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1998-05-08 第142回国会 衆議院 文教委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年五月八日(金曜日)     午前九時五分開議 出席委員   委員長 高橋 一郎君    理事 稲葉 大和君 理事 遠藤 利明君    理事 小川  元君 理事 河村 建夫君    理事 肥田美代子君 理事 藤村  修君    理事 富田 茂之君 理事 西  博義君       今井  宏君    大野 松茂君       奥山 茂彦君    岸田 文雄君       小杉  隆君    下村 博文君      田野瀬良太郎君    滝   実君       中山 成彬君    野田 聖子君       御法川英文君    渡辺 博道君       北村 哲男君    中野 寛成君       鳩山 邦夫君    池坊 保子君       旭道山和泰君    松浪健四郎君       三沢  淳君    石井 郁子君       山原健二郎君    保坂 展人君       粟屋 敏信君  出席国務大臣         文 部 大 臣 町村 信孝君  出席政府委員         文部大臣官房長 小野 元之君         文部省体育局長 工藤 智規君  委員外出席者         議     員 河村 建夫君         議     員 船田  元君         議     員 望月 義夫君         議     員 福留 泰蔵君         議     員 松浪健四郎君         議     員 小坂 憲次君         参議院議員   小野 清子君         参議院議員   馳   浩君         参議院議員   長谷川道郎君         文教委員会専門         員       岡村  豊君     ————————————— 委員異動 五月八日 辞任       補欠選任   金子 一義君     岸田 文雄君   小杉  隆君     御法川英文君   佐田玄一郎君     滝   実君   田中眞紀子君     遠藤 利明君   安住  淳君     北村 哲男君   松浪健四郎君     三沢  淳君 同日 辞任       補欠選任   岸田 文雄君     金子 一義君   滝   実君     佐田玄一郎君   御法川英文君     小杉  隆君   北村 哲男君     安住  淳君   三沢  淳君     松浪健四郎君 同日  理事田中眞紀子君同日委員辞任につき、その補  欠として遠藤利明君が理事に当選した。 五月八日  中学校における和装教育実施に関する請願(笹  川堯君紹介)(第二一五六号)  同(伊吹文明紹介)第二二一六号)  サッカーくじ法案の廃案、スポーツ予算の大幅  な増額に関する請願石井郁子紹介)(第二  一九〇号)  同(大森猛紹介)(第二一九一号)  同(金子満広紹介)(第二一九二号)  同(木島日出夫紹介)(第二一九三号)  同(穀田恵二紹介)(第二一九四号)  同(児玉健次紹介)(第二一九五号)  同(佐々木憲昭紹介)(第二一九六号)  同(佐々木陸海紹介)(第二一九七号)  同(志位和夫紹介)(第二一九八号)  同(瀬古由起子紹介)(第二一九九号)  同(辻第一君紹介)(第二二〇〇号)  同(寺前巖紹介)(第二二〇一号)  同(中路雅弘紹介)(第二二〇二号)  同(中島武敏紹介)(第二二〇三号)  同(中林よし子紹介)(第二二〇四号)  同(春名直章紹介)(第二二〇五号)  同(東中光雄紹介)(第二二〇六号)  同(平賀高成紹介)(第二二〇七号)  同(藤木洋子紹介)(第二二〇八号)  同(藤田スミ紹介)(第二二〇九号)  同(古堅実吉紹介)(第二二一〇号)  同(不破哲三紹介)(第二二一一号)  同(松本善明紹介)(第二二一二号)  同(矢島恒夫紹介)(第二二一三号)  同(山原健二郎紹介)(第二二一四号)  同(吉井英勝紹介)(第二二一五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  スポーツ振興投票実施等に関する法律案(第  百四十回国会衆法第二一号)(参議院送付)  日本体育学校健康センター法の一部を改正す  る法律案(第百四十回国会衆法第二二号)(参  議院送付)  スポーツ振興法の一部を改正する法律案(第百  四十回国会衆法第二三号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 高橋一郎

    高橋委員長 これより会議開きます。  この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高橋一郎

    高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、理事遠藤利明君を指名いたします。      ————◇—————
  4. 高橋一郎

    高橋委員長 第百四十回国会衆議院提出参議院送付スポーツ振興投票実施等に関する法律案日本体育学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川元君。
  5. 小川元

    小川委員 自由民主党小川元でございます。  きょうは、衆参の発議者の皆様、そして文部大臣、御出席をいただきまして、このスポーツ振興投票法質疑に当たってトップバッター質問させていただくことを大変光栄に思っております。  本法案は、超党派のスポーツ議連審議が始められてからもう六年が経過するということでございます。賛否両論、いろいろありまして、新しいことをやるには当然いろいろな心配事も出てくるわけでありますが、私は、こういうものは、全体として見てプラスマイナスかという判断をし、そしてマイナス面があればそれを少しでも小さくしていく、こういう態度で進んでいかなくてはいけない、こう思うわけでありまして、本法、衆議院におきましても参議院におきましても大変な審議を経て、かなりいい形になってきているのかなと思っております。これを実施すれば、日本国じゅうスポーツ振興に役立つということは確かでありますし、特に青少年がいろいろな社会問題を起こしているときに、スポーツ振興によって健全な子供たちが育っていくようにぜひ役立ってもらいたい、こう思っているところでございます。  私、個人的な話で恐縮ですが、本法案最初スポーツ議連から私ども自由民主党におりてまいりましたときにちょうど党の文教部会長やっておりまして、この取りまとめをやろうとしたのですが失敗をいたしまして、大変お恥ずかしい立場にあるわけでございます。  また私は、一九七〇年から七五年まで南米ブラジルにおりました。そのときに、実は毎週一遍スポーツくじが発行されておりました。ずっと毎週買ってきて、約四年半ぐらい毎週買ったものでございまして、このくじがどんな性質のものかということは比較的よく知っているつもりでございます。残念ながら一遍も当たりませんで、大分投資をして回収ができなかったわけでありますが、そういうこともあわせて、非常に感慨深いものがございます。  まず最初にお伺いしたいのですが、一昨日ですか、参考人方々から、このくじは百六十万分の一というようなものではなくて五万分の一ぐらいではないかというようなお話がありまして、議論になりました。これは恐らく前提の違いではないかと思うのですが、その確率はどうなっているか。また、宝くじや他の公営ギャンブルに比べてどうなのか。これは私は余り大した問題ではないと思うのですが、その点につきまして文部省の見解をお伺いさせていただきます。
  6. 工藤智規

    工藤政府委員 お答え申し上げます。  実際の試合の場面というのは、別にサッカーに限らず野球でもそうでございますけれども、それぞれのチームの強弱、あるいは調子の、具合のいい悪い、あるいはサッカーの場合ですと、ホームの試合でございますかあるいはアウェーの試合でございますかというハンディもあるわけでございまして、そういうことをさまざま考えますと、場合によっては、画一的に同じ確率というよりは若干の優劣が出ることはやむを得ない部分があるわけでございます。そういう意味では的中の確率も、言われている数字よりはある程度高くなる場合もございましょうし、逆に、先生南米で当たらなかったとおっしゃいましたけれども、全く当たらないで確率がゼロであるという場合もあるわけでございます。  ちなみに、イタリアトトカルチョ、いわゆるサッカーくじ、十三試合で行っているわけでございますが、若干全体は違いますので単純に比較できないものの、参考までに調べてみましたら、一等当せん金では、平均一億から二億リラ、邦貨に換算いたしますと、約七百万から一千四百万ぐらいの当せん金平均だそうでございます。ただ、当せん者が少ない場合は、七千万以上、一番高額の場合は三億を超えた場合もあるようでございますが、そういうかなりの開きがございまして、これを当せん確率計算で割り戻してみますと、平均値の場合で約三十三万分の一から六十六万分の一、それから、当せん者が少ない場合には三百三十万分の一以下という数字になるわけでございます。  このように、当せん確率というのはさまざまな要素で変動するものでございますけれども、ごく単純計算で申し上げますと、従来から議連方々がおっしゃっていらっしゃいますように、十三試合の場合は、三分の一の十三乗ということで、百六十万分の一になろうかということでございます。  いずれにしましても、よく言われております公営競技あるいは宝くじと比較してみますと、公営競技の場合は、競艇、オートレース、競輪等ございますが、それぞれ三十分の一から七十二分の一ぐらいの感じでございますし、競馬で近年始められました馬番連勝複式という形のもので、当たる確率が百五十三分の一というぐらいで、数十分の一から百何分の一というぐらいの割と当たりやすい可能性がありますのに対しまして、宝くじの場合は、議連方々がパンフレットなどつくられました段階のドリームジャンボ一等確率が百六十万分の一、それから、全国宝くじでございますとかブロック宝くじの場合は百万分の一、それから、近年始められましたナンバーズ4という数字当て宝くじがございますが、そのストレートの当たる確率が一万分の一ということで、大分開きがあるわけでございます。  いずれにしましても、公営競技に比べますと、どうしても、このサッカーくじ当せん確率というのは宝くじに近いと言えるのではないかと思うわけでございます。
  7. 小川元

    小川委員 この問題は、いずれにしても、このくじが十三試合勝ち負け延長を当てるというものであって、一試合だけじゃないわけですから、確率はいろいろ違ってくるし、確率が高い場合にはたくさん当たるということも、たくさんといっても、私の記憶では、三けたの人が当たった記憶というのはほとんどないのですけれども、そういう場合もあり得るということだろうと思います。  そこで、その質問はそれだけにいたしまして、少し修正案に関する質問をさせていただきます。  まず、修正案で、国庫納付金を二分の一から三分の一に減らされました。これは、皆さんが楽しみで買い、また、スポーツ振興に役立ってもらいたいと思って買うのを国庫に入れてしまって、一般会計では何に使ってもいいというようなのは、私は、本来、どうもおかしいのじゃないかと思っております。したがって、この修正には大賛成ではありますが、この減額をされた理由についてお伺いをさせていただきたい。
  8. 馳浩

    馳参議院議員 お答えいたします。  参議院議論の中でも、いろいろな議論がありました。やはりスポーツ振興のために財源確保法案をつくるのでありますから、なぜ国庫納付金を二分の一も出すのか、むしろ全部スポーツ振興に出せばいいじゃないかという意見がありましたし、私もその意見にくみするところではありました。  ただ、このスポーツ振興くじ制度自体は、青少年を除く広い国民各層購入するといった社会的な大きな広がりの中で実施されるということを踏まえますと、制度に対する国民信頼確保し、その理解を深めることは極めて重要でありまして、そのスポーツ振興くじ収益使途について、スポーツ振興のみならず、教育、文化の振興自然環境の保全、青少年健全育成など、一層の資金投入を必要としている公益事業に対しても支出することとし、そのために国庫納付金制度が設けられたということであります。  これが二分の一から三分の一に減額されたということは、いわゆるスポーツ振興といいますと、実際には地方自治体がやはり青少年スポーツ振興あるいは生涯スポーツ振興等に携わることが多いのでありまして、そのための財源確保するべきであるという意見が強く出ましたものでありますから、その点も踏まえまして、国庫納付金は三分の一に、そのかわり、地方公共団体に支出する部分につきましては、当初は、国庫納付金二分の一、その中からさらに三分の一、計算しますと六分の一という低い額でありましたので、これを、修正によりまして、三分の一を地方公共団体に直接支出するという形にして減額したということであります。
  9. 小川元

    小川委員 私もそれは大賛成で、よく英断を持ってやっていただいたと思って、敬意を表する次第でございます。  次に、文部大臣の、公益に反したりしたときの停止命令というのがあります。これは非常にあいまいな規定ではないかと思うのですね。それで、万一こういうものが出たりなんかすると、行政が国民楽しみを奪うことになってしまうことになりかねない、あるいは子供たちも何だというようなことになって、かえって悪影響があるというようなことも考えられないことではないかと思いますが、この規定はどういう場合を想定しておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
  10. 馳浩

    馳参議院議員 お答えいたします。  当初からこの法案自体は、青少年健全育成に資する、スポーツ振興に資するという目的でありましたから、余りそういう悪影響という点は、むしろ考慮に入れていなかったという点ではあります。  ただ、参議院審議におきましても、これは内容を理解されていない方がほとんどだと思うのですけれども、大変法案に反対される声も多くありましたので、その声にやはり耳を傾けなければいけないという点もありまして、慎重な審議をしていく上で、このスポーツ振興投票制度が直接の原因となりまして、広く青少年教育悪影響を与えるような事態が国内に蔓延するという事態がありました場合には、文部大臣が政令で定める審議会に諮りまして停止をする制度を設けようということになったわけであります。  具体的にはどういうことかということは、それは個別にいろいろあるでしょうから、私の方からは特別申し上げることはありません。
  11. 小川元

    小川委員 これは大変難しい問題だと思います。実際に停止命令が発動されるというようなことがないように期待しますし、文部省としても、文部大臣としても、そういうことは慎重に考えていただきたいということだけ御要望申し上げておきます。  次に、収賄規定を設けられましたが、このくじは十三試合勝ち負け延長を当てるわけですから、一試合、二試合、仮に八百長をやっても、それでくじが当たるとか当たらないとかいう問題ではないのですね。この点が、頭ではわかっていても、私は実際にやっていて思うのですけれども、だから、まず八百長ということは、実際上、やっても全然ペイしない。どこの国でも八百長というのを聞いたことがないような気がするのです。  同時に、収賄規定があると、一本シュートを外したら、何かあれは八百長ではないかというようなことで、選手とサポーターの信頼関係も損なわれかねないという意見もあるのですね。実際には、しばらくなれていくと、一本シュートを外して、それでチーム負けたらくじが当たったなんという人はほとんどいないので、そういう懸念はなくなっていくと思うのです。  これは、要するに、不正な行為の対価として贈賄がなされたという場合にのみ適用されるのであって、例えば公務員が職務に関して受け取った金品のような、そういう贈収賄とは違うということを御説明いただいているので、これは確かにそうですし、その点はこの説明で納得できるわけですが、事前収賄事後収賄についても、同様に、事前にそういう工作がなされて実際に不正行為があった、あるいは不正行為をやって事後にもらう約束をした、そういう場合にのみ適用されるのだというふうに解釈をしておりますが、御確認をいただきたいと思います。
  12. 長谷川道郎

    長谷川(道)参議院議員 先生お尋ね事後収賄事前収賄についての規定でございますが、先生指摘のとおり、事前収賄事後収賄についても同様の処罰規定を設け、それをチェックするということになっておるわけでございます。
  13. 小川元

    小川委員 もう一つ、諸外国でこのくじ目的とした八百長の例があったか、あるいはそういう頻度がどの程度、もしあったといったようなことであれば、いかがでしょうか。
  14. 長谷川道郎

    長谷川(道)参議院議員 諸外国の例でございますが、イタリア、イギリス、ドイツ、フランス、ブラジル、アルゼンチンといった国でサッカー対象としたくじ、いわゆるトトカルチョ実施をされておるわけでございますが、これらの諸国におきまして、サッカー対象としたくじにかかわる不正行為があったということは、そういう実態は全くないというふうに承知をいたしておるところでございます。  また、スポーツ振興くじにつきましては、先生承知のとおり、先ほどお話のございましたとおり、団体競技であるサッカー対象としております点、また、十数試合対象になっております点、また、それらの試合がほぼ同時に進行するという点で大変不正が起こりにくい、そういうシステムになっているということでございます。
  15. 小川元

    小川委員 私も、少なくとも私が向こうにいたころに八百長の話は聞いたことがありませんので、杞憂に終わるのだろうなと思っているところでございます。  最後に、修正案につきまして、情報公開規定を設けられました。これは大変画期的な規定である、先進的な規定であると思うのですが、他の制度と比較した場合に、この公開制度はどのような点に特色があるのかお伺いをしたいと思います。
  16. 小野清子

    小野参議院議員 お答えをさせていただきます。  小川委員御案内のとおり、原案の方におきましても、透明性公正性確保、あるいは日本体育学校健康センターに対しての収益使途等に関する情報公開スポーツ振興投票法第三十条で既に規定をされているところでございます。  今回の修正は、これまでの国会審議等を踏まえまして、この規定をさらに発展をさせ、収益使途に関する国会報告、これを第一点加えました。それから第二点は、スポーツ団体における使途情報公開、これによりまして国民への情報公開を一層進めることとさせていただきました。この修正によりまして、スポーツ振興くじ制度は他の制度にも類を見ない情報公開の大変進んだ制度にさらにさせていただいたということでございます。
  17. 小川元

    小川委員 この制度が有効に活用されて、国民の不信を招くことがないようにしっかりと情報公開がなされることを期待をいたしたいと思います。  次に、発議者へ御質問をさせていただきますが、本法案では十九歳未満は買ってはいけないと規定をされております。これを設けられた理由は何かということをまずお伺いをしたいと思います。  私は、個人的な意見としては、子供が買っても何の害もない、少なくとも私がいたときには向こうでは子供が買っておりましたが、新聞その他で、大人の方は少しありましたけれども、子供が何か問題を起こしたというものを読んだ記憶はないわけであります。  例えば、親が買うから悪影響があるというような議論もありますが、これはまことにおかしな話で、親は親の責任。今、子供教育に対する親、家庭のかかわり、あるいは社会のかかわりというのが非常に問題になっているときでありますが、このような議論には私は全然くみしないわけであります。  十九歳未満は買ってはいけないとされた理由及び青少年への悪影響というものを非常に心配される議論がありますが、むしろこの制度を通じて、冒頭に申し上げたように、スポーツというものをしっかり発展させて、そして子供たちスポーツに邁進をして、変なことをしないというふうになっていく。このスポーツくじは、ゲームセンターお金を使ったり変なビデオを買ったりするよりよほどいいと思っているわけです。そういうプラスの面の方がずっと大きいと思うのですが、そのPRがどうも余りなされていないのではないかというふうに考えておりますが、今後のPRあり方についてお伺いをしたいと思います。
  18. 船田元

    船田議員 お答えいたします。  今、小川先生おっしゃいましたように、スポーツ振興くじ、これは宝くじ制度に近いものであると我々は認識をしております。したがって、いわゆる公営ギャンブル、いろいろギャンブルはありますけれども、次から次へとお金をつぎ込んで、そのために例えば生業をなげうつようなそういう事態、のめり込んでしまうというような事態は発生しにくい、こういうふうに思っております。  また、スポーツ振興くじ自体は十数試合の結果を予測して楽しむといういわば知的ゲームである。したがって、ゲームセンターとかビデオで楽しむということとはやはり性格を異にするものではないかというふうに思っております。  ですから、先生おっしゃるように、宝くじでも購入年齢制限は特に設けていない。多分、それと同様の扱いをしてもそう大きな問題はないとい うふうに私ども思っておりますけれども、しかしながら、十九歳未満青少年がこのサッカーくじ購入することについては、例えば、一部には、くじ購入に伴って非行を誘発するのではないか、あるいは社会的に未熟な青少年が勤労を経ずして金銭を得るということは精神的にいかがなものかなとなど、青少年健全育成に対する好ましくない影響を懸念する意見が出ているということも事実であろうと思います。そこで、我々としては、十九歳未満青少年についてはくじ購入は禁止をする、こういうことで法案をつくらせていただいたということでございます。  しかし、また一方で、このスポーツ振興くじを行うことによって、やはりスポーツ団体あるいは地域スポーツクラブ等々に大きなお金配分をされていくわけであります。そういう地域スポーツ、あるいは特に少年スポーツ振興ということがこのことによって図られる、そのことが子供たち健全育成に非常にプラスの面で影響を与えるのだ、こういうことになるかと思っておりますので、先生のおっしゃるとおり、この問題についてはやはり大きくPRをしていかなければいけない、このように考えておるところでございます。
  19. 小川元

