○原口
委員 この政府行革
会議は、きょう結論を出す。ただ、これは来年の六月まで存続するのですね。
NHKが受信料でその経営が
維持されている、このことをもう一回私
たちは深く考えなければいけない。この制度は、私は、今日極めて正しいし、今後そうあるべきだというふうに
思いますし、
公共放送として、国民の皆様から広く広く受信料をいただくことによって、政府からの距離をしっかりと確保して、言論の自由をあわせて守る、そして
NHKの自主自律、これを担保する、このことに大きな意義があるというふうに思うわけであります。
政府の行革
会議の議事録、こんなに厚いので読むだけでも大変なのですが、この中には、先ほど石崎議員が御指摘のように、郵便事業の国家独占を定めた郵便法五条の削除、郵便貯金を完全自主運営するというようなことも議論をされています。
NHKさんは特殊法人でありますから、本来であればこの行革
会議の対象であるはずであります。その対象であるところのトップがここにお出になって、そして大変国民的議論があるところの郵便事業の議論もこの中でなされている。あるいは、郵便事業だけではありません、国立病院・療養所についての一つの結論も出ています。大変政治的な、右や左あるいはこれを是とするか非とするかという大きな大きな問題がある。
ですから、この行革
会議の問題についての政府・与党の中でもかんかんがくがくの議論があるし、私は、こんなことではだめだ、
郵政省は電気通信政策をやるためにもしっかりと独自性を持つべきだし、先ほどお尋ねがあったように、
総務省の内局の中にこういうものを入れていかがなものかというふうに思うわけでございますが、そういう大変政治的なものの中に
NHKの
会長さんがお入りになっているということを、私は、先ほど
海老沢会長が意識改革というお話をされました。意識改革の一つは、メディア自身が権力である。メディア自身が媒体であるけれども、それはただただ
意見をそのまま伝えるのではない。例えば、
NHKの視聴率が一%上がれば百万人ですかね、二〇%だと二千万人の人がこれを見て、そして
NHKブランドというのは大変国民から信頼を得ている、このトップがある
会議に参画することによってその
会議をオーソライズしてしまう、このことの恐ろしさ。
本
会議の中で、ある議員が大政翼賛というお言葉をお使いになりました。国家の権力とそれにメディアが一緒になってきたときに、私は非常に不幸なことが起こってしまうのじゃないかというふうに思うわけでございますが、この
委員会でも私どもの同僚の河村
委員の質問の中でただされていました。そのことに対して
会長は、一個人としてのお願いだというふうに言われています。
私も、行革
会議の名簿を出してくださいということで、今名簿をいただきました。しかし、ここにはしっかり
NHK会長ということで書いてあるわけですね。また、ここは厳しく、だれもが、一個人としてこれに参加しましたなんということは公人としてはあり得ないことである。
これは、なぜこんなことを言うかというと、メディアの独立性、受信料で成り立っているんだということ。私は、民放のある社長さんがここにお入りになったこと、これと
NHKさんの
会長さんがお入りになったこと、これは同列ではないと思う。民放の
会長さんはそれぞれの営業努力の中で自由に御発言なさって結構だし、政府・与党の行革
会議を支えられる、これも一つの態度でしょう。しかし、受信料で賄われている 例えばある政党の支持の方、国立病院は
維持すべきだと一生懸命運動している
人たちもいらっしゃる、あるいは郵便局は残すべきだ、ネットワークとして二万四千六百のネットワークが大事だと思っておられる方々もおられる。それなのに、こういうものに力をかすということはどう考えても私は納得がいかない。
今の
会長として、前
会長のことをお尋ねするのは非常に忍びないです。しかし、
NHKさんとして、僕は大事な岐路に立っているというふうに
思います。このお答え次第では、私
たちはこの
公共放送に対する態度を変えなければいけないかもわからない。こんな巨大なものが政府のある
審議会の中に入って御発言になるのだったら、分割しなければいかぬという議論が出てくるかもわからない。お答えを待ちます。