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1997-12-17 第141回国会 参議院 決算委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年十二月十七日(水曜日)    午後一時開会     —————————————    委員の異動  十二月十七日     辞任         補欠選任      海老原義彦君     平田 耕一君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         宮崎 秀樹君     理 事                 鎌田 要人君                 長峯  基君                 野沢 太三君                 猪熊 重二君                 海野 義孝君                 緒方 靖夫君     委 員                 芦尾 長司君                 岩井 國臣君                 景山俊太郎君                 笠原 潤一君                 上吉原一天君                 清水嘉与子君                 平田 耕一君                 松村 龍二君                 守住 有信君                 吉川 芳男君                 阿曽田 清君                 但馬 久美君                 益田 洋介君                 山崎  力君                 渡辺 孝男君                 朝日 俊弘君                 小川 勝也君                 萱野  茂君                 大脇 雅子君                 谷本  巍君                 椎名 素夫君                 水野 誠一君                 栗原 君子君    国務大臣        内閣総理大臣   橋本龍太郎君        大 蔵 大 臣  三塚  博君        農林水産大臣   島村 宜伸君        労 働 大 臣  伊吹 文明君        建 設 大 臣  瓦   力君        国 務 大 臣        (総務庁長官)  小里 貞利君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       谷垣 禎一君         —————        会計検査院長   疋田 周朗君         —————    事務局側        常任委員会専門        員        貝田 泰雄君    説明員        防衛庁防衛局長  佐藤  謙君        大蔵省主計局次        長        寺澤 辰麿君        建設省河川局長  尾田 栄章君        会計検査院事務        総局次長     森下 伸昭君        会計検査院事務        総局第一局長   深田 烝治君        会計検査院事務        総局第二局長   諸田 敏朗君        会計検査院事務        総局第三局長   大和 顕治君        会計検査院事務        総局第四局長   牛嶋 博久君     —————————————   本日の会議に付した案件平成七年度一般会計歳入歳出決算平成七年度  特別会計歳入歳出決算平成七年度国税収納金  整理資金受払計算書平成七年度政府関係機関  決算書(第百四十回国会内閣提出)(継続案件  ) ○平成七年度国有財産増減及び現在額総計算書  (第百四十回国会内閣提出)(継続案件) ○平成七年度国有財産無償貸付状況計算書(第  百四十回国会内閣提出)(継続案件)     —————————————
  2. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  平成七年度決算外二件を議題といたします。  本日は、総括的質疑第二回として、内閣総理大臣に対する質疑を行います。  まず、私が決算委員長として若干の質疑をさせていただきます。  橋本総理には、日本ASEAN諸国首脳会議から帰国後、お疲れのところを早速当委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございました。本日は平成七年度決算締めくくり総括質疑の日でありますので、まず、決算委員長として、私から若干の質疑をいたします。  平成七年度決算は、本年一月、第百四十回国会に提出され、本会議での概要報告質疑の後、本委員会に付託されたわけであります。以来、今日まで全般的質疑二回、省庁別審査八回、そして昨日に続き最後の総括質疑を行うまでに決算審査が進捗いたしましたことは、委員並びに関係各位の御協力のたまものと心から感謝申し上げます。  決算審査の意義は、改めて申すまでもなく、その成果を次期予算編成執行に反映させることであります。  今、政府においては、平成十年度予算編成作業の最中でありますが、参議院決算審査で取り上げられました今後の公共事業あり方、旧国鉄債務処理国有林野事業抜本改革などの財政上の重要課題にどのような姿勢で取り組んでおられるのか。また、ナホトカ号事故を初め相次ぐ重油流出事故で明らかになった油防除体制強化必要性や、立ちおくれているダイオキシン実態調査やその対策に関する予算措置はどのように考えておられるのか、決算審査の反映という視点で御答弁をいただきたいと存じます。
  3. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) ただいま委員長から御指摘のありました事項を順次お答え申し上げたいと存じます。  まず第一点は、今後の公共事業あり方という御指摘でございました。  公共事業につきましては、財政構造改革推進に関する特別措置法などに基づきまして重点化及び効率化を図ってまいることが重要でございます。そのためにも、公共事業の再評価システムを導入すること等、あるいは費用対効果分析活用等を図りますとともに、建設コストの縮減なども進めながら一層の公共事業の効率的、効果的実施に努めてまいりたいと考えております。  次に、旧国鉄債務処理及び国有林野事業抜本的改革という御指摘をいただきました。  国鉄長期債務処理につきましては、昨年十二月の閣議決定におきまして平成十年度よりその本格的処理を実施することとしたところでありまして、現在、政府与党で構成される財政構造改革会議企画委員会中心として具体的処理方策について検討を進めております。  この問題は先送りが許されるものではないと認識しておりまして、来年度よりその本格的処理が実施できますように最大限努力してまいりたいと考えております。  次に、国有林野事業抜本的改革のお尋ねがございました。  国有林国民共通財産であるという考え方のもとに、行政改革会議長終報告を踏まえて、本年中に経営のあり方及び組織抜本的改革に取り組むことといたしております。目下、財政構造改革会議におきまして、こうした改革を踏まえて累積債務処理方策につき検討を進めております。  この問題も先送りできる問題ではございません。そうした認識のもとに、来年度から適切な処理ができますよう努力してまいりたいと考えております。  また、ナホトカ号重油流出事故等で明らかになった油防除体制強化という点についての御意見をいただきました。  政府としては、ナホトカ号事故の教訓から、油の防除体制として事故発生時の即応体制強化及び防除資機材整備などによる防除体制強化が重要だと考えております。これまでも防災基本計画改定等を行ってまいりましたが、今後も引き続き油防除体制強化に取り組んでまいりたい、そのように考えております。  また、ダイオキシン実態調査、その対策に関する予算措置という御指摘をいただきました。  ダイオキシン問題が国民の健康あるいは生態系を保護する観点から非常に重要な問題であるという認識をいたしておりまして、政府としては、既に廃棄物処理施設などからのダイオキシン類排出抑制対策を進めておるところでありますが、今後とも必要な予算措置を講じ、排出抑制対策充実に加えて、環境モニタリング、食品また人の汚染実態の把握など総合的な調査研究を初めとする対策推進していく所存でございます。
  4. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 本年一月、平成六年度決算に関して参議院内閣に対し十項目にわたる警告決議を行っており、これに対して、内閣が講じました是正改善等措置について、昨日、大蔵大臣から概要報告がございました。  これら政府から報告のあった是正改善措置のうち、予算関係するものについては次期平成十年度予算編成に反映し措置されるものと理解しておりますが、この点について総理から御答弁をいただきたいと存じます。  なお、決算に関する参議院の議決に対し内閣が講じた措置については、内閣総理大臣から議長あて報告書をいただきたいということが昨年十二月、参議院制度改革検討会から報告され、参議院の各会派の合意になっておりますので、決算委員長の立場においてもこの実現方について要望をいたしておきたいと思います。
  5. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 政府といたしましては、従来から、警告決議として御指摘を受けました事項につきましてはその改善に努めてまいりました。当然のことながら、今後もそうした体制を変えるつもりはございません。  いずれにいたしましても、平成六年度決算に関する警告決議の御趣旨というものに十分留意しながら、予算関係する事項につきましてはできる限り予算編成に反映させてまいりたい、そのように考えております。  また、御要請につきましては承らせていただきました。
  6. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) さき臨時国会財政構造改革推進法が成立し、危機的状況にある我が国財政の再建に向けた基本方針具体的目標スケジュール等が定まりました。これを実現するため、政府が全力を挙げて改革に取り組むことは当然のことでありますが、財政構造改革を着実に推進する上で国の財政監督機関である会計検査院機能充実を図ることが今後さらに重要になってくると考えますが、この点について総理の御所見を伺っておきたいと存じます。  あわせて、会計検査院長に伺います。  さき臨時国会国会法等の一部改正法が成立し、その中で、国会から会計検査院に対して、審査または調査のため必要があるときは、特定事項について会計検査を行い、その結果の報告を求めることができる旨の規定が新設され、これを受けた会計検査院法改正も行われました。  国会決算審査会計検査院連携重要性については、これまでも歴代の院長から的確な答弁をいただいているところであり、また実際にも、例えば当決算委員会質疑を受けて、本年六月には老人福祉施設整備、いわゆる彩グループの問題に関する検査状況について中間報告をいただきましたが、このような実績等も踏まえ、このたび関係各方面の御尽力により国会からの検査要請制度が実現したことは評価すべきであると考えます。  しかしながら、会計検査院は憲法上の機関として独立した地位を与えられていること、国の膨大な会計経理に対する実地検査スタッフはわずか八百名程度であること、検査院の職員は年間の検査計画検査スケジュールに沿って検査活動に従事していること等を考えると、両院の各委員会からの検査要請に対し、今後どのような対応体制整備を考えているのか。  検査要請制度運用いかんによっては困難な局面や問題も予想されるので、この機会会計検査院長の御所見を伺って、私からの質疑を終わります。
  7. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 内閣から独立した財政監督機関であります会計検査院、その検査機能充実強化に努めるという観点から、これまでも検査要員の増員などの措置を講じてまいりました。  今回、国会法等の一部改正が行われましたことにより、会計検査院国会と緊密な連絡、協調を保ち、適正かつ効率的な行財政執行のためにさらに有効に機能することを私たちも期待いたしております。  内閣といたしましては、今後とも、検査要員確保など会計検査機能充実強化に十分配慮してまいりたいと考えております。
  8. 疋田周朗

    会計検査院長疋田周朗君) お答え申し上げます。  国会、とりわけ決算委員会との緊密な連携につきましては、委員長指摘のとおり、会計検査院といたしましても極めて重要なものと考えているところでございまして、今後とも、国会での御論議会計検査に反映させるなどの努力を続けてまいりたいと考えております。  今回、会計検査院法改正が行われまして、会計検査観点が明記されますとともに、国会からの「要請に係る特定事項について検査を実施してその検査の結果を報告することができる。」とされたところでございます。したがいまして、本院といたしましては、今後、特定事項検査要請が行われる場合には、改正法趣旨に沿い適切に対応してまいる所存でございます。  そして、特定事項検査の御要請に当たっては、会計検査院独立性に留意されますとともに、本院の裁量権確保されますよう、事前に十分な協議が図られることなどについて御配慮いただければと考えているところでございます。また、複数の委員会等から同種あるいは多数の要請が行われようとする場合には、現行会計検査院法上行っております会計検査業務の円滑な遂行に支障を来すことがないよう、しかるべき調整が行われることを望んでいるところでございます。  本院の体制整備につきましては、検査の御要請があり、現在の要員では十分な対応が困難となるような場合には、検査要員確保組織、機構の整備などの措置が必要になることもあり得る、このように考えているところでございます。
  9. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 以上で私の質疑は終わらせていただきます。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 松村龍二

    松村龍二君 自由民主党松村でございます。  本日は、平成七年度決算締めくくり総括質疑ということで総理大臣質疑をさせていただきます機会を得ましたことを、委員長理事各位、同僚の議員に感謝申し上げる次第でございます。  さて、総理、昨日はクアラルンプール大変お忙しい時間を過ごされまして、昨夜帰られまして、けさも次から次に会議等がありまして、恐らくお昼御飯も食べる暇がなかったんじゃないかというふうに拝察するわけでございます。いつぞや、私は総理に、お忙しいときはどういうお食事をするんですかということをお伺いしましたら、私はおいなりさんを食べるんです、こういうお答えでございました。いかに日本国家国民また世界のために忙しい時間を使っておられるかということに心から敬意を表する次第でございます。  昨年の十二月のちょうど明日、ペルーでテロが起きまして、大変な事件が四カ月続いたわけでございます。ことしに入りましてからは財政構造改革解決、また秋に向けましてはスリムな行政を実現するといったことで中央省庁の再編と、本当にいとまない時間を過ごされてきたわけでございます。  このたび、山一、北海道拓殖銀行等という戦後日本経済を支えてきた大証券会社あるいは金融機関等が倒れるというような金融不安、また減税あるいは中小企業について的確な対策を望む声が国内には満ち満ちておりまして、私どもも地元へ帰りますとそのような陳情を受ける日々でございます。  このような中にありまして、昨日、自由民主党金融システム安定化のための緊急対策を決定いたしまして、十兆円規模の財政措置を図り、金融システム安定化に関する法律をできるだけ早く制定することとしたのであります。  総理は、クアラルンプールでの記者会見で、金融システム安定化について十兆円の交付国債を預金保険機構に交付するなと思い切った措置を講ずる、日本発世界恐慌は絶対つくらないと表明されたところでございます。そして、けさ十時半に記者会見をされまして、日本発世界恐慌は絶対に行わない、アジア経済が深刻であることをASEAN首脳会議で感じた、さらに、日本家計企業景況感も厳しく、金融システムアジア経済においても不安感が払拭できない、改めて思い切った施策を講じる必要があると判断し、与党幹部税調幹部大蔵大臣自治大臣等関係者に集まってもらい、九年度補正予算所得税中心とした二兆円の特別減税を行うことを指示したと記者会見をされたのでございます。国民にとりまして、先ほど私が述べましたような状況でございますので、早速株価も大幅に値上がりするということで、経済界がこれを歓迎しているところでございます。  総理のこの具体化のための方針と、日本経済、また日本国民、また物づくりを大切にすると通産大臣のころおっしゃっておられましたけれども、中小企業国民経済を救うという決意をお伺いしたいと思います。
  11. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 今回のASEAN訪問、当然のことながら私なりに十分それぞれの地域経済状態認識をしてASEANとの会合に臨んだつもりでございました。しかし、最初に行われましたASEANプラス中国韓国日本、そしてその後に行われましたASEANプラス日本、いずれの会議におきましても、私が予備的な知識として持っておりました以上に深刻なそれぞれの地域状況というものを改めて説明を受け、その深刻さに一体日本がどう行動していくべきか、深刻に考えさせられる場面がございました。  また、我が国経済自身も、家計などの景況感に厳しさが増しておりまして、こうした厳しい状況にあることはもう既に皆様が御承知のとおりであります。そうした中で、思い切った手を打たなければならないという思いの中でさまざまなことを考えてまいりました。  既に十一月十八日の政府経済対策、さらには十兆円の国債交付を含む金融安定化策法人税有価証券取引税地価税などの減税を盛り込んでいただいた十年度税制改正を既に決定していただいている中であります。この中でということで、思い切って九年度の補正において二兆円の特別減税を提案する決心をいたしまして、けさ、党の税調幹部の方、また与党幹部の方、さらに関係する閣僚に対してお集まりをいただきまして、こうした考え方のもとに二兆円の特別減税を九年度補正予算で実施したい、ぜひ協力をしてもらいたいという強い要請を私からいたしました。  これは、税制調査会関係者にとりましては、昨日まで次年度税制論議で御苦労をいただいておったわけであります。しかし、本件についてはぜひ早急に審議をしていただきたい、また与党幹部の皆さんに対しても、予算編成の日程などを踏まえて早急に与党内の手続をお進めいただきたい、また関係閣僚に対しましては、事務的にもこれは大変な作業になると思いますけれども、速やかに特別減税を実施できるように、与党の結論を踏まえて作業を行ってほしいということを指示した次第であります。  我々は今、日本発世界恐慌ということだけはどんなことがあっても避けなければなりません。そしてまた、避けると、それだけの強い決意を持ってこの時期に臨みたい、そのように考えております。
  12. 松村龍二

