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渡辺(周)
委員 民主党の
渡辺周でございます。
今、島
委員からもいろいろ
質問がございました。私は重複を避けるとは思いながら、やはり同じ党とはいえ、どうしてもそれぞれの地元で
中心市街地あるいは
商店街、この衰退、現状、こういうものを見てまいりました。その
観点からいろいろな
質問をさせていただきますけれ
ども、若干同じような
質問が重なる部分、しかしこれは、それなりにそれぞれの思いで
お尋ねをするわけでございます。
どちらかといいますと、島
委員は先般の本
会議での
質疑、そこから大変大きなマクロ的な視点からも
質問されましたけれ
ども、私は、今回のこの二つの
法案の非常にミクロといいますか、細かい点についてもあわせて
お尋ねをしたいというふうに思っております。
私は何度かこの商工
委員会で、
中小企業あるいは小
規模の小売店舗あるいは
空き店舗対策ということを尋ねてまいりました。その都度、
通産大臣初め、時には政務次官そして
通産省、
中小企業庁の皆さんからいろいろな
お答えをいただいたわけであります。
私は前にも申し上げたのですが、静岡県というところは大変サンプル調査に適しているところだということで、これは静岡県の
商業振興室というところが調べてきたデータを取り寄せまして、ちょっとした実態調査の数字なんかを披瀝しながら
お尋ねをしたいわけでありますけれ
ども、静岡県内の四百六十六の調査
対象の
商店街、この場合はおおむね十五店舗以上が連なって
一つの
商店街を形成している、商店会等の活動組織を有している四百六十六を
対象に調査をしまして、回収率が八一%、三百七十八の
商店街から答えを得た、
平成八年の一月、二月にわたって
質問したものですから、二年前の資料でございます。
その中で、
商店街が繁栄していると思いますかという問いに対して、三百七十八のうち繁栄していると答えたところが八つであります。三百七十八分の八、二・一%。横ばいと答えたところが百一、二六・七%。衰退と答えた方が二百六十九件、パーセンテージにして七一・二%、これだけの
商店街が横ばいでもない、もう衰退しているということを答えられた。
こうした中で、衰退要因は何ですかという問いに、複数回答でありますけれ
ども、やはり断トツで多いのが、近隣の
商業施設に客をとられた、七七・七%、おおよそ八割がそう答えておるわけであります。そして、商店数が減少している、これはそうした
大型店、近隣の
商業施設にお客さんをとられて廃業あるいは転業をする、これが六三%。複数回答でありますから大分重なっていると思いますけれ
ども、個店のレベルでの経営革新の
努力が不足している、今まで
商店街は
中心地にあった、人通りもそこそとある、だからある程度工夫はしなくても、あるいは革新的な経営
努力をしなくてもまあ何とかなってきたということが、かえって自立といいますか、発展していくことを阻害してきたのではないだろうかというような答えが五七%ありました。ある
意味では、企業
努力というものに対しても否定的なものを答えられたというようなことがあります。
この中でありますのが、実は近隣の
商業施設、
大型店等のみならず、
一つにはコンビニエンスストアが出てきている問題。私もひとり暮らしをしておりまして、学生時代、東京の世田谷の方に住んでおりました。そして今、地元へ帰ってきましても、何ができるのかなと思うと、
商店街のすぐ近くにどんどんコンビニエンスストアができてくる、大方のものはここで間に合うようになってくる。今いろいろなサービスがコンビニエンスストアでできるようになりました。
大臣は御存じかと思いますけれ
ども、そこで商品を買うだけでなくて、例えば物の取り次ぎ、それから公共料金の支払いもできる。それからこれからは、これは
一つの実験的な例で、この間、私、何かで読んだのですけれ
ども、千葉県のどこだかの市、ちょっと今失念しましたが、例えば市役所に対して住民票だとか印鑑証明だとか、そういうものを欲しいと言うと、最寄りのコンビニエンスストアに役所が届けておいてくれる、そこで、最寄りのところに行けば市役所に行かなくてももらえるというような取り次ぎサービスもある、こんなことまでやるようになってきた。
これは
一つの実験的な
事業だとは思うのですけれ
ども、これからひょっとしたら金融機関への支払いもここで、銀行の振り込みあるいは引き出し、こういうこともどんどんできるようになる。そうすると一そこで
一つの、
商店街と言わないまでも
商店街的な機能あるいは回遊性が、これまで銀行へ行ったついでに
商店街で買い物をするとか、市役所へ行ってくるからついでに何か買ってくるとか、そういった今までのような回遊性あるいは連続性みたいなものがなくなってくるのではないかということで、実はこのコンビニエンスストアというのが、
大型店と並んで既存の小売店舗、中小の
商業者にとっては大変な脅威になってくるだろうというような認識を持っているわけであります。
そこで、
大店法が緩和されました。
大型店は郊外へ進出あるいは脱出、今申し上げたように
商店街が衰退をする、
空き店舗が増加していく、そうしたことで、これまでは
市街地対郊外というような図式がつくり出されてきたわけでありますけれ
ども、実はこの最大の競争相手はこれからはコンビニエンスストアということも出てくるんじゃないか。
今回の
法案の審議に入る前にちょっと導入部分として
お尋ねをしたいわけでありますけれ
ども、こうした今回の大
規模店の
立地法、
調整対象外となっている千平米以下のドラッグストアもしくは酒のディスカウントショップとか、今どんどん、既存の店で買わなくても新しい形態の商店あるいはサービスができてくるということで、こういう状況を
通産大臣がどんなふうに認識をされているのか、また、今回
法律が
提案されましたけれ
ども、どのような
配慮をしたのか、あるいはどのような御認識をお持ちかということを、まずは
大臣の御認識として
お尋ねをしたいというふうに思います。