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1997-11-21 第141回国会 参議院 農林水産委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年十一月二十一日(金曜日)    午前十一時十分開会     —————————————    委員の異動  十一月二十一日     辞任         補欠選任      青木 幹雄君     野村 五男君      井上 吉夫君     長峯  基君      大野つや子君     畑   恵君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松谷蒼一郎君     理 事                 岩永 浩美君                 高木 正明君                 真島 一男君                 片上 公人君                 大渕 絹子君     委 員                 浦田  勝君                 常田 享詳君                 長峯  基君                 野村 五男君                 畑   恵君                 三浦 一水君                 阿曽田 清君                 高橋 令則君                 都築  譲君                 和田 洋子君                 一井 淳治君                 国井 正幸君                 谷本  巍君                 須藤美也子君    国務大臣        農林水産大臣   島村 宜伸君    政府委員        農林水産政務次        官        矢野 哲朗君        農林水産大臣官        局長       堤  英隆君        水産庁長官    嶌田 道夫君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 威男君    説明員        外務大臣官房審        議官       槙田 邦彦君        運輸省運輸政策        局技術安全課長  釣谷  康君     —————————————   本日の会議に付した案件漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整  備計画の一部変更について承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件を議題といたします。  本件につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 常田享詳

    常田享詳君 お待たせ申し上げました。自民党の常田でございます。  私の地元では、日本一の漁獲量を誇っておりました境港が今、イワシが大変な不漁で、関係企業倒産等が相次ぎ、厳しい状況に置かれております。また、重油流出事故船尾部分はいまだに我が県の沖合に沈んだままであります。そして、二百海里ののど骨であります竹島は目と鼻の先にあるわけであります。そういう厳しい状況にかんがみ、このたびの漁港整備計画の一部変更関係と最近の厳しい環境下にある漁業を取り巻く諸問題についてお尋ねをさせていただきます。  まず、漁港整備の現状についてであります。  漁港整備に関しては昭和二十六年から計画的な整備が行われてきており、現在の第九次長期計画で実に四十六年を迎えることになります。現行整備計画では四百八十港を整備対象にすることとなっていますが、今までの累積の整備対象漁港数は四千百二十四であり、これは現在の漁港数約三千を上回ることとなっております。  時間の経過とともに補修も必要となりましょうが、一体、漁港全体のうちどのくらいがおおむね整備されているという状況に達しているのか、また今後なお整備を必要とする漁港の数及び所要事業規模額についてどの程度見込んでおられるのか、水産庁長官にお伺いいたします。
  4. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 漁港に対します要請は時代によりまして大きく変わっておりまして、そういう意味では段階的に漁港整備を行っているところでございます。そういうことで、整備完成した漁港ということにつきまして一概に定義づけることは難しい面もございます。ただ、漁港整備基本となります修築事業について見ますと、各漁港整備計画期間内に修築事業により整備を予定していた施設完成した漁港ということで、その累計は第一次計画から第八次計画までで八百四十港というふうになっております。  それから、今後必要な所要事業規模でございますけれども、現在実施しております漁港整備計画修築事業計画事業費、これは第九次計画で一兆三千五百億となっております。平成年度までの進捗率は六三%でございますので、単純に計画事業費既投資額の差で見ますと、残りが五千億というふうになっているわけでございます。これ以外のものについては、整備が必要な漁港投資規模につきましては、今後、漁業情勢の変化などを勘案いたしまして、現計画終了時に検討を行っていきたいというふうに考えております。
  5. 常田享詳

    常田享詳君 現行整備計画に基づく修築事業平成年度に着手して以来三年半を経過しておりますが、現在の事業進捗率はどのようになっているのでありましょうか。また、今回の変更により計画期間が二年延長されますが、単年度当たりではどの程度の予算削減が見込まれているのでしょうか。現在着手されている当初の計画期間中に完成させるとしていたものについては、期間延長により何らかの支障を生ずるおそれはないのか。私の地元でも、平成十一年度供用という見込みで漁船の修繕、拡充等に取り組んでおられる漁業者がおられますが、防波堤整備のおくれによる影響があるのではないかという不安が広がっております。  これらの点に関してどのような対応策考えておられるのか、水産庁長官お尋ねいたします。
  6. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 平成年度までの漁港修築事業について見ますと、その進捗率計画事業費一兆三千五百億円に対しまして六三%というふうになっております。  今回の計画延長については、投資規模の実質的な縮減目的とするということで先般の閣議で決まったところでございますが、計画期間内の事業規模につきましては、これは計画的な整備のための目安でございます。そういう意味で、各年度予算がこの計画に対しまして単純に連動するものではないということでございます。  このように、単年度当たり予算縮減量は一概に算定できないわけでございますが、緊急を要するもの、それから効果早期発現が期待できるものなどを重点的に整備することによりまして、事業効果発現のおくれを最小限度にとどめるよう対応していきたいというふうに考えております。
  7. 常田享詳

    常田享詳君 さて、今回の一部変更財政構造改革一環として行われるものであり、漁港整備についてもむだを省いた効率的整備が求められることになると考えます。大型港湾に重点的に実施されると、零細な漁港の切り捨てになるとの不安の声も現場にはあります。  ことし初めに日本海で発生したロシアのタンカーナホトカ号による重油流出事故の際には、私の地元であります鳥取県初め日本海側漁港が、その規模関係なく総出で漁場の回復に尽力したわけであります。  過度に重点的な実施を行えば零細な漁港整備がおくれ、その漁港漁港としての機能を維持できなくなる。その結果、漁村は崩壊し、周辺水域漁場を維持管理する者がいなくなり、災害等危機管理対応できなくなるとの見方もあります。漁港漁村整備の効率的、重点的な実施小規模漁港関係をどのようにお考えになっているのか、水産庁長官にお伺いいたします。
  8. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 零細な漁港でございましても、水産物供給ネットワーク上の重要性というのもございますし、それから周辺水域漁場管理災害時の危機管理などということで重要な役割を果たしている漁港もあるわけでございます。このような漁港につきましては重点的な投資を行いまして、早期完成を図れるように努めているところでございます。  また、それ以外の零細な漁港におきましても漁港を取り巻く多様なニーズを踏まえまして、緊急に整備が必要なものにつきましては局部改良事業というのがございます。これは、例えば防波堤を延ばすとか、テトラポットを入れるとか、浅くなったところを掘るというふうな、そういう事業によりまして弾力的に整備を図っていきたいというふうに考えております。
  9. 常田享詳

    常田享詳君 先ほど申し上げましたように、財政構造改革一環として行われるわけでありますから、当然むだを省いた効率的整備が求められるわけでありますが、先ほど質問いたしましたように、漁港漁村の崩壊につながることのないように十分配慮して、きめ細かい対応お願いしておきます。  次に、先ほども申し上げましたが、ナホトカ号船尾部分はいまだに日本海に沈んでおります。これから日本海は大変荒れてまいります。あの事故が起こったときも一月、ことしの初めで、日本海が大変荒れていた。そういう状況がこれからまた日本海で起こるわけでありますが、そのナホトカ号船尾部で予期せぬ事態が起こった場合、また日本海側において同様のタンカー事故が起こつた場合、今後予算措置も含めてどのような対策及び体制考えておられるのか、運輸省お尋ねをいたします。
  10. 釣谷康

    説明員釣谷康君) 先生の御指摘について御説明をさせていただきます。  運輸省といたしましては、ナホトカ号事故を踏まえまして、ことしの三月でございますけれども運輸技術審議会流出油防除体制総合検討委員会を設置いたしました。その中で、再発防止あるいは事後の迅速処理、さらには国際協力、そういった観点から関係業界あるいは関係団体学識経験者にも加わっていただきまして、検討を現在進めているところでございます。その結果、大体十二月に最終報告書をまとめるというような予定にしております。  この総合検討委員会審議を踏まえまして、来年度概算要求におきまして、それぞれの旗国によります船舶構造要件等に関する船舶検査及び寄港国による監督の強化、これは主に再発防止という観点からそういうことをやるということでございます。  それから、海上保安庁の巡視船あるいは民間のサルベージ船等に搭載可能な大型油回収装置等油防除資材整備、さらに関門航路大型しゅんせつ船を代替建造いたしますが、それに際しまして油回収機能を持たせるということで、日本海等の荒天にも対応できるような油回収兼用船を整備することとしております。  さらに、環日本海諸国によります事故に対します迅速な対応に向けまして、国際協力強化を図るというようなことを現在進めることにしておりまして、当面、日本海側を重点的に、各般にわたりナホトカ事故を踏まえました流出油防除体制対策強化に係る要求をしているところでございます。  今後とも、即応体制を含めまして万全を期していく所存でございますので、よろしく御支援のほどをお願いしたいと思います。
  11. 常田享詳

