれきといいますか、そういう
感じ
でいらっしゃって、ともかく
代表役員
が全員退任するという異例の
状況
でございまして、それで、なかなか、幾ら幾らあるよというようなことを言うにはちょっとはばかられるような
状況
でございましたので、その点、御理解をいただきたいと思います。 ただ、それで、決してほっておいたわけじゃございませんで、これはぜひ早く引き継がなきゃいかぬということで、
財務本部長
、
企画室長
、
債券本部長
に、早く詳細を連絡するようにということを指示いたしまして、
社長
に就任されて五日目にはもう十分御説明はやったわけでございます。それから、その三、四日後には、また、我々退任いたしました
役員
と新会長、新
社長
と
十分話し合い
をいたしまして、引き継いでおりますので、トータル的には決して手を抜いたといいますか、サボったわけじゃないというのは御理解いただきたいと思います。
細田博之
27
○
細田委員
その新
社長
が立ち上がれなかったという背景には、
三木
前
社長
からもよく説明してくれという、そういう指示があったのだ、こういう
お話
でございました。 しかし、それにしても、これは
責任
ある前
社長
のお立場とも思えないわけでございますが、
最初
の論点に立ち返りますと、
営業特金
の解消に伴う
損失補てん等
については、私は、どう見ても、
政府側
、
大蔵省側
もいろいろな
問題点
を知りつつ、後に引きずった
可能性
があるなということは思っているわけでございますけれども。 そこで、
考え
てみますと、
最後
の
段階
ですよ。これは
三木社長
も退陣された後で、
野沢社長
時代のことですが、前のやめられた長野
証券局
長とのやりとり、これも
報告書
の中でございますけれども、証券
取引
法というのはどうも限界がある。つまり、
会社
更生法や破産ということになると、これは証券投資家に被害がかかるというのでそれは適用できない。他方、
山一証券
は債務超過になっていない。 したがって、本当は、一種の
会社
更生的な、証券投資家ですね、大変な株主がおられるわけでございますけれども、そういう人たちに被害をこうむらせないような法制度というものが証券
取引
法であれば、
経営者
の
責任
は問いますよ、しかし、それで、
責任
は
責任
として、八千人、そして
家族
も合わせれば、グループ合わせて一万人という人が路頭に迷うことはなかったんじゃないかと。
越智通雄
28
○
越智委員長
時間が来ておりますので。
細田博之
29
○
細田委員
だから、立法論として見れば、やはり証券
取引
法というものを何かもっといいぐあいに、こういう場面に適用できるようにすべきじゃないかということを
考え
ますので、
最後
、これで
最後
でございますが、何かお
考え
があれば。
三木淳夫
30
○
三木証人
特にございません。
細田博之
31
○
細田委員
では、以上で終わります。
越智通雄
32
○
越智委員長
これにて
細田
君の
発言
は終わりました。 次に、
海江田万里
君。
海江田万里
33
○海江田
委員
民主党の
海江田万里
です。
三木証人
にお尋ねをします。
山一証券
の社内
調査
報告書
によれば、
東急百貨店
と
山一証券
は、九〇年二月より
取引
を開始し、九〇年七月末、九一年一月末、九一年七月末と、
東急百貨店
の決算期ごとに飛ばしを繰り返してきたが、九一年八月二十四日の
会議
により、交渉に当たっては
山一証券
は引き取らないという方針で臨むこととしたとございます。
三木証人
は、この九一年八月二十四日の
会議
、ホテルニューオータニで開かれた
会議
ですけれども、この
会議
に参加していらっしゃると思いますが、この
会議
の結論は、今この
報告書
にありましたように、
東急百貨店
に飛ばしたファンドは
山一証券
が引き取らないということでいいわけでございますね。
三木淳夫
34
○
三木証人
先生
おっしゃるとおり確かにホテルで
会議
をやりましたが、私の
記憶
では、その個々の銘柄までは出てこなかったんじゃなかったかと。まあ恐らく、もし出てきたとしても、A社、B社というような
感じ
で、普通の人には理解できないような社名になっていたんじゃないかと思います。
海江田万里
35
○海江田
委員
東急百貨店
のファンドを引き取らないという方針は、では、いつの時点で
会社
の方針になっていたわけですか。
三木淳夫
36
○
三木証人
私は、当時副
社長
でございましたが、企画担当でございまして、そういう、いわゆる実務の方には携わっておりませんので、正確にはわかりません。
海江田万里
37
○海江田
委員
証人
は、一月二十二日ごろ、
松野証券局長
と会談をするわけでございますけれども、まず、これは、だれからどのような趣旨で連絡があって
大蔵省
に出向いたのですか。
三木淳夫
38
○
三木証人
その点、
記憶
が余りはっきりいたしませんのですが、私は、
企画室長
から
証券局
長が呼んでおられるという連絡を受けたと
記憶
しております。
海江田万里
39
○海江田
委員
企画室
の藤橋さんだと思いますけれども、どういう内容で
大蔵省
に行くんだということは疑問に思いませんでしたか。
三木淳夫
40
○
三木証人
疑問に思いまして、何の用だろうということで聞いたわけでございます。
海江田万里
41
○海江田
委員
そうしたら、藤橋さんは何と言っていましたか。
三木淳夫
42
○
三木証人
東急百貨店
のことじゃないですか、こういう返事でございました。
海江田万里
43
○海江田
委員
そこで、その
東急百貨店
の問題だということで
大蔵省
に行ったわけですけれども、
松野証券局長
とのやりとりをできるだけもう一度正確に思い出して、ここでおっしゃってください。
三木淳夫
44
○
三木証人
証券局
長室に入りまして、
証券局
長のほかにもう一方だれかいらっしゃったと思いますが、これは確定できません。それで、私は一人で参りましたので、部屋には三人だったと思います。 それで、一通りごあいさつが済みましたところで、
局長
は、
山一
さん、
東急百貨店
ともめてんだってという
質問
がございました。ですから、はい、そのように聞いておりますと申し上げましたら、それで、どうするのですかと。それで、もめているんだってという話から、ちょっとお待ちください。
海江田万里
45
○海江田
委員
どうするんですかと
松野局長
は聞いたわけですね。
三木淳夫
46
○
三木証人
ああ、そうです。
海江田万里
47
○海江田
委員
そして、何とお答えになりました。
三木淳夫
48
○
三木証人
それで、うちの事務局は、出るところへ出ても頑張ると言っていますよ、こう申し上げましたら、
証券局
長は、大和は
海外
に飛ばすそうだよというぐあいにおっしゃいました。 それで、私が、
海外
は手続が難しいのじゃないですかと聞きましたところ、いや、そうでもないらしいよ、うちの金子君がその辺詳しいから聞いたら、こういう話でございました。 それで、私、直接担当しておりませんので、持ち帰って検討させていただきますということで、帰ってまいったわけでございます。
海江田万里
49
○海江田
委員
もう少しできるだけはっきりおっしゃってください。今、聞き取りにくいところが幾つかありましたけれども、
三木
副
社長
は、事務局は出るところへ出てでも頑張ると言っているということを
松野局長
におっしゃったということですけれども、これは、今私が冒頭にお聞きをしましたけれども、この
東急百貨店
との問題は、そういう意味では、場合によっては裁判をしてでもいいと。 この時点では、まだ、
山一証券
が
自分
のところでかぶるというような結論は出していなかったわけですね。むしろ、それと違う結論を出していたというふうに理解をするわけですけれども、それでよろしいわけですね。
三木淳夫
50
○
三木証人
結構でございます。
海江田万里
51
○海江田
委員
あともう一つ。
松野証券局長
が三月十八日の本
委員会
の
証人喚問
で次のように言っているのですね。 私としては、
法律
に触れない形でそういうこと、そういうことというのは
海外
への飛ばし、これができるのなら、それは選択肢の一つでもある。しかし、もし
証券会社
が引き取るのであれば、それは
損失補てん
に、もう既に施行されております
損失補てん
に該当する。
損失補てん
に該当しない唯一の道は、証券事故として裁判になり、裁判上の和解をするなりあるいは民事調停の手続を踏むなり、そういう形であれば、これは
法律
で認められている
処理
であるから適法である。いずれを選択するかは
経営者
の判断の問題ですよというような趣旨のことを
三木
さんとの会合でも申し上げたのではないかと思います。 こういうふうにおっしゃっているのですけれども、こういう趣旨の話が
松野
さんから一言でもありましたか、どうですか。