    小川委員 私は、子供たちにも売ったらむしろもっと健全になるのじゃないかなと思っているのですが、それはそれで結構でございます。  ちょっと時間がなくなりましたので、失礼ですけれども質問を少しカットさせていただきまして、文部省にお伺いをしたいのです。  この運営特殊法人が行うことになっております。特に配分につきましては、大枠は保健体育審議会が行うのですが、現実には特殊法人がやるということになりまして、一種の補助金みたいな格好になるわけでありまして、この透明性確保ということが非常に大きな今後の問題になっていきます。  今、特殊法人あり方について全般的にいろいろ言われているわけでして、しかも効率的に運営をしてもらわないと採算が合わなくなるということもあるわけでございます。この運営について文部省としてどのようにお考えになっているか、お答えをいただきたいと思います。
  20. 町村信孝

    町村国務大臣 小川議員の御指摘、もっともでございます。  まず、配分の問題につきましては、非常に透明性を高めるという観点から、まず、保健体育審議会意見に基づいて配分の基本方針を公表いたします。次に、広くスポーツ団体に公募をいたしまして、申請のあったものについて、学識経験者、スポーツ関係者等の第三者から成ります審査会で配分を決定をいたします。そして、配分の決定内容を情報公開をする。こうした極めて公明正大な手続を予定をしてございますので、そういった意味の不透明さというのはあり得ない、こう考えております。  さらに、日本体育学校健康センター特殊法人でございますが、これについて役員をふやしたり職員をふやしたりするのではないかという御懸念もございますが、目下のこの行政改革の中で特殊法人のスリム化ということが求められているわけでございますので、私どもとしては、この新しい業務が追加されるということをもって役員をふやしたり、あるいは職員をふやしたりということは一切考えておりません。
  21. 小川元

    小川委員 地方公共団体だとか民間のそういう申請があったところにやたらに威張ったりなんかというのはよくあり得る話ですので、そういう点もぜひ御注意をいただきたいと思います。  同時に、このスポーツくじ配分方針というものをしっかり立てていただいて、国民にわかるように活用していただきたい。もう一つ、効率的な運用も当然考えていただきたいと思います。  最後に、このくじサッカー対象にして行うわけですが、これはサッカー試合とかサッカー協会とは直接関係ないわけですよね。それはそれでスポーツとしてちゃんと行われるものであります。そういうところに対して、くじを行うからといって不当な干渉を特殊法人文部省がするというのはこれはあってはならないことであります。例えば、くじがどうも売れ行きが悪い、もう少しサッカー競技の方を何とかしろとかその種の干渉というものが行われてはなりませんし、サッカー協会そのものに対して何かいろいろほかの圧力をかけるというようなことは絶対あってはならないことでございますが、その点について、そういうことがないように監督をすべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
  22. 町村信孝

    町村国務大臣 もとよりJリーグがサッカー運営といいましょうか全体のあれをやるわけでありますから、文部大臣の関与というものも、Jリーグの主体性をやはり尊重していくということが大切だろう、こう思っておりますので、他の公営競技と比べても必要最小限のものにとどめるという形をとっております。  例えば、法人への立入検査というのが競輪、競馬などの場合ですとありますけれども、この場合にはございませんので、できるだけ主体性尊重ということを文部省とJリーグとの間はそのように考えておりますし、さらに日本体育学校健康センターとJリーグの関係は、これも、この法律に基づきまして試合の通知と試合結果の通知をするというだけにとどまっておりますので、それ以上の立ち入ったことというのは起こり得ない。  いずれにしても、Jリーグあるいは日本サッカー協会の自主的な活動というものを前提としてこの仕組みができているということを私どもは尊重していかなければならないと考えております。
  23. 小川元

    小川委員 時間が参りました。  非常に議論を呼んだ法案でありますので、この制度が、くじ実施される場合に、本当に国民に理解をされ、そして愛されるくじとしてスポーツ振興に役立つように、特に最初の六カ月、なれるぐらいまでが非常に大きな問題だと私は思いますので、二年も先の話ですが、スタートに気をつけていただいて、この制度が定着していくことを望んで、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  24. 高橋一郎

    高橋委員長 次に、北村哲男君。
  25. 北村哲男

    北村(哲)委員 民主党の北村でございます。  けさの五大紙新聞を見ますと、一斉に論じておることがありました。田中眞紀子前文教理事が首という囲み記事がありました。その記事の中を見ると、党議拘束に反する者は出ていけというふうなことらしいんですけれども、田中先生は、審議を通じて不明確な点が出てきたので、今すぐに採決をする必要はないんじゃないか、もっと慎重審議をすればいいじゃないかというふうなお考えのようであります。私も全く同感であります。多数を頼んでの最初から党議拘束ありでは、審議は何のためにあるのかという気がします。単なる儀式なのかと非常にむなしい気もします。  私は、この審議経過を見て、いまだ不十分な点があればまだまだ審議を続けるべきであるし、その結果、問題があればその点を指摘して直すなり、あるいは審議をした議員を中心に結論を出すべきだと思っておりますけれども、その点について、発案者の皆様方は一体どのようにお考えになるのか、まずお考えを聞きたいと思います。
  26. 船田元

    船田議員 お答えいたします。  今回のスポーツ振興投票制度の導入をしようという法案を提案させていただいておりますけれども、この立場からしまして、各党の党内の事情ということ、あるいは党内でどのように投票行動を決められるかということは、これは私どもから申し上げるべきものではないというふうに考えております。  ただ、既に昨年は衆議院のこの委員会でも御審議をいただきました。昨年の秋以降、今度は参議院の方で慎重な審議をしていただきまして、そして、その審議の経過を通じて今回の参議院における修正案もきちんとまとめられた、このように承知をしているわけでございます。修正がありましたのでもう一度衆議院に返ってまいりましたけれども、衆議院におきましてもさらに慎重な審議をしていただいておりまして、もちろんこの審議を通じながらその正しさ、あるいはそれぞれ議員の 皆様あるいは委員の皆様の投票の行動を決定されるということは当然だと思っております。  ただ、それがそれぞれの政党の事情あるいは政党の意向ということによって党議拘束をかけるあるいはかけない、かけるにしてもどちらの方向にかけるかということはすべて政党の問題であるということでありますので、私どもそれ以上申し上げるつもりはありませんが、民主主義のもとで今きちんと審議が行われている、このように理解をしております。
  27. 北村哲男

    北村(哲)委員 私は、党議拘束というのは確かに必要かもしれませんが、審議を通じて議案というのは動いていくと思いますので、そのあたりは、それを初めに党議拘束ありきというふうな姿はよくないというふうなことで、しばしばそういう場面に当たりますので、私どもはその点を考えていかなきゃならないと思っております。  ところで、全国の三百三十四の地方議会、あるいは主婦連合会、日本消費者連盟などの数十団体、あるいは日本弁護士連合会を初めとした三十を超える単位会の反対、あるいは高校サッカーの関係者三千数百人の反対、あるいは日本PTA全国協議会及びその傘下の単位PTAの反対、それと多くの新聞の社説による批判あるいは批判の論評、そして本委員会における多くの反対の意見、これらの反対を押し切って法案を強行して成立させて、多くの人が歓迎されない法律を文部省の主導あるいは後押しでつくってみても決してよい結果は生まれないと私は思います。その点で、私はこの点については再度考え直して慎重審議をしていくべしと考えます。  ということが私の前置きでございますが、今の質問についても恐らく同じお答えだと思いますので、再度の質問はやめて、そういうことで、私は、反対を押し切ってつくってみても決していいものではないだろう。そして、疑心暗鬼のままつくったならば、片やスポーツ振興のために進めるべきである、しかし、片や非常に心配事があるから、片っ方ではブレーキをかけてなるべく子供たちには見せないように、やらせないようにという姿にしなくちゃいけないということで、この法律を思い切って国民に広げていくという姿があらわれない、そういう欠陥のある法案になってしまう、そういう制度になってしまうというおそれを私は感じます。  ところで、参議院修正がされました。およそ四つのカテゴリーに分かれるというふうに理解できると思います。その一つは、収賄等の不正防止、二つは、収益金の三分の一を国庫へ、そしておおむね三分の一を地方公共団体出資のスポーツ団体への支給、そしてあとの三分の一は今までの考え方というか、その他のスポーツ団体へというふうに決めたこと、三つ目のカテゴリーは、情報公開などの透明性を高めたこと、四つは、文部大臣の中止命令権を定めたこと、おおむね私の理解では四つに分かれると思いますけれども、まず、その立法趣旨をお尋ねしたいと思います。
  28. 小野清子

    小野参議院議員 北村委員お答えをさせていただきたいと思います。  議員も御案内のとおり、スポーツ議員連盟によっての立法でございますので、提案法案でございますので、各党派によります一年間にわたります議論が既にされておりましたことに諸議員との温度差が幾分かはあったことは免れないことではないかと思います。  参議院の方におきましては参考人意見聴取を二度やりまして、全体では十五時間にわたります数回の質疑を繰り返させていただきました。  今回の修正の要点と目的、仕組みはどのように変わったのかという御質問でございますけれども、今先生がおっしゃいましたように、四点に関しまして私どもは修正をさせていただきました。  第一点は、地方公共団体等の行うスポーツ振興事業に対する支援の強化をさせていただいた点、第二点は、スポーツ振興投票に係る収益使途に関する国会への報告その他情報公開、第三点は、スポーツ振興投票実施停止、第四点は、指定試合の公正を確保するための罰則の追加、こういう四点でございます。  これらの修正は、例えば、地方のスポーツ振興の強化、これは御案内のように、スポーツはやはり地元で、地方のそれぞれの地域でのスポーツ振興というものが青少年健全育成あるいは高齢化時代におきます健康長寿社会の実現に資する、あるいは生きがいの問題等々を含めて、やはり歩いて行ける施設において、それぞれがスポーツという一つの文化を通して健康で生きがいのある人生を構築してほしい、そういう要望にこたえまして、かつまた、地方における国際試合も大変多くなりましたし、それから交流試合も多くなってまいりました。そういう点が第一点。  また、情報公開に関する一層の透明性確保という点では、先生これは御案内のとおり、公益法人の場合には、一般的に情報公開あるいは財務公開をすることになっておりますので、そういうことでさらに二重三重の歯どめをかけさせていただき、これは実施停止等々もそうでございますけれども、念には念を入れと、こういう形にいたしました。  罰則の点も、本来は、サッカーをしていらっしゃる皆様方に対してこういう規定を置くのはいかがかという気持ちもなきにしもあらずでございますけれども、まさに国民の皆様の御理解をいただくためにということで、このようにさせていただきましたが、本制度の基本的な仕組みというのは変わっておりませんことを御報告申し上げます。
  29. 北村哲男

    北村(哲)委員 私は、今御説明いただきましたけれども、これは、この法案の持つ危険性といいますか、不正の危険性とか、あるいは収益金の使途がどうも信用できない、あるいは公益に反するおそれがあるのではないか、そして、青少年への悪影響を内包する法律ではないか、こういうものをみずから認めたからこういうことの歯どめをしたというふうに理解できるのです。先生のおっしゃることは反対に言うとそういうことなんですね、その危険性に歯どめをした。では、歯どめをしたから変わったかというと、仕組みは変わらないとおっしゃる、その点をまず確認しておきたいと思います。  仕組みが変わらないということは、すなわち、この法案の二条である、スポーツ振興投票とはどういうものかということについての仕組みは原案のままであるわけですけれども、このスポーツ振興投票、すなわちサッカーくじが賭博行為であるかどうかということが、今までの議事録を読んでみると、ずうっと論じられて、しかも極めてあいまいだというふうに私は思うのです。  例えば、衆議院の前の審議の中では、福留議員さんは、平成九年五月二十三日の衆議院のこの委員会での説明によると、ギャンブル性の問題、射幸性をいかに少なくするかが課題である、そして、当せん金の割合が二分の一以下であること、それから二番目に、当せん確率を極めて低く設定してある、百万分の一という程度である、三番目に、サッカーを行う競技場では販売しない、そして、払い戻し金額あるいは当せん確率、払い戻し割合がいずれも宝くじに近い制度と理解しているというふうにして、これはギャンブル性は少ないというふうに説明しておる。先ほども同じような説明がありました。  また、島村議員は、払い戻し金額、当せん確率、払い戻し割合、いずれも宝くじに近いもの、当せん確率は百六十万分の一だ、ちょっと変わってきていますね。だんだん都合のいいように広げてありますね。ギャンブル性は極めて低いというふうに言っておる。それで、いろいろと言われておりますけれども、私は、これはギャンブルかどうかというのをお確かめしたいのです。今まだ成立していませんけれども、この法律の成立していない今の段階で、この二条と同じ行為を、二条によって同じ行為をだれかが行おうとするとどうなるのでしょうか。すなわち、法律がないから、ギャンブル性は薄いからだれがやってもおとがめなしであるのか、あるいは何らかの刑法罰に該当するのかどうか、それ についてお答え願いたいと思います。
  30. 船田元

    船田議員 お答えいたします。  先生最初に御指摘をいただいた、サッカーくじ実施をされるということになりました場合に、それがいわゆるギャンブルであるのかあるいは賭博であるのか、こういうお話がまずあったと思いますが、これはもう既に提出議員の方からもるる御説明申し上げておりますように、一つは、売上金額の二分の一以下が当せん金であるということ、それから、十数試合、まあ十三試合程度ということを想定しておりますけれども、それの勝ち負け、引き分けという結果をまとめて予想する、こういうことでございますので、理論値としては約百六十万分の一という確率である。  しかしながら、これは先ほどもちょっとお話がありましたように、引き分けの割合が三分の一では必ずしもないという点や、あるいは、チームによっての強弱というのは試合をする前からある程度予測ができるという点、そういうことなどを考えますと、この確率はあくまで理論値でございまして、若干の上下があるということは、これは本来想定できるということでございます。  それから、当せん金の最高限度額を宝くじ並みに設定をする、このようなことを通じまして、やはり宝くじ制度に非常に近い制度に仕立て上げているということでございます。宝くじによって生業をなげうつまでにのめり込むという例は、私は、国内では聞いたことがありません。それと同様に、サッカーくじの場合にも、次から次へと金銭をつぎ込む、のめり込むということはあり得ないというふうに考えておるわけでございます。  刑法の問題を言えば、刑法の中では、いわゆる賭博というものと、それから富くじ、この区別がある程度説としてあるわけでございますが、通説としては、賭博におきましては、胴元とその賭博を行う者がともに財産上の損失の危険を負担する、こういうことであり、富くじというのは、財産上の損失の危険を購買者が、つまり買う方が一方的に負担をする、こういう区別があるわけでございまして、これに従うのであれば、スポーツ振興くじというのは、危険負担は一方的であります。したがって、富くじに該当するというふうに考えております。  なお、先生二番目に御指摘をいただいたのみ行為の問題でございます。この指定試合に関する、いわゆるサッカーくじに関するのみ行為ということにつきましては、これが行われることによって、スポーツ振興投票制度の公平さとか透明性確保された明るいイメージであるというのを、そのイメージを大きく損なうおそれがあるということ、あるいは、施行者利益というものを侵害する側面を持っているというようなことから、第三十二条によって処罰の対象としているわけでございます。  現在、スポーツ振興投票を法律の根拠なく行った場合には、財産損失の危険負担で賭博と富くじを区別する通説に従えば、富くじ罪に該当するのではないか、このように理解をしているわけでございます。
  31. 北村哲男

    北村(哲)委員 すなわち、今お答えいただきましたこの行為を、この法律を抜きにした場合には富くじ罪、これは私は賭博罪になるか富くじ罪になるかというのは私もはっきりしませんが、いずれにしろ、賭博罪あるいは富くじ罪、懲役二年以下、あるいは、賭博罪であれば、常習であれば懲役三年以下という極めて違法性の高い犯罪行為であることは明らかでありまして、るる説明を何度も受けましたけれども、私は、当せん確率が低いとか、あるいはそういうことによってその行為の犯罪性がなくなるものではない、明らかに刑法犯罪に該当するというふうに考えます。  ところで、ここに一つの週刊誌の記事があります。週刊現代で、ゴールデンウィーク特別企画、百万円ダブルチャンス、プロ野球トトカルチョという記事があります。これは、週刊誌で堂々と、一人十万円、総額百万円で十万円ずつ十人に当たりますということで、ジャイアンツの貯金数が五月三十一日現在で幾つか、タイガースの貯金が幾つか、松井の本塁打数は幾つか、高橋さんの本塁打数は幾つかということを堂々と記事にしていますが、これはどうして許されるのですか。あるいは違法なんでしょうか。
  32. 船田元

    船田議員 お答えいたします。  私がこの立場でお答えするべきものかどうかというのはちょっとわからないのでございますが、確かに、何か週刊誌で、百万円が当たる、あるいは十万円が当たるということで、いわゆるプロ野球トトカルチョという企画がどうもあるようでございます。  これがどうなのかということなのでありますが、刑法の賭博罪とか富くじ罪というのは、お金とか財物を提供する、拠出をして、そしてその偶然の事情によって危険を負担する行為を処罰するものであるということであります。例えば、くじを引く人が財物を拠出すれば、これは富くじ罪あるいは賭博罪になるかと思いますけれども、財物を拠出しない、提供しない福引きなどにおいては、これは刑罰によって処罰されるものではないというふうに理解をしております。  ですから、御指摘をいただいたプロ野球トトカルチョにつきましても、応募者が仮に財物を拠出するようなものじゃないとした場合には、これは法的には違反をしていないというふうに解釈をするべきだと思います。
  33. 北村哲男

    北村(哲)委員 余計な質問をしまして、どうも失礼しました。どうもありがとうございました。そのとおりだと思います。財物を拠出していないということで、一種の懸賞だというふうに思っております。名前がいけないですね、これは。  ところで、先ほどちょっと先に先生お答えになったのですけれども、法律のないところでこの行為をやったらどうなるか。これは刑法による賭博罪、あるいは富くじ罪に当たるから違法であるということははっきりしました。  ところで、この法案が成立した後で、このセンター以外の人が二条におけるスポーツくじを発売した場合、これはどうなるかということ、これは当然、お答えのように、この法律の三十二条で、本来法律によって施行していい人以外の人がやった場合は、いわゆるのみ行為として五年以下の懲役あるいは五百万円以下の罰金というふうにして、先ほど言った通常の刑法の賭博罪の倍以上の刑罰が科せられる。非常に違法性が高いということですね。  ということは、保護法益という言い方をしますと、このスポーツくじは、通常の賭博罪、賭博とか通常の富くじよりも倍以上の違法性の高い、もし裏でやったならば違法性が高いというふうな解釈もできるわけですね。それほど刑罰をもって重くしているということ、すなわち、五年以下というと、通常では、横領罪とかあるいは公務員の収賄罪、そういうものに相当するわけですね。  ですから、サッカーくじをやることの怖さ、法律がないならば、あるいは法律に背いたら、公務員の収賄罪とか横領罪に相当するほどの重いものですよということははっきりと自覚していただきたいと思いますけれども、そのあたりはどのようにお考えかということ。  もう一つは、先ほどのお答えと大体同じかと思いますけれども、この二条違反、三条のセンター以外の人が二条行為を行ったら、ここで言うと三十二条による罰則で、明らかにのみ行為ということの刑罰が五年以下というのがあるのですけれども、類似の法律の競馬法あるいは自転車競技法によると、罰則の規定が——この法律でいうと、三条以外の人が二条行為を行った場合には懲役五年に処するというふうな形態をしているにもかかわらず、この法律は、そういうふうに言わないで、わざわざ三十二条で別の形態をしています。  不特定又は多数の者に財産上の利益を提供さ  せ、又は提供することを約させて指定試合の結  果の予想をさせ、当該予想と当該指定試合の結  果との合致に応じて財産上の利益を提供するこ  とを約して利益を図った者は、五年以下の懲役というふうにわざわざ新しい形にしておるというのは、何か特別な意味があるのでしょうか。
  34. 小坂憲次