    常田享詳君 のど元過ぎれば何とかということは決してないと思いますけれども、ことしの初めのタンカー事故の際に日本海側漁民を初め我々はどれほど心を痛めたか、また衆参両院におきましても現地視察をしていただく等、大変心配をしていただいたわけでありますので、こういうことが二度と起こらないように、起こったときにきちっと対応できるように、特に油回収船日本海側に配備していただくことについては、このたびの反省を含めて、ぜひ来年度措置をしていただきたいとお願いをしておきます。  なお、このことにつきましてもう一点、ナホトカ号事故漁業損害請求進捗状況について、水産庁長官お尋ねいたします。
  12. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 漁業損害補償請求状況でございますけれども、これにつきましては全漁連の方が取りまとめておりまして、各府県の漁連関係分約五十一億円を国際油濁基金との間で示談交渉が行われているというふうに聞いているところでございます。
  13. 常田享詳

    常田享詳君 冒頭に申し上げましたように、今、水産業者の方は大変厳しい状況に置かれておりますので、円滑に事が運びますよう一層の御尽力をお願い申し上げておきます。  最後に、日韓漁業交渉についてお伺いをいたします。  過日、李鵬首相訪日時に中国との間の協定には調印がなされたわけでありますが、日韓漁業交渉は遅々として進んでおりません。排他的経済水域画定は棚上げし、暫定協定を締結する方針については合意していると伝えられるものの、竹島周辺水域の取り扱いを主たる原因として交渉は難航していると聞いております。一日千秋の思いで改正条約の発効を漁民皆さんは待っているのであります。そのためには韓国との交渉が進まないと何ともならないわけであります。  みずからはTACで漁獲量を制限されながら、目の前で韓国漁船に貴重な水産資源を荒らされているのであります。私の地元でも松葉ガニなどは栽培漁業に取り組み、資源枯渇を防ぐため一定以下のカニはとらないようにしている、そういう努力が無にされてしまっているのであります。この漁業者の方の悔しさ、怒り皆さんにもよくわかっていただけると私は思います。今の状況では漁業者の不満は高まるばかりで、まさに私は我慢の限界に来ているというふうに思っております。  日韓漁業協定に関する三党合意の期限が過ぎた今、どのようにされようとしているのか。現協定を破棄させる覚悟がおありなのかどうか。この点に関する外務省農林水産大臣の決意のほどをお尋ねして、私の質問を終わります。
  14. 槙田邦彦

    説明員槙田邦彦君) 委員承知のように、韓国との日韓漁業協定交渉というのが極めて難しい局面を迎えているということでございます。そういう中で、私どもといたしましては、委員が御指摘になりましたような漁民方々のお気持ちというものを十分踏まえながら、できるだけ早く交渉が妥結するように一生懸命に今努力をしている段階でございまして、交渉の行方につきましては必ずしも予断を許さないところでございますけれども、まさに全力を尽くしておるわけでございます。  今月中にも実質的な進展が見られるように、小渕外務大臣がバンクーバーに参りまして、現地時間の二十一日、本日でございますが、実際には日本時間でいえばあすの昼ごろになると思いますけれども韓国外務大臣との間で外相会談を開きまして、そこでもまた折衝を大臣レベルで行いまして、我々としては最大限の努力を傾注する考えでおるわけでございます。  御指摘のように、与党党合意があるわけで、このことについては私ども十分に承知をしておりますし、これを踏まえるということも当然のことであると思っておりますけすども合意に至らない場合にどうするかということにつきましては、現在、あらかじめそういう状況を想定してどうするということを議論することは私どもとしては差し控えたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、一生懸命の努力を現時点で行っているということについて御理解をいただきたいと思っております。
  15. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 新たな日韓漁業協定の締結に向けましては昨年五月以来、鋭意努力をしてきたところであります。具体的に申し上げますと、首脳会談五回、今の外務省のお話を伺うともう一つ加わるわけでありますが、外務大臣会談が十一回、農林水産大臣が一回、実務者レベルが九回、最近でも阿南アジア局長による境界画定のための交渉が持たれた。これだけ回を重ねておりますが、水域問題で全くらちが明いておりません。  しかも、ただいま委員が御指摘になりましたように、その間の漁獲高をいろいろ推計いたしますと、私の承知している範囲では、先方は約二十三万トン、我が国の漁業関係者は六ないし九万トンというふうに承知しておるわけでありまして、このまま推移するということは、向こうはそれなりの利益があるかもしれませんが、日本漁業関係者にとっては大変な痛手であり、その心中察するに余りあるものがあるわけであります。  そこで、私自身も与党三党のいわば終了通告等についての申し入れもこれあり、先般、外務大臣とこのことについて申し入れを行い、かつ、お話し合いをしたところでありまして、できるだけ早い機会にこの結論を出さないことには漁業関係者怒りも抑えがきかないのではないか、こんなふうに実は判断をいたしております。  いずれにいたしましても、本件につきましては外交案件でありますから、これは当然のことに外務省、さらには内閣とよく連絡をとりつつ、皆様に御納得いただく結論に導きたい、そう考えております。
  16. 常田享詳

