○上田(清)
委員 民主党の上田清司でございます。
本日は、日銀の副総裁並びに
関係の皆様、御苦労さまでございます。また、鴨志田
理事におかれましては、大変な御不幸がありましたことを大変お悔やみを申し上げます。そういう悲しみを乗り越えて、日銀の本来のあり方あるいは
国民から期待される日銀の運営方法についてもしっかりと
議論させていただきたいと思います。
ただ、きょうは、連休中でもございましたし、そうした御不幸もございましたので、質疑の中身についてはお知らせをしていたものの、担当者が御不幸があったということもございますので、答弁は結構でございます。どうしても答弁したいということであれば構いませんけれ
ども、きょうは答弁は要りませんので、私なりに問題点を
指摘させていただいて、後日、きちっとした御報告なり、あるいはまた次の
委員会できちっと答弁していただければいいかというふうに思っておりますので、どうぞ中身だけ丁寧に聞いていただきたい、こんなふうに思っております。
委員長におかれましては、そういうことでございますので、どうぞよろしく御配慮のほどを
お願いいたします。
それでは、早速お伺いいたします。実は、日銀から出されました平均給与でございます。平均年齢三十四歳、勤続年数平均十三年、平均給与月額四十七万七千円。これは、多分賞与ベースは入っていないものだというふうに私は
理解をしております。そういう
説明が出ておりませんでしたので、賞与ベースの平成七年度の六・一七五カ月を掛け合わせまして年収を把握いたしました。十二カ月に六・一七五カ月を加えまして十八・一七五カ月で約八百六十七万円、こういう数字でございます。
ところが、この平均年収から職員の数を掛け合わせていきますと、必ずしも決算上の職員給与の総額に当たらなくなってしまいます。例えば、日銀から出されました予算管理上の職員数が五千九百七十人、実人員は五千九百六十七人。あるいは、この中から嘱託を引いた部分においても必ずしも六百二十七億にならない、こんなふうになっておりまして、約百億から数字が変わってきます。
こういう私なりの試算がございますことをあえて申し上げておきますので、資料も添えておりますから、よろしく計算をしていただきたいと思います。
それから、平成五年度の一人当たりの職員給与推定額、しばしば私は、実人員で簡単に割り算をすると一人当たり一千百万円ぐらいになりますねということを申し上げておりましたら、とんでもない、一千万なんかならないよ、こういうことを事務方からずっと言われております。そういうことでございましたので、決算上の職員の給与総額があります、約六百七十億ですね、それから決算上の特別嘱託総額、決算上の退職金総額を全部引きます。そうすると決算上の職員給与の総額が出てまいります。それを実人員で割ります。あるいはまた特別嘱託の百二人を差し引いた数で割ります。あるいは、特別嘱託を最大限に見積もって、つまり、前年度の数に合わせて最大限に見積もって引き算をすると、ここでは一人当たり一千五十万前後になってまいります。そうすると、一千万なんかとんでもないというお話がなかなか食い違ってきます。この問題についても明らかにしていただきたい、こんなふうに思います。
これは、同じように平成七年度であります。こちらもやはり、逆に嘱託の数を減らしてこられたということで、平成七年度は役員の皆さんも職員の皆さんの給与もどんどん減らされてきている、五年よりも六年が少ない、六年よりも七年が少ない、七年よりも八年が少ないということになっておるんですが、実員から嘱託の数を減らすことで、逆に一人当たりの給与が高くなるような計算になってまいります。このこともあわせて申し上げたいと思います。
それはなぜそうなっていきますかというと、この間御
説明がありました。特別嘱託の数が多いときは三百六十人ぐらいおられまして、平成四年度は百三十八人、そして平成五年度は百二人になりました。百二人で割りますと一人頭は一千万を超えますよと私が申し上げましたら、とんでもないと。前の年の百三十八人がずうっとぎりぎりまで続いておりまして、それがいましたから、資料で出ておりますが、実は平均年度で百二十九・九人という数字を、日銀の特別嘱託の給与、資料二でございます。平成五年度から九年度までの特別嘱託の給与が九億三千九百万円、七億、四億九千万、四億六千万、こういうことで総額が出ております。
それから、年度末の人員が百二人、六十九人、六十四人、五十五人、三十四人。これで割りますと一千万を超えたりしますがという御
指摘をしましたら、実は、嘱託月平均人員が百二十九・九人であるとか、前の年の人たちがぎりぎりまでいたという、こういう想定になっております。
しかし、この特別嘱託の月平均人員の人たちがこういう平均で出てくるということは、二月にやめなくてはいけないことになりますよ。三月じゃなくて、ほとんどの人が二月いっぱいまでぎりぎり勤めておいて、二月にやめたらこういう数字が出てきますよ。こういう数字は、たまたまこの割り算でいけば通常で考えられる特別嘱託の職員の
