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1998-06-04 第142回国会 衆議院 本会議 第44号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十年六月四日(木曜日)
—————————————
議事日程
第三十二号
平成
十年六月四日 午後一時
開議
第一
教育職員免許法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
参議院送付
) 第二
美術品
の
美術館
における
公開
の
促進
に関する
法律案
(
内閣提出
、
参議院送付
)
—————————————
○本日の
会議
に付した案件 元
自由民主党総裁
前
議員宇野宗佑
君逝去につき
弔詞
を贈呈することとし、
弔詞
は
議長
に一任するの件(
議長発議
)
パキスタン
の
核実験
に抗議し、あらゆる国に今後の
核実験中止
を求める
決議案
(
亀井善之
君外十名
提出
)
日程
第一
教育職員免許法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
参議院送付
)
日程
第二
美術品
の
美術館
における
公開
の
促進
に関する
法律案
(
内閣提出
、
参議院送付
) 午後一時三分
開議
伊藤宗一郎
1
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
弔詞贈呈
の件
伊藤宗一郎
2
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) お諮りいたします。 元
自由民主党総裁
前
議員宇野宗佑
君は、去る五月十九日逝去されました。まことに
哀悼痛惜
の至りにたえません。 つきましては、
宇野宗佑
君に対し、
弔詞
を贈呈いたしたいと存じます。
弔詞
は
議長
に一任されたいと存じます。これに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊藤宗一郎
3
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
弔詞
を朗読いたします。 〔
総員起立
〕 元
自由民主党総裁
前
衆議院議員従二位勲一等宇野宗佑
君は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され しばしば国務大臣の任につき
内閣総理大臣
の重責をにない国政を統理されました 君は
国民生活
の
充実
と
国際的地位
の向上に貢献されました その功績はまことに偉大であります
衆議院
は 君の長逝を哀悼し つつしんで
弔詞
をささげます この
弔詞
の
贈呈方
は
議長
において取り計らいます。
————◇—————
田野瀬良太郎
4
○
田野瀬良太郎
君
議事日程追加
の
緊急動議
を
提出
いたします。
亀井善之
君外十名
提出
、
パキスタン
の
核実験
に抗議し、あらゆる国に今後の
核実験中止
を求める
決議案
は、
提出者
の要求のとおり、
委員会
の
審査
を省略してこれを上程し、その
審議
を進められることを望みます。
伊藤宗一郎
5
○
議長
(
伊藤宗一郎
君)
田野瀬良太郎
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊藤宗一郎
6
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
日程
第一に先立ち追加されました。
—————————————
パキスタン
の
核実験
に抗議し、あらゆる国に今後の
核実験中止
を求める
決議案
(
亀井善之
君外十名
提出
)
伊藤宗一郎
7
○
議長
(
伊藤宗一郎
君)
亀井善之
君外十名
提出
、
パキスタン
の
核実験
に抗議し、あらゆる国に今後の
核実験中止
を求める
決議案
を
議題
といたします。
提出者
の
趣旨弁明
を許します。
亀井善之
君。 〔
亀井善之
君
登壇
〕
亀井善之
8
○
亀井善之
君 私は、
自由民主党
、民主党、平和・改革、自由党、社会民主党・
市民連合
を代表いたしまして、ただいま
議題
となりました
パキスタン
の
核実験
に抗議し、あらゆる国に今後の
核実験中止
を求める
決議案
につきまして、
提案
の
趣旨
を御
説明
申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。
パキスタン
の
核実験
に抗議し、あらゆる国に今後の
核実験中止
を求める
決議案
五月三十日、
パキスタン
は二十八日の
地下核実験
に引き続き、
我が国
及び
国際社会
の抗議と
自制
を求める声を無視する形で二回目の
核実験
を強行した。かかる
行為
は、
地球環境
と
生態系
を破壊し、さらに
世界
の大多数の国が支持している核不
拡散体制
への重大な
挑戦
であり、
南西アジア地域
のみならず
地球規模
での
核開発競争