    常田享詳君 農水大臣から大変理解ある前向きな答弁をいただき、ありがとうございました。  最後に、質問ではなく外務省に重ねてお願いをしておきます。  私は、独立国家として、特に領土にかかわる問題等については毅然とした態度外交の場に臨む、お互いがそういうことを毅然とした態度話し合いをする、そこに独立国家としての外交のあるべき姿があると思っておりますので、外務省としては毅然とした態度で決断をしていただきたい、そのことを要望して、質問を終わります。
  17. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 平成会阿曽田でございます。質問をさせていただきます。  この漁港法ができましたのが昭和二十五年、しかも議員立法ということでできたわけであります。それは、その当時の食糧不足の中で貴重なたんぱく源のもととしての漁業振興ということを重大視してこの漁港法ができたと承っております。今日まで約半世紀に及ぶわけでありますが、一次から九次まで実行されてくる中で、前倒しでやられたことが何回かありますが、いわゆる延長というのは今回が初めてであります。それだけに、関係者方々大変心配をしている向きがあるわけでございます。  そこで、質問でありますが、第九次漁港整備計画が今日まで実施されて四年目になるわけでありますけれども、この四十数年間、半世紀にわたる漁港整備、二千九百四十四港ありますが、どれだけ手がかけられたか、お聞かせをいただきたいと思います。
  18. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 今、先生お話しのように昭和二十五年に漁港法ができまして、昭和二十六年から漁港整備計画によりまして修築事業実施してきているわけでございます。この間に、漁港役割も遠洋、沖合から沿岸、養殖と、その拠点というようなことで大分役割も変わってきております。そういうことで、漁港整備につきましても、必要な施設をその時々のニーズにこたえながら段階的に整備してきているというような状況にございます。  そこで、漁港整備がこれまでどのように行われてきたかということでございますけれども昭和二十六年度から平成年度まででございますが、一度でも修築事業実施した漁港、これは数でいいますと千二十八港というふうになります。  また、整備を完了した漁港ということについてでございますが、これはまたなかなか一概に定義づけることは困難であるわけです。なぜなれば、ニーズに応じまして必要な施設整備しなきゃならないということが後で出てきますと、そこは整備を完了したということにならないものでございますから、そういう意味でなかなか定義づけが難しい面もございますが、とりあえず漁港整備計画期間内に予定されていた施設完成した漁港ということでとらえますと、前漁港整備計画、第八次でございますが、これが五十三港となっておりまして、昭和二十六年度から八次までの延べで言いますと、八百四十港が整備計画期間内に予定されていた施設を完了したということになっているわけでございます。
  19. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 二千九百四十四港のりち千二十八港に手をつけたということであります。第一次から第八次までの間に、大変スムーズにいっておる計画のときと、非常にひどいといいますか、進んでいない計画の時期があります。一番悪いのが第五次計画で四五%の進捗率、一番よろしかったのが第八次計画で八一%でありまして、まだ一回も計画の一〇〇%を達成いたしておりませんが、できたときの願いからいたしますと漁港法目的が果たされていないのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。
  20. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 先生今言われましたように、第一次計画から第八次、現在は第九次でございますが、確かに第五次計画では全体の進捗率が四五・四%に達しまして、第八次計画では八一・四%という数字になっております。  この進捗率でございますが、計画期間中の計画事業費に対する進捗率でありまして、実はこの計画の中には例えば調整費というような項目がございます。調整費はどんなものかということでございますが、これは漁港整備計画実施する過程におきまして、計画当初の予測とは異なった情勢が生じたような場合に、これに対処するための資金として計上しているというようなことがございまして、こういうのが入っておりますために、全体の進捗率で見ますとなかなか一〇〇%にはなっていないというようなことがございますけれども、個々の予定しました施設に対する進捗率というふうになりますともっと高いというような状況になっております。
  21. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 それじゃ、そういう解釈のもとでお聞きいたしますが、まず修築事業改修事業で現在整備中の港湾は幾つありますか。そして、漁港整備長期計画計画どおりに達成しているのは幾つありますか。おくれているのは幾つありますか。おくれているものは当初計画から何カ年おくれておりますか。その三点、数字を教えてください。
  22. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 修築事業改修事業がありまして、定義といたしましては、修築事業というのは漁港整備の中でも基本となるものでございまして、金額的にいいますと十五億円以上と。それから、改修事業といいますのは、よりどちらかといいますと修築事業を補完するような意味を持ちまして、金額的にも三億から十五億の間というようなことで、実は漁港整備事業を区分けしているところでございます。  そこで、先ほど申しましたように、修築事業につきましては一次から八次までの間でとりあえず計画期間中に予定しました施設を終えたのが八百四十港と申しましたが、改修事業について言いますと、計画期間中に終えましたのが八百四十六港というようなことになっているわけでございます。
  23. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 ここで一例を申し上げたいと思いますが、地元漁港がございます。これは改修事業の方でございますが、実は当初計画が六十三年度になるわけで、八次計画になります。八次計画で九億二千万円の当初計画、そして平成年度完成目的として六十三年から着工をいたしたわけでありますが、この改修工事が九次計画にまたがって、平成年度の時点でちょうど半分しか終わっていないということであります。この調子でいきますと、少なくとも第十次計画を目いっぱいやっても終わらないのかなというような状況でありまして、こういうことでは、十五年以上かかるということになりますと、当時の漁業者方々がリタイアしてしまうという状況になるんです。  そうすると、当初計画、期待をして着工したのが、でき上がったときはもう使う方々が激減するというような実態をどうとらえますか。
  24. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 御指摘のように、当初の計画期間内に着工をいたしませんで、その次の計画期間内にずれ込むというような事例も確かに多うございます。計画期間内に予定した漁港計画期間中に完了するという形が一番いいわけでございますが、ただ現実問題といたしまして、全体の予算の問題もございます。それから、我々といたしましては平成年度から漁港重点化投資効率化というようなことで拠点地域をつけてやっておりますけれども、さはさりながら、全体としてのまたバランスを見なきゃいけないというようなことになりますと、どうしても一つの漁港につきまして工事が一回に完結しないというような事例が確かに出てきているわけでございます。  そういう中で、漁港整備といいましてもいろいろな事業を組み合わせた形のものが漁港整備でございまして、例えば防波堤でございますとか、それ以外の関連道でありますとか、背後地の問題とか、いろいろあるわけでございます。それを全部ひっくるめまして漁港整備と言っているわけでございますので、なるべく漁港事業に着目いたしまして、その期間がおくれることによりまして漁業者の利用がおかしくならないような形にできるだけ努力していきたいということで今やっているところでございます。
  25. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 今、心配いたしましたのは、要するに当初六カ年で終わりそうなのが十五年以上もかかる。この経過でいきますと、八次、九次、十次ということになりますと十八年、また今回二年延びるということだと二十年、そういうスローテンポな工事進捗状況ではせっかくの目的とするものに適応できないではないかということで、今回二年間延びるということがまた影響してこぬだろうかといり心配をいたすわけであります。  と同時に、九次計画の折に、公共投資の中で漁港整備の方はCランクだというような財政審議会の方針といいますか、出されておるようでありますけれども、そういうところが影響しておる向きはありませんか。
  26. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 御指摘のように、平成五年の財政審議会におきまして漁港整備事業がCランクに位置づけられたということがございまして、平成年度以降、公共事業全体の中の伸び率を見てみますと、漁港整備に関します事業費は他に比べて低く位置づけられているというような状況にあるのは確かに事実でございます。  さはさりながら、漁港漁業生産、水産流通の基地でありますし、また地域におきましては生活ないしは経済の基地ともなっているわけでございます。そういうことで、この漁港予算編成に当たりましては、このような確かに厳しい状況にはございますが、極力、所要の予算の確保に努めるよう努力してきたところでございます。  十年度予算、これからでございますので、また一生懸命頑張っていきたいというふうに思っております。ひとついろいろ御支援をお願いしたいと思っております。
  27. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 そこで、今回二カ年延長についての漁港審議会の議事録を見させていただきました。水産庁長官としてこの審議会の意見をどのように認識されておられますか、まず認識されている点を教えていただきたいと思います。
  28. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 漁港法に基づきまして、漁港整備計画変更を行う場合におきましては計画をつくる場合と同じように漁港審議会の意見を聞けというふうになっておりまして、そのため、今回の整備計画変更に当たりましてもこの計画期間延長につきまして審議会にお諮りしたところでございます。  審議会におきましていろいろ議論がございましたが、一つは、今御指摘のように、計画延長によりまして事業の進捗がおくれることを懸念する旨の議論もございました。これにつきましては、投資重点化でございますとか効率化でございますとか、あと緊急度の高いものから早く実施をするというようなことで平成年度以来やっておりますので、そのようなことを水産庁といたしまして委員方々にも御説明をしたということでございまして、審議会としましてはこの期間延長に対しまして特段の異議はなかったということでございます。
  29. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 ここで私、重大な点を長官に申し上げたいと思いますが、この審議会に提案される折に長官みずから、計画を二カ年延ばすというこに対する審議会への説明に対して、「毎年の予算を少なくするという一つのねらいがある」というような表現がこの中に書かれてあるんです。  その中で、委員方々から、「いろいろ言ってももうむだだと思います」と、審議委員の方が失礼なことまで言っておられるんですね。「特に意見ということはありませんけれども、いろいろ言ってももうむだだ」といったような表現とか、「漁港別に緊急度合いで格差をつけられるのかどうか」というようなこと、さらには、ある漁港については枠以上の配分をする、そのかわり他の漁港に若干しわ寄せが来るということはないのかというような御指摘、さらには、国会にかけて二年延長するということだけ決めて、残りを四年でやればいいというふうに逆にとられはしないかということを危惧するという御指摘があっております。まさに我々もこの感じなんですよ。  ですから、先ほど一例を申し上げましたのが、本来ならば六年ででき上がらにゃいかぬところが十八年もかかる、さらに今度二年延長になれば二十年以上かかるということになってしまうことはないですねということを審議委員方々もおっしゃっているし、私もそれを大変危惧するんですが、その点はどうですか。
  30. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 今、先生が御指摘になりました審議会におきます私の説明が、端的といいますよりは誤解のあるような言い方を確かにしたのは事実でございます。それはちょっと私の言い方がまずかったと今反省しておりまして、予算が少なくなるということではございませんでして、計画期間延長によりまして投資規模の自主的な縮減が図られるんだと言うべきところを、言うなればちょっと舌足らずな表現であったということで、今それを反省しております。  期間を二年延長いたすことによりまして、今言われましたように、確かに整備がおくれるのではないかというようなこと、審議会の委員方々からもそういう御指摘があったわけでございますが、先ほど御説明いたしましたように、やはり重点化でありますとかそういうことによりまして、本当に緊急度の高いところにつきましては極力、整備が着実に行われるようにしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  31. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 緊急性の高いものに対して重点的に取り上げていくということであります。それは大変結構なことであります。だが、二年間延ばすことによって予算が維持されて、そこに集中的にめり張りをつけてやられると、これも結構でありますが、逆にそのことによって小さな漁港、零細かというような形になりはしないかということを心配いたします。  実は、私の出身の町に六つの漁港がございまして、全部が町管理に、一つは県管理なんですが、その中で今四つほど事業をやっております。改修が一つで、あとは局部です。そういうものを取り組んでおります中で、六のうち四カ所やっていて、これも順調にいっていない。いっていないけれども、今度二カ年延長になるということになると、それによって四カ所、二カ所を先にやってしまって、あと二カ所は後回したということになりはせぬでしょうかというようなことをその担当の方は心配をされておりました。  このことは、漁業者方々にとりますと、いっときも早く短期に片づけていただいて、そしてその港を使って、いわゆる漁場のいろんな汚染の問題やら、あるいはノリ漁業の問題やらというのが海には伴いますので、そういうようなものに影響を及ぼしてくるということでありますが、その点は心配しないでよろしゅうございますね。
