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1998-03-20 第142回国会 衆議院 本会議 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年三月二十日(金曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第十一号   平成十年三月二十日     午後一時開議  第一 公害健康被害補償等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第二 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第三 主要農作物種子法の一部を改正する法律案内閣提出)  第四 青年就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  永年在職議員江藤隆美君に対し、院議をもって功労表彰することとし、表彰文議長に一任するの件(議長発議)  平成年度一般会計予算  平成年度特別会計予算  平成年度政府関係機関予算  日程第一 公害健康被害補償等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第二 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第三 主要農作物種子法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第四 青年就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  地方税法等の一部を改正する法律案内閣提出)  地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣提出)  平成年度における財政運営のための公債発行特例等に関する法律案内閣提出)  法人税法等の一部を改正する法律案内閣提出)  租税特別措置法等の一部を改正する法律案内閣提出)     午後一時三分開議
  2. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  永年在職議員表彰の件
  3. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) お諮りいたします。  本院議員として在職二十五年に達せられました江藤隆美君に対し、先例により、院議をもってその功労表彰いたしたいと存じます。  表彰文議長に一任されたいと存じます。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。  表彰文を朗読いたします。  議員江藤隆美君は衆議院議員に当選すること九回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意の伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもってこれを表彰する     〔拍手〕  この贈呈方議長において取り計らいます。     ―――――――――――――
  5. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) この際、江藤隆美君から発言を求められております。これを許します。江藤隆美君。     〔江藤隆美登壇
  6. 江藤隆美

    江藤隆美君 本日は、平成年度予算案が夜にでもこの本会議場で可決されようというときに、極めて多事多難、緊迫した中にもかかわりませず、この私のために表彰の本会議を開いていただきまして、まことにありがたく、厚くお礼を申し上げます。(拍手)  私は、宮崎県のしがない百姓家の八人兄弟の次男坊としてこの世に生をうけました。一九二九年、ニューヨークのウォール街の株式の大暴落を契機として、世界は大恐慌となりました。我が国の産業とても例外ではなく、町には失業者があふれ、そして、農村塗炭苦しみに陥ったころであります。  私どもが小学校のころには、四キロの道を、今ごろははだしで通っていました。ほとんどの友達は、新しい教科書を手にすることもできませんでした。修学旅行にも行けない者がたくさんおりました。日本の長い歴史の中で、農村が一番塗炭苦しみを味わった時代ではないかと思います。それが、私の物心ついたころであります。  その中で、あるとき、先生から一つの詩を教わりました。もっとお金が欲しいな、せめてズックぐらい欲しいな、せめて教科書ぐらい新しいのが欲しいな、そう思っておるときに、   空いっぱいに広がった   山のふもとシイの木は   根元に草も寄せつけぬ   山の中から転げ出て   人に踏まれたカシの実が   シイを見上げてこう言った   今に見ていろ僕だって   見上げるほどの大木に   なってみせずにおくものか   何百年かたった後   山のふもと大木は   あのシイの木かカシの実か  これが人生のどれほどの励みになりましたことか。自分大木になったとは思いません。老木になったと思いますが、人生の大きな教訓であり、支えでもありました。(拍手)  東京で結婚をしまして、十一カ月目に家内を連れて今の選挙区に、落下傘のように百日前に行きました。家もなし、自転車に乗って、地下足袋履いて、死に物狂いで歩きました。あの山越えて里越えて、また、あの山越えて里越えて、そして、毎日一人でいい、一人で、自分の生涯の友を求めようと思って走り回りました。  ですから、どんな山間僻地といえども、大都会だけが日本ではない、ここも日本だ、ここにおいて朝星、夕星をいただいて働きづめに働いていく人たちも同じ日本人であるとするならば、いささかなりとも政治の恩恵があっていいのではなかろうかな、政治とは弱い者のために汗して働くものであると私は思ってきました。(拍手)  昭和四十四年、この衆議院に籍を置かせていただきました。もちろん無所属の立候補であります。当時、自民党は、四十四名当選をいたしました。今、我が党に残る者、わずか十一名となりました。人生の厳しさ、はかなさを改めて思い知ることばかりであります。  私が忘れることのできないのは、中曽根内閣のときに国会対策委員長を拝命しました。初めて与野党逆転したときのことであります。朝駆け夜駆け、そして国会はしばしば中断をしました。大雪の朝に心筋梗塞で倒れて、救急車で虎の門病院に運び込まれて、二カ月間入院をしました。やっと出てきたときには、つえをつきながらやっと歩いておりました。その二カ月後に、再び国対委員長に戻れという命がございました。健康体にもなれない、よろよろとする中で、どうせ政治家を志したらここも命の捨て場所かなと思って、お引き受けをいたしました。  そのとき私を必死に支えてくれた当時の副委員長諸君が、この席にもおられます。そして、当時の社会党、公明党、民社党、共産党はどうだったかよく覚えておりませんが、三党の国対委員長諸君が、あいつは命をかけておる、命を落とさせてはいかぬといって、あの厳しい与野党対決の中に温かい御配慮をいただきました。(拍手)私は、政治世界にも情けと武士道があるとそのときに感動したものであります。そのときの三人の国対委員長は、この議場におりません。極めて残念なことであります。  それから、ようやくにして健康を取り戻し、建設運輸大臣を経て、総務庁長官となりました。野党諸君から不信任案をいただいたのも、そのときであります。この席で、私は、二時間ほど時間をちょうだいして自分の所信を述べたいと考えました。それが許されませんで、辞表を提出したところであります。そのときの総理大臣は、村山総理大臣でありました。  しかし、今顧みて、我々が当選したころは、学生運動華やかなりしころ、そして、全国どこへ行っても労働争議、赤旗の立たない日はなかったころであります。それから今や、平穏無事な世界になった。国会にもデモ隊が押し寄せてきたし、大騒動しておりました。今はさざ波一つ立たない平和な国になりました。  私は、予算委員会を通じ、そして本会議のこの場所での代表質問を通じて、この国会にも新しい息吹、新しい考え方と新しい理想を求めて国会に出てこられた若い人々がたくさんおられることを心から喜びます。  しかし、きょう一つだけお願いしたいことがあります。一体我々は、祖先伝来の伝統を引き継いで、これから二十一世紀に向けて日本は何を目指し、いかなる国家をつくるために努力するのか。国民理想とは一体何だ、銭金で終わるのか。  私は、あえて本日の表彰の席に免じてお許しをいただきたい。  若い諸君に申し上げたい。日本人とは何だ、日本という国家とは何だ、それをもう一度、日本のよって来った歴史を私どもは静かにおもんぱかるときが来たのではないかと思います。自分歴史を知らず、今日までの歩みを知らずして、国家の未来を説くことはできません。(拍手)  私は、この表彰のために本会議を設定していただいた議員諸君の御好意に心から感謝をいたします。  これもひとえに、こういう暴れ馬みたいな男でありましたが、県議会から数えて四十年、ただひたすらに私を守り、励まし、叱咤激励してくださった郷土の皆さんのおかげであると思います。(拍手)この地から、この壇上から、はるか我がふるさとの皆さんに対して、万感の思いを込めてお礼を申し上げたいと思います。  そして、負けるな、負けるな、貧しくとも卑しくあるなと教えてくれた今は亡き父と、九十六歳の母に感謝をささげます。(拍手)  また、きょうは、私の大事な家族を傍聴席にお招きをいただいて、この感激をともに味わわせていただきました。(拍手)  今後まさに、国事多事多難国会がしっかりしなくてだれがこの日本の危急存亡のときを救えますか。今こそ国会が、役人でもなければ財界でもない、国会が性根を据えて国家国民のために汗を流すときだと思います。  心からのお礼を申し上げ、長い間御指導と御鞭撻を賜りました先輩議員、同僚の皆さんに心からの感謝の誠をささげて、お礼のごあいさつといたします。  本日はまことにありがとうございました。(拍手)      ――――◇―――――
  7. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) この際、暫時休憩いたします。     午後一時十九分休憩      ――――◇―――――     午後九時二十三分開議
  8. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。      ――――◇―――――
  9. 田野瀬良太郎

    田野瀬良太郎君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  平成年度一般会計予算平成年度特別会計予算平成年度政府関係機関予算、右三案を一括議題とし、委員長報告を求め、その審議を進められることを望みます。
  10. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 田野瀬良太郎君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一に先立ち追加されました。     ―――――――――――――  平成年度一般会計予算  平成年度特別会計予算  平成年度政府関係機関予算
  12. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 平成年度一般会計予算平成年度特別会計予算平成年度政府関係機関予算、右三案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。予算委員長越智通雄君。     〔越智通雄登壇
  13. 越智通雄