    松村龍二君 この問題については、今後ともぜひしっかりした継続的な措置をとっていただきたいと思うわけでございます。  さて、私は、日本海漁業、これもただいま質問したような切迫した状況にあるのではないかという認識に立ちまして、ぜひ総理にお骨折りいただきたいといった観点から質問をさせていただきたいと思います。  御承知のとおり、昨年七月二十日に国連海洋法条約締約国となりました。この国連海洋法条約締約国になった意味は、沿岸から二百海里を排他的経済水域として沿岸国がその資源管理する責めを負う、また管理することもできるといった内容を含むわけでございます。  これは日本海、特に能登半島から石川県、福井県、鳥取県、島根県等の地図でございます。(図表掲示領海線は十二海里です。この突出したところはこのように基線を引くことができるということになりましたので、この点線を引いてあるところが領海でございます。  ことし十一月六日にズワイガニの漁が解禁になりました。ズワイガニというのは、御承知のとおり鳥取島根の山陰のあたりから石川あたりで漁獲する漁でございますが、十一月六日まで一生懸命資源を保護するということで禁漁期間にいたしまして、この漁場へたどりつきましたところ、韓国船が既に九月から十一月までにわたってこの線、赤バッテンを示してあるようなところに出没いたしまして、日本の船はズワイガニ資源確保といった点から底刺し網という根こそぎとるような漁はいたさない、底びき網をするわけでありますけれども、底刺し網をする韓国漁船がここで我が物顔に漁をしているわけでございます。そしてそのために、日本の船が近づきますと、自分たち底刺し網をやっておるからこっちへ来るな、日本の底びき網が来ては網が壊れるからあっちへ行けあっちへ行けと、こういうことでございます。  そして、この越前町漁協というところの数字一つ見ましても、平和丸四四%、福洋丸五八%というふうに半分のズワイガニの漁しかできない。これは明らかに韓国漁船が漁をしているために落ち込んだわけでございます。漁民の怒りも限界に来ております。不測の事態が起きかねない状況にあり、大変心配をしている現状であります。私も現場へ行って漁民と話してきましたけれども、実力行使をしようかといった雰囲気にあるということを生の声として聞いてきたところでございます。  そして、冒頭申し上げましたように、現在の日韓漁業協定昭和四十年に結ばれまして、五年間はそのままだけれども五年を過ぎれば一方の申し出によって終了を通告することができるというふうな、日韓漁業協定十条にそのような記述があるわけでございますけれども、国連海洋法条約が成立いたしますと、例の竹島がちょうどこの東経百三十一度五十五分、北緯三十七度九分というところにあるわけでございます。この問題を無視して素直に二百海里ということになるとこの辺でございますが、両方の国の中間線ということになるとちょうどこの辺を通るわけでございます。  海洋法条約精神によれば、二百海里までの漁については沿岸国資源管理していろいろな規制もする、こういうことになっているのに、日韓漁業協定の交渉が進まないために、先ほど申しましたような、日本漁民ズワイガニを長くしっかりとろうという観点が全く無視されまして、松江、鳥取等ではカニ牧場ということでせっかく金をつぎ込んで魚礁等をつくっているのに、そこも根こそぎとられてしまうといったことで、海洋法条約精神が全く成り立っていないという状況にあるわけでございます。そして、漁民は一刻も早くこの日韓漁業協定がまとまることを期待しております。  日中漁業協定昭和五十年に成立いたしまして、先般、総理大臣も北京まで行かれてこの解決に御尽力されて、十一月には締結を見たところでございます。ぜひ、日本海漁業または漁民を守るために、日韓漁業協定早期締結に向けまして総理大臣の御努力を心から願うものでございます。
  13. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 従来から当該水域、さまざまな問題を内蔵しておりましたことは議員承知のとおりであります。例えば、我が国の海上保安庁の巡視船の配備にいたしましても、韓国防空ラインとの関係のためにヘリコプター搭載型の巡視船が配備できないといったような問題が現実に存在いたしておりました。  そうした状況を一方に持ちながら、我が国国連海洋法条約締結し、排他的経済水域を設定したことに伴いまして、この水域におきましても、水産資源に関する主権的な権利を保有すると同時に、資源の保存、管理に関する義務を負うことになったわけであります。  このため、本年一月から魚種別資源量的管理を行う漁獲可能量制度を導入いたしますとともに、外国漁船に対しても我が国資源の保存、管理のための規制と取り締まりを行うことができますように、中国、韓国との間で協議を行ってまいりました。  この結果、日中につきましては先般新協定の署名を行ったところでありますし、日韓につきましても、沿岸国主義に基づく資源の保存、管理を早急に図ることが必要であることは今議員が御指摘のとおりであります。このため、新たな漁業協定を早期に締結すべく、新海洋秩序の構築に向けて今鋭意最後の努力を続けております。ぜひ御激励をいただき、これがまとまりますように私どもも全力を尽くしたいと考えております。
  14. 松村龍二

    松村龍二君 私は、総理に対しまして外交の技術についてお話しするつもりは全くありませんが、先週出版されたばかりの本を読んでおりましたら、二人の韓国人が対談をしておりまして、「日本の外交べたを一番なんとかしてもらいたいと思っているんです。」、女性の韓国人です、「原理と原理、原則と原則をぶつけあって、自分たちの立場をはっきりさせることが、だいたい各国の外交のやり方ですね。」、「ぶつかりあいを、日本はできるだけしないようにしていると思います。」と。  今度は男性の広島大学の教授が、韓国人の方ですが、  韓国人はすぐに怒るでしょう。日本人はそれだけで驚いて、もうケンカだと思ってしまう。それは個人だったらわからないこともないですが、外交官だったら、そういう戦略なんだと思えばいいのに、もうこれは困ったことだと頭を抱えてしまう。個人のケンカと同じようにみてしまうらしくて、それが不思議ですね。  いつだったか、私が日韓のビジネス交渉の通訳をやって、韓国人が強い口調で言うのをそのまんま訳したんです。すると日本人は、「はい!はい!」と固くなって返事をするんです。というふうな記事がございました。  冒頭申し上げましたように、総理にこのことをお教えしょうというような気持ちは全くありませんけれども、日本海漁民ズワイガニの漁だけでなくてカニの漁で民宿をしておるといった問題、非常に日本経済全体も大変でございますけれども、この問題が大変にせっぱ詰まった問題である。そして、せっかく日韓漁業協定の十条には終了を通告すると。そうしますと、一年の間に交渉をし、それがもしも切れれば国連海洋法条約精神になる、こういうふうに私は理解しておりますので、ぜひこの窮状につきまして総理の絶大なる御関心をお願いするわけでございます。  さて、第三のテーマでございますが、ことしはお米の問題が全国的に大変な問題でございました。農林水産省の備蓄が、百五十万トンが適正量であるというのに三百七十万トンの備蓄ができてしまった。そして、米が値下がりするというようなことで、日本の持続的農業はどうして図られるんだろうかといったことが大変に心配されたわけでございます。  しかし、この問題に対しまして総理がリーダーシップを発揮していただきまして、大蔵大臣農林水産大臣、また生産者団体等が一生懸命協議いたしまして、二年間減反をすることによって生産量を減らして価格を安定させる、そして麦、大豆を転作でつくるといった新たな方向転換等がありまして、私も地元が米どころでございますので、ようやくこれで正月が迎えられると思って、総理大蔵大臣農林水産大臣等の御尽力に対しまして心から敬意を表する次第でございます。  しかし一面、ウルグアイ・ラウンド対策といったことも、ウルグアイ・ラウンド合意事項を受け入れたいきさつからいたしましても大変重要でございます。  私の地元でも、土地改良によりまして平野の下の方に生活排水のまじらないいい水が行くような土地改良が進んでおります。そして、塩害に悩む下流もございまして、ぜひいい水を届けてあげたいといった構想も進んでいるわけでございます。  また、農家の農山村中山間地におきます下水道事業、いわゆる集落排水等の事業も進行中でありまして、ぜひこのようなウルグアイ・ラウンド対策補正予算も含めましてしっかり手当てしていただきたい。また、冷え込んだ地方の建設関係に対しましても、この作業の継続は十二分に必要だというふうに認識するわけでございますが、ウルグアイ・ラウンド対策についてどのように対応していかれるのか、総理のお考えをお伺いします。
  15. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) ウルグアイ・ラウンド農業合意関連の対策は、農業合意を受け入れました後の農業の将来展望をいかに切り開いていくか、そして農村をいかに活性化を図っていくか、こうしたことから真に必要な事業として決定をされたものでありまして、今後ともに着実な推進が必要だということは議員指摘のとおりでございます。  同時に、この対策につきまして、「財政構造改革推進について」、六月三日の閣議決定に基づきまして事業内容を見直すということにもいたしております。この対策に係る経費の取り扱いにつきましては、事業内容の見直しとあわせて予算編成過程で検討する、こうしてまいったわけでございまして、現在政府部内で鋭意調整を行っている最中でございます。
  16. 松村龍二