    ○小坂議員 北村委員お答えを申し上げます。  委員指摘のように、今回の法案作成に当たりましては、最近の法改正の実情に合わせまして、今御指摘のような罰則規定につきましても、競輪、競馬、そういったいろいろな公営競技の罰則規定の中で、最近の傾向をある意味で先取りをしたといいますか、そういう形で行うのが適当であろうということでこの規定を設けております。  基本的に、のみ行為というものを私が考えますに、今委員が御指摘になりましたように、本来行われるであろう正式な法律に基づく競技行為と同じ仕組みをその主催者以外の者が行って、そして実際には、お金を集めておきながら、外れた場合には自分でそれを取ってしまうようなことで不正行為を働くということがのみ行為であろうと思うのですね。  この際、委員の御指摘部分とは若干ずれるかもしれませんが、私ども、一般の方々から御質問をいただくときに、子供たちサッカー試合を見て、こういうくじが始まると、その試合勝ち負けを学校でかけるようなことになったらどうするんですかという御質問をいただきますが、そういうことをのみ行為と思っていらっしゃる方が結構いらっしゃるということも私思いましたものですからここで御説明を申し上げるわけでありますが、そういうものは、委員指摘のように、のみ行為ではないということでございます。  今委員が御指摘になりましたようなのみ行為の防止策は、先ほど船田提案者の方から御回答申し上げたような形で、この法律の中で厳しく罰則を設けて、このことが行われないような防止策をとっているというふうにお答えを申し上げたいと思います。
  35. 北村哲男

    北村(哲)委員 この法律の二条を読むと、いかにもわかりにくい。ごく普通のことのような言い方をしているのですけれども、この裏、すなわち二条で言うスポーツくじとはどういうものかということの裏が、裏といいますか、その裸の姿が三十二条、すなわちこういうことなんですよということをあらわしていると私は思います。いわゆるこの行為が、不当な利益を図ろうというよりも、普通の公共団体がやっても公の人がやっても同じく五年以下の懲役に処するわけですから、違法性の極めて高い内容であるということは理解できると私は思います。  ところで、次に、もう何回か御説明がありましたけれども、あるいはこの前に小川議員からも御質問がありましたけれども、当せん確率が極めて低いという点を賭博性が少ないということの理由に挙げておられます。この答弁によってもまちまちで、福留議員は百万分の一というふうに言われたり、あるいは島村議員は百六十万分の一と言われたりしておりますが、この確率は一体どういうふうな計算をされたか、これはもう先ほど説明があったから、これはやめます。  私は、ここに、大阪商業大学の学長の谷岡さんという方が「サッカーくじ 一等確率について」という参考メモをつくっておられる。恐らく皆様方ごらんになったと思いますけれども、この方のメモによりますと、この百六十万分の一ということ、そして賞金の上限が一億円であるという認識がひとり歩きしているようですが、その百六十万倍という数字は非現実なものであります。その理由を以下に述べますと言って、さまざまな算式をしております。  それで、この百六十万分の一にならない理由ということを幾つか挙げまして、結局、この方の算出だと六万分の一、これは驚くべき逆の数字であります。この方は、いろいろな勝率をさまざまなシミュレーションで出して、状況A、状況B、状況C、状況Dというふうな形にして、勝率が三五%の場合、四〇%の場合、四五%の場合、五〇%の場合と変えて、勝率三五%の場合には八十五万分の一、そして、勝率が五〇%程度のものである場合は八千二百分の一というふうに下がっている。そして、結局、平均して六万二千分の一ぐらいにしかなりませんというふうに言っておられるわけです。  こうして見ると、提案者の皆様方がずうっとここで言い続けておられた百六十万分の一というのは、かなり論拠の薄いものになると私は考えます。そして、しかも、これが百六十万分の一ではなくて、たとえ五万分の一だとしますと、払戻金も、一億円ではなくて、百五十万とか二百万とかあるいは五百万という程度に下がってしまう。これは売上金との関係でそうなってしまう。  そうなると、こういう話が、しかもれっきとした大学の学長さんで、社会学博士のシミュレーションによるものが出ますと、提案者の皆様方は、一億円の夢を与えると言いながら、実は、夢を与えないで、うそを言ったというふうになってしまわないか。それこそ詐欺行為になってしまうといえば言葉は悪いですよ、そうなってしまうのではないかというふうに思うのです。こういう法律で世間をだましてしまう、そういうふうになってしまわないかと思うのですけれども、この辺は一体どういうふうにお考えでしょうか。
  36. 船田元

    船田議員 極めて数学的といいますか統計的な確率論になってしまうわけでありますが、私どもはこれまで答弁の中で、当せんの確率ということで約百六十万分の一という数字を申し上げてまいりました。ただ、これは、誤解をしないでいただきたいのですが、あくまで理論値でございまして、例えば、十三試合というのを、勝ち負け、引き分けということで、一試合三通りの結論が出るわけでありますが、それが十三試合ということになりますと、三分の一の十三乗ということになりまして、それが約百六十万分の一、正確に言うと百五十八万とか百五十九万何がしか分の一、こういうことになるわけです。  ただ、これは、実際に試合に当てはめてみると、先ほどちょっと私が申し上げましたが、例えば、引き分けの確率というのは三分の一であるかどうかということは、これはあるいはもうちょっと少ない可能性が強いというふうに思います。それからまた、常に勝っているチーム、どこと戦っても絶対勝つのだというチームが一つでもあれば、全体の確率は、三倍ぐらいに確率が高くなる、こういうふうになるわけですね。  そういったことを、いろいろな偶然の要素あるいはあらかじめ予測できることをいろいろと前提として考えるのであれば、あるいは谷岡先生がおっしゃるような確率に近くなる可能性もあるかと思います。しかし、百六十万分の一というのはあくまで理論値ということで申し上げてきたことでございます。  また逆に、当せん者がゼロになるというその可能性もあるわけですね。つまり、いろいろな偶然の要素によって、だれも当たらない、これはもう確率は全くゼロ、こういうことなるわけでありまして、こういうことすら予想される。  ですから、上限とか下限とか言うつもりはありませんけれども、百六十万分の一というのは理論値だ、実際にはそれよりも低くなる場合もあれば高くなる場合もあるということで御理解いただきたいと思っております。  ただ、今おっしゃった、例えば当せん確率が非常によくなってしまって、よくなるということは当せんする人の割合がふえてくる。そうすると、いわゆる当せん金というものは、分配する人が多くなるので下がる。こういうバランスの問題になってくると思いますが、そのことによって射幸性、我々が考えている今回のサッカーくじにおけるその射幸性が極端にふえるとか極端に減るということは、それはないというふうに考えております。  これはあくまで確率論の問題で申し上げてきたことでありますが、実際の状況においては、その変動というのは、これは十分にあり得る。しかし、十分にあり得るとしても、それはいわゆる公営ギャンブルにおけるような当せん確率とは、これはけたが違うということを御指摘申し上げておきたいと思います。
  37. 北村哲男

    北村(哲)委員 宝くじに似ていると言われますね。宝くじは、一億円です、五千万円ですというふうに夢を与えるかもしれません、そのようにおっ しゃいました。  しかし、このサッカーくじができたならば、恐らくいろいろなところが広告をするでしょう。一億円当たりますよ、皆さん夢を買いましょう、百円で一億円ですというふうにされると思いますね。ところが、この方のシミュレーションによると、百五十万だってあり得るわけではないですか。今先生もおっしゃいました、これはあくまで数値であって、それはあり得ると。  これは競馬と一緒ですよ。それは、大当たりもあればだめもある。一億円と百五十万というような数字がここで出ていますね。相当の開きがあるわけですから、どういう宣伝をするか。恐らく、もう今から手ぐすね引いて待っておる銀行とかそういうところは、一億円、一億円という広告をされると思いますようそですよ、それ。そうではなくて、競馬と一緒ですよ、大当たりもありますよ、だめもありますよ、ゼロもありますよ。ゼロのあるような宝くじはないですよね。そういうふうなことになりませんか、今の御説明だと。非常にあいまいに、ソフトに言っておられますけれども、結局、はっきり言うと、私の言うようなことになりませんか。
  38. 船田元

    船田議員 今の御指摘でございますが、実際にこの法案が成立した後、PRということは、当然これは考えておかなければいけないわけであります。PRの中には、確かに、今北村先生おっしゃるように、夢を買いましょうということで、そういう方向でのPRもあれば、また一方で、十九歳未満青少年の場合には、購入してはいけませんというPRも、あわせてこれは厳格にやらなければいけないというふうに思っております。  前段のことでございますけれども、例えば今のドリームジャンボ宝くじにつきましても、一億円というのは、前後賞を合わせて一億円ということでありまして、そういったことも、多分、今の宝くじ制度の中ではきちんと説明をして、そして、当せん金はこういうことになる場合もありますということでPRをしていると思います。  我々の考えでおりますこのサッカーくじの場合にも、どこがその実際の販売を行うかということは、これはコンペによって決められていくわけでありますけれども、いずれにしましても、単純に一億円が当たるのだ、そういうような誤解を与えかねない、そういうPRというのは、やはりこれは事実というものとは離れることだと思いますので、やはり現実の問題、あるいは事実こうなりますということを厳格にPRするということは、これは大事なことではないかというふうに思っております。
  39. 福留泰蔵

    ○福留議員 ちょっとお許しをいただいて、補足の説明をさせていただきたいと存じます。  今委員は、一億円当たるかのようなことを私どもが申し上げているというような趣旨のお話でございましたが、この当委員会でもずうっと御説明申し上げておりますのは、私どもとしては、その上限を一億円程度ということで御説明申し上げてきた経緯でございまして、何も、これを買うと一億円当たるということであるような御説明はしてこなかったつもりでございます。  実態的には御説明があったとおりでございまして、実際、イタリアの例を見てみますと、一等当せん金では、平均約七百万から一千四百万円程度であるというふうに承知しておるところでございます。また、当せん者が少ない場合は一億円を超える高額の当せん金が出るということも承知しております。  私どもとしては、射幸心をできるだけあおらないものにするべく、その上限をある程度定めた方がいいのではないか、余りにもこの賞金が億単位を超えていくようなものにならないようにということで、上限という意味でこれまで御説明申し上げてきたところでございますので、この点をぜひとも御理解をいただきたいと思います。
  40. 北村哲男

    北村(哲)委員 私は、先ほどからのこの質問の中で変わってきたのは、宝くじと同じだというふうな言い方がだんだん、今の当せん確率、それから配当金などから考えると、これは競馬と同じ構造であるというふうになってきたと思います。それはやはり、ゼロもあり、そして当たらないところもあり、あるいは上限があるけれどもその間でいろいろな変動があるということ、そして勝敗にゆだねておるということ。いわゆる宝くじは抽せんですから、そういうものは全くないものである。  ですから、私は、刑法の賭博罪か富くじ罪かということについてはそう厳格にする必要はないと思います。というのは、宝くじならよくて競馬は悪いというふうな考えを持っておるような感じを受けるからこだわっておられると私は思うのですけれども、宝くじであろうと富くじであろうと、明らかに違法なんですから、宝くじに近いから違法性がないんだないんだというふうにおっしゃるからおかしくなって、私の頭までおかしくなるわけで、要するにどっちも悪いんです。だから、区別なんか関係ないんですよ。そうでしょう。その点を言っているのです。  確率の問題というのは余り関係ないんです。三人で富くじをやったってだめなんです。三人であみだくじやったって、お金をかけたら犯罪であり、百万人でやったって同じ犯罪なんです。その点は、確率も何も関係ない。払戻金が一億円であろうと百万円であろうと変わりないんです。同じく違法なんです。それだけははっきりしていただきたいと思います。  何かあたかもいいようないいようなという感じは、私はとても不思議でしょうがない。悪いものだけれども公益のために必要なんだということの方を強調していただきたいということが私の希望でございます。それがまだあいまいではないか。それをこれからお聞きします。  まず、九条によりますと、十九歳未満くじ購入してはいけないし、もらってもいけない、譲り受けてもならないというふうに規定をしております。私はまず、簡単なことですけれども、なぜ十九歳か。児童福祉法は十八歳未満、飲酒法、喫煙法等は二十未満、未成年はだめだ。少年法によっては二十未満はだめだ、いわゆる少年法の適用があるということ。これらの法律との整合性というか、なぜ十九歳というふうに決めたのかということをまずお聞きしたいと思います。  それで、宝くじなら十九歳でも何でもいいと思うのですけれども、それはまあ別にしましょう。十九歳未満というふうに定められた年齢ということはどういう意味を持っておられるのか、ひとつ聞きたいと思います。     〔委員長退席、小川委員長代理着席〕
  41. 船田元

    船田議員 お答えいたします。  北村先生の前段にお話しいただいた、宝くじに近い制度であるから問題ないんだ、あるいはいいことなんだ、こういうふうに強弁をするつもりはございません。これは宝くじであっても、それと同じ行為を今法律で認められているところ以外の者が行った場合には、やはり富くじ罪ということで処罰されるわけであります。だから、サッカーくじもそれは全く同じことでありまして、サッカーくじののみ行為というのは、これはやはり富くじ罪で処罰される対象になるわけであります。ですから、サッカーくじ自体を全く宝くじと同じように、いいものであるという、そういう単純な考えでないことはぜひ御理解いただきたい。  ただ、三十二条で規定をいたしましたように、一般のいわゆる富くじ罪あるいは賭博罪よりはさらに厳しく処罰をするべきである、こういう観点から、我々としてはそういう規定を設けたわけでありまして、このこともぜひ御理解いただきたいなと思っております。  それから、十九歳未満購入禁止ということでございますが、やはり我々としては、本来、年齢制限を設けることについては、当初いろいろな議論がございました。宝くじと同じようなことであれば特に年齢制限を設けなくても構わないのではないかという意見も相当あったのでございますが、我々スポーツ議連の中でいろいろ議論した中で、やはりここは、青少年に対する影響を懸念するという意見も多いことから、これは十九歳未満購入を禁止しようという決定をしたわけでありま す。  なぜ十九歳か、こういうことでございますけれども、これは明確に何かの法律に基づいて決めたということではありません。しかしながら、一般的に、高校生がサッカーくじ購入するということについては、これはやはり今申し上げた趣旨からいってふさわしくないのではないかということで、いわゆる高校卒業の平均的な年齢ということが十八歳、十九歳未満である、このような観点から十九歳未満という設定をさせていただいたということでございます。
  42. 北村哲男

    北村(哲)委員 競馬法なんかによりますと、学生生徒、未成年者はだめだというふうな言い方をしています。これは競輪もモーターボートもみんな一緒ですね。この法律で立法者の方々が、それは高校生を含めるという意味で十九でくくった方がいいとおっしゃる、これは一つの立法政策で、それなりに合理性があると思います。  ところで、昨日参考人の方のお話をちょっと傍聴していましたら、学校の先生だったか、あるいはノンフィクションライターの藤井さんだったか知りませんが、これは高校生は必ず買いますよ、違反は必ず起こりますというふうにお話をされました。そして、違反というふうに決められてしまって、買った、だからこれは違法行為ですよね、違法行為が起こってしまう、これはもう目に見えている。  これからの対策が大変だ。学校だってノーと言わなくてはいけない。何でもないものならわざわざすることはないけれども、煩わしい。取り締まりもしなくてはいけない。そして、それをやめなさいと言わなくてはいけない。いわゆるブレーキをばんばんかけていかなくてはならぬ。文部省でも恐らく御指導を各学校、高校に、買ってはならぬ、一方ではやれ、一方では買ってはならぬとやらなくてはならぬ、そういうばかな話になってしまうわけなんです。  ところで、それはそれで一般論、普通の話として、私が聞きたいのは、違反して買った十九歳未満の人、その人が持っていて、あるいは譲り受けても結構ですけれども、その持っている人の投票券は一体有効なのか無効なのかという言い方はまずいですか。そういう言い方はちょっと法律屋臭くて申しわけないですけれども、違反して買いました、その人は持っている。譲り受けてはいけない、買ってはいけない、一体、所持するのはどうなんですか。そのあたりはどういうふうにお考えなんでしょうか。持っていてはいけないんですか。
  43. 船田元

    船田議員 お答えいたします。  本来十九歳未満の者には売ってはならないという制度を設けておりますので、十九歳未満の者がその券を持っているということは我々は想定をしておりません。  それから、もしその券が当たり券である、当せんした券であるというような場合に、これをお金の引きかえに来たというような場合には、そこで身分証明書等を提示して、十九歳未満の者が当たり券を持ってきたという場合には、それは払い戻しをしない、こういう規定にしてあるわけでございます。
  44. 北村哲男

    北村(哲)委員 恐らく、所持も違法だとおっしゃる趣旨だと思いますが。  そうすると、通常なら、例えばピストルを持っていた、これは没収の対象になりますよね、違法であれば。そういうことはこれは予想しておられないということでしょうから、恐らく野放し。しかも、昨日の参考人によると、必ず持っていますという話がありますね。  そして、今、違反した人が持っていることは、しかし措置がないということは、すなわち持っていていい。所有権は少年にありなわけですね。これは有価証券ですからね、持っている。そうすると、その人が払い戻しに行ったときに、高校生だなと思ったら払い戻しはしないんですか、どうなんですか。
  45. 船田元

    船田議員 これは、規定によりまして払い戻しはしないということで決めてあるわけでございます。
  46. 北村哲男

    北村(哲)委員 この法律に出ていますか。それをはっきり言っていいですか。  そうすると、私が今思うに、これは大変な問題が起こると思いますよ。子供が所持していけないということは、違法です。払い戻ししなかったら、一億円当たったらどうなるんですか、その券は。国庫に入るわけですか。払い戻しはしないわけですね。それは、子供は買いました、身分証明書を持っていて、それが違法かどうかということは野放しにしてある、はっきり規定していない。払い戻してくださいと十八歳が来ました、そうすると、払い戻しはしませんと。
  47. 船田元

    船田議員 先ほど申し上げましたように、我々の法案の中では、十九歳未満の者に売ってはいけない、あるいは購入をしてはいけないということを規定をしております。ですから、本来、十九歳未満の者が所持しているということを想定はしておりません。これは、しかし、有価証券とかそういうものとして、財産として、財産権があるかどうかということについては、特に、その点で、それを否定するというものではないと私は思っております。  ただ、実際に、十九歳に満たない者が持っている当たり券を払い戻しをしてくれということで窓口に持ってきたときに、それを、それはだめである、それは戻さないという規定は、特にこの法案の中には入れてありません。ありませんが、十九歳未満の者に売ってはいけないというその法案の趣旨からいって、これを払い戻すということは、これは私どもは好ましくないというふうに考えております。そして、もし親と一緒に来た場合、同伴してきた場合、やはり親に対してはそれ相当の、十九歳未満の者が持っていることについては、これはだめですよということを、趣旨を徹底をさせるということにいたしておるわけでございます。
  48. 北村哲男