    越智通雄君 ただいま議題となりました平成年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  この予算三案は、去る一月十九日本委員会に付託され、二月十九日松永大蔵大臣から提案理由説明を聴取し、同二十四日から質疑に入り、公聴会証人喚問分科会を行い、本日討論採決をいたしたものであります。  まず、予算概要について申し上げます。  平成年度一般会計予算規模は七十七兆六千六百九十二億円であり、前年度当初予算に対し〇・四%の増加となっております。  歳出のうち、国債費及び地方交付税交付金を除いた一般歳出規模は四十四兆五千三百六十二億円であり、前年度当初予算に対し一・三%の減少となっております。  歳入のうち、租税及び印紙収入は五十八兆五千二百二十億円が見込まれております。また、公債発行額は、建設公債八兆四千二百七十億円、特例公債七兆千三百億円で、合計十五兆五千五百七十億円が予定されております。この結果、公債依存度は二〇%となっております。  特別会計及び政府関係機関予算につきましても、資金の重点的、効率的配分を行い、事業の適切な運営を図ることとされており、その数は、特別会計で三十八、政府関係機関で十一でありまして、ともに前年度と変わりありません。  なお、財政投融資計画規模は四十九兆九千五百九十二億円であり、前年度計画額に対し二・七%の減となっております。  次に、質疑について申し上げます。  質疑は国政の各般にわたって行われたのでありますが、その主なものは、第一に、景気見通し及び財政構造改革景気対策との整合性についてであります。  まず、景気見通しについて、質疑者から、「政府景気判断経済政策を誤り、それが今日の政策不況を生んでいるのではないか」、「平成年度経済成長見通し一・九%は変えなくてもよいのか。また、景気回復はいつごろになると考えているのか」との趣旨質疑があり、これに対し、橋本総理及び尾身経済企画庁長官から、「バブル崩壊を踏まえて適切に施策を行ってきたが、資産価格の大幅かつ急激な変動が国民経済に及ぼす影響についての的確な認識が不十分だったと率直に批判を受けとめる」、「昨年は、当初予想しなかった、七月からのアジアの経済危機、さらには相次ぐ金融破綻等があり、秋口から急速に景況感が低下したが、本年に入り、金融関連法が成立したことで、金融システムに対する不安感がかなり改善してきている。また、平成年度補正予算が成立し、二兆円の特別減税景気への刺激効果を持つ状況となっている。加えて、平成年度予算案法人税減税などを四月初めから施行できるようになれば、平成年度成長率一・九%は実現できるものと考えている」旨の答弁がありました。  また、質疑者から、「財政構造改革法の枠組みを崩さずに財政出動は可能か」、「財革法改正して、運用停止条項を設け、景気低迷期には一律削減キャップ目標を先延ばしする等、柔軟性が必要ではないか」との趣旨質疑があり、これに対し橋本総理から、「財政構造改革必要性は変わらない。ただし、経済情勢に対応し臨機応変の措置をとるのは当然である」、「現状で最善の予算を編成し、審議してもらっている。一日も早く予算を成立させ、新年度に切れ目なく執行できるのが何よりも大きな景気対策である」旨の答弁がありました。  また、質疑者から、「本予算審議中に、自民党幹部から追加的経済対策について言及がなされているが、問題ではないか」との趣旨質疑があり、これに対し橋本総理から、「予算編成政府与党一体で行っており、これを国会に御審議を願っておる」との答弁がありました。  第二に、銀行の貸し渋り対策公的資金導入についてであります。  質疑者から、「通産省の調査では、中小企業のみならず、中堅、大企業の四割が貸し渋りの影響を受けている。政府はどのような対策を考えているのか」、また、「大手銀行に対して公的資金を導入することによって、どの程度貸し渋りが改善されると考えているのか」との趣旨質疑があり、これに対し堀内通産大臣及び松永大蔵大臣から、「公的資金導入により自己資本がふえ、したがって貸し付ける能力が大きくなる。その結果として、貸し渋りにも相当貢献していくものと思われる」旨の答弁がありました。  第三に、公務員倫理についてであります。  大蔵省及び日銀職員の不祥事について、質疑者から、「倫理規程ではなく、罰則を伴う公務員倫理法が必要なのではないか」、また「金融業界との癒着の温床の一つ大蔵省日銀からの天下りがあるのではないか」との趣旨質疑があり、これに対し橋本総理及び松永大蔵大臣から、「公務員倫理法の制定には踏み切らざるを得ないので、いろいろな角度から検討を行っている」との答弁がありました。  第四に、外交、防衛問題として、沖縄米軍基地問題、新ガイドラインと集団的自衛権との関係並びに日ロ日韓関係、ODAのあり方等について種々の質疑が行われました。  そのほか、事項といたしましては、国鉄長期債務処理策是非、低金利政策見直し問題、山一証券株式会社の簿外債務問題、郵政三事業改革あり方等行政改革問題、少年犯罪多発の原因と少年法改正是非社会保障福祉政策あり方中心市街地活性化対策の推進、地球温暖化防止対策強化等について質疑が行われましたが、その詳細については会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくて、本日質疑を終局したところ、民友連、平和・改革自由党及び日本共産党から、それぞれ平成年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、五島正規君、北側一雄君、加藤六月君及び春名直章君から趣旨説明がありました。  次いで、予算三案及び各動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党を代表して石川要三君から政府原案賛成、四動議反対民友連を代表して高木義明君から同会派提出動議賛成政府原案及び他の会派提出の三動議反対、平和・改革を代表して西川知雄君から同会派提出動議賛成政府原案及び他の会派提出の三動議反対自由党を代表して中井洽君から同会派提出動議賛成政府原案及び他の会派提出の三動議反対日本共産党を代表して矢島恒夫君から同会派提出動議賛成政府原案及び他の会派提出の三動議反対、社会民主党・市民連合を代表して上原康助君から政府原案賛成、四動議反対の意見が述べられました。  討論終局後、採決の結果、それぞれの動議はいずれも否決され、平成年度予算三案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  14. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 平成年度一般会計予算外二案に対しては、岩田順介君外三名から、三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。  この際、その趣旨弁明を許します。五島正規君。     〔五島正規登壇
  15. 五島正規

    五島正規君 私は、民友連を代表して、平成年度一般会計予算平成年度特別会計予算及び平成年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及びその概要を御説明いたします。  提案に先立ち、民友連予算組み替え要求に対する昨日の自由民主党回答について一言申し上げたいと思います。  昨年末以来の大型金融破綻中小企業の倒産、銀行の貸し渋りによって資金繰りに行き詰まった経営者の相次ぐ自殺など、まじめに働いている国民を苦しめているのは橋本内閣経済無策、失策であると、私たち委員会審議においても政府与党に対する申し入れにおいても再三にわたって指摘してまいりました。しかし、昨日の自民党回答は、この指摘に対して何ら答えるものではなく、橋本総理が本委員会でも繰り返した官僚答弁そのものという極めて不誠実な内容でありました。  橋本政権経済状況に対する危機意識のなさには驚くばかりです。拓銀破綻山一証券自主廃業というショッキングな事態に直面しても、国民へのメッセージはおろか、徹底した問題探求、解決のための制度改革といった努力のかけらも見ることはできませんでした。  それどころか、政府与党は誤った政策態度をとり続け、我が国の状態をますます悪化させています。この間の批判すべき政府与党の悪行は、大きく言って三つあります。  第一に、大手都市銀行を初めこれまでの低金利政策国民の大切な個人資産を吸い上げながら、不良債権などの情報公開も十分に行わない銀行に、国民の血税を最大三十兆円もつぎ込むことを可能とする金融関連二法を強硬に成立させ、これを金融システム安定化対策であると強弁してきたことであります。  第二は、野党が要求してきた山崎拓議員証人喚問大蔵省金融検査資料全面開示を拒否し、政官業癒着汚職事件解明を阻んできたことです。  この間、日興証券による不正利益供与を問われた新井将敬議員が自殺し、キャリアを含む大蔵省現役官僚日銀幹部が逮捕されるという前代未聞の金融汚職が発覚しているというのに、政府与党国民不信、不安をこのままに、今後も日本という国が成り立っていくと本気で考えているのでしょうか。  一昨日の予算委員会における松野元大蔵省証券局長に対する証人喚問によって、山一証券自主廃業に追いやったのは大蔵省当局の無責任な行政指導であったことが明らかになっています。職を失った七千五百人の山一社員怒りは全国民怒りでもあります。  第三は、与党幹部発言政府公式見解を二枚舌に使い分け、本予算成立後の大型補正予算編成という景気対策を既定路線化してきたことです。  民友連は、政府予算案提出以前から、一回限りの二兆円特別減税では景気回復には不十分であると主張し、六兆円規模減税を初めとする緊急経済対策を提示してきました。政府与党はこうした野党建設的提案官僚答弁でかわし続け、昨日の自民党回答でも組み替えは適当でないと述べながら、その裏では米国政府地元選挙区の顔色をうかがいながら大型補正を準備するという矛盾した態度をとっているのです。  こうした政府与党態度そのものが、本予算欠陥予算であることを露呈するものであります。  民友連は、国民の希望と信頼を取り戻すべく、政府提出予算案撤回を要求し、以下の重点項目に基づいて抜本的な組み替えを行うよう求めるものであります。  その第一は、六兆円減税の実施であります。  税率構造見直し、諸控除の拡充などによる三兆円規模所得税恒久減税法人課税実効税率の四〇%への引き下げ有価証券取引税取引所税の廃止、住宅環境などを改善するための政策減税を柱とする計六兆円規模減税を行い、その財源措置としては、償還期限十年以内で、借りかえを認めない公債発行することを提案します。  第二は、予算総則に関して、預金保険機構が負担する債務のうち、金融危機管理業務に関する十兆円の政府保証にかかわる記述を削除することです。  第三は、財政構造改革法改正です。  財政構造改革法は、単なる数合わせであるのみならず、当面の景気回復政策阻害要因になっていると言わざるを得ません。  まず、特例公債建設公債との区別をなくし、特例公債の毎年度の減額、平成十五年度までに特例公債発行額をゼロとする目標を廃止するべきです。また、平成十五年度までに国と地方財政赤字を対GDP比三%以下にすることとする規定の再検討も行うべきであります。財政を硬直化させる項目別キャップを外し、経済成長率が一%を下回る見通しの場合には柔軟に対応できるようにするなど、同法の改正を要求します。  最後に、公共事業コスト削減と投資の重点化効率化を図る見直しを行うことであります。  以上が、民友連提出動議概要であります。  議員各位におかれましては、現在の日本経済が置かれている危機的状況爆発寸前とも言える国民不信と不安を十分に認識され、政治の責任として危機を乗り越える勇気と気概を持って本動議に御賛同賜りますようお願い申し上げまして、私の提案理由説明を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  16. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより、予算三案に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行います。順次これを許します。中山利生君。     〔中山利生登壇
  17. 中山利生

    中山利生君 私は、自由民主党を代表して、平成年度予算三案に対し、賛成討論を行うものであります。(拍手)  以下、本予算案賛成する主な理由を順次述べます。  賛成の第一の理由は、本予算案が、内外の厳しい経済金融情勢に配慮するものとなっている点であります。  平成年度予算は、財政構造改革成立後初めての予算として、一般歳出を五千七百億円、一・三%縮減する一方で、厳しい経済情勢を踏まえ、歳入面では、法人課税については、法人税基本税率の三%引き下げ法人事業税基本税率の一%引き下げ等を行うとともに課税ベース適正化を図り、土地住宅税制についても、地価税課税停止土地譲渡益課税の軽減、居住用財産譲渡損失繰越控除の創設などの措置を講じ、金融関係税制についても、有価証券取引税取引所税税率を半減することとし、国、地方合わせて八千四百億円の思い切った減税を行うこととしております。  また、金融システム安定化策の一環として、預金保険機構の借入金に係る二十兆円の政府保証額を十年度予算総則において設定することとしております。  なお、歳出面においても、例えば、将来の経済発展に向けての基盤整備のため、科学技術振興費に関して、創造的、基礎的研究の充実に配慮し、対前年度、四・九%増額したところであります。  さらに、公共事業関係費については、七・八%の縮減を図ったものの、物流の効率化対策に資するものを中心とした経済構造改革関連の社会資本及び生活関連の社会資本について重点的に整備することとしたところであります。  賛成の第二の理由は、本予算が、財政の中身の改革に踏み込んだ、財政構造改革の観点を踏まえたものとなっていることであります。  先般成立した財政構造改革法においては、公共事業関係費などの主要な経費ごとに、その性質に応じてめり張りのきいた量的縮減目標を設定するとともに、歳出の中身についても、各種の制度改革検討を義務づけております。  十年度予算においては、この法律に従って縮減目標を達成するとともに、歳出の中身について、公共事業の再評価システムの導入等、各般の制度改革を含めた徹底的な見直しを行うこと等により、財政構造改革のさらなる第一歩を踏み出すことができたと評価できるものであります。  賛成理由の第三は、厳しい歳出削減に取り組む一方、社会経済情勢の変化に対応した真に必要な財政需要に対して、財源の重点的、効率的配分を行っていることであります。  具体的には、まず社会保障関係費については、少子・高齢化が急速に進む中で、安定的な社会保障制度を構築する観点から、医療分野において、薬価の大幅引き下げや老人医療費の負担の公平化を図るための制度改革を行うほか、雇用保険制度に係る国庫負担のあり方を見直すなどの措置を講じております。  文教及び科学振興費については、創造的で活力に富んだ国家を目指して、教育環境の整備、高等教育、学術研究の充実、創造的、基礎的研究に重点を置いた科学技術の振興等の施策の推進に努めております。  公共事業関係費については、物流の効率化対策に資するものを中心とした経済構造改革関連の社会資本及び生活関連の社会資本について、重点的に整備することとしております。公共事業の実施に当たっては、費用対効果分析の活用や、長期にわたる事業等を対象とした再評価システムの導入などを通じて、公共事業効率化、透明化に努めることとしております。  中小企業対策費については、厳しい経営環境に配慮し、中心市街地活性化、金融対策等に重点を置いて施策の充実を図っております。  農林水産関係予算については、自主流通米価格の急落等、米をめぐる厳しい状況に対処するため、新たな米政策を構築するなど、担い手への施策の集中及び市場原理、競争条件の一層の導入を図りつつ、施策の着実な推進に努めております。  経済協力費については、事前調査、事後評価の拡充等を図りつつ、環境、社会開発、人道、人づくり等の分野に重点化を図り、所管の枠を超えた総合調整を行うなど、援助の量から質への転換を徹底しております。  防衛関係費については、先般見直しが行われた中期防衛力整備計画のもと、効率的で節度ある防衛力の整備を図ることとしております。  エネルギー対策費については、地球温暖化問題への対応の重要性等も踏まえ、総合的なエネルギー対策の着実な推進に努めております。  地方財政については、国と地方がバランスのとれた財政運営を行う必要があるという基本的考え方を踏まえつつ、所要の地方交付税総額を確保するなど、地方財政運営に支障を生ずることのないよう適切な措置を講ずることとしております。  以上、賛成理由を申し述べましたが、政府におかれましても、本予算の成立の後は、諸施策の速やかにかつ着実に実施されますよう強く要望いたします。  なお、民友連提出撤回のうえ編成替えを求めるの動議につきましては、反対の意思を表明することとし、私の討論を終わります。(拍手
  18. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 高木義明君。     〔高木義明登壇
  19. 高木義明