三木淳夫
52
○
三木証人
全くございません。
海江田万里
53
○海江田
委員
今、非常に重要なことをおっしゃっていただけたわけでございますが。 それでは、
証人
は、
松野局長
との面談を終えまして
会社
へ帰るわけでございますけれども、この
松野局長
との会談を終えた直後の印象はどんなものでございましたか。
三木淳夫
54
○
三木証人
意外な
感じ
といいますか、戸惑ったといいますか、そんな
感じ
でございました。
海江田万里
55
○海江田
委員
意外というか戸惑ったというのは、どういうところが意外だったのですか。
最初
考え
ていたことと違ったのですか。
三木淳夫
56
○
三木証人
感触としては、
海外
に飛ばすことを含めて何か
処理
しろということを示唆されたというような
感じ
に受け取ったからだと思います。
海江田万里
57
○海江田
委員
当初、
証人
がお
考え
になっていたのは、これは争う場合もあるだろうし、それから争いに至らなくても、東急の方がこれは引き取る性格のファンドであると。それに対して、
松野証券局長
が、今おっしゃったように、
海外
への飛ばしの
可能性
も示唆したということで、それは当初お
考え
になっていたことと百八十度違う、こういうことで意外だったということでございますね、念のため。
三木淳夫
58
○
三木証人
そうでございます。
海江田万里
59
○海江田
委員
それから、
証人
は恐らく
会社
へ向かうわけでございますけれども、
会社
へ向かう中で
社長
に連絡をしたとか、そういうことはありますか。
三木淳夫
60
○
三木証人
車の電話で、
社長
に電話をいたしました。
海江田万里
61
○海江田
委員
どういう
お話
をしたのですか。
三木淳夫
62
○
三木証人
今
証券局
長からこういう話がありましたということを
報告
したわけでございます。
海江田万里
63
○海江田
委員
今言ったような内容のことを
報告
したわけですね。 それから、この社内の
調査
報告書
によりますと、
会社
に帰ると、行平
社長
以下、延命副
社長
、小西営業本部長、木下部長などが延命副
社長
の部屋で待っていたということでございますけれども、そのとおりですか。この延命副
社長
の部屋でどんな話が出たのですか。
三木淳夫
64
○
三木証人
延命副
社長
の部屋では、私が持って帰った話をもう一回披露いたしまして、それで、方針転換が簡単にいくかどうかという検討が行われたわけでございます。
海江田万里
65
○海江田
委員
大体、時間はどのぐらいかけて、そして、今
松野証券局長
が言うように飛ばしを続けたら、もうこの日というのは一月をまたいで新法が施行されておりますから、それは場合によってはまさに証券
取引
法に違反をする、非常に危ないというような意見などは出なかったのですか。
三木淳夫
66
○
三木証人
会議
の所要時間は約一時間でございます。 それから、今おっしゃいましたような意見は特に出ませんでした。
海江田万里
67
○海江田
委員
じゃ、そこに居合わせた皆さんで、これはもうしようがないから、
松野証券局長
が言うように、
海外
への飛ばしも含めて
処理
をしよう、こういうことだったわけですね。
三木淳夫
68
○
三木証人
そうでございます。
海江田万里
69
○海江田
委員
その後、木下部長が
大蔵省
に金子
審議官
を訪ねていますね。この金子
審議官
を訪ねたことというのは、先ほど
証人
が
お話
をしたように、
松野局長
が金子さんという名前も出して言ったわけですね、聞いてみたらどうかということですね。それで訪ねているということですね。もう一度確認をしてください。
三木淳夫
70
○
三木証人
そうでございます。名前が出ておりました。
海江田万里
71
○海江田
委員
もう少し大きな声でお願いをしたいと思います。 そして、木下さんが訪ねたのは十五分ぐらいの面談で帰ってきたようですけれども、帰ってきたときにその
報告
を受けましたか。
三木淳夫
72
○
三木証人
簡単な
報告
を受けました。
海江田万里
73
○海江田
委員
どういう内容ですか。
三木淳夫
74
○
三木証人
余り役に立たなかった、こういう話でございました。
海江田万里
75
○海江田
委員
その話が余り役に立たなかったからかどうかはわかりませんけれども、
山一
としましては、
海外
の飛ばしをあきらめて国内で
処理
をする方針に変わりましたね、方針を決めましたね。この国内で
処理
をする方針を決めたのは、
証人
と
松野
元
局長
との会談があってから何日後ぐらいですか。
三木淳夫
76
○
三木証人
ほとんどその日だと思います。
海江田万里
77
○海江田
委員
ほとんどその日ですか。
越智通雄
78
○
越智委員長
そうおっしゃいました。
海江田万里
79
○海江田
委員
じゃ、もう一度確認しますけれども、一月の二十二日ごろ、あなたは
松野
さんとお会いをして、そして帰ってきて、そしてその日のうちに
海外
への飛ばしはもうあきらめたのですか。それとも、今の話ですと、
流れ
からいうと、その後に木下さんが一応念のために金子
審議官
のところに行って話を聞いてきて、それは一日か二日後ですよね、そこのところの
関係
を確認します。
三木淳夫
80
○
三木証人
いや、方向が決まったということでございまして、
会議
はそれを具体化するについて何か
問題点
がないかを検討するということで解散したというふうに
記憶
しております。
海江田万里
81
○海江田
委員
わかりました。 じゃ、今の
お話
ですと、
海外
へ飛ばすということはとられなかったわけですけれども、
松野局長
との会談の中で、飛ばしを続けるという方向、これはもう決まったわけですね、
海外
じゃないけれども。それで、
海外
について念のため検討してみたけれどもやはりだめだったということで、それで国内で飛ばしを続けたわけですね。
三木淳夫
82
○
三木証人
おおむねそうでございます。
海江田万里
83
○海江田
委員
じゃ、これも念のためもう一度確認をしておきますけれども、一月二十二日ごろ、
松野
さんとの会談の日までは、あなた本人、
証人
本人あるいは
山一証券
は、この
東急百貨店
とのファンドについては
山一
が引き取るのではなくて、東急側に負担を押しつけるか、あるいは場合によっては表に出してもいいというふうに
考え
ていたわけですね。その方針が、
松野局長
との会談で百八十度違った、こういうことでいいわけですね。
三木淳夫
84
○
三木証人
そうでございます。
海江田万里
85
○海江田
委員
これはもう非常に明快に、この
松野局長
の
発言
によって、あるいは
松野局長
との会談によって
山一証券
がこれまでの方針を変えたということですけれども、そういうふうに
松野証券局長
の
発言
というもの、あるいはサジェスチョン、示唆というものは、やはりそれだけ
証券会社
が、四大証券の一社であります
山一証券
が、それに従わなければいけないような力
関係
にあったわけですか。
三木淳夫
86
○
三木証人
あったと思います。
海江田万里
87
○海江田
委員
さて、この年、九二年の六月にあなたは
山一証券
の
社長
になりますけれども、その後、
社長
になってから、この簿外に隠した債務のことは気にならなかったでしょうか、どうですか。心は痛みませんでしたか。
三木淳夫
88
○
三木証人
もちろん、いっときも忘れないぐらい気になっておりました。
海江田万里
89
○海江田
委員
いっときも忘れないように気になっていたようですけれども、それで、何か手を打ちましたか。
三木淳夫
90
○
三木証人
具体的には手の打ちようがなかったと言ってよろしいかと思います。
海江田万里
91
○海江田
委員
大蔵省
の
検査
は、
社長
になられてから、九三年と九五年、二回ほどありましたね。この
大蔵省
の
検査
で、
簿外債務
の存在を発見されるのではという心配は持っていませんでしたか、どうですか。
三木淳夫
92
○
三木証人
私は、先ほども申し上げましたように、実務をやっておりませんものですから、法人や営業体の
メカニズム
がどういうぐあいになっているかということを十分把握しておりませんで、そういう意味では、全く心配しなかったといえばうそになりますが、それほど深刻な心配はしたことはございませんでした。
海江田万里
93
○海江田
委員
もし
大蔵省
の
検査
で何かこの問題を指摘されたら、それこそ
三木証人
は、
松野局長
と会って、そして
松野局長
がこういうやり方を示唆したわけでございますから、そういうことだったというふうに言って申し開きをしよう、そんなようなことはお
考え
になっていませんでしたか、どうですか。
三木淳夫
94
○
三木証人
全くなかったわけではございません。
海江田万里
95
○海江田
委員