  32. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 基本的には、先ほど申しましたように、漁港予算がCランクというような位置づけにかつてなりまして、その余波が現在まで引き続いて来ているという全体の大きな流れがございます。そういう漁港整備予算の伸び率が非常に厳しい中で、限られた予算の中で漁港整備をどのようにしていくかということで、現在我々は苦労しているわけでございます。  今言われましたように、非常に零細な小さな漁港につきまして局部改良事業などでやっているところでございますが、こういう局部改良事業が、これは事業でございまして、漁港整備という大きなものではないわけでございます。こういうものにつきましては、できるだけ漁業者の方に不便を与えないような形で弾力的に整備を図っていきたいというふうに考えております。
  33. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 ぜひお願いしたいと思いますが、大臣、最後に決意表明をお願いしたいと思います。  今、実際、第九次整備計画が六年のりち四年目であります。これを全部終わったときに五二・五%という進捗率になると。本来ならば、残りについては二カ年で恐らくするとするならば倍の予算をつけてやっていかなきゃいかぬというようなことですが、二カ年延ばしたことによって四年になるわけですから、一〇〇%達成するということは、今日の四年間で五二・五%行っているわけですから、二カ年延長して九次計画は一〇〇%達成する、そういう大臣の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
  34. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 二年いわば期間延長することにつきましては、緊急を要するもの、あるいは効果早期発現が期待できるもの等を重点的に整備することといたしておるところでございます。  何といいましても、漁港漁業生産あるいは水産物流通の基地としてばかりでなく、漁業関連産業を初めとする地域経済の中心として重要な役割を果たしているところでありまして、またその一方では離島定期船の発着の基地とかあるいは防災施設としての役割、さらには漁村地域における交通基盤、生活基盤としても重要な役割を果たしているところでありまして、私どもは、こういうものの整備、あるいは何か欠落するものがあれば緊急にその御期待にこたえて修築をするというのが我々の責務である、こう考えております。  このようなことから、厳しい財政事情のもとではありますが、今後とも効率的な漁港整備及び立ちおくれた漁村の集落排水等、生活環境の整備等を含めて推進してまいりたい、こう考えます。
  35. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 ぜひ島村大臣の折に、延長になっても予算が逆に減ることなく、二カ年延ばしたことによって初めて一〇〇%達成したという実績をおつくりいただく道筋をお願いいたしたいと思います。  次に、質問を変えたいと思いますが、熊本県も海洋リゾートという観点から海洋レクリエーション基地の取り組みがなされておりますが、天草の方にフィッシャーマンズマリーナということで、漁港利用調整事業で今完成をいたしております。全国にそういうものが幾つもあっておるかと思いますが、どれくらいできておるか、まずお聞きをいたしたいと思います。
  36. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 国民の余暇の利用等から海洋レクリエーション、俗に海レクと言っていますが、これが非常にふえてきておりまして、その一環といたしまして、漁港内にプレジャーボート等が入ってくる、利用しているという事例も多くなってきているわけでございます。  そういたしますと、当然のことながら漁業との調整という問題が出てまいりますので、漁業活動に支障を来さないということで、言うなれば海洋レクリエーションの船と業とを分離収容するというような観点から、今言いましたような、フィッシャリーナと言っておりますが、そういう事業をやっているところでございます。全国的にいいますと、たしか二十八やっておりまして、そのうちの半分が既に完了しているわけでございます。
  37. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 そういう受け皿ができつつあるところは非常によろしゅうございますが、実は船だまり、いわゆる避難港というような施設あるいは本当の漁港、そういうところに最近特にプレジャーボートあるいは遊漁船、そういうものが勝手に入り込んでくる。大変トラブルが起こっておりまして、漁船の数よりもその数が今ふえているという実態であります。若い漁業者方々とそういうヨットなどで来た人たちとけんかが絶えないんですよ。そういう対策は具体的にどうとっておられますか。  昨年十二月に会計検査院もそのことに対して、そのことプラスほかにもありますけれども指摘されておりますが、どういう対策を講じられておるかということと、会計検査院から指摘された改善要求に対してどう対処されて、成果としてどう上がってきておるかをお尋ねいたします。
  38. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 今、先生から御指摘のありましたように、各地におきましてプレジャーボートとそれから漁業者との間のトラブルというのが出てきているわけでございます。  そういう意味で両方を円滑に、言うなれば漁港につきましてプレジャーボートの利用によって漁業活動に支障が起きないというようなことで先はどのような事業をやっているわけでございますが、それ以外に、漁港漁港管理者、市町村並びに県いずれかがやっておるわけでございますが、この漁港管理者にしっかりと管理してもらうということで、プレジャーボートの受け入れ状況をしっかり把握してもらうということが必要であるわけでございます。  こういう観点から平成七年の会計検査院の指摘がございまして、プレジャーボートの漁港利用の実態把握とそれからプレジャーボートの受け入れ体制整備について漁港管理者を指導するというような水産庁に対する改善処置要求があったわけでございます。  これを受けまして、水産庁といたしましては、適正な漁港管理を推進いたしますために、昨年の十二月に漁港管理条例に基づく利用料の徴収でありますとかその透明性の確保、管理者がしっかりと利用料を徴収して透明性を確保しろということ。それからさらに、ことしの十月でございますが、漁港を適正に管理するための指針となります模範漁港管理規程例というのがございます。それを改正いたしまして、プレジャーボートの漁港利用につきましては原則として漁港管理者の許可に係らしめると。今までは届け出でありまして、そういうことがありまして、言うなれば無断係留というのが相当あったわけでございます。そういうことで、言うならば管理者が許可をしてしっかり把握するというようなことの規程の改正を行いまして、これに従いまして各漁港管理者がそれぞれ許可をして受け入れる、実態を把握するというようなことを指導したわけでございます。  会計検査院によりまして、約十八港が、言うなれば条例に基づく適切な受け入れ体制整備されていないというような指摘があったわけでございますが、このような指摘を受けました漁港につきましては既に指導を徹底したところでございますし、またこのりちの一部漁港におきましては、先ほどの漁港管理条例を改正いたしまして既に適正な受け入れを行っているというところでございます。  水産庁といたしましても、引き続き漁港管理者への指導を強化いたしまして、プレジャーボートの漁港利用の適正化につきまして今後とも努力していきたいというふうに考えております。
  39. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 それぞれの漁港管理者にそういう指示をしたということでありますけれども、実際、県の港湾管理事務所があるところの、いわゆる港の管理はそういう港湾管理事務所があってちゃんとやりますけれども漁港管理者が市町村長あるいは県と、こうなりましても実際現場にいないんですよ。いないときに若い者同士がけんかになって、どっちかというとクルーザーなんかを持っている人は元気のいい人たちが多いですから、海の上じゃ若い漁業者の方が強いかもしれませんが、埠頭に上がったらかえって弱いんですよ。  いわば、そういう管理者がちゃんと管理できるようなシステムになっていない、そこのところがやっぱり僕は一番大切だと。漁業者とそういう遊ぶ方々とのトラブルを調整する場にいないということが一つであるし、そういう許可制というような問題も、プレジャーボートを持っている方々に対しては周知徹底をもっと図らないといついつまでも現場でトラブルが起こって上に上がってこない。裁判まで入るというようなことさえ現場では起こっておるんですから、そこのところのシステムを、ただ通達を出して漁港管理者までやったということで事は解決には至らないというふうに実感いたしております。  その点をひとつお答えいただきたいということと、これは単に水産庁だけでできることではないと思います。プレジャーボートの数を見ますと三十四万隻あります。このりち不法放置されているものは十三万八千隻あり、これに対してマリーナなどの係留空き数が一万六千九百隻分しかありませんが、もともと停泊地が確保されていない中でプレジャーボートがどんどんふえていっている。私たちは水産庁だけを責めるわけではありませんが、漁港を守るという立場の観点で、そういう面で一番ガードしてほしいということで申し上げているわけです。  運輸省、建設省等との、これは港湾のマリーナ等もありますので、連携をとって、そういう放置船といいますか、居場所の確保されない勝手に入ってくるプレジャーボート対策を講じていかなきゃならないというふうに思いますが、その二点、お聞かせいただきたい。
  40. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) まず、漁港は当然のことながら漁業生産活動の基点でございますので、まずもって漁業活動に支障があるような形でもってプレジャーボートが占有しているという状態は極力避けなきゃいけないことであるわけであります。そういうことで、先ほど申しましたように、漁港管理者によりまして許可制にして、言うならば管理者の判断のもとで係留を認めるというようなことにしているわけでございます。  ただ、今、先と言われましたように、現実の問題として市町村なり県の方の管理が十分じゃないという事例も確かにあるわけでございます。例えば、その管理条例に基づきまして管理を漁協などに委託する、それで漁協の方にしっかりやってもらうというようなのも一つあるわけでございます。ただ、これにつきましては、先般の検査院の指摘にも逆にございまして、漁協の方が勝手に利用料を取っていた、どうも不明朗じゃないかというような指摘もございました。この辺は、言うなれば管理者と漁協との間の関係がしっかりしていなかったということもあるわけでございます。  そういう意味で、この辺の関係を条例に基づきましてはっきりさせる、また管理の方は漁協等に管理委託をいたしましてしっかりやってもらうというようなことによりまして、言うなれば漁港管理をこれからしっかりやっていきたい、そういう体制を整えていきたいというふうに考えているわけでございます。  それから、二点目の話でございますけれども、確かにプレジャーボートは相当ございまして、その無断係留といいますのが漁港におきましても相当あるわけでございます。  この点につきましては、先と言われましたように、運輸省、建設省、水産庁の三省庁が連携してプレジャーボートの実態調査を行っているところでございます。さらに、本年度からは三省庁によります連絡調整会議を開催いたしまして、プレジャーボートの放置規制等、均衡ある係留保管対策につきまして検討を行っているところでございます。  今後とも対策について、この連絡調整会議を通じまして、プレジャーボート全体に対する係留保管対策の方向性を出していきたいというふうに考えております。
  41. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 トラブルが現場の方で起こらないような施策をぜひお願いいたします。  逆に、市町村管理者ができないならば、漁業管理者ができないならば積極的に漁業組合の方々管理委託をさせて、そこで場合によっては一時預かり料金は取ってもこれは私はかえっていいことだというふうにも思いますので、工夫をお願いいたしたいと思います。  もう時間がありませんので、最後に一点だけ要望いたします。  先ほど島村大臣におっしゃっていただきました漁村の環境整備、これは大変おくれております。漁港の背後地は非常に狭いということで、昔ながらの長屋的な漁家が密集いたしております。道路も狭いし車は入れない、下水道は全く環境的には悪いというのが今の漁村ではなかろうかなと。新しく港ができて、そちらの方に移行していくところは整然と新しい住宅地、漁業者の宅地ができておりますけれども、手がつけられていないところがまだいっぱいあります。もし火事でもありましたら、その集落ごと全部火事になるというような状況漁村ではなかろうかなというふうに思います。やはり、漁業に安心していそしむためには生活環境がきちんとしていて初めて漁業へいそしむことができるわけであります。  おくれた地域に特に意を用いて水産振興のために行政が手を差し伸べていく、これは政治の原点だろうと思います。この取り組みが極めて私は大事だと思いますので、こちらの方にもっと私は力を入れるべきだと。都市と相当おくれておりますし、農村部とも相当おくれております。そういう意味で、少しでも農村並みぐらいに近づけるように緊急な対策が必要かと思いますが、大臣の決意をお聞きいたしまして、質問を終わりたいと思います。
  42. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) ただいま委員が御指摘になりましたように、漁村の生活排水処理など生活環境施設、いわば社会資本が大きく立ちおくれていることは事実でありまして、農村との比較においてもこの事実が確認できるわけであります。  今お話がありましたけれども、なるほど地理的にも環境的にも恵まれない、あるいは交通アクセス等についても余り充実していないということから、いわばその意味ではおくれをとっていると思います。少なくとも、O157事件ではありませんが、衛生管理の問題につきましてもやはり新しい近代国家として、我が国は水産資源に負うところ極めて大でありますから、漁港整備あるいは漁村の環境整備というのは我々の重要な課題であると、こう受けとめておりますし、その御指摘には全く賛成であります。私も、担当大臣としてできるだけ委員の御意思に沿うように最善を尽くして頑張りたい、こう考えます。
  43. 阿曽田清