    高木義明君 私は、民友連を代表し、ただいま議題となりました平成年度一般会計予算平成年度特別会計予算及び平成年度政府関係機関予算反対し、民友連撤回のうえ編成替えを求めるの動議賛成する立場で討論を行います。(拍手)  我が国のGDPの平成九年の実質成長率は〇・九%と、G7の国々の中では最低であります。ここに来て経済はさらに悪化し、GDPの実質成長率が昨年十月から十二月期は〇・七%減となったことから、平成年度は二十三年ぶりのマイナス成長に転落することが必至の情勢にあります。  また、個人消費の低迷は続き、民間需要のもう一つの柱である設備投資も、企業収益の鈍化や金融機関の貸し渋りを背景に、減速傾向が鮮明となっております。  さらに、雇用情勢を見れば、ことし一月の男性失業率は、リストラが加速し、三・七%の過去最悪の状況にあります。  一体、だれがこんな状態にしたのかという国民怒りが聞こえてまいります。(拍手)  我が国は、高度成長期から低成長の成熟期に入り、今後、少子・高齢社会に向かうに当たり、安心とゆとりを実感できる国民生活を実現するためには、我が国の社会経済が民間中心の自律的体質に移行できるかどうかにかかっております。  このためには、財政構造改革を進めながら、景気の動向には十分配慮し、持続的な経済成長を維持することが最も重要であります。  しかるに、橋本内閣は、昨年、国民に九兆円の負担増を強いるデフレ予算を強行し、景気回復の腰を砕いてしまったのであります。財政構造改革法を、我々の主張を無視して、拙速に成立させたのであります。  この法律は、二〇〇三年までの間、硬直的な財政均衡を優先させ、毎年度、赤字削減を義務づけるだけのものであり、およそ財政構造改革とは無縁のものであります。  国と地方財政の役割分担、公共事業の配分、大蔵省主導の予算編成など、本格的な構造改革には全くメスが入らず、景気の足を引っ張るだけという最悪の結果がもたらされております。  しかも、財政構造改革法の成立直後、経済企画庁においては、景気基準日検討委員会のほとんどの委員が、昨年の五月からの景気は後退局面にあると判断しているにもかかわらず、政治的思惑からこれを封じ込め、言語道断な隠ぺい工作が行われていたのであります。  このような官僚の思惑や誤った経済認識をうのみにし、緩やかな回復基調にあると言い続け、適切な景気対策も打たず、日本経済をどん底に陥れた橋本総理政治責任は極めて重大であります。  以下、政府平成年度予算反対する理由を申し述べます。  まず第一の理由は、金融不安を口実に金融機関の支援、救済のための公的資金投入の仕組みが含まれていることであります。  政府は、一昨年、公的資金の投入は住専と信用組合に限定すると明言しながら、対応を先送りしてきた責任には知らぬ顔を決め込み、最大三十兆円もの公的資金を投入し、その中には、預金者保護だけではなく、金融機関の優先株、劣後債の引き受けという支援、救済策を盛り込んだのであります。  幹部、職員の逮捕、三塚前大蔵大臣の引責辞任、このように相次ぐ大蔵省日銀官僚の不祥事と相まって、我が国金融市場の信頼を著しく損ねるものであります。  また、公的資金の投入は、一連の不祥事の元凶となっている大蔵省の裁量行政による護送船団方式そのものであります。上位十二行がそろって公的資金受け入れの申請をするという横並び一線の相変わらずの体質であり、大蔵省と金融機関の癒着構造は何ら改善されておりません。  松永大蔵大臣の責任も重大であります。  反対する第二の理由は、歳出構造の改革とはほど遠い内容だからであります。  本予算は、一般歳出が一・三%の減、公共事業は七・八%の減少となっておりますが、公共事業のシェアは従来型でほとんど変わりありません。公共事業については、洗いざらいメスを入れ、質、量ともに大胆に見直すことが不可欠であります。土建天国の我が国公共事業の大胆な見直しなくして財政健全化は不可能であります。  政府が行っているような単なる予算の圧縮や事業の先送りでなく、中央の政治家や霞が関の役人までが一々地方事業に口を挟む構図を見直し公共事業の仕組みを丸ごと変えなくてはなりません。  本予算では、日本の将来を見据えて、どこに重点投資するかという発想が全く感じられず、財政構造改革法の抜け道と言われる補正予算関係をあわせて考えれば、これまでのばらまき型構造がそのまま温存されているからであります。  自民党が進めようとする景気対策は、選挙目当てのばらまきであり、改革を唱えても、利権構造の上に乗り続ける自民党政権の限界を露呈するものであります。(拍手)  反対する第三の理由は、深刻な景気への有効な対応策がとり得ないということであります。  現に、自民党幹部などが相次いで予算成立後の大型補正に言及しており、全く無責任な政策転換そのものであります。これは本予算がまさに欠陥予算であることを証明するものであり、断じて容認することはできません。  さきの国会でも、あれほど我々が要求したにもかかわらず、国会の場ではその主張をかたくなに拒否し続けてきた二兆円特別減税を、国会が終了するや否や手のひらを返したように打ち出しました。私は、あの政府自民党国会軽視に怒りを禁じ得ません。  あわせて、政府が決定した平成年度の税制改正も今日の経済金融危機を克服するには不十分なものにすぎないということであります。  特に、法人税は甚だ不十分であり、実効税率の四%引き下げにしかならない改革では、空洞化、企業の競争力低下には歯どめがかかりません。  本予算案は、赤字削減の数値目標を掲げた財政構造改革法に基づく初めての予算でありますが、法律が機能するのは経済が成長を続けていることが前提であります。平成年度は間違いなくマイナス成長であり、十年度当初も大きな上昇は望めないと予想されます。そもそもスタートの時点からその前提は崩れているのであります。  したがって、本予算案には思い切った財政出動による景気対策を盛り込み、国民や市場へのメッセージを発することが必要不可欠であります。  これまでの総理の対応は、財政構造改革との整合性にとらわれ、責任逃れと政権維持にきゅうきゅうとして、結果、後手後手の対応となり、有効な景気回復策となっていないのであります。もはや橋本内閣日本経済のかじ取りを任せることはできません。本来なら、三塚大蔵大臣だけではなく、総理も一緒に辞任すべきでした。橋本総理が退陣することが最も効果的な景気対策になります。(拍手)  政府予算に対し、民友連予算組み替え案は、第一に、三兆円規模所得税恒久減税法人税実効税率四〇%への引き下げ等、合計六兆円規模減税を行うものであります。これは、国民の可処分所得を引き上げて個人消費を伸ばし、また、企業の競争力を高め、活力を引き出すことによって景気を回復させ、我が国の経済を自律的な成長軌道に乗せようとするものでございます。  第二に、預金保険機構の金融危機管理業務に係る債務への政府保証削減であります。これは、金融不安に対する公的資金の投入は預金者保護が鉄則であり、金融機関のモラルハザードを招くことなく、ビッグバンに備えて信用される健全な金融市場を構築しようとするものであります。  第三は、財政構造改革法改正であります。これは、当面の課題である景気回復策の阻害要因となっている部分を取り除き、本来の構造改革の具体策の規定を求めるものであります。  第四は、公共事業のコストを削減し、投資の重点化効率化を図るものであります。  このように、民友連予算組み替え案は、将来を展望し、我が国がとるべき最善の策と確信をいたしております。  終わりに、ここに改めて政府欠陥予算大蔵省日銀をめぐる一連の不祥事を厳しく糾弾して、私の討論といたします。(拍手
  20. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 横光克彦君。     〔横光克彦君登壇
  21. 横光克彦