この後の時間は山花
委員
が引き続いて
質問
しますので、私の
質問
はここまでにします。 ありがとうございました。
越智通雄
96
○
越智委員長
この際、山花貞夫君から関連
発言
の申し出があります。海江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山花貞夫君。
山花貞夫
97
○山花
委員
東急百貨店
の決算期が一月末だったということは御存じでしたか。
三木淳夫
98
○
三木証人
最近になって知りました。
山花貞夫
99
○山花
委員
その決算期を前にして、一月の二十二日ごろ
松野
さんとお会いしたということについては
お話
を伺っていましたが、冒頭、
松野
さんの方から、
山一
さんは
東急百貨店
ともめているんだって、こういう
発言
があったようですね。間違いありませんか。
三木淳夫
100
○
三木証人
間違いございません。
山花貞夫
101
○山花
委員
あなたが説明する前に
松野
さんの方からそういう
発言
があったということは、
松野
さんは
東急百貨店
と
山一
とのトラブルについて中身を知っていた、こういうことでしょうか。そういう印象を持ちましたか。
三木淳夫
102
○
三木証人
御存じだと思いました。
山花貞夫
103
○山花
委員
委員長
のお許しを得て、催告状を
証人
に、ちょっと日付等見ていただきたいと思いますが。
越智通雄
104
○
越智委員長
結構です。
山花貞夫
105
○山花
委員
既に
参議院
で提出されておりますからお耳に入っていると思いますけれども、一月の二十一日付で
東急百貨店
側が
山一証券
に対し、詐欺罪で告訴するぞということを含めて出した内容証明書の問題についてですけれども、
松野
証人
は、この催告書をあなたが持ってきたのではないか、こういうふうに話しておられました。 当日、あなたはこの催告書を見て、これを持って
松野
さんのところへ行ったのでしょうか。
三木淳夫
106
○
三木証人
この催告書は見ておりませんで、この催告書を初めて見ましたのは、先般東京地検で取り調べを受けたときに見せていただいたのが初めてでございます。
山花貞夫
107
○山花
委員
松野
証人
は、
山一
の恐らく
三木
副
社長
が持ってきたのではないかと思う催告状をちらっと見た、あるいは、この催告状を確かに持っておられたというふうに
記憶
しております、こう話しておるわけであります。 これは実は大事なところでして、もしあなたが持っていったのでなければ、証券課の皆さんが
松野
さんのところに届けておったのか、あるいはそうではなかったのか。そうでなかったとすると、日付、二十一日の、発送は午後の十二時から六時という時間帯です。とするならば、疑惑としては、
東急百貨店
側から見せてもらっていたのではないか、こういう疑惑が出てきます。 大事な問題なので、改めて伺います。当日あなたはこれを持っていきませんでしたか。
三木淳夫
108
○
三木証人
持っていきません。
山花貞夫
109
○山花
委員
松野
さんとこの年一月以降会ったのは何回でしょうか。
三木淳夫
110
○
三木証人
部屋などに伺いましたのは三回だと思います。
山花貞夫
111
○山花
委員
一回は一月のごあいさつのときですね。
三木淳夫
112
○
三木証人
そうでございます。新年のごあいさつにお部屋を訪問したということでございます。
山花貞夫
113
○山花
委員
そのときはどなたが同行しましたか。
三木淳夫
114
○
三木証人
行平当時の
社長
と藤橋
企画室長
の三人だったと思います。
山花貞夫
115
○山花
委員
これまた
松野
証人
は全く
記憶
がないと言っていますけれども、お三方で
松野局長
のところに新年のごあいさつに行ったことは間違いありませんね。
三木淳夫
116
○
三木証人
間違いございません。
山花貞夫
117
○山花
委員
それを一回目として、一月二十二日ごろの会談が二回目といたしますと、三回目というのは、これは
報告書
によりますと何月何日ということははっきり書いておらないわけですけれども、「一月末か二月頃」、こういう書き方なのですが、日にちははっきりしておらないわけですか。
三木淳夫
118
○
三木証人
はい、はっきりしておりません。
山花貞夫
119
○山花
委員
もう一つ。実は、この
報告書
は、先ほど
細田委員
もおっしゃっておりましたとおり、大変しっかりした内容だ、こう思っております。 ただ、この部分については、
報告書
をよくお読みになっていると思いますけれども、何か二回
話し合い
があったように読み取れるわけです。 さっと読むと、「
三木
副
社長
による本件
処理
の
報告
」。要するに、さっき
お話
しになりました「ありがとうございました」で終わる部分と、それからもう一つは「
山一
にすればたいした数字ではない。ひと相場あれば解決ですよ。何とか早く解決して下さい」、こういうくだりが二つに分かれておりまして、日付が違うように読み取れるわけですが、これは同じ日のことですか、それとも三回目、四回目があったということですか。
三木淳夫
120
○
三木証人
同じ日のことでございます。
山花貞夫
121
○山花
委員
そうすると三回。
松野
さんは一回しか会ったことがなかったと言います。特に、三回目会ったことがあるとするならば、
報告
を受け、それを了承したということになりますから、
松野
さんとすれば認めることのできない、
自分
の
証言
と真っ正面からぶつかることになると思います。 そこで、この点について詳しく
お話
しいただきたいと思うのですが、一番
最後
の「ひと相場あれば解決ですよ。」こう言ったのは、どういう雰囲気の中で、だれが、どなたにおっしゃったのでしょうか。
三木淳夫
122
○
三木証人
部屋を出るときに、ソファーから立ち上がるときに、
局長
が我々にそういうぐあいにおっしゃったわけでございます。
山花貞夫
123
○山花
委員
ソファーから立ち上がるときというと、会談が終わった帰りがけに、こういうことですね。
三木淳夫
124
○
三木証人
そうでございます。
山花貞夫
125
○山花
委員
その会談の
最初
の方ですけれども、ここにある「(
東急百貨店
の件を
海外
に「飛ばす」ことは)資金繰りなど自信がありませんので、国内で
処理
することにいたしました」、こう
報告書
に書かれている部分ですが、これはだれの
発言
ですか。
三木
さんの
発言
ですか、それとも
社長
の
発言
ですか。
三木淳夫
126
○
三木証人
行平の
発言
だと
記憶
しております。
山花貞夫
127
○山花
委員
それから、そのときのやりとりですけれども、さっき
細田
先生
が文書を引用していましたが、その全体の会談の結びといいますか、ここでは
松野
さんはどういうふうにおっしゃっていました。
三木淳夫
128
○
三木証人
ちょっと御
質問
の意味がわからないのでございますが。
山花貞夫
129
○山花
委員
実は、
報告書
には「「ありがとうございました」あるいは「ご苦労様でした」」こう言われておったと。ちょっとニュアンスの違うことが書いてあるものですから、
証人
の
記憶
としてはどちらだったのかということについて伺ったわけです。
三木淳夫
130
○
三木証人
感じ
が、御苦労さんといった
感じ
であったという
記憶
はございます。
山花貞夫
131
○山花
委員
御苦労さんというのは、
東急百貨店
のトラブルについて国内で飛ばして
処理
するという
報告
をしたことに対して御苦労さんでした、こういうニュアンスですね。
三木淳夫
132
○
三木証人
そうでございます。
山花貞夫
133
○山花
委員
年内に、いわゆる七社の問題について、五社については既に飛ばして簿外で
処理
が終わっておりましたね。それは御
記憶
ですか。
三木淳夫
134
○
三木証人
大体話を聞いておりました。
山花貞夫
135
○山花
委員
当日、
松野
さんに
報告
した内容というのは、国内で
処理
ということも、当然国内で飛ばす、こういう意味だったわけですね。
三木淳夫
136
○
三木証人
先方はそのように理解されたかどうかは必ずしも自信がございません。
山花貞夫
137
○山花
委員
とにかく、そうした
報告
に対して「ご苦労様でした」ということを言い、帰りがけには「ひと相場あれば」と、こういう
発言
が出てくるわけですね。重ねて伺っておきたいと思います。
三木淳夫
138
○
三木証人
そうでございます。
山花貞夫
139
○山花
委員
要するに、
松野
さんとの
話し合い
というのはたった一回じゃなくて、結果の
報告
と、その「ひと相場あれば」という三回目の会談もあった。この事実は
松野
さんの
証言
と全く違いますけれども、あなたとしては、間違いない、こういうふうにおっしゃるわけですね。
三木淳夫