    ○阿曽田清君 ありがとうございました。終わります。
  44. 一井淳治

    ○一井淳治君 漁港は、漁業にとりましても漁村にとりましても最も重要な基本的な施設でございます。特に、離島などに行きますと、島の生活全体の最も重要な基盤ということであると思いますけれども、この重要な漁港の一層の整備の推進ということが必要ではなかろうかと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  45. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 一井委員にお答え申し上げます。  御指摘のとおり、漁港漁業生産あるいは水産物流通の基地としてばかりでなく、漁業関連産業を初めとする地域経済の発展の中心として重要な役割を果たしているところであります。このため、第九次漁港整備長期計画では、我が国周辺水域の高度利用、水産物の安定供給あるいは快適で活力のある漁港漁村の形成等を基本目標といたしまして、まず第一に漁港基本的な施設整備、次いで漁港漁村の環境整備計画的に推進しているところであります。  私も海が大好きですから、ただお世話になるだけでなくて、私はかなり関心を持って今までも見てまいりましたけれども、これらの経験や知識も生かし、またさらに専門的に勉強し、漁港整備促進に頑張っていきたい、こう思います。
  46. 一井淳治

    ○一井淳治君 その漁港整備事業でありますけれども予算規模によって漁港修築事業漁港改修事業等に分かれているようであります。岡山県内のことを質問させていただきたいわけでありますけれども漁港修築事業として白石島港が対象とされておるわけでありますけれども、この整備の促進をお願いしたいわけでありますが、いかがでございましょうか。
  47. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) まず、岡山県、これは約五百キロメーターに及びます海岸線を持つところでございまして、地形的にも非常に恵まれているということから沿岸漁業が発達しております。そういうことで、この海岸線に沿いまして第一種・第二種漁港を合わせまして二十七の漁港が現在指定されているところでございます。  このうち、第九次の長期計画で、今、先生指摘修築事業を行っておりますのは県管理漁港でございます白石島漁港でございます。この白石島漁港でございますが、これは当然のことながら、生産及び流通の基地だけではなくて、この離島におきます交通基盤としての役割等も果たしているわけでございます。  いずれにいたしましても、岡山県の方とよく連絡をとりながら、今後この整備については水産庁としても取り組んでいきたいというふうに考えております。
  48. 一井淳治

    ○一井淳治君 それから、漁港改修事業関係質問させていただきますけれども、岡山県内では東に穂浪漁港、西に寄島漁港がありますが、これらの漁港改修事業整備促進もお願いしたいわけでありますけれども、いかがでございましょうか。
  49. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 今申しましたように、岡山県全体といたしまして二十七の漁港があるわけでございますが、このりち漁港改修事業、先ほど言いましたように、事業規模修築事業よりも少ないものでございますが、漁港改修事業につきましては、第九次計画におきまして、県管理漁港の寄島漁港のほかに八漁港、合計いたしますと九漁港を現在整備しているところでございます。  これらの漁港、それぞれの大きな役割を果たしておりますので、今後とも岡山県と協力しながら漁港機能向上に必要な施設整備促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
  50. 一井淳治

    ○一井淳治君 最近、漁民の間でも、資源を守ろうということで、地域で協議会をつくるなどしまして資源管理努力が進められておりまして、徐々にそれが浸透して、かなりの成果を上げるという段階に至っているというふうに思います。  そういった中で、沿岸漁場整備開発事業を一層お進めいただくということは極めて重要ではなかろうかというふうに思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
  51. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 昨年、国連海洋法条約が発効いたしまして、我が国におきましても、我が国の二百海里以内の資源の有効利用ということが水産政策におきます重要なポイントとなってきたところでございます。  そういう意味で、二百海里以内の資源管理を的確に行っていくというためには、まずつくり育てる漁業を一層推進する、それによりまして、言うなれば我が国周辺水域の高度利用を図るということがますます重要となってきているわけでございます。  沿岸漁場整備開発事業、いわゆる沿整事業と言っておりますけれども、これはつくり育てる漁業のうちの、魚礁を入れるとか、そういうことによりまして、海の畑づくりと我々言っておりますが、その海の畑づくりを担うものとしまして非常に重要なものでございます。魚礁設置でありますとか、増養殖場の整備など、今後とも一層この沿整事業によりまして進めてまいりたいというふうに考えております。
  52. 一井淳治

    ○一井淳治君 岡山県内でもその対策が相当進められておるわけでありますけれども大型のものとすれば、白石島地区広域型増殖場造成事業などがありますけれども、そういったものの整備の促進を図っていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  53. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 岡山県におきましては、現在、平成年度に策定いたしました第四次沿整計画に基づきまして、魚礁設置事業でありますとか、増養殖場造成事業、それから沿岸漁場保全事業、いわゆる沿整事業計画的に行っているところでございます。  その中で、今、先生が御指摘になりました白石島地区の、これにつきましては広域型、広い範囲でもって養殖場を増設するということで、言うなれば期間も相当長くとりまして、事業費も十八億円ということで、クロダイでありますとかメバルなどの生育場、それから藻場の整備というような観点から整備を現在行っているところでございます。  ことしはこの計画の五年度目に当たりますが、進捗率約六二%程度となっておりまして、今後ともその整備の推進につきましては県の方ともよく連絡をとりながら進めてまいりたいというふうに考えております。
  54. 一井淳治