    ○横光克彦君 私は、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております平成年度予算三案に対しまして、賛成討論を行うものであります。(拍手)  平成年度予算は、景気対策政治経済の構造的改革の観点を踏まえたものであり、さらに社会的に弱い立場の方々に配慮をし、また環境と平和を尊重する施策を展開していくためにも適切なものであると評価をいたしております。(拍手)  以下、本予算賛成する主な理由を順次申し上げます。  賛成の第一の理由は、本予算案が現下の厳しい経済情勢にかんがみつつ、景気対策政治経済の構造的改革の観点からも時宜にかなっているものと思うからであります。  平成年度予算は、停滞感を深める景気動向のみならず、中長期を展望する中での経済情勢等も踏まえ、法人課税につきましては、中小企業等への軽減措置の拡充を図った上での大胆な軽減が取り組まれております。また、土地住宅税制では、土地譲渡益課税の軽減、居住用財産譲渡損失繰越控除の創設などの措置を講じ、金融関係税制に関しましては、有価証券取引税取引所税税率を半減するなど、国、地方合わせて八千四百億円の思い切った減税を行うことになっております。  これらに加えまして、強力な景気回復手段になり得るとともに、可処分所得の低下に悩む国民の生活実感にこたえられるものとして、私たち社民党が強く求めた結果、九年度補正においても実施されました二兆円規模所得税、住民税の特別減税と合わせるならば、実に三兆円規模減税が断行されることになります。  さらに、深刻な貸し渋り問題に直面し、資金繰り困難となっております中小企業等への政策として、信用保証協会の保証枠の拡充などによる貸し渋り対策の強化や、厳しい経営環境に配慮した中心市街地活性化等の施策の充実も図られております。  また、これまで長年の懸案として解決が先送りされてきました国鉄長期債務及び国有林野累積債務問題に関しましても、政府与党三党一体となった検討の結果、具体的な処理策がまとめられましたことは、重要な成果であると考えております。  また、国民の共通の財産であり、経済の血液とも言える預金システム、金融システム安定化対策の構築は、一刻の猶予も許されません。そのため、預金の全額保護を大前提に、預金保険機構の借入金等にかかる二十兆円の政府保証額を十年度予算総則において設定することとしております。  さらに、政と官の果たすべき役割の明確化、また、機能不全に陥っているとも言えます行政システムに対する対応として、国会に行政監視を専門とする常任委員会を創設し、思い切ったスタッフの拡充を行っております。  賛成の第二の理由は、社会的に弱い立場の方々に対してはまだまだ十分だとは言えませんが、一定の配慮がなされている点であります。  先般の特別減税の実施に伴い、対象範囲を拡大した上での低所得者への給付金が支給されることになりました。  また、社会保障関係費につきましては、一般歳出全体として大幅なマイナスを計上されているにもかかわらず、子供、高齢者などに係る福祉関係予算重点化を図り、社会保障全体としては二%の伸びを確保しているところであります。  制度の改革に当たりましても、医療分野における薬価の大幅な引き下げなど、患者の立場にも配慮したものとなっております。  さらに、きめ細かな弱者への配慮として、地方バス路線の維持や、超低床ノンステップバスの導入推進など、交通弱者対策もなされております。  賛成の第三の理由は、平成年度予算が、環境と平和を重視するという観点を踏まえたものとなっている点であります。  公共事業につきましては、コスト削減や費用対効果の分析等、むだの排除が大きな課題となっておりますが、この点について、財政構造改革会議の議論なども踏まえ、公共事業関係費につきましては七・八%の縮減を図っているほか、再評価システムの導入などにより、ダムや干拓事業などの大規模事業の中止などの措置がとられております。  農林水産関係予算に関しましても、自主流通米価格の急落等、米をめぐる厳しい状況を克服するために、担い手への施策の集中などを行うとともに、森林の公益的機能も重視したものとなっております。さらに、中山間地域対策として棚田地域保全のための基金を創設するなど、環境への適切な配慮もなされました。また、国土保全の観点から、これを総合的に推進する自治体の経費に地方財政措置を講じることとしております。  防衛関係費につきましては、先般、中期防衛力整備計画の見直しが行われ、計画中の正面契約額を大幅に縮減する等の措置が進められました。この結果、効率的で節度ある防衛力の整備が図られるものと考えております。  以上、賛成理由を申し述べましたが、私は、本予算景気対策政治経済の構造改革に資するものであり、また、弱者への適切な配慮がなされているものであることから、賛成の意を表明するものであります。(拍手)  討論の締めくくりに当たりまして、私は、次のことを特に強調しておきたいと思います。  言うまでもなく、停滞著しい景気の現状と厳しさを増す国民生活を打開するためには、平成年度予算を直ちに成立させることが何よりも重要であります。と同時に、これに引き続いて、さらなる積極的な経済対策も望まれております。  したがいまして、名実ともに国民本位の予算へと磨き上げていく決意を鮮明にする意味からも、生活密着型、生活の質向上型の景気対策を講じていくことを政府に強く要請するものであります。  私たち社会民主党は、国民的諸課題に適宜適切に対応すべく全力を尽くしてまいりますことを表明いたします。  なお、民友連提出平成年度予算三案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議については、見解を異にするものであり、反対することを明らかにし、政府原案の一刻も早い成立を期待いたしまして、私の賛成討論といたします。(拍手
  22. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 石田勝之君。     〔石田勝之君登壇
  23. 石田勝之

    ○石田勝之君 私は、平和・改革を代表して、ただいま議題となりました平成年度一般会計予算平成年度特別会計予算及び平成年度政府関係機関予算案に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)  経済立て直しのため苦闘しているさなかに増税すべきでないというのは、ほぼ万国共通の認識であります。にもかかわらず、政府が昨年来とったデフレ政策により、今日の国民生活は、長引く不況と負担の増加、さらには実質賃金の低下などにより、国民は将来に対する展望が開けず不安を抱える中、消費を抑え、たんす預金へと向かわしめているのが実情であります。  また、金融機関の相次ぐ倒産などによる金融システムの不安定化、早期是正措置に備えた金融機関の貸し渋りとそれに伴う中小企業の倒産、完全失業率の拡大など、日本経済は全くの暗やみの中をさまよい、いつトンネルを抜け出せるのか、その曙光すら見えてきません。  最近の景気の現状も、三月十三日に経済企画庁が発表した十―十二月期の実質の経済成長率は年率マイナス〇・七%となり、一―三月期の動向を見ても、平成年度全体でもマイナス成長がほぼ確定したのであります。  すなわち、政府が本年一月に下方修正した、平成年度経済見通しである実質GDP〇・一%すら下回ることになったのであります。  このことは、ただいま議題となっている平成年度予算案の土台となる経済指標の前提が崩れ去ってしまったことを意味しているのであり、橋本内閣の経済の見通しの甘さが今日の不況の深刻さを物語っているのであります。  今や、どの経済指標を見ても、マイナスを示す三角印が並んでおりますが、このような状況をつくり出したのは一体だれなのか。言うまでもなく橋本自社さ政権なのであります。橋本総理の責任は極めて重大であると言わざるを得ないのであります。  もっとも橋本総理は、多少の後ろめたさがあったのか、それとも単なる国際社会からの突き上げに慌てたのか、昨年十二月になって、一たんはみずからの手で廃止した二兆円規模特別減税を復活させました。しかし、それは余りにも遅い対応であり、規模も余りにも少ないものであったため、その景気対策上の効果も限定的となり、国際社会、市場とも冷淡に反応したのであります。  これらの経緯を率直に解釈するならば、もはや橋本自社さ政権の経済失政は明白であります。  以上の前提に立って、順次反対する理由を申し述べます。  反対の第一の理由は、今日の経済状況にかんがみて、早急な景気対策が必要であるにもかかわらず、その対応がなされていないということであります。景気状況は、今るる申し上げたとおりであり、景気の速やかな回復を図るためにも、平成年度予算において的確な景気対策を打つ必要があったのであります。  しかも、橋本内閣は、平成年度補正予算において、二兆円の特別減税と一兆円規模公共事業を盛り込み、財政構造改革路線を明らかに転換しておきながら、平成年度予算では緊縮路線へと逆戻りしているのであります。  私は、切れ目のない景気回復策という観点からすれば、平成年度予算も当然景気対策を中心とした予算にするべきであり、そのための修正は当然であると考えます。  ところが、政府与党は、平成年度予算案の修正を認めればみずからの経済失政を認めることになるというメンツにこだわり、全く修正に応じようとしないのであります。現状を直視すれば、メンツにこだわるのではなく、国民生活のためにみずからの経済失政を認めて、予算を修正するのが一国を預かる宰相の役割ではありませんか。(拍手)  我々平和・改革は、現下の不況を断ち切り、景気回復を図る観点から、景気対策として六兆円規模の所得減税法人税減税を主張しております。減税の主張は、野党のみならず、経済四団体、労働界も一致して主張しているところであり、なぜ政府与党がこれを否定するのか理解できません。従来型の公共事業中心の景気対策ではなく、思い切った減税を打ち出すべきであります。  社会資本の整備にしても、構造改革予算単価の削減などを前提としつつ、従来型ではなく、福祉、文教、環境、さらには情報通信基盤整備など、いわゆる新社会資本の整備に重点化すべきであります。  我々は、引き続きこれらの施策の実現に全力を挙げるものであります。  反対する第二の理由は、平成年度予算案は、財政構造改革を標榜しているものの、その実態は、財政構造改革でも何でもない、少子・高齢化社会への明確なビジョンやメッセージもない単なる緊縮財政予算であり、福祉切り捨て予算であるということであります。  私も、財政構造改革必要性については、決して否定するものではありません。しかしながら、財政構造改革の達成も、経済の再建なくしては到底不可能であります。硬直的に何が何でも緊縮財政だけで縛る、昨年、政府与党が強引に成立させた財政構造改革法では、景気状況に応じた弾力的な対応はできないのであります。  私は、経済財政の機動的運営を拘束している財政構造改革法の弊害を是正するため、アメリカの包括財政調整法における運用停止条項のような、経済情勢等を勘案して一部同法の執行を停止する旨を規定した弾力条項を設ける改正をすべきと考えます。  次に、私が特に指摘しておきたいことは、政府が進める理念なき財政構造改革路線の中では、結局、そのしわ寄せを受けるのは、社会的に立場の弱い方々ということであります。  平成年度予算では、特に社会的弱者と言われる方々への予算がカットされております。  私は、社会保障分野も、現在の縦割り行政から脱却し、福祉、医療、年金の連携のとれた構造へと改革をして効率化を図っていくべきであろうと考えます。しかし、今の政府のやり方を見ていると、医療にしても介護にしても、国民への負担増だけは常に先行し、抜本的な構造改革は後回しという手法を繰り返しております。それを今度は福祉まで切り捨ててしまう、これは言語道断であります。  むしろ、今日の経済情勢を考えれば、こうしたときにこそ、政治が温かい手を差し伸べるべきだと考えるのであります。  反対の第三の理由は、社会的弱者への福祉を切り捨てておきながら、金融安定化と称して、金融機関の優先株等を引き受けるための公的資金を導入する財政的な手当てが予算総則に盛り込まれていることであります。  残念ながら、金融安定化法が施行され、既に大手十八行、地方銀行三行、計二十一行に対して、合計一兆八千百五十六億円の公的資金導入が閣議決定されました。  しかも、大蔵、日銀をめぐる相次ぐ汚職事件では、国民は、怒りを通り越してあきれ返ってしまっております。大蔵省の信頼は、まさに地に落ちたと言わざるを得ません。これは、単に一大蔵官僚の問題というよりも、官僚主導政治の弊害がもたらした構造的問題であります。  大蔵省と金融機関の癒着の実態を見るにつけ、どうして国民の血税を導入できるのか、全く不思議でなりません。我々は、これらの救済スキームは、金融不安解消という名のもとに、実際上は銀行救済以外の何物でもなく、従来の護送船団方式そのものであると指摘したとおり、預金保険機構の審査基準は極めてあいまいで、事実上すべての銀行の救済を可能としており、各銀行は横並びで公的資金導入を申請してきたのであります。まさしく大蔵主導の裁量行政がなお息づいていると言わざるを得ません。  各行が策定した経営健全性確保計画を見ても、国民が求めるほどのリストラ策や情報開示にはほど遠く、不良債権の開示に至っては、まだ三行しか公表していないというありさまであります。  私は、金融機関救済のための公的資金導入には反対であり、予算総則十兆円の政府保証は削除すべきであります。  以上、主な反対理由を述べまして、私の討論を終わります。(拍手
  24. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 青山丘君。     〔青山丘君登壇
  25. 青山丘