140
○
三木証人
三回といいますのは、正月以来三回。この件でお会いしたのは二回でございます。
山花貞夫
141
○山花
委員
報告書
の中で一カ所だけ大変あれっと思った部分があるので、この際伺っておきたいと思います。
経緯
は明らかでないけれども、
山一証券
が
東急百貨店
から有価証券を引き取る際に、内外証券株式
会社
と株式
会社
東急百貨店
の間で引き取りにつき争いになった有価証券についても、
山一証券
があわせて引き取った、こういうくだりがあります。これは
報告書
を読んで見ておりますか。
三木淳夫
142
○
三木証人
拝見しております。
山花貞夫
143
○山花
委員
内外証券の
社長
はこの四月までは小西元法人営業本部長、現在は
山一
出身の方が
社長
を兼任している、こういう
会社
ですね。しかし、これはあくまでも別
会社
じゃないでしょうか。
三木淳夫
144
○
三木証人
おっしゃるとおりでございます。
山花貞夫
145
○山花
委員
報告書
の経過のところをずっと見ると、約二十六億円内外証券の玉を
山一
がかぶっていますね、
東急百貨店
の分について。しかも、これも
簿外処理
にしておったのじゃないですか。
三木淳夫
146
○
三木証人
その辺は正確には存じておりません。
山花貞夫
147
○山花
委員
これは、
山一
と
東急百貨店
のをかぶるなら話はわかるのだけれども、全く別
会社
の玉まで引き取って解決したというのは、別法人のものまで引き取ったということになりますと、問題があるところじゃないですか。これまた二十二日ごろの
松野
さんとの会談の後、三十一日まで全部
処理
されたことではなかったでしょうか。
三木淳夫
148
○
三木証人
この内外証券との件につきましては、
山一証券
と損のバーターをやったというのは事実でございまして、内外証券の玉を引き取って損が出る分、
山一
が持っておりました非上場株を買っていただいたということで相殺されているように聞いております。
山花貞夫
149
○山花
委員
全体として当時の
流れ
を見ますと、大和の場合とは違って、
山一
の場合には、
東急百貨店
絡みのトラブルについて全部
山一
がひっかぶって終わった、こういう経過ではなかったでしょうか。
三木淳夫
150
○
三木証人
そうでございます。
山花貞夫
151
○山花
委員
まとめて幾つか伺っておきたいと思いますが、さっき
松野
元
証券局
長の
証人喚問等
についてはマスコミ等で知ったとおっしゃっていましたけれども、率直におっしゃっていただいて、どういう印象を持ちましたか。誠意を持って真実を明らかにする、こういう姿勢を
感じ
ましたか。
三木淳夫
152
○
三木証人
余り
感じ
ませんでした。
山花貞夫
153
○山花
委員
社内の
調査
報告書
は評価が高いのです。ある新聞がこうまとめていましたね。わからなかったのだけれども、これを読んでわかったということで、命取りとなった
簿外債務
は、
損失
を抱えた証券を
取引
先から引き取り、関連
会社
に隠す操作を重ねて膨れ上がった、相場さえ戻れば損は消える、しかも
大蔵省
の
証券局
長に話は通してある、
経営
陣はこれで乗り切れると読んだ、こう印象を語っていましたけれども、こうした雰囲気だったのじゃなかったでしょうか。
三木淳夫
154
○
三木証人
何と申し上げていいか、よくわかりません。
山花貞夫
155
○山花
委員
以上です。終わります。
越智通雄
156
○
越智委員長
これにて海江田君、山花君の
発言
は終わりました。 次に、
大口
善徳
君。
大口善徳
157
○
大口
委員
平和・改革の
大口
善徳
でございます。 まず、
東急百貨店
について、初めてこの問題を
認識
したのはいつですか。
三木淳夫
158
○
三木証人
私が
認識
いたしましたのは、
大蔵省
に呼ばれたときでございます。ですから、一月の二十日過ぎでございますか。
大口善徳
159
○
大口
委員
あなたは、九一年八月二十四日の
会議
、あるいは九一年十一月二十四日の
会議
、そしてそこで、
山一
が引き取るか引き取るべきでないか、その仕分けがあったわけですね。そして、九一年八月二十四日から九一年十一月二十四日の間も、あなたはたびたびこの
会議
にも出ております。そういう点で、そのときに
東急百貨店
のことは全然
認識
されなかったのですか。
三木淳夫
160
○
三木証人
先ほどもちょっと御
質問
がありましたのですが、いわゆる飛ばしをとるとか、とらないとかという決定は、要するに現場のことをよく知っている人じゃないとできないわけです、例えば
会社
同士の力
関係
ですとか
取引
の経過とか。そういう意味では、私は企画の担当でございまして、いわゆる現場を知らない人間でございますので、そういう具体的な相談というのはほとんどなかったわけでございます。
大口善徳
161
○
大口
委員
九一年十一月二十四日、かなりのものを
簿外債務
で
処理
する、こういうことは行平
社長
は了承したわけですけれども、あなたはそのとき反対をしなかったのですか。どういう態度をとったのですか。
三木淳夫
162
○
三木証人
当時は、そういう決定は、行平
社長
と、もう亡くなられました
法人担当
の延命副
社長
のところでほとんど決まっておりましたのですが、そこで決まったということになりますと、これはあえて異を唱えるには相当勇気が要るということでございまして、まことに申しわけないことですけれども、
発言
は特にいたしませんでした。
大口善徳
163
○
大口
委員
非常に重要な決定について、あなたは仕方がないという態度であったわけでございます。 そういう
状況
の中で、一月二十二日、
松野証券局長
と会うわけであります。それで、
松野証券局長
と会うわけですけれども、今、
企画室長
の藤橋さんから連絡があったということでしたね。藤橋さんから、もうちょっと詳細に細かく、どういうふうな説明を受けたんですか。
三木淳夫
164
○
三木証人
藤橋君からは、
東急百貨店
の件で呼ばれていると、これは私が聞いたからですけれども、という
報告
を聞きまして、何でもめているんだと聞きましたら、飛ばしをとるとかとらぬとかということでもめているということで、後は担当者を呼んだような気がいたします。
大口善徳
165
○
大口
委員
後は担当者を呼んだということは、じゃ、あなたが呼ばれる前に、
大蔵省
の
業務
課と、それからあなたの方の、
山一
さんとの、担当の打ち合わせみたいなものですね、そういうものがいろいろあったんですか。
三木淳夫
166
○
三木証人
全くございません。
大口善徳
167
○
大口
委員
そうしますと、あなたがいきなり行ったわけであって、その前に
大蔵省
の
業務
課と
山一
の例えば
企画室長
とかあるいは小西本部長とか、これは会っていないんですか。
三木淳夫
168
○
三木証人
それは、事務
段階
ではやっていたかもしれませんが、私は聞いておりませんでした。
大口善徳
169
○
大口
委員
そこで、あなたが呼び出しを受けて、飛ばしについて示唆を受けた、こういうことなわけですけれども、それで、その二十二日、本社に帰ったときに、一時間ぐらいの
会議
で方針変更をしたということなんですが、その方針変更について全然議論はなかったんですか。
三木淳夫
170
○
三木証人
いわゆる反対意見というのは、特にございませんでした。
大口善徳
171
○
大口
委員
そうすると、あなたは余り事情も聞かないで、それで、よく中身もわからなかった。逆に
松野局長
はよくわかっていた。それで、
海外
へと示唆されて、そのまま持っていって、そのまますんなり、一時間ぐらいのあれで了承された。こういうことですと、
松野局長
の示唆というのは、これは絶大なものがある。 あなたはMOF担から
社長
になったと言われていますが、
大蔵省
の力といいますか、そういうものはどう
感じ
ましたか。また、その一月二十二日、あなたが本社に帰ってから、皆さんの印象といいますか、どういう
感じ
でしたか。
三木淳夫
172
○
三木証人
証券局
長からじきじきに
お話
があるというのは、そうしょっちゅうあるわけじゃございませんので、これは何とか意向に沿いたいという
感じ
はあったと思います。
大口善徳
173
○
大口
委員
その後は、あなたは、
証言
によりますと、
報告
に行った、ねぎらいの言葉をかけられた。そして、一相場あれば解決ですね、こういうふうに言われた。このときには、行平
社長
と一緒に行ったんですか、
報告
に。
三木淳夫
174
○
三木証人
そのように
記憶
しております。
大口善徳
175
○
大口
委員
そうしますと、行平さんもこのことは同じように受けとめていたんですか。
三木淳夫
176
○
三木証人
同じように受けとめてというのは、何をでございましょうか。