    北村(哲)委員 趣旨を徹底してどうされるのかのお答えがないと思います。  要は、これは法律に規定していない問題だと思うのですけれども、やはり、これは仮定の問題じゃないのですよね、もう必ずあるということを皆さん断言しておられるわけですし、馬券でも何でも、みんな、高校生が持っている現実があるわけですから、必ずある。  それで、高校生が来た、ノーだと言ったらそのお金が宙に浮いてしまう。没収か、そういう没収の規定もない、恐らく法律は予定していない。しかし、その予定していないというそういう危険性、そしてこの問題でも、大きな財産権の問題で、一億円当たった人が親を連れてきて、親が嫌だと言った場合にはどうなるかなんというふうなことを考えたら切りがないですよね。でも、この法案自体の、そういうもの自体の難しさというものを含んでいる問題が極めて多いと思います。すなわち、これはもう、最終的には応ぜざるを得ない。高校生が来ても、もし高校生が来たならば払わないというわけにはいかない問題だと思います。  そして今、親と一緒に来れば強くいろいろ御説明あるいは説諭をするというふうなお話、説諭でしょうね、されるという話があったのですけれども、そういう事態を発見した学校とかあるいは地域スポーツ団体、少年野球チームサッカーチーム、その中であった場合、あるいは家庭とかそういうものは、一体どういうふうに対処すればいいのだろうか。君たち、買っちゃいけないよ、怖いものだからいけないよ、やめなさいよというふうにしていったら、皆様方がこの法律を、これは子供たちスポーツ育成である、そして、夢を与えるのだ、そして、推理力を働かせて立派な大人にするのだということともう本当に全く逆行することを、学校もしなければいけない、家庭もしなくてはいけない、地域スポーツ団体もしなくてはいけない、指導者も監督もしなくてはいかぬ、そういう事態になるわけですよ。それでいいのでしょうか。
  49. 船田元

    船田議員 お答えいたします。  今御指摘をいただいた点は、確かに、学校あるいは家庭あるいは地域社会ということで、ぜひ、これはきちんとした対応をしていただきたいとい うふうに思っております。  私どもとしては、十九歳未満購入者、決して未来永劫、十九歳という年齢制限を設けていくかどうかということについては、七年後に見直しをいたします予定でございますから、そこでまた大いに議論をしていただきたいと思っております。  私どもは、本来、宝くじと同様に、特に年齢制限を設けなくてもいいのではないかということが当初議論としてありました。ただ、御承知のように、さまざまな懸念を表明される方が多いわけでありまして、そういう方々に対してのひとつの配慮といいますか、こういったこともございまして、十九歳未満購入禁止という規定を設けさせていただいたわけでありますが、この点については、その趣旨を、学校、そして家庭、地域社会というところでやはりきちんと教えていただくということは、これは当然であるというふうに思っております。  これは、実施主体のセンターもそうでありますし、さらには、実施主体が委託をする販売のシステムができるわけでありますが、そういう金融機関等においてもこの趣旨の徹底ということを国民の皆様にPRするということは当然でありますし、そこは徹底してやっていただきたい、このように思っております。     〔小川委員長代理退席、委員長着席〕
  50. 北村哲男

    北村(哲)委員 私は、始めてから見直すというふうにしても、法律が走り出すと大した見直しはできない、今までの法律を見ても、全面的に見直すことができない。きょう、何か午後採決をされるという話ですけれども、私は、こういうあいまいな法律は、むしろもうちょっと事前にやはり十分に検討されるべきだというふうに思います。審議をまだ尽くしていって、今のような点をもっとはっきりと指針を示すということでやっていただきたいと思います。  質疑時間ももう終わってしまいましたが、もう一点、違法行為だとすると、少年に対して警察当局も動かなくてはいけないということになります。そうすると、また、いたずらに犯罪をふやし、そして、売った人もあるいは譲り受けた人も、そして持っている人も、どういう経過であったのかということを根掘り葉掘り聞かれなくてはいかぬいうことで、また、いたずらに新しい犯罪をつくり出す。今、少年の問題が大きく問題になっている中で、またまた、一つ煩わしい問題が起こってくるということを非常に懸念いたしております。  ということで、まだまだ質問の半分にも行っていないところで、大変残念なんですけれども、私の質問を終わりたいと思います。大臣にも一、二質問したいことがあったのですけれども、私の質問時間が終わりましたので、失礼させていただきます。どうもありがとうございました。
  51. 高橋一郎

    高橋委員長 次に、富田茂之君。
  52. 富田茂之

    ○富田委員 平和・改革の富田でございます。  北村委員の鋭い質問の後に、同じ弁護士出身でございますので、やはり法律的な、かなりこの法案は問題があるということを私自身思いますので、何点か明らかにさせていただきたいと思います。  発議者、また、修正案の提案者の先生方におかれましては、本当にこの法案について一生懸命取り組まれて、昨年のこの衆議院の文教委員会、また、昨年からことしにかけての参議院委員会で御答弁されておられますので、そのあたりは議事録で全部読ませていただきましたし、一昨日の御答弁も全部聞かせていただきました。先生方にはもうこれ以上私は聞くことはございませんので、できましたら休んでいただいても結構です。  大臣並びに文部省の方にいろいろな見解をお聞かせ願いたいと思います。  まず、スポーツ振興投票実施等に関する法律案、この十八条、業務の委託という規定がございますが、この点について、何点かお尋ねいたします。  「銀行等」ということで業務の委託先をこの法案では検討されているようですが、この委託先の選定が一体どういうふうにされるのか。これまでの審議の中で、発議者の方から実はこういう答弁がされております。  これは昨年のこの委員会ですが、「私どもは公開のコンペでこれを行うというような担保措置を講じておることがございます。」「基本的に、我々はまず選定基準をつくる委員会をつくって選定基準をつくります。そしてそれを公表して公募にかけます。」「応募の中から、我々が、効率性がいいとか、社会的問題がこれなら起こらぬだろうとか、あるいは、これだったら売り上げがある程度期待できようとか、こういう幾つかの判断基準を恐らく持って、それで落札者を決定していく」こういうふうになると思いますというふうに柳沢議員が御答弁されております。  これを読んで、担保措置を講じておられるというふうに言うのですが、一体どういう担保なんだ、発議者がこういうふうに思っているというだけじゃないかなというふうに、私にはこの議事録を読んで思えました。  ここで「選定基準をつくる委員会をつくって」というふうに言っているのですが、どこに、一体だれがつくるのだ。「選定基準をつくります。」この選定基準は一体どういうふうにつくられていくのだ。今申しましたように、効率性とか、社会的問題が起こらないとか、売り上げがある程度期待できるというような判断基準という言葉も使われているのですが、この選定基準と判断基準というのは違うのか。どうも答弁を後からしっかり読んでみるとよくわからない。選定委員会で選定基準をつくっておきながら、今度応募してきたらまた判断基準によって判断するのだというような答弁をされているのですね。これは一体どういうことなのだろう。  業務の委託先というのが重要になって、そこがどういうふうな委託先になるかがこの法案について反対されている方たちが一番心配しているところだと思うのですね。ここをもう少しはっきりさせないとこの法案について十分な審議がされたというふうには思えませんので、この点、文部省の方はどういうふうに考えているのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  53. 町村信孝

    町村国務大臣 このくじの売りさばきの業務につきましては、実施いたします日本体育学校健康センターから銀行等の金融機関に委託される、こういう法律になっております。  具体的な委託先はどうするかというと、これはもう委員既に御承知のとおりでございますが、金融機関等ということで、これらについては、例えば少なくとも全国的な組織を持っているということ、すなわち発売とか払い戻しが全国的に可能で、かつ青少年対策上も適切であるといったようなこと。あるいは、非常に大きなお金を扱うわけでありますから、それが的確かつ円滑に処理できるという能力を持っていること。あるいは、金銭の取り扱いにつきまして社会的信用がある。こうした条件を具備する金融機関等は必要なのだろう、こう思っております。  公開募集といいましょうかコンペといいましょうか、これでやっていくわけでありますが、まずコンペの選定基準を策定する委員会を設ける。これで、これこれという基準を決めてもらう。そしてこの基準を公開をして、それにのっとって募集を行う。そして今度は、公平公正なメンバーによる審査会で今の基準に基づいて厳正な審査を行って委託先を決定する。こういうような形をとっていくということで、その公開性なり透明性なりは十分担保できるもの、こう考えております。
  54. 富田茂之

    ○富田委員 選定基準を作成する委員会というのはどこにつくられるのですか。今の大臣の御答弁ではちょっとそこが明らかではなかったのですが。
  55. 町村信孝

    町村国務大臣 当然これは、くじ実施いたします日本体育学校健康センターにつくられます。
  56. 富田茂之

    ○富田委員 そこできちんとした選定基準ができるように、大臣の方でも、今ある程度のメルクマールをおっしゃいましたが、そういうことをきちんと指導されて、だれが見ても公平中立にきち んとやっているというふうに思えるような御指導をぜひお願いしたいと思います。  一つ気になるのは、議員連盟の皆さんがパンフレットをつくっておりますが、この中に販売店網一万店というふうにもう明確に書かれているのですね。そうすると、銀行と一緒にチームをつくる、その中に販売店網が一万店あるような、何かそういうものが一緒にないと選定基準を満たさないということになるのではないか。議員連盟の皆さんがずっと考えられていた販売店網一万店というのが、この選定基準をつくっていく際にこれを拘束するようになるのではないか。  一万店の店舗を持っているといったら、ほとんど限りがありますよね。ずっとこの委員会で出てきたように、コンビニとかガソリンスタンドで売られるようになってしまうのではないかという不安を国民の皆さんは持っているのですが、この議員連盟のパンフレットで言う販売店網一万店というのは、選定基準をつくる際にある程度拘束力を持つものなのかどうか、その点、文部省はどのように考えているのか、教えていただきたいと思います。
  57. 町村信孝

    町村国務大臣 先ほど申し上げました全国的な組織ということは、若干これは抽象的ではありますが、私どもは基準として考えてはおりますが、具体的な数をどうするのかというあたりにつきましては今後さらに検討が必要だろうな、こう思っております。  コンビニという御意見もあったようであります。これは、いずれ新しくできる選定基準の策定委員会でもう少しきちんと考えてもらいたい、こう思っております。私は、昨今の状況で、コンビニというのは非常に未成年者がたくさん出入りする場所でもありますので、こういう場所が本当にいいのかな、率直にそう思っておりますが、その辺を含めて、この委員会での御議論、あるいは世の中のいろいろな声というものを十分勘案した上でしかるべき基準というものがつくられるだろう、かように考えております。
  58. 船田元

    船田議員 大臣に補足いたしますけれども、富田委員のおっしゃった「販売店網(全国一万店)」というこの表示でありますが、これは私どものスポーツ議員連盟で作成をしたものでございます。  このパンフレットは、国民の皆様に対する事前PRということでつくらせていただいたわけでありますが、今これをもう一度見ておりますと、若干その全国一万店というのが、これは括弧で書いてあるのでございますが、非常にひとり歩きをしやすいものでありますので、この点については全国一万店ということにこだわらずにやるべきではないかというふうに思っております。  言うまでもなく、実施主体であるセンターが公開コンペを行って、そしてその販売網というものを金融機関に委託をしてやるわけでありますが、その金融機関等がどのくらいの販売場所を設定するかということは、すべてその金融機関等にゆだねられるということでありますので、その点は御理解いただきたいと思います。ただ、一般論からいって、一万カ所程度があるいはいいのかもしれない、一つの例示として申し上げさせていただいているということでございます。  それから、コンビニの話がちょっと大臣からも出ました。  おとといまでの私どもの答弁の中でも、確かに、コンビニというのも一つの選択肢としてはあり得るということを申し上げてきたわけでありますけれども、ただやはり、昨今の多くの方々の御議論を聞いておりまして、十九歳未満への販売を禁止する、それを担保する場所として果たしてコンビニがふさわしいかどうかということは、私自身もかなり懸念を持っているところでございます。  もちろん、公開コンペによることでございますので、この時点で明確に否定をする、あるいは排除するということまでは言えないと思います。しかしながら、我々提案者の立場としても、コンビニでの販売ということは、かなり、よほどの歯どめというのを考えておかなければいけない、場合によってはそういう場所は、なるべくならばそうでない方が望ましいのではないか、このように思っております。
  59. 富田茂之

    ○富田委員 大臣と船田先生意見はよくわかったのですが、もう少し、そういうところではやらない、やるべきではないというぐらい、大臣と、発議者の中心的答弁をされている船田先生の方からぜひ御答弁いただきたいなと思うのですが、それはどうでしょうか。
  60. 町村信孝

    町村国務大臣 委員会議論というのは私は大変重要だろうと思っております。先ほど来、この委員会審議が行われる前から党議拘束云々という御発言もどなたかからございましたが、私は、こうした委員会での審議というものが、この法案の成立の暁には運営に当たって大きく反映をされるのが当然だろう、それがまさに国会の意義であろう、こう思っております。  したがいまして、この委員会でのいろいろな御議論が出されておりますこと、例えば今委員が言われたような、コンビニが不適切ではないかという御意見に対して、私は今この段階で断定をすることはあえて避けますが、非常に重要な御意見として御発言があり、私どもも大筋そういう方向で受けとめるということを答弁しているわけでございますので、具体的な選定基準をセンターが決めるに当たっては、当然この委員会での審議というものが反映をされた基準づくりがまず行われていく、かように私は考えます。
  61. 富田茂之

    ○富田委員 納得はできませんけれども、大臣としてはそこまでの答弁がぎりぎりなのかなという感じもしますので。この問題ばかりこだわっているとほかの質問ができませんので、隣からもっと攻めろというような意見もありますが……。  今船田先生がおっしゃったように、十九歳未満に売らないという実効性を確保するという点がやはりこの法案で一番問題になるところではないのかなというふうに私自身も思います。先ほど北村先生の方からも、僕はこの法の欠缺だと思うのですけれども、法の不備をつかれた鋭い質問がありましたが、やはり十九歳未満に売らないという実効性を確保するのは、この法案と、これまで発議者の皆さんが委員会でいろいろ答弁していたこと、そのためにこういうことをするのだと。例えば、販売した者には罰則を与えるとか、人目の行き届く場所で販売し、試合会場、自動販売機等では販売しない、販売方法は対面販売だ、あるいは、払い戻しの際は身分確認を行って、十九歳未満とわかればやらない、また、販売場所に対しても、販売教育マニュアルを作成してその指導の徹底をしてもらうというような御答弁がずっとありました。  これは大事なことだと思うのですが、これで本当に脱法行為あるいは弊害の発生に対処できるのかな。発議者の皆さんの考えはよくわかったのですが、文部省として、もう少し突っ込んで、十九歳未満に買わせない、また譲り受けさせないために、今の段階で結構ですので、実効性確保のために今どういうことを考えているのか、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。
  62. 工藤智規

    工藤政府委員 この法案は議員立法で御審議いただいておりますので、私どもこれまで差し出がましいことは慎ませていただいたわけでございますが、いずれにしましても、衆参のいろいろな御議論をお聞きいたしますと、国会議員の先生方ばかりではなくて、一般の国民方々にも必ずしもこのくじ制度というのが十分理解されているのかどうかということがございます。  したがいまして、この法案が成立し、制度が発足するに当たりましては、私ども行政側としまして、まず、どういう趣旨のものであり、しかもそれが、先ほどの御質問の観点で申し上げますと、十九歳未満でどうして禁止されているかということも含めまして、かなり広範にわかりやすいPRをしていかなければいけないだろうと思ってございます。そのためには、当然、学校あるいは青少年団体等を通じた、きめ細かい、しかもたび重なる趣旨徹底をしながら、子供たちにも禁止される旨の理解を求めて、この実効あらしめることがまず第一ではないかと思っているわけでございます。
  63. 富田茂之

    ○富田委員 そんな程度では、国民の皆さん、特にPTAの皆さんが心配している点はちょっとクリアできないのではないかなというふうに私自身思います。  一つ提案なんですが、一昨日の参考人で、大阪商業大学の谷岡先生がラスベガスの例を引かれて何点か言われていました。  金融機関等で、銀行等でこれを受けて実際に販売していくといった際に、販売店で十九歳未満の者に売ってしまった販売店が出てきた、そういうときにはその販売店にはもう販売させない、そういう強力な措置をラスベガスではやっている。実際にこういうくじを販売している国ではそういうきちんとした担保をとってやっているんだ、日本もそうあるべきだというようなこの谷岡先生の御意見だったと思うのですが、こういう措置が残念ながらこの法案にはありません。  今後、これが成立して、実施する場合にはそういう強力な措置も必要ではないかと思うのですが、その点、文部省はどうでしょう。どう思いますか。
  64. 工藤智規

    工藤政府委員 多分、今の御指摘の点は、法律で規定することなのか、その趣旨を受けて運用でやることなのか、いろいろあるのだと思いますが、私ども、仮にこの法律が成立いたしますと、御承知のような金融機関への委託のコンペがあるわけでございますが、それに当たりまして、販売貝も、あるいは販売場所、販売の仕方につきましても、当然業務契約など結ばなければいけないことになるわけでございますので、コンペのスキーム、それからその契約のあり方において、御指摘のようなことも大事でございますので、この法の趣旨の実現のために、しかと注意しながら対処してまいりたいと思っております。
  65. 富田茂之

    ○富田委員 今局長の方からお話ありましたように、これは業務委託契約をするようになるわけですね。その委託契約書の中に、こういう違反行為をしたら委託を取り消すとか、違反をした販売店、その店舗でもいいですよ、そういうところにはもう二度と販売させないというような規定をぜひ入れていただきたい。これは強力にお願いしたいと思います。  次に、この法案の二十一条四項を読んでおりまして、これは一体どういうことなのかなと思いました。   センターは、スポーツ振興投票に係る収益を  もって、文部省令で定めるところにより、その  行う第一項第二号から第四号までに規定する事  業に要する経費に充て、及びセンター法第三十  五条の二第一項に規定するスポーツ振興基金に  組み入れることができる。文部省令で定めてスポーツ振興基金に収益を組み入れることができる、こういう規定がぽんと置かれているのですね。  こういう規定がありますと、せっかく収益金が上がってきて、国庫に納付また地方公共団体に支給、地域スポーツ団体からの要請を受けていろいろなスポーツ振興のための援助をするというスキームが、これは文部省令でスポーツ振興基金の方に全部組み入れることができてしまう、地域に渡すお金が。なぜこういう規定が置かれているのかな。何らかの歯どめをしておかないと、もう何を入れてもいいというふうにこの規定ぶりは読めるのですが、文部省はどう考えますか、その点。
  66. 工藤智規

    工藤政府委員 御承知のように、この法案の提出に至りました提案議員の先生方の検討の経緯は、そもそもスポーツ振興のために予算の確保が大事である。ところが、連年の財政事情の中でございますので、そういうものもなかなか難しい。しかも、平成二年にスポーツ振興基金ができたわけでございますが、それに随分スポーツ関係者も期待し、スポーツ議連先生方も応援してくださったのでございますけれども、国からの出資金、寄附金を合わせて約三百億でございます。しかも、今のような低金利時代でなかなかその運用益がうまく回らない。これでは立ち行かないではないかというので、こういうスポーツ振興くじ制度を御提案されたと承知しているわけでございます。  したがいまして、今の規定は、こういうくじ制度による収益金の配分が始まりますと、これまでのスポーツ振興基金で主として競技スポーツ振興のために御援助を申し上げているわけでございますが、それとのすみ分けの関係で、ある程度収益金が上がった場合にそちらの財源にも回してはどうかという選択肢の一つとしてこういう道をあけられたのではないかと承知しているわけでございます。ただ、実際問題として、いざ私どもこれから始めることを考えますと、果たしてどれぐらい収益金が上がるのか、甚だ心もとない部分もあるのでございます。  そうしますと、当分の間、多分、幾らかの収益金が上がりますと、たくさんのスポーツ関係者、スポーツ団体、自治体からの御申請があるのだと思いますけれども、やはりそちらの方への配分で手いっぱいでございまして、よほどたっぷり収益金が上がった段階で、ひょっとしたらこの規定を活用させていただきながらスポーツ振興基金にお回しいただくということもあるかもしれませんが、それにいたしましても、文部省令だから文部省が恣意的に、勝手にできるということではございませんで、収益金の配分につきましては、参議院の御修正もありましたように、国会の報告あるいは一般への情報公開も含めてすべてガラス張りで行うことになってございますので、その折々のチェックを受けながら私どもも自主規制して、かつ関係の審議会でございますとか関係の皆様方と御相談しながら適切を期してまいりたいと思っているわけでございます。
  67. 町村信孝