    ○青山丘君 私は、自由党を代表して、平成年度予算案外二案に反対する立場から討論を行います。  平成十年を迎え、日本経済は深刻な危機に直面しております。対応を誤れば大恐慌になりかねない危険をはらんでおり、国民は生活不安におびえております。今、我が国に必要なものは経済構造改革、つまり民力の回復であります。この不況の原因が橋本内閣の経済財政政策の失敗によるものであることは明らかであります。しかしながら、経済危機の本質は、今までの不況とは異なり、日本経済が構造変革を迫られている、にもかかわらず、橋本内閣が何ら抜本改革をなし遂げてこなかったことにあって、事態を一層深刻化させていることをまずもって指摘しておきます。  総理自身が、我々のたび重なる減税要求を無視して、自信を持って行ってきた九兆円の国民負担増、これを初めとする財政帳じり合わせを進めた九七年度は、二十三年ぶりの実質マイナス成長になることは確実であります。アジアの通貨危機も不可抗力ではありません。海外からも、日本の弱さがアジアの原因であるという指摘がなされているところであります。  みずから招いたこの不況に反省も謝罪もなく、かたくななまでに拒んできた二兆円の特別減税平成十年にずれ込みながら復活するなど、まさに支離滅裂であります。  本予算案審議中に、政府与党幹部が大型補正予算に言及するなど、二枚舌も甚だしい、言語道断であります。日本経済が単純な循環的要因による不況ではない以上、これらの従来型景気対策はすべて小手先のびほう策、つじつま合わせであって、かえって財政を悪化させるのみ、何ら問題の解決にはならないのであります。  橋本総理は、総選挙後、我々の「国民との五つの契約」を後追いして「六つの改革」を掲げました。しかし、現状に対する総理の危機感の欠如は目を覆うばかり、構造改革をすべて先送りして、改革の名に値するものなど一つもありません。  財政構造改革財政の帳じり合わせのみ、制度の見直しを伴わず、歳出を一律に削減していくだけのものであります。  行政改革は、戦略もなく、単なる機構いじり、看板のかけかえにすぎません。中央省庁の数合わせに終始して、ただ大規模官庁を生むだけであります。中央から地方へ、官から民へという権限の移譲、規制緩和や中身の見直しは一切ありません。巨大官庁の誕生により、ますます権限、財源が集中してチェックも困難となり、政官業癒着の構造は今以上に強化されるおそれがあります。このような行革では構造改革を妨げるのみ、行わない方がましであります。  刑事事件にまで進展している大蔵省日本銀行不祥事も、護送船団行政に起因しております。事前指導型の裁量行政から事後チェック型のルール行政へと改革しない限り、金融監督庁をつくっても、金融機関がMOF担を廃止しても、これら不祥事の根絶はできるわけはありません。  社会保障改革は、社会保険制度の維持に主眼を置き、国民にツケ回しをするのみ、ナショナルミニマムの確保という視点は一切なく、消費落ち込みの要因となっております。  教育改革においても、その姿は全く見えません。教育の基本である、何を教えるべきかという哲学も理念もありません。  金融システム改革については、まず不良債権を一掃して、健全金融機関で金融ビッグバンを迎えなければならないところを、不良債権処理の見通しを誤った上、早期是正措置をビッグバンと同時並行させたために信用収縮を招きました。貸し渋りを引き起こして経済を混乱させてしまいました。さらに、公的資金による資本注入によってビッグバンを乗り切ろうなどというのは、フリー、フェア、グローバルのいずれにも該当しない護送船団行政の復活であり、邦銀の格付も少しも上昇しておりません。  経済構造改革については、超少子・高齢化社会を目前に控え、またグローバル化、ボーダーレス化する経済に対応するため抜本的な構造改革を行う必要があるにもかかわらず、橋本内閣は、目先の景気状況財政状況にとらわれて、従来型のばらまき型景気対策財政帳じり合わせを交互に行うのみであります。年金基金を破綻させ、民間生保の経営を圧迫し、税収をも落ち込ませ、経済をゆがめて、金利や年金に頼る人たちを圧迫し、国民の怨嗟の的となっている超低金利を是正することもできません。  まさに橋本内閣の六つの改革には、一つずつ、この国をどうするのか、何をやるべきかという理念も戦略もなく、日本が抱える課題を羅列しているにすぎません。  内外情勢激変の中で閉塞状態に陥っている今日のシステムを打破するために、今我が国が行わなければならないのは、政治、行政、経済、社会のすべてにわたって構造改革の断行であります。特に経済改革においては、民間活力が最大限に発揮され、世界経済とも調和可能な経済の根本からの再構築であります。そのためには、国民の可処分所得をふやし、民間企業の活力を刺激するサプライサイド政策、つまり民力の回復の政策が今必要であり、経済の根本からの立て直しを何よりも優先しなければなりません。橋本内閣にはこれらの視点がないのであります。  特別減税の復活を初めとする税制改正は、本気でアジア通貨危機を回避するためであれば、GDPの〇・四%程度、二兆円では余りにも少な過ぎます。法人税減税は三%程度でお茶を濁し、有価証券取引税の半減に至っては、東京金融市場の空洞化を防ぎ活性化を図るためであるならば、本来全廃とすべきところであります。  橋本総理は、財政構造改革法に拘泥する余り、税制をゆがめ、経済危機を悪化させ、アメリカを初めとする対外関係を悪化させています。財政構造改革法は、目先の財政の帳じり合わせにのみとらわれ、歳出の一律削減を規定し、構造改革、経済再建を不可能にしてしまいました。財政再建は、国、地方をあわせた行財政構造の見直しによる歳出削減と経済再建による租税増収によって行うべきであり、それこそが真の財政構造改革であります。  平成年度予算案も、財政構造改革法に縛られた史上空前のデフレ予算であり、日本経済に致命的なダメージを与えかねないものであります。  日本経済は、小手先の従来型景気対策では立て直せない状況にあります。超少子・高齢化社会にあっても、世界経済と調和し、活発な経済活動が行われるよう大胆な経済立て直し策を行わなければなりません。つまり、民力を養う政策をとるべきです。国民の可処分所得をふやし、民間企業のやる気を刺激することが重要であります。当面は、財政デフレ政策を断じて行ってはならないのであります。  したがって、所得税法人税を国際水準にまで引き下げるべきで、税制全体の抜本的な改革必要性を踏まえつつ、民力が最大限発揮される経済対策を実施することであります。また、金融不安を解消するために、不良債権を一掃し、ルール型の透明な行政によって市場の信頼を取り戻さなければなりません。  自由党は、かかる観点に立ち、日本再構築のための構造改革の断行を提唱しておりますが、そのためには、何よりも経済の立て直しとその構造改革を優先すべきであると考えます。これ以上の景気の悪化を防ぎ、国民生活を守るため、そして経済構造を抜本的に改革するため十兆円減税が必要であります。抜本的対策を講じることが当面の景気対策にもつながるわけであります。  産業政策を国が策定し保護育成する旧来の事前指導型行政、日本型システムから脱却して、国民が主役であり民間活力が存分に発揮される民力中心の経済構造に改めなければ次代の展望は開けません。官が民から金を吸い上げ、使い道を決めるのではなく、国民がみずからの才覚と自己責任で金の使い道を決めることができるよう制度改革を実施すべきであります。  つまり、一つ、所得課税の最高限界税率を五〇%として、税率構造のフラット化、簡素化を実現してすべての税率を下げ、六兆円規模減税を恒久化することであります。  一つ法人課税実効税率を、基本税率引き下げ、連結納税制度の導入によって四〇%に引き下げ、四兆円規模減税恒久減税として行うこと。  一つ、規制の撤廃と緩和により、事前指導型の裁量行政から、事後チェック型のルール行政への転換を図ること。  一つ、公共投資は、入札制度などの制度改革、構造改革により単価を見直した上で、事業量の拡大を図ること。また、我が国の構造転換に資するため、情報通信関連を初めとする新社会資本整備、高齢者福祉施設等に重点投資を行うことなどであります。  緊急に十兆円、中長期的には十八兆円の減税日本の再構築のために不可欠であります。財源はあくまでも行財政の徹底した構造改革と経済再建による租税の増収で十分賄えます。  思えば、橋本内閣は、経済の見通しを繰り返し誤ったばかりでなく、不良債権処理の見通しを誤り、本当の改革を避け続けております。国民が不安、不信を抱いているのは、政策の失敗についてももちろんのこと、総理のこの先見性のなさ、改革を避け続ける政治姿勢であります。  また、本日、国会の同意なしに新日本銀行総裁の任命が行われたとのことでありますが、新日本銀行法の附則第一条には、両議院の同意を得る人事については、公布の日から施行するとしております。  総理はまた、予算審議の際も、臨機応変の措置という言葉をたびたび使いました。臨機応変ではなく、何でもありであります。  総理は、常に言葉巧みに本質論を避け、当面をしのぐことに専心しておられる。橋本内閣が続く限り、日本経済が立ち直りません。国際信用が回復することはあり得ない。もはや橋本内閣は、この経済危機に対処する能力も責任も持ち合わせてはおりません。改革を実行する意思も持ち合わせてはいないのであります。  我が国に残された時間はあとわずかしかない。橋本総理は速やかに財政構造改革法とともに退陣すべきであります。橋本内閣の退陣こそが、日本再構築の第一歩であります。  平成年度予算案外二案に賛成できる理由は何一つありません。
  26. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 青山丘君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
  27. 青山丘

    ○青山丘君(続) なお、民友連提出動議については、我が党の考え方と異なるので反対いたします。  以上、平成年度予算案外二案に反対する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手
  28. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 松本善明君。     〔松本善明君登壇
  29. 松本善明

