○東(祥)
委員 今回の巡視船二隻を派遣した法的根拠は極めてあいまいであるということを
指摘しておいて、次の問題に行かさせていただきます。
今回、
インドネシアは新
大統領を迎えて、今後どのような推移をたどるのか。先ほどの
外務大臣の御答弁にもありましたけれども、その推移を見ていかなければならない、そういう
状況下にあると思うのですが、問題は、アメリカと
日本の
インドネシア、とりわけ
スハルト大統領に対する外交姿勢といいますか、それが今回際立った形で明らかになったのではないのか、このように思っております。
それは、アメリカは
スハルト退陣に極めて積極的であったのではないのか、このようにも言われている背景として、オルブライト米国務長官が二十日に同
大統領辞任への
期待感を
表明した直後に、
スハルト大統領の退陣
表明が発表された。余りにもそのタイミングがよ過ぎるのではないのか、このような印象を私は持ちました。また、これまで米国は
インドネシアに対して積極的に発言を繰り広げていた。そういう
意味からいたしましても、
スハルト大統領退陣と、そしてアメリカとのかかわり合い方が、いろいろと
議論されている背景にあるのではないのか。
それに対して
日本は、
スハルト氏を何とかして支えて、社会的混乱を起こさないよう
政権交代する道を探っていたのではないのか。バーミンガム・サミットにおいて橋本首相は、
スハルトを助けるとか助けないといった問題ではなく、世界
経済のためにいかに対応していくかだ、このように主張されていた。
私は、今回の新
大統領就任によって
橋本総理が
表明されたこの表現に、物すごい関心を持っているわけでございます。
橋本総理は何と言ったのかというと、
インドネシア国民の
改革努力に、引き続きできる限りの協力をしていきたい。ここで関心を引くのは、引き続きできる限りの協力をしていきたい、つまり、ここで言っていることをそのまま直接理解いたしますと、
インドネシア国民の
改革努力、
国民、つまり民衆による民衆の
改革努力に対して前向きに進んでいきたい、そこに、なおかつ引き続きと言っているわけですが、今まで
日本政府というのは、
インドネシアにおける民衆に対する、
改革努力あるいはまた
改革運動なりそういうものに積極的に
支援してきたことというのは一体あったのか。私には、にわかにはそういうふうには思えない。それは、先般
インドネシアに対し、
橋本総理がぽんと飛んでいって、
スハルト大統領と個人的な
関係を見せつけたり、それは現体制を維持していくという、そういう視線でしか私たちには映らないわけでございます。
そうすると、先ほど
玄葉委員が質問されていたことに
関連してくるわけですが、
改革努力というのは一体具体的に何を
意味するのか。表向き見える体制を維持していくための、例えば
IMF体制に対して
日本がどういうふうに関与していくかだとか、そういうこととは別に、今回の新
大統領が
就任し、なおかつ多くの不満な
国民たちが、その体制の変換なりそういう動きをしたときに、
日本政府はどのようなスタンスで臨んでいくめかという問題を突きつけているのではないのか、このように私は理解するわけでございますが、非常にあいまいな表現であるというふうに言わざるを得ない。
そういう
意味におきましては、
日本政府の外交姿勢、そういうものを、ある
意味で明確にすべきところが明確にできない、そういうものがあるのではないのか、このように私は思うのですが、
外務大臣、この点についてはいかがでしょうか。