    松村龍二君 どうもありがとうございました。
  17. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 総理には、けさ方まで大変御苦労さまでございました。  私は、国政に関する監察制度ということで最初に質問させていただきます。  御承知のとおり、国政に関する監察制度としては、行政執行に関する監察、行政執行の適法性、妥当性に対する監察としては、現在総務庁に行政監察局がございます。また予算執行、すなわち決算に関する監察としては会計検査院会計検査があります。  国の制度として国の政治全般に対する監察制度としてはこの二つがあるわけでございますが、まず最初に、行政執行に関する監察として行政監察局に関連してお伺いします。  御承知のとおり、現代の行政は対象範囲が非常に広くなっております。いろんな分野に行政が関与しなければならない。また、その行政の手法も非常に高度に技術化、専門化しております。このように現代の行政が対象も広く中身も非常に技術化、専門化している、こういう状況になりますと、現在の総務庁の行政監察局がずっと過去の経験を踏まえて一生懸命やってはおられるんですが、相手が変わってきているために、もう少し何らかの対策というか方法というか考えなければうまく機能しないんじゃないかと思いますが、この辺に関して、概括的な御意見で結構でございますが、総理は何か御意見をお持ちでしょうか。
  18. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) あるいはこれに続いての御質問にかかわるかと存じますけれども、私なりに感じていることを率直に申し上げたいと思います。  行政監察が行政の自己改革というものを進めていく上で極めて重要な役割を果たしているものであり、議員からも今御指摘のありましたような行政の複雑化、多様化、高度化といった中で、そうした取り巻く状況の変化に的確に対応していくことが常に求められている、これは議員の御指摘のとおりであります。  そして、こうした認識のもとに、最近では例えば特殊法人の財務諸表のディスクロージャーの推進、あるいは国有林野事業の経営改善など、時宜に即した監察というものにも取り組んでまいりました。先般の行政改革会議の最終報告あるいは行政改革委員会の最終意見におきましても、評価機能充実強化などが求められております。もし必要でありますならば、その中で示されております方向も申し上げさせていただきたいと思いますが、そうしたものを踏まえて、今後ともにやはり行政監察機能強化というものは、政府自身の中における監察機能強化、これは必要なことと受けとめて努力をしてまいりたい、そのように考えております。
  19. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 冗談半分に申し上げれば、行政府の役職の中で大変頑張っているなと私が思うのは、行政監察局と国税庁なんです。悪いことをしないで一生懸命よく頑張っておられる。  今申し上げたように、行政監察をきちんとやっていくことが真に国民から負託された国政を間違いなくやっていく大きなかなめ石だということで、今、総理から今回の省庁再編に関連してもお話しございましたが、行政監察局の職務範囲だとか、あるいは人的にも物的にも機能を拡大していくような方向にぜひお願いしたいと思います。  続いて今度は、予算執行決算に関する会計検査院による会計検査に関連してお伺いしたいと思います。  御承知のとおり、会計検査院は、国会内閣、裁判所という三権分立の三つの機関のほかに第四の機関として規定されている憲法上第四番目の機関なんです。非常に会計検査院の職務内容というのは重要である、こういうふうに考えます。  細かい点になりますけれども、会計検査院の人的組織に関連して幾つかお伺いしたいと思います。  まず、会計検査院検査官の問題なんです。  これは今まで何回も国会で取り上げられておりますけれども、会計検査院検査官の定数は三名です。しかし、この三名の検査官の出身内訳は、戦後から今日までほとんど五十年間検査官の枠が固定されております。検査院の出身者と大蔵省の出身者と国会の出身者というこの三つの類型の中からそれぞれ選ばれて三名で構成されている。ただ、これは橋本総理のお考えかどうか知りませんが、本年に入りまして、二月一日に同じ行政のOBではあるけれども大蔵省ではなしに総務庁出身の方が一名検査官に入られた。さらに、八月一日には民間の私立大学の教授が一名検査官となられた。そういう意味で先ほど申し上げた三名の枠組みというのは崩れているわけでありますが、たまたま今回こういう形になって、この次またもとに戻って三つの枠組みからというんでは困ると思うので、この辺で総理の考えをお伺いしたい。  特に、大蔵省出身の方が五十年間も何で検査官をやっているんだろうか、私には全然理解できない。なぜかといえば、きのうまで検査されていた人がきょうは検査の方へ回るなんというんでは、子供の鬼ごっこじゃあるまいし、鬼になったりつかまったり、これを繰り返しているようなことじゃまことにおかしなことだと思うんですが、何でこれ五十年間も続いているんだろうか。  いずれにせよ、今回、橋本総理のもとにおいてこの枠組みが、三名のうち二人がかわったということは大変すばらしいことだと思うんですが、この辺に関して総理の御意見をお伺いしたいと思います。
  20. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) まず一点、最初に、その行政監察というものをもっとこれから強くしていけ、そういう御指摘をいただきましたことに感謝を申し上げます。  今回、行政改革会議で議論をいたしました中にはさまざまな問題がありましたが、各省を超えた全政府レベルの評価機能を担っている現在の総務庁行政監察局、その行政監察機能については内閣機能強化の一環として新たに設置する総務省に引き継ぎますとともに、さらに充実強化を図るという方向を打ち出しております。  具体的には、「各省の評価部門との連携、客観的で公正な評価方法の確立、評価の迅速化と結果の公開、評価結果の政策立案部門への適切なフィードバック、調査対象の拡充と権限の明確化など、評価・監視機能の十分な発揮のための工夫を行う。」、このような中身をこの中では定めております。また、その公共事業に対する費用対効果分析重要性にかんがみまして、その仕組みの確立と実効性の確保において総務省の行政評価・監察機能を活用しつつ、新たに創設する独立行政法人の評価の客観性を担保するために、総務省に評価委員会を置いて総務省の行政評価・監察機能を担当する部局を事務局にする、このような役割を担わせようといたしておりまして、これは議員の御指摘の方向にまさに沿うものと考えております。  また、会計検査院機能についてもその一層の強化を図るべきだという提言をいただいておりまして、当然のことながら、これは憲法上で定められております内閣に対し独立の地位を有する機関、こうした立場で一層お働きを願わなければなりません。  そこで、その検査会議の構成員であります検査官、これは行財政あるいは法律関係について豊富な知識と経験に基づいて公正な判断力を有する、こうしたことが強く要請をされておるわけでありまして、私は、過去の内閣においてもこうした点は十分に念頭に置かれながら、それぞれの方々のむしろ過去の経歴にとらわれるのではなくて適性の有無によって検査官の人選を行ってきた、そして両議院の同意を得て発令してきたと考えております。  たまたま私は今回、各省OBではあっても大蔵省のOBではない、議員のお言葉をそのままにかりますとそういう方を選び、また民間の学識者の中からどなたか受けていただける方をということで随分考えました。ただ、検査官という仕事の性格上、兼務のお仕事をお持ちである方にはその仕事をやめていただかなきゃならない、当然のことながら守秘義務は非常に厳しくかかる、そうなりますと、なかなかそういういい方だなと思う方もこたえていただけない方もございます。  金子さん、お名前を挙げて恐縮でありますけれども、結局大学を途中で引く決心をしていただき、その上で検査官に御就任をいただいたわけでありまして、こうしたことを考えますと、処遇の面あるいはこうした方々を任用いたします場合の工夫というものは、現行制度を超えてまた考えなければならない部分があるような思いを持ちながら、幸いにこうした問題に取り組んでみようと言っていただく適格者を探し得たことを私はほっとした気持ちで国会にも御同意のお願いを申し上げました。  私は、これから先も私と同じように、皆適格者を求める、それぞれの時期において、考えに変わりはないものと思います。そして、それは必ずしもその出身がどこであるということにこだわるのではなく、本当に検査官としての仕事に適格性を持たれる方を全力を挙げて選ぼうとなさるに違いないと、私はそのように信じております。
  21. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 揚げ足取りをするわけじゃありませんけれども、五十年の間、今総理が言われたような非常に立派な適格者が、大蔵省のOBだけがずっと五十年間というのも私は余り納得はできませんけれども、総理とすればそう言わざるを得ない、そうでないと今までの人がおかしくなってしまうという面もありますから、そういうことでございましょう。  あと、検査院の職員の交流問題について伺おうと思いましたが時間がありませんので、検査院の職員の他省庁職員と違ったような取り扱いということをもう少し考えたらどうなんだろうかと思うんです。それは会計検査院の職員のためにではなくして、会計検査院の職分というか機能を真に充実、発揮するための方策として職員のことをもう少し考えてみたらどうなんだろう、こう思うんです。  例えば、今は会計検査院の職員も一般職の職員として同じように採用されている。その辺の採用についても、例えば会計検査院職員という採用方法というふうなものを考えてみたらどうなんだろうか。あるいは会計検査院は、天下り先という表現は適切じゃないかもしれませんが、余り業界や特殊法人との関係がないから天下り先もないというふうなことも考えると、定年を一般職の六十歳よりも五年なり七年ぐらい延ばして一生懸命やってくれというふうなこと。あるいはせっかく会計検査院検査業務を一生懸命三十年、四十年やったのだから、これが退職後に生きるような仕事というものも考えてみたらどうなんだろうか。  今申し上げたことは、何度も申し上げますけれども、会計検査院の職員のためではないんです。会計検査院の職責を本当に効果あらしめるためには、そういう方策も考えたらどうなんだろうと。  最後に申し上げた在職中の仕事が生かせるかどうかということに関しましては、ことし六月の地方自治法の改正によって、地方自治体が外部監査契約締結をせよということになった場合の外部監査契約締結の資格者として会計検査院の職員が規定されております。  採用と定年と退職後の職域みたいなことに関して総理に何らかのお考えがあれば、これはすぐにどうこうという問題じゃありませんけれども、総理の頭の中の片隅にでも置いておいて考えていただいたらとも思うんですが、いかがでしょうか。
  22. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 確かに、今議員からも御指摘がございましたように、会計検査院検査に従事しております職員は一般職の職員でございます。  議員の御議論をそのまま仮に移しかえますと、例えばこれを特別職にしてしまうという考え方が一つあり得ると思います。しかし、その場合には俸給表を独自に作成することになりましょうし、また採用試験が独自に実施されるということになろうと思います。これは検査院長にむしろ実際に御検討いただいて、総合的にどちらがメリットがあるのかというようなことをお考えいただく必要があろうかと思います。  いずれにいたしましても、もう一つ提起をされました定年の延長問題などを含めまして、広く言うなら公務員制度全般に係る問題でもございますし、それなりの慎重な検討は必要であろうと思います。  ただ、今の議員の御議論を生かすとすれば、特別職の公務員とし独自の俸給表を作成し採用試験を独自に行う、その方が人材を得やすいのか、あるいは一般職の中から適材を選ぶ方がより望ましいのか。さらに、その御論議の中につけ加えるといたしますならば、中途任用で、中途で他の分野で活躍しておられる方を特例任用の形で調査官に迎えるといったこともあるいは考えるべきことなのかもしれません。こうした点、一度時間を見まして検査院長とお話をいたしてみたい、そのように思います。  なお、定年退職された後の就業につきましては、再就職を希望する職員の方にはこれまでの検査経験というものを生かした職場に就職できるように検査院自身が努力をしておられると聞いておりますが、いずれにいたしましても、今いただきましたお話は一つの宿題としてお預けをいただき、会計検査院長、事務当局ともよく相談をしてみたい、そのように思います。
  23. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 どうもありがとうございました。  それからもう一つ、会計検査院に関連しての問題で総理のお考えを伺っておきたいと思います。  先ほど決算委員長の方からも国会法の改正に関連して、各ハウスからの会計検査院に対する調査依頼というか調査要求というか、お話がございました。  私は、会計検査院が本当に国民のために機能するためには、国民から会計検査院に対し、この問題はまことに疑わしいことが多過ぎるから会計検査院として検査してくれというふうな国民からの検査請求というか検査要求というか、そういうふうな権利を国民に認め、また会計検査院がそれに対応して適切な会計検査を行うというふうなことも考えていいんじゃなかろうかと思うんです。  地方自治体の場合には住民の監査請求が地方自治法上規定されているんですが、どうも国の方は偉過ぎるのか、国民は遠くはるかにかすんでいて、直接的な権利がほとんど規定されていない。ですから、いつもよく冗談に言うんですが、国民は主権者だというけれども、その主権者である国民が非常に偉い、主権者らしいのは選挙の投票するときだけで、投票してしまったら後は主権者は焼き鳥屋で一杯飲んでいるだけだと、こういうことになってしまう。それに対して地方自治法は住民に対して各種の権利を与えている。  その中で、国民が新しく持つべき、持ってもいいんじゃなかろうかという権利の一つとして、会計検査院に対する検査請求というふうなものもあってもいいんじゃなかろうかと思いますが、これもまた総理あるいは会計検査院もいろいろ御意見がおありでしょうが、まず総理、これどんなお考えでしょうか。
  24. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 私は、間接的な形になってはおりますけれども、まさに今回法改正によって国会から会計検査院に対して検査要請の制度ができた。これはまさに国民の声を会計検査に生かしていくというその大きな前進だと思うんです。  今でも、国会での御論議、あるいは民意を代表するもう一つの分野の代表としてのマスメディアによる報道、そうしたものを念頭に置かれながら検査院検査をしてこられたように私は思います。また、その中には当然国民からの情報提供というものを生かした検査というものにも気を配っておられたように私は思っておりました。そして、特にやはり、お一人お一人の国民の声に会計検査院が全部こたえるということは現実上なかなか無理があるところがありますから、その国民の声を受けて国会からなされる検査要請、この制度が生かされることが一番実効の上がる方法ではないか、私はそのような思いで今回の法改正を見ておった次第でございます。
  25. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 行政監察及び会計検査に関していろいろ総理の御意見をお伺いしたりしたのは、ともかく行政が余りに肥大化して国民から非常に遠く離れている現況を何とか国民の権利回復というか、そのためにいろいろ努力をお願いしたい、こういうことで質問させてもらいました。  あと、次のテーマとして、国有林野特別会計の問題についてお伺いしたいと思うんですが、質問というよりは、私は何回も申し上げていて総理ももう聞き飽きたかもしれませんけれども、国有林野特別会計の現在の三兆八千億円というこの累積債務はだれが責任を持つべきかといったときに、私は歴代農水大臣と農水省高級官僚が全く責任を負うべきものだと。これ、国民の方へ持ってこられたらたまったものじゃないという観点から、時間もありませんので、ちょっとどうしても申し上げたいんです、総理。  要するに農水省は、昭和五十年まで黒字だった国有林野特別会計が五十一年、五十二年に少し赤字になってきた、赤字になってきたから、これを直そうということで五十三年に第一次事業改善計画をつくったわけです。これを十年間で事業収入、事業支出はとんとんにしますという計画を立てて、七年目に打ち切ったんです。  なぜ打ち切ったかというと、十年間でゼロにするんじゃなくて、毎年毎年ふえることはあっても減らないんです。だから、五十三年に第一次計画をつくって、七年目になってこれはだめだと。この事業改善計画はだめだというのならいいけれども、七年目になったら今度は第二次事業計画にすとんと変身してしまうんです。それで、また十年間で収支とんとんにしますよと。  この第二次改善計画は四年間やってもうやめた、やめたんじゃなくて、また第三次改善計画へすとんと行くわけです。しかもこれが、五十三年につくってから、十年間で事業収支はとんとんにします、要するにイコールゼロにしますと言っていながら、毎年毎年ふえ続けているにもかかわらず、第一次計画は七年目になってできそうもないからやめようと。やめて、もうそこで国有林野特別会計を抜本的に改革するのならいいけれども、今まで七年やって全然成果が上がらないんじゃなくて借金がふえている。これはだめだというのならいいけれども、今度またそれをほおかぶりして第二次計画をやる。第二次計画は四年間やって、これはだめだといってまたほおかぶりして第三次計画だと。第三次計画をやって、これもまた赤字がどんどんふえるばかりだ。そうしたら、五年目になったらまたやめたと。やめて今度は第四次計画、また十年間でとんとんにすると。  四回もうそを言って、仏様の顔も三度というけれども、これは四回ですよ。それで、できもせぬということをわかっていながらしゃあしゃあと、しゃあしゃあとという言葉は汚いけれども、本当にともかくひどい話ですよ。もう本当に言葉がない、これは。四回もやって、できないからというのでやめるのならいいけれども、第一次計画はやめたけれども次へ行ってまたほおかむりしてやっている。  この国有林野の三兆八千億円の借金は、私は歴代林野庁長官が払ってもらいたい、歴代農水大臣が払ってもらいたいと思うんです。国民に持ってくるようなものじゃないですよ、これは。言っていて、これは質問だか私の怒りをぶつけているのかわかりません。私は、総理にこれを処理するときにその点をともかく考えてもらいたいんです。これじゃ国民は踏んづけられてたまったものじゃないですよ。  原因がどこにあるかとかどうとかは別にして、ともかくひど過ぎる。だから、いずれにせよこの四兆円近い借金は処理しなきゃならないんでしょうけれども、国鉄債務処理とはまた違うと私は思うんです。国鉄債務はまだ人件費の問題もいろいろあるけれども、それでも赤字路線を運行したという公共事業的側面があったんです、国鉄の場合には。国有林野の場合にはそういう側面が何もなしに無為無策、無責任、ほおかむり。その二十二年間のツケが三兆八千億円なんです。  その点をぜひとも、今後国有林野特別会計の赤字処理に際しては、総理としてはその原因をよく考えて、これは国民に負担していただけるような筋合いのものじゃないと私は思いますが、その辺についての総理の包括的な御意見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  26. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 大変お答えしにくい御質問をいただきました。  と申しますのは、私は山登りが好きでありまして、若いときは国内の山を中心に歩いておりましたから、その意味で当時からの林野行政について申したいことは全くないわけではございません。そして、営利の対象になる山を切り開きましたときにも、その後の植林等につきまして言いたいことを持ち、また現にそうした発言もしてまいりました。  ただ、やはりその中で、議員の御発言にもかかわらず私思いますのは、国民の生活様式が変化をしてくる中で、木材というものが建材としてのウエートが非常に落ちてきている。そしてその価格というものは低迷してきた。これがやはり財務状況を悪化させてきたということは認めなきゃならないと思うんです。そして、お互いの生活様式の中で木材外の部分に頼る部分が非常にふえてきた。これはエネルギー供給構造の上からもそうでありまして、森林から供給されるエネルギー源というものが今我々の暮らしの中にどれだけの頻度で登場するかを考えますと、こうした部分にも国民の暮らしの大きな変化に対して林野というものが新たな役割を見出し得ないまま今日に至ったという点も私は否定できないと思います。  そして、決して林野庁を弁護するわけではありませんけれども、私はその間の新たな植林への努力、あるいは非常に膨大でありました林野関係職員の定数の減、これは最盛期には逆に自動のこによる振動障害といった職業病も発生させながらの経営であったわけでありますけれども、こうしたものに対する対応等々、さまざまな努力はなされてきたと思います。  そして、なぜこれを申し上げるかといいますと、私はことしの京都におけるCOP3を振り返りましたときに、林野というものが国民の生活の中で占める役割というものを改めて見直される機会がここに来たのではないだろうか。我々は、このCOP3に臨む上で、技術的な積み上げを中心にして削減目標を立ててまいりました。不確定な要素のものをむしろ排除して臨んだわけです。しかし、世界の大勢は、森林というものの持つ温室効果ガスの吸収源としての役割を非常に積極的に認める、そして評価する、そして拡大していこうという方向にあります。  今、国民の負担に持っていくのはけしからぬというお話がございました。確かに、私は、過去の債務すべてを国民にお願いするというような性格のものではないと思います。しかし、その上で、これから先の森林整備というものは、地球温暖化に対抗する自然の力を借りての吸収源の役割というものは我々の挑戦の中に組み込まれてしかるべきでありましょう。  そして、そうした観点から、あえて私は国民の負担という言葉は使いません。国民が森林というものにもつと目を向けていただくこと、そしてその機能というものを拡大していく方向に世間が動くこと、その中で現在の国有林の抱えております課題もまた解決に向かうことを心から願っております。
  27. 猪熊重二