    ○松本善明君 私は、日本共産党を代表して、一九九八年度政府予算案に対する反対討論を行います。(拍手)  反対理由の第一は、本予算案が、いよいよ深刻さを増している不況の打開に役立たないばかりか、むしろ一層危機を深めるものとなっているからであります。  言うまでもなく、今、我が国経済は未曾有の危機に直面をしております。凍りつくような消費の冷え込みのために、日本経済は二十三年ぶりのマイナス成長に転落しようとしております。完全失業者は史上最悪の水準を続けており、中小企業の経営危機、倒産も多発しております。  こうした消費不況の最大の原因が、政策不況と言われるとおり、橋本内閣が昨年強行した消費税率引き上げなど九兆円もの国民負担増にあることは明白であり、九兆円負担増政策への反省こそが景気対策の出発点でなければなりません。  ところが、橋本首相は、我が党議員の指摘に対して、多少影響があったと言うだけで、何ら反省しようとしませんでした。景気動向には臨機応変に対応するとして、三十兆円の銀行支援や法人税減税、公共投資の上積みなど、大銀行、大手ゼネコンに対しては、文字どおり機敏で手厚い対策をとっております。  しかし、不況の最大の原因である底割れした家計消費を温める対策は、本予算案には皆無であります。我が党が景気対策として、消費拡大に最も効果の大きい対策として消費税率引き下げ提案したのに対しても、高齢化社会のためなどと破綻した消費税増税の口実を繰り返すのみでありました。  そもそも本予算案景気対策に無力であることは、本予算案審議が始まる前から政府与党幹部が大型補正予算発言を相次いで行ったことでも明らかでありました。その上、政府与党の政策責任者が公的な場で具体的な規模まで示しての景気対策が必要と明言したことは、本予算案の失格宣言そのものであります。(拍手)  ところが、首相は、本予算案は最善のものと繰り返すのみで、欠陥予算案の本院通過を強行しようとしております。これは国会の存在意義を否定するもので、民主主義を語る資格は全くないと言っても過言ではありません。  もはや橋本内閣には、今日の経済危機を打開する気迫もなければ展望も示すことができなくなっていると厳しく断じざるを得ません。  反対理由の第二は、本予算案が、社会保障の連続改悪を初め国民生活関係予算の徹底した切り捨てを進めるものだからであります。  昨年秋に強行した財政構造改革法は、九八年度社会保障、教育など国民生活関係予算に厳しい削減枠を設けました。  実際、九八年度予算では、難病患者の九割に自己負担を押しつけ、母子家庭の命綱ともいうべき児童扶養手当に所得制限を導入して支給対象者の七万四千人を削減するなど、過酷な社会保障、福祉切り捨てが行われております。数百億円の予算を惜しんで国民の命綱まで奪ってしまうことなどは、決してやってはならないことであります。  また、昨年九月から、医療費の大幅値上げの強行によって、同じ治療を受けながら窓口医療費支払いが三倍から四倍以上になる、お金が心配で薬を減らす、受診がおくれて病状が悪化し救急車で搬入される、希望を失って自殺する、そういう実例が後を絶たないのであります。お年寄りの中から、医者にかかるときは死ぬときという悲痛な声も届けられております。  特に高齢者にとっては、医療費の連続負担増の計画が進められるだけでなく、年金では保険料の負担増か受給額の給付減かという選びようのない選択肢が押しつけられようとしております。介護でも、所得なければ介護なしと言われるように、今日の施策をそのまま進めるなら、特養ホーム入所者が退所せざるを得ない事態を招くことになるでありましょう。現在でも十万人を超える待機者の解消のめどすら立っておりません。高齢者に医療、年金、介護の各分野で三重苦をもたらす社会保障の改悪は、きっぱりとやめるべきであります。  教育問題も深刻であります。  教員や父母と児童生徒との間の対話の不足が学校教育の荒廃の最大の原因でありますが、このようなときに教員配置改善計画を二年おくらせることは言語道断であります。  食糧、農業問題も重大です。  カロリーベースで四二%、穀物自給率では二九%まで落ち込んだ日本の食糧自給率を引き上げることは急務でありますが、そのような施策はありません。  二月には、中小企業の貸し渋り倒産が史上最高となりました。銀行の貸し渋り、悪質な資金回収競争のため、東京では額縁製造業の社長夫妻が資金繰りに困ったとの遺書を残して自殺するなど、痛ましい事件が相次いでおります。  大銀行幹部は、景気が悪いうちは貸し渋りを続けると公言をしております。銀行公的資金を投入すれば貸し渋りがなくなるというものではないということは、現実がはっきりと証明をしております。ところが、九八年度中小企業予算は、財政構造改革法で枠をはめられ、前年度より七億円削減して千八百五十八億円、何と贈賄銀行支援二行分にも足りないのであります。  こうした社会保障の連続改悪や、教育、中小企業予算など国民生活関連予算の切り捨ては、国民生活そのものを脅かすとともに、国民生活の先行きを不安にさせ、消費不況を加速しております。  首相は、財政構造改革路線は堅持するとして、国民生活予算削減を合理化しています。しかし、三十兆円の銀行支援や、ゼネコン奉仕の公共投資の追加検討など、財革法の前提条件をみずから崩しながら、国民生活予算の分野だけこの財革法に縛られるいわれなど全くありません。真の景気対策国民生活危機打開の障害となっている財政構造改革法の廃止こそ、今とるべき道であります。(拍手)  反対の第三の理由は、国民の要求に対しては財政危機を言いながら、財政上の浪費構造に全くメスを入れず、これを温存、拡大する予算だからであります。  公共事業費の削減は専ら住宅、国民向け分野で、肝心のゼネコン浪費型の事業は何ら削減しておりません。  軍事費も浪費の最たるものであります。予算上は少し減額となっておりますが、これは装備代金などを繰り延べしたからであります。財政構造改革法の制限枠の対象外となっている沖縄米軍のたらい回しと基地強化のためのSACO経費は、九七年度の二・五倍、百七億円に増大をいたしました。イラク問題でのアメリカの国際的孤立を見ても、もはや軍事力万能は時代おくれになっているのであります。新ガイドラインの立法作業を直ちに中止するとともに、米軍への思いやり予算、SACO経費などは全廃すべきであります。  今必要なことは、不況打開と国民の暮らしを守ることを最優先にして抜本的な景気対策をとることと財政再建策を真に両立させるということであります。  日本財政危機をもたらした最大の原因は、ゼネコン型の公共事業費を国と自治体で年間五十兆円も異常突出させたところにあります。これと比べて、社会保障に対する国と自治体の公費負担はわずか二十兆円にすぎません。これは欧米諸国と比較すれば逆転をしております。ここに厳しいメスを入れることこそ、日本経済財政を再建する中心問題であります。  こうした逆立ちした財政構造の転換に踏み出すこと、消費税減税などで国民の所得、消費を温めること、社会保障の改悪をやめ、国民生活関係予算を充実させることなど、国民本位の予算に転換をすることが必要であります。  最後に、我慢のならないのは、国民の血税の使い方を任せている大蔵省日銀まで及んだ金融機関の汚職、腐敗と、新井将敬事件でその一端が明るみに出たそれとの政治のかかわりの問題であります。まさに底なし、泥沼の様相を呈しております。その大蔵省が大銀行に三十兆円も投入する計画をつくるのでありますから、国民怒りがおさまらないのは当然のことであります。まだまだほんの氷山の一角があらわれただけでありますが、政府は贈賄銀行大蔵省がどういう検査をやったのかという資料さえまともに出そうとしません。大蔵省の内部調査の中間報告もしようとしません。腐敗を一掃しなければならない政府与党銀行献金をもらい続ける、こうした政官財の癒着はまさに末期症状で、政治不信は頂点に達しております。  今や、政府自民党を初めとする与党は、政治と経済のかじ取りの力を全く失いました。文字どおり支離滅裂で、もはや橋本内閣の退陣では済まない、自民党政治そのものの破綻であります。  九八年度予算に断固反対するとともに、明るい二十一世紀の展望を開くため、直ちに国会を解散し、総選挙を行って、民意に基づいた政治を行うことを強く要求いたします。(拍手)  なお、民友連提出組み替え動議には、大銀行への公的資金投入を容認する部分があり、同意できないことを付言をいたしまして、政府予算案に対する反対討論を終わるものであります。(拍手
  30. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  31. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。  まず、岩田順介君外三名提出、平成年度一般会計予算外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  岩田順介君外三名提出の動議賛成諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  32. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立少数。よって、岩田順介君外三名提出の動議は否決されました。  次に、平成年度一般会計予算外二案を一括して採決いたします。  この採決は記名投票をもって行います。  三案の委員長報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君は白票、反対諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。  氏名点呼を命じます。     〔参事氏名を点呼〕     〔各員投票〕
  33. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。  投票を計算させます。     〔参事投票を計算〕
  34. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。     〔事務総長報告〕  投票総数 四百九十一   可とする者(白票)      二百七十九   否とする者(青票)       二百十二     〔拍手
  35. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 右の結果、平成年度一般会計予算外二案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)     ―――――――――――――   〔参照〕  可とする議員の氏名       安倍 晋三君    相沢 英之君       逢沢 一郎君    愛知 和男君       赤城 徳彦君    浅野 勝人君       麻生 太郎君    甘利  明君       荒井 広幸君    井奥 貞雄君       伊藤 公介君    伊吹 文明君       飯島 忠義君    池田 行彦君       石川 要三君    石崎  岳君       石破  茂君    石橋 一弥君       石原 伸晃君    稲垣 実男君       稲葉 大和君    今井  宏君       今村 雅弘君    岩永 峯一君       植竹 繁雄君    臼井日出男君       江口 一雄君    江渡 聡徳君       江藤 隆美君    衛藤征士郎君       衛藤 晟一君    遠藤 武彦君       遠藤 利明君    小川  元君       小此木八郎君    小里 貞利君       小澤  潔君    小野 晋也君       小野寺五典君    小渕 恵三君       尾身 幸次君    越智 伊平君       越智 通雄君    大石 秀政君       大島 理森君    大野 松茂君       大野 功統君    大原 一三君       大村 秀章君    太田 誠一君       岡部 英男君    奥田 幹生君       奥野 誠亮君    奥山 茂彦君       加藤 紘一君    加藤 卓二君       嘉数 知賢君    柿澤 弘治君       梶山 静六君    粕谷  茂君       金田 英行君    亀井 静香君       亀井 久興君    亀井 善之君       鴨下 一郎君    川崎 二郎君       河井 克行君    河村 建夫君       瓦   力君    木村 隆秀君       木村 義雄君    岸田 文雄君       岸本 光造君    北村 直人君       久間 章生君    久野統一郎君       鯨岡 兵輔君    熊谷 市雄君       熊代 昭彦君    倉成 正和君       栗原 博久君    栗原 裕康君       栗本慎一郎君    小泉純一郎君       小杉  隆君    小林 興起君       小林 多門君    古賀 正浩君       古賀  誠君    河野 太郎君       河野 洋平君    河本 三郎君       高村 正彦君    佐田玄一郎君       佐藤 孝行君    佐藤 静雄君       佐藤 信二君    佐藤 剛男君       佐藤  勉君    斉藤斗志二君       坂本三十次君    阪上 善秀君       桜井 郁三君    桜井  新君       櫻内 義雄君    桜田 義孝君       笹川  堯君    自見庄三郎君       実川 幸夫君    島村 宜伸君       下地 幹郎君    下村 博文君       白川 勝彦君    新藤 義孝君       菅  義偉君    杉浦 正健君       杉山 憲夫君    鈴木 俊一君       鈴木 恒夫君    鈴木 宗男君       砂田 圭佑君    住  博司君       関谷 勝嗣君    園田 修光君       田中 和徳君    田中 昭一君       田中眞紀子君    田邉 國男君       田野瀬良太郎君    田村 憲久君       高市 早苗君    高鳥  修君       高橋 一郎君    滝   実君       竹下  登君    竹本 直一君       武部  勤君    橘 康太郎君       棚橋 泰文君    谷  洋一君       谷垣 禎一君    谷川 和穗君       谷畑  孝君    玉沢徳一郎君       近岡理一郎君    中馬 弘毅君       津島 雄二君    戸井田 徹君       東家 嘉幸君    虎島 和夫君       中尾 栄一君    中川 昭一君       中川 秀直君    中島洋次郎君       中曽根康弘君    中谷  元君       中野 正志君    中村正三郎君       中山 太郎君    中山 利生君       中山 成彬君    中山 正暉君       仲村 正治君    長勢 甚遠君       丹羽 雄哉君    西川 公也君       西田  司君    額賀福志郎君       根本  匠君    能勢 和子君       野田 聖子君    野田  実君       野中 広務君    野呂田芳成君       葉梨 信行君    萩野浩基君       萩山 教殿君    橋本龍太郎君       蓮実  進君    浜田 靖一君       林  幹雄君    林  義郎君       原 健三郎君    原田昇左右君       原田 義昭君    桧田  仁君       平沢 勝栄君    平沼 赳夫君       平林 鴻三君    深谷 隆司君       福田 康夫君    福永 信彦君       藤井 孝男君    藤波 孝生君       藤本 孝雄君    二田 孝治君       船田  元君    古屋 圭司君       保利 耕輔君    穂積 良行君       細田 博之君    堀内 光雄君       堀之内久男君    牧野 隆守君       増田 敏男君    町村 信孝君       松岡 利勝君    松下 忠洋君       松永  光君    松本 和那君       松本  純君    三ツ林弥太郎君       三塚  博君    御法川英文君       宮路 和明君    宮下 創平君       宮島 大典君    宮本 一三君       武藤 嘉文君    村井  仁君       村岡 兼造君    村上誠一郎君       村田敬次郎君    村田 吉隆君       村山 達雄君    目片  信君       持永 和見君    望月 義夫君       茂木 敏充君    森  英介君       森  喜朗君    森田  一君       森山 眞弓君    八代 英太君       矢上 雅義君    谷津 義男君       保岡 興治君    柳沢 伯夫君       柳本 卓治君    山口 俊一君       山口 泰明君    山崎  拓君       山下 徳夫君    山中 貞則君       山本 公一君    山本 幸三君       山本 有二君    与謝野 馨君       横内 正明君    吉川 貴盛君       吉田六左エ門君    米田 建三君       渡辺 具能君    渡辺 博道君       渡辺 喜美君    綿貫 民輔君       秋葉 忠利君    伊藤  茂君       上原 康助君    北沢 清功君       辻元 清美君    土井たか子君       中川 智子君    中西 績介君       畠山健治郎君    濱田 健一君       深田  肇君    保坂 展人君       前島 秀行君    村山 富市君       横光 克彦君    園田 博之君       武村 正義君    井上 一成君       岩浅 嘉仁君    坂本 剛二君       笹山 登生君    土屋 品子君       中村喜四郎君  否とする議員の氏名       安住  淳君    赤松 広隆君       粟屋 敏信君    伊藤 英成君       伊藤 達也君    伊藤 忠治君       家西  悟君    池田 元久君       池端 清一君    石井 紘基君       石井  一君    石毛 鍈子君       石橋 大吉君    岩國 哲人君       岩田 順介君    上田 清司君       生方 幸夫君    枝野 幸男君       小沢 鋭仁君    大畠 章宏君       岡田 克也君    奥田 敬和君       鹿野 道彦君    海江田万里君       鍵田 節哉君    金田 誠一君       川内 博史君    川端 達夫君       神田  厚君    菅  直人君       北橋 健治君    北村 哲男君       北脇 保之君    熊谷  弘君       桑原  豊君    玄葉光一郎君       小坂 憲次君    小平 忠正君       小林  守君    木幡 弘道君       古賀 一成君    五島 正規君       今田 保典君    近藤 昭一君       左藤  恵君    佐々木秀典君       佐藤謙一郎君    佐藤 敬夫君       坂上 富男君    島   聡君       島津 尚純君    城島 正光君       末松 義規君    仙谷 由人君       田中 慶秋君    田中  甲君       高木 義明君    玉置 一弥君       樽床 伸二君    辻  一彦君       土肥 隆一君    中川 正春君       中桐 伸五君    中沢 健次君       中野 寛成君    永井 英慈君       羽田  孜君    葉山  峻君       畑 英次郎君    鉢呂 吉雄君       鳩山 邦夫君    鳩山由紀夫君       原口 一博君    日野 市朗君       肥田美代子君    平野 博文君       福岡 宗也君    藤田 幸久君       藤村  修君    古川 元久君       細川 護煕君    細川 律夫君       堀込 征雄君    前田 武志君       前原 誠司君    松崎 公昭君       松沢 成文君    松本 惟子君       松本  龍君    山花 貞夫君       山元  勉君    山本 譲司君       山本 孝史君    横路 孝弘君       吉田  治君    吉田 公一君       渡辺  周君    青山 二三君       赤羽 一嘉君    赤松 正雄君       井上 義久君    池坊 保子君       石井 啓一君    石田 勝之君       石田幸四郎君    市川 雄一君       上田  勇君    漆原 良夫君       遠藤 乙彦君    遠藤 和良君       小沢 辰男君    大口 善徳君       大野由利子君    太田 昭宏君       近江巳記夫君    長内 順一君       河合 正智君    河上 覃雄君       神崎 武法君    木村 太郎君       北側 一雄君    旭道山和泰君       草川 昭三君    倉田 栄喜君       斉藤 鉄夫君    坂口  力君       白保 台一君    田端 正広君       冨沢 篤紘君    富田 茂之君       中野  清君    並木 正芳君       西川 知雄君    平田 米男君       福島  豊君    福留 泰蔵君       冬柴 鐵三君    前田  正君       桝屋 敬悟君    丸谷 佳織君       宮地 正介君    山中 燁子君       若松 謙維君    安倍 基雄君       青木 宏之君    青山  丘君       東  祥三君    井上 喜一君       石垣 一夫君    一川 保夫君       江崎 鐵磨君    小沢 一郎君       岡島 正之君    加藤 六月君       河村たかし君    久保 哲司君       小池百合子君    佐々木洋平君       佐藤 茂樹君    塩田  晋君       菅原喜重郎君    鈴木 淑夫君       武山百合子君    達増 拓也君       谷口 隆義君    中井  洽君       中西 啓介君    中村 鋭一君       二階 俊博君    西  博義君       西川太一郎君    西田  猛君       西野  陽君    西村 章三君       西村 眞悟君    野田  毅君       藤井 裕久君    二見 伸明君       三沢  淳君    吉田 幸弘君       米津 等史君    鰐淵 俊之君       石井 郁子君    大森  猛君       金子 満広君    木島日出夫君       児玉 健次君    穀田 恵二君       佐々木憲昭君    佐々木陸海君       志位 和夫君    瀬古由起子君       辻  第一君    寺前  巖君       中路 雅弘君    中島 武敏君       中林よし子君    春名 直章君       東中 光雄君    平賀 高成君       不破 哲三君    藤木 洋子君       藤田 スミ君    古堅 実吉君       松本 善明君    矢島 恒夫君       山原健二郎君    吉井 英勝君       笹木 竜三君    中田  宏君       海部 俊樹君    渡部 恒三君      ――――◇―――――  日程第一 公害健康被害補償等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出
  36. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 日程第一、公害健康被害補償等に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。環境委員長山元勉君。     〔山元勉君登壇
  37. 山元勉