年収に匹敵するかもしれませんが、しかし、突然二月ぐらいになってどかっとやめるというのもなかなか解せない。年度末だけは極端に数が減る、そういう数字ですよ。ここの部分で数字を合わせていくとこういうふうになってまいります。計算は合うかもしれませんけれ
ども、全体の流れで見ると、先ほど見せましたように今度は逆に給与が高くなったりいたしますよ、こういうことを御
指摘申し上げたい。
それから、もう一つ申し上げますが、この特別嘱託の人数で総額を割っていきますとどうしても一人当たりの特別嘱託の給与が高くなってしまっていますので、年度末ですという言い方をされておりますが、一番最初に出されました資料の一ですが、「
日本銀行の人員推移」、この中で、百二人という平成五年度の数字は予算管理上の人数と書いてありますよ。あるときは予算管理上の人数になり、あるときは年度末のぎりぎりの数字になるというような矛盾を資料の中で同時に出されております。資料の二の中では、この特別嘱託の人数は年度末の人員だと言っておられます。資料一の中ではこれは予算管理上の員数。
ダブルスタンダードになっております。このことも御
指摘申し上げておきます。こういうところが常に疑惑を持たれる原因の一つになっているということも申し上げなくてはいけないと思います。
それで幾つか数字を計算していきますとこういう疑問点が出てきておりますので、今申し上げました疑問点と同時にあと二点だけ、次なる機会のときにきちっとした御答弁ができるように申し上げたいと思います。
先日も申し上げましたように、当
委員会の砂田議員から昨年の四月二十五日、松下総裁に対して、職員の給与の中で二千万円以上の方は何人おられるのですかという御質疑があり、そのとき、八十人ぐらいだという御答弁があった。しかし、職員の中で
局長、
支店長クラスだけで九十人が二千万円以上を現に報酬として受け取っておられること、それから課長級のクラスが百五十人の人数がいて、代表的な層で平均一千九百九十六万円の報酬をいただいていること、そうしたことを計算するならば、明らかに、昨年の
委員会、しかも与党に対する答弁の中で、あるいはうその答弁ではなかったのだろうか、こういう
指摘をせざるを得ないような
状況がございます。御
議論あるかもしれませんが、きょうは特別に求めておりません。どうしてもということであればお答えになっても結構ですが。一つのところでつじつまを合わせても、細かく追っかけていくとどんどん矛盾が出てきますので、ぜひ、洗いざらい改めてきていただきたい。
それから、給与については
民間銀行の給与に準じておられるということでありますが、
民間銀行といってもピンからキリまでございます。都市
銀行の平均なのか、それとも都市
銀行の中で一番高いところの給与なのか、こんなこともあわせてお伺いしておきたいと思います。
それから、なぜ七年間だけの資料しかないのか。私は、日銀というものは普通の
民間会社とは違うという立場で、七カ年だけの資料を保存しておいてその他は廃棄処分するということで本当にいいのだろうかという疑問を持っております。このことも含めてお伺いしたいと思います。
最後になりますが、私は一貫してまだ日銀には、例えばリゾートのさまざまな施設がどのぐらいあるのかとか、いろいろ程度を超えている部分があるのではなかろうかという
議論をこの席でしたことはございません。資料はいただいておりますけれ
ども、したことはありません。
私の目的はそこではありません。むしろ、日銀が
国民から与えられた最大の権限というのは、通貨に対する独占的な発行権であります。この独占的発行権によりまして得られる利益というのは毎年二兆円に上るはずです。この二兆円を正しく使い、
国民に還元する。例えばアメリカの連邦準備金では、
法律にのっとって九五%きちっと国庫に納付するような
仕組みができております。そういう
国民の利益を確実に
国民に還元する、こういう
仕組みを日銀は
責任として負わされている。こういう視点からするときに、いろいろな
意味でもう本当にわずかの疑念も生じるようなことがあってはならない。できるだけ
国民に開示する、そのことによって大蔵省と堂々と対等の立場で渡り合う。あるいは金利政策、通貨政策、さまざまな点においても
国民の利益のために独立性を断固守っていく、そういう姿勢を貫いてほしいからこそ、一点に至るまでも曇りがあってはならないし、そういう曇りを大蔵省からお目こぼしをいただくことによってあなた方のいわば独立性というものが失われていく、このことを危惧するからであります。
この点をぜひ踏まえていただいて今後対処していただきたいということを再度申し上げまして、とりあえずもうこれで結構でございます。何か申し上げることがございましたら、改めて問題点については、時間がなかっただろうということで、私なりの配慮で、生っちょろいと思われる同僚議員の方もいらっしゃるかもしれませんが、とりあえずはこんなところではなかろうか、そう思っておりますので、もし御感想があれば御感想を述べていただき、そして退出いただいて結構でございます。