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谷垣国務大臣 今
島津委員から、今の
エネルギーの状況の中で
原子力を位置づけながら御
質問いただいたわけでありますけれ
ども、私の認識も
先生の御認識とおおむね同じでございまして、
我が国のように資源の乏しい国、八割を輸入に頼らなければならない国でありますし、その中で、今いろいろ苦労をしているわけですけれ
ども、ここまで経済的に充実した国をつくってきた。どうしても
エネルギーの安定的供給ということを視野に置いて、将来においても
エネルギーの安定的な確保が図れるということを考えていくということは、国策の一番
基本の
一つではないかというふうに私は思っております。
そういう中で、
エネルギーを海外に頼らなければならないわけでありますから、省エネということも工夫をしなければならないのはもちろんでありますし、今
島津委員が御
指摘のように、新
エネルギーというものも決して否定していいとは思いません。この新
エネルギーの太陽光であるとかあるいは波であるとか風の力を
利用するというようなことも十分に我々は考えるべきであります。その上で、石油であるとかあるいは
原子力であるとかのベストミックスを考えていかなければならないと思うのですが、いろいろ新
エネルギーの
研究をすることは当然としても、まだまだ安定的なものとしてそれに全面的に頼るというような状況でないことは御
指摘のとおりであります。そういうことを考えますと、やはり
原子力の比重というものを、我々は、これはしっかり受けとめておかなければなりません。
御
指摘のように、現在、既に三四%の電力を
原子力に頼っているわけでありますし、
原子力発電所二十基という計算のもとにCOP3の計算も行われたわけでありますから、今後とも、この
原子力に相当頼らなければならない、これはまず動かせないところではなかろうかと思います。特に、
原子力というのは、供給安定性やまた経済性にもすぐれているということがあろうかと思います。これは資源論の観点で申し上げたわけであります。
それからもう
一つ、環境論の観点というのも現在では欠かすことができない。地球温暖化の中で、CO2を出さない、
化石燃料を使わないで済むということの
意味も我々は考えておかなければならないのではないかと思っております。
さらに、この
原子力エネルギーをより効率的に使って、しかも
放射性廃棄物からの負荷というものを減らしていくという
意味合いからいたしますと、
核燃料サイクルを確立するということが我々にとってはやはり必要なことではなかろうか、このように思うわけであります。
ただ、今回の
法案もその
一つなのでございますけれ
ども、こういうことを推し進めていくには、やはり
国民の
信頼というものがなければなりません。
安全性確保が大
前提であります。午前中も
質疑の中で申し上げたわけでありますが、単なる安全の確保というだけではなく、
情報公開やその他も十分行って、この
安全確保を
国民の
安心に結びつけていくということでなければならないのではないか、こんなふうに考えております。