    ○山元勉君 ただいま議題となりました公害健康被害補償等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案の主な内容は、大気の汚染による健康被害に対し、既に認定された患者の補償給付の支給等に要する費用の一部に充てるため、平成年度で期限切れとなる自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を公害健康被害補償予防協会に交付する措置平成十四年度まで延長するものであります。  本案は、去る二月三日本院に提出され、三月十二日本委員会に付託されました。同日大木環境庁長官から提案理由説明を聴取した後、三月十九日質疑を行い、採決の結果、本案は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  38. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――  日程第二 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第三 主要農作物種子法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第四 青年就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出
  40. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 日程第二、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案日程第三、主要農作物種子法の一部を改正する法律案日程第四、青年就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。農林水産委員長北村直人君。     〔北村直人君登壇
  41. 北村直人

    ○北村直人君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  初めに、三法律案の主な内容について申し上げます。  まず、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案は、工事価格の上昇など農林水産業施設の災害復旧を取り巻く状況の変化に対応して、事業の効率的な実施を図ろうとするものであり、災害復旧事業として国の補助の対象とする工事の費用の最低額を一カ所当たり三十万円から四十万円に引き上げるとともに、災害にかかった箇所が連続している場合において、一カ所の工事とみなすことができる間隔を百メートル以内から百五十メートル以内に拡大することとしております。  次に、青年就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案は、農業の担い手の確保を図るため、他産業から農業へ転職しようとする中高年齢者の就農を促進するために必要な支援措置を講じようとするものであり、  第一に、就農支援資金の貸し付け等新規就農者に対する支援措置の対象者として、青年以外の者で近代的な農業経営を担当するにふさわしい者となるために活用できる知識及び技能を有するものを追加することとしております。  第二に、法律の題名を青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法に改めるとともに、目的規定において、確保すべき農業の担い手を「青年農業者その他の農業を担うべき者」に改めることとしております。  次に、主要農作物種子法の一部を改正する法律案は、地方分権推進委員会第二次勧告における指摘等を踏まえ、主要農作物種子法に基づく補助金の一般財源化を図ろうとするものであり、圃場審査等の事務に要する都道府県の経費に対する国の補助に関する規定を削除することとしております。  委員会におきましては、三月十七日島村農林水産大臣から三法律案提案理由説明を聴取し、同日から昨十九日まで三日にわたり質疑を行いました。昨十九日質疑を終局し、まず、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案について討論を行い、採決いたしましたところ、本案は、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決しました。  次いで、主要農作物種子法の一部を改正する法律案について討論を行い、採決いたしましたところ、本案は、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決しました。  次いで、青年就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたしましたところ、本案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  42. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。  まず、日程第二及び第三の両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  43. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。  次に、日程第四につき採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――
  45. 田野瀬良太郎

    田野瀬良太郎君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  内閣提出地方税法等の一部を改正する法律案地方交付税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長報告を求め、その審議を進められることを望みます。
  46. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 田野瀬良太郎君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。     ―――――――――――――  地方税法等の一部を改正する法律案内閣提出)  地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣提出
  48. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 地方税法等の一部を改正する法律案地方交付税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。地方行政委員長加藤卓二君。     〔加藤卓二君登壇
  49. 加藤卓二