を惹起させるおそれがある。 本院は、
パキスタン
の
核実験
に厳重に抗議し、
パキスタン
が直ちに今後の
核実験
を中止し、
無条件
に核不
拡散条約
及び
包括的核実験禁止条約
に加入することを強く求めると同時に、
インド
を含めた全ての国家が核不
拡散
と
核軍縮
に真に努めることを希求する。
政府
は、本院の
趣旨
を体し、
パキスタン政府
に対し、
核実験
と
核兵器開発
の
即時停止
を求め、同時に
包括的核実験禁止条約
の
早期発効
に一層
努力
すべきである。 右
決議
する。 以上であります。
我が国
は、広島と長崎に
原子爆弾
が投下され甚大な被害を受けた
唯一
の
被爆国
として、
人類
が二度とこのような悲惨な災いを繰り返さないよう、あらゆる国のいかなる
核実験
に対しても断固として
反対
の態度を表明してまいりました。 本院は、過去九回にわたり
核実験反対
の
決議
を行い、国際平和と安全のために、
核実験禁止
を
日本国民
の
悲願
として強く表明してまいりました。去る五月十四日にも、本院は、
核兵器廃絶
への不断の
努力
を行うことを誓い、
インド
の
核実験
に抗議し、直ちに今後の
核実験中止
を求める
決議
を行ってきたところであります。 しかるに、
我が国
のみならず
世界各国
からの
自制
を求める声を無視し、
パキスタン
は、去る五月二十八日、
地下核実験
を行い、また、
国際社会
からの非難や憂慮の声が相次ぐ中、再び五月三十日にも
核実験
を強行しました。 本院は、このような
パキスタン
の
行為
は全
人類
の
悲願
を裏切るものであり、極めて遺憾であり、厳重に抗議するとともに、あらゆる国に今後の
核実験中止
を求めるものであります。
政府
においては、
我が国
が
唯一
の
被爆国
であるとの立場から、あらゆる国の
核廃絶
に向け率先して行動し、
パキスタン政府
に対し、直ちに適切な
措置
を講ずるとともに、
国際会議等
の場において
核実験
の
即時停止
及び
核兵器開発
の
停止
を求め、同時に、
包括的核実験禁止条約
の
早期発効
に一層
努力
すべきであります。 何とぞ、
議員各位
の御賛同をお願いいたします。(
拍手
)
—————————————
伊藤宗一郎
9
○
議長
(
伊藤宗一郎
君)
採決
いたします。
本案
を可決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊藤宗一郎
10
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
本案
は可決いたしました。 この際、
内閣総理大臣
から発言を求められております。これを許します。
内閣総理大臣橋本龍太郎
君。 〔
内閣総理大臣橋本龍太郎
君
登壇
〕
橋本龍太郎
11
○
内閣総理大臣
(
橋本龍太郎
君) ただいまの御
決議
に対しまして所信を申し述べます。
政府
は、これまで、
理由
のいかんを問わず、
核実験
は
停止
すべきである旨強く主張してきたところであり、
インド
に引き続き、
パキスタン
が二回にわたり
核実験
を行ったことは、遺憾のきわみであります。これらの
核実験
は、国際的な核不
拡散体制
に対する大きな
挑戦
であり、容認できるものではなく、
インド
及び
パキスタン両国
に対しては、
経済協力面
を含む
一連
の
措置
をとったところであります。また、
インド
及び
パキスタン両国
には、
核実験
及び
核開発
の
即時停止
と、NPT及びCTBTの
無条件締結
を強く求めたいと思います。さらに、
インド
及び
パキスタン
の
核実験実施
は、
両国
間の緊張を高めるとともに、
南アジア地域
、さらには
世界
の
安全保障
に影響を及ぼすものとして懸念しており、
地域
のすべての
関係国
に対し、
最大限
の
自制
を呼びかけたいと思います。
政府
は、今般の
一連
の
核実験実施
を受け、
国連安保理
において、
スウェーデン等
とともに
決議案
を
提出
し、
安保理メンバー国
と協議を行っております。また、来るG8
外相会合
においても、
世界
的な
核軍縮
と核不
拡散体制
の強化を呼びかけたいと思います。さらに、今般、
世界
の官民の有識者の参加を得た
核軍縮
・不
拡散
に関する
緊急行動会議
を
早期
に発足させることを提唱したところであります。
政府
といたしましては、ただいま採択されました御
決議
の
趣旨
を体し、核不
拡散体制
の危機及び
南アジア地域
の不安定な状況に対処すべく、引き続き
最大限
の
努力
を払うとともに、
国際社会
に対し、結束して対処するよう呼びかけてまいる所存でございます。(
拍手
)
————◇—————
日程
第一
教育職員免許法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
参議院送付
)
日程
第二
美術品
の
美術館
における
公開
の
促進
に関する
法律案
(
内閣提出
、
参議院送付
)
伊藤宗一郎
12
○
議長
(
伊藤宗一郎
君)
日程
第一、