    ○一井淳治君 次に、漁業協同組合の合併ということでございますけれども漁業の振興というためには不可欠な作業であるというふうに思います。  農協を見ますと、六七年に一万一千五十あった農業協同組合が、九六年三月には二千四百七十二組合と二〇%にまで合併が進んでおるわけでありますし、林業組合の方も、三千五百四十一組合から千四百五十五組合まで四一%まで減るということで非常に合併が促進されております。  それに比べますと、漁協の合併が足踏みしているということで非常に容易ならざるものを感ずるわけでありますけれども、ぜひともこの合併の推進をお願いしたいと思うわけでありますが、その原因とか、あるいは農水省の御方針、特に来年三月末をもって合併助成法が期限切れになるわけでありますから、そういったことも絡めて御説明いただきたいと思います。
  55. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 最近の我が国漁業を取り巻く状況から見ますと、資源水準が低下していますし、漁獲量も減少しているということで、厳しさは一段と増してきているわけでございます。  このような状況のもとでございますので、漁協の役割といたしましても、今後、組合員に対します経営指導でございますとか、資源管理への取り組み、特に今年度からTAC制度を導入しておりますので、そのTAC協定実施などを初めといたしまして、漁協に果たしてもらう役割といいますのは従前よりも非常に大きくなっているわけでございます。  また、このほかに、先ほどもお話がございましたが、例えば海洋性レクリエーションと漁業との海面利用調整につきましても、これはやはり漁協にやっていただくということが大事でございますし、そういう意味では漁協の役割が大きくなっておりますし、またそれが期待されているというようなことでございます。  こういうことから、漁協がこれらの役割を十分果たすためには、漁協系統といたしましても、その事業でありますとか組織改革に取り組んでもらうということが必要でございまして、漁協系統におきましても、新たに一県一漁協または一県複数自立漁協、この実現を目指しまして、本年五月に漁協系統事業・組織改革のための指針というものをつくりまして、これを機関決定しているわけでございます。  今、先生の方から御指摘ございましたように、農協でありますとか林野組合に比べますと、確かに漁協の合併の実績というものはそう多くございません。その原因は何かということでございますが、これもいろいろございまして、一つは、他に比べますと漁協の場合には漁業権というのがございますので、漁業権の問題が合併するときの一つの問題になっているのも事実でございます。そのほかに、いろいろ系統の方で調べたアンケート調査などを見てみますと、役員の意識の問題とかいろいろございます。  そういういろいろな問題がありますので難しいわけでございますけれども、系統の方におきましては、先ほど申しましたように、一県一漁協でございますとか一県複数自立漁協ということを実現していきたいということでございますので、水産庁といたしましても、漁協合併助成法でありますとか、合併促進のための予算措置によりまして、現在その促進を図っておるところでございます。  今後とも、平成十年、来年の三月三十一日をもちまして現在の合併助成法の期限が切れるわけでございますので、これにつきましては適用期限を延長するなど所要の措置を講じることを現在検討しているところでございます。これによりまして、引き続き漁協系統の取り組みを支援してまいりたいと考えておるところでございます。この合併助成法の期限延長につきましてはまたよろしくお願いしたいというふうに考えております。
  56. 一井淳治

    ○一井淳治君 合併が進まないのはそれなりの理由があるからであると思います。  私も余り詳しくはありませんけれども地元の漁協を見る限りでは、同じ市の中に幾つかの漁協があるような場合にも隣の漁協とその漁協と全く業務内容が違うというようなこともあって、この合併は相当困難だなということを私も痛感します。しかし、のんべんだらりと合併助成法の延長というのではなくて、この際、相当綿密な細かい配慮もしながら強力に合併推進をお願いいたしたいと思います。  次に、日韓漁業交渉の問題でありますけれども、本来からいえば、日中、日韓あわせて次の通常国会には出るような準備が進められておらなくちゃいけないんじゃないかと思います。しかし、残念ながら、日韓漁業交渉の方は私も詳しい内容は知らないのでありますけれども、いつまとまるのかといり点も見通しが非常にはっきり見えないというような状況ではないかと思います。そういう中で、我が国の漁民の期待も非常に強いわけでありますし、損得だけにとらわれたらいけないと思いますけれども、しかし今の時期を逃がすとチャンスをつかむことも相当困難になると思いますので、やはり現在の協定の解消ということも当然念頭に置いて強力な交渉を進めていただきまして、何とか日中漁業協定とあわせて通常国会に出るように御努力を賜りたいと思うわけでございますけれども、決意のほどをお伺いしたいと思います。
  57. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 私も委員と同じ考えに実は立っております。  昨年五月以来、まさに誠意を尽くしてずっと交渉を続けてきているところでございますし、その内容につきましては、五回にわたる首脳会談を初めといたしまして、外務大臣との交渉は十一回プラス先ほどの報告にありました一、十二回ということになります。そして同時に、農林水産大臣韓国の大使とこの問題について早期妥結を話し合っているところでありますし、実務者レベルで九回、実に三十回近い誠意ある交渉を持っているにもかかわらず、水域問題で全く歩み寄るような状況にないわけであります。  お互いに早期妥結ということについての意思は決まっておりましても、これがいつまでも続きますと、もう既に一年半が経過しているわけでありますし、このまま推移いたしますとどういうことが起きるか。平成四年から六年にかけての我が国の漁獲高は大体六ないし九万トンとなっておりますが、韓国船の漁獲高は推計二十三万トンと、こういうことで、比較にならない漁獲量である。しかも、彼らの漁法は根こそぎ持っていってしまうので、魚礁もあるいは稚魚もすべてそっくり持っていかれるというような感じで、漁民の人たちのいわば何といいましょうか、恐怖といいましょうか、怒りといいましょうか、何か正直者がばかを見るような、非常に行儀のいい方たちに対して我々も申しわけないという焦りを実は感じているのが現実であります。  特に、今御指摘がありましたように、先般来日された李鵬首相との間で日中漁業協定は調印の運びになりました。十一月十一日だったと記憶いたしますが、来年の通常国会ではこれが批准される見通しであります。ところが、批准が行われますと、いわば中国は日本の二百海里以内の漁業に関しては日本の漁獲割り当てのもとで操業をいたしますし、また日本による取り締まりを受けることになるわけであります。これに引きかえ、もしこのまま日韓関係が推移いたしますと中国と韓国との漁業のバランスを失うことにもなりますので、実はこれらについて私は先般、外務省当局に強く申し入れたところであります。
  58. 一井淳治

    ○一井淳治君 外務大臣とも御協議いただきまして、早急に大臣としても決断を下していただきたいということを御要望申し上げまして、私の質問を終わります。
  59. 谷本巍

    ○谷本巍君 漁港法質問に入る前に、省庁再編成問題に関連いたしまして、行政改革会議が今出しております農林水産関係の再編成問題について若干、大臣の考え方を伺いたいと思います。  これを見てみますと、食糧庁も林野庁も解体と独立法人化していく。構造改善局の関係というのは建設省の方へ持っていく。統計でいうなら総務庁ですよね。そして独立法人化と。さらにはまた、試験研究から、作業施設、検査・検定関係の問題にしても民営化か独立法人化というものが出されております。  この構想を実施したらどういうことになるのか。まあざっと見ただけでも人員が三分の一近くになりはしないのかという気がいたします。大臣も御存じのように、昭和四十三年から公務員減らしが始まりました。あの当時からしますと、公務員全体でもって減っているのは五%でありますが、農林水産は実に五五%減っているんですね。人減らしの模範生ですよ。その模範生がまた三分の一になる。問題はそれにとどまらず、私はこれをやったら農林省の性格が変わると思います。実行型官庁というのではなしに、企画立案を軸とした食糧対策センターといいましょうか、政策センターといいましょうか、そんな官庁に変わってしまうなという印象を強く受けました。  かつて橋本総理は、参議院の予算委員会で私どもの同僚議員の質問にこう答えております。二十一世紀に向けての人類の共通課題というのは資源問題であり環境問題で食糧問題だと、そういう問題意識を念頭に置きながら行財政改革をやらなきゃならぬ、こうおっしゃっているのですね。総理がおっしゃったこととまるで違うものが実は出ておるわけであります。  大臣はこれをどう受けとめておられるか、その所見を承りたいのです。
  60. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) まず、省庁再編の検討についてでありますが、省庁再編を含む行政改革につきましては、現在、政府の行政改革会議、また与党の行政改革協議会、政府、与党間で大詰めの議論がなされているところでありまして、私としてはこれを見守っているところであります。新聞報道あるいはテレビの報道等、そういう報道がいろいろ先走りをいたしますけれども、内輪に入って内容をすべて聞くわけにはいきませんが、伺ってみると大分ずれがあることは事実のようであります。  いずれにいたしましても、農林水産行政につきましては、まず安全で良質な食糧の安定供給という国家使命をきちんと位置づけ、これを核といたしまして、森林の一元管理を含めて農林水産業が持っている国土環境保全機能が十分発揮されるようにすることが肝要と考えておりまして、私は国家行政機能にもこうした点が十分反映されることを期待しているところであります。
  61. 谷本巍