    町村国務大臣 今、大筋は局長がお答えしたとおりであります。  ただ、やはり私ども考えなければならないなと思っておりますことは、一般会計予算でのスポーツ振興の予算、あるいは今までのスポーツ振興基金による予算、そして今回のくじによる予算といいましょうか、要するに収入が上がってくる。これをどういうふうな形で今後使っていくのかということは、正直言ってまだ十分な整理ができておりませんので、この法案の成立の暁にはその辺を、例えばハードあるいはソフトの配分をどうするのか、あるいは競技スポーツとまさに地域スポーツ、一般の方々スポーツ、これをどう分けていくのか、少しくこれは頭の整理、考え方の整理をしなければいけないな、かように考えております。  そして同時に、昨日の御質問でもお答えを申し上げましたけれども、スポーツ振興法というのがございますが、これに基づきましてスポーツ振興計画というものをつくることになっておりますが、昭和三十何年以降、いまだにつくられたことがございません。私は、今回、こういう時期でございますので、改めてそうしたきちんとしたスポーツ振興計画もつくり、そして、今申し上げましたその財源としての三つをどのように絡めて考えていくのか、その振興計画の中に書く、書かないは別といたしましても、そこの考え方はできるだけはっきりして、国民の皆さんによく御理解をしていただけるように努めていくことが必要であろう、かように考えているところであります。
  68. 富田茂之

    ○富田委員 ぜひ今の大臣の御答弁と局長の答弁がこの規定の歯どめになり、また、振興計画は、できれば大臣の在任中に本当につくっていただきたい、熱心にぜひ取り組んでいただきたいと思います。  もう一つ、同じようにこの法文の規定ぶりでちょっと気になるのが、日本体育学校健康センター法の一部改正案の二十五条の二であります。  これは、発売金額の一五%を経費に充てるという規定ですが、本文にはそれが書いてあるのですが、括弧書きで、  スポーツ振興投票券の発売金額が文部省令で定  める金額に達しない場合にあっては、文部省令  で定める期間内に限り、別に文部省令で定める  金額これを経費に充てることができるというふうになっているのですね。これだと、一五%というふうに発議者の皆さんはずっと説明してきたのですが、この括弧書きでいくと全部経費に充てること ができるという、非常に不思議な規定が突然入り込んでいる。  この点について、文部省令で定める金額というのは一体いつ決めるのだ、くじを発売するごとに決めるのか、またそれはどのぐらいの金額を想定していらっしゃるのか、発議者に聞いた方がいいのかもしれませんが、ここは文部省はどういうふうに考えているのですか。
  69. 工藤智規

    工藤政府委員 くじの運用に当たりまして、いろいろな経費が要るわけでございます。例えば、集計のためのコンピューターシステムに要する経費でございますとか、投票券の発行等に要する経費でございますとか、広告宣伝費でございますとか、いろいろな経費が要るわけでございまして、そのための運営費を一五%以内というのが本文でございます。  ただ、多分、初期投資といいましょうか、最初の契約、コンペで契約するに当たりまして、それをどれぐらいに見込みながら御契約申し上げるのかということがあるのだろうと思いますので、どれぐらいの運営費を見込むか、その金額を明らかにすることにつきましては、コンペの性格上、なかなか現時点でどうこうする話ではないのではないかと思うわけでございます。したがいまして、そのコンペが行われるまでの間にある程度の腹づもりをしながら、契約の上で明らかにしていくということになるのだろうと思うのでございます。  そうはいいましても、せっかく法の本文の趣旨で事務経費が一五%以内ということがあるわけでございますので、センターが実施することになりますと、徹底した経費の節減合理化をいたしまして、法の趣旨に合いますような運営費の低廉化、少量化に努めてまいることが必要ではないかと思うのでございます。  なお、ちなみに、関連の経費率を調べてみますと、宝くじの場合は、平成八年度で一四・三%ぐらいの運営費がかかっているそうでございます。また、公営競技の場合は、一〇%から二〇%程度と伺ってございます。  いずれにしても、本くじ制度は、スポーツ関係団体を初めとするスポーツ振興、助成のためでございますので、できるだけ多くの助成金を充てられるように、実施主体でございますセンターの運営、あるいはその実施に当たりまして、趣旨に合いますようなものになりますように私どもも指導してまいりたいと思ってございます。
  70. 富田茂之

    ○富田委員 そういう答弁しか出ないのかなと思いますけれども、この括弧書きは、幾らでも使えるように、抜け道になっているのですよね。今の答弁できちんと局長に歯どめをかけていただいて、経費が一五%だというふうに発議者の皆さんはずっと説明してきたわけですから、そこの枠をこの規定を使って踏み越えることのないようにきちんとやっていただきたいというふうに思います。  もう一点、ずっと発議者の皆さんが説明されてきた中で、本当に実現したらすばらしいなと思うのが、だれもが参加できる地域スポーツクラブを一万カ所程度つくる、また、この地域スポーツ活動を総合的に支援するために広域スポーツセンターを全国に三百カ所程度、トップレベルの選手の競技力向上のためのナショナルスポーツセンターもぜひつくりたいと、これは本当にできたらいいと思うのです。  連休中に朝日新聞が、このサッカーくじ審議がいよいよ大詰めだということで、三回特集記事を書いておりまして、先生方も見たと思うのですが、その中に、ある大学教授の発言ということで、「三百カ所の広域スポーツセンター整備など、描くのはバラ色の絵空事ばかり。どこにつくるんだ。スポーツ振興を本気でやる気がないから書ける」のだというふうに言って、「スポーツ議員連盟発行のパンフレットをたたきつけた。」というような記事が載っております。  一万カ所、三百カ所、一体本当にどこにつくるのだ、これは本当に疑問なんです。できれば本当にいいですね。それぞれの地域、いろいろな人が地域スポーツを楽しめるという意味でいいと思うのですが、こういうことをもしつくっていった場合に、どのぐらいの費用がかかるのか。議員連盟の皆さんが今予想している、これだけのものを用意するとなるとどのぐらいの費用がかかって、またその組織内容、組織の運営方法というのはどういうふうにやっていくものなのか、文部省の方は当然これに取り組むようになると思うのですが、今の段階で文部省はどういうふうなことを考えておるのでしょうか。
  71. 工藤智規

    工藤政府委員 スポーツ振興議連でああいう御提案をされましたのは、私ども承知している限りでは、ドイツにおきますゴールデンプランで、参考人の方も御紹介していらっしゃいましたけれども、各地で住民に身近なところでのスポーツチャンスがある、それをもっと日本でもつくりたいなということがああいう形になったものと承知しているわけでございます。  ドイツの場合は、スポーツクラブはそれぞれ住民主導で大体運営されていると承知しているわけでございますが、日本の場合にどういう形で育つか。それぞれの地域による、地域の熟度といいましょうか、それによって、場合によっては自治体主導の場合もありましょうし、ある程度先進的なところは住民主導の場合もあるかと思うわけでございます。  御参考までに、実は平成七年度から、私どもこういう御提案も受けながら、モデル事業として総合型スポーツクラブの育成事業というのをやってございまして、これまで三カ年間で十六市町村で実験をやっていただいてございます。  たまたまこれは愛知県半田市における成岩スポーツクラブのパンフでございますが、ここで、私ども委嘱費でお出し申し上げていますのが一千三百万でございます。そこでかなり画期的なことをやっていただいておりますのは、必ずしも新しく施設をつくるだけではございません。従前ございます学校の体育館とかあるいは市立の体育館とかを活用して、学校のやっていない時間帯、あるいは学校がやっていても、あいている校庭、体育館などを使って、月曜日から日曜日までいろいろな種目のスポーツ教室が開かれてございます。  しかも、それだけではございませんで、その地域にいらっしゃいますいろいろなスポーツ種目の指導者の方々が、コーチャーズ・アソシエーションスタッフという形で登録されて、老若男女を問わずいろいろな御指導に当たっていただいているという例がございます。  こういう形の、幾らかドイツに似たようなクラブかと思いますけれども、私ども、国費ですべての市町村のニーズにおこたえするにはなかなか不十分でございますので、多分、こういう形のものが全国あちこち身近なところにできればというのが議連先生方の御趣旨でございましょうし、私どももそういうふうに努めてまいりたいと思うわけでございます。  その場合は、今申し上げたように、新たに施設をつくる必要がある地域もあるかもしれませんが、従前の施設を活用しながら、ボランティアの方々に幾らかの謝金を払うことで済む場合もあるかもしれない。金額の多寡はいろいろあるのではないかと思うわけでございます。  また、スポーツセンターの件につきましては、広域市町村圏といいましょうか、広域な中核地域にある程度まとまったスポーツ施設をつくられたらどうかという御提案と受けとめてございまして、これにつきましても、それぞれの地域によって事情が違いますけれども、既に立派な施設を抱えておられるところもあれば、なお手不足のところもあろうかと思いますので、これからそれぞれの地域の事情、要望を聞きながら、この趣旨の実現にこたえてまいりたいと思っておるわけでございます。
  72. 富田茂之

    ○富田委員 ぜひこのパンフレットに書いてあることが実現できるように、文部省の方にもきちんと努力していただきたいと思いますし、発議者先生方もきちんと監視して、議員立法というのは、できちゃうと、だれがつくったという名前だけが残って実効性がないということがよくあると思う のですね。  先生方が努力したのはすごくよくわかるのですが、この法案は、文部省令によるというのが、わずか四十二条の中に十五カ所もありまして、文部省がみんな勝手に決めていけるようにも読める。だから、そこはきちんと発議者先生方がしっかり事後も監視していただいて、大臣も、文部省が悪意的にやらないというふうに先ほども言われていましたので、発議者の皆さんの意向をきちんと体現できるように実行していっていただきたいと思います。  最後に、この法案でいきますと、保健体育審議会がかなり重要な審議会になると思います。先日も馳先生ですか、審議会のメンバー表を持たれて答弁に立たれていましたが、聞きましたら、今の保健体育審議会というのはもう任期切れで、このメンバーではやらないと。新たにまた任命されるようなんですが、これだけの収益金を預かって、それを運用していくようにセンターはなるわけですね。  今までのように、学校給食とか学校の安全とか国立競技場の運営とかとは違ってずっとかなりの金額を預かるようになってくるとなると、これまでのような委員会のメンバーの選定方法でいいのかなと。もう少し、この前見えた大阪商業大学の学長さんのようにギャンブル学の権威とか、あるいは日弁連がこの法案には物すごく反対しておりますが、実際に運用し出した場合に、法律の専門家、公認会計士さん、税理士さん、そういう方たちの代表も入れないと、本当に公平な資金の運用がされるかという懸念を国民の皆さんは持つと思うのですね。そのあたり、今後のその保健体育審議会のメンバーの選定のあり方をどう考えられているのか。  もう一点。参議院審議では、保健体育審議会審議内容を公表するというふうに発議者先生方はおっしゃっていました。文部省の方も、その発議者の意向を受けて、きちんと審議内容を公表していただきたいと思うのですが、大臣、その点はどうですか。
  73. 町村信孝

    町村国務大臣 まず保健体育審議会の構成メンバーでございますが、委員指摘のとおり、近々改選を予定しているところでございます。新しい法案が成立すれば、新しい業務がこの審議会の役割としてつけ加わるわけでございますので、それにふさわしい有識者を委員として私どももお願いをしていきたい。ただやはり、生涯スポーツとか、競技スポーツとか、あるいは学校給食とか、そういう事項も当然今までどおりこの審議会で御議論をいただくことになるわけでございますので、そういう方々を一切排除するとか、そういうわけにはまいりません。そこのバランスをとりながら、しかるべき人材をお願いをしていきたい、かように考えておりますし、さらにより専門的な立場での議論も必要かなと。その場合には、この審議会のもとに分科会を置きまして、より一層充実したスタッフで御議論をいただくということも念頭に置いているところでございます。  それから、審議会公開でございますが、この保健体育審議会は従前から個人の顕彰、表彰にかかわる案件などを除きまして既に完全公開をいたしております。マスコミの関係者も傍聴をしておられるという形での公開をしておりますので、私は、この審議公開性、透明性というものを十分担保できる、かように考えているところでございますし、また審議会によります基本的な配分方針のもとに従ってセンターが助成をすることになるわけでありますが、この収益使途に関する報告書を作成し、文部大臣はさらにそれを国会にも報告するという法律の規定になってございますので、収益配分に関する情報公開は十分担保できる、かように私は考えております。
  74. 富田茂之

    ○富田委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、情報公開規定について今大臣触れられましたけれども、特殊法人の財務諸表が公表されていますけれども、それを弁護士が読んでもなかなか中身がわからないというような参議院参考人先生指摘もありまして、十分なものだとはとても思えない。本当に詳しくこの国会委員会に報告していただいて、だれが見ても公平だというふうに思えるような運営をぜひお願いしたいと思います。  時間が参りましたので、これで終わります。
  75. 高橋一郎

    高橋委員長 次に、三沢淳君。
  76. 三沢淳

    三沢委員 自由党の三沢淳です。文部大臣初め、提案者の先生方、本当に御苦労さまです。  このスポーツ振興くじ、何年間もかけられましていろいろ議論されまして、ようやく最終に近づいてまいりました。これは大変難しい問題でして、まず一つは、神聖なスポーツくじ対象にするというところに反対者の方の意見もありますし、このくじ子供悪影響を及ぼすのじゃないか、神聖なスポーツであるがゆえに、それを対象とするので子供悪影響を与えるのじゃないかということを心配されておられると思います。確かにその辺のこともあるのじゃないか、そういうふうに思いますが、そういう観点とは違って、逆の立場から、私独自の意見、独断と偏見でしゃべらせていただきます。  実は昨年も文教委員会にいまして、私は国のスポーツ予算に関しまして質問したことがあるのですけれども、大体年間八千億円ぐらいあります。この予算が十三省庁にまたがって使われているということで、これは大変非効率じゃないか。本当は一つにしてこのスポーツ予算を行えばスポーツくじなどしなくてもいいのじゃないか、この辺は我々も努力をこれからしなければいけないところだと思います。  しかし、思いますと、今、企業のスポーツがだんだん廃部に追いやられている。学校の部活も、先生も面倒くさいというか、かかわりたくないと言って、だんだん部活もなくなってきているという。人間は、やはりどうしても体を動かさなければいけない。特に、これは子供さんからお年寄りまで、体を動かすことによって健康を維持するという。このために一番大切なことは何かといったら、やはりスポーツです。スポーツといいますと、ものすごく激しい運動、例えばサッカーとか野球とかボクシングとかいうような感じはありますけれども、実はジョギングをしたり歩いたりすることもスポーツの一部じゃないか、私はそういうふうに思います。  特に子供たち悪影響ということを言われますけれども、反対の立場から申しますと、今の時代、家族のきずなといいますか、親子の会話がほとんどない状態です。まして友達とのきずなもなくなっている。友達同士が家に遊びに行っても、一人はテレビゲームをやっている、一人は本を読んでいる、もう一人の子は音楽を聞いている。昔でしたら、同じ仲間で行けば、同じゲームをしたり、みんなで考えて遊んだり、みんなで物を食べたり、みんなで考えたりということ、これが本当の友達同士のつき合いでしたけれども、今の子はそれもない。  特に家庭も、各家に子供部屋ができまして、子供が勉強部屋へ入って一人で何をしているのかわからない。テレビゲームに夢中になっている。本当はそういうことが子供たち悪影響を及ぼしているのじゃないか。特に今は、他人のことには口を出すけれども、自分のことは棚に上げて人の悪いことばかり言っているというような、そういう時代です。家庭もそういうふうな家庭がたくさんあるのじゃないか。幾ら家族が共稼ぎに出ても、ちゃんと育つ子は育つ。それはやはり親のしつけもありますし、親の行動というのもあります。  そういう意味で私は、このくじによって一つは——今、時代にヒーローがいない。いつも言うのですけれども、ヒーローがいない。確かに、学者の人が言っておられますように、各部門に世界的に有名な方がおられますけれども、子供たちにとってだれが一番手っ取り早いあこがれの的かといったら、やはりこれはスポーツの選手なんです。スポーツで世界的に頑張る選手があれば、これは絶対いい影響を与えると思います。  そういう意味で、スポーツに関しまして、だんだん企業も廃部になってくる、学校の部活もなっ てくる、少子化の時代で子供たちがだんだん運動しなくなると、近い将来の日本を若い子たちが健康で支えてくれるのかどうか、この辺のところを私は危惧しております。  家庭でお父さんとの会話がない。確かにお父さんは夜遅くまで働かなければいけない。子供と会話する時間がないかもわからない。しかし、このくじによって、子供が主導権を握ってお父さんにアドバイスできる、これは私の独断の意見かもわかりませんけれども、お父さんも子供と対話ができるようになるのじゃないか。いつもいつも親が主導権を握りまして子供にいろいろ命令しますけれども、今度は、これによって一緒に考えようじゃないか、友達と一緒に、近所のお兄さん方とお父さんと考えてみようじゃないか、このような親子の関係、強いきずなができるのじゃないかと私自身はそういうふうに思っております。  そこで、少し質問させていただきますが、このスポーツ振興投票実施等に関する法律案に対する修正案の中で、附則の第三項にある見直し条項、施行後七年を経過した場合においては、スポーツ振興投票制度の在り方について見直しを行うものとする、さらに今回、第三十一条として、文部大臣によるスポーツ振興投票実施停止条項がつけ加えられましたけれども、昨年九月の衆議院文教委員会の欧州各国教育、学術、文化及びスポーツに関する調査報告によりますと、各国でサッカーくじ青少年悪影響を与えていることはないというふうに明言されております。国の歴史、事情があるかもわかりませんけれども、サッカーを行っている国では、ヨーロッパでは悪影響を及ぼしていないということを報告されております。  そこで、この見直し条項を、施行後七年から、五年ではなしに、例えば三年とか二年にすれば済むことであって、あえて停止条項を入れ込むことが必要だったのかどうか、修正案の提出者の先生方、並びにまた文部省の方にもその必要性を感じるのかどうか、あわせてお伺いしたいと思います。
  77. 馳浩

    馳参議院議員 三沢先生お答えいたします。  参議院でも、審議の中で、青少年教育上の悪影響があるのではないかという議論が大変多く出されたのは事実でありまして、それを法案の中に生かすことはできないかという議論の中から、この見直しではなくて文部大臣停止という条項を入れたらどうかということで出させていただいたということで、この法案によって青少年に大きな悪影響が国内じゆうに蔓延するのだということを前提につくったわけではなくて、より一層この制度信頼性を高めるためにつくったということであります。
  78. 町村信孝