教育職員免許法
の一部を改正する
法律案
、
日程
第二、
美術品
の
美術館
における
公開
の
促進
に関する
法律案
、右両案を一括して
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
文教委員長高橋一郎
君。 〔
高橋一郎
君
登壇
〕
高橋一郎
13
○
高橋一郎
君 ただいま
議題
となりました両
法律案
につきまして、
文教委員会
における
審査
の経過及び結果を御
報告
申し上げます。 まず、
教育職員免許法改正案
について申し上げます。
本案
は、
大学等
における
教員養成
の
充実
及び
学校
での
社会人活用
の
促進等
を図ろうとするもので、その主な
内容
は、 第一に、
教員免許状
の
取得
に必要な
科目
について、教職に関する
科目
の
履修
の
単位数
を引き上げるとともに、
専修免許状
以外の
免許状
の
取得
についても
選択履修方式
を導入すること、 第二に、
社会人
を
学校教育
に活用するための
制度
について、
特別非常勤講師
及び
特別免許状
の
適用対象
を幼稚園以外のすべての
学校
に拡大するほか、
特別非常勤講師
の
採用手続
及び
特別免許状
の
有効期間
について改善を加えること、 第三に、現職の
養護教諭
として三年以上の
勤務経験
を有する者は、保健の教科の教授を担任できること などであります。 なお、この
法律
は、
平成
十年七月一日から施行することとしております。
本案
は、
参議院先議
に係るもので、去る五月二十二
日本委員会
に付託となり、同日
町村文部大臣
から
提案理由
の
説明
を聴取した後、同月二十七日から
質疑
に入り、
参考人
の
意見聴取
も含めて慎重に
審議
を行い、六月三日
質疑
を終了し、討論、
採決
の結果、
賛成
多数をもって
原案
のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、
附帯決議
が付されました。 次に、
美術品公開促進法案
について申し上げます。
本案
は、
美術品鑑賞
の機会の拡大を図るため、
美術品
について
登録制度
を実施し、
登録美術品
の
美術館
における
公開
を
促進
しようとするもので、その主な
内容
は、 第一に、
重要文化財
である
美術品
及び
世界文化
の見地から歴史上、芸術上または学術上特にすぐれた価値を有する
美術品
の
所有者
は、申請により、その
美術品
について
文化庁長官
の
登録
を受けることができることとすること、 第二に、
所有者
は、
登録
後三月以内に
登録美術品公開契約
を締結し、
登録美術品
を
美術館
の
設置者
に引き渡さなければならないこととするとともに、
美術館
の
設置者
は、
登録美術品
の
公開
及び保管の計画を作成し、その積極的な
公開
を行わなければならないこととすること、 第三に、
租税特別措置法
の一部を改正し、
登録美術品
について、
相続税
の物納が認められる場合の
優先順位
を第一位とすること などであります。 なお、この
法律
は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行することとしております。
本案
は、
参議院先議
に係るもので、去る五月二十六
日本委員会
に付託されたものであります。 本
委員会
におきましては、五月二十七日
町村文部大臣
から
提案理由
の
説明
を聴取した後、六月三日
質疑
を行い、
採決
の結果、
全会一致
をもって
原案
のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、
附帯決議
が付されました。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
—————————————
伊藤宗一郎
14
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) これより
採決
に入ります。 まず、
日程
第一につき
採決
いたします。
本案
の
委員長
の
報告
は可決であります。
本案
を
委員長報告
のとおり決するに
賛成
の諸君の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
伊藤宗一郎
15
○
議長
(
伊藤宗一郎
君)
起立
多数。よって、
本案
は
委員長報告
のとおり可決いたしました。 次に、
日程
第二につき
採決
いたします。
本案
は
委員長報告
のとおり決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊藤宗一郎
16
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
本案
は
委員長報告
のとおり可決いたしました。
————◇—————
伊藤宗一郎
17
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十一分散会