    ○谷本巍君 それで何となくほっと安心したような気はするのでありますが、ともかくも一方で、総理の諮問機関であるところで基本法論議をやっているわけですね。ところが、他方で農政のあり方を全面的に変えるというような省庁再編成をやってしまったらこれは一体どういうことになるのか、日本に政治は不在なのではないかということになると思うわけです。  そこで、大臣にこの際、篤とお願いを申し上げたいのは、現場それから行政、どうもこの実態を知らぬ人が立てた計画ではないかというふうに私には思われてしょうがないのであります。  例えば、米の検査の民営化問題にしましてもいろいろ議論がありますが、実際問題として引き受け手があるのかないのか。年間わずか数週間の仕事のために検査員を集めて会社をつくってやれるか、これはやるところはありはしませんよ。やれるとすれば農協なんですね。農協もやれるところとやれないところがあります。ところが、これは統一国営検査でありますから、検査を受けた米と受けない米、値段が大分違いますよ。ですから、農家の側にすれば検査を受けた方が高く売れるんです。  ところが、私は福島県ですけれども、福島県の農協が福島県の米を検査してだれが信用しますか。それじゃセンターをつくればいいじゃないかというような議論等々が出てくるとは思いますが、そうなりますと検査料がばか高くなります。現在の場合には、日常いろんな業務をやりながら、その合間に検査員が検査をするからべらぼうに安い値段で検査料が上がっているわけです。  そういう現状等々を踏まえてみますと、どうやらこれは実態を知らない人が簡単に言ってのけているのかという気がいたします。統計にしても同じです。  これはもう大臣に申し上げるまでもなかろうと存じますが、例えば他の省庁との統合をやってみた場合でも、農業・漁業政策の場合で見てみますというとメリットは何もありはしませんよ、作業重複はないんですから。それに、農林水産の場合は、農林水産の現場、つまり実態、そこのところをよく知っているということの経験の蓄積、そういう専門的なものが求められるというのが何といってもこれは農林統計の特徴であります。でありますから、農林水産省がやったら最もそれが効率的だと言ってよいし、それにまた構造改善の関係にしましても、農林水産省がやっているのは何のことはない、ソフトとハードと両面ですよ、一体ですよ。ところが、建設省がやっているのは何なのかというとハードそのものでしょう。こんなことをやられたんじゃ農家はたまったものじゃありませんよ。  でありますから、これはほかを申し上げるといっぱいありますよ。いっぱいありますが、二、三だけ例を申し上げただけのことでございますけれども、やっぱり実態を踏まえたそういう立場で大臣の側も対処をしていただきたい。これは国会も、それからまた与党も同じような姿勢でこの問題を扱っていく必要があるだろうと思うのですが、その点についての大臣のお考え方を伺います。
  62. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) ただいま先生の申されたものをテープにそのままとって行政改革会議なりなんなりに持っていって聞いてほしい、まさに専門的に知識と経験をお持ちの方の御意見と承りました。  いずれにいたしましても、例えば米の検査にいたしましても、これは民営化に向けるという言葉は簡単でありますが、確かな受け皿があって、まさに確かな引き受け手があって、しかも能力もある、そして専門的な知識、権威あるいわば検査の結果が期待できる。これは何しろ国民の主食でありますから、やはりそういう点の配慮が当然求められるところであります。  また、公共事業の問題にいたしましても、これはまさに農業土木は農政の重要な一手段でありまして、農林水産省の業務の中にこれを明確に位置づけていく、これまた当然に必要であります。これは単に机の上で考えてできることではない。長年の経験とかそれぞれの地域の特殊性等を十分勘案して初めて地についた、しかも実効のあるものが期待できるわけでありますから、これらにつきましても単に行政改革という名前だけが躍っていくことは大変危険だと、率直にそう思います。  また、統計業務につきましても、行政執行の基盤として国がみずから行うべき本来的業務でありますから、私は国の行政組織で実施することが適当であると。これを民間へと言いますけれども、これがどれだけ権威のあるものになるのか、これがまた国民を説得することができるものであるのだろうか。何も問題のないときはいいわけでありますが、万が一にも問題が起きたときにだれが責任ある対応ができるのか。いろんなことを考えますと、私は今までの経過というのはそれなりに生かしていると思います。  また、冒頭に御指摘がありましたように、人員が大きく減少した、まさに人減らしの模範生、行政改革をこれだけこの間に苦しみながらやり抜いてきた役所はこれはもう特筆すべきものだと、私は率直にそう思っています。現に、私、十四年前に政務次官を拝命した当時は七万六千名を擁しておりましたが、現在は四万五千名であります。これをさらに大きく我々の行政改革、内輪の効率のいい行政に置きかえていこう、進んでこれに取り組もうとしている我が省でありますから、私がたまたま農林水産大臣だからでなくて、政治家として私は先生と同じ考えに立ちます。  ただ、立場上、私の立場から今あれこれ言うことは差し控えなきゃいけませんので、私の質問に対するお答えはこの辺にとどめさせていただきます。
  63. 谷本巍

    ○谷本巍君 ありがとうございました。  大臣の所見を承って、私、正直申し上げてほっとしているところでございますが、私の党も、閣外協力でありますけれども連立政権に入っておるわけでありまして、そういう立場でとにかく一生懸命やってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  ともかくも、ごく短い期間にごしゃごしゃっと密室で変なものをでっち上げられたんじゃ日本の政治の名折れになるわけでありますから、この点もあわせて篤とお願いを申し上げておきたいと存じます。  続いて、漁港法の問題について伺いたいと存じます。  二年延長の影響についてはこれまで多くの皆さんから質問がありましたので、そこのところは省略をいたしまして、最後に二つほど伺っておきたいと存じます。  まず初めに伺いたいと存じますのは、高齢化と漁業施設整備の問題であります。  高齢化社会を間近に控えて、平成十五年までに財政赤字をGDP比三%以下にしなきゃならぬということで財政構造改革が始まったわけであります。御存じのように、漁村はもう既に高齢化社会に入っておりまして、男子の就漁者で見てみますというと、六十歳以上が実に四割を占めるという状況になっております。  ここで大切なことは私、二つあるだろうと存じます。一つは、根本的な問題でありますけれども、若い担い手の確保に向けた、沿岸漁業を盛んにして、食える所得が確保できるような状況にしていくというまず根本的な問題が一つあることはあります。同時に、最近やっぱり重視していかなきゃならぬのは、高齢化時代に見合う漁業施設整備ということが課題になってきているのじゃないかと思います。ともかくも、農村も漁村も既にもう人類未踏の超高齢化社会に入ってしまっておるわけであります。そしてそういう中で、福祉の充実等々の問題がありますが、やっぱりもう一つ大事なことは、その地域でもって終生現役としてやっていくことができるような労働システムをどうつくるかということが課題になってきたと存じます。  そういう点で、漁業施設整備の問題についてもそうした観点を踏まえた行政が大事になってきたと思うんですが、いかがでございましょうか。
  64. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 水産庁からもいろいろ報告を受けているところでありますが、なるほどその高齢化というのは全国的な規模でどんどん進んでおりますけれども、特に漁村あるいは僻地の農村等にはこれが顕著であります。  そういう意味合いから、例えば転倒とか転落とか、高齢者がともすれば被害を受けやすいことに対応して、例えば滑りにくい舗装をするとか、あるいは疲労によって転倒することもあり得るわけですから、休憩するためのスペースを置くとか、いろいろな配慮を私が想像しているよりはかなり細かくやっているように聞いております。  私どもはこれらに十分配慮しながら、高齢化をただ時の趨勢として受けとめるだけじゃなくて、そういう方たちが今までの持っている力を大きく発揮できるような、私は、ある意味では高齢化社会に向けて大事なことは、高齢者がもう自分は社会から要らないものだという変なあきらめを持つことは大変気の毒な老後になりますから、御自分が元気な間は働きながら自分の活力を維持し、しかも社会に貢献するという誇りを持ちながら人生を送る、我々もそういう願いをひそかに持っておりますから、そういう意味では特にこういう地域の方にはそういう配慮を進めていきたい、これからも指導をしていきたい、こんなふうに考えます。
  65. 谷本巍

    ○谷本巍君 最後に伺いたいのが、自然との共生を目指す漁業振興ということであります。最近は漁業者による山の整備、現にやっているところも結構ありますけれども、またこれからやりましょうという話題になっているところもかなりふえてきております。それからまた、漁業者や市民団体の間などではダム建設反対に取り組むといったような例等々も出てきているところであります。つまり、生態系の循環にかなう漁業振興への動きというのが大きなうねりになってきたということであります。その点では、漁港づくりにしても自然と調和したものをつくるという点で工夫があって私はしかるべきではないかと思うのです。  その現状と今後の方針について伺いたいのであります。
  66. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 近年、自然海浜あるいは藻場・干潟の保全や野生生物の保護に代表されますように、環境問題に関する国民の関心が非常に高まっております。これは関心が高まらなくても、当然農林水産行政を所管する省といたしましては、これら正しい意味での、要するに海を確保するためには、やはり漁港整備とあわせてこういう自然環境を維持するために配慮していくのは当然だと思います。  一つだけ参考に申し上げますが、沖縄県の川満漁港におきましては、漁港周辺の生態系の保全及び良好な漁場環境の維持を図るために、周辺のマングローブ林等に悪影響を与えないような護岸構造を採用し、漁港整備していると、こう聞き及びますが、これは一つの例にすぎませんけれども、全国規模にわたってそれらの配慮をめぐらせていきたい、こう考えます。
  67. 谷本巍

    ○谷本巍君 ありがとうございました。     —————————————
  68. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、井上吉夫君、大野つや子君及び青木幹雄君が委員を辞任され、その補欠として長峯基君、畑恵君及び野村五男君が選任されました。     —————————————
  69. 須藤美也子