    ○猪熊重二君 御丁寧な答弁、まことにそのとおり。私も森林の公益的機能というようなことを五年ぐらい前にも農水省に言っているんです。三兆八千億円のうち本当に国民が負担すべきものは十年分ぐらいのはずだという冗談を申し上げて、質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  28. 小川勝也

    ○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。  総理に対しましては、クアラルンプールからお戻りになられたばかりで、午前中の記者会見、そしてきょうの決算委員会への御出席、まことにお忙しい中の御出席に心から敬意を表させていただきたいと思いますし、私も総理に敬意を表させていただいて三つボタンのスーツを着てまいりました。  それはいいんですけれども、財政経済と政策に関するテーマで総理に御質問を申し上げたいと通告をしておりましたが、自民党内のいろいろ景気対策の話も進んでまいりました。そしてけさ総理の会見等、状況が少し変わってまいりましたので質問の内容が少し変わるかもしれませんが、総理のお言葉でお答えをいただきたいと思っております。  まず、減税そのものでございますが、今の経済状況をいろいろ考えますと遅きに失したとか、何で今ごろという気持ちは当然ございますけれども、総理の御決断に評価をいたしたいと思います。この減税につきましては、いつごろどのように御判断をされたのか、まずそこからお伺いをしたいと思います。
  29. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) これは細部にわたって申し上げることはお許しをいただきたいと存じますけれども、全く今まで頭の中になかったのかと言われるなら、そういう課題ではありませんでした。しかし、迷っておりましたことも事実です。  今回、ASEANとの首脳会談に入りまして、初日は中国、韓国日本ASEAN、二日目はASEAN日本、そうした中で、各国の首脳たち、それぞれの国の状況についてお互いに非常に率直な論議を交わしてまいりました。そうした中で、アジアの経済状況は極めて厳しい、これは我が国に報道で伝えられ、あるいはいろいろな資料等で我々が拝見をし、予測をしていた以上に厳しい状況にある。  そうした状況の中で、我が国自身の経済を振り返りましても、家計企業景況感に非常に厳しいものがある。また、金融システムの問題一つをとりましても不安定さが残っている。アジアの経済状況もまた国民にとっては不安感を助長するものになる。こうした状況を考えてまいりますと、改めて思い切った施策の採用が必要と、まさにクアラルンプールの二晩というのは、そういう思いを自分の中で交わし続ける二晩でございました。
  30. 小川勝也

    ○小川勝也君 実は私どもも、総理が御決断された、あるいはお迷いになっていたという景気、経済の見通しについては、同じ危機感といいますか絶望感を持っておりました。  巷間言われておりますことに五、二、二などという言葉がございます。御案内のとおり、消費税増税分、そして減税の取りやめ分、あるいは医療費の負担がふえた、そんなことで国民に九兆円の負担が強いられている。  そして、超低金利政策により預貯金の金利分が国民の所得から目減りをしておる。あるいは、財政構造改革公共事業等の扱いの問題、さまざまなマインドを冷やす状況が重なっております。そして、経済の実態はといえば、金融機関中心に不良債権や土地資産の塩漬けの問題、そして今、総理が行ってこられましたアジアの金融・通貨危機の問題がございます。  いろいろと経済指標を見ておりますと、国内需要は厳しい状況にありますけれども、そんな中で輸出が我が国経済の底支えをしておった。そして、特に輸出産業はアジアのマーケットの比率が非常に高くなっておる。そのアジアのマーケットがこんな状況であるものですから、アジアの通貨危機以降、日本経済は本当に逼迫した局面になっているのではないかなというふうに私も判断をさせていただいておりました。  そんな中で、今、総理の胸中のお話もございました。減税の発表、そして党内でまとめられましたさまざまな景気対策の実施に移っていくわけでございますけれども、これは少し皮肉な言い方になるかもしれませんが、特に大変な御決断をいただいたと思っております。それは私は、総理の御決断が名を捨てて実をとったと、そういうふうに言えると考えるからであります。  今まで野党が、新進党あるいは民主党が、こんな財政構造改革だけやったんじゃ国が大変だよ、減税もやったらどうですかとさまざまな機会を通じて議論をさせていただいておりました。総理は、財政構造改革に主眼を置き歳出の削減に力を入れたい、減税はできないという御発言を繰り返していたのでございます。  先ほど、総理にアジアから帰ってきて大変ですねというふうにお声かけを申し上げましたけれども、総理大臣という仕事はまことに大変な仕事だと私も思います。現に、きょうも総理の会見を受けて株価が五百二十円ですか、前場でございますけれども持ち直しました。それは、先日の自民党内の案がまとまったときにはもう反応しなかった。それほど総理の御発言が大きいし、総理の御決断が日本経済、いや世界にまで影響を及ぼすというそんな時期でございます。  そんな中で、今指摘をしましたように経済構造改革を最優先する、そして赤字国債は発行しない、そして減税もできないんだというふうなニュアンスでお答えをいただいておりました。今までの総理の御発言と今回の決断との整合性がとれるんだろうかという疑問が生じてまいります。この辺についての総理の御答弁をお願いしたいと思います。
  31. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 御批判はどうぞお気持ちのとおりになさっていただいて何ら私はそれを否定はいたしません。  しかし、よくお考えいただきたいのは、アジア全体で総輸入は約三千億ドルぐらいです。そのうち一千億ドルぐらいを部品で占めています。言いかえれば、アジアの経済の弱みどいいますか、直していかなければならない部分のポイントは部品供給であります。そして、その一千億ドルぐらいの部品のうちの約四百億ドルを日本からの輸出が占めております。  そういう構造の中で将来を論じましたときに、危機感を持ったおまえがばかだとおっしゃるならおっしゃっていただいて結構でありますけれども、私はそれなりの問題意識を持って悪いとは思っておりません。そして、どう申し上げればいいのか非常に言葉を選ばなければなりませんが、非常に真剣な論議がこの中で行われました。同時に、私自身、我が国財政というものが主要国中最悪の状況にあるんだ、そして現在の財政構造をこのままに放置すれば将来財政赤字を含めた国民負担率が七〇%にもなるんだ、双子の赤字を抱えて国民の生活水準も低下してしまうと見込まれる、財政構造改革をやめるわけにはいかないんだということも私はその場でも申し上げてまいりました。その思いは今も同じであります。  その上で、昨日取りまとめられました平成十年度の税制改正の内容、既に御承知のように、法人税の実質減税有価証券取引税の税率半減、地価税の課税停止等、この空気を変えていくためのそれぞれの対策が税の世界でも盛り込まれました。これをもう一つ押す、もう一つ押すものが要る、効果的に押すものが要る。恐らくあなたが今されたような議論をなさる方があるだろう。しかし、それは十分伺うけれども、国を建てていくためには御批判は受ければいい、必要なことはするんだという思いで決心をしたものでございます。
  32. 小川勝也

    ○小川勝也君 総理の御決断と御判断、そして今回の政策については一定の評価をするものでございます。  私の質問の仕方が悪かったのでございましょうか、私どもは今回の法人税改正あるいは土地問題、そして有価証券の問題等の政策については当然賛意を表せられるものでございますが、なぜ今ごろなのかという疑問が残るわけでございます。  先ほど総理の決断やビヘービアが日本国民のみならず大きな効果、そしていろんな経済的事象や消費マインドにも影響するというふうに申し上げました。あるエコノミストの言葉に、今の不況は政策不況だという言葉がございました。総理がもっと早く御決断をされていれば、このようなひどい景気あるいは経済状況にならずに済んだものじゃないかなというふうに私は思っているのでございます。  と申しますのも、今申し上げましたようなさまざまな事象が重なり合っておりまして、財政構造改革が将来にわたって大変重要な問題であることは私どももよく認識をしております。そんな中で、財政構造を改革して来年度に向けて税収の伸びが全く期待できないという状況は、いろんな評論家、エコノミスト、経済学者に聞いても口をそろえて言うのでございます。財布のひもを締めて次の年に上がってくるものが少ないということになりますと、当然次の年の財政運営がまた厳しくなるのは明白でございます。そんな中で、なぜこの減税であるとか景気刺激策が今ごろになって発表されてきたのかという疑問を持っているから申し上げるのでございます。  そして、財政構造改革が重要だから景気対策はなかなか行わない。今回の自民党内からまとまってきたものをいかに具現化させていくのかはまだわかりませんけれども、どうも総理のリーダーシップが揺らいできているのではないかなというふうに国民はとらえていると思います。  リーダーの条件というのは幾つかあるかと思います。例えば君子豹変すとか朝令暮改とか、考え方を変えるにはいろいろな評価が与えられると思います。例えば、橋本総理に例をとりますと、ある国務大臣を任命して、その大臣がやめるときにその大臣をかばわない、あるいは預金者保護だと言い続けた法案が実態的に金融機関を守るための法案であったり、そして、財政構造改革を優先させるからそれ以外の負担を強いられるような施策がとれないんだと言っていたにもかかわらず、今回の施策がとられる。これは国民に関して言えば、橋本総理は何を考えているんだろうというような疑問を持つと私は思うのでございます。  そして、まだどのように処理されるかわかりませんけれども、十兆円の新型国債の問題、これはさまざまな議論を私は国民の間にも呼ぶものであると思います。  私どもは、かねてより主張申し上げておりました。建設国債と赤字国債の区別、この問題さえもなかなかクリアされていないのに、将来に向けてもっと透明にしていかなければならないという主張が多々ある中に、新型国債という言葉じりの問題ですり抜けようとするものでございます。将来、国民にツケが回ってくるということに関して言うと、赤字国債そのものでございますし、財政構造改革の中から赤字国債の発行比率を自分の首を絞めるように制限したのも橋本内閣でございます。  新型国債をめぐっての議論の中に、国民が支持をしておらないというパーセンテージも私は見せていただきました。総理大臣の重い発言が国民に影響力を与えるその職責の中で、将来のことを思って大事だと思った施策を実行する勇気には心から敬意を表させていただきますけれども、さまざまな問題がそこに横たわっているのではないかなというふうに思います。  総理に御反論があればお伺いをしておきたいと思います。
  33. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 議員の御見識に反論を申し上げるほど私はうぬぼれておりません。むしろ、毎朝自分の顔を洗面のとき鏡で見ながら、きょう一日この国が無事で済めばいいと思い続けているのが責任者というものでございます。恐らく責任者はだれでもそうでありましょう。ですから、どうぞ議員の御意見を十分にお述べをいただき、拝聴させていただきます。
  34. 小川勝也

