○漆原
委員 私は、本年の五月二十八日の法務
委員会で、当時の法務
大臣でございました松浦法務
大臣に
法律扶助のことに関して
質問をさせていただきました。若干その部分を引用したいと思います。
憲法三十二条では「何人も、
裁判所において
裁判を受ける権利を奪はれない。」こう
規定しておりまして、これは、
国民の基本的人権の
一つとして
裁判を受ける権利を保障しておるわけでございます。
しかし、
現実には、
裁判を遂行するためには相当高額な経済的な負担が必要となります。そのために、法的には保護されるべき権利が存在しても、経済的な
理由から訴訟の遂行を断念し、泣き寝入りを余儀なくされるケースが非常に多いというのが実情でございます。これでは、憲法三十二条に保障されている
裁判を受ける権利というのは絵にかいたもちになってしまいます。また、資力のある人は五人でも十人でも弁護士を抱えて
裁判をやっておりますけれ
ども、資力のない人は一人の弁護士に依頼することもできない。これはやはり、法のもとの平等を保障した憲法十四条の精神に反するのではないか、こう考えます。経済的な余裕がない人も安心して
裁判制度を利用できるように、国家がこれを援助していくような制度を確立しなければならないと私は考えております。そして、このような制度が確立されてこそ、日本が本当の
意味で民主主義国家となり、また法治国家になるものと確信しております。
その
意味で、私は、法務
大臣が所信表明で述べられました、「
法律扶助制度は、
国民の
裁判を受ける権利を実質的に保障するために極めて重要なもの」であるというこの御
認識には、高い評価と敬意を表するものでございます。現在、
財政難の折、幾多の障害があろうかと思いますが、どうか松浦法務
大臣の手でこの制度を何としても確立し、なし遂げていただきたい、
こう考えます。改めて、
大臣の御決意をお聞かせいただければありがたいと思います。
こう御
質問申し上げました。法務
大臣はこうお答えされております。
この問題、
委員御
指摘のとおりでございまして、全く同感でございます。いろいろ問題点がたくさんございまするけれ
ども、段階的にこれを乗り越えて、少なくとも来年度にはある程度、先生方によくやったと言われるように
努力をしていきたいという気持ちでいっぱいでおるということを申し上げておきたいと思います。
というふうな御
答弁をいただいておりますが、新しく法務
大臣に就任されました
下稲葉法務大臣に、この
法律扶助に対するお考えと、それから決意をお尋ねしたいと思います。