    町村国務大臣 委員指摘のように、私どもの理解でも、ヨーロッパ等でこのくじ青少年悪影響を与えたというような認識は私どもも持っておりません。それは、委員、この委員会の調査団として報告をまとめられたその認識と私どもも同じである、かように考えております。  しかし、今、馳提出者がお話しのとおり、参議院における審議というものもございました。したがいまして、今回の修正文部大臣が最終的には停止命令も出せるというのは、これはスポーツ振興くじ青少年悪影響を与えるものだ、これを前提にしたものではございませんで、あくまでも、何らかの影響が出ないようにしようということを二重三重の歯どめの措置として考えているのだということで、私どもこの法案を理解しているところでございます。
  79. 三沢淳

    三沢委員 わかりました。  次に、同じ三十一条三項に、「文部大臣は、前項の規定による処分をしようとするときは、あらかじめ、政令で定める審議会意見を聴かなければならない。」とあります。これは先ほどの富田先生意見とちょっと重複するかもわかりませんけれども、サッカーくじ実施するに当たり、この審議会は非常に重要な組織ではないか、私はそういうふうに思っております。  この審議会というのは、先ほどから出ておりますけれども、これは保健体育審議会を指すのでしょうか。この審議会は現在機能しているのかどうか。もし機能しているのであれば、先ほどメンバーをかえられると言われていましたけれども、どのように、国民の皆さんにわかりやすく、わかるようなかえ方をされるのか、その辺のところをちょっと伺いたいと思います。
  80. 町村信孝

    町村国務大臣 保健体育審議会は大変活発な活動をいたしておりまして、昨年の九月に今後の保健体育のあり方ということで、大変充実した答申を出していただき、それに基づきまして、平成十年度の体育関係の予算も相当組み込んだところでございます。ただ、委員の任期が切れておりますので、先ほど申し上げましたように、近々人選に入るという段階でございます。  それから、審議公開という面につきましても、先ほど富田委員にもお答えをいたしましたが、文部省審議会は原則公開ということでやっておりますが、この保健体育審議会は、その中でも、特に、一定の人事といいましょうか表彰以外の案件はすべてオープン、新聞記者の皆さん方も常時傍聴可能、もちろん国民の皆さん方にも傍聴可能ということで、極めて公明正大な運営に努めている、そういう審議会でありますので、ここの法律で言っている「審議会」というのはまさに保健体育審議会を指しているのだ、私どもはかように理解をいたしております。
  81. 三沢淳

    三沢委員 これは本当に重要な審議会でありますので、メンバーの構成も大変だと思いますけれども、各党の推薦した方々審議会に入っていただくというような考えはあるのでしょうか、党の推薦者の方を入れるというようなことは。
  82. 町村信孝

    町村国務大臣 ユニークな御提案を今いただきましたので、ちょっと考えてみないといけないなと思います。  私の記憶が正しければ、国土開発審議会でありますとか、あるいはたしか道路審議会でありますとか北海道開発審議会、こうした地域開発に絡むものにつきましては、政党推薦の審議会委員が入っているというケースを私は記憶いたしておりますが、それ以外の分野について政党推薦という形をとっているケースは余りないか、多分ないのじゃないのかな、こう思っておりますので、今直ちに三沢委員の御指摘のとおりやりますとちょっと申し上げかねる実情にあろうかな、かように思います。
  83. 三沢淳

    三沢委員 突然の意見で申しわけありませんけれども、文部大臣は考えていかれるのかどうか、それだけ一言お願いします。党の推薦者を考えられていることはあるのでしょうか、ないのでしょうか。
  84. 町村信孝

    町村国務大臣 政党という形でこのスポーツの関係に関与をしていただくのがいいのかどうか。むしろ国会国会できちんとした御審議をいただく、政府の審議会は政府の重要な機関として審議をいただき、その方針にのっとって政府は運営する、それをまた国会でチェックをしていただく、そういう形の方がやはり本来の三権分立の姿からいって望ましいのではなかろうか、かように私は、これは一般論でございますが、考えているところでございます。
  85. 三沢淳

    三沢委員 どうもありがとうございます。  続きまして、文部省にお伺いいたしますけれども、このスポーツ振興くじの問題が議論されてから相当の年月が経過しておりますが、文部省は、今後きちんとしたこのスポーツ振興計画案を策定し、それと整合性のある収益配分を行っていくべきだと思われますが、その点、基本的な計画は持っておられるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  86. 町村信孝

    町村国務大臣 このスポーツ振興計画、スポーツ振興法第四条に「計画の策定」という項目がございます。昭和三十六年にできた法律でございまして、「スポーツ振興に関する基本的計画を定める」、こういう規定があるわけでございます。また、国の計画に基づいて都道府県及び市町村もそれぞれの地域の実情に即したスポーツ振興に関する計画を定める、こういう法律の構成になってございますが、残念ながら、どういう経過があったか、私もつまびらかにはいたしませんが、昭和三 十六年の法律施行以降、国による、あるいは地域によるスポーツ振興計画が策定をされたという実績はございません。  そこで、私は先ほどもちょっと申し上げましたが、今回、仮にこの法案が成立をした暁には、国の一般会計予算とスポーツ振興基金の予算と、そして今回のスポーツ振興くじによる予算、三つの言、ならば財源がある。これをどのように使っていくかということのきちんとした仕分け、整理をしていかなければならないだろう、まず一つ、財源の面からこのスポーツ振興計画を新たにつくる必要性があるのではないのかな、こう思っております。  他方、国民スポーツに対するニーズも非常に多様化しております。また、一方では、競技スポーツに対する期待も、先般の長野オリンピック等々で見るように、大変高まっております。そうしたことなどを考えながら、この際、本格的なスポーツ振興計画の策定というものに取り組まなければいけないということであります。  ただ、では、今まで何もやってこなかったかというと、そうではございませんで、保健体育審議会などで、累次の答申の中で、今までこのスポーツ振興計画にかわるものとしてそうした答申が出され、その方針にのっとりまして、各種の施策を展開してまいりましたが、ただ、そろそろこういう計画もつくる時期が来ているな、かように考えております。  もっとも、今財政構造改革五原則というのを政府は持っておりまして、歳出を伴う新たな長期計画の作成はいけませんよ、こういう歯どめがかかっているのも、実は率直に言って現下の悩みでございます。だからその辺、お金の金額と中身とをどうリンクさせるかというのは、これは政府の内部の悩みとして実は抱えている問題でございますが、そうした問題もクリアしながら、何らかの形でしっかりとしたスポーツ振興計画をつくらなければならないと考えているところでございます。
  87. 三沢淳

    三沢委員 このスポーツくじ配分についていろいろこれから考えられるということなんですけれども、このスポーツくじの問題を論じるに、スポーツくじ実施することによって青少年に与える影響とかギャンブル性について今まで焦点が当てられていましたが、私は、原点に戻って、このスポーツくじを何のためにやるのか、もう一度考え直してみる必要があるのではないか、そういうふうに思っています。  このスポーツ振興くじは、あくまでもスポーツ振興を推進するためにあり、それでは何のためにスポーツ振興を行うかといえば、やはり競技スポーツ、基礎的体力づくり、そして地域スポーツ実施にあるのではないか。そこで、生涯スポーツ地域スポーツを通して、やはり子供から大人までが健康な日本を築くことが大切ではないか。健康イコール国力だと私は持論でいつも言っているのですけれども、そのようなことではないかと思います。  これは、厚生省の外郭団体の調査によりましたら、六十歳以上の人が一キロ体重を減らすと医療費が一万一千円減額するとの調査が出ております。日本で、六十歳から六十四歳の人が今大体七百三十万人おられますので、年間約八百億円が減少することになるということに計算上なります。すなわち、スポーツくじの売り上げの半分弱に値する額であります。  大体今、年間の医療費が一兆円かかるという時代でありまして、これから考えなければいけない問題だと思うのですけれども、どうか、このスポーツくじ収益金を有効に使用することによって、年配者の方々が健康で病院通いをしないようになっていけば本来のスポーツくじ目的を果たすのではないか、そういうふうに思っております。健康で長生きをされる、これがやはり医療費がかからない、一番努力しなければいけないことではないか。そういう点では、やはり生涯スポーツとか地域スポーツというのは、これは大変重要なことではないか。  今スポーツが、私はスポーツ界の出身ですけれども、この国では日が余り当たっていませんけれども、これから本当に健康のためにスポーツというのは大切になっていくのではないかと思われますけれども、その辺のことも加味されて考えておられるでしょうか、計画の中に入れられるのでしょうか、お聞きしたいと思います。
  88. 福留泰蔵

    ○福留議員 私どもスポーツ議員連盟のプロジェクトチームで、新しい日本のこれからのスポーツ政策いかにあるべきかということを議論してまいりました。そして一つは、地域スポーツ振興、トップ競技のスポーツ振興、そしてスポーツを通しての国際協力という形での三本柱の具体的なスポーツ政策を決めたところでございます。そして、その上で、その財源をいかにするかということで今回の提案をさせていただいているわけでございます。  私どもスポーツ議員連盟のプロジェクトチームの検討段階におきましても、このスポーツ振興くじが導入されて、そして、その収益地域スポーツ振興のために充てられていけば、その結果として、子供たちの健全教育の環境づくりのために資するのではないか。そして今、三沢先生指摘のとおり、これからの高齢化社会、医療費の負担がますます増大する日本の社会の状況の中で、医療費の軽減にも資していくのではないか、健康な日本づくりのために資していくのではないか。そういうねらいを持って、私どもは、スポーツ政策をつくらせていただいて、その財源の案として今回この法案を提出させていただいているところでございます。
  89. 三沢淳

    三沢委員 私の地域でも、やはり今お年寄りが隅に追いやられまして、特に都会の鉄の扉の中でぽつんとおられます。外に出て、たとえ歩き回ることだけでも健康になるのではないか、そういうふうに思っておりますので、これから大変な少子・高齢化社会になりますので、ぜひその辺のところも加味されまして計画の中に入れていただきたい、そういうふうに思っております。  次に、今回の修正案の中で、払い戻し資金と運営経費を除いた収益のうち、二分の一が国庫に入ることになっていたものが三分の一に減額をされることになりました。このサッカーくじ本来の目的であるスポーツ振興のために使える資金がそれだけ多くなったのではないか、よいことではないか、そういうふうに思っております。この修正案は非常によい修正案ではないか、そういうふうに思います。  そこで、私がきょうの質問で、前からもいろいろお話ししているのですけれども、一番訴えたいことが一つあるのですけれども、それは障害者のスポーツ振興への助成としてのこの制度の適用をお願いしたいということであります。できれば収益金の本当に一%でもいいですから障害者の皆さんのために使っていただければ、その辺のところも計画に入れていただければと、そういうふうに思っております。  さきの冬季オリンピックがありました後、パラリンピックがありまして、日本の選手のすばらしい活躍、こういう障害者の方が必死になってふだん努力されて、そして、あそこで日の丸を上げられて頑張る姿、これなんか本当に子供たちにすばらしい、いい影響を与えるのではないか。障害があっても必死で頑張る姿、それが本当の教育ではないか、そういうふうに思っております。  そういう方々も、常日ごろから、やはり車いすとかその道具類にお金がたくさんかかったりいたします。私も障害者の方の大会に、車いすテニスとか出させていただきますけれども、一番は、施設が障害者用の施設になっていない。階段があったりとかスロープになっていない。例えば車いすテニスでも、コートに入ると傷つくから、おまえらやったらだめだと。その辺のところで大変な不満があったり、練習場もない、そして道具もお金がかかる。でも、パラリンピックを見ましたら、障害者の人たちが本当に自分の人生をかけて、あれだけ伸び伸びとスポーツに打ち込まれる姿というのは、これはすばらしいものではないか。  特に、今、日本は厚生省管轄になっていますけれども、これは今行革の問題もありますけれども、縦割りではなしに横のつながりで国民の皆さんのことを本当に考えていってあげるべきではないか、そういうふうに思っております。特に、障害者の方は、自分たちは障害でリハビリではないのだ、健常者の人と同じようにスポーツをするのだ、そういう意識を持ってやっておられますので、障害者の方のスポーツは、もう健常者の方と同じようにスポーツとして扱っていただきたい。  そして、厚生省、文部省、先ほど申しましたけれども、十三省庁にスポーツ予算が分かれている、これも本当に寂しいことなんですけれども、やはり文部省としても、障害者の方は厚生省というのではなしに、どうか、文部省の太っ腹で、障害者の方も面倒を見よう、そのようなお考えになりまして、今回の収益金を使っていただければとお願いしたいところであります。  障害者の皆さんのために使っていただけるのかどうか、その辺のところは考えておられるのかどうか、お願いいたします。
  90. 馳浩

    馳参議院議員 身障者スポーツに対する支援につきまして、参議院におきましては、附帯決議の中で、原案、修正案については反対の方がいらっしゃったのですが、恐らくこれは全会一致だったのではないかと思いますけれども、身障者の皆さん方にも十分な予算配分ができるようにすべきだということを意見表明として附帯決議につけさせていただいたところでありますし、同法案が成立しました後に、文部省あるいは運営される日本体育学校健康センターの皆さん方に、この部分国会の議決として配慮していただきたいと私たちも切望しているところであります。
  91. 三沢淳

    三沢委員 ぜひ、障害者の皆さんのために光を当てていただきたい、そのように心から思っております。  次に、お伺いいたします。  スポーツ振興投票にかかわる業務のうち、販売、払い戻し等は金融機関に委託することになっておりますが、その金融機関の選定に当たっては、審査基準をセンターにて作成して、公募によりコンペ形式で一行に絞り込むことになっていると理解しておりますが、この公募から最終決定するまでの過程を含めて、これは国民の皆さんにちゃんと情報公開といいますか、公開されるのでしょうか。お尋ねしたいと思います。
  92. 船田元

    船田議員 お答えいたします。  三沢委員指摘の点でございますが、スポーツ振興くじの業務を金融機関等に委託をいたしますけれども、その金融機関の決定につきましては、透明かつ公平に行われるように公開コンペを実施をするということにいたしております。  この公開コンペにおきましては、一つは、外部の有識者によってコンペの選定基準の策定委員会というものを設けること。それから、策定された基準を広く一般に公開をして業務委託先の募集を行うということ。そして三番目には、入札というのがあるわけでございますが、入札に関しましても、選定基準の策定委員会同様、公平公正なメンバーによる審議会を設けまして、そこで厳正な審査を行って最終的に委託先を決定する。このような流れで手順を踏んでやっていくということになるわけであります。  なお、透明性、公平性というのをより厳密に確保するというためには、選定基準の策定委員会あるいは審査会のメンバーが重複をするということではなかなか公平性確保が危ぶまれますので、やはりここはそのメンバーの重複をできる限り避けるということ、これも大事なことではないかなというふうに思っております。
  93. 三沢淳

    三沢委員 どうか国民の皆さんに本当にわかりやすいように、公開されて皆さんが納得できるような過程を踏んでいただきたい、そういうふうに思っております。  また、御存じのように、毎日のように新聞紙上をにぎわしている金融不祥事とかが起きていまして、金融機関に対する国民の信用不安ははかり知れないものがあるのではないか、そういうふうに思います。また将来、銀行によってはビッグバンに対応できずに倒産していく金融機関も十分出てくるのじゃないか。そこまではいかないのじゃないかと思いますけれども、先のことはわかりませんので、その辺のことがあるかもわかりません。  そこで、仮にスポーツ振興投票にかかわる業務に選定された金融機関が業績が悪化して倒産の事態が発生したときには、国民から得た投票券の購入資金及び当せん金をどのように担保されるのか。選定された銀行が倒産することはまずないと思いますけれども、もしもそのことが起きた場合にはどういうふうにされるのか、提案者の方にお伺いしたいと思います。
  94. 船田元

    船田議員 委託された金融機関等が倒産をした場合、これはなかなか想定しにくいことなのでありますが、万が一の場合ということもやはり想定をしておかなければいけないと思います。  我々の考えとしましては、委託される金融機関の選定としても、将来危ないのではないかということのないような金融機関が選ばれるということをやはり考えておかなければいけないというふうに思っております。その意味での金融機関の選定における厳正さというものを十二分に担保しておく必要があるなというふうに思っております。  また、もし万が一ということがあった場合にも、その当せん金とかあるいは投票券の権利義務関係というものがきちんと保存をされるように、担保をされるように実際の委託契約の中で具体的な取り決めをして、万が一のことにもきちんと対応できるような措置をとれるように、特にセンターが委託をする際にはその点留意をしておく必要があると思っております。
  95. 三沢淳

    三沢委員 私もちょっとわからないところがあるのですけれども、この金融機関というのは、委託しましたらもうずうっとその銀行で通されるのかどうか、それともこれは何年かでかわられるのかどうか、どうなんでしょうか。
  96. 船田元

    船田議員 委託される金融機関がずうっとかわらないのかあるいは途中でかわるのかという点でありますが、現状において我々としてはその点まで検討しておりません。これは今後の検討課題であるというふうに思っております。  ただ、一つは、実は制度全体を一度見直すという規定もありまして、それは実施から七年後に見直そう、こういうことになっておりますが、あるいはそのときに見直すということもあるかもしれませんし、あるいはその前に金融機関についての選定をまた変えるということもあるかもしれませんが、すべてそれはセンターがこれから具体的な計画をつくる中で明らかになっていくものと思っております。
  97. 三沢淳

    三沢委員 時間が来ましたので、これで質問を終わります。どうもありがとうございました。
  98. 高橋一郎

    高橋委員長 次に、石井郁子君。
  99. 石井郁子

    石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。  私は、サッカーくじ法案の基本的性格についてまずただしたいと思います。  発議者の答弁が昨年の説明から随分変わってまいりました。百八十度の変更と言ってもいいほどだというふうに思います。昨年の当委員会では、この法案ギャンブル法であるとして我が党の山原議員が追及いたしましたが、発議者の柳沢議員は、きょうこちらにはいらっしゃらないのですけれども、我々は最初から、賭博ではない、むしろ富くじだ、富くじだと思いますから、全然賭博とは違うと答えていました。福留議員は、宝くじに近いもので、ギャンブルのように次から次へと金銭をつぎ込み、これにのめり込んでしまうものではないことを理解いただきたいと答えていらっしゃいます。  ところが、ことしの二月十七日には、参議院で日弁連の参考人ギャンブル法は明確と指摘されますと、船田議員は、確かにこれはギャンブル性の非常に低いものであり、自治宝くじ的な性格を持つものであると微妙な答弁をされた。先ほどの御答弁では宝くじに近い制度、富くじに該当かなというふうにお聞きいたしました。  一昨日、小坂議員は、富くじは広義における賭博行為に入る、富くじである以上賭博行為ギャンブルと認められました。この間の参考人質疑で、賛成、反対を問わず、当然のごとくギャンブル指摘されます。日本サッカー協会の長沼氏は、いい意味でのギャンブルとまで言われました。ギャンブル法だというのは、刑法を持ち出すまでもないわけでありまして、だれもが否定できないことでございます。  しかし、今申し上げましたように、発議者の間で見解が一致していません。どの見解、答弁がこの法案の基本的性格なのか。賭博でないのか、ギャンブル性の低いものなのか、賭博なのか。これは百八十度違うわけですね。発議者の統一見解を明確に出していただきたいと思います。
  100. 小坂憲次