    ○小川勝也君 総理の率直なお言葉だったと思います。  行政改革も私どもに言わせますと中途半端な表面だけの施策であるし、今回の財政構造改革にぎりぎりすれすれで抵触しないんだという政策、それは苦悩の中に導き出された結論だと思います。  そんな中で、思い切った改革が必要な分野というのがたくさんあるんだと思います。総理の政治的な御経歴から私が勝手に判断するのでございますけれども、例えば、こういう政策を実行しようとすれば党内のどの勢力がどのような反発をするであろうか、あるいはこういう政策を実行しようとすれば何々省が反対をするだろう、すべてそういうのが頭の中にインプットされているお方だと思います。今の経済状況一つとりましても大変大きな問題ですけれども、これは今までのように景気が悪いから何らかの景気対策をすればもとどおりよくなるという、そのような甘い状況でないことは総理が一番御存じだと思います。行政改革や、あるいはさまざまな改革を今目をつぶって通り過ぎてはいけない、そんな課題だと思います。  そして、世界の中の日本ということもそうでありましょう、日本国内だけで解決できない問題もあります。今までと同じように、きのうまでこうしてきたから一歩前進しょうというだけではなくて、二十一世紀にどんな国をつくりたいか、どんな国にしたいのか、国民の皆さんに、あるいは我々野党にも提示をしていただく、そんな場面も必要ではないかなというふうに思います。総理の御決断、少しは評価させていただきますけれども、一歩前進型、過去踏襲型政策の延長と私どもは言わざるを得ないと思います。  最後に一つだけ質問をして終わらせていただきたいと思いますが、自民党内からいろいろな案が来ております。土地流動化対策、そして株式市場対策の二点についてお考えをお伺いしたいと思います。  この際、私はバブル経済の教訓もありますけれども、土地を動かすことが経済に与える影響が非常に大きいし、そのことが遠回しに金融機関の足腰を強めることにもなると思います。そして、バブル経済が発生したような、あつものに懲りてなますを吹くようなことはほとんど必要ないと思いますし、あるいは有価証券取引税の問題、二段階ということで一定の評価をさせていただいておりますが、思い切って全廃をするという方法も残されていると思います。  その二点について総理大臣から御答弁をいただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  35. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 私は、御意見は御意見として拝聴いたします。  その上で申し上げたいこと、今議員はさまざまな御意見を述べられましたが、本院のこの部屋において、かつて土地基本法が生まれる前に土地の問題でどのような議論がなされたか、過去の議論もぜひ一度お目通しをいただきたいと思うのです。そして、その当時、土地というものについて税がどちらに働くかというものは土地基本法によるルールということが、私が御答弁を申し上げたことでありました。院の意思として土地基本法は制定をされました。その中で地価税が生まれ、今日に至っております。そして、土地流動化、土地の取引の活性化が必要であること、そのための容積率からさまざまな手段を今講じておりますことは議員も既に御承知のことであります。しかし、土地基本法は変わっておりません。そして、我々は法律の中で仕事をいたします。定められた法の精神を逸脱することはできません。  そうした点も十分にお考えをいただき、御論議を賜り、議員の指し示される現状と離れたすばらしい案をどうぞ我々にお教えいただきたい、心からお願いをいたします。
  36. 小川勝也

    ○小川勝也君 有取税のこと。
  37. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 何かあれば答えろという御質問でありましたので、有取税、既に方針を決めておりますので、それ以上の御説明を控えました。
  38. 小川勝也

    ○小川勝也君 質問を終わります。
  39. 谷本巍

    ○谷本巍君 総理、御苦労さまでした。  公共事業の見直し問題について伺いたいと存じます。  総理は、先般、平成十年度予算編成に向けて公共事業の見直しを関係閣僚に指示したと伺っております。その際総理は、国の公共事業を原則五年で見直すことにし、事業決定後も工事の進まぬものについては再評価する、時のアセスを平成十年度予算から導入するよう指示したと伝えられております。既に、全国各地で公共事業の見直し論議が起こっております。こうした機運を一層盛り上げていかなければなりません。  しかし、再評価等の仕方いかんによっては、これが単なる現状追認に陥る場合もなしといたしません。そうさせてはならぬのであります。そうならぬようにするのにはどんな評価基準をつくっていくか、評価の方法、手法、手続の透明性等々のありようにかかってくると思われます。そこで、私は以下三点を重視すべきではないかということで総理に申し上げたいのです。  まず第一点は、評価の客観性確保のための評価機関の設置とその民主的な構成であります。二つ目の問題は、費用対効果の分析と、分析に当たっては、これはなかなか難しいと存じますけれども、環境への影響についても加味をしていくということ。それから三つ目については、評価結果の公表であります。こうした諸点が具体化されていくなら見直しの成果が上がると私は思います。  これらの点についての検討論議をぜひ行うべきではないかと考えますが、総理の御所見を承りたいのです。
  40. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 再評価につきまして一点、議員の御発言の中で五年という年次を限定されました。  実は私は、この公共事業の再評価システムを導入したい、そのときに申しましたのは事業採択後一定期間経過後でという言い方をいたしました。というのは、公共事業の種類によって多少その時間に差があると私は思うんです。ですから、事業によりましてこの期間は変わると思いまして、五年というあえて一つの尺度には当てはめませんでした。  そしてその上で、今議員から御主張のありました三点、これは本当にどれも客観性と透明性の確保という観点から重要な御指摘だと思います。  評価機関につきましての客観性の確保、これは、機関自体のあり方あるいは評価基準、手続及び結果の公表、こうしたことを総合的に検討することが必要だと思います。  また、費用対効果につきましては積極的に活用するよう同じときに指示をいたしたわけでありますが、非常に今の時点では環境への影響というものを数量化して評価するという点は困難性がございます。ただ、環境影響評価を適切に運用することによって環境への配慮に努めていきたい、そのように思います。  さらに、評価結果の公表、これはもう透明性を確保する上からも積極的に行うべきだと考えておりまして、議員の御指摘、この環境影響評価の数字はちょっと難しいと思いますけれども、あとのところは大体同様の方向を考えております。
  41. 谷本巍

    ○谷本巍君 総理、くどいようですが、この環境影響評価ですね、これはもうぜひひとつ、技術的に難しい点がありますけれども力を込めてやっていただきたい、この点をお願いしておきます。  次に、建設大臣に建設省のダム事業の見直しについて伺いたいと存じます。  総理が指示されました時のアセスを先取りする形で建設省は全国ダム事業の総点検を行い、平成十年から十二カ所のダムの中止または休止を決定されたようであります。  ただ、この中身を見てみますと、中止、休止が決まったもののほとんどが調査段階のものでありまして、基本計画が決まって走り出しているものはただの一カ所だけということでありました。大臣、これでは調査段階のものを犠牲に問題のある建設中のものを先送りしたのじゃないかという批判が現に出ております。それからまた、一たん動き始めたものはなかなか変えないというお役所流のやり方、それが今なお続いているのではないかという批判の声もあります。現に、建設省のダム事業の総点検の中では、建設を中止、休止するもののほか、多数の足踏み状態にあるものが挙げられております。  そこで、先般の総理の指示を受け、さらにダムの必要性、緊急性について点検を重ねながら一層の見直しを行うべきではないかと思うのでありますが、その点についての大臣の御所見を伺いたいのです。
  42. 瓦力

    国務大臣(瓦力君) 委員指摘の足踏みダムについてでございますが、ダムの必要性委員御案内のとおり洪水、渇水等の問題を含めそれぞれに生活上も欠くことのできないものとして考えておるわけでございまして、また時のアセスにつきましては、これは長時間かかるものでございますから、その時折の点検また調査等をするわけでございます。  今の足踏み状態のダムでございますけれども、これにつきましては、厳しい財政状況の中でございますので、結果として平成十年度に最低限必要な基礎的調査以外に工事や調査を進めることができない、こういうことで足踏み状態にせざるを得なかった、こういうことでございます。  地元地方からダムに対する要請、要望が強いわけでありますが、ダムにつきましては、こういう環境を踏まえながらも、不断に必要性であるとか緊急性、さらに地元の状況におきまして点検等を随時行いながら見直しをしていかなきゃならぬ。言ってみますれば、時のアセスというよりは財政上の問題もありまして、いろいろダムの予算上の調整も行っておるということを御理解賜りたいと思うんです。
  43. 谷本巍

    ○谷本巍君 それで大臣、建設を休止するダムでありましても、私は中止してしかるべきものが幾つかあるんではないかと思うんです。  例えば、徳島県の細川内ダム、それから大分県の矢田ダムの場合がそれではないでしょうか。この二つのダムは、地元自治体と住民の強い反対があり、平成六年度決算検査報告でも取り上げられてまいりました。検査報告はこの二つのダムについて何と言ってきたか。「地域住民の意見を十分考慮し、事業のあり方などについて総合的な調整を図る。」ということを言っておるのであります。  建設省として、今後こうしたダムについての建設中止の判断を下すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  44. 尾田栄章

    説明員(尾田栄章君) 個別のダムのお話でございますので、まず私の方から細川内ダム、矢田ダムの個別のダムの考え方につきまして御説明をさせていただきたいと思います。  先生御指摘のとおり、細川内ダム、矢田ダム、それぞれ昭和四十七年から実施計画調査にかかっておるダムでございます。そして、水没地におきまして大変強い反対運動がございまして、現在膠着状態にある、そういう状況にございます。一方、下流の受益地におきましては、洪水調節あるいは渇水対策として強い期待も寄せられている、そういう状況にあるわけでございます。  そういう中で、細川内ダムにつきましては、ダム等審議委員会の開催に向けて現在地元の知事、また地元の水没地の町長さんも全力を挙げていただいておるところでございまして、その行方を見守るということで一時休止という形にさせていただいております。また、矢田ダムにつきましても、治水上の機能あるいは渇水対策上の機能、これをどう確保できるかということをこれから鋭意検討したい、そういう意味合いでこの矢田ダムについては一時休止、一時的と申しますか休止状態という形で取り扱わせていただいているものでございます。  いずれにいたしましても、治水上、利水上の代替機能が、代替案が見つかるかどうかというところが一番大きな点でございまして、私どもとしてもこれから全力を挙げてまいりたいと考えておるところでございます。
  45. 谷本巍

    ○谷本巍君 繰り返しますけれども、これは地元自治体と住民の強い反対があるんです。そういうふうな状況のもとでありますから、単なる休止じゃなくて、きちんと中止も含めた検討をするというぐあいにお答えいただきたいが、いかがですか。
  46. 尾田栄章

    説明員(尾田栄章君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、水没地におきましては確かに強い反対がございます。一方、下流の受益地におきましては、治水対策上あるいは渇水対策上強いこれまたダム要望があるのも事実でございます。そういう中でどういう案が見つかるか、鋭意努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
  47. 谷本巍