大口善徳
177
○
大口
委員
ですから、要するに、飛ばしをすることについてねぎらわれたというような
感じ
を、行平さんもそういうふうに受けたんですか。
三木淳夫
178
○
三木証人
同じ
認識
だったと思います。
大口善徳
179
○
大口
委員
この当時、堀田
業務
課長は、全くこのことについてはタッチしていない、こういうことのようでありましたが、堀田
業務
課長は
参議院
の
予算委員会
の中で、恐らく春、早ければ二月ごろ、あるいはもうちょっと遅かったかもしれないけれども、
山一
に対して社内
調査
を要求した、だけれども、それに対して答えは、問題はない、飛ばしについて問題はない、こういう回答があったということを言っておりましたけれども、こういう堀田
業務
課長の、ちょっと食い違っていますね、時期がかなりずれているわけですけれども、この
答弁
についてどう
考え
ますか。
三木淳夫
180
○
三木証人
私は、それは存じておりませんので、ちょっと申し上げようがないのでございますが。
大口善徳
181
○
大口
委員
あなたは、
社長
になられて、九三年六月の二十四日、小川
局長
に呼び出されましたね。小川
局長
、山本証券
業務
課長、それからあなた、
三木
さん、そして藤橋さん。行ったわけでありますけれども、そのときに小川
局長
から、ゆゆしい事態だと。 ちょうどこれ、大蔵の
検査
、証券監視
委員会
の
検査
がありましたね。それで、本体の立て直しが第一義だ、本当に大丈夫か心配だ、過去のものについても、腐ったものを切り捨てなさい、あらゆるものをかなぐり捨てて、そして具体的な再建策をつくってほしい、こういうふうに言われ、また山本
業務
課長からは、行政として危機感を持っている、ストリップス債の帰属についてもはっきりしない、フリーな資金がかなり低い水準だということを言われましたね。 このときに、小川
局長
は相当、あなたの、
山一
の
状況
、それから飛ばしだとかそういうことについてわかっているんじゃないか、だからその本体を立て直しなさいと、そういうような印象を受けましたか。
三木淳夫
182
○
三木証人
平成
五年の
大蔵省
の
検査
のときは、三年ばかり前に販売しておりましたモーゲージファンドという投資信託にかなり損が出まして、これのいわゆる補てん騒ぎがございまして、結局百億ほどうちの
会社
で、百五億ですか、投資家の皆さんに補てんをした事実がございまして、それで、そのときも結局、販売姿勢が悪いということを大変厳しく怒られまして、したがいまして、私はそのとき、小川
局長
に非常に厳しくやられたときは、モーゲージファンドのことを言われているんだなというぐあいに
考え
ておりましたものですから、ほかの方には全然頭が回らなかったというのが現状でございます。
大口善徳
183
○
大口
委員
ただ、一緒に同行した藤橋
企画室長
が、
経営
改善計画の策定に当たっては、もうオフバランスの含み損、
簿外債務
も検討するしかない、こういうふうに受けとめているんですよ。
企画室長
はそういうふうに受けとめているのに、あなたはそういう
感じ
だったんですか。
三木淳夫
184
○
三木証人
私は、先ほど申し上げたような意識でございました。
大口善徳
185
○
大口
委員
その後、
大蔵省
の
検査
におきましても、あなたの方として、例えば
取引
高の上位リストの
虚偽
の提出をしたり、あるいは郵船アカウンティングの買い取りについて、これも
虚偽
の
報告
をしたり、それからまた
山一
の事業負担、あるいは負担のおそれのあるもの、飛ばしの
取引
その他の有無、内容についての
質問
について、ない、こういうふうに、全部あなたの、
社長
の名前で回答、
虚偽
の回答をしているわけです。これについてはどうですか。
三木淳夫
186
○
三木証人
先ほどもちょっと申し上げたんですが、私、ただいま
刑事
事件
の被告人でございまして、この件は私の
刑事責任
に大きな影響があると思いますので、まことに申しわけございませんが回答を控えさせていただきたいと思います。
大口善徳
187
○
大口
委員
あなたは、じゃ、これは全くあなたと無
関係
だというふうにおっしゃるんですか。
三木淳夫
188
○
三木証人
回答を控えさせていただきたいとお願いしておるわけでございます。
大口善徳
189
○
大口
委員
あなたは、その後いろいろ
会社
を是正するチャンスがあったわけですね。その中で、例えば、九五年の八月五日から六日まで一泊二日で、藤橋
企画室長
あるいは
企画室
付部長が、常務以上の
役員
を対象とした一泊二日の合宿をやる、オフバランスの含み損をディスクローズする、そういう検討会をやる、こういうことに対して、あなたはどういうふうに対応されましたか。
三木淳夫
190
○
三木証人
対応策もできていないのに簡単にディスクローズするな、もっと基本的なところを固めるのが先決じゃないかというようなことを言った
記憶
がございます。
大口善徳
191
○
大口
委員
まずは現状を
認識
するために検討しようということでやっているわけですね。ところが、あなたはその分析自体も否定したということですか。
三木淳夫
192
○
三木証人
いや、数字等をディスクローズするのをとめた、こういうことでございます。というのは、そういう
資料
を公開しますと、直ちにそれがひとり歩きいたしまして、信用不安とか、つまらぬうわさとかにつながる
可能性
がございますので、そういうことを防止する意味で申し上げたわけでございます。
大口善徳
193
○
大口
委員
九六年十二月二十五日、あなたは
山一
ファイナンスへ一千五百億円の支援の決定をした。それが九七年三月三十一日に実行されたわけですね。この問題につきましても、
山一
本体の償却ということを、これを本当は真剣に
考え
なきゃいけないんじゃないですか。そのあたりはどうでしょうか。
三木淳夫
194
○
三木証人
ファイナンス
会社
の財務の健全化というのは四社の共同ビッグプロジェクトでございまして、
大蔵省
の
検査
でも、必ずこれが一番に指摘されるというような
状況
でございました。しかも、総合ファイナンス
会社
は
業務
方法書上の
関係
会社
でございまして、お金を借りる場合も、
山一証券
が
経営
指導念書といったようなものを出しておるということで、もしこれをうちだけが、一社だけが償却しないということになれば
山一
グループ全体の信用不安につながる、そういう判断でございました。
大口善徳
195
○
大口
委員
それで、ちょっと前に戻りますが、一月二十二日の
三木
さんと会ったときに、
松野局長
は催告書のことを、これは知っているような口ぶりでしたか。
三木淳夫
196
○
三木証人
私は、催告書の件では
松野局長
と一度も話をしたことはございません。
大口善徳
197
○
大口
委員
あなたに対しては、株主から、三十八人の株主から、本年四月二十三日、訴えも提起をされております。それから、
社員
の方も、融資制度を使って、マイホームを買わないで
山一
株を買った、自社株を買った。カウンターレディーまで買った、こういうようなことですね。 あなたが本当に
大蔵省
の方だけ顔を向いて、
大蔵省
に対してどう思われるかということしか頭になかったということを、今
証言
ではっきりしたわけでありますけれども、本当は国民の投資家、そして
社員
に対して、あなたはこれはけじめをつけなきゃいけない、こう思うわけです。 あなたの資産ですけれども、横浜の青葉区に百七十二平米、木造二階建ての自宅があるかどうか。それから、有価証券を持っているかどうか。現金、預貯金を持っているかどうか。これは、あなたは最高時六千五百五十万円も年収があったとも言われておりますし、それから、九四年とか九六年というのは、これは
役員
賞与をもらう資格がないのに一億八千万、これは
役員
に対して支払われている。こういうことを
考え
ますと、あなたとしてけじめをつけるべきだと
考え
ますが、いかがでございますか。
三木淳夫
198
○
三木証人
私は、特に見るべきほどの資産を持っておりませんけれども、結果
責任
といいますか、そういう意味での、取締役の
責任
という観点から、どのように
責任
を果たしたらいいか、
弁護士
さんと相談して結論を出したいと思っております。
大口善徳
199
○
大口
委員
中身も、その資産の中身を言ってください。今の資産の中身を言ってください。あなたが持っている資産の中身を
証言
してください。
三木淳夫
200
○
三木証人
今おっしゃったとおり、青葉区の方に自宅、もう建って二十年ぐらいの木造の家がございまして……(
大口
委員
「はっきり、有価証券とか」と呼ぶ)有価証券は、
山一
の株の残骸といいますか、そのまま残っている分だけでございます。(
大口
委員