    ○小坂議員 石井郁子委員お答えを申し上げたいと思います。  それぞれ表現の仕方があると思うのですが、一貫しておると私どもは思っております。  それは、すなわちこのサッカーくじ法案の内容は、いわゆる富くじに近いものである。その趣旨は何かといいますと、競技場で車券を買って、外れたら今度は倍がけだぞ、よし、また外れちゃった、もう一か八か全部ぶっかけてやろうというような、興奮してのめり込んでいくような、そういった仕組みのものではなくて、当せん確率といったものも踏まえながら、そういう形ではどちらかといえば宝くじに近いものじゃないでしょうかという御説明を繰り返し繰り返しそれぞれ議員が申し上げていると思うところでございます。  私どもが一番委員議論をしたいと思いますし、また御理解を得たいと思っておりますことは、この法案によって青少年健全育成を害されるかどうかという点において、委員の御指摘のようなものがあれば私どももそれを排除するようなことをしていかなければいかぬと思っているわけですね。ですから、法案の内容を学術的に、それが現行法の中である公営競技等のいわゆるギャンブルというものをどう定義するかという問題、そういう言葉の議論をしようということではなくて、むしろこの法案がそういった健全育成を害する、あるいは社会の中に害悪をまき散らすようなものになるのかどうかという点を、私どもは委員の皆様と議論をしてきたつもりでございます。  その点で、今見解がそれぞれ変わっていくというふうにおっしゃいますが、先ほど北村議員の方から御質問をいただきましたときにもそれぞれ議論があったところでございますが、私どもは一貫して——公営ギャンブルというふうに呼ぶ方もいらっしゃいます。公営競技と呼ぶ方もいる、あるいは法案上これはギャンブルだと言う方もいる、あるいは富くじである、賭博という言葉を使う、いろいろ言葉の定義を学術的に議論するよりは、むしろ私どもは、それによって生じる結果がそういう害悪になるかどうかを委員も御指摘になっていると思いますし、私どももその辺を一番注意をしているわけであります。今宝くじをやめろとかあるいは公営競技をやめろとか、そういう議論をここでやっているわけではないのだろうと思っておりますので、その点で私どもの見解は完全に一致しているというふうにお答えを申し上げたいと思っております。
  101. 石井郁子

    石井(郁)委員 全然理解がしかねるわけですが、この問題は、ただ言葉の定義をあれこれしているという話ではないと思うのですね。公営ギャンブル法がありますし、刑法にきちんと賭博とは、富くじとはとあるわけですから、そういうことなんであって、それは学術的だから別だなんという話と違うわけですね。結局、どういうことなんでしょうか。  私は、今の時点で、この時点で発議者にこの法案についてやはり一致した見解を出していただきたい。ある方はこうおっしゃる、ある方は宝くじだ、ある方は富くじだ、ある方はいやギャンブル性があります、これでは全然困るじゃないですか。国民は何をこれで信じていいのでしょうか。そういうことでは全然この法案は根本からおかしいことになると思うのですよ。  発議者の間での単なる言葉の定義ではなくて、この法案の基本的な性格を伺っているのです。どういう法案なんですか。くじですから、かけごとですから、これはどういうかけなんですかということです。もう一度お願いします。
  102. 小坂憲次

    ○小坂議員 お答え申し上げます。  一言でというふうにおっしゃられるならば、これは富くじ的性格のものであります、こう申し上げてよろしいと思います。  それでは、違法なギャンブルなのかといえば、これは法律で規定をいたしまして、そして宝くじあるいは公営競技もある意味の賭博行為であるというふうに、学術的に言えばそうでございますが、しかし法律で規定していることによって違法性を阻却しているものだという解釈が私どもの解釈でございますから、このサッカーくじ法案につきましても、法律で規定をしなければいけないという観点でこの法律を出しているわけでございます。  性格はどういうものかといえば、富くじに一番近い性格のものであるという点で統一見解といたしたいと思います。
  103. 石井郁子

    石井(郁)委員 重ねて伺いますが、発議者の皆さんはそれでよろしゅうございますか。それは一致しているということでよろしゅうございますね。  もう一点確認したいのですが、しかし富くじは賭博とは違うとか、こういう説明をされるわけで、これは刑法上は本質的には同じものであるということですよね。ですから、富くじであるということは、このサッカーくじ法案ギャンブル法案であるというふうに言ってよろしいですね。いかがですか。     〔委員長退席、小川委員長代理着席〕
  104. 小坂憲次

    ○小坂議員 私どもは、ギャンブル法案だとは呼んでおりません。サッカーくじ法案サッカーくじ法案でございます。そういう意味で、学術論争でおっしゃっている、その中のギャンブル性を称して委員がそう呼びたいということであれば委員の御見解であります。そうは思いますが、私どもはこれはサッカーくじ法案である、こういうふうに思っておるわけでございます。
  105. 石井郁子

    石井(郁)委員 私は、そういう見解を伺いますと、一昨日、山原議員が法務省に見解をただしました、刑法上の定義として、賭博と富くじはその違法性の本質を同じくする、それはそのとおりだということで見解もいただいているわけであります。発議者の今の御説明ですと、この刑法も変えなければいけないことになりませんか。  自分たちはそう思うというのはあくまでも主観の話でありまして、客観的に富くじは賭博と本質的に同じだ、これはもう否定できないことじゃありませんか。それを、ギャンブル性がない、ギャンブル法ではないというふうに言い張るというか言われるというのは、これはどうしてそういうことが通用するのかと言わなければなりません。私は、やはりそういう答弁ではこの法案審議というのは難しいのじゃないかというふうに思います。
  106. 福留泰蔵

    ○福留議員 今先生の御議論を伺っておりまして、このものが刑法上ではどうかという観点からの御確認がございました。そしてその上で、これがギャンブル法案かどうかという確認があったわけでございます。  私どもは、刑法上のそういうふうな面からいうと、富くじ的なものであるというふうに認識をしております。しかし、今それをギャンブル法案かどうかというふうなお尋ねがあったわけでございますが、そのときのお使いになるギャンブルという意味合いが、やはり一般世間で理解されているギャンブルというイメージが付与されているということで、そこにはやはり明確に私どもとしては言葉を使い分けていかなければならないのではないかと思います。  通常、一般世間で私どもが理解しているギャンブルというものは、一般的には社会的には悪いものであるというイメージだろうと思いますが、それはなぜそれが悪いものなのかということで申し上げると、それは一やはりそういうゲームに参加することによって人間が持つ理性を失って、そし て、その中にのめり込むことによって財産なりを失っていくというその要素が社会的な悪影響の一つだろうと思います。  そういう意味において、先ほど委員の方からも引き合いに出されましたけれども、昨年の衆議院の当委員会におきます答弁で、ギャンブル性が薄いというふうなことも私は申し上げたわけでありますが、私どももこのプロジェクトチームで検討してきた経緯の中で、実は社会的に悪影響をこれが本当に与えるのかどうか、人間が持つ理性というものを失ってまでこれにのめり込む性格であるかどうかということを、私は個人的に一つのメルクマールとしてこの法案の作成段階で考えてきたところでございまして、そういう意味において、世間一般で言われているギャンブルというその言葉が持つイメージを持ったギャンブル法案であるかどうかということについては、私は違うというふうに申し上げざるを得ないのでございます。     〔小川委員長代理退席、委員長着席〕
  107. 石井郁子

    石井(郁)委員 結局、そういう御答弁ですと、やはり発議者の間でいろいろ違うのじゃないでしょうか。  それで、ギャンブルは悪だということはお認めになっているのですよね。しかしこの法案ギャンブルではないと。いろいろ御説明聞いている中では、結局、家財をなげうってのめり込んで、家庭崩壊とかいろいろそういうことにいくかいかないか、これはいかないのだということを唯一根拠にしていらっしゃるのですけれども、それは個々のケースでありまして、そういうことはいろいろなケースがあり得るわけですよ。そういうことを言っては全然話が前に進まないわけです。事柄の本質として明らかにしていただきたいということでありまして、やはり発議者の間でこんなに違っているわけですよね。富くじでありながらギャンブルではない、これは通用しませんよ、世間で。  そうすると、これは刑法自身を変えなければいけませんよ。そこまで、そういうふうに言っていいのですか。私は大変重大な問題だというふうに思っているのです、これは。今までの審議のこともありますので、今の御答弁では到底先へ進むことはできません。
  108. 福留泰蔵

    ○福留議員 今も先生は、私が先ほど申し上げたことに対して言葉を使い分けていらっしゃるわけでございます。  私は、先ほど申し上げたとおり、刑法上での意味と、一般通念で皆さんが御理解していただいているギャンブルというイメージと、その二つの意味の上で申し上げたわけでございまして、これまでの答弁の中で、ギャンブル性が薄いというのは、一般通念上でギャンブル性は薄いというふうに我々は認識をしているということを申し上げたわけでございます。ここで、刑法上ではどうかというふうなお尋ねがあったものですから、厳密な意味でいえば、富くじに近いものである、富くじに相当するものであろうという認識を示したわけでございます。  今先生の方から、実はスポーツ振興くじについても、家計をなげうってまでのめり込むものではないという私の認識に対して、それはケース・バイ・ケースであるというお話がありました。私どもとしては、この委員会等でずうっと通して御説明申し上げているところでございますが、このスポーツ振興くじの仕組み自体が、実は家計をなげうってまでのめり込むような仕組みになっていないということをるる御説明申し上げてきたところでございます。当てようと思っても、理論上は百六十万分の一程度のものに、どなたが全財産をなげうつのでしょうか。  それからもう一つは、販売にしても、一週間に一遍程度の販売で、前日までに販売を終了するということでありますので、負けたものを取り返そうという、理性を失うような状況には陥らないということでもあります。また、競技場でも売らないということでありますので、競技自体は別のところで行われているわけでございますので、この法案の仕組み自体が、そういう理性を失わないように冷静に、また楽しみを持ちながらこれに参加できる仕組みであるということをるるずうっと申し上げてきているところでございます。
  109. 小坂憲次

    ○小坂議員 委員議論をしておりまして、私もなかなかかみ合わないと思うところは、刑法にはギャンブルという言葉は使っておりませんので、ですから私ども、性格としては富くじに近いものだと答弁をさせていただいているわけでございます。  ですから、ギャンブル法かというふうに聞かれたら、私はそうは思っておらないと御答弁申し上げている次第であります。
  110. 石井郁子

    石井(郁)委員 それは、ギャンブルといっても賭博といっても、これはイコールでございます。刑法では賭博でしょう。辞典では、賭博行為イコールギャンブルですから、そんな言葉の使い分けをされるのはいかがかと思うのです。  私は委員長にぜひお願いをしたいのですが、試合の勝敗を当てて賞金を得るわけですから、かけごとですよね。このことが本質的にもたらすものは、いろいろそういう賭博性があるということですよ。そういうことにはならない仕掛けがあると言われても、なり得る場合もあるわけですよ。そういう本質なんですよ。そこを、そういうごまかしをされるというのは、私は全然納得できませんし、このままで、そういう発議者の御理解でこの法案を進めるわけにはいかないと思うのですよね。  委員の皆さんは、これで納得されるんでしょうか。あるいは、傍聴席にきょうたくさんの皆さんがいらっしゃっていますけれども、富くじはイコール賭博ではない、発議者がそういう理解で進むということは、世の中に通るんでしょうか。それこそ通念上通るんでしょうか。おかしいですよ。文教委員会がこういうことを通したとなったら、そういう理解で通したとなったら、私はこれは世間に本当に通らないと思ったんですよ。  ちょっと委員長、ぜひ発議者との間で——その辺どうでしょうか、委員長自身はどのように御判断されますか。
  111. 高橋一郎

    高橋委員長 私から御答弁というのもおかしいんじゃないでしょうか。理事懇談会、理事会を再三開いて、皆さんの合意の上で運営しておりますから、残りの時間は質疑に充てていただきたいと思います。
  112. 石井郁子

    石井(郁)委員 富くじであって賭博ではない、ギャンブルではない、こういうことでは私は到底納得するわけにいきません。これは根本的な問題です。この法案の基本的な性格にかかわる問題です。前提でこういう大きな違いがあるので、私は到底進めるわけにいかないと思うのです。  それで、船田議員はいかがでございますか。富くじであるがギャンブルではないという御理解でよろしいのでしょうか。
  113. 船田元

    船田議員 これまで小坂議員それから福留議員が申し上げたことと私は全く同じでございます。  刑法上の問題を言えば、富くじと賭博というのは、一応刑法上では別々の問題として区別をしております。賭博というのは、いわゆる胴元も券を買う者も、いずれも危険を負担して、そしてともに財物を拠出する、そして偶然性等によってだれかにその財物が移動するということであります。富くじというのは、これは胴元と実際にくじを買う者との間に、胴元においては危険を負担しない、くじを買う者はその財物を拠出する、この点が富くじと賭博との刑法上の違いでありまして、それぞれに富くじ罪、賭博罪というものを置いております。  サッカーくじの場合には、そのような区別の概念からしまして富くじの範疇に入るものということで、これは富くじに近い性格のものであるということでございます。  なお、ギャンブルという名称あるいはギャンブルという名称によって指定をされるものは、刑法上は何の規定もございません。
  114. 石井郁子

    石井(郁)委員 私は、本当にきょう、改めてこれは振り出しに戻ったような感じがしているのです。発議者の皆さんのそうした御認識では、この法案自身は、根本のところで前提が狂ってしまい ますので、違ってしまいますので、私の質問時間はもう来てしまったのですけれども、きょうは、子供に対する悪影響の問題や、修正事項の、問題時の停止命令や、そういう重大な点をぜひ質疑をいたしたかったわけです。  それから、一昨日は山原議員から、このサッカーくじ法案には利権が絡んでいるのではないかという疑惑が一部に報道されていますから、その調査についても、ぜひ当委員会に報告をしていただきたいということも出されていますが、今もってそれも出されておりません。私は、このままでは到底、質疑終了というわけにいかないというふうに思います。  委員長に、ぜひ発議者の皆さんの再度の御見解の一致、統一見解を出していただくようにお願いをいたしまして、もう時間が来ておりますので、私の方は次の質問を留保したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  115. 高橋一郎

    高橋委員長 次に、保坂展人君
  116. 保坂展人

    ○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。  今回の法案は、与野党、超党派の議員の方が提案者ですが、また反対も、与野党ともに超党派で反対の声も上がっているというところが大きな問題だろうと思います。  そこで、文部大臣にまずはお聞きをしたいと思います。  昨日来の参考人質疑の中で、Jリーグを支える圧倒的なファン層というのは、これはもう言わずもがな、子供たちであります。この子供たちの中に、買う子が必ず出てくるだろう。親も判断に困る。自分で買うのはだめでも、兄貴や親に頼むのはいいのか、あるいは家族が子供にプレゼントした場合は、これはよしなのか、どこまでがだめで、どこまでがいいのかというのは、やはり停止命令という大きな権限を握る町村文部大臣が責任を持って明らかにしていただきたい。  まず、町村大臣にこの点をお聞きしたいと思います。
  117. 工藤智規

    工藤政府委員 参議院修正で、重大な悪影響があった場合の停止条項ができたわけでございますが、その運用がどういうことになるのか、立法者の意思をそんたくしながら私ども考えていかなければいけないわけでございますが、その前にまず、先ほど来の御質疑もございますように、このくじ制度についての一般の国民方々の御理解が必ずしも十分でないうらみがあるわけでございますし、ましてや子供たちに対して、制度の趣旨、さらには十九歳未満子供たちが買えないということの事実も含めて、広範に周知を図らなければいけないと思っているわけでございます。  そういう周知を図った上で、子供たちの適切な行動を機会あるごとに親御さんを通じ、あるいは学校の教師を通じて指導しながら、適切な運営に努めてまいりたいと思うわけでございます。  なお、どういう場合に停止命令を発するかということにつきましては、法案の条項によりますと、保健体育審議会の御意見も承りながらということになってございますので、関係の専門家の方々の御意見も拝聴し、かつ、全国的にどういう状況になっているかという事態も把握しながら努めてまいりたいと思うわけでございます。
  118. 保坂展人

    ○保坂委員 今のわけのわからない答弁は何回も聞いています。つまり、何も決まっていない、何も方針は立っていないということだけが毎回繰り返されているので、文部大臣に聞いているのですね。  あえて言いますけれども、確かにこれは議員立法です。しかし、成立したその直後から、文部省特殊法人であるところのセンターが事業を進めていくわけです。そして、文部大臣みずからも、例えば児童生徒に悪影響を及ぼした、これは相当にひどいという場合には停止命令を出すことができる、しかしその詳細は決まっていないということも、昨日来明らかです。  そういう説明責任を負っておられるということと、もう一点は、大変二律背反的な自己矛盾を背負い込んだということです。というのは、このくじが愛され、そして楽しまれるものとして発展させてスポーツ予算を獲得しなければならないという面と、もう一点は十九歳に至らない子供たちにこれを広げてはならないという、この二つの矛盾したことを説明すればするほど子供はわからなくなるのじゃないでしょうか。  町村大臣は、日本の子供たちに今の瞬間どのように説明するのでしょうか。先ほど役所の方も全く答えていないので、お答えいただきたいと思います。
  119. 町村信孝

    町村国務大臣 確かに、参議院での修正がございました。これは、悪影響があるという前提に立った修正だとは私どもは思っておりません。二重三重の歯どめをかけようということでありますので、万々が一にもないだろうけれども、万が一あった場合にはということでありますので、具体的にどういうケースが想定されるかといいましても、まず想定されないのですから、しかし万が一ということに備えてこの条項が入った、私はこう理解をしております。  それから、青少年に対する説明、十九歳未満の人は買っちゃいけませんよと、非常に明快であります。
  120. 保坂展人

    ○保坂委員 それでは、例えば、町村大臣がこういうアピールを出したらどうかと思うのですね。  サッカーくじができた。スポーツ振興のために、サッカー試合楽しみながら夢膨らませていくくじである。でも、この楽しみは十九歳になるその日まで待っていてほしい。サッカーくじを君たちが買うのも、学校に持ってくるのもやめてほしい。君たちがくじを買うと、売った人たちに迷惑がかかる。そして、十九歳以上になった兄弟や家族の人に、君たちにかわって楽しんでもらってほしい。楽しみは夢とともに膨らませて、後にとっておこう。  どうでしょうか。
  121. 町村信孝

    町村国務大臣 貴重な御意見として承っておきます。
  122. 保坂展人

    ○保坂委員 こういうところから逃げてはいけないと思うのですね。十九歳未満は買ってはならない、しかしサッカーを支えているのは圧倒的に子供たち、みんな買いたいと言うわけです。親に頼んだらいいのか、あるいは親からもらったらいいのかといったら、答弁がないのですね。  初中局長に聞きますけれども、悪影響を与えているかどうかというのは、これは本当に難しいと思います。どういう基準でこれを推しはかっていくのか、見ていくのか。現在のところまだ余り考えがないということでありますけれども、初中局の方は来ておられませんか。では体育局、ないならないで、はっきり一言でいいです。
  123. 工藤智規

    工藤政府委員 先ほど大臣が御答弁申し上げたように、万一の歯どめと受けとめているわけでございますが、まだ成立もしてございませんし、その運用に当たりまして私ども努めなければいけませんけれども、現段階でその基準があるわけではございません。
  124. 保坂展人

    ○保坂委員 本来、初中局長に答えていただくべく既に言っていたのですが。  どうでしょう、修正案をつくられた参議院発議者の方に、当然いろいろなことを考えながらこの修正部分を入れられたと思うのですけれども、今のこのレベルでよろしいのでしょうか、参議院修正はそれで十分なんでしょうか。簡潔にお答えいただきたいと思います。
  125. 馳浩

    馳参議院議員 本来、この法律案は、青少年健全育成に資するためという大きな目的がありますので、悪影響を及ぼすためにこの法律をつくるものではないという前提に立っております。  そしてさらに、この修正案につきましては、大臣が申し上げておられるように二重三重の歯どめをかけるようにということと同時に、このスポーツ振興投票制度が直接の原因で教育上放置できない問題が日本全国に蔓延した、子供たち悪影響を与える問題が出てきた、そういうことを政令で定める審議会に諮って、その上で文部大臣が最終的に停止命令を出すというふうな形にしておりますので、これは今後、政令で定める審議会は保体審となっているわけでありますけれども、その運営委員の選定等を含め、具体的に基準が定めら れていくものだと私は認識しております。
  126. 保坂展人