    ○谷本巍君 この問題だけにかかわっておったんじゃ最後に総理に伺いたいことが時間がなくなってしまいますので、これはまた別途譲りたいと存じます。  総理に伺いたいのは、国土交通省創設と関連してのことであります。  行政改革会議の最終報告は、建設省と運輸省と国土庁、北海道開発庁の四省庁を統合して国土交通省を創設するとしております。この省は、公共事業予算の実に八割を所管するというようなことから、巨大にしてかなり権力集中度の強い官庁ということになりはしないかと心配する声が上がっております。行政改革会議は、各省庁間の事業の重複や配分比率の固定化を避けるために公共事業官庁の一本化を図ったと、こう言っているわけであります。  そこで、総理に伺いたいのは以下二点であります。  まず第一点は、四つの省庁の統合はそれぞれの歴史を持った官庁なのでありまして、これも超大型合併だけに、どうしても寄り合い世帯的な性格というのが長く続いていく可能性があり得るのではないかと思います。これは、企業の場合でも団体の合同の場合でもやっぱりどうしてもそういう状況が生ずるんです。となりますというと、行政改革会議が意図した事業配分比率の固定化などを避けて効率性を確保するというのはなかなか大変なことだなという気がするのでありますが、その点についての総理の御所見を伺いたいということが一つであります。  それからもう一つ伺いたいのは、公共事業の配分比率が変わらぬことの原因の一つに、揮発油税等が道路建設の特定財源となっているといったようなことが響いているという指摘がございます。またさらに、最終報告も強調しておりますように、地方自治体との分担それから権限の移譲、これはやっぱり重視していかなければなりません。権力集中化した巨大型官庁という印象を避けていくのには、そこがどうやら決定的なものになってくるのではないかと思うのですが、その点、総理はどうお考えでしょうか。
  48. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 今議員から、国土交通省が大きくなり過ぎるんじゃないか、公共事業の重複や予算配分比率が見直せるのかという御指摘がありました。  これはまさに私は積極的に取り組まなきゃいけない課題だと思っておりますけれども、最終報告でも指摘しておりますように、計画などにおける決定過程などの客観化、明確化、あるいは事業の優先順位をつけるための費用対効果分析の計量化、こうしたことを図ることによっての公共事業の見直しの実効性を担保するというものが一つお答えとして申し上げられると思います。  同時に、国土交通省のブロック単位の地方支分部局として、仮称でありますけれども、それぞれのブロックに地方整備局をつくります。そして、この地方整備局に予算の一括計上、公共事業執行権等を与えてしまう。同時に、その地方計画の策定などに必要な調査とか計画案の調整、こうした業務をここに与えてしまう。例えば今、北海道開発局あるいは沖縄総合事務局の行っている事業に世の中の御批判はないと思うんです。それと同じような形に変えていくということは、私はむしろこれを生かして活用できるという意味で前進をするのではなかろうか、そのように考えております。  また、自動車重量税等道路特定財源についてのお話がございましたけれども、これはまさに受益者負担などの考え方でスタートをしたものでありますし、道路整備に対する強いニーズにこたえるために、一般財源や有料道路制度による借入金の活用に加えて道路整備に要する財源確保に配意して今の水準が決められている。その意味では、現在の厳しい財政事情のもとにおきましても緊急かつ計画的な道路整備の安定的な財源を確保する、そういった役割というものが非常に大きいと思うんです。  当然ながら、こうした問題について我々は閣議の中で、公共投資予算全体が抑制されます中において引き続き国民に適切な税負担をお願いしながら、どういうふうにすれば受益者負担の観点に立った道路関係社会資本への活用など、集中改革期間における従来の取り扱い等の見直しについて総合的な観点から検討するという方向を決めており、この閣議決定を踏まえて、予算編成過程の中で検討を行っておるところでございます。  今まさに、最後に地方への権限の移譲のお話がございましたけれども、これは補助金などの整理縮小あるいは統合・メニュー化、地方支分部局への権限の移譲の積極的な進め方、そうした中で私はやはり地方が創意工夫をされる、選択をなされる、真に必要な事業を選べるようにする、そうした努力はしていくものだと考えております。
  49. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 総理は、午前中、二兆円規模の減税を発表されました。減税そのものは当然だと思いますけれども、所得税減税をやられる際に、この間九兆円の負担で大変苦しんでいる庶民のための減税、庶民に手厚い減税の方向をと願うものですけれども、その点まずお伺いしたいと思います。
  50. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 減税というものの性格上、この効果というものは税を負担しておられる方々に対して返るものであって、その限りにおいて、当然ながら私は国民一般大衆の中で租税を負担される方々にこの仕組みはお返しをするもの、そのように思いますし、議員から多分次におっしゃるのではないかと思いますけれども、そうした所得税を負担しておられない社会的に弱い立場の方々に対する対策というものは別途既に大蔵大臣も考えておられます。
  51. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 その大蔵大臣の案というのはどういうものでしょうか。簡潔で結構ですが、方向とか。
  52. 三塚博

    国務大臣(三塚博君) 御案内のとおり、今編成期にございます。昨日の閣議におきまして、二十日内示、原案明示、そういうことで二十五日には予算編成を終えようということで、各省からお出しをいただきましたそれぞれの項目について担当主計局が真剣な政策論議を交わしておるところでございます。
  53. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 総理にお尋ねしますけれども、減税の際の財源なんですが、総理は基本的に特例公債と言われました。この問題ですけれども、財政構造改革法案の審議のときにあれだけ、歳出を抑え、そして赤字国債を減らす、聖域はない、そう言っておられたわけですが、例えばこの法律の執行のために、おとといですけれども、医療分野で四千二百億円の圧縮の厚生省案が示されるということがありました。  決然したと言われるわけですけれども、財革法との関連、とりわけ西暦二〇〇三年度までに赤字国債発行をゼロにするという財政構造改革法との関連についてどう考えられるでしょうか。
  54. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 減税がいかぬとおっしゃるわけじゃないんですね。減税必要性は認めた上での御質問でございますね。(「認めている」と呼ぶ者あり)認めていただいている。ありがとうございます。一発言する者あり)いやいや、共産党にかわって御答弁をいただきまして恐縮です。  当然ながら、補正予算の編成過程の中で検討していくことですけれども、基本的には特例公債によらざるを得ないだろうと、私は確かに記者会見でそのとおりに申したことであります。そして、財政構造改革は、これからもどんなことがあってもこれはやり遂げなきゃならない重要課題なんです。同時に、今この状況を考えるときに、思い切った手を打たなきゃならない、そういう思いで特別減税の実施を決意いたしましたと先ほどお答えをしたとおりです。
  55. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 その辺で、関連がどうなるのかなというその辺で疑問が残るわけですけれども、そのことにも関連して、十兆円の国債問題について伺いたいと思うのです。  この問題で、端的に言いまして、財政法上これが建設国債でない限りどう言おうと結局は赤字国債になると思うんです。法施行前というわけですけれども、赤字削減を取りますことになるんじゃないかという、そういう批判とか論評というのがマスコミにも出ております。私も将来は結局は国民の負担になっていくのではないかということを思うわけです。  この十兆円の国債、いろんな名前がついて言われていますけれども、財政法上やはり結局は赤字国債になるんじゃないか、私はそう思いますが、その点はいかがお考えでしょうか。
  56. 寺澤辰麿

    説明員(寺澤辰麿君) お答えを申し上げます。  御指摘の国債については、今事務的に検討しているところでございますが、委員の御質問との関係で申し上げますと、この国債は国庫に収入が入ってくるようなものではございません。したがいまして、御指摘の建設公債とか特例公債といった歳入国債ではないということが一つ申し上げられるかもしれません。国債を拠出することで現金にかえて、いわば要求払い債権ということでございます。それが一つの点でございます。  もう一つ、発行権限が特別立法により与えられるものでございますので、一般会計の歳出の財源に充てられるものではございません。財政構造改革法における特例公債とはその意味で違うということでございます。
  57. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 財政法の四条から見ても、建設国債でないもの、これは結局は赤字国債になる。大きく分けていろんな名前がついておりますけれども、私はそう思うんです。今当局が言われたけれども、結局もともと赤字国債の返済財源であるNTT株売却益を当てにしているとか、そういうことからいってもやはりこれは結局は国民の負担になる、このことを述べておきたいと思うんです。  きょうの東京新聞なんですが、そういうことについて、財政再建との矛盾をなくすためにそういう仕掛けをつくったんじゃないかということを言って、その中で、「法の盲点を突いた案と言える。抜け道を掘り出すような為政者の姿勢はかえって法の不備に対する国民不信を助長しかねない。」、「国民だまし」だ、そういうことまで書いているんです。  私は、こういう批判に対して総理はどうお答えになるのか、お伺いしたいと思います。
  58. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 大変恐縮ですが、私はその新聞記事を読んでおりませんので、記事に対してどうこうと申し上げるつもりはありません。  その上で、国際機関に対する払い込み、これはまさにこのような形で行われるものです。そういうやり方を何か法の抜け道と言われますならば、例えば世銀とかIMFの増資のときに我々が行っていることは違法なんでしょうか。違法ではないと思います。同じです。
  59. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 財革法の議論があって、そして財政赤字、これをいかに減らすかという議論の後でこういうことが出されてきたということをやはり批判されているんだと私は思いますし、私もその点を非常に重大だと思っております。  もう一つお伺いしたいんですけれども、この十兆円の国債の問題ですが、金融優先株を公的資金で購入する、こういうことがその中で言われておりますけれども、これはまさに金融業救済のためのそういうことにもなってくる。そうすると、結局国債は発行する、そして何のためかというと財政破綻のそうした金融機関を救うためになってしまう。これは結局、原因とか問題点、これを明らかにする前に経営破綻の問題でこういう経営者を救ってしまう、モラルハザードを招く、そういう批判も非常に強いわけです。  私はその点で、やはりモラルハザードを招くのではないか、そういうことを痛感するわけですし、また同時にこのことは企業倫理を堕落させる。行政が不良債権の処理まで面倒を見てしまう、そうしたことが結局はこれまで批判されてきた護送船団行政と言われるそうした方向を助長するものではないかと感じるわけですけれども、その点をお伺いいたします。
  60. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 既に護送船団方式ではなくなっておりますから、金融機関の破綻が目立っております。  その上で、例えば北拓の破綻の後にその北海道部分を北洋銀行が引き受け、道内のお客様に迷惑をかけないという体制をとりました。しかし、当然ながら規模の小さい北洋銀行がこれを受けとめるためには何らかの手当てが必要であります。そういう場合を完全に無視できるのか。同時に、まさに救いようのないようなものにまで手を差し伸べるのか。まさにそこが問題であり、何でもかんでも救っちゃうんだと言ったら、これはあなたのおっしゃるとおりでしょう。  しかし、連鎖倒産等を考え、地域経済への影響を考え、北拓の場合でも御承知のようなスキームが用意をされました。そうしたものが健全にワークするための対応策というものを国としても考えておくことが不必要なものだとは私は思いません。
  61. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 時間ですので、終わります。
  62. 椎名素夫

    ○椎名素夫君 総理には本当に毎日お疲れさまです。非常に時間が短いので、釈迦に説法とは思いますが、私は、きょうは政府のアカウンタビリティーということに関して私の考えを申し上げて、ひとつ御所感を伺いたいと思います。  今の改革のゴールというのは、ビッグバンのときにも言われておりますが、フリー、フェア、グローバルということで、まことにこれはもう我々が達成しなければならないゴールだと思います一が、同時に、それを達成するプロセスの中でもこの三原則というのは刻々と守らなければいけないと思うわけです。特にフェアの点、これをきちっとやっていかないと、国民の信頼を持った構造改革というのはできない。そういう意味で政府のアカウンタビリティーというのが非常に私は重要になると考えております。  ビッグバンの後、日本の構造改革ができ上がる形をとったときには、家計企業もこれは全部、全部というか自己責任という範囲でやれということが非常に強調されているわけです。しかし、考えてみると、自由なマーケットの中での自己責任ということを言うためには、マーケットが資源の最適配分に近い状態に少なくともなっていなきゃいかぬ。そういう意味からいうと、今の日本のマーケットというのは必ずしもそうなっていない、幾分それからほど遠いところがあると私は思います。極端に言えば、いわば不適正な配分による被害に目をつぶってしまってはいけないというのが私の考え方であります。  ここで、ちょっとバブルの時期の幾つかの数を挙げたいと思いますが、一九八六年に日本の国土面積は世界の〇・三%、人口は二・五%、これに対して日本のGNPは三百五十兆円です。これは世界の一六%。ところが、同じ一九八六年、日本の株式の時価総額が世界の四四%、土地は六〇%というような非常に異常な状態でした。  さらに見ると、次の年、一九八七年ですが、この一年間での土地価格の値上がりが四百十六兆円。同じ年のGNPは三百五十兆円です。この年にアメリカの国土の価格というのは四百十四兆円で、日本の一年の値上がりの方が大きかった。まさに異常な状態だったわけです。  これはこの一、二年だけでなしに、一九八九年までの四年間で土地資産が増加した額というのは千百三十兆円に上っております。この四年間のGNPは約千五百兆円、そして税収の総額は三百十兆円、GNPの約二〇%がこの税収の総額になっている。ところが、この三百十兆円の税金のうち、土地の固定資産税は八兆五千億、税収の三%にしかなっていないという数があります。したがって、税金の九七%というのはGNPに寄与するような正常な経済活動で稼ぎ出したところから負担をされたという勘定になります。もっともこの中には、少し減らさなきゃいけないんですが、バブルに関連してふえた所得というのがありますから、それが幾分寄与していることはありますが、ざっと見ると九〇%以上はそういうようなことになっている。  普通、正常な経済活動で資産をふやそうと思いますと、これは所得なり会社で言えば収益の中から取り分けて貯蓄に回すという以外、それを積み上げていく以外資産の形成というのはないわけですけれども、それを逆算して考えますと、千百三十兆円の土地値上がりによる資産形成というのがこの四年間で行われた。これを普通の経済活動で積み上げようと思ったら、所得なり収益なりの二〇%と考えると、この間に五千六百兆円の所得が必要であったということになりますね。それに対して納めた税金が十兆円弱であるということになるわけです。  この過程で、非常に少数の個人とそれから大きな土地を保有する企業あるいは金融機関がその所得や収益とは比較にならないほどの資産を形成した。大多数の国民、特に勤労者は税金の大半を先ほど申し上げたように負担した上に、高い住宅取得のためにローンを負担するというようなことをやり、購買力も圧縮された。また、こういうことが日本経済全体のコスト高の構造の要因になったということも見逃すことはできないと思います。  今金融システム中心としていろいろな混乱が起こっておりますが、こういうふうに見てみると、国民の大半が営々として築いてきたGNPの世界とは別の、国民経済計算の中では調整勘定ということであらわされておりますけれども、その中で起きたことであって、その調整勘定の世界でこぶができてつぶれて、その過程で起きた後遺症に国民全体が巻き込まれているということが言えるだろうと思うんです。  これは、今バブルのときのことだけを申しましたけれども、もともと昭和三十年代からずっと始まっていることでありまして、いわゆる土地本位制というのがある、これは私は直していくべき日本の病弊だと考えております。家計とかあるいは企業というものには選択の余地がない、政策の面での間違いがあった場合にはその被害をこうむる。それを無視して、あとは自己責任だといって突っ放してしまうというのはやっぱりやっちゃいけない。この認識をきちっと持っていただくということが私は政府のアカウンタビリティーというものだろうと思うんです。  私も、バブルの時期には自民党におりまして、政務調査会におりまして、幾分こういうことに加担したというようなことだと思うんですが、いわば善良な管理者の注意義務を怠ったという気がいたします。その悔恨の念も込めて総理にぜひその点をお考え願いたい、これが私の申し上げたいことでありますが、御所感を伺わせていただきたいと思います。
  63. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 非常にお答えしにくい御質問でありますけれども、やっぱり自己責任原則というものが将来必ず我が国にとっても必要なものだ。そして、その自己責任のもとで、個人でありましても企業でありましてもその創造力が十分に発揮される、そのためには市場メカニズムというものが十分に働くように、その阻害要因になるものは取り除いていかなければならない。これは規制緩和でありましたり、競争阻害的な施策、商慣行といったものも含まれるでしょう。こういうものも是正しながら、どうやれば個人あるいは企業の自由な活動を確保できる環境をつくれるか。そしてその場合に、経済の効率性と公正性をいかに確保していくか。これは私は大変大事なことであると思いますし、できる限りその明確なルールを定める、ルール違反に対して厳しく対応するということがやはり必要になるんだと思います。  その上で、そういう状態を考えましたときに、今まさにアカウンタビリティーということから議員は話を始められましたけれども、日本銀行も含めまして広い意味での政府部門の役割、それを考えましたときに、マクロ的な経済運営、議員の御指摘に即して申し上げるなら、バブルと言われた異常な価格形成が広範囲に生ずることがないように努める必要がある、そういう責任がある。  そして、そういう点に欠けた部分はなかったかと言われるなら、議員も内心自民党在籍時代にという言葉を使われましたけれども、そういった点で我々も考えるべきものを持たないと申し上げる勇気はありません。ただ同時に、余りそうしたところからの議論が行き過ぎて自由な活動を阻害してはならないということもこれは留意が要るんだと思うんです。  これから先、構造改革というものが進んでまいりました後の経済社会の姿、あるいはその経済システムのあり方というものをどうすれば国民にわかりやすい形でお示しをすることができるか。これは本当に大事なことなんですけれども、現在、経済審議会でも調査、審議を進めていただいております。こうした中から、将来展望というものに対してより明確な姿を描きながら国民我が国経済に対する信頼を取り戻していくべき、多少議員の御意見にそれる部分がありますけれども、そのように思います。
  64. 椎名素夫