    ○加藤卓二君 ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、地方税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近における社会経済情勢等にかんがみ、地方税負担の軽減及び合理化等を図るため、法人事業税税率引き下げ、個人住民税の土地譲渡益課税見直し、三大都市圏の特定市における特別土地保有税の免税点の特例措置の廃止等の措置を講ずるほか、地方分権を推進する観点から地方団体の課税自主権を拡充するための所要の見直しを行うとともに、帳簿書類の保存方法等の特例の創設、非課税等特別措置の整理合理化等を行い、あわせて国有資産等所在市町村交付金に係る交付対象の見直しを行う等所要の改正を行うこととするものであります。  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、平成年度分の地方交付税の総額について、交付税特別会計における借入金の償還方法を変更するとともに、地方交付税法第六条第二項の額に、平成年度における加算額三千億円、交付税特別会計借入金一兆九千四百五十七億円及び同特別会計における剰余金二千億円を加算した額から、同特別会計借入金利子支払い額四千九百七十四億円を控除することとするほか、平成年度分の普通交付税の算定について、地方団体が必要とする経費の財源を措置するため、単位費用を改正し、あわせて個人住民税の特別減税に伴い基準財政収入額の算定方法の特例を設ける等の所要の改正を行うこととするものであります。  両案は、去る三月十二日本委員会に付託され、同日上杉自治大臣からそれぞれ提案理由説明を聴取した後、十七日に両案について質疑に入り、昨十九日質疑を終了しました。本日両案について討論の後順次採決を行いましたところ、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、地方税法等の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付することに決しました。  また、委員会において、地方財政の拡充強化に関する件について決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  50. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  51. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ――――◇―――――
  52. 田野瀬良太郎

    田野瀬良太郎君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  内閣提出平成年度における財政運営のための公債発行特例等に関する法律案法人税法等の一部を改正する法律案租税特別措置法等の一部を改正する法律案、右三案を一括議題とし、委員長報告を求め、その審議を進められることを望みます。
  53. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 田野瀬良太郎君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。     ―――――――――――――  平成年度における財政運営のための公債発行特例等に関する法律案内閣提出)  法人税法等の一部を改正する法律案内閣提出)  租税特別措置法等の一部を改正する法律案内閣提出
  55. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 平成年度における財政運営のための公債発行特例等に関する法律案法人税法等の一部を改正する法律案租税特別措置法等の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。大蔵委員長村上誠一郎君。     〔村上誠一郎君登壇
  56. 村上誠一郎

    ○村上誠一郎君 ただいま議題となりました各案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  初めに、平成年度における財政運営のための公債発行特例等に関する法律案について申し上げます。  本案は、第一に、平成年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法の規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債発行することができること等としております。  第二に、平成年度における一般会計からの厚生保険特別会計年金勘定への繰り入れのうち経過的国庫負担については、七千億円を控除した金額を繰り入れるもの等としております。  本案は、去る十七日松永大蔵大臣から提案理由説明を聴取した後、質疑を行い、去る十八日質疑を終局いたしました。次いで、本日討論を行い、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、法人税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、近年の経済社会の変化や国際化の進展にかんがみ、企業活力の発揮に資する等の観点から、法人税率について、基本税率を三七・五%から三四・五%に、中小法人の軽減税率等を二五%に引き下げるとともに、法人税の課税所得の計算について、所要の経過措置を講じた上、その適正化を図るほか、特定扶養親族に係る扶養控除額の引き上げ等を行うことにしております。  本案は、去る十一日松永大蔵大臣から提案理由説明を聴取した後、質疑を行い、去る十八日質疑を終局いたしました。次いで、本日討論を行い、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。  最後に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近における金融経済情勢を踏まえつつ、経済社会の構造的な変化及び諸改革に対応するため、金融関係税制土地住宅税制等について適切な措置を講じるものでありまして、有価証券取引税及び取引所税税率の半減、地価税の臨時的な課税停止、個人、法人の土地譲渡益課税の大幅な軽減、居住用財産の買いかえに係る譲渡損失繰越控除制度の創設等を行うとともに、沖縄の経済振興や中心市街地の活性化に資する措置を講ずるほか、阪神・淡路大震災の被災者等が取得した特定の土地の所有権等の移転登記に係る登録免許税の免税措置の創設等及びしょうちゅう等の酒税の税率改正時期の変更等を行うことにしております。  本案は、去る十一日松永大蔵大臣から提案理由説明を聴取した後、質疑を行い、去る十八日質疑を終局いたしました。次いで、本日討論を行い、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  57. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。島聡君。     〔島聡君登壇
  58. 島聡

    ○島聡君 私は、民友連を代表いたしまして、平成年度における財政運営のための公債発行特例等に関する法律案法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。(拍手)  まず、いわゆる特例公債法案について、反対する理由を申し述べます。  本法案では、予算総則に書かれた七兆一千三百億円の範囲内で特例公債発行できることとしておりますが、景気対策のため思い切った減税を実施するということならまだしも、これまでの橋本内閣の政策判断の誤り、行政改革による歳出削減の不徹底の結果を将来世代へのツケ回しにしたことは極めて問題であります。  また、私どもは、従来型の公共事業を野方図に繰り返す効果しか生まない現在の建設公債特例公債の区分そのものを見直すことを繰り返し求めてまいりました。この意味からも、実行すべきことは、この特例公債法の制定ではなく、財政法の公債に関する規定の改正であります。  厚生保険特別会計年金勘定からの七千億円の隠れ借金、年金会計全体の累積では約四兆五千億円に上る隠れ借金の返済について、後日返すと言うだけで、期限と方法が具体的に明示されていない無責任な方策は、強く批判されるべきであります。  次に、法人税法等改正案についてであります。  法人税税率引き下げ課税ベース適正化につきましては、その方向性は当然ですが、税率引き下げ幅は極めて不十分であり、欧米先進国並みに実効税率を思い切って四〇%に引き下げ措置が不可欠であります。政府の場当たり的、小出し的、兵力の逐次投入的な方法では景気対策の効果が全く得られないことは、このところの株価等の推移を見ても明らかであります。  また、基本税率や中小法人等の軽減税率を引き下げながら、大規模な生活協同組合等への特例税率三〇%をそのまま据え置いたことは、不公平であります。  最後に、租税特別措置法等改正案についてであります。  私どもは、本法案のうち、土地流動化対策、沖縄経済振興、福祉・環境対策、阪神・淡路大震災被災者対策等につきましては当然の内容と考えますが、その他の部分につきましては、住宅ローン等の減税を初めとして国民生活にかかわる減税が全く不十分であり、あるいは不適切と考えております。自動車関係諸税の特例税率五年延長につきましても、暫定税率による安易な増収策を踏襲したことは問題であり、公共事業重点化効率化並びに自動車ユーザーなど納税者の立場から、見直すべきが当然であります。  また、既存の租税特別措置の整理合理化については、新設五件に対して廃止はわずか一件、企業関係租特見直しの増収額は約二百億円にすぎません。これこそまさに業界の既得権を保護し、経済構造改革に不熱心、改革が全くできない政府与党橋本政権の本質を示すものであります。  以上、るる申し上げました理由から、民友連としましては、三法案のいずれにも反対することを重ねて申し上げ、私の討論を終わります。(拍手
  59. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 三沢淳君。     〔三沢淳君登壇
  60. 三沢淳

    ○三沢淳君 私は、自由党を代表しまして、法人税法等の一部を改正する法律案租税特別措置法等の一部を改正する法律案反対する立場から討論を行います。  その前に、今回の日銀総裁、副総裁任命手続に致命的な瑕疵があったことに強く抗議いたします。  新しい日本銀行法によれば、総裁は国会の両議院の同意を得て内閣が任命することとされております。これは、昨年六月に新しい日本銀行法が公布されるとともに施行されているものです。我が国が法治国家である限り、法律は厳正に守られなければなりません。この際、このことを申し添えておきます。  さて、今回の法人税改正では、減収額は初年度八千百九十億円、課税ベースの拡大により、実質では三千二百六十億円の減税でしかありません。金融関係税制についても、我が国証券市場の空洞化を防ぎ活性化を図るのが目的であれば、我々のかねてより主張どおり、有価証券取引税取引所税は全廃とするべきであります。  これは、財政構造改革法により減税財源が縛られているため、思い切った政策がとれなかったためと断じざるを得ません。  また、有価証券取引税取引所税はキャピタルゲイン課税とあわせて今後見直すとのことですが、本年四月一日から改正外為法が施行され金融ビッグバンの第一波が始まるというのに、これでは間に合うわけはありません。税制も未整備、不良債権処理も不完全なまま早期是正措置だけを先行させて信用収縮を招き、貸し渋りで経済を混乱に陥れてしまった中、迎える金融ビッグバンは、自爆への道であります。  橋本内閣国民負担増九兆円が九七年度をマイナス成長にまで落ち込ませてしまった以上、同程度の経済対策を実施しなければならないのは当然であり、特別減税やその他の税制改正による減税額を含めても実質三兆円にもならない減税では、まさにばらまき効果しかありません。  バブル崩壊により我が国経済がこうむった痛手はいまだいえていません。加えて、橋本内閣は深刻なダメージを与え続けてきました。あわせて我が国経済は、国際化、超少子・高齢化社会の進展に合わせ、産業政策を国が策定し保護育成する旧来の事前指導型行政、日本型システムから脱却し、国民が主役であり民間活力が存分に発揮される民力中心の経済構造に改めていかなければ、次代の展望は開けません。  官が民から金を吸い上げ使い道を決めるのではなく、国民がみずからの才覚と自己責任で金の使い道を決めることができるよう制度改革を実施すべきであります。  国民の可処分所得をふやし、民間企業の活力を刺激するサプライサイド政策、つまり民力の回復、そのための政策が必要であり、経済の根本からの立て直しを何よりも優先しなければなりません。橋本内閣には、これらの視点が一切ないのであります。  自由党は、かねてより、基本税率引き下げ、連結納税制度の導入により、法人関係税の実効税率を一〇%引き下げ四〇%とし、四兆円減税を行うことを主張しております。また、所得税、住民税の最高限界税率を六五%から五〇%に引き下げ税率の簡素化、フラット化を初めとした六兆円規模減税を実施し、合わせて十兆円減税を行うべきであり、長期的には十八兆円減税日本再構築のために行うべきであります。法人課税実効税率引き下げが約三・六%程度にとどまっているのは、橋本政権が、右のポケットをつぶして左のポケットを膨らませているような論議ばかりに終始しており、大胆な改革を避け続けているためにほかならないのであります。  なお、平成年度における財政運営のための公債発行特例等に関する法律案には賛成いたします。  以上、法人税法等の一部を改正する法律案並びに租税特別措置法等の一部を改正する法律案反対する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手
  61. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  62. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。  まず、平成年度における財政運営のための公債発行特例等に関する法律案につき採決いたします。  本案の委員長報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  63. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)  次に、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  64. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ――――◇―――――
  65. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後十一時四十九分散会