    ○保坂委員 衆議院側の発議者の皆さんにお聞きしたいのですが、昨日、マーケティングリサーチについて参考人からあったのですが、やや大きな見積もりではなかったのかということで、三枚にわたる取りまとめたものを資料としていただきました。  ただ、これは実際には三百ページぐらいのかなり分厚いものだというふうにも聞いておるのですけれども、できれば現物を見せていただくと大変よかったのですが、間に合いませんでしたので、これは非公式に調査機関に委託をして調べたというふうにその資料にはあったのですが、どのような会社に委託されたのかということをお聞きしたいのです。いかがでしょうか。
  127. 福留泰蔵

    ○福留議員 今先生が御指摘の資料というのがよくわからないわけですが、私の推察では、恐らく、民間の調査機関が非公式に調査したということで私どもが数字を申し上げて、売り上げ予測二千億とか千八百億だとかという数字でございますね。  この調査自体は、平成七年と平成五年に行われていた調査でございます。アンケート調査を二千人に行いまして、有効回収率が約七〇%であるということでございますが、三ランクに購入意欲のグループを分けて、強い購入意欲を示したグループ、多分購入すると答えたグループ、購入するかどうか半々と答えたグループと、ある程度精緻に調査を行われたというふうに承知しております。  本件につきましては、民間の機関が非公式に調査されたものを我々スポーツ議員連盟として活用させていただいて、議論の際の参考としたものでございます。こういうスポーツ振興くじの導入ということがマスコミ等で広く議論になっている状況の中で、民間の調査機関がさまざまな調査を行われていたようでございます。我々スポーツ議連としても、その中から信頼性の高いものということで今先生がお示しになった資料を参考にしたところでございまして、そういう意味で、あくまでも非公式な調査ということが前提でございますので、調査機関名等、個々具体的なことについては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
  128. 保坂展人

    ○保坂委員 これは大事なことなんですね。二千人に聞いているのですけれども、有効回収率が七〇%、千四百人なんですね。千四百人で、今御説明のあったとおり、かなりアバウトな出し方をして、それで千八百億と。例えば、半々買うという人たちは月に千円買うことになっているのですね。多分購入する人たちは月に二千円弱買うことになっている。そういう算定の仕方をしているので大分膨らんでいるのじゃないか。  これを前提に予算化していきますと、例えば、スポーツ議連の方の別の資料で手元にあるのは、設備投資の資料なんですね。コンピューターシステム開発に約七十億円、広報、販促、販売店教育などに四十億円、事務管理、市場調査費等約十億円、計百二十億円。こういう数字もあるのですが、これらは議連の皆さんが算出されたのか、あるいは民間のシンクタンクが出された数字なのか、お答えいただきたいと思います。
  129. 福留泰蔵

    ○福留議員 今委員、売り上げ予測の調査とそれから何か設備投資のお話、二つお話しなさったと思いますが、私どもとしては、売り上げの予測についての情報については、プロジェクトチームで民間機関からそれを得て検討の参考にさせていただきましたけれども、後段の部分の資料については、プロジェクトチームとしても全くそういうデータを検討したこともございませんし、どこで検討されたかも承知していないところでございます。
  130. 保坂展人

    ○保坂委員 ここにペーパーがあるので、では後ほど。  本来は質疑を続けなければこのやりとりは意味がないのですけれども、この後、採決というのは本当に早過ぎると僕は思うのです。  あと、たまたま新聞を見ておりましたら、株式新聞という新聞があって、衆議院参議院から送付されてきたサッカーくじ法案がいよいよ成立するようだ、このサッカーくじの売れ行きは心配だけれども、成功すればセコニックの恩恵は絶大というふうに書いてあるのですが、これはメーカー名ですよね、どういう意味なのか。このセコニックという会社は御存じでしょうか、提案者の皆さんは。
  131. 船田元

    船田議員 今先生指摘の点は、株式新聞の九七年五月一日のものと思いますが、セコニックという名称があるのは、ここで見ておりますけれども、私は少なくともその名前は存じておりません。
  132. 保坂展人

    ○保坂委員 実は急いで調べてみたところ、これは光学式の読み取り機、バーコードとかそういうもので非常に大きなシェアを持っているメーカーだそうですね。  どこでどういうふうになっているのかわからないのですが、先日の質疑でパネルを示された議員の方もいて、もし万が一、そういう販売網であるとか業者であるとかいうのが実は内々決まっていたということは絶対あってはならないという提案者の答弁もありました。  そこで、実は文部省にきのう伺って、これだけの法案を通して、もう五年もやってきているわけですから、では、いざ成立をしたというときに直ちにいろいろ着手しなければならないわけで、いろいろ、例えば設備投資についてもシステム構築についても何らかの文書があるのじゃないかというふうに聞いたら、九時半まで議員会館で待って、たった四点お持ちいただいたのですね。もう本当に待ち遠しかったのですが、保坂議員が要求するものは何もありません、文部省は全くの空白でありますということなんですが、これは本当ですか。
  133. 工藤智規

    工藤政府委員 先生がどういう資料を念頭に置いておられるのかわからないのですが、先ほどおっしゃいました試算でございますとか株式新聞の記事でございますとかも含めて、実は私ども初めてなのでございます。  御承知のように、議員立法でございまして、提案議員の先生方がえらく熱心に取り組んでこられたのは御承知のとおりでございます。ただ、議員立法であるからといって私ども無関係なわけでもございません。  その背景には、予算がとれない中で、スポーツ振興のために本当に、多分それぞれの先生方、選挙のためにも何にもならないのに、まさにスポーツ振興に燃えて頑張っていただいているわけでございまして、私どもからすれば、頭が下がるといいますか、私どもの不明を恥じるわけでございますけれども、そういう意味で、折々、いろいろ御指導いただいたりお手伝いできるところはお手伝いさせていただいたりということはございますけれども、少なくともその折々で、いろいろな、考え方も違いますし、また衆参を通じましていろいろな御議論がありますように、いやしくもこの制度が発足して後ろ指を指されるような後ろ暗いことがあってはならないわけでございますから、私、体育局長に就任以来も、関係のメーカーに一人たりともこの件についてお会いしたこともございませんし、うわさされるようなお話を聞いたこともございません。  したがいまして、何か後ろめたい資料を隠しているのじゃないかということなのかもしれませんが、こういう衆参での御質疑のいろいろな答弁資料を作成したり、あるいは諸外国の状況の資料を作成したりというのはございますが、そういう後ろ暗い資料は全くないのでございます。
  134. 保坂展人

    ○保坂委員 それでは最後に、今大事な点なので、提案者の議員の皆さんも、もし例えば販売店網だとかあるいは納入するハードの面のメーカーだとか、そういうのが知らないところで決まっていたというのはもうこれは言語道断だというふうに言われています。そこはもう当然の前提としますし、それから文部省の方も、事前のそういった調整あるいは面談あるいは資料、共通に事前に検討したものは一切ないのだというふうに今はっきり証言しました。  それで、文部大臣にこれは確かめたいのですけれども、もしそういうことがこの後にわかった場合には、サッカーくじが本当に祝福されて生まれようわけがないのですね。重大な疑惑ということ にならざるを得ないので、もしそういうことが万が一あった場合は、毅然とここをストップさせるべく強い措置をとるという決意はおありかどうか、そこだけ伺っておきたいと思います。
  135. 町村信孝

    町村国務大臣 昨日も某党の某議員が出所不明の資料をお出しになりました。この株式新聞も全く何が出所かわかりません。不愉快きわまりない話でございまして、僕は、多分、提案者の議員の皆さん方も、まさに善意に燃え、スポーツ振興を図ろうという熱意に燃えてこの法案を出しておられる。私ども文部省も、全くいわれのなきそうした、あたかも特定の業者とつるんでいるかのごとき発言は極めて不愉快千万でありますし、万が一にもそういうことは絶対にない、このことを断言申し上げます。
  136. 保坂展人

    ○保坂委員 大蔵省の汚職も絶対ないことがあったわけですから、絶対ないことがあった場合には強い措置をとるということがおっしゃれるかどうか、そこだけを確かめます。
  137. 町村信孝

    町村国務大臣 ないものはないと申し上げるしかございません。
  138. 保坂展人

    ○保坂委員 極めて無責任な答弁だということを本当に抗議したいと思います。  そんな不正があったら強い措置をとるというふうにきちっとどうして言えないのかと思います。一言おっしゃれませんか。
  139. 町村信孝

    町村国務大臣 全くいわれのなき前提の質問にこれ以上お答えする余地がございません。
  140. 保坂展人

    ○保坂委員 ここは、本当に大事なところを最後まで答弁されなかったということを確認して、私の質問を終わります。
  141. 高橋一郎

    高橋委員長 これにて三法律案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  142. 高橋一郎

    高橋委員長 これより三法律案を一括して討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。西博義君。
  143. 西博義

    ○西委員 私は、自由党及び自由民主党を代表して、スポーツ振興投票実施等に関する法律案外二法律案に対し、賛成の立場から討論をいたします。  まず、我が国のスポーツ振興政策及びそのための財源確保策について、長年にわたり慎重かつ真摯な検討を重ね、本法律案を提案された発議者初め衆参両議院のスポーツ議員連盟の方々の御労苦に対して深く敬意を表させていただくものであります。  本法案に対する賛成の第一の理由は、新たなスポーツ振興財源を創設するスポーツ振興投票制度の意義にあります。  スポーツ振興は、心身の健康づくりの推進、さらには世代を超えた健全な交流を促すものであり、高齢化や都市化、核家族化などの社会の変化に伴って、地域に根差したスポーツのニーズはますます高まっております。  また、我が国のスポーツ選手が世界的な舞台で活躍する姿は、ことし我が国で開催された長野オリンピックに見られたように、広く国民の願っているところであります。  こうしたニーズにこたえられるスポーツ環境づくりのためには、相当規模の財源が安定して確保される必要があることは言うまでもないことでありますが、我が国のスポーツは、個人の善意や努力、献身的なボランティア等によって支えられてきた面が大きく、公的な財政支援に乏しいことはまことに残念と言わざるを得ません。  他方において、税収によって賄われる国家財政は危機的状況にあり、現在、聖域なき財政構造改革の推進が強く求められているとき、スポーツ振興への財政支出を大幅に増額していくことは極めて困難と言わざるを得ません。  これらを総合的に見るとき、諸外国においても既に定着しているスポーツくじ制度に学び、国民一人一人の意思と選択によってスポーツ振興財源確保しようとするスポーツ振興投票の時代的意義は明らかであります。  本法案では、スポーツ振興助成金の割合を高め、地方への支援を強化する内容となっており、本制度の意義は極めて高いものであると考えます。  賛成の第二の理由は、国民の声にこたえて、さまざまな配慮をした制度となっている点であります。  スポーツ振興投票制度は我が国にとって初めての制度でありますから、これまで、例えば、青少年健全育成や公正な試合運営への影響、業務運営透明性、公正さの確保、さらに、いたずらに行政の肥大化を招かないか等、多様な角度から配慮を求める声が出たことは事実でありまた、当然のこととも考えます。  このような意見を踏まえ、青少年への対応として、投票券の発売方法、場所なども含め、他に類を見ない慎重な配慮をするとともに、万一の場合に備えて、文部大臣による実施停止命令を設けました。試合運営の公正確保のためには、スポーツの独自性に配慮しつつ、選手等の収賄の処罰規定を設けています。  また、業務委託や資金に関する透明性、公平性を徹底するため、収益使途についての国会報告を義務づけるなど情報公開を徹底するとともに、既存の組織やノウハウを最大限に生かした制度として行財政改革の動向にも十分留意していると言ってよいと考えます。  そして、これらすべての配慮が、法案の作成から提出に至るスポーツ議員連盟及び各党会派における議論及び衆参両議院における慎重な審議を通じて明らかにされてきたことは、議員立法のあるべき姿としても高く評価すべきものと考えます。  以上、関係各位の御尽力に敬意を表し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
  144. 高橋一郎

    高橋委員長 次に、山原健二郎君。
  145. 山原健二郎

    ○山原委員 私は、日本共産党を代表して、スポーツ振興投票実施等に関する法律案外二法案、いわゆるサッカーくじ法案に対して、反対の討論を行います。  本日、審議を打ち切り、採決を強行するに及んだことに対して激しい怒りを込めて糾弾するものであります。質疑もまだ不十分、公聴会すら開かれていません。利権絡みの問題についての調査要求に対して何ら報告もされていないのであります。  この法案が、審議をすればするほど青少年に有害なギャンブル法であることが明らかとなり、本委員会においても反対の声を表明する議員も広がってまいりました。  この法案は当初から、PTAを初め法曹界、教育関係者、スポーツ関係者など各界各層から強い反対の声が上がっていました。しかも、反対や慎重審議を求める自治体決議は三百四十二自治体を超え、廃案を求める高校サッカー関係者のアピールに三千人を超える高校関係者が賛同を寄せるなど、反対の声は燎原の火のごとく広がっています。  こうした反対世論を無視して本法案の採決をごり押しすることは、議会制民主主義の原則を乱暴に踏みにじるものであり、断じて許せません。国民合意の全くないサッカーくじ法案は廃案しかない、私はこのことを強く主張するものであります。  反対の第一の理由は、言うまでもなく、青少年に人気の高いサッカー対象として公営ギャンブルを創設し、青少年の成長に新たな障害を持ち込むからであります。  法案発議者たちは、サッカーくじギャンブルではなく、宝くじのようなものと強弁してきました。しかし、審議を尽くせば尽くすほど、ギャンブル法であることが多くの参考人から当然のごとく語られたのであります。宝くじのようなものとは全く詭弁であり、競輪、競馬と同じ種類のギャンブルであることは明瞭であります。  今日、ナイフの問題など、子供をめぐる深刻な事件が相次いでいる状況のもとで、政治がやるべきことは、子供たちを取り巻く環境をよりよい状況に整えることであって、ギャンブルを持ち込むことではありません。そのギャンブルの総元締めに文部省がなることは、余りにも恥ずべきであり、到底納得のいくものではありません。  幾ら十九歳未満への販売を禁止しても、対面販 売でチェックしても、青少年がコンビニなどでくじを買ったり、のみ行為におぼれ、金銭絡みの非行に走ることは避けられません。本来なら、青少年ギャンブルから守るのが文部省であります。  今からでも遅くはありません。文部省は、教育基本法の精神にのっとり、サッカーくじの総元締めになることをきっぱりとやめて、その導入に反対すべきであります。  反対理由の第二は、サッカーくじスポーツの健全な発展をゆがめるばかりでなく、スポーツ振興の本筋から全く外れたものだということであります。  サッカーくじは、勝敗の結果にお金をかけることによって、文化として、また権利として発展しているスポーツギャンブルにおとしめるものであります。それは、人間の大切な資質である目標達成への努力の過程やフェアプレー精神をないがしろにし、金銭絡みの勝敗の結果のみにこだわる傾向を助長するものであります。Jリーグの選手のプレーや審判にも影響を与え、ひいては歴史の浅いJリーグの自主的な発展をもゆがめるものにほかなりません。  また、青少年の健全な発達や健康で文化的な国民生活の充実にとって重要なスポーツ振興財源ギャンブルによる収益に頼ること自体、許されないことであります。  今求められているのは、スポーツ振興法に明記されているスポーツ振興基本計画を策定し、国のスポーツ予算を大幅に増額することであります。三百億円というわずかな予算を国が出せないはずはありません。スポーツに政治の温かい光を当てるべきであります。  参議院での修正も、サッカーくじギャンブルであり、青少年悪影響があることをみずから認めたもので、本法案の問題点を一層浮き彫りにしたものでしかありません。まさに青少年に百害あって一利なしの悪法と言わなければなりません。  瀬戸山元文部大臣はこのように語っています。政治家ももう少し日本の子供の未来のことを考えてほしいと。私は、この言葉は至言であると思っております。瀬戸山元文部大臣は今はこの世にはいませんけれども、この言葉は傾聴に値するものではないでしょうか。  サッカーくじ法案実施させてはなりません。子供の生活環境を政治のたくらみで汚してはなりません。我が党は、国民の皆さんとともに、断固、中止するまで闘い抜く、その決意を明らかにしまして、反対討論を終わります。(拍手)
  146. 高橋一郎

    高橋委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  147. 高橋一郎

    高橋委員長 これより三法律案について採決に入ります。  まず、衆議院提出参議院送付スポーツ振興投票実施等に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  148. 高橋一郎

    高橋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、衆議院提出参議院送付日本体育学校健康センター法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  149. 高橋一郎

    高橋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、衆議院提出参議院送付スポーツ振興法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  150. 高橋一郎

    高橋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  151. 高橋一郎

    高橋委員長 ただいま議決いたしました三法律案に対し、小川元君外五名から、自由民主党、民主党、平和・改革、自由党、社会民主党・市民連合及び粟屋敏信君の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。藤村修君。
  152. 藤村修

    ○藤村委員 私は、提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     スポーツ振興投票実施等に関する法律案日本体育学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、スポーツが心身の健全な発達と、明るく豊かな社会の形成に寄与するものであることにかんがみ、スポーツ振興投票実施等に当たっては、その適正な運営に万全を期すとともに、次の事項について特段に配慮すべきである。  一 スポーツ振興のための予算措置について今後もその充実を図るとともに、各省庁にまたがるスポーツ関係予算の有機的連携に努めること。  二 スポーツ振興のための適切な施策を講ずるため、スポーツ振興法第四条に規定するスポーツ振興に関する基本的計画を策定するよう検討すること。  三 スポーツ振興投票券の発売に当たっては、十九歳未満の者に対する購入等の禁止が徹底されるよう販売場所、販売方法等について青少年が入手し難い方策を講じるなど適切な配慮をすること。  四 スポーツ振興投票収益配分に当たっては、スポーツ指導者の養成など人材養成に配慮するとともに、国民が自主的、自発的に行うスポーツ活動の振興のために地域スポーツクラブなど民間スポーツ団体の果たす役割の重要性に十分留意すること。    また、地方公共団体等においても、スポーツ振興投票収益を活用し、スポーツ指導員の養成や地域スポーツクラブ等の育成が促進されるように十分配慮すること。  五 本法における贈収賄罪の規定の趣旨は、スポーツ振興投票の公正な運営確保するため、不当な行為等の対価としての賄賂の収受を防止しようとするものであることにかんがみ、その適用については、厳正を期すとともに、サポーター等の選手に対する応援の関係を損なうことがないように留意すること。  六 障害のある人のニーズに対応したスポーツ環境の充実のため、関係各省庁の連携を十分図るとともに、スポーツ振興投票収益配分に当たっても十分に配慮すること。  七 保健体育審議会委員の選任について本委員会に報告するなど、スポーツ振興投票制度運営全般にわたって公正及び透明性を十分確保すること。  八 文部大臣が、法第三十一条第二項に規定する停止命令を判断する上で、児童・生徒等に係る十分な調査、状況把握をするための態勢を早急に整備すること。 以上であります。  何とぞ、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  153. 高橋一郎

    高橋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  154. 高橋一郎

    高橋委員長 起立多数。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、本附帯決議に対し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。町村文部大臣
  155. 町村信孝

    町村国務大臣 ただいまの御決議に関しましては、その趣旨に十分留意して対処してまいります。     —————————————
  156. 高橋一郎

    高橋委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました三法律案に関する委 員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  157. 高橋一郎

    高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  158. 高橋一郎

    高橋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十五分散会