○東(祥)
委員 橋本
総理、もう既に、私
たちは前に、一昨年ですけれ
ども、五つの契約というのを言ったんです。これを後追いして、六つの
改革なるものを橋本
総理は掲げてきたんです。明確にこの五つの契約というのは全部リンクしています。
先ほど、橋本
総理は、
行政改革と経済構造
改革、あるいはまた財政
改革法案について、リンクしているのかリンクしていないのかよくわかりませんけれ
ども、多分リンクしているという
意味で僕は使われているんだろうというふうに思っているんですけれ
ども、基本的には六つの
改革というのはみんなばらばらになっているんじゃないですか。
一つは、財政構造
改革について言わせていただければ、財政の目先の帳じり合わせを
国民負担によって行おうとするものであって、
制度の見直しというのは一切行っていません。歳出を一律に
削減していくだけです。これも構造
改革に値しません。
社会保障改革に至っては、これから何か出てくるのかわかりませんけれ
ども、
社会保険
制度の維持のみに主眼を置いて、
国民にツケ回しをするのみであって、ナショナルミニマムの確保という
視点は一切なく、消費マインド冷え込みの大きな一因になってしまっている。
三番目は、金融
システム改革です。不良債権を一掃して健全金融機関だけを残し、金融ビッグバンを迎えなければならないところを、不良債権処理の見通しを誤った上、早期是正措置をビッグバンと同時並行させたために信用収縮を招いてしまった。その結果として、経済は大混乱に陥った。さらに、公的資金による資本注入や株価操縦によってビッグバンを乗り切ろうなどと考えているのじゃないのか。いずれも、フェア、フリー、グローバル、こういう
視点とは全く該当しない、護送船団方式をそのまま踏襲しようとしているではありませんか。
教育
改革に当たっては、
総理、その姿は全く見えてきません。教育の基本である、何を教えるべきかというその基本哲学も不明確のままでございます。
経済構造
改革。これはもう何度も何度も議論されていることですけれ
ども、超少子・高齢化
社会を目前に控えて、また、グローバル化、あるいはまたボーダーレス化する経済に対応するため、抜本的な構造
改革というのは何
一つやろうとしていません。にもかかわらず、
橋本内閣は、目先の景気状況、財政状況にとらわれて特別減税。特別減税が切れれば増税が来るんですから。
橋本内閣では、従来型のばらまき型景気対策と財政帳じり合わせを交互に行うのみではありませんか。
そして、究極の
行政改革。まさにあの趣旨説明に言われているとおり、戦後五十年たった今日、
時代に合わなくなってきたというふうに言っているにもかかわらず、その二十一世紀型の
行政システムにどのように変えていくのか、何をどのようにルートをつくっていくのか、先ほどから聞いていても全くわからない。この
行政改革というのは、基本的には、
日本の国家の統治機構がどうあるべきなのか、そのグランドデザインを全
国民に示さない限り、わかるはずないではありませんか。そういうものがないままに、
橋本内閣はこの行革をやろうとしている。したがって、
日本を根本から立て直すという哲学も戦略も全くないではありませんか。結局、対処療法に追われてしまっている。
橋本
総理、結局、構造
改革というのは痛むんですよ。すべての人々が、嫌な、逃げたい、そういう問題ですよ。まして、
行政改革を本当にやろうとするならば、これはだれが困るんですか、橋本
総理。僕が先ほど言っているとおり、既得権益を持っている人々というのは、
行政改革を断行すれば、まさに翌日の生活が大変になってしまう。そういう人々にとって苦痛になるのが
行政改革ですよ。
これを見ている限りにおいて、まさに橋本
総理がやられようとしているのは、具体的にどこをそぎ取って、そして中身をどのようにやっていくかということが全然見えないから、ただ単に一府十二
省庁を数合わせでもって頼む、そういうことしか聞こえてこないではありませんか。
ぜひ私は、また……(発言する者あり)何を言いたいか。六つの構造
改革を橋本
総理は出しているけれ
ども、全部ばらばらでしようということを申し上げている。