    ○椎名素夫君 ありがとうございました。
  65. 栗原君子

    ○栗原君子君 新社会党・平和連合の栗原君子でございます。  私は、旧日本軍の七三一部隊につきましてお尋ねをいたします。  七三一部隊を中心に、旧日本軍の細菌戦部隊は生体実験によって開発した細菌兵器、ペスト菌あるいはコレラ菌などを空中や地上で散布し、中国各地で数万の人々に被害を及ぼしたとされています。  一例を挙げますと、一九四〇年、浙江省の衢州、寧波、一九四一年、湖南省の常徳、一九四二年、河北省の中部地域で非人道的な細菌戦を展開しました。特に、漸江省の義烏市郊外の崇山村では三百八十九人がペスト菌で死亡したということも言われておりまして、その生存者もいらっしゃるということでございます。  日本政府は、第二次大戦における中国での細菌戦の事実を認め、改めて中国に謝罪すべきであると思いますけれども、総理認識をお伺いいたします。九七年八月二十九日、最高裁は七三一部隊についての記述を教科書から削除したことは憲法違反という判決を下しているところでもございます。いかがでしょうか。
  66. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) いわゆる七三一部隊、正確には関東軍防疫給水部というものにつきまして、従来からさまざまな報道がなされておることは承知をいたしております。  同時に、議員御記憶のように、ちょうど敗戦後五十年の折、当時の村山内閣総理大臣から、過去の戦争における我が国の行為が多くの人々に対し耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたという深い反省の上に立っておわびを申し上げると、国家として謝罪の意を表明したこと、御承知のとおりでございます。
  67. 栗原君子

    ○栗原君子君 いわゆるバッチャー証言と言われておりますことについてお尋ねをしたいと思います。  戦後、アメリカは、七三一部隊幹部の戦犯免責と引きかえに七三一部隊と細菌戦関連の資料を一括して入手いたしましたが、ジョン・H・バッチャー陸軍記録管理部長は、一九八六年九月十七日、アメリカの下院復員軍人問題委員会補償・年金・保障小委員会の公聴会において、七三一関連文書は一九五〇年代末か六〇年代初めに箱詰めにして日本に送り返した、なぜなら言葉の問題を克服するのが我々には非常に困難だったからであると証言し、ダグラス・マッカーサーに返したのかとの問いに対して、いいえ、我々はそれを日本政府に返したと答え、それはまだ存在していると私は確信していると述べております。  そこで、朝日新聞の調査では、一九八六年九月十九日によると、それらの資料は日本に返却後、最初、外務省復員局に入り、次に防衛庁が設置された際に外務省から防衛庁に移され、戦史室の開設に伴い戦史室に移されたことが明らかにされた。  これらの資料は現在どこに所蔵しているのか。細菌戦被害の事実を明らかにするためにこれらの資料の公開をするべきではないかと考えますけれども、どこにあるのでございましょうか。(発言する者あり)
  68. 佐藤謙

    説明員(佐藤謙君) お答えします。  防衛庁におきましては、昭和三十三年に米国が押収した旧軍資料の返還を受けまして、戦史に関する調査研究に資するために防衛研究所におきまして約四万件の資料を保存しておりますが、この中には、御指摘のいわゆる七三一部隊、正式名称は関東軍防疫給水部、これの活動状況や当該部隊と細菌戦の関連を示すような資料は存在しないと承知しております。  ただ、この返還資料の中で、関東軍の部隊改編等を示す資料の中にこの関東軍防疫給水部に係る記述がなされているものが合計四件確認されておりますけれども、当該部隊の活動状況や細菌戦との関連を示すものではございません。  いずれにしましても、この返還資料につきましては、プライバシーに配慮した上で、原則として公開しているところでございます。
  69. 栗原君子

    ○栗原君子君 昔のことだ昔のことだというような声が聞こえておりますけれども、決して昔のことにはなっていないんです。現在もずっと引きずっていることがあるということを御承知いただきたいと思います。  これは、浙江省の社会科学院の歴史研究所にも、これらにかかわる資料、四二年の十一月十六日あるいは十九日にどういったことがあったかという、こうした資料が現在も保存されているわけでございます。それとあわせまして、ことし、九七年八月十一日でございますけれども、この細菌戦による生存者とさらには死亡者の遺族が百八名、日本政府に対して損害賠償を求めて訴えを起こしているところでもございます。日本が無関心でいるということは道義的にも法的にも許されることではないと思いますけれども、もう一度御答弁お願いいたします。総理、いかがですか。
  70. 佐藤謙

    説明員(佐藤謙君) 資料の点につきましては先ほど御報告したところでございますけれども、今先生からお話がございましたような七三一部隊について従来からいろいろな報道がなされていたことは承知しているところでございます。  過去の戦争におきまして、我が国の行為が多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたとの深い反省に立って、平和のために力を尽くしていきたい、かように我が国としては考えているところでございます。
  71. 栗原君子

    ○栗原君子君 バッチャー証言をここに持っておりますけれども、この記述されているところを読みましても、確かに日本政府に返したということを言っておるわけでございます。返したものならば、受け取ったという受取証のようなもの、そうしたナンバーなどはあるのではないかと思いますけれども、お調べになったことはございますか。
  72. 佐藤謙

    説明員(佐藤謙君) この七三一部隊の具体的な活動状況につきまして、昭和五十七年当時、国会で御質問がありました際に、防衛庁としてこれに関する資料につきまして調査いたしましたけれども、そのような資料は保管していないというふうにお答えを申し上げたところでございます。  また、米議会証言に基づく関係でございますけれども、御指摘の米議会証言が、先ほどの公聴会における証言でございますけれども、同証言では米国が七三一部隊に関する資料であることを確認した上で日本側に返還した旨を述べているわけではないものと私どもは承知しております。
  73. 栗原君子

    ○栗原君子君 いずれにせよ、資料の公開の申請があった場合には公開をしていただけるわけですね。
  74. 佐藤謙

    説明員(佐藤謙君) 先ほども申しましたように、返還を受けました資料につきましては、プライバシーに配慮した上で、原則として公開をしているところでございます。
  75. 栗原君子

    ○栗原君子君 総理に最後にお伺いをいたします。  戦後五十二年たちましてまだまだ戦後は終わっていない部分が余りにも多いわけでございますけれども、これらにつきまして政府としてどういう形で中国の人たちあるいはまたアジアの人たちに返していくのか、もう一度最後に御決意を伺いたいと存じます。
  76. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 先ほど、冒頭の御質問に対し、村山内閣当時、敗戦五十年という節目におきまして公表いたしました内閣総理大臣談話が公式のものとして申し上げました。そして、これにかかわりました閣僚の一人として、当然ながらこの考え方を継続していくことは私どもの役割であります。  その上で、例えば、中国にはまだ我が国が責任を持って処理しなければならないガスを発生せしめる砲弾の問題等残っておる問題がございます。また、我が国の中におきましても、硫黄島においてなお地下陣地等が発掘をされ遺骨が収集されておる状況にあります。海外におきましても同様の問題はございますし、今おとなう方もほとんどおられない旧軍の墓地もございます。また逆に、日本軍によって犠牲となられた方々の墓地等もございます。そして、それらは必ずしも万全に管理されておるものばかりではございません。  先般、クラスノヤルスクに参りました折にも、ここはかつて日本軍の兵士の方々が捕虜として収容所暮らしをされ、相当多くの死亡者を出したところでありますが、その方々に対する墓地が非常に立派にロシアの市民の方々の手によって管理をされているのを参拝して私は大変ありがたく感じました。同時に、第二次大戦におけるクラスノヤルスク地域だけのロシア軍の、当時は旧ソ連軍でありますけれども、死没者の数がいかに膨大であったかも、その記念館を見せていただき、改めて戦争の悲惨さというものを思い起こしてまいりました。  未解決の問題と言われますならば、お互いの心の整理をも含め問題はなお残っております。そして、それぞれに万全の答えを出し切れる日があるのかないのか。殊に、心の中に残る部分につきましてはその日取りを定めることはなかなか困難でありましょうけれども、私どもはいずれにしても、二度と再び戦争というものに我々が参加をし、他の民族を殺傷する武器を持つということだけはない日本をつくりたい、その気持ちはだれ一大変わらないんじゃないでしょうか。
  77. 栗原君子