「預貯金」と呼ぶ)まあ、ちょっとプライベートにわたりますので、何とか御勘弁をお願いしたいのですが。
大口善徳
201
○
大口
委員
しっかりと
責任
をとっていただきたいと思います。 以上で終わります。
越智通雄
202
○
越智委員長
これにて
大口
君の
発言
は終わりました。 次に、
西川太一郎
君。
西川太一郎
203
○
西川
(太)
委員
三木
さん、あなたは今日まで、何の容疑で何回
逮捕
されましたか。
三木淳夫
204
○
三木証人
利益供与の容疑で二回、それから有価証券
取引
、有価証券
報告書
の
虚偽
記載で一回でございます。
西川太一郎
205
○
西川
(太)
委員
四大証券の一角を構成する
山一証券
のトップ、またはその周辺におられたお立場で、三回も
逮捕
されるということは、あなたはそれが
証券業界
の体質だ、もしくは
山一
の体質だ、それとも何かほかに原因があるとお思いですか。
三木淳夫
206
○
三木証人
私といたしましては誠心誠意
業務
をやってきたつもりでおりますが、こういう結果になって、まことに申しわけないと思っております。
西川太一郎
207
○
西川
(太)
委員
総会屋に利益を供与したり、不当な飛ばしを行ったりすることが、誠心誠意努力した結果なんですか。
三木淳夫
208
○
三木証人
当時といたしましては、それが
会社
のために一番いいという判断でございました。それが結果として
逮捕
されるような羽目になったことは、まことに遺憾でございます。
西川太一郎
209
○
西川
(太)
委員
とんでもないことですが、きょう、あなたは何のためにこの本院の
証人喚問
に呼ばれたと
認識
しておられますか、何を解明するために。
三木淳夫
210
○
三木証人
山一
が、どういう過程を経て
自主廃業
に追い込まれたかといったことの解明であろうかと思います。
西川太一郎
211
○
西川
(太)
委員
それを解明することは、どういう意味があると思いますか。 あなたは答えられない。その
程度
の
認識
でここに臨まれることは、国民の
代表
の国
会議
員として、私はまことに遺憾に思います。 あなたがきょうここで解明すべきことは、飛ばしや
簿外取引
によって我が国の金融システムに対する内外からの信頼を大きく失墜させた罪。今や日本の経済は不透明、不明朗な
取引
慣行に支配されているというイメージを国内外につくってしまった。その結果、我が国の本格的な金融システムの立ち直りをおくらせている。
山一証券
の破綻後、日本の格付がネガティブになって、ジャパン・プレミアムも上昇した。 さらにつけ加えれば、最終的に債務超過であれば、
日銀特融
という国民の負担によるお金が追加されるのです。まだ確定しておりませんけれども、債務超過になる
可能性
も高いのです。そうなれば投資者保護基金で賄い切れない、こういうことになれば、国の財政によって穴埋めしなきゃならない。これは国民に対する大きな罪ですよ。 そういうことを解明するためにきょうここに呼ばれているという
認識
はないんですか。
三木淳夫
212
○
三木証人
あります。
西川太一郎
213
○
西川
(太)
委員
それで、どうお思いなんですか、あるならば。
三木淳夫
214
○
三木証人
うまく表現できませんで、申しわけございません。
西川太一郎
215
○
西川
(太)
委員
実は、
野沢
正平
社長
は、
最後
に号泣をされて、
社員
は悪くない、私ども
経営
陣が悪い、そして、
山一
がこうなった四つの原因ということを言っておられましたけれども、私は、そこになかったけれども極めて大きな原因は、損害が出た、国内外で出た、
松野
元
証券局
長に相談に行った
東急百貨店
問題もさりながら、それらのことを隠ぺいすることにきゅうきゅうとした
山一
のトップの体質に大きな問題があったと思うのです。 実は、東洋経済という経済雑誌が、昨年の四月ごろから三回にわたって、
山一
には飛ばしがある、簿外で
処理
している大きな債務がありそうだということを何回か報道しました。そのときに、これは私やっと捜し当てて、もとの
役員
からじかに聞いた話でございますが、その場に臨席した人から聞いた話でありますが、昨年の八月の時点で、あなたは藤橋忍常務
企画室長
に命じて、その会合で、もう東洋経済の記事は告訴するから、あんなことはうそだから、どうか諸君、心配しないで仕事をしてほしいということを言った。そういう事実はありましたか。
三木淳夫
216
○
三木証人
記憶
にございません。
西川太一郎
217
○
西川
(太)
委員
記憶
にないはずはないんですね。なぜかといえば、そうした隠ぺい工作がずっと続いて、その陰で、全社的にこれを解決しようという提案は退けられて、MOF担
関係
の、いわゆる
企画室
関係
の人たちだけでこの問題を
処理
しようということばかりやっていたから、
山一
ファイナンスの時点では千五百億円の簿外の債務であったものが、とうとう
最後
には二千七百億近くになったじゃないですか。 その間、あなたは、こういうことを特にマスコミに対しては箝口令をしいて、ゴルフに行くような格好をして
役員
がひそかに東京本社に集まったり、ホテルに入ったりして
会議
を続けてきたということは、事実じゃないんですか。そういう隠ぺい工作をしてきたことに対して、
責任
を
感じ
ませんか。
三木淳夫
218
○
三木証人
私が行平から
社長
を引き継ぎました
平成
四年の七月の時点では、もう既に相当金額のいわゆる含み損がございまして、これを公表すれば、たちどころに
会社
は信用不安に陥って、その影響が経済界にも波及するというおそれがあるような
状況
でございました。 それで、どうするかということをさんざん
考え
ましたあげく、とりあえず緊急避難的に棚上げしようということになったわけでございます。それが結果的に裏目に出たということは、まことに申しわけないと思っております。
西川太一郎
219
○
西川
(太)
委員
あなた、いやしくも四大証券の一角を構築する
山一
の取締
役社長
までお務めになった人が、今の国権の最高機関である国会での
証言
としては極めてお粗末な言辞ですよ。裏目に出たというのはどういうことですか。罪の意識はなかったんですか、あなたは。どうですか、それは。
委員長
、時間がありませんから、続けて
発言
させてください。
越智通雄
220
○
越智委員長
はい。
西川
君。
証人
は座ってください。
西川太一郎
221
○
西川
(太)
委員
もうわずかな時間でございますが、実はあなたは、三回
逮捕
された一番
最初
は、いわゆる
昭和
リース
事件
だったんですね。このときに、あなたの上司であった、
自主廃業
直前には相談役に引いておられた方から、あなたが
逮捕
された時点で連絡があった。あのことだけは、君、しゃべるなよ、こういうふうに言われたと報道されております。 そのあのことというのは、その
損失補てん
の際に、あなたは、
損失
の隠ぺいに絡む簿外で行った
海外
取引
、特に融資でございますけれども、これが極めて背任性の高い
取引
だった。そのことを口どめされたという事実はありますか。当時の相談役です。あなたの上司ですよ。
三木淳夫
222
○
三木証人
ちょっと思い当たりませんが。
西川太一郎
223
○
西川
(太)
委員
これを思い出すと、あなたはもう一度大きな罪に問われますよ。 それからもう一つは、きのうまで書店に並べられていたアエラ、その中に、九一年に退任したEという、この人、頭文字をEです。Eさんというワラント担当部長が関連した五十億円の疑惑
事件
。この
報告書
、どこを見てもそれは出てこない。これを
調査
しておったところ、突然、
三木淳夫
社長
がその
調査
を取りやめるように指示をした。そして、実はこの五十億円がいろいろな、個人が着服した部分もあるそうですが、
山一
の各方面に対する工作費に使われた。これは事実ですか。重大なことです、これは。
三木淳夫
224
○
三木証人
全く覚えがございません。
西川太一郎
225
○
西川
(太)
委員
五十億円のお金がなくなった、このことを、
記憶
にないんですか。
三木淳夫
226
○
三木証人
ありません。
西川太一郎
227
○
西川
(太)
委員
これは、じゃ、あなたは、この報道に対してどういうふうに対処しますか。そういう
調査
をあなたがやめさせたとはっきり、あなたの名前入りで、ルビまで振ってあって、書いてありますよ。
三木淳夫
228
○
三木証人
私も買って読みましたですが、私が
調査
を中止させたというような
記憶
は全くございません。
西川太一郎
229
○
西川
(太)
委員
記憶
がないのであって、これは、ぜひその
記憶
を呼び戻していただきたい。そういう事実がなかったということではないことを、私は留意しておきたいというふうに思います。 あなたは、
松野
さんとお会いになって、そして、先ほど来、同僚先輩
