○谷垣国務大臣 今、
宇宙開発事業団の方からも御
答弁がございましたけれ
ども、残念ながらトラブルが幾つか続いているということでございます。
それで、申し
上げれば、まず
一つは、
斉藤先生も御
指摘になったように、研究
開発というものの持っている性質というものもあるのだろうと思います。特に、今まではずっと追いつき追い越せということでやってきたわけですけれ
ども、HⅡAも国際的なレベルに達しようとしている。あるいは、今も
NASDAの
理事長からもお話がありましたけれ
ども、最近の
衛星そのものも最先端のものになってきている。ですから、言うなれば
先生のいない
状況でもあるし、「みどり」の太陽電池パドルな
ども、最先端技術の実証を目指したものであるということも事実だろうと思います。
したがって、その
開発段階では予想できないようなトラブルというものがあったということも、これは否定できないのだろうと思います。ですから、俗な
言葉で言えば、転んでもただでは起きないといいますか、その失敗の原因を徹底的に究明して、後の技術
開発に続けていくということが必要なんだろう。これは、第一段としてはそういうふうにまず申し
上げることができるのだろうと思います。
しかし、
宇宙開発プロジェクトにつきましては、投入している国費の額というのも、今、財政も余り調子がよくないわけでありますけれ
ども、相当巨額なものを投入している、血税で投入をしているということでありますから、これはもう万全な体制で臨まなければならない。にもかかわらずトラブルが続いているというのは、これはどこに原因があるのかというのは、単に
開発だからというだけではなくて、考えなければならない問題があるのではないか。
つまり、トラブルの背後の
一つ一つの技術的な問題のほかに、共通した、
開発体制なりに何か問題があるいはあるのではないかという
指摘があることは事実でございます。私自身も、三月六日に
宇宙開発委員会の臨時会というものを開きましたときに、当面、今回のHⅡ五号機の失敗、五号エンジンの失敗がどこにあるのか、その個別の原因究明を徹底しなければならないにしても、そういう
開発体制等の、個々の技術的な問題ではない原因があるのではないかということもあわせて検討すべきではないかという問題提起をしたところでございます。
宇宙開発事業団でも、
先ほど理事長から御
答弁がございましたけれ
ども、海外を含む外部の専門家や有識者によってつくられております評価
委員会というものをつくりまして、そこで機関評価というものを実施することにして、この前、第一回目の会合が開かれたわけであります。
いずれにせよ、
先ほど申し
上げましたように、今回の
事故の原因をまず徹底的に究明して、その結果を見きわめていくということが大事でございますし、それから、今申し
上げた外部の評価
委員会等でもどういう結論が出るか、科学技術庁としても十分見守らなければなりませんけれ
ども、そういうものを踏まえながら、技術的な問題以外の全体的な
開発体制についても、もう一回、再三再四しなければならないのではないか、こう思っております。