○青山(丘)
委員 今お話がありましたように、私の
地元であります瀬戸市でも、MONOまちづくり
事業の補助をいただいて、
平成八年三月に「工芸新時代のまち・瀬戸の創造ものづくりとまちづくりの
連携をめざして」というシンポジウムが持たれました。そこで出されたアイデアの成果が実は新世紀工芸館の建設というアイデアでございまして、創作陶芸家養成のためのインキュベーション
施設、陶芸工房、これを建設していこうという
考え方が出てきました。新世紀工芸館は、瀬戸市の景観の一つである陶磁器工場を大規模に改装して建設するものでございまして、それは、
中心市街地活性化の仕掛けとして
地元では極めて注目をしておるものであります。
瀬戸をごらんになった方は、とことこと名鉄瀬戸線の終点の尾張瀬戸駅から、昔、それこそ瀬戸
地域における陶磁器の発祥の
地域、古瀬戸
地域というのがありますが、その
地域との
中心、真ん中ぐらいの位置にありますところに今度の新世紀工芸館が建設をされることになりました。完成は来年の四月を予定しておりますが、これは新しい観光の目玉として、
地元では相当な期待を高めているものであります。
瀬戸市は、言わずと知れた陶磁器の町でありまして、我が国を代表する物づくり産地でもあります。こうした物づくりの場を
町づくりに取り入れていくということが、私
どもの一貫した
町づくりのテーマでもあります。そうした
町づくりの成否は、当然、市長を初め
行政や、
地元を代表する私
どもも責任を負っていかなければならないもの、何としても成功させていきたいと考えておりますので、よろしくひとつ御理解をいただきたいと思います。
ここで一つ、よく成功している例として、滋賀県長浜市の例について触れさせていただきます。
中心市街地に物づくり要素を持ち込むことによって、就業の場としての
地域の産業振興と、さらにそこに住み、その町へ訪れていく、そういう場所としての
地域の魅力づくりとが相乗
効果を発揮した有名な成功例として、滋賀県長浜市がよく取り上げられます。
長浜市では、明治三十三年に建てられた木造土蔵づくりの建物で、
地元では黒壁銀行として親しまれてきた百三十銀行本店の保存運動がチャンスとなって、昭和六十二年に第三セクターの株式会社黒壁が設立をされました。以来、百三十銀行本店を
町づくり事業の
中心として、黒壁本館として改装をして、あわせて北国街道沿いの古い民家の保存を図っていくというようなことを積極的に進めて、今では年間約百万人が訪れる観光地のにぎわいを見せていると聞いております。
その
町づくりで私が注目するのは、そのようにいわば
空き店舗となった銀行の建物を、ガラス器の製造、展示、販売を行って、ガラス器づくりの体験や研修も可能とする黒壁ガラススクエアとして再生をしたことであります。多くの観光客を呼び込んでいるところでして、とりわけ女性の観光客は何度も訪れていると聞いております。このように、
中心市街地に産業要素を取り入れていることが今日の成功につながったことだと私は思っております。
聞くところによりますと、その
事業内容は最初から決まっていたものではない。株式会社黒壁の設立後、
地元市民のさまざまな
意見やアイデアが出された結果、
商店街での取り扱い業種と競合しないものは何か、大企業ではまねができないものは何であろうか、そして長浜市へ訪問してくれる人
たちがどんどん出てくるインパクトの強いもの、そういう視点が打ち出されて、我が国ではまだマイナーな市場であったガラスに着目をした。
そして
平成元年に黒壁本館をガラス館として再生したものだそうでありますが、こういう成功例を
全国の人
たちがきちっと理解をしていただいて、いろいろな
考え方を出していっていただくことが必要だと思います。
まさに、
町づくりはそのアイデアがすべてを決するもの、
町づくりあるいは物づくりについて、このように
地元において市民が考えを持ち寄る、アイデアを出していく、そういう場をさまざまに設定することが極めて重要であって、そうした一環としてのシンポジウムの開催を
支援していくということは意義のあることだと私は思う。もちろん、今回の十一
省庁の総額一兆円にも上る
中心市街地活性化関連予算の計上は、それなりに
効果は大きいと私は思いますが、今のようなMONOまちづくり
事業の
考え方を持ってシンポジウムを開催していくということで、いろいろな
考え方が出てくるのではないかと私は思う。そういう点をひとつぜひ進めていただくように
お願いしたい。
時間がなくなりましたので、大
店立地法についてお尋ねをしたいと思います。
きのうもお話が出ておりましたが、
地域住民の
意見が都道府県の
意見に反映されるような場所、これは
地域において
意見を取りまとめていくというような場所が必要だと私は思いますが、いかがでしょうか。