議員
から、いわゆる示唆を受けたと、
報告書
にもそう書いてありますね。しかし、
松野
さんは、一般的なことを言っただけだと、いわゆる
松野
・
三木会談
では一般的な飛ばしについての話をしただけだと言って言い抜けておりますけれども、あなたは、
報告書
の中でも、示唆を受けたというふうにはっきり言っておられます。そういう自信があるから、
証券局
が認めてくれた方法だというのであなたは処置をした。そういうふうに、再三同じような
質問
でございますけれども、ここがとても大事なところなんです。 なぜかといえば、私も三月十八日に
松野
さんにこの場で
証言
を求めた一人ですから、この点をもう一度確認をいたしますが、あなたはそのとき、心理的な圧迫感も含めて、または、長く、言葉は悪いけれども、べったり頼ってきた
大蔵省
の
業界
担当監督のトップの言葉だということで、安心して、ある種の位置のエネルギーのようなものを向こうに
感じ
て、その人から言われたんだということで、これは指示だというふうに受けとめましたか。
三木淳夫
230
○
三木証人
基本的には……
西川太一郎
231
○
西川
(太)
委員
はっきり答えてください。あなたのことじゃない、
松野
さんのことだ。
三木淳夫
232
○
三木証人
おおむねそうでございます。
西川太一郎
233
○
西川
(太)
委員
おおむねそうだと今お答えになった。 そこで、これで
最後
ですが、実は、
報告書
によれば、その後、この件に関して
大蔵省
から何の
検査
も
調査
もなかった、こういうふうに書かれております。ということは、
大蔵省
は、もし指示をしていないなら
検査
をしてしかるべきだからでありまして、私は、そのことは大変重大だというふうに思います。 私ども自由党は、一般人だけをここにさらしもののようにしてやるという批判が一部にありますけれども、そうではない。政治家についても、山崎自民党政調会長についても
証人喚問
の要求をしておりますことをつけ加えて、
発言
を終わります。 どうもありがとうございました。
越智通雄
234
○
越智委員長
これにて
西川
君の
発言
は終わりました。 次に、
木島日出夫
君。
木島日出夫
235
○木島
委員
日本共産党の
木島日出夫
でございます。
最初
に伺いますが、
証人
も社内
調査
委員会
から何度かにわたって事情聴取は受けていると思うんですが、いつごろ、何回ぐらいにわたって
調査
を受けていますか。
三木淳夫
236
○
三木証人
はっきりは覚えておりませんが、ことしになって三、四回ぐらいでしょうか。
木島日出夫
237
○木島
委員
先ほどあなたは、九二年一月の
松野証券局長
との会談で、
海外
への飛ばしを示唆されて意外だったと
証言
をいたしましたね。 意外だったという意味は、これは、あなたは
松野局長
との会談に臨むに当たって、むしろ逆に、前年十二月に
山一証券
が五社とのトラブルについては飛ばしをしていた、そして子
会社
である日本ファクター株式
会社
へ移していた、このことをむしろ逆に指摘されて追及されるんじゃないか、そういうおそれを心中持ちながら
松野局長
との会談に臨んだ、しかし方向が逆だったので意外だった、そういう意味ですか。
三木淳夫
238
○
三木証人
そうでございます。
木島日出夫
239
○木島
委員
じゃ、なぜ
松野証券局長
は、あなたにとっても意外だったそんな逆方向の示唆をしたと思いましたか。
三木淳夫
240
○
三木証人
わかりません。
木島日出夫
241
○木島
委員
山一証券
の幹部として、何で
大蔵省
松野証券局長
は、そんな逆方向、
海外
への飛ばしまで示唆する逆方向の示唆をしたと
会社
内部の幹部の中で論議をして、そんたくをしたことはありませんか。
三木淳夫
242
○
三木証人
新法が施行されて間もないころでございましたので、そういう
大口
のトラブルが続々出てくるのはうまくないという配慮じゃなかったかというような話題は出たことがございます。
木島日出夫
243
○木島
委員
社内
調査
委員会
の
調査
報告書
によりますと、九二年当初の時点で、
山一証券
が引き取って、いわゆる
簿外債務
としたのは、七社で千七百十二億円と記載があります。その中で、
処理
方策について
松野証券局長
と話し合ったのは、
東急百貨店
とのトラブル一件だけでしたか。
三木淳夫
244
○
三木証人
先ほどから再々申し上げておりますが、事務の方は、私、よくわかりませんで、ちょっと。
木島日出夫
245
○木島
委員
あなたでいいですよ。あなたが
松野局長
と相談したのは一件、東急との一件だけだったか。
三木淳夫
246
○
三木証人
そうでございます。
木島日出夫
247
○木島
委員
それじゃ、こう聞きます。
報告書
によりますと、九二年、
平成
四年一月中旬に
大蔵省
証券局
業務
課の課長補佐から、
山一証券
の藤橋さんだと思うんです、
企画室長
に
東急百貨店
とのトラブルについて問い合わせがあり、小西本部長が
大蔵省
に説明に行っております。
大蔵省
がこのような個別紛争に介入してきたのはなぜだったかわかりますか、あなたは。
山一
側が持ちかけたのか、それとも東急側が持ちかけたのか、それとも持ちかけられもしないのに
大蔵省
が乗り出してきたのか。どう
考え
ていましたか。
三木淳夫
248
○
三木証人
少なくとも、
山一
側から働きかけたということはないと思います。
木島日出夫
249
○木島
委員
じゃ、なぜ
大蔵省
が乗り出してきたか、
大蔵省
の意図を
考え
ましたか。
三木淳夫
250
○
三木証人
先ほど申し上げましたとおりでございます。
木島日出夫
251
○木島
委員
質問
を変えます。
平成
五年の大蔵
検査
に関する部分にも、非常に詳細な
調査
報告
がなされております。そのことについてお伺いします。
平成
五年の大蔵
検査
が入り、その結果が出る前の
平成
五年、一九九三年六月二十四日、
証人
は、退任予定の小川
証券局
長と面談をしております。覚えておると思うんです。小川・
三木
面談です。そのとき、小川
局長
から、過去のものについて、腐ったものを切り捨て、また経常的
経営
についてもかなりシビアな
経営
をしてほしいと指摘された。そのことがこの
調査
報告書
に記載されております。それは当時、
三木
・小川会談が随行の者によって
メモ
され、その日のうちに社内文書としてきちっと記録されていた。それがそっくりそのままこの
報告書
に出ているからであります。覚えていますね。
三木淳夫
252
○
三木証人
覚えております。
木島日出夫
253
○木島
委員
それで、お聞きしたいんです。 小川
証券局
長が、
検査
中の話ですが、
山一証券
について指摘した、過去のもの、腐ったものは切り捨てて
経営
改善に努力せいという、過去のもの、腐ったものとは何を指すのでしょうか。こういう、
東急百貨店
にかかわって隠してしまった
簿外債務
のことなどを指していたんでしょうか。
三木淳夫
254
○
三木証人
私の理解では、法人、個人に限らず、営業姿勢が非常に悪いということで、その辺を指摘されたんだというぐあいに理解しておりましたが。
木島日出夫
255
○木島
委員
いや、そんな一般的な話じゃないんですよ。過去のもの、腐ったものを切り捨てよと指摘されたというんです。過去のもの、腐ったものが残っている、切り捨てろ。これはまさに、こういう
東急百貨店
との
関係
を、飛ばして、
簿外債務
として子
会社
に固定していった、こういう、過去のもの、腐ったものだから切り捨てろ、こういう意味じゃないんですか。具体的な指摘をされているんですよ。
三木淳夫
256
○
三木証人
私どもは、そういうぐあいには理解しておりませんでした。
木島日出夫
257
○木島
委員
じゃ、もう一点だけを聞きます。 この
調査
報告書
によると、
平成
五年大蔵
検査
の結果、
簿外債務
に直接つながった
取引
につき、不適正、不適切との指摘がなされているが、
大蔵省
は、それ以上の追及を行わず、
簿外債務
の発見に至らなかった、このように
報告書
には記載がされております。なぜ
大蔵省
からそれ以上の追及を受けなかったのか、
証人
はわかりますか。
三木淳夫
258
○
三木証人
わかりません。
木島日出夫
259
○木島
委員
ことしの三月のある新聞にこういう記事が出ておりました。
山一
ファイナンスの不良債権問題が表面化したちょうどあのころ、九三年から九四年ごろ、
平成
五年ごろ、
山一証券
は、
審議官
クラスを含む
大蔵省
幹部らにゴルフや飲食の接待を頻繁に行ったという、そういう記事が出ております。 当時そういう方針を、あなた、
社長
でしたが、とっていたことは事実ですか。
三木淳夫
260
○
三木証人
特に
記憶
がございません。
木島日出夫
261
○木島
委員