    ○栗原君子君 終わります。     —————————————
  78. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、海老原義彦君が委員を辞任され、その補欠として平田耕一君が選任されました。     —————————————
  79. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 他に御発言もなければ、平成七年度決算外二件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 御異議ないと認めます。  橋本内閣総理大臣は、御退席いただいて結構です。  これより平成七年度決算外二件について討論に入ります。  平成七年度決算の議決案はお手元に配付のとおりでございます。  それでは、そのうち内閣に対する警告について、案文を朗読いたします。     内閣に対し、次のとおり警告する。  (一) 我が国財政は,平成七年度末公債残高が二百二十五兆円に上るなど、極めて厳しい状況にある中で、財政構造改革が喫緊の課題とされており、とりわけ多額の資金と長期間を要する公共事業について、その効率的・効果的実施必要性指摘されている。    政府は、公共事業の実施に当たっては、事前の費用対効果分析の活用や事業実施後における事業効果の評価等により効率的な整備推進し、社会経済情勢の変化等に対応した必要な見直しを行うことを検討するとともに、財政構造改革観点から、こうした事業の実施状況等を踏まえ、公共事業予算重点化効率化に向けて一層努力すべきである。  (二) 平成七年十二月に高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故が発生し、また、九年三月に東海事業所アスファルト固化処理施設の火災爆発事故、同年四月に新型転換炉「ふげん」発電所の重水精製装置において重水漏えい事故が発生するなど、動力炉・核燃料開発事業団の原子力施設における事故が相次ぎ、しかも、「もんじゅ」事故の教訓が生かされないまま、事故発生後の通報の遅れ、情報の隠ぺい、虚偽報告等が行われたことは、極めて遺憾である。    政府は、同事業団の一連の事故及び事故後の不適切な対応我が国の原子力行政に対する国民の信頼を大きく損なったことを厳しく受け止め、事故の再発防止に万全を期するとともに、情報公開の徹底、安全性に関する職員の意識改革、責任体制が明確な組織の構築など今後の「動燃改革」に全力を尽くすべきである。  (三) 動力炉・核燃料開発事業団において、東海事業所のウラン廃棄物貯蔵施設の管理が長期にわたり不適切であり、安全確保のための抜本的対策が講じられなかったのみならず、平成七年度以降の同施設の改修費に関して、業務の実態を反映しない予算要求が連年行われ、政府において、同施設の改修費の執行状況等を十分把握していなかったことは、遺憾である。    政府は、同事業団に対して業務の実態を反映した予算要求と適切な予算執行を行うよう指導するとともに、ウラン廃棄物の安全管理に万全を期するべきである。  (四) 国有林野事業は、昭和五十三年度以降三次にわたる改善計画にもかかわらず収支は好転せず、平成三年度から実施された第四次改善計画においても、三年度以降八年度まで毎年度一千億円を超える損失を計上し、現行改善計画の目標である十二年度における経常事業部門の収支均衡の達成が困難な状況となっていることは、遺憾である。    政府は、現下の極めて厳しい財政状況にかんがみ、組織機構の簡素化、要員の縮減等による経営改善努力を更に徹底するとともに、国土保全、環境保全等森林が有する公益的機能重要性を踏まえ、国有林野事業抜本的改革に取り組むべきである。  (五) 知的障害者を雇用する事業所の一部において、知的障害者に対する暴行・傷害等の人権侵害事件や雇用に係る助成金の不正受給事件が発生し、しかも、これら障害者雇用をめぐる人権侵害等の早期発見とその後の措置に関する行政対応が必ずしも十分でなかったことは、遺憾である。    政府は、障害者を雇用する事業主及び障害者に対する就職後の助言や指導を今後一層充実するとともに、公共職業安定所と福祉機関、教育機関、労働基準監督機関及び人権擁護機関等の関係機関並びに関係団体との地域レベルにおける連携を更に強化し、障害者雇用に関する幅広い情報交換を行って、知的障害者に係るこの種事件の再発防止と人権擁護に万全を期するべきである。  (六) 首都高速道路公団が、指名競争入札又は公募型指名競争入札の方法により発注した建築工事について、いわゆる入札談合が行われ、しかも、これを同公団の職員が誘発・助長していたことが、公正取引委員会平成九年六月の排除勧告により明らかになったことは、遺憾である。    政府は、公共工事の入札・契約手続について、新たな入札方式の導入を含む種々の改革を進めてきたにもかかわらず、再びこのような事件が発生したことを厳しく受け止め、同公団に対し、入札における公正・自由な競争の確保、工事発注に係る情報管理の徹底等の改善措置を着実に実行させるなど、この種事件の根絶に向けて一層努力すべきである。  以上でございます。  それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  81. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表し、一九九五年度の一般会計歳入歳出決算特別会計歳入歳出決算国税収納金整理資金受払計算書政府関係機関決算書国有財産増減及び現在額総計算書内閣に対する警告議決案は是認せず、国有財産無償貸付状況計算書に是認の立場から討論いたします。  一九九五年度当初予算は、軍事と大企業に手厚く、国民生活には木枯らしを吹かせるものであり、同時に財政破綻を拡大し、そのツケを国民に回すものでした。日本共産党国会議員団は、九五年二月十四日、阪神大震災の復興事業は増税や国債の増発ではなく、一九九五年度予算本体の組み替えで実施すべきであるという日本共産党の予算組み替え提案を発表し、戦後最悪の大惨事が生じ、その救援、復興のために国家財政が大きな責任を果たさなければならない以上、予算案を洗い直して不要不急の経費を削り、財源を生み出す努力を行うことが必要であるとして、速やかな予算案の抜本的組み替えを要求しました。  是認しない第一の理由は、阪神大震災による戦後最悪の被害に対して、政府がみずから言明していた補正措置という実質組み替えで対応するとの答弁を拒否し、当初予算に全く触れず補正で経費を単に国債増発で上積みしただけの全く不十分な内容だったからです。  第二の理由は、世界第二位の軍事費をさらに増額した軍拡予算であるからです。前年比一・八%増の四兆七千億円とし、在日米軍経費は六千億円を超え、そのうち思いやり予算は前年比八・四%増の二千七百十四億円となっています。阪神大震災の被害の深刻さを目の当たりにして、この分野への支出が国民の生命、安全の確保に反するものであることは、一両十億円する九〇式戦車を二十台購入するが、この支出を削れば耐火防水貯水槽四千五百二十基分の補助金が計上できることからも明らかです。  第三の理由は、思想・信条の自由を踏みにじる憲法違反の政党助成金を三百九億円初めて計上したからです。被災者に筆舌に尽くせない苦しみを負わせているときに、政党がぬくぬくと巨額の助成金を受け取ることは許されません。しかも、災害対策を口実に増税とか赤字国債の発行を口にしながら、国民の税金から助成金を受け取ることは二重三重に問題があります。  第四は、膨大な財政赤字を、巨額の国債を発行、借金返済のための支払いを中止するなどの新たな隠れ借金で埋め合わせ、また地方への負担押しつけによって当面を糊塗するなど、財政運営に対する無責任さの点でも戦後類を見ないものです。九五年度末の国債発行残高は二百二十五兆円となり、財政危機を一層深刻化させています。  三次にわたる九五年度補正予算は、過去五回、総額四十八兆円もの経済対策を行いながら、景気が回復しなかったことに対する総括、反省もなしに従来型の対策を惰性的に拡大するものであり、未曾有の財政赤字、財政破綻、消費税の大増税に道を開き、国民に新たな負担、犠牲を強いるものになるからです。  国有財産増減及び現在額総計算書については、国有財産の総増加額のうち、政府出資等を除き二七%に当たる三兆九千億円が主として防衛庁、防衛施設庁が占める総理府所管であり、また所有物品総額の五二%、五兆八千億円が防衛関係物品で、これは前年比三千六百四十億円の増と軍事費の顕著な突出であり、このような国有財産管理あり方を示す本計算書を認めることはできません。  国有財産無償貸付状況計算書については、無償貸し付けされた国有地の中に過去の侵略戦争を賛美する碑が一九八二年七月から建立されるなど、管理運用の一部に重大な疑義が残されたままとなっている問題があり、こうした点についてまで賛成するものではありませんが、国有財産を公園、緑地等に使用する目的で地方公共団体に無償で貸し付ける制度の意義を認め、全体としては是認いたします。  次に、内閣に対する警告議決案についての我が党の態度を申し上げます。  そもそも警告議決は、従来から各党の意見、主張を十分にくみ上げる努力をし、一致できる内容で決議してきました。こうしてこそ、政府に対し重みを持つ警告議決になるのであります。しかるに、今回の議決案はこれまでの慣例に反し、理事会での検討や全会一致の案文をつくるための努力や案文への意見に対する取り上げ方等について全会派の一致を目指す努力が十分とは言えず、全く遺憾であります。  警告案で是認できない部分は、第四項目、国有林野事業の「組織機構の簡素化、要員の縮減等」の部分です。  国有林野事業を発展させるには、労働者全体の直接雇用を維持し、長期的見通しに立った効率的な事業体制整備が求められているからです。こうしたときに、さき指摘した内容を決議することは、出先機関の統廃合と労働者のリストラ、合理化の一層の促進を求めるものであり、国有林野事業の真の発展に逆行するものであります。したがって、賛成できません。  以上で私の討論を終わります。
  82. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕
  83. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 速記を起こしてください。
  84. 鎌田要人

    ○鎌田要人君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成七年度決算外二件に対し、これを是認することに賛成するとともに、委員長御提案の警告案に賛成の意を表明するものであります。  是認に賛成いたします第一の理由は、平成七年度は、当初予算において財政体質の歯どめなき悪化につながりかねない特例公債の発行を回避し、限られた財源の中で資金の重点的、効率的な配分に努め、厳しい財政状況の中でも高齢化や情報化への対応、環境への配慮等、我が国の将来の発展基盤となる分野の経費の確保に努めたことでございます。  是認に賛成する第二の理由は、七年度の経済情勢は、同年一月の阪神・淡路大震災、三月以降の急激な円高等の影響によって一時弱含みで推移したものの、政府が切れ目のない適切な経済運営に努めた結果、景気は緩やかながらも回復の動きを示すようになったことであります。  すなわち、政府は、七年四月に緊急円高・経済対策及び六月に同対策具体化、補強策の決定を行うとともに、円高是正策を講じてまいりました。また九月には、景気回復を確実なものとするため、総事業規模十四兆二千億円に上る過去最大規模の経済対策を決定いたしました。この経済対策は、公共投資等を中心とした内需拡大策、経済構造改革の一層の推進、土地の有効利用の促進など、当時直面しておりました諸課題の早期克服を柱としたものであります。また、阪神・淡路大震災復興関連事業、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策が盛り込まれており、中小企業対策あるいは科学技術、情報通信等にも十分な配慮がなされたものであります。さらに十二月には、西暦二〇〇〇年度までの新しい経済計画、構造改革のための経済社会計画が策定をされました。  こうした施策の効果により、設備投資や住宅投資に明るい動きが見られ、景気は総じて緩やかに好転していったのであります。  是認に賛成する第三の理由は、国民に身近な保健、医療、福祉施策についてきめ細かな配慮を行ったことでございます。  すなわち、従来の高齢者保健福祉推進十カ年戦略を全面的に見直して新ゴールドプランを策定したほか、女性の社会進出に対応した低年齢児保育の充実を初めとする緊急保育対策などを実施し、高齢者介護対策の一層の充実、エイズ、がん、難病対策の総合的推進などの施策を講じることといたしました。  新ゴールドプランは、高齢者介護対策の緊急性にかんがみ、各種高齢者介護サービス基盤の整備目標の引き上げ等を行うとともに、今後取り組むべき高齢者介護サービス基盤の整備に関する施策の基本的枠組みを新たに策定したものであります。七年度から十一年度までの間に、在宅福祉の拡充、老人保健施設の緊急整備等の具体的施策が実施されることとなっております。  以上、決算の是認に賛成する理由を述べてまいりましたが、七年度決算審査を踏まえ、今後の財政運営について一言申し上げたいと存じます。  七年度は、我が国財政の厳しさが一層増大した年であり、政府は、七年度税収の伸び悩みを受けまして、十一月に財政危機宣言を発し、財政は容易ならざる事態に立ち至ったとの認識を示したのであります。  その後も、特例公債の発行等により七年度末の公債残高は約二百二十五兆円に上り、九年度末には二百五十三兆円と見込まれる等、今や我が国財政危機的状況に置かれていると言えるのであります。  こうした状況のもとで、去る十一月二十八日、財政構造改革法が成立し、十五年度の公債依存度を九年度に比べて引き下げることなど、財政構造改革の当面の目標を定め、政府において財政構造改革推進に取り組むこととされておりますが、この財政構造改革によりまして、将来に向けてさらに効率的で信頼できる行政を確立することが望まれております。  決算審査の中では、我が党の委員から、日本育英会の返還金の滞納問題、外国船による重油流出事故、国立病院等の附属看護学校の生徒食糧費の不用、総会屋対策等について質疑がなされ、是正改善を講ずるよう求めたところであります。政府においては、指摘された点も踏まえて、今後の行財政運営において適切な対応を行うよう強く要請しておきます。  最後に、今般、宮崎委員長を初め委員各位の御努力により次年度の政府予算案決定前に七年度の決算審査を終了することができました。政府においては、当決算委員会で取り上げられましたさまざまな質疑警告決議の内容を十分踏まえ、次年度の予算編成に反映させることを要望いたしまして、私の賛成討論といたします。  ありがとうございました。
  85. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、平成七年度一般会計歳入歳出決算平成七年度特別会計歳入歳出決算平成七年度国税収納金整理資金受払計算書平成七年度政府関係機関決算書の採決を行います。  第一に、本件決算は、これを是認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  87. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 多数と認めます。  第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  88. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 多数と認めます。よって、平成七年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決いたしました。  次に、平成七年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。  本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  89. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。  次に、平成七年度国有財産無償貸付状況計算書の採決を行います。  本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  90. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。  なお、これらの案件審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、内閣に対する警告について関係国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。まず、三塚大蔵大臣
  92. 三塚博

    国務大臣(三塚博君) ただいま御決議のありました公共事業予算重点化効率化につきましては、従来から努力を行ってきているところでありますが、六月三日に閣議決定された財政構造改革推進について及び先般成立した財政構造改革推進に関する特別措置法を踏まえ、御決議の趣旨に沿って、今後とも一層努力してまいる所存であります。
  93. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 次に、谷垣科学技術庁長官。
  94. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) ただいま御決議のありました動力炉・核燃料開発事業団に係る事項につきましては、御決議の趣旨を踏まえ、同事業団の抜本的な改革に全力を尽くすとともに、同事業団に対して、現場重視を徹底して適切な指導を行ってまいりたいと存じます。
  95. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 次に、島村農林水産大臣
  96. 島村宜伸

    国務大臣(島村宜伸君) ただいま御決議のありました国有林野事業につきましては、今後、御決議の趣旨を踏まえ、抜本的改革の実現に努力してまいる所存であります。
  97. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 次に、伊吹労働大臣。
  98. 伊吹文明

    国務大臣(伊吹文明君) ただいま御決議のございました知的障害者の雇用に係る事件の再発防止につきましては、関係機関との連携を一層強化いたしまして、行政による指導を行うなど、御決議の趣旨に沿って努力してまいりたいと存じます。
  99. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 次に、瓦建設大臣。
  100. 瓦力

    国務大臣(瓦力君) ただいま御決議のありました首都高速道路公団の発注工事に関する入札契約手続につきましては、御趣旨を踏まえ、同公団において、入札における公正、自由な競争の確保、工事発注に係る情報管理の徹底等の改善措置が着実に行われるよう、今後とも適切な指導を行ってまいる所存であります。
  101. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 以上をもちまして関係国務大臣の発言は終了いたしました。  審査の終了に際しまして、一言ごあいさつを申し上げます。  平成七年度決算は、本年の二月五日に着手し、約十一カ月を経て、本日ここに審査を終了することができました。この間、委員の皆様方には大半が閉会中であったにもかかわらず熱心に審査を進めていただき、また、政府会計検査院政府関係機関等の皆様には格段の御協力をいただいたことに改めて感謝を申し上げる次第であります。  多少早いですが、よきお年をお迎えくださいますように祈念申し上げます。まことにありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十九分散会