    須藤美也子君 漁港整備計画の中で、水産庁は、第三種、特定第三種など大型漁港が半分以上を占める全国百カ所の拠点漁港整備を重点にしていますが、その拠点漁港整備予算の金額は、九六年、九七年、九八年、この当初予算は幾らになっているか、年ごとにお尋ねいたします。
  70. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 漁港につきましても、平成年度から全国を五百の圏域に分けまして、そのりちの百の圏域の拠点漁港に重点投資を進めていくということで効率的な整備を現在行っているところでございます。  この拠点漁港等への国費の投入でございますが、九六年度は六百十八億円、九七年度は六百七十五億円となっております。漁港予算全体に占める割合は……
  71. 須藤美也子

    須藤美也子君 九八年度は幾らですか。
  72. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 九八年度は、これは概算要求しているところでございますが、要求額は六百九十億を要求しております。全体に占める割合はちなみに、それぞれ二八・二%、三一・〇%、それから九八年度は三三・八%というふうになっております。
  73. 須藤美也子

    須藤美也子君 年々大型漁港中心の拠点漁港への投資がふえています。しかも、漁港施設整備予算に対する割合も年々ふえています。  例えば一例を挙げます。ここに全国漁港協会で出したポケットブックの中に熊本県の牛深ハイヤ大橋が紹介されております。百数十億もかけてこの牛深ハイヤ大橋をつくった。水産庁の計画は、熊本県牛深漁港計画交通量、生活関連一日約二千二百二十台、生産活動で一日約六百十台、合わせて二千八百三十台、これが計画になっています。  このとおりやれるのかどうか、見通しがあるのかどうか、お尋ねいたします。
  74. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 今御指摘の熊本県の牛深漁港でございますが、この漁港は背後に人家が密集しておりまして、漁港へ陸揚げされました水産物を運搬いたしますトラックと一般車両との混雑が非常に大きな問題となっていたわけでございます。このようなことから、水産物の円滑な輸送を図るために、例えば山にトンネルを通す案でありますとか複数のルートが検討されたわけでございますが、最終的には海上ルートでございます現在の、これはハイヤ大橋と言っておりますが、ハイヤ大橋が計画されたというわけでございます。  この牛深漁港におきます大橋の設計上の交通量でございますが、今、先と言われましたように、一日当たり延べ約二千八百三十台ということになっておるわけでございます。  現在はどうかという話でございますが、この大橋はことしの八月に供用が開始されたばかりでございまして、県の方におきましても実際の交通量はまだ確実には測定されておりません。ただ、県の報告によりますと、予定どおり使用されているというふうに聞いております。
  75. 須藤美也子

    須藤美也子君 水産物関係のトラックは、地元関係者から聞きますとわずかと聞いています。一日トラックが十台も走ればいいと、だってその下には十分間で通える道路があるわけですから。それに大橋をつくった。そういう点で、また今度ループ橋をつくる計画もある。地元漁業者からは、そういうところにお金をかけるよりは、漁船の給水あるいは給電、そのための施設をつくってほしい、こういう意見も出ているわけです。  ですから、熊本の方には大変失礼でございますけれども、こういうむだ遣いは見直すべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  76. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 私ども県から聞いております限りにおきましては、先はどのような話でございます。  また、この牛深漁港は、先ほど申しましたように、熊本におきます言うなれば漁業の根拠地ということで発展してきたところでございますし、熊本県といたしましても唯一の第三種漁港というようなことになっているわけでございます。  そういうことで、この大橋は、流通加工拠点であります牛深漁港の後浜地区と荷揚げ施設のございます台場地区と、それからもう一つは蓄養施設のあります元下須地区というのがございますが、この三拠点を結ぶ重要な交通施設でございます。  そういうことで、県の方でいろいろ計画されまして、私どもの方も助成を行って、ことしの八月に供用開始されたということでございまして、今言われましたように、決して不必要なものをつくったというようなことは考えておりません。
  77. 須藤美也子

    須藤美也子君 水産庁はそういう答弁をなさると思っていました。  県とか、そういう要求があるということもあるかもしれませんけれども、今、漁業が大変な状況になっていて、さらに予算の抑制を図ると、そういう中でこういう拠点漁港に大きな投資をかけ、中小零細漁業者の必要な漁港整備にはその分回っていかない、これでは漁業の振興にはならないというふうに考えます。  また、もう一つあるんですけれども、水産庁の特定第三種漁港のあり方検討調査報告書を見ますと、この中に、重大な問題だと思いますが、「特定第三種漁港においても輸入水産物を取り扱うことができるよう、「開港」の指定を受けられるよう措置を講じる必要がある。」と、こういうふうに書いてあります。このとおり進めるのでしょうか。簡潔にお願いします。
  78. 嶌田道夫

    政府委員嶌田道夫君) 漁港整備は、基本的に国内の漁業生産に必要な施設整備を行っているわけでございますので、輸入水産物のために特段の施設整備を行うということは通常は考えていないわけでございます。  ただ、漁港の場合にはその背後地に隣接いたしまして水産加工施設がございます。そのようなことから、輸入水産物が漁港に搬入されてくるということも多々あるわけでございます。そういうことがあるわけでございますけれども、一般的にはその漁港を利用いたします漁船の利用に支障のない範囲で輸入水産物を積載した貨物船等の入港が行われているというふうに考えているところでございます。
  79. 須藤美也子

    須藤美也子君 漁業のための漁港整備なのに、輸入のための漁港整備でいいのか、こういうふうに私は強い疑問を抱きます。水産物輸入のためなら港湾があるわけですから、そういう港湾との調整も必要になってくるわけです。そういう点からしても、今、輸入水産物がどんどん入ってくる、そういう中でさらに水産庁が輸入のための漁港整備に金をかけるということは、もしそういう計画があるとすれば、これはやめていただきたいというふうに思います。  私は十分間ですので、最後質問になるわけですが、漁港予算が抑制されるもとで、こうした問題のある大型漁港整備予算がふえていくならば、一方で中小零細漁港整備漁民が望んでいる漁港の改善のための事業が減っていくのではないか、こういうことが懸念されると思うんです。  先ほど来いろいろな質問があったわけですけれども、これに対して本当に漁業を守る、漁業漁村の活性化を図る、そういう立場に立った漁港整備計画を進めるべきではないか、漁民要求から外れたような計画は見直すべきだ、こういうことをお尋ねして、大臣に答弁をお願いしたいと思います。
  80. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) たとえ中小の漁港でありましても、水産物供給ネットワーク上の重要性のみならず、周辺水域漁場管理災害時の危機管理等の重要な役割を有している漁港につきましては重点的な投資を行い、早期完成を図るように努めておるところであります。  また、それ以外の中小の漁港におきましても、漁港を取り巻く多様なニーズ等を踏まえまして、緊急に整備が必要なものについては局部改良事業、これは大きな整備事業としてではなくて、何か破損したり緊急に修復をしなきゃいけないようなものについて行われる事業でありますが、この局部改良事業によって弾力的に整備を図っていく所存であります。
  81. 須藤美也子

    須藤美也子君 時間が参りましたのでこれでやめますけれども、中小零細漁港に対する手厚い漁港整備、それを強く要求いたします。  それから、このようなむだな公共事業は見直すべきだと、そういうことを強く申し上げまして、質問を終わります。
  82. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  83. 須藤美也子

    須藤美也子君 私は、日本共産党を代表して、漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件について反対の討論を行います。  本案件は、今日の財政危機を招いた原因に抜本的なメスを入れず、社会保障、教育、農漁業、中小企業など国民生活を切り捨てる財政構造改革法案の一環であり、その第十五条の公共事業計画延長に関するものであります。  一部変更承認を求めている漁港整備計画の進行状況を見ますと、公共投資重点化及び効率化のもと、漁港整備大型漁港への傾斜を一層強めています。しかし、質疑で明らかにしたように、そうした大型漁港整備が莫大な投資の割には漁業振興に役立つのか、疑問を抱かざるを得ません。また、港湾との調整抜きに、日本漁業の首を絞めかねない輸入水産物受け入れを展望して整備が行われようとしていることは重大な問題であります。  こうした計画の抜本的な見直しを抜きにした単なる計画期間延長は、不要不急の大型漁港整備の推進はされるけれども、中小零細規模漁港整備、改善をおくらすことになり、漁港整備を真に必要とする漁民にとって大きな影響を与えることは必至であります。  以上が反対の理由ですが、今、漁港計画の推進に当たっては漁民や住民が計画の段階から参加し、その意見を十分に踏まえた民主的なものにすること、施設の改善などきめ細かな整備にも国の援助を強めること、港湾との調整でむだのない計画にしていくこと、漁場と環境の保全に留意したものにすることが重要と考えます。  また、我が国の漁業を守り、国民に安定的な水産物を供給するために、二百海里体制に即した韓国との漁業協定締結が急務ですが、同時に、財政的にも水産予算のほぼ六割も漁港予算が占めるという予算のあり方も見直し、緊急に必要な経営対策や価格・流通対策を強めるべきだということを指摘し、反対討論を終わります。
  84. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  85. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 松谷蒼一郎

    委員長松谷蒼一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時散会