そこは大事なところですから思い出してほしいのですよ。もうこれは今日では常識的になっているんですね、金融機関が
大蔵省
の官僚に接待攻勢をかけるというのは。ちょうど
山一証券
が
検査
を受けていた九三年、九四年ごろ、そういうゴルフ、飲食の接待を頻繁に行ったと記事が出ているのですが、やっていたことをあなた知っているんでしょう。事実なんでしょう。
三木淳夫
262
○
三木証人
少なくとも、私はやっておりませんです。
木島日出夫
263
○木島
委員
それじゃ、あなたにないしょで、勝手に部下がやっていたということがあり得るということですか。
三木淳夫
264
○
三木証人
それは、いわゆる、向こうが課長ならこちらは部長とか、そういう意味での判断はあったかと思います。
木島日出夫
265
○木島
委員
時間が来ましたから、
最後
の
質問
にします。 株式市場が公正に機能するためには、企業の
経営
や資産の実態が正確に市場と投資家に伝えられることが大前提であります。
証人
は、株式
会社
の最高
責任
者として、
大口
取引
先への
損失補てん
が問題になった九一年のあの時点で、飛ばしや
簿外債務
の隠ぺいを行って市場と投資家を裏切りました。その
責任
は限りなく大きいと思います。こうなってしまった最大の原因はどこにあると
証人
は
考え
ているかお聞かせいただいて、私の
質問
を終わります。
三木淳夫
266
○
三木証人
基本的には、それが
会社
にとって一番いいという判断をするということが一番基本的な問題かと思います。
木島日出夫
267
○木島
委員
終わります。
越智通雄
268
○
越智委員長
これにて木島君の
発言
は終わりました。 次に、
保坂
展人君
。
保坂展人
269
○
保坂
委員
お尋ねしますが、
松野証券局長
との話のところで、事務局は、出るところに出ても頑張る、これは筋を通そうということだと思いますけれども、ところが、
証券局
長は飛ばしを示唆をした。そのとき、
松野証券局長
の言うことに疑問を持ちませんでしたか。こんなことをしていいだろうか、そういうふうに疑問を持たなかったのですか。
三木淳夫
270
○
三木証人
持ちました。
保坂展人
271
○
保坂
委員
当然、持って当然なんです。 では、そういう疑問を持ったのに、なぜ、もうその日のうちに、その方向で
処理
をしようというふうに決めてしまったのですか。
三木淳夫
272
○
三木証人
私も疑問を持ちましたので、その判断をみんなに仰ごうということで、早速、帰ってみんなに紹介したわけでございます。それで、みんなの意見が、それならやむを得ないという判断であったというぐあいに
記憶
しております。
保坂展人
273
○
保坂
委員
ソファーから立ち上がるときに、一相場あれば解決ですよと言われたという場面がまた後にございましたよね。その言葉を聞いて、どのように
考え
ましたか。
三木淳夫
274
○
三木証人
いやまあ随分気楽なものだなという
感じ
でございました。
保坂展人
275
○
保坂
委員
まさに、片時も忘れられないほど大きな問題に膨らんでいくわけですけれども、先ほども触れられましたが、九五年の七月に、現状に危機感を持った
企画室長
らの動きで、これを、いろいろなうみをディスクロージャーして出してしまおうということで、いわば
山一
再建のために合宿をやろうということをあなたはとどめたわけですが、その判断は、これは間違っていたというふうに思いますか。こういうときに、きちっとうみを出しておくべきだったのじゃないですか。
三木淳夫
276
○
三木証人
基本的な
考え
方はそうだと思いますが、そのためには準備が必要だというぐあいに思ったわけでございます。ただ不用意にこういう公開だけしますと、つまらぬうわさが出たり、それが取りつけに発展したりしたのじゃ困るということで、全くやめてしまえ、こういうことじゃございません。
保坂展人
277
○
保坂
委員
まさに
最初
の発端のところで、
証券局
長のまさに示唆どおりの
処理
をしてきたわけで、当然、ディスクローズをするかどうか、情報を開示してうみを出すかどうかについては
大蔵省
と相談されましたか、この時点で。
三木淳夫
278
○
三木証人
相談しておりません。
保坂展人
279
○
保坂
委員
先ほど接待のことがありましたが、どうでしょう、
山一証券
に入社をされて、
大蔵省
の接待の席をつくるという機会はこれまでに相当
程度
ありましたか。例えば、大体で結構ですから、どのぐらいあったのか。そして、ゴルフ、料亭、その他贈り物など、相当
程度
接待ということが
山一
の中にあったということを聞いていますが、御自身の経験から、特に歴代
証券局
長に対する接待について、きちっとお答えいただきたいと思います。
三木淳夫
280
○
三木証人
それなりのおつき合いはあったと思いますが、同業他社に比べれば、むしろ少ない部類だったのじゃないかと思います。 それで、
局長
とのゴルフというのは、ほとんど
記憶
がございません。
保坂展人
281
○
保坂
委員
飛ばしの問題については、去年の春から、いわゆる
山一
の破綻の前、雑誌東洋経済に、もう既に具体的にきめ細かく出ているわけです。それについて
山一証券
は告訴もしていないわけですね。
山一
の場合、監査は中央監査法人が担当していたそうですが、普通に
考え
て、担当の公認会計士が飛ばしの存在を知らないはずがないと思うのですが、飛ばしについて公認会計士とどのような打ち合わせを重ねてきたのか、その点について伺います。
三木淳夫
282
○
三木証人
飛ばしについて公認会計士と打ち合わせをしたことはないと思います。
保坂展人
283
○
保坂
委員
そうすると、公認会計士は、いわば裏の、その飛ばしのところは一切関知しない形で見ていた、こういうことでよろしいですか。
三木淳夫
284
○
三木証人
そのように思います。
保坂展人
285
○
保坂
委員
先ほどの
発言
で、非常に意外に思った一言があります。それは、東京地検やSECの強制捜査を受けて、次々と、御自身も
逮捕
される、そしてまた
役員
も総退陣するということが予期しない出来事であったという一言なんです。予期しない出来事という
認識
では、これは本当に反省に結びつかないというふうに思います。 例えば、小池総会屋が、三億預けるから三千万つけてくれと言われたときに、これは必ず違法な
取引
になりますよということを当然
社長
なら
考え
るわけで、そこでストップをしておければこんなことにならなかった。あるいは、
松野証券局長
の、その、随分気軽な一言だなというときに、きちっと判断をすればよかった。そういう反省はありませんか。
三木淳夫
286
○
三木証人
いや、もう反省しております。
保坂展人
287
○
保坂
委員
山一証券
が破綻の直前に自社株を大量に売って問題になっていると言われています。これはもう既に
訴訟
も起きている。
山一
にはこういった被害者の苦情が多々来ているのではないかと思うのですね。
山一
株主被害者の会が行ったアンケートによると、四大証券には倒産の心配は絶対にない、あるいは、人に迷惑をかけるような
山一
ではない、ことし
最後
のバーゲンだと思ってください、私たち
山一
の
社員
も買っているなどと言って顧客に
山一
の株購入を勧めていたということで、多大な損害を
最後
の
最後
までもたらしてしまったということに対して、
経営
に
責任
を持ってきた者として、謝罪の言葉はありませんか。どういうふうに思われますか。この事実も含めて確認したいと思います。
三木淳夫
288
○
三木証人
私、昨年の八月、退職いたしまして、それ以来、
会社
の方とは全く接触をしておりませんので、その辺のことはよくわかりません。
保坂展人
289
○
保坂
委員
どうも
責任
を持った言葉というのが余り聞かれないんですけれども、
大蔵省
の監督のもとにあって、
大蔵省
の指導下に
山一証券
があったことは歴然としています。決定的なところで大きくかじを切り損ねて
自主廃業
に至ってしまったということについて、その当時の
松野証券局長
、そして
大蔵省
に、現在あなたが言いたいということはありませんか。
三木淳夫
290
○
三木証人
どういうぐあいに表現したらいいかよくわかりません。
保坂展人
291
○
保坂
委員
一言ないですか。
三木淳夫
292
○
三木証人
特に表現のしようがございません。
保坂展人
293
○
保坂
委員
極めて残念です。 終わります。
越智通雄
294
○
越智委員長
これにて
保坂
君の
発言
は終わりました。 以上をもちまして
三木証人
に対する
尋問
は終了いたしました。
証人
は御退席くださって結構であります。御苦労さまでございました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十三分散会